(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-28
(45)【発行日】2023-09-05
(54)【発明の名称】薄膜トランジスタ基板およびそれを含む表示装置
(51)【国際特許分類】
H01L 29/786 20060101AFI20230829BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20230829BHJP
H10K 50/10 20230101ALI20230829BHJP
【FI】
H01L29/78 618B
H01L29/78 612C
H01L29/78 617N
G09F9/30 338
G09F9/30 349C
H05B33/14 A
(21)【出願番号】P 2022139445
(22)【出願日】2022-09-01
【審査請求日】2022-09-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0117990
(32)【優先日】2021-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0194208
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】パク, セヒ
(72)【発明者】
【氏名】チョ, クァンミン
(72)【発明者】
【氏名】パク, ジョンウ
【審査官】鈴木 聡一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-196094(JP,A)
【文献】国際公開第2017/065199(WO,A1)
【文献】特開2011-082486(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0194594(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0123084(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0001821(KR,A)
【文献】特開2004-253596(JP,A)
【文献】特開2001-326289(JP,A)
【文献】特開2000-058849(JP,A)
【文献】特開平11-233786(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
H01L 29/786
G09F 9/30
H10K 50/10
H10K 59/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース基板上の第1薄膜トランジスタおよび第2薄膜トランジスタを含み、
前記第1薄膜トランジスタは、
前記ベース基板上の第1アクティブ層、および
前記第1アクティブ層と離隔した第1ゲート電極、を含み、
前記第2薄膜トランジスタは、
前記ベース基板上の第2アクティブ層、
前記第2アクティブ層と離隔した第2ゲート電極、および
前記第2アクティブ層と前記第2ゲート電極との間の補助ゲート電極、を含み、
前記第1アクティブ層および前記第2アクティブ層は、一体的に形成されて互いに連結し、
前記補助ゲート電極は、前記第1ゲート電極と一体的に形成され、前記第2アクティブ層および前記第2ゲート電極と離隔していて、
前記第2ゲート電極は、前記補助ゲート電極と少なくとも一部重畳する、薄膜トランジスタ基板。
【請求項2】
前記補助ゲート電極に前記第1ゲート電極と同じ電圧が印加される、請求項1に記載の薄膜トランジスタ基板。
【請求項3】
前記第2薄膜トランジスタがターンオン(Turn-On)されるとき、前記第1薄膜トランジスタがターンオン(Turn-On)されるように構成された、請求項1に記載の薄膜トランジスタ基板。
【請求項4】
前記第2ゲート電極に第2ゲート電圧が印加されると、前記第1ゲート電極に第1ゲート電圧が印加されるように構成された、請求項1に記載の薄膜トランジスタ基板。
【請求項5】
前記第2アクティブ層が、
チャネル部、
前記チャネル部の一側に接触する第1連結部、および
前記チャネル部の他側に接触する第2連結部、を含み、
前記チャネル部の一部は、前記補助ゲート電極と重畳し、前記チャネル部の他の一部は前記補助ゲート電極と重複しない、請求項1に記載の薄膜トランジスタ基板。
【請求項6】
前記補助ゲート電極と重畳しない前記チャネル部の前記他の一部が、前記第2ゲート電極と重畳する、請求項5に記載の薄膜トランジスタ基板。
【請求項7】
前記チャネル部の前記第1連結部側の一部が、前記補助ゲート電極と重畳し、前記第2ゲート電極と重畳しない、請求項5に記載の薄膜トランジスタ基板。
【請求項8】
前記チャネル部の前記第2連結部側の一部が、前記補助ゲート電極と重畳し、前記第2ゲート電極と重畳しない、請求項5に記載の薄膜トランジスタ基板。
【請求項9】
前記第1アクティブ層および前記第2アクティブ層が、IGZO(InGaZnO)系酸化物半導体物質、IZO(InZnO)系酸化物半導体物質、IGZTO(InGaZnSnO)系酸化物半導体物質、ITZO(InSnZnO)系酸化物半導体物質、FIZO(FeInZnO)系酸化物半導体物質、ZnO系酸化物半導体物質、SIZO(SiInZnO)系酸化物半導体物質、ZnON(Zn-Oxynitride)系酸化物半導体物質、GZO(GaZnO)系酸化物半導体物質、IGO(InGaO)系酸化物半導体物質およびGZTO(GaZnSnO)系酸化物半導体物質の中の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の薄膜トランジスタ基板。
【請求項10】
前記第1アクティブ層および前記第2アクティブ層のそれぞれが、
第1酸化物半導体層、および
前記第1酸化物半導体層上の第2酸化物半導体層を含む、請求項1に記載の薄膜トランジスタ基板。
【請求項11】
前記ベース基板上の第1光遮断層、および
前記第1光遮断層上の第2光遮断層を含み、
前記第1光遮断層と前記第2光遮断層とが、互いに離隔して且つ重畳し、
前記第1光遮断層および前記第2光遮断層のいずれか一方が、前記第2アクティブ層と連結し、
前記第1光遮断層および前記第2光遮断層の他方は、前記第2ゲート電極に連結する、請求項1に記載の薄膜トランジスタ基板。
【請求項12】
前記第1光遮断層と前記第2光遮断層とが、キャパシタを形成する、請求項11に記載の薄膜トランジスタ基板。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の薄膜トランジスタ基板を含む表示装置。
【請求項14】
前記第1薄膜トランジスタが、発光制御トランジスタであり、
前記第2薄膜トランジスタは、駆動トランジスタである、請求項13に記載の表示装置。
【請求項15】
前記第1ゲート電極および前記補助ゲート電極に発光制御信号が印加される、請求項13に記載の表示装置。
【請求項16】
前記第1ゲート電極および前記補助ゲート電極が、発光制御ラインの一部である、請求項13に記載の表示装置。
【請求項17】
前記ベース基板上の第1光遮断層と前記第1光遮断層上の第2光遮断層との重畳によって、ストレージキャパシタが形成される、請求項13に記載の表示装置。
【請求項18】
駆動トランジスタ、発光制御トランジスタおよびスイッチングトランジスタをさらに含み、
前記駆動トランジスタのアクティブ層および前記発光制御トランジスタのアクティブ層が、一体化されていて、
前記駆動トランジスタのアクティブ層および前記発光制御トランジスタのアクティブ層は、前記スイッチングトランジスタのアクティブ層と区別された、請求項13に記載の表示装置。
【請求項19】
センシングトランジスタをさらに含み、
前記センシングトランジスタのアクティブ層が、前記駆動トランジスタのアクティブ層および前記発光制御トランジスタのアクティブ層と一体に構成されていて、
前記センシングトランジスタのアクティブ層は、前記スイッチングトランジスタのアクティブ層と区別された、請求項18に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施例は、薄膜トランジスタ基板およびそれを含む表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
表示装置は、マルチメディアの発展とともにその重要性が増大しており、近年、液晶表示装置、プラズマ表示装置、有機発光表示装置などの平板表示装置が商用化されている。
