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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-28
(45)【発行日】2023-09-05
(54)【発明の名称】検出回路、電気器具及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 6/12 20060101AFI20230829BHJP
【FI】
H05B6/12 324
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022504695
(86)(22)【出願日】2019-12-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-29
(86)【国際出願番号】 CN2019123405
(87)【国際公開番号】W WO2021031457
(87)【国際公開日】2021-02-25
【審査請求日】2022-01-24
(31)【優先権主張番号】201910766202.X
(32)【優先日】2019-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521007481
【氏名又は名称】▲広▼▲東▼美的白色家▲電▼技▲術▼▲創▼新中心有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGDONG MIDEA WHITE HOME APPLIANCE TECHNOLOGY INNOVATION CENTER CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Building #4,Midea Global Innovation Center,Industry Boulevard,Beijiao,Shunde Foshan,Guangdong 528311,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】512237419
【氏名又は名称】美的集団股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】MIDEA GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】B26-28F, Midea Headquarter Building, No.6 Midea Avenue, Beijiao, Shunde, Foshan, Guangdong 528311 China
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】尹 坤任
(72)【発明者】
【氏名】廖 ▲暉▼
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】特開平4-269488(JP,A)
【文献】特開昭49-25539(JP,A)
【文献】特開2009-224251(JP,A)
【文献】特開2012-54179(JP,A)
【文献】特開2005-93089(JP,A)
【文献】特表2010-515425(JP,A)
【文献】特許第3546279(JP,B2)
【文献】特許第5992131(JP,B1)
【文献】国際公開第2018/003092(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/066623(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/068647(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/094174(WO,A1)
【文献】特開2011-181325(JP,A)
【文献】特表2011-507481(JP,A)
【文献】特開2002-299028(JP,A)
【文献】特開2005-129539(JP,A)
【文献】特開2009-163915(JP,A)
【文献】Chaoqiang JIANG et al.,“An Overview of Resonant Circuits for Wireless Power Transfer”,Energies,2017年06月30日,Vol. 10, No. 7,p.894
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 6/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出回路であって、
前記検出回路は、第1の容量性素子、第2の容量性素子、検出対象負荷及び検出素子を少なくとも含み、
前記第1の容量性素子と前記検出対象負荷は、直列に接続されて第1の分岐回路を構成し、前記第1の分岐回路は、前記第2の容量性素子を含む第2の分岐回路に並列に接続され、
前記検出素子は、前記第1の分岐回路の第1の交流信号及び前記第2の分岐回路の第2の交流信号を検出し、前記第1の交流信号の第1の方向及び前記第2の交流信号の第2の方向を確定し、前記第1の方向及び前記第2の方向に基づいて前記検出対象負荷のタイプを確定するように構成され
前記検出素子は、前記第1の方向と前記第2の方向との間の角度が第1のプリセット範囲内にあるか否かを検出し、前記第1の方向と前記第2の方向との間の角度が前記第1のプリセット範囲内にあると検出した場合、前記検出対象負荷のタイプが送電負荷であると確定し、前記第1の方向と前記第2の方向との間の角度が前記第1のプリセット範囲内にないと検出した場合、前記検出対象負荷のタイプが加熱負荷であると確定するように構成される、検出回路。
【請求項2】
前記第1の容量性素子は、第1のコンデンサを含み、
又は、前記第1の容量性素子は、第1のコンデンサと、第1のインダクタ及び第1の抵抗器のうちの少なくとも1つとを含み、前記第1のコンデンサは、前記第1のインダクタ及び前記第1の抵抗器のうちの少なくとも1つに直列に接続され、
前記第2の容量性素子は、第2のコンデンサを含み、
又は、前記第2の容量性素子は、第2のコンデンサと、第2のインダクタ及び第2の抵抗器のうちの少なくとも1つとを含み、前記第2のコンデンサは、前記第2のインダクタ及び前記第2の抵抗器のうちの少なくとも1つに直列に接続されることを特徴とする
請求項1に記載の検出回路。
【請求項3】
前記検出回路は、誘導性素子を含む第3の分岐回路をさらに含み、前記第3の分岐回路の一端が交流電源に接続され、前記第3の分岐回路は、それぞれ前記第1の分岐回路及び前記第2の分岐回路に直列に接続され、前記第3の分岐回路の第3の交流信号は、前記第1の交流信号及び前記第2の交流信号を含み、
前記誘導性素子は、前記交流電源から出力された交流信号をフィルタリング又は波形補償するように構成されることを特徴とする
請求項1に記載の検出回路。
【請求項4】
