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特許7339357ワックスブレンドを含有するカラー化粧品組成物の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-28
(45)【発行日】2023-09-05
(54)【発明の名称】ワックスブレンドを含有するカラー化粧品組成物の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/02 20060101AFI20230829BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20230829BHJP
   A61K 8/25 20060101ALI20230829BHJP
   A61K 8/26 20060101ALI20230829BHJP
   A61K 8/27 20060101ALI20230829BHJP
   A61K 8/29 20060101ALI20230829BHJP
   A61K 8/31 20060101ALI20230829BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20230829BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20230829BHJP
   A61K 8/891 20060101ALI20230829BHJP
   A61K 8/92 20060101ALI20230829BHJP
   A61Q 1/02 20060101ALI20230829BHJP
【FI】
A61K8/02
A61K8/19
A61K8/25
A61K8/26
A61K8/27
A61K8/29
A61K8/31
A61K8/34
A61K8/37
A61K8/891
A61K8/92
A61Q1/02
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021557624
(86)(22)【出願日】2020-03-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-30
(86)【国際出願番号】 US2020025093
(87)【国際公開番号】W WO2020198548
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2021-10-18
(31)【優先権主張番号】16/368,123
(32)【優先日】2019-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】513161449
【氏名又は名称】イーエルシー マネージメント エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベクダック,カーラ
【審査官】▲高▼橋 明日香
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-209296(JP,A)
【文献】特開2007-169230(JP,A)
【文献】特開2017-088497(JP,A)
【文献】特開2013-071919(JP,A)
【文献】特開2011-074006(JP,A)
【文献】特許第5770488(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00-8/99
A61Q 1/00-90/00
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無水の成形可能な化粧品組成物を形成するための方法であって、
a. 第1の容器内で、4つのワックスを組み合わせる工程であって、前記ワックスが、
i. 60℃~65℃の融点を有する第1の合成蜜蝋ワックス、
ii. 33℃~46℃の融点を有する第2のステアリルジメチコン/オクタデセンワックス、
iii. 88℃~96℃の融点を有する第3の微結晶ワックス、
iv. 74℃~80℃の融点を有する第4の微結晶ワックス
により特徴付けられる、工程と、
b. 第1の容器を95℃に加熱して、第1の相を形成する工程と、
c. 少なくとも1つの湿潤剤、及び第2の容器内の少なくとも1種の溶媒を組み合わせる工程と、
d. 前記第2の容器を95℃に加熱して、第2の相を形成する工程と、
e. 前記第1の相及び第2の相を組み合わせて混合物を形成する工程と、
f. 1種以上の顔料を前記混合物に添加して、前記無水の成形可能な化粧品組成物を形成する工程と、
を含み、前記組成物が少なくとも40重量%の前記1種以上の顔料を含み、
前記化粧品組成物が、
i.1重量%~10重量%の前記第1のワックス、
ii.0.5重量%~5重量%の前記第2のワックス、
iii.1重量%~5重量%の前記第3のワックス、
iv.0.5重量%~5重量%の前記第4のワックス、
を含む、方法。
【請求項2】
