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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-28
(45)【発行日】2023-09-05
(54)【発明の名称】船舶および船舶用撮像装置
(51)【国際特許分類】
   B63B 49/00 20060101AFI20230829BHJP
【FI】
B63B49/00 Z
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2019051057
(22)【出願日】2019-03-19
(65)【公開番号】P2020152180
(43)【公開日】2020-09-24
【審査請求日】2022-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】寺田 宏平
(72)【発明者】
【氏名】安間 寛文
(72)【発明者】
【氏名】木下 嘉理
(72)【発明者】
【氏名】福本 晋平
(72)【発明者】
【氏名】黒川 光章
【審査官】結城 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-241902(JP,A)
【文献】特開2017-68160(JP,A)
【文献】特開2010-41530(JP,A)
【文献】国際公開第2017/167902(WO,A1)
【文献】中国実用新案第204871490(CN,U)
【文献】特開2017-121832(JP,A)
【文献】特開2018-98092(JP,A)
【文献】特開2016-82586(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第1914992(EP,A1)
【文献】中国特許出願公開第106741648(CN,A)
【文献】島進,“海上監視装置”,海洋水産エンジニアリング,日本,社団法人海洋水産システム協会,2013年11月10日,第3巻第27号,p.105-109,ISSN 1346-9800
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 45/02-45/06,15/02,43/18,49/00,
H04N 5/222
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
航海灯が設けられた船体と、
前記航海灯の近傍に配置された撮像部と、
前記撮像部および前記航海灯に対する高さ位置を調整可能に構成され、前記航海灯から前記撮像部への光を遮るように、前記航海灯と前記撮像部との間に配置された遮光手段とを備え、
前記撮像部および前記遮光手段は、前記航海灯の上方または下方に配置され、
前記遮光手段は、水平方向に延びる平板形状を有し、上下方向において、前記撮像部の前記遮光手段側の端部と、前記航海灯の前記遮光手段側の端部との間に配置されている、船舶。
【請求項2】
前記撮像部は、前記遮光手段と上下方向において互いに重なる位置に配置されている、請求項1に記載の船舶。
【請求項3】
前記遮光手段は、平面視で、前記撮像部および前記航海灯と重なる位置に配置されている、請求項2に記載の船舶。
【請求項4】
前記航海灯が取り付けられる上下方向に延びる航海灯取付ポールをさらに備え、
前記航海灯取付ポールには、前記航海灯の上方または下方に前記撮像部および前記遮光手段が取り付けられている、請求項2または3に記載の船舶。
【請求項5】
前記航海灯取付ポールは、前記航海灯のうちのマスト灯が取り付けられ、前記船体の上部に配置されるマスト灯取付ポールであり、
前記遮光手段は、前記マスト灯の上方において、前記マスト灯取付ポールに取り付けられ、
前記撮像部は、前記マスト灯の上方において、前記マスト灯取付ポールに取り付けられている、請求項4に記載の船舶。
【請求項6】
前記撮像部は、前記遮光手段の上方において、前記撮像部で撮像した画像に前記遮光手段が含まれないように、前記マスト灯取付ポールに取り付けられている、請求項5に記載の船舶。
【請求項7】
前記撮像部は、前記船体の周りの略全周を撮像する単一の全周撮像部を含む、請求項4~6のいずれか1項に記載の船舶。
【請求項8】
前記遮光手段は、前記航海灯取付ポールを中心として水平方向に延びる円板形状を有している、請求項4~7のいずれか1項に記載の船舶。
【請求項9】
平面視において、前記遮光手段の直径は、前記航海灯の直径よりも大きい、請求項8に記載の船舶。
【請求項10】
前記遮光手段は、前記航海灯のうちの左舷灯および右舷灯の下方に取り付けられ、
前記撮像部は、前記遮光手段の下方に取り付けられている、請求項2または3に記載の船舶。
【請求項11】
前記撮像部は、前記船体の周りを撮像する複数の外周撮像部を含み、
前記複数の外周撮像部は、互いに同じ対象を撮像しておらず、
水平方向において、前記複数の外周撮像部の画角の合計は、略360度となっている、請求項2または3に記載の船舶。
【請求項12】
前記撮像部は、2つの前記外周撮像部を有し、
前記外周撮像部の画角は、水平方向において略180度であり、
