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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-28
(45)【発行日】2023-09-05
(54)【発明の名称】高湿潤堅牢性のロダノ-分散染料混合物
(51)【国際特許分類】
   C09B 67/22 20060101AFI20230829BHJP
   C09B 67/20 20060101ALI20230829BHJP
   C09B 29/085 20060101ALN20230829BHJP
   C09B 29/42 20060101ALN20230829BHJP
【FI】
C09B67/22 B
C09B67/20 K
C09B29/085 A
C09B29/085 B
C09B29/085 E
C09B29/085 Z
C09B29/42 Z
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021550016
(86)(22)【出願日】2020-03-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-12
(86)【国際出願番号】 EP2020056623
(87)【国際公開番号】W WO2020193160
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2021-12-10
(31)【優先権主張番号】19165505.9
(32)【優先日】2019-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】514321633
【氏名又は名称】ダイスター・カラーズ・ディストリビューション・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110000095
【氏名又は名称】弁理士法人T.S.パートナーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100181331
【弁理士】
【氏名又は名称】金 鎭文
(74)【代理人】
【識別番号】100082887
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 利春
(74)【代理人】
【識別番号】100183597
【弁理士】
【氏名又は名称】比企野 健
(74)【代理人】
【識別番号】100161997
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 大一郎
(72)【発明者】
【氏名】ムーガトロイド、アドリアン
(72)【発明者】
【氏名】ホッペ、マンフレート
(72)【発明者】
【氏名】グルント、クレメンス
(72)【発明者】
【氏名】ヴァーマンデル、ファニー
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ、チョンジュン
【審査官】仁科 努
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-542514(JP,A)
【文献】特開昭58-129057(JP,A)
【文献】特表2007-514036(JP,A)
【文献】特開平02-045569(JP,A)
【文献】特表2013-502474(JP,A)
【文献】特表2016-513140(JP,A)
【文献】特表2013-515810(JP,A)
【文献】特開昭54-050029(JP,A)
【文献】特開2000-198943(JP,A)
【文献】特開平06-041449(JP,A)
【文献】特開昭57-026849(JP,A)
【文献】特開平11-071530(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09B 67/22
C09B 67/20
C09B 29/085
C09B 29/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
染料混合物であって、
少なくとも1種の式(1)の染料
【化1】

[式中、それぞれ互いに独立して
は、水素、又はC~C-アルコキシであり、
は、水素、アシルアミノ、又はスルホニルアミノであり、
及びRは、水素、(C~C)-アルキル、(CH-フェニル、CH-CH=CH、(CH-OH、(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-O-フェニル、(CH-O-ベンジル、(CH-O-(CH-OH、(CH-O-(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-O-(CH-O-フェニル、(CH-O-(CH-O-ベンジル、(CH-COOH、(CH-COO-(C~C)-アルキル、(CH-COO-フェニル、(CH-COO-ベンジル、(CH-CN、(CH-COO(CH-CO-(C~C)-アルキル、(CH-COO(CH-CO-ベンジル、(CH-O-CO-(C~C)-アルキル、(CH-O-CO-フェニル、(CH-O-CO-ベンジル、COO-(CH-2-フルフリル、(CH-O-(CH-2-フルフリル、CHR-(CH-(C~C)-アルキル、CHR-(CH-フェニル、CHR-CH=CH、CHR-(CH-OH、CHR-(CH-O-(C~C)-アルキル、CHR-(CH-O-フェニル、CHR-(CH-O-ベンジル、CHR-(CH-O-(CH-OH、CHR-(CH-O-(CH-O-(C~C)-アルキル、CHR-(CH-O-(CH-O-フェニル、CHR-(CH-O-(CH-O-ベンジル、CHR-(CH-COOH、CHR-(CH-COO-(C~C)-アルキル、CHR-(CH-COO-フェニル、CHR-(CH-COO-ベンジル、CHR-(CH-CN、CHR-(CH-COO(CH-CO-(C~C)-アルキル、CHR-(CH-COO(CH-CO-フェニル、CHR-(CH-COO(CH-CO-ベンジル、CHR-(CH-O-CO-(C~C)-アルキル、CHR-(CH-O-CO-フェニル、CHR-(CH-O-CO-ベンジル、CHR-(CH-2-フルフリル、又はCHR-(CH-O-(CH-2-フルフリルであるが、
(式中、
は、(C~C)-アルキル、又は-OH若しくはハロゲンで置換された(C~C)-アルキルであり、
nは、1~4であり、
mは、1~4であり、且つ
pは、0~3である)、
但し、R及びRのうちの少なくとも一つは水素ではない]
並びに
少なくとも1種の式(2)の染料、
【化2】

[式中、それぞれ互いに独立して
及びRは、水素、(C~C)-アルキル、(CH-フェニル、CH-CH=CH、(CH-OH、(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-O-フェニル、(CH-O-ベンジル、(CH-O-(CH-OH、(CH-O-(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-O-(CH-O-フェニル、(CH-O-(CH-O-ベンジル、(CH-COOH、(CH-COO-(C~C)-アルキル、(CH-COO-フェニル、(CH-COO-ベンジル、(CH-CN、(CH-COO(CH-CO-(C~C)-アルキル、(CH-COO(CH-CO-フェニル、(CH-COO(CH-CO-ベンジル、(CH-O-CO-(C~C)-アルキル、(CH-O-CO-フェニル、(CH-O-CO-ベンジル、COO-(CH-2-フルフリル、又は(CH-O-(CH-2-フルフリルであるが、
(式中、
nは、1~4であり、且つ
mは、1~4である)、
但し、R及びRのうちの少なくとも一つは水素ではなく、
10は、水素、又は(C~C)-アルコキシであり、
11は、水素、アシルアミノ、又はスルホニルアミノであり、
及びXは、水素、ハロゲン、ニトロ、又はシアノであるが、
但し、X及びXのうちの少なくとも一つは水素ではなく、
且つ
Lは、水素であるか、又は
がニトロであり且つXが水素である場合には、Lは、水素又はフルオロである]
を含み、
前記少なくとも1種の式(1)の染料を10~90重量%含み、
前記少なくとも一種の式(2)の染料を90~10重量%含む、染料混合物。
【請求項2】
前記少なくとも1種の式(1)の染料の中で、互いに独立して、
が、水素、又はメトキシであり、
が、水素、-NHCO-(C~C)-アルキル、又は-NHSO-(C~C)-アルキルであり、
及びRが、水素、(C~C)-アルキル、(CH)-フェニル、CH-CH=CH、(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-O-フェニル、(CH-O-ベンジル、(CH-O-(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-O-(CH-O-フェニル、(CH-O-(CH-O-ベンジル、(CH-COO-(C~C)-アルキル、(CH-COO-フェニル、(CH-COO-ベンジル、(CH-CN、(CH-COO(CH-CO-(C~C)-アルキル、(CH-COO(CH-CO-ベンジル、(CH-O-CO-(C~C)-アルキル、(CH-O-CO-フェニル、(CH-O-CO-ベンジル、COO-(CH-2-フルフリル、(CH-O-(CH-2-フルフリル、CHR-CH=CH、CHR-(CH-O-(C~C)-アルキル、CHR-(CH-O-フェニル、CHR-(CH-O-ベンジル、CHR-(CH-O-(CH-O-(C~C)-アルキル、CHR-(CH-O-(CH-O-フェニル、CHR-(CH-O-(CH-O-ベンジル、CHR-(CH-COO-(C~C)-アルキル、CHR-(CH-COO-フェニル、CHR-(CH-COO-ベンジル、CHR-(CH-CN、CHR-(CH-COO(CH-CO-(C~C)-アルキル、CHR-(CH-COO(CH-CO-フェニル、CHR-(CH-COO(CH-CO-ベンジル、CHR-(CH-O-CO-(C~C)-アルキル、CHR-(CH-O-CO-フェニル、又はCHR-(CH-O-CO-ベンジルであるが、
(式中、
は、(C~C)-アルキル、又は-OH若しくはハロゲンで置換された(C~C)-アルキルであり、
nは、1又は2であり、
mは、1又は2であり、且つ
pは、0又は1である)、
但し、R及びRのうちの少なくとも一つが水素ではない、
請求項1に記載の染料混合物。
【請求項3】
前記少なくとも1種の式(1)の染料の中で、互いに独立して、
が、水素又はメトキシであり、
が、水素、又は-NHCO-(C~C)-アルキルであり、
及びRが、水素、(C~C)-アルキル、(CH)-フェニル、CH-CH=CH、(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-O-フェニル、(CH-O-ベンジル、(CH-O-(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-COO-(C~C)-アルキル、(CH-COO-フェニル、(CH-COO-ベンジル、(CH-CN、(CH-COO(CH-CO-(C~C)-アルキル、(CH-COO(CH-CO-ベンジル、(CH-O-CO-(C~C)-アルキル、(CH-O-CO-フェニル、COO-(CH-2-フルフリル、又は(CH-O-(CH-2-フルフリル、CHR-(CH-COO-(C~C)-アルキルであるが、
(式中、
は、(C~C)-アルキルであり、
nは、1又は2であり、
mは、1又は2である)、
但し、R及びRのうちの少なくとも一つが水素ではない、
請求項1又は2に記載の染料混合物。
【請求項4】
前記少なくとも1種の式(1)の染料が、式(1a)の染料である、請求項1~3のいずれか一項に記載の染料混合物。
【化3】

