(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-28
(45)【発行日】2023-09-05
(54)【発明の名称】カテーテル用ヒートシンクならびにそのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/22 20060101AFI20230829BHJP
【FI】
A61B17/22 510
(21)【出願番号】P 2022062997
(22)【出願日】2022-04-05
(62)【分割の表示】P 2020525893の分割
【原出願日】2017-11-10
【審査請求日】2022-04-05
(73)【特許権者】
【識別番号】591018693
【氏名又は名称】シー・アール・バード・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】C R BARD INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】1 Becton Drive Franklin Lakes NEW JERSEY 07417 UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100137039
【氏名又は名称】田上 靖子
(72)【発明者】
【氏名】バン・リエール,チャド
【審査官】石川 薫
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-510573(JP,A)
【文献】特表2006-519054(JP,A)
【文献】特開2001-321388(JP,A)
【文献】特表2002-522934(JP,A)
【文献】特開平09-294744(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00-17/22
A61N 7/00
A61F 9/007
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管内病変を修正するためのカテーテル組立体を作製する方法であって、
減衰機構ボアを第1のスリーブ内に含むカートリッジを成形するステップと、
前記第1のスリーブを覆うように第2のスリーブを設けて、前記第1のスリーブおよび前記第2のスリーブを含むヒートシンクを形成するステップと、
前記カートリッジの回転軸と一致する前記減衰機構ボアの中心部を通してコアワイヤを設けるステップと、
前記コアワイヤの周りで前記減衰機構ボアの中に複数のOリングを設けるステップと、
前記減衰機構ボアの近位端部に保持具を固定して前記コアワイヤの周りに減衰機構を形成するステップであって、前記減衰機構ボアの前記近位端部に前記保持具を固定することにより、前記コアワイヤの近位端部分の振動エネルギーを減衰させるのに十分な圧縮力が前記コアワイヤに生じる、ステップと
を含
み、前記方法は、さらに、
第1の熱伝導率を有する第1の材料の前記第1のスリーブを形成するステップと、
前記第1の熱伝導率よりも大きい第2の熱伝導率を有する第2の材料の前記第2のスリーブを形成するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
カテーテル組立体のハウジングを成形するステップと、
前記減衰機構および前記ヒートシンクを備えた前記カートリッジを前記カテーテル組立体の前記ハウジングの中に設けるステップと、
前記コアワイヤの近位端部を超音波生成機構に連結させるステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
超音波トランスデューサを含む前記超音波生成機構の少なくとも一部をさらに備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2のスリーブがパッシブ熱交換器として構成されており、前記熱交換器が、前記第2のスリーブの長さに沿って配置されて前記減衰機構から熱を放散するように構成された複数の周方向フィンを含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2のスリーブがパッシブ熱交換器として構成されており、前記熱交換器が、前記第2のスリーブの周囲に配置されて前記減衰機構から熱を放散するように構成された複数の長手方向フィンを含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のスリーブが、前記第1のスリーブの周りの周囲溝によって形成された空洞を含み、前記空洞が、冷却剤で充填され、前記第2のスリーブが、前記空洞を覆うように設けられる、請求項
1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記冷却剤が、水、グリコール、水とグリコールの混合物、鉱油、シリコーン油、または蓄熱材料である、請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
血管内病変を修正するためのカテーテル組立体を作製する方法であって、
減衰機構ボアを第1のスリーブ内に含むカートリッジを成形するステップと、
前記第1のスリーブを覆うように第2のスリーブを設けて、前記第1のスリーブおよび前記第2のスリーブを含むヒートシンクを形成するステップと、
前記カートリッジの回転軸と一致する前記減衰機構ボアの中心部を通してコアワイヤを設けるステップと、
前記コアワイヤの周りで前記減衰機構ボアの中に複数のOリングを設けるステップと、
前記減衰機構ボアの近位端部に保持具を固定して前記コアワイヤの周りに減衰機構を形成するステップであって、前記減衰機構ボアの前記近位端部に前記保持具を固定することにより、前記コアワイヤの近位端部分の振動エネルギーを減衰させるのに十分な圧縮力が前記コアワイヤに生じる、ステップと
を含み、
前記複数のOリングがガスケットシステムの部分であり、
前記方法は、
前記ガスケットシステムの第1の端部に第1の環状部を配置し、前記ガスケットシステムの前記第1の端部に対向する第2の端部に第2の環状部を配置し、前記ガスケットシステムの周囲に複数の長手方向部材を配置するステップ
をさらに含む
、方法。
【請求項9】
前記ガスケットシステムの中心部を前記コアワイヤの振動の節を覆うように位置決めし、そこでは、前記コアワイヤが受ける横波生成振動エネルギーが、前記コアワイヤの腹よりも小さくなり、それにより、摩擦による加熱が低減される、請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
前記ガスケットシステムが、軸方向および半径方向に圧縮される複数のOリングを前記減衰機構ボアの中に含む、請求項
8または9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[0001]アテローム性動脈硬化は、脂肪、コレステロール、またはカルシウムなどの血液由来の物質を含む粥腫の一部に形成される、1つまたは複数の血管内病変を特徴とする。動脈病変などの血管内病変は動脈内腔の壁に生じ、内腔を横切って反対側の動脈壁まで構築される場合がある。最後の開存点は、動脈病変と反対側の動脈壁との境界に存在することが多い。粥腫切除術などのアテローム性動脈硬化向けの外科的処置を用いて、こうした病変によって妨げられている開存性および血流を回復させることができる。しかし、血管内病変を修正するためのカテーテルなどの管腔内装置に求められる動作時間が長くなることにより、管腔内装置の熱関連の問題が生じる場合があり、これにより、外科的処置、および外科的処置を受けている患者に問題が生じる場合がある。本明細書では、いくつかの実施形態において、少なくとも前述のことに対処するカテーテル用ヒートシンクならびにそのシステムおよび方法を提供する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
