(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-28
(45)【発行日】2023-09-05
(54)【発明の名称】均質アッセイ法
(51)【国際特許分類】
G01N 33/543 20060101AFI20230829BHJP
G01N 33/53 20060101ALI20230829BHJP
G01N 33/483 20060101ALI20230829BHJP
B01D 15/38 20060101ALI20230829BHJP
B01J 20/24 20060101ALI20230829BHJP
B01D 53/02 20060101ALI20230829BHJP
C02F 1/28 20230101ALI20230829BHJP
【FI】
G01N33/543 525U
G01N33/53 D
G01N33/53 M
G01N33/483 C
G01N33/53 X
B01D15/38
B01J20/24 B
B01D53/02
C02F1/28 A
(21)【出願番号】P 2020518600
(86)(22)【出願日】2018-06-12
(86)【国際出願番号】 US2018037168
(87)【国際公開番号】W WO2018231877
(87)【国際公開日】2018-12-20
【審査請求日】2021-06-11
(32)【優先日】2017-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518048123
【氏名又は名称】エッセンリックス コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】チョウ スティーブン ワイ.
(72)【発明者】
【氏名】リー ジ
(72)【発明者】
【氏名】ディン ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】チャン ユファン
(72)【発明者】
【氏名】チー ジ
(72)【発明者】
【氏名】ティエン ジュン
【審査官】大瀧 真理
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/048871(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0102500(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0112277(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0323330(US,A1)
【文献】米国特許第06083761(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0273272(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0170642(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/48 - 33/98
G01N 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アッセイのためのデバイスであって、
第1のプレートと、第2のプレートと、スペーサと、複数の粒子と、捕捉剤と、を備え、
i.前記第1および第2のプレートが、開放構成および閉鎖構成を含む異なる構成へと互いに対して移動可能であり、
ii.前記プレートの各々が、そのそれぞれの内面上に、分析物を含有する、または含有する疑いがある試料と接触するための試料接触領域を有し、
iii.前記第1のプレートが、その内面上に固定された前記スペーサを備え、前記スペーサのうちの少なくとも1つが、前記試料接触領域内にあり、前記スペーサが、100um以下に等しい所定の実質的に均一な高さを有し、
iv.前記複数の粒子が、それらの表面上に固定化された前記捕捉剤を有し、前記捕捉剤が、前記分析物を特異的に結合および固定化することが可能であり、かつ
v.前記複数の粒子が、(a)前記スペーサが占める領域を除いて、前記第1のプレートの前記試料接触領域に分布し、(b)前記第1のプレート上に一時的または恒久的に固定され、
前記開放構成では、前記2つのプレートが、部分的または全体的に分離され、前記プレート間の間隔が、前記スペーサによって調節されず、前記試料が、前記プレートのうちの一方または両方の上に載せられ、
前記開放構成において前記試料が載せられた後に構成される前記閉鎖構成では、前記試料の少なくとも一部が、2つのプレートによって均一な厚さの層に圧縮され、前記層の前記均一な厚さが、前記プレートの前記内面によって限定され、かつ前記プレートおよび前記スペーサによって調節される、デバイス。
【請求項2】
(i)一方または両方のプレートが、可撓性であり、
(ii)前記スペーサが、柱形状、実質的に平坦な頂面、所定の実質的に均一な高さ、および所定のスペーサ間距離を有し、
(iii)前記スペーサのヤング率に前記スペーサの充填率を掛けたものが、2MPa以上であり、前記充填率が、全プレート面積に対する前記スペーサの接触面積の比であり、
(iv)前記スペーサ間距離が、2つの隣接するスペーサ間の距離である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記プレート上の前記複数の粒子の前記分布が、ランダムである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記複数の粒子が、前記プレート上に固定され、周期的な分布を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記スペーサが、平坦な頂部を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記複数の粒子が、前記第1のプレート上に一時的に固定され、開放構成では、前記2つのプレートが前記閉鎖構成になる前に、前記試料が前記第1のプレート上に載せられる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記スペーサの前記厚さが、閉鎖構成において、前記試料中の前記分析物のある特定の濃度に対して、前記粒子のうちの1つを含有する前記均一な厚さの試料の少なくとも1つの領域が、前記試料層の外側から見たときに粒子を含有しないその隣接領域と光学的に区別可能になるように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記複数の粒子のうちの1つ以上の直径が、前記スペーサの前記高さに等しい、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記スペーサの高さが、10umである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記スペーサの高さが、5umである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記スペーサの高さが、0.1um~15umである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記スペーサの高さが、0.1um~3umである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
前記デバイスが、2つのプレートと、スペーサと、を備え、一方のプレートまたは両方のプレートの前記内面の少なくとも一部分が、親水性である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
前記試料が、いかなる輸送デバイスも使用せずに対象から前記プレートへ直接載せられたものである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項15】
前記スペーサが、柱形状およびほぼ均一な断面を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項16】
前記スペーサが、柱形状、実質的に平坦な頂面、所定の実質的に均一な高さ、および前記分析物のサイズより少なくとも2倍大きい所定の一定のスペーサ間距離を有し、前記スペーサのヤング率に前記スペーサの充填率を掛けたものが、2MPa以上であり、前記充填率が、全プレート面積に対する前記スペーサの接触面積の比であり、各スペーサに対して、前記スペーサの横寸法対その高さの比が、少なくとも1である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項17】
前記スペーサが、柱形状、実質的に平坦な頂面、所定の実質的に均一な高さ、および前記分析物のサイズより少なくとも2倍大きい所定の一定のスペーサ間距離を有し、前記スペーサのヤング率に前記スペーサの充填率を掛けたものが、2MPa以上であり、前記充填率が、全プレート面積に対する前記スペーサの接触面積の比であり、各スペーサに対して、前記スペーサの横寸法対その高さの比が、少なくとも1であり、前記スペーサ間距離(ISD)の4乗を可撓性プレートの厚さ(h)およびヤング率(E)で割ったもの(ISD^4/(hE))が、5x10^6um^3/GPa以下である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項18】
前記スペーサの平均幅に対する前記スペーサのスペーシング間距離の比が、2以上であり、前記スペーサの充填率に前記スペーサのヤング率を乗じたものが、2MPa以上である、請求項2に記載のデバイス。
【請求項19】
アッセイを実施する方法であって、
(a)分析物を含有する疑いがある試料を取得するステップと、
(b)前記捕捉剤が、前記分析物の結合部位に特異的に結合することが可能である、請求項1に記載のデバイスを取得するステップと、
(c)前記デバイスの前記試料接触領域の少なくとも一部の上に光標識を有するステップであって、前記光標識が、前記分析物に結合することが可能である、ステップと、
(d)前記プレートが開放構成にあるときに、前記プレートのうちの一方または両方の上に前記試料を載せるステップであって、開放構成において、
(e)(d)の後、前記2つのプレートを一緒にし、前記プレートを閉鎖構成へと押圧するステップであって、前記試料の少なくとも一部が、2つのプレートによって非常に均一な厚さの層に圧縮され、前記層の前記均一な厚さが、前記プレートの前記内面によって限定され、かつ前記プレートおよび前記スペーサによって調節される、ステップと、
(f)前記プレートが前記閉鎖構成にある間に、前記均一な厚さの層内の前記分析物を分析するステップと
を含み、前記分析が、
i.前記試料層の外側から、(a)1つの粒子を含有する前記試料層の領域である粒子領域、および(b)前記粒子領域の周囲にある前記試料層の領域である周囲領域からの全光信号を測定することであって、前記周囲領域が、前記粒子の縁部内で50Dであり、前記Dが、前記粒子の直径である、測定することと、
ii.前記粒子領域および少なくとも2つの異なる粒子領域の周囲領域の各々からの全光信号を測定することと
を含む、方法。
【請求項20】
前記全光信号測定のための前記粒子領域が、前記粒子直径と実質的に同じ領域を有する、請求項
19に記載の方法。
【請求項21】
前記全光信号測定のための前記粒子領域が、前記粒子直径によって画定される領域よりも小さい、請求項
19に記載の方法。
【請求項22】
前記均一な試料層内の前記分析物の前記分析が、各領域からの前記全光信号の平均化を含む、請求項
19に記載の方法。
【請求項23】
前記均一な試料層内の前記分析物の前記分析が、(i)各粒子領域の前記全光信号の、その周囲領域の前記全光信号に対する比を測定することと、(ii)全ての粒子領域および周囲領域の対の比を平均することと、を含む、請求項
19に記載の方法。
【請求項24】
前記試料を載せることの終了から、前記プレートの前記閉鎖構成への押圧の終了までの時間が、15秒未満である、請求項
19に記載の方法。
【請求項25】
前記試料を載せることの終了から、前記プレートの前記閉鎖構成への押圧の終了までの時間が、5秒未満である、請求項
19に記載の方法。
【請求項26】
試料中の分析物を均質に分析するための装置であって、
i.請求項1に記載のデバイスと、
ii.前記試料接触領域の少なくとも一部を撮像する1つ以上の撮像装置と
を備える、装置。
【請求項27】
迅速な多重化アッセイのためのデバイスであって、
第1のプレートと、第2のプレートと、スペーサと、を備え、
i.前記プレートが、開放構成および閉鎖構成を含む異なる構成へと互いに対して移動可能であり、
ii.前記プレートの各々が、そのそれぞれの内面上に、第1の分析物および第2の分析物を含有する疑いがある試料と接触するための試料接触領域を有し、
iii.前記プレートのうちの一方または両方が、前記スペーサを備え、前記スペーサのうちの少なくとも1つが、前記試料接触領域内にあり、前記スペーサが、所定の実質的に均一な高さを有し、
iv.前記プレートのうちの一方または両方が、前記それぞれの内面上に、複数の第1の粒子および第2の粒子を含み、前記第1および第2の粒子が、その上にそれぞれ固定化された第1および第2の捕捉剤を有し、かつ
v.前記第1および第2の捕捉剤が、それぞれ前記第1および第2の分析物に結合し、固定化することが可能であり、
前記開放構成では、前記2つのプレートが、部分的または全体的に分離され、前記プレート間の間隔が、前記スペーサによって調節されず、前記試料が、前記プレートのうちの一方または両方の上に載せられ、
前記開放構成において前記試料が載せられた後に構成される前記閉鎖構成では、前記試料の少なくとも一部が、2つのプレートによって非常に均一な厚さの層に圧縮され、前記層の前記均一な厚さが、前記プレートの前記内面によって限定され、かつ前記プレートおよび前記スペーサによって調節され、前記均一な厚さの層内の前記分析物が、前記粒子によって濃縮され、これにより前記粒子上の前記捕捉分析物の信号が、前記均一な厚さの層内の他の領域から発せられる信号と区別可能である、デバイス。
【請求項28】
アッセイのためのスマートフォンシステムであって、
(a)請求項1または
27に記載のデバイスと、
(b)
i.前記試料を検出および/または撮像するための1つまたは複数のカメラ、
ii.前記検出された信号および/または前記試料の前記画像(複数可)を受信および/または処理し、かつ遠隔通信するための電子機器、信号プロセッサ、ハードウェア、およびソフトウェア、を備える、モバイル通信デバイスと、
(c)前記閉鎖構成にある前記デバイスを収容し、前記モバイル通信デバイスに係合可能であるように構成されたアダプタと
を備え、
前記モバイル通信デバイスと係合したとき、前記アダプタが、前記試料中の前記分析物の前記検出および/または撮像を容易にするように構成されている、スマートフォンシステム。
【請求項29】
前記第1および第2の粒子が異なる、請求項
28に記載のスマートフォンシステム。
【請求項30】
前記第1および第2の粒子のサイズが異なる、請求項
28に記載のスマートフォンシステム。
【請求項31】
前記第1および第2の粒子が、フォトルミネセンス、エレクトロルミネセンス、および電気化学ルミネセンス、光吸収、反射、透過、回折、散乱、拡散、表面ラマン散乱、ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるそれらの光学特性について異なる、請求項
28に記載のスマートフォンシステム。
【請求項32】
前記第1および第2の粒子の電気密度が異なる、請求項
28に記載のスマートフォンシステム。
【請求項33】
前記第1および第2の粒子が同じであり、前記第1および第2の分析物からの信号が異なる、請求項
28に記載のスマートフォンシステム。
【請求項34】
迅速なアッセイのためのデバイスであって、
第1のプレートと、第2のプレートと、スペーサと、を備え、
i.前記プレートが、開放構成および閉鎖構成を含む異なる構成へと互いに対して移動可能であり、
ii.前記プレートの各々が、そのそれぞれの内面上に、分析物を含む疑いがある試料と接触するための試料接触領域を有し、
iii.前記プレートのうちの一方または両方が、前記スペーサを備え、前記スペーサのうちの少なくとも1つが、前記試料接触領域内にあり、前記スペーサが、所定の実質的に均一な高さを有し、かつ
iv.前記プレートのうちの一方または両方が、前記それぞれの内面上に、捕捉剤が上に固定化された複数の粒子を含み、前記捕捉剤が、前記分析物に結合し、固定化することが可能であり、
前記開放構成では、前記2つのプレートが、部分的または全体的に分離され、前記プレート間の間隔が、前記スペーサによって調節されず、前記試料が、前記プレートのうちの一方または両方の上に載せられ、
前記開放構成において前記試料が載せられた後に構成される前記閉鎖構成では、前記試料の少なくとも一部が、2つのプレートによって非常に均一な厚さの層に圧縮され、前記層の前記均一な厚さが、前記プレートの前記内面によって限定され、かつ前記プレートおよび前記スペーサによって調節され、前記均一な厚さの層内の前記分析物が、前記粒子によって濃縮され、これにより前記粒子上の前記捕捉分析物の信号が、前記均一な厚さの層内の他の領域から発せられる信号と区別可能である、デバイス。
【請求項35】
迅速なアッセイのためのシステムであって、
(a)請求項1、
27、または
34のいずれか一項に記載のデバイスと、
(b)前記均一な厚さの層内の前記分析物の存在および/または量を示す前記捕捉剤結合分析物からの信号を検出する検出器と、を備える、システム。
【請求項36】
迅速なアッセイのためのスマートフォンシステムであって、
(a)請求項1、
27、または
34のいずれか一項に記載のデバイスと、
(b)
i.前記試料を検出および/または撮像するための1つまたは複数のカメラ、
ii.前記検出された信号および/または前記試料の前記画像を受信および/または処理し、かつ遠隔通信するための電子機器、信号プロセッサ、ハードウェア、およびソフトウェアを備える、モバイル通信デバイスと、
(c)前記閉鎖したデバイスを保持し、モバイル通信デバイスに係合可能であるように構成されたアダプタと
を備え、
前記モバイル通信デバイスと係合したとき、前記アダプタが、前記閉鎖構成にある前記試料中の前記分析物の前記検出および/または撮像を容易にするように構成されている、スマートフォンシステム。
【請求項37】
迅速なアッセイを実施する方法であって、
(a)分析物を含有する疑いがある試料を取得するステップと、
(b)請求項1、
27、または
34のいずれか一項に記載のデバイスを取得するステップと、
(c)前記プレートが開放構成にあるときに、前記プレートのうちの一方または両方の上に前記試料を載せるステップと、
(d)(c)の後、前記2つのプレートを一緒にし、前記プレートを前記閉鎖構成へと押圧するステップと、
(e)前記プレートが前記閉鎖構成にある間に、前記均一な厚さの層内の前記分析物を検出および分析するステップと
を含む、方法。
【請求項38】
(a)前記閉鎖構成にある画像を取得することであって、前記画像が、明視野画像、暗視野画像、蛍光画像、およびリン光画像からなる群から選択される、ことと、
(b)前記画像を分析し、前記画像内の粒子を特定し、かつ粒子サイズ、粒子の信号強度、粒子間の距離、粒子の分布、および粒子数の情報を抽出することと、
(c)ステップ(b)からの前記抽出された情報を分析し、前記粒子のパラメータを計算することによって、分析物濃度を推定することと
をさらに含む、請求項
37に記載の方法。
【請求項39】
アッセイを実施する方法であって、
(a)分析物を含有する疑いがある試料を取得するステップと、
(b)開放構成および閉鎖構成を含む異なる構成へと互いに対して移動可能である第1および第2のプレートを取得するステップであって、
i.前記プレートの各々が、そのそれぞれの内面上に、前記試料と接触するための試料接触領域を有し、
ii.前記プレートのうちの一方または両方が、前記スペーサを備え、前記スペーサのうちの少なくとも1つが、前記試料接触領域内にあり、
iii.前記プレートのうちの一方または両方が、前記それぞれの内面上に、捕捉剤が上に固定化された複数の粒子を含み、前記捕捉剤が、前記分析物に結合し、固定化することが可能であり、
iv.前記プレートのうちの一方または両方が、前記それぞれの内面上に、前記試料に接触すると試料中に溶解し、前記分析物に結合するように構成された検出剤を含み、
前記スペーサが、所定の実質的に均一な高さを有する、ステップと、
(c)前記プレートが前記開放構成にあるとき、前記プレートのうちの一方または両方の上に前記試料を載せるステップであって、前記開放構成において、前記2つのプレートが、部分的または全体的に分離され、前記プレート間の前記間隔が、前記スペーサによって調節されない、ステップと、
(d)(c)の後、前記2つのプレートを一緒にし、前記プレートを閉鎖構成へと押圧するステップであって、前記閉鎖構成において、前記試料の少なくとも一部が、2つのプレートによって非常に均一な厚さの層に圧縮され、前記層の前記均一な厚さが、前記2つのプレートの前記内面によって限定され、かつ前記スペーサおよび前記プレートによって調節される、ステップと、
(e)前記プレートが前記閉鎖構成にある間に、前記均一な厚さの層内の前記分析物を検出および分析するステップと、を含み、
前記捕捉剤および前記検出剤が、その異なる位置で前記分析物に結合し、前記粒子に固定化された捕捉剤-分析物-検出剤サンドイッチを形成するように構成され、
前記粒子、前記捕捉剤、および前記検出剤が、前記粒子関連捕捉剤-分析物-検出剤サンドイッチからの信号を、前記均一な厚さの層内の遊離検出剤の信号と区別可能にするように構成されている、方法。
【請求項40】
迅速なアッセイのためのデバイスであって、
第1のプレートと、第2のプレートと、スペーサと、を備え、
i.前記プレートが、開放構成および閉鎖構成を含む異なる構成へと互いに対して移動可能であり、
ii.前記プレートの各々が、そのそれぞれの内面上に、分析物を含む疑いがある試料と接触するための試料接触領域を有し、
iii.前記プレートのうちの一方または両方が、前記スペーサを備え、前記スペーサのうちの少なくとも1つが、前記試料接触領域内にあり、前記スペーサが、所定の実質的に均一な高さを有し、かつ
iv.前記プレートのうちの一方または両方が、前記それぞれの内面上に、捕捉剤が上に固定化された複数の粒子を含み、前記捕捉剤が、前記分析物に結合し、固定化することが可能であり、
前記スペーサが、拡散パラメータの3倍以下である高さを有し、前記拡散パラメータが、意図されたアッセイ時間の平方根に前記試料中の前記分析物の拡散定数を乗じたものであり、前記意図されたアッセイ時間が、240秒以下であり、
2つの隣接する粒子間の平均距離が、前記拡散パラメータの2倍以下であり、
前記開放構成では、前記2つのプレートが、部分的または全体的に分離され、前記プレート間の間隔が、前記スペーサによって調節されず、前記試料が、前記プレートのうちの一方または両方の上に載せられ、
前記開放構成において前記試料が載せられた後に構成される前記閉鎖構成では、前記試料の少なくとも一部が、2つのプレートによって非常に均一な厚さの層に圧縮され、前記層の前記均一な厚さが、前記プレートの前記内面によって限定され、かつ前記プレートおよび前記スペーサによって調節され、前記均一な厚さの層内の前記分析物が、前記濃縮領域内で濃縮され、これにより前記濃縮領域内の前記捕捉分析物の信号が、前記均一な厚さの層内の非濃縮領域から発せられる信号と区別可能である、デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
とりわけ、本発明は、免疫学的測定および核酸アッセイなどであるが、これらに限定されない生物学的および化学的アッセイを実施するデバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
生物学的および化学的アッセイ(例えば、診断検査)では、洗浄する必要がない均質アッセイが好まれる場合が多い。本発明は、これらの目標を達成するためのデバイスおよび方法を提供する。
【発明の概要】
【0003】
[本発明1001]
均質アッセイのためのデバイスであって、
第1のプレートと、第2のプレートと、スペーサと、複数の粒子と、捕捉剤と、を備え、
i.前記第1および第2のプレートが、開放構成および閉鎖構成を含む異なる構成へと互いに対して移動可能であり、
ii.前記プレートの各々が、そのそれぞれの内面上に、分析物を含有する疑いがある試料と接触するための試料接触領域を有し、
iii.前記第1のプレートが、その内面上に固定された前記スペーサを備え、前記スペーサのうちの少なくとも1つが、前記試料接触領域内にあり、前記スペーサが、100um以下に等しい所定の実質的に均一な高さを有し、
iv.前記複数の粒子が、それらの表面上に固定化された前記捕捉剤を有し、前記捕捉剤が、前記分析物を特異的に結合および固定化することが可能であり、かつ
v.前記複数の粒子が、(a)前記スペーサが占める領域を除いて、前記第1のプレートの前記試料接触領域に分布し、(b)前記第1のプレート上に一時的または恒久的に固定され、
前記開放構成では、前記2つのプレートが、部分的または全体的に分離され、前記プレート間の間隔が、前記スペーサによって調節されず、前記試料が、前記プレートのうちの一方または両方の上に載せられ、
前記開放構成において前記試料が載せられた後に構成される前記閉鎖構成では、前記試料の少なくとも一部が、2つのプレートによって非常に均一な厚さの層に圧縮され、前記層の前記均一な厚さが、前記プレートの前記内面によって限定され、かつ前記プレートおよび前記スペーサによって調節される、デバイス。
[本発明1002]
均質アッセイのためのデバイスであって、
第1のプレートと、第2のプレートと、スペーサと、複数の粒子と、捕捉剤と、を備え、
i.前記第1および第2のプレートが、開放構成および閉鎖構成を含む異なる構成へと互いに対して移動可能であり、
ii.前記プレートの各々が、そのそれぞれの内面上に、分析物を含有する疑いがある試料と接触するための試料接触領域を有し、
iii.一方または両方のプレートが、その内面上に固定された前記スペーサを備え、前記スペーサのうちの少なくとも1つが、前記試料接触領域内にあり、前記スペーサが、100um以下に等しい所定の実質的に均一な高さを有し、
iv.前記複数の粒子が、それらの表面上に固定化された前記捕捉剤を有し、前記捕捉剤が、前記分析物を特異的に結合および固定化することが可能であり、かつ
v.前記複数の粒子が、(a)前記第1の試料接触領域に分布し、(b)前記プレート上に一時的または恒久的に固定され、
前記開放構成では、前記2つのプレートが、部分的または全体的に分離され、前記プレート間の間隔が、前記スペーサによって調節されず、前記試料が、前記プレートのうちの一方または両方の上に載せられ、
前記開放構成において前記試料が載せられた後に構成される前記閉鎖構成では、前記試料の少なくとも一部が、2つのプレートによって非常に均一な厚さの層に圧縮され、前記層の前記均一な厚さが、前記プレートの前記内面によって限定され、かつ前記プレートおよび前記スペーサによって調節される、デバイス。
[本発明1003]
前記プレート上の前記複数の粒子の前記分布が、ランダムである、前記本発明のいずれかのデバイス。
[本発明1004]
前記複数の粒子が、前記プレート上に固定され、周期的な分布を有する、前記本発明のいずれかのデバイス。
[本発明1005]
前記スペーサが、平坦な頂部を有する、前記本発明のいずれかのデバイス。
[本発明1006]
前記複数の粒子が、前記第1のプレート上に一時的に固定され、開放構成では、前記2つのプレートが前記閉鎖構成になる前に、前記試料が前記第1のプレート上に載せられる、前記本発明のいずれかのデバイス。
[本発明1007]
前記スペーサの前記厚さが、閉鎖構成において、前記試料中の前記分析物のある特定の濃度に対して、前記粒子のうちの1つを含有する前記均一な厚さの試料の少なくとも1つの領域が、前記試料層の外側から見たときに粒子を含有しないその隣接領域と光学的に区別可能になるように構成されている、前記本発明のいずれかのデバイス。
[本発明1008]
前記デバイスが、2つのプレートと、スペーサと、を備え、前記押圧が、人間の手によるものである、前記本発明のいずれかのデバイス。
[本発明1009]
前記複数の粒子のうちの1つ以上の直径が、前記スペーサの前記高さに等しい、前記本発明のいずれかのデバイス。
[本発明1010]
前記スペーサの高さが、約10umである、前記本発明のいずれかのデバイス。
[本発明1011]
前記スペーサの高さが、約5umである、前記本発明のいずれかのデバイス。
[本発明1012]
前記スペーサの高さが、約0.1um~約15umである、前記本発明のいずれかのデバイス。
[本発明1013]
前記スペーサの高さが、約0.1um~約3umである、前記本発明のいずれかのデバイス。
[本発明1014]
前記デバイスが、2つのプレートと、スペーサと、を備え、一方のプレートまたは両方のプレートの前記内面の少なくとも一部分が、親水性である、前記本発明のいずれかのデバイス。
[本発明1015]
前記デバイスが、2つのプレートと、スペーサと、を備え、前記スペーサ間距離が、周期的である、前記本発明のいずれかのデバイス。
[本発明1016]
前記デバイスが、2つのプレートと、スペーサと、を備え、前記試料が、いかなる輸送デバイスも使用せずに対象から前記プレートへ直接載せられたものである、前記本発明のいずれかのデバイス。
[本発明1017]
前記デバイスが、2つのプレートと、スペーサと、を備え、閉鎖構成における前記試料の変形後、前記圧縮力の一部または全てが除去されたとき、前記試料が、同じ最終試料厚さを維持する、前記本発明のいずれかのデバイス。
[本発明1018]
前記デバイスが、2つのプレートと、スペーサと、を備え、前記スペーサが、柱形状およびほぼ均一な断面を有する、前記本発明のいずれかのデバイス。
[本発明1019]
前記デバイスが、2つのプレートと、スペーサと、を備え、前記スペーサ間距離(SD)が、約120um(マイクロメートル)以下である、前記本発明のいずれかのデバイス。
[本発明1020]
前記デバイスが、2つのプレートと、スペーサと、を備え、前記スペーサ間距離(SD)が、約100um(マイクロメートル)以下である、前記本発明のいずれかのデバイス。
[本発明1021]
前記デバイスが、2つのプレートと、スペーサと、を備え、前記スペーサ間距離(ISD)の4乗を可撓性プレートの厚さ(h)およびヤング率(E)で割ったもの(ISD^4/(hE))が、5x10^6um^3/GPa以下である、前記本発明のいずれかのデバイス。
[本発明1022]
前記デバイスが、2つのプレートと、スペーサと、を備え、前記スペーサ間距離(ISD)の4乗を可撓性プレートの厚さ(h)およびヤング率(E)で割ったもの(ISD^4/(hE))が、5x10^5um3/GPa以下である、前記本発明のいずれかのデバイス。
[本発明1023]
前記デバイスが、2つのプレートと、スペーサと、を備え、前記スペーサが、柱形状、実質的に平坦な頂面、所定の実質的に均一な高さ、および前記分析物のサイズより少なくとも約2倍大きい所定の一定のスペーサ間距離を有し、前記スペーサのヤング率に前記スペーサの充填率を掛けたものが、2MPa以上であり、前記充填率が、全プレート面積に対する前記スペーサの接触面積の比であり、各スペーサに対して、前記スペーサの横寸法対その高さの比が、少なくとも1である、前記本発明のいずれかのデバイス。
[本発明1024]
前記デバイスが、2つのプレートと、スペーサと、を備え、前記スペーサが、柱形状、実質的に平坦な頂面、所定の実質的に均一な高さ、および前記分析物のサイズより少なくとも約2倍大きい所定の一定のスペーサ間距離を有し、前記スペーサのヤング率に前記スペーサの充填率を掛けたものが、2MPa以上であり、前記充填率が、全プレート面積に対する前記スペーサの接触面積の比であり、各スペーサに対して、前記スペーサの横寸法対その高さの比が、少なくとも1であり、前記スペーサ間距離(ISD)の4乗を可撓性プレートの厚さ(h)およびヤング率(E)で割ったもの(ISD^4/(hE))が、5x10^6um^3/GPa以下である、前記本発明のいずれかのデバイス。
[本発明1025]
前記スペーサの平均幅に対する前記スペーサのスペーシング間距離の比が、2以上であり、前記スペーサの充填率に前記スペーサのヤング率を乗じたものが、2MPa以上である、前記本発明のいずれかのデバイス。
[本発明1026]
均質アッセイを実施する方法であって、
(a)分析物を含有する疑いがある試料を取得するステップと、
(b)前記捕捉剤が、前記分析物の結合部位に特異的に結合することが可能である、前記本発明のいずれかのデバイスを取得するステップと、
(c)前記デバイスの前記試料接触領域の少なくとも一部の上に光標識を有するステップであって、前記光標識が、前記分析物に結合することが可能である、ステップと、
(d)前記プレートが開放構成にあるときに、前記プレートのうちの一方または両方の上に前記試料を載せるステップであって、開放構成において、
(e)(d)の後、前記2つのプレートを一緒にし、前記プレートを閉鎖構成へと押圧するステップであって、前記試料の少なくとも一部が、2つのプレートによって非常に均一な厚さの層に圧縮され、前記層の前記均一な厚さが、前記プレートの前記内面によって限定され、かつ前記プレートおよび前記スペーサによって調節される、ステップと、
(f)前記プレートが前記閉鎖構成にある間に、前記均一な厚さの層内の前記分析物を分析するステップと
を含み、前記分析が、
i.前記試料層の外側から、(a)1つの粒子を含有する前記試料層の領域である粒子領域、および(b)前記粒子領域の周囲にある前記試料層の領域である周囲領域からの全光信号を測定することであって、前記周囲領域が、前記粒子の縁部内で50Dであり、前記Dが、前記粒子の直径である、測定することと、
ii.前記粒子領域および少なくとも2つの異なる粒子領域の周囲領域の各々からの全光信号を測定することと
を含む、方法。
[本発明1027]
前記全光信号測定のための前記粒子領域が、前記粒子直径と実質的に同じ領域を有する、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1028]
前記全光信号測定のための前記粒子領域が、前記粒子直径によって画定される領域よりも小さい、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1029]
前記均一な試料層内の前記分析物の前記分析が、各領域からの前記全光信号の平均化を含む、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1030]
前記均一な試料層内の前記分析物の前記分析が、(i)各粒子領域の前記全光信号の、その周囲領域の前記全光信号に対する比を測定することと、(ii)全ての粒子領域および周囲領域の対の比を平均することと、を含む、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1031]
前記試料を載せることの終了から、前記プレートの前記閉鎖構成への押圧の終了までの時間が、15秒未満である、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1032]
前記試料を載せることの終了から、前記プレートの前記閉鎖構成への押圧の終了までの時間が、5秒未満である、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1033]
試料中の分析物を均質に分析するための装置であって、
i.前記本発明のいずれかのデバイスと、
ii.前記試料接触領域の少なくとも一部を撮像する1つ以上の撮像装置と
を備える、装置。
[本発明1034]
迅速な多重化均質アッセイのためのデバイスであって、
第1のプレートと、第2のプレートと、スペーサと、を備え、
i.前記プレートが、開放構成および閉鎖構成を含む異なる構成へと互いに対して移動可能であり、
ii.前記プレートの各々が、そのそれぞれの内面上に、第1の分析物および第2の分析物を含有する疑いがある試料と接触するための試料接触領域を有し、
iii.前記プレートのうちの一方または両方が、前記スペーサを備え、前記スペーサのうちの少なくとも1つが、前記試料接触領域内にあり、前記スペーサが、所定の実質的に均一な高さを有し、
iv.前記プレートのうちの一方または両方が、前記それぞれの内面上に、複数の第1の粒子および第2の粒子を含み、前記第1および第2の粒子が、その上にそれぞれ固定化された第1および第2の捕捉剤を有し、かつ
v.前記第1および第2の捕捉剤が、それぞれ前記第1および第2の分析物に結合し、固定化することが可能であり、
前記開放構成では、前記2つのプレートが、部分的または全体的に分離され、前記プレート間の間隔が、前記スペーサによって調節されず、前記試料が、前記プレートのうちの一方または両方の上に載せられ、
前記開放構成において前記試料が載せられた後に構成される前記閉鎖構成では、前記試料の少なくとも一部が、2つのプレートによって非常に均一な厚さの層に圧縮され、前記層の前記均一な厚さが、前記プレートの前記内面によって限定され、かつ前記プレートおよび前記スペーサによって調節され、前記均一な厚さの層内の前記分析物が、前記粒子によって濃縮され、これにより前記粒子上の前記捕捉分析物の信号が、前記均一な厚さの層内の他の領域から発せられる信号と区別可能である、デバイス。
[本発明1035]
均質アッセイのためのスマートフォンシステムであって、
(a)前記本発明のいずれかのデバイスと、
(b)
i.前記試料を検出および/または撮像するための1つまたは複数のカメラ、
ii.前記検出された信号および/または前記試料の前記画像(複数可)を受信および/または処理し、かつ遠隔通信するための電子機器、信号プロセッサ、ハードウェア、およびソフトウェア、を備える、モバイル通信デバイスと、
(c)前記閉鎖構成にある前記デバイスを収容し、前記モバイル通信デバイスに係合可能であるように構成されたアダプタと
を備え、
前記モバイル通信デバイスと係合したとき、前記アダプタが、前記試料中の前記分析物の前記検出および/または撮像を容易にするように構成されている、スマートフォンシステム。
[本発明1036]
前記第1および第2の粒子が異なる、前記本発明のいずれかのデバイス、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1037]
前記第1および第2の粒子のサイズが異なる、前記本発明のいずれかのデバイス、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1038]
前記第1および第2の粒子が、フォトルミネセンス、エレクトロルミネセンス、および電気化学ルミネセンス、光吸収、反射、透過、回折、散乱、拡散、表面ラマン散乱、ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるそれらの光学特性について異なる、前記本発明のいずれかのデバイス、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1039]
前記第1および第2の粒子の電気密度が異なる、前記本発明のいずれかのデバイス、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1040]
前記第1および第2の粒子が同じであり、前記第1および第2の分析物からの信号が異なる、前記本発明のいずれかのデバイス、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1041]
周期的に配置された粒子を有するプレートを作製する方法であって、
a.その内面上に複数のピットを含むプレートを有するステップであって、前記ピットが、周期的に配置される、ステップと、
b.前記プレートの前記内面上に複数の粒子を含有する液体を載せるステップと、
c.前記プレートを乾燥させるステップであって、このプロセス中に、少なくとも前記ピットの前記隆起部に対する毛管力により、前記粒子が前記ピット内に再分布される、ステップと
を含む、方法。
[本発明1042]
迅速な均質アッセイのためのデバイスであって、
第1のプレートと、第2のプレートと、スペーサと、を備え、
i.前記プレートが、開放構成および閉鎖構成を含む異なる構成へと互いに対して移動可能であり、
ii.前記プレートの各々が、そのそれぞれの内面上に、分析物を含む疑いがある試料と接触するための試料接触領域を有し、
iii.前記プレートのうちの一方または両方が、前記スペーサを備え、前記スペーサのうちの少なくとも1つが、前記試料接触領域内にあり、前記スペーサが、所定の実質的に均一な高さを有し、かつ
iv.前記プレートのうちの一方または両方が、前記それぞれの内面上に、捕捉剤が上に固定化された1つまたは複数の分析物濃縮領域を備え、前記捕捉剤が、前記分析物に結合し、固定化することが可能であり、
前記開放構成では、前記2つのプレートが、部分的または全体的に分離され、前記プレート間の間隔が、前記スペーサによって調節されず、前記試料が、前記プレートのうちの一方または両方の上に載せられ、
前記開放構成において前記試料が載せられた後に構成される前記閉鎖構成では、前記試料の少なくとも一部が、2つのプレートによって非常に均一な厚さの層に圧縮され、前記層の前記均一な厚さが、前記プレートの前記内面によって限定され、かつ前記プレートおよび前記スペーサによって調節され、前記均一な厚さの層内の前記分析物が、前記分析物濃縮領域内で濃縮され、これにより前記分析物濃縮領域内の前記捕捉分析物の信号が、前記均一な厚さの層内の非分析物濃縮領域から発せられる信号と区別可能である、デバイス。
[本発明1043]
前記プレートのうちの一方または両方が、前記それぞれの内面から延出する1つまたは複数の突出部を備え、各突出部が、前記スペーサよりも低い高さを有し、その表面のうちの少なくとも1つの上に前記分析物濃縮領域を備える、前記本発明のいずれかのデバイス。
[本発明1044]
迅速な均質アッセイのためのデバイスであって、
第1のプレートと、第2のプレートと、スペーサと、を備え、
i.前記プレートが、開放構成および閉鎖構成を含む異なる構成へと互いに対して移動可能であり、