2つの前記外周撮像部は、水平方向において互いに逆方向を撮像するように配置されている、請求項11に記載の船舶。
【請求項13】
2つの前記外周撮像部は、第1外周撮像部と、水平方向において前記第1外周撮像部とは逆方向を撮像する第2外周撮像部とを有し、
前記第1外周撮像部は、前記航海灯のうちの左舷灯の近傍において、左方向を撮像するように配置され、または、前記航海灯のうちの船首灯の近傍において、前方向を撮像するように配置され、
前記第2外周撮像部は、前記第1外周撮像部が前記左舷灯の近傍に配置される場合、前記航海灯のうちの右舷灯の近傍において、右方向を撮像するように配置され、前記第1外周撮像部が前記船首灯の近傍に配置される場合、前記航海灯のうちの船尾灯の近傍において、後方向を撮像するように配置されている、請求項12に記載の船舶。
【請求項14】
前記航海灯に電力を供給する電力供給配線部をさらに備え、
前記電力供給配線部は、前記撮像部にも電力を供給するように構成されている、請求項1~13のいずれか1項に記載の船舶。
【請求項15】
前記遮光手段と、前記航海灯とは、別体で設けられている、請求項1~14のいずれか1項に記載の船舶。
【請求項16】
前記遮光手段の上面は、水が溜まることがないように、前記上面の端部に向かって下方に傾斜する傾斜面により形成されている、請求項1~15のいずれか1項に記載の船舶。
【請求項17】
前記遮光手段は、前記撮像部よりも前記航海灯に近い位置に配置されている、請求項1~16のいずれか1項に記載の船舶。
【請求項18】
前記遮光手段は、前記航海灯に当接するとともに、前記撮像部から離間した状態で配置されている、請求項17に記載の船舶。
【請求項19】
前記撮像部は、前記航海灯のうちの船首灯の近傍よりも高い位置に配置されている、請求項1~18のいずれか1項に記載の船舶。
【請求項20】
前記遮光手段は、板状の遮光板である、請求項1~19のいずれか1項に記載の船舶。
【請求項21】
船体に設けられた航海灯の近傍に配置された撮像部と、
前記撮像部および前記航海灯に対する高さ位置を調整可能に構成され、前記航海灯から前記撮像部への光を遮るように、前記航海灯と前記撮像部との間に配置される遮光手段とを備え、
前記撮像部および前記遮光手段は、前記航海灯の上方または下方に配置され、
前記遮光手段は、水平方向に延びる平板形状を有し、上下方向において、前記撮像部の前記遮光手段側の端部と、前記航海灯の前記遮光手段側の端部との間に配置されている、船舶用撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、船舶および船舶用撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮像部を備える船舶が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、撮像部と、照明とを備える船舶が開示されている。撮像部と照明とは共にマストの上部に取り付けられている。すなわち、撮像部は、照明の近傍に配置されている。撮像部を照明の近傍に配置すると、照明に供給される電力の電力源から撮像部に対しても容易に電力を供給することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】中国実用新案第204871490号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の船舶では、撮像部を照明の近くに配置すると、撮像部の画像に照明の光が映り込んでしまい画像に悪影響が出てしまう。なお、上記特許文献1には明記されていないが、撮像部を航海灯の近傍に配置することも考えられる。しかしながら、この場合においても、撮像部を航海灯の近くに配置すると、撮像部の画像に航海灯の光が映り込んでしまい、画像に悪影響が出る可能性がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、撮像部の画像に航海灯の光が映り込むことを抑制することが可能な船舶および船舶用撮像装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、この発明の第1の局面による船舶は、航海灯が設けられた船体と、航海灯の近傍に配置された撮像部と、撮像部および航海灯に対する高さ位置を調整可能に構成され、航海灯から撮像部への光を遮るように、航海灯と撮像部との間に配置された遮光手段とを備え、撮像部および遮光手段は、航海灯の上方または下方に配置され、遮光手段は、水平方向に延びる平板形状を有し、上下方向において、撮像部の遮光手段側の端部と、航海灯の遮光手段側の端部との間に配置されている。
【0008】
この発明の第1の局面による船舶では、上記のように構成することによって、遮光手段により、航海灯から撮像部に向かう光を遮ることができるので、撮像部の画像に航海灯の光が映り込むことを抑制することができる。また、撮像部が航海灯の近傍に配置されるので、航海灯に電力を供給する配線により、撮像部にも電力を供給することができる。すなわち、配線を共通化することができるので、電力供給のための構成(配線の構成)を簡素化することができる。
