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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-28
(45)【発行日】2023-09-05
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20230829BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20230829BHJP
【FI】
G09F9/30 310
G09F9/00 313
G09F9/30 308A
G09F9/30 349E
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021139052
(22)【出願日】2021-08-27
(65)【公開番号】P2023032751
(43)【公開日】2023-03-09
【審査請求日】2022-04-25
(73)【特許権者】
【識別番号】514188173
【氏名又は名称】株式会社JOLED
(74)【代理人】
【識別番号】100189430
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100190805
【弁理士】
【氏名又は名称】傍島 正朗
(72)【発明者】
【氏名】内藤 暢夫
【審査官】川俣 郁子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/203340(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/175137(WO,A1)
【文献】特表2016-535159(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0170033(US,A1)
【文献】特開2021-059052(JP,A)
【文献】特開2018-124367(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F9/00-9/46
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
H10K50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた単一の湾曲方向に湾曲することで、巻き取られる、または折り曲げられる表示パネルと、
前記表示パネルに積層され、前記表示パネルとともに巻き取られる、または折り曲げられるカバー部材とを備え、
以下の(1)または(2)を満た
(1)前記表示パネルが巻き取られたときに前記湾曲方向における前記カバー部材の熱収縮率は、前記湾曲方向と直交する直交方向における前記カバー部材の熱収縮率よりも小さい、
(2)前記表示パネルが折り曲げられたときに前記湾曲方向における前記カバー部材の熱収縮率は、前記湾曲方向と直交する直交方向における前記カバー部材の熱収縮率よりも小さく、
前記カバー部材は、前記カバー部材における熱収縮率が最も小さい方向が前記湾曲方向と一致するように、前記表示パネルに積層される、
表示装置。
【請求項2】
前記表示パネルと前記カバー部材との間に積層され、前記表示パネルとともに巻き取られることまたは折り曲げられることが可能な円偏光板をさらに備え、
前記湾曲方向における前記円偏光板の熱収縮率は、前記直交方向における前記円偏光板の熱収縮率よりも小さい、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記円偏光板は、前記円偏光板における熱収縮率が最も小さい方向が前記湾曲方向と一致するように、前記表示パネルと前記カバー部材との間に積層される、
請求項に記載の表示装置。
【請求項4】
前記カバー部材と前記円偏光板とは、相互に一体的に形成されている、
請求項またはに記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置に関し、特に、フレキシブル性を有する表示パネルを備える表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フレキシブル性を有する表示パネルを備える表示装置が知られている。この種の表示装置の一例として、特許文献1には、有機ELモジュール保護用ポリエステルフィルムが配されている折りたたみ型ディスプレイが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-197705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の折りたたみ型ディスプレイでは、有機ELモジュール保護用ポリエステルフィルムが有機ELモジュールの湾曲方向に沿って熱収縮し易く、有機ELモジュールが展開された状態において、有機ELモジュール保護用ポリエステルフィルムの熱収縮によって有機ELモジュールが湾曲するという課題がある。また、巻き取られることが可能な表示パネルを備える従来の表示装置では、表示パネルを保護するカバー部材が表示パネルの湾曲方向に沿って熱収縮し易く、表示パネルが展開された状態において、カバー部材の熱収縮によって表示パネルが湾曲するという課題がある。表示パネルが湾曲することを抑制するために表示パネルを強く引っ張ることが考えられるが、表示パネルを強く引っ張ると表示パネルが破損し易い。
