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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-28
(45)【発行日】2023-09-05
(54)【発明の名称】視標呈示装置及びその視標表示制御方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 3/032 20060101AFI20230829BHJP
【FI】
A61B3/032
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019047312
(22)【出願日】2019-03-14
(65)【公開番号】P2020146284
(43)【公開日】2020-09-17
【審査請求日】2022-02-09
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000220343
【氏名又は名称】株式会社トプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
(72)【発明者】
【氏名】柳 英一
【審査官】田辺 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-097194(JP,A)
【文献】特開2016-022128(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B3/00-3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
視標を被検眼に呈示する視標呈示装置において、
前記視標を表示する表示面を有するディスプレイと、
同一サイズの前記視標を、前記視標のサイズごとに予め定められた前記表示面内での最大表示数の範囲内で前記表示面に表示させる表示制御部と、
を備え、
前記表示制御部が、前記被検眼に対する同一サイズの前記視標の予め定められた呈示数が前記最大表示数よりも大きくなる場合に、同一サイズの全ての前記視標を重複しないように複数の視標ページに分けて前記視標ページごとに前記表示面に表示させ、
前記最大表示数が複数であり、前記視標ページのページ数が前記呈示数よりも小さい視標呈示装置。
【請求項2】
前記視標のサイズごとに、前記視標ページのページ数と、前記視標ページごとの前記視標の数及び種類と、を示すページ情報を予め記憶した記憶部を備え、
前記表示制御部が、同一サイズの全ての前記視標を、前記視標のサイズに対応した前記記憶部内の前記ページ情報に基づき、前記視標ページごとに前記表示面に表示させる請求項1に記載の視標呈示装置。
【請求項3】
前記視標のサイズを選択する選択操作と、前記表示面に表示されている前記視標ページの切り替えを行うページ切替操作と、を受け付ける操作部を備え、
前記表示制御部が、前記操作部により前記選択操作が受け付けられた場合には、前記選択操作に対応したサイズの前記視標を前記表示面に表示させ、且つ前記操作部により前記ページ切替操作が受け付けられた場合には、前記表示面に表示される前記視標ページを切り替える請求項1又は2に記載の視標呈示装置。
【請求項4】
前記操作部が、前記ページ切替操作として、前記表示面に表示されている前記視標ページ内の前記視標と同一サイズの前記視標を再選択する再選択操作を受け付ける請求項3に記載の視標呈示装置。
【請求項5】
前記表示制御部が、前記操作部により前記再選択操作が受け付けられるごとに、前記表示面に表示される前記視標ページの切り替えを予め定められた順番で行い、且つ最後の前記視標ページが前記表示面に表示されている状態で前記操作部により前記再選択操作が受け付けられた場合には最初の前記視標ページを前記表示面に表示させる請求項4に記載の視標呈示装置。
【請求項6】
前記操作部が、前記表示面に表示中の前記視標ページを示す視標情報を表示する視標情報表示部を備える請求項3から5のいずれか1項に記載の視標呈示装置。
【請求項7】
前記視標情報表示部が、前記表示面に表示中の前記視標ページが切替可能であることを示す通知情報を表示する請求項6に記載の視標呈示装置。
【請求項8】
前記視標情報表示部がタッチパネルであり、
前記操作部が、前記視標情報表示部に対してタッチ操作で入力された前記ページ切替操作を受け付ける請求項6又は7に記載の視標呈示装置。
【請求項9】
前記表示制御部が、最終ページ以外の前記視標ページに前記最大表示数分の前記視標を含める請求項1から8のいずれか1項に記載の視標呈示装置。
【請求項10】
ディスプレイの表示面に表示された視標を被検眼に呈示する視標呈示装置の視標表示制御方法において、
同一サイズの前記視標を、前記視標のサイズごとに予め定められた前記表示面内での最大表示数の範囲内で前記表示面に表示させる表示制御ステップを有し、
前記表示制御ステップでは、前記被検眼に対する同一サイズの前記視標の予め定められた呈示数が前記最大表示数よりも大きくなる場合に、同一サイズの全ての前記視標を重複しないように複数の視標ページに分けて前記視標ページごとに前記表示面に表示させ、
