(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-28
(45)【発行日】2023-09-05
(54)【発明の名称】消費電力予測装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/30 20120101AFI20230829BHJP
G01C 21/30 20060101ALI20230829BHJP
G08G 1/01 20060101ALI20230829BHJP
G08G 1/13 20060101ALI20230829BHJP
B60L 3/00 20190101ALI20230829BHJP
B60L 15/20 20060101ALI20230829BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20230829BHJP
B60L 58/12 20190101ALI20230829BHJP
G06Q 10/04 20230101ALI20230829BHJP
【FI】
G06Q50/30
G01C21/30
G08G1/01 A
G08G1/13
B60L3/00 S
B60L15/20 J
B60L50/60
B60L58/12
G06Q10/04
(21)【出願番号】P 2021027682
(22)【出願日】2021-02-24
【審査請求日】2022-06-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100124084
【氏名又は名称】黒岩 久人
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】尾▲崎▼ 将
【審査官】鈴木 和樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-126058(JP,A)
【文献】特開2020-178428(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0171972(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G01C 21/30
G08G 1/01
G08G 1/13
B60L 3/00
B60L 15/20
B60L 50/60
B60L 58/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車が過去に走行した高さ情報を含む走行軌跡と、前記走行軌跡を走行したときに前記電気自動車が消費した実消費電力とを関連付けた走行データを複数取得する走行データ取得部と、
前記走行データ取得部が取得した複数の前記走行データを教師データとして、任意の経路が入力されると、前記電気自動車が当該任意の経路を走行するときの消費電力の予測結果を出力する消費電力予測モデルを作成するモデル作成部と、
前記電気自動車が走行する予定の高さ情報を含む走行予定経路を取得する走行予定経路取得部と、
前記モデル作成部が作成した前記消費電力予測モデルに、前記走行予定経路取得部が取得した前記走行予定経路を入力することにより、前記電気自動車が前記走行予定経路を走行するときの消費電力を予測する消費電力予測部と、
を有
し、
前記走行データ取得部は、前記電気自動車が過去に走行した軌跡であり、高さ情報を含まない2次元走行軌跡と、高さ情報を含む3次元地図情報とを取得し、前記3次元地図情報から前記2次元走行軌跡に含まれる複数の点の各々に対応する高さ情報を取得し、当該複数の点の各々に、当該複数の点の各々に対応する高さ情報を関連付けることにより、高さ情報を含む3次元走行軌跡を生成する、
消費電力予測装置。
【請求項2】
電気自動車が過去に走行した高さ情報を含む走行軌跡と、前記走行軌跡を走行したときに前記電気自動車が消費した実消費電力とを関連付けた走行データを複数取得する走行データ取得部と、
前記走行データ取得部が取得した複数の前記走行データを教師データとして、任意の経路が入力されると、前記電気自動車が当該任意の経路を走行するときの消費電力の予測結果を出力する消費電力予測モデルを作成するモデル作成部と、
前記電気自動車が走行する予定の高さ情報を含む走行予定経路を取得する走行予定経路取得部と、
前記モデル作成部が作成した前記消費電力予測モデルに、前記走行予定経路取得部が取得した前記走行予定経路を入力することにより、前記電気自動車が前記走行予定経路を走行するときの消費電力を予測する消費電力予測部と、
を有し、
前記走行予定経路取得部は、前記電気自動車が走行する予定の経路であり、高さ情報を含まない2次元走行予定経路と、高さ情報を含む3次元地図情報とを取得し、前記3次元地図情報から前記2次元走行予定経路に含まれる複数の点の各々に対応する高さ情報を取得し、当該複数の点の各々に、当該複数の点の各々に対応する高さ情報を関連付けることにより、高さ情報を含む3次元走行予定経路を生成する、
消費電力予測装置。
【請求項3】
前記走行予定経路取得部は、走行中の前記電気自動車の現在位置を取得し、前記現在位置から前記走行予定経路の終点までの経路である残予定経路を順次取得し、
