(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-28
(45)【発行日】2023-09-05
(54)【発明の名称】プリンタの制御装置及びプリンタの制御方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20230829BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20230829BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20230829BHJP
G07G 1/06 20060101ALI20230829BHJP
【FI】
G06F3/12 334
B41J29/38 401
B41J29/38 202
G06F3/12 310
G06F3/12 336
G06F3/12 329
G07G1/12 331D
G07G1/06 F
(21)【出願番号】P 2019197813
(22)【出願日】2019-10-30
【審査請求日】2022-05-20
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトのアドレス:http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-S257, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-S4500, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-S251, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-S255, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-S601II, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-S651II, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-S801II, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-S851II, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-S280, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-S281, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-S281BD, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-S4000, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-S401 掲載日:平成30年10月30日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-P290, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-P291, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-P292, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-P293, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-P293PC, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-S601Type1, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-S651Type1, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-S801Type1, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-S851Type1, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-S2000, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=PMU23xxIII, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=PPU-700II, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-S300 掲載日:平成30年10月30日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-S310, http://www.citizen-systems.co.jp/english/support/download/printer/utility/software/index.html(http://www.citizen-systems.co.jp/english/support/download/printer/utility/software/index.html#POSPrinterUtility), https://www.citizen-systems.co.jp/english/support/download/printer/utility/software/data/POSPrinterUtilityManual.pdf 掲載日:平成30年10月30日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 [刊行物等] ウェブサイトのアドレス:http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-S257, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-S4500, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-S251, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-S255, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-S601II, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-S651II, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-S801II, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-S851II, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-S280, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-S281, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-S281BD, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-S4000, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-S401 