【0003】
このような平板表示装置には、様々な機能を有する薄膜トランジスタが配置される。例えば、有機発光表示装置は、画素を駆動するための駆動トランジスタと、駆動トランジスタを制御するためのスイッチングトランジスタとを含む。表示品質を向上させ、画素の発光を効率的に制御するために、表示装置には発光を制御するためのトランジスタ、トランジスタの機能をセンシングするためのトランジスタなど様々な薄膜トランジスタを配置することができる。
【0004】
近年、表示装置が高品質かつ高解像度化されるにつれて、表示装置に薄膜トランジスタが高密度に集積化されている。その結果、限られた領域に多数の薄膜トランジスタが配置されるため、キャパシタ領域が十分に確保されないという問題が発生することもある。したがって、表示装置に多数の薄膜トランジスタを配置する場合、薄膜トランジスタおよびそれらに連結した配線を効率的に配置する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一実施例は、多数の薄膜トランジスタおよびそれらに連結した配線を効率的に配置することができる薄膜トランジスタ基板を提供することを目的とする。
【0006】
本発明の一実施例は、信号配線と薄膜トランジスタのゲート電極とが重畳しても、薄膜トランジスタの機能を円滑に発揮することができる薄膜トランジスタ基板を提供することを目的とする。
【0007】
本発明の他の実施例は、上記のような薄膜トランジスタ基板を含む表示装置を提供することを目的とする。
【0008】
本発明の一実施例は、発光制御のための発光制御ラインと駆動トランジスタのゲート電極とが重畳しても、駆動トランジスタの駆動を円滑に制御することができる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の技術的課題を達成するための本発明の一実施例は、ベース基板上の第1薄膜トランジスタおよび第2薄膜トランジスタを含み、前記第1薄膜トランジスタは、前記ベース基板上の第1アクティブ層および前記第1アクティブ層と離隔した第1ゲート電極を含み、前記第2薄膜トランジスタは、前記ベース基板上の第2アクティブ層、前記第2アクティブ層と離隔した第2ゲート電極、および前記第2アクティブ層と前記第2ゲート電極間の補助ゲート電極を含み、前記第1アクティブ層および前記第2アクティブ層が一体に形成されて互いに連結し、前記補助ゲート電極が、前記第1ゲート電極と一体に形成されて前記第2アクティブ層およ前記第2ゲート電極と離隔していて、前記第2ゲート電極が、前記補助ゲート電極と少なくとも一部重畳する、薄膜トランジスタ基板を提供する。
【0010】
前記補助ゲート電極に、前記第1ゲート電極と同じ電圧を印加することができる。
【0011】
前記第2薄膜トランジスタがターンオン(Turn-On)されると、前記第1薄膜トランジスタがターンオン(Turn-On)されるように構成することができる。
【0012】
前記第2ゲート電極に第2ゲート電圧が印加されると、前記第1ゲート電極に第1ゲート電圧が印加されるように構成することができる。
【0013】
前記第2アクティブ層は、チャネル部、前記チャネル部の一側に接触する第1連結部、および前記チャネル部の他側に接触する第2連結部を含み、前記チャネル部の一部は、前記補助ゲート電極と重畳し、前記チャネル部の他の一部は、前記補助ゲート電極と重畳しないことがあり得る。
【0014】
前記補助ゲート電極と重畳しない前記チャネル部の前記他の一部は、前記第2ゲート電極と重畳することもできる。
【0015】
前記チャネル部の前記第1連結部側の一部は、前記補助ゲート電極と重畳し、前記第2ゲート電極と重畳しない。
【0016】
前記チャネル部の前記第2連結部側の一部は、前記補助ゲート電極と重畳し、前記第2ゲート電極と重畳しない。
【0017】
前記第1アクティブ層および前記第2アクティブ層は、IGZO(InGaZnO)系酸化物半導体物質、IZO(InZnO)系酸化物半導体物質、IGZTO(InGaZnSnO)系酸化物半導体物質、ITZO(InSnZnO)系酸化物半導体物質、FIZO(FeInZnO)系酸化物半導体物質、ZnO系酸化物半導体物質、SIZO(SiInZnO)系酸化物半導体物質、ZnON(Zn-Oxynitride)系酸化物半導体物質、GZO(GaZnO)系酸化物半導体物質、IGO(InGaO)系酸化物半導体物質およびGZTO(GaZnSnO)系酸化物半導体物質の中の少なくとも一つを含むことができる。
【0018】
前記第1アクティブ層および前記第2アクティブ層は、それぞれ、第1酸化物半導体層および前記第1酸化物半導体層上の第2酸化物半導体層を含むことができる。
【0019】
前記薄膜トランジスタ基板は、前記ベース基板上の第1光遮断層と前記第1光遮断層上の第2光遮断層とを含み、前記第1光遮断層と前記第2光遮断層とは互いに離隔して且つ重畳し、前記第1光遮断層および前記第2光遮断層の一方は、前記第2アクティブ層と連結し、前記第1光遮断層および前記第2光遮断層の他方は、前記第2ゲート電極と連結する。
【0020】
前記第1光遮断層と第2光遮断層は、前記キャパシタを形成することができる。
【0021】
本発明の他の実施例は、前記の薄膜トランジスタ基板を含む表示装置を提供する。
【0022】
前記第1薄膜トランジスタは、発光制御トランジスタであり、前記第2薄膜トランジスタは、駆動トランジスタであり得る。
【0023】
前記第1ゲート電極および前記補助ゲート電極に、発光制御信号を印加することができる。
【0024】
前記第1ゲート電極および前記補助ゲート電極は、発光制御ラインの一部であり得る。
【0025】
前記第1光遮断層と前記第2光遮断層の重畳によって、ストレージキャパシタを形成することができる。
【0026】
前記表示装置は、駆動トランジスタ、発光制御トランジスタおよびスイッチングトランジスタをさらに含み、前記駆動トランジスタのアクティブ層および前記発光制御トランジスタのアクティブ層は一体に構成され、前記スイッチングトランジスタのアクティブ層と区別することができる。
【0027】
前記表示装置は、センシングトランジスタをさらに含み、前記センシングトランジスタのアクティブ層は、前記駆動トランジスタのアクティブ層および前記発光制御トランジスタのアクティブ層と一体に構成され、前記スイッチングトランジスタのアクティブ層と区別することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の一実施例によれば、多数の薄膜トランジスタおよびそれらに連結した配線を効率的に配置することができ、薄膜トランジスタを高密度に集積することができる。特に、本発明の一実施例によれば、信号配線と薄膜トランジスタのゲート電極とが重畳しても薄膜トランジスタの機能を円滑に発揮することができるため。空間活用性に優れている。また、本発明の一実施例によれば、キャパシタ領域を容易に確保することができる。
【0029】
本発明の一実施例による表示装置では、発光制御ラインと駆動トランジスタのゲート電極とが重畳しても、駆動トランジスタの駆動を円滑に制御することができる。したがって、表示装置における素子の配置が容易であり、ストレージキャパシタ空間の確保が容易であり、画素の駆動電圧を安定して充電制御することができるため、表示装置に優れた表示性能を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1A】本発明の一実施例による薄膜トランジスタ基板の平面図である。
【
図1C】第2アクティブ層のチャネル部、第2ゲート電極および補助ゲート電極の部分拡大図である。
【
図2】本発明の他の一実施例による薄膜トランジスタ基板の断面図である。
【
図3A】本発明のまた他の一実施例による薄膜トランジスタ基板の平面図である。
【
図3B】
図3AのII-II’に沿って切断した断面図である。
【
図4】本発明のまた他の一実施例による薄膜トランジスタ基板の断面図である。
【
図5】本発明のまた他の一実施例による薄膜トランジスタ基板の断面図である。
【
図6】本発明のまた他の一実施例による表示装置の概略図である。
【
図9】
図8のIII-III’に沿って切断した断面図である。
【
図10】
