(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-28
(45)【発行日】2023-09-05
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理プログラム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G01D 9/00 20060101AFI20230829BHJP
【FI】
G01D9/00 A
(21)【出願番号】P 2021023501
(22)【出願日】2021-02-17
【審査請求日】2022-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】桑原 美幸
(72)【発明者】
【氏名】尾後 晶安己
(72)【発明者】
【氏名】内田 雅之
(72)【発明者】
【氏名】徳岡 萌
【審査官】平野 真樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-071157(JP,A)
【文献】特開2019-179005(JP,A)
【文献】国際公開第2015/076168(WO,A1)
【文献】特開2018-194892(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 9/00-9/42,15/00-15/34
G08C 13/00-25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定データを保持するとともに記録計に送信する入力デバイスと、
前記入力デバイスが送信した測定データを受信して記録する記録計と、
前記記録計の記録結果と、前記記録計の記録結果には含まれないが前記入力デバイスによって保持されている測定データである欠損データを含む補完データとを用いて、前記欠損データが補完された新たな記録結果を生成する情報処理装置と、
を備え、
前記記録計は、前記補完データを要求する要求情報を前記入力デバイスに送信し、
前記入力デバイスは、前記記録計が送信した要求情報を受信し、要求された補完データを前記記録計に送信し、
前記情報処理装置は、前記入力デバイスが前記記録計に送信した補完データを用いて、前記新たな記録結果を生成し、
前記入力デバイスは、前記測定データを、測定順に付与されるデータ連番と対応付けて保持するとともに、前記データ連番と併せて前記記録計に送信し、
前記補完データは、前記欠損データの測定の前後に測定された測定データを含み、
前記情報処理装置は、前記記録計の記録結果と、前記補完データとを、前記前後に測定された測定データの前記データ連番が前記記録結果のデータ連番に合致するように合成することで、前記新たな記録結果を生成する
、
情報処理システム。
【請求項2】
前記情報処理装置は、前記補完データに含まれる欠損データが、前記記録計の記録結果において欠損データが発生している欠損期間に均等に割り当てられた時刻に対応するように、前記記録計の記録結果と前記補完データとを合成する、
請求項
1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記入力デバイスは、前記測定データを、測定順に付与されるデータ連番と対応付けて保持するとともに、前記データ連番と併せて前記記録計に送信し、
前記記録計は、前記測定データを前記データ連番及び前記欠損データの存在を示す欠損情報と対応付けて記録し、
前記情報処理装置は、前記記録計の記録結果を監視し、前記欠損情報を含む記録結果を発見した場合に、当該記録結果と、前記補完データとを用いて、前記新たな記録結果を生成する、
請求項1
又は2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記入力デバイスによる送受信及び前記記録計による送受信は、無線送受信であり、
前記入力デバイスは、前記無線送受信の消費電力を低減することを含むスリープ状態に移行し、また、前記スリープ状態を解除できるように構成され、
前記入力デバイスは、前記要求情報を受信可能であることを通知する受信可能通知を前記記録計に送信し、
前記記録計は、前記入力デバイスが送信した前記受信可能通知を受信したことに応じて、前記要求情報を前記入力デバイスに送信し、
前記入力デバイスは、前記記録計が送信した要求情報を受信し、要求された補完データを前記記録計に送信した後は、前記スリープ状態に移行する、
請求項1~
3のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
コンピュータに、
測定データを保持するとともに送信する入力デバイスによって送信された測定データを受信して記録する記録計の記録結果と、前記記録計の記録結果には含まれないが前記入力デバイスによって保持されている測定データである欠損データを含む補完データとを用いて、前記欠損データが補完された新たな記録結果を生成する、
処理を実行させる情報処理プログラムであって、
前記記録計は、前記補完データを要求する要求情報を前記入力デバイスに送信し、
前記入力デバイスは、前記記録計が送信した要求情報を受信し、要求された補完データを前記記録計に送信し、
前記生成では、
前記コンピュータが、前記入力デバイスが前記記録計に送信した補完データを用いて、前記新たな記録結果を生成
し、
前記入力デバイスは、前記測定データを、測定順に付与されるデータ連番と対応付けて保持するとともに、前記データ連番と併せて前記記録計に送信し、
前記補完データは、前記欠損データの測定の前後に測定された測定データを含み、
前記生成では、前記コンピュータが、前記記録計の記録結果と、前記補完データとを、前記前後に測定された測定データの前記データ連番が前記記録結果のデータ連番に合致するように合成することで、前記新たな記録結果を生成する、
情報処理プログラム。
【請求項6】
入力デバイスが、測定データを保持するとともに記録計に送信することと、
前記記録計が、前記入力デバイスが送信した測定データを受信して記録することと、
情報処理装置が、前記記録計の記録結果と、前記記録計の記録結果には含まれないが前記入力デバイスによって保持されている測定データである欠損データを含む補完データとを用いて、前記欠損データが補完された新たな記録結果を生成することと、
前記記録計が、前記補完データを要求する要求情報を前記入力デバイスに送信することと、
前記入力デバイスが、前記記録計が送信した要求情報を受信し、要求された補完データを前記記録計に送信することと、
を含み、
前記生成することでは、前記情報処理装置が
、前記入力デバイス
が前記記録計に送信した補完データを用いて、前記新たな記録結果を生成し、
前記
測定データを保持するとともに記録計に送信することでは、前記入力デバイスが、前記測定データを、測定順に付与されるデータ連番と対応付けて保持するとともに、前記データ連番と併せて前記記録計に送信し、
前記補完データは、前記欠損データの測定の前後に測定された測定データを含み、
前記生成することでは、前記情報処理装置が、前記記録計の記録結果と、前記補完データとを、前記前後に測定された測定データの前記データ連番が前記記録結果のデータ連番に合致するように合成することで、前記新たな記録結果を生成する、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、入力デバイス、記録計、情報処理プログラム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
工業計測分野等において、測定データを取得する入力デバイスと、入力デバイスから送信された測定データを記録する記録計とを備えるシステムが知られている(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
入力デバイスと記録計との間の通信不具合等により、記録計に記録されない測定データ(欠損データ)が発生することがある。一方で、入力デバイスは、測定データを例えば一時的に保持している。その範囲内であれば、欠損データを入力デバイスから取得して補完することは可能である。これまでは、欠損データの取得及び補完の作業は、例えばユーザがPCを入力デバイスに接続して手動で行っていた。その分、作業負担が大きくなる。