前記化粧品組成物が、前記化粧品組成物の2重量%~20重量%の量で前記第1の相を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1種以上の紫外線吸収剤を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記紫外線吸収剤が親油性である、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記溶媒が不揮発性である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記溶媒が、シリコーン系溶媒、エステル系溶媒、炭化水素系溶媒、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記溶媒が、エタノール、オクチルドデカノール、イソプロパノール、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記組成物が、13重量%~17重量%の前記溶媒を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記組成物が、タルク、雲母、シリカ、合成フルオロフロゴパイト、酸化亜鉛、マンガンバイオレット、第二鉄フェロシアニド、ウルトラマリンブルー、パール顔料(オキシ塩化ビスマス、グアニン、ホウケイ酸カルシウムナトリウム、ホウケイ酸アルミニウムカルシウム、アルミナ、ポリエチレンテレフタレート)、酸化鉄、酸化チタン、雲母チタン、炭酸カルシウム、タール顔料、他の有機顔料、及びこれらの混合物から成る群から選択される1種以上の顔料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記1種以上の顔料が雲母を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記組成物が、皮膜形成剤を更に含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワックスのブレンドを含む、無水の成形可能な化粧品組成物を形成するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、メークアップ組成物におけるシリコーン流体の使用に対する傾向が高まっている。こうした人気の主な理由は、シリコーンによってもたらされる素晴らしい肌触りにある。シリコーンを含有する製品は、卓越した滑り性と共に肌の上で滑らかに伸び、脂っぽさや非シリコーン油が高頻度で残るといった重たい感覚を生むことすらない。シリコーン油は、今や、例えばファンデーション、コンシーラ、アイシャドウ及びアイライナー、口紅及びリップペンシル、及び頬紅といった液体及び粉末の両方の、実質的に全てのタイプのメークアップ組成物に共通の成分である。
【0003】
シリコーン油の別の魅力的な一面は、それらが塗布される皮膚上に非常に光沢のある外観をもたらす性質である。これは、多くの場合、特定の種類の化粧品、特により若い消費者に向けられたものに対して、輝いた又はつやのある外観が非常に魅力的であるか、又は夜の装用を目的とした化粧品にとって望ましいことが多い。ここで、部分的に淡い照明により、化粧品が生み出す輝きといった点でより大きな許容範囲が可能となる。
【0004】
しかしながら、特定の種類の化粧品、及び/又は特定の種類の消費者に関しては、かなりの量の光沢が望まれず、更に不適切であり得る。より年を重ねたユーザは、非常につやのある又は光沢のあるメークアップを喜ばない場合がある。より成熟した皮膚を特徴付ける細い線及びしわは、最終的に光を直接反射する、つやのある製品によって強調される。特定の年齢の消費者にとってより好ましいのは、光を散乱又は拡散するメークアップであり、それによって「ソフトフォーカス」を提供する。これは線をぼかし、しみを隠す。この種のマスキングを過去に達成しようとする試みは、より高濃度の顔料の使用に大きく依存してきたが、これは多くの場合、消費者の大部分を引き立てない、重たく粉っぽい製品をもたらすことが多い。
【0005】
同様に、特定の環境で使用される製品については、光沢性を排除することが単純に望ましい場合がある。例えば、つやのあるメークアップは、控えめなオフィス環境において不適切であると認識されることが多く、及び/又は典型的なオフィスの強い光の下では過度に輝く場合がある。これらの状況では、化粧品製品に対するよりマットな仕上げを求められ得る。従来、これは、雲母、シリカ、タルクなどの固体粉末を配合物に添加することによって達成されてきた。しかしながら、シリコーン油系組成物の場合、生み出される光沢を和らげることは、従来の化粧油よりも困難である傾向があり、したがって、更に多量の固体充填剤の添加を必要とする。しかしながら、配合物中の固形分の割合が大きいほど、皮膚上の重く、不快な感触がもたらされ、それによってシリコーン油の利益の一部をある程度相殺する。あるいは、配合物中に水又は揮発性油などの1種以上の揮発性成分を含むことにより、よりマットな外観を達成することができ、揮発性が塗布時に蒸発すると、これは組成物全体に対する顔料の濃度を増加させ、よりマットな外観をもたらす。しかしながら、これはまた、皮膚上に乾燥し、粉っぽい外観をもたらし得る。更に、揮発物、特に水を使用することは、無水口紅製品などの全ての製品において適切ではなく、かつ/又は実現可能ではない。また、パッケージ内の製品からの揮発性の損失を防止するために、特殊な、多くの場合高価な気密包装を見出す必要性がある。