図8のIV-IV’に沿って切断した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の利点および特徴、ならびにそれらを達成する方法は、添付の図と共に詳細に後述される実施例を参照することによって明らかになるであろう。しかしながら、本発明は、以下に開示される実施例に限定されるものではなく、様々な形態で具現されるものであり、本発明の開示が完全になるように、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を知らせるために提供されるものである。本発明は、特許請求の範囲によってのみ定義される。
【0032】
本発明の実施例を説明するための図に開示された形状、大きさ、比率、角度、個数などは例示的なものであるため、本発明が図に示された事項に限定されるものではない。本明細書を通じて、同じ構成要素は同じ参照番号と付与することができる。なお、本発明の説明において、関連する公知技術の詳細な説明が、本発明の要旨を不必要に曖昧にし得ると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0033】
本明細書で言及される「含む」、「有する」、「からなる」などが使用される場合、「~のみ」という表現が使用されない限り、他の部分を追加することができる。構成要素が単数で表される場合、特に明示的な記載がない限り複数を含む。
【0034】
構成要素を解釈する際には、別途明示的な記載がなくても誤差範囲を含むものと解釈する。
【0035】
例えば、「~上に」、「~上部に」、「~下部に」、「~横に」などで2つの部分の位置関係が説明される場合、「すぐ」または「直接」という表現が使用されていない場合は、2つの部分の間に1つ以上の他の部分が位置することができる。
【0036】
空間的に相対的な用語である「下(below,beneath)」、「下部(lower)」、「上(above)」、「上部(upper)」などは、図に示されるように、1つの要素または構成要素である他の要素または構成要素との相関を容易に説明するために使用することができる。空間的に相対的な用語は、図に示されている方向に加えて、使用中または動作中の要素の異なる方向を含む用語として理解されなければならない。例えば、図に示されている要素を反転する場合、他の要素の「下(below)」または「下(beneath)と記載された要素は、他の要素の「上」に置くことができる。したがって、例示的な用語「下」は、下方向と上方向の両方を含み得る。同様に、例示的な用語「上」または「上方」は、上下の方向の両方を含むことができる。
【0037】
時間関係の説明である場合、例えば、「~後に」、「~に続き」、「~次に」、「~前に」などで時間的先後関係が説明される場合、「すぐ」または「直接」という表現が使用されない限り、連続的でない場合も含むことができる。
【0038】
第1、第2などは様々な構成要素を説明するために使用されるが、これらの構成要素はこれらの用語によって限定されない。これらの用語は、1つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用されるだけである。したがって、以下で言及される第1構成要素は、本発明の技術的思想内で第2構成要素であり得る。
【0039】
「少なくとも1つ」という用語は、1つ以上の関連項目から提示可能なすべての組み合わせを含むことを理解しなければならない。例えば、「第1項目、第2項目および第3項目の中の少なくとも1つ」の意味は、第1項目、第2項目または第3項目のそれぞれ、ならびに第1項目、第2項目および第3項目の中の2つ以上から提示できるすべての項目の組み合わせを意味することができる。
【0040】
本発明の様々な実施例のそれぞれの特徴は、部分的または全体的に互いに結合または組み合わせ可能であり、技術的に様々な連動および駆動が可能であり、各実施例は互いに独立して実施可能であり、関連して一緒に実施することもできる。
【0041】
本発明の実施例を説明する各図の構成要素に参照符号を追加するにあたり、同一の構成要素については、他の図に表示されていても可能な限り同一の符号を付与することができる。
【0042】
本発明の実施例において、ソース電極とドレイン電極は、説明の便宜上、区別されたものであり、ソース電極とドレイン電極は互いに入れ替えることができる。ソース電極がドレイン電極となり、ドレイン電極がソース電極となり得る。また、いずれか一つの実施例のソース電極は、他の実施例ではドレイン電極となり得、また、一つの実施例のドレイン電極は、他の実施例ではソース電極となり得る。
【0043】
本発明のいくつかの実施例では、説明の便宜上、ソース連結部とソース電極を区別し、ドレイン連結部とドレイン電極を区別することができるが、本発明の実施例はこれに限定されるものではない。ソース連結部がソース電極となり得、ドレイン連結部がドレイン電極となり得る。また、ソース連結部がドレイン電極にもなり得、ドレイン領域がソース電極にもなり得る。
【0044】
図1Aは、本発明の一実施例による薄膜トランジスタ基板100の平面図であり、
図1Bは、
図1AのI-I’に沿って切断した断面図である。
【0045】
本発明の一実施例による薄膜トランジスタ基板100は、ベース基板110上の第1薄膜トランジスタ(TFT1)と第2薄膜トランジスタ(TFT2)を含む。
【0046】
図1Aおよび
図1Bを参照すると、第1薄膜トランジスタ(TFT1)は、ベース基板110上の第1アクティブ層130、および第1アクティブ層130と離隔した第1ゲート電極150を含むことができる。第2薄膜トランジスタ(TFT)は、ベース基板110上の第2アクティブ層230、第2アクティブ層230と離隔した第2ゲート電極250、および第2アクティブ層230および第2ゲート電極250間の補助ゲート電極240を含むことができる。
【0047】
以下、本発明の一実施例による薄膜トランジスタ基板100の各構成要素について詳細に説明する。
【0048】
ベース基板110としてガラスまたはプラスチックを使用することができる。プラスチックとしてフレキシブルな特性を有する透明プラスチック、例えばポリイミドを使用することができる。ポリイミドをベース基板110として使用する場合、ベース基板110上で高温蒸着工程が行われることを考慮すると、高温に耐えることができる耐熱性ポリイミドを使用することができる。
【0049】
ベース基板110上に光遮断層111、112を配置することができる。光遮断層111、112は、外部から入射する光を遮断して薄膜トランジスタ(TFT1、TFT2)を保護することができる。光遮断層111、112は省略することもできる。
【0050】
本発明の一実施例によれば、光遮断層111、112は、第1薄膜トランジスタ(TFT1)および第2薄膜トランジスタ(TFT2)の中の少なくとも1つと重畳することができる。光遮断層111、112は、特に、第2薄膜トランジスタ(TFT2)と重畳することができる。
【0051】
図1Aおよび
図1Bを参照すると、ベース基板110上に第1光遮断層111を配置し、第1光遮断層111上に第1バッファ層121を配置することができる。第1バッファ層121上に第2光遮断層112を配置し、第2光遮断層112上に第2バッファ層122を配置することができる。
【0052】
バッファ層121、122は、絶縁物質で作ることができる。例えば、バッファ層121、122は、酸化シリコン、窒化シリコン、および金属酸化物などの絶縁物質の中の少なくとも1つを含むことができる。バッファ層121、122は、単一膜構造を有することもでき、多層膜構造を有することもできる。
【0053】
バッファ層121、122は、空気および水分を遮断してアクティブ層130、230を保護することができる。また、バッファ層121、122によって、光遮断層111、112が配置されたベース基板110の上部の表面を均一にすることができる。
【0054】
第1光遮断層111と第2光遮断層112とは、互いに離隔して重畳することができる。第1光遮断層111および第2光遮断層112のいずれか一方は、第2アクティブ層230と連結し、第1光遮断層111および第2光遮断層112の他方は、第2ゲート電極250と連結することができる。詳細には、第1光遮断層111は、第2ゲート電極250と連結し、第2光遮断層112は、第2アクティブ層230と連結することができる。
【0055】
図1Aおよび
図1Bに、第1光遮断層111は、コンタクトホールを介して第2ゲート電極250に連結し、第2光遮断層112は、コンタクトホールを介して第2アクティブ層230の第2連結部230bに連結した構成が開示されている。
【0056】