ii.前記プレートの各々が、そのそれぞれの内面上に、分析物を含む疑いがある試料と接触するための試料接触領域を有し、
iii.前記プレートのうちの一方または両方が、前記スペーサを備え、前記スペーサのうちの少なくとも1つが、前記試料接触領域内にあり、前記スペーサが、所定の実質的に均一な高さを有し、かつ
iv.前記プレートのうちの一方または両方が、前記それぞれの内面上に、捕捉剤が上に固定化された複数の粒子を含み、前記捕捉剤が、前記分析物に結合し、固定化することが可能であり、
前記開放構成では、前記2つのプレートが、部分的または全体的に分離され、前記プレート間の間隔が、前記スペーサによって調節されず、前記試料が、前記プレートのうちの一方または両方の上に載せられ、
前記開放構成において前記試料が載せられた後に構成される前記閉鎖構成では、前記試料の少なくとも一部が、2つのプレートによって非常に均一な厚さの層に圧縮され、前記層の前記均一な厚さが、前記プレートの前記内面によって限定され、かつ前記プレートおよび前記スペーサによって調節され、前記均一な厚さの層内の前記分析物が、前記粒子によって濃縮され、これにより前記粒子上の前記捕捉分析物の信号が、前記均一な厚さの層内の他の領域から発せられる信号と区別可能である、デバイス。
[本発明1045]
迅速な均質アッセイのためのシステムであって、
(a)前記本発明のいずれかのデバイスと、
(b)前記均一な厚さの層内の前記分析物の存在および/または量を示す前記捕捉剤結合分析物からの信号を検出する検出器と、を備える、システム。
[本発明1046]
迅速な均質アッセイのためのスマートフォンシステムであって、
(a)前記本発明のいずれかのデバイスと、
(b)
i.前記試料を検出および/または撮像するための1つまたは複数のカメラ、
ii.前記検出された信号および/または前記試料の前記画像を受信および/または処理し、かつ遠隔通信するための電子機器、信号プロセッサ、ハードウェア、およびソフトウェアを備える、モバイル通信デバイスと、
(c)前記閉鎖したデバイスを保持し、モバイル通信デバイスに係合可能であるように構成されたアダプタと
を備え、
前記モバイル通信デバイスと係合したとき、前記アダプタが、前記閉鎖構成にある前記試料中の前記分析物の前記検出および/または撮像を容易にするように構成されている、スマートフォンシステム。
[本発明1047]
迅速な均質アッセイを実施する方法であって、
(a)分析物を含有する疑いがある試料を取得するステップと、
(b)前記本発明のいずれかのデバイスを取得するステップと、
(c)前記プレートが開放構成にあるときに、前記プレートのうちの一方または両方の上に前記試料を載せるステップと、
(d)(c)の後、前記2つのプレートを一緒にし、前記プレートを前記閉鎖構成へと押圧するステップと、
(e)前記プレートが前記閉鎖構成にある間に、前記均一な厚さの層内の前記分析物を検出および分析するステップと
を含む、方法。
[本発明1048]
迅速な均質アッセイのための画像を分析する方法であって、
(a)前記閉鎖構成にある前記本発明のいずれかの前記信号の画像を取得するステップであって、前記画像が、明視野画像、暗視野画像、蛍光画像、およびリン光画像からなる群から選択される、ステップと、
(b)前記画像を分析し、前記画像内の粒子を特定し、かつ粒子サイズ、粒子の信号強度、粒子間の距離、粒子の分布、および粒子数の情報を抽出するステップと、
(c)ステップ(b)からの前記抽出された情報を分析し、前記粒子のパラメータを計算することによって、分析物濃度を推定するステップと
を含む、方法。
[本発明1049]
均質アッセイを実施する方法であって、
(a)分析物を含有する疑いがある試料を取得するステップと、
(b)開放構成および閉鎖構成を含む異なる構成へと互いに対して移動可能である第1および第2のプレートを取得するステップであって、
i.前記プレートの各々が、そのそれぞれの内面上に、前記試料と接触するための試料接触領域を有し、
ii.前記プレートのうちの一方または両方が、前記スペーサを備え、前記スペーサのうちの少なくとも1つが、前記試料接触領域内にあり、
iii.前記プレートのうちの一方または両方が、前記それぞれの内面上に、捕捉剤が上に固定化された複数の粒子を含み、前記捕捉剤が、前記分析物に結合し、固定化することが可能であり、
iv.前記プレートのうちの一方または両方が、前記それぞれの内面上に、前記試料に接触すると試料中に溶解し、前記分析物に結合するように構成された検出剤を含み、
前記スペーサが、所定の実質的に均一な高さを有する、ステップと、
(c)前記プレートが前記開放構成にあるとき、前記プレートのうちの一方または両方の上に前記試料を載せるステップであって、前記開放構成において、前記2つのプレートが、部分的または全体的に分離され、前記プレート間の前記間隔が、前記スペーサによって調節されない、ステップと、
(d)(c)の後、前記2つのプレートを一緒にし、前記プレートを閉鎖構成へと押圧するステップであって、前記閉鎖構成において、前記試料の少なくとも一部が、2つのプレートによって非常に均一な厚さの層に圧縮され、前記層の前記均一な厚さが、前記2つのプレートの前記内面によって限定され、かつ前記スペーサおよび前記プレートによって調節される、ステップと、
(e)前記プレートが前記閉鎖構成にある間に、前記均一な厚さの層内の前記分析物を検出および分析するステップと、を含み、
前記捕捉剤および前記検出剤が、その異なる位置で前記分析物に結合し、前記粒子に固定化された捕捉剤-分析物-検出剤サンドイッチを形成するように構成され、
前記粒子、前記捕捉剤、および前記検出剤が、前記粒子関連捕捉剤-分析物-検出剤サンドイッチからの信号を、前記均一な厚さの層内の遊離検出剤の信号と区別可能にするように構成されている、方法。
[本発明1050]
迅速な均質アッセイのためのデバイスであって、
第1のプレートと、第2のプレートと、スペーサと、を備え、
i.前記プレートが、開放構成および閉鎖構成を含む異なる構成へと互いに対して移動可能であり、
ii.前記プレートの各々が、そのそれぞれの内面上に、分析物を含む疑いがある試料と接触するための試料接触領域を有し、
iii.前記プレートのうちの一方または両方が、前記スペーサを備え、前記スペーサのうちの少なくとも1つが、前記試料接触領域内にあり、前記スペーサが、200um以下の所定の実質的に均一な高さを有し、かつ
iv.前記プレートのうちの一方または両方が、前記それぞれの内面上に、捕捉剤が上に固定化された1つまたは複数の分析物濃縮領域を備え、前記捕捉剤が、前記分析物に結合することが可能であり、
前記スペーサが、拡散パラメータの4倍以下である高さを有し、前記拡散パラメータが、意図されたアッセイ時間の平方根に前記試料中の前記分析物の拡散定数を乗じたものであり、前記意図されたアッセイ時間が、240秒以下であり、
2つの隣接する分析物濃縮領域間の平均距離が、前記拡散パラメータの4倍以下であり、
前記開放構成では、前記2つのプレートが、部分的または全体的に分離され、前記プレート間の間隔が、前記スペーサによって調節されず、前記試料が、前記プレートのうちの一方または両方の上に載せられ、
前記開放構成において前記試料が載せられた後に構成される前記閉鎖構成では、前記試料の少なくとも一部が、2つのプレートによって非常に均一な厚さの層に圧縮され、前記層の前記均一な厚さが、前記プレートの前記内面によって限定され、かつ前記プレートおよび前記スペーサによって調節され、前記均一な厚さの層内の前記分析物が、前記濃縮領域内で濃縮され、これにより前記濃縮領域内の前記捕捉分析物の信号が、前記均一な厚さの層内の非濃縮領域から発せられる信号と区別可能である、デバイス。
[本発明1051]
前記プレートのうちの一方または両方が、前記それぞれの内面から延出する1つまたは複数の突出部を備え、各突出部が、前記スペーサよりも低い高さを有し、その表面のうちの少なくとも1つの上に前記分析物濃縮領域を備える、前記本発明のいずれかのデバイス。
[本発明1052]
迅速な均質アッセイのためのデバイスであって、
第1のプレートと、第2のプレートと、スペーサと、を備え、
i.前記プレートが、開放構成および閉鎖構成を含む異なる構成へと互いに対して移動可能であり、
ii.前記プレートの各々が、そのそれぞれの内面上に、分析物を含む疑いがある試料と接触するための試料接触領域を有し、
iii.前記プレートのうちの一方または両方が、前記スペーサを備え、前記スペーサのうちの少なくとも1つが、前記試料接触領域内にあり、前記スペーサが、所定の実質的に均一な高さを有し、かつ
iv.前記プレートのうちの一方または両方が、前記それぞれの内面上に、捕捉剤が上に固定化された複数の粒子を含み、前記捕捉剤が、前記分析物に結合し、固定化することが可能であり、
前記スペーサが、拡散パラメータの3倍以下である高さを有し、前記拡散パラメータが、意図されたアッセイ時間の平方根に前記試料中の前記分析物の拡散定数を乗じたものであり、前記意図されたアッセイ時間が、240秒以下であり、
2つの隣接する粒子間の平均距離が、前記拡散パラメータの2倍以下であり、
前記開放構成では、前記2つのプレートが、部分的または全体的に分離され、前記プレート間の間隔が、前記スペーサによって調節されず、前記試料が、前記プレートのうちの一方または両方の上に載せられ、
前記開放構成において前記試料が載せられた後に構成される前記閉鎖構成では、前記試料の少なくとも一部が、2つのプレートによって非常に均一な厚さの層に圧縮され、前記層の前記均一な厚さが、前記プレートの前記内面によって限定され、かつ前記プレートおよび前記スペーサによって調節され、前記均一な厚さの層内の前記分析物が、前記濃縮領域内で濃縮され、これにより前記濃縮領域内の前記捕捉分析物の信号が、前記均一な厚さの層内の非濃縮領域から発せられる信号と区別可能である、デバイス。
[本発明1053]
迅速な均質アッセイを実施する方法であって、
(a)分析物を含有する疑いがある試料を取得するステップと、
(b)前記本発明のいずれかのデバイスを取得するステップと、
(c)前記プレートが開放構成にあるときに、前記プレートのうちの一方または両方の上に前記試料を載せるステップと、
(d)(c)の後、前記2つのプレートを一緒にし、前記プレートを前記閉鎖構成へと押圧するステップと、
(e)ステップ(d)の後、前記意図されたアッセイ時間以上の時間にわたって前記アッセイをインキュベートし、前記均一な厚さの層内の前記分析物を検出および分析するステップと
を含む、方法。
[本発明1054]
前記意図されたアッセイ時間が、0.1~240秒の範囲である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1055]
前記意図されたアッセイ時間が、1~60秒の範囲である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1056]
前記意図されたアッセイ時間が、30秒以下である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1057]
前記意図されたアッセイ時間が、10秒以下である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1058]
前記意図されたアッセイ時間が、5秒以下である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1059]
前記意図されたアッセイ時間が、1秒以下である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1060]
2つの隣接する分析物濃縮領域または粒子間の前記平均距離が、50nm~200umの範囲である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1061]
2つの隣接する分析物濃縮領域または粒子間の前記平均距離が、500nm~20umの範囲である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1062]
2つの隣接する分析物濃縮領域または粒子間の前記平均距離が、500nm~10umの範囲である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1063]
2つの隣接する分析物濃縮領域または粒子間の前記平均距離が、500nm~5umの範囲である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1064]
前記スペーサの高さ対前記拡散パラメータの比が、0.01~2の範囲である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1065]
前記スペーサの高さ対前記拡散パラメータの比が、0.1~1.5の範囲である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1066]
前記スペーサの高さ対前記拡散パラメータの比が、0.01~0.5の範囲である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1067]
前記スペーサの高さ対前記拡散パラメータの比が、0.01~0.2の範囲である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1068]
前記スペーサの高さ対前記拡散パラメータの比が、0.01~0.1の範囲である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1069]
前記拡散パラメータに対する2つの隣接する分析物濃縮領域または粒子間の前記平均距離の比が、0.01~5の範囲である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1070]
前記拡散パラメータに対する2つの隣接する分析物濃縮領域または粒子間の前記平均距離の比が、0.01~1.5の範囲である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1071]
前記拡散パラメータに対する2つの隣接する分析物濃縮領域または粒子間の前記平均距離の比が、0.01~1の範囲である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1072]
前記拡散パラメータに対する2つの隣接する分析物濃縮領域または粒子間の前記平均距離の比が、0.01~0.5の範囲である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1073]
前記拡散パラメータに対する2つの隣接する分析物濃縮領域または粒子間の前記平均距離の比が、0.01~0.2の範囲である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1074]
前記拡散パラメータに対する2つの隣接する分析物濃縮領域または粒子間の前記平均距離の比が、0.01~0.1の範囲である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1075]
前記拡散パラメータに対する2つの隣接する分析物濃縮領域または粒子間の前記平均距離の比が、0.01~0.5の範囲であり、前記スペーサの高さ対前記拡散パラメータの比が、0.01~0.2の範囲である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1076]
前記拡散パラメータに対する2つの隣接する分析物濃縮領域または粒子間の前記平均距離の比が、0.01~1の範囲であり、前記スペーサの高さ対前記拡散パラメータの比が、0.01~0.5の範囲である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1077]
前記拡散パラメータに対する2つの隣接する分析物濃縮領域または粒子間の前記平均距離の比が、0.01~2の範囲であり、前記スペーサの高さ対前記拡散パラメータの比が、0.01~1の範囲である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1078]
前記拡散パラメータに対する2つの隣接する分析物濃縮領域または粒子間の前記平均距離の比が、0.01~4の範囲であり、前記スペーサの高さ対前記拡散パラメータの比が、0.01~1の範囲である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1079]
前記拡散パラメータに対する2つの隣接する分析物濃縮領域または粒子間の前記平均距離の比が、0.01~0.5の範囲であり、前記スペーサの高さ対前記拡散パラメータの比が、0.01~0.2の範囲であり、前記意図されたアッセイ時間が、120秒以下である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1080]
前記拡散パラメータに対する2つの隣接する分析物濃縮領域または粒子間の前記平均距離の比が、0.01~1の範囲であり、前記スペーサの高さ対前記拡散パラメータの比が、0.01~0.5の範囲であり、前記意図されたアッセイ時間が、60秒以下である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1081]
前記拡散パラメータに対する2つの隣接する分析物濃縮領域または粒子間の前記平均距離の比が、0.01~2の範囲であり、前記スペーサの高さ対前記拡散パラメータの比が、0.01~1の範囲であり、前記意図されたアッセイ時間が、30秒以下である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1082]
前記拡散パラメータに対する2つの隣接する分析物濃縮領域または粒子間の前記平均距離の比が、0.01~4の範囲であり、前記スペーサの高さ対前記拡散パラメータの比が、0.01~1の範囲であり、前記意図されたアッセイ時間が、30秒以下である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1083]
前記分析物が、前記分析物に選択的に結合しかつ標識と会合される検出剤によって標識される、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1084]
前記検出剤が、前記プレートのうちの一方または両方の前記内面(複数可)上にコーティングされ、前記試料と接触すると前記試料中に溶解し、拡散するように構成されている、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1085]
前記試料が前記プレート(複数可)上に載せられる前に、前記検出剤が、前記試料中に予め装填される、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1086]
前記捕捉剤および前記検出剤が、その異なる位置で前記分析物に結合し、捕捉剤-分析物-検出剤サンドイッチを形成するように構成されている、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1087]
前記分析物が、検出剤と競合して前記捕捉剤に結合し、前記検出剤が、標識されている、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1088]
前記プレートのうちの一方または両方が、前記それぞれの内面上に、増幅表面に近接する信号を増幅する信号増幅表面を備える、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1089]
前記粒子が、前記閉鎖構成にある前記層の前記厚さを調節する前記スペーサである、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1090]
前記粒子が、1nm~200umの範囲の平均直径を有するマイクロ粒子またはナノ粒子である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1091]
前記分析物濃縮領域が、1nm~200umの範囲の平均直径を有する、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1092]
前記濃縮突出部が、1nm~200umの範囲の平均直径を有する、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1093]
前記粒子が、0.1μm~10μmの範囲の平均直径を有する、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1094]
前記粒子が、1nm~500nmの範囲の平均直径を有する、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1095]
前記粒子が、0.5μm~30μmの範囲の平均直径を有する、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1096]
前記閉鎖構成にある前記プレート間の前記間隔と前記粒子の平均直径との間の比が、1~100の範囲である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1097]
前記閉鎖構成にある前記プレート間の前記間隔と前記分析物濃縮領域の高さとの間の比が、1~100の範囲である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1098]
前記閉鎖構成にある前記プレート間の前記間隔と前記濃縮突出部の高さとの間の比が、1~100の範囲である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1099]
前記粒子が、1mm
2
当たり1~10
6
の面積密度を有する、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1100]
前記分析物濃縮領域が、1mm
2
当たり1~10
6
の面積密度を有する、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1101]
前記濃縮突出部が、1mm
2
当たり1~10
6
の面積密度を有する、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1102]
前記粒子が、1mm
2
当たり1~1000の面積密度を有する、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1103]
前記粒子が、前記粒子に近接する前記信号を増幅するように構成され、1~10000の範囲の信号増幅率を有する、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1104]
前記検出抗体が、前記試料中の分析物濃度よりも1~1000倍高い前記均一な厚さの層内の濃度を有するように構成されている、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1105]
前記粒子および前記検出剤が、同じプレート上にある、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1106]
前記粒子および前記検出剤が、異なるプレート上にある、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1107]
前記分析物が、細胞、ウイルス、タンパク質、ペプチド、DNA、RNA、オリゴヌクレオチド、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1108]
前記分析物が、C反応性タンパク質(CRP)である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1109]
前記捕捉剤が、タンパク質、ペプチド、ペプチド模倣物、ストレプトアビジン、ビオチン、オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチド模倣物、任意の他の親和性リガンド、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1110]
前記捕捉剤が、抗体である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1111]
前記捕捉抗体が、抗C反応性タンパク質(CRP)抗体である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1112]
前記捕捉剤が、前記分析物の存在を検出し、かつ/または量を測定するのに十分である濃度を有する、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1113]
前記捕捉剤が、前記分析物を固定化するのに十分である濃度を有する、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1114]
前記検出剤が、タンパク質、ペプチド、ペプチド模倣物、ストレプトアビジン、ビオチン、オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチド模倣物、任意の他の親和性リガンド、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1115]
前記検出剤が、抗体である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1116]
前記検出抗体が、抗CRP抗体である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1117]
前記粒子が、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、PMMG、PC、COC、COP、ガラス、樹脂、アルミニウム、金もしくは他の金属、または表面が修飾されて前記捕捉剤と会合され得る任意の他の材料からなる群から選択される材料でできている、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1118]
前記粒子が、タンパク質安定剤で処理されている、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1119]
前記捕捉剤が、前記粒子と結合している、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1120]
前記粒子が、
a.N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)による活性化、
b.BSA溶液によるブロッキング、および
c.捕捉剤溶液とのインキュベート
によって調製される、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1121]
前記液体試料が、羊水、房水、硝子体液、血液(例えば、全血、分画血液、血漿、または血清)、母乳、脳脊髄液(CSF)、耳垢(cerumen)(耳垢(earwax))、乳糜、糜汁(chime)、内リンパ液、外リンパ液、糞便、呼気、胃酸、胃液、リンパ液、粘液(鼻漏および痰を含む)、心膜液、腹膜液、胸膜液、膿、粘膜の分泌物、唾液、呼気凝縮液、皮脂、精液、喀痰、汗、関節液、涙、嘔吐物、尿、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される生体試料から作られる、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1122]
前記試料が、川、湖、池、海、氷河、氷山、雨、雪、下水、貯水池、水道水、または飲料水からなる群から選択される供給源からの環境液体試料、土壌、堆肥、砂、岩、コンクリート、木材、レンガ、下水からの固体試料、およびそれらの任意の組み合わせである、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1123]
前記試料が、空気、水中排熱口、産業排気、車両排気、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される供給源からの環境気体試料である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1124]
前記試料が、生の材料、調理済み食品、植物および動物の食物源、予め加工済みの食品、および部分的または完全に加工済みの食品、ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される食品試料である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1125]
前記検出剤が、標識剤である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1126]
前記検出剤が、フルオロフォアで標識される、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1127]
前記フルオロフォアが、Cy5である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1128]
前記粒子が、標識と会合され、前記検出剤が、前記検出剤が前記標識に近接しているときに前記粒子会合標識のシグナルを消光するように構成された消光剤である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1129]
前記検出器が、前記分析物の存在および/または量を示す前記分析物濃縮領域または粒子から発せられる前記信号を検出する、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1130]
前記信号が、
i.フォトルミネセンス、エレクトロルミネセンス、および電気化学ルミネセンスから選択されるルミネセンス、
ii.光吸収、反射、透過、回折、散乱、もしくは拡散、
iii.表面ラマン散乱、
iv.抵抗、静電容量、およびインダクタンスから選択される電気インピーダンス、
v.磁気緩和能、または
vi.i~vの任意の組み合わせ
である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1131]
前記モバイル通信デバイスが、試験結果を医療専門家、医療施設、または保険会社に通信するように構成されている、前記本発明のいずれかのスマートフォンシステム。
[本発明1132]
前記モバイル通信デバイスが、前記対象に関する情報を前記医療専門家、医療施設、または保険会社に通信するようにさらに構成されている、前記本発明のいずれかのスマートフォンシステム。
[本発明1133]
前記モバイル通信デバイスが、医療専門家から処方、診断、または勧告を受信するように構成されている、前記本発明のいずれかのスマートフォンシステム。
[本発明1134]
前記モバイル通信デバイスが、wifiまたはセルラーネットワークを介して遠隔地と通信する、前記本発明のいずれかのスマートフォンシステム。
[本発明1135]
前記モバイル通信デバイスが、携帯電話である、前記本発明のいずれかのスマートフォンシステム。
[本発明1136]
前記試料接触部位が、前記撮像ステップ(e)の前に洗浄されない、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1137]
前記撮像ステップ(e)の前に前記試料接触領域を洗浄することをさらに含む、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1138]
前記分析物の存在を判定すること、および/または前記分析物の量を測定することをさらに含む、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1139]
前記計算されたパラメータが、分析される全ての粒子からの平均信号強度を含む、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1140]
前記計算されたパラメータが、分析される全ての粒子からの最高信号強度を含む、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1141]
前記計算されたパラメータが、分析される全ての粒子からの信号強度分布を含む、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1142]
前記計算されたパラメータが、閾値より大きい信号強度で分析される全ての粒子の数を含む、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1143]
前記計算されたパラメータが、前記画像の第1の領域内で分析される全ての粒子からの平均信号強度を含む、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1144]
前記計算されたパラメータが、前記画像の第1の領域内で分析される全ての粒子からの最高信号強度を含む、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1145]
前記計算されたパラメータが、前記画像の第1の領域内で分析される全ての粒子からの信号強度分布を含む、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1146]
前記計算されたパラメータが、閾値より大きい信号強度で前記画像の第1の領域内において分析される全ての粒子の数を含む、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1147]
前記分析物が、タンパク質、ペプチド、核酸、合成化合物、および無機化合物の検出における分析物である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1148]
前記試料が、羊水、房水、硝子体液、血液(例えば、全血、分画血液、血漿、または血清)、母乳、脳脊髄液(CSF)、耳垢(cerumen)(耳垢(earwax))、乳糜、糜汁(chime)、内リンパ液、外リンパ液、糞便、呼気、胃酸、胃液、リンパ液、粘液(鼻漏および痰を含む)、心膜液、腹膜液、胸膜液、膿、粘膜の分泌物、唾液、呼気凝縮液、皮脂、精液、喀痰、汗、関節液、涙、嘔吐物、および尿から選択される生体試料である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1149]
前記スペーサが、柱の形状を有し、前記柱の幅対高さの比が、1以上である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1150]
前記プレートのうちの一方または両方の上に載せられた前記試料が、未知の体積を有する、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1151]
前記スペーサが、柱の形状を有し、前記柱が、実質的に均一な断面を有する、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1152]
前記試料が、ある特定の疾患の病期と相関する化合物または生体分子の検出、精製、および定量化のためのものである、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1153]
前記試料が、感染症および寄生虫病、外傷、心血管疾患、癌、精神疾患、神経精神疾患、肺疾患、腎疾患、ならびに他のおよび器質性疾患に関連している、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1154]
前記試料が、微生物の検出、精製、および定量化に関連している、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1155]
前記試料が、環境、例えば、水、土壌、または生体試料からのウイルス、真菌、および細菌に関連している、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1156]
前記試料が、食品の安全性または国家安全保障を危険にさらす化学化合物または生体試料、例えば、毒性廃棄物、炭疽の検出、定量化に関連している、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1157]
前記試料が、医療用モニターまたは生理学的モニターにおけるバイタルパラメータの定量化に関連している、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1158]
前記試料が、グルコース、血液、酸素レベル、総血球数に関連している、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1159]
前記試料が、生体試料からの特定のDNAまたはRNAの検出および定量化に関連している、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1160]
前記試料が、ゲノム分析のための染色体およびミトコンドリア内のDNAにおける遺伝子配列の配列決定および比較に関連している、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1161]
前記試料が、例えば、医用薬剤の合成または精製中に反応生成物を検出することに関連している、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1162]
前記試料が、細胞、組織、体液、および排泄物である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1163]
前記試料が、タンパク質、ペプチド、核酸、合成化合物、無機化合物の前記検出における試料である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1164]
前記試料が、ヒト、獣医、農業、食品、環境、および薬物検査の分野における試料である、前記本発明のいずれかのデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、または方法。
[本発明1165]
前記試料が、血液、血清、血漿、鼻腔ぬぐい液、鼻咽頭洗浄液、唾液、尿、胃液、脊髄液、涙、排泄物、粘液、汗、耳垢、油、腺分泌物、脳脊髄液、組織、精液、膣液、腫瘍組織由来の間質液、眼液、脊髄液、咽頭ぬぐい液、呼吸、毛髪、指の爪、皮膚、生検、胎盤液、羊水、臍帯血、リンパ液、体腔液、喀痰、膿、微生物叢、胎便、母乳、呼気凝縮液鼻咽頭洗浄液、鼻腔ぬぐい液、咽頭ぬぐい液、排泄物試料、毛髪、指の爪、耳垢、呼気、結合組織、筋肉組織、神経組織、上皮組織、軟骨、癌試料、または骨から選択される生体試料である、前記本発明のいずれかの方法またはデバイス。
【図面の簡単な説明】
【0004】
当業者は、以下に記載される図面が単に例示目的のためであることを理解するであろう。図面は、決して本教示の範囲を限定することを意図していない。いくつかの図では、図面は縮尺どおりである。実験データ点を提示する図では、データ点をつなぐ線は、単にデータの表示を示すためのものであり、他の意味はない。
【0005】
【
図1A】本開示の例示的な実施形態の開放構成および閉鎖構成を示す。
【
図1B】本開示の実施形態で使用されるローカル読み取りを示す。各粒子領域からの信号(S
P)および粒子の周囲の領域の信号(ローカルバックグラウンドS
B)が測定される。アッセイの真の信号S
Aは、S
A=S
P-S
Bとして決定される。
【
図2A】2つの分析物濃縮領域を備えた2つのプレートを含む、その閉鎖構成にある均質アッセイのための例示的なシステムの断面図を概略的に示す。
【
図2B】2つの分析物濃縮突出部を備えた2つのプレートを含む、その閉鎖構成にある均質アッセイのための別の例示的なシステムの断面図を概略的に示す。
【
図3】プレート上に「突出部」柱および「スペーサ」柱を備えた均質アッセイのためのデバイスの例示的な実施形態の概略図を示す。(a)上面図および(b)断面図。
【
図4】分析物濃縮領域(ACA)を作るための突出部上の表面コーティング:(a)突出部の頂面上のコーティング、(b)突出部の1つの側面または複数の側面の表面上のコーティング、(c)突出部の全ての側面の表面上のコーティング、および(d)突出部の全ての表面上のコーティングによって作られた分析物濃縮領域(ACA)の例示的な実施形態の概略図を示す。
【
図5】上から見た突出部の形状の例示的な実施形態の概略図を示す。(a)線状の突出部、(b)円形のドット形状の突出部、(c)正方形のドット形状の突出部、(d)棒形の突出部、(e)三角形の突出部、および(f)上記の組み合わせ。
【
図6】側面から見た突出部の形状の例示的な実施形態の概略図を示す。(a)円形の突出部、(b)正方形の突出部、(c)ピラミッド形の突出部、(d)台形の突出部、(e)楕円形の突出部、および(f)平行四辺形の突出部。
【
図7】2つのプレートのうちの1つの上に信号増幅表面を含む、その閉鎖構成にある均質アッセイのための別の例示的なシステムの断面図を概略的に示す。
【
図8】捕捉剤を使用して分析物を捕捉する分析物濃縮表面の例を示し、捕捉分析物は、標識とさらに結合される。パネル(A)は、捕捉剤が捕捉抗体であるタンパク質濃縮表面を示し、パネル(B)は、捕捉剤が捕捉プローブである核酸濃縮表面を示し、パネル(C)は、タンパク質分析物が直接標識されているタンパク質濃縮表面を示し、パネル(D)は、タンパク質分析物が捕捉抗体と会合される標識のシグナルを消光する消光剤で標識されているタンパク質濃縮表面を示す。
【
図9】(i)正方形の格子を有する円形、(ii)正方形の格子を有する矩形、(iii)六角形の格子を有する三角形、(iv)非周期性を有する円形を有するプレートのうちの一方または両方の上の分離されたナノ/マイクロアイランドである分析物濃縮領域/突出部の上面図。
【
図10】1つのプレート上に周期的に配置されたビーズを有するデバイスの一実施形態の概略図を提供する。
