(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-28
(45)【発行日】2023-09-05
(54)【発明の名称】2つの異なる屈折率を有する色スプリッタを含む画像センサ
(51)【国際特許分類】
H04N 25/13 20230101AFI20230829BHJP
H04N 23/84 20230101ALI20230829BHJP
G02B 27/12 20060101ALI20230829BHJP
【FI】
H04N25/13
H04N23/84
G02B27/12
(21)【出願番号】P 2020548739
(86)(22)【出願日】2019-03-08
(86)【国際出願番号】 EP2019055905
(87)【国際公開番号】W WO2019175062
(87)【国際公開日】2019-09-19
【審査請求日】2022-03-08
(32)【優先日】2018-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】518341334
【氏名又は名称】インターディジタル・シーイー・パテント・ホールディングス・ソシエテ・パ・アクシオンス・シンプリフィエ
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダンハニアン、ミトラ
(72)【発明者】
【氏名】シュラムコワ、オクサーナ
(72)【発明者】
【氏名】ドラジック、ヴァルター
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-063198(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/46- 1/64
H04N 23/80-23/88
H04N 25/11-25/133
G06T 1/00
G02B 27/10-27/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
x軸、y軸、およびz軸によって定義された三次元デカルト座標系と関連付けられた色スプリッタ構造であって、前記色スプリッタ構造は、前記x軸に沿って並べて位置付けられた、第1の部分および第2の部分を含み、前記第1の部分および第2の部分の各々は、前記x軸に沿った誘電部分に隣接し、前記誘電部分の各々は、第1の屈折率n
1を有し、前記第1の部分は、第2の屈折率n
2を有し、前記第2の部分は、第3の屈折率n
3を有し、n
1<n
3<n
2であり、平面xzを有する断面に従って、前記色スプリッタ構造の前記第1の部分は、前記x軸に沿った第1の幅W
1、および前記z軸に沿った高さHを有し、前記色スプリッタ構造の前記第2の部分は、前記x軸に沿った第2の幅W
2、および前記z軸に沿った同一の高さHを有し、前記色スプリッタ構造は更に、前記断面に従って、
-
第1の
ナノジェットビーム(NJ1)を生成することができる、前記z軸に沿った、前記誘電部分の1つと前記色スプリッタ構造の前記第1の部分との間の第1のエッジと、
-
第2の
ナノジェットビーム(NJ2)を生成することができる、前記z軸に沿った、前記色スプリッタ構造の前記第1の部分と前記色スプリッタ構造の前記第2の部分との間の第2のエッジと、
-
第3の
ナノジェットビーム(NJ3)を生成することができる、前記z軸に沿った、前記色スプリッタ構造の前記第2の部分と前記誘電部分の1つとの間の第3のエッジと、を備え、
前記高さHは、値
【数1】
の±5%内であり、Θ
B1およびΘ
B3はそれぞれ、前記第1の
ナノジェットビームおよび前記第3の
ナノジェットビームの放射角である、
ことを特徴とする色スプリッタ構造。
【請求項2】
請求項1に記載の色スプリッタ構造を含む画像センサであって、前記画像センサは
更に、前記色スプリッタ構造によって部分的に覆われた少なくとも2つの画素を含む、ことを特徴とする画像センサ。
【請求項3】
前記画素の一方は、第1の色成分に光を記録し、前記画素の他方は、前記第1の色成分とは異なる第2の色成分に光を記録する、ことを特徴とする請求項2に記載の画像センサ。
【請求項4】
前記第1の幅W
1および前記第2の幅W
2は、相互に等しい、ことを特徴とする請求項2
または3に記載の画像センサ。
【請求項5】
画素の各々のペアは、前記色スプリッタ構造と同一の構造によって
部分的に覆われる、ことを特徴とする請求項2
または3に記載の画像センサ。
【請求項6】
画素の各々のペアは、代替的に、前記色スプリッタ構造と同一の構造か、または前記色スプリッタ構造と比較して反転した第1の部分および第2の部分を含む構造かのいずれかである構造
によって部分的に覆われる、ことを特徴とする請求項2
または3に記載の画像センサ。
【請求項7】
各々の連続した構造は、W
3に等しい、
前記x軸に沿った幅を有する同一の誘電部分によって分離され、
前記W
3の値は、250ナノメートルから600ナノメートルまでの間に含まれる、ことを特徴とする請求項
5または
6に記載の画像センサ。
【請求項8】
前記少なくとも2つの画素のうちの少なくとも1つの画素は更に、前記色スプリッタ構造と前記少なくとも2つの画素の各々と関連付けられた感光材質との間に位置付けられ
た色フィルタを含む、ことを特徴とする請求項2乃至
7のいずれか一項に記載の画像センサ。
【請求項9】
前記第1の
ナノジェットビームおよび前記第3の
ナノジェットビームの前記放射角Θ
B1およびΘ
B3は、
【数2】
に等しく、1または3に等しいjを有する角度α
jは、前記第1のエッジおよび第3のエッジの底角であり、1または3に等しいjを有するΘ
TIRjは、前記第1のエッジおよび第3のエッジのそれぞれと関連付けられた屈折の臨界角である、ことを特徴とする請求項2乃至
8のいずれか一項に記載の画像センサ。
【請求項10】
光学部品であって、
第1の屈折率(n
1)を有する第1の誘電部分と、
第2の屈折率(n
2)を有する第1の色スプリッタ部分であって、前記第1の色スプリッタ部分は、
第1のサイドエッジおよび第2のサイドエッジを含む向かい合うサイドエッジを有し、前記第1の色スプリッタ部分は、前記第1のサイドエッジに沿って前記第1の誘電部分と隣接する、第1の色スプリッタ部分と、
第3の屈折率(n
3)を有する第2の色スプリッタ部分であって、n
1<n
3<n
2であり、前記第1の色スプリッタ部分および前記第2の色スプリッタ部分は、
前記第2のサイドエッジに沿って隣接し、共通の高さHを有
し、前記第2の色スプリッタ部分は、前記第2のサイドエッジと向かい合う第3のサイドエッジを有する、第2の色スプリッタ部分と、
前記第1の屈折率(n
1)を有する第2の誘電部分であって、前記第2の誘電部分および前記第2の色スプリッタ部分は、
前記第3のサイドエッジに沿って隣接する、第2の誘電部分と、
を備えたことを特徴とする光学部品。
【請求項11】
【数3】
である、ことを特徴とする請求項
10に記載の光学部品。
【請求項12】
【数4】
である、ことを特徴とする請求項
10に記載の光学部品。
【請求項13】
前記第1の色スプリッタ部分および前記第2の色スプリッタ部分は、共通の高さ(H)を有する、ことを特徴とする請求項
10に記載の光学部品。
【請求項14】
少なくとも2つの画像センサ画素を更に備え、前記第1の色スプリッタ部分および前記第2の色スプリッタ部分は、関連付けられた前記画像センサ画素を部分的に覆う、ことを特徴とする請求項
10に記載の光学部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光学系および光工学系(photonics)の分野に関し、特に、画像センサにおいて使用される光学デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
