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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-28
(45)【発行日】2023-09-05
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/62 20100101AFI20230829BHJP
   H01L 23/48 20060101ALI20230829BHJP
【FI】
H01L33/62
H01L23/48 F
H01L23/48 Y
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022206409
(22)【出願日】2022-12-23
(62)【分割の表示】P 2021091058の分割
【原出願日】2007-03-30
(65)【公開番号】P2023029443
(43)【公開日】2023-03-03
【審査請求日】2022-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(72)【発明者】
【氏名】小早川 正彦
【審査官】村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-156704(JP,A)
【文献】特開2005-353914(JP,A)
【文献】特開2013-008979(JP,A)
【文献】特開2011-119729(JP,A)
【文献】特開2006-210909(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0151149(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/48-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボンディング部を有する第1のリードフレームと、
上記ボンディング部の厚さ方向に直交する第1の方向に上記第1のリードフレームから離間した第2のリードフレームと、
上記ボンディング部の第1の表面に搭載され、上記第1のリードフレームおよび上記第2のリードフレームに電気的に接続された第1の半導体素子と、
上記第1のリードフレームの一部および上記第2のリードフレームの一部を覆うケースと、
を備える半導体装置であって、
上記ボンディング部は、上記第1の表面とは反対側を向き且つ上記ケースから露出する第1の露出面を有しており、
上記第2のリードフレームは、上記ケースから露出する第2の露出面を有しており、
上記第1のリードフレームは、上記ボンディング部から上記厚さ方向および上記第1の方向に直交する第2の方向に延びる薄肉延出部と、上記ボンディング部から上記第2の方向に延びる厚肉延出部と、をさらに備えており、
上記薄肉延出部は、上記ボンディング部の上記第1の表面と面一である第2の表面と、上記厚さ方向において上記第1の露出面と同じ側を向き、かつ上記ボンディング部の上記第1の露出面よりも上記厚さ方向において上記第1の表面側である上記ケース内方に位置するとともに上記ケースによって覆われた第1面と、を有し、
前記厚肉延出部は、上記薄肉延出部と隣り合っており、かつ、厚さが上記ボンディング部と同じであり、上記ケースから露出している第3の露出面を有し、
上記厚肉延出部の上記第3の露出面は、上記ボンディング部の上記第1の露出面と同一平面上にあることを特徴とする、半導体装置。
【請求項2】
上記第2のリードフレームは、上記ボンディング部よりも厚さが薄い薄肉延出部を含む、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
上記第1のリードフレームは、複数の上記薄肉延出部を含む、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
上記第1のリードフレームは、金属からなる、請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
上記第1のリードフレームには、上記第1の半導体素子以外の半導体素子は搭載されていない、請求項3に記載の半導体装置。
【請求項6】
上記第1のリードフレームは、平面視において上記ケースから上記第1の方向に突き出ており且つ上記ボンディング部と同じ厚さを有する端子部を含み、
上記端子部は、上記第1の方向に延びる第1の突起および第2の突起を含み、
上記端子部には、上記第1の突起と上記第2の突起との間に位置する凹部が形成されている、請求項3に記載の半導体装置。
【請求項7】
上記第1の突起および上記第2の突起は、上記ボンディング部と同じ厚さを有する、請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
上記第1の突起および上記第2の突起は、上記第1の方向の長さが互いに等しい、請求項6または7に記載の半導体装置。
【請求項9】
上記第1のリードフレームの上記厚肉延出部と上記薄肉延出部とは、上記第1の方向に隣り合っており且つ互いに離間している、請求項3に記載の半導体装置。
【請求項10】
上記第1のリードフレームは、複数の上記薄肉延出部と複数の上記厚肉延出部とを含む、請求項3に記載の半導体装置。
【請求項11】
上記第1のリードフレームの上記複数の薄肉延出部と上記複数の厚肉延出部とは、上記第1の方向に沿って交互に配置されている、請求項10に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子を備える半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図6および図7は、従来の半導体発光装置の一例を示している(たとえば特許文献1参照)。これらの図に示された半導体発光装置Xは、リードフレーム91、LEDチップ92、ケース93、および透光樹脂94を備えている。リードフレーム91は、略一定の幅とされた2つの帯状部分からなる。リードフレーム91の裏面は、ケース93から露出している。LEDチップ92は、半導体発光装置Xの光源であり、リードフレーム91の一方の帯状部分に含まれるボンディング部91aにボンディングされている。LEDチップ92は、リードフレーム91の他方の帯状部分に対して、ワイヤ95によって接続されている。
