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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-28
(45)【発行日】2023-09-05
(54)【発明の名称】無人搬送車用制御装置
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20200101AFI20230829BHJP
【FI】
G05D1/02 G
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020190414
(22)【出願日】2020-11-16
(65)【公開番号】P2022079303
(43)【公開日】2022-05-26
【審査請求日】2023-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】林 隆司
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-137710(JP,A)
【文献】特開2009-181452(JP,A)
【文献】国際公開第2019/059307(WO,A1)
【文献】特開2019-168942(JP,A)
【文献】特開2019-148881(JP,A)
【文献】国際公開第2016/179478(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/026761(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/149274(WO,A1)
【文献】特開2019-139548(JP,A)
【文献】特開2014-2603(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人搬送車を制御するプログラムが記憶された記憶部と、
前記プログラムを実行する演算処理部と、
複数のセンサが電気的に接続される複数の入力ポートと、を備え、
予め定められた走行経路を走行する前記無人搬送車の位置を示すアドレスを確認し、複数の前記アドレスそれぞれにおいて前記無人搬送車に要求される制御を実行する無人搬送車用制御装置であって、
前記記憶部には、
複数の前記アドレスにおいて前記無人搬送車に要求される制御を実行する前記プログラムである基本プログラムと、
前記無人搬送車に複数の制御が要求される前記アドレスである特定アドレスにおいて、前記複数の制御それぞれを実行するための前記基本プログラムのうち2つ以上を所望の順序で実行する前記プログラムであるシーケンスプログラムと、
複数の前記アドレスそれぞれにおける前記無人搬送車に要求される制御がまとめられた一覧表である入力表と、が記憶されており、
前記入力表には、
複数の前記アドレスそれぞれにおいて、前記基本プログラムに紐づけられた第1情報を入力する複数の第1欄と、
前記特定アドレスにおいて、前記シーケンスプログラムに紐づけられた第2情報を入力する第2欄と、
前記特定アドレスにおいて、前記複数の入力ポートのうち前記シーケンスプログラムを実行するために必要な前記センサが電気的に接続される前記入力ポートを指定する第3情報を入力する第3欄と、
前記特定アドレスにおいて、前記第3情報により指定された前記入力ポートから入力される信号の入力論理を指定する第4情報を入力する第4欄と、が設けられ、
前記演算処理部は、
前記無人搬送車が前記特定アドレスに位置し、前記入力表における当該特定アドレスの前記第2欄に前記第2情報が入力されている場合、前記入力論理が前記第4情報により指定された前記入力論理であれば、前記シーケンスプログラムを実行することを特徴とする無人搬送車用制御装置。
【請求項2】
前記特定アドレスの前記第2欄に入力される前記第2情報に紐づけられた前記シーケンスプログラムは、当該特定アドレスの前記第1欄に入力される前記第1情報に紐づけられた前記基本プログラムのうち2つ以上を所望の順序で実行するように予め編集して構成されることを特徴とする請求項1に記載の無人搬送車用制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無人搬送車用制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載される無人搬送車の制御方法が知られている。
上記の無人搬送車には、無人搬送車を制御する制御装置が搭載されている。制御装置は、無人搬送車を制御するプログラムが記憶された記憶部と、プログラムを実行する演算処理部とを備えている。制御装置は、予め定められた走行経路を走行する無人搬送車の位置を示すアドレスを走行経路上に設けられた複数の情報発信部としての磁気テープに基づいて確認している。また、制御装置は、複数のアドレスそれぞれにおいて無人搬送車に要求される制御を実行している。ここで、記憶部には、複数のアドレスそれぞれにおいて無人搬送車に要求される制御の一覧表としてのタスクが記憶されており、制御装置は、当該タスクの指示に基づいて無人搬送車の制御を実行している。
【0003】
上記タスクは、無人搬送車の制御の指定に関して、プログラムの知識がない人でも簡単に設定および変更ができる動作指定方法として、制御を実行すべき場所を示すアドレスと実行すべき制御をマトリクスに示した入力表である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-137710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような無人搬送車を利用する場合、記憶部に記憶され実行できる制御の種類は多いほど便利である。複数の制御が要求されるアドレスにおいて、タスクに制御を追加しようとする場合、複数の制御を所望の順序で実行するシーケンスプログラムとして登録し、該シーケンスプログラムを実行したいアドレスにて該シーケンスプログラムを呼び出し実行することが考えられる。
【0006】
しかし、一般的に無人搬送車を制御するにあたっては複数のセンサが必要になる。複数のセンサは、制御装置に設けられた複数の入力ポートに電気的に接続される。制御装置は、複数のセンサからの信号に基づき無人搬送車を制御する。ここで、複数の制御が要求されるアドレスにおいて、シーケンスプログラムを実行しようとする場合、そのシーケンスプログラムを実行するために必要なセンサが追加されることが考えられる。制御装置に設けられた複数の入力ポートが複数のセンサそれぞれの専用の入力ポートである場合、センサを追加するには制御装置の入力ポートの数を増やす必要がある。すなわち、タスクに追加する制御が増えるほど、入力ポートの数が増えることにより制御装置のコストがあがり、且つ制御装置が大型化する虞がある。
【0007】
さらに、追加する制御の実行を指示するため、追加されたセンサの信号の入力状態を把握するための入力欄を予め増やす必要がある。すなわち、センサ及び入力ポートの数が増えるほど、入力表の入力欄が増える。ひいては、入力表の視認性が悪くなり、制御の全容を把握し難いという問題や、入力表に入力する時間が増えるといった問題が発生する虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する無人搬送車用制御装置は、無人搬送車を制御するプログラムが記憶された記憶部と、前記プログラムを実行する演算処理部と、複数のセンサが電気的に接続される複数の入力ポートと、を備え、予め定められた走行経路を走行する前記無人搬送車の位置を示すアドレスを確認し、複数の前記アドレスそれぞれにおいて前記無人搬送車に要求される制御を実行する無人搬送車用制御装置であって、前記記憶部には、複数の前記アドレスにおいて前記無人搬送車に要求される制御を実行する前記プログラムである基本プログラムと、前記無人搬送車に複数の制御が要求される前記アドレスである特定アドレスにおいて、前記複数の制御それぞれを実行するための前記基本プログラムのうち2つ以上を所望の順序で実行する前記プログラムであるシーケンスプログラムと、複数の前記アドレスそれぞれにおける前記無人搬送車に要求される制御がまとめられた一覧表である入力表と、が記憶されており、前記入力表には、複数の前記アドレスそれぞれにおいて、前記基本プログラムに紐づけられた第1情報を入力する複数の第1欄と、前記特定アドレスにおいて、前記シーケンスプログラムに紐づけられた第2情報を入力する第2欄と、前記特定アドレスにおいて、前記複数の入力ポートのうち前記シーケンスプログラムを実行するために必要な前記センサが電気的に接続される前記入力ポートを指定する第3情報を入力する第3欄と、前記特定アドレスにおいて、前記第3情報により指定された前記入力ポートから入力される信号の入力論理を指定する第4情報を入力する第4欄と、が設けられ、前記演算処理部は、前記無人搬送車が前記特定アドレスに位置し、前記入力表における当該特定アドレスの前記第2欄に前記第2情報が入力されている場合、前記入力論理が前記第4情報により指定された前記入力論理であれば、前記シーケンスプログラムを実行する。
【0009】