前記検出素子は、前記第3の交流信号の電圧ゼロクロス点の第1の時点と電流ゼロクロス点の第2の時点とを検出し、前記第1の時点及び前記第2の時点に基づいて前記検出対象負荷のタイプを確定するように構成されることを特徴とする
請求項に記載の検出回路。
【請求項5】
前記検出素子は、前記第1の時点と前記第2の時点との差が第2のプリセット範囲内にあるか否かを検出し、前記第1の時点と前記第2の時点との差が前記第2のプリセット範囲内にあると検出した場合、前記検出対象負荷のタイプが送電負荷であると確定し、前記第1の時点と前記第2の時点との差が前記第2のプリセット範囲内にないと検出した場合、前記検出対象負荷のタイプが加熱負荷であると確定するように構成されることを特徴とする
請求項に記載の検出回路。
【請求項6】
前記誘導性素子は、第3のインダクタを含み、
又は、前記誘導性素子は、第3のインダクタと、第3のコンデンサ及び第3の抵抗器のうちの少なくとも1つとを含み、前記第3のインダクタは、前記第3のコンデンサ及び前記第3の抵抗器のうちの少なくとも1つに直列に接続されることを特徴とする
請求項に記載の検出回路。
【請求項7】
電気器具であって、
前記電気器具は、請求項1からのいずれか一項に記載の検出回路を含み、
前記電気器具は、前記検出回路における検出素子によって確定された前記検出対象負荷のタイプに基づいて、対応する作動モードになるように前記電気器具を制御するように構成される制御素子をさらに含む、電気器具。
【請求項8】
前記検出対象負荷は、鍋又は受電機器を含み、
前記制御素子は、前記検出素子によって確定された前記検出対象負荷のタイプが加熱負荷である場合、前記電気器具のコイルディスクによって前記コイルディスクに置かれた鍋を加熱し、前記検出素子によって確定された前記検出対象負荷のタイプが送電負荷である場合、前記電気器具のコイルディスクによって前記コイルディスクに置かれた受電機器に対して送電するように構成される
請求項に記載の電気器具。
【請求項9】
請求項又はに記載の電気器具に適用される制御方法であって、
検出回路における第1の分岐回路の第1の交流信号及び第2の分岐回路の第2の交流信号を取得し、前記第1の交流信号の第1の方向及び前記第2の交流信号の第2の方向を確定するステップであって、前記第1の分岐回路には直列に接続された第1の容量性素子及び検出対象負荷が含まれ、前記第1の分岐回路は、前記第2の容量性素子を含む第2の分岐回路に並列に接続される、ステップと、
前記第1の方向及び前記第2の方向に基づいて、前記検出対象負荷のタイプを確定するステップと、
前記検出対象負荷のタイプに基づいて、対応する作動モードになるように前記電気器具を制御するステップと、を含み、
前記第1の方向及び前記第2の方向に基づいて、前記検出対象負荷のタイプを確定するステップは、
前記第1の方向と前記第2の方向との間の角度が第1のプリセット範囲内にあるか否かを検出するステップと、
前記第1の方向と前記第2の方向との間の角度が前記第1のプリセット範囲内にあると検出した場合、前記検出対象負荷のタイプが送電負荷であると確定し、前記第1の方向と前記第2の方向との間の角度が前記第1のプリセット範囲内にないと検出した場合、前記検出対象負荷のタイプが加熱負荷であると確定するステップと、を含む、方法。
【請求項10】
前記方法は、
前記検出回路における第3の分岐回路の第3の交流信号を取得し、前記第3の交流信号の電圧ゼロクロス点の第1の時点と電流ゼロクロス点の第2の時点とを確定するステップと、
前記第1の時点及び前記第2の時点に基づいて、前記検出対象負荷のタイプを確定するステップと、をさらに含むことを特徴とする
請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の時点及び前記第2の時点に基づいて、前記検出対象負荷のタイプを確定するステップは、
前記第1の時点と前記第2の時点との差が第2のプリセット範囲内にあるか否かを検出するステップと、
前記第1の時点と前記第2の時点との差が前記第2のプリセット範囲内にあると検出した場合、前記検出対象負荷のタイプが送電負荷であると確定し、前記第1の時点と前記第2の時点との差が前記第2のプリセット範囲内にないと検出した場合、前記検出対象負荷のタイプが加熱負荷であると確定するステップと、を含むことを特徴とする
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されるとき、請求項から11のいずれか一項に記載の方法のステップを実現する、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項13】
検出装置であって、
プロセッサと、前記プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムを記憶するように構成されるメモリとを備え、
前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行するとき、請求項から11のいずれか一項に記載の方法のステップを実行するように構成される、検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、出願番号が第201910766202.X号であり、出願日が2019年8月19日である中国特許出願に基づいて提案され、当該中国特許出願に基づく優先権を主張し、当該中国特許出願の全ての内容がここで参照により本出願に組み込まれる。
【0002】
本出願は、電気器具の分野に関し、特に検出回路、電気器具及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術におけるあるタイプの電気器具(例えば電磁調理器)は、鍋を加熱し、又は受電機器を充電することができる。このような電気器具を使用する場合、ユーザが人為的に負荷のタイプを判断し、さらに対応するボタンを選択して起動する必要があり、それによって、電気器具を対応する作動モードで作動させる。そうでない場合、予測できないリスクが発生し、さらには電気器具を損傷する可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本出願の実施例は、上記の技術的問題を少なくとも部分的に解決するように、検出回路、電気器具及び制御方法を提供する。
【0005】
上記の目的を達成するために、本出願の実施例の技術的手段は、以下のように実現される。
【0006】
本出願の実施例は、検出回路を提供し、前記検出回路は、第1の容量性素子、第2の容量性素子、検出対象負荷及び検出素子を少なくとも含み、
前記第1の容量性素子と前記検出対象負荷は、直列に接続されて第1の分岐回路を構成し、前記第1の分岐回路は、前記第2の容量性素子を含む第2の分岐回路に並列に接続され、
前記検出素子は、前記第1の分岐回路の第1の交流信号及び前記第2の分岐回路の第2の交流信号を検出し、前記第1の交流信号の第1の方向及び前記第2の交流信号の第2の方向を確定し、前記第1の方向及び前記第2の方向に基づいて前記検出対象負荷のタイプを確定するように構成される。
【0007】
