(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-28
(45)【発行日】2023-09-05
(54)【発明の名称】運転室および作業車両
(51)【国際特許分類】
B60N 2/75 20180101AFI20230829BHJP
E02F 9/16 20060101ALI20230829BHJP
B60N 2/38 20060101ALI20230829BHJP
A47C 7/54 20060101ALI20230829BHJP
【FI】
B60N2/75
E02F9/16 B
B60N2/38
A47C7/54 Z
(21)【出願番号】P 2019037958
(22)【出願日】2019-03-01
【審査請求日】2022-02-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮本 英明
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 誠
(72)【発明者】
【氏名】田中 宏章
(72)【発明者】
【氏名】岩橋 紀拓
【審査官】望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-252100(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0355111(US,A1)
【文献】特開平11-296246(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/75
E02F 9/16
B60N 2/38
A47C 7/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面上に設けられる運転席と、
前記運転席の側方に設けられ、少なくとも前記運転席に近づく方向に動作する操作部と、
上面を有し、前記運転席の側方、かつ、前記操作部の後方に設けられるアームレストとを備え、
前記上面の前方部の幅は、前記上面の後方部の幅よりも大きく、
前記上面の前方部は、傾斜部を有し、
前記床面を基準とする前記傾斜部の高さは、前記運転席に向かうに従って低くな
り、
前記上面は、オペレータが前記操作部を操作するときの肘掛け面をなしている、運転室。
【請求項2】
前記上面の前方部は、前記上面の後方部よりも、前記運転席に近づく方向に張り出している、アームレストを備えた請求項1に記載の運転室。
【請求項3】
前記操作部は、少なくとも、第1ポジションと、前記第1ポジションから前記運転席に近づく方向にシフトした第2ポジションとの間で傾倒可能な操作レバーであり、
前記床面を基準とする前記第2ポジションの高さは、前記床面を基準とする前記第1ポジションの高さよりも低く、
前後方向に見た場合に、前記第1ポジションおよび前記第2ポジションの間における前記操作レバーの動作領域が、前記傾斜部と重なっている、請求項1または2に記載の運転室。
【請求項4】
前記操作レバーは、前記第1ポジションと、前記第1ポジションから前記運転席から遠ざかる方向にシフトした第3ポジションとの間でさらに傾倒可能であり、
前記床面を基準とする前記第3ポジションの高さは、前記床面を基準とする前記第1ポジションの高さよりも高く、
前記上面の前方部は、左右方向において、前記傾斜部を挟んで前記運転席の反対側に設けられ、前記傾斜部に接続される水平部をさらに有する、アームレストを備えた請求項3に記載の運転室。
【請求項5】
前後方向に直交する平面により切断された前記アームレストの断面において、前記傾斜部は、前記水平部を延長した水平線と角度α(0°<α<90°)をなし、
前記角度αは、前記第1ポジションおよび前記第2ポジションの間における前記操作レバーの傾倒角度と等しい、請求項4に記載の運転室。
【請求項6】
前記操作レバーが前記第1ポジションおよび前記第2ポジションの間で動作する間に、前後方向に見た時の前記操作レバーの先端部が円弧状の軌跡を描いて移動し、
前後方向に直交する平面により切断された前記アームレストの断面において、前記傾斜部は、前記円弧状の軌跡と同一形状を有する、請求項3に記載の運転室。
【請求項7】
前記傾斜部の幅は、前後方向において前記上面の前方端に向かうと大きくなる、アームレストを備えた請求項1から6のいずれか1項に記載の運転室。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の運転室と、
前記操作部により制御される作業機とを備える、作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、運転室および作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、特開2007-153016号公報(特許文献1)には、オペレータシートと、オペレータシートの右側方に配置された右側コンソールボックスと、右側コンソールボックスに設けられたアームレストおよび作業機レバーとを備えるホイールローダが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の特許文献1に開示されるホイールローダにおいて、オペレータは、オペレータシートに着座し、アームレストに腕(肘から手首にかけての前腕)を置きながら作業機レバーを操作する。しかしながら、オペレータの腕の位置および傾きは、作業機レバーの操作に伴って様々に変化する。このため、作業機レバーを操作する時のオペレータの腕の動きがアームレストによって阻害され、オペレータが作業機レバーを円滑に操作することができない場合がある。
【0005】
そこで本開示の目的は、操作部が円滑に操作される運転室および作業車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従った運転室は、運転席と、操作部と、アームレストとを備える。運転席は、床面上に設けられる。操作部は、運転席の側方に設けられる。操作部は、少なくとも運転席に近づく方向に動作する。アームレストは、上面を有する。アームレストは、運転席の側方、かつ、操作部の後方に設けられる。上面の前方部の幅は、上面の後方部の幅よりも大きい。上面の前方部は、傾斜部を有する。床面を基準とする傾斜部の高さは、運転席に向かうに従って低くなる。
【0007】
本開示に従った作業車両は、上記の運転室と、操作部により制御される作業機とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示に従えば、操作部が円滑に操作される運転室および作業車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の実施の形態における油圧ショベルを示す斜視図である。
【
図2】
図1中の運転室内の運転席周りの構造を示す斜視図である。
【
図3】
図1中の運転室内の運転席周りの構造を示す別の斜視図である。
【
図4】
図1中の運転室内の運転席周りの構造を示す上面図である。
【
図5】
図1中の運転室内の運転席周りの構造を示す左側面図である。
【
図6】
図4中の操作レバーの前後方向における動作を示す上面図である。
【
図7】
図4中の操作レバーの左右方向における動作を示す上面図である。
【
図8】左右の操作レバーの動作を模式的に示す図である。
【
図11】
図9中の矢印XIに示す方向に見たアームレストを示す上面図である。
【
図12】
図9中の矢印XIIに示す方向に見たアームレストを示す左側面図である。
【
図13】
図9中の矢印XIIIに示す方向に見たアームレストを示す右側面図である。
【
図14】
図9中の矢印XIVに示す方向に見たアームレストを示す前面図である。
【
図15】
図9中の矢印XVに示す方向に見たアームレストを示す後面図である。