これによれば、特定アドレスにおいて無人搬送車に要求される複数の制御が実行される場合、入力表の第2欄に入力される第2情報を書き換えることにより特定アドレスで実行されるシーケンスプログラムが変更できる。すなわち、特定アドレスにおいて、変更された複数の制御の順序で基本プログラムを実行するシーケンスプログラムに紐づけられた第2情報を選択して第2欄に入力するだけで簡易的に複数の制御を実行できる。
【0010】
また、入力表に第3欄が設けられることにより、シーケンスプログラムを実行するために必要なセンサが接続される入力ポートを作業者が指定できる。そのため、複数の入力ポートそれぞれを各センサの専用の入力ポートにする必要がなく、無人搬送車用制御装置のユーザによって、複数のセンサそれぞれを電気的に接続する入力ポートを自由に選択することができる。よって、入力ポートを汎用化でき、使用しないセンサの入力ポートを確保する必要がなく、無人搬送車用制御装置のコスト及び体格の大型化を抑制できる。
【0011】
さらに、入力表に第3欄が設けられることにより、全ての入力ポートを汎用化でき、使用しないセンサの入力ポートを確保する必要がないため、必要以上に入力表に第3欄及び第4欄を増やす必要がなくなる。よって、入力表の視認性を向上させつつ入力表への入力時間を短縮できる。
【0012】
上記の無人搬送車用制御装置において、前記特定アドレスの前記第2欄に入力される前記第2情報に紐づけられた前記シーケンスプログラムは、当該特定アドレスの前記第1欄に入力される前記第1情報に紐づけられた前記基本プログラムのうち2つ以上を所望の順序で実行するように予め編集して構成されるとよい。
【0013】
これによれば、シーケンスプログラム自体が、2つ以上の基本プログラムを予め編集して構成される。そのため、特定アドレスにおいて、シーケンスプログラムが実行されたときに無人搬送車に要求される複数の制御が実行されるまでの応答性が向上する。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、複数の制御を簡易的に実行でき、コスト及び体格の大型化を抑制しつつ、入力表の視認性の向上及び入力表への入力時間の短縮を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】無人搬送車の走行経路を模式的に示す図。
図2】無人搬送車用制御装置の概略図。
図3】第1実施形態における無人搬送車用制御装置の記憶部に記憶された第1入力表を示す図。
図4】無人搬送車の動作を示す概略図。
図5】無人搬送車の動作を示す概略図。
図6】無人搬送車の動作を示す概略図。
図7】第1実施形態における無人搬送車用制御装置の記憶部に記憶された第2入力表を示す図。
図8】無人搬送車の動作を示す概略図。
図9】第2実施形態における無人搬送車用制御装置の記憶部に記憶された第3入力表を示す図。
図10】無人搬送車の動作を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<第1実施形態>
以下、無人搬送車用制御装置を具体化した第1実施形態を図1図8にしたがって説明する。
【0017】
図1に示すように、無人搬送システム100は、無人搬送車20と、管制塔90とを備えている。無人搬送車20は、工場の内部において台車を牽引するために用いられている。工場の内部には、予め定められた走行経路である第1走行経路R1及び第2走行経路R2が設定されている。無人搬送車20は、管制塔90からの指令により第1走行経路R1及び第2走行経路R2のいずれかを走行する。第1走行経路R1の走行距離は、第2走行経路R2の走行距離よりも短い。工場の内部には、複数の無人搬送車20が配備されているが、本実施形態では、説明の便宜上、1台の無人搬送車20のみを図示している。
【0018】
第1走行経路R1は、環状をなしている。第1走行経路R1は、4つの直線形状の直線経路と、コーナをなす4つの湾曲経路と、を有している。4つの直線経路それぞれを第1直線経路Ra、第2直線経路Rb、第3直線経路Rc、第4直線経路Rdとする。第1直線経路Raと第3直線経路Rcとは、互いに同じ長さである。第2直線経路Rbと第4直線経路Rdとは、互いに同じ長さである。第1直線経路Raと第2直線経路Rbとは、1つの湾曲経路を介して接続されるとともに互いに直交している。第2直線経路Rbと第3直線経路Rcとは、1つの湾曲経路を介して接続されるとともに互いに直交している。第3直線経路Rcと第4直線経路Rdとは、1つの湾曲経路を介して接続されるとともに互いに直交している。第4直線経路Rdと第1直線経路Raとは、1つの湾曲経路を介して接続されるとともに互いに直交している。なお、無人搬送車20が走行を開始するスタート地点Pは、第1直線経路Ra上に位置している。
【0019】
第2走行経路R2は、環状をなしている。第2走行経路R2と第1走行経路R1とは、第1直線経路Raと、第3直線経路Rcと、第4直線経路Rdと、第3直線経路Rcと第4直線経路Rdとを接続する湾曲経路と、第4直線経路Rdと第1直線経路Raとを接続する湾曲経路とを共用している。第2走行経路R2は、第1直線経路Raと、第2直線経路Rbと、第4直線経路Rdと、2つの湾曲経路との他に、3つの直線形状の直線経路と、2つの湾曲経路とを有している。当該3つの直線形状の直線経路それぞれを、第5直線経路Re、第6直線経路Rf、及び第7直線経路Rgとする。第5直線経路Reは、第1直線経路Raに接続されるとともに第1直線経路Raの延長線上に設けられている。第5直線経路Reと第6直線経路Rfとは、1つの湾曲経路を介して接続されるとともに互いに直交している。第6直線経路Rfと第7直線経路Rgとは、1つの湾曲経路を介して接続されるとともに互いに直交している。第7直線経路Rgは、第3直線経路Rcに接続されるとともに第3直線経路Rcの延長線上に設けられている。第5直線経路Re、第6直線経路Rf、及び第7直線経路Rgは、第2直線経路Rbを囲むように配置されている。
【0020】
無人搬送車20は、第1走行経路R1上を第1直線経路Ra、第2直線経路Rb、第3直線経路Rc、及び第4直線経路Rdの順に走行する。また、無人搬送車20は、第2走行経路R2上を第1直線経路Ra、第5直線経路Re、第6直線経路Rf、第7直線経路Rg、第3直線経路Rc、第4直線経路Rdの順で走行する。
【0021】
無人搬送システム100は、複数の磁気テープ30を備えている。磁気テープ30は、第1直線経路Raにおけるスタート地点Pよりも第2直線経路Rb寄りに1つ、第2直線経路Rb上に2つ、第3直線経路Rc上に1つ、第5直線経路Re上に1つ、第6直線経路Rf上に1つ、及び第7直線経路Rgに1つ設けられている。ここで、第1走行経路R1及び第2走行経路R2において、第1直線経路Raの磁気テープ30が設けられた位置を第1アドレスとし、第2直線経路Rbにおける第1直線経路Ra寄りに設けられた磁気テープ30の位置を第2アドレスとし、第2直線経路Rbにおける第3直線経路Rc寄りに設けられた磁気テープ30を第3アドレスとする。また、第1走行経路R1及び第2走行経路R2において、第3直線経路Rcに設けられた磁気テープ30の位置を第4アドレスとし、第5直線経路Reに設けられた磁気テープ30の位置を第5アドレスとする。さらに、第1走行経路R1及び第2走行経路R2において、第6直線経路Rfに設けられた磁気テープ30の位置を第6アドレスとし、第7直線経路Rgに設けられた磁気テープ30の位置を第7アドレスとする。なお、第1直線経路Raにおいて、第1直線経路Ra、第2直線経路Rb、及び第5直線経路Reの境界近傍には、図示しない分岐用磁気テープが設けられている。
【0022】
本実施形態において、無人搬送車20は、第1走行経路R1と第2走行経路R2とを交互に走行するように設定されている。無人搬送車20が第1走行経路R1を走行するとき、無人搬送車20は、第1アドレス、第2アドレス、第3アドレス、第2アドレス、第3アドレス、第4アドレスの順に走行する。また、無人搬送車20が第2走行経路R2を走行するとき、無人搬送車20は、第1アドレス、第5アドレス、第6アドレス、第7アドレス、第4アドレスの順に走行する。
【0023】
図4に示すように、無人搬送車20は、磁気センサ21と、連結ピン22と、連結センサ23と、を備えている。磁気センサ21は、無人搬送車20の底部に配置されている。磁気センサ21は、磁気テープ30の磁気を検出する。連結ピン22は、車両の上下方向に往復動するピンである。連結センサ23は、連結ピン22に連結される台車80の連結部81が接触している状態で信号を発信し、連結部81が接触していない状態で信号を発信しないセンサである。
【0024】
図1に示すように、無人搬送車20には、無人搬送車用制御装置10が搭載されている。無人搬送車用制御装置10は、マイクロコンピュータである。無人搬送車用制御装置10は、無人搬送車20を制御するプログラムPrが記憶された記憶部11と、記憶部11に記憶されたプログラムPrを実行する演算処理部12と、を備えている。記憶部11は、例えば、メモリである。演算処理部12は、例えば、CPUである。
【0025】
図2に示すように、演算処理部12は、第1入力部12a、第2入力部12b、第3入力部12c、及び第4入力部12dを有している。演算処理部12は、第1出力部12e、第2出力部12f、第3出力部12g、及び第4出力部12hを有している。
【0026】