前記消費電力予測部は、前記走行予定経路取得部が前記残予定経路を取得する毎に、前記残予定経路を前記消費電力予測モデルに入力することにより、前記電気自動車が前記残予定経路を走行するときの消費電力を予測する、
請求項1
又は2に記載の消費電力予測装置。
【請求項4】
前記走行データ取得部は、前記走行軌跡と前記実消費電力とに、前記電気自動車が前記走行軌跡を走行したときの前記電気自動車の状態を示す履歴情報をさらに関連付けた前記走行データを取得し、
前記モデル作成部は、前記走行軌跡と前記実消費電力と前記履歴情報とを関連付けた前記走行データを教師データとして、任意の経路と、当該任意の経路を走行するときの前記電気自動車の予測状態が入力されると、前記予測状態の前記電気自動車が前記任意の経路を走行するときの消費電力の予測結果を出力する前記消費電力予測モデルを作成する、
請求項1から
3のいずれか一項に記載の消費電力予測装置。
【請求項5】
前記走行予定経路取得部は、走行中の前記電気自動車の現在位置を取得し、前記現在位置から前記走行予定経路の終点までの経路である残予定経路を順次取得し、
前記消費電力予測装置は、前記走行予定経路取得部が取得した前記残予定経路を前記電気自動車が走行するときの状態として予測された予測状態を順次取得する予測情報取得部をさらに有し、
前記消費電力予測部は、前記予測情報取得部が前記予測状態を取得する毎に、前記残予定経路と、当該残予定経路に対応する前記予測状態とを前記消費電力予測モデルに入力することにより、前記予測状態である前記電気自動車が前記残予定経路を走行するときの消費電力を予測する、
請求項
4に記載の消費電力予測装置。
【請求項6】
前記走行データ取得部は、前記走行軌跡と前記実消費電力とに、前記電気自動車が前記走行軌跡に対応する道路を走行したときの当該道路の状況を示す履歴情報をさらに関連付けた前記走行データを取得し、
前記モデル作成部は、前記走行軌跡と前記実消費電力と前記履歴情報とを関連付けた前記走行データを教師データとして、任意の経路と、当該任意の経路に対応する道路の予測状況を示す予測情報とが入力されると、前記予測状況である当該任意の経路を前記電気自動車が走行したときの消費電力の予測結果を出力する前記消費電力予測モデルを作成する、
請求項1から
3のいずれか一項に記載の消費電力予測装置。
【請求項7】
前記走行予定経路取得部は、走行中の前記電気自動車の現在位置を取得し、前記現在位置から前記走行予定経路の終点までの経路である残予定経路を順次取得し、
前記消費電力予測装置は、前記走行予定経路取得部が取得した前記残予定経路を前記電気自動車が走行するときの状況として予測された道路の予測状況を順次取得する予測情報取得部をさらに有し、
前記消費電力予測部は、前記予測情報取得部が前記予測状況を取得する毎に、前記残予定経路と、当該残予定経路に対応する前記予測状況とを前記消費電力予測モデルに入力することにより、前記予測状況である前記走行予定経路を前記電気自動車が走行するときの消費電力を予測する、
請求項
6に記載の消費電力予測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車の消費電力を予測する消費電力予測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車の消費電力を予測する技術が知られている。特許文献1には、電気自動車の現在までの単位距離当たりの消費電力に基づいて、これから消費される単位走行距離当たりの消費電力を予測する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、電気自動車の消費電力は、道路の勾配に応じて変化するので、現在までの単位距離当たりの消費電力に基づいて、これから走行する道路における消費電力を予測すると、消費電力の予測精度が低下してしまうことがあった。例えば、上り勾配を走行していた電気自動車の単位距離当たりの消費電力に基づいて、下り勾配における消費電力を予測すると、予測される消費電力が実際の消費電力よりも大きくなってしまう。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、消費電力の予測精度を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様においては、電気自動車が過去に走行した高さ情報を含む走行軌跡と、前記走行軌跡を走行したときに前記電気自動車が消費した実消費電力とを関連付けた走行データを複数取得する走行データ取得部と、前記走行データ取得部が取得した複数の前記走行データを教師データとして、任意の経路が入力されると、前記電気自動車が当該任意の経路を走行するときの消費電力の予測結果を出力する消費電力予測モデルを作成するモデル作成部と、前記電気自動車が走行する予定の高さ情報を含む走行予定経路を取得する走行予定経路取得部と、前記モデル作成部が作成した前記消費電力予測モデルに、前記走行予定経路取得部が取得した前記走行予定経路を入力することにより、前記電気自動車が前記走行予定経路を走行するときの消費電力を予測する消費電力予測部と、を有する消費電力予測装置を提供する。