【0005】
本発明は、欠損データの取得及び補完に係る作業負担を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一側面に係る情報処理システムは、測定データを保持するとともに記録計に送信する入力デバイスと、入力デバイスが送信した測定データを受信して記録する記録計と、記録計の記録結果と、記録計の記録結果には含まれないが入力デバイスによって保持されている測定データである欠損データを含む補完データとを用いて、欠損データが補完された新たな記録結果を生成する情報処理装置と、を備え、記録計は、補完データを要求する要求情報を入力デバイスに送信し、入力デバイスは、記録計が送信した要求情報を受信し、要求された補完データを記録計に送信し、情報処理装置は、入力デバイスが記録計に送信した補完データを用いて、新たな記録結果を生成する。
【0007】
一側面に係る入力デバイスは、測定データを保持する記憶部と、測定データを、当該測定データを記録する記録計に送信する通信部と、を備え、通信部は、記録計の記録結果には含まれないが記憶部によって保持されている測定データである欠損データを含む補完データを要求する要求情報を記録計から受信し、要求された補完データを記録計に送信する。
【0008】
一側面に係る記録計は、測定データを保持するとともに送信する入力デバイスによって送信された測定データを受信する通信部と、通信部が受信した測定データを記録する記録部と、を備え、通信部は、記録部の記録結果には含まれないが入力デバイスによって保持されている測定データである欠損データを含む補完データを要求する要求情報を、入力デバイスに送信する。
【0009】
一側面に係る情報処理プログラムは、コンピュータに、測定データを保持するとともに送信する入力デバイスによって送信された測定データを受信して記録する記録計の記録結果と、記録計の記録結果には含まれないが入力デバイスによって保持されている測定データである欠損データを含む補完データとを用いて、欠損データが補完された新たな記録結果を生成する、処理を実行させる情報処理プログラムであって、記録計は、補完データを要求する要求情報を入力デバイスに送信し、入力デバイスは、記録計が送信した要求情報を受信し、要求された補完データを記録計に送信し、生成では、入力デバイスが記録計に送信した補完データを用いて、新たな記録結果を生成する。
【0010】
一側面に係る情報処理方法は、入力デバイスが、測定データを保持するとともに記録計に送信することと、記録計が、入力デバイスが送信した測定データを受信して記録することと、情報処理装置が、記録計の記録結果と、記録計の記録結果には含まれないが入力デバイスによって保持されている測定データである欠損データを含む補完データとを用いて、欠損データが補完された新たな記録結果を生成することと、を含み、生成することでは、記録計が補完データを要求する要求情報を入力デバイスに送信し、入力デバイスが要求情報に応じて記録計に送信した補完データを用いて、新たな記録結果を生成する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、欠損データの取得及び補完に係る作業負担を軽減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態に係る情報処理システムの概略構成の例を示す図である。
【
図2】入力デバイスの概略構成の例を示す図である。
【
図3】取得部が取得する測定データの例を示す図である。
【
図6】収集部が収集する測定データの例を示す図である。
【
図10】サーバ装置の概略構成の例を示す図である。
【
図11】情報処理装置の概略構成の例を示す図である。
【
図12】記録データファイルリストの例を示す図である。
【
図13】補完データファイルリストの例を示す図である。
【
図14】生成部が生成するバックフィルデータファイルの例を示す図である。
【
図15】更新された記録データファイルリストの例を示す図である。
【
図16】情報処理システムにおいて実行される処理の例を示すフローチャートである。
【
図17】情報処理システムにおいて実行される処理の例を示すフローチャートである。
【
図18】情報処理装置のハードウェア構成の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ実施形態について説明する。同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
【0014】
図1は、実施形態に係る情報処理システムの概略構成の例を示す図である。情報処理システム1は、入力デバイス2と、記録計3と、サーバ装置4と、情報処理装置5とを含む。入力デバイス2及び記録計3は、互いに通信可能(データ等の送受信が可能)である。記録計3及びサーバ装置4は、互いに通信可能である。サーバ装置4及び情報処理装置5は、互いに通信可能である。
【0015】
入力デバイス2は、測定データを情報処理システム1に入力するために用いられる。この例では、入力デバイス2は、フィールドF内に配置され、各々が対応する測定データ(フィールドデータ)を取得する複数の入力デバイス2である。各入力デバイス2を区別できるように、入力デバイス2A及び入力デバイス2B等と称し図示する。入力デバイス2は、電池の電力を用いて動作する電池駆動デバイスであってよい。入力デバイス2は、後述の記録計3とは異なり、タイマー機能等の時刻把握機能は備えていなくてよい。
【0016】
フィールドFは、測定データが測定される設備等の少なくとも一部のエリアを指し示す。設備の例は、プラントである。その場合、入力デバイス2は、例えば、プラントに関する測定データを取得する工業用デバイスとして用いられる。測定データの例は、電圧、電流、電力、磁気、温度、湿度、圧力、速度、流体の流量及び液量等である。設備の別の例は、倉庫である。その場合、入力デバイス2は、例えば、温度、湿度等の監視用デバイスとして用いられる。
【0017】
入力デバイス2は、測定データを保持するとともに記録計3に送信する。入力デバイス2は、設定された周期(間欠動作周期)に従って、スリープ状態からアウェイク状態(スリープ状態を解除した状態)に移行(遷移)し、測定データの取得、保持及び送信等の動作を行う。アウェイク状態は、測定データの取得、保持及び送信等の動作を直ちに行える状態である。スリープ状態は、そのような動作を直ちには行えない状態である。スリープ状態では、アウェイク状態よりも消費電力(例えばアイドル電流等)が低減される。入力デバイス2について、
図2も参照して説明する。
【0018】
図2は、入力デバイスの概略構成の例を示す図である。入力デバイス2は、取得部21と、通信部22と、要求処理部23と、記憶部24とを含む。記憶部24に記憶される情報として、測定データ21a及びプログラム24aが例示される。
【0019】
取得部21は、測定データを取得する。例えば、取得部21は、フィールドFに設けられた種々の測定機器の測定結果及びセンサ機器の検出結果等を、測定データとして取得する。それらの機器は、入力デバイス2の構成要素であってもよいし、入力デバイス2とは別に設けられてもよい。
【0020】
図3は、取得部が取得する測定データの例を示す図である。取得部21は、「デバイス識別情報」と、「データ連番」と、「測定データ」とを対応付けて取得する。
【0021】
「デバイス識別情報」は、各入力デバイス2を一意に特定するための情報(デバイスID等)である。この例では、デバイス識別情報は、入力デバイス2A等として模式的に示される。
【0022】
「データ連番」は、測定データを一意に特定するための番号であり、例えば測定データの測定順に付与される測定順情報である。この例では、データ連番は、データ連番1~データ連番8等として模式的に示される。
【0023】
「測定データ」は、先に説明したとおりであり、この例では温度(の例えば瞬時値)である。
【0024】
上述のようにデバイス識別情報及びデータ連番が対応付けられた測定データを、取得部21が順番に取得し、記憶部24が保持する。記憶部24は、測定データを、一時的に保持する。保持される測定データの数は、記憶部24の記憶容量等に応じて適宜設定される。記憶部24が保持する測定データを、測定データ21aと称し図示する。