本出願のいくつかの選択可能な実施例では、前記検出素子は、前記第1の方向と前記第2の方向との間の角度が第1のプリセット範囲内にあるか否かを検出し、前記第1の方向と前記第2の方向との間の角度が前記第1のプリセット範囲内にあると検出した場合、前記検出対象負荷のタイプが送電負荷であると確定し、前記第1の方向と前記第2の方向との間の角度が前記第1のプリセット範囲内にないと検出した場合、前記検出対象負荷のタイプが加熱負荷であると確定するように構成される。
【0008】
本出願の1つの選択可能な実施例では、前記第1の容量性素子は、第1のコンデンサを含み、
又は、前記第1の容量性素子は、第1のコンデンサと、第1のインダクタ及び第1の抵抗器のうちの少なくとも1つとを含み、前記第1のコンデンサは、前記第1のインダクタ及び前記第1の抵抗器のうちの少なくとも1つに直列に接続され、
前記第2の容量性素子は、第2のコンデンサを含み、
又は、前記第2の容量性素子は、第2のコンデンサと、第2のインダクタ及び第2の抵抗器のうちの少なくとも1つとを含み、前記第2のコンデンサは、前記第2のインダクタ及び前記第2の抵抗器のうちの少なくとも1つに直列に接続される。
【0009】
本出願のいくつかの選択可能な実施例では、前記検出回路は、誘導性素子を含む第3の分岐回路をさらに含み、ここで、前記第3の分岐回路の一端が交流電源に接続され、前記第3の分岐回路は、それぞれ前記第1の分岐回路及び前記第2の分岐回路に直列に接続され、前記第3の分岐回路の第3の交流信号は、前記第1の交流信号及び前記第2の交流信号を含み、前記誘導性素子は、前記交流電源から出力された交流信号をフィルタリング又は補償するように構成される。
【0010】
本出願のいくつかの選択可能な実施例では、前記検出素子は、前記第3の交流信号の電圧ゼロクロス点の第1の時点と電流ゼロクロス点の第2の時点とを検出し、前記第1の時点及び前記第2の時点に基づいて前記検出対象負荷のタイプを確定するように構成される。
【0011】
本出願のいくつかの選択可能な実施例では、前記検出素子は、前記第1の時点と前記第2の時点との差が第2のプリセット範囲内にあるか否かを検出し、前記第1の時点と前記第2の時点との差が前記第2のプリセット範囲内にあると検出した場合、前記検出対象負荷のタイプが送電負荷であると確定し、前記第1の時点と前記第2の時点との差が前記第2のプリセット範囲内にないと検出した場合、前記検出対象負荷のタイプが加熱負荷であると確定するように構成される。
【0012】
本出願のいくつかの選択可能な実施例では、前記誘導性素子は、第3のインダクタを含み、
又は、前記誘導性素子は、第3のインダクタと、第3のコンデンサ及び第3の抵抗器のうちの少なくとも1つとを含み、前記第3のインダクタは、前記第3のコンデンサ及び前記第3の抵抗器のうちの少なくとも1つに直列に接続される。
【0013】
本出願の実施例は、電気器具をさらに提供し、前記電気器具は、上記いずれか一つの実施例に記載の検出回路を含み、前記電気器具は、前記検出回路における検出素子によって確定された前記検出対象負荷のタイプに基づいて、対応する作動モードになるように前記電気器具を制御するように構成される制御素子をさらに含む。
【0014】
本出願のいくつかの選択可能な実施例では、前記検出対象負荷は、鍋又は受電機器を含み、
前記制御素子は、前記検出素子によって確定された前記検出対象負荷のタイプが加熱負荷である場合、前記電気器具のコイルディスクによって前記コイルディスクに置かれた鍋を加熱し、前記検出素子によって確定された前記検出対象負荷のタイプが送電負荷である場合、前記電気器具のコイルディスクによって前記コイルディスクに置かれた受電機器に対して送電するように構成される。
【0015】
本出願の実施例は、上記いずれか一つの実施例に記載の前記電気器具に適用される制御方法をさらに提供し、前記方法は、
検出回路における第1の分岐回路の第1の交流信号及び第2の分岐回路の第2の交流信号を取得し、前記第1の交流信号の第1の方向及び前記第2の交流信号の第2の方向を確定するステップであって、前記第1の分岐回路には直列に接続された第1の容量性素子及び検出対象負荷が含まれ、前記第1の分岐回路は、前記第2の容量性素子を含む第2の分岐回路に並列に接続される、ステップと、
前記第1の方向及び前記第2の方向に基づいて、前記検出対象負荷のタイプを確定するステップと、
前記検出対象負荷のタイプに基づいて、対応する作動モードになるように前記電気器具を制御するステップと、を含む。
【0016】
本出願のいくつかの選択可能な実施例では、前記第1の方向及び前記第2の方向に基づいて、前記検出対象負荷のタイプを確定するステップは、
前記第1の方向と前記第2の方向との間の角度が第1のプリセット範囲内にあるか否かを検出するステップと、
前記第1の方向と前記第2の方向との間の角度が前記第1のプリセット範囲内にあると検出した場合、前記検出対象負荷のタイプが送電負荷であると確定し、前記第1の方向と前記第2の方向との間の角度が前記第1のプリセット範囲内にないと検出した場合、前記検出対象負荷のタイプが加熱負荷であると確定するステップと、を含む。
【0017】
本出願のいくつかの選択可能な実施例では、前記方法は、
前記検出回路における第3の分岐回路の第3の交流信号を取得し、前記第3の交流信号の電圧ゼロクロス点の第1の時点と電流ゼロクロス点の第2の時点とを確定するステップと、
前記第1の時点及び前記第2の時点に基づいて、前記検出対象負荷のタイプを確定するステップと、をさらに含む。
【0018】
本出願のいくつかの選択可能な実施例では、前記第1の時点及び前記第2の時点に基づいて、前記検出対象負荷のタイプを確定するステップは、
前記第1の時点と前記第2の時点との差が第2のプリセット範囲内にあるか否かを検出するステップと、
前記第1の時点と前記第2の時点との差が前記第2のプリセット範囲内にあると検出した場合、前記検出対象負荷のタイプが送電負荷であると確定し、前記第1の時点と前記第2の時点との差が前記第2のプリセット範囲内にないと検出した場合、前記検出対象負荷のタイプが加熱負荷であると確定するステップと、を含む。
【0019】
本出願の実施例は、コンピュータプログラムが記憶されており、前記プログラムがプロセッサによって実行されるとき、本出願の実施例に記載の方法のステップを実現する、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。
【0020】
本出願の実施例は、プロセッサと、前記プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムを記憶するように構成されるメモリと、を備え、前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行するとき、本出願の実施例に記載の方法のステップを実行するように構成される、検出装置をさらに提供する。
【0021】
