(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-28
(45)【発行日】2023-09-05
(54)【発明の名称】表示装置およびその製造方法、駆動基板
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20230829BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20230829BHJP
H10K 59/10 20230101ALI20230829BHJP
【FI】
G09F9/30 349D
G09F9/00 338
G09F9/30 310
G09F9/30 330
G09F9/30 348A
G09F9/30 349C
G09F9/30 365
H10K59/10
(21)【出願番号】P 2022512405
(86)(22)【出願日】2019-08-23
(86)【国際出願番号】 CN2019102293
(87)【国際公開番号】W WO2021035405
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2022-08-19
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】▲盧▼ ▲鵬▼程
(72)【発明者】
【氏名】黄 冠▲達▼
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 小川
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ 盛▲際▼
(72)【発明者】
【氏名】董 学
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲輝▼
(72)【発明者】
【氏名】王 晏酩
【審査官】石本 努
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-012924(JP,A)
【文献】特開2017-142926(JP,A)
【文献】特開2015-076299(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0013293(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0090176(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F9/00-9/46
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
H10K50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース基板と、
表示領域であって、前記表示領域が前記ベース基板に位置する複数のサブ画素を含み、各サブ画素が、
第1反射電極と、
前記第1反射電極に位置する発光素子であって、前記第1反射電極
の上方に順次積層された第1電極層、有機発光機能層及び第2電極層を含み、前記第1電極層が透明電極層であり、前記有機発光機能層が電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔注入層及び正孔輸送層を含む発光素子と、
前記第1反射電極と前記第1電極層との間に位置する絶縁層であって、前記絶縁層が光透過性を有し、それにより前記有機発光機能層から発した光が前記第1反射電極により反射されるように前記絶縁層の中を透過して前記第1反射電極に到達する絶縁層と、
前記ベース基板に位置し、かつ駆動トランジスタを含む画素回路であって、前記駆動トランジスタが半導体層、ソース電極及びドレイン電極を含み、前記ソース電極及びドレイン電極のうちの一つが前記第1反射電極と互いに電気的に接続され、前記半導体層が前記ベース基板内に位置する画素回路と、
前記ベース基板に位置し、データ信号を記憶するように構成された記憶コンデンサと、
を含む表示領域と、
周辺領域であって、前記表示領域を取り囲み、かつ
前記ベース基板に位置する複数の第2反射電極と、
前記複数の第2反射電極の前記ベース基板から離れた側に設置された遮光層と、
を含む周辺領域と、を含
み、
バインディング領域と、前記バインディング領域内に位置するパッドとをさらに含み、
前記絶縁層は、前記パッドを露出させる第2開口を含む、表示装置。
【請求項2】
前記絶縁層は、金属部材が充填されたビアホールを含み、前記第1反射電極は、前記金属部材により前記第1電極層に電気的に接続される、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記絶縁層は、前記第1反射電極を露出させる第1開口を含み、前記第1電極層の少なくとも一部は、前記第1開口内に位置し、かつ前記第1反射電極に電気的に接続される、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1反射電極の全体は、前記絶縁層により前記第1電極層から分離され、かつ前記第1電極層と互いに絶縁される、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
少なくとも一つの配線層をさらに含み、前記少なくとも一つの配線層は、前記第1反射電極と前記ベース基板との間に位置する、請求項1~4のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1反射電極及び前記第2反射電極は、いずれも同じ層に設置された金属層を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記金属層の材料は、アルミニウム又はアルミニウム合金である、請求項
6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1反射電極及び前記第2反射電極は、いずれも少なくとも一つの保護層をさらに含み、該保護層は、前記金属層と積層されかつ前記金属層の前記ベース基板に近接する側に設置される、請求項
7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1電極層の前記ベース基板が位置する平面での正射影は、前記第1反射電極の前記ベース基板が位置する平面での正射影に位置する、請求項1~4のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項10】
複数の第1反射電極のパターン密度は、複数の第2反射電極のパターン密度と同じである、請求項1~4のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記遮光層は、少なくとも色が異なりかつ積層設置された二種類のカラーフィルム層を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項12】