【0025】
図2に戻り、通信部22は、記録計3との間でデータの送受信を行う送受信部である。例えば、通信部22は、取得部21が取得した測定データを、データ連番と併せて記録計3に送信する。送信間隔は、取得部21による測定データの取得間隔と同じであってよい。また、通信部22は、記録計3からの要求情報等の受信も行う。詳細は後述する。
【0026】
一実施形態において、通信部22は、データを無線送受信する。その場合、通信部22は、無線機等を含んで構成される。データの送受信には、例えば920MHz帯特定小電力無線が用いられる。上述の入力デバイス2のスリープ状態及びアウェイク状態に合わせて、通信部22も、スリープ状態及びアウェイク状態の間で切り替えられる。すなわち、入力デバイス2は、無線送受信の消費電力を低減することを含むスリープ状態に移行し、また、そのようなスリープ状態を解除できるように構成される。
【0027】
要求処理部23は、記録計3からの要求情報等を処理する。詳細は後述する。
【0028】
記憶部24は、入力デバイス2において実行される処理に必要な種々の情報を記憶する。記憶される情報として例示される測定データ21a及びプログラム24aのうち、測定データ21aについては、先に
図3を参照して説明したとおりである。プログラム24aは、コンピュータ(例えば入力デバイス2に実装されたプロセッサ)に、入力デバイス2の処理を実行させるプログラム(入力プログラム、ソフトウェア)である。
【0029】
図1に戻り、記録計3は、入力デバイス2が受信した測定データを受信して記録する。記録計3について、
図4も参照して説明する。
【0030】
図4は、記録計の概略構成の例を示す図である。記録計3は、通信部31と、収集部32と、記録部33と、要求部34と、記憶部35とを含む。記憶部35に記憶される情報として、記録データファイル33a、補完データファイル34a及びプログラム35aが例示される。
【0031】
通信部31は、入力デバイス2との間でデータの送受信を行う送受信部である。例えば、通信部31は、入力デバイス2の通信部22が送信した測定データを受信する。通信部31は、受信した測定データを、次の測定データを受信するまでの間、通信部31の内部メモリ(不図示)に保持する。また、通信部31は、要求情報等を入力デバイス2の通信部22に送信する。詳細は後述する。
【0032】
通信部31も、入力デバイス2の通信部22と同様に無線送受信部であってよく、無線機等を含んで構成されてよい。記録計3の通信部31の無線機及び入力デバイス2の通信部22の無線機は、無線親機及び無線子機の関係にあってよい。
【0033】
収集部32は、入力デバイス2が送信した測定データを収集する。具体的に、収集部32は、通信部31が受信して保持している測定データを取得し、測定データを収集する。収集部32による測定データの収集間隔は、入力デバイス2の通信部22が送信した測定データを適切に収集できる範囲内で任意に設定されてよい。入力デバイス2と記録計3とは非同期(時刻同期等せずに)で動作してよく、収集部32による測定データの収集間隔は、入力デバイス2による測定データの送信間隔と異なっていてよい。
【0034】
ここで、情報処理システム1において、入力デバイス2の通信部22と記録計3の通信部31との間の通信不具合等に起因して、入力デバイス2の取得部21が取得した測定データのうちの一部の測定データが、記録計3の通信部31によって受信されないことがある。通信部31によって受信されなかった測定データを、「欠損データ」と称する。欠損データは、記録計3の記録結果には含まれないが、入力デバイス2の記憶部24によって保持されている。
【0035】
図5は、欠損データを模式的に示す図である。入力デバイス2の取得部21が取得した測定データとして、データ連番1~データ連番8の測定データが例示される。データ連番1、データ連番2及びデータ連番6~データ連番8の測定データは、記録計3の通信部31が受信した測定データである。データ連番3~データ連番5の測定データは、通信部31が受信しなかった測定データ、すなわち欠損データである。
【0036】
収集部32は、上述のような欠損データの存在を示す欠損情報(後述)を測定データに対応付けて収集する。
【0037】
図6は、収集部が収集する測定データの例を示す図である。この例では、測定データの収集間隔は1分である。データ連番1、データ連番2及びデータ連番6~データ連番8の測定データは収集されるが、データ連番3~データ連番5の測定データは収集されない。データ連番3~データ連番5の測定データの代わりに、データ連番2の測定データが連続して収集される。これは、通信部31が、データ連番2の測定データを受信してからデータ連番6の測定データを受信するまでの間、データ連番2の測定データを保持し続け、そのデータ連番2の測定データを収集部32が繰り返し取得するからである。結果的に、ここでは、データ連番2の測定データが4回連続で収集される。
【0038】
収集部32は、「デバイス識別情報」と、「データ連番」と、「測定データ」と、「欠損情報」とを対応付けて収集する。「デバイス識別情報」、「データ連番」及び「測定データ」についてはこれまで説明したとおりである。
【0039】
「欠損情報」は、欠損データの存在を示す情報であり、この例では、「欠損検出」、「欠損」及び「復帰検出」を含む。
【0040】
「欠損検出」は、欠損データの発生が検出(検知)されたことを示す。例えば、順次収集された測定データのデバイス識別情報及びデータ連番が一定期間更新されていない場合に、欠損データの発生が検出される。この一定期間は、運用に合わせて適宜設定されてよい。この例では、データ連番が2分間更新されなかったタイミングで欠損が検出される。したがって、データ連番2の測定データのうち、3回目に収集された測定データに「欠損検出」が対応付けられる。
【0041】
「欠損」は、欠損データの発生が継続していることを示す。具体的に、上述の「欠損検出」が対応付けられた測定データと同じデータ連番の測定データが引き続き収集された場合、その測定データに「欠損」が対応付けられる。この例では、データ連番2の測定データのうち、4回目に収集された測定データに「欠損」が対応付けられる。なお、図示しないが、同じ測定データがさらに収集され続ければ、それらの測定データにも「欠損」が対応付けられる。
【0042】
「復帰検出」は、欠損データの発生の終了が検出されたことを示す。具体的に、上述の「欠損検出」が対応付けられた測定データとは異なるデータ連番の測定データが収集された場合、その測定データに「復帰検出」が対応付けられる。この例では、データ連番6の測定データに「復帰検出」が対応付けられる。
【0043】
図4に戻り、記録部33は、通信部31が受信した測定データ、より具体的には収集部32が収集した測定データを、時刻情報と対応付けて記録する。記録部33の記録結果を、記録データファイル33aと称し図示する。
【0044】
図7は、記録データファイルの例を示す図である。記録データファイル33aは、「時刻情報」と、「デバイス識別情報」と、「データ連番」と、「測定データ」と、「欠損情報」とを対応付けて記述する。
【0045】
「時刻情報」は、測定データが記録データファイル33aに記録された時刻(記録時刻)を示す。この例では、記録間隔は1分である。記録部33による測定データの記録間隔は、収集部32による測定データの収集間隔と同じであってよい。
【0046】
「デバイス識別情報」、「データ連番」、「測定データ」及び「欠損情報」については先に説明したとおりである。必須ではないが、この例では、記録部33は、「測定データ」及び「欠損情報」の記述に修正を加える。具体的に、記録部33は、先の収集部32の収集において「欠損検出」及び「欠損」が対応付けられた測定データ(
図6の上から4番目及び5番目の測定データ)を、「欠損」と記述する。また、記録部33は、先の収集部32の収集において「欠損検出」が対応付けられた測定データ(
図6の上から4番目の測定データ)の「欠損情報」を、「欠損」と記述する。記録部33は、先の収集部32の収集において「欠損」が対応付けられた測定データ(
図6の上から5番目の測定データ)の「欠損情報」には何も記述しない。
【0047】
なお、