この章は、以下で説明され、および/または特許請求される本発明の様々な態様に関連することができる、本分野の様々な態様への読み手を導入することを意図している。この議論は、本発明の様々な態様のより良好な理解を促進するよう、背景技術の情報を読み手に提供することを支援すると信じされている。したがって、それらの言及がこの観点で読まれることになり、従来技術の受け入れとしてではないことが理解されるべきである。
【0003】
画像の取得の間に色成分を取得するために、画像センサは通常、ベイヤフィルタ(色画像を生成するために後にある種の補間の実行を必要とする、色空間を離散化する(discretize)方式である)、または中心窩(Fovea)センサ(色センサのスタックを介して、すなわち、色センサが相互に重畳した、画素ごとに3つの色成分を記録することが可能である)のいずれかを使用することがある。
【0004】
既知の技術の代替を提供するために、画像センサ内での色分離機能性を達成する特定の構造/アーキテクチャが以下で提案される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【0006】
本明細書では、「一実施形態」、「実施形態」、「例示的な実施形態」への言及は、説明される実施形態が特定の特徴、構造、または特性を含んでもよいが、あらゆる実施形態が、必ずしも特定の特徴、構造、または特性を含まなくてもよいことを示す。その上、そのようなフレーズは、同一の実施形態に必ずしも言及しない。更に、特定の特徴、構造、または特性が実施形態と関連して説明されるとき、明確に説明されるかどうかに関わらず、他の実施形態と関連してそのような特徴、構造、または特性に影響を与えるよう、当業者の知識の範囲内であることが認められる。
【0007】
1つの態様では、入射する可視光から色情報を取得する、画素を含む画像センサであって、画像センサは、軸x、y、およびzによって定義された三次元座標系デカルト座標系と関連付けられ、z軸は、画像センサに対して垂直(normal to)であり、画像センサは、x軸に沿って並べて位置付けられた、第1の部分および第2の部分を含む色スプリッタ構造によって部分的に覆われた少なくとも2つの画素を含み、第1の部分および第2の部分の各々は、x軸に沿った誘電部分に隣接し、誘電部分の各々は、第1の屈折率n1を有し、第1の部分は、第2の屈折率n2を有し、第2の部分は、第3の屈折率n3を有し、n1<n3<n2であり、平面xzを有する断面に従って、色スプリッタ構造の第1の部分は、x軸に沿った第1の幅W1、およびz軸に沿った高さHを有し、色スプリッタ構造の第2の部分は、x軸に沿った第2の幅W2、およびz軸に沿った同一の高さHを有し、色スプリッタ構造は更に、断面に従って、
-近接場ゾーンにおいて第1のビーム(NJ1)を生成することができる、z軸に沿った、誘電部分の1つと色スプリッタ構造の第1の部分との間の第1のエッジと、
-近接場ゾーンにおいて第2のビーム(NJ2)を生成することができる、z軸に沿った、色スプリッタ構造の第1の部分と色スプリッタ構造の第2の部分との間の第2のエッジと、
-近接場ゾーンにおいて第3のビーム(NJ3)を生成することができる、z軸に沿った、色スプリッタ構造の第2の部分と誘電部分の1つとの間の第3のエッジと、を含み、
高さHは、値
【0008】
【0009】
に実質的に等しく、ΘB1およびΘB3はそれぞれ、第1のビームおよび第3のビームの放射角であり、第1の波長λ1と関連付けられた光は、少なくとも2つの画素の1つによって記録され、光の他の成分は、少なくとも2つの画素のもう1つによって記録され、第1の波長1は、範囲[390ナノメートル,450ナノメートル]および[620ナノメートル,700ナノメートル]のうちの1つの可視光に属する、画像センサが提案される。
【0010】
異なるフォトダイオードまたは画像センサの画素によって後に記録することができる光の色成分(青色成分、緑色成分、および赤色成分など)は、異なる方向に偏向する(deviated)。
【0011】
実際に、2つの異なる材質の間の境界面における、色スプリッタ構造のエッジによって生成されたNJビームの長さは、入射する波長に正比例する。それらのNJビームは干渉し、結果は、どの方向が色スプリッタ要素の全体的な分離方向であるかを定める。設計ルールH=HBは、それらの2つの方向が容易に区別され、よって、色分離が顕著であるケースに対する単純なレシピを与える。
【0012】
変形例では、画像センサは、
【0013】
【0014】
を有するパラメータを有し、W1+W2に等しい色スプリッタ構造の幅Wは、390ナノメートルよりも長く、第1の波長λ1と関連付けられた光を記録する少なくとも2つの画素の1つは、第1の波長1が範囲[620ナノメートル,700ナノメートル]の可視光に属するケースでは、色スプリッタ構造の第1の部分の法線に位置する。
【0015】
変形例では、画像センサは、
【0016】
【0017】
を有するパラメータを有し、W1+W2に等しい色スプリッタ構造の幅Wは、390ナノメートルよりも長く、第1の波長λ1と関連付けられた光を記録する少なくとも2つの画素の1つは、第1の波長1が範囲[390ナノメートル,450ナノメートル]の可視光に属するケースでは、色スプリッタ構造の第2の部分の法線に位置する。
【0018】
変形例では、画像センサは、
【0019】
【0020】
を有するパラメータを有し、W1+W2に等しい色スプリッタ構造の幅Wは、390ナノメートルよりも長く、第1の波長λ1と関連付けられた光を記録する少なくとも2つの画素の1つは、第1の波長1が範囲[620ナノメートル,700ナノメートル]の可視光に属するケースでは、色スプリッタ構造の第2の部分の法線に位置する。
【0021】
変形例では、画像センサは、
【0022】
【0023】
を有するパラメータを有し、W1+W2に等しい色スプリッタ構造の幅Wは、390ナノメートルよりも長く、第1の波長λ1と関連付けられた光を記録する少なくとも2つの画素の1つは、第1の波長1が範囲[390ナノメートル,450ナノメートル]の可視光に属するケースでは、色スプリッタ構造の第1の部分の法線に位置する。
【0024】
変形例では、可視光は、390ナノメートルから700ナノメートルまでに至る波長を有する電磁波を含む。
【0025】
変形例では、第1の幅W1および第2の幅W2は、相互に等しい。
【0026】
変形例では、画素の各々のペアは、色スプリッタ構造と同一の構造によって覆われる。
【0027】
変形例では、画素の各々のペアは、色スプリッタ構造と同一のいずれかの代わりである構造、または色スプリッタ構造と比較して反転した第1の部分および第2の部分を含む構造、によって部分的覆われる。
【0028】
変形例では、各々の連続した構造は、W3に等しい、x軸に沿った幅を有する同一の誘電部分によって分離され、W3の値は、250ナノメートルから600ナノメートルまでの間に含まれる。
【0029】
変形例では、各々の第1の部分および第2の部分、ならびに誘電部分は、
-ガラス、
-プラスチック、
-ポリマ材質、
-酸化物、および
-窒化物、
を含むグループに属する材質から構成される。
【0030】
変形例では、少なくとも2つの画素のうちの少なくとも1つの画素は更に、色スプリッタ構造と少なくとも2つの画素の各々と関連付けられた感光材質との間に位置付けられた従来の色フィルタを含む。
【0031】
変形例では、高さHは、値HBの約±5%である。
【0032】
変形例では、第1のビームおよび第3のビームの放射角ΘB1およびΘB3は、
【0033】
【0034】