前記最大表示数が複数であり、前記視標ページのページ数が前記呈示数よりも小さい視標呈示装置の視標表示制御方法。
【請求項11】
前記表示制御ステップでは、最終ページ以外の前記視標ページに前記最大表示数分の前記視標を含める請求項10に記載の視標呈示装置の視標表示制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、視標を被検眼に呈示する視標呈示装置及びその視標表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
眼科及び眼鏡店には、被検眼の視力等の視機能を自覚検査するために、被検眼に対して各種視標を呈示する視標呈示装置(自覚式検眼装置ともいう)が設置されている。例えば、被検眼の視力を検査する場合には、視標呈示装置により被検眼に対して視力検査用の視標を視力値ごとに呈示して、この視力値ごとの視標に対する被検者の応答に基づき被検眼の視力を検査する(特許文献1及び2参照)。
【0003】
このような視標呈示装置としては、予めガラス板に描画された視力値ごとの視標を被検眼に対して投影するタイプと、上記特許文献1及び2に記載されているようなLCD(liquid crystal display)等のディスプレイ(電子表示デバイスともいう)に表示された視標を被検眼に呈示するタイプと、が知られている。この後者のタイプの視標呈示装置では、視力値ごとの視標の中で、検者が選択した1又は複数種類の視力値に対応する視標のみをLCDに表示及び被検眼に呈示することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-165788号公報
【文献】特開2012-11223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えば視力検査用の視標としてランドルト環を用いた場合には、視力値ごとにランドルト環の切り欠きの方向が8方向のうちのいずれの方向であるかを被検者に応答させることが一般的である。このため、視力検査の精度を確保するためには、視力値ごとに、切り欠きの方向が互いに異なる5個以上のランドルト環を被検眼に呈示することが好ましい。
【0006】
しかしながら、ランドルト環のような視力検査用の視標は、視力値が低くなるに従って視標のサイズが大きくなる。また、ガラス板に複数の視標を描画する場合、或いはLCDの表示面内(一画面内)に複数の視標を表示する場合には、視標のサイズに応じて視標同士の間隔を一定量以上あける必要がある。このため、視力値ごとの視標が描画されたガラス板を用いる視標呈示装置では、ガラス板のスペースの関係上、ガラス板上において視力値の低い(サイズの大きい)視標の描画数を増やすことが困難である。また、ハード的な制限によって、視力値の低い視標を複数ページに分けて表示することはできない。
【0007】
一方、LCDに表示された視標を被検眼に呈示する視標呈示装置においても、LCDの表示面のサイズには制限があるので、LCDの表示面のサイズによっては表示面上での視力値の低い(サイズの大きい)視標の表示数を増加させることが困難である。このため、被検眼の視力等の視機能の高精度な自覚検査が困難であるという問題がある。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、視標のサイズに関係なく被検眼の視機能の高精度な自覚検査を行うことができる視標呈示装置及びその視標表示制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的を達成するための視標呈示装置は、視標を被検眼に呈示する視標呈示装置において、視標を表示する表示面を有するディスプレイと、同一サイズの視標を、視標のサイズごとに予め定められた表示面内での最大表示数の範囲内で表示面に表示させる表示制御部と、を備え、表示制御部が、被検眼に対する同一サイズの視標の予め定められた呈示数が最大表示数よりも大きくなる場合に、同一サイズの全ての視標を複数の視標ページに分けて視標ページごとに表示面に表示させ、視標ページのページ数が、呈示数以下である。
【0010】
この視標呈示装置によれば、視標のサイズに関係なく、予め定められた呈示数分の同一サイズの視標を被検眼に対して呈示することができる。
【0011】
本発明の他の態様に係る視標呈示装置において、視標のサイズごとに、視標ページのページ数と、視標ページごとの視標の数及び種類と、を示すページ情報を予め記憶した記憶部を備え、表示制御部が、同一サイズの全ての視標を、視標のサイズに対応した記憶部内のページ情報に基づき、視標ページごとに表示面に表示させる。これにより、同一サイズの視標の予め定められた呈示数が最大表示数よりも大きくなる場合に、同一サイズの全ての視標を複数の視標ページに分けて視標ページごとに表示面に表示させることができる。
【0012】
本発明の他の態様に係る視標呈示装置において、視標のサイズを選択する選択操作と、表示面に表示されている視標ページの切り替えを行うページ切替操作と、を受け付ける操作部を備え、表示制御部が、操作部により選択操作が受け付けられた場合には、選択操作に対応したサイズの視標を表示面に表示させ、且つ操作部によりページ切替操作が受け付けられた場合には、表示面に表示される視標ページを切り替える。