[0002]本明細書では、いくつかの実施形態において、コアワイヤの近位端部のソニックコネクタと、コアワイヤの近位端部分の周りの減衰機構と、減衰機構に連結されたヒートシンクとを含むカテーテル組立体が提供される。ソニックコネクタは、超音波生成機構に結合してコアワイヤの近位端部に振動エネルギーを伝達するように構成されており、このコアワイヤは、血管内病変を修正するように構成された遠位端部分を含む。減衰機構は、カテーテル組立体の減衰機構ボア内に、コアワイヤの近位端部分の周りのガスケットシステムを含む。減衰機構は、振動エネルギーを減衰させるように構成される。
【0003】
[0003]いくつかの実施形態では、ヒートシンクは、ガスケットシステムの周りの第1のスリーブと、第1のスリーブの周りの第2のスリーブとを含む。第1のスリーブは第1の熱伝導率を有する第1の材料のものであり、第2のスリーブは、第1の熱伝導率よりも大きい第2の熱伝導率を有する第2の材料のものである。
【0004】
[0004]いくつかの実施形態では、第2のスリーブはパッシブ(換言すれば、受動的)熱交換器として構成される。熱交換器は、第2のスリーブの長さに沿って配置されて減衰機構から熱を放散するように構成された複数の周方向フィンを含む。別法として、熱交換器は、第2のスリーブの周囲に配置されて減衰機構から熱を放散するように構成された複数の長手方向フィンを含む。
【0005】
[0005]いくつかの実施形態では、第1のスリーブは、第1のスリーブの周りの周囲溝によって形成された空洞を含む。空洞は冷却剤で充填され、第2のスリーブは空洞を覆うように設けられる。
【0006】
[0006]いくつかの実施形態では、冷却剤は水、グリコール、水とグリコールの混合物、鉱油、シリコーン油、または蓄熱材料である。
[0007]いくつかの実施形態では、ヒートシンクは、ガスケットシステムの第1の端部の第1の環状部と、ガスケットシステムの第1の端部に対向する第2の端部の第2の環状部と、ガスケットシステムの周囲に配置された複数の長手方向部材とを含む。
【0007】
[0008]いくつかの実施形態では、ガスケットシステムの中心部はコアワイヤの振動の節を覆うように位置決めされ、そこでは、コアワイヤが受ける横波生成振動エネルギーが、コアワイヤの腹よりも小さくなり、それにより、摩擦による加熱が低減される。
【0008】
[0009]いくつかの実施形態では、ガスケットシステムは、軸方向および半径方向に圧縮される複数のOリングを減衰機構ボアの中に含む。
[0010]いくつかの実施形態では、減衰機構ボアの中にOリングを保持するように構成された保持具とソニックコネクタとの間の、コアワイヤの近位端部分の露出部分の周りに、ポリマーのスリーブが存在する。
【0009】
[0011]いくつかの実施形態では、ポリマーのスリーブは、コアワイヤの近位端部分の露出部分の周りに存在し、さらに、減衰機構内のコアワイヤの近位端部分の周りに存在する。
【0010】
[0012]いくつかの実施形態では、カテーテル組立体は、超音波トランスデューサを含む超音波生成機構の少なくとも一部をさらに含む。
[0013]本明細書では、いくつかの実施形態においてカテーテル組立体および超音波生成機構を含むシステムも提供される。カテーテル組立体は、コアワイヤの近位端部のソニックコネクタと、コアワイヤの近位端部分の周りの減衰機構と、減衰機構に連結されたヒートシンクとを含む。ソニックコネクタは、コアワイヤの近位端部に振動エネルギーを伝達するように構成されており、このコアワイヤは、血管内病変を修正するように構成された遠位端部分を含む。減衰機構は、カテーテル組立体の減衰機構ボア内に、コアワイヤの近位端部分の周りのガスケットシステムを含む。減衰機構は、振動エネルギーを減衰させるように構成される。超音波生成機構は、超音波発生装置および超音波トランスデューサを含む。
【0011】
[0014]いくつかの実施形態では、ヒートシンクは、ガスケットシステムの周りの第1のスリーブと、第1のスリーブの周りの第2のスリーブとを含む。第1のスリーブは第1の熱伝導率を有する第1の材料のものであり、第2のスリーブは、第1の熱伝導率よりも大きい第2の熱伝導率を有する第2の材料のものである。
【0012】
[0015]いくつかの実施形態では、第2のスリーブはパッシブ熱交換器として構成される。熱交換器は、第2のスリーブの長さに沿って配置されて減衰機構から熱を放散するように構成された複数の周方向フィンを含む。別法として、熱交換器は、第2のスリーブの周囲に配置されて減衰機構から熱を放散するように構成された複数の長手方向フィンを含む。
【0013】
[0016]いくつかの実施形態では、第1のスリーブは、第1のスリーブの周りの周囲溝によって形成された空洞を含む。空洞は、水、グリコール、水とグリコールの混合物、鉱油、シリコーン油、および蓄熱材料から選択される冷却剤で充填される。第2のスリーブは、空洞を覆うように設けられて空洞の冷却剤を封止する。
【0014】
[0017]いくつかの実施形態では、ヒートシンクは、ガスケットシステムの第1の端部の第1の環状部と、ガスケットシステムの第1の端部に対向する第2の端部の第2の環状部と、ガスケットシステムの周囲に配置された複数の長手方向部材とを含む。
【0015】
[0018]いくつかの実施形態では、ガスケットシステムは、軸方向および半径方向に圧縮される複数のOリングを減衰機構ボアの中に含む。
[0019]いくつかの実施形態では、減衰機構ボアの中にOリングを保持するように構成された保持具とソニックコネクタとの間の、コアワイヤの近位端部分の露出部分の周りに、ポリマーのスリーブが存在する。
【0016】
[0020]いくつかの実施形態では、ポリマーのスリーブは、コアワイヤの近位端部分の露
出部分の周りに存在し、さらに、減衰機構内のコアワイヤの近位端部分の周りに存在する。
【0017】
[0021]いくつかの実施形態では、システムは、足踏みスイッチと、超音波発生装置と超音波トランスデューサの両方を含む超音波生成機構とを含むコンソールをさらに含む。足踏みスイッチは、超音波生成機構を動作させ、また動作不能にするように構成される。
【0018】
[0022]いくつかの実施形態では、システムは、足踏みスイッチと、超音波生成機構の超音波発生装置のみとを含むコンソールをさらに含む。カテーテル組立体は、超音波生成機構の超音波トランスデューサをさらに含む。足踏みスイッチは、超音波生成機構を動作させ、また動作不能にするように構成される。
【0019】
[0023]本明細書では、いくつかの実施形態において、減衰機構ボアを第1のスリーブに含むカートリッジを成形するステップと、第1のスリーブを覆うように第2のスリーブを設けて、第1のスリーブおよび第2のスリーブを含むヒートシンクを形成するステップと、カートリッジの回転軸と一致する減衰機構ボアの中心部を通してコアワイヤを設けるステップと、コアワイヤの周りで減衰機構ボアの中に複数のOリングを設けるステップと、減衰機構ボアの近位端部に保持具を固定してコアワイヤの周りに減衰機構を形成するステップとを含む、カテーテル組立体を作製する方法も提供される。減衰機構ボアの近位端部に保持具を固定することにより、コアワイヤに圧縮力が生じる。この圧縮力は、コアワイヤの近位端部分の振動エネルギーを減衰させるのに十分である。