【
図11】ビーズをプレート上にかなり周期的に配置させる例示的なプロセスの概略図を提供する。
【
図12】2つのプレートに挟持された試料(すなわち、溶液)内の蛍光染色ビーズの例示的な蛍光および明視野画像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
例示的な実施形態の詳細な説明
以下の詳細な説明は、限定ではなく例として本発明のいくつかの実施形態を図示する。存在する場合、本明細書で使用されるセクションの見出しおよび任意のサブタイトルは、単に構成上の目的のためであり、決して説明される主題を限定するものとして解釈されるべきではない。セクションの見出しおよび/またはサブタイトル下の内容は、セクションの見出しおよび/またはサブタイトルに限定されず、本発明の説明全体に適用される。
【0007】
いかなる出版物の引用も、出願日前のその開示のためであり、本特許請求の範囲が先行発明のためにそのような出版物に先行する権利がないことを認めるものと解釈されるべきではない。さらに、提供される出版日は実際の出版日とは異なる可能性があり、個別に確認する必要がある。
【0008】
図は厳密な比率で要素を示すことを意図していないことに留意するべきである。明確にするために、図に示される場合にいくつかの構成要素が拡大されている。要素の寸法は、参照により本明細書に提供され組み込まれる説明から詳述されるはずである。
【0009】
定義
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本開示が属する分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと同様または同等の任意の方法および材料も本教示の実施または試験に使用され得るが、いくつかの例示的な方法および材料がここで記載される。
【0010】
「標識分析物」および「結合標識」という用語は、互換性がある。「標識分析物」という句は、標識の存在を評価することによって分析物が検出され得るように、発光標識で検出可能に標識された分析物を指す。標識分析物は、直接標識されてもよい(すなわち、分析物自体が、例えば、強い結合、例えば、共有結合または非共有結合を介して標識に直接結合されてもよい)か、または標識分析物は、間接的に標識されてもよい(すなわち、分析物は、直接標識された二次捕捉剤によって結合される)。
【0011】
「非結合標識」のシグナルが「非結合標識」ではない他のバックグラウンドからのシグナルを含むことを理解した上で、「非結合標識」および「バックグラウンド」という用語は、互換性がある。
【0012】
「横方向領域」という用語は、プレートと並行している領域を指す。
【0013】
「分析物濃縮領域」という用語は、その領域が表面の残りの領域よりも、標識分析物/結合標識に結合する(または後に標識に結合する分析物に結合する)親和性が高い、表面の領域を指す。
【0014】
「隣接する2つの分析物濃縮領域間の横方向距離」または「IACD(分析物濃縮領域間距離)」という用語は、各分析物濃縮領域の平均中心間の距離を指す。例えば、分析物濃縮領域の各々が横方向形状において円形を有する場合、IACDは、2つの円の中心間の距離である。別の例では、2つの分析物濃縮領域の各々が垂直面である場合、IACDは、2つの面の間の横方向距離である。
【0015】
本明細書で使用される「拡散パラメータ」または「DP」という用語は、
に等しいパラメータを指し、式中、Dは、試料中の分析物の拡散定数であり、tは、意図されたアッセイ時間であり(すなわち、拡散パラメータは、試料中の分析物の拡散定数の平方根に意図されたアッセイ時間を乗じたものに等しい)、意図されたアッセイ時間は、時間パラメータである。例えば、試料中の分析物の拡散定数が1×10
-7cm
2/秒である場合、意図されたアッセイ時間は60秒であり、拡散パラメータは24um(ミクロン)である。一般的な分析物拡散定数のいくつかは、PBS中のIgG:3×10
-7cm
2/秒、血液中のIgG:1×10
-7cm
2/秒、および血液中の20bp DNA:4×10
-7cm
2/秒である。
【0016】
本明細書で使用される「ビーズ」という用語は、その形状および材料に関係なく、ナノスケールまたはマイクロスケールの三次元物体を指す。「ビーズ」および「粒子」という用語は、互換性がある。
【0017】
「特異的に捕捉する」という用語は、捕捉剤が、検出される分析物に選択的に結合したことを意味する。
【0018】
「特異的結合」および「選択的結合」という用語は、異なる標的分子の不均質混合物中に存在する特定の標的分子に優先的に結合する捕捉剤の能力を指す。特異的または選択的結合相互作用は、典型的には約10~100倍以上(例えば、約1000または10,000倍超)、試料中の望ましい(例えば、活性)標的分子と望ましくない(例えば、不活性)標的分子とを区別する。
【0019】
「ポリペプチド」、「ペプチド」、および「タンパク質」という用語は、本明細書では互換的に使用され、任意の長さのアミノ酸のポリマーを指す。ポリマーは、線状であっても分岐であってもよく、修飾アミノ酸を含んでもよく、非アミノ酸によって中断されてもよい。これらの用語はまた、修飾されたアミノ酸ポリマー、例えば、ジスルフィド結合の形成、グリコシル化、脂質化、アセチル化、リン酸化、または標識構成成分との結合などの任意の他の操作も包含する。本明細書で使用される場合、「アミノ酸」という用語は、グリシンおよびDまたはL光学異性体の両方、ならびにアミノ酸類似体およびペプチド模倣物を含む、天然および/または非天然もしくは合成アミノ酸を指す。
【0020】
「ポリヌクレオチド」、「ヌクレオチド」、「ヌクレオチド配列」、「核酸」、「核酸分子」、「核酸配列」、および「オリゴヌクレオチド」という用語は、互換的に使用され、それぞれそれらの用語が利用される文脈に応じて各々の複数を含むこともできる。それらは、デオキシリボヌクレオチド(DNA)もしくはリボヌクレオチド(RNA)、またはそれらの類似体のいずれかの、任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態を指す。ポリヌクレオチドは、任意の三次元構造を有してもよく、既知または未知の任意の機能を実施し得る。以下は、ポリヌクレオチドの非限定的な例である:遺伝子または遺伝子断片のコード化または非コード化領域、連鎖分析から定義される遺伝子座(1つの遺伝子座)、エクソン、イントロン、メッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNA(tRNA)、リボソームRNA、リボザイム、低分子干渉RNA、(siRNA)、マイクロRNA(miRNA)、核内低分子RNA(snRNA)、cDNA、組換えポリヌクレオチド、分岐ポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、任意の配列の単離DNA(A、B、およびZ構造)、PNA、ロックド核酸(LNA)、TNA(トレオース核酸)、任意の配列の単離RNA、核酸プローブ、およびプライマー。アクセスできないRNAと呼ばれることが多いLNAは、修飾RNAヌクレオチドである。LNAヌクレオチドのリボース部分は、2’炭素および4’炭素を接続する追加の架橋で修飾される。架橋は、リボースを3’エンド構造配座で「ロック」し、これは多くの場合、熱安定性を大幅に改善することができるDNAまたはRNAのA形態においてよく見られる。
【0021】
本明細書で使用される「捕捉剤」という用語は、その結合パートナーに特異的に結合することができる結合メンバー、例えば、核酸分子、ポリペプチド分子、または任意の他の分子もしくは化合物、例えば、第1の核酸分子に相補的なヌクレオチド配列を含む第2の核酸分子、抗原を特異的に認識する抗体、抗体によって特異的に認識される抗原、標的分子に特異的に結合することができる核酸アプタマーなどを指す。捕捉剤は、標的分子に特異的に結合することによって、異なる分子の不均質混合物から標的分子を濃縮し得る。結合は、非共有結合であっても共有結合であってもよい。結合メンバーとそれが特異的に結合するその結合パートナーとの間の、それらが結合複合体中で互いに特異的に結合されたときの親和性は、10-5M以下、10-6M以下、例えば、10-7M以下、10-8M以下を含む、例えば、10-9M以下、10-10M以下、10-11M以下、10-12M以下、10-13M以下、10-14M以下、10-15M以下、10-16M以下を含む、KD(解離定数)によって特徴付けられる。「親和性」とは、結合の強度を指し、結合親和性の増加は、KDの低下と相関している。
【0022】
「検出剤」とも呼ばれ得る「二次捕捉剤」という用語は、抗原に対して高度に特異的な親和性を有する生体分子または化学化合物のグループを指す。二次捕捉剤は、光学的に検出可能な標識、例えば、酵素、蛍光標識に強く結合され得るか、またはそれ自体が、生体結合反応を通して光学的に検出可能な標識に結合される別の検出剤によって検出され得る(Hermanson,“Bioconjugate Techniques”Academic Press,2nd Ed.,2008)。
【0023】
「捕捉剤反応基」という用語は、捕捉剤と反応して、すなわち、捕捉剤中の部分(例えば、ヒドロキシル、スルフヒドリル、カルボキシル、またはアミン基)と反応して、安定した強い、例えば、共有結合を生じさせることができる、分子内の化学機能の部分を指す。
【0024】
本明細書で使用される「抗体」という用語は、認識された免疫グロブリン遺伝子の全部または一部によって実質的にコードされる1つ以上のポリペプチドからなるタンパク質を意味する。例えば、ヒトにおいて認識された免疫グロブリン遺伝子には、カッパ(κ)、ラムダ(λ)、および重鎖遺伝子座が含まれ、これらは一緒に、無数の可変領域遺伝子、ならびに定常領域遺伝子ミュー(μ)、デルタ(δ)、ガンマ(γ)、シグマ(σ)、およびアルファ(α)を含み、これらは、IgM、IgD、IgG、IgE、およびIgA抗体の「アイソタイプ」または「クラス」をそれぞれコードする。本明細書の抗体は、完全長抗体および抗体断片を含むよう意図され、任意の生物由来の天然抗体、操作された抗体、または実験、治療、もしくは他の目的のために組換えによって生成された抗体を指し得る。「抗体」という用語は、抗体全体の修飾によって産生されるか、または組換えDNA技術を使用してデノボ合成されるもののいずれかである、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv、scFv、または抗体の他の抗原結合部分配列など、当該技術分野で既知のような完全長抗体および抗体断片を含む。
【0025】
「抗体エピトープ」、「エピトープ」、「抗原」という用語は、抗体によって結合される生体分子を指すために本明細書で互換的に使用される。抗体エピトープには、タンパク質、炭水化物、核酸、ホルモン、受容体、腫瘍マーカーなど、およびそれらの混合物が含まれ得る。抗体エピトープはまた、サイズ排除クロマトグラフィカラムから溶出されたタンパク質の特定の分画など、抗体エピトープのグループでもあってもよい。さらに、抗体エピトープはまた、発現ライブラリーまたはランダムエピトープライブラリーからの指定されたクローンとして同定され得る。
【0026】
本明細書で使用される「アレルゲン」は、例えば、皮膚接触、摂取、吸入、眼との接触などによって、個体が物質に曝されたときに個体においてアレルギー性炎症反応を引き起こす物質である。アレルゲンには、アレルギー反応を一緒に引き起こす物質のグループが含まれ得る。アレルゲンは、以下のグループによって分類された供給源に見られ得る:天然および人工繊維(綿、麻、羊毛、シルク、チークなど、木材、藁、および他の塵);樹木花粉(ハンノキ、カバノキ、ハシバミ、オーク、ポプラ、ヤシなど);雑草および花(ブタクサ属、ヨモギ属など);草およびトウモロコシ(フェスク、チモシーグラス、ライ麦、小麦、トウモロコシ、ブルーグラスなど);薬物(抗生物質、抗菌薬、鎮痛薬および非ステロイド系抗炎症薬、麻酔薬、筋弛緩薬、ホルモンなど);表皮および動物アレルゲン(動物の上皮、鳥の羽、血清など);カビおよび酵母(ペニシリウム・ノタチオン(Penicillium notation)、クラドスポリウム(Cladosporium)属の種、アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)、ムコール・ラセマサス(Mucor racemosus)など);昆虫毒;保存剤(ブチルパラベン、ソルビン酸、安息香酸塩など);精液(射精);寄生虫およびダニアレルゲン(回虫、ヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoides pteronyssinus)、コナヒョウヒダニ(Dermatophagoides farinae)、シワチリダニ(Euroglyphus maynei)など);職業および趣味のアレルゲン(コーヒー豆、ホルムアルデヒド、ラテックス、クロラミン、染料など);食物アレルゲン(卵製品、乳製品およびチーズ、肉製品、魚および海産物、大豆製品、キノコ、小麦粉および穀物、野菜、メロンおよびウリ、マメ、ハーブおよび栄養補助食品、ならびに他の製品)など。
【0027】
「ハイブリダイゼーション」という用語は、1つ以上のポリヌクレオチドが反応して、ヌクレオチド残基の塩基間の水素結合を介して安定化された複合体を形成する反応を指す。水素結合は、ワトソン・クリック塩基対合、フーグスティーン結合、または任意の他の配列特異的方法によって生じ得る。複合体は、二重鎖構造を形成する2つの鎖、多本鎖複合体を形成する3つ以上の鎖、単一の自己ハイブリダイズ鎖、またはこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0028】
当業者に既知であるように、ハイブリダイゼーションは、様々なストリンジェンシーの条件下で実施され得る。好適なハイブリダイゼーション条件は、捕捉配列と標的核酸との間の認識相互作用が十分に特異的であり、かつ十分に安定しているようなものである。ハイブリダイゼーション反応のストリンジェンシーを増加させる条件は、広く知られており、当該技術分野で公開されている。例えば、以下のGreen,et al.,(2012)を参照されたい。
【0029】
「タンパク質」という用語は、任意の長さ、すなわち、2アミノ酸超、約5アミノ酸超、約10アミノ酸超、約20アミノ酸超、約50アミノ酸超、約100アミノ酸超、約200アミノ酸超、約500アミノ酸超、約1000アミノ酸超、約2000アミノ酸超であり、通常約10,000アミノ酸を超えないアミノ酸のポリマー形態を指し、これは、コード化および非コード化アミノ酸、化学的または生化学的に修飾または誘導体化されたアミノ酸、および修飾されたペプチド骨格を有するポリペプチドを含むことができる。この用語は、N末端メチオニン残基を含むか、または含まない、異種アミノ酸配列との融合タンパク質、異種および同種リーダー配列との融合;免疫学的にタグ付けされたタンパク質;検出可能な融合パートナーとの融合タンパク質、例えば、融合パートナーとして蛍光タンパク質、β-ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼなどを含む融合タンパク質;などが挙げられるが、これらに限定されない融合タンパク質を含む。これらの用語にはまた、細胞内で翻訳後修飾、例えば、グリコシル化、開裂、分泌、プレニル化、カルボキシル化、リン酸化などされたポリペプチド、および二次または三次構造を有するポリペプチド、および例えば、他の部分、例えば、他のポリペプチド、原子、補因子などに、例えば、共有結合的または非共有結合的に、強く結合されたポリペプチドも含まれる。
【0030】
本明細書で使用される「相補的」という用語は、目的の標的核酸への水素結合によって塩基対となるヌクレオチド配列を指す。標準的なワトソン・クリック塩基対合では、DNAにおいて、アデニン(A)がチミン(T)と塩基対を形成し、グアニン(G)がシトシン(C)と塩基対を形成する。RNAでは、チミンは、ウラシル(U)に置き換えられる。したがって、Aは、Tに相補的であり、Gは、Cに相補的である。典型的には、「相補的」は、配列内の全てのヌクレオチドが対応する位置の標的核酸内の全てのヌクレオチドに相補的であるように、目的の標的に完全に相補的であるヌクレオチド配列を指す。ヌクレオチド配列が非標的配列に完全に相補的(100%相補的)ではないが、非標的配列に対するヌクレオチド配列のある特定の伸長の相補性により、非標的配列に対してなおも塩基対をなす場合、相補性の割合が、非特異的(標的外)結合の可能性を評価するために計算され得る。一般に、50%以下の相補性は、非特異的結合をもたらさない。加えて、70%以下の相補性は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で非特異的結合をもたらさない可能性がある。
【0031】
本明細書で使用される「リボ核酸」および「RNA」という用語は、リボヌクレオチドからなるポリマーを意味する。
【0032】
本明細書で使用される「デオキシリボ核酸」および「DNA」という用語は、デオキシリボヌクレオチドからなるポリマーを意味する。
【0033】
本明細書で使用される「オリゴヌクレオチド」という用語は、約10~200ヌクレオチドおよび最大300ヌクレオチド長、またはそれ以上、例えば、最大500ヌクレオチド長またはそれ以上の一本鎖ヌクレオチド多量体を意味する。オリゴヌクレオチドは、合成であってもよく、ある特定の実施形態では、300ヌクレオチド長未満であってもよい。
【0034】
本明細書で使用される「付着する」という用語は、ある分子の別の分子への強い、例えば、共有または非共有結合の結合を指す。
【0035】
本明細書で使用される「表面に付着した」という用語は、表面に強く付着した分子を指す。
【0036】
本明細書で使用される「試料」という用語は、1つ以上の分析物または目的の実体を含む、材料または材料の混合物に関する。特定の実施形態では、試料は、細胞、組織、体液、および排泄物などの生体試料から得られ得る。目的の体液としては、羊水、房水、硝子体液、血液(例えば、全血、分画血液、血漿、血清など)、母乳、脳脊髄液(CSF)、耳垢(cerumen)(耳垢(earwax))、乳糜、糜汁(chime)、内リンパ液、外リンパ液、糞便、胃酸、胃液、リンパ液、粘液(鼻漏および痰を含む)、心膜液、腹膜液、胸膜液、膿、粘膜の分泌物、唾液、皮脂(皮膚の油)、精液、喀痰、汗、関節液、涙、嘔吐物、尿、および呼気凝縮液が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、試料は、対象、例えば、ヒトから得られてもよく、対象アッセイで使用する前に処理されてもよい。例えば、分析に先立って、使用前に組織試料からタンパク質/核酸が抽出されてもよく、その方法は既知である。特定の実施形態では、試料は、臨床試料、例えば、患者から採取された試料であってもよい。
【0037】
「分析物」という用語は、分子(例えば、タンパク質、ペプチド、DNA、RNA、核酸、または他の分子)、細胞、組織、ウイルス、および様々な形状のナノ粒子を指す。
【0038】
「アッセイ」という用語は、分析物の存在および/または存在量を検出するために試料を試験することを指す。
【0039】
本明細書で使用される場合、「決定する」、「測定する」、「評価する」、および「分析する」という用語は、互換的に使用され、定量的および定性的決定の両方を含む。
【0040】
本明細書で使用される場合、「発光標識」という用語は、外部励起下にあるときに光を発することができる標識を指す。これは、ルミネセンスであり得る。蛍光標識(色素分子または量子ドットを含む)、および発光標識(例えば、エレクトロルミネセンスまたは化学ルミネセンス標識)は、発光標識の一種である。外部励起は、蛍光の場合は光(光子)、エレクトロルミネセンスの場合は電流、化学ルミネセンスの場合は化学反応である。外部励起は、上記の組み合わせであってもよい。
【0041】
核酸に関して「ハイブリダイズする」および「結合する」という用語は、互換的に使用される。
【0042】
「捕捉剤/分析物複合体」という用語は、分析物と捕捉剤との特異的結合から生じる複合体である。捕捉剤と捕捉剤のための分析物は通常、「特異的結合条件」または「特異的結合に適した条件」下で互いに特異的に結合し、そのような条件は、結合が捕捉剤と分析物との間に生じて溶液中で結合することを可能にする条件(塩濃度、pH、洗剤、タンパク質濃度、温度などの観点から)である。特に抗体およびその抗原および核酸ハイブリダイゼーションに関するそのような条件は、当該技術分野で周知である(例えば、Harlow and Lane (Antibodies:A Laboratory Manual Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,N.Y.(1989)およびAusubel,et al,Short Protocols in Molecular Biology,5th ed.,Wiley & Sons,2002を参照されたい)。
【0043】
分析物、例えば、バイオマーカー、生体分子、合成有機化合物、無機化合物などへの捕捉剤の結合に関して本明細書で使用される「特異的結合条件」および「結合に適した条件」という用語は、互いに特異的に結合する分子の対を含む核酸二本鎖またはタンパク質/タンパク質(例えば、抗体/抗原)複合体、タンパク質/化合物複合体、アプタマー/標的複合体を産生すると同時に、互いに特異的に結合しない分子間の複合体の形成を好まない条件を指す。特異的結合条件は、ハイブリダイゼーション条件および洗浄条件の両方の合計または組み合わせ(全体)であり、必要に応じて洗浄およびブロッキングステップを含んでもよい。核酸ハイブリダイゼーションの場合、特異的結合条件は、溶液:50%ホルムアミド、5×SSC(150mM NaCl、15mMクエン酸三ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH7.6)、5×デンハルト溶液、10%硫酸デキストラン、および20ug/mL変性剪断サケ精子DNA中、42℃でのインキュベーション、続いて0.1×SSC中、約65°Cでのフィルタの洗浄によって達成され得る。
【0044】
抗体の抗原への結合の場合、特異的結合条件は、ブロッキング溶液(例えば、3%BSAまたは脱脂乳を含むPBS)中で抗体を含む第1のプレートをブロックし、続いて希釈したブロッキング緩衝剤中で分析物を含有する試料とインキュベートすることによって達成され得る。このインキュベーション後、第1のプレートは、洗浄液(例えば、PBS+TWEEN 20)中で洗浄され、二次捕捉抗体(抗原の第2の部位を認識する検出抗体)とインキュベートされる。二次捕捉抗体は、光学的に検出可能な標識、例えば、IRDye800CW、Alexa 790、Dylight 800などのフルオロフォアと結合され得る。さらなる洗浄後、結合された二次捕捉抗体の存在が検出され得る。当業者は、検出される信号を増加させ、バックグラウンドノイズを低減するように修正され得るパラメータに関して知識があるであろう。
【0045】
対象は、任意のヒトまたは非ヒト動物であってもよい。対象は、本方法を実施する人、患者、試験センターの顧客などであってもよい。
【0046】
本明細書で使用される「分析物」は、本発明の試験に適した任意の物質である。
【0047】
本明細書で使用される場合、「診断試料」とは、対象に由来する体液などの身体副産物である任意の生体試料を指す。診断試料は、液体の形で対象から直接得られ得るか、または最初に身体副産物を緩衝剤などの溶液中に入れることによって対象から得られ得る。例示的な診断試料としては、唾液、血清、血液、喀痰、尿、汗、涙、精液、糞便、呼気、生検、粘液などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
本明細書で使用される場合、「環境試料」とは、環境から得られる任意の試料を指す。環境試料は、川、湖、池、海、氷河、氷山、雨、雪、下水、貯水池、水道水、飲料水などからの液体試料;土壌、堆肥、砂、岩、コンクリート、木材、レンガ、下水などからの固体試料;および空気、水中排熱口、産業排気、車両排気などの気体試料を含んでもよい。典型的には、液体形態でない試料は、本発明で試料を分析する前に液体形態に変換される。
【0049】
本明細書で使用される場合、「食品試料」は、動物の消費、例えばヒトの消費に適した任意の試料を指す。食品試料は、生の材料、調理済みの食品、植物および動物源の食糧、前処理済みの食品、ならびに部分的または完全に処理済みの食品などを含んでもよい。典型的には、液体形態でない試料は、本発明で試料を分析する前に液体形態に変換される。
【0050】
本明細書で使用される「診断」という用語は、目的の疾患または状態の特定、その転帰の予測、および/またはその治療応答の予測のための方法または分析物の使用を指す。診断には、疾患もしくは状態を有する可能性もしくは素因の予測、疾患もしくは状態の重症度の推定、疾患もしくは状態の進行のリスクの決定、治療に対する臨床反応の評価、および/または治療に対する応答の予測が含まれ得る。
【0051】
本明細書で使用される「バイオマーカー」は、目的の試料中に見られ、試料が得られる対象における目的の疾患または状態の存在または素因の診断に役立つか、またはそれらに関連することが既知である任意の分子または化合物である。バイオマーカーとしては、目的の疾患または状態に関連することが既知であるポリペプチドまたはその複合体(例えば、抗原、抗体)、核酸(DNA、miRNA、mRNAなど)、薬物代謝産物、脂質、炭水化物、ホルモン、ビタミンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0052】
健康状態の診断に関して本明細書で使用される「状態」は、他の生理学的状態と区別可能である心または身体の生理学的状態を指す。健康状態は、場合によっては疾患と診断されないことがある。目的の例示的な健康状態としては、栄養健康;老化;環境毒素、殺虫剤、除草剤、合成ホルモン類似体への曝露;妊娠;閉経;男性更年期;睡眠;ストレス;前糖尿病;運動;疲労;化学バランスなどが含まれるが、これに限定されない。「ビオチン部分」という用語は、ビオチンまたはデスチオビオチン、オキシビオチン、2’-イミノビオチン、ジアミノビオチン、ビオチンスルホキシド、ビオシチンなどのビオチン類似体を含む親和剤を指す。ビオチン部分は、少なくとも10-8Mの親和性でストレプトアビジンに結合する。ビオチン親和剤は、リンカー、例えば、-LC-ビオチン、-LC-LC-ビオチン、-SLC-ビオチン、または-PEGn-ビオチン(nは3~12)も含み得る。
【0053】
「ストレプトアビジン」という用語は、ストレプトアビジンおよびアビジンの両方、ならびにビオチンに高親和性で結合するその任意の変異体を指す。
【0054】
生体試料の説明に使用される「マーカー」という用語は、生体試料中の存在または存在量が疾患または状態と相関している分析物を指す。
【0055】
「結合」という用語には、水素結合、イオン結合、およびファンデルワールス力によってもたらされる結合を含む、共有結合および非共有結合が含まれる。
【0056】
「増幅する」という用語は、信号の大きさの増加、例えば、信号の少なくとも10倍の増加、少なくとも100倍の増加、少なくとも1,000倍の増加、少なくとも10,000倍の増加、または少なくとも100,000倍の増加を指す。
【0057】
「実体」という用語は、「結合部位」に結合するタンパク質、ペプチド、DNA、RNA、核酸、分子(小または大)、細胞、組織、ウイルス、異なる形状のナノ粒子を指すが、これらに限定されない。実体には、捕捉剤、検出剤、およびブロッキング剤が含まれる。「実体」には、「分析物」が含まれ、2つの用語は、互換的に使用される。
【0058】
「結合部位」という用語は、試料中の「実体」を固定化することができる固体表面上の位置を指す。
【0059】
「実体パートナー」という用語は、「結合部位」上にあり、実態に結合するタンパク質、ペプチド、DNA、RNA、核酸、分子(小または大)、細胞、組織、ウイルス、異なる形状のナノ粒子を指すが、これらに限定されない。実体としては、捕捉剤、検出剤、二次検出剤、または「捕捉剤/分析物複合体」が挙げられるが、これらに限定されない。
【0060】
「標的分析物」または「標的実体」という用語は、特異的に分析(すなわち、検出)される特定の分析物、または結合部位に特異的に結合される特定の実体を指す。
【0061】
互換的に使用される「スマートフォン」または「携帯電話」という用語は、カメラと、カメラを使用して画像を撮り、カメラによって撮られた画像を操作し、遠隔地にデータを通信することができる通信ハードウェアおよびソフトウェアとを有するタイプの電話を指す。いくつかの実施形態では、スマートフォンは、フラッシュライトを有する。
【0062】
「光」という用語は、特に指定しない限り、様々な波長の電磁放射を指す。
【0063】
領域の「平均直線寸法」という用語は、その領域に4を掛け、次いでその領域の外周で割ったものに等しい長さとして定義される。例えば、領域が幅wおよび長さLを有する矩形であると、その矩形の直線寸法の平均は、4*W*L/(2*(L+W))である(式中、「*」は乗算を意味し、「/」は除算を意味する)。この定義により、平均線寸法は、幅Wの正方形の場合はW、および直径dを有する円の場合はdのそれぞれである。この領域としては、結合部位または貯蔵部位の領域が挙げられるが、これらに限定されない。
【0064】
周期構造配列の「周期」という用語は、構造の中心から最も近い隣接する同一の構造の中心までの距離を指す。
【0065】
「貯蔵部位」という用語は、プレート上の領域の部位を指し、その部位は、試料に添加される試薬を含み、試薬は、試薬と接触している試料に溶解し、試料中で拡散することが可能である。
【0066】
「関連」という用語は、分析物の検出、試料中もしくはプレート上の分析物もしくは実体の定量化および/もしくは制御、または試料もしくはプレートに添加される試薬の定量化もしくは制御に関連することを意味する。
【0067】
表面の「親水性」、「湿潤」、または「湿っている」という用語は、表面上の試料の接触角が90度未満であることを意味する。
【0068】
表面の「疎水性」、「非湿潤」、または「湿っていない」という用語は、表面上の試料の接触角が90度以上であることを意味する。
【0069】
数量の「変動」という用語は、実際の値と、目標値または数量の平均との差を指す。また、量の「相対変動」という用語は、目標値または量の平均に対する変動の比を指す。例えば、量の目標値がQであり、実際の値が(Q+□)である場合、□は、変動であり、□/(Q+□)は、相対変動である。「相対的な試料厚さの変動」という用語は、試料厚さの変動対平均の試料厚さの比を指す。
【0070】
「光透過性」という用語は、光信号の透過を可能にする材料を指し、「光信号」という用語は、特に指定しない限り、試料、プレート、スペーサ、スケールマーク、使用されている任意の構造、またはそれらの任意の組み合わせの特性をプローブするために使用される光信号を指す。
【0071】
「非試料体積」という用語は、CROFプロセスの閉鎖構成における、試料によって占有されないが、試料ではない他の物体によって占有されるプレート間の体積を指す。物体としては、スペーサ、気泡、塵、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。多くの場合、非試料体積(複数可)は、試料内で混合される。
【0072】
「飽和インキュベーション時間」という用語は、2種類の分子(例えば、捕捉剤および分析物)が結合して平衡に達するのに必要な時間を指す。表面固定化アッセイの場合、「飽和インキュベーション時間」は、試料中の標的分析物(実体)とプレート表面上の結合部位との間の結合に必要な時間、つまり、その後に結合部位によって捕捉および固定化された標的分子(実体)の平均数が統計的にほぼ一定になる時間を指す。
【0073】
場合によっては、「分析物」および「結合実体」および「実体」は、互換性がある。
【0074】
「プロセッサ」、「通信デバイス」、「モバイルデバイス」は、計算タスクを実行するための基本的な電子要素(メモリ、入出力インターフェース、中央処理装置、命令、ネットワークインターフェース、電源などのうちの1つ以上)を含むコンピュータシステムを指す。コンピュータシステムは、特定のタスクを実行するための命令を含む汎用コンピュータであってもよいか、または専用コンピュータであってもよい。
【0075】
信号またはデータ通信の説明に使用される「サイト」または「位置」は、デバイスまたは対象が存在するローカルエリアを指す。サイトは、病院などの建物構造内の部屋、または地理的に定義されたより大きいエリア内の地理的に定義されたより小さいエリアを指し得る。リモートサイトまたは遠隔地は、第2のサイトから離れた第1のサイトを参照して、距離および/または物理的障害によって第2のサイトから物理的に分離された第1のサイトである。リモートサイトは、建物構造の第2のサイトとは別の部屋にある第1のサイト、第2サイトとは異なる建物構造内にある第1のサイト、第2のサイトとは異なる市にある第1のサイトであり得る。
【0076】
本明細書で使用される場合、「生データ」には、センサ、カメラ、ならびに試料の特性または特徴を検出または測定する他の構成要素および機器からの信号および直接読み出しが含まれる。例えば、生データには、センサ、検出器、カウンター、カメラ、またはその他の構成要素もしくはデバイスからの電圧または電流出力が含まれる。生データには、センサ、検出器、カウンター、カメラ、または他の構成要素もしくはデバイスからのデジタルまたはアナログ数値出力が含まれる。また、生データには、センサ、検出器、カウンター、カメラ、または他の構成要素もしくはデバイスからのデジタル化またはフィルタ処理された出力が含まれ得る。例えば、生データには、照度計の出力が含まれ、照度計によって検出された光子の数に関連する「相対光単位」の出力が含まれ得る。生データには、JPEG、ビットマップ、またはカメラによって生成された他の画像ファイルが含まれ得る。生データには、細胞数;光強度(特定の波長における、または波長の範囲におけるか、もしくは波長の範囲内の);検出器の出力の変化率;2回行われた同様の測定値間の差;検出された事象数;予め設定された範囲内で検出されたか、または予め設定された基準を満たす事象数;期間内または視野内で測定された最小値;期間内または視野内で測定された最大値;および他のデータが含まれ得る。十分な場合、生データがさらなる処理または分析なしで使用され得る。他の場合には、生データは、さらに処理されてもよいか、試料、対象に関連するさらなる分析もしくは他の目的のために使用され得る。
【0077】
試料を表す出力信号または生データに関して使用される「試料を表す」とは、試料またはその一部分の測定された特性を反映する、例えば、試料中に存在する目的の分析物の量を反映する出力信号または生データを指す。例えば、試料を表す蛍光信号の強度は、より少ない分析物を含有する蛍光標識試料を表す蛍光信号の強度よりも、目的の分析物をより多く含有する蛍光標識試料中で強くあり得る。
【0078】
本開示の様々な実施形態の実施は、別段の指示がない限り、当業者の範囲内である免疫学、生化学、化学、分子生物学、微生物学、細胞生物学、ゲノミクス、および組換えDNAの従来の技術を用いる。Green and Sambrook,MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL,4th edition(2012)、CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY(F.M.Ausubel,et al.eds.,(1987))、the series METHODS IN ENZYMOLOGY(Academic Press,Inc.):PCR 2:A PRACTICAL APPROACH(M.J.MacPherson,B.D.Hames and G.R.Taylor eds.(1995))、Harlow and Lane,eds.(1988)ANTIBODIES,A LABORATORY MANUAL,and ANIMAL CELL CULTURE(R.I.Freshney,ed.(1987))を参照されたい。
【0079】
本開示を読むと当業者には明らかであるように、本明細書で説明および図示される個々の実施形態のそれぞれは、本教示の範囲または精神から逸脱することなく他のいくつかの実施形態のうちのいずれかの特徴から容易に分離またはそれと組み合わせることができる個別の構成要素および特徴を有する。任意の列挙された方法は、列挙された事象の順序、または論理的に可能な任意の他の順序で実施され得る。
【0080】
当業者は、本発明が、その応用において、構造の詳細、構成要素の配置、カテゴリー選択、重み付け、所定の信号制限、または本明細書における説明もしくは図面に記載されたステップに限定されないことを理解するであろう。本発明は、他の実施形態が可能であり、多くの異なる方法で実施または実行することができる。
【0081】
1.原理およびある特定の例
本発明の1つの目的は、「ワンステップ」で均質アッセイを実施することである。「ワンステップ」アッセイとは、アッセイにおいて、アッセイ上の試料を滴下し、信号を読み取り、その間に他のステップ(例えば、洗浄)がないことを意味する。アッセイとしては、タンパク質アッセイおよび核酸アッセイが挙げられるが、これらに限定されない。
【0082】
本発明の別の目的は、約60秒以下の時間枠で「ワンステップ」アッセイを実施することである。時間は、試料がアッセイプレートに触れてから、アッセイの信号が読み取られる準備ができるまでの時間として定義される。
【0083】
本発明は、洗浄を使用することなく「ワンステップ」で均質アッセイを実施することを可能にすることであり、多くの場合約60秒以下で完了する。「ワンステップ」アッセイでは、互いに対して移動可能である2つのプレートを使用し、分析物を含む試料は、一方または両方のプレート上に滴下され、2つのプレートは、互いに対して押圧されて試料の少なくとも一部分を薄層に圧縮し、続いて洗浄することなくプレートから信号を読み取る。多くの場合、試料がプレートのうちの1つに触れてから、プレートから信号を読み取るまでの時間は、約60秒以下である。
【0084】
本発明の別の重要な特徴は、ある特定の実施形態において、アッセイの2つのプレートが人間の手によって、かつ本明細書で指定されるプレートおよびスペーサの特定のセットを使用することによって押圧され、試料の少なくとも一部分が均一な厚さを有する。
【0085】
本発明の別の目的は、横方向フローアッセイ(LFA)の欠点を除去しながら、均質アッセイを実施することである。特に、CROFを使用する本発明のいくつかの実施形態。
【0086】
「圧縮オープンフロー(COF)」という用語は、(i)試料の少なくとも一部の上に他のプレートを配置し、(ii)次いで2つのプレートを互いに向かって押圧することにより2つのプレート間で試料を圧縮することによって、プレート上に載せられた流動性試料の形状を変化させる方法を指し、圧縮によって試料の少なくとも一部の厚さが減少し、試料がプレート間の開放空間に流入する。
【0087】
「圧縮調節オープンフロー」または「CROF」(または「自己較正圧縮オープンフロー」)という用語は、特定のタイプのCOFを指し、圧縮後の試料の一部または全体の最終厚さは、スペーサによって「調節」され、スペーサは、2つのプレート間に配置される。
【0088】
CROFは、LFAに比べて以下が挙げられるが、これらに限定されない多くの進歩がある。
【0089】
(1)LFAでは、分析物は、横方向流動の終了領域よりも入口領域において粒子に対してより高い濃度を有する。したがって、LFAは多くの場合、完全な流動を待ち、かつ/またはデバイスの全ての領域をチェックする必要がある。
CROFでは、部分的に、CROFが数秒で開放構成から閉鎖構成に変化し、圧縮(すなわち、指を使用した押圧)によって押し付けられるため、分析物は、試料層内の各領域に対してより均一に分布される。
【0090】
(2)LFAでは、捕捉のためのビーズがデバイスと固定されていない場合、試料装填中にビーズが試料と共に流動し、ビーズの不均一性(ある面積にわたる平均)を引き起こし得る。しかし、CROFの性質により、ビーズは、各領域に対してLFAのそれよりもはるかに均一に分布され得る。
【0091】
(3)(1)および(2)のため、CROFでは、試料全体を表すのに十分であるべきである、ある特定の局所領域を選択することができる。しかし、LFAでは、試料全体を測定するか、または正確な測定のために他のステップを行う必要があり得る。
【0092】
実施例
第1のプレートと、第2のプレートと、スペーサと、複数の粒子と、捕捉剤と、を備え、
i.第1および第2のプレートが、開放構成および閉鎖構成を含む異なる構成へと互いに対して移動可能であり、
ii.プレートの各々が、そのそれぞれの内面上に、分析物を含有する疑いがある試料と接触するための試料接触領域を有し、
iii.第1のプレートが、その内面上に固定されたスペーサを備え、スペーサのうちの少なくとも1つが、試料接触領域内にあり、スペーサが、100um以下に等しい所定の実質的に均一な高さを有し、
iv.複数の粒子が、それらの表面上に固定化された捕捉剤を有し、捕捉剤が、分析物を特異的に結合および固定化することが可能であり、かつ
v.複数の粒子が、(a)スペーサが占める領域を除いて、第1のプレートの試料接触領域に分布し、(b)第1のプレート上に一時的または恒久的に固定され、
開放構成では、2つのプレートが、部分的または全体的に分離され、プレート間の間隔が、スペーサによって調節されず、試料が、プレートのうちの一方または両方の上に載せられ、
開放構成において試料が載せられた後に構成される閉鎖構成では、試料の少なくとも一部が、2つのプレートによって非常に均一な厚さの層に圧縮され、層の均一な厚さが、プレートの内面によって限定され、かつプレートおよびスペーサによって調節される、デバイス。
【0093】
本発明の一実施形態によると、均質アッセイのためのデバイスであって、
第1のプレートと、第2のプレートと、スペーサと、複数の粒子と、捕捉剤と、を備え、
i.第1および第2のプレートが、開放構成および閉鎖構成を含む異なる構成へと互いに対して移動可能であり、