【0013】
本発明の他の態様に係る視標呈示装置において、操作部が、ページ切替操作として、表示面に表示されている視標ページ内の視標と同一サイズの視標を再選択する再選択操作を受け付ける。これにより、操作部に、選択操作を行うスペースとは別にページ切替操作を行うためのスペースを確保する必要がなくなるので、操作部の大型化及び各操作がし難くなることが防止される。
【0014】
本発明の他の態様に係る視標呈示装置において、表示制御部が、操作部により再選択操作が受け付けられるごとに、表示面に表示される視標ページの切り替えを予め定められた順番で行い、且つ最後の視標ページが表示面に表示されている状態で操作部により再選択操作が受け付けられた場合には最初の視標ページを表示面に表示させる。これにより、再選択操作を繰り返すことで、各視標ページを表示面にループ表示させることができる。
【0015】
本発明の他の態様に係る視標呈示装置において、操作部が、表示面に表示中の視標ページを示す視標情報を表示する視標情報表示部を備える。これにより、検者は、被検者の被検眼に呈示されている視標ページ(視標)を確認することができる。
【0016】
本発明の他の態様に係る視標呈示装置において、視標情報表示部が、表示面に表示中の視標ページが切替可能であることを示す通知情報を表示する。これにより、検者は、表示面に表示中の視標ページが切替可能であることを容易に認識することができる。
【0017】
本発明の他の態様に係る視標呈示装置において、視標情報表示部がタッチパネルであり、操作部が、視標情報表示部に対してタッチ操作で入力されたページ切替操作を受け付ける。これにより、操作部にページ切替操作を行うための新たなスペースを確保する必要がなくなるので、操作部の大型化が防止される。また、検者がページ切替操作を簡単に行うことができる。
【0018】
本発明の目的を達成するための視標呈示装置の視標表示制御方法は、ディスプレイの表示面に表示された視標を被検眼に呈示する視標呈示装置の視標表示制御方法において、同一サイズの視標を、視標のサイズごとに予め定められた表示面内での最大表示数の範囲内で表示面に表示させる表示制御ステップを有し、表示制御ステップでは、被検眼に対する同一サイズの視標の予め定められた呈示数が最大表示数よりも大きくなる場合に、同一サイズの全ての視標を複数の視標ページに分けて視標ページごとに表示面に表示させ、視標ページのページ数が、呈示数以下である。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、視標のサイズに関係なく被検眼の視機能の高精度な自覚検査を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】視標呈示装置を備える自覚検眼システムの外観斜視図である。
図2】コントローラの概略図である。
図3】操作画面の一例を示した説明図である。
図4】コントローラのブロック図である。
図5】視力値0.1に対応した各視標ページの一例を説明するための説明図である。
図6】視力値0.5に対応した各視標ページの一例を説明するための説明図である。
図7】視力値1.0に対応した視標ページの一例を説明するための説明図である。
図8】視標呈示装置による被検眼への視標の呈示、特に視標呈示用LCDによる視標ページの表示制御処理の流れを示すフローチャートである。
図9】リモートコントローラの正面図である。
図10】操作画面上でのページ切替操作の変形例を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[自覚検眼システムの構成]
図1は、本発明の視標呈示装置10を備える自覚検眼システム9の外観斜視図である。図1に示すように、自覚検眼システム9は、被検者H1の被検眼の視力等の視機能の自覚検査に用いられるものであり、視標呈示装置10と検眼テーブル12とレフラクターヘッド14とを備える。
【0022】
検眼テーブル12は、被検者H1と後述の視標呈示装置本体20との間に配置されている。この検眼テーブル12は、上下方向に昇降自在であり、被検者H1の体格に合わせて上下方向の高さ位置が調整される。これにより、被検者H1が検眼テーブル12の上面に肘をついて姿勢を安定させることができる。また、検眼テーブル12の上面には、後述のコントローラ22が配置されていると共にポール16が固定されている。
【0023】
ポール16の上部には横方向に延びるアーム18が設けられており、このアーム18の先端部にはレフラクターヘッド14が吊り下げ固定されている。
【0024】
レフラクターヘッド14は、被検眼の両眼に対応して左右一対に設けられている。各レフラクターヘッド14には、それぞれ検眼窓14aが形成されている。また、各レフラクターヘッド14には、図示は省略するが、屈折力が異なる複数のレンズを有する公知のレンズディスクが回転可能に収納されている。各レンズディスクは、後述のコントローラ22の制御の下、不図示の回転駆動部により回転されることで、複数のレンズのいずれかを左右の検眼窓14a内にそれぞれ選択的に配置する。