図7には示されないが、異なる入力デバイス2(例えば入力デバイス2A及び入力デバイス2B等)の測定データが1つの記録データファイル33aに含まれてもよい。
【0048】
記録部33は、上述のような記録データファイル33aを生成し、SDカード等のメモリ(不図示)に保存したり、通信部31によってサーバ装置4にアップロードしたりする。アップロードには、例えばFTPによるデータ転送が用いられる。記録部33は、例えば収集部32によって一定数の測定データが収集される都度、記録データファイル33aを生成する。生成された複数の記録データファイル33aが、サーバ装置4にアップロードされ蓄積される。
【0049】
図4に戻り、要求部34は、欠損データを補完するための補完データを入力デバイス2に要求する。補完データは、欠損データを含むデータである。補完データは、欠損データの測定の前後に測定された測定データ(欠損前及び、復帰検出時及び検出後の測定データ)も含んでよい。これにより、例えば欠損データが検出された後の測定データだけを補完データとして用いる場合と比較して十分な補完データを確保し、欠損データを漏れなく補完することができる。入力デバイス2と記録計3が非同期の場合でも、タイミングのずれを考慮して、より確実に補完データを確保できる。例えば後に
図11等を参照して説明する情報処理装置5の生成部53による、時刻情報も含めた欠損データの補完に有用である。
【0050】
補完データの範囲についてさらに述べる。補完データは、後に詳述する補完処理における補完開始基準位置の測定データから補完終了基準位置の測定データまでを含む。補完開始基準位置の測定データは、欠損前の測定データが記録された記録位置の測定データである。補完終了基準位置の測定データは、「復帰検出」が対応付けられた測定データである。
【0051】
具体的に、上述の
図6を例に挙げて説明すると、補完開始基準位置の測定データは、データ連番2の測定データである。補完終了基準位置の測定データは、データ連番6の測定データである。従って、補完データは、データ連番2~データ連番6の測定データを含む。なお、補完データは、データ連番1~データ連番7の測定データであってもよい。
【0052】
十分な補完データがより確実に得られるよう、補完データは、「復帰検出」が対応付けられた測定データよりも後の測定データも含んでよい。例えば、補完データは、「復帰検出」が対応付けられた測定データよりもm個だけ後の測定データまで含んでよい。mは、1以上の整数である。上述の
図6を例に挙げて説明すると、例えばm=2の場合、補完データは、データ連番2~データ連番8の測定データを含む。また、補完データは、「欠損検出」が対応付けられた測定データよりも前の測定データも含んでよい。
【0053】
要求部34は、上述のような補完データを要求する要求情報(要求コマンド)を生成する。
【0054】
図8は、要求情報の例を示す図である。要求情報は、「デバイス識別情報」と、「データ連番」とを対応付けて記述する。「データ連番」は、ここでは「開始番号」(補完開始基準位置)及び「終了番号」(補完終了基準位置)で記述される。このような要求情報によって、要求される補完データが含むべき測定データが一意に特定される。この例では、入力デバイス2Aに保持されているデータ連番2~データ連番8の測定データが、補完データとして要求される。
【0055】
図4に戻り、通信部31は、要求部34が生成した要求情報を保持するとともに、適切なタイミングで入力デバイス2の通信部22に送信する。要求情報の送信は、入力デバイス2がスリープ状態を解除しているとき(アウェイク状態のとき)に行われる。このような要求情報の送信タイミングは、入力デバイス2と記録計3との協働によって決定される。
【0056】
図2及び
図4を参照して、入力デバイス2の要求処理部23は、上述の要求情報を受信して処理するように、入力デバイス2を制御する。具体的に、要求処理部23は、例えば先に述べた入力デバイス2の起床間隔(間欠動作周期)を間引いての間隔で入力デバイス2がスリープ状態を解除しているタイミングで、受信可能通知情報(受信可能通知コマンド)を生成する。受信可能通知情報は、要求情報を受信可能であることを通知するための情報である。通信部22は、生成された受信可能通知情報を、記録計3の通信部31に送信する。
【0057】
記録計3の通信部31は、入力デバイス2の入力デバイス2が送信した受信可能通知情報を受信する。通信部31は、受信可能通知情報を受信したことに応じて、保持している要求情報を入力デバイス2の通信部22に送信する。通信部31は、保持している要求情報が無い場合には、その旨を通知する要求無し情報(要求無しコマンド)を、入力デバイス2の通信部22に送信する。
【0058】
入力デバイス2の通信部22は、記録計3の通信部31が送信した要求情報又は要求無し情報を受信する。通信部22が要求情報を受信した場合、要求処理部23は、要求情報が自身の入力デバイス2(例えば入力デバイス2A)に対する要求であるか否かを判断する。この判断は、例えば要求情報に示されるデバイス識別情報(
図8)に基づいて行われる。要求処理部23は、要求情報が自身の入力デバイス2に対する要求である場合、要求された補完データを記憶部24から取得する。通信部22は、要求処理部23が取得した補完データを記録計3の通信部31に送信する。その後、入力デバイス2は、スリープ状態に移行する。なお、通信部22が要求無し情報を受信した場合、そのような要求処理部23による取得及び通信部22による送信は行われず、通信部22は、スリープ状態に移行する。
【0059】
記録計3の通信部31は、入力デバイス2の通信部22が送信した補完データを受信する。先に送信した要求情報の保持は終了する(内部メモリからクリアされる)。要求部34は、通信部31が受信した補完データを取得する。なお、通信部31が補完データを未だ受信していない場合は、未受信であることを示す情報が通信部31から要求部34に返される。要求部34は、通信部31から補完データを取得すると、取得した補完データを含むデータファイルを生成する。生成されるデータファイルを、補完データファイル34aと称し図示する。
【0060】
図9は、補完データファイルの例を示す図である。例示される補完データファイル34aは、先に説明した
図8の要求情報によって要求された補完データであり、データ連番2~データ連番8の測定データを含む。
【0061】
要求部34は、上述のような補完データファイル34aを生成し、SDカード等に保存したり、サーバ装置4にアップロードしたりする。要求部34は、要求情報で要求した補完データが得られる都度、補完データファイル34aを生成する。生成された複数の補完データファイル34aが、サーバ装置4にアップロードされ蓄積される。
【0062】
図4に戻り、記憶部35は、記録計3において実行される処理に必要な種々の情報を記憶する。記憶される情報として例示される記録データファイル33a、補完データファイル34a及びプログラム35aのうち、記録データファイル33a及び補完データファイル34aについては先に
図7及び
図9を参照して説明したとおりである。プログラム35aは、コンピュータ(例えば記録計3に実装されたプロセッサ)に、記録計3の処理を実行させるプログラム(記録プログラム、ソフトウェア)である。
【0063】
図1に戻り、サーバ装置4は、記録計3と情報処理装置5との間での情報の受け渡しを担う装置(例えばデータサーバ)である。
【0064】
図10は、サーバ装置の概略構成の例を示す図である。サーバ装置4の主たる機能ブロックとして、記憶部41が例示される。記憶部41は、記録計3と情報処理装置5との間で受け渡される種々の情報を記憶する。記憶部41に記憶される情報として、記録データファイル33a、補完データファイル34a及びバックフィルデータファイル53aが例示される。記録データファイル33a及び補完データファイル34aは、これまで説明したように、記録計3の記録部33及び要求部34によって生成され、サーバ装置4にアップロードされることにより、記憶部41に記憶される。バックフィルデータファイル53aについては後述する。
【0065】
以下、サーバ装置4の記憶部41に記憶されていることを、サーバ装置4にアップロードされているという場合もある。
【0066】
