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特許7339182成果報酬判定サーバ、成果報酬判定方法、及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-28
(45)【発行日】2023-09-05
(54)【発明の名称】成果報酬判定サーバ、成果報酬判定方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/00 20180101AFI20230829BHJP
【FI】
G16H20/00
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020028150
(22)【出願日】2020-02-21
(65)【公開番号】P2021131808
(43)【公開日】2021-09-09
【審査請求日】2021-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】林 イラン
(72)【発明者】
【氏名】宮岡 真也
(72)【発明者】
【氏名】森口 泰行
(72)【発明者】
【氏名】杉山 浩平
【審査官】木村 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-003571(JP,A)
【文献】国際公開第2006/098298(WO,A1)
【文献】特開2017-097895(JP,A)
【文献】特開2019-122782(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの生体情報に基づき成果報酬の適用を判定する成果報酬判定サーバであって、
判定対象のユーザの成果報酬の判定に使用した第1生体情報を記憶する記憶部と、
前記ユーザの判定に使用する第2生体情報を取得する取得部と、
前記記憶部に記憶されている前記第1生体情報と前記取得部が取得した前記第2生体情報とに基づき、前記第1生体情報と前記第2生体情報との差が、生体情報差閾値以下である場合には前記ユーザが成果報酬の適用を受ける対象であると判定し、前記生体情報差閾値より大きい場合には成果報酬の適用を受ける対象でないと判定する判定部と
を備え
前記取得部は、前記ユーザに関する判定情報を取得し、
前記判定部は、前記第2生体情報に基づいて前記ユーザが成果報酬の適用を受ける対象でないと判定した場合に、前記判定情報が判定条件を満たす場合に前記ユーザが成果報酬の適用を受ける対象であると判定する、成果報酬判定サーバ。
【請求項2】
前記ユーザは、所定の疾病患者又は生体情報に基づいて非健康と判断される、請求項1に記載の成果報酬判定サーバ。
【請求項3】
前記判定部は、前記第1生体情報に前記ユーザの年齢に基づく演算処理を行った値と前記第2生体情報とに基づき前記ユーザが成果報酬の適用を受ける対象であるかを判定する、
請求項1又は請求項2に記載の成果報酬判定サーバ。
【請求項4】
前記ユーザは、前記成果報酬を取得する事業者が提供する所定の健康管理サービスに加入するユーザである、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の成果報酬判定サーバ。
【請求項5】
前記取得部は、グループに属する複数のユーザの判定に使用する第2生体情報を取得し、
前記成果報酬判定サーバは、
前記記憶部に記憶されている前記グループに属する複数の前記ユーザの第1生体情報の第1統計情報と、前記取得部が取得した前記グループに属する複数の前記ユーザの前記第2生体情報の第2統計情報とを算出する算出部
を備え、
前記判定部は、前記第1統計情報と、前記第2統計情報との比較結果に基づき前記グループの属する複数のユーザが成果報酬の対象であるかを判定する、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の成果報酬判定サーバ。
【請求項6】
前記記憶部は、成果報酬の対象であると判定された前記ユーザの生体情報を、第1生体情報として記憶し、
前記判定部は、前記記憶部に記憶されている前記ユーザの前記第1生体情報と前記取得部が取得した前記第2生体情報との比較結果に基づき前記ユーザが成果報酬の適用を受ける対象であるかを判定する、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の成果報酬判定サーバ。
【請求項7】
前記判定部が成果報酬の適用を受ける対象であると判定したユーザに対して特典を与える特典付与部
をさらに備える、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の成果報酬判定サーバ。
【請求項8】
前記特典は、前記ユーザが属するグループで利用可能な特典、又は前記成果報酬を取得する事業者が提供する所定の健康管理サービスに利用可能な特典である、請求項に記載の成果報酬判定サーバ。
【請求項9】
前記特典付与部は、前記ユーザが成果報酬の適用を受ける対象である期間または頻度に応じて、特典を与える、請求項又は請求項に記載の成果報酬判定サーバ。
【請求項10】
成果報酬の判定状況を示す情報を出力する出力部を備える、
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の成果報酬判定サーバ。
【請求項11】
ユーザの生体情報に基づき成果報酬の適用を判定する成果報酬判定サーバが実行する成果報酬判定方法であって、
判定対象のユーザの成果報酬の判定に使用した第1生体情報を記憶するステップと、
前記ユーザの判定に使用する第2生体情報を取得するステップと、
前記記憶するステップで記憶した前記第1生体情報と前記取得するステップで取得した前記第2生体情報とに基づき、前記第1生体情報と前記第2生体情報との差が、生体情報差閾値以下である場合には前記ユーザが成果報酬の適用を受ける対象であると判定し、前記生体情報差閾値より大きい場合には成果報酬の適用を受ける対象でないと判定するステップと
を有し、
前記取得するステップでは、前記ユーザに関する判定情報を取得し、
前記判定するステップでは、前記第2生体情報に基づいて前記ユーザが成果報酬の適用を受ける対象でないと判定した場合に、前記判定情報が判定条件を満たす場合に前記ユーザが成果報酬の適用を受ける対象であると判定する、成果報酬判定方法。
【請求項12】
ユーザの生体情報に基づき成果報酬の適用を判定する成果報酬判定サーバのコンピュータに、
判定対象のユーザの成果報酬の判定に使用した第1生体情報を記憶するステップと、
前記ユーザの判定に使用する第2生体情報を取得するステップと、
前記記憶するステップで記憶した前記第1生体情報と前記取得するステップで取得した前記第2生体情報とに基づき、前記第1生体情報と前記第2生体情報との差が、生体情報差閾値以下である場合には前記ユーザが成果報酬の適用を受ける対象であると判定し、前記生体情報差閾値より大きい場合には成果報酬の適用を受ける対象でないと判定するステップと
を実行させ
前記取得するステップでは、前記ユーザに関する判定情報を取得させ、
前記判定するステップでは、前記第2生体情報に基づいて前記ユーザが成果報酬の適用を受ける対象でないと判定した場合に、前記判定情報が判定条件を満たす場合に前記ユーザが成果報酬の適用を受ける対象であると判定させる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成果報酬判定サーバ、成果報酬判定方法、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