[式中、それぞれ互いに独立して
及びRは、水素、(C~C)-アルキル、(CH)-フェニル、CH-CH=CH、(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-O-フェニル、(CH-O-ベンジル、(CH-O-(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-COO-(C~C)-アルキル、(CH-COO-フェニル、(CH-COO-ベンジル、(CH-CN、(CH-COO(CH-CO-(C~C)-アルキル、(CH-COO(CH-CO-ベンジル、(CH-O-CO-(C~C)-アルキル、(CH-O-CO-フェニル、COO-(CH-2-フルフリル、(CH-O-(CH-2-フルフリル、又はCHR-(CH-COO-(C~C)-アルキルであるが、
(式中、
は、(C~C)-アルキルであり、
nは、1又は2であり、
mは、1又は2であり、且つ
pは、0又は1である)、
但し、R及びRのうちの少なくとも一つは水素ではなく、且つ
及びRは、エチル又はメチルである]
【請求項5】
前記少なくとも1種の式(1)の染料が、式(1b)の染料である、請求項1~3のいずれか一項に記載の染料混合物。
【化4】

[式中、それぞれ互いに独立して
及びRは、水素、(C~C)-アルキル、(CH)-フェニル、CH-CH=CH、(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-O-フェニル、(CH-O-ベンジル、(CH-O-(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-COO-(C~C)-アルキル、(CH-COO-フェニル、(CH-COO-ベンジル、(CH-CN、(CH-COO(CH-CO-(C~C)-アルキル、(CH-COO(CH-CO-ベンジル、(CH-O-CO-(C~C)-アルキル、(CH-O-CO-フェニル、COO-(CH-2-フルフリル、(CH-O-(CH-2-フルフリル、又はCHR-(CH-COO-(C~C)-アルキルであるが、
(式中、
は、(C~C)-アルキルであり、
nは、1又は2であり、且つ
mは、1又は2であり、
pは、0又は1である)、
但し、R及びRのうちの少なくとも一つは水素ではなく、且つ
は、エチル又はメチルである]
【請求項6】
前記少なくとも1種の式(1)の染料が、式(1c)の染料である、請求項1~3のいずれか一項に記載の染料混合物。
【化5】

[式中、それぞれ互いに独立して
及びRは、水素、(C~C)-アルキル、(CH)-フェニル、CH-CH=CH、(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-O-フェニル、(CH-O-ベンジル、(CH-O-(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-COO-(C~C)-アルキル、(CH-COO-フェニル、(CH-COO-ベンジル、(CH-CN、(CH-COO(CH-CO-(C~C)-アルキル、(CH-COO(CH-CO-ベンジル、(CH-O-CO-(C~C)-アルキル、(CH-O-CO-フェニル、COO-(CH-2-フルフリル、(CH-O-(CH-2-フルフリル、又はCHR-(CH-COO-(C~C)-アルキルであるが、
(式中、
は、(C~C)-アルキルであり、
nは、1又は2であり、
mは、1又は2であり、且つ
pは、0又は1である)、
但し、R及びRのうちの少なくとも一つは水素ではない]
【請求項7】
前記少なくとも1種の式(1)の染料が、以下のものからなる群から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の染料混合物。
【化6】

【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【化15】

【化16】
【請求項8】
前記少なくとも1種の式(2)の染料の中で、互いに独立して、
及びRが、水素、(C~C)-アルキル、(CH)-フェニル、CH-CH=CH、(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-O-フェニル、(CH-O-ベンジル、(CH-O-(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-O-(CH-O-フェニル、(CH-O-(CH-O-ベンジル、(CH-COO-(C~C)-アルキル、(CH-COO-フェニル、(CH-COO-ベンジル、(CH-CN、(CH-COO(CH-CO-(C~C)-アルキル、(CH-COO(CH-CO-フェニル、(CH-COO(CH-CO-ベンジル、(CH-O-CO-(C~C)-アルキル、(CH-O-CO-フェニル、(CH-O-CO-ベンジル、COO-(CH-2-フルフリル、又は(CH-O-(CH-2-フルフリルであるが、
(式中、
nは、1又は2であり、且つ
mは、1又は2である)、
但し、R及びRのうちの少なくとも一つが水素ではなく、
10が、水素、又はメトキシであり、
11が、水素、-NHCO-(C~C)-アルキル、又は-NHSO-(C~C)-アルキルであり、
及びXが、水素、クロロ、ブロモ、ニトロ、又はシアノであるが、
但し、X及びXのうちの少なくとも一つが水素ではなく、
且つ
Lが、水素であるか、又は
がニトロであり且つXが水素である場合には、Lが、水素又はフルオロである、
請求項1~7のいずれか一項に記載の染料混合物。
【請求項9】
前記少なくとも1種の式(2)の染料の中で、互いに独立して、
及びRが、水素、(C~C)-アルキル、(CH)-フェニル、CH-CH=CH、(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-O-フェニル、(CH-O-ベンジル、(CH-O-(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-COO-(C~C)-アルキル、(CH-COO-フェニル、(CH-COO-ベンジル、(CH-CN、(CH-COO(CH-CO-(C~C)-アルキル、(CH-COO(CH-CO-フェニル、(CH-COO(CH-CO-ベンジル、(CH-O-CO-(C~C)-アルキル、(CH-O-CO-フェニル、COO-(CH-2-フルフリル、又は(CH-O-(CH-2-フルフリルであるが、
(式中、
nは、1又は2であり、且つ
mは、1又は2である)、
但し、R及びRのうちの少なくとも一つが水素ではなく、
10が、水素又はメトキシであり、
11が、水素、又は-NHCO-(C~C)-アルキルであり、
及びXが、水素、ブロモ、クロロ、ニトロ、又はシアノであるが、
但し、X及びXのうちの少なくとも一つが水素ではなく、
且つ
Lが、水素であるか、又は
がニトロであり且つXが水素である場合には、Lが、水素又はフルオロである、
請求項1~8のいずれか一項に記載の染料混合物。
【請求項10】
前記少なくとも1種の式(2)の染料が、式(2a)の染料である、請求項1~9のいずれか一項に記載の染料混合物。
【化17】