【0025】
視標呈示装置10は、視標呈示装置本体20及びコントローラ22を備える。
【0026】
視標呈示装置本体20は、検眼テーブル12を基準として被検者H1とは反対側に設置固定されている。なお、視標呈示装置10が検眼テーブル12上に配置されていてもよい。視標呈示装置本体20は、コントローラ22の制御の下、被検眼の視機能の各種の自覚検査(視力検査、レッドグリーンテスト、及びクロスシリンダテスト等)に用いられる視標24(視標チャートともいう)を被検眼に呈示する。この視標呈示装置本体20は、視標呈示用LCD26と、光学系28と、表示窓30(観察窓ともいう)と、を備える。
【0027】
視標呈示用LCD26は、本発明のディスプレイに相当するものであり、コントローラ22の制御の下、視標24を表示する表示面26a(図4参照)を備える。また、本発明のディスプレイとして、LCDの代わりに、例えば有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ等のように視標24を表示可能な各種のディスプレイを用いてもよい。さらに本発明のディスプレイには、視標24の光束を出射する光出射部(例えばプロジェクタ等)も含まれる。
【0028】
光学系28は、視標呈示用LCD26の表示面26a(図4参照)に表示された視標24(視標光束)の虚像を、被検眼から予め定められた検査距離(例えば5m)に光学的に結像させる。これにより、被検者H1(被検眼)から前述の検査距離未満に視標呈示装置本体20を設置することができる。なお、被検者H1から検査距離だけ離れた位置に視標呈示装置本体20を設置可能であれば、光学系28については省略してもよい。
【0029】
表示窓30は、視標呈示装置本体20の被検者H1側の前面の中で、座位の被検者H1の被検眼の高さと略一致する位置に設けられている。これにより、被検者H1(被検眼)は、レフラクターヘッド14及び表示窓30を通して、光学系28により結像された視標24の虚像を視認することができる。なお、既述のように光学系28が省略されている場合には、被検者H1は、レフラクターヘッド14を通して、視標呈示用LCD26の表示面26a(図4参照)に表示されている視標24を直接視認する。
【0030】
コントローラ22は、視標呈示装置本体20及びレフラクターヘッド14に対して有線接続又は無線接続されている。このコントローラ22は、本発明の操作部に相当するものであり、検者H2による各種操作入力を受けて、視標呈示装置本体20及びレフラクターヘッド14の各種動作を制御する。
【0031】
図2は、コントローラ22の概略図である。図2及び既述の図1に示すように、コントローラ22は、入力装置34及びモニタ36を備える。また、コントローラ22の筐体内には、詳しくは後述する制御回路50及び記憶部52(図4参照)が設けられている。
【0032】
入力装置34は、例えば操作盤34aとマウス34bとから構成されており、検者H2による各種操作入力に用いられる。検者H2が入力装置34に入力した各種操作は、コントローラ22により受け付けられる。
【0033】
モニタ36は、例えばタッチパネル式のLCDが用いられる。このモニタ36は、視標呈示装置本体20及びレフラクターヘッド14の操作画面38(図3参照)を表示する。また、モニタ36は、検者H2によるタッチ操作による操作入力が可能である。このため、検者H2がタッチ操作で操作画面38に入力した操作についてもコントローラ22により受け付けられる。
【0034】
図3は、操作画面38の一例を示した説明図である。図3に示すように、操作画面38は、主表示領域40と、参照表示領域42,44と、視標選択領域46と、視標表示領域48と、を含む。主表示領域40は、操作画面38の上部中央に配置され、参照表示領域42,44は主表示領域40の両脇に並べて1個ずつ配置されている。また、視標選択領域46及び視標表示領域48は、操作画面38の下部に並べて配置されている。
【0035】
主表示領域40は、各レフラクターヘッド14の検眼窓14aにセットされているレンズ(光学素子)の球面度数、乱視度数、及び軸角度等の眼屈折力に対応する光学特性データを表示する領域である。主表示領域40には、被検者H1の被検眼の両眼(右眼、左眼)に対応して、現在、検眼窓14aにセットされているレンズの光学特性データ(球面度数、乱視度数、及び軸角度)の値がそれぞれ表示されている。この主表示領域40の各欄の値は、例えば検者H2による入力装置34への入力操作によって変更される。
【0036】
参照表示領域42,44は、主表示領域40に表示されている光学特性データと対比可能な光学特性データを表示する領域であり、検者H2による自覚検査作業の便宜のために設けられている領域である。
【0037】
参照表示領域42には、被検者H1の右眼と左眼とに対応して、他覚検査装置(図示は省略)から取り込まれた被検者H1の被検眼の眼屈折力の測定データの各値が項目ごとに表示される。また、参照表示領域44には、被検者H1が装用している右眼及び左眼の眼鏡レンズ(図示は省略)の各々について、レンズメータ(図示は省略)により測定された眼鏡レンズの光学特性の測定データの各値が項目ごとに表示される。なお、参照表示領域42,44の表示は電子カルテなどのデータベースを参照して表示することも可能である。また、参照表示領域42,44の表示内容は、検者H2が入力装置34に対して表示切替操作を行うことで、他の内容(前回の自覚検査の結果等)に変更可能である(上記特許文献1参照)。