本発明の一実施例によれば、第1光遮断層111と第2光遮断層112は、キャパシタ(Cap)を形成することができる。
【0057】
図1Bを参照すると、第1アクティブ層130および第2アクティブ層230を第2バッファ層122上に配置することができる。
【0058】
図1Aおよび
図1Bを参照すれば、第1アクティブ層130と第2アクティブ層230は、一体に形成して互いに連結することができる。
【0059】
本発明の一実施例によれば、第1アクティブ層130と第2アクティブ層230は、同じ半導体物質によって形成することができる。第1アクティブ層130と第2アクティブ層230は、酸化物半導体物質を含むことができる。
【0060】
第1アクティブ層130と第2アクティブ層230は、例えば、IGZO(InGaZnO)系酸化物半導体物質、IZO(InZnO)系酸化物半導体物質、IGZTO(InGaZnSnO)系酸化物半導体物質、ITZO(InSnZnO)系酸化物半導体物質、FIZO(FeInZnO)系酸化物半導体物質、ZnO系酸化物半導体物質、SIZO(SiInZnO)系酸化物半導体物質、ZnON(Zn-Oxynitride)系酸化物半導体物質、GZO(GaZnO)系酸化物半導体物質、IGO(InGaO)系酸化物半導体物質およびGZTO(GaZnSnO)系酸化物半導体物質の中の少なくとも一つを含むことができる。
【0061】
しかしながら、本発明の一実施例はこれに限定されるものではなく、当業界で知られた他の半導体物質によって第1アクティブ層130および第2アクティブ層230を形成することもできる。
【0062】
第1アクティブ層130は、チャネル部130n、第1連結部130a、および第2連結部130bを含むことができる。第1アクティブ層130の第1連結部130aは、チャネル部130nの一側に連結し、第2連結部130bは、チャネル部130nの他側に連結することができる。
【0063】
第2アクティブ層230は、チャネル部230n、第1連結部230a、および第2連結部230bを含むことができる。第2アクティブ層230の第1連結部230aは、チャネル部230nの一側に連結し、第2連結部230bは、チャネル部230nの他側に連結することができる。
【0064】
第1アクティブ層130および第2アクティブ層230に対する選択的導体化により、第1連結部130a、230aおよび第2連結部130b、230bを形成することができる。
【0065】
図1Bを参照すると、第1アクティブ層130の第2連結部130bと第2アクティブ層230の第1連結部230aとを互いに連結することができる。第1アクティブ層130と第2アクティブ層230が同一物質からなるため、第1アクティブ層130の第2連結部130bと第2アクティブ層230の第1連結部230a間の境界は、明確ではないことがあり得る。
【0066】
第1連結部130a、230aおよび第2連結部130b、230bは、説明の便宜上、区別したものであり、これらの位置はそれぞれ独立して互いに替えることができる。
【0067】
図1Bを参照すると、第1アクティブ層130および第2アクティブ層230上に第1ゲート絶縁膜141が配置される。第1ゲート絶縁膜141は、第1アクティブ層130と第2アクティブ層230の上部および第2バッファ層122の上部に配置される。
【0068】
第1ゲート絶縁膜141は、絶縁性を有し、第1アクティブ層130および第2アクティブ層230を保護する。第1ゲート絶縁膜141は、シリコン酸化物、シリコン窒化物および金属系酸化物の中の少なくとも一つを含むことができる。第1ゲート絶縁膜141は、単一膜構造を有することもでき、多層膜構造を有することもできる。
【0069】
第1ゲート絶縁膜141上に第1ゲート電極150および補助ゲート電極240が配置される。
図1Aおよび
図1Bを参照すると、補助ゲート電極240は、第1ゲート電極150と一体に形成することができる。補助ゲート電極240は、第1ゲート電極150と連結することができる。
【0070】
本発明の一実施例によれば、補助ゲート電極240には、第1ゲート電極150と同じ電圧を印加することができる。詳細には、第1ゲート電極150に第1ゲート電圧が印加されると、補助ゲート電極240にも第1ゲート電圧が印加される。
【0071】
本発明の一実施例によれば、第1アクティブ層130および第2アクティブ層230を通過する配線によって、第1ゲート電極150および補助ゲート電極240を形成することができる。例えば、第1アクティブ層130および第2アクティブ層230を通過する配線のうち、第1アクティブ層130と重畳する部分は、第1ゲート電極150になり得る。
【0072】
第1ゲート電極150は、第1アクティブ層130と離隔して第1アクティブ層130と少なくとも一部重畳する。第1ゲート電極150は、第1アクティブ層130のチャネル部130nと重畳する。
【0073】
第1アクティブ層130および第2アクティブ層230の上部を通過する配線のうち、第2アクティブ層230と重畳する部分は、補助ゲート電極240になり得る。
図1Bを参照すると、補助ゲート電極240は、第2アクティブ層230および第2ゲート電極250と離隔して配置される。
【0074】
第1ゲート電極150および補助ゲート電極240上に、第2ゲート絶縁膜142が配置される。第2ゲート絶縁膜142は、シリコン酸化物、シリコン窒化物および金属系酸化物の中の少なくとも一つを含むことができる。第2ゲート絶縁膜142は、単一膜構造を有することもでき、多層膜構造を有することもできる。
【0075】
図1Bを参照すると、第2ゲート絶縁膜142は、ベース基板110上部の全体の領域を覆うこともできる。
【0076】
第2ゲート電極250は、第2ゲート絶縁膜142上に配置される。
【0077】
第2ゲート電極250は、第2アクティブ層230と離隔して第2アクティブ層230と少なくとも一部重畳する。第2ゲート電極250は、第2アクティブ層230のチャネル部230nと重畳する。
【0078】
本発明の一実施例によれば、第2アクティブ層230と第2ゲート電極250の間に補助ゲート電極240が配置される。
【0079】
本発明の一実施例によれば、第2ゲート電極250は、補助ゲート電極240と少なくとも一部重畳する。第2ゲート電極250は、補助ゲート電極240を覆うことができる。
図1Aおよび
図1Bを参照すると、平面上で、第2ゲート電極250は、補助ゲート電極240全体を覆うこともできる。
【0080】
図1Bを参照すると、平面上で、第2ゲート電極250は、補助ゲート電極240を完全に覆うことができる。しかしながら、本発明の一実施例はこれに限定されるものではなく、平面上で、第2ゲート電極250が、補助ゲート電極240の一部を覆うこともできる。
【0081】
本発明の一実施例によれば、第1ゲート電極150および第2ゲート電極250をマスクとする導体化により、第1連結部130a、230aおよび第2連結部130b、230bを形成することができる。例えば、第2ゲート電極250を形成した後、第1ゲート電極150および第2ゲート電極250をマスクとするドーピング(doping)により第1アクティブ層130および第2アクティブ層230の選択的導体化を行うことができる。その結果、第1アクティブ層130の第1連結部130aと第2連結部130bが形成され、第2アクティブ層230の第1連結部230aおよび第2連結部230bを形成することができる。
【0082】
しかしながら、本発明の一実施例による導体化方法は、ドーピングに限定されるものではなく、この分野で知られている他の方法によって導体化を行うこともできる。例えば、ゲート絶縁膜141、142のエッチングおよびプラズマ処理により導体化を行なうこともできる。
【0083】
第2ゲート電極250上に層間絶縁膜170を配置することができる。層間絶縁膜170は、絶縁物質からなる絶縁層である。層間絶縁膜170は、有機物からなることもでき、無機物からなることもでき、有機物層と無機物層の積層体からなることもできる。
【0084】
層間絶縁膜170上に第1薄膜トランジスタ(TFT1)のソース電極161および第2薄膜トランジスタ(TFT2)のドレイン電極262を配置することができる。第1薄膜トランジスタ(TFT1)のソース電極161は、第1アクティブ層130と連結することができる。第2薄膜トランジスタ(TFT2)のドレイン電極262は、第2アクティブ層230と連結することができる。
【0085】