【0005】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであり、表示パネルが破損することを抑制しつつ、表示パネルが展開された状態において表示パネルが湾曲することを抑制できる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る表示装置は、巻き取られることまたは折り曲げられることが可能な表示パネルと、前記表示パネルに積層され、前記表示パネルとともに巻き取られることまたは折り曲げられることが可能なカバー部材とを備え、以下の(1)または(2)を満たす、(1)前記表示パネルが巻き取られたときに前記表示パネルが湾曲する湾曲方向における前記カバー部材の熱収縮率は、前記湾曲方向と直交する直交方向における前記カバー部材の熱収縮率よりも小さい、(2)前記表示パネルが折り曲げられたときに前記表示パネルが湾曲する湾曲方向における前記カバー部材の熱収縮率は、前記湾曲方向と直交する直交方向における前記カバー部材の熱収縮率よりも小さい。
【0007】
また、本開示の一態様に係る表示装置は、巻き取られることまたは折り曲げられることが可能な表示パネルと、前記表示パネルに積層され、前記表示パネルとともに巻き取られることまたは折り曲げられることが可能なカバー部材と、前記表示パネルと前記カバー部材との間に積層され、前記表示パネルとともに巻き取られることまたは折り曲げられることが可能な円偏光板とを備え、前記カバー部材は、熱収縮せず、以下の(1)または(2)を満たす、(1)前記表示パネルが巻き取られたときに前記表示パネルが湾曲する湾曲方向における前記円偏光板の熱収縮率は、前記湾曲方向と直交する直交方向における前記円偏光板の熱収縮率よりも小さい、(2)前記表示パネルが折り曲げられたときに前記表示パネルが湾曲する湾曲方向における前記円偏光板の熱収縮率は、前記湾曲方向と直交する直交方向における前記円偏光板の熱収縮率よりも小さい。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、表示パネルが破損することを抑制しつつ、表示パネルが展開された状態において表示パネルが湾曲することを抑制できる表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態1に係る表示装置を示す斜視図である。
図2図2は、図1の表示装置を示す分解斜視図である。
図3図3は、実施の形態2に係る表示装置を示す分解斜視図である。
図4図4は、図3の表示装置を示す断面図である。
図5図5は、実施の形態3に係る表示装置を示す分解斜視図である。
図6図6は、実施の形態4に係る表示装置を示す斜視図である。
図7図7は、図6の表示装置を示す分解斜視図である。
図8図8は、表示パネル等の巻き癖についての実験結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示に係る表示装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態等は、一例であって本開示を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
各図において、実質的に同一の構成要素については同一の符号を付している。また、各図は、模式図であり、各部の大きさの比等を必ずしも厳密に表したものではない。
【0012】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る表示装置10を示す斜視図である。図1の(a)は、表示装置10の表示パネル20等が展開された状態を示し、図1の(b)は、表示装置10の表示パネル20等が巻き取られた状態を示している。図2は、図1の表示装置10を示す分解斜視図である。図1および図2を参照して、実施の形態1に係る表示装置10について説明する。
【0013】
図1および図2に示すように、表示装置10は、画像を表示する装置であり、表示パネル20と、カバー部材30と、円偏光板40とを備えている。表示装置10は、表示パネル20、カバー部材30、および円偏光板40を巻き取り可能であるとともに、巻き取った表示パネル20等を展開可能であるローラブル表示装置である。たとえば、表示装置10は、タブレット端末、デジタルテレビ、デジタルサイネージ、スマートフォン、またはウェアラブル端末等に用いられる。
【0014】
表示パネル20は、巻き取られることが可能な表示パネルである。表示パネル20は、フレキシブル性を有しており、いわゆるフレキシブルディスプレイパネルである。表示パネル20は、画像を表示する。たとえば、表示パネル20は、フレキシブル基板(図示せず)を介して駆動基板(図示せず)に接続されており、当該駆動基板によって駆動されて画像を表示する。表示パネル20は、画像が表示される表示面21を有している。