【
図16】前後方向に動作する操作レバーと、アームレストとを示す左側面図である。
【
図17】前後方向に操作レバーを動作させるオペレータの腕の動きを模式的に示した左側面図である。
【
図18】中立ポジションに位置決めされた操作レバーと、アームレストとを示す左側面図である。
【
図19】上面の最頂部の形状の変形例を示す前面図である。
【
図20】
図1中の運転室内の運転席周りの構造を示す別の左側面図である。
【
図21】
図1中の運転室内の運転席周りの構造を示すさらに別の左側面図である。
【
図22】互いに異なる体格を有するオペレータの着座状態を示す前面図である。
【
図23】
図10中の2点鎖線XXIIIで囲まれた範囲のアームレストを示す斜視図である。
【
図24】
図23中のXXIV-XXIV線上の矢視方向に見たアームレストを示す断面図である。
【
図25】左右方向に動作する操作レバーと、アームレストとを示す前面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
【0011】
[油圧ショベルの全体構造の説明]
図1は、本開示の実施の形態における油圧ショベルを示す斜視図である。まず、本実施の形態における油圧ショベルの全体構造について説明する。
【0012】
図1に示されるように、油圧ショベル100は、車両本体11と、作業機12とを有する。車両本体11は、旋回体13と、走行装置15とを有する。
【0013】
走行装置15は、一対の履帯15Crと、走行モータ15Mとを有する。油圧ショベル100は、履帯15Crの回転により走行可能である。走行モータ15Mは、走行装置15の駆動源として設けられている。なお、走行装置15が車輪(タイヤ)を有してもよい。
【0014】
旋回体13は、走行装置15上に設けられている。旋回体13は、旋回中心26を中心として、走行装置15に対して旋回可能である。旋回中心26は、上下方向に延びる軸である。旋回体13は、運転室(キャブ)14を有する。運転室14は、オペレータが搭乗する室内空間を形成している。運転室14内には、運転席31が設けられている。運転席31は、運転室14の床面30上に設けられている。オペレータは、運転席31に着座して、油圧ショベル100を操作する。
【0015】
なお、本開示は、運転席が外部空間に設けられるタイプの作業車両の運転室にも適用可能である。
【0016】
旋回体13は、エンジンフード19と、旋回体13の後部に設けられるカウンタウェイトとを有する。エンジンフード19には、エンジン、作動油タンク、エアクリーナおよび油圧ポンプなどが収容されている。
【0017】
作業機12は、車両本体11に取り付けられている。作業機12は、旋回体13に取り付けられている。作業機12は、地面の掘削などの作業を行なう。作業機12は、ブーム16と、アーム17と、バケット18とを有する。
【0018】
ブーム16は、ブームピン23を介して、車両本体11(旋回体13)に回動可能に連結されている。アーム17は、アームピン24を介して、ブーム16に回動可能に連結されている。バケット18は、バケットピン25を介して、アーム17に回動可能に連結されている。
【0019】
作業機12は、ブームシリンダ20Aおよびブームシリンダ20Bと、アームシリンダ21と、バケットシリンダ22とをさらに有する。
【0020】
ブームシリンダ20A、ブームシリンダ20B、アームシリンダ21およびバケットシリンダ22は、作動油によって駆動される油圧シリンダである。ブームシリンダ20Aおよびブームシリンダ20Bは、ブーム16の両側に一対に設けられており、ブーム16を回動動作させる。アームシリンダ21は、アーム17を回動動作させる。バケットシリンダ22は、バケット18を回動動作させる。
【0021】
なお、以下の説明において、前後方向とは、運転席31に着座したオペレータの前後方向である。運転席31に着座したオペレータの正面方向が、前方であり、運転席31に着座したオペレータの背後方向が、後方である。左右方向(側方)とは、運転席31に着座したオペレータの左右方向である。運転席31に着座したオペレータが正面を向いたときの右側が、右方であり、運転席31に着座したオペレータが正面を向いたときの左側が、左方である。上下方向とは、前後方向および左右方向を含む平面に直交する方向である。地面のある側が、下方であり、空のある側が、上方である。
【0022】
図2および
図3は、
図1中の運転室内の運転席周りの構造を示す斜視図である。
図4は、
図1中の運転室内の運転席周りの構造を示す上面図である。
図5は、
図1中の運転室内の運転席周りの構造を示す左側面図である。
【0023】
図2から
図5に示されるように、運転席31は、シートクッション33と、シートバック32と、ヘッドレスト35と、サスペンション機構部36とを有する。
【0024】
シートクッション33は、オペレータが腰をおろすシート部位である。シートバック32は、シートクッション33の後方端から上方に立ち上がるように設けられている。シートバック32は、オペレータの背凭れとなるシート部位である。ヘッドレスト35は、シートバック32の上方端に取り付けられている。ヘッドレスト35は、オペレータの頭を支えるシート部位である。
【0025】
サスペンション機構部36は、上下方向において、シートクッション33および床面30の間に設けられている。サスペンション機構部36は、シートクッション33を弾性的に支持している。
【0026】
運転室14は、コンソール37(37R,37L)と、操作レバー41(41R,41L)とを有する。コンソール37は、運転席31の側方に設けられている。コンソール37Rは、運転席31の右側方に設けられている。コンソール37Lは、運転席31の左側方に設けられている。
【0027】
コンソール37Rおよびコンソール37Lは、運転席31を挟んで右左対称に設けられている。
【0028】
コンソール37は、筐体形状を有する。コンソール37は、上面視において、前後方向が長手方向となり、左右方向が短手方向となる長尺形状を有する。コンソール37は、上下方向において、シートクッション33を跨がる範囲に設けられている。コンソール37は、前後方向において、シートクッション33およびシートバック32と重なる範囲に設けられている。シートクッション33上の空間は、コンソール37R、シートバック32およびコンソール37Lによって、それぞれ、右側方、後方および左側方の三方を囲まれ、前方において開放されている。
【0029】
操作レバー41は、運転席31の側方に設けられている。操作レバー41Rは、運転席31の右側方に設けられている。操作レバー41Lは、運転席31の左側方に設けられている。
【0030】
操作レバー41Rおよび操作レバー41Lは、運転席31を挟んで右左対称に設けられている。
【0031】
操作レバー41は、コンソール37に取り付けられている。操作レバー41は、コンソール37から上方に向けて突出している。上面視において、操作レバー41は、コンソール37の後方端よりも、コンソール37の前方端寄りに設けられている。操作レバー41は、シートバック32よりも前方に設けられている。操作レバー41は、シートクッション33よりも上方に設けられている。
【0032】
操作レバー41は、グリップ部42を有する。グリップ部42は、オペレータが把持可能なように構成されている。グリップ部42は、中心軸110を中心に軸状に延びている。グリップ部42は、中心軸110を中心とする円柱形状を有する。グリップ部42は、中心軸110が上下方向に沿って延びるように立設されている。操作レバー41は、グリップ部42の下方端側を中心にして傾倒可能である。
【0033】
なお、グリップ部42は、上記の円柱形状に限られず、たとえば、中心軸110が水平方向に延びる横向きの姿勢で設けられてもよいし、弓形に湾曲した形状を有してもよい。