しかしながら、本発明の一実施例はこれに限定されるものではなく、本発明の一実施例によれば、指示符号「161」は、第1薄膜トランジスタ(TFT1)のドレイン電極にもなり得る。また、指示符号「262」は、第2薄膜トランジスタ(TFT2)のソース電極にもなり得る。
【0086】
第1薄膜トランジスタ(TFT1)のソース電極161および第2薄膜トランジスタ(TFT2)のドレイン電極262は、それぞれモリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジウム(Nd)、銅(Cu)、およびそれらの合金の中の少なくとも1つを含むことができる。第1薄膜トランジスタ(TFT1)のソース電極161および第2薄膜トランジスタ(TFT2)のドレイン電極262は、それぞれ金属又は金属の合金からなる単一層からなることもでき、2層以上の多層からなることもできる。
【0087】
一般に、電子装置で複数の薄膜トランジスタが、互いに連結して動作することが多い。本発明の一実施例による第1薄膜トランジスタ(TFT1)と第2薄膜トランジスタ(TFT2)が適用される電子装置において、第1アクティブ層130と第2アクティブ層230が、互いに連結するように設計することができる。この場合、第1アクティブ層130と第2アクティブ層230が互いに連結しているので、第1アクティブ層130と第2アクティブ層230を連結するための別個の電極またはパッドが必要ない。したがって、第1アクティブ層130と第2アクティブ層230を連結するためのコンタクトホール等を形成しなくても良い。
【0088】
本発明の一実施例によれば、第1連結部130a、230aおよび第2連結部130b、230bの中の一方は、ソース領域であり、他方は、ドレイン領域であり得る。別途の電極や別途のパッド部材なしに、第1連結部130a、230aまたは第2連結部130b、230bがそれぞれソース電極の役割をすることもでき、ドレイン電極に役割をすることもできる。
【0089】
図1Cは、第2アクティブ層230のチャネル部230n、第2ゲート電極250、および補助ゲート電極240に対する部分拡大図である。
【0090】
図1Cを参照すると、補助ゲート電極240は、第2アクティブ層230と第2ゲート電極250の間に配置され、第2ゲート電極250によって覆われ得る。
【0091】
第2ゲート電極250の長さ(L2)は、補助ゲート電極240の長さ(L1)よりも長い。第2ゲート電極250の長さ(L2)は、第2アクティブ層230のチャネル部230nの長さと実質的に同じであり得る。
【0092】
第2アクティブ層230のチャネル部230nの一部(ar1)は、補助ゲート電極240と重畳し、第2アクティブ層230のチャネル部230nの他の一部(ar2、ar3)は、補助ゲート電極240と重畳しないことがあり得る。詳細には、第2アクティブ層230のチャネル部230nは、補助ゲート電極240と第2ゲート電極250の両方と重畳する第1領域(ar1)、および補助ゲート電極240と重畳せず。第2ゲート電極250と重畳する第2領域(ar2)および第3領域(ar3)を含むことができる。第2アクティブ層230のチャネル部230nの第2領域(ar2)および第3領域(ar3)は、補助ゲート電極240と重畳せず、第2ゲート電極250と重畳する。
【0093】
図1Cを参照すると、第2アクティブ層230のチャネル部230nの中の第1連結部230a側の一部である第2領域(ar2)は、補助ゲート電極240と重畳せず、第2ゲート電極250と重畳する。また、第2アクティブ層230のチャネル部230nの中の第2連結部230b側の一部である第3領域(ar3)は、補助ゲート電極240と重畳せず、第2ゲート電極250と重畳する。
【0094】
第2領域(ar2)の長さと第3領域(ar3)の長さは、同じでも異なっていてもよい。第2領域(ar2)および第3領域(ar3)の中のいずれか一方は、他方よりも長い長さを有することができる。
【0095】
第2領域(ar2)の長さと第3領域(ar3)の長さの中のいずれか一つの長さは、0(ゼロ)であり得る。詳細には、第2領域(ar2)と第3領域(ar3)の中の一方は、存在しなくてもよい。この場合、第2領域(ar2)と第3領域(ar3)の中の他方は、必ず存在しなければならない。
【0096】
補助ゲート電極240は、第1ゲート電極150と連結しているので、第1ゲート電極150にターンオン(Turn-On)電圧が印加される場合、同じターンオン(Turn-On)電圧が補助ゲート電極240にも印加される。
【0097】
第2アクティブ層230のチャネル部230nのうち、第2領域(ar2)および第3領域(ar3)が、補助ゲート電極240と重畳しないため、補助ゲート電極240にターンオン(Turn-On)電圧が印加されても、第2ゲート電極250にターンオン(Turn-On)電圧が印加されない場合、第2アクティブ層230のチャネル部230nは、電流特性を有することができない。したがって、補助ゲート電極240が、第2ゲート電極250よりも第2アクティブ層230に近接して配置されても、補助ゲート電極240は、単独で第2薄膜トランジスタ(TFT2)の駆動を制御することができない。
【0098】
また、第2ゲート電極250によって印加される電界を、補助ゲート電極240によって遮断することができる。したがって、第2ゲート電極250にターンオン(Turn-On)電圧が印加されても、補助ゲート電極240にターンオン(Turn-On)電圧が印加されず、第2アクティブ層230のチャネル部230nは、電流特性を有することができない。したがって、本発明の一実施例によれば、第2薄膜トランジスタ(TFT2)を駆動するために第2ゲート電極250にターンオン(Turn-On)電圧が印加される場合、補助ゲート電極240にターンオン(ターンオン)電圧が印加される。補助ゲート電極240にターンオン(Turn-On)電圧が印加されているとき、第2ゲート電極250にターンオン(Turn-On)電圧が印加され得る。
【0099】
本発明の一実施例によれば、第2薄膜トランジスタ(TFT2)がターンオン(Turn-On)される時点で、第1薄膜トランジスタ(TFT1)がターンオン(Turn-On)状態になるように構成される。第2薄膜トランジスタ(TFT2)は、第1薄膜トランジスタ(TFT1)がターンオン(Turn-On)状態のとき、ターンオン(Turn-On)される。
【0100】
また、本発明の一実施例によれば、第2ゲート電極250に第2ゲート電圧が印加されると、第1ゲート電極150に第1ゲート電圧が印加されるように構成される。その結果、第2薄膜トランジスタ(TFT2)の駆動を第2ゲート電極250によって制御することができる。
【0101】
本発明の一実施例によれば、第1薄膜トランジスタ(TFT1)がターンオン(Turn-On)されるとき、第2薄膜トランジスタ(TFT2)が常にターンオン(Turn-On)されなければならない訳ではない。一方、第2薄膜トランジスタ(TFT2)がターンオン(Turn-On)される区間では、第1薄膜トランジスタ(TFT1)がターンオン(Turn-On)状態を維持する。また、第1薄膜トランジスタ(TFT1)がターンオン(Turn-On)状態であり、補助ゲート電極240にターンオン(Turn-On)電圧が印加された状態であっても、第2ゲート電極250にターンオフ(Turn-Off)電圧を印加することによって、第二薄膜トランジスタTFT2をターンオフさせることができる。したがって、第2薄膜トランジスタ(TFT2)のターンオン(Turn-On)およびターンオフ(Turn-Off)は、第2ゲート電極250によって制御されると言える。
【0102】
図2は、本発明の他の一実施例による薄膜トランジスタ基板200の断面図である。以下、重複を避けるために、既に説明した構成要素の説明は省略する。
【0103】
図2を参照すると、第1ゲート絶縁膜141と第2ゲート絶縁膜142をパターニングすることができる。第1ゲート絶縁膜141と第2ゲート絶縁膜142は、エッチングまたはアッシングによってパターニングすることができる。
【0104】
例えば、第1ゲート電極150、補助ゲート電極240および第2ゲート電極250を形成した後、第1ゲート電極150および第2ゲート電極250をマスクとして第1ゲート絶縁膜141と第2ゲート絶縁膜142をパターニングすることができる。その結果、第1ゲート電極150の下部に第1ゲート絶縁膜141が残り、第2ゲート電極250の下部に第1ゲート絶縁膜141と第2ゲート絶縁膜142が残り得る。
【0105】