パッケージ内の製品からの揮発性の損失を防止するために、特殊な、多くの場合高価な気密包装を見出す必要性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記に基づいて、高濃度の固体が含まれる場合、既存の配合物によって呈される不快感の欠点を伴わずに、優れたペイオフ性及び美的効果をもたらすことができる化粧品組成物に対する継続的な必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、無水の成形可能な化粧品組成物を形成する方法に関する。本方法によれば、4つの化粧品ワックスを容器内で組み合わせて、第1の相を形成する。溶媒及び湿潤剤を別個の容器内で組み合わせて、第2の相を形成する。次に、第1の相及び第2の相を組み合わせて化粧品組成物を形成する。化粧品組成物は、優れた感触及びペイオフ特性を有する一方で、高い顔料充填を有する。
【0008】
化粧品組成物は、アイシャドウ、頬紅、フェイスパウダー、口紅などの形態であってもよい。
【0009】
以下、本発明の他の態様について説明する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書は、本発明を特に指摘し明確に主張する請求項をもって結論とするが、本発明は、以下の説明からよりよく理解されると考えられる。
【0011】
全ての百分率、部、及び比率は、特に断らない限り、本発明の組成物の総重量に基づく。列挙された成分に関連するそのような全ての重量は、活性レベルに基づくため、特に指定のない限り、市販の材料に含まれ得る溶媒又は副生成物を含まない。用語「重量パーセント」は、本明細書において「重量%」として示されてもよい。
【0012】
本明細書で使用するとき、全ての分子量は、別途記載のない限り、グラム/モルとして表される重量平均分子量である。
【0013】
特に明記しない限り、全ての比率は重量比である。
【0014】
本明細書において、「無水」とは、成分の組成が水をほとんど又は全く含有しないことを意味する。好ましくは、無水系、組成物、又は材料は水を含有しない。
【0015】
本明細書において、「熱注入」は、加熱されてその構成成分を融解及び分散させ、次いで冷却すると必ず固化する化粧品配合物を意味する。
【0016】
本明細書において、「cs」は、センチストークスを意味する。
【0017】
本明細書で使用するとき、用語「成形可能」とは、材料が、亀裂又は破断することなく室温で型成形又は成形することができることを意味する。
【0018】
本明細書において、「分子量」は、重量平均分子量に関して測定され、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定される。
【0019】
本明細書で使用するとき、用語「不揮発性溶媒」は、室温で速やかに蒸発しない溶媒を意味する。好ましくは、不揮発性溶媒は、約0.002mg/cm/分以下の蒸発速度を有する。本明細書の蒸発速度は、単位時間(分)当たり単位面積(cm)当たり蒸発した溶媒のmgで表される。
【0020】
本明細書で使用するとき、用語「揮発性溶媒」は、室温で迅速に蒸発する溶媒を意味する。好ましくは、揮発性溶媒は、約0.01mg/cm/分以上の速度を有する。
【0021】
本明細書で使用するとき、用語、「水溶性」は、ポリマーが水に可溶性であることを意味する。一般に、ポリマーは、25℃で、少なくとも0.1重量%、好ましくは少なくとも1重量%、より好ましくは少なくとも5重量%、最も好ましくは少なくとも15重量%の水溶媒の濃度で可溶性であるべきである。
【0022】
本明細書で使用するとき、用語「非水溶性」は、化合物が水に可溶性ではないことを意味する。したがって、化合物は水と混和性ではない。
【0023】
ワックスブレンド
本組成物は、少なくとも4つの化粧用として許容可能なワックスのブレンドを含む。各ワックス成分は、その特定の融解温度範囲又は溶融挙動によって特徴付けられる。ワックスは、天然又は合成であってもよい。少なくとも4種のワックス成分のそれぞれは互いに異なるが、ワックスの融解温度範囲を重複させることが可能であり得る。ワックスのブレンドは、指定された溶融特性に従って、高い顔料充填性、並びに望ましいペイオフ特性及び抵抗特性を有する、成形可能な化粧品組成物を提供すると考えられる。
【0024】
組成物中に存在し得るワックスブレンドの総量は、組成物の約2重量%~約20重量%、より好ましくは約5重量%~約15重量%、最も好ましくは約8重量%~約12重量%であってよい。
【0025】
第1のワックス成分
第1のワックス成分は、約60℃~約65℃の融解温度を有することを特徴とする。好適な第1のワックス成分の非限定的な例としては、例えば、パラフィンワックス、ワセリン、セレジンワックスなどが挙げられる。特に好ましいのは、合成蜜蝋である。第1のワックス成分は、本明細書の組成物中に、組成物の約1重量%~約10重量%、より好ましくは約3重量%~約8重量%、更により好ましくは約4重量%~約6.5重量%の濃度で存在してもよい。
【0026】
第2のワックス成分