【0034】
図6は、
図4中の操作レバーの前後方向における動作を示す上面図である。
図7は、
図4中の操作レバーの左右方向における動作を示す上面図である。
図8は、左右の操作レバーの動作を模式的に示す図である。
【0035】
図6および
図8に示されるように、操作レバー41は、少なくとも前後方向に動作する。操作レバー41は、オペレータに操作されることによって、作業機12の動作を制御する。
【0036】
操作レバー41は、中立ポジション(41A:操作レバー41Aにより示される位置)と、中立ポジション(41A)から前方にシフトした前側ポジション(41B:操作レバー41Bにより示される位置)との間で傾倒可能である。操作レバー41は、中立ポジション(41A)と、中立ポジション(41A)から後方にシフトした後側ポジション(41C:操作レバー41Cにより示される位置)との間で傾倒可能である。
【0037】
操作レバー41は、前側ポジション(41B)および後側ポジション(41C)に位置決めされた時に作業機12を作動させる。操作レバー41は、たとえば、ばね部材(不図示)からの弾性力を受けて、前側ポジション(41B)および後側ポジション(41C)から中立ポジション(41A)に自動的に復帰する。操作レバー41は、中立ポジション(41A)に位置決めされた時に作業機12を停止させる。
【0038】
一例として、左の操作レバー41Lが前側ポジション(41B)に位置決めされると、アーム17のダンプ動作が実行され、左の操作レバー41Lが後側ポジション(41C)に位置決めされると、アーム17の掘削動作が実行される。右の操作レバー41Rが前側ポジション(41B)に位置決めされると、ブーム16の下げ動作が実行され、右の操作レバー41Rが後側ポジション(41C)に位置決めされると、ブーム16の上げ動作が実行される。
【0039】
図7および
図8に示されるように、操作レバー41は、少なくとも運転席31に近づく方向に動作する。操作レバー41は、左右方向に動作する。操作レバー41は、オペレータに操作されることによって、作業機12の動作を制御する。
【0040】
操作レバー41は、中立ポジション(41A:操作レバー41Aにより示される位置)と、中立ポジション(41A)から、左右方向に沿って運転席31に近づく方向(以下において、「左右方向に沿った内方」ともいう)にシフトした内側ポジション(41D:操作レバー41Dにより示される位置)との間で傾倒可能である。操作レバー41は、中立ポジション(41A)と、中立ポジション(41A)から、左右方向において運転席31から遠ざかる方向(以下において、「左右方向に沿った外方」ともいう)にシフトした外側ポジション(41E:操作レバー41Eにより示される位置)との間で傾倒可能である。
【0041】
操作レバー41は、内側ポジション(41D)および外側ポジション(41E)に位置決めされた時に作業機12を作動させる。操作レバー41は、たとえば、ばね部材(不図示)からの弾性力を受けて、内側ポジション(41D)および外側ポジション(41E)から中立ポジション(41A)に自動的に復帰する。操作レバー41は、中立ポジション(41A)に位置決めされた時に作業機12を停止させる。
【0042】
一例として、左の操作レバー41Lが内側ポジション(41D)に位置決めされると、作業機12の右旋回が実行され、左の操作レバー41Lが外側ポジション(41E)に位置決めされると、作業機12の左旋回が実行される。右の操作レバー41Rが内側ポジション(41D)に位置決めされると、バケット18の掘削動作が実行され、右の操作レバー41Rが外側ポジション(41E)に位置決めされると、バケット18のダンプ動作が実行される。
【0043】
なお、操作レバー41は、中立ポジション(41A)を中心とする周方向において互いに隣り合う2つのポジション間の中間位置にも傾倒可能である。たとえば、左の操作レバー41Lは、前側ポジション(41B)と外側ポジション(41E)との間の中間位置にも傾倒可能であり、この場合、アーム17のダンプ動作と、作業機12の左旋回とが同時に実行される。
【0044】
図2から
図5に示されるように、運転室14は、アームレスト51(51R,51L)をさらに有する。
【0045】
アームレスト51は、運転席31の側方に設けられている。アームレスト51Rは、運転席31の右側方に設けられている。アームレスト51Lは、運転席31の左側方に設けられている。アームレスト51は、操作レバー41の後方に設けられている。アームレスト51Rは、操作レバー41Rの後方に設けられている。アームレスト51Lは、操作レバー41Lの後方に設けられている。
【0046】
アームレスト51Rおよびアームレスト51Lは、運転席31を挟んで右左対称に設けられている。
【0047】
アームレスト51は、アームレスト支持部53を介して、コンソール37に取り付けられている。アームレスト51は、コンソール37の上方に設けられている。上面視において、アームレスト51は、コンソール37の前方端よりも、コンソール37の後方端寄りに設けられている。アームレスト51は、シートクッション33よりも上方に設けられている。操作レバー41およびアームレスト51は、コンソール37の上方において、前後方向に並んで設けられている。アームレスト51は、操作レバー41から後方に離れた位置に設けられている。
【0048】
アームレスト51は、オペレータの肘掛けとして用いられる。代表的な形態として、アームレスト51は、アームレスト51の骨格をなす金属製のプレート材と、弾性を有し、プレート材を覆うクッション材(ウレタンフォーム等)と、クッション材の表面を包むカバー体とから構成されている。
【0049】
[アームレストの説明]
(アームレストの全体形状について)
続いて、アームレスト51のより具体的な形状について説明する。
図9および
図10は、アームレストを示す斜視図である。
図11は、
図9中の矢印XIに示す方向に見たアームレストを示す上面図である。
図12は、
図9中の矢印XIIに示す方向に見たアームレストを示す左側面図である。
図13は、
図9中の矢印XIIIに示す方向に見たアームレストを示す右側面図である。
図14は、
図9中の矢印XIVに示す方向に見たアームレストを示す前面図である。
図15は、
図9中の矢印XVに示す方向に見たアームレストを示す後面図である。
【0050】
なお、左側のアームレスト51Lと、右側のアームレスト51Rとは、左右対称の形状を有する。
図9から
図15中には、左側のアームレスト51Lが示されており、以下では、代表的に左側のアームレスト51Lを参照して、アームレスト51の形状を説明する。
【0051】
図9から
図15に示されるように、アームレスト51は、上面52を有する。上面52は、上方を向いている。上面52は、オペレータの肘が置かれる肘掛け面をなしている。上面52は、全体として、前後方向が長手方向となり、左右方向が短手方向となる長尺形状を有する。
【0052】
上面52は、前方端71と、後方端72と、内側方端74と、外側方端75とを有する。
【0053】
前方端71は、上面52の前方端に位置している。後方端72は、上面52の後方端に位置している。内側方端74は、左右方向において運転席31に近い側の上面52の側方端に位置している。外側方端75は、左右方向において運転席31から遠い側の上面52の側方端に位置している。上面52は、前方端71、後方端72、内側方端74および外側方端75に囲まれた範囲に設けられている。
【0054】
アームレスト51は、前面61と、後面62と、内側面55と、外側面59とをさらに有する。
【0055】
前面61は、前方を向いている。前面61は、左右方向に面状に延在している。前面61は、前後方向において、操作レバー41と対向している。後面62は、後方を向いている。後面62は、左右方向に面状に延在している。