【0009】
上記第1の局面による船舶において、好ましくは、撮像部は、遮光手段と上下方向において互いに重なる位置に配置されている。このように構成すれば、撮像部と遮光手段との水平方向における配置スペースを小さくすることができる。
【0010】
この場合、好ましくは、遮光手段は、平面視で、撮像部および航海灯と重なる位置に配置されている。このように構成すれば、撮像部と遮光手段と航海灯との水平方向における配置スペースを小さくすることができる。また、航海灯は略水平方向に光を出射することから、撮像部および航海灯を平面視で重なる位置に配置することにより、撮像部の画像に航海灯の光が映り込むことをより抑制することができる。
【0011】
上記撮像部が遮光手段と上下方向において互いに重なる位置に配置される構成において、好ましくは、航海灯が取り付けられる上下方向に延びる航海灯取付ポールをさらに備え、航海灯取付ポールには、航海灯の上方または下方に撮像部および遮光手段が取り付けられている。このように構成すれば、撮像部および航海灯を共通の航海灯取付ポールに取り付けることにより、撮像部を航海灯の近傍に容易に配置することができる。
【0012】
この場合、好ましくは、航海灯取付ポールは、航海灯のうちのマスト灯が取り付けられ、船体の上部に配置されるマスト灯取付ポールであり、遮光手段は、マスト灯の上方において、マスト灯取付ポールに取り付けられ、撮像部は、マスト灯の上方において、マスト灯取付ポールに取り付けられている。このように構成すれば、船舶の最も高い位置に配置されるマスト灯取付ポールに撮像部を取り付けることができるので、撮像部によって、より広い範囲を撮像することができる。
【0013】
上記撮像部がマスト灯の上方においてマスト灯取付ポールに取り付けられる構成において、好ましくは、撮像部は、遮光手段の上方において、撮像部で撮像した画像に遮光手段が含まれないように、マスト灯取付ポールに取り付けられている。このように構成すれば、撮像対象である船舶の周囲の画像を、遮光手段に邪魔されることなく、より広範囲で確実に撮像することができる。
【0014】
上記航海灯取付ポールを備える構成において、好ましくは、撮像部は、船体の周りの略全周を撮像する単一の全周撮像部を含む。このように構成すれば、複数の撮像部により船体の周りの略全周を撮像する場合と比較して、装置構成を簡素化することができる。
【0015】
上記航海灯取付ポールを備える構成において、好ましくは、遮光手段は、航海灯取付ポールを中心として水平方向に延びる円板形状を有している。このように構成すれば、航海灯から遮光手段の外周端部までの距離を均一にすることができるので、遮光手段により水平方向のいずれの方向でも均一に光を遮ることができる。
【0016】
この場合、好ましくは、平面視において、遮光手段の直径は、航海灯の直径よりも大きい。このように構成すれば、上下方向において遮光手段と航海灯とを確実にオーバーラップさせることができるので、遮光手段によって、一層確実に光を遮ることができる。
【0017】
上記撮像部が遮光手段と上下方向において互いに重なる位置に配置される構成において、好ましくは、遮光手段は、航海灯のうちの左舷灯および右舷灯の下方に取り付けられ、撮像部は、遮光手段の下方に取り付けられている。このように構成すれば、遮光手段に邪魔されることなく、撮像部の死角となりやすい左右方向の画像を確実に取得することができる。
【0018】
上記撮像部が遮光手段と上下方向において互いに重なる位置に配置される構成において、好ましくは、撮像部は、船体の周りを撮像する複数の外周撮像部を含み、複数の外周撮像部は、互いに同じ対象を撮像しておらず、水平方向において、複数の外周撮像部の画角の合計は、略360度となっている。ここで、通常、複数の撮像部により船舶の周囲を撮像して合成画像を作成する場合、複数の撮像部の撮像画像の重なりを合わせるため、キャリブレーションを行う必要がある。そこで、上記のように構成すれば、複数の外周撮像部が互いに重なり合うことなく、船舶の周囲の略360度を撮像することができるので、キャリブレーションを行うことなく、船舶の略全周の合成画像を容易に取得することができる。
【0019】
上記第1の局面による船舶において、好ましくは、撮像部は、2つの外周撮像部を有し、外周撮像部の画角は、水平方向において略180度であり、2つの外周撮像部は、水平方向において互いに逆方向を撮像するように配置されている。このように構成すれば、一方の撮像部の死角を他方の撮像部によって確実にカバーすることができる。
【0020】
上記第1の局面による船舶において、好ましくは、2つの外周撮像部は、第1外周撮像部と、水平方向において第1外周撮像部とは逆方向を撮像する第2外周撮像部とを有し、第1外周撮像部は、航海灯のうちの左舷灯の近傍において、左方向を撮像するように配置され、または、航海灯のうちの船首灯の近傍において、前方向を撮像するように配置され、第2外周撮像部は、第1外周撮像部が左舷灯の近傍に配置される場合、航海灯のうちの右舷灯の近傍において、右方向を撮像するように配置され、第1外周撮像部が船首灯の近傍に配置される場合、航海灯のうちの船尾灯の近傍において、後方向を撮像するように配置されている。このように構成すれば、第1外周撮像部が左舷灯の近傍に配置され、第2外周撮像部が右舷灯の近傍に配置される場合、船舶の左右方向に死角ができるのを抑制することができる。第1外周撮像部が船首灯の近傍に配置され、第2外周撮像部が船尾灯の近傍に配置される場合、船舶の前後方向に死角ができるのを抑制することができる。