前記ベース基板は、シリコンベース基板である、請求項1~4のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項13】
表示領域と、表示領域を囲む周辺領域とを含む表示装置の製造方法であって、
ベース基板を提供することと、
前記ベース基板に複数のサブ画素を形成することであって、複数のサブ画素が前記表示領域に位置し、前記サブ画素の形成が、
第1反射電極を形成することと、
前記第1反射電極に発光素子を形成することであって、前記発光素子が前記第1反射電極
の上方に順次積層された第1電極層、有機発光機能層及び第2電極層を含み、前記第1電極層が透明電極層であり、前記有機発光機能層が電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔注入層及び正孔輸送層を含むことと、
前記第1反射電極と前記第1電極層との間に絶縁層を形成することであって、前記絶縁層が光透過性を有し、それにより前記有機発光機能層から発した光が前記第1反射電極により反射されるように前記絶縁層の中を透過して前記第1反射電極に到達することと、
前記ベース基板に画素回路を形成することであって、前記画素回路が駆動トランジスタを含み、前記駆動トランジスタが半導体層、ソース電極及びドレイン電極を含み、前記ソース電極及びドレイン電極のうちの一つが前記第1反射電極と互いに電気的に接続され、前記半導体層が前記ベース基板内に位置することと、
前記ベース基板に記憶コンデンサを形成することであって、前記記憶コンデンサがデータ信号を記憶するように構成されたことと、
を含むことと、
前記周辺領域に複数の第2反射電極を形成することと、
前記複数の
第2反射電極の前記ベース基板から離れた側に遮光層を形成することと、を含
み、
前記表示領域は、バインディング領域と、前記バインディング領域内に位置するパッドとをさらに含み、
前記製造方法は、前記パッドを露出させる第2開口を形成することをさらに含む、表示装置の製造方法。
【請求項14】
前記絶縁層にビアホールを形成することと、
前記ビアホールに金属部材を充填することと、をさらに含む、請求項
13に記載の表示装置の製造方法。
【請求項15】
前記第1電極層の形成は、
前記絶縁層の前記ベース基板から離れた側に第1電極材料を形成することと、
前記第1電極材料をパターン化して第1電極層を形成することであって、前記第1電極層は、前記絶縁層のビアホールを被覆しかつ前記金属部材と接触し、前記第1電極層は、前記金属部材により前記第1反射電極と電気的に接続されることと、を含む、請求項
14に記載の表示装置の製造方法。
【請求項16】
前記絶縁層に第1開口を形成し、前記第1開口は、前記第1反射電極を露出させることをさらに含む、請求項
13に記載の表示装置の製造方法。
【請求項17】
前記第1電極層の形成は、
前記絶縁層の前記ベース基板から離れた側に第1電極材料及び前記第1開口を形成することと、
前記第1電極材料をパターン化して第1電極層を形成することであって、前記第1電極層は、前記絶縁層の第1開口を被覆し、前記第1電極層の少なくとも一部は、前記第1開口内に形成されかつ前記第1反射電極に電気的に接続されることと、を含む、請求項
16に記載の表示装置の製造方法。
【請求項18】
ベース基板と、
表示領域であって、前記表示領域が前記ベース基板に位置する複数のサブ画素を含み、各サブ画素が、
前記ベース基板に位置する第1反射電極と、
絶縁層であって、前記第1反射電極の前記ベース基板から離れた側に位置し、前記絶縁層が発光素子
を形成する第1表面を有し、前記絶縁層が光透過性を有し、それにより前記絶縁層に入射した光が前記第1反射電極により反射されるように前記絶縁層の中を透過して前記第1反射電極に到達する絶縁層と、
前記ベース基板上に位置しかつ駆動トランジスタを含む画素回路であって、前記駆動トランジスタが半導体層、ソース電極、ドレイン電極を含み、前記ソース電極及びドレイン電極のうちの一つが前記第1反射電極と互いに電気的に接続され、前記半導体層が前記ベース基板内に位置する画素回路と、
前記ベース基板に位置しかつデータ信号を記憶するように構成された記憶コンデンサと、
を含む表示領域と、
周辺領域であって、前記表示領域を取り囲み、かつ
前記ベース基板に位置する複数の第2反射電極と、
前記複数の第2反射電極の前記ベース基板から離れた側に設置された遮光層と、
を含む周辺領域と、を含
み、
バインディング領域と、前記バインディング領域内に位置するパッドとをさらに含み、
前記絶縁層は、前記パッドを露出させる第2開口を含む、発光素子の発光を駆動することに適する駆動基板。
【請求項19】
前記絶縁層は、金属部材が充填されたビアホールを含み、前記金属部材と前記第1反射電極は、互いに電気的に接続される、請求項
18に記載の駆動基板。
【請求項20】
前記絶縁層は、前記第1反射電極を露出させる第1開口を含む、請求項
18に記載の駆動基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施例は、表示装置およびその製造方法、駆動基板に関する。
【背景技術】
【0002】
仮想現実(Virtual Reality、VRと略称する)技術及び拡張現実(Augmented Reality、ARと略称する)技術の日々の進歩に伴い、VR/AR分野に適用される表示装置も小型化、高画素密度(Pixel Per Inch、PPIと略称する)、高速応答及び高色域の方向へ発展している。シリコンベースのマイクロ表示OLEDパネルは、そのうちの重要な一方向である。シリコンベースのマイクロ表示OLEDの発進が遅いが、その小型化及び高PPIの利点により、表示分野の新たな注目点となっている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の実施例は、表示装置およびその製造方法、駆動基板に関する。
【0004】
本開示の第1態様によれば、表示装置を提供し、前記表示装置は、
ベース基板と、
表示領域であって、前記表示領域が前記ベース基板に位置する複数のサブ画素を含み、各サブ画素が、
第1反射電極と、
前記第1反射電極に位置する発光素子であって、前記第1反射電極に順次積層された第1電極層、有機発光機能層及び第2電極層を含み、前記第1電極層が透明電極層であり、前記有機発光機能層が電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔注入層及び正孔輸送層を含む発光素子と、
前記第1反射電極と前記第1電極層との間に位置する絶縁層であって、前記絶縁層が光透過性を有し、それにより前記有機発光機能層から発した光が前記第1反射電極により反射されるように前記絶縁層の中を透過して前記第1反射電極に到達する絶縁層と、