[式中、それぞれ互いに独立して
及びRは、水素、(C~C)-アルキル、(CH)-フェニル、CH-CH=CH、(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-O-フェニル、(CH-O-ベンジル、(CH-O-(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-COO-(C~C)-アルキル、(CH-COO-フェニル、(CH-COO-ベンジル、(CH-CN、(CH-COO(CH-CO-(C~C)-アルキル、(CH-COO(CH-CO-フェニル、(CH-COO(CH-CO-ベンジル、(CH-O-CO-(C~C)-アルキル、(CH-O-CO-フェニル、COO-(CH-2-フルフリル、又は(CH-O-(CH-2-フルフリルであるが、
(式中、
nは、1又は2であり、且つ
mは、1又は2である)、
但し、R及びRのうちの少なくとも一つは水素ではなく、
及びRは、エチル又はメチルであり、
は、水素、ブロモ、クロロ、ニトロ、又はシアノであり、
は、水素、ニトロ、又はシアノであるが、
但し、X及びXは、両方がニトロではなく、
且つ
Lは、水素であるか、又は
がニトロであり且つXが水素である場合には、Lは、水素又はフルオロである]
【請求項11】
前記少なくとも1種の式(2)の染料が、式(2b)の染料である、請求項1~9のいずれか一項に記載の染料混合物。
【化18】

[式中、
及びRは、水素、(C~C)-アルキル、(CH)-フェニル、CH-CH=CH、(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-O-フェニル、(CH-O-ベンジル、(CH-O-(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-COO-(C~C)-アルキル、(CH-COO-フェニル、(CH-COO-ベンジル、(CH-CN、(CH-COO(CH-CO-(C~C)-アルキル、(CH-COO(CH-CO-フェニル、(CH-COO(CH-CO-ベンジル、(CH-O-CO-(C~C)-アルキル、(CH-O-CO-フェニル、COO-(CH-2-フルフリル、又は(CH-O-(CH-2-フルフリルであるが、
(式中、
nは、1又は2であり、且つ
mは、1又は2である)、
但し、R及びRのうちの少なくとも一つは水素ではなく、
は、エチル又はメチルであり、且つ
は、水素、ブロモ、クロロ、ニトロ、又はシアノであり、
は、水素、ニトロ、又はシアノであるが、
但し、X及びXは、両方がニトロではなく、
且つ
Lは、水素であるか、又は
がニトロであり且つXが水素である場合には、Lは、水素又はフルオロである]
【請求項12】
前記少なくとも1種の式(2)の染料が、式(2c)の染料である、請求項1~9のいずれか一項に記載の染料混合物。
【化19】

[式中、それぞれ互いに独立して
は、水素又は-NHCO-(C~C)-アルキルであり、
及びRは、水素、(C~C)-アルキル、(CH)-フェニル、CH-CH=CH、(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-O-フェニル、(CH-O-ベンジル、(CH-O-(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-COO-(C~C)-アルキル、(CH-COO-フェニル、(CH-COO-ベンジル、(CH-CN、(CH-COO(CH-CO-(C~C)-アルキル、(CH-COO(CH-CO-フェニル、(CH-COO(CH-CO-ベンジル、(CH-O-CO-(C~C)-アルキル、(CH-O-CO-フェニル、COO-(CH-2-フルフリル、又は(CH-O-(CH-2-フルフリルであるが、
(式中、
nは、1又は2であり、且つ
mは、1又は2である)、
但し、R及びRのうちの少なくとも一つは水素ではなく、
及びXは、ブロモ又はクロロである]
【請求項13】
前記少なくとも1種の式(2)の染料が、式(2d)の染料である、請求項1~9のいずれか一項に記載の染料混合物。
【化20】

[式中、それぞれ互いに独立して
及びRは、水素、(C~C)-アルキル、(CH)-フェニル、CH-CH=CH、(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-O-フェニル、(CH-O-ベンジル、(CH-O-(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-COO-(C~C)-アルキル、(CH-COO-フェニル、(CH-COO-ベンジル、(CH-CN、(CH-COO(CH-CO-(C~C)-アルキル、(CH-COO(CH-CO-フェニル、(CH-COO(CH-CO-ベンジル、(CH-O-CO-(C~C)-アルキル、(CH-O-CO-フェニル、COO-(CH-2-フルフリル、又は(CH-O-(CH-2-フルフリルであるが、
(式中、
nは、1又は2であり、且つ
mは、1又は2である)、
但し、R及びRのうちの少なくとも一つは水素ではなく、
は、エチル又はメチルであり、
10は、水素、又はメトキシであり、
は、クロロ、ブロモ、ニトロ、又はシアノであり、
且つ
Lは、水素であるか、又は
がニトロである場合には、Lは水素又はフルオロである]
【請求項14】
前記少なくとも1種の式(2)の染料が、以下のものからなる群から選択される、請求項1~9のいずれか一項に記載の染料混合物。
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【化27】
【化28】
【化29】
【化30】
【化31】
【化32】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高湿潤堅牢性のロダノ-分散アゾ染料混合物に関する。
【背景技術】
【0002】
ジアゾ成分の中の2.4.5-位に置換パターンを有する分散アゾ染料(1)は、たとえば以下の特許から公知である:特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、及び特許文献7。一般構造式(2)を有する染料及びそれらの混合物もまた、たとえば特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、及び特許文献12から公知であるが、それらは、より濃い色調のための濃色染着性(build up properties)が不満足であり、そして/又は、洗濯堅牢性及び接触堅牢性が不十分である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第4619993号明細書
【文献】東独特許第209641号明細書
【文献】英国特許第2020680号明細書
【文献】米国特許第4,379,819号明細書
【文献】国際公開第2005/056690号パンフレット
【文献】国際公開第2005/040283号パンフレット
【文献】国際公開第2016/041849号パンフレット
【文献】欧州特許第0864615号明細書
【文献】欧州特許第0894830号明細書
【文献】欧州特許第0555179号明細書
【文献】国際公開第2006/131530号パンフレット
【文献】国際公開第2002/081572号パンフレット
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
式(1)のアゾ染料と式(2)の染料とのある種の組合せが、ポリエステル、及びポリエステルのブレンド物、特にポリエステル-エラスタン/ポリエステル-スパンデックスでの、改良された濃色染着性、並びに良好な洗濯堅牢性及び接触堅牢性を与えることが今や見出された。
【0005】
したがって、本発明は、以下のものを含む染料混合物を目的としている:
少なくとも1種の式(1)の染料
【化1】