本出願の実施例は、検出回路、電気器具及び制御方法を提供し、前記検出回路は、第1の容量性素子、第2の容量性素子、検出対象負荷及び検出素子を少なくとも含み、ここで、前記第1の容量性素子と前記検出対象負荷は、直列に接続されて第1の分岐回路を構成し、前記第1の分岐回路は、前記第2の容量性素子を含む第2の分岐回路に並列に接続され、前記検出素子は、前記第1の分岐回路の第1の交流信号及び前記第2の分岐回路の第2の交流信号を検出し、前記第1の交流信号の第1の方向及び前記第2の交流信号の第2の方向を確定し、前記第1の方向及び前記第2の方向に基づいて前記検出対象負荷のタイプを確定するように構成される。本出願の実施例の技術的手段を採用し、一方では、第1の分岐回路及び第2の分岐回路の交流信号の方向を検出することにより、検出された方向に基づいて検出対象負荷のタイプに対する自動判定を実現する。他方では、上記の検出回路を電気器具に適用させて、検出対象負荷のタイプに対するインテリジェントな識別を実現し、これにより、電気器具を対応する作動モードで自動的に作動させることができ、電気器具をよりインテリジェントにし、ユーザのニーズを満たし、電化製品の安全性を高め、ユーザの体験を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本出願の実施例により提供される検出回路の構成模式図である。
図2】本出願の実施例により提供される別の検出回路の構成模式図である。
図3】本出願の実施例により提供される検出回路を含む電気器具の構成模式図である。
図4】本出願の実施例により提供される制御方法のフローチャートである。
図5】本出願の実施例により提供される別の制御方法のフローチャートである。
図6】本出願の実施例により提供される検出回路を含む回路トポロジー構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に本出願の実施例を詳細に説明し、前記実施例が添付の図面に例示的に示され、ここで最初から最後まで同じ又は類似した記号は、同じ又は類似した要素、又は同じ又は類似した機能を有する要素を表す。以下に図面を参照して説明される実施例は、例示的なものであり、本出願を解釈するために使用されるが、本出願を制限するものとして理解されるべきではない。
【0024】
本出願の実施例を容易に理解するために、以下に電磁調理器を例としてまず関連技術における電磁加熱技術及び無線送電技術を簡単に説明する。
【0025】
電磁調理器は、電気調理レンジとも呼ばれ、商用周波数(低周波)と高周波の2種類に分けられ、その作動原理が電磁誘導原理を用いて電気エネルギーを熱エネルギーに変換して鍋内の食品を加熱することである。高周波電磁調理器を例とすると、その具体的な作動原理は、まず、整流回路を使用して50/60Hzの交流電力を直流電力に変換し、次に制御回路を使用して直流電力を周波数20~35KHzの高周波信号に変換し、さらに高速に変化する電流をコイルに流して、高速に変化する磁界を発生させ、これにより、磁界内の磁力線が金属製の鍋の底部を通過すると、金属体内に無数の小さな渦電流を発生させ、鍋自体を高速に発熱させ、さらに鍋の内容物を加熱して、ユーザの使用の結果を達成する。
【0026】
電気エネルギーの輸送は、電力システムにおける発電と電力消費の中間リンクであり、無線送電は、特殊な送電方式として、原理によって、電磁誘導原理類、共振型無線送電類、磁気結合共振類及びマイクロ波無線送電類の4つの種類に分けられてもよく、上記の4種類の1つを使用することにより、電源と受電機器の間に物理的な接続を必要とせずにエネルギー結合を行うことを実現することができ、即ち、物体間にエネルギーを伝送することできる。無線送電方式を採用する場合、受電機器を指定位置に置かればよく、この受電機器は、無線送電デバイス(例えば、電磁調理器)と同じ無線受電規格、例えば、パワーマターズアライアンス(PMA:Power Matters Alliance)規格、Qi規格又は無線充電アライアンス規格などを備える。
【0027】
電磁加熱技術と無線送電技術の両方は、エネルギー結合の方式を採用しており、この関連技術に基づいて電磁加熱機能と無線送電機能と有する電気器具が現れる。しかし、現在、電気器具は、置かれた負荷のタイプをインテリジェントに識別することができず、ユーザが負荷のタイプを選択して設定する必要があるが、ユーザが間違った負荷のタイプを選択すると、電気器具は、正常に作動できなくなり、さらには電気器具を損傷する可能性がある。したがって、本出願の実施例は、電気器具に置かれた負荷のタイプをインテリジェントに識別でき、電気器具が識別された負荷のタイプに基づいて対応する作動モードで作動するようにするという検出案を提供することが望ましい。
【0028】
以下では、添付の図面を参照して本出願の実施例により提供される検出回路、電気器具及び制御方法を詳細に説明する。
【0029】
図1は本出願の実施例により提供される検出回路の構成模式図である。図1に示すように、前記検出回路10は、第1の容量性素子101、第2の容量性素子102、検出対象負荷103及び検出素子104を少なくとも含み、
前記第1の容量性素子101と前記検出対象負荷103は、直列に接続されて第1の分岐回路を構成し、前記第1の分岐回路は、前記第2の容量性素子102を含む第2の分岐回路に並列に接続され、
前記検出素子104は、前記第1の分岐回路の第1の交流信号及び前記第2の分岐回路の第2の交流信号を検出し、前記第1の交流信号の第1の方向及び前記第2の交流信号の第2の方向を確定し、前記第1の方向及び前記第2の方向に基づいて前記検出対象負荷のタイプを確定するように構成される。
【0030】
本実施例では、容量性素子(第1の容量性素子101と第2の容量性素子102を含む)とは、電気容量パラメータを有する素子、即ち電圧ヒステリシス電流特性に合わせた素子を意味する。
【0031】
本実施例では、第1の容量性素子は、第1の容量性素子が容量性であり、且つ検出回路のニーズを満たす限り、様々な形態であってもよい。1つの選択可能な実施形態では、第1の容量性素子101は、第1のコンデンサを含むことができる。別の選択可能な実施形態では、前記第1の容量性素子101は、第1のコンデンサと、第1のインダクタ及び第1の抵抗器のうちの少なくとも1つとを含むことができ、前記第1のコンデンサは、前記第1のインダクタ及び前記第1の抵抗器のうちの少なくとも1つに直列に接続される。同様に、第2の容量性素子102は、様々な形態を有し得る。1つの選択可能な実施形態では、第2の容量性素子102は、第2のコンデンサを含むことができ、別の選択可能な実施形態では、第2の容量性素子102は、第2のコンデンサと、第2のインダクタ及び第2の抵抗器のうちの少なくとも1つとを含むことができ、前記第2のコンデンサは、前記第2のインダクタ及び前記第2の抵抗器のうちの少なくとも1つに直列に接続される。ここでの「第1」、「第2」が後続の説明を区別するためだけのものであり、制限作用がないことを理解すべきである。
【0032】
第1の分岐回路が第2の分岐回路に並列に接続されるため、第1の分岐回路と第2の分岐回路との両端の電圧値が理論的に等しいことを理解すべきであり、したがって、本実施例における第1の交流信号の第1の方向とは、第1の分岐回路における第1の交流信号の電流方向を意味し、第2の交流信号の第2の方向とは、第2の分岐回路における第2の交流信号の電流方向を意味する。