【0021】
上記第1の局面による船舶において、好ましくは、航海灯に電力を供給する電力供給配線部をさらに備え、電力供給配線部は、撮像部にも電力を供給するように構成されている。このように構成すれば、電力供給配線部により、航海灯だけでなく撮像部にも電力を供給することができる。このため、撮像部に電力を供給する専用の配線を設ける場合と比較して、電力供給のための構成(配線の構成)を簡素化することができる。
【0022】
上記第1の局面による船舶において、好ましくは、遮光手段と、航海灯とは、別体で設けられている。このように構成すれば、航海灯に対する遮光手段の配置を調整することができる。
【0023】
上記第1の局面による船舶において、好ましくは、遮光手段の上面は、水が溜まることがないように、上面の端部に向かって下方に傾斜する傾斜面により形成されている。このように構成すれば、遮光手段の上面に溜まった水が撮像部に付着するのを抑制することができる。
【0024】
上記第1の局面による船舶において、好ましくは、遮光手段は、撮像部よりも航海灯に近い位置に配置されている。このように構成すれば、撮像部に向かう航海灯からの出射光が拡がることを、効果的に抑制することができる。
【0025】
この場合、好ましくは、遮光手段は、航海灯に当接するとともに、撮像部から離間した状態で配置されている。このように構成すれば、撮像部に向かう航海灯からの出射光が拡がることを、より効果的に抑制することができる。
【0026】
上記第1の局面による船舶において、好ましくは、撮像部は、航海灯のうちの船首灯の近傍よりも高い位置に配置されている。このように構成すれば、撮像部を比較的高い位置に配置することができるので、撮像部によって、広い範囲を撮像することができる。
【0027】
上記第1の局面による船舶において、好ましくは、遮光手段は、板状の遮光板である。このように構成すれば、簡易な構成により航海灯から撮像部に向かう光を遮ることができる。
【0028】
この発明の第2の局面による船舶用撮像装置は、船体に設けられた航海灯の近傍に配置された撮像部と、撮像部および航海灯に対する高さ位置を調整可能に構成され、航海灯から撮像部への光を遮るように、航海灯と撮像部との間に配置される遮光手段とを備え、撮像部および遮光手段は、航海灯の上方または下方に配置され、遮光手段は、水平方向に延びる平板形状を有し、上下方向において、撮像部の遮光手段側の端部と、航海灯の遮光手段側の端部との間に配置されている。
【0029】
この発明の第2の局面による船舶用撮像装置では、上記のように構成することにより、上記第1の局面による船舶と同様に、撮像部の画像に航海灯の光が映り込むことを抑制することができる。また、電力供給のための構成(配線の構成)を簡素化することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、上記のように、撮像部の画像に航海灯の光が映り込むことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】第1実施形態による船舶を示した側面図である。
図2】第1実施形態による船舶を示した平面図である。
図3】第1実施形態による船舶の航海灯について説明するための模式図である。
図4】第1実施形態による船舶の船舶用撮像装置を示した側面図である。
図5】第2実施形態による船舶を示した平面図である。
図6】第2実施形態による船舶の船舶用撮像装置を示した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0033】
[第1実施形態]
図1図4を参照して、第1実施形態による船舶100の構成について説明する。船舶100は、たとえば、小型船舶として構成されている。
【0034】
(船舶の構成)
図1に示すように、第1実施形態による船舶100は、航海灯6が設けられた船体1と、推進器2aおよび2bと、サイドスラスター2cと、船舶用撮像装置3とを含んでいる。船体1には、上部に船室11、および、船室11のさらに上部に船橋12が設けられている。図2に示すように、船室11内には、操船席4aと、操船席4aの近傍に設けられた船舶操作部5aとが設けられている。船橋12には、操船席4bと、操船席4bの近傍に設けられた船舶操作部5bとが設けられている。なお、操船席4aと操船席4bとは同様に構成されている。また、船舶操作部5aと船舶操作部5bとは同様に構成されている。
【0035】