[式中、それぞれ互いに独立して
は、水素、(C~C)-アルキル、又は(C~C)-アルコキシであり、
は、水素、カルボキシ、(C~C)-アルキル、ハロゲン、アシルアミノ、-NHCO-アリール、-NHCO-ベンジル、又はスルホニルアミノであり、
及びRは、水素、(C~C)-アルキル、(CH-フェニル、CH-CH=CH、(CH-OH、(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-O-フェニル、(CH-O-ベンジル、(CH-O-(CH-OH、(CH-O-(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-O-(CH-O-フェニル、(CH-O-(CH-O-ベンジル、(CH-COOH、(CH-COO-(C~C)-アルキル、(CH-COO-フェニル、(CH-COO-ベンジル、(CH-CN、(CH-COO(CH-CO-(C~C)-アルキル、(CH-COO(CH-CO-ベンジル、(CH-O-CO-(C~C)-アルキル、(CH-O-CO-フェニル、(CH-O-CO-ベンジル、COO-(CH-2-フルフリル、(CH-O-(CH-2-フルフリル、CHR-(CH-(C~C)-アルキル、CHR-(CH-フェニル、CHR-CH=CH、CHR-(CH-OH、CHR-(CH-O-(C~C)-アルキル、CHR-(CH-O-フェニル、CHR-(CH-O-ベンジル、CHR-(CH-O-(CH-OH、CHR-(CH-O-(CH-O-(C~C)-アルキル、CHR-(CH-O-(CH-O-フェニル、CHR-(CH-O-(CH-O-ベンジル、CHR-(CH-COOH、CHR-(CH-COO-(C~C)-アルキル、CHR-(CH-COO-フェニル、CHR-(CH-COO-ベンジル、CHR-(CH-CN、CHR-(CH-COO(CH-CO-(C~C)-アルキル、CHR-(CH-COO(CH-CO-フェニル、CHR-(CH-COO(CH-CO-ベンジル、CHR-(CH-O-CO-(C~C)-アルキル、CHR-(CH-O-CO-フェニル、CHR-(CH-O-CO-ベンジル、CHR-(CH-2-フルフリル、又はCHR-(CH-O-(CH-2-フルフリルであるが、
(式中、
は、(C~C)-アルキル、又は-OH若しくはハロゲンで置換された(C~C)-アルキルであり、
nは、1~4であり、
mは、1~4であり、且つ
pは、0~3である)、
但し、R及びRのうちの少なくとも一つは水素ではない]
並びに
少なくとも1種の式(2)の染料、
【化2】

[式中、それぞれ互いに独立して
及びRは、水素、(C~C)-アルキル、(CH-フェニル、CH-CH=CH、(CH-OH、(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-O-フェニル、(CH-O-ベンジル、(CH-O-(CH-OH、(CH-O-(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-O-(CH-O-フェニル、(CH-O-(CH-O-ベンジル、(CH-COOH、(CH-COO-(C~C)-アルキル、(CH-COO-フェニル、(CH-COO-ベンジル、(CH-CN、(CH-COO(CH-CO-(C~C)-アルキル、(CH-COO(CH-CO-フェニル、(CH-COO(CH-CO-ベンジル、(CH-O-CO-(C~C)-アルキル、(CH-O-CO-フェニル、(CH-O-CO-ベンジル、COO-(CH-2-フルフリル、又は(CH-O-(CH-2-フルフリルであるが、
(式中、
nは、1~4であり、且つ
mは、1~4である)、
但し、R及びRのうちの少なくとも一つは水素ではなく、
10は、水素、(C~C)-アルキル、又は(C~C)-アルコキシであり、
11は、水素、カルボキシ、(C~C)-アルキル、ハロゲン、アシルアミノ、-NHCO-アリール、-NHCO-ベンジル、又はスルホニルアミノであり、
及びXは、水素、ハロゲン、ニトロ、又はシアノであるが、
但し、X及びXのうちの少なくとも一つは水素ではない
且つ
Lは、水素であるか、又は
がニトロであり且つXが水素である場合には、Lは、水素又はフルオロである]。
【発明を実施するための形態】
【0006】
式(1)の染料さらには式(2)の染料の両方に関連して、全体として好ましい組合せを形成する、好ましいものが存在する。
【0007】
式(1)の染料の選択に関して、少なくとも1種の式(1)の染料において、互いに独立して、先に述べた染料混合物が好ましい:
が、水素、メチル又はメトキシであり、
が、水素、ヒドロキシ、COOH、COO-(C~C)-アルキル、(C~C)-アルキル、-NHCO-(C~C)-アルキル、-NHCO-アリール、-NHCO-ベンジル、又は-NHSO-(C~C)-アルキルであり、
及びRが、水素、(C~C)-アルキル、(CH)-フェニル、CH-CH=CH、(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-O-フェニル、(CH-O-ベンジル、(CH-O-(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-O-(CH-O-フェニル、(CH-O-(CH-O-ベンジル、(CH-COO-(C~C)-アルキル、(CH-COO-フェニル、(CH-COO-ベンジル、(CH-CN、(CH-COO(CH-CO-(C~C)-アルキル、(CH-COO(CH-CO-ベンジル、(CH-O-CO-(C~C)-アルキル、(CH-O-CO-フェニル、(CH-O-CO-ベンジル、COO-(CH-2-フルフリル、(CH-O-(CH-2-フルフリル、CHR-CH=CH、CHR-(CH-O-(C~C)-アルキル、CHR-(CH-O-フェニル、CHR-(CH-O-ベンジル、CHR-(CH-O-(CH-O-(C~C)-アルキル、CHR-(CH-O-(CH-O-フェニル、CHR-(CH-O-(CH-O-ベンジル、CHR-(CH-COO-(C~C)-アルキル、CHR-(CH-COO-フェニル、CHR-(CH-COO-ベンジル、CHR-(CH-CN、CHR-(CH-COO(CH-CO-(C~C)-アルキル、CHR-(CH-COO(CH-CO-フェニル、CHR-(CH-COO(CH-CO-ベンジル、CHR-(CH-O-CO-(C~C)-アルキル、CHR-(CH-O-CO-フェニル、又はCHR-(CH-O-CO-ベンジルであるが、
(式中、
は、(C~C)-アルキル、又は-OH若しくはハロゲンで置換された(C~C)-アルキルであり、
nは、1又は2であり、
mは、1又は2であり、且つ
pは、0又は1である)、
但し、R及びRのうちの少なくとも一つが水素ではない。
【0008】
より好ましいのは、少なくとも1種の式(1)の染料において、互いに独立している、先に述べた染料混合物である:
が、水素又はメトキシであり、
が、水素、メチル、又は-NHCO-(C~C)-アルキルであり、
及びRが、水素、(C~C)-アルキル、(CH)-フェニル、CH-CH=CH、(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-O-フェニル、(CH-O-ベンジル、(CH-O-(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-COO-(C~C)-アルキル、(CH-COO-フェニル、(CH-COO-ベンジル、(CH-CN、(CH-COO(CH-CO-(C~C)-アルキル、(CH-COO(CH-CO-ベンジル、(CH-O-CO-(C~C)-アルキル、(CH-O-CO-フェニル、COO-(CH-2-フルフリル、又は(CH-O-(CH-2-フルフリル、CHR-(CH-COO-(C~C)-アルキルであるが、
(式中、
は、(C~C)-アルキルであり、
nは、1又は2であり、
mは、1又は2である)
但し、R及びRのうちの少なくとも一つが水素ではない。
【0009】
少なくとも1種の式(1)の染料が、式(1a)の染料である、先に述べた染料混合物が、本発明の好ましい実施態様を形成する:
【化3】