【0033】
実際の適用において、検出対象負荷のタイプは、送電負荷と加熱負荷の2種類を含むことができ、ここで、送電負荷は、受電機器、即ち無線送電技術により電気エネルギーを取得するデバイスとして理解されてもよく、加熱負荷は、電磁誘導原理により電気エネルギーから変換された熱エネルギーを取得するデバイスである。例示的に、送電負荷に対応する懐中電灯デバイスは、無線充電機能を備えた端末デバイス、例えば携帯電話であってもよい。加熱負荷は、電磁加熱に使用できる鍋などであってもよい。
【0034】
例示的に、第1の分岐回路における第1の交流信号の電流方向と第2の分岐回路における第2の交流信号の電流方向との間の角度が90°に近いと検出した場合、前記検出対象負荷が送電負荷であると確定し、第1の分岐回路における第1の交流信号の電流方向と第2の分岐回路における第2の交流信号の電流方向との間の角度が90°に近くないと検出した場合、前記検出対象負荷が加熱負荷であると確定することができる。
【0035】
したがって、本出願のいくつかの選択可能な実施例では、上記の検出回路10によって検出負荷のタイプを判断する場合、前記検出素子104は、前記第1の方向と前記第2の方向との間の角度が第1のプリセット範囲内にあるか否かを検出し、前記第1の方向と前記第2の方向との間の角度が前記第1のプリセット範囲内にあると検出した場合、前記検出対象負荷のタイプが送電負荷であると確定し、前記第1の方向と前記第2の方向との間の角度が前記第1のプリセット範囲内にないと検出した場合、前記検出対象負荷のタイプが加熱負荷であると確定するように構成される。
【0036】
ここで、第1のプリセット範囲は、ニーズに応じて設定されてもよく、本実施例ではこれを限定することができる。
【0037】
例えば、第1のプリセット範囲は、(80°,100°)であり、80°より大きく且つ100°より小さい範囲を表す。第1の分岐回路における電流信号の第1の方向と第2の分岐回路における電流信号の第2の方向との間の角度が(80°,100°)にあると検出した場合、例えば、第1の方向と第2の方向との間の角度が85°である場合、検出対象負荷は、送電負荷として判定されてもよく、第1の分岐回路における電流信号の第1の方向と第2の分岐回路における電流信号の第2の方向との間の角度が(80°,100°)の間にないと検出した場合、例えば、第1の方向と第2の方向との間の角度が75°である場合、検出対象負荷は、加熱負荷として判定されてもよい。
【0038】
上記と同様の出願構想に基づいて、検出対象負荷のタイプに対する判断については、図2に示すように、本出願の実施例は別の検出回路10の構成模式図をさらに提供する。前記検出回路10は、誘導性素子105を含む第3の分岐回路をさらに含むことができ、ここで、前記第3の分岐回路の一端が交流電源に接続され、前記第3の分岐回路は、それぞれ第1の分岐回路及び第2の分岐回路に直列に接続され、前記第3の分岐回路の第3の交流信号は、前記第1の交流信号及び前記第2の交流信号を含み、前記誘導性素子105は、前記交流電源から出力された交流信号をフィルタリング又は補償するように構成される。前記第3の分岐回路の一端が交流電源に接続され、前記第3の分岐回路の他の端はそれぞれ前記第1の分岐回路及び前記第2の分岐回路の一端に接続されることを理解できる。
【0039】
本実施例では、誘導性素子105とは、インダクタンスパラメータを有する素子、即ち負荷電圧に対して負荷電流が1つの位相差特性分だけ遅れた素子を意味する。
【0040】
本実施例では、誘導性素子105は、誘導性素子の特性を満たす限り、様々な形態であってもよい。これに基づいて、1つの選択可能な実施形態では、誘導性素子105は、第3のインダクタを含むことができる。別の選択可能な実施形態では、誘導性素子105は、第3のインダクタと、第3のコンデンサ及び第3の抵抗器のうちの少なくとも1つとを含むことができ、前記第3のインダクタは、前記第3のコンデンサ及び前記第3の抵抗器のうちの少なくとも1つに直列に接続される。
【0041】
なお、第3の分岐回路は、交流電源側に位置し、且つそれぞれ第1の分岐回路及び第2の分岐回路と同じノードを有し、キルヒホッフ(Kirchhoff laws)の法則に従って、1つの回路ノードにおいて、流出する電流信号は、流入する電流信号に等しく、即ち第3の分岐回路における第3の交流信号の電流は、第1の分岐回路の第1の交流信号の電流と第2の分岐回路における第2の交流信号の電流との和に等しい。
【0042】
本出願の実施例は、誘導性素子105を使用し、交流電源から出力された交流信号をフィルタリング又は補償する。本実施例における交流電源のタイプは、限られず、検出回路10に交流信号を提供することができる限り、ここで限定されなくてもよい。実際の適用において、例示的に、インバータブリッジ回路の出力した交流信号を交流電源として使用することができ、この交流信号には交流電圧と交流電流などの物理量が含まれ、且つ、インバータブリッジ回路を介して出力された交流信号は、方形波であることが多く、高調波が多く含まれているため、誘導性素子105を使用して高周波をカットし、交流信号に含まれる高調波をフィルタリングして、基本波(正弦波)例えば、正弦波形を有する電圧及び正弦波形を有する電流のみが含まれる必要がある。
【0043】
本実施例では、第1の分岐回路と第2の分岐回路が並列に接続された等価インピーダンスが抵抗性である場合、即ち第3の分岐回路における電圧信号と電流信号の位相が同じである場合、検出対象負荷103は、送電負荷として判定され、第1の分岐回路と第2の分岐回路が並列に接続された等価インピーダンスが抵抗性でない場合、つまり、第3の分岐回路における電圧信号と電流信号の位相が異なる場合、検出対象負荷103は、加熱負荷として判定される。
【0044】
これに基づき、前記検出素子104は、前記第3の交流信号の電圧ゼロクロス点の第1の時点と電流ゼロクロス点の第2の時点とを検出し、前記第1の時点及び前記第2の時点に基づいて前記検出対象負荷のタイプを確定するように構成される。
【0045】
いくつかの実施形態では、前記検出素子104は、前記第1の時点と前記第2の時点との差が第2のプリセット範囲内にあるか否かを検出し、前記第1の時点と前記第2の時点との差が前記第2のプリセット範囲内にあると検出した場合、前記検出対象負荷103のタイプが送電負荷であると確定し、前記第1の時点と前記第2の時点との差が前記第2のプリセット範囲内にないことが検出された場合、前記検出対象負荷103のタイプが加熱負荷であると確定するように構成される。
【0046】
第2のプリセット範囲は、ニーズに応じて設定されてもよく、本実施例ではこれを限定しなくてもよい。
【0047】
例えば、第2のプリセット範囲は、(-0.2,+0.2)であり、-0.2より大きく且つ0.2より小さい範囲を表す。第3の分岐回路における第3の交流信号の電圧ゼロクロス点の第1の時点と第3の交流信号の電流ゼロクロス点の第2の時点が(-0.2,+0.2)にあると検出した場合、例えば、第1の時点と第2の時点との差が0.01である場合、検出対象負荷103は、送電負荷として判定されてもよく、第3の分岐回路における第3の交流信号の電圧ゼロクロス点の第1の時点と第3の交流信号の電流ゼロクロス点の第2の時点が(-0.2,+0.2)にないと検出した場合、例えば、第1の時点と第2の時点との差が0.5である場合、検出対象負荷103は、加熱負荷として判定されてもよい。