掲載日:令和1年6月19日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-P290, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-P291, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-P292, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-P293, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-P293PC, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-S601Type1, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-S651Type1, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-S801Type1, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-S851Type1, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-S2000, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=PMU23xxIII, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=PPU-700II, http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-S300 掲載日:令和1年6月19日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 http://www.citizen-systems.co.jp/printer/download/utility/?p=CT-S310, http://www.citizen-systems.co.jp/english/support/download/printer/utility/software/index.html(http://www.citizen-systems.co.jp/english/support/download/printer/utility/software/index.html#POSPrinterUtility), https://www.citizen-systems.co.jp/english/support/download/printer/utility/software/data/POSPrinterUtilityManual.pdf 掲載日:令和1年6月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507351883
【氏名又は名称】シチズン・システムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【氏名又は名称】三浦 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】川上 俊行
(72)【発明者】
【氏名】入澤 保明
【審査官】豊田 真弓
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-192664(JP,A)
【文献】特開2013-214228(JP,A)
【文献】特開2012-141880(JP,A)
【文献】特開2014-148172(JP,A)
【文献】特開2015-228065(JP,A)
【文献】特開2016-178405(JP,A)
【文献】特開2018-022362(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
B41J 29/38
G07G 1/12
G07G 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部を有するプリンタに接続され、前記プリンタを制御する制御装置であって、
前記プリンタを制御するための制御コマンドを前記プリンタに送信する制御コマンド送信部を有し、
前記制御コマンドには、
前記プリンタを印刷待機状態に設定する印刷待機状態設定コマンドと、
前記プリンタの記憶部に記憶されている情報を消去する消去コマンドと、
前記プリンタの機種に応じて、対応可能なプリンタと対応可能でないプリンタとがある所定コマンドと、が含まれ、
前記制御装置は、前記プリンタに前記印刷待機状態設定コマンドを送信した後、前記プリンタに前記所定コマンドを送信し、その後、前記プリンタに前記消去コマンドを送信し、
前記制御装置は、前記プリンタが受信した印刷データの印刷を開始させる印刷開始コマンドを前記プリンタに送信可能であり、
前記印刷待機状態設定コマンドは、前記プリンタが受信した印刷データを、前記プリンタが、前記印刷開始コマンドを受信せずに印刷を開始する第1印刷モードから、前記印刷開始コマンドを受信してから印刷を開始する第2印刷モードに変更する第2印刷モード切替コマンドである、
ことを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記第1印刷モードは、印刷する1ライン分の印刷データを前記プリンタが受信した時点で印刷を開始するモードである、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記プリンタは、前記第2印刷モードから前記第1印刷モードへの切替りの際に、前記第2印刷モードで受信して記憶した印刷データを消去する動作を行い、
前記制御装置は、前記プリンタに、前記消去コマンドとして、前記第2印刷モードから前記第1印刷モードに切り替える第1印刷モード切替コマンドを送信する、
請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御装置は、さらに、前記所定コマンドに対応するプリンタからの応答の有無、又は、前記所定コマンドに対応するプリンタからの応答に含まれる応答情報に基づいて、前記プリンタが前記所定コマンドに対応しているか否かである対応の可否を判断する判断部を有する、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記判断部は、前記応答情報に、前記所定コマンドに対応した情報が含まれているか否かに基づいて、前記対応の可否を判断する、
請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記制御コマンドは、さらに、
前記プリンタに所定情報を登録する所定情報登録コマンドと、
前記プリンタから前記所定情報、又は、前記所定情報に対応する情報を、応答情報として取得する応答情報取得コマンドをさらに含む、
請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
記憶部を有するプリンタを制御する制御方法であって、
制御コマンド送信部が、前記プリンタを制御するための制御コマンドを前記プリンタに送信するステップを有し、
前記制御コマンドには、
前記プリンタを印刷待機状態に設定する印刷待機状態設定コマンドと、
前記プリンタの記憶部に記憶されている情報を消去する消去コマンドと、
前記プリンタの機種に応じて、対応可能なプリンタと対応可能でないプリンタとがある所定コマンドと、が含まれ、
前記プリンタに前記印刷待機状態設定コマンドを送信した後、前記プリンタに前記所定コマンドを送信し、その後、前記プリンタに前記消去コマンドを送信するステップをさらに有し、
前記制御方法は、前記プリンタが受信した印刷データの印刷を開始させる印刷開始コマンドを前記プリンタに送信可能であり、
前記印刷待機状態設定コマンドは、前記プリンタが受信した印刷データを、前記プリンタが、前記印刷開始コマンドを受信せずに印刷を開始する第1印刷モードから、前記印刷開始コマンドを受信してから印刷を開始する第2印刷モードに変更する第2印刷モード切替コマンドである、
ことを特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタの制御装置及びプリンタの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