図1に戻り、情報処理装置5は、周期的若しくは指定されたタイミングで、補完処理を実行する。補完処理は、記録計3の記録結果と、補完データとを用いて、欠損データが補完された新たな記録結果を生成することを含む。記録計3の記録結果及び補完データは、この例では、サーバ装置4にアップロードされた記録データファイル33a及び補完データファイル34aである。
【0067】
図11は、情報処理装置の概略構成の例を示す図である。情報処理装置5は、監視部51と、リスト管理部52と、生成部53と、UI部54と、記憶部55とを含む。記憶部55に記憶される情報として、記録データファイルリスト52a、補完データファイルリスト52b、バックフィルデータファイル53a及びプログラム55aが例示される。
【0068】
監視部51は、記録計3の記録結果を監視する。例えば、監視部51は、定期的にサーバ装置4にアクセスし、記憶部41に記憶されている記録データファイル33aを監視する。記録データファイル33aの監視の例は、サーバ装置4に新たにアップロードされた(記憶部41に追加された)記録データファイル33aの有無等である。また、監視部51は、補完データファイル34aも監視する。補完データファイル34aの監視例は、サーバ装置4に新たにアップロードされた補完データファイル34aの有無である
【0069】
リスト管理部52は、監視部51によって監視された記録データファイル33aのうち、欠損データがある記録データファイル33a、より具体的には欠損情報を含む記録データファイル33aをリスト化して管理する。記録データファイル33aの管理リストを、記録データファイルリスト52aと称し図示する。
【0070】
図12は、記録データファイルリストの例を示す図である。記録データファイルリスト52aは、「ファイルリスト」と、「状態」と、「欠損データ」とを対応付けて記述する。
【0071】
「ファイルリスト」は、サーバ装置4にアップロードされている記録データファイル33aのリストである。先に述べたように、複数の記録データファイル33aがサーバ装置4にアップロードされ蓄積される。各記録データファイル33aは、区別できるようにリスト化され、この例では「記録データファイル33a-1」等として模式的に示される。
【0072】
「状態」は、記録データファイル33aの補完状態(補完処理の進捗)を示す。補完処理が完了している場合は、状態「完了」と記述され、補完処理が完了していない場合は「処理待ち」と記述される。この例では、記録データファイル33a―1及び記録データファイル33a―2はいずれも補完処理が完了しておらず、「処理待ち」と記述される。
【0073】
「欠損データ」は、記録データファイル33aにおける欠損データである。この例では、欠損データは、データ連番とデバイス識別情報との組み合わせによって一意に特定される。記録データファイル33a―1における欠損データは、入力デバイス2Aのデータ連番2~データ連番6の測定データである。記録データファイル33a―2における欠損データは、入力デバイス2Bのデータ連番aa~bb及び入力デバイス2Aのデータ連番cc~ddとして模式的に示される。この記録データファイル33a―2には、入力デバイス2Bのデータ連番aa~bb及び入力デバイス2Aのデータ連番cc~ddという2つの欠損期間(欠損データが発生している期間)が存在する。
【0074】
図11に戻り、リスト管理部52は、監視部51によって監視された補完データファイル34aもリスト化して管理する。補完データファイル34aの管理リストを、補完データファイルリスト52bと称し図示する。
【0075】
図13は、補完データファイルリストの例を示す図である。補完データファイルリスト52bは、「ファイルリスト」と、「補完可能データ」とを対応付けて記述する。
【0076】
「ファイルリスト」は、サーバ装置4にアップロードされている補完データファイル34aのリストである。先に述べたように、複数の補完データファイル34aがサーバ装置4にアップロードされ蓄積される。各補完データファイル34aは、区別できるようにリスト化され、この例では「補完データファイル34a―1」等として模式的に示される。
【0077】
「補完可能データ」は、補完データのうち、欠損データの補完に用いることのできる測定データである。この例では、補完可能データは、データ連番とデバイス識別情報との組み合わせによって一意に特定される。補完データファイル34a―1の補完可能データは、入力デバイス2Aのデータ連番2~データ連番8の測定データであり、先に説明した
図12の記録データファイル33a―1の欠損データの補完に用いることができる。補完データファイル34a―2の補完可能データは、入力デバイス2Bのデータ連番aa~データ連番bb+mの測定データであり、先に説明した
図12の記録データファイル33a―2の欠損データのうち、入力デバイス2Bのデータ連番aa~bbの欠損データの補完に用いることができる。補完データファイル34a―3の補完可能データは、入力デバイス2Aのデータ連番cc~dd+mの測定データであり、先に説明した
図12の記録データファイル33a―2の欠損データのうち、入力デバイス2Aのデータ連番cc~ddの欠損データの補完に用いることができる。
【0078】
図11に戻り、生成部53は、補完可能な範囲内において、記録データファイル33aと補完データファイル34aとを用いて、欠損データが補完された新たな記録結果(新たな記録データファイル)を生成する。生成される新たな記録結果を、バックフィルデータファイル53aと称し図示する。
【0079】
例えば、生成部53は、監視部51によって新たに発見され記録データファイルリスト52aに追加された記録データファイル33aの欠損データを補完可能データとして含む補完データファイル34aを、補完データファイルリスト52bから検索する。例えば、欠損データと同じデバイス識別情報及びデータ連番の測定データを含む補完データファイル34aが検索される。生成部53は、新たに発見された記録データファイル33aと、検索した補完データファイル34aとを用いて、バックフィルデータファイル53aを生成する。
【0080】
例えば、生成部53は、監視部51によって新たに発見され補完データファイルリスト52bに追加された補完データファイル34aの補完可能データによって欠損データが補完されることのできる欠損データのある記録データファイル33aを、記録データファイルリスト52aから検索する。例えば、補完データファイル34aに含まれる測定データと同じデバイス識別情報及びデータ連番の測定データが欠損データとなっている記録データファイル33aが検索される。バックフィルデータファイル53aは、検索した記録データファイル33aと、新たに発見された補完データファイル34aとを用いて、バックフィルデータファイル53aを生成する。
【0081】
ここで、1つの記録データファイル33aの欠損データの補完に、2つ以上の補完データファイル34aが用いられる場合もある。例えば、先に説明した
図12の記録データファイル33a―2には、入力デバイス2Bのデータ連番aa~bb及び入力デバイス2Aのデータ連番cc~ddという2つの欠損期間が存在する。各欠損期間の欠損データを補完するために、先に説明した
図13の補完データファイル34a―2及び補完データファイル34a―3が用いられる。
【0082】
この場合、生成部53は、まず、記録データファイル33aと、記録データファイル33aにおける複数の欠損期間のうちの一部の欠損期間の欠損データを補完可能データとして含む補完データファイル34aとを用いて、一部の欠損期間の欠損データが補完されたバックフィルデータファイル53aを、補完処理中のバックフィルデータファイル53aとして生成する。その後、生成部53は、別の欠損期間の欠損データを補完可能データとして含む補完データファイル34aを用いて補完処理中のバックフィルデータファイル53aの欠損データを補完する。すなわち、バックフィルデータファイル53aが更新され、すべての欠損期間の欠損データが補完されるまで、バックフィルデータファイル53aの更新が繰り返される。補完処理中のバックフィルデータファイル53aは、記憶部55に記憶されてもよいし、サーバ装置4の記憶部41に記憶されてもよい。
【0083】
補完処理は、記録データファイル33aと、補完データファイル34aとを合成することによって行われる。記録データファイル33aの欠損期間に、補完データファイル34aの対応する測定データが割り当てられ、欠損データが補完される。