【0048】
本出願の実施例の技術的手段を採用し、一方では、第1の分岐回路及び第2の分岐回路の交流信号の方向を検出することにより、検出された方向に基づいて検出対象負荷のタイプに対する自動判定を実現する。
【0049】
図3に示すように、本出願の実施例は、上記いずれかの検出回路10を含む電気器具20をさらに提供する。前記電気器具20は、前記検出回路10における検出素子104によって確定された前記検出対象負荷103のタイプに基づいて、対応する作動モードになるように前記電気器具103を制御するように構成される制御素子30をさらに含む。
【0050】
本実施例では、電気器具20の作動モードは、送電作動モードと加熱作動モードとを少なくとも含む。実際の適用において、電気器具20には送電回路と加熱回路とが少なくとも含まれてもよく、送電作動モードは、電気器具20内のワイヤディスクが送電回路に切り替えて接続されて、送電回路を介して検出対象負荷103に電気エネルギーを伝送することを示すことができ、加熱作動モードは、電気器具20内のワイヤディスクが加熱回路に切り替えて接続されて、加熱回路を介して検出対象負荷103を加熱することを示すことができる。検出回路10が、検出対象負荷103のタイプが加熱負荷であると検出した場合、制御素子30は、加熱作動モードになるように電気器具20を制御し、検出回路10が、検出対象負荷103のタイプが送電負荷であると検出した場合、制御素子30は、送電作動モードになるように電気器具20を制御する。これにより、手動で作動モードを選択することにエラーが発生し、電気器具20又は検出対象103に損傷が発生することを回避する。
【0051】
実際の適用において、前記検出対象負荷103が鍋又は受電機器を含む場合、前記制御素子30は、前記検出素子104によって確定された前記検出対象負荷103のタイプが加熱負荷である場合、前記電気器具20のコイルディスクによって前記コイルディスクに置かれた鍋を加熱し、前記検出素子104によって確定された前記検出対象負荷103のタイプが送電負荷である場合、前記電気器具20のコイルディスクによって前記コイルディスクに置かれた受電機器に対して送電するように構成される。
【0052】
前記電気器具20が上記の検出回路10及び制御素子30を備えた任意の電気器具であってもよいことを理解すべきであり、本出願の1つの具体的な実施例によれば、前記電気器具20は、電磁調理器であってもよく、前記検出対象負荷103は、電磁加熱可能な鍋又は無線充電可能な撹拌カップを含むことができる。例えば、鍋が電磁調理器のコイルディスクに置かれた場合、電磁調理器は、自体に含まれる検出回路10と制御素子30によって鍋のタイプを自動的に識別し、加熱作動モードになるように制御して鍋を加熱する。また、例えば、攪拌カップが電磁調理器に置かれた場合、電磁調理器は、自体に含まれる検出回路10と制御素子30によって攪拌カップのタイプを自動的に識別し、送電度作動モードになるように制御して攪拌カップの電池を充電する。
【0053】
本出願の実施例の技術的手段を採用し、上記の検出回路を電気器具に適用させて、検出対象負荷のタイプに対するインテリジェントな識別を実現し、これにより、電気器具を、対応する作動モードで自動的に作動させることができ、電気器具をよりインテリジェントにし、ユーザのニーズを満たし、電化製品の安全性を高め、ユーザの体験を向上させることができる。
【0054】
上記と同様の出願構想に基づいて、図4に示すように、図4は本出願の実施例により提供される制御方法のフローチャートであり、前記方法は、上記いずれかの電気器具20に適用され、前記方法は、
検出回路における第1の分岐回路の第1の交流信号及び第2の分岐回路の第2の交流信号を取得し、前記第1の交流信号の第1の方向及び前記第2の交流信号の第2の方向を確定するステップであって、前記第1の分岐回路には直列に接続された第1の容量性素子及び検出対象負荷が含まれ、前記第1の分岐回路は、前記第2の容量性素子を含む第2の分岐回路に並列に接続される、ステップS401と、
前記第1の方向及び前記第2の方向に基づいて、前記検出対象負荷のタイプを確定するステップS402と、
前記検出対象負荷のタイプに基づいて、対応する作動モードになるように前記電気器具を制御するステップS403と、を含む。
【0055】
オプションとして、ステップS402について、前記方法は、
前記第1の方向と前記第2の方向との間の角度が第1のプリセット範囲内にあるか否かを検出するステップS4021と、
前記第1の方向と前記第2の方向との間の角度が前記第1のプリセット範囲内にあると検出した場合、前記検出対象負荷のタイプが送電負荷であると確定し、前記第1の方向と前記第2の方向との間の角度が前記第1のプリセット範囲内にないと検出した場合、前記検出対象負荷のタイプが加熱負荷であると確定するステップS4022と、をさらに含む。
【0056】
上記の方法の実施例に基づき、図5に示すように、図5は本出願の実施例により提供される別の制御方法のフローチャートであり、前記方法は、
前記検出回路における第3の分岐回路の第3の交流信号を取得し、前記第3の交流信号の電圧ゼロクロス点の第1の時点と電流ゼロクロス点の第2の時点とを確定するステップS501と、
前記第1の時点及び前記第2の時点に基づいて、前記検出対象負荷のタイプを確定するステップS502と、をさらに含む。
【0057】
ここで、ステップS502は、
前記第1の時点と前記第2の時点との差が第2のプリセット範囲内にあるか否かを検出するステップS5021と、
前記第1の時点と前記第2の時点との差が前記第2のプリセット範囲内にあると検出した場合、前記検出対象負荷のタイプが送電負荷であると確定し、前記第1の時点と前記第2の時点との差が前記第2のプリセット範囲内にないと検出した場合、前記検出対象負荷のタイプが加熱負荷であると確定するステップS5022と、を含む。
【0058】
本出願の方法の実施例の詳細な説明については、具体的には上記の検出回路及び電気器具の実施例の説明を参照することができるため、ここでは説明を省略する。
【0059】
本出願の実施例の構想をより明確に理解するために、以下に1つの具体的な例で説明する。
【0060】
図6は、本出願の実施例により提供される検出回路を含む回路トポロジー構造の模式図である。図6に示すように、この回路トポロジー構造には、交流電源、第1の分岐回路、第2の分岐回路、第3の分岐回路及び送電ワイヤディスクが含まれ、ここで、第1の分岐回路には、第1の容量性素子と送電ワイヤディスクとが含まれ、第2分岐回路には、第2の容量性素子が含まれ、第3の分岐回路には、誘導性素子が含まれ、ここで、第1の容量性素子は、1つの第1のコンデンサ(図6のコンデンサC1など)を含み、第2の容量性素子は、1つの第2のコンデンサ(図6のコンデンサC2など)を含み、誘導性素子は、1つの第3のインダクタ(図6のインダクタンスL1)を含み、且つ第1の分岐回路における第1のコンデンサは、検出対象負荷に直列に接続され且つ第2の分岐回路に並列に接続され、第3の分岐回路は、それぞれ第1の分岐回路及び第2の分岐回路に直列に接続され、送電ワイヤディスクには異なるタイプの検出対象負荷が置かれてもよく、例えば、送電負荷が置かれてもよく、又は、加熱負荷が置かれてもよい。