【0020】
[0024]いくつかの実施形態では、方法は、減衰機構ボアの中心部を通してコアワイヤを設けるステップの前に、ポリマーのスリーブの中にコアワイヤを設けるステップと、ポリマーのスリーブをコアワイヤの周りに収縮させるようにポリマーのスリーブを均一に加熱するステップとをさらに含む。
【0021】
[0025]いくつかの実施形態では、方法は、カテーテル組立体のハウジングを成形するステップと、減衰機構およびヒートシンクを備えたカートリッジをカテーテル組立体のハウジングの中に設けるステップと、コアワイヤの近位端部を超音波生成機構に連結させるステップとをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】[0026]いくつかの実施形態によるシステムを示す概略図である。
【
図2】[0027]いくつかの実施形態によるカテーテル組立体を示す概略図である。
【
図3A】[0028]いくつかの実施形態による、減衰機構を含むカートリッジの斜視図を示す概略図である。
【
図3B】[0029]
図3Aの減衰機構を含むカートリッジの断面図を示す概略図である。
【
図4】[0030]いくつかの実施形態による、減衰機構および第1のヒートシンクの断面図を示す概略図である。
【
図5A】[0031]いくつかの実施形態による、減衰機構および第2のヒートシンクの断面図を示す概略図である。
【
図5B】[0032]いくつかの実施形態による、減衰機構および第3のヒートシンクの断面図を示す概略図である。
【
図6】[0033]いくつかの実施形態による、減衰機構および第4のヒートシンクの断面図を示す概略図である。
【
図7】[0034]いくつかの実施形態による、減衰機構および第5のヒートシンクの断面図を示す概略図である。
【
図8A】[0035]いくつかの実施形態による、減衰機構および第6のヒートシンクの断面図を示す概略図である。
【
図8B】[0036]
図8Aの減衰機構および第6のヒートシンクの断面図(断面E-E)を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[0037]いくつかの特定の実施形態をより詳細に提示する前に、本明細書に提示される特定の実施形態は、本明細書に提示される概念の範囲を限定しないことを理解されたい。本明細書に提示される特定の実施形態は、その特定の実施形態から容易に切り離すことができかつ本明細書に提示される複数の他の実施形態のうちの任意の実施形態の特徴と任意選択で組み合わせまたは置換することができる特徴を有する場合があることも理解されたい。
【0024】
[0038]本明細書で使用する用語に関しては、各用語はいくつかの特定の実施形態を説明するためのものであり、本明細書に提示される概念の範囲を限定しないということも理解されたい。序数(たとえば第1の、第2の、第3の、など)は、一般に、複数の特徴またはステップの群の中の、互いに異なる特徴またはステップを区別または識別するために使用され、順番の限定または数的な限定を加えるものではない。たとえば、「第1の」、「第2の」、および「第3の」特徴またはステップは、必ずしもその順序で現れる必要はなく、こうした特徴またはステップを含む特定の実施形態は、これら3つの特徴またはステップに必ずしも限定される必要はない。「左」、「右」、「前」、「後ろ」、「上」、「下」、「順方向」、「逆方向」、「時計回り」、「反時計回り」、「上に」、「下に」などの表記、または「上部」、「下部」、「後部」、「前部」、「垂直」、「水平」、「近位」、「遠位」などの他の同様の用語は便宜的に使用されており、たとえばいかなる特定の固定的な位置、向き、または方向も意味するものではない。むしろ、こうした表記は、たとえば相対的な位置、向き、または方向を示すために使用される。文脈から明らかにそうでないことが示されていなければ、「a」、「an」、および「the」という単数形は複数形を含む。
【0025】
[0039]「近位」に関しては、たとえば本明細書に提示されるカテーテルの「近位部分」または「近位端部分」は、カテーテルのうち、カテーテルを患者に使用するときに臨床医の近くにくることを意図された部分を含む。同様に、たとえばカテーテルの「近位長さ」は、カテーテルを患者に使用するときに臨床医の近くにくることを意図されたカテーテルの長さを含む。たとえば、カテーテルの「近位端部」は、カテーテルを患者に使用するときに臨床医の近くにくることを意図されたカテーテルの端部を含む。カテーテルの近位部分、近位端部分、または近位長さは、カテーテルの近位端部を含む場合がある。しかし、カテーテルの近位部分、近位端部分、または近位長さは、カテーテルの近位端部を含む必要はない。つまり、そうでないことが文脈で提示されていなければ、カテーテルの近位部分、近位端部分、または近位長さは、カテーテルの終端部分または終端長さではない。
【0026】
[0040]「遠位」に関しては、たとえば本明細書に提示されるカテーテルの「遠位部分」または「遠位端部分」は、カテーテルのうち、カテーテルを患者に使用するときに患者の近くまたは患者の体内にくることを意図された部分を含む。同様に、たとえばカテーテルの「遠位長さ」は、カテーテルを患者に使用するときに患者の近くまたは患者の体内にくることを意図されたカテーテルの長さを含む。たとえばカテーテルの「遠位端部」は、カテーテルを患者に使用するときに患者の近くまたは患者の体内にくることを意図されたカテーテルの端部を含む。カテーテルの遠位部分、遠位端部分、または遠位長さは、カテーテルの遠位端部を含む場合がある。しかし、カテーテルの遠位部分、遠位端部分、または遠位長さは、カテーテルの遠位端部を含む必要はない。つまり、そうでないことが文脈で提示されていなければ、カテーテルの遠位部分、遠位端部分、または遠位長さは、カテーテルの終端部分または終端長さではない。
【0027】
[0041]用語「熱容量」は、フィーチャ(たとえば第2のスリーブ414)またはフィーチャの組合せ(たとえば第1のヒートシンク410)、および加えられた熱から温度を変化させるその能力または抵抗値に関連して使用され、これは、少なくともフィーチャのサイズまたはフィーチャの組合せに応じた、固有でない物理的特性である。
【0028】
[0042]用語「比熱容量」は、材料(たとえば第2のスリーブ414の第2の材料)、および与えられた熱から温度を変化させるその能力または抵抗値に関連して使用され、材料の量が考慮されるとき、これは固有の物理的特性である。
【0029】
[0043]別段の定めがない限り、本明細書に用いるすべての技術的用語および科学的用語は、当業者によって一般に理解されるものと同じ意味をもつ。
[0044]アテローム性動脈硬化は、脂肪、コレステロール、またはカルシウムなどの血液由来の物質を含む粥腫の一部に形成される、1つまたは複数の血管内病変を特徴とする。動脈病変などの血管内病変は動脈内腔の壁に生じ、内腔を横切って反対側の動脈壁まで構築される場合がある。最後の開存点は、動脈病変と反対側の動脈壁との境界に存在することが多い。粥腫切除術などのアテローム性動脈硬化向けの外科的処置を用いて、こうした病変によって妨げられている開存性および血流を回復させることができる。しかし、血管内病変を修正するためのカテーテルなどの管腔内装置に求められる動作時間が長くなることにより、管腔内装置の熱関連の問題が生じる場合があり、これにより、外科的処置、および外科的処置を受けている患者に問題が生じる場合がある。本明細書では、いくつかの実施形態において、少なくとも前述のことに対処するカテーテル用ヒートシンクならびにそのシステムおよび方法を提供する。