図3Aは、本発明のまた他の一実施例による薄膜トランジスタ基板300の平面図であり、
図3Bは、
図3AのII-II’に沿って切断した断面図である。
【0106】
図3Aおよび
図3Bを参照すると、ベース基板110上に第1光遮断層111が配置され、第1光遮断層111上に第1バッファ層121が配置され、第1バッファ層121上に第2光遮断層112を配置することができる。また、第1バッファ層121上に補助光遮断層115を配置することができる。
【0107】
図3Aおよび
図3Bを参照すると、第1光遮断層111が、コンタクトホールを介して第2薄膜トランジスタ(TFT2)の第2ゲート電極250と連結し、第2光遮断層112が、コンタクトホールを介して第2薄膜トランジスタ(TFT2)の第2アクティブ層230と連結することができる。
【0108】
第1光遮断層111と第2光遮断層112は、互いに離隔して重畳し、キャパシタ(Cap)を形成することができる。
【0109】
図3Aおよび
図3Bを参照すると、補助光遮断層115は、連結電極117を介して、第1薄膜トランジスタ(TFT1)のゲート電極150と連結し得る。この場合、補助光遮断層115が、第1薄膜トランジスタ(TFT1)のゲート電極の役割をすることができる。その結果、第1薄膜トランジスタ(TFT1)がダブルゲートを有する構造となり得る。
【0110】
図4は、本発明のまた他の一実施例による薄膜トランジスタ基板400の断面図である。
【0111】
図4を参照すると、補助ゲート電極240を第2アクティブ層230のチャネル部230nの一側に配置することができる。第2ゲート電極250は、補助ゲート電極240の少なくとも一部を覆い、第2アクティブ層230のチャネル部230nの他側まで延長され得る。第2ゲート電極250は、補助ゲート電極240を完全に覆わないことがあり得る。
【0112】
本発明のまた他の一実施例によれば、第2アクティブ層230のチャネル部230nは、第2ゲート電極250および補助ゲート電極240の中の少なくとも1つと重畳することができる。第2アクティブ層230のチャネル部230nの少なくとも一部は、第2ゲート電極250および補助ゲート電極240の両方と重畳し得る。
【0113】
第2アクティブ層230のチャネル部230nのうち、第1連結部230a側の一部は補助ゲート電極240と重畳し、第2ゲート電極250と重畳しないことがあり得る。また、
図4には示していないが、第2アクティブ層230のチャネル部230nの中の第2連結部230b側の一部は、補助ゲート電極240と重畳し、第2ゲート電極250と重複しないこともあり得る。
【0114】
図4は、
図1Cにおける第2領域(ar2)の長さがゼロである場合に対応することができる。
図4に示すように、第2ゲート電極250および補助ゲート電極240が配置されても、第2薄膜トランジスタ(TFT2)がターンオン(Turn-On)される区間では、第1薄膜トランジスタ(TFT1)がターンオン(Turn-On)状態を維持するため、第2薄膜トランジスタ(TFT2)の駆動を第2ゲート電極250によって制御することができる。
【0115】
図5は、本発明のまた他の一実施例による薄膜トランジスタ基板500の断面図である。
【0116】
図5を参照すると、第1アクティブ層130および第2アクティブ層230は、多層構造を有することができる。本発明のまた他の一実施例によれば、第1アクティブ層130および第2アクティブ層230が、第1酸化物半導体層131、231および第1酸化物半導体層131、231上の第2酸化物半導体層132、232を含むことができる。
【0117】
第1アクティブ層130と第2アクティブ層230は、同じ組成で一緒に作ることができるので、第1アクティブ層130の第1酸化物半導体層131と第2アクティブ層230)の第1酸化物半導体層231は、同じであり得る。また、第1アクティブ層130の第2酸化物半導体層132と第2アクティブ層230の第2酸化物半導体層232は、同じであり得る。
【0118】
第1酸化物半導体層131、231は、第2酸化物半導体層132、232よりも大きな移動度を有することができる。したがって、第1酸化物半導体層131、231がメインチャネル層の役割をすることができる。第2酸化物半導体層132、232は、支持層の役割をすることができる。
【0119】
第1酸化物半導体層131、231は、高移動度特性を有する酸化物半導体物質からなり得る。第2酸化物半導体層132、232は、優れた膜安定性を有する酸化物半導体物質からなり得る。しかし、本発明の一実施例がこれに限定されるものではなく、第1酸化物半導体層131.231が優れた膜安定性を有し、第2酸化物半導体層132、232が高移動度特性を有することもできる。
【0120】
図5に示すように、アクティブ層130、230が2層の半導体層が積層されてなる構造をバイレイヤ(bi-layer)構造とする。
【0121】
図に示していないが、第2酸化物半導体層132、232上に第3酸化物半導体層を配置することもできる。
【0122】
以下、上述した薄膜トランジスタ基板100、200、300、400、500を適用した表示装置について詳細に説明する。
【0123】
図6は、本発明のまた他の一実施例による表示装置600の概略図である。
【0124】
本発明のまた他の一実施例による表示装置600は、
図6に示すように、表示パネル310、ゲートドライバ320、データドライバ330、および制御部340を含むことができる。
【0125】
表示パネル310は、ゲートライン(GL)およびデータライン(DL)を含み、ゲートライン(GL)とデータライン(DL)の交差領域に画素(P)が配置される。画素(P)の駆動により映像が表示される。ゲートライン(GL)、データライン(DL)、および画素(P)は、ベース基板110上に配置され得る。
【0126】
制御部340は、ゲートドライバ320とデータドライバ330を制御する。
【0127】
制御部340は、外部システム(未図示)から供給される信号を用いて、ゲートドライバ320を制御するためのゲート制御信号(GCS)およびデータドライバ330を制御するためのデータ制御信号(DCS)を出力する。また、制御部340は、外部システムから入力する入力映像データをサンプリングした後、それを再整列して、再整列したデジタル映像データ(RGB)をデータドライバ330に供給する。
【0128】
ゲート制御信号(GCS)は、ゲートスタートパルス(GSP)、ゲートシフトクロック(GSC)、ゲート出力イネーブル信号(GOE)、スタート信号(Vst)、およびゲートクロック(CLK)などを含む。また、ゲート制御信号(GCS)には、シフトレジスタを制御するための制御信号を含むことができる。
【0129】
データ制御信号(DCS)は、ソーススタートパルス(SSP)、ソースシフトクロック信号(SSC)、ソース出力イネーブル信号(SOE)、極性制御信号(POL)などを含む。
【0130】
データドライバ330は、表示パネル310のデータライン(DL)にデータ電圧を供給する。詳細には、データドライバ330は、制御部340から入力した映像データ(RGB)をアナログデータ電圧に変換し、データ電圧をデータライン(DL)に供給する。
【0131】
本発明の一実施例によれば、ゲートドライバ320を表示パネル310に実装することができる。このように、ゲートドライバ320が表示パネル310に直接に実装される構造をゲートインパネル(Gate In Panel:GIP)構造という。
【0132】
ゲートドライバ320は、シフトレジスタ350を含むことができる。
【0133】
シフトレジスタ350は、制御部340から送信されたスタート信号およびゲートクロック等を用いて、1フレームの間、ゲートライン(GL)にゲートパルスを順次に供給する。ここで、1フレームとは、表示パネル310を介して1つの画像が出力される期間をいう。ゲートパルスは、画素(P)に配置されたスイッチング素子(薄膜トランジスタ)をターンオンさせることができるターンオン電圧を有している。
【0134】
また、シフトレジスタ350は、1フレームのうち、ゲートパルスが供給されない残りの期間には、ゲートライン(GL)に、スイッチング素子をターンオフさせることができるゲートオフ信号を供給する。以下、ゲートパルスとゲートオフ信号を総称してスキャン信号(SSまたはScan)という。
【0135】
図7は、
図6のいずれか一つの画素(P)の回路図であり、
図8は、
図7の画素(P)の平面図であり、
図9は、