第2のワックス成分は、一般に、皮膚と接触すると溶融することができなければならない。したがって、第2のワックスは、約33℃~約46℃の融解温度を有する。好ましくは、第2のワックスは、約42℃未満の融解温度を有する。例示的なワックスとしては、ラウレスワックス、ホホババター、Paramelt(登録商標)LMP(Parameltから入手可能)などの微結晶性ワックス、及びミリア・パネセスフルーツセラワックスなどの天然ワックスを挙げることができる。特に好ましいのは、ステアリルジメチコン/オクタデセン(Dow Corningから商標名Dowsil 2503(登録商標)で入手可能)である。第2のワックス成分は、組成物の約0.5重量%~約5重量%、より好ましくは約1重量%~約4重量%、更により好ましくは約1重量%~約2重量%の濃度で組成物中に存在してもよい。
【0027】
第3のワックス成分
第3のワックス成分は、約88℃~約96℃の融解温度を有することを特徴とする。好適な第3のワックス成分の非限定的な例としては、Strahl&Pitschから入手可能なMicrocrystalline Wax SP 88などの微結晶ワックスが挙げられる。第3のワックス成分は、本明細書の組成物中に、組成物の約1重量%~約5重量%、より好ましくは約2重量%~約4重量%、更により好ましくは約2.5重量%~約3重量%の濃度で存在してもよい。
【0028】
第4のワックス成分
第4のワックス成分は、約74℃~約99℃の融解温度を有することを特徴とする。好適な第2のワックス成分の非限定的な例としては、Sonnebornから入手可能なMultiwax W-835などの微結晶ワックスが挙げられる。第4のワックス成分は、本明細書の組成物中に、組成物の約0.5重量%~約5重量%、より好ましくは約1重量%~約4重量%、更により好ましくは約1重量%~約2重量%の濃度で存在してもよい。
【0029】
溶媒
組成物は、少なくとも1種の溶媒を含む。溶媒は、任意の親油性化粧用として許容可能な溶媒であってよい。好適な例示的な溶媒の種類としては、シリコーン系溶媒、エステル系溶媒、炭化水素系溶媒、及びこれらの混合物が挙げられ得る。シリコーン溶媒は、ジメチコン、シクロメチコン、又は単一分子シリコーンであり得る。エステル系溶媒は、酸の水素をアルキル又は他の有機基で置換することによって製造される有機化合物として定義することができる。炭化水素溶媒は、飽和炭素からなる任意の流体として定義される。
【0030】
溶媒は、例えば、適切なフッ素化及び/又は不揮発性シリコーン油である不揮発性炭化水素系油から選択されてもよい。
【0031】
好適な不揮発性炭化水素系油の非限定的な例としては、動物又は植物起源の炭化水素系の油が挙げられる。このような油としては、例えば、グリセロールの脂肪酸エステルからなるトリグリセリド、C~C24の鎖長を有し得る脂肪酸が挙げられ得、これらの鎖は直鎖又は分枝鎖であり、飽和又は不飽和である。例示的な油としては、ヘプタン酸又はオクタン酸トリグリセリド、小麦胚芽油、ヒマワリ油、グレープシード油、ゴマ油、コーン油、アプリコット油、ヒマシ油、シアバター油、アボカド油、オリーブ油、大豆油、スイートアーモンド油、パーム油、菜種油、綿実油、ヘーゼルナッツ油、マカダミア油、ホホバ油、アルファルファ油、ケシ油、パンプキン油、マロー油、ブラックカラント油、月見草油、キビ油、大麦油、キヌア油、ライ麦油、ベニバナ油、キャンドルナッツ油、トケイソウ油、ジャコウバラ油、及びこれらの混合物が挙げられ得る。他の油としては、シアバター又はカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、例えば、Dynamit Nobelから商品名Miglyol 810(登録商標)、812(登録商標)及び818(登録商標)で販売されているものが挙げられ得る。
【0032】
一実施形態によれば、溶媒はまた、ジイソセチルエーテルなどの乾燥油の定義に対応するもの以外の、10~40個の炭素原子を含有する合成エーテルを含んでもよい。
【0033】
別の実施形態では、溶媒は、石油ゼリー、ポリデセン、Parleam(登録商標)、スクランタン及び液体パラフィンなどの水素添加ポリイソブテン、並びにこれらの混合物などの、鉱物又は合成起源の直鎖又は分枝鎖炭化水素を含んでもよい。
【0034】
別の実施形態によれば、不揮発性溶媒は、乾燥油の定義に対応するもの以外の合成エステルから選択されてもよく、R+R>10の条件で、Rは1~40個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝鎖脂肪酸残基を表し、Rは1~40個の炭素原子を含有する特に分枝状炭化水素系鎖を表す、式RCOORの油などである。このような油としては、例えば、プリセリン油(セトステアリルオクタノエート)、C12~C15アルキルベンゾエート、ヘキシルラウレート、ジイソプロピルアジペート、イソノニルイソノナノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、イソステアリルイソステアレート、2-ヘキシルデシルラウレート、2-オクチルデシルパルミテート、2-オクチルドデシルミリステート、アルキル又はポリアルコールヘプタノエート、オクタノエート、デカノエート、又はプロピレングリコールジオクタノエートなどのリシノール酸塩、及びこれらの混合物が挙げられ得る。他のこのような油としては、イソステアリルラクテート、ジイソステアリルリンゴ酸及び2-オクチルドデシルラクテート、ポリオールエステル、ペンタエリスリトールエステル、及びこれらの混合物などのヒドロキシル化エステルを挙げることができる。