ここで、本願明細書では、「前方」とは、図中の「FWD」により示す方向であり、かつ、船舶100の前進方向(船体1の船首1a側)である。「後方」とは、図中の「BWD」により示す方向であり、かつ、船舶100の後進方向(船体1の船尾1b側)である。また、「左方(左方向)」とは、図中の「L」により示す方向であり、かつ、船体1の左舷1c側(ポートサイド)方向である。また、「右方(右方向)」とは、図中の「R」により示す方向であり、かつ、船体1の右舷1d(スターボード)方向である。また、「鉛直方向」とは、図1中の「Z」により示す方向である。また、「上方」とは、図1中の「Z1」に示す方向であり、「下方」とは、図1中の「Z2」に示す方向である。
【0036】
推進器2aおよび2bは、たとえば、船外機である。推進器2aは、図2に示すように、船尾1bの左方部分に取り付けられている。推進器2bは、船尾1bの右方部分に取り付けられている。サイドスラスター2cは、たとえば、船体1のハル1eの鉛直方向の下方部分(図1参照)に取り付けられている。そして、船舶100は、推進器2aおよび2bと、サイドスラスター2cとの推進力により、前方、後方、左方、および、右方のそれぞれの方向に移動可能および旋回可能に構成されている。
【0037】
船舶操作部5aおよび5bの各々には、たとえば、ステアリング操作部と、リモートコントローラと、ジョイスティックとが設けられている。そして、船舶操作部5aおよび5bは、操船者による操作に基づいて、推進器2aおよび2bの向きおよび推進力の変更、および、サイドスラスター2cの推進力発生方向および推進力の変更を行うように構成されている。
【0038】
航海灯6は、円柱形状の外形を有しており、船舶100に関する規則により定められた略水平方向の所定の角度範囲に光を出射するように構成されている。航海灯6は、マスト灯61(後部マスト灯)、左舷灯62、右舷灯63、船首灯64(前部マスト灯)および船尾灯65を含んでいる。なお、航海灯6は、船舶100の存在と向きを他の船舶に知らせるために設けられている。また、航海灯6の光度は、0.9カンデラ以上12カンデラ未満(長さ50メートル未満のトロール従事船にあっては、0.9カンデラ以上4.3カンデラ未満)である。
【0039】
マスト灯61は、デッキ後部の上方に設けられている。詳細には、マスト灯61は、船体1の上部に配置されるマスト灯取付ポール71に取り付けられている。マスト灯取付ポール71は、デッキ後部から上方(上下方向)に延びている。マスト灯61は、すべての航海灯6の中で最も高い位置に配置されている。また、円柱形状のマスト灯61の中心軸線は、マスト灯取付ポール71の中心軸線と同軸上に配置されている。なお、マスト灯取付ポール71は、特許請求の範囲の「航海灯取付ポール」の一例である。
【0040】
図3に示すように、左舷灯62は、船体1の左方に配置される左舷灯取付ポール72に取り付けられている。右舷灯63は、船体1の右方に配置される右舷灯取付ポール73に取り付けられている。船尾灯65は、船尾1bに配置される船尾灯取付ポール75に取り付けられている。船首灯64は、船首1aに配置される船首灯取付ポール74に取り付けられている。
【0041】
(船舶用の表示装置の構成)
図4に示す船舶用撮像装置3は、操船者の操船を支援する装置として構成されている。たとえば、図2に示すように、船舶用撮像装置3は、操船者が操船席4a(4b)に位置しながら船舶操作部5a(5b)を操作(操船)する際に、表示部40(図2参照)に撮像した画像を表示させることにより、操船者の視野(死角)を補完するための装置である。
【0042】
船舶用撮像装置3は、全周撮像部31と、遮光板32とを備えている。なお、全周撮像部31は、特許請求の範囲の「撮像部」の一例である。また、遮光板32は、特許請求の範囲の「遮光手段」の一例である。
【0043】
全周撮像部31は、船体1の周りの略全周を撮像するように構成されている。詳細には、全周撮像部31は、動画を撮像可能な単一の全天球カメラ(全方位カメラ)により構成されている。全天球カメラとは、上下左右全方位の360度のパノラマ写真、および、360度の動画を撮像することが可能なカメラである。
【0044】
全周撮像部31(船舶用撮像装置3)は、マスト灯61(航海灯6)の近傍に配置されている。詳細には、全周撮像部31は、遮光板32の上方において、全周撮像部31により撮像した画像に遮光板32が含まれないように(全周撮像部31の撮像範囲に遮光板32が映り込まないように)、マスト灯取付ポール71に取り付けられている。
【0045】
全周撮像部31は、遮光板32およびマスト灯61と上下方向において互いに重なる位置に配置されている。また、上下方向において、全周撮像部31は、船首灯64の近傍よりも高い位置に配置されている。
【0046】
図4に示すように、遮光板32は、マスト灯61(航海灯6)と全周撮像部31との間に配置されている。これにより、遮光板32は、マスト灯61から全周撮像部31への光を遮るように構成されている。
【0047】
遮光板32は、マスト灯61とは別体で設けられている。遮光板32は、マスト灯61に上方から当接するとともに、全周撮像部31から離間した状態で配置されている。すなわち、遮光板32は、全周撮像部31よりもマスト灯61に近い位置に配置されている。
【0048】
遮光板32は、平面視で、全周撮像部31およびマスト灯61と重なる位置に配置されている。さらに、平面視で、遮光板32の外周端部の内側には、全周撮像部31およびマスト灯61が配置されている。