図8のIII-III’に沿って切断した断面図であり、
図10は、
図8のIV-IV’に沿って切断した断面図である。
【0136】
図7の回路図は、表示素子710として有機発光ダイオード(OLED)を含む表示装置600の画素(P)に対する等価回路図である。
【0137】
本発明のまた他の一実施例によれば、表示装置600の画素(P)は、表示素子710である有機発光ダイオード(OLED)および表示素子710を駆動する画素駆動回路(PDC)を含む。表示素子710は、画素駆動回路(PDC)に連結する。
【0138】
画素駆動回路(PDC)は、薄膜トランジスタ(TR1、TR2、TR3、TR4)を含むことができる。
【0139】
詳細には、
図7の画素駆動回路(PDC)は、発光制御トランジスタである第1薄膜トランジスタ(TR1)、駆動トランジスタである第2薄膜トランジスタ(TR2)、センシングトランジスタである第3薄膜トランジスタ(TR3)およびスイッチングトランジスタである第4薄膜トランジスタ(TR4)を含むことができる。
【0140】
本発明のまた他の一実施例によれば、画素駆動回路(PDC)は、上述した薄膜トランジスタ基板100、200、300、400、500の第1薄膜トランジスタ(TFT1)および第2薄膜トランジスタ(TFT2)を含むことができる。
【0141】
例えば、発光制御トランジスタである第1薄膜トランジスタ(TR1)として、上述した薄膜トランジスタ基板100、200、300、400、500の第1薄膜トランジスタ(TFT1)を適用することができる。駆動トランジスタである第2薄膜トランジスタ(TR2)として、上述した薄膜トランジスタ基板100、200、300、400、500の第2薄膜トランジスタ(TFT2)を適用することができる。
【0142】
画素(P)には、画素駆動回路(PDC)に駆動信号を供給する信号ライン(DL、EL、GL、PL、SCL、RL)が配置されている。
【0143】
データライン(DL)にデータ電圧(Vdata)が供給され、ゲートライン(GL)にスキャン信号(SS)が供給され、駆動電源ライン(PL)に画素を駆動する駆動電圧(Vdd)が供給され、リファレンスライン(RL)にはリファレンス電圧(Vref)が供給され、センシング制御ライン(SCL)にはセンシング制御信号(SCS)が供給される。また、発光制御ライン(EL)に発光制御信号(EM)が供給される。
【0144】
第1薄膜トランジスタ(TR1)は、第2薄膜トランジスタ(TR2)の発光時点を制御する発光制御トランジスタの役割をする。第1薄膜トランジスタ(TR1)は、発光制御信号(EM)によって駆動電圧(Vdd)を第2薄膜トランジスタ(TR2)に伝達するか、駆動電圧(Vdd)を遮断する。第1薄膜トランジスタ(TR1)がターンオンされると、第2薄膜トランジスタ(TR2)に電流が供給され、表示素子710から光が出力される。
【0145】
スイッチングトランジスタである第4薄膜トランジスタ(TR4)は、ゲートライン(GL)およびデータライン(DL)と連結する。駆動トランジスタである第2薄膜トランジスタ(TR2)は、第4薄膜トランジスタ(TR4)を介して伝送されたデータ電圧(Vdata)に従って表示素子710に出力される電流の大きさを制御する。センシングトランジスタである第3薄膜トランジスタ(TR3)は、第2薄膜トランジスタ(TR2)の特性を感知する。
【0146】
第2薄膜トランジスタ(TR2)のゲート電極と表示素子710との間にストレージキャパシタ(Cst)が位置する。
【0147】
詳細には、第4薄膜トランジスタ(TR4)は、ゲートライン(GL)に供給されるスキャン信号(SS)によってターンオンされ、データライン(DL)に供給されるデータ電圧(Vdata)を第2薄膜トランジスタ(TR2)のゲート電極に伝送する。
【0148】
第3薄膜トランジスタ(TR3)は、リファレンスライン(RL)に連結し、センシング制御信号(SCS)によってターンオンまたはターンオフされ、センシング期間に駆動トランジスタである第2薄膜トランジスタ(TR2)の特性を感知する。
【0149】
第4薄膜トランジスタ(TR4)は、ゲートライン(GL)およびデータライン(DL)に連結しており、ゲートライン(GL)を介して供給されるスキャン信号(SS)によってターンオン又はターンオフされる。
【0150】
データライン(DL)は、画素駆動回路(PDC)にデータ電圧(Vdata)を提供し、第1薄膜トランジスタ(TR1)は、データ電圧(Vdata)の印加を制御する。
【0151】
駆動電源ライン(PL)は、表示素子710に駆動電圧(Vdd)を提供し、第2薄膜トランジスタ(TR2)は、駆動電圧(Vdd)を制御する。駆動電圧(Vdd)は、表示素子710である有機発光ダイオード(OLED)を駆動するための画素駆動電圧である。
【0152】
ゲートドライバ320からゲートライン(GL)を介して印加されたスキャン信号(SS)によって、第4薄膜トランジスタ(TR4)がターンオンされると、データライン(DL)を介して供給されたデータ電圧(Vdata)が表示素子710に連結した第2薄膜トランジスタ(TR2)のゲート電極に供給される。データ電圧(Vdata)は、第2薄膜トランジスタ(TR2)のゲート電極とソース電極との間に形成されたストレージキャパシタ(Cst)に充電される。
【0153】
データ電圧(Vdata)によって、第2薄膜トランジスタ(TR2)を介して表示素子710である有機発光ダイオード(OLED)に供給される電流の量が制御され、これにより表示素子710から出力される光の階調を制御することができる。
【0154】
本発明のまた他の一実施例による画素駆動回路(PDC)は、上記で説明した構造以外の他の様々な構造で形成することができる。画素駆動回路(PDC)は、例えば、5個以上の薄膜トランジスタを含むこともできる。
【0155】
図8、
図9および
図10を参照すると、第1薄膜トランジスタ(TR1)、第2薄膜トランジスタ(TR2)、第3薄膜トランジスタ(TR3)および第4薄膜トランジスタ(TR4)がベース基板110上に配置される。
【0156】
ベース基板110は、ガラスまたはプラスチックからなり得る。ベース基板110として、フレキシブル特性を有するプラスチック、例えばポリイミド(PI)を使用することができる。
【0157】
図9および
図10を参照すると、ベース基板110上に第1光遮断層111が配置される。また、ベース基板110上にデータライン(DL)を配置することができる。
【0158】
第1光遮断層111上に第1バッファ層121を配置することができる。第1バッファ層121上に第2光遮断層112を配置し、第2光遮断層112上に第2バッファ層122を配置することができる。
【0159】
第2バッファ層122上にアクティブ層(A1、A2、A3、A4)が配置される。
【0160】
図8および
図9を参照すると、第2バッファ層122上の第1薄膜トランジスタ(TR1)の第1アクティブ層(A1)、第2薄膜トランジスタ(TR2)の第2アクティブ層(A2)、第3薄膜トランジスタ(TR3)の第3アクティブ層(A3)を一体に形成することができる。一体に形成された第1アクティブ層(A1)、第2アクティブ層(A2)、および第3アクティブ層(A3)が第1ブロックを構成することができる。
【0161】
第1アクティブ層(A1)の一部が導体化され、第1薄膜トランジスタ(TR1)のドレイン電極(D1)の役割をすることができる。
【0162】
第2アクティブ層(A2)の一部が導体化されて第2薄膜トランジスタ(TR2)のドレイン電極(D2)の役割をすることができ、他の一部が導体化されて第2薄膜トランジスタ(TR2)のソース電極(S2)の役割をすることができる。
【0163】
第3アクティブ層(A1)の一部が導体化され、第3薄膜トランジスタ(TR3)のドレイン電極(D3)の役割をすることができる。
【0164】
図8および
図9を参照すると、第2薄膜トランジスタ(TR2)の第2アクティブ層(A2)を第2コンタクトホール(H2)を介して、第2光遮断層112と連結することができる。第2光遮断層112は、第2薄膜トランジスタ(TR2)のソース電極(S2)と連結することができる。
【0165】
図8および
図10を参照すると、第2バッファ層122上に第4薄膜トランジスタ(TR4)の第4アクティブ層(A4)が別途に形成される。第4アクティブ層(A4)は、第1アクティブ層(A1)、第2アクティブ層(A2)、および第3アクティブ層(A3)と区別される第2ブロックを構成することができる。