【0084】
一実施形態において、生成部53は、記録データファイル33aと、補完データファイル34aとを、欠損データの測定の前後に測定された測定データのデータ連番が記録データファイル33aのデータ連番に合致するように合成することで、バックフィルデータファイル53aを生成する。具体的に、生成部53は、記録データファイル33a及び補完データファイル34aそれぞれの補完開始基準位置の測定データのデータ連番と補完終了基準位置の測定データのデータ連番とを合致させ、それらの間を、補完データファイル34aの補完データで補完する。補完開始基準位置の測定データと補完終了基準位置の測定データとの間の測定データが、補完データを用いて記述される。その際、記録データファイル33aの欠損期間に、欠損データがリニアに(均等に)割り当てられるように、欠損データが補完されてよい。補完開始基準位置の測定データの時刻情報に示される時刻から、補完終了基準位置の測定データの時刻情報に示される時刻までの間の期間を、補完された補完データ数で均等に分割した期間に対応する時刻が、補完された測定データの時刻情報として記述される。なお、補完開始基準位置及び補完終了基準位置の測定データは補完されない。
【0085】
図14は、生成部が生成するバックフィルデータファイルの例を示す図である。「記録データ付与時刻」は、記録データファイル33aの「時刻情報」に対応する。例示されるバックフィルデータファイル53aは、先に説明した
図12に示される記録データファイル33a―1と、
図13に示される補完データファイル34a-1とを用いて生成される。補完開始基準位置の測定データは、データ連番2の測定データである。補完終了基準位置の測定データは、データ連番6の測定データである。補完データファイル34a―1に含まれる欠損データ(データ連番3~データ連番5の測定データ)が、記録データファイル33aの欠損期間に均等に割り当てられた時刻に対応するように、欠損データが補完される。
【0086】
上述のような合成アルゴリズムによれば、入力デバイス2と記録計3との間での時刻同期が無くとも、欠損データがすべて補完される。入力デバイス2が時刻情報を把握していなくとも、記録計3によって把握され測定データとともに記録された時刻情報に基づいて、欠損データに時刻情報が対応付けられる。したがって、時刻同期していないことに起因する誤差(例えばクロック誤差)等を吸収(補正)しつつ、時刻情報に対応付けられた欠損データを補完することができる。
【0087】
生成部53は、上述のようなバックフィルデータファイル53aを生成し、サーバ装置4にアップロードする。生成部53は、補完処理が必要な記録データファイル33aに応じた数のバックフィルデータファイル53aを生成する。生成された複数のバックフィルデータファイル53aが、サーバ装置4にアップロードされ蓄積される。
【0088】
図11に戻り、リスト管理部52は、生成部53による補完処理が完了した記録データファイル33aがある場合、リスト管理部52を更新する。
【0089】
図15は、更新された記録データファイルリストの例を示す図である。先に説明した
図12と比較して、記録データファイル33a-1の状態が、「処理待ち」から「完了」に変更されている。対応する「必要な補完データ」も不要になり、理解を容易にするためにその部分をハッチングして図示する。
【0090】
図11に戻り、UI部54は、ユーザとの間で情報のやり取りを行うユーザインタフェースである。例えば、UI部54は、ユーザ操作に応じて、サーバ装置4にアップロードされている記録データファイル33a、補完データファイル34a及び/又はバックフィルデータファイル53aを読み出し、各種フォーマットで表示する。フォーマットの例は、トレンド表示、デジタル(数値等)表示等である。例えば、バックフィルデータファイル53aの表示によって、欠損データが補完された記録計3の記録結果が提供される。
【0091】
記憶部55は、情報処理装置5において実行される処理に必要な種々の情報を記憶する。記憶される情報として例示される記録データファイルリスト52a、補完データファイルリスト52b、バックフィルデータファイル53a及びプログラム55aのうち、記録データファイルリスト52a、補完データファイルリスト52b及びバックフィルデータファイル53aについては先に
図12~
図14を参照して説明したとおりである。プログラム55aは、コンピュータに、情報処理装置5の処理を実行させるプログラム(情報処理プログラム、ソフトウェア)である。例えば、プログラム55aは、汎用のPC等に情報処理装置5の処理を実行させるアプリケーションソフトウェアである。
【0092】
図16及び
図17は、情報処理システムにおいて実行される処理(情報処理方法)の例を示すフローチャートである。各処理の具体的な内容はこれまで説明したとおりであるので、詳細な説明は繰り返さない。
図16に示される処理と、
図17に示される処理フローとは、それぞれ独立に実行される。
【0093】
図16には、入力デバイス2及び記録計3の処理の例が示される。
【0094】
ステップS1において、入力デバイス2は、スリープ状態を解除する。入力デバイス2は、アウェイク状態からスリープ状態に移行する。この移行は、入力デバイス2の間欠動作周期に合わせて実行される。
【0095】
ステップS2において、入力デバイス2は、測定データを保持するとともに送信する。取得部21は測定データを取得し、記憶部24は測定データを保持し、通信部22は測定データを記録計3の通信部31に送信する。通信部31は、測定データを受信する。ただし、これまで説明したように、欠損データは通信部31によって受信されない。
【0096】
ステップS11において、記録計3は、受信した測定データを欠損情報と対応付けて収集する。収集部32は、通信部31が受信し保持しているデータを、欠損情報と対応付けて収集する。
【0097】
ステップS12において、記録計3は、必要に応じて測定データに時刻情報も対応付けて記録データファイルを生成する。記録部33は、例えば収集部32によって一定数の測定データが収集された場合、収集された測定データに時刻情報を対応付けて記録データファイル33aを生成する。
【0098】
ステップS13において、記録計3は、必要に応じて要求情報を生成する。要求部34は、記録データファイル33aが欠損情報を含む場合、補完データを要求する要求情報を生成する。通信部31は、生成された要求情報を保持する。
【0099】
ステップS3において、入力デバイス2は、受信可能通知情報を送信するか否かを判断する。要求部34は、先に述べた入力デバイス2の間欠動作周期を間引いた間隔のタイミングであれば、受信可能通知情報を送信すべきと判断する。受信可能通知情報を送信する場合(ステップS3:Yes)、入力デバイス2は、ステップS4に処理を進める。そうでない場合(ステップS3:No)、入力デバイス2は、ステップS6に処理を進める。
【0100】
ステップS4において、入力デバイス2は、受信可能通知情報を送信する。要求処理部23は、受信可能通知情報を生成し、通信部22は、生成された受信可能通知を記録計3の通信部31に送信する。通信部31は、受信可能通知を受信する。
【0101】
ステップS14において、記録計3は、要求情報又は要求無し情報を送信する。通信部31は、要求情報を保持している場合には要求情報を、そうでない場合には要求無し情報を、入力デバイス2の通信部22に送信する。通信部22は、要求情報を受信する。
【0102】
ステップS5において、入力デバイス2は、必要に応じて補完データを送信する。要求処理部23は、要求情報が受信された場合、要求された補完データを記憶部24から取得する。通信部22は、補完データを記録計3の通信部31に送信する。通信部31は、補完データを受信する。
【0103】
なお、一度に送受信可能な情報量(データ数等)の制限等に対応して、補完データは、複数回に分けて送信されてもよい。その場合、要求された補完データがすべて送信されるまで、記録計3及び入力デバイス2の間で、要求情報及び補完データの送受信が繰り返される。
【0104】
ステップS6において、入力デバイス2は、スリープ状態に移行する。入力デバイス2は、アウェイク状態からスリープ状態に移行する。その後、入力デバイス2は、ステップS1に処理を戻す。