前記ベース基板に位置し、かつ駆動トランジスタを含む画素回路であって、前記駆動トランジスタが半導体層、ソース電極及びドレイン電極を含み、前記ソース電極及び前記ドレイン電極のうちの一つが前記第1反射電極と互いに電気的に接続され、前記半導体層が前記ベース基板内に位置する画素回路と、
前記ベース基板に位置し、データ信号を記憶するように構成された記憶コンデンサと、を含む表示領域と、
周辺領域であって、前記表示領域を取り囲み、かつ
前記ベース基板に位置する複数の第2反射電極と、
前記複数の第2反射電極の前記ベース基板から離れた側に設置された遮光層と、を含む周辺領域と、を含む。
【0005】
本開示の第2態様によれば、表示装置の製造方法を提供し、前記表示装置は、表示領域と、表示領域を囲む周辺領域とを含み、該製造方法は、
ベース基板を提供することと、
前記ベース基板に複数のサブ画素を形成することであって、複数のサブ画素が前記表示領域に位置し、前記サブ画素の形成が、
第1反射電極を形成することと、
前記第1反射電極に発光素子を形成することであって、前記発光素子が前記第1反射電極に順次積層された第1電極層、有機発光機能層及び第2電極層を含み、前記第1電極層が透明電極層であり、前記有機発光機能層が電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔注入層及び正孔輸送層を含むことと、
前記第1反射電極と前記第1電極層との間に絶縁層を形成することであって、前記絶縁層が光透過性を有し、それにより前記有機発光機能層から発した光が前記第1反射電極により反射されるように前記絶縁層の中を透過して前記第1反射電極に到達することと、
前記ベース基板に画素回路を形成することであって、前記画素回路が駆動トランジスタを含み、前記駆動トランジスタが半導体層、ソース電極及びドレイン電極を含み、前記ソース電極及びドレイン電極のうちの一つが前記第1反射電極と互いに電気的に接続され、前記半導体層が前記ベース基板内に位置することと、
前記ベース基板に記憶コンデンサを形成することであって、前記記憶コンデンサがデータ信号を記憶するように構成されたことと、を含むことと、
前記周辺領域に複数の第2反射電極を形成することと、
前記複数の反射電極の前記ベース基板から離れた側に遮光層を形成することと、を含む。
【0006】
本開示の第3態様によれば、発光素子の発光を駆動することに適する駆動基板を提供し、前記駆動基板は、
ベース基板と、
表示領域であって、前記表示領域が前記ベース基板に位置する複数のサブ画素を含み、各サブ画素が、
前記ベース基板に位置する第1反射電極と、
絶縁層であって、前記第1反射電極の前記ベース基板から離れた側に位置し、前記絶縁層が前記発光素子の形成に適する第1表面を有し、前記絶縁層が光透過性を有し、それにより前記絶縁層に入射した光が前記第1反射電極により反射されるように前記絶縁層の中を透過して前記第1反射電極に到達する絶縁層と、
前記ベース基板上に位置しかつ駆動トランジスタを含む画素回路であって、前記駆動トランジスタが半導体層、ソース電極、ドレイン電極を含み、前記ソース電極及びドレイン電極のうちの一つが前記第1反射電極と互いに電気的に接続され、前記半導体層が前記ベース基板内に位置する画素回路と、
前記ベース基板に位置しかつデータ信号を記憶するように構成された記憶コンデンサと、を含む表示領域と、
周辺領域であって、前記表示領域を取り囲み、かつ
前記ベース基板に位置する複数の第2反射電極と、
前記複数の第2反射電極の前記ベース基板から離れた側に設置された遮光層と、を含む周辺領域と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例の図面を簡単に紹介する。以下の説明における図面は、本開示のいくつかの実施例にのみ関連しており、本開示を限定するものではないことが明らかである。
【
図1(a)】本開示の実施例が提供する表示装置のシリコンウェハーでの配置模式図である。
【
図1(b)】本開示の実施例が提供する表示装置における各機能領域の模式図である。
【
図2】本開示の実施例が提供する表示装置のサブ画素の部分拡大断面模式図である。
【
図3】本開示の他の実施例が提供する表示装置のサブ画素の部分拡大断面模式図である。
【
図4】本開示の更なる実施例が提供する表示装置のサブ画素の部分拡大断面模式図である。
【
図5】本開示のさらに他の実施例が提供する表示装置のサブ画素の部分拡大断面模式図である。
【
図6(a)】それぞれ本開示の実施例が提供する第1電極層と第1反射電極の二種類の異なる相対的な位置関係を示す。
【
図6(b)】それぞれ本開示の実施例が提供する第1電極層と第1反射電極の二種類の異なる相対的な位置関係を示す。
【
図7】本開示の実施例が提供する表示装置の断面模式図である。
【
図8(a)】本開示の実施例が提供する表示装置の回路模式図である。
【
図8(b)】本開示の実施例が提供する表示装置の局所回路模式図である。
【
図9(a)】本開示の実施例が提供する表示装置の構造模式図である。
【
図9(b)】本開示の実施例が提供する表示装置の断面模式図である。
【
図10】本開示の実施例が提供する表示装置のサブ画素の形成方法のフローチャートである。
【
図11】本開示の実施例が提供する表示装置のサブ画素の形成方法における各ステップの基板断面模式図である。
【
図12】本開示の実施例が提供する表示装置のサブ画素の形成方法における各ステップの基板断面模式図である。
【
図13】本開示の実施例が提供する表示装置のサブ画素の形成方法における各ステップの基板断面模式図である。
【
図14】本開示の実施例が提供する表示装置のサブ画素の形成方法における各ステップの基板断面模式図である。
【
図15】本開示の他の実施例が提供する表示装置のサブ画素の形成方法における各ステップの基板断面模式図である。
【
図16】本開示の他の実施例が提供する表示装置のサブ画素の形成方法における各ステップの基板断面模式図である。
【
図17】本開示の他の実施例が提供する表示装置のサブ画素の形成方法における各ステップの基板断面模式図である。
【
図18】本開示の実施例が提供する表示装置における有機発光機能層の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の目的、技術案及び利点をさらに明確に説明するために、以下、本開示の実施例の図面を参照して、本開示の実施例の技術案について明確で完全に説明する。明らかなように、記載された実施例は、本開示の一部の実施例であり、全ての実施例ではない。記載された本開示の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をせずに取得するその他の実施例は、いずれも本開示の保護範囲に含まれる。
【0009】