【0061】
この回路トポロジー構造により、以下の2つの方式を採用して検出対象負荷のタイプを判断することができる。
【0062】
第1の方式では、第1の分岐回路における第1の交流信号と第2の分岐回路における第2の交流信号を使用して判断する。第1の交流信号と第2の交流信号との関係を取得し、両者の関係に基づいて検出対象負荷のタイプを判断する。
【0063】
オプションとして、第1の分岐回路における第1の交流信号の第1の方向及び第2の分岐回路における第2の交流信号の第2の方向を検出し、第1の方向と第2の方向との間の角度が第1のプリセット範囲内にあるか否か(例えば第1の方向と第2の方向との間の角度が90°に近いか否か)を判断し、第1の方向と第2の方向との間の角度が第1のプリセット範囲内にある場合、検出対象負荷は、送電負荷として判定され、第1の方向と第2の方向との間の角度が第1のプリセット範囲内にない場合、検出対象負荷は、加熱負荷として判定される。
【0064】
第2の方式では、第3の分岐回路における第3の交流信号の電圧ゼロクロス点の第1の時点と第3の交流信号の電流ゼロクロス点の第2の時点とを使用して判断する。
【0065】
オプションとして、第3の分岐回路における第3の交流信号の電圧ゼロクロス点の第1の時点と第3の交流信号の電流ゼロクロス点の第2の時点とを検出し、第1の時点と第2の時点との差が第2のプリセット範囲内にあるか否かを判断し、第1の時点と第2の時点との差が第2のプリセット範囲内にある場合、検出対象負荷は、送電負荷として判定され、第1の時点と第2の時点との差が第2のプリセット範囲内にない場合、検出対象負荷は、加熱負荷として判定される。
【0066】
上記の2つの判断方式は、同時に存在してもよいし、いずれか一方が選択され、ユーザの初期設定に応じて確定されてもよい。2つの判断方式の両方が存在する場合、それらは相互にチェックとして使用されてもよく、両者の判断結果が一致しない場合、検出回路に故障が発生した又は検出ツールに問題が発生したと判定され、さらにこのような検出回路を含む回路に作動を停止させ、これにより、このような検出回路を含む電気器具の安全性をさらに向上させる。
【0067】
なお、本出願は、上記の2つの判断方式を実施例として用いて出願の構想を説明し、理解すべきものとして、上記の回路トポロジー構造に対して、第1の分岐回路の第1の交流信号の電流値の二乗と第2の分岐回路の第2の交流信号の電流値の二乗との和と、第3の分岐回路の第3の交流信号の電流値の二乗との差が第3のプリセット範囲内にあるか否かを判断し、即ち第1の分岐回路の第1の交流信号の電流値の二乗と第2の分岐回路の第2の交流信号の電流値の二乗との和と、第3の分岐回路の第3の交流信号の電流値の二乗との差を計算し、この差が第3のプリセット範囲にあるか否かを判断することができ、この差が第3のプリセット範囲内にある場合、前記検出対象負荷のタイプが送電負荷であると確定し、この差が第3のプリセット範囲内にない場合、前記検出対象負荷のタイプが加熱負荷であると確定する。ここで、前記第3のプリセット範囲は、実際のニーズに応じて設定されてもよく、本実施例ではこれを具体的に限定しない。
【0068】
例えば、第3のプリセット範囲が(-0.5,0.5)に設定される場合、第1の分岐回路の第1の交流信号の電流値の二乗と第2の分岐回路の第2の交流信号の電流値の二乗との和と、第3の分岐回路の第3の交流信号の電流値の二乗との差が(-0.5,0.5)にある場合、例えば、当該差が0.3である場合、検出対象負荷が送電負荷であると確定し、第1の分岐回路の第1の交流信号の電流値の二乗と第2の分岐回路の第2の交流信号の電流値の二乗との和と、第3の分岐回路の第3の交流信号の電流値の二乗との差が(-0.5,0.5)にない場合、例えば、当該差が0.7である場合、検出対象負荷が加熱負荷であると確定する。
【0069】
上述したように、本出願の実施例によって提供される検出回路、電気器具及び制御方法によれば、検出回路によって検出対象タイプを判断することにより、電気器具が異なる負荷のタイプに応じて対応する作動モードに自動的になることで、ユーザが間違ったボタンをオンにすることによる、電気器具が正常に作動できなくなり、さらには電気器具を損傷するリスクを回避することができる。
【0070】
本出願の実施例は、プロセッサと、前記プロセッサで実行できるコンピュータプログラムを記憶するように構成されるメモリと、を備え、前記プロセッサが、前記コンピュータプログラムを実行するとき、本出願の実施例に記載の方法のステップを実行するように構成される、検出装置をさらに提供する。例示的に、前記検出装置は、上記の実施例における検出素子104を含むことができる。
【0071】
メモリが揮発性メモリ又は不揮発性メモリであってもよいし、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの両方を含むことができることは理解可能である。ここで、不揮発性メモリは、読み取り専用メモリ(ROM:Read Only Memory)、プログラマブル読み取り専用メモリ(PROM:Programmable Read-Only Memory)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM:Erasable Programmable Read-Only Memory)、電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM:Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、磁気ランダムアクセスメモリ(FRAM(登録商標):ferromagnetic random access memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)、磁気表面メモリ、光ディスク、又は読み取り専用光ディスク(CD-ROM:Compact Disc Read-Only Memory)であってもよく、磁気表面メモリは、磁気ディスクメモリ又は磁気テープメモリであってもよい。揮発性メモリは、外部キャッシュメモリとして機能するランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)であってもよい。