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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-28
(45)【発行日】2023-09-05
(54)【発明の名称】生体情報監視システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20230829BHJP
   G16H 10/60 20180101ALI20230829BHJP
【FI】
A61B5/00 102E
G16H10/60
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019058291
(22)【出願日】2019-03-26
(65)【公開番号】P2020156689
(43)【公開日】2020-10-01
【審査請求日】2022-02-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000230962
【氏名又は名称】日本光電工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】榎本 芳憲
【審査官】外山 未琴
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-012401(JP,A)
【文献】特開2005-128967(JP,A)
【文献】国際公開第2018/230104(WO,A1)
【文献】特開2005-065721(JP,A)
【文献】特開平10-127587(JP,A)
【文献】特表2004-533662(JP,A)
【文献】国際公開第2016/190022(WO,A1)
【文献】特開平09-116872(JP,A)
【文献】特開2018-139785(JP,A)
【文献】特開平05-341771(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00
G16H 10/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一人の患者から取得された生体情報の経時変化を含む情報を第一期間だけ表示するディスプレイと、
前記ディスプレイに表示された情報に対応するデータを保存する第一ストレージと、
前記第一ストレージよりも記憶容量の小さい第二ストレージと、
データ保全指示をユーザから受け付けるユーザインターフェースと、
前記ユーザインターフェースが前記データ保全指示を受け付けた時点より前に前記第一ストレージに保存されている前記データの少なくとも一部を、前記第二ストレージに保存するプロセッサと、
を備えており、
前記第二ストレージに保存される情報は、前記患者の周辺環境に関する情報を含んでおり、
前記周辺環境に関する情報は、前記ディスプレイを備えた装置の設定情報、前記生体情報の異常を報知する情報、ナースコールの発生を示す情報、および医療従事者の所在を示す情報の少なくとも一つを含
前記第一ストレージに保存される情報は、前記第一期間よりも長い第二期間が経過すると自動的に消去され、
前記第二ストレージに保存される情報は、前記第二期間が経過しても消去されない、
生体情報監視システム。
【請求項2】
前記データは、前記ディスプレイに表示された画像の経時変化を示す動画像データである、
請求項1に記載の生体情報監視システム。
【請求項3】
前記データの前記第一ストレージへの保存は、前記ディスプレイが起動されると自動的に開始される、
請求項1または2に記載の生体情報監視システム。
【請求項4】
前記ディスプレイには複数の患者の各々から取得された前記生体情報が一括して表示され、
前記ユーザインターフェースは、前記複数の患者の少なくとも一人について前記データ保全指示を受け付け可能である、
請求項1から3のいずれか一項に記載の生体情報監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検者の生体情報を監視するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ベッドサイドモニタとセントラルモニタを含む生体情報監視システムの一例を開示している。ベッドサイドモニタは、センサが装着された患者の傍らに配置されて当該患者の生体情報を管理するための装置である。セントラルモニタは、ナースステーションなどに設置されて複数の患者の生体情報を集中管理するための装置である。以降の説明においては、ベッドサイドモニタとセントラルモニタを、必要に応じて「生体情報モニタ」と総称する。
【0003】
各患者には、生体情報を取得するセンサが装着されている。当該センサを通じて取得された生体情報は、有線通信と無線通信の少なくとも一方を通じてベッドサイドモニタとセントラルモニタの少なくとも一方に送信される。ベッドサイドモニタとセントラルモニタの少なくとも一方は、受信した生体情報に対して所定の解析処理や表示処理を実行する。ベッドサイドモニタとセントラルモニタの少なくとも一方は、当該生体情報に対応するデータを保存するストレージを備えている。保存されたデータの量がストレージの容量の上限に到達すると、古いデータから自動的に消去される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-171776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