特に定義されない限り、ここで使用される技術用語又は科学用語は、当業者が理解する通常の意味を有すべきである。本開示の特許出願明細書及び特許請求の範囲で使用される「第1」、「第2」及び類似語は、何らかの順序、数量又は重要性を示すものではなく、異なる構成部分を区別するためのものにすぎない。「含む」や「含まれる」などの類似語は、「含む」や「含まれる」の前に出現した素子や物が「含む」や「含まれる」の後に挙げられる素子や物、及びそれらの均等物を含むことを意味するが、その他の素子や物を排除するものではない。「接続」や「互いに接続」などの類似語は、物理的又は機械的な接続に限定されず、直接的か間接的かを問わず、電気的な接続を含んでもよい。「上」、「下」、「左」、「右」などは、相対的な位置関係を示すためのものにすぎず、説明対象の絶対位置が変わると、該相対位置関係もそれに応じて変わる可能性がある。
【0010】
一般的に、有機電界発光素子(OLED)は、ボトム発光型素子、トップ発光型素子及び両面発光型素子を含む。有機電界発光素子の発光素子は、一般的にカソード、アノード及び両者の間に設けられた有機発光機能層を含む。カソードの材料が透明又は半透明の導電材料であり、アノードが反射性金属である場合、OLEDは、トップ発光型素子(topemissiondevice)であり、基板は、透明、半透明又は非透明基板であってもよい。
【0011】
マイクロOLEDは、シリコンベース表示装置に属する。シリコンベース部品が優れた電気的特性及び極めて微細な部品サイズを有するため、高集積化の実現に有利である。一般的に、シリコンベースのマイクロOLEDを製造する過程において、反射性金属を含むアノードは、パネル工場で製造され、反射性金属の下に位置する部分は、ウェハー工場で製造される。しかしながら、反射性金属を製造する時、パネル工場は、エッチングプロセスによって反射性金属のパターンを正確に制御することが困難であり、これは、シリコンベースのマイクロOLEDの製造コスト及び難易度を増加させるだけでなく、発光輝度にも悪影響を与える。
【0012】
本開示の実施例は、表示装置を提供し、ベース基板と、表示領域と、表示領域を取り囲む周辺領域と、を含む。ここで、表示領域は、前記表示領域が前記ベース基板に位置する複数のサブ画素を含み、各サブ画素は、第1反射電極と、前記第1反射電極に位置する発光素子であって、前記第1反射電極に順次積層された第1電極層、有機発光機能層及び第2電極層を含み、前記第1電極層が透明電極層であり、前記有機発光機能層が電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔注入層及び正孔輸送層を含む発光素子と、を含む。該表示領域は、さらに第1反射電極と前記第1電極層との間に位置する絶縁層であって、前記絶縁層が光透過性を有し、それにより前記有機発光機能層から発した光が前記第1反射電極により反射されるように前記絶縁層の中を透過して前記第1反射電極に到達する絶縁層と、前記ベース基板に位置し、かつ駆動トランジスタを含む画素回路であって、前記駆動トランジスタが半導体層、ソース電極及びドレイン電極を含み、前記ソース電極及びドレイン電極のうちの一つが前記第1反射電極と互いに電気的に接続され、前記半導体層が前記ベース基板内に位置する画素回路と、前記ベース基板に位置し、データ信号を記憶するように構成された記憶コンデンサと、を含む。本実施例において、周辺領域は、前記ベース基板に位置する複数の第2反射電極と、前記複数の第2反射電極の前記ベース基板から離れた側に設置された遮光層と、を含む。
【0013】
本実施例の表示装置において、絶縁層によって第1反射電極と第1電極層とを互いに離間する。このようにして、第1反射電極をウェハー工場で製造された駆動基板に集積することが可能にし、第1反射電極の製造コスト及び難易度を低下させるだけでなく、表示装置の高発光輝度及び高発光効率を保証する。本明細書において、「駆動基板」は、表示装置において第1電極層の下方(第1電極層を含まない)に位置する積層構造を指すもので、該積層構造は、駆動トランジスタのような画素回路を含むため、発光素子の発光を駆動することに適する。
【0014】
図1(a)は、本開示の実施例が提供する表示装置のシリコンウェハーでの配置模式図であり、すなわちウェハマップ(wafer map)である。このウェハマップは、シリコンウェハーでの表示装置の数及び配列形態を模式的に示している。理解すべきなのは、図に示された表示装置の数及び配列形態は、例示的なものだけであり、本開示の実施例を限定するものではない。
図1(b)は、本開示の実施例が提供する表示装置における各機能領域の模式図である。
図1(b)に示すように、表示装置は、表示領域(Activearea、略称AA)と、表示領域を取り囲む周辺領域(Edge area、略称EA)と、バインディング領域(Bonding area、略称BA)と、を含む。表示領域AAは、アレイ状に配列された複数の画素ユニットPXを有する。各画素ユニットPXは、複数のサブ画素SPを有する。例えば、画素ユニットは、3つ、4つ、5つまたはより多くのサブ画素を含んでもよく、これは、実際の応用環境に応じて設計を行って決定する必要があり、ここで限定しない。
図1(b)に示すように、表示装置は、バインディング領域BA内に位置する複数のパッドをさらに含み、パッドは、表示装置に信号入力又は出力のチャネルを提供するためのものである。
図7は、本開示の実施例が提供する表示装置の断面模式図である。例えば、
図7に示すように、表示装置は、三つのサブ画素、すなわち赤色サブ画素SP1と、緑色サブ画素SP2と、青色サブ画素SP3と、を含む。表示装置におけるサブ画素の色は、単に例示的なものであり、さらに青色、白色などの他の色を含むことができる。
【0015】
図2は、本開示の実施例が提供する表示装置のサブ画素の部分拡大断面模式図である。
図2及び
図7に示すように、例えば、各サブ画素は、第1反射電極106と第1反射電極106に位置する発光素子130とを含み、発光素子130は、順に第1反射電極106に積層された第1電極層122と、有機発光機能層124と、第2電極層126とを含む。
【0016】
例えば、続いて
図2及び