[式中、それぞれ互いに独立して
及びRは、水素、(C~C)-アルキル、(CH)-フェニル、CH-CH=CH、(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-O-フェニル、(CH-O-ベンジル、(CH-O-(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-COO-(C~C)-アルキル、(CH-COO-フェニル、(CH-COO-ベンジル、(CH-CN、(CH-COO(CH-CO-(C~C)-アルキル、(CH-COO(CH-CO-ベンジル、(CH-O-CO-(C~C)-アルキル、(CH-O-CO-フェニル、COO-(CH-2-フルフリル、(CH-O-(CH-2-フルフリル、又はCHR-(CH-COO-(C~C)-アルキルであるが、
(式中、
は、(C~C)-アルキルであり、
nは、1又は2であり、
mは、1又は2であり、且つ
pは、0又は1である)
但し、R及びRのうちの少なくとも一つは水素ではなく、且つ
及びRは、エチル又はメチルである]
【0010】
少なくとも1種の式(1)の染料が、式(1b)の染料である、先に述べた染料混合物が、本発明の好ましい実施態様を形成する:
【化4】

[式中、それぞれ互いに独立して
及びRは、水素、(C~C)-アルキル、(CH)-フェニル、CH-CH=CH、(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-O-フェニル、(CH-O-ベンジル、(CH-O-(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-COO-(C~C)-アルキル、(CH-COO-フェニル、(CH-COO-ベンジル、(CH-CN、(CH-COO(CH-CO-(C~C)-アルキル、(CH-COO(CH-CO-ベンジル、(CH-O-CO-(C~C)-アルキル、(CH-O-CO-フェニル、COO-(CH-2-フルフリル、(CH-O-(CH-2-フルフリル、又はCHR-(CH-COO-(C~C)-アルキルであるが、
(式中、
は、(C~C)-アルキルであり、
nは1又は2であり、
mは、1又は2であり、且つ
pは、0又は1である)、
但し、R及びRのうちの少なくとも一つは水素ではなく、且つ
は、エチル又はメチルである]
【0011】
少なくとも1種の式(1)の染料が、式(1c)の染料である、先に述べた染料混合物が、本発明のさらに別の好ましい実施態様を形成する:
【化5】

[式中、それぞれ互いに独立して
及びRは、水素、(C~C)-アルキル、(CH)-フェニル、CH-CH=CH、(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-O-フェニル、(CH-O-ベンジル、(CH-O-(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-COO-(C~C)-アルキル、(CH-COO-フェニル、(CH-COO-ベンジル、(CH-CN、(CH-COO(CH-CO-(C~C)-アルキル、(CH-COO(CH-CO-ベンジル、(CH-O-CO-(C~C)-アルキル、(CH-O-CO-フェニル、COO-(CH-2-フルフリル、(CH-O-(CH-2-フルフリル、又はCHR-(CH-COO-(C~C)-アルキルであるが、
(式中、
は、(C~C)-アルキルであり、
nは1又は2であり、
mは、1又は2であり、且つ
pは、0又は1である)、
但し、R及びRのうちの少なくとも一つは水素ではない]
【0012】
最も好ましいのは、少なくとも1種の式(1)の染料が、以下のものからなる群から選択される、先に述べた染料混合物である:
【化6】

【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【化15】
【0013】
式(2)の染料の選択に関して、少なくとも1種の式(2)の染料において、互いに独立している、先に述べた染料混合物が好ましい:
及びRが、水素、(C~C)-アルキル、(CH)-フェニル、CH-CH=CH、(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-O-フェニル、(CH-O-ベンジル、(CH-O-(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-O-(CH-O-フェニル、(CH-O-(CH-O-ベンジル、(CH-COO-(C~C)-アルキル、(CH-COO-フェニル、(CH-COO-ベンジル、(CH-CN、(CH-COO(CH-CO-(C~C)-アルキル、(CH-COO(CH-CO-フェニル、(CH-COO(CH-CO-ベンジル、(CH-O-CO-(C~C)-アルキル、(CH-O-CO-フェニル、(CH-O-CO-ベンジル、COO-(CH-2-フルフリル、又は(CH-O-(CH-2-フルフリルであるが
(式中、
nは、1又は2であり、且つ
mは、1又は2である)、
但し、R及びRのうちの少なくとも一つが水素ではなく、
10が、水素、メチル又はメトキシであり、
11が、水素、ヒドロキシ、COOH、COO-(C~C)-アルキル、(C~C)-アルキル、-NHCO-(C~C)-アルキル、-NHCO-アリール、-NHCO-ベンジル、又は-NHSO-(C~C)-アルキルであり、
及びXが、水素、クロロ、ブロモ、ニトロ、又はシアノであるが、
但し、X及びXのうちの少なくとも一つが水素ではなく、
且つ
Lが、水素であるか、又は
がニトロであり且つXが水素である場合には、Lが、水素又はフルオロである。
【0014】
より好ましいのは、少なくとも1種の式(2)の染料において、互いに独立している、先に述べた染料混合物である:
及びRが、水素、(C~C)-アルキル、(CH)-フェニル、CH-CH=CH、(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-O-フェニル、(CH-O-ベンジル、(CH-O-(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-COO-(C~C)-アルキル、(CH-COO-フェニル、(CH-COO-ベンジル、(CH-CN、(CH-COO(CH-CO-(C~C)-アルキル、(CH-COO(CH-CO-フェニル、(CH-COO(CH-CO-ベンジル、(CH-O-CO-(C~C)-アルキル、(CH-O-CO-フェニル、COO-(CH-2-フルフリル、又は(CH-O-(CH-2-フルフリルであるが、
(式中、
nは、1又は2であり、且つ
mは、1又は2である)、
但し、R及びRのうちの少なくとも一つが水素ではなく、
10が、水素又はメトキシであり、
11が、水素、メチル、又は-NHCO-(C~C)-アルキルであり、
及びXが、水素、ブロモ、クロロ、ニトロ、又はシアノであるが、
但し、X及びXのうちの少なくとも一つが水素ではなく、
且つ
Lが、水素であるか、又は
がニトロであり且つXが水素である場合には、Lが、水素又はフルオロである。
【0015】
少なくとも1種の式(2)の染料が、式(2a)の染料である、先に述べた染料混合物が、本発明の好ましい実施態様を形成する:
【化16】

[式中、それぞれ互いに独立して
及びRは、水素、(C~C)-アルキル、(CH)-フェニル、CH-CH=CH、(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-O-フェニル、(CH-O-ベンジル、(CH-O-(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-COO-(C~C)-アルキル、(CH-COO-フェニル、(CH-COO-ベンジル、(CH-CN、(CH-COO(CH-CO-(C~C)-アルキル、(CH-COO(CH-CO-フェニル、(CH-COO(CH-CO-ベンジル、(CH-O-CO-(C~C)-アルキル、(CH-O-CO-フェニル、COO-(CH-2-フルフリル、又は(CH-O-(CH-2-フルフリルであるが、
(式中、
nは、1又は2であり、且つ
mは、1又は2である)、
但し、R及びRのうちの少なくとも一つは水素ではなく、
及びRは、エチル又はメチルであり、
は、水素、ブロモ、クロロ、ニトロ、又はシアノであり、
は、水素、ニトロ、又はシアノであるが、
但し、X及びXは、両方がニトロではなく、
且つ
Lは、水素であるか、又は
がニトロであり且つXが水素である場合には、Lは、水素又はフルオロである]
【0016】
少なくとも1種の式(2)の染料が、式(2b)の染料である、先に述べた染料混合物が、本発明のまた別の好ましい実施態様を形成する:
【化17】