【0007】
前記走行データ取得部は、前記電気自動車が過去に走行した軌跡であり、高さ情報を含まない2次元走行軌跡と、高さ情報を含む3次元地図情報とを取得し、前記3次元地図情報から前記2次元走行軌跡に含まれる複数の点の各々に対応する高さ情報を取得し、当該複数の点の各々に、当該複数の点の各々に対応する高さ情報を関連付けることにより、高さ情報を含む3次元走行軌跡を生成してもよい。
【0008】
前記走行予定経路取得部は、前記電気自動車が走行する予定の経路であり、高さ情報を含まない2次元走行予定経路と、高さ情報を含む3次元地図情報とを取得し、前記3次元地図情報から前記2次元走行予定経路に含まれる複数の点の各々に対応する高さ情報を取得し、当該複数の点の各々に、当該複数の点の各々に対応する高さ情報を関連付けることにより、高さ情報を含む3次元走行予定経路を生成してもよい。
【0009】
前記走行予定経路取得部は、走行中の前記電気自動車の現在位置を取得し、前記現在位置から前記走行予定経路の終点までの経路である残予定経路を順次取得し、前記消費電力予測部は、前記走行予定経路取得部が前記残予定経路を取得する毎に、前記残予定経路を前記消費電力予測モデルに入力することにより、前記電気自動車が前記残予定経路を走行するときの消費電力を予測してもよい。
【0010】
前記走行データ取得部は、前記走行軌跡と前記実消費電力とに、前記電気自動車が前記走行軌跡を走行したときの前記電気自動車の状態を示す履歴情報をさらに関連付けた前記走行データを取得し、前記モデル作成部は、前記走行軌跡と前記実消費電力と前記履歴情報とを関連付けた前記走行データを教師データとして、任意の経路と、当該任意の経路を走行するときの前記電気自動車の予測状態が入力されると、前記予測状態の前記電気自動車が前記任意の経路を走行するときの消費電力の予測結果を出力する前記消費電力予測モデルを作成してもよい。
【0011】
前記走行予定経路取得部は、走行中の前記電気自動車の現在位置を取得し、前記現在位置から前記走行予定経路の終点までの経路である残予定経路を順次取得し、前記消費電力予測装置は、前記走行予定経路取得部が取得した前記残予定経路を前記電気自動車が走行するときの状態として予測された予測状態を順次取得する予測情報取得部をさらに有し、前記消費電力予測部は、前記予測情報取得部が前記予測状態を取得する毎に、前記残予定経路と、当該残予定経路に対応する前記予測状態とを前記消費電力予測モデルに入力することにより、前記予測状態である前記電気自動車が前記残予定経路を走行するときの消費電力を予測してもよい。
【0012】
前記走行データ取得部は、前記走行軌跡と前記実消費電力とに、前記電気自動車が前記走行軌跡に対応する道路を走行したときの当該道路の状況を示す履歴情報をさらに関連付けた前記走行データを取得し、前記モデル作成部は、前記走行軌跡と前記実消費電力と前記履歴情報とを関連付けた前記走行データを教師データとして、任意の経路と、当該任意の経路に対応する道路の予測状況を示す予測情報とが入力されると、前記予測状況である当該任意の経路を前記電気自動車が走行したときの消費電力の予測結果を出力する前記消費電力予測モデルを作成してもよい。
【0013】
前記走行予定経路取得部は、走行中の前記電気自動車の現在位置を取得し、前記現在位置から前記走行予定経路の終点までの経路である残予定経路を順次取得し、前記消費電力予測装置は、前記走行予定経路取得部が取得した前記残予定経路を前記電気自動車が走行するときの状況として予測された道路の予測状況を順次取得する予測情報取得部をさらに有し、前記消費電力予測部は、前記予測情報取得部が前記予測状況を取得する毎に、前記残予定経路と、当該残予定経路に対応する前記予測状況とを前記消費電力予測モデルに入力することにより、前記予測状況である前記走行予定経路を前記電気自動車が走行するときの消費電力を予測してもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、消費電力の予測精度を向上できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施の形態に係る消費電力予測装置の構成を模式的に示す図である。
【
図3】電気自動車の位置に対応する標高の変化を模式的に示す図である。
【
図4】消費電力予測モデルを作成する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図5】電気自動車が走行するときの消費電力を予測する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[実施の形態に係る消費電力予測装置1の構成]
図1は、実施の形態に係る消費電力予測装置1の構成を模式的に示す図である。消費電力予測装置1は、電気自動車の消費電力を予測する、例えばサーバである。消費電力予測装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを有する。
【0017】
