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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-28
(45)【発行日】2023-09-05
(54)【発明の名称】ノズル格納状態検出装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20230829BHJP
【FI】
H05K13/04 B
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019112634
(22)【出願日】2019-06-18
(65)【公開番号】P2020205362
(43)【公開日】2020-12-24
【審査請求日】2022-05-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000003399
【氏名又は名称】JUKI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安藤 正
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-266399(JP,A)
【文献】特開2010-073766(JP,A)
【文献】特開2010-129549(JP,A)
【文献】特開2014-056952(JP,A)
【文献】特開2015-018905(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズルが装着されるヘッドに設けられ、ノズル交換装置に格納されているノズルの所定の位置に向けて光を照射することで前記所定の位置の高さを検出する光センサと、
前記光センサが検出した前記高さに基づいて、前記ノズル交換装置に格納されているノズルの格納状態を検出する格納状態検出部と、を備える、
ノズル格納状態検出装置。
【請求項2】
前記格納状態は、前記ノズル交換装置に格納されているノズルの傾斜角度である、
請求項1に記載のノズル格納状態検出装置。
【請求項3】
前記ノズル交換装置は、格納するノズルを前記ノズルの移動方向と直交する面内の所定の方向にのみ傾斜可能な構造を有し、
前記所定の位置は、前記ノズル交換装置が前記ノズルを格納する格納部の中心軸に対し、前記ノズルの移動方向と直交する面内において所定の方向に対して直交する方向にずらした位置である、
請求項1または請求項2に記載のノズル格納状態検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ノズル格納状態検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ノズル交換装置に格納されているノズルの有無を検出する技術が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-073766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、ノズル交換装置に格納されているノズルの格納状態までは検出することができない。
【0005】
本発明の態様は、ノズル交換装置に格納されているノズルの格納状態を検出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様に従えば、ノズルが装着されるヘッドに設けられ、ノズル交換装置に格納されているノズルの所定の位置に向けて光を照射することで前記所定の位置の高さを検出する光センサと、前記光センサが検出した前記高さに基づいて、前記ノズル交換装置に格納されているノズルの格納状態を検出する格納状態検出部と、を備える、ノズル格納状態検出装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の態様によれば、ノズル交換装置に格納されているノズルの格納状態を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係るノズル格納状態検出装置の一例を模式的に示す図である。
図2図2は、実施形態に係るノズル交換装置の一例を示す斜視図である。
図3図3は、実施形態に係るノズル交換装置の一例を示す分解斜視図である。
図4図4は、実施形態に係るノズル交換装置に格納されているノズルの格納状態の一例を示す斜視図である。
図5図5は、実施形態に係るノズル交換装置に格納されているノズルの格納状態の一例を示す断面図である。
図6図6は、実施形態に係るノズル格納状態検出方法を示すフローチャートである。