無人搬送車用制御装置10は、記憶部11及び演算処理部12を収容する筐体13を有している。筐体13には、第1入力端子101と、第2入力端子102と、第3入力端子103と、第4入力端子104と、が設けられている。第1入力端子101は、第1入力部12aに電気的に接続されている。第1入力端子101及び第1入力部12aは、無人搬送車用制御装置10における第1入力ポートIn1をなしている。第2入力端子102は、第2入力部12bに電気的に接続されている。第2入力端子102及び第2入力部12bは、無人搬送車用制御装置10における第2入力ポートIn2をなしている。第3入力端子103は、第3入力部12cに電気的に接続されている。第3入力端子103及び第3入力部12cは、無人搬送車用制御装置10における第3入力ポートIn3をなしている。第4入力端子104は、第4入力部12dに電気的に接続されている。第4入力端子104及び第4入力部12dは、無人搬送車用制御装置10における第4入力ポートIn4をなしている。
【0027】
連結センサ23は、配線23aを介して第3入力端子103に電気的に接続されている。磁気センサ21は、配線21aを介して第4入力端子104に電気的に接続されている。磁気センサ21、及び連結センサ23は、複数のセンサの一例である。無人搬送車用制御装置10は、複数のセンサと電気的に接続される複数の入力ポートIn1,In2,In3,In4を備えている。
【0028】
筐体13には、第1出力端子111、第2出力端子112、第3出力端子113、及び第4出力端子114が設けられている。第1出力端子111は、第1出力部12eに電気的に接続されている。第1出力端子111及び第1出力部12eは、無人搬送車用制御装置10における第1出力ポートOut1をなしている。第2出力端子112は、第2出力部12fに電気的に接続されている。第2出力端子112及び第2出力部12fは、無人搬送車用制御装置10における第2出力ポートOut2をなしている。第3出力端子113は、第3出力部12gに電気的に接続されている。第3出力端子113及び第3出力部12gは、無人搬送車用制御装置10における第3出力ポートOut3をなしている。第4出力端子114は、第4出力部12hに電気的に接続されている。第4出力端子114及び第4出力部12hは、無人搬送車用制御装置10における第4出力ポートOut4をなしている。なお、無人搬送車用制御装置10は、無人搬送車用制御装置10の外部に位置する外部装置200と記憶部11とを通信可能とした構成となっている。外部装置200とは、例えば、パーソナルコンピュータである。また、外部装置200は、記憶部11に記憶される後述する第1入力表M1及び第2入力表M2に入力される情報を書き換え可能である。
【0029】
記憶部11には、無人搬送車20を制御するプログラムPrが記憶されている。プログラムPrには、基本プログラムが含まれている。基本プログラムは、例えば、無人搬送車20の走行方向を制御しつつ無人搬送車20を走行させる第1プログラムPr1、及び無人搬送車20の車速を高速、中速、低速のいずれかに制御する第2プログラムPr2である。また、基本プログラムは、無人搬送車20を停止させる第3プログラムPr3、及び連結ピン22を無人搬送車20の上方に向けて突出させる第4プログラムPr4である。さらに、基本プログラムは、連結ピン22を無人搬送車20の内部に戻す第5プログラムPr5、及び第3プログラムPr3が実行されてから無人搬送車20の停止状態を所定時間維持する第6プログラムPr6である。
【0030】
記憶部11には、複数の基本プログラムのうち2つの以上の基本プログラムを所望の順序で実行するように予め編集して構成されたプログラムPrであるシーケンスプログラムが記憶されている。シーケンスプログラムは、例えば、第5プログラムPr5、無人搬送車20の走行方向を後方に制御しつつ無人搬送車20を走行させる第1プログラムPr1、無人搬送車20を低速に制御する第2プログラムPr2を、この順に実行するように予め編集して構成された第1シーケンスプログラムPrs1である。シーケンスプログラムは、無人搬送車20が停止してから無人搬送車20の停止状態を20秒間維持する第6プログラムPr6、第4プログラムPr4、無人搬送車20の走行方向を前方に制御しつつ無人搬送車20を走行させる第1プログラムPr1、無人搬送車20を中速に制御する第2プログラムPr2を、この順に実行するように予め編集して構成された第2シーケンスプログラムPrs2である。また、シーケンスプログラムは、第4プログラムPr4、無人搬送車20の走行方向を前方に制御しつつ無人搬送車20を走行させる第1プログラムPr1、無人搬送車20を中速に制御する第2プログラムPr2を、この順に実行するように予め編集して構成された第3シーケンスプログラムPrs3である。さらに、シーケンスプログラムは、無人搬送車20が停止してから無人搬送車20の停止状態を10秒間維持する第6プログラムPr6、第5プログラムPr5、無人搬送車20の走行方向を前方に制御しつつ無人搬送車20を走行させる第1プログラムPr1、無人搬送車20を中速に制御する第2プログラムPr2を、この順に実行するように予め編集された第4シーケンスプログラムPrs4である。なお、上記した基本プログラム及びシーケンスプログラムは、一例であり、記憶部11には、各プログラムPr1~Pr6以外の基本プログラムや、各シーケンスプログラムPrs1,Prs2,Prs3,Prs4以外のシーケンスプログラムも複数記憶されている。各シーケンスプログラムPrs1,Prs2,Prs3,Prs4以外の複数のシーケンスプログラムは、上述した基本プログラムのうち2つ以上を予めあらゆるバリエーションで組み合わせて構成されている。
【0031】
記憶部11には、複数のアドレスそれぞれにおける無人搬送車20に要求される制御がまとめられた一覧表である図3に示す第1入力表M1及び図7に示す第2入力表M2が記憶されている。第1入力表M1は、無人搬送車20が第1走行経路R1を走行するとき、第1走行経路R1上の各アドレスで無人搬送車20に要求される制御がまとめられている。第2入力表M2は、無人搬送車20が第2走行経路R2を走行するとき、第2走行経路R2上の各アドレスで無人搬送車20に要求される制御がまとめられている。
【0032】
図3及び図7に示すように、第1入力表M1及び第2入力表M2は、複数の行と複数の列で構成されている。第1入力表M1及び第2入力表M2には、複数の入力欄が設けられている。第1入力表M1及び第2入力表M2において、最も左に位置する列の複数の入力欄には、最上段から順に無人搬送車20が第1走行経路R1を走行するときに通過するアドレスの順番でアドレス名が入力されている。第1入力表M1及び第2入力表M2の各アドレスに対応する行における複数の入力欄には、アドレス名の隣に左から順に走行方向を示す情報、車速を示す情報、無人搬送車20の走行状態を示す情報、無人搬送車20の停止状態を維持する時間を示す情報、連結ピン22の動作状態を示す情報、シーケンスプログラムの内容を示す情報、入力ポートを指定する情報、指定された入力ポートから入力される信号の入力論理を指定する情報が入力される。
【0033】
走行方向を示す情報は、「F」もしくは「R」により示され、「F」は無人搬送車20が前進することを示し、「R」は無人搬送車20が後進することを示す。
車速を示す情報は、「高」、「中」、「低」により示され、「高」は無人搬送車20の車速を高速に制御することを示し、「中」は無人搬送車20の車速を中速に制御することを示し、「低」は無人搬送車20の車速を低速に制御することを示す。
【0034】
無人搬送車20の走行状態を示す情報は、無人搬送車20が停止することを「停止」で示し、無人搬送車20を停止させない場合には「停止」が入力されない。
無人搬送車20の停止状態を維持する時間を示す情報は、数値で示される。例えば、「10」や「20」等の秒数で示される。なお、無人搬送車20の停止状態を維持する時間とは、無人搬送車20が自動発車するまでの時間である。
【0035】
連結ピン22の動作状態を示す情報は、「UP」もしくは「DOWN」で示され、「UP」は連結ピン22が突出している状態を示し、「DOWN」は連結ピン22が無人搬送車20の内部に戻された状態を示している。
【0036】
シーケンスプログラムの内容を示す情報は、「A」、「B」、「C」、「D」で示され、「A」は、第1シーケンスプログラムPrs1を示し、「B」は、第2シーケンスプログラムPrs2を示し、「C」は、第3シーケンスプログラムPrs3を示し、「D」は、第4シーケンスプログラムPrs4を示している。なお、各シーケンスプログラムPrs1,Prs2,Prs3,Prs4以外の複数のシーケンスプログラムそれぞれを示す表記も記憶部11には記憶されている。
【0037】