販売時点情報管理(POS:point-of-sale)システムは、小売業や飲食業等で広く使用されている。POSシステムは、サーバ、及びサーバに接続された多数のPOS端末からなる。各POS端末には、ホストコンピュータ、表示装置、及びレシート等を印刷するためのPOSプリンタが備えられている。
【0003】
これまでに、ホスト装置がプリンタに機種識別情報の送出を要求し、この要求に応えて、プリンタがホスト装置に機種識別情報を送出し、ホスト装置は機種識別情報に基づいてプリンタを制御するPOSシステムが報告されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
ここで、「機種識別情報」とは、プリンタの機種を識別可能な情報である。プリンタには、ホスト装置から送出されるコマンドに対応する機種と未対応の機種とがある。ホスト装置は、プリンタから取得した機種識別情報に基づいて、制御しようとするプリンタの機種毎に対応するコマンドを送出する。従って、特許文献1に記載のPOSシステムにおいては、ホスト装置等に、制御しようとするプリンタの機種識別情報をコマンドの種類と対応付けて予め記憶させておく必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このようなシステムでは、ホスト装置等が、制御対象とする全てのプリンタについて、識別情報と制御コマンドとの対応情報を記憶する必要があり、プリンタの機種が増えたり、対応するコマンドに変更があった場合には、逐次、対応情報の修正が必要となる。プリンタの機種識別情報が不明な場合は、プリンタに制御コマンドを送出することができない。仮に、従来のPOSシステムにおいて、未対応の制御コマンドをプリンタに送信するシステム構成にすると、プリンタは未対応のコマンドを印刷データとして認識するなど動作が不安定な状態に陥る事態が生じるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の実施形態に係るプリンタの制御装置は、記憶部を有するプリンタに接続され、プリンタを制御する制御装置であって、プリンタを制御するための制御コマンドをプリンタに送信する制御コマンド送信部を有し、制御コマンドには、プリンタを印刷待機状態に設定する印刷待機状態設定コマンドと、プリンタの記憶部に記憶されている情報を消去する消去コマンドと、プリンタの機種に応じて、対応可能なプリンタと対応可能でないプリンタとがある所定コマンドと、が含まれ、制御装置は、プリンタに印刷待機状態設定コマンドを送信した後、プリンタに所定コマンドを送信し、その後、プリンタに消去コマンドを送信することを特徴とする。
【0008】
本開示の実施形態に係るプリンタの制御方法は、制御コマンド送信部が、プリンタを制御するための制御コマンドをプリンタに送信するステップを有し、制御コマンドには、プリンタを印刷待機状態に設定する印刷待機状態設定コマンドと、プリンタの記憶部に記憶されている情報を消去する消去コマンドと、プリンタの機種に応じて、対応可能なプリンタと対応可能でないプリンタとがある所定コマンドと、が含まれ、プリンタに印刷待機状態設定コマンドを送信した後、プリンタに所定コマンドを送信し、その後、プリンタに消去コマンドを送信するステップをさらに有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本開示の実施形態に係るプリンタの制御装置及びプリンタの制御方法によれば、対象のプリンタには未対応の制御コマンドがプリンタに送信された場合であっても、プリンタの動作が不安定な状態となることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の第1実施形態に係るプリンタの制御装置の機能ブロック図である。
【
図2】本開示の第1実施形態に係るプリンタの制御方法の手順を表すフローチャートである。
【
図3】本開示の第2実施形態に係るプリンタの制御装置の機能ブロック図である。
【
図4】本開示の第2実施形態に係るプリンタの制御方法の手順を表すフローチャートである。
【
図5】本開示の第2実施形態の他の例に係るプリンタの制御方法の手順を表すフローチャートである。
【
図6】本開示の実施例1に係るプリンタの制御装置を用いて画像登録を行う場合の表示部における表示例を示す図である。
【
図7】本開示の実施例1に係るプリンタの制御装置を用いてキーコード一覧データを正常に取得した場合の表示部における表示例を示す図である。
【
図8】本開示の実施例1に係るプリンタの制御方法であって、プリンタがキーコードに対応するか否かを判断する手順を表すフローチャートである。
【
図9】本開示の実施例2に係るプリンタの制御方法であって、プリンタが階調画像データに対応するか否かを判断する手順を表すフローチャートである。
【
図10】本開示の実施例3に係るプリンタの制御方法であって、ダミーデータを利用してプリンタが階調画像データに対応するか否かを判断する手順を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明に係るプリンタの制御装置及びプリンタの制御方法について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態には限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0012】
まず、本開示の第1実施形態に係るプリンタの制御装置について説明する。
図1に本開示の第1実施形態に係るプリンタの制御装置101の機能ブロック図を示す。制御装置101は、表示部1と、入力部2と、制御部20と、インターフェース(I/F)部30と、を有し、POSプリンタ(以下、単に「プリンタ」ともいう。)200に接続されている。
【0013】
制御装置101はPOS端末としてプリンタ200と一体化されていてもよいし、独立したプリンタ200に接続されるコンピュータであってもよい。制御装置101は、ノートPCやデスクトップPCでもよいし、携帯端末であってもよい。
【0014】
プリンタ200は、記憶部210を有する。記憶部210は、制御装置101から送信された制御コマンドやデータを記憶する。プリンタ200には、サーマルプリンタ、ドットインパクトプリンタ等のプリンタを用いることができる。制御装置101に接続されるプリンタ200は1台でもよいし、複数台でもよい。
【0015】
制御部20は、制御装置101全体を制御し、プログラムを実行するLSI等の中央演算処理装置(CPU:Central Processing Unit)(図示せず)、基本制御プログラム等を記憶するROM(図示せず)、アプリケーションプログラムや画像データ等を記憶するRAM(図示せず)等を備えている。ここで、「画像」には、図案化または装飾化された文字や文字列であるロゴが含まれ、「画像データ」は、画素によって視覚的に表されたデータであれば、その内容を問わない。
【0016】
I/F部30は、制御部20とプリンタ200との間で有線または無線により通信を行う。
【0017】
表示部1は、液晶表示装置や有機EL表示装置等の表示パネル(図示せず)を備え、制御部20により制御されて、画像登録画面等を表示パネルに表示する。表示部1は、プリンタ200を制御するための制御コマンドをプリンタ200に送信するためのアイコン(以下、「ボタン」ともいう。)を表示する。
【0018】
入力部2は、キーボードや、マウス、タッチパネル、音声入力等の入力装置を備え、ユーザによる操作を検出し、操作信号として制御部20に出力する。入力部2は、表示部1に表示されたアイコンを選択するための情報を入力する。
【0019】
制御部20は、制御コマンド送信部3と、応答受信部4と、エラー表示部5と、を有する。制御部20の各構成要素は、CPUにおいてソフトウェアまたはファームウェアにより実現することができる。
【0020】
制御コマンド送信部3は、入力部2により表示部1に表示されたアイコンが選択された場合に、選択されたアイコンに対応した制御コマンドをプリンタ200に送信する。即ち、アイコン(ボタン)を入力部2であるマウス等を用いて選択することにより、各ボタンに対応した制御コマンドが制御コマンド送信部3からI/F部30を介して、プリンタ200へ送信される。