図7図7は、実施形態に係るノズル格納状態検出方法の一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。所定面のX軸と平行な方向をX軸方向とし、所定面においてX軸と直交するY軸と平行な方向をY軸方向とし、所定面と直交するZ軸と平行な方向をZ軸方向とする。また、以下の説明においては、所定面を適宜、XY平面、と称する。本実施形態においては、XY平面と水平面とが平行であることとする。
【0011】
[実施形態]
<ノズル格納状態検出装置>
実施形態について説明する。図1は、実施形態に係るノズル格納状態検出装置1の一例を模式的に示す図である。
【0012】
ノズル格納状態検出装置1は、ノズル交換装置6に格納されているノズル5の格納状態を検出する。ノズル格納状態検出装置1は、ノズル5を装着したヘッド4を用いて、フィーダによって供給された電子部品をノズル5に吸着保持させ、基板に実装する実装装置に、使用される。図1に示すように、ノズル格納状態検出装置1は、光センサ2と、制御装置3と、を備える。以下において、ヘッド4及びノズル5を先に説明してから、ノズル格納状態検出装置1の構成要素である光センサ2及び制御装置3の詳細な説明をし、ノズル交換装置6を説明する。
【0013】
<ヘッド>
図1に示すように、ヘッド4は、ヘッド本体41と、把持部42と、を備える。ヘッド本体41は、先端部分に、後述するノズル5の基端部51を嵌め込み可能な嵌込穴43を有する。把持部42は、ヘッド本体41の先端部分の外周に設けられている。把持部42は、ヘッド本体41の嵌込穴43に嵌め込まれたノズル5の基端部51に、ヘッド本体41の先端部分を外側から押し付けることで、ヘッド本体41の先端部分にノズル5の基端部51を把持して固定する。
【0014】
<ノズル>
図1に示すように、ノズル5は、中心軸56に関して円筒対称性を有する。ノズル5は、ヘッド4に把持される部分である基端部51と、基端部51よりも先端側の一回り太い部分である胴体部52と、胴体部52も先端側の電子部品を吸着保持する部分である先端部53と、を有する。基端部51と胴体部52との境界には、段部54が形成されている。段部54は、中心軸56に対して直交する上面を形成している。胴体部52の中央部分には、円周上に外周側に張り出した突状部55が形成されている。ノズル5には、電子部品を吸着保持するための吸引管57が、中心軸56に沿って貫通して設けられている。ノズル5は、ヘッド4によってZ軸方向に沿って移動する。
【0015】
<光センサ>
図1に示すように、ノズル格納状態検出装置1の光センサ2は、ノズル5が装着されるヘッド4に設けられている。光センサ2は、より詳細には、ヘッド4の把持部42に、光の照射方向をヘッド4の嵌込穴43の開口方向と同じ方向に向けて設けられている。光センサ2は、後述するノズル交換装置6の構成に基づき、嵌込穴43の開口中心に対してY軸方向にずらした位置に設けられることが好ましい。ここで、Y軸方向は、ノズル5の移動方向であるZ軸方向と直交する所定の面内方向であるX軸方向に対して直交する面内方向である。
【0016】
光センサ2は、ノズル交換装置6の格納部69に格納されているノズル5の所定の位置に向けて光を照射することで、当該所定の位置の高さを検出する。光センサ2は、より詳細には、ノズル5の段部54の上面に向けて照射光21を照射し、照射光21が段部54の上面で反射することで発生した反射光22を検出し、照射光21を照射してから反射光22を検出するまでの時間を検出することで、段部54の上面の高さHを検出する。
【0017】
<制御装置>
制御装置3は、ノズル格納状態検出装置1を制御するコンピュータシステムを含む。図1に示すように、制御装置3は、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサを含む処理装置3Aと、ROM(Read Only Memory)又はストレージのような不揮発性メモリ及びRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含む記憶装置3Bと、信号及びデータを入出力可能な入出力回路を含む入出力インターフェース3Cと、を有する。
【0018】
制御装置3の処理装置3Aは、格納状態検出部31を有する。格納状態検出部31は、処理装置3Aが、実施形態に係るノズル格納状態検出装置1が実施形態に係るノズル格納状態検出方法を実行するためのノズル格納状態検出プログラムを実行することにより、実現される機能部である。
【0019】
格納状態検出部31は、光センサ2が検出した所定の位置の高さに基づいて、ノズル交換装置6に格納されているノズル5の格納状態を検出する。格納状態検出部31は、より詳細には、光センサ2が検出した段部54の上面の高さHに基づいて、ノズル交換装置6に格納されているノズル5の格納状態を検出する。
【0020】