【0030】
[0045]
図1には、いくつかの実施形態によるシステム100を示す概略図が提示してある。システム100は、カテーテル組立体160に結合されたコンソール110を含み、このシステム100は、血管内病変の通過、血管内病変のアブレーション、または血管内病変の通過とアブレーションの組合せを含め、血管内病変を修正するように構成される。
【0031】
[0046]
図1に示すように、システム100はコンソール110を含む。コンソール110は、システム100および種々のサブシステム、ならびにシステム100の機能を監視および制御するための機器をシステム操作者に提供する。コンソール110は、超音波発生装置120および超音波トランスデューサ130を含む超音波生成機構を含む。別法として、コンソール110が超音波発生装置120を含み、カテーテル組立体160が超音波トランスデューサ130を含み、超音波生成機構はコンソール110とカテーテル組立体160に分けられる。超音波生成機構は、電流を振動エネルギーに変換するように構成される。たとえば、超音波発生装置120は、交流電流(たとえば商用電源に関連付けられた電流)を高周波電流(たとえば、超音波トランスデューサ130の動作周波数と同等の周波数をもつ電流)に変換するように構成され、超音波トランスデューサ130は、高周波電流を振動エネルギー(たとえば20.5kHz±500Hzなど、>20kHz)に変換するように構成される。
【0032】
[0047]コンソール110は、少なくとも超音波生成機構およびその任意の構成要素、またはそこに結合された任意の構成要素を動作させ、動作不能にするなど、システム100を動作させ、動作不能にするように構成された足踏みスイッチ140を任意選択でさらに含む。システム100が給電されているとき、足踏みスイッチ140を使用してシステム100を動作させまたは動作不能にし、それにより、超音波トランスデューサ130などの超音波生成機構の構成要素、コアワイヤ384やコアワイヤ384のチップもしくはチップ部材186(
図3Aおよび
図3Bを参照)など、超音波生成機構に結合された構成要素、またはこれらの組合せを動作させまたは動作不能にする。
【0033】
[0048]コンソール110は、任意選択で、カテーテル組立体160のイリゲーションポート172にイリゲーション剤を注入するように構成された注入装置150をさらに含む。イリゲーション剤には、たとえば、血管内病変の修正処置(たとえば血管内病変の通過、血管内病変のアブレーションなど)を受けている解剖学的部位のイリゲーション、カテーテル組立体160のコアワイヤ384の冷却、またはこれらの組合せのための無菌の液体(たとえば水、生理食塩水、ヘパリン加生理食塩水など)が含まれる。
【0034】
[0049]コンソール110は、任意選択で、足踏みスイッチ140と注入装置150の両方をさらに含む。こうした実施形態では、足踏みスイッチ140は、足踏みスイッチ140でシステム100を動作させたとき注入装置150を動作させ、足踏みスイッチ140でシステム100を動作不能にしたとき注入装置150を動作不能にするように、さらに構成されてもよい。
【0035】
[0050]
図2には、いくつかの実施形態によるカテーテル組立体160を示す概略図が提示してある。カテーテル組立体160は、カテーテル本体180(
図1を参照)に結合されたハウジング270を含み、カテーテル本体180は、シース282と、シース282の内腔に設けられたコアワイヤ384(
図3Aおよび
図3Bを参照)と、チップまたはチップ部材186とを含み、このカテーテル組立体160は、血管内病変の通過、血管内病変のアブレーション、または血管内病変の通過とアブレーションの組合せを含め、血管内病変を修正するように構成されている。
【0036】
[0051]
図2に示すように、ハウジング270は、ハブ274と、超音波トランスデューサ130にハウジング270をロックするためのロックカラー276とを含む。(イリゲーションポート172はいくつかの実施形態では任意選択であるので、イリゲーションポート172は
図2に示されていない。)超音波トランスデューサ130にハウジング270をロックすることにより、コアワイヤ384の近位端部が、血管内病変を修正するのに十分に、超音波トランスデューサ130に振動結合されることが確実となる。コアワイヤ384の近位端部は、任意選択で介在する超音波ホーンを介して、ソニックコネクタ385(
図3Aおよび
図3Bを参照)によって超音波トランスデューサ130に振動結合され、コアワイヤ384の遠位端部は、コアワイヤ384の遠位端部から作られた病変修正チップ186、またはコアワイヤ384の遠位端部に結合された病変修正チップ部材186に振動結合される。したがって、ソニックコネクタ385は、超音波トランスデューサ130からコアワイヤ384に振動エネルギーを与え、または伝達するように構成される。また、コアワイヤ384は、コアワイヤ384のチップまたはチップ部材186に振動エネルギーを与え、または伝達して、血管内病変を修正するように構成される。繰り返すが、カテーテル組立体160は別法として超音波トランスデューサ130を含み、これにより、超音波生成機構がコンソール110とカテーテル組立体160に分けられる。こうした実施形態では、ハウジング270は、コアワイヤ384の近位端部においてハウジング270の内部に設けられた超音波トランスデューサ130をさらに含み、それにより、
図2に示すロックカラー274は不要になる。
【0037】
[0052]シース282、またはシース282の内腔を越えたコアワイヤ384の遠位端部分の作動長は、血管内病変を修正するために変位するように構成される。変位は、コアワイヤ384のプロファイルおよび振動エネルギー(たとえば20.5kHz±500Hzなど、>20kHz)に従って、少なくとも長手方向の変位、横方向の変位、または長手方向および横方向の変位を含む。コアワイヤ384の作動長が長手方向に変位するとキャビテーションなどのマイクロモーションが生じ、コアワイヤ384の作動長が横方向に変位するとマクロモーションが生じる。マイクロモーションは、血管内病変を通過するために使用される。マイクロモーションと合わせられたマクロモーションは血管内病変をアブ
レーションするために使用され、それによって病変を微小な断片へと破壊し、開存性および血流を回復させる。
【0038】
[0053]
図3Aには、いくつかの実施形態による、減衰機構392を含むカートリッジ390の斜視図を示す概略図が提示してある。
図3Bには、
図3Aの減衰機構392を含むカートリッジ390の断面図を示す概略図が提示してある。減衰機構392は、コアワイヤ384の近位端部分の周りに圧縮力を加えるように構成されたガスケットシステム394と、カテーテル組立体160のカートリッジ390の減衰機構ボア398の内部にガスケットシステム394を保持するように構成された保持具396とを含む。
【0039】
[0054]
図3Aおよび