通信部11は、通信回線を介して他の装置と情報を送受信するための通信モジュールである。例えば、通信部11は、電気自動車と無線通信を介して情報を送受信する。また、通信部11は、電気自動車の運行を管理する管理者の端末や電気自動車を運転する運転者の端末や、他のサーバと情報を送受信できる。
【0018】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスク等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶する。記憶部12は、高さ情報を含む3次元地図情報を記憶する。3次元地図情報は、2次元地図に含まれる複数の点の各々に、高さ情報として例えば標高を関連付けた地図である。
【0019】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを含む計算リソースである。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、走行データ取得部131、モデル作成部132、走行予定経路取得部133、予測情報取得部134及び消費電力予測部135としての機能を実現する。
【0020】
走行データ取得部131は、電気自動車が走行した走行軌跡を取得する。例えば、走行データ取得部131は、電気自動車が過去に走行した軌跡であり、高さ情報を含まない2次元走行軌跡を電気自動車から取得する。具体的には、走行データ取得部131は、電気自動車が走行を終了したときに、電気自動車が作成した2次元走行軌跡を取得する。また、走行データ取得部131は、電気自動車が走行中に、電気自動車の現在位置を順次取得することにより作成した2次元走行軌跡を取得してもよい。
【0021】
2次元走行軌跡は、例えば所定時間毎の電気自動車の位置が記録された軌跡である。
図2は、2次元走行軌跡を模式的に示す図である。
図2の白丸で示す位置P1から位置P5は、それぞれ異なる時刻に取得された電気自動車の位置を示す。位置P1から位置P5は、数字の小さい順に取得されたものとする。電気自動車の位置は、例えば緯度及び経度で示される。電気自動車は、所定間隔で自身の位置を取得し、取得した位置と、当該位置を取得したときの時刻とを関連付けて、消費電力予測装置1に通知する。所定間隔は適宜設定すればよく、具体的な値は例えば10秒である。
【0022】
走行データ取得部131は、2次元走行軌跡と、2次元走行軌跡を走行したときに電気自動車が消費した実消費電力とを関連付けた2次元走行データを電気自動車から取得する。実消費電力は、例えば2次元走行軌跡のある点から、ある点の次の点まで電気自動車が走行したときに消費した電力である。一例を挙げると、位置P1から位置P2まで走行したときに消費した実消費電力を、位置P2に関連付け2次元走行データを取得する。また、走行データ取得部131は、2次元走行軌跡に含まれる各位置における電気自動車に搭載された電池の残容量を取得し、ある点での残容量と、ある点の次の点での残容量との差を消費電力として取得してもよい。
【0023】
走行データ取得部131は、2次元走行予定経路に基づいて、3次元走行予定経路を取得する。具体的には、まず、走行データ取得部131は、記憶部12に記憶された3次元地図情報を取得し、3次元地図情報から2次元走行軌跡に含まれる複数の電気自動車の位置の各々に対応する高さ情報として標高を取得する。より具体的には、走行データ取得部131は、2次元走行軌跡に含まれる位置(座標)に対応する3次元地図上の位置(座標)を特定し、特定した3次元地図上の位置(座標)の標高を、2次元走行軌跡の点の高さ情報として取得する。
【0024】
図3は、電気自動車の位置に対応する標高Hの変化を模式的に示す図である。
図3の横軸は距離Rを示し、縦軸は標高Hを示す。
図3において白丸で示す位置P1から位置P5は、高さ情報を含む電気自動車の位置を示す。一例を挙げると、走行データ取得部131は、山の中腹を走行中に取得した位置P4(
図2を参照)に対応する標高Hを3次元地図情報から取得し、位置P4に対応付ける。
図3に示すように、位置P4は、他の位置よりも高い位置にあることがわかる。
【0025】
走行データ取得部131は、2次元走行軌跡に含まれる複数の位置の各々に、当該複数の位置の各々に対応する標高を関連付けることにより、高さ情報を含む3次元走行軌跡を生成する。そして、走行データ取得部131は、3次元走行軌跡と、実消費電力とを関連付けた3次元走行データを取得する。具体的には、走行データ取得部131は、3次元走行軌跡と、当該3次元走行軌跡に対応する2次元走行軌跡を電気自動車が走行したときの実消費電力とを関連付けた3次元走行データを取得する。
【0026】
走行データ取得部131は、走行軌跡と実消費電力とに、電気自動車が走行軌跡を走行したときの履歴情報をさらに関連付けた3次元走行データを取得してもよい。履歴情報は、電気自動車が3次元走行軌跡を走行したときの、当該電気自動車の状態を示す情報である。電気自動車の状態は、例えば電気自動車が3次元走行軌跡に対応する道路を走行したときの電気自動車の速度、加速度、車両重量、積載した荷物の重量、搭載した補機の稼働状態、架装の状態、バッテリの残容量などである。
【0027】