に等しく、1または3に等しいjを有する角度αjは、第1のエッジおよび第3のエッジに対する底角であり、1または3に等しいjを有するΘTIRjは、第1のエッジおよび第3のエッジのそれぞれと関連付けられた屈折の臨界角である。
【0035】
変形例では、画像センサは、第1の波長λ1と関連付けられた光を記録する少なくとも2つの画素の1つが、別の隣接した色スプリッタ構造から第1の波長と関連付けられた光を更に受ける点で優れている。
【0036】
変形例では、少なくとも2つの画素のもう1つが、別の隣接した色スプリッタ構造からλ1に等しい波長を有する電磁波が存在せずまたは殆ど存在しないスペクトルを有する光を更に受ける点で優れている。
【0037】
例として与えられ、保護の範囲を限定しない、以下の説明および図面を参照して、本開示をより良好に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】本開示の実施形態に従った、二重材質構造(double-material structure)のXZ平面にある、断面図を示す。
【
図2】(a)乃至(d)は、色分離問題(color splitting problem)のコンテキストに適合することを除き、
図1にあるのとほぼ同一の構造を提示する。
【
図3】パラメータ:n
1=1、n
2=1.8、n
3=1.6、W
1=W
2=600ナノメートル、およびH=1200ナノメートルにより定義された構造に対してxz平面における、それぞれの波長λ=620ナノメートル(すなわち、赤色光)、λ=530ナノメートル(すなわち、緑色光)、およびλ=450ナノメートル(すなわち、青色光)を有する3つの異なる入射電磁波に対する、電力密度分布(power density distribution)を提示する。
【
図4(a)】開示の実施形態に従った、二重材質構造のアレイの2つの異なるトポロジを提示する。
【
図4(b)】開示の実施形態に従った、二重材質構造のアレイの2つの異なるトポロジを提示する。
【数7】
を有する二重材質誘電構造(double-material dielectric structure)の2つのアレイに対する青色、緑色、および赤色に対応する波長において、xz平面およびxy平面における電力密度分布を示す。
【数8】
を有する二重材質誘電構造の2つのアレイに対する青色、緑色、および赤色に対応する波長において、xz平面およびxy平面における電力密度分布を示す。
【数9】
を有する二重材質誘電構造の2つのアレイに対する青色、緑色、および赤色に対応する波長において、xz平面およびxy平面における電力密度分布を示す。
【数10】
を有する二重材質誘電構造の2つのアレイに対する青色、緑色、および赤色に対応する波長において、xz平面およびxy平面における電力密度分布を示す。
【数11】
を有する二重材質誘電構造の2つのアレイに対する青色、緑色、および赤色に対応する波長において、xz平面およびxy平面における電力密度分布を示す。
【数12】
を有する二重材質誘電構造の2つのアレイに対する青色、緑色、および赤色に対応する波長において、xz平面およびxy平面における電力密度分布を示す。
【数13】
を有する二重材質誘電構造の2つのアレイに対する青色、緑色、および赤色に対応する波長において、xz平面およびxy平面における電力密度分布を示す。
【数14】
を有する二重材質誘電構造の2つのアレイに対する青色、緑色、および赤色に対応する波長において、xz平面およびxy平面における電力密度分布を示す。
【数15】
を有する二重材質誘電構造の2つのアレイに対する青色、緑色、および赤色に対応する波長において、xz平面およびxy平面における電力密度分布を示す。
【数16】
を有する二重材質誘電構造の2つのアレイに対する青色、緑色、および赤色に対応する波長において、xz平面およびxy平面における電力密度分布を示す。
【数17】
を有する二重材質誘電構造の2つのアレイに対する青色、緑色、および赤色に対応する波長において、xz平面およびxy平面における電力密度分布を示す。
【数18】
を有する二重材質誘電構造の2つのアレイに対する青色、緑色、および赤色に対応する波長において、xz平面およびxy平面における電力密度分布を示す。
【数19】
を有する二重材質誘電構造の第2の周期的配列(periodic arrangement)(
図4(b))に対する青色、緑色、および赤色に対応する波長において、xz平面およびxy平面における電力密度分布を示す。
【数20】
を有する二重材質誘電構造の第2の周期的配列(
図4(b))に対する青色、緑色、および赤色に対応する波長において、xz平面およびxy平面における電力密度分布を示す。
【数21】
を有する二重材質誘電構造の第2の周期的配列(
図4(b))に対する青色、緑色、および赤色に対応する波長において、xz平面およびxy平面における電力密度分布を示す。
【数22】
を有する二重材質誘電構造の第2の周期的配列(
図4(b))に対する青色、緑色、および赤色に対応する波長において、xz平面およびxy平面における電力密度分布を示す。
【数23】
を有する二重材質誘電構造の第2の周期的配列(
図4(b))に対する青色、緑色、および赤色に対応する波長において、xz平面およびxy平面における電力密度分布を示す。
【数24】
を有する二重材質誘電構造の第2の周期的配列(
図4(b))に対する青色、緑色、および赤色に対応する波長において、xz平面およびxy平面における電力密度分布を示す。
【数25】
を有する二重材質誘電構造の周期的配列(
図4(a))に対する青色、緑色、および赤色に対応する波長において、xz平面およびxy平面における電力密度分布を示す。
【数26】
を有する二重材質誘電構造の周期的配列(
図4(a))に対する青色、緑色、および赤色に対応する波長において、xz平面およびxy平面における電力密度分布を示す。
【数27】
を有する二重材質誘電構造の周期的配列(
図4(a))に対する青色、緑色、および赤色に対応する波長において、xz平面およびxy平面における電力密度分布を示す。
【数28】
を有する二重材質誘電構造の周期的配列(
図4(a))に対する青色、緑色、および赤色に対応する波長において、xz平面およびxy平面における電力密度分布を示す。
【数29】
を有する二重材質誘電構造の周期的配列(
図4(a))に対する青色、緑色、および赤色に対応する波長において、xz平面およびxy平面における電力密度分布を示す。
【数30】
を有する二重材質誘電構造の周期的配列(
図4(a))に対する青色、緑色、および赤色に対応する波長において、xz平面およびxy平面における電力密度分布を示す。
【数31】
を有する二重材質誘電構造の周期的配列(
図4(b))に対する青色、緑色、および赤色に対応する波長において、xz平面およびxy平面における電力密度分布を示す。
【数32】
を有する二重材質誘電構造の周期的配列(
図4(b))に対する青色、緑色、および赤色に対応する波長において、xz平面およびxy平面における電力密度分布を示す。
【数33】
を有する二重材質誘電構造の周期的配列(
図4(b))に対する青色、緑色、および赤色に対応する波長において、xz平面およびxy平面における電力密度分布を示す。
【数34】
を有する二重材質誘電構造の周期的配列(
図4(b))に対する青色、緑色、および赤色に対応する波長において、xz平面およびxy平面における電力密度分布を示す。
【数35】
を有する二重材質誘電構造の周期的配列(
図4(b))に対する青色、緑色、および赤色に対応する波長において、xz平面およびxy平面における電力密度分布を示す。
【数36】
を有する二重材質誘電構造の周期的配列(