【0015】
表示パネル20は、展開された状態において、第1方向および第1方向と直交する第2方向に延び、第1方向と直交しかつ第2方向と直交する第3方向を厚み方向とする板状の部材であり、第3方向の一方側(Z軸方向のプラス側)に向けて画像を表示する。表示パネル20は、展開された状態において、第3方向から見たとき矩形状である。第1方向は、図1等におけるX軸で示す方向であり、第2方向は、図1等におけるY軸で示す方向であり、第3方向は、図1等におけるZ軸で示す方向である。なお、たとえば、表示パネル20は、展開された状態において、矩形状でなくてもよく、他の多角形状、円形状、または楕円形状等であってもよい。
【0016】
表示パネル20は、第1方向回りに巻き取られる。つまり、表示パネル20は、巻き取られた状態において第1方向回りに湾曲する。本実施の形態では、表示パネル20は、カバー部材30および円偏光板40が表示パネル20よりも内方に位置するように巻き取られる。
【0017】
表示パネル20が巻き取られたときに表示パネル20が湾曲する湾曲方向Aは、表示パネル20の主面(表示面21等)と平行な方向であり、表示パネル20が展開された状態において第2方向と一致し、表示パネル20が巻き取られた状態において第1方向回りに湾曲する。
【0018】
湾曲方向Aと直交する直交方向Bは、表示パネル20の主面(表示面21等)と平行な方向であり、第1方向と一致する。
【0019】
たとえば、表示パネル20は、OLED(Organic Light Emitting Diode)パネルであり、TFT(薄膜トランジスタ)と、有機EL素子を有するOLEDと、TFE(Thin Film Encapsulation:薄膜封止)とが積層されて構成されている。
【0020】
カバー部材30は、表示パネル20に積層され、表示パネル20とともに巻き取られることが可能である。カバー部材30は、表示パネル20の表示面21側に積層されており、表示パネル20および円偏光板40を覆うように設けられている。カバー部材30は、表示パネル20から発せられた光を透過させる。カバー部材30は、フレキシブル性を有している。
【0021】
カバー部材30は、展開された状態において、第1方向および第2方向に延び、第3方向を厚み方向とする板状の部材である。カバー部材30は、展開された状態において、第3方向から見たとき矩形状である。なお、たとえば、カバー部材30は、展開された状態において、矩形状でなくてもよく、他の多角形状、円形状、または楕円形状等であってもよい。
【0022】
湾曲方向Aにおけるカバー部材30の熱収縮率は、直交方向Bにおけるカバー部材30の熱収縮率よりも小さい。つまり、カバー部材30は、湾曲方向Aにおけるカバー部材30の熱収縮率が直交方向Bにおけるカバー部材30の熱収縮率よりも小さくなるように、表示パネル20に積層される。たとえば、カバー部材30がカバー部材30の主面と平行でありかつ相互に直交する2つの方向C,Dのそれぞれに熱収縮する場合、当該2つの方向C,Dのうちカバー部材30の熱収縮率が小さい方向Cが湾曲方向Aと一致するように、カバー部材30は、表示パネル20に積層される。
【0023】
本実施の形態では、方向Cは、カバー部材30における熱収縮率が最も小さい方向であり、カバー部材30は、カバー部材30における熱収縮率が最も小さい方向Cが湾曲方向Aと一致するように、表示パネル20に積層される。つまり、本実施の形態では、カバー部材30における熱収縮率が最も小さい方向Cは、湾曲方向Aと一致している。たとえば、カバー部材30がカバー部材30の主面と平行でありかつ相互に交差する複数の方向のそれぞれに熱収縮する場合、当該複数の方向のうちカバー部材30の熱収縮率が最も小さい方向Cが湾曲方向Aと一致するように、カバー部材30は、表示パネル20に積層される。
【0024】
たとえば、カバー部材30は、光学粘着シート(図示せず)を介して円偏光板40に接着されている。たとえば、光学粘着シートとしては、アクリル系、シリコン系、エポキシ系、またはゴム系の接着剤を用いることができる。たとえば、カバー部材30は、ハードコート(HC)層を有するポリエチレンテレフタレート(PET)を用いて形成されている。たとえば、カバー部材30は、単層であってもよいし、異なる材料を積層した積層構造とすることもできる。
【0025】
円偏光板40は、表示パネル20とカバー部材30との間に積層され、表示パネル20とともに巻き取られることが可能である。円偏光板40は、表示パネル20の表示面21側に積層されており、表示パネル20を覆うように設けられている。円偏光板は、偏光子に位相差板が積層された構造である。たとえば、円偏光板40は、外光のパネル表面からの反射を抑え、表示画像のコントラストを上げる働きをする。円偏光板40は、フレキシブル性を有している。
【0026】