【0166】
第4アクティブ層(A4)の一部が導体化されて第4薄膜トランジスタ(TR4)のドレイン電極(D4)の役割をすることができ、他の一部が導体化されて第4薄膜トランジスタ(TR4)のソース電極(S4)の役割をすることができる。
【0167】
図8、
図9および
図10を参照すると、発光制御トランジスタである第1薄膜トランジスタ(TR1)の第1アクティブ層(A1)と駆動トランジスタである第2薄膜トランジスタ(TR2)の第2アクティブ層(A2)は、一体に構成することができる。発光制御トランジスタである第1薄膜トランジスタ(TR1)の第1アクティブ層(A1)と駆動トランジスタである第2薄膜トランジスタ(TR2)の第2アクティブ層(A2)は、スイッチングトランジスタである第4薄膜トランジスタ(TR4)の第4アクティブ層(A4)と区別することができる。
【0168】
また、センシングトランジスタである第3薄膜トランジスタ(TR3)の第3アクティブ層(A3)は、発光制御トランジスタである第1薄膜トランジスタ(TR1)の第1アクティブ層(A1)および駆動トランジスタである第2薄膜トランジスタ(TR2)である第2アクティブ層(A2)と一体に構成することができる。センシングトランジスタである第3薄膜トランジスタ(TR3)の第3アクティブ層(A3)は、スイッチングトランジスタである第4薄膜トランジスタ(TR4)の第4アクティブ層(A4)と区別することができる。
【0169】
図8および
図10を参照すると、第4薄膜トランジスタ(TR4)の第4アクティブ層(A4)を第6コンタクトホール(H6)を介して、第1光遮断層111と連結することができる。また、第4薄膜トランジスタ(TR4)の第4アクティブ層(A4)を第7コンタクトホール(H7)を介して、データライン(DL)に連結することができる。
【0170】
アクティブ層(A1、A2、A3、A4)上に第1ゲート絶縁膜141が配置される。
【0171】
第1ゲート絶縁膜141上に発光制御ライン(EL)、センシング制御ライン(SCL)、およびゲートライン(GL)が配置される。
【0172】
第1アクティブ層(A1)と重畳する発光制御ライン(EL)の一部は、第1薄膜トランジスタ(TR1)の第1ゲート電極(G1)になる。また、第2アクティブ層(A2)と重畳する発光制御ライン(EL)の他の一部は、補助ゲート電極240になる。
【0173】
本発明のまた他の一実施例によれば、第1ゲート電極(G1)および補助ゲート電極240は、発光制御ライン(EL)の一部であり得る。したがって、第1ゲート電極(G1)および補助ゲート電極240には、発光制御信号(EM)を印加することができる。
【0174】
第3アクティブ層(A3)と重畳するセンシング制御ライン(SCL)の一部は、第3薄膜トランジスタ(TR3)の第3ゲート電極(G3)になる。
【0175】
図8および
図10を参照すると、第4アクティブ層(A4)と重畳するゲートライン(GL)の一部が、第4薄膜トランジスタ(TR4)の第4ゲート電極(G4)になる。
【0176】
発光制御ライン(EL)、センシング制御ライン(SCL)およびゲートライン(GL)上に第2ゲート絶縁膜142が配置される。
【0177】
第2ゲート絶縁膜142上には、リファレンスライン(RL)および第2薄膜トランジスタ(TR2)の第2ゲート電極(G2)が配置される。また、第2ゲート絶縁膜142上にパッド電極165が配置される。
【0178】
リファレンスライン(RL)は、第3コンタクトホール(H3)を第3薄膜トランジスタ(TR3)の第3アクティブ層(A3)と連結する。リファレンスライン(RL)は、第3薄膜トランジスタ(TR3)のソース電極(S3)の役割をすることができる。
【0179】
図10を参照すると、第2薄膜トランジスタ(TR2)の第2ゲート電極(G2)は、第4コンタクトホール(H4)を介して、第1光遮断層111と連結することができる。その結果、第2ゲート電極(G2)を第1光遮断層111を介して、第4薄膜トランジスタ(TR4)に連結することができる。
【0180】
データライン(DL)を介して供給されるデータ電圧(Vdata)が、第4薄膜トランジスタ(TR4)および第1光遮断層111を経て、第2薄膜トランジスタ(TR2)の第2ゲート電極(G2)に供給され得る。
【0181】
第2ゲート電極(G2)と連結した第1光遮断層111は、ストレージキャパシタ(Cst)の第1キャパシタ電極(CE1)になることができる。
【0182】
第2薄膜トランジスタ(TR2)のソース電極(S2)に連結した第2光遮断層112は、ストレージキャパシタ(Cst)の第2キャパシタ電極(CE2)になることができる。
【0183】
その結果、第1キャパシタ電極(CE1)と第2キャパシタ電極(CE2)を重畳してストレージキャパシタ(Cst)を形成することができる。
【0184】
薄膜トランジスタ(TR1、TR2、TR3、TR4)が下部に配置された第1光遮断層111が、第1キャパシタ電極(CE1)となり、第2光遮断層112が、第2キャパシタ電極(CE2)となることができるので、薄膜トランジスタ(TR1、TR2、TR3、TR4)の面積にかかわらず、大面積のストレージキャパシタ(Cst)を形成することができる。
【0185】
図10を参照すると、パッド電極165は、第5コンタクトホール(H5)を介して、第2光遮断層112と連結する。その結果、パッド電極165を第2薄膜トランジスタ(TR2)のソース電極(S2)およびストレージキャパシタ(Cst)に連結することができる。
【0186】
リファレンスライン(RL)、第2ゲート電極(G2)、およびパッド電極165上に層間絶縁膜170が配置される。
【0187】
層間絶縁膜170上に駆動電源ライン(PL)が配置される。
【0188】
駆動電源ライン(PL)は、第1コンタクトホール(H1)を介して、第1薄膜トランジスタ(TR1)の第1アクティブ層(A1)と連結することができる。駆動電源ライン(PL)は、第1薄膜トランジスタ(TR1)のソース電極(S1)の役割をすることができる。
【0189】
駆動電源ライン(PL)を介して、駆動電圧(Vdd)を第1薄膜トランジスタ(TR1)に伝達することができる。
【0190】
駆動電源ライン(PL)上に平坦化層175が配置される。平坦化層175は、薄膜トランジスタ(TR1、TR2、TR3、TR4)の上部を平坦化し、薄膜トランジスタ(TR1、TR2、TR3、TR4)を保護する。
【0191】
平坦化層175上に表示素子710の第1電極711が配置される。
図10を参照すると、表示素子710の第1電極711は、第8コンタクトホール(H8)を介して、パッド電極165と連結する。その結果、表示素子710の第1電極711を第2薄膜トランジスタ(TR2)のソース電極(S2)およびストレージキャパシタ(Cst)に連結することができる。
【0192】
表示素子710の第1電極711の端にバンク層750が配置される。バンク層750は、表示素子710の発光領域を定義する。
【0193】
第1電極711上に有機発光層712が配置され、有機発光層712上に第2電極713が配置される。これにより、表示素子710が完成する。
図10に示す表示素子710は、有機発光ダイオード(OLED)である。したがって、本発明の一実施例による表示装置600は、有機発光表示装置である。
【0194】
以上説明した本発明は、上述した実施例および添付の図によって限定されるものではなく、本発明の技術的事項から逸脱しない範囲内で種々の置換、変形および変更が可能であることが本発明が属する技術分野において通常の知識を有した者に明らかであろう。したがって、本発明の範囲は、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味、範囲、およびその等価概念から導出される全ての変更または変形された形態が、本発明の範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0195】
110:ベース基板
111:第1光遮断層
112:第2光遮断層
121:第1バッファ層
122:第2バッファ層
130:第1アクティブ層
230:第2アクティブ層
141:第1ゲート絶縁膜
142:第2ゲート絶縁膜
150:第1ゲート電極
250:第2ゲート電極
161:ソース電極
262:ドレイン電極
710:表示素子
711:第1電極
712:有機発光層
713:第2電極
TFT1:第1薄膜トランジスタ
TFT2:第2薄膜トランジスタ