自治体が民間事業者に業務を直接委託し、その委託に対して対価を与える委託方式が一般的である。しかし委託の成果や効果が十分得られないなどの問題があり、ソーシャル・インパクト・ボンド(SIB: Social Impact Bond)と呼ばれる成果報酬型の委託方式が提案されている。自治体は、民間事業者に対して事業やコスト削減施策を応募し、応募した民間事業者の取り組みが自治体の課題解決やコスト改善に繋がった場合に、その成果に対して事業者へ報酬を与える。例えば、事業者が慢性疾患の患者に対して健康管理を行い、その患者に対する医療保険費用の負担を削減すると、自治体は事業者に対してその削減成果に基づく報酬を与える取り組みが行われている。
SIBを用いて慢性疾患患者に対する健康管理の実証実験が行われている。患者への疾病改善施策よる改善効果に基づき、成果報酬を決定する方法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
また、慢性疾患の患者に対して健康管理を行う技術に関して、生体情報に基づき病気に対する処置を決定する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-72664号公報
【非特許文献】
【0004】
【文献】“神戸市ソーシャル・インパクト・ボンドを活用した糖尿病性腎症等の重症化予防事業について”、[online]、一般財団法人社会的投資推進財団、[令和2年1月24日検索]、インターネット<URL:https://www.city.kobe.lg.jp/information/press/2017/07/img/20170720040801-1.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、2型糖尿病などの慢性疾患に対しては、改善した患者が再発・悪化しないように継続して患者の健康管理を行い、健康状態を維持することが重要である。
しかし、SIBでは、医療費の削減額に応じて成果報酬を受け取るため、このような一旦改善した患者の健康を維持することに対しては、医療費の削減額という目に見えた成果が現れないため、成果報酬を得るということが困難であった。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、成果報酬型のユーザの健康管理プログラムにおいて一旦慢性疾患が改善したユーザに対して、その後も事業者が継続してユーザの健康管理を行い、ユーザの健康維持を支援した結果、ユーザの健康状態を維持することができた場合に、成果報酬の対象として判定することができる成果報酬判定サーバ、成果報酬判定方法、及びコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一態様は、ユーザの生体情報に基づき成果報酬の適用を判定する成果報酬判定サーバであって、判定対象のユーザの成果報酬の判定に使用した第1生体情報を記憶する記憶部と、前記ユーザの判定に使用する第2生体情報を取得する取得部と、前記記憶部に記憶されている前記第1生体情報と前記取得部が取得した前記第2生体情報とに基づき、前記第1生体情報と前記第2生体情報との差が、生体情報差閾値以下である場合には前記ユーザが成果報酬の適用を受ける対象であると判定し、前記生体情報差閾値より大きい場合には成果報酬の適用を受ける対象でないと判定する判定部とを備え、前記取得部は、前記ユーザに関する判定情報を取得し、前記判定部は、前記第2生体情報に基づいて前記ユーザが成果報酬の適用を受ける対象でないと判定した場合に、前記判定情報が判定条件を満たす場合に前記ユーザが成果報酬の適用を受ける対象であると判定する、成果報酬判定サーバである。
(2)本発明の一態様は、上記(1)に記載の成果報酬判定サーバにおいて、前記ユーザは、所定の疾病患者又は生体情報に基づいて非健康と判断される。
(3)本発明の一態様は、上記(1)又は上記(2)に記載の成果報酬判定サーバにおいて、前記判定部は、前記第1生体情報に前記ユーザの年齢に基づく演算処理を行った値と前記第2生体情報とに基づき前記ユーザが成果報酬の適用を受ける対象であるかを判定する。
(4)本発明の一態様は、上記(1)から上記(3)のいずれか一項に記載の成果報酬判定サーバにおいて、前記ユーザは、前記成果報酬を取得する事業者が提供する所定の健康管理サービスに加入するユーザである。
)本発明の一態様は、上記(1)から上記()のいずれか一項に記載の成果報酬判定サーバにおいて、前記取得部は、グループに属する複数のユーザの判定に使用する第2生体情報を取得し、前記成果報酬判定サーバは、前記記憶部に記憶されている前記グループに属する複数の前記ユーザの第1生体情報の第1統計情報と、前記取得部が取得した前記グループに属する複数の前記ユーザの前記第2生体情報の第2統計情報とを算出する算出部を備え、前記判定部は、前記第1統計情報と、前記第2統計情報との比較結果に基づき前記グループの属する複数のユーザが成果報酬の対象であるかを判定する。
)本発明の一態様は、上記(1)から上記()のいずれか一項に記載の成果報酬判定サーバにおいて、前記記憶部は、成果報酬の対象であると判定された前記ユーザの生体情報を、第1生体情報として記憶し、前記判定部は、前記記憶部に記憶されている前記ユーザの前記第1生体情報と前記取得部が取得した前記第2生体情報との比較結果に基づき前記ユーザが成果報酬の適用を受ける対象であるかを判定する。
)本発明の一態様は、上記(1)から上記()のいずれか一項に記載の成果報酬判定サーバにおいて、前記判定部が成果報酬の適用を受ける対象であると判定したユーザに対して特典を与える特典付与部をさらに備える。
)本発明の一態様は、上記()に記載の成果報酬判定サーバにおいて、前記特典は、前記ユーザが属するグループで利用可能な特典、又は前記成果報酬を取得する事業者が提供する所定の健康管理サービスに利用可能な特典である。
)本発明の一態様は、上記()又は上記()に記載の成果報酬判定サーバにおいて、前記特典付与部は、前記ユーザが成果報酬の適用を受ける対象である期間または頻度に応じて、特典を与える。
10)本発明の一態様は、上記(1)から上記()のいずれか一項に記載の成果報酬判定サーバにおいて、成果報酬の判定状況を示す情報を出力する出力部を備える。
【0007】
11)本発明の一態様は、ユーザの生体情報に基づき成果報酬の適用を判定する成果報酬判定サーバが実行する成果報酬判定方法であって、判定対象のユーザの成果報酬の判定に使用した第1生体情報を記憶するステップと、前記ユーザの判定に使用する第2生体情報を取得するステップと、前記記憶するステップで記憶した前記第1生体情報と前記取得するステップで取得した前記第2生体情報とに基づき、前記第1生体情報と前記第2生体情報との差が、生体情報差閾値以下である場合には前記ユーザが成果報酬の適用を受ける対象であると判定し、生体情報差閾値より大きい場合には成果報酬の適用を受ける対象でないと判定するステップとを有し、前記取得するステップでは、前記ユーザに関する判定情報を取得し、前記判定するステップでは、前記第2生体情報に基づいて前記ユーザが成果報酬の適用を受ける対象でないと判定した場合に、前記判定情報が判定条件を満たす場合に前記ユーザが成果報酬の適用を受ける対象であると判定する、成果報酬判定方法である。
【0008】