図4(b))に対する青色、緑色、および赤色に対応する波長において、xz平面およびxy平面における電力密度分布を示す。
【
図10(a)】パラメータn
1=1、n
2=1.8、n
3=1.6、W
1=W
2=600ナノメートル、H=1200ナノメートル、およびZ=1700ナノメートルを有する、
図4(a)において提示されたアレイの単一の(中心)要素に対するピーク電力密度を示す。
【
図10(b)】パラメータn
1=1、n
2=1.8、n
3=1.6、W
1=W
2=600ナノメートル、H=1200ナノメートル、およびZ=1700ナノメートルを有する、
図4(a)において提示されたアレイの単一の(中心)要素に対するNJホットスポットのX座標対W
3を提示する。
【
図11(a)】パラメータn
1=1、n
2=1.8、n
3=1.6、W
1=W
2=600ナノメートル、H=1200ナノメートル、およびZ=1700ナノメートルを有する、
図4(b)において提示されたアレイの単一の(中心)要素に対するピーク電力密度を示す。
【
図11(b)】パラメータn
1=1、n
2=1.8、n
3=1.6、W
1=W
2=600ナノメートル、H=1200ナノメートル、およびZ=1700ナノメートルを有する、
図4(b)において提示されたアレイの単一の(中心)要素に対するNJホットスポットのX座標対W
3を提示する。
【
図12(a)】パラメータn
1=1、n
2=2、n
3=1.2、W
1=W
2=600ナノメートル、H=1300ナノメートル、およびZ=1500ナノメートルを有する、
図4(a)において提示されたアレイの単一の(中心)要素に対するピーク電力密度を示す。
【
図12(b)】パラメータn
1=1、n
2=2、n
3=1.2、W
1=W
2=600ナノメートル、H=1300ナノメートル、およびZ=1500ナノメートルを有する、
図4(a)において提示されたアレイの単一の(中心)要素に対するNJホットスポットのX座標対W
3を提示する。
【
図13(a)】パラメータn
1=1、n
2=2、n
3=1.2、W
1=W
2=600ナノメートル、H=1300ナノメートル、およびZ=1500ナノメートルを有する、
図4(b)において提示されたアレイの単一の(中心)要素に対するピーク電力密度を示す。
【
図13(b)】パラメータn
1=1、n
2=2、n
3=1.2、W
1=W
2=600ナノメートル、H=1300ナノメートル、およびZ=1500ナノメートルを有する、
図4(b)において提示されたアレイの単一の(中心)要素に対するNJホットスポットのX座標対W
3を提示する。
【
図14(a)】
図4(b)において提示されたNJベース誘電色スプリッタ(NJ-based dielectric color splitter)の1Dアレイに対するxz平面およびxy平面、ならびにθ
i=±15度(すなわち、非正規形入射電磁波(non-normal incident electromagnetic wave)に対する)における電力密度分布を示す。
【
図14(b)】
図4(b)において提示されたNJベース誘電色スプリッタの1Dアレイに対するxz平面およびxy平面、ならびにθ
i=±15度(すなわち、非正規形入射電磁波に対する)における電力密度分布を示す。
【
図14(c)】
図4(b)において提示されたNJベース誘電色スプリッタの1Dアレイに対するxz平面およびxy平面、ならびにθ
i=±15度(すなわち、非正規形入射電磁波に対する)における電力密度分布を示す。
【
図14(d)】
図4(b)において提示されたNJベース誘電色スプリッタの1Dアレイに対するxz平面およびxy平面、ならびにθ
i=±15度(すなわち、非正規形入射電磁波に対する)における電力密度分布を示す。
【
図14(e)】
図4(b)において提示されたNJベース誘電色スプリッタの1Dアレイに対するxz平面およびxy平面、ならびにθ
i=±15度(すなわち、非正規形入射電磁波に対する)における電力密度分布を示す。
【
図14(f)】
図4(b)において提示されたNJベース誘電色スプリッタの1Dアレイに対するxz平面およびxy平面、ならびにθ
i=±15度(すなわち、非正規形入射電磁波に対する)における電力密度分布を示す。
【
図15(a)】
図4(b)において提示されたNJベース誘電色スプリッタの1Dアレイに対するxzおよびxy、ならびにΘ
i=±15度(すなわち、非正規形入射電磁波に対する)における電力密度分布を示す。
【
図15(b)】
図4(b)において提示されたNJベース誘電色スプリッタの1Dアレイに対するxzおよびxy、ならびにΘ
i=±15度(すなわち、非正規形入射電磁波に対する)における電力密度分布を示す。
【
図15(c)】
図4(b)において提示されたNJベース誘電色スプリッタの1Dアレイに対するxzおよびxy、ならびにΘ
i=±15度(すなわち、非正規形入射電磁波に対する)における電力密度分布を示す。
【
図15(d)】
図4(b)において提示されたNJベース誘電色スプリッタの1Dアレイに対するxzおよびxy、ならびにΘ
i=±15度(すなわち、非正規形入射電磁波に対する)における電力密度分布を示す。
【
図15(e)】
図4(b)において提示されたNJベース誘電色スプリッタの1Dアレイに対するxzおよびxy、ならびにΘ
i=±15度(すなわち、非正規形入射電磁波に対する)における電力密度分布を示す。
【
図15(f)】
図4(b)において提示されたNJベース誘電色スプリッタの1Dアレイに対するxzおよびxy、ならびにΘ
i=±15度(すなわち、非正規形入射電磁波に対する)における電力密度分布を示す。
【
図16(a)】
図4(b)において提示されたNJベース誘電色スプリッタの1Dアレイに対するxzおよびxy、ならびにΘ
i=±30度(すなわち、非正規形入射電磁波に対する)における電力密度分布を示す。
【
図16(b)】
図4(b)において提示されたNJベース誘電色スプリッタの1Dアレイに対するxzおよびxy、ならびにΘ
i=±30度(すなわち、非正規形入射電磁波に対する)における電力密度分布を示す。
【
図16(c)】
図4(b)において提示されたNJベース誘電色スプリッタの1Dアレイに対するxzおよびxy、ならびにΘ
i=±30度(すなわち、非正規形入射電磁波に対する)における電力密度分布を示す。
【
図16(d)】
図4(b)において提示されたNJベース誘電色スプリッタの1Dアレイに対するxzおよびxy、ならびにΘ
i=±30度(すなわち、非正規形入射電磁波に対する)における電力密度分布を示す。
【
図16(e)】
図4(b)において提示されたNJベース誘電色スプリッタの1Dアレイに対するxzおよびxy、ならびにΘ
i=±30度(すなわち、非正規形入射電磁波に対する)における電力密度分布を示す。
【
図16(f)】
図4(b)において提示されたNJベース誘電色スプリッタの1Dアレイに対するxzおよびxy、ならびにΘ
i=±30度(すなわち、非正規形入射電磁波に対する)における電力密度分布を示す。
【
図17(a)】
図5(a)乃至(f)および
図6(a)乃至(f)からの色スプリッタのミクロ構造の分離効果(splitting effect)を示す。
【
図17(b)】
図5(a)乃至(f)および
図6(a)乃至(f)からの色スプリッタのミクロ構造の分離効果を示す。
【
図18】提案されるデモザイキング機能(demosaicing function)と共に、画像センサ画素の規則的2D格子の最上部にあるスプリッタ要素(splitter element)の2D配列を示す実施形態を提示する。
【
図19】前に提示された色スプリッタ構造が少なくとも2つの画素を覆う実施形態を提示する。
【