例示的なものであって限定的なものではないが、多くの形態のRAMを利用することができ、例えばスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM:Static Random Access Memory)、同期スタティックランダムアクセスメモリ(SSRAM:Synchronous Static Random Access Memory)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM:Synchronous Static Random Access Memory)、同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM:Synchronous Dynamic Random Access Memory)、ダブルデータレート同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(DDRSDRAM:Double Data Rate Synchronous Dynamic Random Access Memory)、強化型同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(ESDRAM:Enhanced Synchronous Dynamic Random Access Memory)、同期リンクダイナミックランダムアクセスメモリ(SLDRAM:SyncLink Dynamic Random Access Memory)、ダイレクトメモリバスランダムアクセスメモリ(DRRAM:Direct Rambus Random Access Memory)であってもよい。本出願の実施例に記載されるメモリは、これらと任意の他の適切なタイプのメモリを含むことを意図するがこれらに限定されない。
【0072】
上記の本出願の実施例で開示される方法は、プロセッサに適用されてもよく、プロセッサによって実現されもよい。プロセッサは、信号処理能力を有する集積回路チップである可能性がある。実現プロセスでは、上記方法の各ステップは、プロセッサ内のハードウェアの集積論理回路又はソフトウェアの形の命令によって完了されてもよい。上記プロセッサは、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)であってもよく、又は他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲート又はトランジスタ論理デバイス、ディスクリートハードウェア素子などであってもよい。プロセッサは、本出願の実施例で開示される各方法、ステップ及び論理ブロック図を実現又は実行することができる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサ又は従来公知の任意のプロセッサなどであってもよい。本出願の実施例と組み合わせて開示される方法のステップは、ハードウェア復号プロセッサによって実行されて完了され、又は復号プロセッサにおけるハードウェア及びソフトウェアモジュールの組み合わせによって実行されて完了されるように直接具現化されてもよい。ソフトウェアモジュールは、記憶媒体に位置してもよく、当該記憶媒体は、メモリに位置し、プロセッサは、メモリ内の情報を読み取り、そのハードウェアと組み合わせて上記方法のステップを完了する。
【0073】
例示的な実施例では、検出装置は、1つ又は複数の特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)、DSP、プログラマブルロジックデバイス(PLD:Programmable Logic Device)、コンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLD:Complex Programmable Logic Device)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field-Programmable Gate Array)、汎用プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラーユニット(MCU:Micro Controller Unit)、マイクロプロセッサ(Microprocessor)、又は他の電子素子によって実現されてもよく、上記方法を実行することに用いられる。
【0074】
本出願の実施例は、コンピュータプログラムが記憶されており、当該プログラムがプロセッサによって実行されるとき、本出願の実施例に記載の方法のステップを実現する、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。
【0075】
本出願によって提供されるいくつかの方法の実施例で開示される方法は、衝突しない場合に任意に組み合わせて新しい方法の実施例を得ることができる。
【0076】
本出願によって提供されるいくつかの製品の実施例で開示される特徴は、衝突しない場合に任意に組み合わせて新しい製品の実施例を得ることができる。
【0077】
本出願によって提供されるいくつかの方法又はデバイスの実施例で開示される特徴は、衝突しない場合に任意に組み合わせて新しい方法の実施例又はデバイスの実施例を得ることができる。
【0078】
当業者は、上記方法の実施例の全部又は一部のステップがプログラム指令に関連するハードウェアによって完了されてもよいことを理解でき、上記のプログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよく、当該プログラムが実行される場合、上記方法の実施例のステップが実行されるが、前記記憶媒体は、可搬型記憶デバイス、ROM、RAM、磁気ディスク又は光ディスク等のプログラムコードを記憶できる様々な媒体を含む。
【0079】
又は、本発明では上記の統合されたユニットは、ソフトウェア機能モジュールの形で実現され且つ独立した製品として販売又は使用されると、1つのコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。このような理解に基づき、本発明の実施例における技術的手段は、本質的に又は従来技術に寄与する部分がソフトウェア製品の形で具現化されてもよく、当該コンピュータソフトウェア製品は、1つの記憶媒体に記憶され、コンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバー、又はネットワークデバイス等であってもよい)に本発明の各実施例に記載の方法の全部又は一部を実行させるためのいくつかの命令を含む。前記記憶媒体は、移動記憶デバイス、ROM、RAM、磁気ディスク又は光ディスク等のプログラムコードを記憶できる様々な媒体を含む。
【0080】
上記は、本出願の具体的な実施形態だけであり、本出願の保護範囲は、これに制限されず、当業者が本出願で開示された技術範囲内で容易に想到し得る変更又は置き換えは、全て本出願の保護範囲内に含まれるべきである。従って、本出願の保護範囲は前記技術的手段の保護範囲に準拠するべきである。
【符号の説明】
【0081】
10 検出回路
101 第1の容量性素子
102 第2の容量性素子
103 検出対象負荷
104 検出素子
105 誘導性素子
20 電気器具
30 制御素子
図1
図2
図3
図4
図5
図6