【0056】
内側面55は、左右方向において運転席31の側を向いている。内側面55は、前後方向に面状に延在している。内側面55の前方端および後方端は、それぞれ、前面61および後面62に接続されている。外側面59は、左右方向において運転席31の側とは反対側を向いている。外側面59は、前後方向に面状に延在している。外側面59の前方端および後方端は、それぞれ、前面61および後面62に接続されている。
【0057】
前面61、内側面55、後面62および外側面59の上方端は、上面52に接続されている。前面61の上方端は、面取り面63fを介して、上面52の前方端71に接続されている。内側面55の上方端は、面取り面63iを介して、上面52の内側方端74に接続されている。後面62の上方端は、面取り面63rを介して、上面52の後方端72に接続されている。外側面59の上方端は、面取り面63jを介して、上面52の外側方端75に接続されている。
【0058】
面取り面63f、面取り面63i、面取り面63rおよび面取り面63jは、湾曲面からなる。面取り面63f、面取り面63i、面取り面63rおよび面取り面63jは、平面から構成されてもよい。前面61、内側面55、後面62および外側面59と、上面52との角部には、上記のような面取りが設けられなくてもよい。
【0059】
(上面の前傾部および後傾部について)
図16は、前後方向に動作する操作レバーと、アームレストとを示す左側面図である。
【0060】
図16に示されるように、上面52は、前傾部66と、後傾部67とをさらに有する。後傾部67は、前傾部66よりも後方に設けられている。前傾部66は、前後方向において、操作レバー41および後傾部67の間に位置している。
【0061】
床面30を基準とする前傾部66の高さHaは、前後方向において上面52の前方端71に向かうと低くなる。床面30を基準とする後傾部67の高さHbは、前後方向において上面52の後方端72に向かうと低くなる。
【0062】
上面52は、最頂部73をさらに有する。床面30を基準とする最頂部73の高さHmaxは、前後方向における位置によって変化する上面52の高さのうちで最も高くなる。上面視において、最頂部73は、左右方向に線状に延びている。上面視において、最頂部73は、左右方向に直線状に延びている。
【0063】
前傾部66は、上面52の前方端71から後方に向けて所定長さに渡って設けられている。後傾部67は、上面52の後方端72から前方に向けて所定長さに渡って設けられている。前傾部66は、前後方向において、上面52の前方端71から最頂部73までの間に渡って設けられている。後傾部67は、前後方向において、最頂部73から上面52の後方端72までの間に渡って設けられている。
【0064】
なお、最頂部73は、上面視において、左右方向に直線状に延びる構成に限られず、前後方向において所定長さに渡って設けられる水平面から構成されてもよい。この場合、前傾部66および後傾部67は、最頂部73を介して、前後方向において互いに離間して設けられる。
【0065】
床面30を基準とする前傾部66の最小高さは、床面30を基準とする後傾部67の最小高さよりも低い。
【0066】
床面30を基準とする前傾部66の最小高さは、床面30を基準とする前方端71の高さHfに対応している。床面30を基準とする前傾部66の最大高さは、床面30を基準とする最頂部73の高さHmaxに対応している。床面30を基準とする後傾部67の最小高さは、床面30を基準とする後方端72の高さHrに対応している。床面30を基準とする後傾部67の最大高さは、床面30を基準とする最頂部73の高さHmaxに対応している。
【0067】
前後方向における前傾部66の長さ(前後方向における前方端71および最頂部73の間の長さ)L1は、前後方向における後傾部67の長さ(前後方向における最頂部73および後方端72の間の長さ)L2よりも大きい(L1>L2)。最頂部73は、前後方向において、前方端71よりも後方端72寄りに位置している。
【0068】
前後方向における前傾部66の長さL1は、前後方向におけるアームレスト51の全長Lの半分以上の長さである。前後方向における後傾部67の長さL2は、前後方向におけるアームレスト51の全長Lの半分よりも小さい長さである。
【0069】
前後方向における前傾部66の長さL1と、前後方向における後傾部67の長さL2との和(L1+L2)は、前後方向におけるアームレスト51の全長Lの80%以上であってもよいし、90%以上であってもよい。
【0070】
なお、床面30を基準とする前傾部66の最小高さは、床面30を基準とする後傾部67の最小高さと同じか、床面30を基準とする後傾部67の最小高さ以上であってもよい。前後方向における前傾部66の長さL1は、前後方向における後傾部67の長さL2以下であってよい(L1≦L2)。最頂部73は、前後方向において、前方端71および後方端72の中間に位置するか、後方端72よりも前方端71寄りに位置してもよい。
【0071】
前傾部66は、湾曲しながら前後方向に延在する湾曲面から構成されている。左右方向に見た場合に、前傾部66は、前方端71および最頂部73の間において円弧状に延びている。
【0072】
後傾部67は、湾曲しながら前後方向に延在する湾曲面から構成されている。左右方向に見た場合に、後傾部67は、最頂部73および後方端72の間において円弧状に延びている。
【0073】
前傾部66を構成する湾曲面は、曲率1/Raを有する。後傾部67を構成する湾曲面は、曲率1/Raと同じ大きさの曲率1/Rbを有する(1/Ra=1/Rb)。前傾部66および後傾部67を構成する湾曲面は、前方端71から後方端72に渡って一定の曲率を有する。
【0074】
なお、曲率1/Raは、曲率1/Rbと異なる大きさであってもよい。この場合に、曲率1/Raは、曲率1/Rbよりも大きくてもよいし(1/Ra>1/Rb)、曲率1/Rbよりも小さくてもよい(1/Ra<1/Rb)。前傾部66は、互いに異なる曲率を有し、前後方向に並ぶ複数の湾曲面から構成されてもよい。後傾部67は、互いに異なる曲率を有し、前後方向に並ぶ複数の湾曲面から構成されてもよい。
【0075】
前傾部66および後傾部67の少なくとも一方が、平面から構成されてもよい。前傾部66は、少なくとも1つの湾曲面と、少なくとも1つの平面とを含んで構成されてもよい。後傾部67は、少なくとも1つの湾曲面と、少なくとも1つの平面とを含んで構成されてもよい。
【0076】
床面30を基準とする前側ポジション(41B)の高さは、床面30を基準とする中立ポジション(41A)の高さよりも低い。床面30を基準とする中立ポジション(41A)の高さは、床面30を基準とする後側ポジション(41C)の高さよりも低い。
【0077】
操作レバー41は、回転中心Gを中心にして傾倒可能に設けられている。グリップ部42は、先端部43Wを有する。先端部43Wは、操作レバー41を左右方向に見た場合におけるグリップ部42の先端部分である。操作レバー41を左右方向に見た場合に、先端部43Wは、操作レバー41の回転中心Gの側とは反対側に位置するグリップ部42の端部である。操作レバー41を左右方向に見た場合に、先端部43Wおよび回転中心Gは、中心軸110の軸上に位置している。
【0078】
操作レバー41が、前側ポジション(41B)、中立ポジション(41A)および後側ポジション(41C)の間で傾倒する間に、左右方向に見た時のグリップ部42の先端部43Wが、円弧状の軌跡120を描いて移動する。この場合に、前傾部66を構成する湾曲面の曲率1/Raは、円弧状の軌跡120の曲率1/rよりも小さく(1/Ra<1/r)、後傾部67を構成する湾曲面の曲率1/Rbは、円弧状の軌跡120の曲率1/rよりも小さい(1/Rb<1/r)。