【0049】
遮光板32は、全周撮像部31と同様に、マスト灯61の上方において、マスト灯取付ポール71に取り付けられている。
【0050】
遮光板32は、マスト灯取付ポール71を中心として水平方向に延びる円板形状を有している。遮光板32の中心軸線は、マスト灯61およびマスト灯取付ポール71の中心軸線と同軸上に配置されている。なお、(平面視において)遮光板32の直径D1は、円柱形状のマスト灯61の直径D2よりも大きい。
【0051】
遮光板32の上面32aは、水が溜まることがないように、上面32aの外周端部に向かって下方に傾斜する傾斜面により形成されている。傾斜した上面32aは、液体が付着しても、重力により外周端部に向けて流すことによって、液体を取り除くことが可能である。
【0052】
船舶100(図1参照)には、マスト灯61(航海灯6)に電力を供給する電力供給配線部8が設けられている。電力供給配線部8の電力供給源は、船舶100に設けられたバッテリ(図示せず)である。電力供給配線部8は、全周撮像部31にも電力を供給するように構成されている。電力供給配線部8は、マスト灯61の手前で分岐して、マスト灯61と全周撮像部31との両方に電力を供給可能なように、バッテリと、マスト灯61および全周撮像部31とを電気的に接続している。
【0053】
[第1実施形態の効果]
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0054】
第1実施形態では、上記のように構成することによって、遮光板32により、航海灯6から全周撮像部31に向かう光を遮ることができるので、全周撮像部31の画像に航海灯6の光が映り込むことを抑制することができる。また、全周撮像部31が航海灯6の近傍に配置されるので、航海灯6に電力を供給する配線により、全周撮像部31にも電力を供給することができる。すなわち、配線を共通化することができるので、電力供給のための構成(配線の構成)を簡素化することができる。
【0055】
第1実施形態では、上記のように、全周撮像部31は、遮光板32と上下方向において互いに重なる位置に配置されている。これにより、全周撮像部31と遮光板32との水平方向における配置スペースを小さくすることができる。
【0056】
第1実施形態では、上記のように、遮光板32は、平面視で、全周撮像部31および航海灯6と重なる位置に配置されている。これにより、全周撮像部31と遮光板32と航海灯6との水平方向における配置スペースを小さくすることができる。また、航海灯6は略水平方向に光を出射することから、全周撮像部31および航海灯6を平面視で重なる位置に配置することにより、全周撮像部31の画像に航海灯6の光が映り込むことをより抑制することができる。
【0057】
第1実施形態では、上記のように、航海灯6が取り付けられる上下方向に延びるマスト灯取付ポール71をさらに備え、マスト灯取付ポール71には、航海灯6の上方または下方に全周撮像部31および遮光板32が取り付けられている。これによって、全周撮像部31および航海灯6を共通のマスト灯取付ポール71に取り付けることにより、全周撮像部31を航海灯6の近傍に容易に配置することができる。
【0058】
第1実施形態では、上記のように、航海灯取付ポールは、マスト灯61が取り付けられ、船体1の上部に配置されるマスト灯取付ポール71であり、遮光板32は、マスト灯61の上方において、マスト灯取付ポール71に取り付けられ、全周撮像部31は、マスト灯61の上方において、マスト灯取付ポール71に取り付けられている。これにより、船舶100の最も高い位置に配置されるマスト灯取付ポール71に全周撮像部31を取り付けることができるので、全周撮像部31によって、より広い範囲を撮像することができる。
【0059】
第1実施形態では、上記のように、全周撮像部31は、遮光板32の上方において、全周撮像部31で撮像した画像に遮光板32が含まれないように、マスト灯取付ポール71に取り付けられている。これにより、撮像対象である船舶100の周囲の画像を、遮光板に邪魔されることなく、より広範囲で確実に撮像することができる。
【0060】
第1実施形態では、上記のように、全周撮像部31は、船体1の周りの略全周を撮像する単一の全周撮像部31を含む。これにより、複数の全周撮像部31により船体1の周りの略全周を撮像する場合と比較して、装置構成を簡素化することができる。
【0061】
第1実施形態では、上記のように、遮光板32は、マスト灯取付ポール71を中心として水平方向に延びる円板形状を有している。これにより、航海灯6から遮光板32の外周端部までの距離を均一にすることができるので、遮光板32により水平方向のいずれの方向でも均一に光を遮ることができる。
【0062】
第1実施形態では、上記のように、平面視において、遮光板32の直径D1は、航海灯6の直径D2よりも大きい。これにより、上下方向において遮光板32と航海灯6とを確実にオーバーラップさせることができるので、遮光板32によって、一層確実に光を遮ることができる。
【0063】