【0038】
視標選択領域46には、視標呈示用LCD26の表示面26a(図4参照)に表示可能、すなわち被検者H1の被検眼に呈示可能な複数種類の視標24の一覧がアイコン表示される。検者H2は、入力装置34を用いて視標選択領域46内のアイコン(視標24)を選択したり、或いは視標選択領域46内のアイコンをタッチ操作により選択したりする選択操作を実行することで、表示面26aに表示させる視標24、すなわち被検眼に呈示する視標24を選択することができる。
【0039】
視標表示領域48は、本発明の視標情報表示部に相当するものであり、視標呈示用LCD26の表示面26a(図4参照)に表示されている視標24、より具体的には後述の視標ページ24P(図5から図7参照)と同一のもの或いは視標24の種類が判読可能なアイコンを表示する。また、視標表示領域48は、詳しくは後述するが、視標24の種類によっては通知情報64の表示を行う。
【0040】
図4は、コントローラ22のブロック図である。図4に示すように、コントローラ22は、既述の入力装置34及びモニタ36の他に、制御回路50及び記憶部52を備える。
【0041】
制御回路50は、レフラクターヘッド14、視標呈示装置本体20、入力装置34、モニタ36、及び記憶部52に接続されている。この制御回路50は、検者H2による入力装置34及び操作画面38に対する操作入力に応じて、記憶部52内に記憶されている制御プログラム(図示は省略)を実行することで、視標呈示装置本体20及びレフラクターヘッド14の各々の動作を制御する。記憶部52には、前述の制御プログラムの他に、詳しくは後述するページ情報テーブル60が記憶されている。
【0042】
制御回路50は、各種のプロセッサ(Processor)及びメモリ等から構成された演算回路を備える。各種のプロセッサには、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、及びプログラマブル論理デバイス[例えばSPLD(Simple Programmable Logic Devices)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、及びFPGA(Field Programmable Gate Arrays)]等が含まれる。なお、制御回路50の各種機能は、1つのプロセッサにより実現されてもよいし、同種または異種の複数のプロセッサで実現されてもよい。
【0043】
制御回路50は、記憶部52内の不図示の制御プログラムを実行することで、ヘッド制御部56、表示制御部58、及びモニタ制御部59として機能する。
【0044】
ヘッド制御部56は、入力装置34を介してコントローラ22が検者H2による主表示領域40の各欄に対する入力操作を受け付けた場合に、各レフラクターヘッド14を駆動して、入力操作に対応した光学特性データを有するレンズを検眼窓14a内に配置する。
【0045】
表示制御部58は、視標呈示用LCD26を制御してその表示面26aに視標24を表示させる。以下、本実施形態では、説明の煩雑化を防止するため、各種の視標24の中で視力値検査用の視標24を表示面26aに表示する場合を例に挙げて説明を行う。
【0046】
視力値検査用の視標24として、本実施形態では公知のランドルト環を用いる。そして、本実施形態では、被検者H1の被検眼の精度の高い自覚検査を行うため、視力値ごとに、切り欠きの方向が互いに異なる複数個(5個以上が好ましい)の視標24(ランドルト環)を被検眼に対して呈示する。具体的には本実施形態では、視力値ごとに、上下左右斜めの8方向の視標24(ランドルト環)の中から予め選択された5個又は6個の視標24を被検眼に呈示する。すなわち、本実施形態では、視力値ごとに被検眼に呈示する視標24の呈示数を5個又は6個に定めている。なお、視力値ごとの視標24の呈示数は複数であれば特に限定はされないが、5個以上が好ましい(ISO 8596 Ophthalmic optics - Visual acuity testing- Standard and clinical optotypes and their presentation参照)。
【0047】
視標24は視力値ごとにサイズが異なるので、視力値の高い視標24ほどそのサイズが小さくなり、逆に視力値の低い視標24ほどそのサイズが大きくなる。また、既述のように表示面26aに複数の視標24を表示する場合には、視標24のサイズに応じて視標24同士の間隔を一定量以上あける必要がある。このため、視力値ごとの視標24のサイズと、表示面26aのサイズとに基づき、表示面26a内で表示可能な同一視力値(同一サイズ)の視標24の最大表示数が視力値ごとに定められている。従って、表示制御部58は、視力値ごと(視標24のサイズごと)に予め定められた視標24の最大表示数の範囲内の数の視標24を表示面26aに表示させる。