12)本発明の一態様は、ユーザの生体情報に基づき成果報酬の適用を判定する成果報酬判定サーバのコンピュータに、判定対象のユーザの成果報酬の判定に使用した第1生体情報を記憶するステップと、前記ユーザの判定に使用する第2生体情報を取得するステップと、前記記憶するステップで記憶した前記第1生体情報と前記取得するステップで取得した前記第2生体情報とに基づき、前記第1生体情報と前記第2生体情報との差が、生体情報差閾値以下である場合には前記ユーザが成果報酬の適用を受ける対象であると判定し、生体情報差閾値より大きい場合には成果報酬の適用を受ける対象でないと判定するステップとを実行させ、前記取得するステップでは、前記ユーザに関する判定情報を取得させ、前記判定するステップでは、前記第2生体情報に基づいて前記ユーザが成果報酬の適用を受ける対象でないと判定した場合に、前記判定情報が判定条件を満たす場合に前記ユーザが成果報酬の適用を受ける対象であると判定させる、コンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、成果報酬型のユーザの健康管理プログラムにおいて一旦生体情報が改善したユーザに対して、その後も事業者が継続してユーザの健康管理を行い、ユーザの健康維持を支援した結果、ユーザの健康状態を維持することができた場合に、成果報酬の対象として判定することができる成果報酬判定サーバ、成果報酬判定方法、及びコンピュータプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態の成果報酬判定システムの構成例を示す図である。
図2】本実施形態に係る成果報酬判定システムに含まれる成果報酬判定サーバと、ユーザ端末と、端末装置との詳細を示す図である。
図3】本実施形態に係る成果報酬判定サーバの動作の例1を示す図である。
図4】本実施形態に係る成果報酬判定サーバの動作の例2を示す図である。
図5】本実施形態の成果報酬判定システムのグループ判定結果の出力例を示す図である。
図6】本実施形態に係る成果報酬判定システムの動作の一例を示す図である。
図7】本実施形態の変形例の成果報酬判定システムに含まれる成果報酬判定サーバと、ユーザ端末との詳細を示す図である。
図8】本実施形態の変形例の成果報酬判定サーバの動作の一例を示す図である。
図9】本実施形態の変形例に係る成果報酬判定システムの動作の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本実施形態の成果報酬判定サーバ、成果報酬判定方法、及びコンピュータプログラムを、図面を参照しつつ説明する。以下で説明する実施形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施形態は、以下の実施形態に限られない。
なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
また、本願でいう「XXに基づいて」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含む。また、「XXに基づいて」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含む。「XX」は、任意の要素(例えば、任意の情報)である。
【0012】
(第1の実施形態)
(成果報酬判定システム)
図1は、本発明の実施形態の成果報酬判定システムの構成例を示す図である。図1において、成果報酬判定システム1は、成果報酬判定サーバ100を備える。図1には、成果報酬判定サーバ100に加え、成果報酬の対象のユーザUと、ユーザUが使用するユーザ端末200と、自治体、健康保険組合などの成果報酬支払組織が使用する端末装置300とが示されている。
成果報酬判定サーバ100とユーザ端末200と端末装置300とは、ネットワークNWを介して通信する。ネットワークNWは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、プロバイダ装置、無線基地局などを含む。
【0013】
成果報酬判定システム1は、成果報酬の対象のユーザUの成果報酬を判定した時の生体情報を記憶しておき、次の成果報酬の判定タイミングの際の生体情報が、前回の判定時の生体情報などの記憶している生体情報と比較して、悪化してないかを判定することで、ユーザUが、成果報酬の対象であるか否かを判定する。本実施形態では、所定の周期で、成果報酬の判定が行われる場合について説明を続ける。成果報酬の判定タイミングの一例は、健康診断などである。所定の周期の一例は、SIBを利用して患者の健康管理を行う周期(以下「SIBプログラム」という)であってもよい。
ユーザUは、所定の疾病患者又は生体情報が所定の条件である。ここで、所定の条件とは、生体情報の値が「所定の値以上」、「所定の範囲内、所定の範囲外」または「所定の値以下」等の条件であって、生体情報に基づいて、非健康と判断される条件である。ユーザUは、高額な医療費を利用する人や、健康改善、維持を必要とする人であってもよい。ユーザUの一例は、成果報酬を取得する事業者が提供する所定の健康管理サービスに加入している。健康管理サービスの一例は、食事制限、運動支援などの健康を促進するサービスである。
また、健康管理サービスは、成果報酬の対象ユーザとしてユーザUが許諾したサービスであってもよい。ユーザUは、生体センサなどによって、生体情報(以下「第1生体情報」という)を取得する。ユーザ端末200は、ユーザUが操作することによって、取得した第1生体情報とユーザIDとを含む、成果報酬判定サーバ100を宛先とする、生体情報登録要求を作成する。ユーザ端末200は、作成した生体情報登録要求を、成果報酬判定サーバ100へ送信する。
【0014】
成果報酬判定サーバ100は、ユーザUの成果報酬の判定に過去に使用した第1生体情報を、ユーザID毎に記憶する。成果報酬判定サーバ100は、ユーザ端末200が送信した生体情報登録要求を受信する。成果報酬判定サーバ100は、受信した生体情報登録要求に含まれる第1生体情報とユーザIDとを取得する。成果報酬判定サーバ100は、取得した第1生体情報とユーザIDとを関連付けて、記憶する。
ユーザUは、生体センサなどによって、生体情報(以下「第2生体情報」という)を取得する。ユーザ端末200は、ユーザUが操作することによって、取得した第2生体情報とユーザIDとを含む、成果報酬判定サーバ100を宛先とする、生体情報通知を作成する。ユーザ端末200は、作成した生体情報通知を、成果報酬判定サーバ100へ送信する。
【0015】
成果報酬判定サーバ100は、ユーザ端末200が送信した生体情報通知を受信する。成果報酬判定サーバ100は、受信した生体情報通知に含まれる第2生体情報とユーザIDとを取得する。成果報酬判定サーバ100は、記憶している第1生体情報のうち、ユーザIDに該当する第1生体情報と、取得した第2生体情報とを比較する。成果報酬判定サーバ100は、第1生体情報と、第2生体情報との比較結果に基づいて、ユーザUが、成果報酬の適用を受ける対象であるか否かを判定する。成果報酬判定サーバ100は、成果報酬の適用を受ける対象であるか否かの判定結果を含む、端末装置300を宛先とする判定結果通知を作成する。成果報酬判定サーバ100は、作成した判定結果通知を、端末装置300へ送信する。
端末装置300は、成果報酬判定サーバ100が送信した判定結果通知を受信する。端末装置300は、受信した判定結果通知に含まれる判定結果を取得し、取得した判定結果を出力する。成果報酬支払組織は、出力された判定結果に基づいて、ユーザUの健康を管理する事業者に成果報酬を与える。
【0016】
以下、成果報酬判定システム1に含まれる成果報酬判定サーバ100と、ユーザ端末200と、端末装置300との各々について、順次説明する。
図2は、本実施形態に係る成果報酬判定システムに含まれる成果報酬判定サーバと、ユーザ端末と、端末装置との詳細を示す図である。
【0017】
(成果報酬判定サーバ100)
成果報酬判定サーバ100は、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。成果報酬判定サーバ100は、例えば、通信部102と、取得部103と、判定部104と、特典付与部106と、出力部108と、記憶部110とを備える。