履歴情報は、電気自動車が3次元走行軌跡に対応する道路を走行したときの当該道路の状況を示す情報であってもよい。3次元走行軌跡に対応する道路の状況は、電気自動車が3次元走行軌跡を走行したときの時刻又は時間帯における、当該3次元経路に対応する道路の状況である。道路の状況は、例えば電気自動車が当該道路を走行したときの時刻又は時間帯における環境情報である。環境情報は、例えば天気、天候、路面の状態(乾いているか、濡れているか)、風向、風速である。また、道路の状況は、道路の混雑度や渋滞情報を含んでもよい。なお、履歴情報は、電気自動車の状態を示す情報と、道路の状況とをともに含んでいてもよい。
【0028】
走行データ取得部131は、電気自動車が走行を終了する毎に3次元走行データを取得し、取得した3次元走行データを記憶部12に記憶させる。記憶部12は、走行データ取得部131が取得した3次元走行データを、電気自動車を識別する車両識別情報に関連付けて記憶する。
【0029】
モデル作成部132は、電気自動車の消費電力を予測する消費電力予測モデルを作成する。例えば、モデル作成部132は、記憶部12に記憶された走行データの蓄積数が閾値以上になったら消費電力予測モデルを作成する。閾値は、走行データが十分に取得されたとみなせる数であり、例えば半年分の走行データ数である。
【0030】
モデル作成部132は、記憶部12に記憶された複数の3次元走行データを教師データとして、任意の経路が入力されると、入力された当該任意の経路を電気自動車が走行するときの消費電力の予測結果を出力する消費電力予測モデルを作成する。モデル作成部132は、公知の機械学習モデルを用いて、消費電力予測モデルを作成することができる。機械学習モデルのアルゴリズムは任意であるが、例えば線形重回帰を使用できる。また、アルゴリズムは、決定木を用いた回帰方法、ランダムフォレストを用いた回帰方法を用いてもよい。アルゴリズムは、走行データ取得部131が取得した3次元走行データや車両の仕様に応じて適宜設定すればよい。このように、モデル作成部132は、電気自動車が過去に実際に走行したときの高さ情報を含む3次元走行軌跡を用いて消費電力予測モデルを作成するので、道路の勾配や標高の変化に対応した消費電力予測モデルを作成できる。
【0031】
モデル作成部132は、走行軌跡と実消費電力と、履歴情報として電気自動車の状態とを関連付けた走行データが取得された場合、走行軌跡と実消費電力と電気自動車の状態とを関連付けた走行データを教師データとして消費電力予測モデルを作成する。例えば、モデル作成部132は、任意の経路と、電気自動車の状態を示す情報とが入力されると、入力された状態の電気自動車が当該任意の経路を走行したときの消費電力の予測結果を出力する消費電力予測モデルを作成する。具体的には、モデル作成部132は、走行軌跡と実消費電力と、電気自動車の状態として電気自動車の車速とを関連付けた走行データを教師データとして、任意の経路と、当該任意の経路を任意の車速で走行するときの消費電力の予測結果を出力する消費電力予測モデルを作成する。
【0032】
モデル作成部132は、走行軌跡と実消費電力と、履歴情報として道路の状況とを関連付けた走行データが取得された場合、走行軌跡と実消費電力と、道路の状況とを関連付けた走行データを教師データとして消費電力予測モデルを作成する。例えば、モデル作成部132は、任意の経路と、道路の状況を示す情報が入力されると、入力された道路の状況である当該任意の経路を電気自動車が走行するときの消費電力の予測結果を出力する消費電力予測モデルを作成する。具体的には、モデル作成部132は、走行軌跡と実消費電力と、道路の状況として電気自動車が当該走行軌跡を走行したときの過去の天気とを関連付けた走行データを教師データとして、任意の経路と任意の天気(例えば雨)とが入力されると、天気が雨の場合の当該任意の経路を電気自動車が走行するときの消費電力の予測結果を出力する消費電力予測モデルを作成する。
【0033】
なお、モデル作成部132は、走行軌跡と実消費電力と、電気自動車の状態及び道路の状況とを関連付けた走行データを教師データとして消費電力予測モデルを作成する。例えば、モデル作成部132は、走行軌跡と実消費電力と、電気自動車の車速と、走行軌跡を走行したときの道路の天気とを関連付けた走行データを教師データとして消費電力予測モデルを作成する。このようにすることで、モデル作成部132は、走行軌跡を走行したときの、電気自動車の状態及び道路の状況を考慮した消費電力予測モデルを作成することができる。
【0034】
走行予定経路取得部133は、電気自動車が走行する予定の走行予定経路を取得する。例えば、走行予定経路取得部133は、電気自動車が走行する予定の経路であり、高さ情報を含まない2次元走行予定経路を取得する。具体的には、走行予定経路取得部133は、電気自動車の運行を管理する管理者又は電気自動車を運転する運転者が、端末に入力した2次元走行予定経路を取得する。端末は、2次元走行予定経路を入力できるものであればよく、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、電気自動車に搭載されたカーナビゲーションであるが、これに限定するものではない。