入力ポートを指定する情報は、各アドレスに対応する行において2つの入力欄が使用可能である。本実施形態において無人搬送車用制御装置10の入力ポートは、4つ存在しているため、2つの入力欄それぞれには、「ポート1_L」、「ポート2_L」、「ポート3_L」、及び「ポート4_L」が入力可能である。「ポート1_L」は、第1入力ポートIn1を指定することを示している。複数のセンサのうち第1入力ポートIn1に接続されるセンサの信号の入力論理は、「ON」又は「OFF」である。「ポート2_L」は、第2入力ポートIn2を指定することを示している。複数のセンサのうち第2入力ポートIn2に接続されるセンサの信号の入力論理は、「ON」又は「OFF」である。「ポート3_L」は、第3入力ポートIn3を指定することを示している。複数のセンサのうち第3入力ポートIn3に接続されるセンサの信号の入力論理は、「ON」又は「OFF」である。「ポート4_L」は、第4入力ポートIn4を指定することを示している。複数のセンサのうち第4入力ポートIn4に接続されるセンサの信号の入力論理は、「ON」又は「OFF」である。
【0038】
指定された入力ポートから入力される信号の入力論理を指定する情報は、各アドレスに対応する行において2つの入力欄が使用可能である。2つの入力欄それぞれには、「ON」もしくは「OFF」が入力可能である。「ON」は、「ポート1_L」、「ポート2_L」、「ポート3_L」、及び「ポート4_L」により指定される入力ポートから信号が出力されていることを示している。「OFF」は、「ポート1_L」、「ポート2_L」、「ポート3_L」、及び「ポート4_L」により指定される入力ポートから入力される信号が出力されていないことを示している。
【0039】
入力ポートを指定する情報の入力に使用される2つの入力欄それぞれを第1指定欄及び第2指定欄とする。また、指定された入力ポートから入力される信号の入力論理を指定する情報の入力に使用される2つの入力欄それぞれを第1入力論理欄、及び第2入力論理欄とする。第1入力論理欄に入力される情報は、第1指定欄にて指定された入力ポートから入力される信号の入力論理を指定する情報である。第2入力論理欄に入力される情報は、第2指定欄にて指定された入力ポートから入力される信号の入力論理を指定する情報である。
【0040】
第1入力表M1及び第2入力表M2において、「F」は、無人搬送車20の走行方向を前方に制御しつつ無人搬送車20を走行させる第1プログラムPr1に紐づけられる。「R」は、無人搬送車20の走行方向を後方に制御しつつ無人搬送車20を走行させる第1プログラムPr1に紐づけられている。「高」は、無人搬送車20の車速を高速に制御する第2プログラムPr2に紐づけられている。「中」は、無人搬送車20の車速を中速に制御する第2プログラムPr2に紐づけられている。「低」は、無人搬送車20の車速を低速に制御する第2プログラムPr2に紐づけられている。「停止」は、第3プログラムPr3に紐づけられている。「UP」は、第4プログラムPr4に紐づけられ、「DOWN」は、第5プログラムPr5に紐づけられている。「10」は、第3プログラムPr3が実行されてから無人搬送車20の停止状態を10秒間維持する第6プログラムPr6に紐づけられている。「20」は、第3プログラムPr3が実行されてから無人搬送車20の停止状態を20秒間維持する第6プログラムPr6に紐づけられている。
【0041】
「A」は、第1シーケンスプログラムPrs1に紐づけられ、「B」は、第2シーケンスプログラムPrs2に紐づけられ、「C」は、第3シーケンスプログラムPrs3に紐づけられ、「D」は、第4シーケンスプログラムPrs4に紐づけられている。なお、各シーケンスプログラムPrs1,Prs2,Prs3,Prs4以外の複数のシーケンスプログラムそれぞれを示す表記も同様に、各シーケンスプログラムPrs1,Prs2,Prs3,Prs4以外の複数のシーケンスプログラムに紐づけられる。
【0042】
第1入力表M1及び第2入力表M2には、複数のアドレスそれぞれにおいて、基本プログラムに紐づけられた「F」、「R」、「高」、「中」、「低」、「停止」、「UP」、「DOWN」、「10」、「20」のような第1情報を入力する入力欄である第1欄が設けられている。第1入力表M1及び第2入力表M2には、「A」、「B」、「C」、「D」のような第2情報を入力する入力欄である第2欄が設けられている。各シーケンスプログラムPrs1,Prs2,Prs3,Prs4以外の複数のシーケンスプログラムそれぞれを示す表記も第2情報の一例である。
【0043】
第1入力表M1及び第2入力表M2には、「ポート1_L」、「ポート2_L」、「ポート3_L」、「ポート4_L」のような第3情報を入力する入力欄である第3欄が設けられている。第1指定入力欄及び第2指定入力欄は、第3欄である。
【0044】
第1入力表M1及び第2入力表M2には、「ON」、「OFF」のような第4情報を入力する入力欄である第4欄が設けられている。第1入力論理欄及び第2入力論理欄は、第4欄である。
【0045】
第1入力表M1の各入力欄の入力状況について説明する。
図3に示すように、第1アドレスに対応する行には、「F」及び「高」が入力されている。無人搬送車20が1回目に通過する第2アドレスに対応する行には、「F」及び「中」が入力されている。無人搬送車20が1回目に通過する第3アドレスに対応する行には、「R」、「低」、「停止」、「DOWN」、「A」、「ポート3_L」、及び「OFF」が入力されている。無人搬送車20が2回目に通過する第2アドレスに対応する行には、「F」、「中」、「停止」、「20」、「UP」、「B」、「ポート3_L」、及び「ON」が入力されている。無人搬送車20が2回目に通過する第2アドレスに対応する行に入力される「ポート3_L」は、第1指定入力欄に入力され、「ON」は、第1入力論理欄に入力されている。
【0046】
無人搬送車20が2回目に通過する第3アドレスに対応する行には、「F」、「中」、「UP」、「C」、「ポート3_L」、及び「ON」が入力されている。無人搬送車20が2回目に通過する第3アドレスに対応する行に入力される「ポート3_L」は、第1指定入力欄に入力され、「ON」は、第1入力論理欄に入力されている。なお、第1入力表M1の各アドレスでは無人搬送車20に複数の制御が要求されているが、本実施形態では、無人搬送車20が1回目に通過する第3アドレス、無人搬送車20が2回目に通過する第2アドレス、及び無人搬送車20が2回目に通過する第3アドレスを特定アドレスとする。
【0047】
無人搬送車20が1回目に通過する第3アドレスに対応する行において、第2欄には、第1シーケンスプログラムPrs1に紐づけられた第2情報である「A」が入力されている。第1シーケンスプログラムPrs1は、無人搬送車20が1回目に通過する第3アドレスに対応する行の複数の第1欄に入力された第1情報に紐づけられた基本プログラムを上記した所望の順序で実行するように予め編集されている。すなわち、第1シーケンスプログラムPrs1は、無人搬送車20が1回目に通過する第3アドレスにおいて、無人搬送車20に要求される複数の制御を実行するための基本プログラムを上記した所望の順序で実行するプログラムPrである。
【0048】
無人搬送車20が2回目に通過する第2アドレスに対応する行において、第2欄には、第2シーケンスプログラムPrs2に紐づけられた第2情報である「B」が入力されている。第2シーケンスプログラムPrs2は、無人搬送車20が2回目に通過する第2アドレスに対応する行の複数の第1欄に入力された第1情報に紐づけられた基本プログラムを上述した所望の順序で実行するように予め編集されている。すなわち、第2シーケンスプログラムPrs2は、無人搬送車20が2回目に通過する第2アドレスにおいて、無人搬送車20に要求される複数の制御を実行するための基本プログラムを上記した所望の順序で実行するプログラムPrである。
【0049】
無人搬送車20が2回目に通過する第3アドレスに対応する行において、第2欄には、第3シーケンスプログラムPrs3に紐づけられた第2情報である「C」が入力されている。第3シーケンスプログラムPrs3は、無人搬送車20が2回目に通過する第3アドレスに対応する行の複数の第1欄に入力された第1情報に紐づけられた基本プログラムを上述した所望の順序で実行するように予め編集されている。すなわち、第3シーケンスプログラムPrs3は、無人搬送車20が2回目に通過する第3アドレスにおいて、無人搬送車20に要求される複数の制御を実行するための基本プログラムを上記した所望の順序で実行するプログラムPrである。
【0050】
第2入力表M2の各入力欄の入力状況について説明する。
図7に示すように、第1アドレスに対応する行には、「F」、「中」、及び「UP」が入力されている。第5アドレスに対応する行には、「F」、「中」、及び「UP」が入力されている。第6アドレスに対応する行には、「F」、「中」、「停止」、「10」、「DOWN」、「D」、「ポート3_L」、及び「OFF」が入力されている。第7アドレスに対応する行には、「F」及び「高」が入力されている。第4アドレスに対応する行には、「F」及び「高」が入力されている。なお、第2入力表M2の各アドレスでは無人搬送車20に複数の制御が要求されているが、本実施形態では、第6アドレスを特定アドレスとする。
【0051】
第6アドレスに対応する行において、第2欄には、第4シーケンスプログラムPrs4に紐づけられた第2情報である「D」が入力されている。第4シーケンスプログラムPrs4は、第6アドレスに対応する行の複数の第1欄に入力された第1情報に紐づけられた基本プログラムを上述した所望の順序で実行するように予め編集されている。すなわち、第4シーケンスプログラムPrs4は、第6アドレスにおいて、無人搬送車20に要求される複数の制御を実行するための基本プログラムを上記した所望の順序で実行するプログラムPrである。