【0079】
なお、前傾部66を構成する湾曲面の曲率1/Raは、円弧状の軌跡120の曲率1/r以上であってもよいし(1/Ra≧1/r)、後傾部67を構成する湾曲面の曲率1/Rbは、円弧状の軌跡120の曲率1/r以上であってもよい(1/Rb≧1/r)。
【0080】
図17は、前後方向に操作レバーを動作させるオペレータの腕の動きを模式的に示した左側面図である。
【0081】
図5、
図16および
図17に示されるように、オペレータは、一般的な運転姿勢において、自らの前腕をアームレスト51の上面52に置きながら、掌でグリップ部42を把持して操作レバー41を操作する。
【0082】
オペレータの腕(上腕)は、肩関節Cから前方、かつ、斜め下方向に延び、肘D(Da,Db,Dc)で折れ曲がっている。オペレータの腕(前腕)は、肘D(Da,Db,Dc)から前方、かつ、斜め下方向に、肩関節Cおよび肘D(Da,Db,Dc)の間の傾きよりも水平に近い傾きで延びている。オペレータの腕(前腕)が肘D(Da,Db,Dc)から斜め下方向に延びる先において、オペレータの掌E(Ea,Eb,Ec)が、操作レバー41のグリップ部42を把持している。
【0083】
図17中では、操作レバー41が中立ポジション(41A)に位置決めされている時のオペレータの腕が、折れ線310Aにより示され、操作レバー41が前側ポジション(41B)に位置決めされている時のオペレータの腕が、折れ線310Bにより示され、操作レバー41が後側ポジション(41C)に位置決めされている時のオペレータの腕が、折れ線310Cにより示されている。
【0084】
オペレータは、操作レバー41を、中立ポジション(41A)と、前側ポジション(41B)および後側ポジション(41C)との間で前後方向に傾倒させる際、肩関節Cの位置を一定に維持したまま、グリップ部42を把持する掌Eの位置を前後方向に移動させる。
【0085】
この場合に、オペレータの肘Dの位置が、肩関節Cを中心に円弧状に移動するとともに、アームレスト51の上面52上において、オペレータの腕(前腕)の位置および傾きが変化する。運転室14においては、アームレスト51の上面52を、操作レバー41を前後方向に動作させる時のオペレータの腕(前腕)の動きを考慮した形状にすることによって、オペレータによる操作レバー41の操作を円滑にしている。
【0086】
より具体的には、オペレータが操作レバー41を中立ポジション(41A)から前側ポジション(41B)に向けて前方に傾倒させると、肘Dの位置が、前方、かつ、斜め上方向に円弧状に移動し、オペレータの前腕が、前方に向けて移動しつつ、斜め下方向に傾く。
【0087】
運転室14においては、アームレスト51の上面52が、前傾部66を有する。床面30を基準とする前傾部66の高さHaは、前後方向において上面52の前方端71に向かうと低くなる。このような構成により、前傾部66は、操作レバー41を中立ポジション(41A)から前側ポジション(41B)に向けて前方に傾倒させる時のオペレータの前腕の動きに対応した形状を有するため、操作レバー41を操作するオペレータの前腕が上面52に干渉し難くなる。
【0088】
また、オペレータが操作レバー41を中立ポジション(41A)から後側ポジション(41C)に向けて後方に傾倒させると、肘Dの位置が、後方、かつ、斜め下方向に円弧状に移動する。
【0089】
運転室14においては、アームレスト51の上面52が、後傾部67を有する。床面30を基準とする後傾部67の高さHbは、前後方向において上面52の後方端72に向かうと低くなる。このような構成により、後傾部67は、操作レバー41を中立ポジション(41A)から後側ポジション(41C)に向けて後方に傾倒させる時のオペレータの肘の動きに対応した形状を有するため、操作レバー41を操作するオペレータの前腕が上面52に干渉し難くなる。
【0090】
これらの理由から、オペレータは、操作レバー41を、中立ポジション(41A)と、前側ポジション(41B)および後側ポジション(41C)との間において円滑に操作することができる。
【0091】
また、運転室14においては、前傾部66は、前後方向において、上面52の前方端71から最頂部73までの間に渡って設けられ、後傾部67は、前後方向において、最頂部73から上面52の後方端72までの間に渡って設けられている。このような構成によれば、上面52が、その前方端71と後方端72との間において、上方に向けて突出する凸形状をなすため、上面52の形状を、操作レバー41を中立ポジション(41A)と、前側ポジション(41B)および後側ポジション(41C)との間で前後方向に傾倒させる時のオペレータの腕の動きにより対応させることができる。結果、オペレータは、操作レバー41をさらに円滑に操作することができる。
【0092】
また、オペレータが、操作レバー41の操作時に、上面52に腕を置きながら、腕の傾きを変えたり、腕の位置を前後方向にずらしたりしようとすると、最頂部73と、オペレータの腕との間に過大な摩擦抵抗が生じたり、オペレータの腕が最頂部73に引っ掛かる等して、腕の動きが妨げられる可能性がある。運転室14においては、上面視において、最頂部73は、左右方向に直線状に延びている。これにより、オペレータの腕は、上面52上の最頂部73において左右方向に沿った直線状の範囲で支えられるため、オペレータは、容易に腕の傾きを変えたり、腕の位置を前後方向にずらしたりすることができる。
【0093】
また、前傾部66および後傾部67は、湾曲しながら前後方向に延在する湾曲面から構成されている。これにより、オペレータの腕は、上面52上の前傾部66および後傾部67においても左右方向に沿った直線状の範囲で支えられるため、オペレータは、さらに容易に腕の傾きを変えたり、腕の位置を前後方向にずらしたりすることができる。
【0094】
また、前傾部66および後傾部67を構成する湾曲面は、上面52の前方端71から上面52の後方端72までの間に渡って一定の曲率を有する。これにより、オペレータは、容易に腕の傾きを変えたり、腕の位置を前後方向にずらしたりする効果を、オペレータの腕が置かれる上面52の位置に依らず一様に得ることができる。
【0095】
図18は、中立ポジションに位置決めされた操作レバーと、アームレストとを示す左側面図である。
【0096】
図18に示されるように、グリップ部42は、根元部44Wをさらに有する。根元部44Wは、操作レバー41を左右方向に見た場合におけるグリップ部42の根元部分である。操作レバー41を左右方向に見た場合に、根元部44Wは、操作レバー41の回転中心Gの側に位置するグリップ部42の端部である。操作レバー41を左右方向に見た場合に、根元部44Wは、中心軸110の軸上に位置している。
【0097】
操作レバー41が中立ポジション(41A)に位置決めされている時の操作レバー41の根元部44Wから後方に向けて延び、前傾部66と接する仮想直線130が想定されている。仮想直線130は、円弧状に延びる前傾部66と接点Qにおいて接する接線に対応している。上面52の前方端71は、仮想直線130よりも下方に位置している。
【0098】
このような構成によれば、操作レバー41が中立ポジション(41A)に位置決めされている時、グリップ部42を把持するオペレータの上腕は、操作レバー41の根元部44Wから接点Qに向けた仮想直線130の上方に配置されるものと見なすことができる。この場合に、上面52の前方端71が仮想直線130よりも下方に位置するため、上面52に置かれたオペレータの腕が、上面52の前方端71から上方に離れた位置に配置され易くなる。これにより、操作レバー41が中立ポジション(41A)から前側ポジション(41B)または後側ポジション(41C)に向けて傾倒される時に、オペレータの腕が上面52の前方端71に引っ掛かり難くなる。