【0021】
応答受信部4は、制御コマンド送信部3からプリンタ200に送信された制御コマンドに対応した応答をプリンタ200から受信する。
【0022】
エラー表示部5は、プリンタ200に送信した制御コマンドはプリンタ200に非対応と判断された場合に、表示部1にエラーを表示する。
【0023】
本開示の第1実施形態に係るプリンタの制御装置においては、プリンタ200を制御するための制御コマンドをプリンタ200に送信する制御コマンド送信部3を有し、制御コマンドには、プリンタ200を印刷待機状態に設定する印刷待機状態設定コマンドと、プリンタ200の記憶部210に記憶されている情報を消去する消去コマンドと、プリンタ200の機種に応じて、対応可能なプリンタと対応可能でないプリンタとがある所定コマンドと、が含まれ、制御装置101は、プリンタ200に印刷待機状態設定コマンドを送信した後、プリンタ200に所定コマンドを送信し、その後、プリンタ200に消去コマンドを送信する。
【0024】
次に、本開示の実施形態に係るプリンタの制御方法について説明する。
図2に本開示の第1実施形態に係るプリンタの制御方法の手順を表すフローチャートを示す。
【0025】
まず、ステップS101において、制御コマンド送信部3が、印刷待機状態設定コマンドをプリンタ200に送信する。「印刷待機状態設定コマンド」とは、プリンタ200を印刷待機状態に設定するコマンドである。制御装置101の制御コマンド送信部3は、プリンタ200が受信した印刷データの印刷を開始させる印刷開始コマンドをプリンタ200に送信することができる。この場合、印刷待機状態設定コマンドは、プリンタ200が受信した印刷データを、プリンタ200が、印刷開始コマンドを受信せずに印刷を開始する第1印刷モード(スタンダードモード)から、印刷開始コマンドを受信してから印刷を開始する第2印刷モード(ページモード)に変更する第2印刷モード切替コマンドであることが好ましい。ここで、第1印刷モード(スタンダードモード)は、印刷する1ライン分の印刷データをプリンタが受信した時点で印刷を開始するモードである。
【0026】
次に、ステップS102において、制御コマンド送信部3が、所定コマンドをプリンタ200に送信する。ここで、「所定コマンド」とは、プリンタ200の機種に応じて、対応可能なプリンタと対応可能でないプリンタとがある制御コマンドである。プリンタ200は、所定コマンドに対応していれば、そのコマンドに応じた処理動作を実行する。プリンタ200が、所定コマンドに対応せず、所定コマンドを印刷用データと誤認識したとしても、印刷待機状態設定コマンドを受信したプリンタ200は印刷開始用コマンドを受信しない限り印刷を開始しない。そのため、プリンタ200が対応していない制御コマンドを受信した場合であっても印刷は実行されない。プリンタ200を印刷待機状態に設定しない場合、プリンタ200が対応していない制御コマンドを受信すると、その制御コマンドを印刷用データと誤認識して意図しない印刷(誤印字)を実行してしまう。しかしながら、本願発明のように、プリンタ200を印刷待機状態に設定することで、所定コマンドがプリンタ200に対応していない場合であっても誤印字を回避することができる。
【0027】
次に、ステップS103において、制御コマンド送信部3が、プリンタ200に消去コマンドを送信する。「消去コマンド」とは、プリンタ200の記憶部210に記憶されている情報を消去する制御コマンドである。所定コマンドがプリンタ200に対応していない場合、プリンタ200に所定の動作を実行させることができず、その所定コマンドは印刷データとして誤認識された不要なデータである。そこで、消去コマンドにより、プリンタ200の記憶部210に記憶された所定コマンドを消去することが好ましい。
【0028】
プリンタ200の記憶部210に記憶されたデータを消去する方法として、記憶部210に記憶されたデータを直接消去するコマンド以外に、消去コマンドとして、プリンタ200を第2印刷モード(ページモード)から第1印刷モード(スタンダードモード)に変更する方法もある。プリンタ200は、第2印刷モード(ページモード)から第1印刷モード(スタンダードモード)への切替りの際に、第2印刷モード(ページモード)で受信して記憶した印刷データを消去する動作を行うように構成されている。これを利用して、制御装置101は、プリンタ200に、消去コマンドとして、第2印刷モード(ページモード)から第1印刷モード(スタンダードモード)に切り替える第2印刷モード切替コマンドを送信するようにしてもよい。第2印刷モードから第1印刷モードに切り替える第2印刷モード切替コマンドを送信することで、プリンタ200は、第2印刷モードで受信して記憶した印刷データを消去する動作を行う。そのため、プリンタ200の記憶部210に記憶された印刷データを消去するために別途消去コマンドを送信する工程を省略することができる。なお、ここで、「印刷データ」には、所定コマンドに対応しないプリンタが、印刷用のデータとして誤って認識する非対応の所定コマンドが含まれる。
【0029】
以上のように、本開示の第1実施形態に係るプリンタの制御装置101においては、まず、制御コマンド送信部3が、印刷待機状態設定コマンドをプリンタに送信して、プリンタを印刷待機状態に設定し、その後に所定コマンドを送信する。この場合、所定コマンドがプリンタに対応していない場合であっても、プリンタが所定コマンドを印刷用データと誤認識して誤印字を行うことを回避することができる。即ち、プリンタが所定コマンドに対応しているか否かという情報を予め入手しなくても、所定コマンドに対応するプリンタには所定コマンドを実行させ、所定コマンドに対応しないプリンタによる誤印字を避けることができる。
【0030】
次に、本開示の第2実施形態に係るプリンタの制御装置について説明する。
図3に本開示の第2実施形態に係るプリンタの制御装置の機能ブロック図を示す。第2実施形態に係るプリンタの制御装置102が、第1実施形態に係る制御装置101と異なっている点は、応答情報に、所定コマンドに対応するプリンタ200からの応答の有無、又は、所定コマンドに対応するプリンタ200からの応答に含まれる応答情報に基づいて、プリンタ200が所定コマンドに対応しているか否かである対応の可否を判断する判断部6をさらに有する点である。第2実施形態に係るプリンタの制御装置102のその他の構成は、第1実施形態に係る制御装置101における構成と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0031】
図4に、本開示の第2実施形態に係るプリンタの制御方法の手順を表すフローチャートを示す。まず、ステップS201において、制御装置102の制御コマンド送信部3が、印刷待機状態設定コマンドをプリンタ200に送信する。次に、ステップS202において、制御コマンド送信部3が、所定コマンドをプリンタ200に送信する。
【0032】
次に、ステップS203において、判断部6が、所定時間内にプリンタ200から制御装置102に応答があったか否かを判断する。即ち、制御装置102の判断部6は、所定コマンドに対応するプリンタ200からの応答の有無に基づいて、プリンタ200が所定コマンドに対応しているか否かである対応の可否を判断する。所定時間内にプリンタ200から応答があった場合は、ステップS204において、判断部6は、プリンタ200は所定コマンドに対応していると判断する。
【0033】
一方、所定時間内にプリンタ200から応答がなかった場合(タイムアウト)は、ステップS205において、判断部6は、プリンタ200は所定コマンドに非対応であると判断する。
【0034】
以上のように、所定コマンドに対する応答が所定時間内にあるか否かに基づいてプリンタが所定コマンドに対応しているか否かを判断することができる。プリンタ200が所定コマンドに対応していないものと判断された場合は、制御装置102は、プリンタ200に送信した所定コマンドを消去するように消去コマンドを送信することができる。あるいは、制御装置102は、プリンタ200に送信した所定コマンドを消去するように、第2印刷モードから第1印刷モードに切り替える第2印刷モード切替コマンドを送信するようにしてもよい。その後、プリンタ200は、所定コマンドには対応していないことを前提として動作させることができる。