【0048】
この際に、視標24の呈示数を上述のように5個又は6個に定めた場合には、視力値の高い視標24については表示面26aに呈示数分の全ての視標24を同時に表示可能であるが、視力値の低い視標24については表示面26aに呈示数分の全ての視標24を同時に表示させることができない。
【0049】
そこで本実施形態では、被検眼に呈示する同一視力値の視標24の呈示数がこの視力値に対応する最大表示数よりも大きくなる場合には、この呈示数分の全ての視標24を複数の視標ページ24Pに分けて視標ページ24Pごとに順番に表示面26aに表示させる。なお、視標ページ24Pのページ数は、同一視力値(同一サイズ)の視標24の呈示数以下である。
【0050】
図5は、視力値0.1に対応した各視標ページ24Pの一例を説明するための説明図である。図5に示すように、本実施形態では、視力値0.1の視標24の呈示数は「6個」(6方向)であり且つ表示面26a内での視力値0.1の視標24の最大表示数は「2個」である。このため、表示制御部58は、視力値0.1の6個の視標24を3つの視標ページ24P(符号5A:1ページ目、符号5B:2ページ目、符号5C:3ページ目)に分けて、視標ページ24Pごとに表示面26aに順番に表示させる。
【0051】
図6は、視力値0.5に対応した各視標ページ24Pの一例を説明するための説明図である。図6に示すように、本実施形態では、視力値0.5の視標24の呈示数は「6個」(6方向)であり且つ表示面26a内での視力値0.5の視標24の最大表示数は「3個」である。このため、表示制御部58は、視力値0.5の6個の視標24を2つの視標ページ24P(符号6A:1ページ目、符号6B:2ページ目)に分けて、視標ページ24Pごとに表示面26aに順番に表示させる。
【0052】
図7は、視力値1.0に対応した視標ページ24Pの一例を説明するための説明図である。図7に示すように、本実施形態では、視力値1.0の視標24の呈示数は「5個」(5方向)であり且つ表示面26a内での視力値1.0の視標24の最大表示数は「5個」である。このため、表示制御部58は、視力値1.0の5個の視標24を1つの視標ページ24Pで表示面26aに表示させる。
【0053】
このように本実施形態では、視力値ごとに予め定められた視標24のサイズと、予め定められた表示面26aのサイズとに基づき、視力値ごとに視標24の最大表示数が予め定められている。従って、本実施形態では、視力値ごとに予め定められた視標24の呈示数及び最大表示数に基づき、視標ページ24Pのページ数と、視標ページ24Pごとの視標24の数及び種類(切り欠きの方向)とを示すページ情報60a(図4参照)が視力値ごとに予め定められている。
【0054】
この際に本実施形態では、最終ページの以外の視標ページ24Pには最大表示数分の視標24が含まれるように、ページ情報60aが視力値ごとに定められている。これにより、視力値ごとの視標ページ24Pのページ数を最小にすることができ、表示面26a上での視標ページ24Pの切替回数を最小に抑えることができる。なお、最終ページの以外の視標ページ24Pに含まれる視標24の数が最大表示数よりも小さくてもよい。また、視標ページ24Pごとの視標24の数が異なっていてもよい。
【0055】
図4に戻って、記憶部52には、視力値ごとのページ情報60aを含むページ情報テーブル60が予め記憶されている。
【0056】
表示制御部58は、入力装置34又は操作画面38(タッチパネル)を介してコントローラ22が検者H2による既述の選択操作及び後述のページ切替操作を受け付けた場合に、記憶部52内のページ情報テーブル60を参照して、表示面26aによる視標ページ24Pの表示を制御する。
【0057】
ページ切替操作とは、視標ページ24Pが複数ページである場合に、表示面26aに表示する視標ページ24Pを切り替えるための操作である。そして、本実施形態ではページ切替操作として再選択操作が行われる。この再選択操作とは、検者H2が入力装置34又は操作画面38を操作して、視標選択領域46の中から、表示面26aに表示中の視標ページ24P内の視標24と同一の視力値の視標24に対応するアイコンを再選択する操作である。これにより、視標選択領域46内の視標24のアイコン数を増加させることなく、視標選択領域46上でページ切替操作を実行することができる。
【0058】
表示制御部58は、コントローラ22が視標24(視力値)の選択操作を受け付けた場合に、この選択操作で選択された視力値に対応するページ情報テーブル60中のページ情報60aを参照して、1ページ目の視標ページ24Pを表示面26aに表示させる。
【0059】
また、表示制御部58は、視標ページ24Pが複数ページである場合には、コントローラ22が再選択操作(ページ切替操作)を受け付けると、先のページ情報60aを参照して、2ページ目の視標ページ24Pを表示面26aに表示させる。
【0060】
以下、表示制御部58は、コントローラ22が再選択操作を受け付けるごとに、表示面26aに表示される視標ページ24Pを予め定められた順番で切り替える。そして、表示制御部58は、表示面26aに最後の視標ページ24Pが表示されている状態において、コントローラ22が再選択操作を受け付けると、再び最初(1ページ目)の視標ページ24Pを表示面26aに表示させる。これにより、再選択操作を繰り返すことで、同一視力値(同一サイズ)の各視標ページ24Pを表示面26aに所謂ループ表示させることができる。