図3Bに示してあるように、ガスケットシステム394は、2~6個のOリング、たとえば2~4個のOリングなど、2~10個のOリングを含めて1~12個の範囲のOリングである、複数のOリングを含む。いくつかの実施形態では、たとえば、これら複数のOリングは2個、4個、6個、または8個のOリングである。Oリングは軸方向に圧縮され、保持具396(たとえば、締付座金、たとえば外歯付き座金などの座金)によって減衰機構ボア398の中に保持される。保持具396によってOリングが軸方向に圧縮されると、血管内病変を修正するのに必要とされない、超音波生成機構によって提供される振動エネルギーのある数の自由度を減衰させるのに十分な半径方向の圧縮が、減衰機構ボア398の内壁によってコアワイヤ384に生じる。たとえば、コアワイヤ384の近位端部分の周りの横波を生成する振動エネルギーを、縦波を生成する振動エネルギーを優先して減衰させることができる。
【0040】
[0055]注入装置150を含むシステム100の実施形態では、ガスケットシステム394により、減衰機構392などのカテーテル組立体160を通って超音波生成機構の超音波トランスデューサ130に入る、イリゲーション剤のイリゲーション逆流が防止される。
【0041】
[0056]減衰機構392は、コアワイヤ384の周りのスリーブ386をさらに含む。スリーブ386は、ソニックコネクタ385と保持具396との間で、少なくともコアワイヤ384の近位端部分の周りに存在する。スリーブ386によって包まれていない場合、コアワイヤ384は、ソニックコネクタ385と保持具396との間にコアワイヤ384の近位端部分の露出部分を含むことになる。ソニックコネクタ385と保持具396との間の、コアワイヤ384の近位端部分の周りのスリーブ386により、コアワイヤ384の疲労が防止される。スリーブ386は、少なくとも減衰機構392の内部のコアワイヤ384の近位端部分の周り、および少なくともコアワイヤ384の作動長が始まるコアワイヤ384の長さまでの、減衰機構392に対して遠位なコアワイヤ384の周りにさらに存在してもよい。
【0042】
[0057]コアワイヤ384の周りのスリーブ386は、隙間嵌め、中間嵌め(transition fit)、および締まり嵌めから選択される工学的嵌合でコアワイヤ384を包む。隙間嵌めは、コアワイヤ384がスリーブ386の中で自由に回転または摺動するのを可能にする、かなりゆるい嵌合であり、中間嵌めは、コアワイヤ384をスリーブ386の中で定位置に堅く保持するが、コアワイヤ384をスリーブ386から取り外すことができないほど堅くはなく、締まり嵌めは、コアワイヤ384、スリーブ386、またはその両方を損傷させることなしにはコアワイヤ384をスリーブ386から取り外すことができないように、コアワイヤ384をスリーブ386の中で定位置にしっかりと保持する。いくつかの実施形態では、スリーブ386は、中間嵌めまたは締まり嵌めでコアワイヤ384を包む。中間嵌めおよび締まり嵌めは、たとえば、カテーテル組立体160の組立て中に、所望の嵌合に適当なサイズのスリーブをコアワイヤ384の周りに熱収縮させることによって作り出される。コアワイヤ384の周りのスリーブ386は、ポリテトラフルオロエチレン(「PTFE」)スリーブなどのポリマーのスリーブである。
【0043】
[0058]動作しているカテーテル組立体の減衰機構392の熱は、特に、いくつかの実施形態におけるカテーテル組立体160など、使い捨てのカテーテル、または一度使うだけの使い捨てのカテーテル組立体においては、急速に蓄積される場合がある。こうした使い捨てのカテーテル組立体は、パイプ、ポンプ、ファン、またはこれらの組合せなどの通常の熱交換システムを使用することができない。加えて、熱電対、内蔵マイクロプロセッサ、またはプリント回路基板などの減衰機構392用の温度測定装置は法外にコストがかかる。減衰機構392は、コアワイヤ384の振動の節を覆うように中心を位置決めされてもよく、またはコアワイヤ384が、減衰機構392がコアワイヤ384の振動の節を覆うように調節されてもよい。これにより、振動エネルギーを減衰することによって生じるいくらかの熱が低減される。なぜなら、コアワイヤがコアワイヤの振動の節において受ける横波生成振動エネルギーが、コアワイヤの腹におけるよりも小さくなるからである。しかし、本明細書に提示されるヒートシンクなどのカテーテル組立体用のヒートシンクは、単に中心合わせするのよりも熱を下げることにおいて効果的であり、動作しているカテーテル組立体の温度を少なくとも約26.67℃(約80°F)だけ下げる。
【0044】
[0059]
図4には、いくつかの実施形態による減衰機構392および第1のヒートシンク410の断面図を示す概略図が提示してある。ヒートシンク410は、ガスケットシステム392の周りの第1のスリーブ412と、第1のスリーブ412の周りの第2のスリーブ414とを含む。
【0045】
[0060]第1のスリーブ412は、第1の熱伝導率を有する第1の材料のものであり、第2のスリーブ414は、第1の熱伝導率よりも大きい第2の熱伝導率を有する第2の材料のものである。第1のスリーブ412の第1の材料はポリカーボネートなどのポリマーでもよく、第2のスリーブ414の第2の材料は、別のポリマー(たとえばポリエーテルイミド[「PEI」])でも、金属(たとえばステンレス鋼)でも、合金でもよい。これにより、ガスケットシステム392から第1のスリーブ412を通り、第2のスリーブ414を通り、流体媒体(たとえばハウジング270の内部の空気)へと、半径方向に向いた温度勾配または温度勾配ベクトル場が確立されて、減衰機構392から離れるように熱を伝導する。ヒートシンク410の熱伝導率および熱容量は、血管内病変を修正するためにカテーテル組立体160を少なくとも5分間、10分間、15分間、20分間、25分間、または30分間動作させることができるような熱伝導率および熱容量である。
【0046】
[0061]
図5Aには、いくつかの実施形態による減衰機構392および第2のヒートシンク510Aの断面図を示す概略図が提示してある。
図5Bには、いくつかの実施形態による減衰機構392および第3のヒートシンク510Bの断面図を示す概略図が提示してある。ヒートシンク510Aは、ガスケットシステム392の周りの第1のスリーブ512と、第1のスリーブ512の周りの第2のスリーブ514Aとを含む。同様に、ヒートシンク510Bは、ガスケットシステム392の周りの第1のスリーブ512と、第1のスリーブ512の周りの第2のスリーブ514Bとを含む。
【0047】
[0062]
図5Aおよび
図5Bに示してあるように、ヒートシンク510Aの第2のスリーブ514Aおよびヒートシンク510Bの第2のスリーブ514Bは、パッシブ熱交換器として構成される。第2のスリーブ514Aは、第2のスリーブ514Aの長さに沿って配置されて減衰機構392から熱を放散するように構成された複数の周方向フィンを備えるパッシブ熱交換器として構成される。第2のスリーブ514Bは、第2のスリーブ514Bの周囲に配置されて減衰機構392から熱を放散するように構成された複数の長手方向フィンを備えるパッシブ熱交換器として構成される。第2のスリーブ514Aおよび第2のスリーブ514Bは、減衰機構392から熱を放散するように構成された複数のフィンを備える、単なる2つのパッシブ熱交換器を示している。第2のスリーブ514Aの周方向フィン、または第2のスリーブ514Bの長手方向フィンの代わりに、フィンは、ピンまたはより大きい突出部を形成するために、たとえば斜めまたはらせん状でも、網目状でも、セグメント分けされていてもよい。
【0048】