通信部102は、通信モジュールによって実現される。通信部102は、ネットワークNWを介して、外部の通信装置と通信する。通信部102は、例えば有線LANなどの通信方式で通信してもよい。また、通信部102は、例えば無線LAN、ブルートゥース(登録商標)又はLTE(登録商標)などの無線通信方式で通信してもよい。通信部102は、ネットワークNWを介してユーザ端末200、及び端末装置300と通信するために必要な通信情報を保持する。通信部102は、ユーザ端末200が送信した生体情報登録要求と、生体情報通知とを受信する。通信部102は、判定部104が出力した生体情報登録応答を取得し、取得した生体情報登録応答を、ユーザ端末200へ送信する。通信部102は、判定部104が出力したユーザ判定結果通知とグループ判定結果通知とを取得し、取得したユーザ判定結果通知とグループ判定結果通知とを、端末装置300へ送信する。
【0018】
記憶部110は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などにより実現される。記憶部110には、ユーザ情報DB110aが記憶される。ユーザ情報DB110aがクラウド上に記憶されていてもよい。
ユーザ情報DB110aは、一又は複数のユーザUのユーザIDと、一又は複数のユーザIDの各々について、第1生体情報と、ユーザUが属するグループを示す情報とを関連付けたテーブル形式の情報である。
取得部103、判定部104、特典付与部106、及び出力部108は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサが記憶部110に格納されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。コンピュータプログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。
【0019】
取得部103は、通信部102が受信した生体情報登録要求と生体情報通知とを取得する。取得部103は、取得した生体情報登録要求に含まれるユーザIDと第1生体情報とを取得する。取得部103は、取得した生体情報通知に含まれるユーザIDと第2生体情報とを取得する。
判定部104は、取得部103が取得したユーザIDと第1生体情報とを取得する。判定部104は、取得した第1生体情報と予め設定されている条件とに基づいて、ユーザIDに該当するユーザUが、成果報酬の対象であるか否かを判定する。具体的には、判定部104は、第1生体情報が、予め設定されている条件を満たす場合には成果報酬の対象であると判定し、条件を満たさない場合には成果報酬の対象でないと判定する。判定部104は、条件を満たすと判定した場合に、取得したユーザIDと第1生体情報とを関連付けて記憶部110のユーザ情報DB110aに記憶する。判定部104は、ユーザ情報DB110aに記憶したことを示す情報を含む、ユーザ端末200を宛先とする生体情報登録応答を作成し、作成した生体情報登録応答を、通信部102へ出力する。ここでは、判定部104が、条件を満たすと判定した場合について説明を続ける。判定部104が、条件と満たさないと判定した場合には、条件を満たさないことを示す情報を含む、ユーザ端末200を宛先とする生体情報登録応答を作成する。判定部104は、作成した生体情報登録応答を、通信部102へ出力する。
判定部104は、取得部103が取得したユーザIDと第2生体情報とを取得する。判定部104は、取得したユーザIDに関連付けられている第1生体情報を、記憶部110のユーザ情報DB110aから取得する。判定部104は、取得した第1生体情報と第2生体情報とを比較し、比較結果に基づいて、成果報酬の対象であるか否かを判定する。具体的には、判定部104は、第1生体情報と第2生体情報との差が、生体情報差閾値以下である場合には、ユーザIDに該当するユーザUが、成果報酬の対象であると判定し、生体情報差閾値より大きい場合には成果報酬の対象でないと判定する。仮に、生体情報として、血圧を使用した場合には、判定部104は、前回からの血圧の増加幅が、+5以下であるか、+105%以下であるかなどを判定する。判定部104は、判定結果を示す情報を含む、端末装置300を宛先とするユーザ判定結果通知を作成し、作成したユーザ判定結果通知を、通信部102へ出力する。
【0020】
図3は、本実施形態に係る成果報酬判定サーバの動作の例1を示す図である。図3は、あるユーザUの生体情報の時系列を示す。図3において、横軸は時間を示し、縦軸は生体情報を示す。ここでは、生体情報の一例として、血圧値を示す。図3に示される例では、血圧値が145から150の範囲に含まれる場合には、初回の報酬額が支払われる対象とされる。初回のSIBプログラムを開始した時点では血圧値は150であった。初回のSIBプログラムが開始されてから所定の期間が経過した後に、初回のSIBプログラムの成果報酬の判定が行われ、血圧値は145であった。これは、145から150の範囲に含まれるため、報酬額が支払われる対象とされる。ここでは、第1生体情報は血圧値145とされる。
成果報酬判定サーバ100は、ユーザIDと、血圧値「145」とを関連付けて、記憶部110のユーザ情報DB110aに記憶する。次回以降のSIBプログラムが経過した後に行われる成果報酬の判定では、第1生体情報と第2生体情報との差が、生体情報差閾値以下である場合に成果報酬の対象であると判定され、生体情報差閾値より大きい場合に成果報酬の対象でないと判定される。図3では、生体情報差閾値が2とされる。次回のSIBプログラムが開始されてから所定の期間が経過した後に、次回のSIBプログラムの成果報酬の判定が行われ、血圧値は146であった。これは、第1生体情報「145」から第1生体情報に生体情報閾値を加えた「147」の範囲に含まれるため、報酬額が支払われる対象とされる。
【0021】
また、判定部104は、一又は複数のユーザIDの各々に関連付けられている第1生体情報とグループを示す情報とを取得する。判定部104は、複数のユーザIDと、複数のユーザIDの各々に関連付けられる第1生体情報と、第2生体情報とに基づいて、複数の第1生体情報と、複数の第2生体情報との各々を、グループ毎に統計処理する。統計処理の一例は、平均化処理である。
判定部104は、複数の第1生体情報の各々を統計処理した結果である第1統計情報と、複数の第2生体情報の各々を統計処理した結果である第2統計情報とを比較し、比較した結果に基づいて、グループ毎に、成果報酬の対象であるか否かを判定する。例えば、判定部104は、グループ毎に、第2統計情報が、第1統計情報に統計情報変化量閾値増減させた値の範囲に含まれるか否かを判定する。判定部104は、含まれる場合にはそのグループは成果報酬の対象であると判定し、含まれない場合にはそのグループは成果報酬の対象でないと判定する。
また、例えば、グループ全員の血圧値の平均値が所定の閾値以下であるかを判定しもよいし、所定の血圧値の増加の閾値以下に抑えられたユーザUの全体に占める割合で判定してもよい。
また、判定部104は、複数のユーザIDと、複数のユーザIDの各々に関連付けられる第1生体情報と、第2生体情報とに基づいて、グループが成果報酬の対象であるか否かを判定してもよい。判定部104は、グループの判定結果を示す情報を含む、端末装置300を宛先とするグループ判定結果通知を作成し、作成したグループ判定結果通知を、通信部102へ出力する。
【0022】