図20】非垂直エッジ(nonvertical edges)を有する二重材質構造の断面図を提示する。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図面における構成要素は、必ずしも同一縮尺でなく、代わりに、発明の原理を例示することを強調する。
【0040】
本開示は、ミクロ構造の異なるエッジ(異なるブロック/層と関連付けられた)から生じる全てのナノジェット(NJ:nanojets)ビームが、再結合し、スペクトル依存NJビーム屈折(deflection)の形成に貢献する方式において、異なる屈折率を有する(構成部分(constitutive part)の屈折率は、周囲材質よりも高い)2つ以上の誘電材質を組み合わせることによって、入射する可視光の色帯を分離する技術に関する。
【0041】
思い出させるために、NJビームの生成は、特許文献1において説明されている。数値シミュレーションは、NJビーム屈折に基づいた色分離の提案された原理が、集束した色画像を生成することができることを証明している。生成されたNJビームの特性は、対応するブロックのパラメータ、すなわち、ブロック、ブロックの次元、および波の入射の角度の間の屈折率の比率によって制御される。
【0042】
以下では、色分離を実行することができる要素または構造、または偏向構造は、垂直断面において非対称系または対称系を有する異なる屈折率を有する少なくとも2つの誘電材質の組み合わせである、NJビーム形成要素(以下では、二重材質構造とも称される)のより一般的な設計の特定の構成である。以下では、そのようなトポロジを有する構造は、異なる材質の組み合わせに基づいた構造と称される。
【0043】
トポロジ
図1は、本開示の実施形態に従った、二重材質構造10のxz平面における断面図を示す。
【0044】
断面図におけるそのような二重材質構造10は、12および13の参照符号が付された、材質の2つの異なるブロックの組み合わせに対応する。そのようなブロック12および13は、例えば、3D XYZ空間において直方体の形状または準円形環の形状を有してもよい。それらの断面は、矩形であるが(
図1に示されるように)、台形または直方体の形状であってもよい。
【0045】
12および13の参照符号が付されたブロックはそれぞれ、屈折率n2およびn3(n2>n3)を有し、屈折率n1<n3を有する均質誘電ホスト媒体(homogeneous dielectric host medium)11に組み込まれる。簡易化のために、全ての材質が、無損失性(lossless)であり、非散発的である(non-dispersive)ことを想定する。
【0046】
ブロック12および13はまた、支持層として機能する誘電基板(図示せず)上に配置されてもよい。
【0047】
ブロック12は、幅W1および高さHを有し、ブロック13は、幅W2および同一の高さHを有する。
【0048】
以下、ブロック12および13は、z軸に並列した垂直エッジ、および底角α=90度に対応する、xy平面に並列した上/底面を有する。しかしながら、いくつかの分光構造(prismatic structure)(任意の底角を有する)も使用されてもよい。可変の底角値は、NJビーム放射の制御における追加の自由度をもたらす。
【0049】
二重材質構造10は、入射光または電磁波14を受けると、A、B、およびCと参照符号が付された異なるホットスポット、集束ポイント、または位置において交差することがある、いくつかのナノジェットビームを生成する(二重材質構造10のエッジによってそれぞれ生成される3つのナノジェットビームNJ1、NJ2、およびNJ3)。
【0050】
本開示に従って、NJホットスポットの位置、NJビームの強度、方向、および偏向の角度を管理するために、構成部分11、12、および13の材質およびサイズを最適化することができる。
【0051】
設計原理および主要な性能特性
この章では、NJビームシフトおよび偏向に対するブロック12および13の材質および次元の最適な組み合わせを推定する式の組を提示する。ビーム偏向のホットスポット位置および方向は、構成部分のサイズ(W1,W2,H)の影響を受けやすい。いくつかの波長よりも大きい次元を有する構造10に対し、フレネル回折現象は、大きな影響を有する。
【0052】
生成されたNJビームの主要な特性
同一の出願人の名義での特許文献1において証明されているように、ビームフォーミング現象は、異なる屈折率の2つの材質の間のエッジに表れ、そのエッジと唯一関連付けられる。両方の材質の間の屈折率の比率は、垂直のxz平面におけるNJビームの投影の角度位置である、生成されたナノジェットビームの仰角を制御することに貢献する。実際に、NJビームの放射角は、スネルの法則によって定義され、近似式(1)を使用して判定されてもよい。
【0053】
【0054】
【0055】
は、屈折の臨界角であり、n1は、ホスト媒体11の屈折率であり、n2は、二重材質構造の部分の屈折率である。要素の反対側から放射された2つの等しいNJビームの交差のポイントは、NJ構造の焦点距離(focal length)を定める。第1の近似では、単一の材質要素(material element)のケースにおいて、NJ構造の焦点距離は、構造の内部および外部の媒体のサイズ(幅)および屈折率に応じて特徴付けられることがある。総放射NJビームは、系の対称軸に沿って方向付けられる。
【0056】
図1に示されるように、屈折率n
3および幅W
2を有する第2の要素13が屈折率n
2を有する第1の要素12と直接接触して付着するとき、両方の要素12および13の間の境界からのNJビーム放射の角度は、Θ
B1に等しいままではない。新たなNJビームは、角度Θ
B2においてより高い屈折率を有する媒体に屈折する。n
2>n
3である場合、角度Θ
B2は、式(2)として定まり、
【0057】
【0058】
【0059】
である。
【0060】
ブロック13とホスト媒体11との間の、第3のエッジにおけるNJビーム放射角は、式(3)に対応し、
【0061】
【0062】
【0063】
である。
【0064】
異なる屈折率を有する材質11、12、および13の間の3つのエッジによって生成された、それらの3つのNJビームの長さおよび強度は異なることに留意されよう。最大強度および最小長さは、屈折率の間の最高比率を有するビームに対応する。
図1に示される例示的なケースでは、それは、ブロック12とホスト媒体11との間の境界において生成された角度Θ
B1において屈折したNJビームである。
【0065】
光学デバイス10の異なる屈折率の材質の間の境界において生成された3つのナノジェットビームは、総集束ビーム(total focused beam)を生成するよう部分的または全体的に結合し、総集束ビームは、デバイス10の3つのエッジと関連付けられた3つの主要なナノジェットビームによって生じる干渉パターンに対応する。
【0066】
二重材質構造10によって放射される総NJビームの振る舞いを説明するために、系10のエッジと関連付けられ、角度Θ
B1、Θ
B2、およびΘ
B3において放射されたそれらの初期のNJビームまたは主要なNJビームの交差のポイント(
図1では、A、B、およびCと表記される)を定めるべきである。
【0067】
第1の(NJビームNJ1)および第2のNJビーム(NJ2)の交差のポイントAは、座標(WA,HA)を有し、式(4)である。
【0068】
【0069】
第1の(NJビームNJ1)および第3のNJビーム(NJ3)は、座標(WB,HB)を有するポイントBにおいて交差し、式(5)である。
【0070】
【0071】
第2のNJビーム(NJ2)および第3のNJビーム(NJ3)は、
【0072】
【0073】
の場合のみ交差することに留意することが必要である。このケースでは、ポイントCの座標は、式(6)として定められる。