[0063]第1のスリーブ512は第1の熱伝導率を有する第1の材料のものであり、第2のスリーブ514Aまたは第2のスリーブ514Bは、第1の熱伝導率よりも大きい第2の熱伝導率を有する第2の材料のものである。第1の材料は第1の比熱容量も有し、第2の材料は第2の比熱容量も有し、第2の比熱容量は、第1の比熱容量より大きくてもよく、小さくてもよい。第1のスリーブ512の第1の材料はポリカーボネートなどのポリマーでもよく、第2のスリーブ514Aまたは第2のスリーブ514Bの第2の材料は別のポリマー(たとえばPEI)でも、金属(たとえばステンレス鋼、アルミニウム)でも、合金(たとえばアルミニウム合金)でもよい。これにより、ガスケットシステム392から第1のスリーブ512を通り、第2のスリーブ514Aまたは第2のスリーブ514Bを通り、流体媒体(たとえばハウジング270の内部の空気)へと、半径方向に向いた温度勾配または温度勾配ベクトル場が確立されて、減衰機構392から離れるように熱を伝導する。
【0049】
[0064]熱交換器のフィンの数、フィンの寸法、フィンのピッチなどと相まったヒートシンク510Aまたは510Bの熱伝導率および熱容量は、血管内病変を修正するためにカテーテル組立体160を少なくとも1分間、2分間、3分間、4分間、5分間、10分間、15分間、20分間、25分間、または30分間動作させるのに十分である。カテーテル組立体270のハウジング270の内部には対流がほとんど存在しない場合があるので、ヒートシンク510Aまたは510Bのフィンは、カテーテル組立体160の操作者にとっての使いやすさを維持しながら、カテーテル組立体160の所望の動作時間を得るのに必要とされる大きさに寸法設定される。
【0050】
[0065]
図6には、いくつかの実施形態による減衰機構392および第4のヒートシンク610の断面図を示す概略図が提示してある。ヒートシンク610は、ガスケットシステム392の第1の端部(たとえば近位端部)に第1の環状部612を含み、ガスケットシステム392の反対側の第2の端部(たとえば遠位端部)に第2の環状部613を含む。ヒートシンク610は、ガスケットシステム392の周囲で環状部612および613に据え付けられ、減衰機構392から熱を伝導および放散するように構成された複数の長手方向部材616をさらに含む。任意選択で、ヒートシンク610は、さらなる構造的一体性のために複数の長手方向部材616から半径方向外側で環状部612および613に据え付けられた複数の支柱617をさらに含む。
【0051】
[0066]環状部612および613は第1の熱伝導率を有する第1の材料のものであり、長手方向部材616は、第1の熱伝導率よりも大きい第2の熱伝導率を有する第2の材料のものである。第1の材料は第1の比熱容量も有し、第2の材料は第2の比熱容量も有し、第2の比熱容量は、第1の比熱容量より大きくてもよく、小さくてもよい。環状部612および613の第1の材料はポリカーボネートなどのポリマーでもよく、長手方向部材616の第2の材料は別のポリマー(たとえばPEI)でも、金属(たとえばステンレス鋼、アルミニウム)でも、合金(たとえばアルミニウム合金)でもよい。ヒートシンク610の熱伝導率および熱容量は、血管内病変を修正するためにカテーテル組立体160を少なくとも1分間、2分間、3分間、4分間、5分間、10分間、15分間、20分間、25分間、または30分間動作させることができるような熱伝導率および熱容量である。
【0052】
[0067]存在するとき、4つの支柱、6つの支柱、または8つの支柱などの支柱617の数は、減衰機構392から熱を放散させる際の長手方向部材616の効率を損なうことな
しに構造的一体性を提供するのに十分である。
【0053】
[0068]
図7には、いくつかの実施形態による減衰機構392および第5のヒートシンク710の断面図を示す概略図が提示してある。ヒートシンク710は、ガスケットシステム392の周りの第1のスリーブ712と、第1のスリーブ712の周りの第2のスリーブ714とを含む。第1のスリーブ712は、第1のスリーブ712の周りの周囲溝によって形成された充填可能空洞715を含む。
【0054】
[0069]空洞715は、単に空気で充填されてもよい。別法として、空洞715は、空気と異なる比熱容量、空気と異なる熱伝導率、または空気と異なる比熱容量および熱伝導率を特徴とする1つまたは複数の材料の冷却剤で、全体的または部分的に充填されてもよい。たとえば、冷却剤は水、グリコール(たとえばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなど)、水とグリコールの混合物、鉱油、シリコーン油、蓄熱材料、およびこれらの組合せから選択することができる。蓄熱材料はBerlin、GermanyのRubitherm Technologies GmbHによるPX-52でもよく、これは、固体の支持体(たとえばシリカ)上に相変化材料を含む。減衰機構392からの熱は、半径方向に向いた温度勾配に従って空洞715へと伝導され、冷却剤により、その比熱容量に従って吸収される。相変化材料に関しては、減衰機構392からの熱は相変化材料によって吸収されて、蓄熱材料の温度を上げるのではなく、相変化材料を溶融させる。蓄熱材料の利点は、蓄熱材料が溶融するのではなく、相変化材料が固体の支持体に取り付けられている結果としてむしろ固まる(congeal)ということである。これにより、蓄熱材料を空洞715に収めることが容易になる。第1のスリーブ712の周りの第2のスリーブ714により、空洞715、および空洞715に配置される任意の内容物に封止材が提供される。
【0055】
[0070]第1のスリーブ712は第1の熱伝導率を有する第1の材料のものであり、第2のスリーブ714は第1の熱伝導率よりも大きい第2の熱伝導率を任意選択で有する第2の材料のものである。第1の材料は第1の比熱容量も有し、第2の材料は第2の比熱容量も有し、第2の比熱容量は、第1の比熱容量より大きくてもよく、小さくてもよい。第1のスリーブ712の第1の材料はポリカーボネートなどのポリマーでもよく、第2のスリーブ714の第2の材料は、同じかまたは異なるポリマー(たとえばPEI)でも、金属(たとえばステンレス鋼、アルミニウム)でも、合金(たとえばアルミニウム合金)でもよい。ガスケットシステム392から第1のスリーブ712を通り、任意の冷却剤を含む空洞715を通って第2のスリーブ714を通り、流体媒体(たとえばハウジング270の内部の空気)へと、半径方向に向いた温度勾配または温度勾配ベクトル場が確立されて、減衰機構392から離れるように熱を伝導することができる。ヒートシンク710の熱伝導率および熱容量は、血管内病変を修正するためにカテーテル組立体160を少なくとも1分間、2分間、3分間、4分間、5分間、10分間、15分間、20分間、25分間、または30分間動作させることができるような熱伝導率および熱容量である。
【0056】
[0071]