円偏光板40は、展開された状態において、第1方向および第2方向に延び、第3方向を厚み方向とする板状の部材である。円偏光板40は、展開された状態において、第3方向から見たとき矩形状である。なお、たとえば、円偏光板40は、展開された状態において、矩形状でなくてもよく、他の多角形状、円形状、または楕円形状等であってもよい。
【0027】
湾曲方向Aにおける円偏光板40の熱収縮率は、直交方向Bにおける円偏光板40の熱収縮率よりも小さい。つまり、円偏光板40は、湾曲方向Aにおける円偏光板40の熱収縮率が直交方向Bにおける円偏光板40の熱収縮率よりも小さくなるように、表示パネル20とカバー部材30との間に積層される。たとえば、円偏光板40が円偏光板40の主面と平行でありかつ相互に直交する2つの方向E,Fのそれぞれに熱収縮する場合、当該2つの方向E,Fのうち円偏光板40の熱収縮率が小さい方向Eが湾曲方向Aと一致するように、円偏光板40は、表示パネル20に積層される。
【0028】
本実施の形態では、方向Eは、円偏光板40における熱収縮率が最も小さい方向であり、円偏光板40は、円偏光板40における熱収縮率が最も小さい方向Eが湾曲方向Aと一致するように、表示パネル20とカバー部材30との間に積層される。つまり、本実施の形態では、円偏光板40における熱収縮率が最も小さい方向Eは、湾曲方向Aと一致している。たとえば、円偏光板40が円偏光板40の主面と平行でありかつ相互に交差する複数の方向のそれぞれに熱収縮する場合、当該複数の方向のうち円偏光板40の熱収縮率が最も小さい方向Eが湾曲方向Aと一致するように、円偏光板40は、表示パネル20とカバー部材30との間に積層される。
【0029】
たとえば、円偏光板40は、光学粘着シート(図示せず)を介して表示パネル20に接着されている。たとえば、光学粘着シートとしては、アクリル系、シリコン系、エポキシ系、またはゴム系の接着剤を用いることができる。
【0030】
以上、実施の形態1に係る表示装置10について説明した。
【0031】
実施の形態1に係る表示装置10は、巻き取られることが可能な表示パネル20と、表示パネル20に積層され、表示パネル20とともに巻き取られることが可能なカバー部材30とを備え、表示パネル20が巻き取られたときに表示パネル20が湾曲する湾曲方向Aにおけるカバー部材30の熱収縮率は、湾曲方向Aと直交する直交方向Bにおけるカバー部材30の熱収縮率よりも小さい。
【0032】
これによれば、カバー部材30が湾曲方向Aに熱収縮することを抑制できるので、カバー部材30が湾曲方向Aに熱収縮することに伴って表示パネル20が湾曲することを抑制できる。したがって、表示パネル20を強く引っ張ることなく表示パネル20が湾曲することを抑制できるので、表示パネル20が破損することを抑制しつつ、表示パネル20が展開された状態において表示パネル20が湾曲することを抑制できる。
【0033】
また、実施の形態1に係る表示装置10において、カバー部材30は、カバー部材30における熱収縮率が最も小さい方向Cが湾曲方向Aと一致するように、表示パネル20に積層される。
【0034】
これによれば、カバー部材30が湾曲方向Aに熱収縮することをさらに抑制できるので、表示パネル20が破損することを抑制しつつ、表示パネル20が展開された状態において表示パネル20が湾曲することをさらに抑制できる。
【0035】
また、実施の形態1に係る表示装置10は、表示パネル20とカバー部材30との間に積層され、表示パネル20とともに巻き取られることが可能な円偏光板40をさらに備え、湾曲方向Aにおける円偏光板40の熱収縮率は、直交方向Bにおける円偏光板40の熱収縮率よりも小さい。
【0036】
これによれば、円偏光板40が湾曲方向Aに熱収縮することを抑制できるので、円偏光板40が湾曲方向Aに熱収縮することに伴って表示パネル20が湾曲することを抑制できる。したがって、表示パネル20を強く引っ張ることなく表示パネル20が湾曲することをさらに抑制できるので、表示パネル20が破損することを抑制しつつ、表示パネル20が展開された状態において表示パネル20が湾曲することをさらに抑制できる。
【0037】
また、実施の形態1に係る表示装置10において、円偏光板40は、円偏光板40における熱収縮率が最も小さい方向Eが湾曲方向Aと一致するように、表示パネル20とカバー部材30との間に積層される。
【0038】
これによれば、円偏光板40が湾曲方向Aに熱収縮することをさらに抑制できるので、表示パネル20が破損することを抑制しつつ、表示パネル20が展開された状態において表示パネル20が湾曲することをさらに抑制できる。
【0039】
なお、上述した実施の形態1では、湾曲方向Aにおける円偏光板40の熱収縮率が、直交方向Bにおける円偏光板40の熱収縮率よりも小さい場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、湾曲方向Aにおける円偏光板40の熱収縮率は、直交方向Bにおける円偏光板40の熱収縮率よりも大きくてもよい。カバー部材30における熱収縮率が最も小さい方向が重要である。
【0040】
また、上述した実施の形態1では、表示装置10が、表示パネル20と、カバー部材30と、円偏光板40とを備えている場合について説明したが、これに限定されない。