第1実施形態では、上記のように、航海灯6に電力を供給する電力供給配線部8をさらに備え、電力供給配線部8は、全周撮像部31にも電力を供給するように構成されている。これにより、電力供給配線部8により、航海灯6だけでなく全周撮像部31にも電力を供給することができる。このため、全周撮像部31に電力を供給する専用の配線を設ける場合と比較して、電力供給のための構成(配線の構成)を簡素化することができる。
【0064】
第1実施形態では、上記のように、遮光板32と、航海灯6とは、別体で設けられている。これにより、航海灯6に対する遮光板32の配置を調整することができる。
【0065】
第1実施形態では、上記のように、遮光板32の上面32aは、水が溜まることがないように、上面32aの端部に向かって下方に傾斜する傾斜面により形成されている。これにより、遮光板32の上面32aに溜まった水が全周撮像部31に付着するのを抑制することができる。
【0066】
第1実施形態では、上記のように、遮光板32は、全周撮像部31よりも航海灯6に近い位置に配置されている。これにより、全周撮像部31に向かう航海灯6からの出射光が拡がることを、効果的に抑制することができる。
【0067】
第1実施形態では、上記のように、遮光板32は、航海灯6に当接するとともに、全周撮像部31から離間した状態で配置されている。これにより、全周撮像部31に向かう航海灯6の出射光が拡がることを、より効果的に抑制することができる。
【0068】
第1実施形態では、上記のように、全周撮像部31は、船首灯64の近傍よりも高い位置に配置されている。これにより、全周撮像部31を比較的高い位置に配置することができるので、全周撮像部31によって、広い範囲を撮像することができる。
【0069】
第1実施形態では、上記のように、遮光を行う板状の遮光板32を設ける。これにより、簡易な構成により航海灯6から全周撮像部31に向かう光を遮ることができる。
【0070】
[第2実施形態]
次に、図5および図6を参照して、本発明の第2実施形態の構成について説明する。第2実施形態では、マスト灯61の近傍に船舶用撮像装置3を配置した上記第1実施形態とは異なり、左舷灯62および右舷灯63のそれぞれの近傍に船舶用撮像装置230aおよび230bを配置する例について説明する。なお、上記第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、説明を省略する。
【0071】
図5に示すように、船舶200は、船舶用撮像装置230aおよび230bを含んでいる。船舶用撮像装置230a(後述する第1外周撮像部231a)は、左舷灯62の近傍に配置されている。船舶用撮像装置230b(後述する第2外周撮像部231b)は、右舷灯63の近傍に配置されている。なお、第1外周撮像部231aおよび第2外周撮像部231bは、特許請求の範囲の「撮像部」の一例である。
【0072】
船舶用撮像装置230aは、第1外周撮像部231aと、遮光板232aとを備えている。船舶用撮像装置230bは、第2外周撮像部231bと、遮光板232bとを備えている。すなわち、船舶200の撮像部は、船体1の周りを撮像する複数(2つ)の外周撮像部(第1外周撮像部231aおよび第2外周撮像部231b)を含んでいる。
【0073】
図6に示す複数(2つ)の外周撮像部(第1外周撮像部231aおよび第2外周撮像部231b)は、互いに同じ対象を撮像していない(異なる範囲を撮像している)。また、2つの第1外周撮像部231aおよび第2外周撮像部231bは、水平方向において互いに逆方向を撮像するように配置されている。第1外周撮像部231aおよび第2外周撮像部231bの画角Aは、それぞれ、水平方向において略180度である。したがって、水平方向において、複数(2つ)の外周撮像部(第1外周撮像部231aおよび第2外周撮像部231b)の画角A(図5参照)の合計は、略360度となっている。
【0074】
第1外周撮像部231a(第2外周撮像部231b)は、船体1の周りの略半周を撮像するように構成されている。詳細には、全周撮像部31は、動画を撮像可能な単一の半天球カメラにより構成されている。半天球カメラとは、上下左右全方位の180度のパノラマ写真、および、180度の動画を撮像することが可能なカメラである。
【0075】
遮光板232aは、左舷灯62の下方で左舷灯取付ポール72に取り付けられている。第1外周撮像部231aは、遮光板232aの下方で左舷灯取付ポール72に取り付けられている。遮光板232bは、右舷灯63の下方で右舷灯取付ポール73に取り付けられている。第2外周撮像部231bは、遮光板232bの下方で右舷灯取付ポール73に取り付けられている。
【0076】
第1外周撮像部231aは、左舷灯62の近傍において、右方向を撮像するように配置されている。第2外周撮像部231bは、右舷灯63の近傍において、左方向を撮像するように配置されている。
【0077】
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0078】
[第2実施形態の効果]
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0079】