図8Aには、いくつかの実施形態による減衰機構392および第6のヒートシンク810の断面図を示す概略図が提示してある。ヒートシンク810は、ヒートシンク510A、610、および710の複数の特徴を組み込むヒートシンクの一例である。したがって、ヒートシンク810は、ガスケットシステム392の周りの第1のスリーブ812と、第1のスリーブ812の周りのパッシブ熱交換器として作られた第2のスリーブ814とを含む。第1のスリーブ812は第1のスリーブ812の周りの周囲溝によって形成される充填可能空洞815を含み、充填可能空洞815は本明細書に述べられる任意の冷却剤で充填することができ、そのために、第2のスリーブ814により封止材が提供される。加えて、ヒートシンク810は、ガスケットシステム392の周囲の第1のスリーブ812の端部に据え付けられた複数の長手方向部材816を含む。長手方向部材816は、ヒートシンク810からコアワイヤ384の近位端部に向かって延在して、ヒートシンク810から離れるように熱を引き込むように構成される。また、長手方向部材816は、空洞815の任意の冷却剤に入り込むように構成される。冷却剤が蓄熱材料であるとき、長手方向部材は、蓄熱材料がその固まった状態にあるときに蓄熱材料から離れるように潜熱などの熱を引き込むように構成され、これにより、血管内病変修正処置での間欠的な中断中にカテーテル組立体160が動作不能にされたとき、熱スパイクに安定して対応することが可能になり、減衰機構392から離れるようにより一層の熱が引き込まれる。本明細書に述べるようなこうした特徴により、ヒートシンク810は、減衰機構392から熱を伝導および放散するように構成される。ヒートシンク810の熱伝導率および熱容量は、血管内病変を修正するためにカテーテル組立体160を少なくとも1分間、2分間、3分間、4分間、5分間、10分間、15分間、20分間、25分間、または30分間動作させることができるような熱伝導率および熱容量である。
【0057】
[0072]ヒートシンク410、510A、510B、610、710、および810のうちの任意のヒートシンクは、ヒートシンクを含むカテーテル組立体160の動作時間を延長または短縮させるように、複数のやり方のうちのいずれかで修正されてもよい。これは、製造コストとカテーテル組立体160の予想処置時間とのバランスをとるためであり、このカテーテル組立体160も、いくつかの実施形態では、使い捨てのカテーテル組立体160、または一度使うだけの使い捨てのカテーテル組立体160である。ヒートシンク410、510A、510B、610、710、および810のうちのあるヒートシンクをヒートシンク410、510A、510B、610、710、および810のうちの任意の他のヒートシンクの特徴で修正することができるだけではなく、ヒートシンクの材料および寸法(たとえば相対的寸法)も修正することができる。たとえば、第1のヒートシンク410の第2のスリーブ414は、第1のスリーブ412と同じ厚みを有するように
図4に示されているが、いくつかの実施形態では、第2のスリーブ414は、第2のスリーブ414およびヒートシンク410の熱容量を増加させるために少なくとも2倍、3倍、4倍、または5倍厚くてもよい。別法として、または追加的に、第2のスリーブ414の熱容量の増加は、第2のスリーブ414の第2の材料のために与えられた例示的な材料よりも大きい比熱容量をもつ材料を使用することによって実現されてもよい。別の例として、空洞715は減衰機構ボア398の約半分の断面積または厚みを有するように示されているが、いくつかの実施形態では、空洞715は、空洞715およびヒートシンク710の熱容量を増加させるために、少なくとも減衰機構ボア398と同じ厚みでもよく、減衰機構ボア398の2倍、3倍、4倍、または5倍の厚みでもよい。別法として、または追加的に、空洞715の熱容量の増加は、空洞715のために与えられた例示的な冷却剤よりも大きい比熱容量をもつ冷却剤を使用することによって実現されてもよい。一般に、本明細書に提示されるすべてのヒートシンクに関して、減衰機構392とハウジング270との間など、カテーテル組立体160のハウジング270の中では、温度を約93.33℃(約200°F)未満に保つことが所望される。
【0058】
[0073]コアワイヤ384の近位端部のソニックコネクタ385と、コアワイヤ384の近位端部分の周りの減衰機構392と、ヒートシンク410、510A、510B、710、および810のうちの任意のヒートシンクとを含むカテーテル組立体160を作製することは、減衰機構ボア398を第1のスリーブ412、512、712、または812などの第1のスリーブ内に含むカートリッジ390を成形するステップと、第1のスリーブを覆うように第2のスリーブ412、512A、512B、712、または812などの第2のスリーブを設けて、第1のスリーブおよび第2のスリーブを含むヒートシンクを形成するステップと、カートリッジ390の回転軸と一致する減衰機構ボア398の中心部を通してコアワイヤ384を設けるステップと、コアワイヤ384の周りで減衰機構ボア398の中に複数のOリングを設けるステップと、減衰機構ボア398の近位端部に保持具396を固定してコアワイヤ384の周りに減衰機構392を形成するステップとを含む。ヒートシンク610に関しては、第1のスリーブを備えたカートリッジ390を成形し、第1のスリーブを覆うように第2のスリーブを設けるステップは、カートリッジ390を成形するステップが、第2の環状部613を含むカートリッジ390を成形するステップと、第1の環状部612を成形するステップと、環状部612および613に少なくとも複数の長手方向部材616を設けるかまたは据え付けて、減衰機構ボア398またはその類似物およびヒートシンク610を形成するステップとを含むように修正される。
【0059】
[0074]カートリッジ390を成形するステップは、圧縮成形、射出成形、熱成形、またはこれらの組合せによってカートリッジ390を成形するステップを含む。
[0075]減衰機構ボア398の中心部を通してコアワイヤ384を設けるステップの前に、コアワイヤ384は、任意選択で、熱収縮可能ポリマーのスリーブ(たとえばポリテトラフルオロエチレン[「PTFE」])の中に設けられ、熱収縮可能ポリマーのスリーブをコアワイヤ384の周りに収縮させるように均一に加熱され、それにより、コアワイヤ384の周りにポリマーのスリーブ386を形成する。
【0060】
[0076]減衰機構ボア398の近位端部に保持具396を固定することにより、コアワイヤ384に半径方向の圧縮力が生じる。半径方向の圧縮力は、減衰機構ボア398の近位端部の保持具396を用いて減衰機構ボア398の遠位端部に対してOリングを軸方向に押圧することから得られる、Oリングに対する軸方向の圧縮力から生じる。軸方向の圧縮力により、Oリングが半径方向に伸張することによってコアワイヤ384に半径方向の圧縮力が生じ、これにより、コアワイヤ384に対向する減衰機構ボア398の内壁、およびコアワイヤ384自体に対して、Oリングが半径方向に押圧される。圧縮力は、コアワイヤ384の近位端部分の振動エネルギーのある数の自由度を減衰させるのに十分である。減衰による熱は、ヒートシンクを通って放散する。
【0061】
[0077]カテーテル組立体160を作製することは、カテーテル組立体160のハウジングを成形するステップと、その後、コアワイヤ384の周りの減衰機構392を含むカートリッジ390をハウジングの中に設けて、カテーテル組立体160を形成するステップとを含む。カートリッジ390をハウジングの中に設けるステップは、コアワイヤ384のソニックコネクタ385を、コアワイヤ384の近位端部に振動エネルギーを与えるように構成された超音波生成機構に連結させるステップを含む。
【0062】
[0078]カテーテル組立体160のいくつかの実施形態の利点には、振動エネルギーを減衰することによって生じる熱のパッシブ制御、血管内病変の通過、血管内病変のアブレーション、もしくは血管内病変の通過とアブレーションの組合せによって血管内病変を修正するのに十分な動作時間、射出成形などの成形に使用するのに適したポリマー(たとえばポリカーボネート)の使用、またはこれらの組合せが含まれるが、これらに限定はされない。こうした利点により、カテーテル組立体160のいくつかの実施形態などの、一度使うだけの使い捨てのカテーテル組立体が可能になる。