格納状態検出部31は、光センサ2が検出した段部54の上面の高さHが、下限閾値である下限高さHL以上、上限閾値である上限高さHU以下である場合、ノズル交換装置6に格納されているノズル5の格納状態は正常状態であると判定する。格納状態検出部31は、光センサ2が検出した段部54の上面の高さHが、下限閾値である下限高さHL未満である場合、ノズル交換装置6に格納されているノズル5が無い状態であると判定する。格納状態検出部31は、光センサ2が検出した段部54の上面の高さHが、上限閾値である上限高さHUより大きい場合、ノズル交換装置6に格納されているノズル5の格納状態は、ノズル5が正常状態に対して傾斜している傾斜状態であると判定する。
【0021】
格納状態検出部31は、さらに、光センサ2が検出した段部54の上面の高さHが、上限閾値である上限高さHUより大きい場合、段部54の上面の高さHとノズル5の傾斜角度との関係性を表すデータを用いて、段部54の上面の高さHに基づいて、ノズル交換装置6に格納されているノズル5の傾斜角度を求める。ここで、ノズル交換装置6に格納されているノズル5の傾斜角度は、ノズル交換装置6に格納されている傾斜状態にあるノズル5の中心軸56と、正常状態にあるノズル5の中心軸56とが形成する角度で表される。
【0022】
制御装置3の記憶装置3Bは、格納状態検出部31によって用いられる、高さHとノズル5の傾斜角度との関係性を表すデータを記憶している。
【0023】
制御装置3の入出力インターフェース3Cには、ヘッド4に設けられた光センサ2と、ヘッド4と、後述するノズル交換装置6の駆動部68と、が接続される。制御装置3は、入出力インターフェース3Cを介して、光センサ2、ヘッド4及び駆動部68を制御する。また、制御装置3の入出力インターフェース3Cには、不図示の表示装置が接続されていてもよい。制御装置3は、入出力インターフェース3Cを介して、処理装置3Aの処理によって得られた種々の情報を出力して、文字、画像、動画等により、当該表示装置に表示させることができる。
【0024】
<ノズル交換装置>
図2は、実施形態に係るノズル交換装置6の一例を示す斜視図である。図3は、実施形態に係るノズル交換装置6の一例を示す分解斜視図である。図2及び図3に示すように、ノズル交換装置6は、ベース62と、ベース62の上方に配置されたスライドベース64と、スライドベース64の上方に配置されたスライドプレート66と、スライドプレート66をベース62及びスライドベース64に対して相対的にX軸方向にスライド移動させる駆動部68と、を備える。
【0025】
ベース62には、胴体部52の外周径と比較して大きく、かつ、突状部55の外周径と比較して小さな径を有する複数の円形の小開口61が、X軸方向及びY軸方向に配列して形成されている。
【0026】
スライドベース64には、突状部55の外周径と比較して大きな径を有する複数の円形の大開口63が、X軸方向及びY軸方向に配列して、小開口61と対応する位置に、すなわち小開口61と同軸上となる位置に、形成されている。
【0027】
スライドプレート66には、X軸方向に延びて形成された複数の長穴65がY軸方向に配列して形成されている。長穴65は、複数の小開口61及び複数の大開口63と対応する位置に形成された複数の大開口63と同径の複数の円形状の穴が、基端部51の外周径と比較して大きく、かつ、胴体部52の外周径と比較して小さな幅を有するX軸方向に延びた細い穴によって接続された形状を有している。
【0028】
小開口61、大開口63及び長穴65は、ノズル交換装置6において、ノズル5を格納する格納部69を形成する。
【0029】
ノズル交換装置6は、以上のような構成を有するため、駆動部68が制御装置3の制御に基づいて、スライドプレート66をベース62及びスライドベース64に対して相対的にX軸方向にスライド移動させることにより、長穴65の円形状の穴が複数の小開口61及び複数の大開口63と対応する位置に来ることで、ノズル5を格納部69から取り出し可能な解放状態と、長穴65の細い穴が複数の小開口61及び複数の大開口63と対応する位置に来ることで、ノズル5を格納部69から取り出し不可能な非解放状態と、の間で移行させることができる。
【0030】
ノズル交換装置6は、また、格納部69が、格納部69を形成する長穴65により、X軸方向にはノズル5の格納余裕を有し、Y軸方向にはノズル5の格納余裕を有さない構成となっているので、格納しているノズル5をX軸方向にのみ傾斜可能な構造となっている。ここで、ノズル5がX軸方向にのみ傾斜するとは、ノズル5がY軸を中心とする回転方向に傾斜することをいう。なお、ノズル交換装置6は、上記した構造に限定されることなく、格納しているノズル5を所定の面内にのみ傾斜可能ないかなる構造であっても好ましい。ここで、ノズル5が所定の面内にのみ傾斜するとは、所定の面内の一方向にのみ傾斜することをいい、所定面の面に含まれる所定軸を中心とする回転方向に傾斜することをいう。