【0035】
更に別の実施形態によれば、不揮発性溶媒は、脂肪族アルコール又は高級脂肪酸から選択されてもよい。好適な脂肪族アルコールとしては、室温で液体であり、12~26個の炭素原子を含有する分枝鎖及び/又は不飽和炭素系鎖を有するものが挙げられる。非限定的な例としては、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2-ヘキシルデカノール、2-ブチルオクタノール、及び2-ウンデシルペンタデカノールを挙げることができる。好適な高級脂肪酸としては、例えば、オレイン酸、リノール酸又はリノレン酸、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0036】
本組成物に使用され得る不揮発性シリコーン油はまた、任意選択的に、アルキル又はアルコキシ基を含むポリジメチルシロキサンを含む不揮発性ポリジメチルシロキサン(PDMS)であってもよく、それらはペンダント鎖及び/又はシリコーン鎖の端にあり、これらの基はそれぞれ2~24個の炭素原子を含有する。このようなPDMSとしては、例えば、フェニルトリメチコン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチル-シロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン、及びこれらの混合物などのフェニルシリコーンを挙げることができる。
【0037】
好ましい実施形態によれば、溶媒は、エタノール、オクチルドデカノール、イソプロパノール、及びこれらの混合物から選択される不揮発性溶媒である。オクチルドデカノールが特に好ましい。
【0038】
不揮発性溶媒は、組成物の約0.5重量%~25%重量%、より好ましくは10重量%~20重量%、最も好ましくは約13重量%~約17重量%の範囲の量で組成物中に存在し得る。
【0039】
一実施形態では、組成物は、揮発性溶媒を含まない、又は実質的に含まない。揮発性溶媒により配合物の課題が生じ、結果として、劣った処理条件及び製品結果がもたらされることが判明している。材料濃度の揮発性溶媒を含む組成物は、劣った感覚特性を有する低い成形可能な組成物をもたらすことができる。
【0040】
顔料
組成物は、高充填された顔料を含む。したがって、組成物は、組成物の少なくとも約35重量%、より好ましくは少なくとも約40重量%、最も好ましくは少なくとも約45重量%の顔料濃度を含む。顔料の充填はまた、組成物の約60重量%未満、より好ましくは約55重量%未満、最も好ましくは約52重量%未満であるべきである。
【0041】
本組成物に有用な顔料の非限定的な例としては、タルク、雲母、シリカ、合成フルオロフロゴパイト、酸化亜鉛、マンガンバイオレット、フェロシアン化第二鉄、ウルトラマリンブルー、パール顔料(オキシ塩化ビスマス、グアニン、ホウケイ酸カルシウムナトリウム、ホウケイ酸アルミニウムカルシウム、アルミナ、ポリエチレンテレフタレート)、酸化鉄、酸化チタン、雲母チタン、炭酸カルシウム、タール顔料、及び他の有機顔料が挙げられる。シリコーン、シラン、及びその誘導体、金属石鹸、フッ素化合物及びその誘導体、レシチン及びその誘導体、アミノ酸及びその塩などで表面処理される顔料も使用することができる。顔料は、好適な溶媒の中で本明細書に開示されるものなどの油性媒体中に分散させることができる。顔料はまた、ヒマシ油のような油性媒体中に予め分散させることもでき、乾燥粉末はその後、選択された媒体中に分散される。
【0042】
好ましい顔料及び粉末としては、タルク、雲母、粘土、カオリン、酸化亜鉛、ナイロン粉末、ウルトラマリン、パール顔料(オキシ塩化ビスマス、グアニン)、酸化鉄、酸化チタン、雲母チタン、炭酸カルシウム、タール顔料、及びこれらの混合物が挙げられる。特に好ましい顔料及び粉末としてはBASFから入手可能なものなど、雲母、雲母チタン、及び/又は雲母パールが挙げられる。
【0043】
湿潤剤
組成物はまた、湿潤剤を含んでもよい。好適な湿潤剤としては、例えば、ソルビタントリオレエート、ポリグリセロール3ジイソステアレート、ソルビタンセスキオレエート、及びこれらの混合物などの約5~7のHLBを有する界面活性剤を挙げることができる。湿潤剤は、組成物の約0.1重量%~約1.5重量%の濃度で存在してもよい。湿潤剤は、顔料が高充填された組成物中に顔料分散体を提供するのに役立つ。
【0044】
紫外線吸収剤
本明細書の組成物は、1種以上の既知の紫外線吸収剤、好ましくは紫外線B領域(波長290~320ナノメートル)で吸収する少なくとも1種の化合物、及び、任意選択的に、紫外線A領域(波長320~400ナノメートル)で吸収する1種以上の他の化合物を含んでもよい。配合物内に含まれる紫外線吸収剤の総量は、約2重量%~約15重量%であってもよく、この量は、日焼け止め又はサンブロックであるかどうかを判定する。本組成物は無水であるため、紫外線剤は親油性であることが好ましい。
【0045】