【0074】
【0075】
以下で提示される数値シミュレーションは、3つの異なる波長(λ1<λ2<λ3)に対するスペクトル依存NJビーム屈折が
【0076】
【0077】
および
【0078】
【0079】
に対して観察されることが証明されている。系のそのようなパラメータについて、NJビーム偏向の方向は、入射波の波長に依存する。特に、λ=λ1において、
【0080】
【0081】
(
図2(b))に対して、より低い屈折率n
3を有する部分に向かって偏向した長い集中的NJビームを得ることが観察される。このケースでは、主要入力は、
図2(b)における系の右側エッジと関連付けられた短いが最も集中的なNJビーム-NJ1からである。より長い波長(λ=λ
2,3)のケースでは、最大総応答(maximal total response)は、より長いがあまり集中的でないNJ2ビームおよびNJ3ビームの入力によって定められる。結果として、長い集中的NJビームは、より高い屈折率n
2を有する部分に向かって偏光する。
【0082】
【0083】
(
図2(c))を考慮すると、反対の状況が観察される。λ=λ
1において、主要入力がNJ3であり(選択されたパラメータに対し、NJ3は、NJ1およびNJ2よりも集中的でない)、結果として生じるNJビームは、より高い屈折率n
2を有する部分に向かって偏光することが証明される。最も集中的なNJ1は、λ=λ
2における系の応答を定める。議論された両方のケースに対し、λ=λ
3における系の応答は、中間強度のNJビームの入力に関連する。
【0084】
ここで、提案された二重材質NJマイクロレンズの特性に対する平面波入射の角度(Θ
i、
図2d)の影響が議論される。斜め入射(oblique incidence)に対し、NJビーム放射角に対する近似式が修正されるべきであり、式(7)の形式で提示されることを考慮することが必要である。
【0085】
【0086】
高さHBの値を取得するために、それらの角度が式(5)に置き換えられるべきである。
【0087】
色スプリッタ機能性
図1に表された構造の識別された特性に基づいて、以下では、色スプリッタ機能を得るために、そのような構造のパラメータ(すなわち、屈折率値、ならびに/またはそのような構造の幅および/もしくは高さ)にどのように適合するかを定めることが提案される。そのような色スプリッタ機能は、画像センサの分野において特に関心がある。
【0088】
実際に、開示の一実施形態では、画像センサにおいてフォトダイオードによって後に記録されることがある、光の色成分(青色成分、緑色成分、および赤色成分)を異なる方向に偏向することが可能である。
【0089】
図2(a)乃至(d)は、色分離問題のコンテキストに適合することを除き、
図1にあるのとほぼ同一の構造を提示する。
【0090】
図3は、パラメータ:n
1=1、n
2=1.8、n
3=1.6、W
1=W
2=600ナノメートル、およびH=1200ナノメートルにより定義された構造に対してxz平面における、それぞれの波長λ=620ナノメートル(すなわち、赤色光)、λ=530ナノメートル(すなわち、緑色光)、およびλ=450ナノメートル(すなわち、青色光)を有する3つの異なる入射電磁波に対する、電力密度分布を提示する。
【0091】
【0092】
【0093】
を有するxz平面における電力密度分布を提示する。特に、
図3では、構造の高さHは、
【0094】
【0095】
などによって選択され、すなわち、焦点ポイントBは、構造の面に近い。
【0096】
構造の構成部分の上に位置する、異なる長さの2つのNJビーム(1つのNJビームは、NJ1およびNJ2の組み合わせである)を見ることが可能である。それらのNJビームの長さは異なる(最長NJビームは最高屈折率n2を有する部分の上に位置する)。最大で
【0097】
【0098】
、または約
【0099】
【0100】
の構造の高さを選択することによって、構造の構成部分の上に位置する2つの生成されたNJビームの間の電力密度の再分布を観察することができる。結果として、λ=450ナノメートルの光に対し、右のNJビームが左のNJビームよりも長いことを理解することができる。よって、要素の上面からのある距離において、青色に対するスポットがより低い屈折率を有する部分の上に位置し、緑色および赤色に対するスポットがより高い屈折率を有する部分の上にあることを観察することができる。よって、スペクトル依存NJビーム屈折は、
【0101】
【0102】
であり、構造の外部境界に関連するNJビーム(NJ1およびNJ3)に対する焦点ポイントBが構造の面に近く、または構造内にある場合に発生する。層の材質により行うことにより、異なる色に対する電力密度分布を変化させることができる。
【0103】
構造のアレイ、正規入射
電力密度再分布に対する隣接したNJビームの相互影響を学習するために、二重材質構造の2つの異なるアレイを考慮する。研究されたトポロジが
図4(a)および(b)に提示される。第1のアレイ(
図4(a))は、屈折率n
1(数値シミュレーションでは、n
1はホスト媒体の屈折率である)を有するブロックによって分離された二重材質構造の周期的交互(periodic alternation)に対応する。W
3は、ブロック(すなわち、n
1に等しい屈折率を有する材質を有するブロック)の幅であると想定される。第2のアレイ(
図4(b))に対し、屈折率n
1を有する媒体は、同一の屈折率を有するブロックを分離する。
【0104】
図5(a)乃至(f)および
図6(a)乃至(f)は、
【0105】
【0106】
を有する二重材質誘電構造の2つのアレイに対する青色、緑色、および赤色に対応する波長において、xz平面およびxy平面における電力密度分布を示す。各々のアレイは、3つの二重材質構造を含む。要素の間の距離は、約1つの波長である(W
3=600ナノメートル)であることを想定する。そのような距離W
3に対し、隣接したNJビームは、ほんのわずかに相互に影響を与えることを理解することができる。Z=1700ナノメートルの距離に検出器を配置することで、異なる色に対応するスポットを容易に区別することができる。しかしながら、要素の第2の配列に対し(配列は
図4(b)に提示される)、青色に対するNJビームの強度はより高く、緑色に対するスポットと赤色に対するスポットとの間の距離はより長い。よって、第2の配列は、色スプリッタの適用に対して好ましい。
【0107】
より正確に、
図5(a)、(c)、および(e)は、パラメータ:n
1=1、n
2=1.8、n
3=1.6、W
1=W
2=W
3=600ナノメートル、およびH=1200ナノメートルを有する、
図4(a)に提示されたアレイに対するxz平面(Y=0)における電力密度分布を提示する。
【0108】
図5(b)、(d)、および(f)は、パラメータ:n
1=1、n
2=1.8、n
3=1.6、W
1=W
2=W
3=600ナノメートル、およびH=1200ナノメートルを有する、
図4(a)に提示されたアレイに対するxy平面(Z=1700ナノメートル)における電力密度分布を提示する。
【0109】
図6(a)、(c)、および(e)は、パラメータ:n
1=1、n
2=1.8、n
3=1.6、W
1=W
2=W
3=600ナノメートル、およびH=1200ナノメートルを有する、
図4(b)に提示されたアレイに対するxz平面(Y=0)における電力密度分布を提示する。
【0110】
図6(b)、(d)、および(f)は、パラメータ:n
1=1、n
2=1.8、n
3=1.6、W
1=W
2=W
3=600ナノメートル、およびH=1200ナノメートルを有する、