【0003】
半導体発光装置Xの高輝度化を図るには、LEDチップ92への投入電力を大きくする必要がある。これに伴い、LEDチップ92から発せられる熱量が増大する。この熱は、ボンディング部91aを介して、半導体発光装置Xが実装されるたとえば回路基板に逃がすことが好ましい。しかしながら、全体が比較的小型である長矩形状とされた半導体発光装置Xにおいて、ケース93に対するボンディング部91aの大きさを大きくすると、リードフレーム91がケース93から抜け落ちてしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-353914号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、適正に小型化を図ることが可能な半導体発光装置を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によって提供される半導体発光装置は、第1リードフレームと、上記第1リードフレームと第1方向において離間配置された第2リードフレームと、上記第1リードフレームのダイボンディング部にボンディングされ、且つ上記第2リードフレームに導通する半導体発光素子と、半導体発光素子を開口を介して露出するように環状に囲み、半導体発光素子の光を出射方向に反射させるための枠状部を有するとともに、上記第1リードフレームおよび上記第2リードフレームを支持する樹脂製のケースと、を備え、上記第1リードフレームは、上記ダイボンディング部と一体的に設けられ、その裏面が上記ダイボンディング部の裏面より出射方向側に位置しており、平面視において上記ダイボンディング部から上記第1方向と直交する第2方向に上記枠状部と重なる領域まで延出し、上記ダイボンディング部の上記第1方向の幅よりも小さい上記第1方向の幅を有する第1延出部を具備しており、上記ケースは、上記枠状部により上記第1延出部の表面を密着して覆うと共に、上記ダイボンディング部の裏面を露出させつつ上記第1延出部の上記裏面を密着して覆う第1抱え込み部を有しているとともに、上記第1延出部は、上記半導体発光素子の上記第1方向の幅よりも小さい上記第1方向の幅を有する。
【0007】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1延出部は、少なくとも上記ダイボンディング部の上記第1方向における中央領域において第2方向に延びるように設けられている。本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1延出部は、少なくとも上記ダイボンディング部の上記第1方向における上記第2リードフレーム側の端部領域において上記第2方向に延びるように設けられている。本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1延出部は、少なくとも上記ダイボンディング部の上記第1方向における上記第2リードフレームと反対側の端部領域において上記第2方向に延びるように設けられている。本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1延出部は、複数設けられている。本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1延出部は、その上記表面が上記ダイボンディング部と面一に形成されている。本発明の好ましい実施の形態においては、上記ダイボンディング部の上記裏面は上記ケースの裏面と面一である。本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1リードフレームは、第1端子部を有しており、且つ上記第1端子部以外の部分の厚みが上記第1端子部の厚み以下の厚みを有する。本発明の好ましい実施の形態においては、上記第2リードフレームは、その表面が上記ケースの開口から露出し、且つその裏面が上記ケースから露出する本体部と、この本体部と一体的に設けられ、その裏面が上記本体部の裏面より出射方向側に位置しており、平面視において上記本体部から上記第2方向に上記枠状部と重なる領域まで延出する第2延出部を具備しており、上記ケースは、上記枠状部により上記第2延出部の上記表面を密着して覆うと共に、上記本体部の上記裏面を露出させつつ上記第2延出部の上記裏面を密着して覆う第2抱え込み部を有している。本発明の好ましい実施の形態においては、上記第2リードフレームは、上記本体部と一体的に設けられ、その裏面が上記本体部の上記裏面より出射方向側に位置しており、平面視において上記本体部から上記第1方向に延出する第3延出部を具備しており、上記ケースは、上記第3延出部の上記裏面を密着して覆う第3抱え込み部を有している。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第2延出部と上記第3延出部とは、上記本体部を囲むように連続している。本発明の好ましい実施の形態においては、上記第2延出部および上記第3延出部は、その表面が上記本体部の表面と面一である。本発明の好ましい実施の形態においては、上記本体部の上記裏面は上記ケースの裏面と面一である。本発明の好ましい実施の形態においては、上記第2リードフレームは、第2端子部を有しており、且つ上記第2端子部以外の部分の厚みが上記第2端子部の厚み以下の厚みを有する。本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1リードフレームおよび上記第2リードフレームは、曲げ加工のされていないリードフレームからなる。本発明の好ましい実施の形態においては、上記各延出部の先端部は、上記ケースの側面よりも内側に位置することにより上記ケースに内包されている。本発明の好ましい実施の形態においては、上記各延出部の上記裏面は、上記各延出部の上記表面と平行な平面を有する。本発明の好ましい実施の形態においては、上記枠状部の上記開口が矩形状である。本発明の好ましい実施の形態においては、上記ケースは白色樹脂からなる。本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1延出部は、上記ダイボンディング部の上記第2方向両側に、それぞれ少なくとも1つずつ形成されている。本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1延出部は、上記ダイボンディング部の上記第2方向片側に、複数形成されているものを含む。本発明の好ましい実施の形態においては、上記複数の第1延出部は、上記第2方向に延出する長さが同一である。