図7を参照し、各サブ画素は、第1反射電極106と第1電極層122との間に位置する絶縁層103をさらに含み、絶縁層103は、光透過性を有し、それにより有機発光機能層124から発した光が第1反射電極106に反射されるように絶縁層103の中を透過して第1反射電極106に到達する。絶縁層103によって第1反射電極106と第1電極層122とを離間し、このようにして、第1反射電極106製造する時、第1反射電極106をウェハー工場で製造された駆動基板に集積し、第1反射電極106の製造コスト及び製造の難易度を低下させる。かつ、有機発光機能層124から発した光Lが絶縁層103の有機発光機能層124に近接する第1表面1031に入射した時、絶縁層103が光透過性能を有するため、光Lは、絶縁層103の第1表面1031を透過し、絶縁層103の第1反射電極106に近接する第2表面1032から出射して第1反射電極106に到達することができる。第1反射電極106が反射性能を有し、その上に入射した光Lを発光素子130に反射し、最終的に発光素子130から出射する。本実施例において、絶縁層103の光透過性能により、第1反射電極106により反射された光は、ほとんど損失することなく外へ出射されたため、表示装置の高発光輝度及び高発光効率を保証する。例えば、三つのサブ画素における絶縁層103は、一体に形成されることで製造しやすく、製造プロセスの難易度を低下させる。
【0017】
少なくともいくつかの実施例において、絶縁層に第1電極層と第1反射電極とを電気的に接続するための導電パスが提供される。以下に、導電パスの二つの例を提供する。
【0018】
例えば、
図2に示すように、絶縁層103は、金属部材108が充填されたビアホール110を含み、第1反射電極106は、金属部材108により第1電極層122に電気的に接続される。このように、絶縁層103に第1反射電極106と第1電極層122との間の導電パスを形成することにより、表示装置における画素回路により提供された信号を第1反射電極106により第1電極層122に伝送することに役立つ。このようにして、画素回路の発光素子に対する制御を実現することに役立つだけでなく、表示装置の構造をよりコンパクトにし、装置の小型化に役立つ。さらに、例えば、金属部材108は、金属材料、例えばタングステン金属で製造され、タングステン金属で充填されたビアホールは、タングステンビアホール(W-via)とも呼ばれる。例えば、絶縁層103の厚さが大きい場合、絶縁層103にタングステンビアホールを形成することは、導電パスの安定性を保証することができ、かつ、タングステンビアホールを製造するプロセスが成熟しているため、得られた絶縁層103の表面平坦度が高く、絶縁層103と第1電極層122との間の接触抵抗の低減に役立つ。理解すべきなのは、タングステンビアホールは、絶縁層103と第1電極層122との間の電気的接続を実現することに適するだけでなく、第1反射電極106と画素回路との間の電気的接続や他の配線層との間の電気的接続にも適する。第1反射電極106と画素回路との電気的接続については、後に詳述する。
【0019】
さらに例えば、
図3に示すように、絶縁層203は、第1反射電極206を露出させる第1開口210を含み、第1電極層222の少なくとも一部222aは、第1開口210内に位置しかつ第1反射電極206に電気的に接続される。
図2において、第1電極層122と第1反射電極106は、金属部材108により電気的に接続され、両者が直接接触しない。
図3において、第1電極層222の一部222aは、絶縁層203の第1開口210内に充填され、かつ第1反射電極206と互いに直接接触して電気的接続を形成する。
図2に比べて、
図3における絶縁層203の第1開口210は、金属部材を充填する必要がないため、製造プロセスがより簡単である。かつ、第1電極層222と第1反射電極206が互いに直接接触するため、表示装置の厚さを減少させ、表示装置の薄化に役立つ。
【0020】
少なくともいくつかの実施例において、第1反射電極と第1電極層は、互いに絶縁される。例えば、
図4に示すように、第1反射電極306全体は、絶縁層303により第1電極層322と分離され、かつ第1電極層322と互いに絶縁される。すなわち、第1電極層322と第1反射電極306との間は、電気的に接続されない。このようにして、第1反射電極306を製造する時に、従来の表示装置における配線層と画素回路の位置又は接続関係を変更する必要がないまま、同様に本開示の目的を達成することができる。この場合、駆動トランジスタT1を含む画素回路は、ビアホール310を介して第1電極層322に電気的に接続されて発光素子の発光を制御するために用いられる。
【0021】
例えば、
図2に示すように、表示装置は、少なくとも一つの配線層M1をさらに含み、少なくとも一つの配線層M1は、第1反射電極106とベース基板100との間に位置する。例えば、配線層M1は、金属層(ハッチング部分)を含み、ゲート電極接続部102g、ソース電極接続部102s及びドレイン電極接続部102dは、この同じ金属層に位置する。
【0022】
例えば、
図2に示すように、第1反射電極106も金属層105を含み、該金属層105の材料は、例えばアルミニウム銅合金などのアルミニウム又はアルミニウム合金であり。アルミニウム又はアルミニウム銅合金の抵抗が小さく、かつ反射率が高いため、表示装置の発光輝度及び発光効率を向上させることができる。例えば、金属層105の厚さは、10nm~1000nmの間である。厚さが低すぎる場合、反射効果が明らかでないが、厚さが高すぎる場合、パネル全体の厚さが大きくなる。第1反射電極106は、表示装置の配線層M2とみなすことができる。
図2に示すように、表示装置が複数の配線層を含む場合、第1反射電極106が位置する配線層M2は、最上層の配線層であり、このように第1反射電極106の製造を簡略化することができ、表示装置の下層のアーキテクチャを破壊する必要がない。
【0023】
例えば、
図2に示すように、第1反射電極106は、少なくとも一つの保護層104をさらに含み、この保護層104は、金属層105と積層設置されかつ金属層105のベース基板100に近接する側に位置する。すなわち、保護層104は、金属層105のベース基板100に近接する表面に位置する。このように、保護層104は、金属層105の酸化を回避することができる。例えば、保護層の材料は導電性材料、例えば窒化チタン(TiN)である。金属層105の第1電極層122に近接する表面に保護層104が設置されていないため、有機発光機能層124から発し、かつ第1電極層122、絶縁層103を通過する光は、金属層105の表面に直接入射することができ、これにより光の界面での損失を減少させ、光反射効率及び表示装置の発光輝度を向上させる。
【0024】
本開示の実施例において、保護層104の設置方式及び数は、
図2に示す状況に限定されない。第1反射電極には保護層を設けなくてもよい。例えば、
図3及び
図4に示すように、第1反射電極106、306は、いかなる保護層を含まず、金属層のみを含む。一層の保護層を設置する場合、保護層は、金属層の片側に設置されてもよい。例えば、金属層105のベース基板100に近接する側(
図2に示すように)のみに設置されるか、又は、金属層105のベース基板100から離れた側(図示せず)のみに設置される。二層の保護層を設置する場合、金属層の両側に設置してもよい。例えば、