【0052】
図1に示すように、演算処理部12は、図4に示す磁気センサ21から出力される信号に基づき無人搬送車20の位置を確認している。演算処理部12は、磁気センサ21から出力される信号が入力された回数をカウントしており、当該回数により第1走行経路R1及び第2走行経路R2上の無人搬送車20が位置しているアドレスを確認している。本実施形態では、上述した分岐用磁気テープにより磁気センサ21から出力される信号は、第1走行経路R1又は第2走行経路R2を走行させるときの分岐を無人搬送車用制御装置10に知らせる信号である。そのため、無人搬送車20が位置しているアドレスを確認するために用いられる信号ではなく、無人搬送車用制御装置10は、分岐用磁気テープにより磁気センサ21が出力する信号をカウントしていない。
【0053】
無人搬送車20が第1走行経路R1を走行する場合において、演算処理部12は、磁気センサ21の信号が入力された回数が1回であれば、無人搬送車20が第1アドレスに位置していることを確認する。演算処理部12は、磁気センサ21の信号が入力された回数が2回であれば第2アドレスに、3回であれば第3アドレスに、4回であれば第2アドレスに、無人搬送車20が位置していることを確認する。演算処理部12は、磁気センサ21の信号が入力された回数が5回であれば第3アドレスに、6回であれば第4アドレスに無人搬送車20が位置していることを確認する。演算処理部12は、無人搬送車20が第1走行経路R1を走行して第4アドレスを通過したとき、磁気センサ21の信号のカウントをリセットする。無人搬送車20が再び第1アドレスに到達したとき、演算処理部12は、磁気センサ21から入力される信号を新たにカウントし始める。無人搬送車20が第2走行経路R2を走行するとき、磁気センサ21の信号が入力された回数が1回であれば第1アドレス、2回であれば第5アドレス、3回であれば第6アドレス、4回であれば第7アドレス、5回であれば第4アドレスに無人搬送車20が位置していることを確認する。演算処理部12は、無人搬送車20が第2走行経路R2を走行して第4アドレスを通過したとき、磁気センサ21の信号のカウントをリセットする。無人搬送車20が再び第1アドレスに到達したとき、演算処理部12は、磁気センサ21から入力される信号を新たにカウントし始める。なお、分岐用磁気テープにより磁気センサ21から出力される信号を無人搬送車用制御装置10がカウントしてもよい。このように変更する場合、上述した分岐用磁気テープが設けられる位置をアドレスとして使用するように第1入力表M1及び第2入力表M2を変更してもよい。
【0054】
演算処理部12は、磁気センサ21の信号が入力された回数によって無人搬送車20が位置するアドレスを確認したとき、記憶部11に記憶されている第1入力表M1及び第2入力表M2を参照する。演算処理部12は、無人搬送車20が第1走行経路R1を走行し、無人搬送車20が位置するアドレスが特定アドレス以外である場合、第1入力表M1の無人搬送車20が位置するアドレスに対応する行に入力された第1情報を参照し、当該第1情報に紐づけられた基本プログラムを実行する。演算処理部12は、無人搬送車20が第2走行経路R2を走行し、無人搬送車20が位置するアドレスが特定アドレス以外である場合、第2入力表M2の無人搬送車20が位置するアドレスに対応する行に入力された第1情報を参照し、当該第1情報に紐づけられた基本プログラムを実行する。
【0055】
演算処理部12は、無人搬送車20が第1走行経路R1を走行し、無人搬送車20が位置するアドレスが1回目の第3アドレスである場合、第1入力表M1の第1欄に入力された「停止」に紐づけられた第3プログラムPr3を実行する。また、演算処理部12は、第3プログラムPr3を実行した後、第1入力表M1の第3欄により指定された第3入力ポートIn3から入力される連結センサ23の信号の入力論理が、第4欄に入力される指定された入力論理である「OFF」であれば、「A」に紐づけられた第1シーケンスプログラムPrs1を実行する。
【0056】
演算処理部12は、無人搬送車20が第1走行経路R1を走行し、無人搬送車20が位置するアドレスが、2回目の第2アドレスである場合、第1入力表M1の第1欄に入力された「停止」に紐づけられた第3プログラムPr3を実行する。また、演算処理部12は、第3プログラムPr3を実行した後、第1入力表M1の第3欄により指定された第3入力ポートIn3から入力される連結センサ23の信号の入力論理が、第4欄に入力される指定された入力論理である「ON」であれば、「B」に紐づけられた第2シーケンスプログラムPrs2を実行する。
【0057】
演算処理部12は、無人搬送車20が第1走行経路R1を走行し、無人搬送車20が位置するアドレスが、2回目の第3アドレスである場合、第1入力表M1の第3欄により指定された第3入力ポートIn3から入力される連結センサ23の信号の入力論理が、第4欄に入力される指定された入力論理である「ON」であれば、「C」に紐づけられた第3シーケンスプログラムPrs3を実行する。
【0058】
演算処理部12は、無人搬送車20が第2走行経路R2を走行し、無人搬送車20が位置するアドレスが第6アドレスである場合、第2入力表M2の第3欄により指定された第3入力ポートIn3から入力される連結センサ23の信号の入力論理が、第4欄に入力される指定された入力論理である「OFF」であれば、「D」に紐づけられた第4シーケンスプログラムPrs4を実行する。すなわち、演算処理部12は、無人搬送車20が特定アドレスに位置している場合、第1入力表M1及び第2入力表M2における特定アドレスに対応する行において、第3情報である「ポート3_L」により指定された第3入力ポートIn3から入力される信号の入力論理が第4情報である「ON」及び「OFF」により指定された入力論理であれば、第2欄に入力された第2情報としての「A」、「B」、「C」、又は「D」に紐づけられた各シーケンスプログラムPrs1,Prs2,Prs3,Prs4を実行する。
【0059】
これにより、無人搬送車用制御装置10は、予め定められた第1走行経路R1及び第2走行経路R2を走行する無人搬送車20の位置を示す複数のアドレスそれぞれにおいて無人搬送車20に要求される制御を実行する。なお、無人搬送車用制御装置10は、管制塔90からの指令を受け、第1走行経路R1及び第2走行経路それぞれを走行させるための図示しないナビゲーションシステムを有している。無人搬送車用制御装置10は、ナビゲーションシステムから演算処理部12に送られる情報により無人搬送車20を第1走行経路R1及び第2走行経路R2を走行させている。
【0060】
本実施形態の作用を無人搬送車20の動作を含めて説明する。
図1に示すように、無人搬送車用制御装置10は、管制塔90からの指令により無人搬送車20を第1走行経路R1上で走行させる。
【0061】
図1及び図3に示すように、無人搬送車用制御装置10は、無人搬送車20が第1アドレスに到達したとき、第1入力表M1における第1アドレスに対応する行に入力された「F」に紐づけられた第1プログラムPr1及び「高」に紐づけられた第2プログラムPr2を実行する。そのため、無人搬送車20は、高速で第1直線経路Raを走行する。
【0062】
無人搬送車用制御装置10は、管制塔90からの指令により第1直線経路Raから第2直線経路Rbに向けて走行するように無人搬送車20を制御する。無人搬送車用制御装置10は、分岐用磁気テープにより磁気センサ21から出力される信号が入力されたとき、第1直線経路Raから第2直線経路Rbに向けて走行する。無人搬送車用制御装置10は、無人搬送車20が1回目に通過する第2アドレスに到達したとき、第1入力表M1における無人搬送車20が1回目に通過する第2アドレスに対応する行に入力された「F」に紐づけられた第1プログラムPr1及び「中」に紐づけられた第2プログラムPr2を実行する。そのため、無人搬送車20は、中速で第2直線経路Rbを走行する。
【0063】
無人搬送車用制御装置10は、無人搬送車20が1回目に通過する第3アドレスに到達したとき、第1入力表M1における無人搬送車20が1回目に通過する第3アドレスに対応する行に入力された「停止」に紐づけられた第3プログラムPr3を実行する。
【0064】
図4に示すように、無人搬送車20が1回目に通過する第3アドレスにおいて、無人搬送車用制御装置10が第3プログラムPr3を実行することにより、無人搬送車20は第3アドレスの位置で停止する。
【0065】
図1及び図3に示すように、無人搬送車用制御装置10は、第1入力表M1における無人搬送車20が1回目に通過する第3アドレスに対応する行に入力された「A」、「ポート3_L」、及び「OFF」にしたがって無人搬送車20を制御する。すなわち、無人搬送車用制御装置10は、連結センサ23に何も接触していない状態、すなわち、第3入力ポートIn3に電気的に接続される連結センサ23の信号の入力論理が「OFF」となる状態であれば、「A」に紐づけられた第1シーケンスプログラムPrs1を実行する。
【0066】