【0099】
図19は、上面の最頂部の形状の変形例を示す前面図である。
図19は、
図14に対応する図である。
【0100】
図19に示されるように、本変形例では、前面視において、最頂部73が、左右方向に向かうに従って、下方向に湾曲している。前面視において、最頂部73は、湾曲しながら左右方向に延びている。前面視において、最頂部73は、上方に向けて凸をなす円弧形状をなしている。上面52は、最頂部73と、最頂部73の前後の位置との間で滑らかに接続されている。
【0101】
このような構成によれば、オペレータは、上面52に置いた腕を左右方向に移動させ易くなる。このため、オペレータは、操作レバー41を、中立ポジション(41A)と、内側ポジション(41D)および外側ポジション(41E)との間においても円滑に操作することができる(
図7を参照のこと)。
【0102】
(上面の前方部について)
図4および
図7に示されるように、上面52は、前方部52Fと、後方部52Rとをさらに有する。前方部52Fは、前方端71から後方に向けて所定長さに渡って設けられている。後方部52Rは、後方端72から前方に向けて所定長さに渡って設けられている。
【0103】
上面52の前方部52Fの幅B1は、上面52の後方部52Rの幅よりも大きい(B1>B2)。なお、本明細書においては、左右方向における長さを幅という。
【0104】
上面52の前方部52Fは、上面52の後方部52Rよりも、左右方向において運転席31に近づく方向に張り出している。前後方向に延びる運転席31の中心線101から、上面52の前方部52Fにおける内側方端74までの左右方向における長さは、前後方向に延びる運転席31の中心線101から、上面52の後方部52Rにおける内側方端74までの左右方向における長さよりも小さい。
【0105】
オペレータは、操作レバー41を、中立ポジション(41A)と、内側ポジション(41D)および外側ポジション(41E)との間で左右方向に傾倒させる際、上面52上において肘の位置を一定に維持したまま、グリップ部42を把持する掌の位置を左右方向に移動させる。この場合、オペレータの前腕(手首)の位置が、上面52上で左右方向に振れる。
【0106】
運転室14においては、上面52の前方部52Fの幅B1が、上面52の後方部52Rの幅B2よりも大きい。このような構成により、操作レバー41の操作に伴ってオペレータの前腕が左右方向に振れることがあっても、上面52の前方部52Fにおいてオペレータの前腕(特に手首)を支え続けることができる。
【0107】
図20および
図21は、
図1中の運転室内の運転席周りの構造を示す左側面図である。
図5、
図20および
図21に示されるように、運転席31は、前後方向においてスライド可能に設けられている。運転席31は、コンソール37、操作レバー41およびアームレスト51とは独立して、前後方向においてスライド可能に設けられている。
【0108】
運転席31は、前後方向にスライドすることによって、
図20中に示される前端ポジション、
図5中に示される中間ポジション、および、
図21中に示される後端ポジションの間の任意の位置に位置決めされる。このような構成により、オペレータの体格に合わせて、前後方向における運転席31の位置を調整することができる。
【0109】
図20中には、小さい体格を有するオペレータの腕が示され、
図5中には、中位の体格を有するオペレータの腕が示され、
図21中には、大きい体格を有するオペレータの腕が示されている。
【0110】
一般的に体格が小さいほどオペレータの腕の長さが短くなるため、操作レバー41の操作時において、中位の体格を有するオペレータの肘がアームレスト51に置かれる位置250(
図5を参照)は、大きい体格を有するオペレータの肘がアームレスト51に置かれる位置260(
図21を参照)よりも前方にシフトする。また、小さい体格を有するオペレータの肘がアームレスト51に置かれる位置255(
図20を参照)は、中位の体格を有するオペレータの肘がアームレスト51に置かれる位置250(
図5を参照)よりも前方にシフトする。
【0111】
図22は、互いに異なる体格を有するオペレータの着座状態を示す前面図である。
図22中では、運転席31に、大きい体格を有するオペレータ230が着座した場合と、中位の体格を有するオペレータ220が着座した場合と、小さい体格を有するオペレータ210が着座した場合とが比較されている。
【0112】
図22に示されるように、一般的に体格が小さいほどオペレータの肩幅が狭くなるため、操作レバー41の操作時において、中位の体格を有するオペレータ220の肘がアームレスト51に置かれる位置225は、大きい体格を有するオペレータ230の肘がアームレスト51に置かれる位置235よりも、左右方向に沿った内方にシフトする。小さい体格を有するオペレータ210の肘がアームレスト51に置かれる位置215は、中位の体格を有するオペレータ220の肘がアームレスト51に置かれる位置225よりも、左右方向に沿った内方にシフトする。
【0113】
図4に示されるように、油圧ショベル100においては、上面52の前方部52Fは、上面52の後方部52Rよりも、左右方向において運転席31に近づく方向に張り出している。このような構成により、小さい体格を有するオペレータが運転席31に着座した場合には、上面52の前方部52Fにおいてオペレータの肘を支えることができ、大きい体格を有するオペレータが着座した場合には、上面52の後方部52Rにおいてオペレータの肘を支えることができる。これにより、オペレータは、自らの体格にかかわらず、アームレスト51に肘を置いたまま操作レバー41を円滑に操作することができる。
【0114】
また、上面52の前方部52Fは、上面52の後方部52Rよりも、左右方向において運転席31に近づく方向に張り出しているため、アームレスト51を、前方部52F側よりも後方部52R側が、左右方向において運転席31から遠ざかる方向に退避した形態にすることができる。これにより、特に大きい体格を有するオペレータが運転席31に着座した場合に、オペレータの腰と、アームレスト51との間に広いスペースが確保されるため、オペレータの腰がアームレスト51により圧迫されることを抑制できる。
【0115】
図23は、
図10中の2点鎖線XXIIIで囲まれた範囲のアームレストを示す斜視図である。
図24は、
図23中のXXIV-XXIV線上の矢視方向に見たアームレストを示す断面図である。
【0116】
図4、
図23および
図24に示されるように、上面52の前方部52Fは、傾斜部81を有する。床面30を基準とする傾斜部81の高さHsは、運転席31に向かうに従って低くなる。床面30を基準とする傾斜部81の高さHsは、左右方向において運転席31に向かうに従って低くなる。
【0117】
傾斜部81は、上面52の前方端71および内側方端74の隅部に設けられている。傾斜部81は、最頂部73(
図16を参照)よりも前方に設けられている。傾斜部81は、前傾部66(
図16を参照)の一部である。傾斜部81は、上面52の外側方端75から左右方向に沿った内方に離れた位置に設けられている。
【0118】
傾斜部81は、
図23中の点S1、点S2および点S3を結ぶ三辺に囲まれる範囲に対応している。点S1は、内側方端74上であって、前方端71から後方に離れて位置している。点S2は、前方端71上であって、左右方向において内側方端74および外側方端75の間に位置している。点S2は、左右方向において、内側方端74よりも外側方端75寄りに位置してもよいし、内側方端74および外側方端75の中間に位置してもよいし、外側方端75よりも内側方端74寄りに位置してもよい。点S3は、内側方端74および前方端71の交点に位置している。点S1および点S3間の長さは、点S3および点S2間の長さよりも大きい。点S1および点S3間の長さは、点S3および点S2間の長さ以下であってもよい。