【0035】
なお、制御装置102とプリンタ200との間で断線等の接続障害が発生する可能性もある。この場合、プリンタ200が所定コマンドに対応していても、制御装置102から送信した所定コマンドにプリンタ200は応答せず、制御装置102は、プリンタ200が所定コマンドには対応していないと誤った判断をしてしまう。これを回避するために、制御装置102から、機種名取得コマンド等の全てのプリンタから応答が得られるコマンドを送ることにより、接続障害の有無も判断することができる。
【0036】
例えば、制御装置102は、所定コマンドに機種名取得コマンドを付加してプリンタ200に送信する。そして、制御装置102は、プリンタ200から所定コマンドと機種名取得コマンドのそれぞれに対応した応答があれば、プリンタ200は所定コマンドに対応していると判断する。また、制御装置102は、プリンタ200から機種名取得コマンドに対応した応答だけがあれば、プリンタ200は所定コマンドには対応していないと判断する。さらに、制御装置102は、プリンタ200から所定コマンドと機種名取得コマンドのどちらにも対応した応答がなければ、プリンタ200との接続に障害が発生していると判断する。さらに、制御装置102は、プリンタ200から所定コマンドに対応した応答だけがある場合は、プリンタ200は所定コマンドに対応しているが、プリンタ200が所定コマンドに対応した応答をした後に、プリンタ200との接続に障害が発生していると判断する。
【0037】
図5に、本開示の第2実施形態の他の例に係るプリンタの制御方法の手順を表すフローチャートを示す。まず、ステップS301において、制御装置102の制御コマンド送信部3が、印刷待機状態設定コマンドをプリンタ200に送信する。次に、ステップS302において、制御コマンド送信部3が、所定コマンドをプリンタ200に送信する。
【0038】
次に、ステップS303において、判断部6が、プリンタ200から制御装置102への応答情報に基づいて対応可否を判断する。即ち、制御装置102の判断部6は、所定コマンドに対応するプリンタ200からの応答に含まれる応答情報に基づいて、プリンタ200が所定コマンドに対応しているか否かである対応の可否を判断する。応答情報が、プリンタ200が所定コマンドに対応していることを表すものである場合は、ステップS304において、判断部6は、プリンタ200は所定コマンドに対応していると判断する。
【0039】
一方、応答情報が、プリンタ200が所定コマンドに非対応であることを表すものである場合は、ステップS305において、判断部6は、プリンタ200は所定コマンドに非対応であると判断する。
【0040】
以上のように、所定コマンドに対する応答情報に基づいてプリンタが所定コマンドに対応しているか否かを判断することができる。
【0041】
ここで、「応答情報」には、例えば、プリンタが階調データに対応しているか否かに関する情報が含まれる。詳細については後述する。
【0042】
図6に本開示の実施例1に係るプリンタの制御装置102(
図3参照)を用いて画像登録を行う場合の表示部1における表示例を示す。
図6に示した表示例において、プリンタ200を制御するための制御コマンドを送信するためのアイコン(ボタン)には、「登録」ボタン15、及び「モード変更」ボタン16が含まれる。これらのボタンの中には、プリンタ200が対応していない制御コマンドを送信するためのアイコン(ボタン)が含まれていてもよい。即ち、制御装置102は、各種制御コマンドが当該プリンタ200に対応しているか、あるいは非対応であるかを判別するためのプリンタの機種に固有の情報を備えていない。従って、表示部1に表示される画像登録に関連するGUIは、プリンタの機種に依存しない全機種共通(表示制限なし)のGUIである。即ち、制御装置102は、プリンタの機種に固有の情報を持たず、全機種共通のGUIを表示し、全機種共通の設定手順で画像登録を行う。
【0043】
制御装置102がプリンタ200に対して制御コマンドを送信するのに先立って、制御コマンド送信部3は、スタンダードモードからページモードに変更する印刷モード変更コマンド(前述の第2印刷モード切替コマンド)をプリンタ200に送信する。ここで、「スタンダードモード」は、印刷する1ライン分のデータをプリンタ200が受信した時点で印刷を開始するモードである。「ページモード」は、印刷する1頁分のデータをプリンタ200が受信した後に印刷開始コマンドを受信することによって印刷するモードである。スタンダードモードからページモードに変更することにより、プリンタ200が受信した制御コマンドがプリンタ200に対応していない場合であっても誤印字を回避することができる。
【0044】
制御コマンド送信部3は、表示部1に表示されたアイコンが選択された場合に、選択されたアイコンに対応した制御コマンドをプリンタ200に送信する。即ち、アイコン(ボタン)を、マウス等を用いて選択することにより、各ボタンに対応した制御コマンドが制御コマンド送信部3からI/F部30を介して、プリンタ200へ送信される。
【0045】
例えば、「登録」ボタン15は、
図6に示された一覧表11の登録欄12のチェックボックスのうち、チェックした画像データをプリンタ200に登録するための登録コマンドを制御コマンドとしてプリンタ200に送信するためのボタンである。
【0046】
「モード変更」ボタン16は、制御装置102側の画像登録モードとして、後述するキーコードモードまたはキーコード未使用モードのいずれかを選択する画面を表示するためのボタンである。
【0047】
制御装置102は、制御コマンド送信部3からプリンタ200に送信された制御コマンドに対応した応答をプリンタ200から受信する。例えば、「登録」ボタン15を選択し、対応する登録コマンドが制御コマンドとしてプリンタ200に送信された場合、プリンタ200において正常に登録が実行されたか否かを表す応答情報を受信するようにしてもよい。一例として、登録する対象の画像データが階調を有する画像データであった場合に、プリンタ200が階調を有する画像データに対応している場合には、プリンタに登録された階調画像データに対応するデータ(例えば、後述する、階調画像データに対応するキーコード)を応答情報として受信する。
【0048】
実施例1に係るプリンタの制御装置102は、プリンタ200がキーコードモードに対応しているか否か(プリンタ200がキーコードデータを画像データに対応付けて記憶することができるか否か)を確認することができる。ここで、「キーコード」とは、プリンタ200に登録する画像データに対応した識別コードである。例えば、
図6において、制御装置102からプリンタ200にキーコードモードで画像を登録する場合に、ユーザが各画像データに対して自由に設定可能な文字列(
図6で例示するユーザが入力した「L1」~「L5」)がキーコードである。
図6には、5つのキーコードを表示した例を示しているが、キーコードは6つ以上であってもよい。また、制御装置102からプリンタ200にキーコード未使用モードで画像を登録する場合、プリンタ200によって各画像データに自動的に連番が付与される。なお、付与された連番は、プリンタ200から取得できない。キーコードモードとキーコード未使用モードは、「モード変更」ボタン16を押すことによって表示される画面から選択することができる。
【0049】
制御コマンド送信部3は、プリンタ200に登録する画像データに対応した識別コードであるキーコードと画像データとを含む登録コマンドをプリンタに送信する。例えば、
図6に示すように、各画像データに対して、キーコードとして「L1」~「L5」を入力しておき、登録欄12のチェックボックスの少なくとも1つにチェックを入れた状態で登録ボタン15をクリックすると、プリンタ200に登録コマンドが送信される。
【0050】
さらに、制御コマンド送信部3は、キーコードの一覧データを取得するための取得コマンドを制御コマンドとしてプリンタ200に送信する。
【0051】