図4に示すように、無人搬送車20が1回目に通過する第3アドレスにおいて、無人搬送車用制御装置10が第1シーケンスプログラムPrs1を実行することにより、無人搬送車20は、停止した状態で連結ピン22を無人搬送車20の内部に戻した後、低速で第2アドレスに向けて後進する。
【0067】
図1及び図3に示すように、無人搬送車用制御装置10は、無人搬送車20が2回目に通過する第2アドレスに到達したとき、第1入力表M1における無人搬送車20が2回目に通過する第2アドレスに対応する行に入力された「停止」に紐づけられた第3プログラムPr3を実行する。
【0068】
図5に示すように、無人搬送車20が2回目に通過する第2アドレスにおいて、無人搬送車用制御装置10が第3プログラムPr3を実行することにより、無人搬送車20は第2アドレスの位置で停止する。第2アドレスに無人搬送車20が停止した状態において、無人搬送車20には、台車80の連結部81が連結センサ23に接触するように台車80が連結される。
【0069】
図1及び図3に示すように、無人搬送車用制御装置10は、第1入力表M1における無人搬送車20が2回目に通過する第2アドレスに対応する行に入力された「B」、「ポート3_L」、「ON」にしたがって無人搬送車20を制御する。すなわち、無人搬送車用制御装置10は、台車80の連結部81が連結センサ23に接触した状態、すなわち、第3入力ポートIn3に電気的に接続される連結センサ23の信号の入力論理が「ON」となる状態であれば、「B」に紐づけられた第2シーケンスプログラムPrs2を実行する。
【0070】
図5に示すように、無人搬送車20は、無人搬送車20が停止してから無人搬送車20の停止状態を20秒間維持する。無人搬送車20が20秒間停止している間に、無人搬送車20は、停止した状態で連結ピン22を突出させる。無人搬送車20は、無人搬送車20が停止してから20秒後に中速で第3アドレスに向けて前進する。なお、台車80は、無人搬送車20が第3アドレスから第2アドレスに後進する間に工場の作業者により第2アドレスに準備されており、連結ピン22が突出したときに台車80の連結部81に連結ピン22が連結される。無人搬送車用制御装置10は、無人搬送車20が2回目に通過する第2アドレスにおいて、連結センサ23の信号の入力論理が「OFF」となる状態であれば、第2シーケンスプログラムPrs2を実行しない。また、無人搬送車用制御装置10は、無人搬送車20が2回目に通過する第2アドレスにおいて、連結センサ23の信号の入力論理が「OFF」となる状態であれば、無人搬送車20を停止した状態に維持する。
【0071】
図1及び図3に示すように、無人搬送車用制御装置10は、無人搬送車20が2回目に通過する第3アドレスに到達したとき、第1入力表M1における無人搬送車20が2回目に通過する第3アドレスに対応する行に入力された「C」、「ポート3_L」、「ON」にしたがって無人搬送車20を制御する。すなわち、無人搬送車用制御装置10は、台車80の連結部81が連結センサ23に接触した状態に維持された状態、すなわち、第3入力ポートIn3に電気的に接続される連結センサ23の信号の入力論理が「ON」を維持している状態であれば、「C」に紐づけられた第3シーケンスプログラムPrs3を実行する。
【0072】
図6に示すように、無人搬送車20が2回目に通過する第3アドレスにおいて、無人搬送車20は、連結ピン22を突出させた状態に維持しつつ中速で前進する。無人搬送車用制御装置10は、無人搬送車20が2回目に通過する第3アドレスにおいて、連結センサ23の信号の入力論理が「OFF」となる状態であれば、第3シーケンスプログラムPrs3を実行しない。すなわち、図6の破線で示すように、無人搬送車20が2回目に通過する第3アドレスに到達したとき、台車80の連結部81が連結ピン22から離脱し、連結センサ23の信号の入力論理が「OFF」となっていれば、第3シーケンスプログラムPrs3を実行しない。なお、無人搬送車用制御装置10は、無人搬送車20が2回目に通過する第3アドレスにおいて、連結センサ23の信号の入力論理が「OFF」となっていれば、無人搬送車20を停止させる。
【0073】
図1及び図3に示すように、無人搬送車用制御装置10は、管制塔90からの指令により第2直線経路Rbから第3直線経路Rcに向けて走行するように無人搬送車20を制御する。無人搬送車用制御装置10は、無人搬送車20が第4アドレスに到達したとき、第1入力表M1における第4アドレスに対応する行に入力された「F」に紐づけられた第1プログラムPr1、「中」に紐づけられた第2プログラムPr2、及び「Up」に紐づけられた第4プログラムPr4を実行する。そのため、無人搬送車20は、連結ピン22を突出させた状態において、中速で第3直線経路Rcを走行する。
【0074】
無人搬送車用制御装置10は、無人搬送車20が第4アドレスを通過した後、管制塔90からの指令により第3直線経路Rcと第4直線経路Rdとを接続する湾曲経路と、第4直線経路Rdと、第4直線経路Rdと第1直線経路Raとを接続する湾曲経路とを通じて再び第1直線経路Raに戻るように無人搬送車20を制御する。無人搬送車用制御装置10の演算処理部12は、第4アドレスを通過したとき、磁気センサ21の信号のカウントをリセットする。無人搬送車20が再び第1アドレスに到達したとき、演算処理部12は、磁気センサ21から入力される信号を新たにカウントし始める。
【0075】
図1及び図7に示すように、無人搬送車20は、第1走行経路R1を走行し、再び第1アドレスに戻ってきた後、第2走行経路R2を走行する。無人搬送車用制御装置10は、無人搬送車20が再び第1アドレスに到達したとき、第2入力表M2における第1アドレスに対応する行に入力された「F」に紐づけられた第1プログラムPr1、「中」に紐づけられた第2プログラムPr2、及び「Up」に紐づけられた第4プログラムPr4を実行する。そのため、無人搬送車20は、中速で第1直線経路Raを走行する。
【0076】
無人搬送車用制御装置10は、管制塔90からの指令により第1直線経路Raから第5直線経路Reに向けて走行するように無人搬送車20を制御する。無人搬送車用制御装置10は、分岐用磁気テープにより磁気センサ21から出力される信号が入力されたとき、第1直線経路Raから第5直線経路Reに向けて走行する。
【0077】
無人搬送車用制御装置10は、無人搬送車20が第5アドレスに到達したとき、第2入力表M2における第5アドレスに対応する行に入力された「F」に紐づけられた第1プログラムPr1、「中」に紐づけられた第2プログラムPr2、及び「Up」に紐づけられた第4プログラムPr4を実行する。そのため、無人搬送車20は、中速で第5直線経路Reを走行する。無人搬送車用制御装置10は、管制塔90からの指令により第5直線経路Reから第6直線経路Rfに向けて走行するように無人搬送車20を制御する。
【0078】
無人搬送車用制御装置10は、無人搬送車20が第6アドレスに到達したとき、第2入力表M2における第6アドレスに対応する行に入力された「停止」に紐づけられた第3プログラムPr3を実行する。
【0079】
図8に示すように、第6アドレスにおいて、無人搬送車用制御装置10が第3プログラムPr3を実行することにより、無人搬送車20は第6アドレスの位置で停止する。第6アドレスに無人搬送車20が停止した状態において、台車80が無人搬送車20から取り外される。
【0080】
無人搬送車用制御装置10は、第2入力表M2における第6アドレスに対応する行に入力された「D」、「ポート3_L」、「OFF」にしたがって無人搬送車20を制御する。すなわち、無人搬送車用制御装置10は、台車80の連結部81が連結センサ23に接触していない状態、すなわち、第3入力ポートIn3に電気的に接続される連結センサ23の信号の入力論理が「OFF」となる状態であれば、「D」に紐づけられた第4シーケンスプログラムPrs4を実行する。
【0081】
図8に示すように、無人搬送車20は、無人搬送車20が停止してから無人搬送車20の停止状態を10秒間維持する。無人搬送車20が10秒間停止している間に、無人搬送車20は、停止した状態で連結ピン22を無人搬送車20の内部に戻す。無人搬送車20は、無人搬送車20が停止してから10秒後に中速で第7アドレスに向けて前進する。なお、台車80は、第6アドレスの位置で停止して再び前進するまでの間に工場の作業者により第6直線経路Rfの外に除外される。また、無人搬送車用制御装置10は、第6アドレスにおいて、連結センサ23の信号の入力論理が「ON」となる状態であれば、無人搬送車20を停止した状態に維持する。
【0082】
図1及び図7に示すように、無人搬送車用制御装置10は、管制塔90からの指令により第6直線経路Rfから第7直線経路Rgに向けて走行するように無人搬送車20を制御する。無人搬送車用制御装置10は、無人搬送車20が第7アドレスに到達したとき、第2入力表M2における第7アドレスに対応する行に入力された「F」に紐づけられた第1プログラムPr1、及び「高」に紐づけられた第2プログラムPr2を実行する。そのため、無人搬送車20は、高速で第7直線経路Rgを第3直線経路Rcに向けて走行する。
【0083】