【0105】
ステップS15において、記録計3は、補完データファイルを生成する。要求部34は、通信部31が受信した補完データを取得し、補完データファイル34aを生成する。その後、記録計3は、ステップS11に処理を戻す。
【0106】
図17には、情報処理装置5の処理の例が示される。この情報処理装置5の処理は、上述の
図16の処理とは独立に、所定の設定間隔で繰り返し実行される。
【0107】
ステップS21において、情報処理装置5は、追加データファイルがあるか否かを判断する。情報処理装置5の監視部51は、サーバ装置4に新たにアップロードされた記録データファイル33a及び/又は補完データファイル34aを発見した場合、追加データファイルがあると判断する。追加データファイルがある場合(ステップS21:Yes)、追加データファイルが記録データファイル33aであればステップS22に処理が進められ、追加データファイルが補完データファイル34aであればステップS25に処理が進められる。追加データファイルが無い場合(ステップS21:No)、フローチャートの処理は終了する。
【0108】
なお、追加データファイルが記録データファイル33aであり且つ欠損情報を含む場合、リスト管理部52は、その記録データファイル33aを記録データファイルリスト52aに追加する。追加データファイルが補完データファイル34aである場合、リスト管理部52は、その補完データファイル34aを補完データファイルリスト52bに追加する。
【0109】
ステップS22において、情報処理装置5は、欠損データがあるか否かを判断する。例えばリスト管理部52によって記録データファイルリスト52aに記録データファイル33aが追加された場合に、リスト管理部52又は生成部53は、その記録データファイル33aに欠損データがあると判断する。欠損データがある場合(ステップS22:Yes)、ステップS23に処理が進められる。そうでない場合(ステップS22:No)、フローチャートの処理は終了する。
【0110】
ステップS23において、情報処理装置5は、欠損データを含む補完データファイルを検索する。生成部53は、記録データファイルリスト52aに示される記録データファイル33aの欠損データを補完可能データとして含む補完データファイル34aを、補完データファイルリスト52bから検索する。
【0111】
ステップS24において、情報処理装置5は、補完可能な範囲内でバックフィルデータファイルを生成又は更新する。生成部53は、追加された記録データファイル33aと、検索した補完データファイル34aとを用いて、欠損データが補完されたバックフィルデータファイル53aを生成又は更新する。更新は、先に述べたように1つの記録データファイル33aの欠損データの補完に2つ以上の補完データファイル34aが用いられる場合に行われ得る。ステップS24の処理が完了した後、フローチャートの処理は終了する。
【0112】
ステップS25において、情報処理装置5は、補完データファイルを用いて補完できる記録データファイル又はバックフィルデータファイルを検索する。生成部53は、補完データファイルリスト52bに示される補完データファイル34aの補完可能データで補完可能な欠損データのある記録データファイル33aを、記録データファイルリスト52aから検索する。或いは、生成部53は、そのような欠損データのある補完処理中のバックフィルデータファイル53aを、記憶部55又はサーバ装置4の記憶部41から検索する。
【0113】
ステップS26において、情報処理装置5は、補完可能な範囲でバックフィルデータファイルを生成又は更新する。生成部53は、検索した記録データファイル33a又はバックフィルデータファイル53aと、追加された補完データファイル34aとを用いて、欠損データが補完されたバックフィルデータファイル53aを生成又は更新する。ステップS26の処理が完了した後、フローチャートの処理は終了する。
【0114】
例えば以上のようにして欠損データの取得及び補完が自動的に行われることで、欠損データの取得及び補完に係る作業負担を軽減することが可能になる。入力デバイス2が受信可能通知を記録計3に送信してから記録計3が要求情報を入力デバイス2に送信するので、入力デバイス2がスリープ状態を解除し続けて記録計3からの要求情報を待ち続ける必要は無い。その分、入力デバイス2のスリープ状態が解除されている期間を短くし、消費電力を抑制することができる。例えば入力デバイス2を電池駆動で使用する場合でも、長期間の使用が可能になる。
【0115】
図18は、情報処理装置のハードウェア構成の例を示す図である。例示されるハードウェア構成を備えるコンピュータ等が、これまで説明した情報処理装置5として機能する。例示されるハードウェア構成は、バス等で相互に接続される通信装置5a、表示装置5b、HDD(Hard Disk Drive)5c、メモリ5d及びプロセッサ5eを備える。
【0116】
通信装置5aは、ネットワークインタフェースカードなどであり、他の装置との通信を可能にする。表示装置5bは、例えばタッチパネルやディスプレイなどである。HDD5cは、記憶部55として機能し、例えばプログラム55aを記憶する。
【0117】
プロセッサ5eは、プログラム55aをHDD5c等から読み出してメモリ5dに展開することで、コンピュータを、情報処理装置5として機能させる。機能は、これまで説明したような監視部51、リスト管理部52、生成部53及びUI部54の機能を含む。
【0118】
プログラム55aは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。また、プログラム55aは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disc)などのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することができる。
【0119】
情報処理装置5以外の装置、例えば記録計3等も、上述と同様のハードウェア構成を備えてよい。
【0120】
以上、本開示の一実施形態について説明したが、開示される技術は上記実施形態に限定されない。
【0121】
記録計3、サーバ装置4及び情報処理装置5それぞれの機能の配置は、適宜組み替えられてよい。例えば、情報処理装置5の少なくとも一部の機能が、記録計3に組み入れられてよい。サーバ装置4の少なくとも一部の機能が、記録計3に組み入れられてよい。
【0122】
上記実施形態では、複数の入力デバイス2に対して1つの記録計3が組み合わされて設けられる例について説明した。ただし、任意の数の入力デバイス2及び任意の数の記録計3が組み合わされてよい。例えば、1つの入力デバイス2と1つの記録計3とが組み合わされて設けられてもよい。
【0123】
上記実施形態では、入力デバイス2の通信部22による送受信及び記録計3の通信部31による送受信が無線送受信である例について説明した。ただし、それらの送受信は有線送受信であってもよい。
【0124】
上記実施形態では、記録計3の記録部33は、欠損データが補完された新たな記録データとして、記録データファイル33aとは別に、バックフィルデータファイル53aを生成する例について説明した。ただし、記録部33は、記録データファイル33aの欠損データを補完するように記録データファイル33aを直接修正等することで、新たな記録データを生成してもよい。
【0125】
情報処理装置5による処理は、クラウドコンピューティング等によって実現されてもよい。例えば、情報処理装置5の監視部51、リスト管理部52、生成部53及び記憶部55の機能の一部又は全部が、情報処理装置5の外部の装置に設けられてよい。情報処理装置5は、そのような外部の装置と通信することによって、これまで説明した処理を実行してよい。
【0126】
以上説明した情報処理システム1は、例えば次のように特定される。
図1~