医療事故調査制度は、医療事故の発生時においてストレージに保存されているデータの保全と提供を求めている。保全および提供されたデータを分析することにより、事故当時の状況の再現と事故原因の究明が試みられる。しかしながら、データの保全と提供には特殊なソフトウェアツールと知識が必要とされ、円滑な作業の遂行には熟練を要する。作業に手間取る間に、ストレージの容量上限への到達に伴ってデータが消去されてしまう事態も起こりうる。
【0006】
本発明の目的は、生体情報監視に係るデータの保全が求められる原因となった状況の再現を容易にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための一態様は、生体情報監視システムであって、
少なくとも一人の患者から取得された生体情報の経時変化を含む情報を第一期間だけ表示するディスプレイと、
前記ディスプレイに表示された情報に対応するデータを前記第一期間よりも長い第二期間だけ保存する第一ストレージと、
前記第一ストレージよりも記憶容量の小さい第二ストレージと、
データ保全指示をユーザから受け付けるユーザインターフェースと、
前記ユーザインターフェースが前記データ保全指示を受け付けた時点より前に前記第一ストレージに保存されている前記データの少なくとも一部を、前記第二ストレージに保存するプロセッサと、
を備えている。
【0008】
このような構成によれば、必要に応じてユーザインターフェースにデータ保全指示を入力することにより、医療事故調査制度の要請に基づくデータの保全が自動的になされる。データを第一ストレージから取り出すための特殊なソフトウェアや知識を必要としないので、容易かつ円滑にデータの保全が遂行され、第二期間の満了に伴いデータが消去されてしまう事態を回避できる可能性も高まる。また、第二ストレージに保存されるデータは、患者を識別する情報や患者の生体情報の経時変化を示す情報のみならず、ディスプレイの表示に供された他の情報(時刻、アラーム、イベントなど)も含んでいるので、データの保全が求められる原因となった状況の再現が容易になる。
【0009】
上記の目的を達成するための一態様は、生体情報監視システムであって、
少なくとも一人の患者から取得された生体情報の経時変化を含む情報を表示するディスプレイと、
ストレージと、
前記ディスプレイが起動されると、当該ディスプレイに表示された画像の経時変化を示す動画像データの前記ストレージへの保存を開始するプロセッサと、
を備えている。
【0010】
このような構成によれば、ディスプレイに表示されている状況の変遷を視覚的に確認できるので、データの保全が求められる原因となった状況の再現が容易になる。また、患者の生体情報に対応するデータの表示が開始される前から保全に供されうるデータの保存が開始されるので、患者の周辺環境に係る情報も消失されることなくストレージに保存されうる。これにより、データの保全が求められることになった原因の特定が容易になる可能性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態に係る生体情報監視システムの構成を例示している。
図2】生体情報モニタの一例としてのベッドサイドモニタの外観を例示している。
図3】上記の生体情報監視システムの動作を例示している。
図4】生体情報モニタの別例としてのセントラルモニタの外観を例示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付の図面を参照しつつ、実施形態の例を以下詳細に説明する。各図面においては、説明対象の各要素を認識可能な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
【0013】
図1は、一実施形態に係る生体情報監視システム1の構成を例示している。生体情報監視システム1は、生体情報モニタ10を含んでいる。例えば、生体情報モニタ10は、図2に示されるようなベッドサイドモニタでありうる。ベッドサイドモニタは、患者21の傍らに配置されて、患者21に装着されたセンサ(不図示)を通じて患者21の生体情報を取得する装置である。生体情報の例としては、心拍数、血圧、動脈血酸素飽和度、呼気中二酸化炭素濃度、心電図、脳波などが挙げられる。
【0014】
図1に示されるように、生体情報モニタ10は、通信インターフェース11を備えている。患者21に装着されたセンサは、検出された生体情報に対応するセンサ信号を出力する。通信インターフェース11は、センサ信号を受信する。
【0015】
生体情報モニタ10は、ディスプレイ12を備えている。図2に示されるように、ディスプレイ12には様々な情報が表示されうる。当該情報の例としては、患者21を識別する情報、センサを通じて取得された生体情報の経時変化を示す情報、当該生体情報の異常を報知する情報、生体情報モニタ10の設定情報などが挙げられる。生体情報の経時変化は、波形や数値の形態で表示されうる。
【0016】
図3の(A)は、生体情報に対応するデータが供される種々の処理を説明するための図である。生体情報に対応するデータは、時点t0において生成される。当該データは、時点t1においてディスプレイ12における表示処理に供される。当該データは、時点t1から時点t2までの期間だけディスプレイ12に表示される。当該期間は、生体情報モニタ10の表示設定を通じて適宜に変更されうる。時点t1から時点t2までの期間は、第一期間の一例である。
【0017】
図1に示されるように、生体情報モニタ10は、ストレージ13を備えている。ストレージ13は、ディスプレイ12に表示された情報に対応するデータを保存する装置である。ストレージ13は、ハードディスクドライブ装置、半導体メモリ、磁気テープ装置などによって実現されうる。ストレージ13は、第一ストレージの一例である。