【0061】
モニタ制御部59は、モニタ36の表示制御を行う。図3に戻って、モニタ制御部59は、表示面26aに表示中の視標ページ24Pと同一の視標ページ24Pを示す画像(本発明の視標情報に相当)を視標表示領域48に表示させる。これにより、検者H2は、被検者H1の被検眼に呈示されている視標ページ24P(視標24)を確認することができる。
【0062】
また、モニタ制御部59は、選択操作で選択された視力値に対応するページ情報60aに基づき、表示面26aに表示中の視標ページ24Pが切替可能である(複数ページである)と判定した場合には、視標ページ24Pが切替可能であることを示す通知情報64を視標表示領域48に表示させる。
【0063】
通知情報64としては、例えば矢印等の任意のマーク及び記号等が用いられる。さらに通知情報64には、視標ページ24Pのページ数を示す数字も含まれる。これにより、検者H2は、表示面26aに表示中の視標ページ24Pが切替可能であることを容易に認識することができる。
【0064】
[視標呈示装置の作用]
図8は、上記構成の視標呈示装置10による被検眼への視標24の呈示、特に本発明の視標表示制御方法に相当する視標呈示用LCD26による視標ページ24Pの表示制御処理の流れを示すフローチャートである。
【0065】
図8に示すように、検者H2が視標選択領域46内のアイコン(視力値)を選択する選択操作を入力装置34又は操作画面38で行い、この選択操作がコントローラ22で受け付けられると、表示制御部58は、選択操作で選択された視力値に対応するページ情報テーブル60のページ情報60aを参照する(ステップS1,S2)。
【0066】
次いで、表示制御部58は、参照したページ情報60aに基づき、1ページ目の視標ページ24Pを表示面26aに表示させる(ステップS3)。これにより、光学系28によって、1ページ目の視標ページ24Pの虚像が被検眼から予め定められた検査距離に光学的に結像されるため、被検眼に対して1ページ目の視標ページ24P内の視標24が呈示される。そして、この視標ページ24P内の視標24に対する被検者H1の応答に基づき被検眼の視力の自覚検査が実行される。
【0067】
また、モニタ制御部59は、視標表示領域48の表示を、表示面26aに表示中の1ページ目の視標ページ24Pを示す画像に更新する(ステップS4)。これにより、検者H2は、被検眼に呈示されている視標ページ24Pを確認することができる。
【0068】
さらに、モニタ制御部59は、先のページ情報60aに基づき、表示面26aに表示中の視標ページ24Pが切替可能(複数ページ)であると判定した場合には、通知情報64を視標表示領域48に表示させる。これにより、検者H2は、視標ページ24Pが切替可能であることを容易に認識することができる。
【0069】
検者H2は、視標ページ24Pが複数ページである場合には、視標選択領域46の中から先の選択操作で選択された視力値(アイコン)と同一の視力値(アイコン)を選択する再選択操作(ページ切替操作)を、入力装置34又は操作画面38にて行う(ステップS5でYES)。このようにページ切替操作として再選択操作を実行可能にすることで、視標選択領域46内での視標24のアイコン数の増加が防止される。その結果、操作画面38の大型化、すなわちコントローラ22の大型化が防止されると共に、選択操作及びページ切替操作がし難くなることが防止される。
【0070】
再選択操作がコントローラ22で受け付けられると、表示制御部58は、先のページ情報60aに基づき、表示面26aの表示を2ページ目の視標ページ24Pの表示に切り替える(ステップS6)。これにより、被検眼に対して2ページ目の視標ページ24P内の視標24が呈示される。また、モニタ制御部59は、視標表示領域48の表示を2ページ目の視標ページ24Pに更新する(ステップS4)。そして、被検眼の視力の自覚検査が再び実行される。
【0071】
以下、コントローラ22で再選択操作が受け付けられるごとに、表示制御部58による表示面26a上での視標ページ24Pの表示切替と、モニタ制御部59による視標表示領域48の表示の更新と、が実行される(ステップS5でNO、ステップS6、ステップS4)。そして、視標ページ24Pの表示が切り替えられるごとに、被検眼の視力の自覚検査が繰り返し実行される。なお、ステップS3からステップS6は本発明の表示制御ステップに相当する。
【0072】
再選択操作の完了後(ステップS5でNO)、別の視力値の視標24を用いた被検眼の視力の自覚検査を行う場合には、上述の各ステップの処理が繰り返し実行される(ステップS7)。
【0073】
[本実施形態の効果]
以上のように本実施形態では、予め定められた呈示数分の全ての視標24を表示面26aに同時に表示させることができない場合に、この呈示数分の全ての視標24を複数の視標ページ24Pに分けて視標ページ24Pごとに順番に表示面26aに表示させることができる。その結果、視力値の低い(サイズの大きい)視標24であっても上述の呈示数分(例えば5個以上)だけ被検眼に呈示してこの被検眼の視力検査を行うことができる。これにより、視標24のサイズに関係なく被検眼の視力(視機能)の高精度な自覚検査を行うことができる。