【0041】
たとえば、表示装置10は、円偏光板40を備えていなくてもよい。
【0042】
また、たとえば、表示装置10は、表示パネル20等を巻き取るための巻き取り装置と、巻き取られた表示パネル20等を引き出すための引き出し装置とをさらに備えていてもよい。たとえば、当該巻き取り装置は、表示パネル20等の一端部に接続されて表示パネル20等を巻き付けるための芯材と、当該芯材を回転させるためのモータとを有する。また、たとえば、当該引き出し装置は、表示パネル20等の他端部に固定される固定部材と、当該固定部材を引き出し方向に押し出すパンタグラフ部とを有する。このことは、後述する実施の形態2および実施の形態3についても同様である。
【0043】
(実施の形態2)
図3は、実施の形態2に係る表示装置10aを示す分解斜視図である。図4は、図3の表示装置10aを示す断面図である。図3および図4を参照して、実施の形態2に係る表示装置10aについて説明する。
【0044】
図3および図4に示すように、表示装置10aは、カバー部材30に直接偏光子41と、位相差板50を備え、カバー部材30と偏光子41と位相差板50とが一体的に形成されている点において、表示装置10と主に異なっている。ここでいう偏光子41はPVA(ポリビニルアルコール)にポリヨウ素や染料を含侵して一方向に延伸したものである。本実施の形態では、円偏光板は、偏光子41と位相差板50とを含んで構成されている。つまり、本実施の形態では、カバー部材30と円偏光板(偏光子41および位相差板50)とは、相互に一体的に形成されている。
【0045】
カバー部材30と偏光子41とは、相互に一体的に形成されている。たとえば、カバー部材30と偏光子41とは、円偏光板作製工程において直接接着され、光学粘着シートを介さずに相互に一体的に形成されている。
【0046】
位相差板50は、外部から入ってきた光が表示パネル20で反射し、外部に透過しないために設置される。位相差板50は、表示パネル20と偏光子41との間に積層されている。位相差板50と偏光子41とは、相互に一体的に形成されている。たとえば、位相差板50と偏光子41とは、5μmの薄い粘着材や1μm程度の薄い接着部剤を用いて接合されている。
【0047】
位相差板50の下は、光学粘着シート60を介して表示パネル20に接着されている。たとえば、光学粘着シート60としては、アクリル系、シリコン系、エポキシ系、またはゴム系の接着剤を用いることができる。
【0048】
以上、実施の形態2に係る表示装置10aについて説明した。
【0049】
実施の形態2に係る表示装置10aにおいて、カバー部材30と円偏光板(偏光子41および位相差板50)とは、相互に一体的に形成されている。
【0050】
これによれば、カバー部材30の下に光学粘着シート60を設ける必要がないので、単層化することができ、熱収縮による影響を最小化することで、表示パネル20が湾曲することを抑制できる。したがって、表示パネル20が破損することを抑制しつつ、表示パネル20が展開された状態において表示パネル20が湾曲することをさらに抑制できる。
カバー部材の熱収縮の小さい方向に、カバー部材を内側にして折り曲げた時の折れ変形も同様に抑制できる。
【0051】
(実施の形態3)
図5は、実施の形態3に係る表示装置10bを示す分解斜視図である。図5を参照して、実施の形態3に係る表示装置10bについて説明する。
【0052】
図5に示すように、表示装置10bは、カバー部材30に代えてカバー部材30bを備えている点において、表示装置10と主に異なっている。
【0053】
カバー部材30bは、表示パネル20に積層され、表示パネル20とともに巻き取られることが可能である。カバー部材30bは、熱収縮しない点において、カバー部材30と主に異なっている。カバー部材30bは、熱収縮しない材料によって形成されている。たとえば、カバー部材30bは、超薄型ガラス(Ultra Thin Glass(UTG))等のガラスによって形成されている。たとえば、カバー部材30bは、光学粘着シート(図示せず)を用いて、円偏光板40に接着されている。たとえば、カバー部材30bの厚みは、70μmである。
【0054】
以上、実施の形態3に係る表示装置10bについて説明した。
【0055】
実施の形態3に係る表示装置10bは、巻き取られることが可能な表示パネル20と、表示パネル20に積層され、表示パネル20とともに巻き取られることが可能なカバー部材30bと、表示パネル20とカバー部材30bとの間に積層され、表示パネル20とともに巻き取られることが可能な円偏光板40とを備え、カバー部材30bは、熱収縮せず、表示パネル20が巻き取られたときに表示パネル20が湾曲する湾曲方向Aにおける円偏光板40の熱収縮率は、湾曲方向Aと直交する直交方向Bにおける円偏光板40の熱収縮率よりも小さい。
【0056】