ii.プレートの各々が、そのそれぞれの内面上に、分析物を含有する疑いがある試料と接触するための試料接触領域を有し、
iii.一方または両方のプレートが、その内面上に固定されたスペーサを備え、スペーサのうちの少なくとも1つが、試料接触領域内にあり、スペーサが、100um以下に等しい所定の実質的に均一な高さを有し、
iv.複数の粒子が、それらの表面上に固定化された捕捉剤を有し、捕捉剤が、分析物を特異的に結合および固定化することが可能であり、かつ
v.複数の粒子が、(a)第1の試料接触領域に分布し、(b)プレート上に一時的または恒久的に固定され、
開放構成では、2つのプレートが、部分的または全体的に分離され、プレート間の間隔が、スペーサによって調節されず、試料が、プレートのうちの一方または両方の上に載せられ、
開放構成において試料が載せられた後に構成される閉鎖構成では、試料の少なくとも一部が、2つのプレートによって非常に均一な厚さの層に圧縮され、層の均一な厚さが、プレートの内面によって限定され、かつプレートおよびスペーサによって調節される、デバイス。
【0094】
本発明の別の目的は、(1)粒子領域の全光信号およびその隣接領域からの全光信号を測定し、(2)粒子領域およびその周囲領域のいくつかの対を平均することによって、均質アッセイを正確に実施することである。
【0095】
本発明の一実施形態によると、均質アッセイを実施する方法であって、
(a)分析物を含有する疑いがある試料を取得するステップと、
(b)捕捉剤が、分析物の結合部位に特異的に結合することが可能である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイスを取得するステップと、
(c)デバイスの試料接触領域の少なくとも一部の上に光標識を有するステップであって、光標識が、分析物に結合することが可能である、ステップと、
(d)プレートが開放構成にあるときに、プレートのうちの一方または両方の上に試料を載せるステップであって、開放構成において、
(e)(d)の後、2つのプレートを一緒にし、プレートを閉鎖構成へと押圧するステップであって、試料の少なくとも一部が、2つのプレートによって非常に均一な厚さの層に圧縮され、層の均一な厚さが、プレートの内面によって限定され、かつプレートおよびスペーサによって調節される、ステップと、
(f)プレートが閉鎖構成にある間に、均一な厚さの層内の分析物を分析するステップと、を含み、分析が、
i.試料層の外側から、(a)1つの粒子を含有する試料層の領域である粒子領域、および(b)粒子領域の周囲にある試料層の領域である周囲領域からの全光信号を測定することであって、周囲領域が、粒子の縁部内で50Dであり、Dが、粒子の直径である、測定することと、
ii.粒子領域および少なくとも2つの異なる粒子領域の周囲領域の各々からの全光信号を測定することと、を含む、方法。
【0096】
本発明の一実施形態によると、試料中の分析物を均質に分析するための装置であって、
i.先行する実施形態のいずれかに記載のデバイスと、
ii.試料接触領域の少なくとも一部を撮像する1つの撮像装置または複数の撮像装置と、を備える、装置。
【0097】
本発明の一実施形態によると、均質アッセイのためのスマートフォンシステムであって、
(a)先行する実施形態のいずれかに記載のデバイスと、
(b)
i.試料を検出および/または撮像するための1つまたは複数のカメラ、
ii.検出された信号および/または試料の画像(複数可)を受信および/または処理し、かつ遠隔通信するための電子機器、信号プロセッサ、ハードウェア、およびソフトウェア、を備える、モバイル通信デバイスと、
(c)閉鎖構成にあるデバイスを収容し、モバイル通信デバイスに係合可能であるように構成されたアダプタと、を備え、
モバイル通信デバイスと係合したとき、アダプタが、試料中の分析物の検出および/または撮像を容易にするように構成されている、スマートフォンシステム。
【0098】
プレート上の複数の粒子の分布が、ランダムである、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0099】
複数の粒子が、プレート上に固定され、周期的な分布を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0100】
スペーサが、平坦な頂部を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0101】
複数の粒子が、第1のプレート上に一時的に固定され、開放構成では、2つのプレートが閉鎖構成になる前に、試料が第1のプレート上に最初に載せられる、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0102】
スペーサの厚さが、閉鎖構成において、試料中の分析物のある特定の濃度に対して、粒子のうちの1つを含有する均一な厚さの試料の少なくとも1つの領域が、試料層の外側から見たときに粒子を含有しないその隣接領域と光学的に区別可能になるように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0103】
デバイスが、2つのプレートと、スペーサと、を備え、押圧が、人間の手によるものである、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0104】
デバイスが、2つのプレートと、スペーサと、を備え、一方のプレートまたは両方のプレートの内面の少なくとも一部分が、親水性である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0105】
デバイスが、2つのプレートと、スペーサと、を備え、スペーサ間距離が、周期的である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0106】
デバイスが、2つのプレートと、スペーサと、を備え、試料が、いかなる輸送デバイスも使用せずに対象からプレートへ直接載せられたものである、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0107】
デバイスが、2つのプレートと、スペーサと、を備え、閉鎖構成における試料の変形後、圧縮力の一部または全てが除去されたとき、試料が、同じ最終試料厚さを維持する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0108】
デバイスが、2つのプレートと、スペーサと、を備え、スペーサが、柱形状およびほぼ均一な断面を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0109】
デバイスが、2つのプレートと、スペーサと、を備え、スペーサ間距離(SD)が、約120um(マイクロメートル)以下である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0110】
デバイスが、2つのプレートと、スペーサと、を備え、スペーサ間距離(SD)が、約100um(マイクロメートル)以下である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0111】
デバイスが、2つのプレートと、スペーサと、を備え、スペーサ間距離(ISD)の4乗を可撓性プレートの厚さ(h)およびヤング率(E)で割ったもの(ISD^4/(hE))が、5x10^6um^3/GPa以下である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0112】
デバイスが、2つのプレートと、スペーサと、を備え、スペーサ間距離(ISD)の4乗を可撓性プレートの厚さ(h)およびヤング率(E)で割ったもの(ISD^4/(hE))が、5x10^5um3/GPa以下である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0113】
デバイスが、2つのプレートと、スペーサと、を備え、スペーサが、柱形状、実質的に平坦な頂面、所定の実質的に均一な高さ、および分析物のサイズより少なくとも約2倍大きい所定の一定のスペーサ間距離を有し、スペーサのヤング率にスペーサの充填率を掛けたものが、2MPa以上であり、充填率が、全プレート面積に対するスペーサの接触面積の比であり、各スペーサに対して、スペーサの横寸法対その高さの比が、少なくとも1である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0114】
デバイスが、2つのプレートと、スペーサと、を備え、スペーサが、柱形状、実質的に平坦な頂面、所定の実質的に均一な高さ、および分析物のサイズより少なくとも約2倍大きい所定の一定のスペーサ間距離を有し、スペーサのヤング率にスペーサの充填率を掛けたものが、2MPa以上であり、充填率が、全プレート面積に対するスペーサの接触面積の比であり、各スペーサに対して、スペーサの横寸法対その高さの比が、少なくとも1であり、スペーサ間距離(ISD)の4乗を可撓性プレートの厚さ(h)およびヤング率(E)で割ったもの(ISD^4/(hE))が、5x10^6um^3/GPa以下である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0115】
スペーサの平均幅に対するスペーサのスペーシング間距離の比が、2以上であり、スペーサの充填率にスペーサのヤング率を乗じたものが、2MPa以上である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0116】
全光信号測定のための粒子領域が、粒子直径と実質的に同じ領域を有する、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
【0117】
全光信号測定のための粒子領域が、粒子直径によって画定される領域よりも小さい、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
【0118】
均一な試料層内の分析物の分析が、各領域からの全光信号の平均化を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
【0119】
均一な試料層内の分析物の分析が、(i)各粒子領域の全光信号の、その周囲領域の全光信号に対する比を測定することと、(ii)全ての粒子領域および周囲領域の対の比を平均することと、を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
【0120】
試料を載せることの終了から閉鎖構成への到達の終了までの時間が、15秒未満である、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
【0121】
試料を載せることの終了から閉鎖構成への到達の終了までの時間が、5秒未満である、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
【0122】
周囲領域が粒子の縁部内で2Dである、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
【0123】
周囲領域が粒子の縁部内で5Dである、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
【0124】
周囲領域が粒子の縁部内で10Dである、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
【0125】
周囲領域が粒子の縁部内で20Dである、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
【0126】
周囲領域が粒子の縁部内で50Dである、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
【0127】
1.1 ワンステップアッセイ.
試料中の分析物を検出するワンステップアッセイを達成するために、本発明の重要なアプローチは、洗浄することなく試料中で「見える」(すなわち、試料の残りの部分から区別可能である)捕捉分析物を作製することである。「捕捉分析物」という用語は、捕捉剤によって選択的に(すなわち、特異的に)捕捉されている分析物を指す。
【0128】
捕捉分析物は、(a)シグナルを発することができる標識に付着されること、(b)それ自体でシグナルを発すること、ならびに(c)(a)および(b)の両方によってシグナルを発することができる。ここで、我々は、捕捉分析物からのシグナルが光標識(「標識」)に由来し、標識が検出剤を使用して分析物に選択的に付着することが可能であり、検出剤が分析物に選択的に結合することができる、状況(a)に焦点を当てる。しかしながら、本発明は、(b)および(c)の状況にも等しく適用される。
【0129】
状況(a)に対するワンステップアッセイにおいて、目的は、分析物に結合されていない標識(「非結合標識」)から、分析物に結合される結合標識(標識は「結合標識」と呼ばれ、分析物は「標識分析物」と呼ばれる)を特定/検出することである。
【0130】
状況(b)のワンステップアッセイにおいて、目的は、捕捉剤によって捕捉されていない分析物(「非結合分析物」)から、結合分析物(すなわち、捕捉剤によって捕捉されている)を特定/検出することである。状況(a)の原理が状況(b)に使用される場合、状況(a)の結合標識および非結合標識は、状況(b)の結合分析物および非結合分析物になる。
【0131】
本発明によると、ワンステップアッセイは、2つのプレートを使用して、プレート間に分析物を有する試料の薄層を挟持し、試料層上の検出器を使用して標識からのシグナルを検出し(
図2)、以下のアプローチのうちの1つによって非結合標識から結合標識を特定する。
(i)試料中の1つまたは複数の位置(「濃縮位置」と呼ばれる)に結合標識を集中させる一方で、試料の他の位置における結合標識の濃度を低減する。
(ii)分析物濃縮領域におけるローカルバックグラウンド信号(C-LBS)を低減し、C-LBSは、濃縮表面の前にある試料体積(したがって、試料体積は局所的な試料厚さ(分析物濃縮領域から前部プレートの内面まで)によって発生するバックグラウンド信号に、その位置における濃縮表面の面積を乗じたものとして定義される。例えば、濃縮突出部の位置にあるC-LBS(突出部頂面のみが分析物濃縮領域を有する)は、試料体積のバックグラウンド信号であり、体積は、突出部の頂部と頂部プレート表面との間の距離に、関心のある位置における突出部の頂部の面積を乗じたものに等しい。この例では、明らかに、突出部が高いほど、ローカルバックグラウンド体積が小さくなり、したがってC-LBSが小さくなる。
(iii)増幅表面上に結合標識を選択的に(すなわち、結合標識のみ、非結合標識のみ)付着させ、増幅表面は、標識が表面に付着しているか、または表面から短い距離内(例えば、1um未満)にあるときのみ標識のシグナルを増幅する。
(iv)標識を有する表面に結合消光剤を選択的に付着させ、標識表面は、消光剤が表面に付着しているか、または表面から短い距離内(例えば、1um未満)にあるときのみシグナルを低減する。
(v)それらの組み合わせ。
【0132】
A.標識分析物/結合標識の濃縮
標識分析物/結合標識を濃縮するための本発明の実施形態の例が、以下に示される。
【0133】
(1)濃縮表面.結合標識を濃縮するためのデバイスは、2つのプレートの間に試料(分析物を有する)が挟持された2つのプレート(または閉鎖チャネル)を備え、プレートのうちの一方または両方は、プレートの内面上に分析物濃縮領域を有し、分析物濃縮領域は、直接または間接的に結合標識に選択的に結合する捕捉剤を有する(すなわち、分析物濃縮領域は、プレートの残りの領域よりも結合標識に結合する親和性が高い)。間接的結合とは、捕捉剤が分析物を捕捉する一方で、分析物が標識に結合されることを意味する(これが最も一般的な場合である)。
【0134】
「分析物濃縮領域」という用語は、その領域が表面の残りの領域よりも、標識分析物/結合標識に結合する(または後に標識に結合する分析物に結合する)親和性が高い、表面の領域を指す。
【0135】
いくつかの実施形態では、濃縮表面上に捕捉剤を固定化することによって、濃縮表面が形成され得、捕捉剤は、分析物に特異的に結合する。
【0136】
いくつかの実施形態では、濃縮表面は、濃縮表面以外の表面における分析物の結合を低減することによって形成され得る。
【0137】
(2)濃縮突出部(例えば、柱).結合標識を濃縮するためのデバイスは、2つのプレートの間に試料(分析物を有する)が挟持された2つのプレート(または閉鎖チャネル)を備え、プレートのうちの一方または両方は、1つまたは複数の突出部を有し、突出部は、突出部の表面のうちの少なくとも1つの上に分析物濃縮領域を有し、分析物濃縮領域は、標識分析物/結合標識に選択的に結合する。
【0138】
(3)濃縮ビーズ.標識分析物/結合標識を濃縮するためのデバイスは、2つのプレートの間に試料(分析物を有する)が挟持された2つのプレート(または閉鎖チャネル)を備え、1つのビーズまたは複数のビーズが試料中に配置され、ビーズは、ビーズの表面上に分析物濃縮領域を有し、分析物濃縮領域は、結合標識に選択的に結合する。
【0139】
(4)組み合わせ.(1)~(3)の任意の組み合わせ。
【0140】
B.捕捉分析物(標識付き)の可視化
試料-プレートサンドイッチの前部プレートを通して発せられる光信号を撮像するために検出器が使用される場合、2D画像が取得される。
【0141】
この2D画像では、分析物濃縮領域ではない横方向領域からのバックグラウンド信号(すなわち、非分析物濃縮領域のローカルバックグラウンド信号、「NC-LBS」)よりも分析物濃縮領域(標識分析物を捕捉した後)を可視化(すなわち、区別可能に)するための要件は、分析物濃縮領域およびC-LBLからの信号が、NC-LBSの少なくとも1標準誤差だけNC-LBSより大きくなければならないことである(この条件は、「可視条件」と呼ばれる)。可視条件は、(i)分析物濃縮領域内の信号を増加させること、(ii)C-LBSを低減すること、(iii)NC-LBSを低減すること、または(iv)それらの組み合わせによって達成され得る。
【0142】
可視条件は、(i)試料中の全標識濃度(一部が分析物と結合標識を形成し、残りの部分が非結合であり、バックグラウンド信号の一部になるため)、(ii)全分析物濃度(すなわち、検出限界)、(iii)分析物濃縮領域の面積または密度、(iv)分析物濃縮領域から前部プレートまでの距離、(v)増幅表面の増幅率、(vi)濃縮/増幅領域の形状、(vii)濃縮/増幅領域上の捕捉試薬濃度、(viii)インキュベーション時間、または(ix)それらの組み合わせを調整することによって達成され得る。
【0143】
C.アッセイの迅速化
本発明によると、アッセイは、以下の3つのアプローチを使用することによって、短いアッセイ時間(すなわち、高速化)を有することができる:(a)2つのプレートを使用して試料をプレート間に挟持し薄層にすること、および2つのプレート間の間隔(したがって、試料の少なくとも一部の厚さ)を小さいサイズに制限することによって(例えば、拡散パラメータが小さいほど拡散時間が短くなるため、間隔は拡散パラメータ(定義で定義された)以下である)、(b)2つの隣接する分析物濃縮領域間の平均横方向距離(すなわち、分析物濃縮領域間距離(IACD)を小さくすること(例えば、IACDは拡散パラメータの2倍以下である)、ならびに(c)(a)および(b)。
【0144】
ある特定の実施形態では、2つのプレート間の間隔(またはスペーサの高さ)は、50nm、100nm、200nm、500nm、700nm、900nm、1um、2um、3um、4um、5um、6um、7um、8um、9um、10um、20um、30um、40um、50um、60um、70um、80um、90um、100um、120um、150um、180um、200um、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0145】
いくつかの好ましい実施形態では、2つのプレート間の間隔(またはスペーサの高さ)は、500nm、700nm、900nm、1um、2um、3um、4um、5um、6um、7um、8um、9um、10um、20um、30um、40um、50um、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0146】
ある特定の好ましい実施形態では、2つのプレート間の間隔(またはスペーサの高さ)は、500nm、700nm、900nm、1um、2um、3um、4um、5um、6um、7um、8um、9um、10um、20um、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0147】
ある特定の実施形態では、2つのプレート間の間隔(またはスペーサの高さ)は、DP(拡散パラメータ)の0.01倍、DPの0.01倍、DPの0.1倍、DPの0.3倍、DPの0.5倍、DPの0.7倍、DPの1倍、DPの1.2倍、DPの1.5倍、DPの1.8倍、DPの2倍、DPの2.5倍、DPの3倍、DPの4倍、DPの5倍、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0148】
いくつかの好ましい実施形態では、2つのプレート間の間隔(またはスペーサの高さ)は、DP(拡散パラメータ)の0.01倍、DPの0.05倍、DPの0.1倍、DPの0.3倍、DPの0.5倍、DPの0.7倍、DPの1倍、DPの1.2倍、DPの1.5倍、DPの1.8倍、DPの2倍、DPの2.5倍、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0149】
ある特定の好ましい実施形態では、2つのプレート間の間隔(またはスペーサの高さ)は、DP(拡散パラメータ)の0.01倍、DPの0.05倍、DPの0.1倍、DPの0.3倍、DPの0.5倍、DPの0.7倍、DPの1倍、DPの1.2倍、DPの1.5倍、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0150】
ある特定の実施形態では、平均IACDは、50nm、100nm、200nm、500nm、700nm、900nm、1um、2um、3um、4um、5um、6um、7um、8um、9um、10um、20um、30um、40um、50um、60um、70um、80um、90um、100um、120um、150um、180um、200um、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0151】
いくつかの好ましい実施形態では、平均IACDは、500nm、700nm、900nm、1um、2um、3um、4um、5um、6um、7um、8um、9um、10um、20um、30um、40um、50um、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0152】
ある特定の好ましい実施形態では、平均IACDは、500nm、700nm、900nm、1um、2um、3um、4um、5um、6um、7um、8um、9um、10um、20um、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0153】
ある特定の実施形態では、平均IACDは、DP(拡散パラメータ)の0.01倍、DPの0.01倍、DPの0.1倍、DPの0.3倍、DPの0.5倍、DPの0.7倍、DPの1倍、DPの1.2倍、DPの1.5倍、DPの1.8倍、DPの2倍、DPの3倍、DPの4倍、DPの5倍、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0154】
いくつかの好ましい実施形態では、平均IACDは、DP(拡散パラメータ)の0.01倍、DPの0.01倍、DPの0.1倍、DPの0.3倍、DPの0.5倍、DPの0.7倍、DPの1倍、DPの1.2倍、DPの1.5倍、DPの1.8倍、DPの2倍、DPの2.5倍、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0155】
ある特定の好ましい実施形態では、平均IACDは、DP(拡散パラメータ)の0.01倍、DPの0.01倍、DPの0.1倍、DPの0.3倍、DPの0.5倍、DPの0.7倍、DPの1倍、DPの1.2倍、DPの1.5倍、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0156】
ある特定の好ましい実施形態では、平均IACDは、500nm、700nm、900nm、1um、2um、3um、4um、5um、6um、7um、8um、9um、10um、20um、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0157】
ある特定の実施形態では、DPの意図されたアッセイ時間は、0.01秒、0.1秒、0.5秒、1秒、2秒、5秒、10秒、15秒、20秒、25秒、30秒、40秒、50秒、60秒、70秒、80秒、100秒、120秒、140秒、160秒、180秒、200秒、220秒、240秒、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0158】
いくつかの好ましい実施形態では、DPの意図されたアッセイ時間は、0.01秒、0.1秒、0.5秒、1秒、2秒、5秒、10秒、15秒、20秒、25秒、30秒、40秒、50秒、60秒、70秒、80秒、100秒、120秒、140秒、160秒、180秒、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0159】
ある特定の好ましい実施形態では、DPの意図されたアッセイ時間は、0.01秒、0.1秒、0.5秒、1秒、2秒、5秒、10秒、15秒、20秒、25秒、30秒、40秒、50秒、60秒、70秒、80秒、100秒、120秒、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0160】
ある特定の好ましい実施形態では、DPの意図されたアッセイ時間は、0.01秒、0.1秒、0.5秒、1秒、2秒、5秒、10秒、15秒、20秒、25秒、30秒、40秒、50秒、60秒、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0161】
ある特定の実施形態では、実施形態の各々は、前の段落に示されたサイズ値または範囲から選択される平均IACDおよび2つのプレート間の間隔(またはスペーサ高さ)を有する。
【0162】
プレート間の間隔は、スペーサを使用することなく、またはスペーサを用いてのいずれかで形成され得る。いくつかの実施形態では、スペーサを備えた2つのプレートは、QMAXデバイス(または全て同じデバイスを指すQMAXカード、CROFデバイス、CROFカード)の一部である。
【0163】
D.スペーサを使用したプレート間隔および試料厚さの制御
本発明によると、2つのプレート間の間隔、したがって試料厚さは、スペーサを使用することによって制御される。
【0164】
本発明は、A~Dの組み合わせを使用して、ワンステップアッセイを達成する。
【0165】
スペーサの高さ.いくつかの実施形態では、全てのスペーサは、同じ所定の高さを有する。いくつかの実施形態では、スペーサは、異なる所定の高さを有する。いくつかの実施形態では、スペーサは、群または領域に分割され得、各群または領域は、その独自のスペーサの高さを有する。また、ある特定の実施形態では、スペーサの所定の高さは、スペーサの平均高さである。いくつかの実施形態では、スペーサは、ほぼ同じ高さを有する。いくつかの実施形態では、スペーサの数のある割合は、同じ高さを有する。
【0166】
スペーサの高さは、プレート間の所望の調節された間隔、ならびに/または調節された最終試料の厚さおよび残留試料の厚さによって選択される。スペーサの高さ(所定のスペーサの高さ)、プレート間の間隔、および/または試料の厚さは、3nm以下、10nm以下、50nm以下、100nm以下、200nm以下、500nm以下、800nm以下、1000nm以下、1μm以下、2μm以下、3μm以下、5μm以下、10μm以下、20μm以下、30μm以下、50μm以下、100μm以下、150μm以下、200μm以下、300μm以下、500μm以下、800μm以下、1mm以下、2mm以下、4mm以下、またはそれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0167】
スペーサの高さ、プレート間の間隔、および/または試料の厚さは、1つの好ましい実施形態では1nm~100nm、別の好ましい実施形態では100nm~500nm、別の好ましい実施形態では500nm~1000nm、別の好ましい実施形態では1μm(すなわち、1000nm)~2μm、別の好ましい実施形態では2μm~3μm、別の好ましい実施形態では3μm~5μm、別の好ましい実施形態では5μm~10μm、および別の好ましい実施形態では10μm~50μm、別の好ましい実施形態では50μm~100μmである。
【0168】
いくつかの実施形態では、スペーサの高さは、正確に制御される。スペーサの相対精度(すなわち、所望のスペーサの高さに対する偏差の比)は、0.001%以下、0.01%以下、0.1%以下、0.5%以下、1%以下、2%以下、5%以下、8%以下、10%以下、15%以下、20%以下、30%以下、40%以下、50%以下、60%以下、70%以下、80%以下、90%以下、99.9%以下、またはそれらの値のうちのいずれかの間の範囲である。
【0169】
いくつかの実施形態では、スペーサの高さ、プレート間の間隔、および/または試料厚さは、(i)分析物の最小寸法に等しいか、もしくはそれよりわずかに大きいか、または(ii)分析物の最大寸法に等しいか、もしくはそれよりわずかに大きい。「わずかに大きい」とは、約1~5%大きく、それらの2つの値の間の任意の数であることを意味する。
【0170】
いくつかの実施形態では、スペーサの高さ、プレート間の間隔、および/または試料厚さは、分析物の最小寸法よりも大きい(例えば、分析物は、異方性形状を有する)が、分析物の最大寸法よりも小さい。
【0171】
例えば、赤血球は、2μmの最小寸法(ディスクの厚さ)および11μmの最大寸法(ディスクの直径)を有するディスク形状を有する。本発明の一実施形態では、スペーサは、関連領域内のプレートの内面間隔を、一実施形態では2μm(最小寸法に等しい)、別の実施形態では2.2μm、または他の実施形態では3(最小寸法よりも50%大きい)であるが、赤血球の最大寸法よりも小さくするように選択される。そのような実施形態は、血球計数においてある特定の利点を有する。一実施形態では、赤血球計数のために、内面間隔を2または3μmおよびそれらの2つの値の間の任意の数にすることによって、希釈されていない全血試料は、その間隔内に閉じ込められ、平均して、各赤血球(RBC)は、他と重なり合わず、赤血球を視覚的に正確に計数することを可能にする。(RBC間の重なり合いが多すぎると、計数において重大な誤差を引き起こす可能性がある)。
【0172】
いくつかの実施形態では、スペーサの高さ、プレート間の間隔、および/または試料厚さは、(i)分析物の最小寸法に等しいか、もしくはそれよりわずかに小さいか、または(ii)分析物の最大寸法に等しいか、もしくはそれよりわずかに小さい。「わずかに小さい」とは、約1~5%小さく、それらの2つの値の間の任意の数であることを意味する。
【0173】
いくつかの実施形態では、スペーサの高さ、プレート間の間隔、および/または試料厚さは、分析物の最小寸法よりも大きい(例えば、分析物は、異方性形状を有する)が、分析物の最大寸法よりも小さい。
【0174】
本発明において、いくつかの実施形態では、プレートおよびスペーサが使用されて、試料の厚さだけではなく、プレートが閉鎖構成にあるときの試料中の分析物/実体の配向および/または表面密度も調節する。プレートが閉鎖構成にある場合、試料の厚さが薄いほど、より少ない表面積当たりの分析物/実体をもたらす(すなわち、より低い表面濃度)。
【0175】
スペーサの横寸法.開放スペーサの場合、横寸法は、xおよびyの2つの直交方向におけるその横寸法(幅と呼ばれることもある)によって特徴付けられ得る。各方向のスペーサの横寸法は同じか、または異なる。いくつかの実施形態では、各方向(xまたはy)に対する横寸法は、1nm以下、3nm以下、5nm以下、7nm以下、10nm以下、20nm以下、30nm以下、40nm以下、50nm以下、100nm以下、200nm以下、500nm以下、800nm以下、1000nm以下、1μm以下、2μm以下、3μm以下、5μm以下、10μm以下、20μm以下、30μm以下、50μm以下、100μm以下、150μm以下、200μm以下、300μm以下、もしくは500μm以下、またはそれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0176】
いくつかの実施形態では、x方向対y方向の横寸法の比は、1、1.5、2、2、5、10、100、500、1000、10,000、またはそれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。いくつかの実施形態では、試料の流動方向を調節するために異なる比率が使用され、比が大きいほど、流動は、一方向(より大きいサイズの方向)に沿っている。
【0177】
いくつかの実施形態では、xおよびy方向のスペーサの異なる横寸法は、(a)プレートの配向を示すスケールマーカーとしてスペーサを使用すること、(b)好ましい方向により多くの試料の流動を生み出すためにスペーサを使用すること、またはその両方として使用される。
【0178】
好ましい実施形態では、スペーサの周期、幅、および高さは、実質的に同じである。いくつかの実施形態では、全てのスペーサは、同じ形状および寸法を有する。いくつかの実施形態では、スペーサは、異なる横寸法を有する。
【0179】
封入スペーサの場合、いくつかの実施形態では、封入スペーサ(複数可)によって封入される試料の全体積に基づいて、内側の横方向形状およびサイズが選択され、体積サイズは、本開示に記載されており、ある特定の実施形態では、外側の横方向形状およびサイズは、スペーサに対する液体の圧力およびプレートを押圧する圧縮圧力を支持するために必要な強度に基づいて選択される。
【0180】
ある特定の実施形態では、柱状スペーサの平均横寸法に対する高さのアスペクト比は、100,000、10,000、1,000、100、10、1、0.1、0.01、0.001、0.0001、0、00001、またはそれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0181】
スペーサ間距離.スペーサは、プレート上または試料の関連領域内の単一のスペーサまたは複数のスペーサであってもよい。いくつかの実施形態では、プレート上のスペーサは、アレイ形態で構成および/または配置され、アレイは、周期的、非周期的アレイ、またはプレートのある位置では周期的であるが、他の位置では非周期的である。
【0182】
いくつかの実施形態では、スペーサの周期的アレイは、正方形、矩形、三角形、六角形、多角形、またはそれらの任意の組み合わせの格子として配置され、組み合わせとは、プレートの異なる位置が異なるスペーサ格子を有することを意味する。
【0183】
いくつかの実施形態では、スペーサアレイのスペーサ間距離は、アレイの少なくとも1つの方向で周期的(すなわち、均一なスペーサ間距離)である。いくつかの実施形態では、スペーサ間距離は、閉鎖構成でのプレート間隔の間の均一性を改善するように構成されている。
【0184】
いくつかの実施形態では、隣接するスペーサの間の距離(すなわち、スペーサ間距離)は、1μm以下、5μm以下、7μm以下、10μm以下、20μm以下、30μm以下、40μm以下、50μm以下、60μm以下、70μm以下、80μm以下、90μm以下、100μm以下、200μm以下、300μm以下、400μm以下、またはそれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0185】
ある特定の実施形態では、スペーサ間距離は、400μm以下、500μm以下、1mm以下、2mm以下、3mm以下、5mm以下、7mm以下、10mm以下、またはそれらの値の間の任意の範囲である。ある特定の実施形態では、スペーサ間距離は、10mm以下、20mm以下、30mm以下、50mm以下、70mm以下、100mm以下、またはそれらの値の間の任意の範囲である。
【0186】
隣接するスペーサ間の距離(すなわち、スペーサ間距離)は、プレートおよび試料の所与の特性について、プレートの閉鎖構成において、2つの隣接するスペーサ間の試料厚さの変動が、いくつかの実施形態では、最大でも0.5%、1%、5%、10%、20%、30%、50%、80%、もしくはそれらの値の間の任意の範囲であるか、またはある特定の実施形態では、最大でも80%、100%、200%、400%、もしくはそれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0187】
明らかに、2つの隣接するスペーサ間で所与の試料厚さの変動を維持するために、より可撓性のプレートが使用される場合、より近いスペーサ間距離が必要である。
【0188】
好ましい実施形態では、スペーサは、周期的な正方形アレイであり、スペーサは、2~4μmの高さ、1~20μmの平均横寸法、および1μm~100μmのスペーサ間間隔を有する柱である。
【0189】
好ましい実施形態では、スペーサは、周期的な正方形アレイであり、スペーサは、2~4μmの高さ、1~20μmの平均横寸法、および100μm~250μmのスペーサ間間隔を有する柱である。
【0190】
好ましい実施形態では、スペーサは、周期的な正方形アレイであり、スペーサは、4~50μmの高さ、1~20μmの平均横寸法、および1μm~100μmのスペーサ間間隔を有する柱である。
【0191】
好ましい実施形態では、スペーサは、周期的な正方形アレイであり、スペーサは、4~50μmの高さ、1~20μmの平均横寸法、および100μm~250μmのスペーサ間間隔を有する柱である。
【0192】
スペーサアレイの周期は、1つの好ましい実施形態では1nm~100nm、別の好ましい実施形態では100nm~500nm、別の好ましい実施形態では500nm~1000nm、別の好ましい実施形態では1μm(すなわち、1000nm)~2μm、別の好ましい実施形態では2μm~3μm、別の好ましい実施形態では3μm~5μm、別の好ましい実施形態では5μm~10μm、別の好ましい実施形態では10μm~50μm、別の好ましい実施形態では50μm~100μm、別の好ましい実施形態では100μm~175μm、および別の好ましい実施形態では175μm~300μmである。
【0193】
スペーサ密度.スペーサは、1μm2当たり1を超える、10μm2当たり1を超える、100μm2当たり1を超える、500μm2当たり1を超える、1000μm2当たり1を超える、5000μm2当たり1を超える、0.01mm2当たり1を超える、0.1mm2当たり1を超える、1mm2当たり1を超える、5mm2当たり1を超える、10mm2当たり1を超える、100mm2当たり1を超える、1000mm2当たり1を超える、10000mm2当たり1を超える、またはそれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲の表面密度でそれぞれのプレート上に配置される。いくつかの実施形態では、スペーサは、少なくとも1/mm2、少なくとも10/mm2、少なくとも50/mm2、少なくとも100/mm2、少なくとも1,000/mm2、または少なくとも10,000/mm2の密度を有する。
【0194】
スペーサ面積充填率は、スペーサ面積対総面積の比、またはスペーサ周期対幅の比として定義される。いくつかの実施形態では、充填率は、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、20%、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である。ある特定の実施形態では、充填率は、少なくとも2.3%である。
【0195】
2つのプレートと、スペーサと、を備えるデバイスであって、スペーサ間距離(ISD)の4乗を可撓性プレートの厚さ(h)およびヤング率(E)で割ったもの(ISD^4/(hE))は、5x10^6um^3/GPa以下である。
【0196】
2つのプレートと、スペーサと、を備えるデバイスであって、スペーサ間距離(ISD)の4乗を可撓性プレートの厚さ(h)およびヤング率(E)で割ったもの(ISD^4/(hE))は、5x10^5um3/GPa以下である。
【0197】
2つのプレートと、スペーサと、を備えるデバイスであって、スペーサは、柱形状、実質的に平坦な頂面、所定の実質的に均一な高さ、および分析物のサイズより少なくとも約2倍大きい所定の一定のスペーサ間距離を有し、スペーサのヤング率にスペーサの充填率を掛けたものは、2MPa以上であり、充填率は、全プレート面積に対するスペーサの接触面積の比であり、各スペーサに対して、スペーサの横寸法対その高さの比は、少なくとも1である。
【0198】
2つのプレートと、スペーサと、を備えるデバイスであって、スペーサは、柱形状、実質的に平坦な頂面、所定の実質的に均一な高さ、および分析物のサイズより少なくとも約2倍大きい所定の一定のスペーサ間距離を有し、スペーサのヤング率にスペーサの充填率を掛けたものは、2MPa以上であり、充填率は、全プレート面積に対するスペーサの接触面積の比であり、各スペーサに対して、スペーサの横寸法対その高さの比は、少なくとも1であり、スペーサ間距離(ISD)の4乗を可撓性プレートの厚さ(h)およびヤング率(E)で割ったもの(ISD^4/(hE))は、5x10^6um^3/GPa以下である。
【0199】
2つのプレートと、スペーサと、を備えるデバイスであって、スペーサの平均幅に対するスペーサのスペーシング間距離の比は、2以上であり、スペーサの充填率にスペーサのヤング率を乗じたものは、2MPa以上である。
【0200】
2.迅速な均質アッセイ(RHA)の例示的な実施形態
2.1 濃縮表面を有するRHA.