【0031】
<ノズルの格納状態>
図1に示すように、ノズル交換装置6がノズル5を正常に格納している正常状態では、ノズル5の先端部53及び胴体部52の突状部55より先端側の部分が、小開口61に挿入された状態となっている。また、正常状態では、ノズル5の突状部55が、大開口63に挿入されてベース62の上面で支持された状態となっている。また、正常状態では、ノズル5の突状部55より基端側の部分が、大開口63に挿入した状態となっており、段部54の上面の高さHが、スライドプレート66の上面と下面との間に来る状態となっている。
【0032】
図4は、実施形態に係るノズル交換装置6に格納されているノズル5の格納状態の一例を示す斜視図である。図5は、実施形態に係るノズル交換装置6に格納されているノズル5の格納状態の一例を示す断面図である。図5は、図4のV-V断面を、図4と同じ角度から見た斜視図である。
【0033】
図4及び図5に示すように、正常状態のノズル5Aは、中心軸56Aが+Z方向に向いている。このため、正常状態のノズル5Aは、基端部51Aが+Z方向に向いており、ヘッド4で装着することが可能な状態となっている。
【0034】
また、正常状態のノズル5Aは、突状部55Aが大開口63に完全に挿入されて、突状部55Aの下面が全面に渡ってベース62の上面で支持された状態となっている。このため、正常状態のノズル5Aは、段部54Aの上面の高さHが、スライドプレート66の上面と下面との間に来る状態となっている。
【0035】
図4及び図5に示すように、ノズル交換装置6にX軸方向に傾斜して格納されている傾斜状態のノズル5Bは、中心軸56Bが+Z方向に対して+X方向に傾斜した方向を向いている。このため、傾斜状態のノズル5Bは、基端部51Bが+Z方向に真っ直ぐに向いておらず、ヘッド4で装着することが不可能な状態となっている。
【0036】
また、傾斜状態のノズル5Bは、突状部55Bが大開口63に完全に挿入されておらず、-X方向側に行くにつれて、正常状態のノズル5Aと比較して、スライドベース64の上面よりも+Z方向側に飛び出した状態となっている。このため、傾斜状態のノズル5Bは、段部54Bの上面の高さHが、-X方向側に行くにつれて、正常状態のノズル5Aと比較して、スライドプレート66の上面よりも+Z方向側に飛び出した状態となっている。
【0037】
このように、正常状態のノズル5Aと傾斜状態のノズル5Bとを比較すると、段部54の上面の高さHとノズル5の傾斜角度との間に一定の関係性があることがわかる。
【0038】
ノズル格納状態検出装置1では、上述したように、本実施形態では、光センサ2が、嵌込穴43の開口中心に対してY軸方向にずらした位置に設けられることが好ましい。光センサ2は、この位置に設けられる場合、ノズル交換装置6の格納部69の中心軸に対してY軸方向にずらした位置にあるノズル5の段部54の上面の部分の高さHを検出する。
【0039】
ノズル交換装置6の格納部69の中心軸に対してY軸方向にずらした位置にあるノズル5の段部54の上面の部分は、ノズル5のX軸方向の傾斜によって、ノズル5の段部54よりも上方にある基端部51の陰になることが無いため、ノズル5がX軸方向にのみ傾斜可能なノズル交換装置6に格納されている場合、ノズル5の傾斜によらず、高さHを正確に検出することを可能にする。また、この位置における段部54の上面の部分の高さHは、ノズル5のX軸方向の傾斜角度との間の関係性が最も精度よく求められるため、ノズル5のX軸方向の傾斜角度を高い精度で求めることを可能にする。
【0040】
<ノズル格納状態検出方法>
実施形態に係るノズル格納状態検出装置1の作用について以下に説明する。図6は、実施形態に係るノズル格納状態検出方法を示すフローチャートである。図7は、実施形態に係るノズル格納状態検出方法の一例を模式的に示す図である。図7は、傾斜状態のノズル5Bを検出する状態について示している。なお、正常状態のノズル5Aを検出する状態は、図1に示されている状態と同じである。
【0041】
ノズル格納状態検出装置1によって実行される実施形態に係るノズル格納状態検出方法について、図1図6及び図7を用いて説明する。
【0042】
図6に示すように、実施形態に係るノズル格納状態検出方法は、高さ検出ステップS10と、格納状態検出ステップS20と、を有する。
【0043】
光センサ2は、制御装置3の処理装置3Aの制御を受けて、ノズル交換装置6に格納されているノズル5の所定の位置に向けて光を照射することで、当該所定の位置の高さを検出する(高さ検出ステップS10)。
【0044】
高さ検出ステップS10では、具体的には、まず、制御装置3の処理装置3Aが、光センサ2を制御して、光センサ2に、ノズル交換装置6の格納部69の中心軸に対してY軸方向にずらした位置にあるノズル5の段部54の上面の部分に向けて照射光21を照射させる。高さ検出ステップS10では、次に、制御装置3の処理装置3Aが、光センサ2を制御して、光センサ2に、照射した照射光21が段部54の上面の当該部分で反射することで発生した反射光22を検出させる。