図4は、本実施形態に係る成果報酬判定サーバの動作の例2を示す図である。図4の左図は、グループに5人のユーザU(個人)が含まれ、5人のユーザUの各々について、所定の条件を満たすか否かが判定される。判定部104は、グループに含まれるユーザIDの各々に関連付けられる第1生体情報と第2生体情報とに基づいて、第2生体情報から第1生体情報を減算することによって、差分を求める。判定部104は、求めた差分が差分閾値以下であるユーザUの割合を求める。判定部104は、求めたユーザUの割合が、割合閾値以上である場合にはそのグループは成果報酬の対象であると判定し、割合閾値未満である場合にはそのグループは成果報酬の対象でないと判定する。図4の左図に示される例では、5人のユーザUのうち、4人のユーザUが所定の条件を満たすため、差分の絶対値が差分閾値以下であるユーザUの割合は、80%である。ここで、割合閾値が70%の場合は、グループは成果報酬の対象グループと判断され、割合閾値が90%の場合は、成果報酬の対象グループではないと判断される。
図4の右図は、グループに5人のユーザU(個人)が含まれ、5人のユーザU全体について、所定の条件を満たすか否かが判定される。判定部104は、グループに含まれるユーザIDの各々に関連付けられる第1生体情報と第2生体情報とに基づいて、第2生体情報から第1生体情報を減算することによって、差分を求める。判定部104は、求めた複数の差分の平均値などの統計値を求める。判定部104は、統計値が所定の条件を満たす場合にはそのグループは成果報酬の対象であると判定し、所定の条件を満たさない場合にはそのグループは成果報酬の対象でないと判定する。例えば、判定部104は、平均値が平均値閾値以上である場合にはそのグループは成果報酬の対象でないと判定し、割合閾値未満である場合にはそのグループは成果報酬の対象であると判定する。図4の右図に示される例では、5人のユーザUの第1生体情報と第2生体情報との差分の平均値が2とされる。ここで、平均値閾値が3の場合は、グループは成果報酬の対象グループと判断され、平均値閾値が1の場合は、成果報酬の対象グループではないと判断される。
【0023】
出力部108は、表示部とスピーカとのいずれか一方又は両方によって構成される。出力部108は、判定部104からユーザ判定結果を示す情報と、グループ判定結果を示す情報とのいずれか一方又は両方を取得する。出力部108は、取得したユーザ判定結果を示す情報と、グループ判定結果を示す情報とのいずれか一方又は両方を出力する。
図5は、本実施形態の成果報酬判定システムのグループ判定結果の出力例を示す図である。図5に示される例では、グループには、Aさん、Bさん、Cさん、Dさん、Eさんの5人のユーザUが含まれる。出力部108は、5人のユーザUの各々の血圧値の増加による判定状況を表示する。さらに、出力部108は、グループ全体の現在の成果報酬を表示する。成果報酬の一例は、成功報酬の予測金額である。
特典付与部106は、判定部104が、成果報酬の対象であると判定したユーザUとグループとのいずれか一方又は両方に特典を付与する。ユーザUに付与される特典の一例は、電子マネー、自治体や会社・組織などのグループで利用できるクーポン、事業者が提供する健康管理サービスに利用可能なクーポンである。グループに付与される特典の一例は、グループで利用可能な特典、又は事業者が提供するサービスに利用可能な特典である。ユーザUとグループとのいずれか一方又は両方に特典を付与することによって、成果報酬の対象者に対して、健康管理を促すことができる。また、ユーザUとグループとのいずれか一方又は両方に特典を付与することによって、報酬対象ユーザを増加させることができる。図2に戻り説明を続ける。
【0024】
(ユーザ端末200)
ユーザ端末200は、スマートフォン、携帯端末、又はパーソナルコンピュータ、タブレット端末装置、腕時計型端末装置、あるいはその他の情報処理機器として実現される。
ユーザ端末200は、例えば、通信部202と、処理部203と、操作部205と、記憶部206とを備える。
通信部202は、通信モジュールによって実現される。通信部102は、ネットワークNWを介して、外部の通信装置と通信する。通信部102は、例えば、無線LAN、ブルートゥース(登録商標)又はLTE(登録商標)などの無線通信方式で通信してもよい。また、通信部102は、例えば有線LANなどの通信方式で通信してもよい。通信部202は、ネットワークNWを介して成果報酬判定サーバ100と通信するために必要な通信情報を保持する。通信部202は、成果報酬判定サーバ100へ生体情報登録要求と、生体情報通知とを送信する。通信部202は、成果報酬判定サーバ100が送信した生体情報登録応答を受信する。
【0025】
操作部205は、入力デバイスを備え、ユーザUの操作を受け付ける。この入力デバイスには、キーボード等の文字情報を入力するデバイス、マウス、タッチパネル等のポインティングデバイス、釦、ダイヤル、ジョイスティック、タッチセンサ、タッチパッド等が含まれる。ユーザUは、操作部205を操作することによって、第1生体情報と、第2生体情報とのいずれか一方又は両方を入力する。第1生体情報と、第2生体情報との一例は、睡眠、筋肉量、血液、血圧、体重、体脂肪率、血糖値などである。ここで、睡眠とは、睡眠の質を示す情報である。
【0026】
記憶部206は、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などにより実現される。記憶部206には、生体情報206aが記憶される。生体情報206aがクラウド上に記憶されていてもよい。
生体情報206aは、一又は複数のユーザUのユーザIDと、一又は複数のユーザIDの各々について、第1生体情報と第2生体情報とを関連付けたテーブル形式の情報である。
処理部203は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサが記憶部206に格納されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。コンピュータプログラムは、予めHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。
処理部203は、操作部205が受け付けた第1生体情報を取得し、取得した第1生体情報と、その第1生体情報を有するユーザUのユーザIDとを含む、成果報酬判定サーバ100を宛先とする生体情報登録要求を作成する。処理部203は、作成した生体情報登録要求を、通信部202へ出力する。処理部203は、通信部202が受信した生体情報登録応答を取得し、取得した生体情報登録応答を出力する。処理部203は、操作部205が受け付けた第2生体情報を取得し、取得した第2生体情報と、その第2生体情報を有するユーザUのユーザIDとを含む、成果報酬判定サーバ100を宛先とする生体情報通知を作成する。処理部203は、作成した生体情報通知を、通信部202へ出力する。
【0027】
(端末装置300)
端末装置300は、スマートフォン、携帯端末、又はパーソナルコンピュータ、タブレット端末装置、あるいはその他の情報処理機器として実現される。
端末装置300は、成果報酬判定サーバ100が送信したユーザ判定結果と、グループ判定結果とのいずれか一方又は両方を受信する。端末装置300は、受信したユーザ判定結果と、グループ判定結果とのいずれか一方又は両方を出力する。端末装置300は、ユーザ判定結果と、グループ判定結果とのいずれか一方又は両方を、表示部(図示なし)に表示するようにしてもよい。
【0028】
(成果報酬判定システム1の動作)
図6は、本実施形態に係る成果報酬判定システムの動作の一例を示す図である。
(ステップS1-1) 事業者は、初回の成果判定プログラムを開始する。
(ステップS2-1) 成果報酬判定サーバ100は、成果報酬の判定を実施する。具体的には、通信部102は、ユーザ端末200が送信した生体情報登録要求を受信する。取得部103は、通信部102が受信した生体情報登録要求を取得する。取得部103は、取得した生体情報登録要求に含まれるユーザIDと第1生体情報とを取得する判定部104は、取得部103が取得したユーザIDと第1生体情報とを取得する。判定部104は、取得した第1生体情報と予め設定されている生体情報の範囲とに基づいて、成果報酬の対象であるか否かを判定する。ここでは、成果報酬の対象であると判定された場合について説明を続ける。