使用され得る好適な紫外線A吸収剤としては、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾ-トリアゾール(Tinuvin P);2-(2’-ヒドロキシ-5’-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール(Spectra-Sorb UV 5411);2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン(Uvinul 400);2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(オキシベンゾン、Spectra-Sorb UV9、Uvinul M-40);2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン(Uvinul D50);2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン(Uvinul D49);2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(ジオキシベンゾン、Spectra-Sorb UV24);2-エチルヘキシル-4-フェニル-ベンゾフェノンカーボネート(Eusolex 3573);2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4’-メチルベンゾフェノン(メセノン、Uvistat 2211);2-ヒドロキシ-4-(n-オクチルオキシ)ベンゾフェノン(オクタベンゾン、SpectraSorb UV531);4-フェニルベンゾフェノン(Eusolex 3490);2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3’-ジフェニルアクリレート(Uvinul N539);ブチルメトキシジベンゾイルメタン(Parsol 1789)及びベンズフタリド(Escalol 547)が挙げられ得る。
【0046】
紫外線A吸収剤(複数可)は、最終製品中に、配合物の約0重量%~約10重量%で存在してもよい。この量は、選択された特定の作用物質に従って変化し、配合物が日焼けを最小限に抑える又は許容することを意図しているかどうかに応じて変化する。紫外線A吸収剤が使用される場合、好ましい紫外線A吸収剤は、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン単独で、又は2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノンと組み合わせたものである。
【0047】
好適な紫外線B吸収剤としては、4-(ジメチルアミノ)安息香酸、エチルエステル;4-(ジメチルアミノ)安息香酸、2-エチルヘキシルエステル(Escalol 507);4-(ジメチルアミノ)安息香酸、ペンチルエステル(Escalol 506);グリセリルp-アミノ-ベンゾエート(Excalol 106);イソブチルp-アミノ-ベンゾエート(シクロ形態);及びイソプロピルp-アミノ-ベンゾエート;2-エチルヘキシルメトキシシンナメート(Parsol MCX);フェニルベンズイミダゾールスルホン酸(Eusolex 232);サリチル酸ホモメンチル、及びサリチル酸エチルヘキシルが挙げられる。紫外線B吸収剤(複数可)は、最終製品中に、配合物の約1重量%~約15重量%で存在してもよい。この量は、選択される特定の剤及び最終製品において所望される保護の程度に従って変化する。好ましい紫外線B吸収剤は、4-(ジメチルアミノ)安息香酸、2-エチル-ヘキシルエステル(Escalol 507)である。
【0048】
追加の任意成分
本明細書の組成物は、任意に、化粧用として許容可能な、1種以上の追加の成分を含有してもよい。
【0049】
このような追加成分の例としては、特に脂肪族物質;有機溶媒、イオン性又は非イオン性、親水性、又は親油性増粘剤;軟化剤;保湿剤;乳白剤;安定剤;防腐剤;皮膚軟化剤;シリコーン;消泡剤;芳香剤;防腐剤;アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双性界面活性剤、又は両性界面活性剤;充填剤;ポリマー;噴射剤;酸性化剤又は塩基性剤;顔料;染料;化粧用日焼け剤;無機光保護剤及び化粧品又は皮膚科学組成物に一般的に使用される任意の他の成分の中から選択される従来の美容補助剤であり得るが、これらに限定されない。
【0050】
脂肪族物質は油であってもよい。用語「油」は、室温で親油性液体である化合物を意味する。言及され得る油としては、鉱油(パラフィン);植物油(スイートアーモンド油、マカダミオ油、グレープシード油又はホホバエステル/油);合成油、例えば、ペルヒドロスクアレン、脂肪族アルコール、脂肪酸又は脂肪酸エステル(例えばWitcoによる「Witconol TN」の「Finsolv TN」の名称で市販されているC12~C15アルキルベンゾエート、オクチルパルミテート、イソノニルイソノナノエート、ラノレートイソプロピル及びトリグリセリド、カプリン酸/カプリル酸トリグリセリドを含む)、ジカプリリルカーボネートなどのジアルキルカーボネート、オキシエチレン化又はオキシプロピレン化脂肪酸エステル及びエーテル;シリコーン油(シクロメチコン及びジメチコンなどのポリジメチルシロキサン)又はフッ素油、及びポリアルキレンが挙げられる。米国特許第7,357,920号に開示されているものなどの少なくとも1つのアミド構造を含有する油も使用することができる。
【0051】