無人搬送車用制御装置10は、無人搬送車20が第4アドレスに到達したとき、第2入力表M2における第4アドレスに対応する行に入力された「F」に紐づけられた第1プログラムPr1、及び「高」に紐づけられた第2プログラムPr2を実行する。そのため、無人搬送車20は、高速で第3直線経路Rcを走行する。無人搬送車用制御装置10は、無人搬送車20が第4アドレスを通過した後、管制塔90からの指令により第3直線経路Rcと第4直線経路Rdとを接続する湾曲経路と、第4直線経路Rdと、第4直線経路Rdと第1直線経路Raとを接続する湾曲経路とを走行して再び第1直線経路Raに戻るように無人搬送車20を制御する。また、無人搬送車用制御装置10の演算処理部12は、第4アドレスを通過したとき、磁気センサ21の信号のカウントをリセットする。無人搬送車20が再び第1アドレスに到達したとき、演算処理部12は、磁気センサ21から入力される信号を新たにカウントし始める。無人搬送車20は、第2走行経路R2を走行し、再び第1アドレスに戻ってきた後、第1走行経路R1を走行する。無人搬送車用制御装置10は、無人搬送車20が再び第1アドレスに到達したとき、上記で説明した第1入力表M1にしたがって無人搬送車20を制御する。
【0084】
本実施形態の効果を説明する。
(1-1)これによれば、特定アドレスにおいて無人搬送車20に要求される複数の制御が実行される場合、第1入力表M1及び第2入力表M2の第2欄に入力される第2情報を書き換えることにより特定アドレスで実行されるシーケンスプログラムが変更できる。すなわち、特定アドレスにおいて、変更された複数の制御の順序で基本プログラムを実行するシーケンスプログラムに紐づけられた第2情報を選択して第2欄に入力するだけで簡易的に複数の制御を実行できる。
【0085】
また、第1入力表M1及び第2入力表M2に第3欄が設けられることにより、シーケンスプログラムを実行するために必要なセンサが接続される入力ポートを作業者が指定できる。具体的には、連結センサ23を第1入力ポートIn1に電気的に接続しても、第1入力表M1及び第2入力表M2の第3欄に入力される「ポート3_L」の情報を、外部装置200により「ポート1_L」に書き換えるだけで、本実施形態で説明したように無人搬送車20を動作させることができる。そのため、複数の入力ポートIn1,In2,In3,In4それぞれを各センサの専用の入力ポートにする必要がなく、無人搬送車用制御装置のユーザによって、複数のセンサそれぞれを電気的に接続する入力ポートを自由に選択することができる。よって、入力ポートを汎用化でき、使用しないセンサの入力ポートを確保する必要がなく、無人搬送車用制御装置10のコスト及び体格の大型化を抑制できる。
【0086】
さらに、第1入力表M1及び第2入力表M2に第3欄が設けられることにより、全ての入力ポートを汎用化でき、使用しないセンサの入力ポートを確保する必要がないため、必要以上に第1入力表M1及び第2入力表M2に第3欄及び第4欄を増やす必要がなくなる。よって、第1入力表M1及び第2入力表M2の視認性を向上させつつ入力表への入力時間を短縮できる。
【0087】
(1-2)本実施形態では、シーケンスプログラム自体が、2つ以上の基本プログラムを予め編集して構成される。そのため、特定アドレスにおいて、シーケンスプログラムが実行されたときに無人搬送車20に要求される複数の制御が実行されるまでの応答性が向上する。
【0088】
<第2実施形態>
無人搬送車用制御装置の第2実施形態について説明する。第1実施形態と同じ構成については、同一の符号を付し、詳細な説明は割愛する。
【0089】
図10に示すように、本実施形態の無人搬送車20は、積載物Lを工場の内部で運搬するために用いられている。
無人搬送車20は、第1荷位置センサ61と、第2荷位置センサ62とを備えている。第1荷位置センサ61及び第2荷位置センサ62は、無人搬送車20の荷台に配置されている。第1荷位置センサ61及び第2荷位置センサ62は、無人搬送車20の荷台に積載物Lが搭載されたとき、積載物Lが接触している状態であれば信号を発信し、積載物Lが接触していない状態であれば信号が発信されないセンサである。
【0090】
図2に破線で示すように、第1荷位置センサ61は、配線61aを介して第1入力ポートIn1に電気的に接続されている。第2荷位置センサ62は、配線62aを介して第2入力ポートIn2に電気的に接続されている。
【0091】
図1に示すように、本実施形態において、無人搬送車20は、第1走行経路R1を走行した後、第2走行経路R2を走行して再び第1アドレスに戻ったときに無人搬送車20を停止させる。無人搬送車20は、第1アドレス、第2アドレス、第3アドレス、第4アドレス、第1アドレス、第5アドレス、第6アドレス、第7アドレス、第4アドレスの順に走行する。
【0092】
記憶部11には、第1実施形態における第1プログラムPr1と、第2プログラムPr2と、第3プログラムPr3と、無人搬送車20が停止してから無人搬送車20の停止状態を10秒間維持する第6プログラムPr6とが記憶される。記憶部11には、無人搬送車20の走行方向を前方に制御しつつ無人搬送車20を走行させる第1プログラムPr1、及び無人搬送車20を中速に制御する第2プログラムPr2がこの順に実行されるように予め編集されたシーケンスプログラムである第5シーケンスプログラムPrs5が記憶されている。
【0093】
図9に示すように、無人搬送車用制御装置10の記憶部11には、複数のアドレスそれぞれにおける無人搬送車20に要求される制御がまとめられた一覧表である第3入力表M3が記憶されている。第3入力表M3には、無人搬送車20が第1走行経路R1及び第2走行経路R2を走行するとき、無人搬送車20に要求される全ての制御がまとめられている。
【0094】
第3入力表M3は、複数の行と複数の列で構成されている。第3入力表M3には、複数の入力欄が設けられている。第3入力表M3において、最も左に位置する列の複数の入力欄には、最上段から順に第1走行経路R1と第2走行経路とを連続して走行するときに通過するアドレスの順番でアドレス名が入力されている。第3入力表M3の各アドレスに対応する行における複数の入力欄には、アドレス名の隣に左から順に左から順に走行方向を示す情報、車速を示す情報、無人搬送車20の走行状態を示す情報、無人搬送車20の停止状態を維持する時間を示す情報、連結ピン22の動作状態を示す情報、シーケンスプログラムの内容を示す情報、入力ポートを指定する情報、指定された入力ポートから入力される信号の入力論理を指定する情報が入力される。なお、第3入力表M3における各情報の表記方法は、第1入力表M1及び第2入力表M2と同じである。そして、第5シーケンスプログラムPrs5は「E」により示され、第3入力表M3に入力される「E」は、第5シーケンスプログラムPrs5を紐づけられている。
【0095】
第3入力表M3の各入力欄の入力状況について説明する。
図9に示すように、第3入力表M3における無人搬送車20が1回目に通過する第1アドレスに対応する行には、「F」及び「高」が入力されている。第3入力表M3における第2アドレスに対応する行には、「F」及び「中」が入力されている。第3入力表M3における第3アドレスに対応する行には、「F」、「低」、「停止」、及び「20」が入力されている。第3入力表M3における無人搬送車20が1回目に通過する第4アドレス、無人搬送車20が2回目に通過する第1アドレス、及び第5アドレスそれぞれに対応する行において、第1欄には「F」、「中」が入力され、第2欄には「E」が入力され、第3欄である第1指定入力欄には「ポート1_L」が入力され、第3欄である第2指定入力欄には「ポート2_L」が入力され、第4欄である第1入力論理欄には「ON」が入力され、第4欄である第2入力論理欄には「ON」が入力されている。第6アドレスに対応する行には、「F」、「低」が入力されている。第7アドレスに対応する行には、「F」、「高」、「停止」が入力されている。無人搬送車20が2回目に通過する第4アドレスに対応する行には、「F」及び「高」が入力されている。なお、第3入力表M3の各アドレスでは無人搬送車20に複数の制御が要求されているが、本実施形態では、無人搬送車20が1回目に通過する第4アドレス、無人搬送車20が2回目に通過する第1アドレス、第5アドレスを特定アドレスとする。
【0096】
無人搬送車20が1回目に通過する第4アドレス、無人搬送車20が2回目に通過する第1アドレス、及び第5アドレスに対応する行において、第2欄には、第5シーケンスプログラムPrs5に紐づけられた第2情報である「E」が入力されている。第5シーケンスプログラムPrs5は、無人搬送車20が1回目に通過する第4アドレス、無人搬送車20が2回目に通過する第1アドレス、及び第5アドレスそれぞれに対応する行の複数の第1欄に入力された第1情報に紐づけられた基本プログラムを上記した所望の順序で実行するように予め編集されている。すなわち、第5シーケンスプログラムPrs5は、無人搬送車20が1回目に通過する第4アドレス、無人搬送車20が2回目に通過する第1アドレス、及び第5アドレスそれぞれにおいて、無人搬送車20に要求される複数の制御を実行するための基本プログラムを上記した所望の順序で実行するプログラムPrである。
【0097】