これによれば、カバー部材30bは熱収縮しないので、カバー部材30bの熱収縮に起因する表示パネル20の湾曲を抑制できる。また、円偏光板40が湾曲方向Aに熱収縮することを抑制できるので、円偏光板40が湾曲方向Aに熱収縮することに伴って表示パネル20が湾曲することを抑制できる。したがって、表示パネル20を強く引っ張ることなく表示パネル20が湾曲することを抑制できるので、表示パネル20が破損することを抑制しつつ、表示パネル20が展開された状態において表示パネル20が湾曲することを抑制できる。
【0057】
(実施の形態4)
図6は、実施の形態4に係る表示装置10cを示す斜視図である。図6の(a)は、表示装置10cの表示パネル20c等が展開された状態を示し、図6の(b)は、表示装置10cの表示パネル20c等が折り曲げられた状態を示している。図7は、図6の表示装置10cを示す分解斜視図である。図6および図7を参照して、実施の形態4に係る表示装置10cについて説明する。
【0058】
図6および図7に示すように、表示装置10cは、画像を表示する装置であり、表示パネル20cと、カバー部材30cと、円偏光板40cとを備えている。表示装置10cは、表示パネル20c、カバー部材30c、および円偏光板40cを折り畳み可能であるとともに、折り畳んだ表示パネル20c等を展開可能であるフォルダブル表示装置である。たとえば、表示装置10cは、タブレット端末、デジタルテレビ、デジタルサイネージ、スマートフォン、またはウェアラブル端末等に用いられる。
【0059】
表示パネル20cは、折り曲げられることが可能な表示パネルである。表示パネル20cは、フレキシブル性を有しており、いわゆるフレキシブルディスプレイパネルである。表示パネル20cは、画像を表示する。たとえば、表示パネル20cは、フレキシブル基板(図示せず)を介して駆動基板(図示せず)に接続されており、当該駆動基板によって駆動されて画像を表示する。表示パネル20cは、画像が表示される表示面21cを有している。
【0060】
表示パネル20cは、展開された状態において、第1方向および第2方向に延び、第3方向を厚み方向とする板状の部材であり、第3方向の一方側(Z軸方向のプラス側)に向けて画像を表示する。表示パネル20cは、展開された状態において、第3方向から見たとき矩形状である。なお、たとえば、表示パネル20cは、展開された状態において、矩形状でなくてもよく、他の多角形状、円形状、または楕円形状等であってもよい。
【0061】
表示パネル20cは、第1方向回りに折り曲げられる。つまり、表示パネル20cは、折り曲げられた状態において第1方向回りに湾曲する。本実施の形態では、表示パネル20cは、カバー部材30cおよび円偏光板40cが表示パネル20cよりも内方に位置するように折り曲げられる。
【0062】
表示パネル20cが折り曲げられたときに表示パネル20cが湾曲する湾曲方向A1は、表示パネル20cの主面(表示面21c等)と平行な方向であり、表示パネル20cが展開された状態において第2方向と一致し、表示パネル20cが折り曲げられた状態において第1方向回りに湾曲する。
【0063】
湾曲方向A1と直交する直交方向B1は、表示パネル20cの主面(表示面21c等)と平行な方向であり、第1方向と一致する。
【0064】
たとえば、表示パネル20cは、OLED(Organic Light Emitting Diode)パネルであり、TFT(薄膜トランジスタ)と、有機EL素子を有するOLEDと、TFE(Thin Film Encapsulation:薄膜封止)とが積層されて構成されている。
【0065】
カバー部材30cは、表示パネル20cに積層され、表示パネル20cとともに折り曲げられることが可能である。カバー部材30cは、表示パネル20cの表示面21c側に積層されており、表示パネル20cおよび円偏光板40cを覆うように設けられている。カバー部材30cは、表示パネル20cから発せられた光を透過させる。カバー部材30cは、フレキシブル性を有している。
【0066】
カバー部材30cは、展開された状態において、第1方向および第2方向に延び、第3方向を厚み方向とする板状の部材である。カバー部材30cは、展開された状態において、第3方向から見たとき矩形状である。なお、たとえば、カバー部材30cは、展開された状態において、矩形状でなくてもよく、他の多角形状、円形状、または楕円形状等であってもよい。
【0067】
湾曲方向A1におけるカバー部材30cの熱収縮率は、直交方向B1におけるカバー部材30cの熱収縮率よりも小さい。つまり、カバー部材30cは、湾曲方向A1におけるカバー部材30cの熱収縮率が直交方向B1におけるカバー部材30cの熱収縮率よりも小さくなるように、表示パネル20cに積層される。たとえば、カバー部材30cがカバー部材30cの主面と平行でありかつ相互に直交する2つの方向C1,D1のそれぞれに熱収縮する場合、当該2つの方向C1,D1のうちカバー部材30cの熱収縮率が小さい方向C1が湾曲方向A1と一致するように、カバー部材30cは、表示パネル20cに積層される。
【0068】