【0119】
傾斜部81の幅Fは、前後方向において上面52の前方端71に向かうと大きくなる。
床面30を基準とする傾斜部81の高さHsは、点S1および点S2を結ぶ辺から、左右方向において運転席31に向かうと低くなる。床面30を基準とする傾斜部81の高さHsは、点S1および点S2を結ぶ辺から前方に向かうと低くなる。床面30を基準とする傾斜部81の高さHsは、点S1で最も高くなり、点S3で最も低くなる。
【0120】
上面52の前方部52Fは、水平部82をさらに有する。水平部82および傾斜部81は、左右方向に並んで設けられている。水平部82は、左右方向において、傾斜部81を挟んで運転席31の反対側に設けられている。水平部82は、傾斜部81(点S1および点S2を結ぶ辺)に接続されている。
【0121】
図24に示される、前後方向に直交する平面により切断されたアームレスト51の断面において、水平部82は、左右方向において水平に延びている。水平部82は、左右方向において水平に延びる一端において、傾斜部81に接続されている。傾斜部81は、水平部82を延長した水平線と角度αをなしている。角度αは、0°<α<90°の範囲である。角度αは、5°≦α≦30°の範囲であってもよい。
【0122】
図25は、左右方向に動作する操作レバーと、アームレストとを示す前面図である。
図23から
図25に示されるように、床面30を基準とする内側ポジション(41D)の高さは、床面30を基準とする中立ポジション(41A)の高さよりも低い。床面30を基準とする中立ポジション(41A)の高さは、床面30を基準とする外側ポジション(41E)の高さよりも低い。
【0123】
前後方向に見た場合に、中立ポジション(41A)および内側ポジション(41D)の間における操作レバー41の動作領域(
図25中のハッチング領域360)が、傾斜部81と重なっている。中立ポジション(41A)に位置決めされた操作レバー41は、左右方向において水平部82と並んでいる。
【0124】
前後方向に見た場合に、上面52の前方端71は、前方端71が水平部82に連なる範囲において、外側ポジション(41E)に位置決めされた操作レバー41と重なっている。中立ポジション(41A)および内側ポジション(41D)に位置決めされた操作レバー41は、前方端71が傾斜部81に連なる範囲において、前方端71と重なっている。
【0125】
オペレータは、自らの掌(左手)により、左右方向において運転席31とは反対側からグリップ部42を把持して、操作レバー41を、中立ポジション(41A)と、内側ポジション(41D)および外側ポジション(41E)との間で左右方向に傾倒させる。この際、アームレスト51の上面52上において、オペレータの手首の位置が変化する。運転室14においては、アームレスト51の上面52を、操作レバー41を左右方向に動作させる時のオペレータの手首の動きを考慮した形状にすることによって、オペレータによる操作レバー41の操作を円滑にしている。
【0126】
より具体的には、オペレータが、操作レバー41を中立ポジション(41A)から内側ポジション(41D)に向けて左右方向における内方に傾倒させると、オペレータの手首は、左右方向に沿った内方、かつ、斜め下方向に移動する。
【0127】
運転室14においては、上面52の前方部52Fが、傾斜部81を有する。床面30を基準とする傾斜部81の高さHsは、左右方向において運転席31に向かうと低くなる。このような構成により、傾斜部81は、操作レバー41を中立ポジション(41A)から内側ポジション(41D)に向けて左右方向における内方に傾倒させる時のオペレータの手首の動きに対応した形状を有するため、操作レバー41を操作するオペレータの前腕が上面52に干渉し難くなる。これにより、オペレータは、操作レバー41を、中立ポジション(41A)および内側ポジション(41D)の間において円滑に操作することができる。
【0128】
また、前後方向に見た場合に、中立ポジション(41A)および内側ポジション(41D)の間における操作レバー41の動作領域は、傾斜部81と重なっている。このような構成により、操作レバー41を中立ポジション(41A)から内側ポジション(41D)に向けて傾倒させる時、オペレータの手首をより確実に傾斜部81上を通すことが可能となるため、操作レバー41を操作するオペレータの前腕が上面52とさらに干渉し難くなる。
【0129】
一方、オペレータが、操作レバー41を中立ポジション(41A)から外側ポジション(41E)に向けて左右方向における外方に傾倒させると、オペレータの手首は、左右方向に沿った外方、かつ、斜め上方向に移動する。
【0130】
運転室14においては、上面52の前方部52Fが、水平部82をさらに有する。水平部82は、左右方向において、傾斜部81を挟んで運転席31の反対側に設けられている。
【0131】
このような構成において、オペレータの手首が、左右方向に沿った外方、かつ、斜め上方向に移動する間、オペレータの手首を水平部82上を通すことによって、オペレータの手首が上面52と干渉することを防止できる。これにより、オペレータは、操作レバー41を、中立ポジション(41A)および外側ポジション(41E)の間において円滑に操作することができる。また、オペレータは、操作レバー41が中立ポジション(41A)に位置決めされている時、および、操作レバー41を中立ポジション(41A)と、前側ポジション(41B)および後側ポジション(41C)との間で傾倒させる時、自らの手首を水平部82に置くことができる。これにより、操作レバー41を操作するオペレータの疲労を効果的に低減させることができる。
【0132】
また、傾斜部81の幅Fは、前後方向において上面52の前方端71に向かうと大きくなる。このような構成によれば、オペレータが操作レバー41を中立ポジション(41A)と、内側ポジション(41D)および外側ポジション(41E)との間で左右方向に傾倒させる時、左右方向におけるオペレータの上腕の振れ幅は、手首に近いほど大きくなり、肘に近いほど小さくなるため、傾斜部81の幅Fをオペレータの上腕の動きと対応させることができる。これにより、オペレータの手首が上面52と干渉することをより確実に防止できる。
【0133】
図24および
図25に示されるように、中立ポジション(41A)および内側ポジション(41D)の間における操作レバー41の傾倒角度は、βである。傾斜部81が水平部82を延長した水平線となす角度αは、操作レバー41の傾倒角度βと等しい。
【0134】
操作レバー41(グリップ部42)は、先端部43Vを有する。先端部43Vは、操作レバー41を前後方向に見た場合における操作レバー41(グリップ部42)の先端部分である。操作レバー41を前後方向に見た場合に、先端部43Vは、操作レバー41の回転中心Gの側とは反対側に位置する操作レバー41(グリップ部42)の端部である。操作レバー41を前後方向に見た場合に、先端部43Vは、中心軸110の軸上に位置している。
【0135】
操作レバー41が中立ポジション(41A)および内側ポジション(41D)の間で傾倒する間に、前後方向に見た時の操作レバー41の先端部43Vが、円弧状の軌跡380を描いて移動する。この場合に、前後方向に直交する平面により切断されたアームレスト51の断面において、傾斜部81は、操作レバー41の先端部43Vが描く円弧状の軌跡380と同一形状を有してもよい。
【0136】
これらの場合、傾斜部81の形状を、操作レバー41が中立ポジション(41A)から内側ポジション(41D)に操作される時のオペレータの手首の動きにより対応させることができる。これにより、オペレータは、操作レバー41をさらに円滑に操作することができる。
【0137】