結合標識を濃縮するためのデバイスは、2つのプレートの間に試料(分析物を有する)が挟持された2つのプレート(または閉鎖チャネル)を備え、プレートのうちの一方または両方は、プレートの内面上に分析物濃縮領域を有し、分析物濃縮領域は、直接または間接的に結合標識に選択的に結合する捕捉剤を有する(すなわち、分析物濃縮領域は、プレートの残りの領域よりも結合標識に結合する親和性が高い)。
【0201】
図2Aは、プレートのうちの1つの上に2つの分析物濃縮領域を備えた2つのプレートを含む、その閉鎖構成にある均質アッセイのための例示的なシステムの断面図を概略的に示す。図に示されるように、分析物を含有する試料は、2つのプレート(前部プレートおよび後部プレート)によって薄層に圧縮される。後部プレートは、その内面上に分析物濃縮領域を備える。分析物濃縮領域は、分析物を捕捉する表面を有し、内面の他の領域よりも分析物に対してより高い親和性を有するように構成され、それにより分析物をその表面に集中させる。
【0202】
いくつかの実施形態では、分析物濃縮領域への分析物の集中は、結果として、分析物濃縮領域の周囲において分析物を著しく低減し、したがって各分析物濃縮領域は、その表面上に(周囲領域よりも高い)分析物信号を集中させるだけでなく、分析物濃縮領域を包囲している位置のローカルバックグラウンド信号も低減する。
【0203】
さらに、図には、2つのプレートの頂部側にある検出器も示される。検出器は、プレート表面上の分析物の信号の分布を撮像するように構成され、信号は、分析物の存在および/または量を示す。
【0204】
いくつかの実施形態では、(i)試料中の全標識濃度(一部が分析物と結合標識を形成し、残りの部分が非結合であり、バックグラウンド信号の一部になるため)、(ii)全分析物濃度(すなわち、検出限界)、またはそれらの組み合わせは、可視条件を達成するように構成されている。
【0205】
いくつかの実施形態では、(i)試料中の全標識濃度(一部が分析物と結合標識を形成し、残りの部分が非結合であり、バックグラウンド信号の一部になるため)、(ii)全分析物濃度(すなわち、検出限界)、(iii)分析物濃縮領域の面積または密度、(iv)分析物濃縮領域から前部プレートまでの距離、または(v)それらの組み合わせは、可視条件を達成するように構成されている。
【0206】
いくつかの実施形態では、増幅表面の増幅率は、可視条件を達成するように構成されている。
【0207】
いくつかの実施形態では、(i)試料中の全標識濃度(一部が分析物と結合標識を形成し、残りの部分が非結合であり、バックグラウンド信号の一部になるため)、(ii)全分析物濃度(すなわち、検出限界)、(iii)分析物濃縮領域の面積または密度、(iv)分析物濃縮領域から前部プレートまでの距離、(v)増幅表面の増幅率、(vi)濃縮/増幅領域の形状、(vii)濃縮/増幅領域上の捕捉試薬濃度、(viii)インキュベーション時間、または(ix)それらの組み合わせは、可視条件を達成するように構成されている。
【0208】
いくつかの実施形態では、分析物濃縮領域は、柱形状を有する。柱の頂面の形状は、円形、(ピラミッドの)点、多角形、楕円形、細長い棒、多角形、他の同様の形状、またはそれらの組み合わせであってもよい。アレイ内の柱間の間隔は、周期的または非周期的であってもよい。いくつかの実施形態では、周期(周期的アレイ内の隣接する柱間の間隔)は、2nm以下、5nm以下、10nm以下、50nm以下、100nm以下、500nm以下、1000nm以下、2000nm以下、4000nm以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。いくつかの実施形態では、非周期的アレイ内の隣接する柱間の平均間隔は、2nm以下、5nm以下、10nm以下、50nm以下、100nm以下、500nm以下、1000nm以下、2000nm以下、4000nm以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0209】
いくつかの実施形態では、内面上の分析物濃縮領域の面積密度は、1mm2当たり1以下、1mm2当たり2以下、1mm2当たり5以下、1mm2当たり10以下、1mm2当たり50以下、1mm2当たり100以下、1mm2当たり200以下、1mm2当たり500以下、1mm2当たり1000以下、1mm2当たり1×103以下、1mm2当たり2×103以下、1mm2当たり3×103以下、1mm2当たり5×103以下、1mm2当たり10×103以下、1mm2当たり2×103以下、1mm2当たり3×103以下、1mm2当たり5×103以下、1mm2当たり10×103以下、1mm2当たり1×105以下、1mm2当たり5×105以下、1mm2当たり1×106以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0210】
いくつかの実施形態では、分析物濃縮領域は、10nm以下、50nm以下、100nm以下、200nm以下、500nm以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲の平均横寸法を有する。
【0211】
いくつかの実施形態では、分析物濃縮領域の平均横寸法は、0.5um以下、1um以下、2um以下、5um以下、10um以下、50um以下、100um以下、300um以下、500um以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0212】
いくつかの実施形態では、分析物濃縮領域の厚さは、10nm以下、50nm以下、100nm以下、200nm以下、500nm以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0213】
いくつかの実施形態では、分析物濃縮領域の厚さは、0.5um以下、1um以下、2um以下、5um以下、10um以下、50um以下、100um以下、300um以下、500um以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0214】
いくつかの実施形態では、分析物濃縮領域の高さ(厚さ)に対する閉鎖構成にある2つのプレート間の間隔の比は、1以下、1.1以下、1.2以下、1.5以下、2以下、3以下、5以下、10以下、15以下、20以下、30以下、40以下、50以下、60以下、80以下、100以下、200以下、300以下、400以下、500以下、600以下、800以下、1000以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0215】
いくつかの実施形態では、分析物濃縮領域の高さ(厚さ)は、1nm以上、5nm以上、10nm以上、50nm以上、100nm以上、200nm以上、500nm以上、1um以上、2um以上、5um以上、10um以上、30um以上、50um以上、100um以上、150um以上、200um以上、300um以上、500um以上、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0216】
2.2 濃縮突出部を有するRHA(例えば、柱)
結合標識を濃縮するためのデバイスは、2つのプレートの間に試料(分析物を有する)が挟持された2つのプレート(または閉鎖チャネル)を備え、プレートのうちの一方または両方は、突出部を有し、突出部は、突出部の表面のうちの少なくとも1つの上に分析物濃縮領域を有し、分析物濃縮領域は、標識分析物/結合標識および/または標識される分析物に選択的に結合する捕捉剤を有する。
【0217】
図2Bは、2つの分析物濃縮突出部を備えた2つのプレートを含む、その閉鎖構成にある均質アッセイのための別の例示的なシステムの断面図を概略的に示す。
図2Aと同様に、試料は、2つのプレート(前部プレートおよび後部プレート)によって薄層に圧縮される。後部プレートは、その内面から延出する2つの分析物濃縮突出部を備える。濃縮突出部の各々は、分析物を捕捉するための濃縮表面を有する。分析物信号増強効果およびバックグラウンド低減効果に加えて、各突出部は、その上の試料の厚さを低減することによって、その上のローカルバックグラウンド信号をさらに低減する。
図2Aと同様に、システムは、分析物の信号を検出する検出器も含む。
【0218】
図7は、2つのプレートのうちの1つの上に信号増幅表面を含む、その閉鎖構成にある均質アッセイのための別の例示的なシステムの断面図を概略的に示す。図に示されるように、後部プレートは、その内面上に信号増幅表面を備える。標識分析物が信号増幅表面に結合されると、信号増幅表面は、結合分析物の信号をバックグラウンドと区別可能であるレベルまで増幅するように構成されている。
【0219】
アレイ内の柱(分析物濃縮領域)間の間隔は、周期的または非周期的であってもよい。多くの実施形態では、周期的アレイが好ましい。いくつかの実施形態では、周期(周期的アレイ内の隣接する柱間の間隔)は、2nm以下、5nm以下、10nm以下、50nm以下、100nm以下、500nm以下、1um以下、2um以下、3um以下、4um以下、5um以下、10um以下、15um以下、20um以下、25um以下、30um以下、40um以下、50um以下、60um以下、70um以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0220】
いくつかの実施形態では、非周期的アレイ内の隣接する柱間の平均間隔は、2nm以下、5nm以下、10nm以下、50nm以下、100nm以下、500nm以下、1um以下、2um以下、3um以下、4um以下、5um以下、10um以下、15um以下、20um以下、25um以下、30um以下、40um以下、50um以下、60um以下、70um以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0221】
ある特定の好ましい実施形態では、突出部の平均横寸法は、0.5um、1um、3um、5um、10um、20um、50um、100um、150um、200um、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0222】
ある特定の好ましい実施形態では、突出部の平均高さは、0.5um、1um、3um、5um、10um、20um、50um、100um、150um、200um、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0223】
ある特定の好ましい実施形態では、隣接する柱間の平均間隔は、1um、2um、5um、10um、20um、50um、100um、150um、200um、500um、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0224】
ある特定の好ましい実施形態では、突出部の平均横寸法は、DP(拡散パラメータ)の0.01倍、DPの0.05倍、DPの0.1倍、DPの0.3倍、DPの0.5倍、DPの0.7倍、DPの1倍、DPの1.2倍、DPの1.5倍、DPの2倍、DPの3倍、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0225】
ある特定の好ましい実施形態では、突出部の平均高さは、DP(拡散パラメータ)の0.01倍、DPの0.05倍、DPの0.1倍、DPの0.3倍、DPの0.5倍、DPの0.7倍、DPの1倍、DPの1.2倍、DPの1.5倍、DPの2倍、DPの3倍、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0226】
ある特定の好ましい実施形態では、隣接する柱間の平均間隔は、DPの0.01倍、DPの0.1倍、DPの0.3倍、DPの0.5倍、DPの0.7倍、DPの1倍、DPの1.2倍、DPの1.5倍、DPの2倍、DPの5倍、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0227】
突出部の頂面と上のプレートとの間の間隔(すなわち、突出部表面からプレート表面までの距離(PsPsD))。ある特定の実施形態では、PsPsDは、2nm以下、5nm以下、10nm以下、50nm以下、100nm以下、500nm以下、1um以下、2um以下、3um以下、4um以下、5um以下、10um以下、15um以下、20um以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0228】
ある特定の好ましい実施形態では、PsPsDは、2nm以下、5nm以下、10nm以下、50nm以下、100nm以下、500nm以下、1um以下、2um以下、3um以下、4um以下、5um以下、10um以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0229】
いくつかの好ましい実施形態では、PsPsDは、2nm以下、5nm以下、10nm以下、50nm以下、100nm以下、500nm以下、1um以下、2um以下、3um以下、4um以下、5um以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0230】
突出部の高さとスペーサの高さとの間の差(すなわち、突出部とスペーサの高さの差(PSHD))。ある特定の実施形態では、PSHDは、2nm以下、5nm以下、10nm以下、50nm以下、100nm以下、500nm以下、1um以下、2um以下、3um以下、4um以下、5um以下、10um以下、15um以下、20um以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0231】
ある特定の好ましい実施形態では、PSHDは、2nm以下、5nm以下、10nm以下、50nm以下、100nm以下、500nm以下、1um以下、2um以下、3um以下、4um以下、5um以下、10um以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0232】
いくつかの好ましい実施形態では、PSHDは、2nm以下、5nm以下、10nm以下、50nm以下、100nm以下、500nm以下、1um以下、2um以下、3um以下、4um以下、5um以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0233】
突出部はまた、スペーサとしても機能した。ある特定の実施形態では、分析物濃縮のための突出部は、2つのプレート間の間隔を調節するスペーサとしても機能した。その結果、突出部は、平坦な頂部、非常に均一な高さなど、本明細書で指定されるスペーサと同様の特徴を有することができる。これらの場合、突出部の側壁上の分析物濃縮領域(スペーサとしても機能する)は、分析物を捕らえることができる。
【0234】
いくつかの実施形態では、内面上の濃縮突出部の面積密度は、1mm2当たり1以下、1mm2当たり2以下、1mm2当たり5以下、1mm2当たり10以下、1mm2当たり50以下、1mm2当たり100以下、1mm2当たり200以下、1mm2当たり500以下、1mm2当たり1000以下、1mm2当たり1×103以下、1mm2当たり2×103以下、1mm2当たり3×103以下、1mm2当たり5×103以下、1mm2当たり10×103以下、1mm2当たり2×103以下、1mm2当たり3×103以下、1mm2当たり5×103以下、1mm2当たり10×103以下、1mm2当たり1×105以下、1mm2当たり5×105以下、1mm2当たり1×106以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0235】
いくつかの実施形態では、突出部(ナノまたはマイクロアイランド)は、10nm以下、50nm以下、100nm以下、200nm以下、500nm以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲の平均横寸法を有する。
【0236】
いくつかの実施形態では、突出部(ナノまたはマイクロアイランド)の平均横寸法は、0.5um以下、1um以下、2um以下、5um以下、10um以下、50um以下、100um以下、300um以下、500um以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0237】
いくつかの実施形態では、突出部(ナノまたはマイクロアイランド)の高さは、10nm以下、50nm以下、100nm以下、200nm以下、500nm以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0238】
いくつかの実施形態では、突出部(ナノまたはマイクロアイランド)の高さは、0.5um以下、1um以下、2um以下、5um以下、10um以下、50um以下、100um以下、300um以下、500um以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0239】
いくつかの実施形態では、濃縮突出部の高さに対する閉鎖構成にある2つのプレート間の間隔の比は、1以下、1.1以下、1.2以下、1.5以下、2以下、3以下、5以下、10以下、15以下、20以下、30以下、40以下、50以下、60以下、80以下、100以下、200以下、300以下、400以下、500以下、600以下、800以下、1000以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0240】
いくつかの実施形態では、濃縮突出部の高さは、1nm以上、5nm以上、10nm以上、50nm以上、100nm以上、200nm以上、500nm以上、1um以上、2um以上、5um以上、10um以上、30um以上、50um以上、100um以上、150um以上、200um以上、300um以上、500um以上、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0241】
追加の実施形態.
図3は、プレート上に「突出部」柱および「スペーサ」柱を備えた均質アッセイのためのデバイスの例示的な実施形態の概略図を示す。(a)上面図および(b)断面図。図に示されるように、突出部柱は、デバイス内のスペーサよりも低い高さを有する。いくつかの実施形態では、突出部およびスペーサが同様の形状を有する一方で、他の実施形態では、それらの形状は異なる。
【0242】
いくつかの実施形態では、突出部の頂面のみが濃縮領域を有する。いくつかの実施形態では、突出部の側面の表面(複数可)のみが濃縮領域を有する。いくつかの実施形態では、1、2、3、4、5、6、7以上の側面の表面が濃縮領域を有する。いくつかの実施形態では、頂面および多くの突出部の両方が濃縮領域を有する。いくつかの実施形態では、突出部の全ての表面が濃縮領域を有する。濃縮領域を有する(すなわち、捕捉剤でコーティングされた)表面の正確な数および位置が濃縮効率を決定し、したがって経験的試験および調整に供される。
【0243】
いくつかの実施形態では、プレート上の突出部は、その表面のうちの1つまたはいくつかの上に分析物濃縮領域(ACA)を有する。いくつかの実施形態では、突出部上の分析物濃縮領域(ACA)は、表面コーティングによって作られる。
【0244】
図4は、突出部上の表面コーティング:(a)突出部の頂面上のコーティング、(b)突出部の1つの側面または複数の側面の表面上のコーティング、(c)突出部の全ての側面の表面上のコーティング、および(d)突出部の全ての表面上のコーティングによって作られた分析物濃縮領域(ACA)の例示的な実施形態の概略図を示す。
【0245】
突出部の1つの表面またはいくつかの表面を選択的にコーティングする方法としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない。
(a)突出部の1つまたはいくつかの表面をコーティングデバイスの表面上の試薬と接触させることであって、試薬は、標識分析物/結合標識および/または標識される分析物に選択的に結合するように構成された捕捉剤を含む。
(b)突出部の1つまたはいくつかの表面を結合層で蒸発させることであって、結合層は、デバイスを試薬中に浸漬するときに捕捉剤に結合する。
(c)突出部および/または後部平面の1つまたはいくつかの表面を結合阻止層で蒸発させることであって、結合阻止層は、捕捉剤に結合することを妨げられ、一方で、結合阻止層のない表面は、捕捉剤に結合することが可能である。
(d)上記の方法の組み合わせ。
【0246】
いくつかの実施形態では、突出部(ナノまたはマイクロアイランド)は、柱形状を有する。柱の頂面の形状は、円形、(ピラミッドの)点、多角形、楕円形、細長い棒、多角形、他の同様の形状、またはそれらの組み合わせであってもよい。
図5は、上から見た突出部の形状の例示的な実施形態の概略図を示す。(a)線状の突出部、(b)円形のドット形状の突出部、(c)正方形のドット形状の突出部、(d)棒形の突出部、(e)三角形の突出部、および(f)上記の組み合わせ。
【0247】
いくつかの実施形態では、突出部の側面の表面の形状は、円形、(ピラミッドの)点、多角形、楕円形、細長い棒、多角形、他の同様の形状、またはそれらの組み合わせであってもよい。
図6は、側面から見た突出部の形状の例示的な実施形態の概略図を示す。(a)円形の突出部、(b)正方形の突出部、(c)ピラミッド形の突出部、(d)台形の突出部、(e)楕円形の突出部、および(f)平行四辺形の突出部。
【0248】
2.3 濃縮ビーズを有するRHA
標識分析物/結合標識を濃縮するためのデバイスは、2つのプレートの間に試料(分析物を有する)が挟持された2つのプレート(または閉鎖チャネル)を備え、1つのビーズまたは複数のビーズが試料中に配置され、ビーズは、ビーズの表面上に分析物濃縮領域を有し、分析物濃縮領域は、標識分析物/結合標識および/または標識される分析物に選択的に結合する捕捉剤を有する。
【0249】
いくつかの実施形態では、ビーズ、2つのプレート間の間隔対ビーズの直径の比は、1、1.1、1.2、1.3、1.5、2、5、10、20、30、50、100、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0250】
本発明の一態様は、濃縮ビーズを用いた均質アッセイのためのデバイスを提供する。いくつかの実施形態では、デバイスは、第1のプレートと、第2のプレートと、スペーサと、を備える。いくつかの実施形態では、プレートは、開放構成および閉鎖構成を含む異なる構成へと互いに対して移動可能である。いくつかの実施形態では、プレートの各々は、そのそれぞれの内面上に、分析物を含む疑いがある試料と接触するための試料接触領域を有する。いくつかの実施形態では、プレートのうちの一方または両方は、スペーサを備え、スペーサのうちの少なくとも1つは、試料接触領域内にあり、スペーサは、所定の実質的に均一な高さを有する。いくつかの実施形態では、プレートのうちの一方または両方は、それぞれの内面上に、捕捉剤が上に固定化された複数のビーズを含み、捕捉剤は、分析物に結合し、固定化することが可能である。いくつかの実施形態では、プレートのうちの一方または両方は、それぞれの内面上に、試料に接触すると試料中に溶解し、分析物に結合するように構成された検出剤を含む。
【0251】
いくつかの実施形態では、開放構成において、2つのプレートは、部分的または全体的に分離され、プレート間の間隔は、スペーサによって調節されず、試料は、プレートのうちの一方または両方の上に載せられる。
【0252】
いくつかの実施形態では、開放構成において試料が載せられた後に構成される閉鎖構成では、試料の少なくとも一部は、2つのプレートによって非常に均一な厚さの層に圧縮され、層の均一な厚さは、プレートの内面によって限定され、プレートおよびスペーサによって調節される。
【0253】
いくつかの実施形態では、捕捉剤および検出剤は、その異なる位置で分析物に結合し、ビーズに固定化された捕捉剤-分析物-検出剤サンドイッチを形成するように構成されている。
【0254】
いくつかの実施形態では、均一な厚さの層内の分析物は、ビーズによって濃縮され、ビーズ上の捕捉分析物の信号は、均一な厚さの層内の他の領域から発せられる信号と区別可能である。
【0255】
いくつかの実施形態では、ビーズは、球形状を有する。いくつかの実施形態では、ビーズは、管、球、円筒、立方体、楕円体、円錐、四面体、十二面体、八面体、三角柱、環状体、ピラミッド、もしくは任意の他の形状、またはそれらの組み合わせの形状を有する。
【0256】
いくつかの実施形態では、ビーズサイズ、ビーズ上の捕捉剤密度、検出剤濃度は、遊離検出剤からの結合検出剤の信号の区別可能性に影響を与える重要な要因の中にある要因である。
【0257】
いくつかの実施形態では、ビーズは、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、PMMA、PC、COC、COP、ガラス、樹脂、アルミニウム、金もしくは他の金属、または表面が修飾されて捕捉剤と会合され得る任意の他の材料からなる群から選択される材料でできている。
【0258】
いくつかの実施形態では、ビーズは、閉鎖構成にある層の厚さを調節するスペーサである。
【0259】
いくつかの実施形態では、ビーズおよび検出剤は、同じプレート上にある。いくつかの実施形態では、ビーズおよび検出剤は、異なるプレート上にある。
【0260】
いくつかの実施形態では、ビーズは、微粒子またはナノ粒子である。いくつかの実施形態では、ビーズは、1nm以上、5nm以上、10nm以上、50nm以上、100nm以上、200nm以上、500nm以上、1um以上、2um以上、5um以上、10um以上、30um以上、50um以上、100um以上、150um以上、200um以上、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲の平均直径を有する。いくつかの好ましい実施形態では、ビーズは、0.1um以上、0.2um以上、0.5um以上、1um以上、2um以上、3um以上、5um以上、10um以上、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲の平均直径を有する。
【0261】
いくつかの実施形態では、ビーズは、1mm2当たり1以上、1mm2当たり2以上、1mm2当たり5以上、1mm2当たり10以上、1mm2当たり50以上、1mm2当たり100以上、1mm2当たり200以上、1mm2当たり500以上、1mm2当たり1000以上、1mm2当たり2×103以上、1mm2当たり3×103以上、1mm2当たり5×103以上、1mm2当たり10×103以上、1mm2当たり1×105以上、1mm2当たり5×105以上、1mm2当たり1×106以上、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲の面積密度を有する。
【0262】
いくつかの実施形態では、ビーズは、周期的または非周期的アレイでプレートの内面上に整列している。いくつかの実施形態では、周期(周期的アレイ内の隣接するビーズ間の間隔)は、2nm以下、5nm以下、10nm以下、50nm以下、100nm以下、500nm以下、1000nm以下、2000nm以下、4000nm以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。いくつかの実施形態では、非周期的アレイ内の隣接するビーズ間の平均間隔は、2nm以下、5nm以下、10nm以下、50nm以下、100nm以下、500nm以下、1000nm以下、2000nm以下、4000nm以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0263】
いくつかの実施形態では、ビーズは、1×103/uL以上、5×103/uL以上、1×104/uL以上、5×104/uL以上、1×105/uL以上、5×105/uL以上、1×106/uL以上、5×106/uL以上、1×107/uL以上、5×107/uL以上、1×108/uL以上、5×108/uL以上、1×109/uL以上、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲の均一な厚さの層内の濃度を有するように構成されている。
【0264】
いくつかの実施形態では、均一な厚さの層内に1つの単一層を形成するビーズを有することが好ましい。いくつかの実施形態では、ビーズ濃度、1つのビーズの頂部面積サイズ、およびプレート間の間隔サイズの積は、1以下、0.9以下、0.8以下、0.7以下、0.6以下、0.5以下、0.4以下、0.3以下、0.2以下、0.1以下、0.08以下、0.06以下、0.04以下、0.01以下、0.008以下、0.006以下、0.004以下、0.002以下、0.001以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0265】
いくつかの実施形態では、ビーズの高さ(厚さ)に対する閉鎖構成にある2つのプレート間の間隔の比は、1以下、1.1以下、1.2以下、1.5以下、2以下、3以下、5以下、10以下、15以下、20以下、30以下、40以下、50以下、60以下、80以下、100以下、200以下、300以下、400以下、500以下、600以下、800以下、1000以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0266】
いくつかの実施形態では、ビーズの高さ(厚さ)は、1nm以上、5nm以上、10nm以上、50nm以上、100nm以上、200nm以上、500nm以上、1um以上、2um以上、5um以上、10um以上、30um以上、50um以上、100um以上、150um以上、200um以上、300um以上、500um以上、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0267】
いくつかの実施形態では、ビーズは、信号増幅特性を有する。いくつかの実施形態では、ビーズは、ビーズに近接している分析物および/または検出剤の信号を増幅するように構成されている。いくつかの実施形態では、ビーズは、ビーズ表面から0~1umの距離にある信号を増幅する。いくつかの実施形態では、距離は非常に小さい(例えば、20nm、50nm、または100nm)。いくつかの態様では、ビーズは、1以上、2以上、5以上、10以上、20以上、30以上、50以上、100以上、200以上、500以上、1000以上、5000以上、10000以上、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲の信号増幅率を有する。
【0268】
本発明の別の態様は、均質アッセイの方法を提供する。いくつかの実施形態では、方法は、
(a)分析物を含有する疑いがある試料を取得するステップと、
(b)開放構成および閉鎖構成を含む異なる構成へと互いに対して移動可能である第1および第2のプレートを取得するステップであって、
i.プレートの各々が、そのそれぞれの内面上に、試料と接触するための試料接触領域を有し、
ii.プレートのうちの一方または両方が、スペーサを備え、スペーサのうちの少なくとも1つが、試料接触領域内にあり、
iii.プレートのうちの一方または両方が、それぞれの内面上に、捕捉剤が上に固定化された複数のビーズを含み、捕捉剤が、分析物に結合し、固定化することが可能であり、
iv.プレートのうちの一方または両方が、それぞれの内面上に、試料に接触すると試料中に溶解し、分析物に結合するように構成された検出剤を含み、
スペーサが、所定の実質的に均一な高さを有する、ステップと、
(c)プレートが開放構成にあるとき、プレートのうちの一方または両方の上に試料を載せるステップであって、開放構成において、2つのプレートが、部分的または全体的に分離され、プレート間の間隔が、スペーサによって調節されない、ステップと、
(d)(c)の後、2つのプレートを一緒にし、プレートを閉鎖構成へと押圧するステップであって、閉鎖構成において、試料の少なくとも一部が、2つのプレートによって非常に均一な厚さの層に圧縮され、層の均一な厚さが、2つのプレートの内面によって限定され、かつスペーサおよびプレートによって調節される、ステップと、
(e)プレートが閉鎖構成にある間に、均一な厚さの層内の分析物を検出するステップと、を含み、
捕捉剤および検出剤は、その異なる位置で分析物に結合し、ビーズに固定化された捕捉剤-分析物-検出剤サンドイッチを形成するように構成され、
ビーズ、捕捉剤、および検出剤は、粒子関連捕捉剤-分析物-検出剤サンドイッチからの信号を、均一な厚さの層内の遊離検出剤の信号と区別可能にするように構成されている。
【0269】
いくつかの実施形態では、試料接触部位は、撮像ステップ(e)の前に洗浄されない。
【0270】
いくつかの実施形態では、方法は、撮像ステップ(e)の前に試料接触領域を洗浄することをさらに含む。
【0271】
いくつかの実施形態では、方法は、分析物の存在を判定すること、および/または分析物の量を測定することをさらに含む。
【0272】
いくつかの実施形態では、第1のプレートおよび第2のプレートは、均質アッセイのために取得される。アッセイを開始する前に、2つのプレートは、以下のように前処理される:最初に、捕捉抗体がビーズ上に固定化され、次いでこれらのビーズは、第1のプレート上にコーティングされる。一方、標識検出抗体は、第2のプレート上にコーティングされる。アッセイのために、2つのプレートが離れている(開放構成にある)場合、分析物を含む疑いがある試料が、プレートのうちの一方(第1または第2のプレート)または両方のプレート(図示せず)上に載せられる。試料を載せた後、次いで2つのプレートは一緒にされ、互いに対して押圧されて閉鎖構成に入る。上述のように、検出抗体は、試料と接触すると試料中に溶解される。また閉鎖構成では、試料の少なくとも一部は、均一な厚さの層に圧縮される。均一な厚さのそのような層では、ビーズ上の捕捉抗体および拡散検出抗体の両方が分析物に結合するが、その異なる位置で結合し、それにより捕捉抗体-分析物-検出抗体サンドイッチを形成する。検出抗体がフルオロフォア(赤色のアスタリスク)で標識されているため、抗体-抗原相互作用によるビーズの表面周囲の分析物および標識抗体の誘引は、ビーズを包囲する蛍光信号の局所濃度を周囲のバックグラウンドよりも著しく高くする。洗浄することなく2つのプレートを閉鎖した30秒後に撮像が実施される。
【0273】
本発明の別の態様は、迅速な均質アッセイのために画像を分析する方法を提供する。いくつかの実施形態では、方法は、
(a)閉鎖構成にある実施形態AB1に記載のデバイスにおいて信号の画像を取得するステップであって、画像が、明視野画像、暗視野画像、蛍光画像、およびリン光画像からなる群から選択される、ステップと、
(b)画像を分析し、画像内のビーズを特定し、かつビーズサイズ、ビーズの信号強度、ビーズ間の距離、ビーズの分布、およびビーズ数の情報を抽出するステップと、
(c)ステップ(b)からの抽出された情報を分析し、ビーズのパラメータを計算することによって、分析物濃度を推定するステップと、を含む。
【0274】
いくつかの実施形態では、計算されたパラメータは、デバイス内の全ての試験されたビーズからの平均信号強度である。
【0275】
いくつかの実施形態では、計算されたパラメータは、デバイス内の全ての試験されたビーズからの最高信号強度である。
【0276】
いくつかの実施形態では、計算されたパラメータは、デバイス内の全ての試験されたビーズからの信号強度分布である。
【0277】
いくつかの実施形態では、計算されたパラメータは、信号強度が閾値より大きい、デバイス内の全ての試験されたビーズの集計数である。
【0278】
いくつかの実施形態では、計算されたパラメータは、デバイス上のある特定の領域内の全ての試験されたビーズからの平均信号強度である。
【0279】
いくつかの実施形態では、計算されたパラメータは、デバイス上のある特定の領域内の全ての試験されたビーズからの最高信号強度である。
【0280】
いくつかの実施形態では、計算されたパラメータは、デバイス上のある特定の領域内の全ての試験されたビーズからの信号強度分布である。
【0281】
いくつかの実施形態では、計算されたパラメータは、信号強度が閾値より大きい、デバイス上のある特定の領域内の全ての試験されたビーズの集計数である。
【0282】
かなり周期的に配置されたビーズを備えたプレートおよびその作製方法
ある特定の実施形態では、プレート上の濃縮ビーズの周期的な配置は、以下の点で有利である:1)周期性は、ビーズ凝集の可能性を低減する、2)慎重に設計されたビーズ間間隔は、各ビーズの濃縮空間(ある特定の期間内に全ての分析物が個々のビーズによって吸収され得るビーズ周囲の空間)が互いと有意に重なり合っていない場合、最大の濃縮効率を確実にし、それにより各個々のビーズを最大限活用する。
【0283】
図10は、1つのプレート上に周期的に配置されたビーズを有するデバイスの一実施形態の概略図を提供する。図に示されるように、プレートは、内面上に周期的に配置された複数のピットを備える。複数のピットは、各ピットにつき1つのビーズを含むように構成された深さおよび横方向形状を有し、それによりビーズを同様にプレートの内面上に周期的に配置させる。
【0284】
いくつかの実施形態では、ピットの形状は、円形、(ピラミッドの)点、多角形、楕円形、細長い棒、多角形、他の同様の形状、またはそれらの組み合わせである。
【0285】
いくつかの実施形態では、ピットの直径は、10nm、50nm、100nm、500nm、1um、2um、3um、5um、10um、20um、30um、50um、100um、200um、500um、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である。
【0286】
いくつかの実施形態では、好ましいピットの直径は、1um、2um、3um、5um、10um、20um、30um、50um、100um、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である。
【0287】
いくつかの実施形態では、ピットの深さは、10nm、50nm、100nm、500nm、1um、2um、3um、5um、10um、20um、30um、50um、100um、200um、500um、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である。
【0288】
いくつかの実施形態では、好ましいピットの深さは、500nm、1um、2um、3um、5um、10um、20um、30um、50um、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である。
【0289】
いくつかの実施形態では、ピット間間隔は、10nm、50nm、100nm、500nm、1um、2um、3um、5um、10um、20um、30um、50um、100um、200um、500um、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である。
【0290】
いくつかの実施形態では、好ましいピット間間隔は、1um、5um、10um、20um、30um、50um、100um、150um、200um、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である。
【0291】
いくつかの実施形態では、ピットは、親水性であることが好ましい。いくつかの実施形態では、ピットプレートの液体接触角(湿潤性)は、5度、10度、20度、30度、60度、80度、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である。いくつかの実施形態では、プレート上のピットおよび他の領域の液体接触角は異なり、差は0度、20度、30度、60度、80度、またはそれらの2つの値のうちのいずれかの間の範囲である。