本実施の形態では、方向C1は、カバー部材30cにおける熱収縮率が最も小さい方向であり、カバー部材30cは、カバー部材30cにおける熱収縮率が最も小さい方向C1が湾曲方向A1と一致するように、表示パネル20cに積層される。つまり、本実施の形態では、カバー部材30cにおける熱収縮率が最も小さい方向C1は、湾曲方向A1と一致している。たとえば、カバー部材30cがカバー部材30cの主面と平行でありかつ相互に交差する複数の方向のそれぞれに熱収縮する場合、当該複数の方向のうちカバー部材30cの熱収縮率が最も小さい方向C1が湾曲方向A1と一致するように、カバー部材30cは、表示パネル20cに積層される。
【0069】
たとえば、カバー部材30cは、光学粘着シート(図示せず)を介して円偏光板40cに接着されている。たとえば、光学粘着シートとしては、アクリル系、シリコン系、エポキシ系、またはゴム系の接着剤を用いることができる。たとえば、カバー部材30cは、ハードコート(HC)層を有するポリエチレンテレフタレート(PET)を用いて形成されている。
【0070】
円偏光板40cは、表示パネル20cとカバー部材30cとの間に積層され、表示パネル20cとともに折り曲げられることが可能である。円偏光板40cは、表示パネル20cの表示面21c側に積層されており、表示パネル20cを覆うように設けられている。円偏光板40cは、フレキシブル性を有している。
【0071】
円偏光板40cは、展開された状態において、第1方向および第2方向に延び、第3方向を厚み方向とする板状の部材である。円偏光板40cは、展開された状態において、第3方向から見たとき矩形状である。なお、たとえば、円偏光板40cは、展開された状態において、矩形状でなくてもよく、他の多角形状、円形状、または楕円形状等であってもよい。
【0072】
湾曲方向A1における円偏光板40cの熱収縮率は、直交方向B1における円偏光板40cの熱収縮率よりも小さい。つまり、円偏光板40cは、湾曲方向A1における円偏光板40cの熱収縮率が直交方向B1における円偏光板40cの熱収縮率よりも小さくなるように、表示パネル20cに積層される。たとえば、円偏光板40cが円偏光板40cの主面と平行でありかつ相互に直交する2つの方向E1,F1のそれぞれに熱収縮する場合、当該2つの方向E1,F1のうち円偏光板40cの熱収縮率が小さい方向E1が湾曲方向A1と一致するように、円偏光板40cは、表示パネル20cに積層される。
【0073】
本実施の形態では、方向E1は、円偏光板40cにおける熱収縮率が最も小さい方向であり、円偏光板40cは、円偏光板40cにおける熱収縮率が最も小さい方向E1が湾曲方向A1と一致するように、表示パネル20cとカバー部材30cとの間に積層される。つまり、本実施の形態では、円偏光板40cにおける熱収縮率が最も小さい方向E1は、湾曲方向A1と一致している。たとえば、円偏光板40cが円偏光板40cの主面と平行でありかつ相互に交差する複数の方向のそれぞれに熱収縮する場合、当該複数の方向のうち円偏光板40cの熱収縮率が最も小さい方向E1が湾曲方向A1と一致するように、円偏光板40cは、表示パネル20cとカバー部材30cとの間に積層される。
【0074】
たとえば、円偏光板40cは、光学粘着シート(図示せず)を介して表示パネル20cに接着されている。たとえば、光学粘着シートとしては、アクリル系、シリコン系、エポキシ系、またはゴム系の接着剤を用いることができる。
【0075】
以上、実施の形態4に係る表示装置10cについて説明した。
【0076】
実施の形態4に係る表示装置10cは、折り曲げられることが可能な表示パネル20cと、表示パネル20cに積層され、表示パネル20cとともに折り曲げられることが可能なカバー部材30cとを備え、表示パネル20cが折り曲げられたときに表示パネル20cが湾曲する湾曲方向A1におけるカバー部材30cの熱収縮率は、湾曲方向A1と直交する直交方向B1におけるカバー部材30cの熱収縮率よりも小さい。
【0077】
これによれば、カバー部材30cが湾曲方向A1に熱収縮することを抑制できるので、カバー部材30cが湾曲方向A1に熱収縮することに伴って表示パネル20cが湾曲することを抑制できる。したがって、表示パネル20cを強く引っ張ることなく表示パネル20cが湾曲することを抑制できるので、表示パネル20cが破損することを抑制しつつ、表示パネル20cが展開された状態において表示パネル20cが湾曲することを抑制できる。
【0078】
なお、上述した実施の形態4では、湾曲方向A1における円偏光板40cの熱収縮率が、直交方向B1における円偏光板40cの熱収縮率よりも小さい場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、湾曲方向A1における円偏光板40cの熱収縮率は、直交方向B1における円偏光板40cの熱収縮率よりも大きくてもよい。
【0079】
また、上述した実施の形態4では、表示装置10cが、表示パネル20cと、カバー部材30cと、円偏光板40cとを備えている場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、表示装置10cは、カバー部材30cに代えて、カバー部材30bのように熱収縮せずかつ表示パネル20cとともに折り曲げられることが可能なカバー部材を備えていてもよい。また、たとえば、表示装置10cは、円偏光板40cを備えていなくてもよい。カバー部材30cおよび円偏光板40cが表示パネル20cよりも外方に位置するように巻き取ったり、折り曲げてもよい。