プリンタ200がキーコードに対応している場合には、プリンタ200はキーコードの一覧データを制御装置102に送信する。判断部6は、制御装置102がプリンタ200からキーコードの一覧データを取得したか否かに基づいて、キーコードの一覧データを取得するための取得コマンドがプリンタ200に対応しているか否かを判断する。
【0052】
判断部6は、制御装置102がプリンタ200からキーコードの一覧データを取得した場合には、プリンタ200がキーコードの一覧データを取得するための取得コマンドに対応していると判断する。即ち、判断部6は、プリンタ200がキーコードモードに対応していると判断する。この場合、制御装置102はプリンタ200からキーコードの一覧データを取得すると、表示部1にキーコードの一覧を表示する。
図7に、本開示の実施例1に係るプリンタの制御装置102を用いてキーコード一覧データを正常に取得した場合の表示部1における表示例を示す。キーコードの一覧データはキーコード一覧表示領域21に表示される。
図7には、キーコード一覧表示領域21にキーコード「L1」~「L4」が表示された例を示している。また、取得したキーコード一覧データに表示されたキーコードを選択した状態で印刷ボタン22をクリックすることにより選択したキーコードに対応した画像を印刷することができる。また、取得したキーコード一覧データに表示されたキーコードを選択した状態で消去ボタン23をクリックすることにより選択したキーコードに対応した画像を消去することができる。また、全消去ボタン24をクリックすることにより、取得したキーコード一覧データに表示された全てのキーコードに対応した画像を消去することができる。また、一覧取得ボタン25をクリックすることにより、キーコードの一覧データを取得し直すことができる。
【0053】
一方、判断部6が、キーコードの一覧データを取得するための取得コマンドである制御コマンドはプリンタ200に非対応であると判断した場合には、エラーを表示する。
【0054】
なお、制御装置102側の画像登録モードがキーコード未使用モードの場合、プリンタ200が付与した連番を取得できないため、キーコード一覧表示領域21に、連番を表示するようにしてもよい。例えば、番号「1」~「100」を表示するようにしてもよい。
【0055】
以上のようにしてプリンタ200がキーコードモードに対応しているか否かを判断した後に、ページモードをスタンダードモードに戻す。ページモードをスタンダードモードに戻すことにより、プリンタ200の記憶部210にキーコードモードには対応していないプリンタ200が誤認識して印刷データとして記憶したデータを消去することができる。
【0056】
実施例1に係るプリンタの制御装置においては、スタンダードモードからページモードに変更してからプリンタがキーコードに対応しているか否かのチェックを行っているため、キーコードに対応していないプリンタに対してキーコード一覧取得のため制御コマンドを送信した場合であっても、印刷をすぐには開始しない。したがって、キーコードモードに対応していないプリンタによる誤印字を回避して無駄な印刷を防止することができる。
【0057】
次に、本開示の実施例1に係るプリンタの制御方法について説明する。
図8に本開示の実施例1に係るプリンタの制御方法の手順を表すフローチャートを示す。
【0058】
図8のフローチャートは、プリンタの制御装置102の表示部1が
図6に示した表示状態であることを前提として説明する。すなわち、ユーザがプリンタ200に対して登録する画像データ14に対し、登録キーコード入力欄13には「L1」~「L5」が入力済みであり、登録欄12のチェックボックスにチェックが入力された状態とする。
【0059】
また、
図8のフローチャートのステップS401からS408は、「開始」において、ユーザが「登録」ボタン15をクリックした後の処理を示す。
【0060】
まず、「開始」において、ユーザが画像データをプリンタ200に登録するため登録ボタン15をクリックした後、ステップS401において、制御コマンド送信部3が、スタンダードモードからページモードに変更する印刷モード変更コマンドをプリンタ200に送信する。
【0061】
次に、ステップS402において、制御コマンド送信部3が、登録欄12のチェックボックスにチェックが入力されてプリンタ200に登録する画像データと、これに対応した識別コードであるキーコードを含む登録コマンドをプリンタ200に送信する。即ち、制御コマンド送信部3が、プリンタ200に所定情報であるキーコードデータを含む所定情報登録コマンドを送信する。
【0062】
なお、「登録」ボタン15をクリックした直後にユーザに画像データの登録を実行することに同意を求める画面表示を行い(例えば、「ok」ボタンを表示して)、ユーザが同意する操作をしたら(例えば、「ok」ボタンをクリックしたら)、ステップS401の処理を実行するようにしてもよい。
【0063】
次に、ステップS403において、キーコードの一覧データを取得するためのキーコード一覧データ取得コマンドを制御コマンドとしてプリンタ200に送信する。即ち、制御コマンド送信部3が、プリンタ200から所定情報、又は、所定情報に対応する情報を、応答情報として取得する応答情報取得コマンドをプリンタ200に送信する。ここでは、「登録」ボタン15を選択することにより、キーコードの一覧データを取得するための取得コマンドがプリンタ200に送信される。次に、ステップS404において、送信された制御コマンドであるキーコード一覧データ取得コマンドに対する応答をプリンタ200から受信する。
【0064】
次に、ステップS405において、判断部6が、制御装置102がプリンタ200からキーコードの一覧データを取得したか否かを判断する。即ち、判断部6は、制御コマンド送信部3が取得コマンドをプリンタ200に送信してから所定時間内に、制御装置102がキーコードの一覧データを取得できた場合に、キーコードと画像データとを含む登録コマンドがプリンタ200に対応していると判断する。一方、制御装置102が所定時間内にキーコードの一覧データを取得できなかった場合に、キーコードと画像データとを含む登録コマンドがプリンタに非対応であると判断する。
【0065】
ステップS405の結果として、制御装置102がキーコードの一覧データを取得できた場合には、ステップS406において、プリンタ200が、キーコード一覧取得コマンドに対して正常に動作し、プリンタ200はキーコードに対応しているものと判断する。例えば、表示部1に表示された登録ボタン15をクリックして、画像データを登録するための制御コマンドがプリンタ200に送信された場合に、
図7に示すキーコード一覧データが正常に表示されたときは、キーコードに対応しているものと判断する。
【0066】
一方、プリンタ200がキーコード一覧取得コマンドに対してキーコード一覧データを所定時間内に送信しない場合には、ステップS407において、プリンタ200は送信したキーコードには非対応と判断する。この場合、ステップS408において、表示部1にエラーメッセージを表示する。
【0067】
さらに、プリンタ200がキーコードモードに対応しているか否かを判断した後に、ページモードをスタンダードモードに戻す。
【0068】
以上のようにして、実施例1に係るプリンタの制御装置においては、スタンダードモードからページモードにモードを変更した後に、プリンタがキーコードに対応しているか否かのチェックを行っているため、プリンタがキーコードに対応していない場合であっても、プリンタが印刷を開始しないため無駄な印刷を防止することができる。
【0069】
次に、本開示の実施例2に係るプリンタの制御装置について
図3を用いて説明する。実施例2に係るプリンタの制御装置は、プリンタが階調を有する画像データに対応しているか否かをチェックする機能を有する。
【0070】
制御装置102は、階調を有する階調画像データを作成する。ここでは、プリンタ200が階調を有する画像に対応しているか否かをチェックすることを目的としているため、画像データは階調を有する画像データであることを表す特定のフォーマットに準拠していればよく、単純な階調画像データ(所謂、ダミーデータ)であってもよい。
【0071】