【0018】
図3の(A)に示されるように、ストレージ13は、ディスプレイ12に表示された情報に対応するデータを、時点t1から時点t3までの期間だけ保存するように構成されている。すなわち、ストレージ13に保存されるデータは、患者21を識別する情報や患者21の生体情報の経時変化を示す情報だけでなく、当該生体情報の異常を報知する情報や生体情報モニタ10の設定情報などを含みうる。時点t1から時点t3までの期間は、第二期間の一例である。第二期間は、第一期間よりも長い。
【0019】
ストレージ13に保存されたデータの量がストレージ13の記憶容量の上限に達すると、最も古いデータから自動的に消去される。第二期間は、ストレージ13へ連続的にデータが保存される場合において、あるデータが保存されてから消去されるまでの期間に対応している。
【0020】
図3の(B)は、ストレージ13に保存されているデータの状態を模式的に示している。符号D1は、時点t1から最初の1時間にストレージ13に保存されたデータセットを示している。符号D2は、次の1時間にストレージ13に保存されたデータセットを示している。符号Dn(nは正の整数)は、時点t1の(n-1)時間後からn時間後までの間にストレージ13に保存されたデータセットを示している。
【0021】
本例においては、第二期間は100時間とされている。換言すると、データセットD1~D100が保存されると、ストレージ13の容量の上限に到達する。したがって、時点t1から100時間が経過した後、データセットD101が保存されるとともに、データセットD1が消去される。説明を簡略化するためにデータの消去が一時間単位のデータセットごとになされる例を説明したが、データセットを構成している各データは、100時間の経過(すなわち時点t3への到達)に伴って順次ストレージ13から消去されうる。
【0022】
図1に示されるように、生体情報モニタ10は、ユーザインターフェース14を備えている。ユーザインターフェース14は、データ保全指示をユーザから受け付けるように構成されている。データ保全指示は、医療事故の発生時などにおいて医療事故調査精度が求めるデータ保全を実行するための指示である。
【0023】
図2に示される例においては、ユーザインターフェース14は、ベッドサイドモニタの筐体に設けられた専用のボタンスイッチとして提供されている。データ保全が必要な場合、ユーザは、ボタンスイッチを押下する。ディスプレイ12がタッチパネル機能を有する場合、ユーザインターフェース14は、ディスプレイ12に表示されるタッチ操作可能な画像(いわゆるソフトウェアキー)でありうる。あるいは、ユーザインターフェース14は、音声認識インターフェースやジェスチャ認識インターフェースでありうる。この場合、ユーザは、データ保全指示に対応する特定の語やジェスチャを、ユーザインターフェース14に認識させる。
【0024】
図1に示されるように、生体情報モニタ10は、保全ストレージ15を備えている。保全ストレージ15は、データ保全指示の対象となるデータを保存するための装置である。保全ストレージ15の記憶容量は、ストレージ13の記憶容量よりも小さい。保全ストレージ15は、ハードディスクドライブ装置、半導体メモリ、磁気テープ装置などによって実現されうる。保全ストレージ15は、ストレージ13として使用される記憶媒体の一部(パーティションで区切られた別領域など)として提供されてもよいし、ストレージ13とは独立して生体情報モニタ10に対して着脱可能な可搬ストレージとして構成されてもよい。保全ストレージ15は、第二ストレージの一例である。
【0025】
生体情報モニタ10は、プロセッサ16を備えている。図3の(B)に示されるように、プロセッサ16は、ユーザインターフェース14がデータ保全指示を受け付けた時点より前にストレージ13に保存されているデータの少なくとも一部を、保全ストレージ15に保存するように構成されている。
【0026】
図3の(B)の例においては、時点t1から72時間の経過後にデータ保全指示がなされている。当該指示に基づいて、ストレージ13に保存されているデータの一部である当該時点から24時間前までのデータセットD49~D72が、保全ストレージ15に保存されている。このデータセットに含まれる特定のデータについては、図3の(A)に示されるように、時点t4において受け付けられたデータ保全指示に基づいて、保全ストレージ15への保存がなされる。保全ストレージ15に保存されたデータは、第二期間が経過しても消去されることがない。
【0027】
このような構成によれば、必要に応じてユーザインターフェース14にデータ保全指示を入力することにより、医療事故調査制度の要請に基づくデータの保全が自動的になされる。データをストレージ13から取り出すための特殊なソフトウェアや知識を必要としないので、容易かつ円滑にデータの保全が遂行され、ストレージ13の保存期間の満了に伴いデータが消去されてしまう事態を回避できる可能性も高まる。また、保全ストレージ15に保存されるデータは、患者21を識別する情報や患者21の生体情報の経時変化を示す情報のみならず、ディスプレイ12の表示に供された他の情報(生体情報の異常を示すアラーム情報やイベント情報、時刻情報、生体情報モニタ10の設定情報など)も含んでいるので、データの保全が求められる原因となった状況の再現が容易になる。
【0028】