なお、傾斜部81が水平部82を延長した水平線となす角度αは、操作レバー41の傾倒角度βよりも小さくてもよいし、操作レバー41の傾倒角度βよりも大きくてもよい。
【0138】
[運転室および油圧ショベルの構成および効果のまとめ]
運転室14は、運転席31と、操作部としての操作レバー41と、アームレスト51とを備える。運転席31は、床面30上に設けられる。操作レバー41は、運転席31の側方に設けられる。操作レバー41は、少なくとも運転席31に近づく方向に動作する。アームレスト51は、上面52を有する。アームレスト51は、運転席31の側方、かつ、操作レバー41の後方に設けられる。上面52の前方部52Fの幅は、上面52の後方部52Rの幅よりも大きい。上面52の前方部52Fは、傾斜部81を有する。床面30を基準とする傾斜部81の高さは、運転席31に向かうに従って低くなる。
【0139】
このような構成によれば、上面52の前方部52Fの幅が、上面52の後方部52Rの幅よりも大きいため、操作レバー41の操作に伴って左右方向に沿った内方に振れるオペレータの腕を、上面52の前方部52Fにより支え続けることができる。また、上面52の前方部52Fに、操作レバー41を運転席31に近づく方向に動作させた時のオペレータの腕の動きに対応して傾斜部81を設けることによって、操作レバー41を操作するオペレータの腕が上面52と干渉し難くなる。これらの理由から、オペレータは、操作レバー41を円滑に操作することができる。
【0140】
また、上面52の前方部52Fは、上面52の後方部52Rよりも、運転席31に近づく方向に張り出している。
【0141】
このような構成によれば、体格が小さいオペレータは、上面52の前方部52Fに肘を置いて操作レバー41を操作し、体格が大きいオペレータは、上面52の後方部52Rに肘を置いて操作レバー41を操作することができる。このため、オペレータは、自らの体格にかかわらず、操作レバー41を円滑に操作することができる。
【0142】
また、操作レバー41は、少なくとも、第1ポジションとしての中立ポジション(41A)と、中立ポジション(41A)から運転席31に近づく方向にシフトした第2ポジションとしての内側ポジション(41D)との間で傾倒可能な操作レバーである。床面30を基準とする内側ポジション(41D)の高さは、床面30を基準とする中立ポジション(41A)の高さよりも低い。前後方向に見た場合に、中立ポジション(41A)および前側ポジション(41D)の間における操作レバー41の動作領域が、傾斜部81と重なっている。
【0143】
このような構成によれば、オペレータが操作レバー41を中立ポジション(41A)から内側ポジション(41D)に操作すると、オペレータの腕(手首)が、左右方向に沿った内方、かつ、斜め下方向に移動する。このとき、オペレータの腕(手首)を傾斜部81上を通すことによって、オペレータの腕が上面52と干渉し難くなる。これにより、オペレータは、操作レバー41を、中立ポジション(41A)および内側ポジション(41D)の間において円滑に操作することができる。
【0144】
また、操作レバー41は、中立ポジション(41A)と、中立ポジション(41A)から運転席31から遠ざかる方向にシフトした第3ポジションとしての外側ポジション(41E)との間でさらに傾倒可能である。床面30を基準とする外側ポジション(41E)の高さは、床面30を基準とする中立ポジション(41A)の高さよりも高い。上面52の前方部52Fは、水平部82をさらに有する。水平部82は、左右方向において、傾斜部81を挟んで運転席31の反対側に設けられる。水平部82は、傾斜部81に接続される。
【0145】
このような構成によれば、オペレータが操作レバー41を中立ポジション(41A)から外側ポジション(41E)に操作すると、オペレータの腕(手首)は、左右方向に沿った外方、かつ、斜め上方向に移動する。この間、オペレータの腕(手首)を水平部82上を通すことによって、オペレータの腕が上面52と干渉することを防止できる。これにより、オペレータは、操作レバー41を、中立ポジション(41A)および外側ポジション(41E)の間において円滑に操作することができる。
【0146】
また、前後方向に直交する平面により切断されたアームレスト51の断面において、傾斜部81は、水平部82を延長した水平線と角度α(0°<α<90°)をなす。角度αは、中立ポジション(41A)および内側ポジション(41D)の間における操作レバー41の傾倒角度βと等しい。
【0147】
また、操作レバー41が中立ポジション(41A)および内側ポジション(41D)の間で動作する間に、前後方向に見た時の操作レバー41の先端部43Vが円弧状の軌跡380を描いて移動する。前後方向に直交する平面により切断されたアームレスト51の断面において、傾斜部81は、操作レバー41の先端部43Vが描く円弧状の軌跡380と同一形状を有してもよい。
【0148】
このような構成によれば、傾斜部81の形状を、操作レバー41が中立ポジション(41A)から内側ポジション(41D)に操作される時のオペレータの腕の動きにより対応させることができる。これにより、操作レバー41を操作するオペレータの腕が上面52とさらに干渉し難くなるため、オペレータは、操作レバー41を、中立ポジション(41A)および内側ポジション(41D)の間において円滑に操作することができる。
【0149】
また、傾斜部81の幅Fは、前後方向において上面52の前方端71に向かうと大きくなる。
【0150】
このような構成によれば、オペレータが操作レバー41を左右方向に沿った内方に動作させる時、左右方向におけるオペレータの腕の振れ幅は、手首に近いほど大きくなり、肘に近いほど小さくなるため、傾斜部81の幅をオペレータの上腕の動きと対応させることができる。これにより、オペレータの腕が上面52とさらに干渉し難くなるため、オペレータは、操作レバー41を円滑に操作することができる。
【0151】
作業車両としての油圧ショベル100は、運転室14と、作業機12とを備える。作業機12は、操作レバー41により制御される。
【0152】
このような構成によれば、オペレータは、作業機12を制御する際に操作レバー41を円滑に操作することができる。
【0153】
なお、本開示は、油圧ショベルの運転室に限られず、オペレータの肘掛け用のアームレストを備えた各種の作業車両の運転室に適用される。
【0154】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0155】
11 車両本体、12 作業機、13 旋回体、14 運転室、15 走行装置、15Cr 履帯、15M 走行モータ、16 ブーム、17 アーム、18 バケット、19 エンジンフード、20A,20B ブームシリンダ、21 アームシリンダ、22 バケットシリンダ、23 ブームピン、24 アームピン、25 バケットピン、26 旋回中心、30 床面、31 運転席、32 シートバック、33 シートクッション、35 ヘッドレスト、36 サスペンション機構部、37,37L,37R コンソール、41,41L,41R 操作レバー、42 グリップ部、43V,43W 先端部、44W 根元部、51,51L,51R アームレスト、52 上面、52F 前方部、52R 後方部、53 アームレスト支持部、55 内側面、59 外側面、61 前面、62 後面、63f,63i,63j,63r 面取り面、66 前傾部、67 後傾部、71 前方端、72 後方端、73 最頂部、74 内側方端、75 外側方端、81 傾斜部、82 水平部、100 油圧ショベル、101 中心線、110 中心軸、120,380 軌跡、130 仮想直線、210,220,230 オペレータ、215,225,235,250,255,260 位置、310A,310B,310C 折れ線、360 ハッチング領域。