制御コマンド送信部3は、スタンダードモードからページモードに変更するモード変更コマンドをプリンタ200に送信する。
【0072】
制御コマンド送信部3は、階調画像データをキーコードと共にプリンタに登録するための登録コマンドを制御コマンドとして送信する。例えば、
図6に示すように、画像データ欄14に表示されるような階調を有する画像データを用意し、キーコード入力欄13にキーコード「L1」~「L5」を入力し、登録欄12のチェックボックスの少なくとも1つにチェックを入れた状態で、登録ボタン15をクリックすることにより、階調画像データをキーコードと共にプリンタ200に登録するための登録コマンドが制御コマンドとして送信される。
【0073】
なお、
図6の例では、「キー」L3~L5として表示する画像データが階調を有し、「bpp」欄に「4」と表示される。一方、「キー」L1,L2として表示される画像データは階調を有さず、「bpp」欄に「1」と表示される。
【0074】
制御装置102は、プリンタ200からキーコードの一覧データを取得する。
【0075】
階調を有する画像に対応するプリンタはキーコードモードに対応していることが前提であるので、登録ボタン15をクリックすると
図7に示すようなキーコード一覧が表示される。
【0076】
プリンタ200が階調画像データに対応している場合には、プリンタ200にはキーコードとともに階調画像データが登録される。そこで、
図7の一覧取得ボタン25をクリックして制御装置102からキーコード一覧取得コマンドを送信し、キーコードの一覧データをプリンタ200から受信して、
図7に示す登録画像データのキーコード一覧を表示させる。
【0077】
判断部6は、制御装置102が受信したキーコードの一覧データにキーコードが登録されたか否かに基づいて、階調画像データとキーコードを含む登録コマンドがプリンタに対応しているか否かを判断する。キーコードの一覧データにキーコードが登録されたか否かは、
図7に示した「一覧取得」ボタン25をクリックすることにより確認することができる。「一覧取得」ボタン25をクリックした場合に、
図6のキーコード入力欄13に入力した階調画像のキーコードが
図7に示すキーコード一覧に表示されていれば、プリンタ200は階調画像に対応していると判断することができる。
【0078】
判断部6は、制御装置102がプリンタ200から受信したキーコードの一覧データに階調画像データに対応するキーコードが含まれる場合には、階調画像データをキーコードと共にプリンタ200に登録するための登録コマンドに対応していると判断する。即ち、判断部6は、プリンタ200が階調を有する画像データに対応していると判断する。
【0079】
一方、プリンタ200が階調画像に対応していない場合、プリンタ200は、階調画像データを含む登録コマンド(純粋なコマンドの部分と、それに続く画像データ等のパラメータの部分のうちの前者)を認識できないため登録せずに、受信した登録コマンドの全体を印刷データとして処理する。(このように、階調画像データを含む登録コマンドに対応するか否かは、以下の説明では、階調画像データに対応するか否かとして記載する。)これにより、プリンタ200は、制御装置102から受信した取得コマンドに対し、階調画像を含まないキーコードの一覧データを制御装置102に送信する。そこで、制御装置102がプリンタ200から受信したキーコードの一覧データに、登録を試みた階調画像に対応するキーコードが含まれていなかった場合に、判断部6が、階調画像データをプリンタ200に登録するための登録コマンドはプリンタ200に非対応であると判断する。この場合には、表示部1にエラーを表示する。
【0080】
以上のようにしてプリンタ200が階調を有する画像データに対応しているか否かを判断した後に、ページモードをスタンダードモードに戻す。
【0081】
実施例2に係るプリンタの制御装置においては、スタンダードモードからページモードに変更してからプリンタが階調を有する画像データに対応しているか否かのチェックを行っているため、階調を有する画像データに対応していないプリンタに対して階調を有する画像データの登録のため制御コマンドを送信した場合であっても、印刷をすぐには開始しない。したがって、階調を有する画像データに対応していないプリンタによる無駄な印刷を回避することができる。
【0082】
図9に、本開示の実施例2に係るプリンタの制御方法であって、プリンタが階調画像データに対応するか否かを判断する手順を表すフローチャートを示す。
【0083】
図8に示したフローチャートと同様であり、プリンタの制御装置102の表示部1が
図6に示した表示状態であることを前提として説明する。
【0084】
まず、「開始」において、ユーザが画像データをプリンタ200に登録するため登録ボタン15をクリックした後、ステップS501において、制御コマンド送信部3が、スタンダードモードからページモードに変更する印刷モード変更コマンドをプリンタ200に送信する。
【0085】
次に、ステップS502において、制御コマンド送信部3が、階調画像データをキーコードと共にプリンタ200に登録するための登録コマンドを制御コマンドとしてプリンタ200に送信する。即ち、制御コマンド送信部3が、プリンタ200に所定情報であるキーコードデータを含む所定情報登録コマンドを送信する。
【0086】
次に、ステップS503において、キーコードの一覧データを取得するためのキーコード一覧データ取得コマンドをプリンタ200に送信する。即ち、制御コマンド送信部3が、プリンタ200から所定情報、又は、所定情報に対応する情報を、応答情報として取得する応答情報取得コマンドをプリンタ200に送信する。
【0087】
次に、ステップS504において、判断部6が、キーコードの一覧データに階調画像データが登録されているか否かを判断する。
【0088】
キーコードの一覧データに階調画像データが登録されている場合には、ステップS505において、プリンタ200は階調画像データに対応しているものと判断する。例えば、表示部1に表示された「一覧取得」ボタン25をクリックして、キーコードと共に登録された画像データの一覧に、階調画像データに対応するキーコードが含まれている場合には、そのキーコードが表示され、プリンタ200は階調を有する画像データに対応しているものと判断する。
【0089】
一方、キーコードの一覧データに階調画像データに対応するキーコードが含まれていない場合には、ステップS506において、プリンタ200は階調画像データには非対応と判断する。この場合、ステップS507において、表示部1にエラーメッセージを表示する。
【0090】
さらに、プリンタ200が階調画像データに対応しているか否かを判断した後に、ページモードをスタンダードモードに戻す。
【0091】
次に、本開示の実施例3に係るプリンタの制御方法について説明する。
【0092】
本開示の実施例3は、ダミーデータを利用してプリンタが階調画像データに対応するか否かを判断する。
【0093】
実施例2で説明したように、プリンタが階調画像データに対応するか否かを判断する場合は、ユーザが登録しようとする画像データのサイズが大きければ、制御装置102からプリンタ200への階調画像データの送信に時間がかかる。これにより、ユーザが登録ボタン15をクリックした後、しばらくしてから、判断部6がプリンタ200は階調画像データには非対応と判断して、エラー表示等がされることになる。
【0094】
これに対し、本開示の実施例3では、プリンタ200が階調画像データに非対応である場合に、ユーザが登録しようとする画像データのサイズが大きくても、実施例2の場合よりも早くエラー表示をすることができる。
【0095】
図10に、本開示の実施例3に係るプリンタの制御方法であって、ダミーデータを利用してプリンタが階調画像データに対応するか否かを判断する手順を表すフローチャートを示す。
【0096】
プリンタの制御装置102の表示部1が
図6に示した表示状態のように、ユーザがプリンタ200に対して登録する画像データ14とキーコードとが入力済みであり、登録欄12のチェックボックスにチェックが入力された状態とする。
【0097】