(ステップS3-1) 成果報酬判定サーバ100は、ユーザUの第1生体情報を記憶する。具体的には、判定部104は、第1生体情報が、予め設定されている生体情報の範囲に含まれると判定した場合に、取得したユーザIDと第1生体情報とを関連付けて記憶部110のユーザ情報DB110aに記憶する。
(ステップS4-1) 事業者は、次回の成果報酬プログラムの対象ユーザを特定する。
(ステップS5-1) 事業者は、成果報酬判定プログラムを開始する。
(ステップS6-1) 成果報酬判定サーバ100は、ユーザUの第2生体情報を取得する。具体的には、通信部102は、ユーザ端末200が送信した生体情報通知を受信する。取得部103は、通信部102が受信した生体情報通知を取得する。判定部104は、取得部103が取得したユーザIDと第2生体情報とを取得する。
【0029】
(ステップS7-1) 事業者は、ユーザUの健康管理の施策を実施する。
(ステップS8-1) 成果報酬判定サーバ100は、成果報酬対象の状況を出力する。
(ステップS9-1) 成果報酬対象期間が終了する。
(ステップS10-1) 成果報酬判定サーバ100は、第2生体情報の取得を終了する。
(ステップS11-1) 成果報酬判定サーバ100は、成果報酬対象を判定する。具体的には、判定部104は、取得部103が取得したユーザIDと第2生体情報とを取得する。判定部104は、取得したユーザIDに関連付けられている第1生体情報を、記憶部110のユーザ情報DB110aから取得する。判定部104は、取得した第1生体情報と第2生体情報とを比較し、比較結果に基づいて、成果報酬の対象であるか否かを判定する。判定部104は、判定結果を示す情報を含む、端末装置300を宛先とするユーザ判定結果通知を作成し、作成したユーザ判定結果通知を、通信部102へ出力する。
【0030】
判定部104は、一又は複数のユーザIDの各々に関連付けられている第1生体情報とグループを示す情報とを取得する。判定部104は、複数のユーザIDと、複数のユーザIDの各々に関連付けられる第1生体情報と、第2生体情報とに基づいて、複数の第1生体情報と、複数の第2生体情報との各々を、グループ毎に統計処理する。判定部104は、複数の第1生体情報の各々を統計処理した結果である第1統計情報と、複数の第2生体情報の各々を統計処理した結果である第2統計情報とを比較し、比較した結果に基づいて、グループ毎に、成果報酬の対象であるか否かを判定する。判定部104は、グループの判定結果を示す情報を含む、端末装置300を宛先とするグループ判定結果通知を作成し、作成したグループ判定結果通知を、通信部102へ出力する。
出力部108は、判定部104からユーザ判定結果を示す情報と、グループ判定結果を示す情報とのいずれか一方又は両方を取得する。出力部108は、取得したユーザ判定結果を示す情報と、グループ判定結果を示す情報とのいずれか一方又は両方を出力する。
(ステップS12-1) 成果報酬判定サーバ100は、成果報酬対象ユーザとグループとのいずれか一方又は両方に特典を付与する。具体的には、特典付与部106は、判定部104が、成果報酬の対象であると判定したユーザUとグループとのいずれか一方又は両方に特典を付与する。
図6に示される成果報酬判定システム1の動作の一例によれば、成果報酬型のユーザUの健康管理プログラムにおいて、一旦生体情報が改善したユーザUに対して、その後も事業者が継続してユーザUの健康管理を行い、ユーザUの健康維持を支援した結果、ユーザUの健康状態を維持することができた場合に、成果報酬の対象として判定することができる。
【0031】
前述した実施形態では、成果報酬判定システム1に、一台のユーザ端末200が含まれる場合について説明したがこの限りでない。例えば、成果報酬判定システム1に、複数のユーザ端末200が含まれてもよい。
前述した実施形態では、成果報酬判定システム1に、一台の端末装置300が含まれる場合について説明したがこの限りでない。例えば、成果報酬判定システム1に、複数の端末装置300が含まれてもよい。
前述した実施形態では、成果報酬判定サーバ100が、第1生体情報と第2生体情報とを比較する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、成果報酬判定サーバ100は、所定の期間に継続して取得した複数の生体情報を、平均化などの統計処理し、統計処理することによって得られた値と第2生体情報とを比較してもよい。
【0032】
前述した実施形態では、ユーザUの年齢に限らず、同様の条件で、成果報酬の対象であるか否かが判定される場合について説明したが、この例に限られない。例えば、成果報酬判定サーバ100において、判定部104は、第1生体情報にユーザUの年齢に基づく演算処理を行った値と第2生体情報との比較に基づき、ユーザUが成果報酬の適用を受ける対象であるかを判定してもよい。例えば、判定部104は、第1生体情報にユーザUの年齢に応じた係数を乗算した値と第2生体情報との比較に基づき、ユーザUが成果報酬の適用を受ける対象であるかを判定してもよい。このように構成することによって、例えば、血圧値、血糖値などの生体情報によっては、年齢、加齢により自然と上昇することが認知されており、これらの上昇率を踏まえて判定を行うことができる。
前述した実施形態において、成果報酬判定サーバ100は、SIBプログラムの途中における成果報酬の対象状況を表示してもよい。例えば、成果報酬の状況には、現在のユーザUの生体情報の値から、あとどれくらい下げないと、報酬が得られないとか、グループの場合はその統計を用いて表示したり、達成していない人数の割合を出したりしてもよい。
前述した実施形態において、グループ判定結果を示す情報は、成果報酬判定サーバ100に出力されてもよいし、ユーザ端末200に出力されてもよいし、端末装置300に出力されてもよい。また、例えば、成果報酬を得る事業者が、ユーザUを管理するために、グループ判定結果を示す情報が、事業者の有する端末装置に表示されてもよい。グループ判定結果を示す情報が、ユーザUのユーザ端末200に表示されることによって、個々のユーザUが特典をもらうために、現在の状態を確認できる。
【0033】
実施形態の成果報酬判定システム1によれば、成果報酬判定サーバ100は、ユーザUの生体情報に基づき成果報酬の適用を判定する。成果報酬判定サーバ100は、判定対象のユーザUの成果報酬の判定に使用した第1生体情報を記憶する記憶部110と、ユーザUの判定に使用する第2生体情報を取得する取得部103と、記憶部110に記憶されている第1生体情報と取得部103が取得した第2生体情報との比較結果に基づきユーザが成果報酬の適用を受ける対象であるかを判定する判定部104とを備える。このように構成することによって、成果報酬の対象のユーザUの成果報酬を判定したときの生体情報を記憶しておき、次の成果報酬を判定するタイミングでの生体情報が、前回に成果報酬を判定したときの生体情報と比較して、悪化してないかを判定できるため、成果報酬の対象であるか否かを判定できる。
さらに、ユーザUは、所定の疾病患者又は生体情報が所定の条件であってもよい。
さらに、判定部104は、第1生体情報にユーザUの年齢に基づく演算処理を行った値と第2生体情報との比較に基づきユーザUが成果報酬の適用を受ける対象であるかを判定してもよい。
さらに、ユーザUは、成果報酬を取得する事業者が提供する所定の健康管理サービスに加入するユーザUであってもよい。
【0034】