図5に示すように、第1反射電極406は、二つの保護層404と、両者の間に位置する金属層405とを含む。二つの保護層404は、それぞれ金属層405がベース基板400に近接する側と、金属層405がベース基板400から離れた側とに位置する。この場合、絶縁層403は、ビアホール410と、ビアホール内に位置する金属部材408とを含む。第1電極層422は、金属部材408により二つの保護層404と金属層405とを含む第1反射電極406に電気的に接続される。理解すべきなのは、上記保護層は、さらに他の配線層に適用することができる。例えば、
図2に示すように、ゲート電極接続部102g、ソース電極接続部102s及びドレイン電極接続部102dのそれぞれの上下両側にいずれも保護層が設置され、このように、これらの電極接続部が酸化されることを効果的に防止し、導電性能を向上させることができる。
【0025】
例えば、
図7に示すように、絶縁層103は、パッド112を露出させる第2開口114をさらに含み、第2開口114の設置は、パッド112と外部回路との間の電気的接続及び信号連通に役立つ。
図7の表示装置は、
図2に示すサブ画素構造を採用し、理解すべきなのは、
図3~
図5に示すサブ画素構造がいずれも
図7の表示装置に適用されることができ、ここで説明を省略する。
【0026】
少なくともいくつかの実施例において、第1電極層と第1反射電極との間の相対的な位置関係は、実際の必要に応じて決定することができる。例えば、
図2及び
図6(a)に示すように、第1電極層122のベース基板100が位置する平面での正射影は、第1反射電極106のベース基板100が位置する平面での正射影内に位置する。すなわち、第1電極層122の正射影の面積は、第1反射電極106の正射影の面積より小さい。このように、第1電極層122を通過した光は、ほとんど全て第1反射電極106に入射しかつ反射され、それにより表示装置の発光効率及び発光輝度を向上させる。理解すべきなのは、第1電極層及び第1反射電極の設置方式は、
図2及び
図6(a)に示す状況に限定されず、逆であってもよい。例えば、
図3に示すように、第1反射電極206のベース基板100が位置する平面での正射影は、第1電極層222のベース基板200が位置する平面での正射影内に位置する。さらに例えば、
図4及び
図6(b)に示すように、第1反射電極306のベース基板300が位置する平面での正射影は、第1電極層322のベース基板200が位置する平面での正射影と局所的に重なり、このような位置関係において、従来の表示装置における配線層と駆動トランジスタとの電気的接続関係を変更しなくてもよく、第1反射電極306の製造プロセスを簡単にする。
【0027】
少なくともいくつかの実施例において、第1反射電極の形状は、
図6(a)及び
図6(b)に示す矩形に限定されず、例えば円形、楕円形、平行四辺形、正多角形、台形などの他の規則的な形状であってもよい。又は、第1反射電極は、さらに例えば折れ線形、湾曲形、ハニカム形などの不規則な形状を有してもよい。例えば、
図9(a)における第1反射電極306は、ハニカム形状である。ベース基板に平行な平面内で、第1電極層の形状は、第1反射電極の形状と同じであるか又は異なってもよい。例えば、
図6(a)に示すように、ベース基板100が位置する平面内に、第1反射電極106の形状は、第1電極層122の形状と同じである。このように、第1反射電極106により反射されて出射された光の輝度がより均一であることを保証することができる。また例えば、第1電極層の形状は、円形であり、第1反射電極の形状は、矩形である。さらに、この場合、円形の第1電極層のベース基板が位置する平面での正射影は、矩形の第1反射電極のベース基板が位置する平面での正射影内に位置する。このようにして、円形の第1電極層を通過した光は、ほぼ全て矩形の第1反射電極に入射しかつ反射され、それにより表示装置の発光効率及び発光輝度を向上させる。
【0028】
少なくともいくつかの実施例において、有機発光機能層は、発光層と、正孔注入層、電子注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子ブロック層、正孔ブロック層のうちの一つ又は複数の膜層からなる多層構造とを含んでもよい。
図18は、本開示の実施例が提供する有機発光機能層の構造模式図である。例えば、
図18に示すように、有機発光機能層124は、上から下へ順に電子注入層EIL、電子輸送層ETL、発光層OL、正孔注入層HTL及び正孔輸送層HILを含み、これらの層は、本分野の既知の材料及び構造を採用することができ、ここで詳細に説明しない。有機発光機能層124は、有機材料で製造されてもよく、
図2に示すように、第1電極層122及び第2電極層126の電圧駆動で、有機材料の発光特性を利用して必要な階調に応じて発光する。
【0029】
少なくともいくつかの実施例において、各サブ画素は、画素回路をさらに含み、この画素回路は、駆動トランジスタを含む。
図8(a)は、本開示の実施例が提供する表示装置の回路模式図である。
図8(b)は、本開示の実施例が提供する表示装置の部分回路模式図である。例えば、
図8(a)に示すように、表示領域AAにおいて、各サブ画素SPは、一つの発光素子Xと、該発光素子Xに結合された一つの画素回路10とを含む。
図8(b)に示すように、各画素回路10は、駆動トランジスタM0を含む。発光素子Xは、例えばOLEDを含む。このように、OLEDの正極は、駆動トランジスタM0の第2端Dに電気的に接続され、OLEDの負極は、第2電源端VSSに電気的に接続される。第2電源端VSSの電圧は、一般的には負電圧又は接地電圧VGND(例えば0V)である。駆動トランジスタM0は、N型トランジスタであってもよく、電流がその第1端Sから第2端Dに流れる時、第1端Sをそのソース電極とし、第2端Dをそのドレイン電極としてもよい。電流がその第2端Dから第1端Sに流れる時、第2端Dをそのソース電極とし、第1端Sをそのドレイン電極としてもよい。
【0030】
例えば、
図2及び
図7に示すように、各サブ画素における駆動トランジスタT1は、ソース電極Sと、ドレイン電極Dと、半導体層(ソース電極Sとドレイン電極Dとの間に位置する部分)とを含み、ソース電極Sとドレイン電極Dのうちの一つは、第1反射電極106と互いに電気的に接続される。半導体層は、ベース基板内に位置し、該半導体層は、例えばソース電極Sとドレイン電極Dとの間に形成されたチャネル領域である。例えば、
図2に示すように、駆動トランジスタT1は、ゲート電極Gと、ソース電極Sと、ドレイン電極Dとを含む。三つの電極は、それぞれ三つの電極接続部に対応する。例えば、ゲート電極Gは、ゲート電極接続部102gに電気的に接続され、ソース電極Sは、ソース電極接続部102sに電気的に接続され、ドレイン電極Dは、ドレイン電極接続部102dに電気的に接続される。駆動トランジスタT1のドレイン電極Dは、ドレイン電極接続部102dを介して第1反射電極106に電気的に接続される。駆動トランジスタT1がオン状態にある時、電源線により提供された電気信号VDDは、駆動トランジスタT1のドレイン電極S、ドレイン電極接続部102d及び第1反射電極106により第1電極層122に伝送することができる。第2電極層126と第1電極層122との間に電圧差が形成されるため、両者の間に電界が形成され、有機発光機能層124は、該電界の作用で発光する。