【0035】
2次元走行予定経路は、例えば所定距離毎に電気自動車の位置を示した経路である。2次元走行予定経路は、
図2の2次元走行軌跡と同様に、電気自動車の位置を緯度及び経度で示した経路である。また、2次元走行予定経路は、例えば、道路を複数のノードとして表したものであってもよい。この場合、各ノードは、あるノードに対する次のノードの相対位置座標、累積走行距離、緯度及び経度で示される2次元座標、ノードの属性(交差点、T字路、踏み切り、トンネル)、各ノードにおける進行方向(直進、右折、左折、Uターン)、ノード間の法定速度などの情報を含んでいてもよい。
【0036】
次に、走行予定経路取得部133は、2次元走行予定経路に基づいて、3次元走行予定経路を取得する。具体的には、まず、走行予定経路取得部133は、記憶部12に記憶された3次元地図情報を取得し、3次元地図情報から2次元走行予定経路に含まれる複数の電気自動車の位置の各々に対応する高さ情報として標高Hを取得する。次に、走行予定経路取得部133は、複数の電気自動車の位置の各々に、当該複数の電気自動車の位置の各々に対応する高さ情報を関連付けることにより、高さ情報を含む3次元走行予定経路を生成する。そして、走行予定経路取得部133は、生成した3次元走行予定経路を、電気自動車が走行する予定の高さ情報を含む3次元走行予定経路として取得する。
【0037】
予測情報取得部134は、モデル作成部132が履歴情報を考慮した消費電力予測モデルを作成していた場合、3次元走行予定経路に対応する予測情報を取得する。予測情報は、3次元走行予定経路を走行するときの電気自動車の状態を予測した予測状態情報である。予測状態情報は、例えば電気自動車が3次元走行予定経路を走行するときの、電気自動車の速度(以下、「予定走行速度)と言う)、加速度、電気自動車が積載する荷物の重量、補機の稼働状態、架装の状態、バッテリの残容量などである。例えば、予測情報取得部134は、電気自動車が3次元走行予定経路を走行するときの予定走行速度や積載する荷物の重量を、電気自動車の運行を管理するサーバから取得する。
【0038】
また、予測情報は、3次元走行予定経路に対応する道路の状況を予測した予測状況情報であってもよい。予測状況情報は、電気自動車が3次元走行予定経路を走行するときの、当該3次元走行予定経路に対応する道路の状況を予測した情報である。走行予定経路取得部133は、予測状況情報として、例えば、電気自動車が3次元走行予定経路を走行する予定の時刻又は時間帯における環境情報、道路の予想混雑度、又は予測された渋滞情報を外部装置(例えば天気を予想する機関が管理するサーバ)から取得する。具体的には、走行予定経路取得部133は、予測情報として、電気自動車が3次元走行予定経路を走行するときの時刻又は時間帯における3次元走行予定経路の天気を取得する。なお、予測情報取得部134は、電気自動車の状態を予測した予測状態情報と、道路の状況を予測した予測状況情報とを含む予測情報を取得してもよい。
【0039】
消費電力予測部135は、走行予定経路取得部133が取得した3次元走行予定経路を電気自動車が走行するときの消費電力を予測する。具体的には、消費電力予測部135は、モデル作成部132が作成した消費電力予測モデルに、3次元走行予定経路を入力することにより、電気自動車が3次元走行予定経路を走行するときの消費電力を予測する。このように、消費電力予測部135は、勾配や標高の変化を考慮した消費電力予測モデルに、勾配や標高の変化を含む3次元走行予定経路を入力することにより、消費電力を予測する。その結果、消費電力予測部135は、電気自動車が過去に走行したことのない経路であっても、電気自動車が過去に走行した道路の標高や勾配の変化に基づく消費電力予測モデルを使って、これから走行する3次元走行予定経路の標高や勾配の変化による消費電力を類推できるので、消費電力の予測精度を向上できる。
【0040】
消費電力予測部135は、過去の電気自動車の状態や道路の状況を示す履歴情報を考慮した消費電力予測モデルが作成された場合、3次元走行予定経路と、当該3次元走行予定経路に対応する予測情報とを消費電力予測モデルに入力して消費電力を予測する。このようにすることで、消費電力予測部135は、例えば予測情報が示す状態で電気自動車が3次元走行予定経路を走行するときの消費電力を予測できる。
【0041】
例えば、消費電力予測部135は、予測情報として予定走行速度が取得された場合、3次元走行予定経路と、当該3次元走行予定経路に対応する予定走行速度とを消費電力予測モデルに入力することにより、電気自動車が予定走行速度で3次元走行予定経路を走行するときの消費電力を予測する。また、消費電力予測部135は、予測情報として3次元走行予定経路の予測された天気が取得された場合、3次元走行予定経路と、当該3次元走行予定経路の予測された天気とを入力することにより、予測された天気の3次元走行予定経路を電気自動車が走行するときの消費電力を予測できる。このようにすることで、消費電力予測部135は、予測情報が示す電気自動車の状態や道路の状況を考慮した消費電力を予測できるので、消費電力の予測精度を向上できる。
【0042】