上記のような機能を有するプロセッサ16は、汎用メモリと共同して動作する汎用マイクロプロセッサにより実現されうる。汎用マイクロプロセッサとしては、CPUやMPUが例示されうる。汎用メモリとしてはRAMやROMが例示されうる。この場合、ROMには、上記の処理を実行するコンピュータプログラムが記憶されうる。プロセッサ16は、ROM上に記憶されたコンピュータプログラムの少なくとも一部を指定してRAM上に展開し、RAMと協働して上述の処理を実行する。ストレージ13の一部は、上記の汎用メモリとして使用されてもよい。プロセッサ16は、データのディスプレイ12への表示やストレージ13への保存を行なうプロセッサを共用してもよい。プロセッサ16は、上述の処理を実現するコンピュータプログラムを実行可能なマイクロコントローラ、ASIC、FPGAなどの専用集積回路によって実現されてもよい。プロセッサ16は、汎用マイクロプロセッサと専用集積回路の組合せによって実現されてもよい。
【0029】
ストレージ13に保存されるデータは、ディスプレイ12に表示された画像の経時変化を示す動画像データでありうる。
【0030】
このような構成によれば、ディスプレイ12に表示されている状況の変遷を視覚的に確認できるので、データの保全が求められることになった原因の特定がより容易になる。
【0031】
図3の(A)に示されるように、生体情報に対応するデータのストレージ13への保存は、ディスプレイ12が起動された時点t5において自動的に開始されうる。換言すると、患者21の生体情報に対応するデータの表示が開始される前から保全に供されうるデータの保存が開始される。
【0032】
このような構成によれば、生体情報モニタの動作設定に係る情報や患者21の周辺環境に係る情報もストレージ13に保存されうる。これにより、データの保全が求められることになった原因の特定が容易になる可能性が高まる。この構成は、ストレージ13に保存されるデータがディスプレイ12に表示された画像の経時変化を示す動画像データである場合に特に有用である。
【0033】
図4に示されるように、生体情報モニタ10は、セントラルモニタでありうる。セントラルモニタは、ナースステーションなどに設置されて複数の患者の生体情報を集中管理するための装置である。
【0034】
この場合、図1に示されるように、通信インターフェース11は、複数の患者の各々からセンサ信号を受信する。図1においては、複数の患者の例として三人の患者21~23が示されている。
【0035】
この場合、ディスプレイ12には、複数の患者の各々について様々な情報が表示される。当該情報の例としては、各患者を識別する情報、各患者に装着されたセンサを通じて取得された生体情報の経時変化を示す情報、当該生体情報の異常を報知する情報、各患者に対応付けられたベッドサイドモニタの設定情報、セントラルモニタの設定情報などが挙げられる。生体情報の経時変化は、波形や数値の形態で表示されうる。
【0036】
ストレージ13へのデータの保存は、各患者について行なわれる。保存の仕方は、図3の(A)および図3の(B)を参照して説明した通りであるので、繰り返しとなる説明は省略する。
【0037】
ユーザインターフェース14を通じたデータ保全指示の入力は、保全が必要とされる患者を指定しつつなされる。患者の指定と指示の確定は、セントラルモニタの筐体に設けられた専用のボタンスイッチの操作を通じて行なわれうる。ディスプレイ12がタッチパネル機能を有する場合、患者の指定と指示の確定は、ディスプレイ12に表示されるタッチ操作可能な画像を通じてなされうる。あるいは、患者の指定と指示の確定は、特定の語やジェスチャをユーザインターフェース14に認識させることによってなされうる。
【0038】
ユーザインターフェース14にデータ保全指示が入力されると、プロセッサ16は、当該指示により指定された患者のみについて当該指示よりも前にストレージ13に保存されているデータの少なくとも一部を、保全ストレージ15に保存する。
【0039】
このような構成によっても、ベッドサイドモニタの例を参照して説明した上記の効果が同様に得られる。
【0040】
あるいは、ユーザインターフェース14にデータ保全指示が入力された場合、プロセッサ16は、セントラルモニタが監視対象としている全ての患者についてストレージ13に保存されているデータでありうる。ストレージ13に保存されるデータが、ディスプレイ12に表示された画像の経時変化を示す動画像である場合は、その一例になりうる。
【0041】
このような構成によれば、データ保全が求められた患者の状況だけでなく、当該患者の周囲の環境に係る情報(ナースコールの同時発生、医療従事者の所在など)もデータ保全の対象になりうる。これにより、データの保全が求められることになった原因についてより詳細な分析が可能とされうる。
【0042】
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための例示にすぎない。上記の実施形態に係る構成は、本発明の趣旨を逸脱しなければ、適宜に変更・改良されうる。
【0043】
上記の実施形態においては、ストレージ13、保全ストレージ15、およびプロセッサ16がディスプレイ12を備えた生体情報モニタ10の筐体内に配置されている。しかしながら、ストレージ13、保全ストレージ15、およびプロセッサ16の少なくとも一つは、生体情報モニタ10の通信インターフェース11と通信ネットワークを介して通信可能な遠隔装置内に配置されうる。
【符号の説明】
【0044】
1:生体情報監視システム、12:ディスプレイ、13:ストレージ、14:ユーザインターフェース、15:保全ストレージ、16:プロセッサ、21~23:患者
図1
図2
図3
図4