さらに、取得部103は、グループに属する複数のユーザUの判定に使用する第2生体情報を取得し、成果報酬判定サーバ100は、記憶部110に記憶されているグループに属する複数のユーザUの第1生体情報の第1統計情報と、取得部103が取得したグループに属する複数のユーザUの第2生体情報の第2統計情報とを算出する算出部としての判定部104を備える。判定部104は、第1統計情報と、第2統計情報との比較結果に基づきグループの属する複数のユーザUが成果報酬の対象であるかを判定してもよい。このように構成することによって、SIBの対象を、特定の疾患を持つ集団、地域や会社といった組織などのグループにできるため、グループの中でどの程度改善したかを、個々個人ではなく、全体としての改善度、改善した人の割合などで判断できる。
さらに、記憶部110は、成果報酬の対象であると判定されたユーザUの生体情報を、第1生体情報として記憶し、判定部104は、記憶部110に記憶されているユーザUの第1生体情報と取得部103が取得した第2生体情報との比較結果に基づきユーザUが成果報酬の適用を受ける対象であるかを判定してもよい。このように構成することによって、成果報酬の対象の人だけを評価できる。前回の成果報酬の対象ユーザUは、生体情報の改善が行われたユーザUである。生体情報が改善したユーザUの前回の生体情報を使用して、今回の生体情報を評価できるため、そのユーザUの生体情報が悪化しないように健康管理できる。生体情報が改善しなかったユーザUは、成果報酬の対象者でないため、健康維持よりも生体情報の改善が必要であるため、別の疾病改善プログラムが妥当とされる。
【0035】
さらに、判定部104が成果報酬の適用を受ける対象であると判定したユーザUに対して特典を与える特典付与部106をさらに備えてもよい。
さらに、特典は、ユーザUが属するグループで利用可能な特典、又は成果報酬を取得する事業者が提供する所定の健康管理サービスに利用可能な特典であってもよい。
さらに、特典付与部106、ユーザUが成果報酬の適用を受ける対象である期間または頻度に応じて、特典を与えてもよい。このように構成することによって、健康管理の維持を長期にわたり継続しているユーザUへの特典を厚くできるため、より健康維持のモチベーション上げることを促すことができる。つまり、健康管理の維持を長期にわたり継続しているユーザUへ、いわゆる長期優良特典を与えることができる。ここで、期間は、初めに報酬対象と判定された期間から報酬判定の時期とに基づいて求めてもよい。また、頻度は、報酬対象と判定された回数に基づいて求めてもよい。
さらに、成果報酬の判定状況を示す情報を出力する出力部108を備えてもよい。
【0036】
(実施形態の変形例)
本発明の実施形態の変形例の成果報酬判定システムの構成例は、図1を適用できる。ただし、成果報酬判定サーバ100の代わりに成果報酬判定サーバ100aを備え、ユーザ端末200の代わりにユーザ端末200aを備える。
成果報酬判定サーバ100aは、第1生体情報と、第2生体情報との比較結果に基づいて、ユーザUが、成果報酬の適用を受ける対象でないと判定した場合に、ユーザ端末200aに、判定情報を要求するための判定情報要求を送信する。
ユーザ端末200aは、成果報酬判定サーバ100aが送信した判定情報要求を受信する。ユーザ端末200aは、受信した判定情報要求に基づいて、ユーザUの判定情報を取得し、取得した判定情報を含む、成果報酬判定サーバ100aを宛先とする判定情報通知を作成する。ユーザ端末200aは、作成した判定情報通知を、成果報酬判定サーバ100aに送信する。
【0037】
成果報酬判定サーバ100aは、判定情報要求に対して、ユーザ端末200aが送信した判定情報応答を受信する。成果報酬判定サーバ100aは、判定情報応答に含まれる判定情報に基づいて、判定情報が判定条件を満たすか否かを判定する。成果報酬判定サーバ100aは、判定情報が判定条件を満たす場合に、ユーザIDに該当するユーザUが、成果報酬の対象であると判定し、満たさない場合に、ユーザIDに該当するユーザUが、成果報酬の対象でないと判定する。判定部104aは、判定結果を示す情報を含む、端末装置300を宛先とするユーザ判定結果通知を作成し、作成した判定結果通知を、通信部102へ出力する。
以下、成果報酬判定システム1aに含まれる成果報酬判定サーバ100aと、ユーザ端末200aとについて、順次説明する。
図7は、本実施形態の変形例の成果報酬判定システムに含まれる成果報酬判定サーバと、ユーザ端末との詳細を示す図である。
【0038】
(成果報酬判定サーバ100a)
成果報酬判定サーバ100aは、成果報酬判定サーバ100を適用できる。成果報酬判定サーバ100aは、例えば、通信部102と、取得部103と、判定部104aと、特典付与部106と、出力部108と、記憶部110とを備える。
通信部102は、ユーザ端末200aが送信した生体情報登録要求と、生体情報通知とに加え、判定情報応答を受信する。通信部102は、判定部104aが出力した生体情報登録応答と、判定情報要求とを取得し、取得した生体情報登録応答と判定情報要求とを、ユーザ端末200aへ送信する。通信部102は、判定部104aが出力したユーザ判定結果通知とグループ判定結果通知とを取得し、取得した判定結果通知を、端末装置300へ送信する。
【0039】
記憶部110には、ユーザ情報DB110bが記憶される。ユーザ情報DB110bがクラウド上に記憶されていてもよい。
ユーザ情報DB110bは、一又は複数のユーザのユーザIDと、一又は複数のユーザIDの各々について、第1生体情報と、ユーザUが属するグループを示す情報とに加え、判定情報を関連付けたテーブル形式の情報である。
取得部103は、通信部102が受信した判定情報応答を取得する。取得部103は、取得した判定情報応答に含まれるユーザIDと判定情報とを取得する。
判定部104aは、判定部104aを適用できる。ただし、判定部104aは、取得した第1生体情報と第2生体情報とを比較し、比較結果に基づいて、成果報酬の対象であるか否かを判定した結果、成果報酬の対象でないと判定した場合に、以下の処理を行う。判定部104aは、判定情報を要求することを示す情報を含む、ユーザ端末200aを宛先とする判定情報要求を作成する。判定部104aは、作成した判定情報要求を通信部102へ出力する。判定部104aは、取得部103が取得したユーザIDと判定情報とを取得する。判定部104aは、取得した判定情報と予め設定されている判定条件とに基づいて、ユーザIDに該当するユーザUが、成果報酬の対象であるか否かを判定する。具体的には、判定部104aは、判定情報が、予め設定されている判定条件を満たす場合には成果報酬の対象であると判定し、満たさない場合には成果報酬の対象でないと判定する。例えば、判定情報として、運動量を適用した場合、判定部104aは、判定情報を所定の期間の歩数とし、判定条件が所定数を超えていることとする。
【0040】
図8は、本実施形態の変形例の成果報酬判定サーバの動作の一例を示す図である。図8は、あるユーザUの生体情報の時系列を示す。図8において、横軸は時間を示し、縦軸は生体情報を示す。ここでは、生体情報の一例として、血圧値を示す。図8に示される例では、図3と同様に、初回のSIBプログラムを開始した時点では血圧値は150であった。初回のSIBプログラムが開始されてから所定の期間が経過した後に、初回のSIBプログラムの成果報酬の判定が行われる。成果報酬判定サーバ100aは、血圧値が(1)で示される範囲である場合には第1生体情報と第2生体情報との比較によって、ユーザUを、成果報酬の対象と判定する。成果報酬判定サーバ100aは、血圧値が(2)で示される範囲である場合には第1生体情報と第2生体情報との比較では、成果報酬の対象とされないが、判定情報が判定条件を満たすことによって、ユーザUを、成果報酬の対象と判定する。成果報酬判定サーバ100aは、血圧値が(3)で示される範囲である場合には第1生体情報と第2生体情報との比較で成果報酬の対象とされないことに加え、判定情報が判定条件を満たした場合でも、ユーザUが成果報酬の対象でないと判定する。