まず、「開始」において、ユーザが登録ボタン15をクリックすると、制御コマンド送信部3が、スタンダードモードからページモードに変更する印刷モード変更コマンドをプリンタ200に送信(図示を省略)した後、ステップS601において、制御装置102がプリンタ200にキーコードを取得するコマンドを送信する。
【0098】
次に、ステップS602において、制御装置102がプリンタ200から応答データを受信する。
【0099】
次に、ステップS603において、判断部6が、プリンタ200からキーコードのリストが返信されたか否かを判断する。キーコードのリストが返信された場合は、ステップS604において、プリンタ200はキーコードに対応していると判断する。一方、キーコードのリストが返信されなかった場合は、ステップS605において、プリンタ200はキーコードに対応していないと判断して、ステップS612でエラー等の表示を行い、処理を終了する。
【0100】
次に、ステップS606において、制御装置102がプリンタ200にダミーの階調画像データとして4bit(16階調)データを登録する所定コマンドを送信する。ダミーの階調画像データは、制御装置102からプリンタ200に短時間で送信できるような小さなサイズのデータであり、制御装置102の図示しない記憶部に記憶されている。
【0101】
次に、ステップS607において、制御装置102がプリンタ200にキーコードを取得するコマンドを送信する。
【0102】
次に、ステップS608において、制御装置102がプリンタ200から応答データを受信する。
【0103】
次に、ステップS609において、判断部6が、プリンタ200から返信された、所定コマンドに対応するプリンタからの応答に含まれる応答情報であるキーコードのリストに、所定コマンドに対応した情報である階調画像データに対応するキーコードが含まれているか否かを判断する。判断部6は、応答情報に、所定コマンドに対応した情報が含まれているか否かに基づいて、対応の可否を判断する。階調画像データに対応するキーコードが含まれている場合は、ステップS610において、プリンタ200は、階調画像データに対応すると判断する。一方、階調画像データに対応するキーコードが含まれていない場合は、ステップS611において、プリンタ200は、階調画像データに非対応と判断し、ステップS612でエラー等の表示を行い、処理を終了する。
【0104】
ステップS601~ステップS612の間で制御装置102からプリンタ200に送信される階調画像データは、ダミーデータとして予め記憶されている小さなサイズのデータである。従って、ユーザが登録ボタン15をクリックしてから、短い時間でステップS612においてエラー等の表示を行うことができる。
【0105】
ステップS610において、プリンタ200が階調画像データに対応すると判断した場合は、ステップS613において、制御装置102は、プリンタ200に送信したダミーの階調画像データに対応するキーコードを指定して、プリンタ200に登録されたダミーの階調画像データを消去するためのコマンドを送信する。
【0106】
そして、ステップS614において、制御装置102は、ユーザが選択した階調画像データをキーコードとともにプリンタ202に送信する。ここで、ステップS614~ステップS617の処理は、実施例2の
図9と同様であるため、説明を省略する。
【0107】
ステップS618において、プリンタ200から取得したキーコードの一覧データに、ステップS614で送信した階調画像データに対応するキーコードが含まれている場合には、ステップS618において、階調画像データの登録に成功と判断し、ステップS619において、登録が成功したことを表示して、処理を終了する。
【0108】
ステップS617において、プリンタ200から取得したキーコードの一覧データに、ステップS614で送信した階調画像データが含まれてない場合には、ステップS620において、階調画像データの登録に失敗と判断し、ステップS621において、エラーを表示して、処理を終了する。
【0109】
さらに、
図10におけるそれぞれの処理の終了の前に、制御装置102は、プリンタ200をページモードからスタンダードモードに戻す処理を行う。
【0110】
以上のようにして、実施例3に係るプリンタの制御装置においては、スタンダードモードからページモードにモードを変更した後に、プリンタが階調画像データに対応しているか否かのチェックを行っているため、プリンタが階調画像データに対応していない場合であっても、プリンタが印刷を開始しないため無駄な印刷を防止することができる。
【0111】
しかも、ユーザが登録しようとする画像データのサイズが大きく、プリンタ200が階調画像データを含む登録コマンドに非対応であっても、早くエラー表示をすることができる。
【0112】
以上の説明において、キーコードの一覧を取得するコマンドの例で説明したが、キーコード以外に、例えば、プリンタの不揮発性メモリの容量や残容量に関するデータを取得するコマンドなどにも適用できる。また、プリンタにデータを登録したり、プリンタからデータを取得したりすることに関するコマンド以外にも、プリンタに印刷や記憶内容の消去に関する指示を行うコマンド等などにも適用することもできる。
【0113】
また、以上の説明において、制御装置は、各実施形態及び各実施例において、それぞれのフローチャートに示した処理を実行する際の最初に印刷待機状態に設定するコマンド(スタンダードモードからページモードに変更するコマンド)を送信し、処理を終了する前に印刷を開始できる状態に設定するコマンド(ページモードからスタンダードモードに戻すコマンド)を送信するようにした。しかし、これに加えて、それぞれのフローチャートに示した処理の途中でプリンタに送信されるそれぞれのコマンドの送信直前にプリンタを印刷待機状態に設定するコマンドを送信し、それぞれのコマンドの送信直後に印刷を開始できる状態に設定するコマンドを送信してもよい。
【0114】
ユーザが任意サイズの元画像を選択し、これ以下のサイズへの画像処理により、プリンタで印刷する画像を作成するツールについて説明する。このツールは以下のようにして画像を縮小する。
(a)定型サイズ幅の選択肢のうち、ユーザが選択した元画像幅より大きな幅の選択肢を非表示にする。これにより、画像処理の対象外の選択枝を選ばせないようにする。
(b)ユーザが選択した元画像幅と同じ幅が定型サイズの選択枝に無い場合、
・元画像幅が定型サイズの最大値幅以上なら、定型サイズの最大幅値を選択状態とし、
・元画像幅が定型サイズの最大値幅未満なら、元画像幅を選択肢に加えて初期値とし、(a)の非表示処理をする。
・「幅」の選択肢は元画像の「幅」に依存して動的に変化させる。下記に例を示す。
【0115】
第1のケースは、元画像幅が832ドット以上の場合である。これは、最も選択肢が多いケースである。表1において、832[dots]が最大幅へ縮小した選択肢である。また、◎は選択状態(初期値)を示し、〇は非選択状態を示す。
【0116】
【0117】
第2のケースは、元画像幅が576ドットの場合である。この場合、832ドット以下、384以上、基本選択肢のいずれかと一致する。576ドット以上の選択肢を非表示にする。
【0118】
【0119】
第3のケースは、元画像幅が400ドットの場合である。この場合、832ドット以下、384以上、全ての基本選択肢と不一致となる。そこで、元画像幅の選択肢を動的に生成し、400ドット以上の選択肢を非表示にする。
【0120】
【0121】
第4のケースは、元画像幅が384ドット未満の場合である。この場合は、最も選択肢が少ないケースである。例えば、元画像幅は240ドットの例を表4に示す。元画像幅の選択肢を動的に生成し、240ドット以上の選択肢を非表示にする。
【0122】
【0123】
上記の表において、832、576、432ドットが、それぞれ、5、4、3インチ幅の用紙に対応している。従って、プリンタ用紙の幅に応じて画像を最適なサイズに縮小することができる。
【符号の説明】
【0124】
1 表示部
2 入力部
3 制御コマンド送信部
4 応答受信部
5 エラー表示部
6 判断部
7 モード変更部
20 制御部
30 インターフェース(I/F)部
101、102 制御装置
200 プリンタ
210 記憶部