【0031】
少なくともいくつかの実施例において、各サブ画素は、ベース基板に位置する記憶コンデンサをさらに含む。例えば、
図8(b)に示すように、各サブ画素は、データ信号を記憶するように構成された、ベース基板に位置する記憶コンデンサCstをさらに含む。記憶コンデンサCstの第1端は、駆動トランジスタM0のゲート電極Gに結合され、記憶コンデンサCstの第2端は、接地端GNDに結合される。このようにして、駆動トランジスタT1のゲート電極Gは、記憶コンデンサCstにより高階調又は低階調のデータ信号を記憶することができる。
【0032】
少なくともいくつかの実施例において、周辺領域は、ベース基板に位置する複数の第2反射電極と、複数の第2反射電極のベース基板から離れた側に設置された遮光層とを含む。例えば、
図7に示すように、周辺領域EAに第2反射電極216が設置され、該第2反射電極216は、第1反射電極106と同じ構造を有し、例えば、金属層215及び保護層214を含む。例えば、金属層215と金属層105は、同じ層に設置され、保護層214と保護層104は、同じ層に設置され、このように製造プロセスを簡略化することに役立つ。第2反射電極216のベース基板100から離れた側に、第2反射電極216により反射された光線を遮断し、かつ表示領域から周辺領域への光漏れを低減するための遮光層240が設置される。例えば、該遮光層240は、少なくとも二つの色のカラーフィルム層の積層構造を含む。例えば、遮光層240は、積層設置された赤色カラーフィルム層218と緑色カラーフィルム層220とを含む。他の実施例において、さらに三種類の色のカラーフィルム層の積層構造を採用してもよい。また例えば、遮光層は、ブラックマトリクス層を含み、ブラックマトリクス層は、黒色樹脂材料を含み、同様に遮光効果を実現することができる。遮光層におけるカラーフィルム層を製造する時に、表示領域AAにおける同じ色のカラーフィルム層と同じプロセスステップで完了することができ、このように製造プロセスのステップを減少させることができる。
【0033】
例えば、
図7に示すように、表示装置は、表示領域AA内に設置された第1封止層132、カラーフィルタ層134、第2封止層136及びカバー138をさらに含む。例えば、第1封止層132は、第2電極層126のベース基板から離れた側に位置する。カラーフィルタ層134は、第1封止層132のベース基板から離れた側に位置し、かつ赤色カラーフィルム層R、緑色カラーフィルム層G及び青色カラーフィルム層Bを含む。第2封止層136及びカバー138は、カラーフィルタ層134のベース基板から離れた側に位置する。第1封止層132、カラーフィルタ層134、第2封止層136及びカバー138の具体的な材料については、本分野の一般的な材料を採用することができ、ここで詳細に説明しない。例えば、周辺領域EAにおいて、さらに該遮光層240を覆う封止層236及びカバー238が設置される。例えば、封止層236と第2封止層136は、同じ材料を採用し、かつ同じプロセスステップで製造を完了し、カバー238とカバー138は、同じ材料を採用し、かつ同じプロセスステップで製造を完了し、このように、製造プロセスのステップを減少させることができる。
【0034】
図9(a)は、本開示の実施例が提供する表示装置の構造模式図である。
図9(b)は、本開示の実施例が提供する表示装置の断面模式図である。例えば、
図9(a)及び
図9(b)に示すように、表示装置は、表示領域AA内に位置し、互いに間隔を隔てた複数の第1反射電極306を含む第1反射電極パターンを含む。例えば、周辺領域EAは、センサ領域30を含み、該表示装置は、センサ領域30内に位置する複数の第2反射電極パターンをさらに含み、該第2反射電極パターンは、互いに間隔を隔てた複数の第2反射電極307を含む。
【0035】
少なくともいくつかの実施例において、周辺領域は、ベース基板に位置する複数の第3反射電極をさらに含む。例えば、
図9(a)及び
図9(b)に示すように、周辺領域EAは、接続電極領域50をさらに含み、該表示装置は、接続電極領域50内に位置する第3反射電極パターンをさらに含み、該第3反射電極パターンは、互いに間隔を隔てた複数の第3反射電極308を含む。
【0036】
少なくともいくつかの実施例において、第1反射電極パターンのパターン密度は、第2反射電極パターンのパターン密度及び/又は第3反射電極パターンのパターン密度と同じである。
図9(a)に示すように、複数の第1反射電極306のパターン密度は、複数の第2反射電極307のパターン密度と同じであり、又は、複数の第1反射電極306のパターン密度は、複数の第3反射電極308のパターン密度、又は、複数の第1反射電極306のパターン密度、複数の第2反射電極307のパターン密度、複数の第3反射電極308のパターン密度といずれも同じである。このようにして、導電層をエッチングする時にオーバーエッチング現象が発生することを回避することができる。発明者らは、導電層をエッチングする過程において、表示装置の表示領域に反射電極パターンを形成する必要があり、該有機発光ダイオード表示装置の周辺領域の導電層部分を完全に又は局所的に除去する必要があり、表示領域と周辺領域のパターン密度が異なり、それにより同じドライエッチングプロセスで、単位面積内に、表示領域と周辺領域のエッチングにより除去する必要のある導電性材料の量の差異が大きいことを発見する。ドライエッチングプロセスの選択性が低く、それにより、一方では最終的に形成された第1電極パターンのプロセス膜厚及び寸法均一性を管理制御しにくく、他方では第1電極パターンの下の絶縁層にオーバーエッチング現象が発生しやすい。本実施例において、第2反射電極パターンのパターン密度及び第3反射電極パターンのうちの少なくとも一つを第1反射電極パターンのパターン密度と同じにし、オーバーエッチング現象の発生を回避し、それによりエッチング均一性を向上させることができる。
【0037】
少なくともいくつかの実施例において、周辺領域は、複数の第2反射電極及び複数の第3反射電極のベース基板から離れた側に設置された遮光層をさらに含む。例えば、
図9(a)及び
図9(b)に示すように、複数の第2反射電極307及び複数の第3反射電極308のベース基板から離れた側に遮光層330が設置され、該遮光層は、ブラックマトリクス層を含み、該ブラックマトリクス層の材料は、黒色樹脂であり、第2反射電極307及び第3反射電極308により反射された光線を遮断し、かつ表示領域から周辺領域への光漏れを低減することができる。