本実施形態では、演算処理部12における磁気センサ21の信号が入力された回数のカウント方法が変更されている。具体的には、第1実施形態での演算処理部12は、無人搬送車20が第1走行経路R1を走行して第4アドレスを通過したとき、磁気センサ21の信号のカウントをリセットしていたが、本実施形態ではリセットしない。演算処理部12は、無人搬送車20が第1走行経路R1を走行して磁気センサ21の信号が入力された回数が1回であれば、無人搬送車20が第1アドレスに位置していることを確認する。演算処理部12は、磁気センサ21の信号が入力された回数が2回であれば無人搬送車20が第2アドレスに、3回であれば第3アドレスに、4回であれば第4アドレスに、5回であれば第1アドレスに無人搬送車20が位置していることを確認する。また、演算処理部12は、磁気センサ21の信号が入力された回数が6回であれば第5アドレスに、7回であれば第6アドレスに、8回であれば第7アドレスに、9回であれば第4アドレスに無人搬送車20が位置していることを確認する。
【0098】
演算処理部12は、磁気センサ21の信号が入力された回数によって無人搬送車20が位置するアドレスを確認したとき、記憶部11に記憶されている第3入力表M3を参照する。演算処理部12は、無人搬送車20が第1走行経路R1及び第2走行経路R2を走行しているとき、無人搬送車20が位置するアドレスが特定アドレス以外である場合、第3入力表M3の無人搬送車20が位置するアドレスに対応する行に入力された第1情報を参照し、当該第1情報に紐づけられた基本プログラムを実行する。
【0099】
演算処理部12は、無人搬送車20が第1走行経路R1及び第2走行経路R2を走行しているとき、無人搬送車20が位置するアドレスが特定アドレスである場合、第3入力表M3における特定アドレスに対応する行において、第3情報である「ポート1_L」により指定された第1入力ポートIn1から入力される信号の入力論理が、第4欄に入力される第4情報である「ON」及び「OFF」により指定された入力論理であり、且つ第3情報である「ポート2_L」により指定された第2入力ポートIn2から入力される信号の入力論理が、第4情報に入力される第4情報である「ON」及び「OFF」により指定された入力論理であれば、第2欄に入力された「E」に紐づけられた第5シーケンスプログラムPrs5を実行する。
【0100】
本実施形態の作用を無人搬送車20の動作を含めて説明する。なお、第3入力表M3における第2欄に「E」が入力されていないアドレスについては、第1実施形態と同様に、第3入力表M3の第1欄に入力された第1情報に紐づけられた基本プログラムを実行する。以下の説明では、第3アドレスにおいて、第1荷位置センサ61及び第2荷位置センサ62に積載物Lが接触するように無人搬送車20の荷台に積載物Lが搭載されることを前提として説明する。
【0101】
図1図9図10に示すように、無人搬送車用制御装置10は、無人搬送車20が1回目に通過する第4アドレス、無人搬送車20が2回目に通過する第1アドレス、第5アドレスに到達したとき、第3入力表M3における無人搬送車20が1回目に通過する第4アドレス、無人搬送車20が2回目に通過する第1アドレス、及び第5アドレスに対応する行において、第2欄に入力された「E」、第1指定入力欄に入力された「ポート1_L」、第2指定入力欄に入力された「ポート2_L」、第1入力論理欄に入力された「ON」、第2入力論理欄に入力された「ON」にしたがって無人搬送車20を制御する。無人搬送車用制御装置10は、第1荷位置センサ61が電気的に接続される第1入力ポートIn1から入力される信号の入力論理が「ON」であり、且つ第2荷位置センサ62が電気的に接続される第2入力ポートIn2から入力される信号の入力論理が「ON」であれば、「E」に紐づけられた第5シーケンスプログラムPrs5を実行する。無人搬送車20は、第5シーケンスプログラムPrs5を実行することにより、中速で無人搬送車20を前進させる。なお、無人搬送車用制御装置10は、第1荷位置センサ61及び第2荷位置センサ62のいずれか一方の入力論理が「OFF」であれば、無人搬送車20を停止させる。
【0102】
無人搬送車用制御装置10は、無人搬送車20が中速で前進しているとき、第1荷位置センサ61及び第2荷位置センサ62の信号の入力論理により積載物Lが位置ずれしているか否かを確認している。
【0103】
本実施形態では、第1実施形態と同じ効果が得られる。また、本実施形態においても、第1荷位置センサ61を第3入力ポートIn3に電気的に接続し、第2荷位置センサ62を第4入力ポートIn4に電気的に接続しても、外部装置200により第3入力表M3に記載される「ポート1_L」を「ポート3_L」に書き換え、「ポート2_L」を「ポート4_L」に書き換えればよい。そのため、無人搬送車用制御装置10のユーザによって入力ポートを汎用化することができる。
【0104】
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0105】
〇上記各実施形態において、無人搬送車20の構成、及び無人搬送車20に要求される制御は、適宜変更してもよい。シーケンスプログラムの内容は適宜変更してもよい。シーケンスプログラムは、2つ以上の基本プログラムを所望の順序で実行するように予め編集して構成されていればよい。
【0106】
○ シーケンスプログラムは、例えば、特定アドレスにおいて、複数の第1欄に入力された第1情報に紐づけられた基本プログラムのうち2つ以上を所望の順序で実行するように実行順を指定するプログラムPrとしてもよい。すなわち、シーケンスプログラムは、2つ以上の基本プログラムを所望の順序で実行するように予め編集して構成されていなくてもよい。なお、上述した各シーケンスプログラムPrs1,Prs2,Prs3,Prs4以外のシーケンスプログラムにおいても同様に変更してもよい。
【0107】
○第1情報としての「F」、「R」、「高」、「中」、「低」、「停止」、「UP」、「DOWN」、及び第2情報としての「A」、「B」、「C」、「D」、及び「E」の表記方法は適宜変更してもよい。例えば「F」に代替して「前進」、「R」に代替して「後進」のように変更してもよい。このように変更しても、第1情報と基本プログラムが紐づけられ、第2情報とシーケンスプログラムが紐づけられていればよい。
【0108】
○ 第1実施形態において、第1入力ポートIn1及び第2入力ポートIn2は割愛されてもよい。使用しない入力ポートを削除することにより、無人搬送車用制御装置10のコスト及び体格の大型化を抑制できる。
【0109】
○ 第1実施形態において、第1入力表M1及び第2入力表M2における第2指定入力欄及び第2入力論理欄は、割愛してもよい。このように変更することで、第1入力表M1及び第2入力表M2の視認性がより向上する。
【0110】
○第1走行経路R1及び第2走行経路R2の構成は適宜変更してもよい。また、無人搬送車20が第1走行経路R1及び第2走行経路R2のどちらを走行するかは管制塔90の指令により適宜変更可能である。
【0111】
○磁気テープ30を、各アドレスの位置情報が記憶されたRFID(radio frequency identifier)に変更してもよい。この場合、演算処理部12は、RFIDの位置情報から無人搬送車20の位置を検出する。また、無人搬送車20の位置を検出する手段として、GPS等を利用してもよいし、例えば無人搬送車20が走行し始めてからの時間をカウントし、経過時間によって無人搬送車20の位置を検出するように変更してもよい。すなわち、無人搬送車20の位置を検出する手段は、適宜変更してもよい。
【0112】
○台車80及び積載物Lは、工場の作業者ではなく、機械によって準備又は積載されてもよい。このとき、無人搬送車用制御装置10と当該機械との間でインターロック通信等を行うことにより無人搬送車20の発車タイミングを調整するようにしてもよい。なお、インターロック通信を実施する場合、無人搬送車20から当該機械に信号を出力するための図2に記載の発信機43を設けてもよい。発信機43は、配線43aを介して無人搬送車用制御装置10の第1出力ポートOut1、第2出力ポートOut2、第3出力ポートOut3、及び第4出力ポートOut4のいずれかに電気的に接続されるとよい。なお、図2には、発信機43が第4出力ポートOut4に配線43aを介して接続されている一例を図示している。
【0113】
○本実施形態において、無人搬送車用制御装置10には、入力ポートが4つ設けられ、出力ポートが4つ設けられていたが、入力ポート及び出力ポートの数は適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0114】
10…無人搬送車用制御装置、11…記憶部、12…演算処理部、20…無人搬送車、Pr…プログラム、Pr1…第1プログラム、Pr2…第2プログラム、Pr3…第3プログラム、Pr4…第4プログラム、Pr5…第5プログラム、Pr6…第6プログラム、Prs1…第1シーケンスプログラム、Prs2…第2シーケンスプログラム、Prs3…第3シーケンスプログラム、Prs4…第4シーケンスプログラム、Prs5…第5シーケンスプログラム、M1…第1入力表、M2…第2入力表、M3…第3入力表、In1…第1入力ポート、In2…第2入力ポート、In3…第3入力ポート、In4…第4入力ポート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10