図4(b)に提示されたアレイに対するxy平面(Z=1700ナノメートル)における電力密度分布を提示する。
【0111】
よって、
図6(a)乃至(f)に説明された構成により、構造が波長450ナノメートルと関連付けられた光を1つの方向に偏向し、他の構成要素が光を別の方向に偏向する点で、青色分離を得ることができる。
【0112】
【0113】
を有する二重材質誘電構造に対し、緑色および赤色に対応するスポットは、非常に近いことに留意されよう。前に言及されたように、層の材質を変更することで、スポットの位置を管理することができる。
【0114】
【0115】
【0116】
を有する二重材質誘電構造の第2の周期的配列(
図4(b))に対する青色、緑色、および赤色に対応する波長において、xz平面およびxy平面における電力密度分布を示す。Z=1500ナノメートルの距離に検出器を配置することで、緑色に対応するスポットが青色に対応するスポットに近いことを区別することができる。
【0117】
実際に、
図7(a)、(c)、および(e)は、パラメータ:n
1=1、n
2=2、n
3=1.2、W
1=W
2=W
3=600ナノメートル、およびH=1300ナノメートルを有する、
図4(a)に提示されたアレイに対するxz平面(Y=0)における電力密度分布を提示する。
【0118】
図7(b)、(d)、および(f)は、パラメータ:n
1=1、n
2=2、n
3=1.2、W
1=W
2=W
3=600ナノメートル、およびH=1300ナノメートルを有する、
図4(a)に提示されたアレイに対するxy平面(Z=1500ナノメートル)における電力密度分布を提示する。
【0119】
幅W
3(
図8(a)乃至(f)および
図9(a)乃至(f);W
3=200ナノメートル)が減少する場合、隣接したNJビームは相互により影響を与える。構造の両方のアレイに対し、異なる色に対応するスポットの位置が変化することを見ることができる。結果として、距離Z=1700ナノメートルにおいて、異なる色に対応するスポットを容易に区別することができない。検出器の位置を変更させることが必要である。しかしながら、より短い幅W
3に対し、第1の配列が好ましい。
【0120】
実際に、
図8(a)、(c)、および(e)は、パラメータn
1=1、n
2=1.8、n
3=1.6、W
1=W
2=600ナノメートル、W
3=200ナノメートル、およびH=1200ナノメートルを有する、
図4(a)に提示されたアレイに対するxz平面(Y=0)における電力密度分布を提示する。
【0121】
図8(b)、(d)、および(f)は、パラメータ:n
1=1、n
2=1.8、n
3=1.6、W
1=W
2=600ナノメートル、W
3=200ナノメートル、およびH=1200ナノメートルを有する、
図4(a)に提示されたアレイに対するxy平面(Z=1700ナノメートル)における電力密度分布を提示する。
【0122】
図9(a)、(c)、および(e)は、パラメータ:n
1=1、n
2=1.8、n
3=1.6、W
1=W
2=600ナノメートル、W
3=200ナノメートル、およびH=1200ナノメートルを有する、
図4(b)に提示されたアレイに対するxz平面(Y=0)における電力密度分布を提示する。
【0123】
図9(b)、(d)、および(f)は、パラメータ:n
1=1、n
2=1.8、n
3=1.6、W
1=W
2=600ナノメートル、W
3=200ナノメートル、およびH=1200ナノメートルを有する、
図4(b)に提示されたアレイに対するxy平面(Z=1700ナノメートル)における電力密度分布を提示する。
【0124】
色分離現象に対するアレイにおける要素の間の距離の影響を分析するために、W
3(
図10(a)乃至(b)から13(a)乃至(b))に対するNJホットスポットのピーク電力密度およびX座標の依存性を考慮する。提示される数値データは、3つの二重材質要素の2つの異なるアレイ(
図4(a)乃至(b)を参照)における単一の中心要素に対応する。要素の構成部分の間の境界がX=0に対応することが想定されている。
図4(a)に提示されたアレイ(周期的アレイ)に対し、左側部分(X<0)は、より高い屈折率n
2を有する部分であり、
図4(b)に提示されたアレイ(屈折率n
1を有する媒体は、同一の屈折率を有するブロックを分離する)に対し、左側部分は、より低い屈折率n
3を有する部分である。全ての考慮されるケースにおいてはほとんど、要素の構成部分を上回る異なる電力密度の2つのNJホットスポットを観察することができる。それらの数字の分析の結果として、固定された波長に対し、ホットスポットの位置は、距離W
3にほとんど依存すると結論付けることができる。同時に、短い距離W
3に対し、色分離に影響を与える電力密度再分布を有することができる。
【0125】
実際に、
図10(a)は、パラメータn
1=1、n
2=1.8、n
3=1.6、W
1=W
2=600ナノメートル、H=1200ナノメートル、およびZ=1700ナノメートルを有する、
図4(a)に提示されたアレイの単一の(中心)要素に対するピーク電力密度を提示し、
図10(b)は、パラメータn
1=1、n
2=1.8、n
3=1.6、W
1=W
2=600ナノメートル、H=1200ナノメートル、およびZ=1700ナノメートルを有する、
図4(a)に提示されたアレイの単一の(中心)要素に対するNJホットスポットのX座標対W
3を提示する。
【0126】
図11(a)は、パラメータn
1=1、n
2=1.8、n
3=1.6、W
1=W
2=600ナノメートル、H=1200ナノメートル、およびZ=1700ナノメートルを有する、
図4(b)に提示されたアレイの単一の(中心)要素に対するピーク電力密度を提示し、
図11(b)は、パラメータn
1=1、n
2=1.8、n
3=1.6、W
1=W
2=600ナノメートル、H=1200ナノメートル、およびZ=1700ナノメートルを有する、
図4(b)に提示されたアレイの単一の(中心)要素に対するNJホットスポットのX座標対W
3を提示する。
【0127】
図12(a)は、パラメータn
1=1、n
2=2、n
3=1.2、W
1=W
2=600ナノメートル、H=1300ナノメートル、およびZ=1500ナノメートルを有する、
図4(a)に提示されたアレイの単一の(中心)要素に対するピーク電力密度を提示し、
図12(b)は、パラメータn
1=1、n
2=2、n
3=1.2、W
1=W
2=600ナノメートル、H=1300ナノメートル、およびZ=1500ナノメートルを有する、
図4(a)に提示されたアレイの単一の(中心)要素に対するNJホットスポットのX座標対W
3を提示する。
【0128】
図13(a)は、パラメータn
1=1、n
2=2、n
3=1.2、W
1=W
2=600ナノメートル、H=1300ナノメートル、およびZ=1500ナノメートルを有する、
図4(b)に提示されたアレイの単一の(中心)要素に対するピーク電力密度を提示し、
図13(b)は、パラメータn
1=1、n
2=2、n
3=1.2、W
1=W
2=600ナノメートル、H=1300ナノメートル、およびZ=1500ナノメートルを有する、
図4(b)に提示されたアレイの単一の(中心)要素に対するNJホットスポットのX座標対W
3を提示する。
【0129】
構造のアレイ、照明条件の影響
NJ場分布(NJ field distribution)は、波入射の角度と共に著しく変化する。斜め入射のケースにおいて色分離に対する二重材質誘電構造を使用する可能性を考える。斜め入射に対し、系のエッジに関連するNJビームの追加の偏向を有することが観察されている。よって、ポイントBの位置が変化する。NJ応答の離散および隣接したNJビームの相互の影響は、異なる色に対応するスポットのシフト、および電力密度の全体的な新たな再分布につながる。