【0009】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る半導体発光装置の一例を示す要部平面図である。
図2】本発明に係る半導体発光装置の一例を示す底面図である。
図3図1のIII-III線に沿う断面図である。
図4図1のIV-IV線に沿う断面図である。
図5図1のV-V線に沿う断面図である。
図6】従来の半導体発光装置の一例を示す断面図である。
図7図6のVII-VII線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0012】
図1図5は、本発明に係る半導体発光装置の一例を示している。本実施形態の半導体発光装置Aは、リードフレーム1、LEDチップ2、ケース3、および透光樹脂4を備えている。半導体発光装置Aは、長さが4mm程度、幅が1mm程度、高さが0.6mm程度の、ごく小型の長矩形状とされている。なお、図1においては、理解の便宜上、透光樹脂4を省略している。
【0013】
リードフレーム1は、たとえばCu、Ni、またはこれらの合金からなり、2つの部分に分割されている。図2に示すように、リードフレーム1は、裏面がケース3から露出している。このうち、比較的長手状とされた部分(第1リードフレーム)は、ボンディング部11、複数の薄肉延出部12、および複数の厚肉延出部13を有している。
【0014】
ボンディング部11は、帯状とされており、表面にLEDチップ2がボンディングされる部分である。薄肉延出部12は、ボンディング部11から延びており、本実施形態においては、その厚さがボンディング部11の半分程度の厚さとされている。図4に示すように、薄肉延出部12の表面は、ボンディング部11の表面と面一とされている。薄肉延出部11の裏面は、ボンディング部11の裏面よりもケース3の内方に位置しており、ケース3によって覆われている。図5に示すように、厚肉延出部13は、ボンディング部11から延びており、その厚さがボンディング部11と同じとされている。厚肉延出部13の表面は、ボンディング部11の表面と面一であり、厚肉延出部13の裏面は、ケース3から露出している。本実施形態においては、複数の薄肉延出部12と複数の厚肉延出部13とがフレーム1の長手方向において交互に配置されている。
【0015】
LEDチップ2は、半導体発光装置Aの光源であり、所定の波長の光を発する半導体発光素子である。LEDチップ2は、たとえばGaNなどの半導体材料からなり、n型半導体層とp型半導体層とに挟まれた活性層において電子と正孔とが再結合することにより青色光、緑色光、赤色光などを発する。LEDチップ2は、リードフレーム1のうち比較的短尺である部分(第2リードフレーム)に対して、ワイヤ5によって接続されている。
【0016】
ケース3は、たとえば白色樹脂製であり、全体が長矩形枠状とされている。図3図5に示すように、ケース3の内面は、テーパ状のリフレクタ3aとされている。リフレクタ3aは、LEDチップ2から側方に発せられた光を上方に向けて反射するためのものである。図4に示すように、ケース3は、薄肉延出部12を抱え込む格好となっている。また、図2に示すように、ケース3と複数の薄肉延出部12および複数の厚肉延出部13とは、互いに入り込みあう関係となっている。
【0017】
透光樹脂4は、たとえば透明なエポキシ樹脂製であり、ケース3によって囲われた空間に充填されている。透光樹脂4は、LEDチップ2を覆っており、LEDチップ2を保護しつつ、LEDチップ2からの光を透過させる。
【0018】
次に、半導体発光装置Aの作用について説明する。
【0019】
本実施形態によれば、薄肉延出部12をケース3が抱え込む格好となっている。これにより、ケース3によるリードフレーム1の保持力を高めることが可能である。これにより、リードフレーム1がケース3から抜け出ることを防止することができる。この結果、半導体発光装置Aは、図2に示すように、幅が1mm程度のごく狭幅であるにも関わらず、リードフレーム1のうちケース3から露出する部分の面積を大きくすることができる。したがって、LEDチップ2からの熱を適切に逃がすことが可能であり、半導体発光装置Aの小型化と高輝度化とを図ることができる。
【0020】
薄肉延出部12と厚肉延出部13とを交互に配置することにより、薄肉延出部12をケース3に抱え込ませつつ、ケース3から露出した厚肉延出部13の分だけ、リードフレーム1の露出面積を拡大することが可能である。これは、半導体発光装置Aの小型化と高輝度化とを図るのに好適である。
【0021】
本発明に係る半導体発光装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る半導体発光装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0022】
A 半導体発光装置
1 リードフレーム
2 LEDチップ(半導体発光素子)
3 ケース
4 透光樹脂
5 ワイヤ
11 ボンディング部
12 薄肉延出部
13 厚肉延出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7