【0292】
本発明の別の態様は、かなり周期的に配置されたビーズを上に有するプレートの作製方法を提供することである。方法は、ビーズがプレート上の各個々のピットに分布される自己集合プロセスを提供する。
【0293】
図11は、ビーズをプレート上にかなり周期的に配置させる例示的なプロセスの概略図を提供する。図に示されるように、第1のステップは、プレートの内面上に周期的に配置された複数のピットを有するプレートを有することである。次に、プレートの内面上に複数のビーズを含有する液体を載せること。最後に、プレートを乾燥させること。
【0294】
いくつかの実施形態では、プレート(ピットプレート)は、親水性である。いくつかの実施形態では、ピットは、親水性である。最初に、乾燥プロセス中、液体を保持するピットの隆起部への毛管力により、プレート内面上の液膜は乾燥し、内面の非ピット平坦領域から収縮し始めるが、一方でピット内の液体は残る。その後、液体が乾き続けると、薄膜は壊れて、非ピット平坦領域上にあるか、ピット内にあるか、またはピットおよび隣接する平坦領域の両方を部分的に被覆しているかのいずれかの液滴になる。ピット内の液滴は、平坦領域上の液滴、ならびにピットおよび隣接する平坦領域の両方を部分的に被覆している液滴と比較して、低い表面エネルギーを有する。毛管力の組み合わせ作用、表面エネルギーの差、および潜在的に多くの他の要因の結果として、プレートの内面上にランダムに分布されたビーズ(大部分は非ピット平坦領域上)は、それらの隣接するピットに押し込まれまる。液体が乾燥し続けると、ピットも同様に最終的に乾燥する一方で、ビーズはこの時点で、周期的に配置されたピット内に位置している。
【0295】
いくつかの実施形態では、ビーズは、かなり周期的に配置される。プレート上のビーズの配置に関して本明細書で使用される「かなり」という用語は、プレート上のビーズの総数に対する周期的に配置されたビーズの割合が50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%であることを意味する。いくつかの実施形態では、ビーズを内部に有しない一定数のピットが存在する。いくつかの実施形態では、試料接触領域上のピットの総数に対するビーズを有しないピットの割合は、90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下、または0である。いくつかの実施形態では、ピット内ではなく、プレートの非ピット平坦領域上にあるビーズがある。いくつかの実施形態では、ピット内ではなく、プレートの試料接触領域の非ピット平坦領域上にあるビーズの割合は、50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下、または0である。
【0296】
2.4 均質核酸ハイブリダイゼーションアッセイ
免疫学的測定に加えて、本発明は、均質核酸ハイブリダイゼーションアッセイにも使用される。
【0297】
いくつかの実施形態では、核酸ハイブリダイゼーションアッセイでは、捕捉剤は、オリゴヌクレオチドまたはオリゴ模倣物捕捉プローブである。本発明のいくつかの実施形態では、濃縮表面、突出部、またはビーズは、捕捉プローブでコーティングされる。捕捉プローブは、核酸分析物の一部に相補的であり、したがって分析物を表面に捕捉する。さらに、分析物は、分析物の別の部分に相補的である標識検出プローブと結合される。
【0298】
均質核酸ハイブリダイゼーションアッセイのためのビーズ増強速度試験(BEST)のいくつかの実施形態では、均質核酸ハイブリダイゼーションアッセイのために第1のプレートおよび第2のプレートが取得される。アッセイを開始する前に、2つのプレートは、以下のように前処理される:最初に、捕捉プローブがビーズ上に固定化され、次いでこれらのビーズは、第1のプレート上にコーティングされる。一方、標識検出プローブは、第2のプレート上にコーティングされる。アッセイのために、2つのプレートが離れている(開放構成にある)場合、核酸分析物を含む疑いがある試料が、プレートのうちの一方(第1または第2のプレート)または両方のプレート(図示せず)上に載せられる。試料を載せた後、次いで2つのプレートは一緒にされ、互いに対して押圧されて閉鎖構成に入る。上述のように、検出プローブは、試料と接触すると試料中に溶解される。また閉鎖構成では、試料の少なくとも一部は、均一な厚さの層に圧縮される。均一な厚さのそのような層では、ビーズ上の捕捉プローブおよび拡散検出プローブの両方が分析物にハイブリダイズするが、その異なる位置で結合し、それにより捕捉プローブ-分析物-検出プローブサンドイッチを形成する。検出プローブがフルオロフォア(赤色のアスタリスク)で標識されているため、塩基対相互作用によるビーズの表面周囲の分析物および標識プローブの誘引は、ビーズを包囲する蛍光信号の局所濃度を周囲のバックグラウンドよりも著しく高くする。洗浄することなく2つのプレートを閉鎖した後に撮像が実施される。
【0299】
いくつかの実施形態では、核酸ハイブリダイゼーションアッセイのために、ビーズは、100nm、500nm、1μm、5μm、50μm、500μm、1mm、またはそれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲の直径を有する。いくつかの好ましい実施形態では、ビーズは、1μm~10μm、または10μm~50μmの範囲の直径を有する。
【0300】
いくつかの実施形態では、核酸ハイブリダイゼーションアッセイのために、ビーズは、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ガラス、金属、または表面が修飾されて捕捉抗体に結合し得る任意の他の材料でできている。
【0301】
いくつかの実施形態では、濃縮表面、突出部、またはビーズは、濃縮表面、突出部、またはビーズへの非特異的結合を低減するように構成されたブロッキング剤によってブロックされる。いくつかの実施形態では、ブロッキング剤は、ウシ血清アルブミン(BSA)、乳、カゼインナトリウム、もしくは非特異的結合をブロックすることができる任意の他の試薬、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0302】
以下は、本発明のいくつかの実施形態によるBEST技術を使用した均質核酸ハイブリダイゼーションアッセイの例示的な手順である。
1.捕捉プローブのビーズへの結合.ビオチン化捕捉プローブをストレプトアビジンコーティングビーズ(Piece、直径10μm)上でコーティングする。
2.ビーズのブロッキング.捕捉プローブコーティングビーズを4℃で一晩、PBS中の4%BSAによってブロックし、使用前にPBSTによって6回洗浄する。
3.第1のプレートのコーティング.ステップ2からのビーズ1μL(ビーズ濃度107~108/mL)をガラススライド(Fisher Scientific)上に滴下し、室温で空気乾燥させる。
4.均質アッセイ.目的の標的核酸を含有する試料1μLおよびCy5標識検出プローブ1μLを、ガラススライド上のコーティングビーズの領域上に滴下する。混合物を、10μmの柱を備えたXプレート(第2のプレート)によってすぐにコーティングし、1分間インキュベートする。
5.撮像.洗浄することなく、蛍光顕微鏡によって蛍光画像を撮影する。
【0303】
2.5 均質競合アッセイのRHA
本発明のいくつかの実施形態によると、RHAはまた、ある特定の領域(例えば、分析物濃縮領域、濃縮突出部、またはビーズ)が非標識分析物を捕捉する競合アッセイにも使用され得る。これらの場合、非標識分析物は、標識検出剤と競合して、捕捉剤に結合する。捕捉分析物の信号は、捕捉剤を有するある特定の領域(分析物濃縮領域、濃縮突出部、またはビーズ)がバックグラウンドの非結合標識検出剤と比較してより低い信号レベルを示すという点で、バックグラウンド信号と区別可能である。均質は、洗浄のステップを使用しない。均質アッセイもオンステップであり、試料を1つのプレート上に滴下し、プレートを閉鎖し、信号を読み取る準備ができる。
【0304】
2.6 手押圧
本明細書に開示されるデバイス、装置、システム、および方法に関して、プレートおよび/または試料の操作または取り扱いのために人間の手が使用され得る。いくつかの実施形態では、プレートを閉鎖構成へと押圧するために、人間の手が使用され得る。いくつかの実施形態では、試料を薄層に押圧するために、人間の手が使用され得る。手押圧が用いられる様式は、2016年8月10日に出願されたPCT出願(米国指定)第PCT/US2016/045437号および2016年9月14日に出願された第PCT/US0216/051775号、ならびに2016年12月9日に出願された米国仮出願第62/431,639号、2017年2月8日に出願された第62/456,287号、2017年2月7日に出願された第62/456,065号、2017年2月8日に出願された第62/456,504号、および2017年2月16日に出願された第62/460,062号に記載および/または要約されており、これらは全て、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0305】
いくつかの実施形態では、プレートは、開放構成および閉鎖構成を含む異なる構成へと互いに対して移動可能である。開放構成において、2つのプレートは、部分的または完全に分離され、プレート間の間隔は、スペーサによって調整されず、試料は、プレートのうちの一方または両方の上に載せられる。閉鎖構成において、試料の少なくとも一部は、2つのプレートによって非常に均一な厚さの層に圧縮され、プレートに対して実質的に流れず、層の均一な厚さは、2つのプレートの試料接触領域によって限定され、プレートおよびスペーサによって調節され、いくつかの実施形態では、2つのプレートを閉鎖構成へと押圧する力は、人間の手によって提供される不正確な押圧力である。
【0306】
いくつかの実施形態では、プレートは、適合して押圧される。適合押圧とは、人間の手によるある特定の実施形態において、並行または順次のいずれかで、プレートのうちの少なくとも1つのある領域を押圧して、プレートを一緒に閉鎖構成へと押圧することを指し、適合押圧は、試料の少なくとも一部にわたってプレート上に実質的に均一な圧力を生じさせ、押圧が、プレートの試料接触表面間で試料の少なくとも一部を横方向に広げ、閉鎖構成が、均一な厚さの層の領域内のプレート間の間隔がスペーサによって調節される構成である。ある特定の実施形態では、適合押圧は、プレートの外面の形状変動に関係なく、ある領域にわたって加えられる圧力を実質的に一定にする方法である。ある特定の実施形態では、並行押圧は、意図された領域に同時に圧力を加え、順次押圧は、意図された領域の一部に圧力を加え、他の領域に徐々に移動する。
【0307】
いくつかの実施形態では、プレートは、不正確な力によって閉鎖構成へと押圧される。ある特定の実施形態では、不正確な力は、人間の手によって加えられる。いくつかの実施形態では、力は、力が加えられた時点で、(a)未知で予測不可能、または(b)知ることができず、かつ加えられる力の30%以上の精度内で予測することが不可能、のいずれかである大きさを有する不正確な力である。いくいくつかの実施形態では、力が、力が加えられた時点で、30%、40%、50%、70%、100%、200%、300%、500%、1000%、2000%以上、またはそれらの2つの値の間の任意の範囲の精度内で決定することが不可能である大きさを有する不正確な力である。
【0308】
3.多重化アッセイ
本発明の別の態様は、均質アッセイのための多重化能力を備えたデバイスおよび方法を提供することである。
【0309】
いくつかの実施形態では、試料は、2つ以上の目的の分析物を含み、同じデバイスを使用して2つ以上の分析物を同時に検出する必要がある(「多重化」)。
【0310】
いくつかの実施形態では、多重化均質アッセイのためのデバイスは、第1のプレートと、第2のプレートと、スペーサと、を備える。いくつかの実施形態では、プレートは、開放構成および閉鎖構成を含む異なる構成へと互いに対して移動可能である。いくつかの実施形態では、プレートの各々は、そのそれぞれの内面上に、第1の分析物および第2の分析物を含有する疑いがある試料と接触するための試料接触領域を有する。いくつかの実施形態では、プレートのうちの一方または両方は、スペーサを備え、スペーサのうちの少なくとも1つは、試料接触領域内にあり、スペーサは、所定の実質的に均一な高さを有する。いくつかの実施形態では、プレートのうちの一方または両方は、それぞれの内面上に、複数の第1のビーズおよび第2のビーズを含み、第1および第2のビーズは、その上にそれぞれ固定化された第1および第2の捕捉剤を有する。いくつかの実施形態では、第1および第2の捕捉剤は、それぞれ第1および第2の分析物に結合し、固定化することが可能である。
【0311】
いくつかの実施形態では、多重化アッセイのためのデバイスの開放構成において、2つのプレートは、部分的または全体的に分離され、プレート間の間隔は、スペーサによって調節されず、試料は、プレートのうちの一方または両方の上に載せられる。
【0312】
いくつかの実施形態では、多重化アッセイのためのデバイスの閉鎖構成において、試料の少なくとも一部は、2つのプレートによって非常に均一な厚さの層に圧縮され、層の均一な厚さは、プレートの内面によって限定され、プレートおよびスペーサによって調節され、均一な厚さの層内の分析物は、ビーズによって濃縮され、これによりビーズ上の捕捉分析物の信号は、均一な厚さの層内の他の領域から発せられる信号と区別可能である。
【0313】
いくつかの実施形態では、アッセイは、2つの異なる種の分析物を検出するように設計されている。いくつかの実施形態では、アッセイが検出するように設計された分析物種の数は、3、4、5、6、7、8、10以上、20以上、30以上、100以上、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲の整数である。
【0314】
多重化アッセイでは、多くの場合、異なるアッセイからの信号を区別することが重要である。本発明のいくつかの実施形態では、捕捉された第1および第2の分析物の信号は、以下の設計または方法のうちの1つによって互いから区別可能である:
(1)異なるタイプの標識が異なる種の分析物に直接付着しているか、または対応する種の分析物に結合する異なる検出剤。
(2)異なる種の分析物を捕捉するために異なるタイプのビーズが使用され、ビーズのタイプは、検出方法によって区別可能である。
(3)(1)および(2)の組み合わせ。
【0315】
いくつかの実施形態では、異なる分析物に対するビーズ(例えば、第1および第2のビーズ)のサイズは異なる。
【0316】
いくつかの実施形態では、異なる分析物に対するビーズ(例えば、第1および第2のビーズ)は、フォトルミネセンス、エレクトロルミネセンス、および電気化学ルミネセンス、光吸収、反射、透過、回折、散乱、拡散、表面ラマン散乱、ならびにそれらの任意の組み合わせの群から選択されるそれらの光学特性が異なる。
【0317】
いくつかの実施形態では、異なる分析物に対するビーズ(例えば、第1および第2のビーズ)の電気密度は異なり、電気密度を検出することができる検出器が使用される。
【0318】
いくつかの実施形態では、異なる種の分析物(試料中の異なる形状によって象徴される)を捕捉するために、異なる色のビーズが使用される。この場合、異なる種の分析物からの信号の仮想分離を容易にするために、明視野照明下で試料を視覚化または撮像する能力を備えた検出器が使用される。例えば、いくつかの実施形態では、アッセイ信号(分析物または結合検出剤の信号)が蛍光である場合、明視野画像は、蛍光画像と重ね合わされて信号を分類する。
【0319】
いくつかの実施形態では、異なる種の分析物(試料中の異なる形状によって象徴される)を捕捉するために、異なるサイズのビーズが使用される。この場合、異なる種の分析物からの信号の仮想分離を容易にするために、捕捉分析物の信号の幾何学的分布を検出するか、または明視野照明下でビーズを視覚化もしくは撮像する能力を備えた検出器が使用される。例えば、いくつかの実施形態では、アッセイ信号は蛍光であり、蛍光信号を撮像することができる検出器は、ビーズの表面上の蛍光信号の幾何学的分布を記録することが可能である。当業者は、蛍光画像に基づいて異なるサイズのビーズを分離することができる。他の場合には、信号の分離を補助するために、ビーズの明視野画像が使用される。
【0320】
いくつかの実施形態では、異なる種の分析物(試料中の異なる形状によって象徴される)を分離するために、異なる標識が使用される。この例示的な場合では、異なる種の分析物に結合する検出剤に異なるフルオロフォアが付着している。異なる分析物の信号を区別するために、蛍光モード下で試料を撮像することができ、異なる波長の光を有する放出フィルタを備えた検出器が使用されるべきである。
【0321】
いくつかの実施形態では、異なる種の分析物(試料中の異なる色によって象徴される)を捕捉するために、異なる色のビーズが使用される。この場合、異なる種の分析物からの信号の仮想分離を容易にするために、明視野照明下で試料を視覚化または撮像する能力を備えた検出器が使用される。例えば、いくつかの実施形態では、アッセイ信号(分析物または結合検出剤の信号)が蛍光である場合、明視野画像は、蛍光画像と重ね合わされて信号を分類する。
【0322】
いくつかの実施形態では、異なる種の分析物(試料中の異なる色によって象徴される)を捕捉するために、異なるサイズのビーズが使用される。この場合、異なる種の分析物からの信号の仮想分離を容易にするために、捕捉分析物の信号の幾何学的分布を検出するか、または明視野照明下でビーズを視覚化もしくは撮像する能力を備えた検出器が使用される。例えば、いくつかの実施形態では、アッセイ信号は蛍光であり、蛍光信号を撮像することができる検出器は、ビーズの表面上の蛍光信号の幾何学的分布を記録することが可能である。当業者は、蛍光画像に基づいて異なるサイズのビーズを分離することができる。他の場合には、信号の分離を補助するために、ビーズの明視野画像が使用される。
【0323】
いくつかの実施形態では、異なる種の分析物(試料中の異なる色によって象徴される)を分離するために、異なる標識が使用される。この例示的な場合では、異なる種の分析物に結合する検出剤に異なるフルオロフォアが付着している。異なる分析物の信号を区別するために、蛍光モード下で試料を撮像することができ、異なる波長の光を有する放出フィルタを備えた検出器が使用されるべきである。
【0324】
4.標識、捕捉剤、および検出剤
いくつかの実施形態では、アッセイは、サンドイッチアッセイであり、捕捉剤および検出剤は、その異なる位置で分析物に結合し、捕捉剤-分析物-検出剤サンドイッチを形成するように構成されている。
【0325】
いくつかの実施形態では、アッセイは、競合アッセイであり、分析物および検出剤は、互いに競合して捕捉剤に結合する。
【0326】
いくつかの実施形態では、アッセイは、タンパク質分析物が抗体-抗原相互作用によって検出される免疫学的測定である。いくつかの実施形態では、アッセイは、核酸アッセイであり、核酸(例えば、DNAまたはRNA)は、相補的オリゴヌクレオチドプローブとのハイブリダイゼーションによって検出される。
【0327】
いくつかの実施形態では、アッセイは、読み出しとして光信号を利用する。いくつかの実施形態では、アッセイは、読み出しとして磁気信号を利用する。いくつかの実施形態では、アッセイは、読み出しとして電気信号を利用する。いくつかの実施形態では、アッセイは、読み出しとして任意の他の形態の信号を利用する。
【0328】
いくつかの実施形態では、アッセイからの光信号は、フォトルミネセンス、エレクトロルミネセンス、および電気化学ルミネセンスから選択されるルミネセンスである。いくつかの実施形態では、光信号は、光吸収、反射、透過、回折、散乱、または拡散である。いくつかの実施形態では、光信号は,表面ラマン散乱である。いくつかの実施形態では、電気信号は、抵抗、静電容量、およびインダクタンスから選択される電気インピーダンスである。いくつかの実施形態では、磁気信号は、磁気緩和能である。いくつかの実施形態では、信号は、上記の信号形式の任意の組み合わせである。
【0329】
図8は、捕捉剤を使用して分析物を捕捉する分析物濃縮表面の例を示し、捕捉分析物は、標識とさらに結合される。パネル(A)は、捕捉抗体でコーティングされたタンパク質濃縮表面を示す。捕捉抗体は、試料中のタンパク質分析物を捕捉し、これは、標識検出抗体とさらに結合される。この場合、捕捉抗体および検出抗体は、その異なる位置でタンパク質分析物に結合するように構成され、したがって捕捉抗体-タンパク質分析物-検出抗体サンドイッチを形成する。パネル(B)は、オリゴヌクレオチド捕捉プローブでコーティングされた核酸濃縮表面を示す。捕捉プローブは、核酸分析物の一部に相補的であり、したがって分析物を表面に捕捉する。さらに、分析物は、分析物の別の部分に相補的である標識検出プローブと結合される。パネル(C)は、タンパク質濃縮表面の別の場合を示し、タンパク質分析物は、光学標識によって直接標識され、濃縮表面上にコーティングされた捕捉抗体によって捕捉される。パネル(D)は、タンパク質濃縮表面の別の場合を示し、タンパク質分析物は、消光剤と結合され、消光剤は、濃縮表面上の捕捉抗体と会合される標識によって放出されるシグナルを消光する。この場合、濃縮表面へのタンパク質分析物の濃度は、濃縮表面から発せられる信号を低減する。
【0330】
いくつかの実施形態では、捕捉剤および検出剤は、その異なる位置で分析物に結合し、プレートのうちの一方または両方の上の分離されたナノ/マイクロアイランドに固定化される捕捉剤-分析物-検出剤サンドイッチを形成するように構成され、ナノまたはマイクロアイランドの形状は、球、矩形、六角形、および/または他の多面体からなる群から選択され、正方形、六角形、および/または他の格子の格子を有する。
図9は、(i)正方形の格子を有する円形、(ii)正方形の格子を有する矩形、(iii)六角形の格子を有する三角形、(iv)非周期性を有する円形を有するプレートのうちの一方または両方の上の分離されたナノ/マイクロアイランドの上面図を示す。
【0331】
いくつかの実施形態では、ナノまたはマイクロアイランドである突出部の材料は、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、PMMA、PETなどのプラスチック;金、アルミニウム、銀、銅、スズ、および/もしくはそれらの組み合わせなどの金属;または表面が修飾されて捕捉剤と会合され得る任意の他の材料からなる群から選択される。
【0332】
上述のように、いくつかの実施形態では、ビーズ、捕捉剤、および検出剤は、ビーズ-捕捉分析物の信号を、均一な厚さの層内の遊離検出剤の信号と区別可能にするように構成されている。いくつかの実施形態では、サンドイッチ構造からの信号が均一な厚さの層内の遊離検出剤の「バックグラウンド」信号と区別可能である場合にのみ、検出された信号を試料中の分析物の存在および/または量の読み出しとして使用し、それによりアッセイを実現することができるという点で、上記の構成を達成することが重要である。
【0333】
いくつかの実施形態では、標的分析物は、ビーズ上の捕捉位置で検出剤と競合する。より多くの標的分析物が現れると、ビーズは比較的暗くなる。
【0334】
いくつかの実施形態では、ビーズは、標識と会合され、検出剤は、検出剤が標識に近接しているときにビーズ会合標識のシグナルを消光するように構成された消光剤である。ビーズが標的分析物を捕捉すると、ビーズ上の標識は、消光されるか、または薄暗くなる。
【0335】
いくつかの実施形態では、捕捉剤としては、タンパク質、ペプチド、ペプチド模倣物、ストレプトアビジン、ビオチン、オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチド模倣物、任意の他の親和性リガンド、およびそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、捕捉剤は、抗体である。いくつかの実施形態では、捕捉抗体は、抗C反応性タンパク質(CRP)抗体である。
【0336】
いくつかの実施形態では、捕捉剤は、分析物の存在を検出し、かつ/または量を測定するのに十分である濃度を有する。いくつかの実施形態では、捕捉剤は、分析物を固定化するのに十分な濃度を有する。
【0337】
いくつかの実施形態では、検出剤としては、タンパク質、ペプチド、ペプチド模倣物、ストレプトアビジン、ビオチン、オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチド模倣物、任意の他の親和性リガンド、およびそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、検出剤は、抗体である。いくつかの実施形態では、検出抗体は、抗CRP抗体である。
【0338】
いくつかの実施形態では、検出抗体は、試料中の分析物濃度よりも高い均一な厚さの層内の濃度を有するように構成されている。いくつかの実施形態では、分析物濃度に対する検出抗体濃度の比は、1以上、1以上、2以上、5以上、10以上、20以上、30以上、50以上、100以上、200以上、300以上、500以上、1000以上、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲である。
【0339】
いくつかの実施形態では、検出抗体は、標識されている。いくつかの実施形態では、標識は、蛍光、比色、または発光であってもよい。いくつかの実施形態では、検出抗体は、フルオロフォアで標識されている。いくつかの実施形態では、フルオロフォアとしては、IRDye800CW、Alexa 790、Dylight 800、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、カルボキシフルオレセインのスクシンイミジルエステル、フルオレセインのスクシンイミジルエステル、フルオロセインジクロロトリアジンの5-異性体、ケージドカルボキシフルオレセイン-アラニン-カルボキシアミド、オレゴングリーン488、オレゴングリーン514;ルシファーイエロー、アクリジンオレンジ、ローダミン、テトラメチルローダミン、テキサスレッド、ヨウ化プロピジウム、JC-1(5,5’,6,6’-テトラクロロ-1,1’,3,3’-テトラエチルベンゾイミダゾイルカルボシアニンヨウ化物)、テトラブロモローダミン123、ローダミン6G、TMRM(テトラメチルローダミンメチルエステル)、TMRE(テトラメチルローダミンエチルエステル)、テトラメチルロサミン、ローダミンBおよび4-ジメチルアミノテトラメチルロサミン、緑色蛍光タンパク質、青色シフト緑色蛍光タンパク質、シアンシフト緑色蛍光タンパク質、赤色シフト緑色蛍光タンパク質、黄色シフト緑色蛍光タンパク質、4-アセトアミド-4’-イソチオシアネートスチルベン-2,2’ジスルホン酸;アクリジンおよび誘導体、例えば、アクリジン、アクリジンイソチオシアネート;5-(2’-アミノエチル)アミノナフタリン-1-スルホン酸(EDANS);4-アミノ-N-[3-ビニルスルホニル)フェニル]ナフト-アリミド-3,5ジスルホン酸塩;N-(4-アニリノ-1-ナフチル)マレイミド;アントラニルアミド;4,4-ジフルオロ-5-(2-チエニル)-4-ボラ-3a,4aジアザ-5-インダセン-3-プロピオン酸BODIPY;カスケードブルー;ブリリアントイエロー;クマリンおよび誘導体:クマリン、7-アミノ-4-メチルクマリン(AMC、クマリン120)、7-アミノ-4-トリフルオロメチルクマリン(クマリン151);シアニン色素;シアノシン;4’,6-ジアミニジノ-2-フェニルインドール(DAPI);5’,5”-ジブロモピロガロール-スルホナフタレイン(ブロモピロガロールレッド);7-ジエチルアミノ-3-(4’-イソチオシアナトフェニル)-4-メチルクマリン;ジエチレントリアミンペンタアセテート;4,4’-ジイソチオシアナートジヒドロ-スチルベン-2-,2’-ジスルホン酸;4,4’-ジイソチオシアナートスチルベン-2,2’-ジスルホン酸;5-(ジメチルアミノ]ナフタリン-1-スルホニルクロリド(DNS、ダンシルクロリド);4-ジメチルアミノフェニルアゾフェニル-4’-イソチオシアネート(DABITC);エオシンおよび誘導体:エオシン、エオシンイソチオシアネート、および誘導体;エリスロシンB、エリスロシン、イソチオシアネート;エチジウム;5-カルボキシフルオレセイン(FAM)、5-(4,6-ジクロロトリアジン-2-イル)アミノ--フルオレセイン(DTAF)、2’,7’ジメトキシ-4’5’-ジクロロ-6-カルボキシフルオレセイン(JOE)、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、QFITC、(XRITC);フルオレスカミン;IR144;IR1446;マラカイトグリーンイソチオシアネート、4-メチルウンベリ-フェロネオルトクレゾールフタレイン;ニトロチロシン;パラローザニリン;フェノールレッド;B-フィコエリトリン;o-フタルジアルデヒド;ピレンおよび誘導体:ピレン、ピレンブチラート、スクシンイミジル1-ピレン;ブチラート量子ドット;リアクティブレッド4(Cibacron(商標)ブリリアントレッド3B-A)ローダミンおよび誘導体:6-カルボキシ-X-ローダミン(ROX)、6-カルボキシローダミン(R6G)、リサミンローダミンBスルホニルクロリドローダミン(Rhod)、ローダミンB、ローダミン123、ローダミンXイソチオシアネート、スルホローダミンB、スルホローダミン101、スルホローダミン101のスルホニルクロリド誘導体(テキサスレッド);N,N,N’,N’-テトラメチル-6-カルボキシローダミン(TAMRA);テトラメチルローダミン;テトラメチルホダミンイソチオシアネート(TRITC);リボフラビン;5-(2’-アミノエチル)アミノナフタリン-1-スルホン酸(EDANS)、4-(4’-ジメチルアミノフェニルアゾ)安息香酸(DABCYL)、ロゾール酸;CAL Fluor Orange 560、テルビウムキレート誘導体;Cy3;Cy5;Cy5.5;Cy7;IRD700;IRD800;La Jolla Blue、フタロシアニン;ならびにナフタロシアニン、クマリン、および関連色素、キサンテン色素、例えば、ロードール、レソルフィン、ビマン、アクリジン、イソインドール、ダンシル色素、アミノフタルヒドラジド、例えば、ルミノール、およびイソルミノール誘導体、アミノフタルイミド、アミノナフタルイミド、アミノベンゾフラン、アミノキノリン、ジシアノヒドロキノン、蛍光ユーロピウムおよびテルビウム錯体;それらの組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定されない。好適な蛍光タンパク質および発色性タンパク質には、これらに限定されないが、Aequoria victoriaまたはその誘導体、例えば、Enhanced GFPなどの「ヒト化」誘導体に由来するGFP;Renilla reniformis、Renilla mulleri、またはPtilosarcus guernyiなどの別の種からのGFP;「ヒト化」組換えGFP(hrGFP);Anthozoan種の様々な蛍光タンパク質および着色タンパク質のうちのいずれか;それらの組み合わせなどが挙げられる。
【0340】
いくつかの実施形態では、ビーズは、タンパク質安定剤で処理される。いくつかの実施形態では、ビーズは、プレート上に載せられ、乾燥(例えば、空気乾燥)させられて、プロセスをさらに単純化することができる。いくつかの実施形態では、検出抗体は、プレートのうちの1つの上に配置され、乾燥させられる。いくつかの実施形態では、検出抗体を有するプレートは、タンパク質安定剤で処理される。いくつかの実施形態では、タンパク質安定剤を有する検出抗体は、プレートのうちの1つの上に予め印刷され、空気乾燥させられる。
【0341】
いくつかの実施形態では、ビーズは、
(a)N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)による活性化、
(b)BSA溶液によるブロッキング、および
(c)捕捉剤溶液とのインキュベート、によって調製される。
【0342】
5.検出器、システム、およびスマートフォンベースのシステム
本発明の別の態様は、均質アッセイのためのシステムを提供する。いくつかの実施形態では、システムは、上述のデバイスと、均一な厚さの層内の分析物を検出する検出器と、を備える。
【0343】
いくつかの実施形態では、検出器は、分析物の存在および/または量を示す捕捉剤-分析物-検出剤サンドイッチからの信号を検出する。
【0344】
いくつかの実施形態では、信号は、
i.フォトルミネセンス、エレクトロルミネセンス、および電気化学ルミネセンスから選択されるルミネセンス、
ii.光吸収、反射、透過、回折、散乱、または拡散、
iii.表面ラマン散乱、
iv.抵抗、静電容量、およびインダクタンスから選択される電気インピーダンス、
v.磁気緩和能、または
vi.i~vの任意の組み合わせ、である。
【0345】
本発明の別の態様は、均質アッセイのためのスマートフォンシステムを提供する。いくつかの実施形態では、スマートフォンシステムは、
(a)前述の実施形態のいずれかに記載のデバイスと、
(b)
i.試料を検出および/または撮像するための1つまたは複数のカメラ、
ii.検出された信号および/または試料の画像を受信および/または処理し、かつ遠隔通信するための電子機器、信号プロセッサ、ハードウェア、およびソフトウェア、を備える、モバイル通信デバイスと、
(c)閉鎖したデバイスを保持し、モバイル通信デバイスに係合可能であるように構成されたアダプタと、を備え、
モバイル通信デバイスと係合したとき、アダプタは、閉鎖構成にある試料中の分析物の検出および/または撮像を容易にするように構成されている。
【0346】
いくつかの実施形態では、モバイル通信デバイスは、試験結果を医療専門家、医療施設、または保険会社に通信するように構成されている。
【0347】
いくつかの実施形態では、モバイル通信デバイスは、試験結果を医療専門家、医療施設、または保険会社に通信するように構成されている。
【0348】
いくつかの実施形態では、モバイル通信デバイスは、医療専門家から処方、診断、または推奨を受け取るように構成されている。
【0349】
いくつかの実施形態では、モバイル通信デバイスは、wifiまたはセルラーネットワークを介して遠隔地と通信する。
【0350】
いくつかの実施形態では、モバイル通信デバイスは、携帯電話である。
【0351】
いくつかの実施形態では、画像は、モバイルデバイスの一部であるカメラによって撮影され得る。いくつかの実施形態では、モバイルデバイスは、スマートフォンである。
【0352】
ローカル読み取りアプローチでは、
図1Bに示されるように、以下の2つの測定値に関して1つまたは2つ以上の粒子が測定される:(a)粒子領域からの信号(S
P)。これは、粒子領域全体または粒子領域の指定された領域からのものであり得る。(b)粒子周囲の信号(ローカルバックグラウンドS
B)。これは、粒子周囲の領域全体または指定された領域から取得され得る。「周囲」の定義は、粒子の外面までの0.01D、0.1D、0.2D、0.5D、1D、2D、5D、10D、50D、またはそれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲の距離であり得、「D」は、粒子の平均直径である。各粒子に対するアッセイの真の信号S
Aは、S
A=S
P-S
Bとして決定され得る。各CROFからのアッセイ信号(S
CROF)は、複数の粒子の平均であり得る。これは、CROF全体の全ての粒子、またはCROFの指定された領域内の粒子(例えば、S
CROF=平均(S
A1、S
A2、S
A3…S
An))であり得る。
【0353】
6.分析物、試料、および用途
いくつかの実施形態では、均質アッセイで検出される分析物としては、細胞、ウイルス、タンパク質、ペプチド、DNA、RNA、オリゴヌクレオチド、およびそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0354】
いくつかの実施形態では、本発明は、疾患または疾患状態のバイオマーカーの検出に使用される。ある特定の場合において、本発明は、薬物発見およびワクチン開発のための細胞シグナル伝達経路および細胞内情報伝達の特徴付けのためのバイオマーカーの検出に使用される。例えば、本発明は、罹患した、健康な、または良性の試料中のバイオマーカーの量を検出および/または定量化するために使用され得る。ある特定の実施形態では、本発明は、感染性疾患または疾患状態のバイオマーカーの検出に使用される。場合によっては、バイオマーカーは、タンパク質、核酸、炭水化物、小分子などなどであるが、これらに限定されない分子バイオマーカーであり得る。本発明は、以下などであるが、これらに限定されない診断アッセイに使用される:上記のようなバイオマーカーの検出および/または定量化;無症候性対象に対して一定間隔で試料が試験されるスクリーニングアッセイ;可能性のある疾患経過を予測するためにバイオマーカーの存在および/または量が使用される予後アッセイ;異なる薬物治療に対する対象の応答が予測され得る層別化アッセイ;薬物治療の有効性が監視される有効性アッセイなど。
【0355】
本発明は、(a)ある特定の疾患の病期、例えば、感染症および寄生虫病、外傷、心血管疾患、癌、精神疾患、神経精神疾患、ならびに器質性疾患、例えば、肺疾患、腎疾患の病期と相関する化学化合物または生体分子の検出、精製、および定量化、(b)微生物、例えば、環境、例えば、水、土壌、もしくは生体試料、例えば、組織、体液からのウイルス、真菌、および細菌の検出、精製、および定量化、(c)食品の安全性もしくは国家安全保障を危険にさらす化学化合物または生体試料、例えば、毒性廃棄物、炭疽の検出、定量化、(d)医学的もしくは生理学的モニターにおけるバイタルパラメータ、例えば、グルコース、血中酸素レベル、総血球数の定量化、(e)生体試料、例えば、細胞、ウイルス、体液の特定のDNAもしくはRNAの検出および定量化、(f)ゲノム解析のための染色体およびミトコンドリアのDNAの遺伝子配列の配列決定および比較、または(g)例えば、医用薬剤の合成もしくは精製中の反応生成物の検出に応用される。
【0356】
いくつかの実施形態では、液体試料は、羊水、房水、硝子体液、血液(例えば、全血、分画血液、血漿、または血清)、母乳、脳脊髄液(CSF)、耳垢(cerumen)(耳垢(earwax))、乳糜、糜汁(chime)、内リンパ液、外リンパ液、糞便、呼気、胃酸、胃液、リンパ液、粘液(鼻漏および痰を含む)、心膜液、腹膜液、胸膜液、膿、粘膜の分泌物、唾液、呼気凝縮液、皮脂、精液、喀痰、汗、関節液、涙、嘔吐物、尿、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される生体試料から作られる。
【0357】
いくつかの実施形態では、試料は、川、湖、池、海、氷河、氷山、雨、雪、下水、貯水池、水道水、または飲料水からなる群から選択される供給源からの環境液体試料、土壌、堆肥、砂、岩、コンクリート、木材、レンガ、下水からの固体試料、およびそれらの任意の組み合わせである。
【0358】
いくつかの実施形態では、試料は、空気、水中排熱口、産業排気、車両排気、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される供給源からの環境気体試料である。
【0359】
いくつかの実施形態では、試料は、生の材料、調理済み食品、植物および動物の食物源、予め加工済みの食品、および部分的または完全に加工済みの食品、ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される食品試料である。
【0360】
7.本発明の実施例
多重化BEST
NA1.