[式中、
及びRは、水素、(C~C)-アルキル、(CH)-フェニル、CH-CH=CH、(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-O-フェニル、(CH-O-ベンジル、(CH-O-(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-COO-(C~C)-アルキル、(CH-COO-フェニル、(CH-COO-ベンジル、(CH-CN、(CH-COO(CH-CO-(C~C)-アルキル、(CH-COO(CH-CO-フェニル、(CH-COO(CH-CO-ベンジル、(CH-O-CO-(C~C)-アルキル、(CH-O-CO-フェニル、COO-(CH-2-フルフリル、又は(CH-O-(CH-2-フルフリルであるが、
(式中、
nは、1又は2であり、且つ
mは、1又は2である)、
但し、R及びRのうちの少なくとも一つは水素ではなく、
は、エチル又はメチルであり、且つ
は、水素、ブロモ、クロロ、ニトロ、又はシアノであり、
は、水素、ニトロ、又はシアノであるが、
但し、X及びXは、両方がニトロではなく、
且つ
Lは、水素であるか、又は
がニトロであり且つXが水素である場合には、Lは、水素又はフルオロである]
【0017】
少なくとも1種の式(2)の染料が、式(2c)の染料である、先に述べた染料混合物が、本発明のさらに別の好ましい実施態様を形成する:
【化18】

[式中、それぞれ互いに独立して
は、水素又は-NHCO-(C~C)-アルキルであり、
及びRは、水素、(C~C)-アルキル、(CH)-フェニル、CH-CH=CH、(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-O-フェニル、(CH-O-ベンジル、(CH-O-(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-COO-(C~C)-アルキル、(CH-COO-フェニル、(CH-COO-ベンジル、(CH-CN、(CH-COO(CH-CO-(C~C)-アルキル、(CH-COO(CH-CO-フェニル、(CH-COO(CH-CO-ベンジル、(CH-O-CO-(C~C)-アルキル、(CH-O-CO-フェニル、COO-(CH-2-フルフリル、又は(CH-O-(CH-2-フルフリルであるが、
(式中、
nは、1又は2であり、且つ
mは、1又は2である)、
但し、R及びRのうちの少なくとも一つは水素ではなく、
及びXは、ブロモ又はクロロである]
【0018】
少なくとも1種の式(2)の染料が、式(2d)の染料である、先に述べた染料混合物が、本発明のさらにまた別の好ましい実施態様を形成する:
【化19】

[式中、それぞれ互いに独立して
及びRは、水素、(C~C)-アルキル、(CH)-フェニル、CH-CH=CH、(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-O-フェニル、(CH-O-ベンジル、(CH-O-(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-COO-(C~C)-アルキル、(CH-COO-フェニル、(CH-COO-ベンジル、(CH-CN、(CH-COO(CH-CO-(C~C)-アルキル、(CH-COO(CH-CO-フェニル、(CH-COO(CH-CO-ベンジル、(CH-O-CO-(C~C)-アルキル、(CH-O-CO-フェニル、COO-(CH-2-フルフリル、又は(CH-O-(CH-2-フルフリルであるが、
(式中、
nは、1又は2であり、且つ
mは、1又は2である)、
但し、R及びRのうちの少なくとも一つは水素ではなく、
は、エチル又はメチルであり、
10は、水素、メチル又はメトキシであり、
は、クロロ、ブロモ、ニトロ、又はシアノであり、
且つ
Lは、水素であるか、又は
がニトロである場合には、Lは水素又はフルオロである]
【0019】
最も好ましいのは、少なくとも1種の式(2)の染料が、以下のものからなる群から選択される、先に述べた染料混合物である:
【化20】

【化21】

【化22】

【化23】

【化24】

【化25】

【化26】

【化27】

【化28】

【化29】

【化30】

【化31】
【0020】
また、上に示したものから選択される多数の各種染料に関連して、好ましい染料混合物が存在する。
【0021】
好ましいのは、1種の式(1)の染料と1種の式(2)の染料とを含む染料混合物である。
【0022】
好ましいのは、2種の式(1)の染料と1種の式(2)の染料とを含む染料混合物である。
【0023】
好ましいのは、1種の式(1)の染料と2種の式(2)の染料とを含む染料混合物である。
【0024】
そして、好ましいのは、2種の式(1)の染料と2種の式(2)の染料とを含む染料混合物である。
【0025】
好ましい式(1)の染料と好ましい式(2)の染料を一つの染料混合物として組合せて、互いに独立している、先に述べた染料混合物が特に好ましい:
が、水素、メチル又はメトキシであり、
が、水素、ヒドロキシ、COOH、COO-(C~C)-アルキル、(C~C)-アルキル、-NHCO-(C~C)-アルキル、-NHCO-アリール、-NHCO-ベンジル、又は-NHSO-(C~C)-アルキルであり、
~Rが、水素、(C~C)-アルキル、(CH)-フェニル、CH-CH=CH、(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-O-フェニル、(CH-O-ベンジル、(CH-O-(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-O-(CH-O-フェニル、(CH-O-(CH-O-ベンジル、(CH-COO-(C~C)-アルキル、(CH-COO-フェニル、(CH-COO-ベンジル、(CH-CN、(CH-COO(CH-CO-(C~C)-アルキル、(CH-COO(CH-CO-フェニル、(CH-COO(CH-CO-ベンジル、(CH-O-CO-(C~C)-アルキル、(CH-O-CO-フェニル、(CH-O-CO-ベンジル、COO-(CH-2-フルフリル、又は(CH-O-(CH-2-フルフリルであるが
(式中、
nは、1又は2であり、且つ
mは、1又は2である)、
但し、式(1)におけるR及びRが、(CH-COO(CH-CO-フェニルではなく、且つ式(1)におけるR及びRの少なくとも一つ、並びに式(2)におけるR及びRの少なくとも一つが水素ではなく、
10が、水素、メチル又はメトキシであり、
11が、水素、ヒドロキシ、COOH、COO-(C~C)-アルキル、(C~C)-アルキル、-NHCO-(C~C)-アルキル、-NHCO-アリール、-NHCO-ベンジル、又は-NHSO-(C~C)-アルキルであり、
及びXが、水素、クロロ、ブロモ、ニトロ、又はシアノであるが、
但し、式(2)におけるX及びXのうちの少なくとも一つが水素ではなく、
且つ
Lが、水素であるか、又は
がニトロであり且つXが水素である場合には、Lが、水素又はフルオロである。
【0026】
したがって、さらにより好ましいのは、上述の染料混合物であって、それぞれ互いに独立して、以下の基のものである:
が、水素又はメトキシであり、
が、水素、メチル、又は-NHCO-(C~C)-アルキルであり、
~Rが、水素、C~C-アルキル、(CH)-フェニル、CH-CH=CH、(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-O-フェニル、(CH-O-ベンジル、(CH-O-(CH-O-(C~C)-アルキル、(CH-COO-(C~C)-アルキル、(CH-COO-フェニル、(CH-COO-ベンジル、(CH-CN、(CH-COO(CH-CO-(C~C)-アルキル、(CH-COO(CH-CO-フェニル、(CH-COO(CH-CO-ベンジル、(CH-O-CO-(C~C)-アルキル、(CH-O-CO-フェニル、COO-(CH-2-フルフリル、又は(CH-O-(CH-2-フルフリルであるが、
(式中、
nは、1又は2であり、且つ
mは、1又は2である)、
但し、式(1)におけるR及びRが、(CH-COO(CH-CO-フェニルではなく、且つ式(1)におけるR及びRの少なくとも一つ、並びに式(2)におけるR及びRの少なくとも一つが水素ではなく、
10が、水素又はメトキシであり、
11が、水素、メチル、又は-NHCO-(C~C)-アルキルであり、
及びXが、水素、ブロモ、クロロ、ニトロ、又はシアノであるが、
但し、式(2)におけるX及びXのうちの少なくとも一つが水素ではなく、
且つ
Lが、水素であるか、又は
がニトロであり且つXが水素である場合には、Lが、水素又はフルオロである。
【0027】
特に好ましいのは、式(1a)の少なくとも1種の染料と式(2a)の少なくとも1種の染料とを含む、先に述べた染料混合物である。
【0028】
さらに、特に好ましい染料混合物としては、以下のものが挙げられる:
- 少なくとも1種の式(1a)の染料及び少なくとも1種の式(2b)の染料
- 少なくとも1種の式(1a)の染料及び少なくとも1種の式(2c)の染料
- 少なくとも1種の式(1a)の染料及び少なくとも1種の式(2d)の染料
- 少なくとも1種の式(1b)の染料及び少なくとも1種の式(2a)の染料
- 少なくとも1種の式(1b)の染料及び少なくとも1種の式(2b)の染料
- 少なくとも1種の式(1b)の染料及び少なくとも1種の式(2c)の染料
- 少なくとも1種の式(1b)の染料及び少なくとも1種の式(2d)の染料。
【0029】
最も好ましいのは、先に述べた染料(1-1)~(1-43)からなるリストから選択される少なくとも1種の染料と、染料(2-1)~(2-54)からなるリストから選択される少なくとも1種の染料とを含む染料混合物である。
【0030】
同様に好ましいのは、式(3)、(4)及び(5)の染料からなる群から選択される1種又は複数の染料を含む、先に述べた染料混合物である。
【化32】