消費電力予測部135は、電気自動車が走行中に、電気自動車がすでに走行した経路を除いた残予定経路の消費電力を予測する。この場合、走行予定経路取得部133は、走行中の電気自動車の現在位置を取得し、現在位置から3次元走行予定経路の終点(以下「目的地」と言う)までの経路である残予定経路を順次取得する。走行予定経路取得部133が電気自動車の現在位置を取得する間隔は、適宜定めればよいが、例えば10秒である。次に、消費電力予測部135は、残予定経路を取得する毎に、残予定経路を消費電力予測モデルに入力することにより、電気自動車が残予定経路を走行するときの消費電力を予測する。このようにすることで、電気自動車が目的地に到着するまでの間、現在位置から目的地まで走行するときの消費電力を順次予測できる。
【0043】
ところで、電気自動車の状態や道路の状況は時々刻々と変化する。そのため、時々刻々と変化する電気自動車の状態や道路の状況を考慮して消費電力を予測することで、電気自動車が消費する消費電力の予測精度を向上できる。そこで、消費電力予測装置1は、電気自動車が走行中に、残予定経路に対応する予測情報を取得し、取得した予測情報に基づいて消費電力を予測する。以下、消費電力予測装置1が予測情報に基づいて消費電力を予測する処理を具体的に説明する。
【0044】
予測情報取得部134は、走行予定経路取得部133が取得した残予定経路の予測情報を順次取得する。例えば、予測情報取得部134は、電気自動車が残予定経路を走行すると予測される時間帯における環境情報を予測情報として外部装置から取得する。また、予測情報取得部134は、予測情報として、残予定経路を走行するときの電気自動車の予定走行速度を、電気自動車の運行を管理するサーバから取得する。なお、予測情報取得部134は、外部装置から、残予定経路に対応する予測情報(例えば残予定経路を走行中の車両の数に基づく混雑度)を取得してもよく、電気自動車に搭載されたセンサが検知した情報(例えば自車周辺に存在する他車の数に基づく混雑度)から残予定経路に対応する予測情報を取得してもよい。
【0045】
消費電力予測部135は、残予定経路と予測情報とが取得される毎に、残予定経路と、当該残予定経路に対応する予測情報とを消費電力予測モデルに入力して消費電力を予測する。例えば、消費電力予測部135は、予測情報が示す道路の状況における残予定経路を、予測情報が示す状態の電気自動車が走行するときの消費電力を予測する。一例を挙げると、消費電力予測部135は、残予定経路と、予測情報として残予定経路の天気(例えば雨)が取得されると、残予定経路と、残予定経路の天気(雨)を消費電力予測モデルに入力して、天気が雨である残予定経路を電気自動車が走行するときの消費電力を予測する。このようにすることで、消費電力予測部135は、時々刻々と変化する電気自動車の状態や道路の状況に応じた消費電力の予測結果を取得できる。
【0046】
[消費電力予測モデルを更新する処理]
図4は、消費電力予測モデルを作成する処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、走行データ取得部131は、電気自動車が走行を終了すると、当該電気自動車の走行データを取得する(ステップS1)。具体的には、走行データ取得部131は、電気自動車が走行した3次元走行軌跡と、当該3次元走行軌跡を走行したときに電気自動車が消費した実消費電力とを関連付けた3次元走行データを取得する。
【0047】
次に、モデル作成部132は、取得した走行データの積算数が、閾値以上になったか否かを判定する(ステップS2)。モデル作成部132は、取得した走行データの積算数が閾値未満である場合(ステップS2でNo)、取得した走行データの積算数が閾値以上になるまで消費電力予測モデルを更新しない。
【0048】
モデル作成部132は、取得した走行データの積算数が閾値以上である場合(ステップS2でYes)、消費電力予測モデルを更新する(ステップS3)。具体的には、モデル作成部132は、取得されている閾値以上の数の走行データを教師データとして新たな消費電力予測モデルを作成する。そして、モデル作成部132は、消費電力モデルを作成したら、走行データの積算数を0にする(ステップS4)。この際、モデル作成部132は、取得されている走行データを削除する。
【0049】
このようにすることで、モデル作成部132は、所定期間(例えば半年間)の走行データに基づいて、定期的(半年ごと)に消費電力予測モデルを更新することができる。その結果、電気自動車の状態の経時変化に対応した消費電力予測モデルを作成できる。
【0050】
[消費電力を予測する処理]
図5は、電気自動車が走行するときの消費電力を予測する処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、消費電力予測モデルは作成されているものとする。
【0051】
まず、走行予定経路取得部133は、電気自動車の走行予定経路を取得する(ステップS11)。具体的には、走行予定経路取得部133は、電気自動車の2次元走行予定経路を取得し、2次元走行予定経路に含まれる複数の電気自動車の位置の各々に対応する標高Hを、3次元地図情報から取得する。走行予定経路取得部133は、複数の電気自動車の位置の各々に、当該複数の電気自動車の位置の各々に対応する標高Hを関連付けて、3次元走行予定経路を作成することにより3次元走行予定経路を取得する。