判定部104aは、判定結果を示す情報を含む、端末装置300を宛先とするユーザ判定結果通知を作成し、作成した判定結果通知を、通信部102へ出力する。図7に戻り説明を続ける。
【0041】
(ユーザ端末200a)
ユーザ端末200aは、ユーザ端末200を適用できる。ユーザ端末200aは、例えば、通信部202と、処理部203aと、操作部205と、記憶部206とを備える。
通信部202は、成果報酬判定サーバ100aへ生体情報登録要求と、生体情報通知とに加え、判定情報応答を送信する。通信部202は、成果報酬判定サーバ100aが送信した生体情報登録応答に加え、判定情報要求を受信する。
ユーザUは、操作部205を操作することによって、第1生体情報と、第2生体情報とに加え、判定情報を入力する。判定情報の一例は、食事、運動量、歩数、喫煙、お酒、活動量、位置情報、オンライン上の活動履歴、医療費、発話量、各施設の利用回数、精神状態などの健康状態に影響を与える情報である。ここで、活動量には、外出、ネットの記録などが含まれてもよい。位置情報には、旅行先の位置情報、仕事場などが含まれてもよい。オンライン上の活動履歴には、ソーシャルネットワーキングサービス(social networking service: SNS)の発信数が含まれてもよい。医療費には、薬、保険料などが含まれてもよい。発話量には、センサ、ユーザ端末200aのアプリなどが含まれてもよい。各施設には、図書館、体育館、市民プールなどが含まれる。精神状態には、ボランティア参加数、余暇活動などが含まれてもよい。
【0042】
記憶部206には、生体情報206aと、判定情報206bとが記憶される。生体情報206aと判定情報206bとがクラウド上に記憶されていてもよい。
判定情報206bは、ユーザUの判定情報である。
処理部203aは、処理部203を適用できる。ただし、処理部203aは、通信部202が受信した判定情報要求を受信し、受信した判定情報要求に含まれる判定情報を要求することを示す情報を取得する。処理部203aは、取得した判定情報を要求することを示す情報に基づいて、記憶部206の判定情報206bから、判定情報を取得する。処理部203aは、取得した判定情報を含む、成果報酬判定サーバ100aを宛先とする判定情報応答を作成する。処理部203aは、作成した判定情報応答を、通信部202へ出力する。
【0043】
(成果報酬判定システム1aの動作)
図9は、本実施形態の変形例に係る成果報酬判定システムの動作の一例を示す図である。成果報酬判定システム1aの動作は、図6を適用できる。ただし、ステップS11-1より後の動作が異なる。図9は、図6のステップS11-1より後の動作の一例を示す。
(ステップS1-2) 成果報酬判定サーバ100aにおいて、判定部104aは、取得した第1生体情報と第2生体情報とを比較し、比較結果に基づいて、成果報酬の対象であるか否かを判定する。成果報酬の対象であると判定した場合には、ステップS5-2へ移行する。
(ステップS2-2) 成果報酬判定サーバ100aにおいて、判定部104aは、成果報酬の対象でないと判定した場合、判定情報を要求することを示す情報を含む、ユーザ端末200aを宛先とする判定情報要求を作成する。
【0044】
(ステップS3-2) 成果報酬判定サーバ100aにおいて、判定部104aは、作成した判定情報要求を、通信部102へ出力する。通信部102は、判定部104aが出力した判定情報要求を取得し、取得した判定情報要求を、ユーザ端末200aへ送信する。
ユーザ端末200aにおいて、通信部202は、成果報酬判定サーバ100aが送信した判定情報要求を受信する。処理部203aは、通信部202が受信した判定情報要求を受信し、受信した判定情報要求に含まれる判定情報を要求することを示す情報を取得する。処理部203aは、取得した判定情報を要求することを示す情報に基づいて、記憶部206の判定情報206bから、判定情報を取得する。処理部203aは、取得した判定情報を含む、成果報酬判定サーバ100aを宛先とする判定情報応答を作成する。処理部203aは、作成した判定情報応答を、通信部202へ出力する。通信部202は、成果報酬判定サーバ100aへ、判定情報応答を送信する。
成果報酬判定サーバ100aにおいて、通信部102は、ユーザ端末200aが送信した判定情報応答を受信する。取得部103は、通信部102が受信した判定情報応答を取得する。取得部103は、取得した判定情報応答に含まれるユーザIDと判定情報とを取得する。判定部104aは、取得部103が取得したユーザIDと判定情報とを取得する。判定部104aは、取得した判定情報と予め設定されている判定条件とに基づいて、ユーザIDに該当するユーザUが、成果報酬の対象であるか否かを判定する。
判定部104aは、判定結果を示す情報を含む、端末装置300を宛先とするユーザ判定結果通知を作成し、作成した判定結果通知を、通信部102へ出力する。
(ステップS12-1) 成果報酬判定サーバ100aは、特典を付与する。具体的には、判定部104aが、成果報酬の対象であると判定したユーザUとグループとのいずれか一方又は両方に特典を付与する。
【0045】
前述した実施形態の変形例において、ユーザ端末200aは、判定情報を常時取得していてもよい。また、ユーザ端末200aは、任意のタイミングで、判定情報を取得してもよい。
また、成果報酬判定サーバ100aは、判定情報を、ユーザ端末200aに加えて、又はユーザ端末200aに代えて、クラウドから取得してもよい。この場合、ユーザ端末200aは、クラウドに、判定情報を記憶させる。
実施形態の変形例の成果報酬判定システム1aによれば、成果報酬判定サーバ100aは、ユーザUの生体情報に基づき成果報酬の適用を判定する。成果報酬判定サーバ100aは、判定対象のユーザUの成果報酬の判定に使用した第1生体情報を記憶する記憶部110と、ユーザUの判定に使用する第2生体情報を取得する取得部103と、記憶部110に記憶されている第1生体情報と取得部103が取得した第2生体情報との比較結果に基づきユーザUが成果報酬の適用を受ける対象であるかを判定する判定部104aとを備える。
さらに、取得部103は、ユーザUに関する判定情報を取得し、判定部104aは、第2生体情報に基づいてユーザUが成果報酬の適用を受ける対象でないと判定した場合に、判定情報が判定条件を満たす場合にユーザUが成果報酬の適用を受ける対象であると判定する。このように構成することによって、成果報酬判定サーバ100aは、第1生体情報と第2生体情報との比較結果に基づき成果報酬の適用を受ける対象でないと判定したユーザUであっても、判定情報が判定条件を満たす場合に成果報酬の適用を受ける対象であると判定できる。
【0046】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、上述した各装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してコンピュータプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0047】
1、1a…成果報酬判定システム、100、100a…成果報酬判定サーバ、102…通信部、103…取得部、104、104a…判定部、106…特典付与部、108…出力部、110…記憶部、110a、110b…ユーザ情報DB、200、200a…ユーザ端末、202…通信部、203、203a…処理部、205…操作部、206…記憶部、206a…生体情報、206b…判定情報、300…端末装置
図1
図2
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図9