所望であれば、本明細書の組成物のレオロジー特性を調整するために、1種以上の親油性増粘剤を組成物に添加してもよい。言及され得る親油性増粘剤としては、ヘクトライト及びその誘導体などの変性粘土、例えば、「Bentone」という名称で市販されている製品が挙げられ得る。
【0052】
本発明の組成物に添加され得る充填剤又はポリマーとしては、限定されないが、絹、セルロース、及び羊毛などの天然繊維;ポリアミドなどの合成繊維(「ナイロン(登録商標)とも言及される」及びレーヨン;並びにポリアミド、ポリアクリレート、及びポリメチルシルセスキオキサンなどのポリマーの粒子又はビーズが挙げられ得る。
【0053】
配合物の別の任意成分は、1つ以上のcである。皮膜形成剤の使用は、組成物の摩耗を改善し、メークアップ製品に移動抵抗を付与し得る。有用な皮膜形成剤の例としては、天然ワックス、ポリエチレンポリマーなどのポリマー、並びにPVP、ジメチコンガム、並びにシェラック、ポリテルペン、及び様々なシリコーン樹脂などの樹脂が挙げられる。特に好ましい皮膜形成剤は、約0.1~20%の量で使用されるトリメチルシロキシシリケートである。
【0054】
上述のように、無機光保護剤は、親油性化粧品又は皮膚科学的活性成分と共に使用されてもよい。本発明に使用される無機光保護剤は、顔料の中から選択されてもよく、更により好ましくは、例えば、酸化チタン(ルチル及び/又はアナターゼ形態で非結晶又は結晶化)、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム又は酸化セリウムのナノ顔料などの処理済み又は未処理の金属酸化物のナノ顔料(一次粒子の平均サイズ:一般に5ランから100nm、好ましくは10nmから50nm)の中から選択されてもよい。
【0055】
処理されたナノ顔料は、例えば、Cosmetics&Toiletries,1990年2月,Vol105,pp.53-64に記載の化合物を用いて化学的性質、電気的性質、機械化学的性質、及び/又は機械的性質のうち1つ以上を表面処理した顔料である。この化合物は例えば、アミノ酸、蜜蝋、脂肪酸、脂肪族アルコール、アニオン性界面活性剤、レシチン、脂肪酸のナトリウム、カリウム、亜鉛、鉄又はアルミニウム塩、金属(チタン又はアルミニウム)アルコキシド、ポリエチレン、シリコーン、タンパク質(コラーゲン又はエラスチン)、アルカノールアミン、酸化ケイ素、金属酸化物、ヘキサメタリン酸ナトリウム、アルミナ又はグリセロールである。
【0056】
使用することができる多くの特定の顔料及びナノ顔料が、米国特許第7,357,920号に開示されている。
【0057】
非限定的な例
以下の実施例に示される組成物は、本発明の組成物の特定の実施形態を示す、が、これらを限定することを意図するものではない。他の修正は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、当業者によって行うことができる。例示される実施形態1~5は、高い顔料充填性を有する、無水で成形可能な化粧品組成物を提供する。実施例6~9は、以下により詳細に説明されるように、許容可能な化粧品性能を示すことができない処方の比較例である。
【0058】
以下の実施例による組成物は、次の工程に従って調製することができる:最初に、合成蜜蝋を、容器内の微結晶性ワックス及びステアリルジメチコン/オクタデセンのそれぞれと混合し、これを約95℃Cに加熱して第1の相を形成する。次に、別個のビーカー内で、顔料と粒子(雲母)を除く残りの全ての成分を約95℃Cで組み合わせて第2の相を形成する。次に、第1の相及び第2の相を組み合わせて1つの混合物を形成し、約95℃の混合温度を維持する。最後に、顔料及び粒子を混合物に添加する。これらの成分が均質な組成物を形成するまで混合し、次いで混合を停止し、混合物を室温まで冷却させる。
【0059】
別段の明示がない限り、例示される全ての量は重量パーセントとして列挙され、これは希釈剤、防腐剤、着色溶液、イメージ成分(imagery ingredients)、植物などの微量物質を除外する。
【0060】
以下は、本発明の化粧品組成物の代表例である。
【0061】
【表1】
1 Koster Keunenから入手可能な合成蜜蝋#122P
2 Strahl&Pitschから入手可能な微結晶ワックスSP 88
3 Sonnebornから入手可能なマルチワックスW-835
4 Dow Corningから入手可能なDowsil 2503 Cosmetic Wax
5 充填剤は、溶媒、芳香剤、又は本明細書に開示される他の追加の任意成分を含んでもよい。
【0062】
以下の表2は、表1に示す実施例の比較化粧品の性能を示す。それぞれ例示的な実施形態を観察し、化粧品組成物としての適性について評価した。まず、加工性について組成物を評価した。組成物は、良好な混合性能及び注入性能を有することが必要である。第2に、加工工程後に製品が観察され、抵抗、ペイオフ性、成形性、及び感覚特性について評価される。本明細書で使用するとき、用語「抵抗」は、製品が皮膚に塗布される相対的な容易さを意味する。感覚的に、低抵抗の製品は、皮膚上に滑るように知覚される。対照的に、増加した抵抗を有する製品は、皮膚への摩擦及び不均一な塗布性を呈する。本明細書で使用するとき、用語「ペイオフ性」は、皮膚に塗布されたときの化粧品組成物の色強度を指す。知覚される色強度の更なる強さは、相対的なペイオフ性の更なる高さと相関し、知覚される色強度の更なる弱さは、相対的なペイオフ性の更なる低さと相関する。