【0074】
[操作部の他実施例]
図9は、本発明の操作部の他実施例に相当するリモートコントローラ70の正面図である。上記実施形態では、検者H2による選択操作及び再選択操作(ページ切替操作)をコントローラ22で受け付けているが、図9に示すように、選択操作及び再選択操作を専用のリモートコントローラ70で受け付けてもよい。
【0075】
リモートコントローラ70は、コントローラ22に無線接続している。なお、既述の制御回路50が視標呈示装置本体20の内部に設けられている場合には、リモートコントローラ70が視標呈示装置本体20に無線接続されていてもよい。リモートコントローラ70は、複数の操作ボタン71と、複数の視標選択ボタン72と、小型モニタ74と、を備える。
【0076】
操作ボタン71は、例えばカーソルボタン及び決定ボタン等から構成されており、視標呈示装置本体20等の各種操作に用いられる。
【0077】
各視標選択ボタン72は、被検者H1の被検眼に呈示可能な複数種類の視標24にそれぞれ対応して設けられている。これにより、検者H2は、所望の視標選択ボタン72を押下操作することで、視標呈示用LCD26の表示面26aに表示される視標24、すなわち被検眼に呈示する視標24を選択する選択操作を実行することができる。また、検者H2は、既述のページ切替操作として、表示面26aに表示中の視標ページ24P内の視標24と同一の視力値(同一サイズ)の視標24に対応する視標選択ボタン72を再押下操作する再選択操作を実行することができる。その結果、表示制御部58は、リモートコントローラ70で受け付けた選択操作及び再選択操作に基づき、上記実施形態と同様に表示面26a上での視標ページ24Pの表示及び表示切替を実行することができる。
【0078】
また、リモートコントローラ70が、ページ切替操作として上述の再選択操作を受け付けるようにしたので、視標選択ボタン72の数の増加、すなわちリモートコントローラ70の大型化が防止されると共に、選択操作及びページ切替操作がし難くなることが防止される。
【0079】
小型モニタ74は、本発明の視標情報表示部に相当するものであり、例えばLCDが用いられる。この小型モニタ74は、既述の選択操作及び再選択操作で選択された視力値に対応する視標ページ24P、すなわち表示面26aに表示中の視標ページ24Pを示す視標情報(例えば視力値の値等)を表示する。また、リモートコントローラ70がコントローラ22(制御回路50)との双方向通信に対応している場合には、既述のモニタ制御部59の制御の下、小型モニタ74に既述の通知情報64(図3参照)をあわせて表示させてもよい。
【0080】
[ページ切替操作の変形例]
図10は、操作画面38上でのページ切替操作の変形例を説明するための説明図である。上記実施形態では、コントローラ22がページ切替操作として再選択操作を受け付けているが、図10に示すように、検者H2が操作画面38内の視標表示領域48に対して行ったタッチ操作(例えば図中矢印Aで示すフリック操作又はスワイプ操作)を、ページ切替操作としてコントローラ22が受け付けてもよい。これにより、上記実施形態と同様に、視標選択領域46内の視標24のアイコン数を増加させることなく、ページ切替操作を実行することができる。
【0081】
[その他]
上記実施形態では視力検査用の視標24としてランドルト環を例に挙げて説明したが、ランドルト環以外の公知の視力検査用の視標24を用いてもよい。
【0082】
上記実施形態では、ページ切替操作として再選択操作を例に挙げて説明したが、例えば、操作盤34aにページ切替操作を入力するためのキー等を設けてもよい。
【0083】
上記実施形態では、コントローラ22内に制御回路50が設けられているが、例えば視標呈示装置本体20内に制御回路50が設けられていてもよい。
【0084】
上記実施形態では、被検眼に呈示される同一サイズの複数の視標24として視力検査用の視標24を例に挙げて説明したが、視力以外の被検眼の各種視機能の検査に用いられる複数且つ同一サイズの視標24を被検眼に呈示(表示面26aに表示)する場合にも本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0085】
9…自覚検眼システム,
10…視標呈示装置,
20…視標呈示装置本体,
22…コントローラ,
24…視標,
24P…視標ページ,
26…視標呈示用LCD,
26a…表示面,
28…光学系,
34…入力装置,
36…モニタ,
38…操作画面,
46…視標選択領域,
48…視標表示領域,
50…制御回路,
52…記憶部,
58…表示制御部,
59…モニタ制御部,
60…ページ情報テーブル,
60a…ページ情報,
64…通知情報,
70…リモートコントローラ,
72…視標選択ボタン,
74…小型モニタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10