[式中、それぞれ互いに独立して
は、水素又はニトロであり、
は、(C~C)-アルキル、フェニル、又は(CH-フェニルであり、
は、(C~C)-アルキル、又は(CH-フェニルであり、
は、水素、ニトロ、シアノ、カルボキシ、(C~C)-アルキル、又は(C~C)-アルコキシであり、且つ
mは、1~4である]
【0031】
より好ましいのは、以下の基を含む、式(3)、(4)及び(5)の染料からなる群から選択される1種又は複数の染料を含む、先に述べた染料混合物である:
が、水素又はニトロであり、
が、(C~C)-アルキル、又は(CH-フェニルであり、
が、(C~C)-アルキル、又は(CH-フェニルであり、
が、水素、ニトロ、シアノ、又はカルボキシであり、且つ
mが、1又は2である。
【0032】
さらにより好ましいのは、以下の基を含む、式(3)、(4)及び(5)の染料からなる群から選択される1種又は複数の染料を含む、先に述べた染料混合物である:
が、水素又はニトロであり、
が、(C~C)-アルキル、又は(CH-フェニルであり、
が、(C~C)-アルキル、又は(CH-フェニルであり、
が、水素であり、且つ
mが、1又は2である。
【0033】
先に述べた染料混合物が、以下のものからなる染料から選択される少なくとも1種の式(3)の染料を含んでいる場合には、特に好ましい。
【化33】