均質アッセイのためのデバイスであって、
第1のプレートと、第2のプレートと、スペーサと、複数の粒子と、捕捉剤と、を備え、
vi.第1および第2のプレートが、開放構成および閉鎖構成を含む異なる構成へと互いに対して移動可能であり、
vii.プレートの各々が、そのそれぞれの内面上に、分析物を含有する疑いがある試料と接触するための試料接触領域を有し、
viii.第1のプレートが、その内面上に固定されたスペーサを備え、スペーサのうちの少なくとも1つが、試料接触領域内にあり、スペーサが、100um以下に等しい所定の実質的に均一な高さを有し、
ix.複数の粒子が、それらの表面上に固定化された捕捉剤を有し、捕捉剤が、分析物を特異的に結合および固定化することが可能であり、かつ
x.複数の粒子が、(a)スペーサが占める領域を除いて、第1のプレートの試料接触領域に分布し、(b)第1のプレート上に一時的または恒久的に固定され、
開放構成では、2つのプレートが、部分的または全体的に分離され、プレート間の間隔が、スペーサによって調節されず、試料が、プレートのうちの一方または両方の上に載せられ、
開放構成において試料が載せられた後に構成される閉鎖構成では、試料の少なくとも一部が、2つのプレートによって非常に均一な厚さの層に圧縮され、層の前記均一な厚さが、プレートの内面によって限定され、かつプレートおよびスペーサによって調節される、デバイス。
【0361】
NB1.
均質アッセイのためのデバイスであって、
第1のプレートと、第2のプレートと、スペーサと、複数の粒子と、捕捉剤と、を備え、
vi.第1および第2のプレートが、開放構成および閉鎖構成を含む異なる構成へと互いに対して移動可能であり、
vii.プレートの各々が、そのそれぞれの内面上に、分析物を含有する疑いがある試料と接触するための試料接触領域を有し、
viii.一方または両方のプレートが、その内面上に固定されたスペーサを備え、スペーサのうちの少なくとも1つが、試料接触領域内にあり、スペーサが、100um以下に等しい所定の実質的に均一な高さを有し、
ix.複数の粒子が、それらの表面上に固定化された捕捉剤を有し、捕捉剤が、分析物を特異的に結合および固定化することが可能であり、かつ
x.複数の粒子が、(a)第1の試料接触領域に分布し、(b)プレート上に一時的または恒久的に固定され、
開放構成では、2つのプレートが、部分的または全体的に分離され、プレート間の間隔が、スペーサによって調節されず、試料が、プレートのうちの一方または両方の上に載せられ、
開放構成において試料が載せられた後に構成される閉鎖構成では、試料の少なくとも一部が、2つのプレートによって非常に均一な厚さの層に圧縮され、層の均一な厚さが、プレートの内面によって限定され、かつプレートおよびスペーサによって調節される、デバイス。
【0362】
NC1.
プレート上の複数の粒子の分布が、ランダムである、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0363】
NC2.
複数の粒子が、プレート上に固定され、周期的な分布を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0364】
NC3.
スペーサが、平坦な頂部を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0365】
NC4.
複数の粒子が、第1のプレート上に一時的に固定され、開放構成では、2つのプレートが閉鎖構成になる前に、試料が第1のプレート上に載せられる、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0366】
NC5.
スペーサの厚さが、閉鎖構成において、試料中の分析物のある特定の濃度に対して、粒子のうちの1つを含有する均一な厚さの試料の少なくとも1つの領域が、試料層の外側から見たときに粒子を含有しないその隣接領域と光学的に区別可能になるように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0367】
NC6.
デバイスが、2つのプレートと、スペーサと、を備え、押圧が、人間の手によるものである、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0368】
NC7.
複数の粒子のうちの1つ以上の直径が、スペーサの高さに等しい、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0369】
NC8.
スペーサの高さが、約10umである、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0370】
NC9.
スペーサの高さが、約5umである、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0371】
NC10.
スペーサの高さが、約0.1um~約15umである、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0372】
NC11.
スペーサの高さが、約0.1um~約3umである、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0373】
NC12.
一方のプレートまたは両方のプレートの内面の少なくとも一部分が、親水性である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0374】
NC13.
スペーサ間距離が、周期的である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0375】
NC14.
試料が、いかなる輸送デバイスも使用せずに対象からプレートへ直接載せられたものである、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0376】
NC15.
閉鎖構成における試料の変形後、圧縮力の一部または全てが除去されたとき、試料が、同じ最終試料厚さを維持する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0377】
NC16.
スペーサが、柱形状およびほぼ均一な断面を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0378】
NC17.
スペーサ間距離(SD)が、約120um(マイクロメートル)以下である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0379】
NC18.
スペーサ間距離(SD)が、約100um(マイクロメートル)以下である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0380】
NC19.
スペーサ間距離(ISD)の4乗を可撓性プレートの厚さ(h)およびヤング率(E)で割ったもの(ISD^4/(hE))が、5x10^6um^3/GPa以下である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0381】
NC20.
スペーサ間距離(ISD)の4乗を可撓性プレートの厚さ(h)およびヤング率(E)で割ったもの(ISD^4/(hE))が、5x10^5um3/GPa以下である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0382】
NC21.
スペーサが、柱形状、実質的に平坦な頂面、所定の実質的に均一な高さ、および分析物のサイズより少なくとも約2倍大きい所定の一定のスペーサ間距離を有し、スペーサのヤング率にスペーサの充填率を掛けたものが、2MPa以上であり、充填率が、全プレート面積に対するスペーサの接触面積の比であり、各スペーサに対して、スペーサの横寸法対その高さの比が、少なくとも1である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0383】
NC22.
スペーサが、柱形状、実質的に平坦な頂面、所定の実質的に均一な高さ、および分析物のサイズより少なくとも約2倍大きい所定の一定のスペーサ間距離を有し、スペーサのヤング率にスペーサの充填率を掛けたものが、2MPa以上であり、充填率が、全プレート面積に対するスペーサの接触面積の比であり、各スペーサに対して、スペーサの横寸法対その高さの比が、少なくとも1であり、スペーサ間距離(ISD)の4乗を可撓性プレートの厚さ(h)およびヤング率(E)で割ったもの(ISD^4/(hE))が、5x10^6um^3/GPa以下である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0384】
NC23.
スペーサの平均幅に対するスペーサのスペーシング間距離の比が、2以上であり、スペーサの充填率にスペーサのヤング率を乗じたものが、2MPa以上である、先行するデバイス実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0385】
ND1.
均質アッセイを実施する方法であって、
(a)分析物を含有する疑いがある試料を取得するステップと、
(b)捕捉剤が、分析物の結合部位に特異的に結合することが可能である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイスを取得するステップと、
(c)デバイスの試料接触領域の少なくとも一部の上に光標識を有するステップであって、光標識が、分析物に結合することが可能である、ステップと、
(d)プレートが開放構成にあるときに、プレートのうちの一方または両方の上に試料を載せるステップであって、開放構成において、
(e)(d)の後、2つのプレートを一緒にし、プレートを閉鎖構成へと押圧するステップであって、試料の少なくとも一部が、2つのプレートによって非常に均一な厚さの層に圧縮され、層の均一な厚さが、プレートの内面によって限定され、かつプレートおよびスペーサによって調節される、ステップと、
(f)プレートが閉鎖構成にある間に、均一な厚さの層内の分析物を分析するステップと
を含み、分析が、
i.試料層の外側から、(a)1つの粒子を含有する試料層の領域である粒子領域、および(b)粒子領域の周囲にある試料層の領域である周囲領域からの全光信号を測定することであって、周囲領域が、粒子の縁部内で50Dであり、Dが、粒子の直径である、測定することと、
ii.粒子領域および少なくとも2つの異なる粒子領域の周囲領域の各々からの全光信号を測定することと
を含む、方法。
【0386】
ND2.
全光信号測定のための粒子領域が、粒子直径と実質的に同じ領域を有する、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
【0387】
ND3.
全光信号測定のための粒子領域が、粒子直径によって画定される領域よりも小さい、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
【0388】
ND4.
均一な試料層内の分析物の分析が、各領域からの全光信号の平均化を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
【0389】
ND5.
均一な試料層内の分析物の分析が、(i)各粒子領域の全光信号の、その周囲領域の全光信号に対する比を測定することと、(ii)全ての粒子領域および周囲領域の対の比を平均することと、を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
【0390】
ND6.
試料を載せることの終了から、プレートの閉鎖構成への押圧の終了までの時間が、15秒未満である、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
【0391】
ND7.
試料を載せることの終了から、プレートの閉鎖構成への押圧の終了までの時間が、5秒未満である、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
【0392】
NE1.
試料中の分析物を均質に分析するための装置であって、
i.先行する実施形態のいずれかに記載のデバイスと、
ii.試料接触領域の少なくとも一部を撮像する1つ以上の撮像装置と
を備える、装置。
【0393】
NF1.
迅速な多重化均質アッセイのためのデバイスであって、
第1のプレートと、第2のプレートと、スペーサと、を備え、
i.プレートが、開放構成および閉鎖構成を含む異なる構成へと互いに対して移動可能であり、
ii.プレートの各々が、そのそれぞれの内面上に、第1の分析物および第2の分析物を含有する疑いがある試料と接触するための試料接触領域を有し、
iii.プレートのうちの一方または両方が、スペーサを備え、スペーサのうちの少なくとも1つが、試料接触領域内にあり、スペーサが、所定の実質的に均一な高さを有し、
iv.プレートのうちの一方または両方が、それぞれの内面上に、複数の第1の粒子および第2の粒子を含み、第1および第2の粒子が、その上にそれぞれ固定化された第1および第2の捕捉剤を有し、かつ
v.第1および第2の捕捉剤が、それぞれ第1および第2の分析物に結合し、固定化することが可能であり、
開放構成では、2つのプレートが、部分的または全体的に分離され、プレート間の間隔が、スペーサによって調節されず、試料が、プレートのうちの一方または両方の上に載せられ、
開放構成において試料が載せられた後に構成される閉鎖構成では、試料の少なくとも一部が、2つのプレートによって非常に均一な厚さの層に圧縮され、層の均一な厚さが、プレートの内面によって限定され、かつプレートおよびスペーサによって調節され、均一な厚さの層内の分析物が、粒子によって濃縮され、これにより粒子上の捕捉分析物の信号が、均一な厚さの層内の他の領域から発せられる信号と区別可能である、デバイス。
【0394】
NG1.
均質アッセイのためのスマートフォンシステムであって、
(a)先行する実施形態のいずれかに記載のデバイスと、
(b)
i.試料を検出および/または撮像するための1つまたは複数のカメラ、
ii.検出された信号および/または試料の画像(複数可)を受信および/または処理し、かつ遠隔通信するための電子機器、信号プロセッサ、ハードウェア、およびソフトウェア、を備える、モバイル通信デバイスと、
(c)閉鎖構成にあるデバイスを収容し、モバイル通信デバイスに係合可能であるように構成されたアダプタと
を備え、
モバイル通信デバイスと係合したとき、アダプタが、試料中の分析物の検出および/または撮像を容易にするように構成されている、スマートフォンシステム。
【0395】
NH1.
第1および第2の粒子が異なる、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、スマートフォンシステム、および方法。
【0396】
NH2.
第1および第2の粒子のサイズが異なる、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、スマートフォンシステム、および方法。
【0397】
NH3.
第1および第2の粒子が、フォトルミネセンス、エレクトロルミネセンス、および電気化学ルミネセンス、光吸収、反射、透過、回折、散乱、拡散、表面ラマン散乱、ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるそれらの光学特性について異なる、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、スマートフォンシステム、および方法。
【0398】
NH4.
第1および第2の粒子の電気密度が異なる、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、スマートフォンシステム、および方法。
【0399】
NH5.
第1および第2の粒子が同じであり、第1および第2の分析物からの信号が異なる、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、スマートフォンシステム、および方法。
【0400】
周期的に配置された粒子を有するプレートの作製方法
NJ1.
周期的に配置された粒子を有するプレートを作製する方法であって、
(1)その内面上に複数のピットを備えるプレートを有するステップであって、ピットが周期的に配置されている、ステップと、
(2)プレートの内面上に複数の粒子を含有する液体を載せるステップと、
(3)プレートを乾燥させるステップであって、このプロセス中に、少なくともピットの隆起部に対する毛管力により、粒子がピット内に再分布される、ステップと
を含む、方法。
【0401】
分析物濃縮領域:
AA1-1.
迅速な均質アッセイのためのデバイスであって、
第1のプレートと、第2のプレートと、スペーサと、を備え、
i.プレートが、開放構成および閉鎖構成を含む異なる構成へと互いに対して移動可能であり、
ii.プレートの各々が、そのそれぞれの内面上に、分析物を含む疑いがある試料と接触するための試料接触領域を有し、
iii.プレートのうちの一方または両方が、スペーサを備え、スペーサのうちの少なくとも1つが、試料接触領域内にあり、スペーサが、所定の実質的に均一な高さを有し、かつ
iv.プレートのうちの一方または両方が、それぞれの内面上に、捕捉剤が上に固定化された1つまたは複数の分析物濃縮領域を備え、捕捉剤が、分析物に結合し、固定化することが可能であり、
開放構成では、2つのプレートが、部分的または全体的に分離され、プレート間の間隔が、スペーサによって調節されず、試料が、プレートのうちの一方または両方の上に載せられ、
開放構成において試料が載せられた後に構成される閉鎖構成では、試料の少なくとも一部が、2つのプレートによって非常に均一な厚さの層に圧縮され、層の均一な厚さが、プレートの内面によって限定され、かつプレートおよびスペーサによって調節され、均一な厚さの層内の分析物が、分析物濃縮領域内で濃縮され、これにより分析物濃縮領域内の捕捉分析物の信号が、均一な厚さの層内の非分析物濃縮領域から発せられる信号と区別可能である、デバイス。
【0402】
濃縮突出部:
AA2.
プレートのうちの一方または両方が、それぞれの内面から延出する1つまたは複数の突出部を備え、各突出部が、スペーサよりも低い高さを有し、その表面のうちの少なくとも1つの上に分析物濃縮領域を備える、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0403】
粒子:
AB1.
迅速な均質アッセイのためのデバイスであって、
第1のプレートと、第2のプレートと、スペーサと
を備え、
i.プレートが、開放構成および閉鎖構成を含む異なる構成へと互いに対して移動可能であり、
ii.プレートの各々が、そのそれぞれの内面上に、分析物を含む疑いがある試料と接触するための試料接触領域を有し、
iii.プレートのうちの一方または両方が、スペーサを備え、スペーサのうちの少なくとも1つが、試料接触領域内にあり、スペーサが、所定の実質的に均一な高さを有し、かつ
iv.プレートのうちの一方または両方が、それぞれの内面上に、捕捉剤が上に固定化された複数の粒子を含み、捕捉剤が、分析物に結合し、固定化することが可能であり、
開放構成では、2つのプレートが、部分的または全体的に分離され、プレート間の間隔が、スペーサによって調節されず、試料が、プレートのうちの一方または両方の上に載せられ、
開放構成において試料が載せられた後に構成される閉鎖構成では、試料の少なくとも一部が、2つのプレートによって非常に均一な厚さの層に圧縮され、層の均一な厚さが、プレートの内面によって限定され、かつプレートおよびスペーサによって調節され、均一な厚さの層内の分析物が、粒子によって濃縮され、これにより粒子上の捕捉分析物の信号が、均一な厚さの層内の他の領域から発せられる信号と区別可能である、デバイス。
【0404】
システム:
C1.
迅速な均質アッセイのためのシステムであって、
(a)先行する実施形態のいずれかに記載のデバイスと、
(b)均一な厚さの層内の分析物の存在および/または量を示す捕捉剤結合分析物からの信号を検出する検出器と、を備える、システム。
【0405】
スマートフォンシステム:
D1.
迅速な均質アッセイのためのスマートフォンシステムであって、
(a)先行する実施形態のいずれかに記載のデバイスと、
(b)
i.試料を検出および/または撮像するための1つまたは複数のカメラ、
ii.検出された信号および/または試料の画像を受信および/または処理し、かつ遠隔通信するための電子機器、信号プロセッサ、ハードウェア、およびソフトウェアを備える、モバイル通信デバイスと、
(c)閉鎖したデバイスを保持し、モバイル通信デバイスに係合可能であるように構成されたアダプタと
を備え、
モバイル通信デバイスと係合したとき、アダプタが、閉鎖構成にある試料中の分析物の検出および/または撮像を容易にするように構成されている、スマートフォンシステム。
【0406】
方法:
AE1.
迅速な均質アッセイを実施する方法であって、
(a)分析物を含有する疑いがある試料を取得するステップと、
(b)先行する実施形態のいずれかに記載のデバイスを取得するステップと、
(c)プレートが開放構成にあるときに、プレートのうちの一方または両方の上に試料を載せるステップと、
(d)(c)の後、2つのプレートを一緒にし、プレートを閉鎖構成へと押圧するステップと、
(e)プレートが閉鎖構成にある間に、均一な厚さの層内の分析物を検出および分析するステップと
を含む、方法。
【0407】
AE2.
迅速な均質アッセイのための画像を分析する方法であって、
(a)閉鎖構成にある先行する実施形態のいずれかに記載の信号の画像を取得するステップであって、画像が、明視野画像、暗視野画像、蛍光画像、およびリン光画像からなる群から選択される、ステップと、
(b)画像を分析し、画像内の粒子を特定し、かつ粒子サイズ、粒子の信号強度、粒子間の距離、粒子の分布、および粒子数の情報を抽出するステップと、
(c)ステップ(b)からの抽出された情報を分析し、粒子のパラメータを計算することによって、分析物濃度を推定するステップと
を含む、方法。
【0408】
E1.
均質アッセイを実施する方法であって、
(a)分析物を含有する疑いがある試料を取得するステップと、
(b)開放構成および閉鎖構成を含む異なる構成へと互いに対して移動可能である第1および第2のプレートを取得するステップであって、
v.プレートの各々が、そのそれぞれの内面上に、試料と接触するための試料接触領域を有し、
vi.プレートのうちの一方または両方が、スペーサを備え、スペーサのうちの少なくとも1つが、試料接触領域内にあり、
vii.プレートのうちの一方または両方が、それぞれの内面上に、捕捉剤が上に固定化された複数の粒子を含み、捕捉剤が、分析物に結合し、固定化することが可能であり、
viii.プレートのうちの一方または両方が、それぞれの内面上に、試料に接触すると試料中に溶解し、分析物に結合するように構成された検出剤を含み、
スペーサが、所定の実質的に均一な高さを有する、ステップと、
(c)プレートが開放構成にあるとき、プレートのうちの一方または両方の上に試料を載せるステップであって、開放構成において、2つのプレートが、部分的または全体的に分離され、プレート間の間隔が、スペーサによって調節されない、ステップと、
(d)(c)の後、2つのプレートを一緒にし、プレートを閉鎖構成へと押圧するステップであって、閉鎖構成において、試料の少なくとも一部が、2つのプレートによって非常に均一な厚さの層に圧縮され、層の均一な厚さが、2つのプレートの内面によって限定され、かつスペーサおよびプレートによって調節される、ステップと、
(e)プレートが閉鎖構成にある間に、均一な厚さの層内の分析物を検出および分析するステップと、を含み、
捕捉剤および検出剤が、その異なる位置で分析物に結合し、粒子に固定化された捕捉剤-分析物-検出剤サンドイッチを形成するように構成され、
粒子、捕捉剤、および検出剤が、粒子関連捕捉剤-分析物-検出剤サンドイッチからの信号を、均一な厚さの層内の遊離検出剤の信号と区別可能にするように構成されている、方法。
【0409】
拡散パラメータを定義する実施形態
AA1-2.
迅速な均質アッセイのためのデバイスであって、
第1のプレートと、第2のプレートと、スペーサと、を備え、
i.プレートが、開放構成および閉鎖構成を含む異なる構成へと互いに対して移動可能であり、
ii.プレートの各々が、そのそれぞれの内面上に、分析物を含む疑いがある試料と接触するための試料接触領域を有し、
iii.プレートのうちの一方または両方が、スペーサを備え、スペーサのうちの少なくとも1つが、試料接触領域内にあり、スペーサが、200um以下の所定の実質的に均一な高さを有し、かつ
iv.プレートのうちの一方または両方が、それぞれの内面上に、捕捉剤が上に固定化された1つまたは複数の分析物濃縮領域を備え、捕捉剤が、分析物に結合することが可能であり、
スペーサが、拡散パラメータの4倍以下である高さを有し、拡散パラメータが、意図されたアッセイ時間の平方根に試料中の分析物の拡散定数を乗じたものであり、意図されたアッセイ時間が、240秒以下であり、
2つの隣接する分析物濃縮領域間の平均距離が、前記拡散パラメータの4倍以下であり、
開放構成では、2つのプレートが、部分的または全体的に分離され、プレート間の間隔が、スペーサによって調節されず、試料が、プレートのうちの一方または両方の上に載せられ、
開放構成において試料が載せられた後に構成される閉鎖構成では、試料の少なくとも一部が、2つのプレートによって非常に均一な厚さの層に圧縮され、層の均一な厚さが、プレートの内面によって限定され、かつプレートおよびスペーサによって調節され、均一な厚さの層内の分析物が、濃縮領域内で濃縮され、これにより濃縮領域内の捕捉分析物の信号が、均一な厚さの層内の非濃縮領域から発せられる信号と区別可能である、デバイス。
【0410】
AA2-2.
プレートのうちの一方または両方が、それぞれの内面から延出する1つまたは複数の突出部を備え、各突出部が、スペーサよりも低い高さを有し、その表面のうちの少なくとも1つの上に分析物濃縮領域を備える、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス。
【0411】
AB1-2.
迅速な均質アッセイのためのデバイスであって、
第1のプレートと、第2のプレートと、スペーサと、を備え、
i.プレートが、開放構成および閉鎖構成を含む異なる構成へと互いに対して移動可能であり、
ii.プレートの各々が、そのそれぞれの内面上に、分析物を含む疑いがある試料と接触するための試料接触領域を有し、
iii.プレートのうちの一方または両方が、スペーサを備え、スペーサのうちの少なくとも1つが、試料接触領域内にあり、スペーサが、所定の実質的に均一な高さを有し、かつ
iv.プレートのうちの一方または両方が、それぞれの内面上に、捕捉剤が上に固定化された複数の粒子を含み、捕捉剤が、分析物に結合し、固定化することが可能であり、
スペーサが、拡散パラメータの3倍以下である高さを有し、拡散パラメータが、意図されたアッセイ時間の平方根に試料中の分析物の拡散定数を乗じたものであり、意図されたアッセイ時間が、240秒以下であり、
2つの隣接する粒子間の平均距離が、拡散パラメータの2倍以下であり、
開放構成では、2つのプレートが、部分的または全体的に分離され、プレート間の間隔が、スペーサによって調節されず、試料が、プレートのうちの一方または両方の上に載せられ、
開放構成において試料が載せられた後に構成される閉鎖構成では、試料の少なくとも一部が、2つのプレートによって非常に均一な厚さの層に圧縮され、層の均一な厚さが、プレートの内面によって限定され、かつプレートおよびスペーサによって調節され、均一な厚さの層内の分析物が、濃縮領域内で濃縮され、これにより濃縮領域内の捕捉分析物の信号が、均一な厚さの層内の非濃縮領域から発せられる信号と区別可能である、デバイス。
【0412】
AE1-2.
迅速な均質アッセイを実施する方法であって、
(a)分析物を含有する疑いがある試料を取得するステップと、
(b)先行する実施形態のいずれかに記載のデバイスを取得するステップと、
(c)プレートが開放構成にあるときに、プレートのうちの一方または両方の上に試料を載せるステップと、
(d)(c)の後、2つのプレートを一緒にし、プレートを閉鎖構成へと押圧するステップと、
(e)ステップ(d)の後、意図されたアッセイ時間以上の時間にわたってアッセイをインキュベートし、均一な厚さの層内の分析物を検出および分析するステップと
を含む、方法。
【0413】
DP1.
意図されたアッセイ時間が、0.1~240秒の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0414】
DP2-1.
意図されたアッセイ時間が、1~60秒の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0415】
DP2-2.
意図されたアッセイ時間が、30秒以下である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0416】
DP2-3.
意図されたアッセイ時間が、10秒以下である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0417】
DP2-4.
意図されたアッセイ時間が、5秒以下である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0418】
DP-5.
意図されたアッセイ時間が、1秒以下である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0419】
DP3.
2つの隣接する分析物濃縮領域または粒子間の平均距離が、50nm~200umの範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0420】
DP4-1.
2つの隣接する分析物濃縮領域または粒子間の平均距離が、500nm~20umの範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0421】
DP4-2.
2つの隣接する分析物濃縮領域または粒子間の平均距離が、500nm~10umの範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0422】
DP4-3.
2つの隣接する分析物濃縮領域または粒子間の平均距離が、500nm~5umの範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0423】
DP5.
スペーサの高さ対拡散パラメータの比が、0.01~2の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0424】
DP6-1.
スペーサの高さ対拡散パラメータの比が、0.1~1.5の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0425】
DP6-2.
スペーサの高さ対拡散パラメータの比が、0.01~0.5の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0426】
DP6-3.
スペーサの高さ対拡散パラメータの比が、0.01~0.2の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0427】
DP6-4.
スペーサの高さ対拡散パラメータの比が、0.01~0.1の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0428】
DP7.
拡散パラメータに対する2つの隣接する分析物濃縮領域または粒子間の平均距離の比が、0.01~5の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0429】
DP8-1.