【0063】
【表2】
【0064】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙される正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。代わりに、別段の指定がない限り、かかる各寸法は、列挙された値及びその値を取り囲む機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0065】
任意の相互参照又は関連特許若しくは出願を含む、本明細書に引用される全ての文献は、明示的に除外されるか、ないしは別の方法で限定されない限り、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いずれの文献の引用も、それが本明細書に開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であることを認めるものではなく、又は単独で若しくは任意の他の参照(複数の場合もある)の任意の組み合わせにおいて、任意のかかる発明を教示、示唆若しくは開示することを認めるものではない。更に、本文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参照により組み込まれる文書における同じ用語のいずれかの意味又は定義と矛盾する限りでは、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0066】
本発明の特定の実施形態が例示及び説明されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な他の変更及び修正を行うことができることは当業者には明白であろう。したがって、添付の特許請求の範囲において、かかる変更及び修正は全て本発明の範囲内に包含されることが意図される。
本発明は例えば以下の実施形態を包含する:
[実施形態1]無水の成形可能な化粧品組成物を形成するための方法であって、
a. 容器内で、少なくとも4つのワックスを組み合わせる工程であって、前記ワックスのそれぞれが、
i. 約60℃~約65℃の融点を有する第1のワックス、
ii. 約33℃~約46℃の融点を有する第2のワックス、
iii. 約88℃~約96℃の融点を有する第3のワックス、
iv. 約74℃~約99℃の融点を有する第4のワックス
により特徴付けられる、工程と、
b. 第1の容器を約95℃に加熱して、第1の相を形成する工程と、
c. 少なくとも1つの湿潤剤、及び第2の容器内の少なくとも1種の不揮発性溶媒を組み合わせる工程と、
d. 前記第2の容器を約95℃に加熱して、第2の相を形成する工程と、
e. 前記第1の相及び第2の相を組み合わせて混合物を形成する工程と、
f. 1種以上の顔料を前記混合物に添加して、前記無水の成形可能な化粧品組成物を形成する工程と、
を含む、方法。
[実施形態2]前記顔料が、前記化粧品組成物の少なくとも約35重量%を構成する、実施形態1に記載の方法。
[実施形態3]前記化粧品組成物が、
a. 約1重量%~約10重量%の前記第1のワックス、
b. 約0.5重量%~約5重量%の前記第2のワックス、
c. 約1重量%~約5重量%の前記第3のワックス、
d. 約0.5重量%~約5重量%の前記第4のワックス、
を含む、実施形態1に記載の方法。
[実施形態4]前記化粧品組成物が、前記化粧品組成物の約2重量%~約20重量%の量で前記第1の相を含む、実施形態1に記載の方法。
[実施形態5]前記化粧品組成物が、少なくとも約30重量%の前記1種以上の顔料を含む、実施形態1に記載の方法。
[実施形態6]前記化粧品組成物が、少なくとも約40重量%の前記1種以上の顔料を含む、実施形態1に記載の方法。
[実施形態7]1種以上の紫外線吸収剤を更に含む、実施形態1に記載の方法。
[実施形態8]前記紫外線吸収剤が親油性である、実施形態7に記載の方法。
[実施形態9]前記溶媒が不揮発性である、実施形態1に記載の方法。
[実施形態10]前記溶媒が、シリコーン系溶媒、エステル系溶媒、炭化水素系溶媒、及びこれらの混合物からなる群から選択される、実施形態9に記載の方法。
[実施形態11]前記溶媒が、エタノール、オクチルドデカノール、イソプロパノール、及びそれらの混合物からなる群から選択される、実施形態9に記載の方法。
[実施形態12]前記組成物が、約13重量%~約17重量%の前記溶媒を含む、実施形態1に記載の方法。
[実施形態13]前記組成物が、タルク、雲母、シリカ、合成フルオロフロゴパイト、酸化亜鉛、マンガンバイオレット、第二鉄フェロシアニド、ウルトラマリンブルー、パール顔料(オキシ塩化ビスマス、グアニン、ホウケイ酸カルシウムナトリウム、ホウケイ酸アルミニウムカルシウム、アルミナ、ポリエチレンテレフタレート)、酸化鉄、酸化チタン、雲母チタン、炭酸カルシウム、タール顔料、他の有機顔料、及びこれらの混合物から成る群から選択される1種以上の顔料を含む、実施形態1に記載の方法。
[実施形態14]前記顔料が雲母を含む、実施形態1に記載の方法。
[実施形態15]前記組成物が、皮膜形成剤を更に含む、実施形態1に記載の方法。