【0063】
[0079]本明細書ではいくつかの特定の実施形態を提示し、またこれら特定の実施形態をいくらか詳細に提示してきたが、これら特定の実施形態は、本明細書に提示される概念の範囲を限定するものではない。当業者には追加の改変形態および/または修正形態が明らかである場合があり、より広い態様には、これらの改変形態および/または修正形態も包含される。したがって、本明細書に提示する概念の範囲から逸脱しない限り、本明細書に提示する特定の実施形態からの逸脱がなされてもよい。本発明は、以下の態様を含む。
1. 血管内病変を修正するためのカテーテル組立体であって、
コアワイヤの近位端部のソニックコネクタであって、前記ソニックコネクタが、超音波生成機構に結合して前記コアワイヤの前記近位端部に振動エネルギーを伝達するように構成されており、前記コアワイヤが遠位端部分を含む、ソニックコネクタと、
前記カテーテル組立体の減衰機構ボア内に、前記コアワイヤの近位端部分の周りのガスケットシステムを含む減衰機構であって、前記減衰機構が、前記振動エネルギーを減衰させるように構成されている、減衰機構と、
前記減衰機構に連結されたヒートシンクと
を備える、カテーテル組立体。
2. 前記ヒートシンクが、前記ガスケットシステムの周りの第1のスリーブと、前記第1のスリーブの周りの第2のスリーブとを含み、第1の材料の前記第1のスリーブが第1の熱伝導率を有し、第2の材料の前記第2のスリーブが、前記第1の熱伝導率よりも大きい第2の熱伝導率を有する、1.に記載のカテーテル組立体。
3. 前記第2のスリーブがパッシブ熱交換器として構成されており、前記熱交換器が、前記第2のスリーブの長さに沿って配置されて前記減衰機構から熱を放散するように構成された複数の周方向フィンを含む、2.に記載のカテーテル組立体。
4. 前記第2のスリーブがパッシブ熱交換器として構成されており、前記熱交換器が、前記第2のスリーブの周囲に配置されて前記減衰機構から熱を放散するように構成された複数の長手方向フィンを含む、2.に記載のカテーテル組立体。
5. 前記第1のスリーブが、前記第1のスリーブの周りの周囲溝によって形成された空洞を含み、前記空洞が冷却剤で充填されており、前記第2のスリーブが前記空洞を覆うように設けられている、2.から4.のいずれかに記載のカテーテル組立体。
6. 前記冷却剤が、水、グリコール、水とグリコールの混合物、鉱油、シリコーン油、または蓄熱材料である、5.に記載のカテーテル組立体。
7. 前記ヒートシンクが、前記ガスケットシステムの第1の端部の第1の環状部と、前記ガスケットシステムの前記第1の端部に対向する第2の端部の第2の環状部と、前記ガスケットシステムの周囲に配置された複数の長手方向部材とを含む、1.に記載のカテーテル組立体。
8. 前記ガスケットシステムの中心部が前記コアワイヤの振動の節を覆うように位置決めされ、そこでは、前記コアワイヤが受ける横波生成振動エネルギーが、前記コアワイヤの腹よりも小さくなり、それにより、摩擦による加熱が低減される、1.から7.のいずれかに記載のカテーテル組立体。
9. 前記ガスケットシステムが、軸方向および半径方向に圧縮される複数のOリングを前記減衰機構ボアの中に含む、1.から8.のいずれかに記載のカテーテル組立体。
10. 超音波トランスデューサを含む超音波生成機構の少なくとも一部をさらに備える、1.から9.のいずれかに記載のカテーテル組立体。
11. 血管内病変を修正するためのシステムであって、
カテーテル組立体であって、
コアワイヤの近位端部のソニックコネクタであって、前記ソニックコネクタが、前記コアワイヤの前記近位端部に振動エネルギーを伝達するように構成されており、前記コアワイヤが遠位端部分を含む、ソニックコネクタと、
前記カテーテル組立体の減衰機構ボア内に、前記コアワイヤの近位端部分の周りのガスケットシステムを含む減衰機構であって、前記減衰機構が、前記振動エネルギーを減衰させるように構成されている、減衰機構と、
前記減衰機構に連結されたヒートシンクと
を含む、カテーテル組立体、ならびに
超音波発生装置と、
超音波トランスデューサと
を含む、超音波生成機構
を備える、システム。
12. 前記ヒートシンクが、前記ガスケットシステムの周りの第1のスリーブと、前記第1のスリーブの周りの第2のスリーブとを含み、第1の材料の前記第1のスリーブが第1の熱伝導率を有し、第2の材料の前記第2のスリーブが、前記第1の熱伝導率よりも大きい第2の熱伝導率を有する、11.に記載のシステム。
13. 前記第2のスリーブがパッシブ熱交換器として構成されており、前記熱交換器が、前記第2のスリーブの長さに沿って配置されて前記減衰機構から熱を放散するように構成された複数の周方向フィンを含む、12.に記載のシステム。
14. 前記第1のスリーブが、前記第1のスリーブの周りの周囲溝によって形成された空洞を含み、前記空洞が、水、グリコール、水とグリコールの混合物、鉱油、シリコーン油、および蓄熱材料から選択される冷却剤で充填されており、前記第2のスリーブが、前記空洞を覆うように設けられて前記空洞の前記冷却剤を封止する、12.または13.に記載のシステム。
15. 前記ヒートシンクが、前記ガスケットシステムの第1の端部の第1の環状部と、前記ガスケットシステムの前記第1の端部に対向する第2の端部の第2の環状部と、前記ガスケットシステムの周囲に配置された複数の長手方向部材とを含む、11.に記載のシステム。
16.
前記ガスケットシステムが、軸方向および半径方向に圧縮される複数のOリングを前記減衰機構ボアの中に含む、請求項11.から15.のいずれかに記載のシステム。
17. 足踏みスイッチと、前記超音波発生装置および前記超音波トランスデューサを含む前記超音波生成機構とを含むコンソールをさらに備え、前記足踏みスイッチが、前記超音波生成機構を動作させ、また動作不能にするように構成されている、11.から16.のいずれかに記載のシステム。
18. 足踏みスイッチと、前記超音波生成機構の前記超音波発生装置とを含むコンソールをさらに備え、前記カテーテル組立体が、前記超音波生成機構の前記超音波トランスデューサをさらに含み、前記足踏みスイッチが、前記超音波生成機構を動作させ、また動作不能にするように構成されている、11.から16.のいずれかに記載のシステム。
19. 血管内病変を修正するためのカテーテル組立体を作製する方法であって、
減衰機構ボアを第1のスリーブ内に含むカートリッジを成形するステップと、
前記第1のスリーブを覆うように第2のスリーブを設けて、前記第1のスリーブおよび前記第2のスリーブを含むヒートシンクを形成するステップと、
前記カートリッジの回転軸と一致する前記減衰機構ボアの中心部を通してコアワイヤを設けるステップと、
前記コアワイヤの周りで前記減衰機構ボアの中に複数のOリングを設けるステップと、
前記減衰機構ボアの近位端部に保持具を固定して前記コアワイヤの周りに減衰機構を形成するステップであって、前記減衰機構ボアの前記近位端部に前記保持具を固定することにより、前記コアワイヤの近位端部分の振動エネルギーを減衰させるのに十分な圧縮力が前記コアワイヤに生じる、ステップと
を含む、方法。
20. カテーテル組立体のハウジングを成形するステップと、
前記減衰機構および前記ヒートシンクを備えた前記カートリッジを前記カテーテル組立体の前記ハウジングの中に設けるステップと、
前記コアワイヤの近位端部を超音波生成機構に連結させるステップと
をさらに含む、19.に記載の方法。