拡散パラメータに対する2つの隣接する分析物濃縮領域または粒子間の平均距離の比が、0.01~1.5の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0430】
DP8-2.
拡散パラメータに対する2つの隣接する分析物濃縮領域または粒子間の平均距離の比が、0.01~1の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0431】
DP8-3.
拡散パラメータに対する2つの隣接する分析物濃縮領域または粒子間の平均距離の比が、0.01~0.5の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0432】
DP8-4.
拡散パラメータに対する2つの隣接する分析物濃縮領域または粒子間の平均距離の比が、0.01~0.2の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0433】
DP8-5.
拡散パラメータに対する2つの隣接する分析物濃縮領域または粒子間の平均距離の比が、0.01~0.1の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0434】
DP9-1.
拡散パラメータに対する2つの隣接する分析物濃縮領域または粒子間の平均距離の比が、0.01~5の範囲であり、スペーサの高さ対拡散パラメータの比が、0.01~0.2の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0435】
DP9-2.
拡散パラメータに対する2つの隣接する分析物濃縮領域または粒子間の平均距離の比が、0.01~1の範囲であり、スペーサの高さ対拡散パラメータの比が、0.01~0.5の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0436】
DP9-3.
拡散パラメータに対する2つの隣接する分析物濃縮領域または粒子間の平均距離の比が、0.01~2の範囲であり、スペーサの高さ対拡散パラメータの比が、0.01~1の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0437】
DP9-4.
拡散パラメータに対する2つの隣接する分析物濃縮領域または粒子間の平均距離の比が、0.01~4の範囲であり、スペーサの高さ対拡散パラメータの比が、0.01~1の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0438】
DP10-1.
拡散パラメータに対する2つの隣接する分析物濃縮領域または粒子間の平均距離の比が、0.01~0.5の範囲であり、スペーサの高さ対拡散パラメータの比が、0.01~0.2の範囲であり、意図されたアッセイ時間が、120秒以下である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0439】
DP10-2.
拡散パラメータに対する2つの隣接する分析物濃縮領域または粒子間の平均距離の比が、0.01~1の範囲であり、スペーサの高さ対拡散パラメータの比が、0.01~0.5の範囲であり、意図されたアッセイ時間が、60秒以下である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0440】
DP10-3.
拡散パラメータに対する2つの隣接する分析物濃縮領域または粒子間の平均距離の比が、0.01~2の範囲であり、スペーサの高さ対拡散パラメータの比が、0.01~1の範囲であり、意図されたアッセイ時間が、30秒以下である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0441】
DP10-4.
拡散パラメータに対する2つの隣接する分析物濃縮領域または粒子間の平均距離の比が、0.01~4の範囲であり、スペーサの高さ対拡散パラメータの比が、0.01~1の範囲であり、意図されたアッセイ時間が、30秒以下である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0442】
さらに:
(サンドイッチアッセイ)
AA1
分析物が、分析物に選択的に結合しかつ標識と会合される検出剤によって標識される、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0443】
AA1.1
検出剤が、プレートのうちの一方または両方の内面(複数可)上にコーティングされ、試料と接触すると試料中に溶解し、拡散するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0444】
AA1.2
試料がプレート(複数可)上に載せられる前に、検出剤が、試料中に予め装填される、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0445】
AA1.3
捕捉剤および検出剤が、その異なる位置で分析物に結合し、捕捉剤-分析物-検出剤サンドイッチを形成するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0446】
(競合アッセイ)
AA2
分析物が、検出剤と競合して捕捉剤に結合し、検出剤が、標識されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0447】
AA3
プレートのうちの一方または両方が、それぞれの内面上に、増幅表面に近接する信号を増幅する信号増幅表面を備える、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0448】
A2
粒子が、閉鎖構成にある層の厚さを調節するスペーサである、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0449】
A2.1
粒子が、1nm~200umの範囲の平均直径を有するマイクロ粒子またはナノ粒子である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0450】
AA2.1
分析物濃縮領域が、1nm~200umの範囲の平均直径を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0451】
AAA2.1
濃縮突出部が、1nm~200umの範囲の平均直径を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0452】
A2.1.1
粒子が、0.1μm~10μmの範囲の平均直径を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0453】
A2.1.2
粒子が、1nm~500nmの範囲の平均直径を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0454】
A2.1.3
粒子が、0.5μm~30μmの範囲の平均直径を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0455】
A2.1.4
閉鎖構成にあるプレート間の間隔と粒子の平均直径との間の比が、1~100の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0456】
AA2.1.4
閉鎖構成にあるプレート間の間隔と分析物濃縮領域の高さとの間の比が、1~100の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0457】
AAA2.1.4
閉鎖構成にあるプレート間の間隔と濃縮突出部の高さとの間の比が、1~100の範囲である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0458】
A2.2
粒子が、1mm2当たり1~106の面積密度を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0459】
AA2.2
分析物濃縮領域が、1mm2当たり1~106の面積密度を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0460】
AAA2.2
濃縮突出部が、1mm2当たり1~106の面積密度を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0461】
A2.2.1
粒子が、1mm2当たり1~1000の面積密度を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0462】
A2.3
粒子が、粒子に近接する信号を増幅するように構成され、1~10000の範囲の信号増幅率を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0463】
A2.4
検出抗体が、試料中の分析物濃度よりも1~1000倍高い均一な厚さの層内の濃度を有するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0464】
A3
粒子および検出剤が、同じプレート上にある、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0465】
A3.1
粒子および検出剤が、異なるプレート上にある、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0466】
A4
分析物が、細胞、ウイルス、タンパク質、ペプチド、DNA、RNA、オリゴヌクレオチド、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0467】
A4.1
分析物が、C反応性タンパク質(CRP)である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0468】
A5.1
捕捉剤が、タンパク質、ペプチド、ペプチド模倣物、ストレプトアビジン、ビオチン、オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチド模倣物、任意の他の親和性リガンド、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0469】
A5.1.1
捕捉剤が、抗体である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0470】
A5.1.2
捕捉抗体が、抗C反応性タンパク質(CRP)抗体である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0471】
A5.1.3
捕捉剤が、分析物の存在を検出し、かつ/または量を測定するのに十分である濃度を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0472】
A5.1.4
捕捉剤が、分析物を固定化するのに十分である濃度を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0473】
A5.2
検出剤が、タンパク質、ペプチド、ペプチド模倣物、ストレプトアビジン、ビオチン、オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチド模倣物、任意の他の親和性リガンド、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0474】
A5.2.1
検出剤が、抗体である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0475】
A5.2.2
検出抗体が、抗CRP抗体である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0476】
A6
粒子が、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、PMMG、PC、COC、COP、ガラス、樹脂、アルミニウム、金もしくは他の金属、または表面が修飾されて前記捕捉剤と会合され得る任意の他の材料からなる群から選択される材料でできている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0477】
A6.1
粒子が、タンパク質安定剤で処理されている、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0478】
A6.2
捕捉剤が、前記粒子と結合している、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0479】
A6.3
粒子が、
(d)N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)による活性化、
(e)BSA溶液によるブロッキング、および
(f)捕捉剤溶液とのインキュベート
によって調製される、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0480】
A7
液体試料が、羊水、房水、硝子体液、血液(例えば、全血、分画血液、血漿、または血清)、母乳、脳脊髄液(CSF)、耳垢(cerumen)(耳垢(earwax))、乳糜、糜汁(chime)、内リンパ液、外リンパ液、糞便、呼気、胃酸、胃液、リンパ液、粘液(鼻漏および痰を含む)、心膜液、腹膜液、胸膜液、膿、粘膜の分泌物、唾液、呼気凝縮液、皮脂、精液、喀痰、汗、関節液、涙、嘔吐物、尿、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される生体試料から作られる、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0481】
A7.1
試料が、川、湖、池、海、氷河、氷山、雨、雪、下水、貯水池、水道水、または飲料水からなる群から選択される供給源からの環境液体試料、土壌、堆肥、砂、岩、コンクリート、木材、レンガ、下水からの固体試料、およびそれらの任意の組み合わせである、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0482】
A7.2
試料が、空気、水中排熱口、産業排気、車両排気、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される供給源からの環境気体試料である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0483】
A7.3
試料が、生の材料、調理済み食品、植物および動物の食物源、予め加工済みの食品、および部分的または完全に加工済みの食品、ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される食品試料である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0484】
A8.
検出剤が、標識剤である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0485】
A8.1
検出剤が、フルオロフォアで標識される、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0486】
A8.1.1
フルオロフォアが、Cy5である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0487】
(消光剤)
A8.2
粒子が、標識と会合され、検出剤が、検出剤が標識に近接しているときに粒子会合標識のシグナルを消光するように構成された消光剤である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0488】
A9.
検出器が、分析物の存在および/または量を示す分析物濃縮領域または粒子から発せられる信号を検出する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0489】
A9.1
信号が、
i.フォトルミネセンス、エレクトロルミネセンス、および電気化学ルミネセンスから選択されるルミネセンス、
ii.光吸収、反射、透過、回折、散乱、または拡散、
iii.表面ラマン散乱、
iv.抵抗、静電容量、およびインダクタンスから選択される電気インピーダンス、
v.磁気緩和能、または
vi.i~vの任意の組み合わせ
である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0490】
D2.
モバイル通信デバイスが、試験結果を医療専門家、医療施設、または保険会社に通信するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のスマートフォンシステム。
【0491】
D3.
モバイル通信デバイスが、試験結果を医療専門家、医療施設、または保険会社に通信するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のスマートフォンシステム。
【0492】
D4.
モバイル通信デバイスが、医療専門家から処方、診断、または勧告を受信するように構成されている、先行する実施形態のいずれかに記載のスマートフォンシステム。
【0493】
D5.
モバイル通信デバイスが、wifiまたはセルラーネットワークを介して遠隔地と通信する、先行する実施形態のいずれかに記載のスマートフォンシステム。
【0494】
D6.
モバイル通信デバイスが、携帯電話である、先行する実施形態のいずれかに記載のスマートフォンシステム。
【0495】
E2
試料接触部位が、撮像ステップ(e)の前に洗浄されない、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
【0496】
E3
撮像ステップ(e)の前に試料接触領域を洗浄することをさらに含む、実施形態1~5のいずれかに記載の方法。
【0497】
E4
分析物の存在を判定すること、および/または分析物の量を測定することをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
【0498】
AE2.1
計算されたパラメータが、分析される全ての粒子からの平均信号強度を含む、実施形態AE2に記載の方法。
【0499】
AE2.2
計算されたパラメータが、分析される全ての粒子からの最高信号強度を含む、実施形態AE2に記載の方法。
【0500】
AE2.3
計算されたパラメータが、分析される全ての粒子からの信号強度分布を含む、実施形態AE2に記載の方法。
【0501】
AE2.4
計算されたパラメータが、閾値より大きい信号強度で分析される全ての粒子の数を含む、実施形態AE2に記載の方法。
【0502】
AE2.5
計算されたパラメータが、画像の第1の領域内で分析される全ての粒子からの平均信号強度を含む、実施形態AE2に記載の方法。
【0503】
AE2.6
計算されたパラメータが、画像の第1の領域内で分析される全ての粒子からの最高信号強度を含む、実施形態AE2に記載の方法。
【0504】
AE2.7
計算されたパラメータが、画像の第1の領域内で分析される全ての粒子からの信号強度分布を含む、実施形態AE2に記載の方法。
【0505】
AE2.8
計算されたパラメータが、閾値より大きい信号強度で画像の第1の領域内において分析される全ての粒子の数を含む、実施形態AE2に記載の方法。
【0506】
F1
分析物が、タンパク質、ペプチド、核酸、合成化合物、および無機化合物の5つの検出における分析物である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0507】
F2
試料が、羊水、房水、硝子体液、血液(例えば、全血、分画血液、血漿、または血清)、母乳、脳脊髄液(CSF)、耳垢(cerumen)(耳垢(earwax))、乳糜、糜汁(chime)、内リンパ液、外リンパ液、糞便、呼気、胃酸、胃液、リンパ液、粘液(鼻漏および痰を含む)、心膜液、腹膜液、胸膜液、膿、粘膜の分泌物、唾液、呼気凝縮液、皮脂、精液、喀痰、汗、関節液、涙、嘔吐物、および尿から選択される生体試料である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0508】
F3
スペーサが、柱の形状を有し、柱の幅対高さの比が、1以上である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0509】
F4
プレートのうちの一方または両方の上に載せられた試料が、未知の体積を有する、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
【0510】
F5
スペーサが、柱の形状を有し、柱が、実質的に均一な断面を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0511】
F6
試料が、ある特定の疾患の病期と相関する化合物または生体分子の検出、精製、および定量化のためのものである、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0512】
F7
試料が、感染症および寄生虫病、外傷、心血管疾患、癌、精神疾患、神経精神疾患、肺疾患、腎疾患、ならびに他のおよび器質性疾患に関連している、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0513】
F8
試料が、感染症および寄生虫病、外傷、心血管疾患、癌、精神疾患、神経精神疾患、肺疾患、腎疾患、ならびに他のおよび器質性疾患に関連している、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0514】
F9
試料が、環境、例えば、水、土壌、または生体試料からのウイルス、真菌、および細菌に関連している、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0515】
F10
試料が、食品の安全性または国家安全保障を危険にさらす化学化合物または生体試料、例えば、毒性廃棄物、炭疽の検出、定量化に関連している、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0516】
F11
試料が、医療用モニターまたは生理学的モニターにおけるバイタルパラメータの定量化に関連している、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0517】
F12
試料が、グルコース、血液、酸素レベル、総血球数に関連している、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0518】
F13
試料が、生体試料からの特定のDNAまたはRNAの検出および定量化に関連している、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0519】
F14
試料が、ゲノム分析のための染色体およびミトコンドリア内のDNAにおける遺伝子配列の配列決定および比較に関連している、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0520】
F15
試料が、例えば、医用薬剤の合成または精製中に反応生成物を検出することに関連している、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0521】
F16
試料が、細胞、組織、体液、および排泄物である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0522】
F17
試料が、タンパク質、ペプチド、核酸、合成化合物、無機化合物の前記検出における試料である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0523】
F18
試料が、ヒト、獣医、農業、食品、環境、および薬物検査の分野における試料である、先行する実施形態のいずれかに記載のデバイス、キット、システム、スマートフォンシステム、および方法。
【0524】
F19
試料が、血液、血清、血漿、鼻腔ぬぐい液、鼻咽頭洗浄液、唾液、尿、胃液、脊髄液、涙、排泄物、粘液、汗、耳垢、油、腺分泌物、脳脊髄液、組織、精液、膣液、腫瘍組織由来の間質液、眼液、脊髄液、咽頭ぬぐい液、呼吸、毛髪、指の爪、皮膚、生検、胎盤液、羊水、臍帯血、リンパ液、体腔液、喀痰、膿、微生物叢、胎便、母乳、呼気凝縮液鼻咽頭洗浄液、鼻腔ぬぐい液、咽頭ぬぐい液、排泄物試料、毛髪、指の爪、耳垢、呼気、結合組織、筋肉組織、神経組織、上皮組織、軟骨、癌試料、または骨から選択される生体試料である、先行する実施形態のいずれかに記載の方法またはデバイス。
【実施例】
【0525】
実施例-1.
均質QMAX免疫学的測定-ヒトCRP(C反応性タンパク質)に対する
ここで、我々は、本発明の一実施形態によるヒトCRPに対する均質QMAX免疫学的測定の実験について説明する。
【0526】
この実験では、免疫学的測定のためのデバイスは、第1のプレートと第2プレートとを備える。従来のスライドガラスを第1のプレートとして、かつ10μmのスペーサを有するXプレートを第2のプレートとして使用した。マイクロビーズを第1のプレート上にコーティングし、マイクロビーズ(Pierce、直径10μm)をNHSで活性化し、捕捉抗体(抗CRPマウスモノクローナル、Fitzgerald)に結合させた。蛍光顕微鏡を検出器として使用した。2つの隣接するビーズ間の平均距離は、約30um~50umである。
【0527】
以下の手順に従って実験を実施した。
1.捕捉抗体のビーズへの結合.製造業者のプロトコルに従って、NHS活性化ビーズ(Pierce、直径10μm)を抗CRPマウスモノクローナル捕捉抗体(Fitzgerald)に結合させた。
2.ビーズのブロッキング.抗体結合ビーズを4℃で一晩、PBS中の4%BSAによってブロックし、使用前にPBSTによって6回洗浄した。
3.第1のプレートのコーティング.ステップ2からのビーズ1μL(ビーズ濃度107~108/mL)をガラススライド(Fisher Scientific)上に滴下し、室温で空気乾燥させた。
4.均質QMAXアッセイ.10μg/mLの濃度の1μLのCRP分析物(Fitzgerald)および1μLのCy5標識抗CRPマウスモノクローナル検出抗体(Fitzgerald)をスライドガラス上のコーティングされたビーズの領域上に滴下した。異なる濃度のCy5標識抗CRP検出抗体(A、800μg/mL;B、100μg/mL;C、50μg/mL;D、25μg/mL、およびE、0μg/mL)を別々に試験した。混合物を10μmのスペーサを備えたXプレート(第2のプレート)によってすぐにコーティングし、室温で30秒間インキュベートした。
5.撮像.洗浄することなく、蛍光顕微鏡(Ex 640nm、Em 670~690nm)によって蛍光画像を撮影した。
【0528】
図12は、QMAXデバイスと結合ビーズを使用した蛍光信号の代表的な写真、ならびにそれらの対応する明視野画像を示す。
【0529】
図に示されるように、我々は、この例示的な実験において、フルオロフォア標識検出抗体の濃度が均質アッセイに重要であることを発見した。高い蛍光バックグラウンドを作るのに十分高い場合(
図12A、検出抗体濃度:800ug/mL)、ビーズからの真のアッセイ信号は、ビーズの周囲に局所的に集中しているが、液体中のバックグラウンドと区別できない。
【0530】
対照的に、検出抗体が比較的低濃度である場合(
図12B~D、それぞれ100ug/mL、50ug/mL、25ug/mL)、液体中の遊離(非結合)フルオロフォア標識抗体によって作られたバックグラウンドは、ビーズ上のアッセイ信号が区別可能であるくらい十分に低い。検出抗体の濃度が低すぎると、ビーズ上に捕捉される十分な検出抗体が存在せず、バックグラウンドとのコントラストが不十分になる可能性があることに注目すべきである。
【0531】
実施例-2
ビーズ増強速度試験(BEST)の構造例
1.ビーズ増強速度試験(BEST)の例示的な実施形態-ビーズベース:
1つの例示的なデバイスは、第1のプレートと、第2のプレートと、第2のプレート上のスペーサのアレイと、ビーズと、濃縮領域と、を備える。
第1のプレート:サイズ24mm×32mm、厚さ1mmのプラスチック(アクリルまたはポリスチレンとして)またはガラス
第2のプレート:サイズ22mm×25mm、厚さ175umのプラスチック(アクリルまたはポリスチレンとして)であり、片側に柱スペーサのアレイを備える。柱スペーサは、横方向サイズが30×40um、高さが10umであり、スペーサ間距離は、アレイに対して80umである。
ビーズ:直径10umのプラスチックビーズ(アクリルまたはポリスチレンとして)であり、面積密度が100/mm2~1000/mm2であり、第2のプレート上で均一に予め乾燥される。
濃縮領域:全てのビーズの表面上
【0532】
2.ビーズ増強速度試験(BEST)の例示的な実施形態-ビーズベース:
別の例示的なデバイスは、第1のプレートと、第2のプレートと、第2のプレート上のスペーサアレイと、ビーズと、濃縮領域と、を備える。
第1のプレート:サイズ24mm×32mm、厚さ1mmのプラスチック(アクリルまたはポリスチレンとして)またはガラス
第2のプレート:サイズ22mm×25mm、厚さ50umのプラスチック(アクリルまたはポリスチレンとして)であり、片側に柱スペーサのアレイを備える。柱スペーサは、横方向サイズが20×20um、高さが20umであり、スペーサ間距離は、アレイに対して150umである。
ビーズ:金属表面(金または銀として)を有する直径20umのビーズであり、面積密度が100/mm2~1000/mm2であり、第2のプレート上で均一に予め乾燥される。
濃縮領域:全てのビーズの表面上
【0533】
3.ビーズ増強速度試験(BEST)の例示的な実施形態-ビーズベース:
別の例示的なデバイスは、第1のプレートと、第2のプレートと、第1のプレート上のピットアレイと、第2のプレート上のスペーサのアレイと、ビーズと、濃縮領域と、を備える。
第1のプレート:サイズ24mm×32mm、厚さ1mmのプラスチック(アクリルまたはポリスチレンとして)またはガラスであり、片側にピットアレイを備える。ピットは、横方向サイズが12um×12um、深さが6umであり、ピット間距離は、50umである。
第2のプレート:サイズ22mm×25mm、厚さ175umのプラスチック(アクリルまたはポリスチレンとして)であり、片側に柱スペーサのアレイを備える。柱スペーサは、横方向サイズが20×20um、高さが10umであり、スペーサ間距離は、100umである。
ビーズ:金属表面(金または銀として)を有するか、または有しない直径10umのビーズであり、面積密度が100/mm2~1000/mm2であり、第1のプレート上およびピットの内側の大部分で均一に予め乾燥される。
濃縮領域:全てのビーズの表面上
【0534】
4.ビーズ増強速度試験(BEST)の例示的な実施形態-突出部ベース:
別の例示的なデバイスは、第1のプレートと、第2のプレートと、第1のプレート上の第1のタイプの柱(スペーサ)のアレイと、第2のタイプの柱(突出部)のアレイと、濃縮領域と、を備える。
第1のプレート:サイズ24mm×32mm、厚さ1mmのプラスチック(アクリルまたはポリスチレンとして)またはガラスであり、片側に2つの柱アレイを備える。第1のタイプの柱は、横方向サイズが20×20um、高さが10umであり、柱間距離は、150umである。第2のタイプの柱は、横径が10um、高さが8umであり、柱間距離は、50umである。2つの柱アレイは、互いに混ざり合っている。
第2のプレート:サイズ22mm×25mm、厚さ150umのプラスチック(アクリルまたはポリスチレンとして)であり、平坦な表面を有する。
濃縮領域:突出部の頂面上。または突出部の側面の表面上。または突出部の全ての表面上。
【0535】
5.ビーズ増強速度試験(BEST)の例示的な実施形態-突出部ベース:
別の例示的なデバイスは、第1のプレートと、第2のプレートと、第1のプレート上の第1のタイプの柱(スペーサ)のアレイと、第2のタイプの柱(突出部)のアレイと、濃縮領域と、を備える。
第1のプレート:サイズ24mm×32mm、厚さ1mmのプラスチック(アクリルまたはポリスチレンとして)またはガラスであり、片側に2つの柱アレイを備える。第1のタイプの柱は、横方向サイズが30×30um、高さが15umであり、柱間距離は、120umである。第2のタイプの柱は、横径が15um、高さが10umであり、柱間距離は、60umである。2つの柱アレイは、互いに混ざり合っている。第2のタイプの柱は、全ての表面上において金でコーティングされている。
第2のプレート:サイズ22mm×25mm、厚さ100umのプラスチック(アクリルまたはポリスチレンとして)であり、平坦な表面を有する。
濃縮領域:突出部の頂面上。または突出部の側面の表面上。または突出部の全ての表面上。
【0536】
6.ビーズ増強速度試験(BEST)の例示的な実施形態-突出部ベース:
別の例示的なデバイスは、第1のプレートと、第2のプレートと、第1のプレート上の第1のタイプの柱(突出部)のアレイと、第2のプレート上の第2のタイプの柱(スペーサ)のアレイと、濃縮領域と、を備える。
第1のプレート:サイズ24mm×32mm、厚さ1mmのプラスチック(アクリルまたはポリスチレンとして)またはガラスであり、片側に突出部柱アレイを備える。突出部柱は、横径が10umの柱、高さが5umであり、柱間距離は、50umである。
第2のプレート:サイズ22mm×25mm、厚さ50umのプラスチック(アクリルまたはポリスチレンとして)であり、平坦な表面を有する。スペーサ柱は、横方向サイズが20×20um、高さが10umであり、柱間距離は、150umである。
濃縮領域:突出部の頂面上。または突出部の側面の表面上。または突出部の全ての表面上。
【0537】
このセクションの上記の全ての例示的なデバイスにおいて、突出部柱の側壁(複数可)は、90o、80o、70o、60o、50o、40o、30o、20o、またはこれら2つの値のうちのいずれかの間の範囲の傾斜を有する。
【0538】
8.関連文書
本発明は、様々な構成要素が互いに矛盾しない限り、複数の方法で組み合わされ得る、様々な実施形態を含む。実施形態は、単一の発明出願とみなされるべきである。各出願は、参照として他の出願を有し、個別の独立したものとしてではなくその全体において、かつあらゆる目的のために参照される。これらの実施形態は、本出願の開示だけでなく、本明細書で参照され、組み込まれ、または優先権が主張される文書も含む。
【0539】
(1)定義
本明細書に開示されるデバイス、システム、および方法を説明するために使用される用語は、本出願、または2016年8月10日および2016年9月14日にそれぞれ出願されたPCT出願(米国を指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456287号、および2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456504号で定義されており、それらの出願の全ては、あらゆる目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる。
【0540】
「CROFカード(またはカード)」、「COFカード」、「QMAXカード」、「Qカード」、「CROFデバイス」、「COFデバイス」、「QMAXデバイス」、「CROFプレート」、「COFプレート」、および「QMAXプレート」という用語は、いくつかの実施形態では、COFカードがスペーサを備えていないことを除いて、互換性があり、これらの用語は、異なる構成(開放構成および閉鎖構成を含む)へと互いに対して移動可能である第1のプレートおよび第2のプレートを備え、かつプレート間の間隔を調節するスペーサを備える(COFカードのいくつかの実施形態を除く)、デバイスを指す。「Xプレート」という用語は、CROFカードの2つのプレートのうちの1つを指し、スペーサは、このプレートに固定されている。COFカード、CROFカード、およびXプレートのより詳細は、2017年2月7日に出願された仮出願シリアル番号第62/456065号に提供され、これはあらゆる目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる。
【0541】
(2)Qカード、スペーサ、および均一な試料厚さ
本明細書に開示されるデバイス、システム、および方法は、試料の検出、分析、および定量化のためにQカード、スペーサ、および均一な試料厚さの実施形態を含むか、または使用することができる。いくつかの実施形態では、Qカードは、試料の少なくとも一部を均一性の高い層にするのに役立つスペーサを備える。スペーサの構造、材料、機能、バリエーション、および寸法、ならびにスペーサおよび試料層の均一性は、本明細書に開示されているか、または2016年8月10日および2016年9月14日にそれぞれ出願されたPCT出願(米国を指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456287号、および2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456504号に列挙、記載、および要約されており、それらの出願の全ては、あらゆる目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる。
【0542】
(3)ヒンジ、オープニング用ノッチ、凹型エッジ、およびスライダー
本明細書に開示されるデバイス、システム、および方法は、試料の検出、分析、および定量化のためにQカードを含むか、または使用することができる。いくつかの実施形態では、Qカードは、Qカードの操作および試料の測定を容易にするのに役立つヒンジ、ノッチ、凹部、およびスライダーを備える。ヒンジ、ノッチ、凹部、およびスライダーの構造、材料、機能、バリエーション、および寸法は、本明細書に開示されているか、または2016年8月10日および2016年9月14日にそれぞれ出願されたPCT出願(米国を指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456287号、および2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456504号に列挙、記載、および要約されており、それらの出願の全ては、あらゆる目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる。
【0543】
(4)Qカード、スライダー、およびスマートフォン検出システム
本明細書に開示されるデバイス、システム、および方法は、試料の検出、分析、および定量化のためにQカードを含むか、または使用することができる。いくつかの実施形態では、Qカードは、カードがスマートフォン検出システムによって読み取られることを可能にするスライダーと共に使用される。Qカード、スライダー、およびスマートフォン検出システムの構造、材料、機能、バリエーション、寸法、および接続は、本明細書に開示されているか、または2016年8月10日および2016年9月14日にそれぞれ出願されたPCT出願(米国を指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456287号、および2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456504号に列挙、記載、および要約されており、それらの出願の全ては、あらゆる目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる。
【0544】
(5)検出方法
本明細書に開示されるデバイス、システム、および方法は、様々なタイプの検出方法を含むか、またはそれらに使用され得る。検出方法は、本明細書に開示されているか、または2016年8月10日および2016年9月14日にそれぞれ出願されたPCT出願(米国を指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456287号、および2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456504号に列挙、記載、および要約されており、それらの出願の全ては、あらゆる目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる。
【0545】
(6)標識、捕捉剤、および検出剤
本明細書に開示されるデバイス、システム、および方法は、分析物検出に使用される様々なタイプの標識、捕捉剤、および検出剤を用いることができる。標識は、本明細書に開示されているか、または2016年8月10日および2016年9月14日にそれぞれ出願されたPCT出願(米国を指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456287号、および2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456504号に列挙、記載、および要約されており、それらの出願の全ては、あらゆる目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる。
【0546】
(7)分析物
本明細書に開示されるデバイス、システム、および方法は、様々なタイプの分析物(バイオマーカーを含む)の操作および検出に適用され得る。分析物は、本明細書に開示されているか、または2016年8月10日および2016年9月14日にそれぞれ出願されたPCT出願(米国を指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456287号、および2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456504号に列挙、記載、および要約されており、それらの出願の全ては、あらゆる目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる。
【0547】
(8)用途(分野および試料)
本明細書に開示されるデバイス、システム、および方法は、様々な用途(分野および試料)に使用され得る。用途は、本明細書に開示されているか、または2016年8月10日および2016年9月14日にそれぞれ出願されたPCT出願(米国を指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456287号、および2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456504号に列挙、記載、および要約されており、それらの出願の全ては、あらゆる目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる。
【0548】
(9)クラウド
本明細書に開示されるデバイス、システム、および方法は、データ転送、ストレージ、および/または分析のためにクラウド技術を用いることができる。関連するクラウド技術は、本明細書に開示されているか、または2016年8月10日および2016年9月14日にそれぞれ出願されたPCT出願(米国を指定)第PCT/US2016/045437号および第PCT/US0216/051775号、2017年2月7日に出願された米国仮出願第62/456065号、2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456287号、および2017年2月8日に出願された米国仮出願第62/456504号に列挙、記載、および要約されており、それらの出願の全ては、あらゆる目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる。
【0549】
追加の留意事項
本開示による本発明対象のさらなる例は、以下の列挙された段落に記載されている。
【0550】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、「単一」という語が使用される場合など、文脈がそうではないことを明確に指示しない限り、複数の指示対象を含むことに留意しなければならない。例えば、「分析物」についての言及は、単一の分析物および複数の分析物を含み、「捕捉剤」についての言及は、単一の捕捉剤および複数の捕捉剤を含み、「検出剤」についての言及は、単一の検出剤および複数の検出剤を含み、「剤」についての言及には、単一の剤および複数の剤が含まれる。
【0551】
本明細書で使用される場合、「適合されている」および「構成されている」という用語は、要素、構成要素、または他の対象物が所与の機能を果たすように設計および/または意図されることを意味する。したがって、「適合されている」および「構成されている」という用語の使用は、所与の要素、構成要素、または他の対象物が所与の機能を単に果たすことが「可能」であることを意味すると解釈されるべきではない。同様に、特定の機能を果たすように構成されるとして記載されている対象物は、さらにまたはあるいは、その機能を果たすように作動するものとして説明され得る。
【0552】
本明細書で使用される場合、「例えば」という句、「一例として」という句、ならびに/または単純に「例」および「例示的な」という用語は、本開示による1つ以上の構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、および/または方法に関して使用される場合、記載された構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、および/または方法が、本開示による構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、および/または方法の例示的で非排他的な例であることを伝えることを意図している。したがって、記載される構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、および/または方法は、限定されること、必須とされること、または排他的/網羅的であることを意図してなく、構造的および/もしくは機能的に類似するならびに/または同等である構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、および/または方法を含む他の構成要素、特徴、詳細、構造、実施形態、および/または方法もまた、本開示の範囲内である。
【0553】
本明細書で使用される場合、2つ以上の実体(entity)の列挙に関して「のうちの少なくとも1つ」および「のうちの1つ以上」という句は、実体の列挙中の実体のうちのいずれか1つ以上を意味し、実体の列挙内に具体的に列挙されているありとあらゆる実体のうちの少なくとも1つに限定されない。例えば、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」(もしくは、同等に「AまたはBのうちの少なくとも1つ」、または同等に「Aおよび/またはBのうちの少なくとも1つ」)は、Aのみ、Bのみ、またはAおよびBの組み合わせであってもよい。
【0554】
本明細書で使用される場合、第1の実体と第2の実体との間に置かれる「および/または」という用語は、(1)第1の実体、(2)第2の実体、ならびに(3)第1の実体および第2の実体、のうちの1つを意味する。「および/または」を用いて列挙された複数の実体は、同じ様式で、すなわち、そのように結合された実体のうちの「1つ以上」と解釈されるべきである。「および/または」の句によって具体的に特定された実体以外に、具体的に特定されたそれらの実体に関連するかどうかに関わらず、他の実体が任意選択で存在してもよい。
【0555】
数値範囲が本明細書で言及される場合、本発明は、端点が含まれる実施形態、両方の端点が除外される実施形態、および一方の端点が含まれ、かつ他方が除外される実施形態を含む。別段の指示がない限り、両方の端点が含まれると想定されるべきである。さらに、別段の指示がない限り、または文脈および当業者の理解から明らかでない限り。
【0556】
任意の特許、特許出願、または他の参考文献が参照により本明細書に組み込まれ、(1)本開示の組み込まれない部分または他の組み込まれた参考文献のいずれかに矛盾する様式で用語を定義する場合において、かつ/または(2)それらに別様に矛盾する場合において、本開示の組み込まれていない部分が支配するものとし、その中の用語または組み込まれた開示は、用語が定義されており、かつ/または組み込まれた開示が元々存在していた参考文献に関してのみ支配するものとする。