図14(a)乃至(f)および15(a)乃至(f)は、
図4(b)に提示されたNJベース誘電色スプリッタの1Dアレイに対するxz平面およびxy平面、ならびにΘ
i=±15度における電力密度分布を示す。Z=1400ナノメートルにおける検出器に対する異なる構造の上にある、青色および赤色に対応する集中的スポットを区別することができる。周期的アレイ(
図4(a))は、色分離機能を提供しない。
【0130】
図14(a)、(c)、および(e)は、パラメータ:n
1=1、n
2=1.8、n
3=1.6、W
1=W
2=W
3=600ナノメートル、H=1180ナノメートル、およびΘ
i=15度を有する、
図4(b)に提示されたアレイに対するxz平面(Y=0)における電力密度分布を提示する。
【0131】
図14(b)、(d)、および(f)は、パラメータ:n
1=1、n
2=1.8、n
3=1.6、W
1=W
2=W
3=600ナノメートル、H=1180ナノメートル、およびΘ
i=15度を有する、
図4(b)に提示されたアレイに対するxy平面(Z=1400ナノメートル)における電力密度分布を提示する。
【0132】
図15(a)、(c)、および(e)は、パラメータ:n
1=1、n
2=1.8、n
3=1.6、W
1=W
2=W
3=600ナノメートル、H=1180ナノメートル、およびΘ
i=-15度を有する、
図4(b)に提示されたアレイに対するxz平面(Y=0)における電力密度分布を提示する。
【0133】
図15(b)、(d)、および(f)は、パラメータ:n
1=1、n
2=1.8、n
3=1.6、W
1=W
2=W
3=600ナノメートル、H=1180ナノメートル、およびΘ
i=-15度を有する、
図4(b)に提示されたアレイに対するxy平面(Z=1700ナノメートル)における電力密度分布を提示する。
【0134】
電磁波入射の角度(
図16(a)、(c)、および(e)、Θ
i=±30度を有する)を増加して、望ましい光学機能を得ることができる。このケースでは、青色および赤色に対応する集中的スポットの間の距離は短い。
【0135】
図16(a)、(c)、および(e)は、パラメータ:n
1=1、n
2=1.8、n
3=1.6、W
1=W
2=W
3=600ナノメートル、H=1100ナノメートル、およびΘ
i=30度を有する、
図4(b)に提示されたアレイに対するxz平面(Y=0)における電力密度分布を提示する。
【0136】
図16(b)、(d)、および(f)は、パラメータ:n
1=1、n
2=1.8、n
3=1.6、W
1=W
2=W
3=600ナノメートル、H=1100ナノメートル、およびΘ
i=30度を有する、
図4(b)に提示されたアレイに対するxy平面(Z=1300ナノメートル)における電力密度分布を提示する。
【0137】
色スプリッタの2D配列
この章では、画像センサ画素の最上部にある色スプリッタ要素の全2D配列を実現するために、前の章における設計を使用する一実施形態を提案する。
図17(a)および17(b)は、
図5(a)乃至(f)および
図6(a)乃至(f)からの色スプリッタのミクロ構造の分離効果を示す。
図17(a)は、緑色波長(λ=530ナノメートル)および赤色波長(λ=620ナノメートル)が1つの方向に屈折し、青色波長(λ=450ナノメートル)が反対の方向に屈折するケースを示す。このスプリッタ構造の色分離の結果を「青色分離(blue separation)」と命名する。
図17(b)は、緑色波長(λ=530ナノメートル)および青色波長(λ=450ナノメートル)が1つの方向に屈折し、赤色波長(λ=620ナノメートル)が反対の方向に屈折するケースを示す。このスプリッタ構造の色分離の結果を「赤色分離(red separation)」と命名する。
【0138】
図17(a)は、
図5(a)乃至(f)において証明された色スプリッタ設計の結果としての、青色分離を提示する。
【0139】
図17(b)は、
図7(a)乃至(f)において証明された色スプリッタ設計の結果としての、赤色分離を提示する。
【0140】
図18は、提案されるデモザイキング機能と共に、画像センサ画素の規則的2D格子の最上部にあるスプリッタ要素の2D配列を示す実施形態を提示する。
【0141】
この実施形態は、
図17(a)および17(b)に示された2つのタイプの色スプリッタ構造を使用し、1つは「青色分離」機能性に適合され、もう1つは「赤色分離」機能性に適合される。
図18はまた、提案されるデモザイキング機能と共に、画像センサ上の各々の画素によって受けられる光成分を示す。
【0142】
図19は、前に提示された色スプリッタ構造が少なくとも2つの画素を部分的に覆う実施形態を提示する。
【0143】
特定の波長λ1により電磁波を「偏向する」ことができ、λ1に等しい波長を有する電磁波が存在せずまたは殆ど存在しないスペクトルを有する光を別の方向に偏向することができる色スプリッタ構造を設計することが可能である。よって、各々の画素(画素1と画素2の間)は、異なる色に対して異なる値を記録する。変形例では、従来の色フィルタは、残存電磁波(residual electromagnetic wave)をフィルタリングするために、感光性材質の最上部に追加される。
【0144】
二重材質を有する構造の底角の修正
図20は、非垂直エッジを有する二重材質構造の断面図を提示する。
【0145】
この章では、非垂直エッジおよびxy平面に並列な上/底面を有する構造を考慮する。α
i(iは1、2、または3に等しい)が二重材質系に対する底角であると想定される。二重材質NJ構造の全体的なトポロジが
図20に示される。この断面図は、屈折率n
1<n
2<n
3を有する均質誘電ホスト媒体に組み込まれた二重材質分光系に対応してもよい。
【0146】
底角αi(iは1、2、または3に等しい)を有する構造に対し、NJビーム放射角ΘBjは、近似式(8)を使用して定められてもよい。
【0147】
【0148】
ここで、Θ`TIRjは、非垂直エッジからの屈折の臨界角である。Θ`TIRjに対する近似式を得るために、エッジの位置を変化させることをまさに考慮する必要がある。結果として、NJビーム放射角は、式(9)のように推定されてもよい。
【0149】
【0150】
二重材質構造10によって放射された総NJビームの振る舞いを説明するために、NJビーム放射角に対するそれらの式を、式(4)乃至(7)と置き換える必要がある。
【0151】
非垂直エッジを有する系のケースでは、前に議論された二重材質系の主な性能特性が保存される。
【0152】
底角の変化は、NJビームの方向を変化させ、よって、ナノジェットビームの交差ポイントおよび色分離効果に影響を与える。非垂直底角による色スプリッタに対する設計ルールは、新たなNJビーム偏向角度を計算し、NJビームの交差が起こる高さHBを計算し、次いで、色分離効果を達成するようHBに等しいHを選択することである。
【0153】
より正確に、二重材質構造によって放射された総NJビームの振る舞いを説明するために、NJビーム放射角に対する新たな式を、式(4)乃至(7)と置き換える必要がある。これは、NJビームの断面の座標(
図1におけるポイントA、B、およびC)を与える。非垂直底角を有する二重材質要素のケースに対して色分離特性を得るために、同一の設計ルールを使用し、スペクトル依存NJビーム屈折(色分離機能性)は、
【0154】
【0155】
であり、系の外部境界に関連するNJビーム(NJ1およびNJ3)に対する焦点ポイントBがマイクロレンズの面に近く、または系の内にある場合に発生する。唯一の相違は、HBに対する値がNJビーム角度に対する修正された式(9)を使用して計算されることである。