第2実施形態では、上記のように、遮光板(232a、232b)は、左舷灯62および右舷灯63の下方に取り付けられ、第1外周撮像部231aおよび第2外周撮像部231bは、遮光板32の下方に取り付けられている。これにより、遮光板によって邪魔されることなく撮像することができ、撮像部の死角となりやすい左右方向の画像を確実に取得することができる。
【0080】
第2実施形態では、上記のように、第1外周撮像部231aおよび第2外周撮像部231bは、船体の周りを撮像するように複数設けられ、第1外周撮像部231aおよび第2外周撮像部231bは、互いに同じ対象を撮像しておらず、水平方向において、第1外周撮像部231aおよび第2外周撮像部231bの画角Aの合計は、略360度となっている。ここで、通常、複数の撮像部により船舶の周囲を撮像して合成画像を作成する場合、複数の撮像部により撮像されていない角度範囲を補うため、キャリブレーションを行う必要がある。そこで、上記の構成により、複数の外周撮像部(第1外周撮像部231aおよび第2外周撮像部231b)により、船舶200の周囲の略360度を撮像することができるので、複数の撮像部(第1外周撮像部231aおよび第2外周撮像部231b)により撮像されていない範囲を補う必要がない。このため、キャリブレーションを行うことなく、船舶200の略全周の合成画像を容易に取得することができる。
【0081】
第2実施形態では、上記のように、第1外周撮像部231aおよび第2外周撮像部231bの各画角は、水平方向において略180度であり、2つの外周撮像部(第1外周撮像部231aおよび第2外周撮像部231b)は、水平方向において互いに逆方向を撮像するように配置されている。これにより、一方の第1外周撮像部231aの死角を他方の第2外周撮像部231bによって確実にカバーすることができる。
【0082】
第2実施形態では、上記のように、2つの外周撮像部は、第1外周撮像部231aと、水平方向において第1外周撮像部231aとは逆方向を撮像する第2外周撮像部231bとを有し、第1外周撮像部231aは、左舷灯62の近傍において、左方向を撮像するように配置され、第2外周撮像部231bは、右舷灯63の近傍において、右方向を撮像するように配置されている。これにより、第1外周撮像部231aが右舷灯63の近傍に配置され、第2外周撮像部231bが左舷灯62の近傍に配置される場合、船舶200の左右方向に死角ができるのを抑制することができる。第1外周撮像部231aが船首灯64の近傍に配置され、第2外周撮像部231bが船尾灯65の近傍に配置される場合、船舶200の前後方向に死角ができるのを抑制することができる。
【0083】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0084】
[変形例]
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0085】
たとえば、上記第1および第2実施形態では、船舶に、船外機を設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、船舶に、船内機または船内外機を設けてもよいし、船舶に、ジェット推進器を設けてもよい。
【0086】
また、上記第2実施形態では、本発明の航海灯取付ポールを介して、船舶用撮像装置、左舷灯および右舷灯を船体に間接的に取り付けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、たとえば、船舶用撮像装置、左舷灯および右舷灯を船体に直接取り付けてもよい。
【0087】
また、上記第2実施形態では、本発明の左舷灯および右舷灯の近傍に、撮像部を配置した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、たとえば、船首灯および船尾灯の近傍に、撮像部を配置してもよい。
【0088】
また、上記第1実施形態では、撮像部を1つ設け、上記第2実施形態では、撮像部を2つ設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、撮像部を3つ以上設けてもよい。
【0089】
また、上記第1および第2実施形態では、遮光板を円板形状に形成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、遮光板を矩形板形状などの円板形状以外の形状に形成してもよい。なお、本実施例では、撮像部に対する航海灯の影響を抑制するための遮光手段として遮光板を採用したが、遮光手段は必ずしも遮光板に限定されない。例えば、遮光板として、遮光板でなく、遮光カバーや遮光レンズを採用してもよい。
【符号の説明】
【0090】
1 船体
3、230a、230b 船舶用撮像装置
6 航海灯
8 電力供給配線部
31 全周撮像部(撮像部)
32、232a、232b 遮光板(遮光手段)
32a 上面
61 マスト灯
62 左舷灯
63 右舷灯
64 船首灯
65 船尾灯
71 マスト灯取付ポール(航海灯取付ポール)
100、200 船舶
231a、231b 外周撮像部(撮像部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6