【0080】
図8は、表示パネル等の巻き癖についての実験結果を示す図である。図8を参照して、表示パネル等の巻き癖についての実験結果について説明する。
【0081】
図8の(a)および(b)は、実施の形態2のテスト結果である。表示パネルとカバー一体の円偏光板とを積層したパネルユニットを半径略20mmの環状に巻き取った状態で95℃の環境下で18時間放置し、その後に展開した状態のパネルユニットを示している。図8の(a)は、円偏光板における熱収縮率が最小となる方向が表示パネルの湾曲方向と一致するようにパネルユニットを巻き取ったものであり、図8の(b)は、円偏光板における熱収縮率が最小となる方向が表示パネルの湾曲方向と直交するようにパネルユニットを巻き取ったものである。
【0082】
図8の(a)と(b)とを比較すると、図8の(b)よりも(a)の方が巻き癖がついておらず、円偏光板における熱収縮率が最小となる方向が表示パネルの湾曲方向と直交している場合よりも一致している場合の方が巻き癖がつきにくいことがわかる。
【0083】
図8の(c)および(d)は、先行文献の特開2020-197705号公報の再現テストをした結果である。カバー部材のみを半径略20mmの環状に巻き取った状態で95℃の環境下で18時間放置し、その後に展開した状態のカバー部材を示している。図8の(c)は、カバー部材における熱収縮率が最小となる方向がカバー部材の湾曲方向と一致するようにカバー部材を巻き取ったものであり、図8の(d)は、カバー部材における熱収縮率が最小となる方向がカバー部材の湾曲方向と直交するようにカバー部材を巻き取ったものである。
【0084】
図8の(c)と(d)とを比較すると、図8の(c)よりも(d)の方が巻き癖がついておらず、カバー部材単体で評価した時は、熱収縮率が大きくても、屈折率や弾性率が小さい方向に湾曲させると、巻き癖がつきにくいことがわかる。
【0085】
図8の(e)および(g)は、表示パネルと円偏光板と光学粘着シートとカバー部材とをこの順で積層したパネルユニットを半径略20mmの環状に巻き取った状態で95℃の環境下で18時間放置し、その後に展開した状態のパネルユニットを示している。図8の(e)は、カバー部材における熱収縮率が最小となる方向および円偏光板における熱収縮率が最小となる方向が表示パネルの湾曲方向と一致するようにパネルユニットを巻き取ったものである。図8の(g)は、カバー部材における熱収縮率が最小となる方向が表示パネルの湾曲方向と一致し、円偏光板における熱収縮率が最小となる方向が表示パネルの湾曲方向と直交するようにパネルユニットを巻き取ったものである。この結果より、円偏光板における熱収縮率の大小の向きの影響は小さく、カバー部材における熱収縮率が最小となる向きが重要であることが分かる。
【0086】
図8の(f)および(h)は、表示パネルと円偏光板と光学粘着シートとカバー部材とをこの順で積層したパネルユニットを半径略20mmの環状に巻き取った状態で95℃の環境下で18時間放置し、その後に展開した状態のパネルユニットを示している。図8の(f)は、カバー部材における熱収縮率が最小となる方向は、表示パネルの湾曲方向と直交しているが、円偏光板における熱収縮率が最小となる方向が表示パネルの湾曲方向と一致するようにパネルユニットを巻き取ったものである。図8の(h)は、カバー部材における熱収縮率が最小となる方向および円偏光板における熱収縮率が最小となる方向が表示パネルの湾曲方向と直交するようにパネルユニットを巻き取ったものである。この結果からも、円偏光板における熱収縮率の大小の向きの影響は小さく、カバー部材における熱収縮率が最小となる向きが重要であることが分かる。
【0087】
以上、表示パネル等の巻き癖についての実験結果について説明した。
【0088】
(その他の実施の形態等)
以上、本開示に係る表示装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は上記の実施の形態に限定されるものではない。上述した実施の形態に対して本開示の主旨を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例や、本開示に係る表示パネルを内蔵した各種機器も本開示に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本開示に係る表示装置は、デジタルテレビ、デジタルサイネージ、スマートフォン、タブレット端末またはウェアラブル端末等に利用可能である。
【符号の説明】
【0090】
10,10a,10b,10c 表示装置
20,20c 表示パネル
21,21c 表示面
30,30b,30c カバー部材
40,40c 円偏光板
41 偏光子
50 位相差板
60 光学粘着シート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8