【0052】
次に、消費電力予測部135は、電気自動車が3次元走行予定経路を走行するときの消費電力を予測する(ステップS12)。具体的には、消費電力予測部135は、3次元走行予定経路を消費電力予測モデルに入力することにより、電気自動車が3次元走行予定経路を走行するときの消費電力の予測結果を取得する。
【0053】
走行予定経路取得部133は、電気自動車が3次元走行予定経路に沿って走行を開始したら、走行中の電気自動車の現在位置を順次取得する(ステップS13)。走行予定経路取得部133は、電気自動車の現在位置に基づいて、電気自動車が目的地に到着したか否かを判定する(ステップS14)。例えば、走行予定経路取得部133は、電気自動車の現在位置が、3次元走行予定経路の終点である目的地から所定範囲内である場合、目的地に到着したと判定する。所定範囲は適宜定めればよく、例えば目的地に対応する施設の敷地内である。電気自動車が目的地に到着した場合(ステップS14でYes)、消費電力予測装置1は消費電力を予測する処理を終了する。
【0054】
走行予定経路取得部133は、電気自動車が目的地に到着していない場合(ステップS14でNo)、残予定経路を取得する(ステップS15)。具体的には、走行予定経路取得部133は、電気自動車の現在位置から目的地までの経路である残予定経路を取得する。
【0055】
予測情報取得部134は、走行予定経路取得部133が取得した残予定経路の予測情報を取得する(ステップS16)。例えば、予測情報取得部134は、残予定経路を走行すると予測される時間帯における環境情報を予測情報として外部装置から取得する。
【0056】
消費電力予測部135は、電気自動車が残予定経路を走行するときの消費電力を予測する(ステップS17)。具体的には、消費電力予測部135は、残予定経路と、当該残予定経路の予測情報とを消費電力予測モデルに入力することにより、予測情報である残予定経路を電気自動車が走行するときの消費電力の予測結果を取得する。
【0057】
消費電力予測装置1は、電気自動車が走行を開始してから、目的地に到着するまでの間、ステップS13からステップS17を繰り返し、残予定経路の消費電力を順次予測する。そして、消費電力予測装置1は、予測した消費電力を、電気自動車の運行を管理する管理者の端末や、電気自動車を運転する運転者の端末に通知する。このようにすることで、通知を確認した管理者や運転者は、時々刻々と変化する状態や状況に応じて予測された消費電力と、電気自動車に搭載された電池の残容量とを比較できるようになる。その結果、管理者や運転者は、電気自動車が走行予定経路に沿って目的地まで走行できるか否かを判断しやすくなる。
【0058】
(変形例)
実施の形態において、走行データ取得部131及び走行予定経路取得部133は3次元地図情報を記憶部12から取得したが、これに限らず、他の装置から3次元地図情報を取得してもよい。他の装置は、例えば、測量を行う機関が管理するサーバや地図を作成する会社が管理するサーバ(以下、「地図情報提供サーバ」と言う)である。地図情報提供サーバは、高さ情報として標高と、経度と緯度とを含む3次元地図を示す情報を記憶する。走行データ取得部131及び走行予定経路取得部133は、地図情報提供サーバから、2次元走行軌跡や2次元走行予定経路に対応する3次元地図を取得する。例えば、走行データ取得部131は、地図情報提供サーバが記憶する3次元地図のうちの2次元走行軌跡が含まれる一部の3次元地図を取得する。
【0059】
[実施の形態に係る消費電力予測装置1の効果]
以上説明したとおり、消費電力予測装置1は、電気自動車が走行を終了すると、電気自動車が走行した3次元走行軌跡と、当該3次元走行軌跡を走行したときの実消費電力とを関連付けた複数の3次元走行データを教師データとして、電気自動車の消費電力予測モデルを作成する。そして、消費電力予測装置1は、電気自動車が走行を開始する前や走行中に、作成した消費電力予測モデルに電気自動車が走行する予定の3次元走行予定経路を入力することにより、電気自動車が3次元走行予定経路を走行するときの消費電力を予測する。
【0060】
このように、消費電力予測装置1は、電気自動車が過去に走行したときの3次元走行軌跡を用いて消費電力予測モデルを作成するので、実際の道路の勾配や標高の変化に対応した消費電力予測モデルを作成できる。また、消費電力予測装置1は、3次元行予定経路を入力することにより、電気自動車が走行したことのない経路であっても、道路の勾配の変化に応じた消費電力を予測できるので、消費電力の予測精度を向上できる。
【0061】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0062】
1 消費電力予測装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 走行データ取得部
132 モデル作成部
133 走行予定経路取得部
134 予測情報取得部
135 消費電力予測部