【0045】
高さ検出ステップS10では、そして、制御装置3の処理装置3Aが、光センサ2を制御して、照射光21を照射してから反射光22を検出するまでの時間を検出させて、この時間に基づいて、段部54の上面の当該部分の高さHを検出させる。
【0046】
格納状態検出部31は、光センサ2が検出した所定の位置の高さに基づいて、ノズル交換装置6に格納されているノズル5の格納状態を検出する(格納状態検出ステップS20)。
【0047】
格納状態検出ステップS20では、具体的には、まず、格納状態検出部31が、光センサ2に検出させた段部54の上面の当該部分の高さHを、記憶装置3Bに記憶された下限高さHL及び上限高さHUと比較する。
【0048】
格納状態検出ステップS20では、次に、格納状態検出部31が、段部54の上面の当該部分の高さHが下限高さHL以上上限高さHU以下であると判定した場合、ノズル5が図1に示すような状態にあると判定して、ノズル交換装置6に格納されているノズル5の格納状態は正常状態であると判定する。
【0049】
格納状態検出ステップS20では、また、格納状態検出部31が、段部54の上面の当該部分の高さHが下限高さHL未満であると判定した場合、ノズル交換装置6に格納されているノズル5が無い状態であると判定する。
【0050】
格納状態検出ステップS20では、また、格納状態検出部31が、段部54の上面の当該部分の高さHが上限高さHUより大きいと判定した場合、ノズル5が図7に示すようなノズル5Bのような状態にあるために、段部54Bの上面の当該部分の高さHBが上限高さHUより大きいという状態にあると判定して、ノズル交換装置6に格納されているノズル5の格納状態は傾斜状態であると判定する。
【0051】
格納状態検出ステップS20では、さらに、格納状態検出部31が、ノズル交換装置6に格納されているノズル5の格納状態は傾斜状態であると判定した場合、記憶装置3Bに記憶された段部54の上面の高さHとノズル5の傾斜角度との関係性を表すデータを用いて、段部54の上面の当該部分の高さHに基づいて、ノズル交換装置6に格納されているノズル5の傾斜角度を求める。
【0052】
<効果>
以上説明したように、本実施形態によれば、光センサ2が、ノズル交換装置6に格納されているノズル5の所定の位置に向けて光を照射することで、当該所定の位置の高さを検出し、格納状態検出部31が、光センサ2が検出した所定の位置の高さに基づいて、ノズル交換装置6に格納されているノズル5の格納状態を検出するので、ノズル交換装置6に格納されているノズル5の格納状態を検出することができる。
【0053】
本実施形態によれば、ノズル5の格納状態は、ノズル交換装置6に格納されているノズル5の傾斜角度である。このため、本実施形態によれば、ノズル5の格納状態を細かいレベルで検出することができる。
【0054】
本実施形態によれば、ノズル交換装置6は、格納するノズル5を所定の面内方向であるX軸方向にのみ傾斜可能な構造を有し、光センサ2が高さを検出する所定の位置は、ノズル交換装置6にノズル5を格納する格納部69の中心軸に対し、所定の面内方向に対して直交する面内方向であるY軸方向にずらした位置である。このため、本実施形態によれば、光センサ2が高さを検出する位置が、ノズル5のX軸方向の傾斜によって、ノズル5の段部54よりも上方にある基端部51の陰になることが無いため、ノズル5の傾斜によらず、高さHを正確に検出することを可能にする。また、本実施形態によれば、光センサ2が高さを検出する位置が、ノズル5のX軸方向の傾斜角度との間の関係性が最も精度よく求められるため、ノズル5のX軸方向の傾斜角度を高い精度で求めることを可能にする。
【符号の説明】
【0055】
1…ノズル格納状態検出装置、2…光センサ、3…制御装置、3A…処理装置、3B…記憶装置、3C…入出力インターフェース、4…ヘッド、5…ノズル、5A…ノズル、5B…ノズル、6…ノズル交換装置、21…照射光、22…反射光、31…格納状態検出部、41…ヘッド本体、42…把持部、43…嵌込穴、51…基端部、51A…基端部、51B…基端部、52…胴体部、53…先端部、54…段部、54A…段部、54B…段部、55…突状部、55A…突状部、55B…突状部、56…中心軸、56A…中心軸、56B…中心軸、57…吸引管、61…小開口、62…ベース、63…大開口、64…スライドベース、65…長穴、66…スライドプレート、68…駆動部、69…格納部、H…高さ、HL…下限高さ、HU…上限高さ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7