【化34】
【0034】
先に述べた染料混合物が、以下のものからなる染料から選択される少なくとも1種の式(4)の染料を含んでいる場合には、特に好ましい。
【化35】
【0035】
先に述べた染料混合物が、以下のものからなる染料から選択される少なくとも1種の式(5)の染料を含んでいる場合には、特に好ましい。
【化36】
【0036】
式(1)及び(2)の染料は公知であり、公知の手順、たとえば米国特許第4,619,993号明細書、東独特許第209 641号明細書、及び欧州特許第0 864 615号明細書に従って調製することができる。
【0037】
式(3)、(4)及び(5)の染料は、公知であり、たとえば以下の文献からの公知の手順に従って調製することができる:欧州特許第0 440 072号明細書、独国特許第19 646 429号明細書、英国特許第2 300 863号明細書、米国特許第4,140,684号明細書、及び独国特許第1544446号明細書。
【0038】
以下の工程を含む、上述の染料混合物を製造するための一般的なプロセスが、本発明のさらに別な態様を構成する:
a)式(1)及び(2)の染料、並びに場合によっては式(3)及び/又は(4)及び/又は(5)の染料を混合する工程、
b)工程a)で得られた混合物を均質化する工程。
【0039】
その混合物の中の染料の量にも、好ましい範囲が存在する:
先に述べた染料混合物の染料成分の範囲(重量%)は、好ましくは以下の通りである:
式1の染料:10~90、
式2の染料:90~10。
【0040】
より好ましくは、以下の通りである:
式1の染料:25~75、
式2の染料:75~25。
【0041】
その染料混合物の中に、追加の染料が存在しないこれらの場合においては、式(1)と式(2)の染料の合計量が、100重量%となる。他の染料(好ましくは、式(3)、(4)及び(5)の染料から選択されたもの)が存在しているような場合においては、その染料の量は、好ましくは以下のようになる:
式1の染料:10~80、
式2の染料:80~10、
他の染料:10~35、
この場合もまた、存在する染料を全部合計したものが100重量%となる。
【0042】
そして、より好ましくは:
式1の染料:25~60、
式2の染料:60~25、
式3、4、及び/又は5の染料:15~30、
この場合もまた、存在する染料を全部合計したものが100重量%となる。
【実施例
【0043】
実施例1
a)55部の式(1-16)を有する染料を、45部の式(2-2)の染料と混合した。そのようにして得られた本発明の染料混合物を、100部のリグニンスルホネート分散剤(Reax 85A)及び300部の水と共に、激しく混合した。希硫酸を用いて、その混合物のpHを5.5±0.2に調節し、そしてガラスビーズミル(0.4~0.7mmのガラスビーズ)の中で4~6時間かけて摩砕して、0.3~5マイクロメートルの粒径とした。その摩砕した染料混合物のスラリーを、ガラスビーズから濾別し、実験室用噴霧乾燥器(Buchi)の中で、入口温度120℃、出口温度60~70℃で噴霧乾燥させた。
b)a)に従って得られた染料混合物の1gを、40~50℃で100mLの水の中に分散させる。11.5mLのこの水性分散体、57.5mLの脱イオン水、及び1.2mLの緩衝溶液(pH=4.5)から染浴を調製し、5gのポリエステル片を入れる。Werner Mathis高温染色機の中で、その染浴を加熱して130℃とし、130℃で45分間維持する。水を用いてすすぎ、還元洗浄をした後では、そのポリエステル物質は、濃色の色調(deep shades)への良好な濃色染着性(build up)、良好な光堅牢性及び極めて良好な湿潤堅牢性を有する、青色/紺色(blue/navy)の染色を有している。
【0044】
実施例2
30部の式(1-15)の染料を、30部の式(1-16)の染料及び40部の式(2-28)の染料粉体と混合した。
【0045】
そのようにして得られた本発明の染料混合物を、分散剤を使用して配合し、実施例1a)と同様にして噴霧乾燥により乾燥させると、1b)と同様の染色条件下では、ポリエステル又はポリエステルブレンド物に、良好な光堅牢性及び極めて良好な湿潤堅牢性を有する、青色/紺色の染色を与える。
【0046】
実施例3
46部の式(1-11)の染料を、28部の式(2-1)の染料と混合し、そして26部の式(2-30)の染料粉体と混合した。
【0047】
そのようにして得られた本発明の染料混合物を、分散剤を使用して配合し、実施例1a)と同様にして噴霧乾燥により乾燥させると、1b)と同様の染色条件下では、ポリエステル又はポリエステルブレンド物に、良好な光堅牢性及び極めて良好な湿潤堅牢性を有する、赤紺色(reddish navy)の染色を与える。
【0048】
実施例4
50部の式(1-22)の染料を、50部の式(2-26)の染料と混合した。
【0049】
そのようにして得られた本発明の染料混合物を、分散剤を使用して配合し、実施例1a)と同様にして噴霧乾燥により乾燥させると、1b)と同様の染色条件下では、ポリエステル又はポリエステルブレンド物に、良好な光堅牢性及び極めて良好な湿潤堅牢性を有する、青色の染色を与える。
【0050】
以下の表における実施例はすべて、先に説明した配合により調製した。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
本発明の染料混合物を染色に使用する場合、その染料混合物を、常法に従って分散剤及び湿潤剤の手段を使用して水性媒体中に分散させて、疎水性の織物繊維を染色又は捺染するための染浴を調製する。
【0054】
そしてまた、繊維、さらにはそのような繊維のブレンド物を染色するために先に述べた染料混合物を使用することも、本発明の態様を形成する。
【0055】
合成織物材料は、芳香族ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、特にポリヘキサメチレンアジパミド、2級セルロースアセテート、セルローストリアセテート、並びに天然織物材料、特にセルロース系材料及び羊毛から好適に選択することができる。特に好ましい織物材料は、芳香族ポリエステル又は、それと上述の織物材料のいずれかの繊維との繊維ブレンド物である。特に好ましい繊維ブレンド物としては、ポリエステル-綿のようなポリエステル-セルロース、及びポリエステル-ウールなどが挙げられる。織物材料又はそのブレンド物は、フィラメント、ばら繊維(loose fibres)、糸又は、織布若しくは編み物などの形態をとり得る。
【0056】
具体的には、ポリエステル繊維の中でも、通常のポリエステル繊維(普通デニール繊維)だけでなくミクロ繊維(極細デニール繊維、0.6デニール未満のもの)も、本発明の染料混合物を用いて満足のいくレベルに染色することが可能な繊維として使用できる。
【0057】
一般的には、あらゆる種類の繊維が染色可能であり、従って先に述べた染料混合物を化学的及び/又は物理的に結合された形で含む、以下のものからなる群から選択される繊維、さらにはそのような繊維を含むブレンド物も、本発明のまた別な態様を形成する:合成繊維材料、ナイロン材料、ナイロン-6、ナイロン-6.6及びアラミド繊維、野菜繊維、種子繊維、綿、有機綿、カポック、ヤシ殻からのコイア;靱皮繊維、亜麻、大麻、ジュート、ケナフ、ラミー、籐;葉繊維、サイザル麻、ヘネケ麻、バナナ;茎繊維、竹;動物からの繊維、ウール、オーガニックウール、絹、カシミヤウール、アルパカ繊維、モヘア、アンゴラ繊維、さらには毛皮及び皮革材料;人造、再生、及びリサイクル繊維、セルロース系繊維;紙繊維、セルロース系再生繊維、ビスコースレーヨン繊維、アセテート及びトリアセテート繊維、並びにLyocell繊維。
【0058】
分散剤の典型的な例を挙げれば、リグノスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸/ホルムアルデヒド縮合物及びフェノール/クレゾール/スルファニル酸/ホルムアルデヒド縮合物などがあり、湿潤剤の典型的な例を挙げれば、スルホン化又はリン酸化されていてもよいアルキルアリールエトキシレートなどがあり、また、共存させてもよいその他の成分の典型的な例を挙げれば、無機塩、鉱油又はノナノールのような制塵剤、有機液体及び緩衝剤などがある。分散剤は、染料混合物の重量を基準にして、30~500%の量で存在してもよい。制塵剤は、染料混合物の重量を基準にして、0~5%の量で使用してもよい。
【0059】
カルボキサミド及び/又はヒドロキシル含有材料を、上述の染料混合物及び/又は上述の水溶液と接触させることを含む、カルボキサミド及び/又はヒドロキシル含有材料を染色又は捺染するためのプロセスも、本発明のさらに別な態様を構成する。
【0060】
たとえば、染色の場合、ポリエステル繊維、及びポリエステル繊維を含む交織織物製品のブレンド糸織物のような繊維混合製品は、一般的な染色法、たとえば高温染色法、キャリヤー染色法及びサーモゾル染色法により、良好な色堅牢性を有する染色をすることが可能である。いくつかの場合においては、染浴に酸性物質を添加することによって、さらにより良好な染色が可能となることもある。
【0061】
好適なプロセス条件は下記のものから選択することができる。
(i)吸尽染色では、pHが4~8.5、圧力1~2バール、温度125~140℃で10~120分、場合によっては金属イオン封鎖剤を添加;
(ii)連続染色では、pHが4~8.5、温度190~225℃で15秒~5分、場合によっては移染防止剤を添加;
(iii)直接捺染では、pHが4~6.5、高温蒸熱処理ならば、温度160~185℃で4~15分、或いは、乾熱を用いたベーク固着ならば、温度190~225℃で15秒~5分、或いは、加圧蒸熱処理ならば、温度120~140℃、1~2バールで10~45分、場合によっては湿潤剤及び増粘剤(たとえばアルギネート)を染料の5~100重量%添加;
(iv)抜染(織物材料の上に染料をパジングし、乾燥し、そしてオーバープリントすることによる)では、pHが4~6.5、場合によっては移染防止剤及び増粘剤を添加;
(v)キャリヤー染色では、pHが4~7.5、温度95~100℃で、キャリヤーとしてたとえばメチルナフタレン、ジフェニルアミン又は2-フェニルフェノールを使用し、場合によっては金属イオン封鎖剤を添加;そして、
(vi)アセテート、トリアセテート及びナイロンの常圧染色では、pHが4~7.5、アセテートの場合は温度約85℃、トリアセテート及びナイロンの場合には温度約90℃で15~90分、場合によっては金属イオン封鎖剤を添加する。
【0062】
上述のプロセスすべてにおいて、その染料混合物は、水性媒体中に0.001~20重量%、好ましくは0.005~16重量%の染料混合物を含む分散体として染着させる。
【0063】
上述の染着方法に加えて、合成織物材料及び繊維ブレンド物に染料混合物をインクジェット捺染によって染着することも可能であるが、その際場合によっては、捺染に役立つような予備処理を基材にしておいてもよい。
【0064】
上述のような染料混合物を含む、デジタル織物捺染のためのインキは、本発明のまた別な態様である。
【0065】
インクジェット染着の場合、その染着媒体には、水及び水溶性有機溶媒を、重量比で、1:99から99:1まで、より好ましくは1:95から50:50まで、特に10:90から40:60までの範囲で含んでいてもよい。好ましい水溶性有機溶媒としては、C~C-アルカノール、特にメタノール又はエタノール、ケトン、特にアセトン又はメチルエチルケトン、2-ピロリドン又はN-メチルピロリドン、グリコール、特にエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ブタン-2,3-ジオール、チオジグリコール又はジエチレングリコール、グリコールエーテル、特にエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル又はジエチレングリコールモノメチルエーテル、尿素、スルホン、特にビス-(2-ヒドロキシエチル)スルホン、又はそれらの混合物などを含む。
【0066】
この染料は、超臨界の二酸化炭素を使用して織物材料に染着させることも可能であるが、その場合には染料配合剤を任意に省略することができる。