図17等を参照して説明したように、情報処理システム1は、入力デバイス2と、記録計3と、情報処理装置5と、を備える。入力デバイス2は、測定データを保持するとともに記録計3に送信する(ステップS2)。記録計3は、入力デバイス2が送信した測定データを受信して記録する(ステップS11及びステップS12)。情報処理装置5は、記録計3の記録結果(記録データファイル33a)と、記録計3の記録結果には含まれないが入力デバイス2によって保持されているである補完データ(補完データファイル34a)とを用いて、欠損データが補完された新たな記録結果(バックフィルデータファイル53a)を生成する(ステップS24及びステップS26)。記録計3は、補完データを要求する要求情報を入力デバイス2に送信する(ステップS14)。入力デバイス2は、記録計3が送信した要求情報を受信し、要求された補完データを記録計3に送信する(ステップS5)。情報処理装置5は、入力デバイス2が記録計3に送信した補完データを用いて、新たな記録結果を生成する(ステップS24及びステップS26)。
【0127】
上記の情報処理システム1によれば、記録計3は、欠損データを含む補完データを要求する要求情報を入力デバイス2に送信し、入力デバイス2は、要求された補完データを記録計3に送信する。情報処理装置5は、その補完データを用いて、欠損データが補完された新たな記録結果を生成する。このように欠損データの取得及び補完が自動的に行われることで、欠損データの取得及び補完に係る作業負担を軽減することが可能になる。
【0128】
図3、
図7及び
図14等を参照して説明したように、入力デバイス2は、測定データを、測定順に付与されるデータ連番と対応付けて保持するとともに、データ連番と併せて記録計3に送信し、補完データは、欠損データの測定の前後に測定された測定データを含み、情報処理装置5は、記録計3の記録結果と、補完データとを、前後に測定された測定データのデータ連番が記録結果のデータ連番に合致するように合成することで、新たな記録結果を生成してよい。これにより、例えば欠損データが検知された後の測定データだけを補完データとして用いる場合と比較して十分な補完データを確保し、欠損データを漏れなく補完することができる。
【0129】
図14等を参照して説明したように、情報処理装置5は、補完データに含まれる欠損データが、記録計3の記録結果において欠損データが発生している欠損期間に均等に割り当てられた時刻に対応するように、記録計3の記録結果と補完データとを合成してよい。これにより、例えば入力デバイス2と記録計3とが時刻同期していない場合でも、それに起因する誤差(例えば動作クロック誤差)等を吸収(補正)しつつ、時刻情報に対応付けられた欠損データを補完することができる。
【0130】
図17等を参照して説明したように、情報処理装置5は、記録計3の記録結果を監視し(ステップS21)、欠損情報を含む記録結果を発見した場合に、記録結果と、補完データとを用いて、新たな記録結果を生成してよい(ステップS22~ステップS24)。このように欠損データの有無を監視も自動で行われることで、作業負担をさらに軽減することが可能になる。
【0131】
図2、
図4及び
図16等を参照して説明したように、入力デバイス2による送受信及び記録計3による送受信は、無線送受信であり、入力デバイス2は、無線送受信の電力を低減することを含むスリープ状態に移行し、また、スリープ状態を解除できるように構成され、入力デバイス2は、要求情報を受信可能であることを通知する受信可能通知を記録計3に送信し(ステップS4)、記録計3は、入力デバイス2が送信した受信可能通知を受信したことに応じて、要求情報を入力デバイス2に送信し(ステップS14)、入力デバイス2は、記録計3が送信した要求情報を受信し、要求された補完データを記録計に送信した後は、スリープ状態に移行してよい(ステップS5及びステップS6)。これにより、とくに無線受信機能を備えることに起因する入力デバイス2の消費電力の増加を抑制することができる。例えば入力デバイス2を電池駆動で使用する場合でも、長期間の使用が可能になる。
【0132】
図1~
図9及び
図16等を参照して説明した入力デバイス2も、実施形態の1つである。入力デバイス2は、測定データを保持する記憶部24と、測定データを、測定データを記録する記録計3に送信する通信部22と、を備え、通信部22は、記録計3の記録結果には含まれないが記憶部24によって保持されている測定データである欠損データを含む補完データを要求する要求情報を記録計3から受信し、要求された補完データを記録計3に送信する(ステップS5)。このような入力デバイス2によっても、これまで説明したように、欠損データの取得及び補完に係る作業負担を軽減することが可能になる。
【0133】
図1~
図9及び
図16等を参照して説明した記録計3も、実施形態の1つである。記録計3は、測定データを保持するとともに送信する入力デバイス2によって送信された測定データを受信する通信部31と、通信部31が受信した測定データを記録する記録部33と、を備え、通信部31は、記録部33の記録結果には含まれないが入力デバイス2によって保持されている測定データである欠損データを含む補完データを要求する要求情報を、入力デバイスに送信する(ステップS14)。このような記録計3によっても、これまで説明したように、欠損データの取得及び補完に係る作業負担を軽減することが可能になる。
【0134】
図11及び
図15~
図18等を参照して説明したプログラム55aも、実施形態の1つである。プログラム55aは、コンピュータに、測定データを保持するとともに送信する入力デバイス2によって送信された測定データを受信して記録する記録計3の記録結果(記録データファイル33a)と、記録計3の記録結果には含まれないが入力デバイス2によって保持されている測定データである欠損データを含む補完データ(補完データファイル34a)とを用いて、欠損データが補完された新たな記録結果(バックフィルデータファイル53a)を生成する(ステップS24及びステップS26)、処理を実行させる情報処理プログラムであって、記録計3は、補完データを要求する要求情報を入力デバイス2に送信し(ステップS14)、入力デバイス2は、記録計3が送信した要求情報を受信し、要求された補完データを記録計3に送信し(ステップS5)、生成では、入力デバイス2が記録計3に送信した補完データを用いて、新たな記録結果を生成する(ステップS24及びステップS26)。このようなプログラム55aによっても、これまで説明したように、欠損データの取得及び補完に係る作業負担を軽減することが可能になる。なお、
図18等を参照して説明したように、情報処理プログラム(プログラム55a)が記録された記録媒体も、実施形態の1つである。
【0135】
図16及び
図17等を参照して説明した情報処理方法も、実施形態の1つである。情報処理方法は、入力デバイス2が、測定データを保持するとともに記録計3に送信すること(ステップS2)と、記録計3が、入力デバイス2が送信した測定データを受信して記録すること(ステップS11及びステップS12)と、情報処理装置5が、記録計3の記録結果(記録データファイル33a)と、記録計3の記録結果には含まれないが入力デバイス2によって保持されている測定データである欠損データを含む補完データ(補完データファイル34a)とを用いて、欠損データが補完された新たな記録結果(バックフィルデータファイル53a)を生成すること(ステップS24及びステップS26)と、を含み、生成することでは、記録計3が補完データを要求する要求情報を入力デバイス2に送信し、入力デバイス2が要求情報に応じて記録計3に送信した補完データを用いて、新たな記録結果を生成する(ステップS24及びステップS26)。このような情報処理方法によっても、これまで説明したように、欠損データの取得及び補完に係る作業負担を軽減することが可能になる。
【符号の説明】
【0136】
1 情報処理システム
2 入力デバイス
21 取得部
21a 測定データ
22 通信部
23 要求処理部
24 記憶部
24a プログラム
3 記録計
31 通信部
32 収集部
33 記録部
33a 記録データファイル
34 要求部
34a 補完データファイル
35 記憶部
35a プログラム
4 サーバ装置
41 記憶部
5 情報処理装置
51 監視部
52 リスト管理部
52a 記録データファイルリスト
52b 補完データファイルリスト
53 生成部
53a バックフィルデータファイル
54 UI部
55 記憶部
55a プログラム(情報処理プログラム)
5a 通信装置
5b 表示装置
5c HDD
5d メモリ
5e プロセッサ