【0038】
例えば、
図9(a)及び
図9(b)に示すように、周辺領域EAは、表示領域AAを取り囲む第1ダミー領域20をさらに含み、該第1ダミー領域20内に反射電極が設置されない。例えば、該第1ダミー領域20に第1ダミー電極22が設置される。例えば、該第1ダミー領域20における第1ダミー電極22は、表示領域AAにおける複数の第1電極322と同じ層に位置することにより、製造プロセスを簡略化する。表示領域AAにおいて、隣接する二つの第1電極322は、画素定義層323により分離する。例えば、有機発光機能層324、第2電極326、封止層327は、いずれも第1ダミー領域20に延在する。
【0039】
例えば、
図9(a)及び
図9(b)に示すように、周辺領域EAは、センサ領域30を取り囲む第2ダミー領域40をさらに含み、該第2ダミー領域40内に反射電極が設置されない。例えば、該第2ダミー領域40に第2ダミー電極42が設置される。
【0040】
例えば、
図9(a)及び
図9(b)に示すように、周辺領域EAは、接続電極領域50を取り囲む第3ダミー領域60をさらに含み、該第3ダミー領域60内に反射電極が設置されない。例えば、該第3ダミー領域60に第3ダミー電極62が設置される。
【0041】
少なくともいくつかの実施例において、表示装置の周辺領域は、電圧制御回路をさらに含む。例えば、
図8(a)及び
図8(b)に示すように、表示装置は、アレイ基板の周辺領域に位置する、画素回路10における駆動トランジスタM0の第1極が共通の電圧制御回路12に結合される複数の電圧制御回路12をさらに含んでもよい。電圧制御回路は、リセット制御信号REに応答して、初期化信号Vinitを駆動トランジスタM0の第1極に出力し、対応する発光素子Xをリセットするように制御し、かつ発光制御信号EMに応答して、第1電源信号VDDを駆動トランジスタの第1極に出力して、発光素子Xが発光するように駆動するように構成される。
【0042】
少なくともいくつかの実施例において、第1電極層は、透明電極層である。例えば、第1電極層は、光透過性材料又は半光透過性材料で製造されてもよい。同様に、第2電極層は、透明電極層であってもよく、例えば光透過性材料又は半光透過性材料で製造される。光透過性材料は、例えば透明導電性酸化物であり、インジウムスズ酸化物(indium tin oxide、ITO)、インジウム亜鉛酸化物(indium zinc oxide、IZO)、カドミウムスズ酸化物(cadmium tin oxide、CTO)、酸化スズ(stannum dioxide、SnO2)及び酸化亜鉛(zinc oxide、ZnO)などを含むがこれらに限定されない。例えば、第1電極層は、ITOで製造される。ITO材料は、一般的なモリブデン、チタン金属に比べて高い仕事関数を有するため、OLEDアノード材料として用いられることに適し、かつITOが高い透過率を有するため、有機発光機能層から発した光は、ほとんど損失することなく第1電極層を通過することができ、さらに表示装置の発光効率及び発光輝度を向上させる。シリコンベースのマイクロOLED表示装置において、第1電極層と第2電極層のうちの一つは、アノードとして用いられ、もう一つは、カソードとして用いられる。
【0043】
少なくともいくつかの実施例において、絶縁層の材料は、光透過性材料であり、例えば窒化ケイ素(SiNx)、酸化ケイ素(SiOx)、酸化アルミニウム(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)又は他の適切な材料等を含む。例えば、絶縁層は、単層であってもよく、多層であってもよい。
【0044】
少なくともいくつかの実施例において、ベース基板は、シリコンベース基板である。シリコンベース基板の製造プロセスが成熟し、性能が安定し、高集積度のマイクロ表示装置の製造に適する。例えば、表示装置は、シリコンベースのマイクロ有機発光ダイオード表示装置である。
【0045】
本実施例の表示装置において、第1電極層122、有機発光機能層124及び第2電極層126を含む発光素子と、第1封止層132と、カラーフィルタ層134と、第2封止層136と、カバー138とは、いずれもパネル工場で製造され、また、パッド112の上方の絶縁層103もパネル工場でエッチングされてパッドを露出させ、かつそれに対してフレキシブル回路基板とのバインド(FPC bonding)行うか又は配線バインド(Wire bonding)工程を行う。したがって、本開示の設計された表示装置を採用することにより、ウェハー工場で第1反射電極106及び絶縁層103を製造し、発光素子の形成に適する駆動基板を製造することができ、第1反射電極の製造難易度を低下させるだけでなく、パネル工場の後続プロセス工程に役立つ。
【0046】
本開示の別の実施例は、表示装置の製造方法を提供し、前記表示装置は、表示領域と、表示領域を取り囲む周辺領域とを含み、該製造方法は、ベース基板を提供することと、前記ベース基板に複数のサブ画素を形成することであって、前記複数のサブ画素が前記表示領域に位置することと、を含む。ここで、前記サブ画素の形成は、第1反射電極を形成することと、前記第1反射電極に発光素子を形成することであって、前記発光素子が前記第1反射電極に順次積層された第1電極層、有機発光機能層及び第2電極層を含み、前記第1電極層が透明電極層であり、前記有機発光機能層が電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔注入層及び正孔輸送層を含むことと、前記第1反射電極と前記第1電極層との間に絶縁層を形成することであって、前記絶縁層が光透過性を有し、それにより前記有機発光機能層から発した光が前記第1反射電極により反射されるように前記絶縁層の中を透過して前記第1反射電極に到達することと、前記ベース基板に画素回路を形成することであって、前記画素回路が駆動トランジスタを含み、前記駆動トランジスタが半導体層、ソース電極及びドレイン電極を含み、前記ソース電極及びドレイン電極のうちの一つが前記第1反射電極と互いに電気的に接続され、前記半導体層が前記ベース基板内に位置することと、前記ベース基板に記憶コンデンサを形成することであって、前記記憶コンデンサがデータ信号を記憶するように構成されたことと、を含む。該製造方法は、前記周辺領域に複数の第2反射電極を形成することと、前記複数の反射電極の前記ベース基板から離れた側に遮光層を形成することと、をさらに含む。
【0047】
本実施例において、第1電極層、発光素子、第2電極層、絶縁層、第1反射電極、第2反射電極、画素回路、記憶コンデンサの設置方式及び具体的な構造又は材料は、以上の実施例の内容を参照することができ、ここで説明を省略する。
【0048】
従来の表示装置の製造方法において、反射性金属は、一般的にパネル工場で製造され、プロセス製造の難易度及びコストを増加させる。本実施例において、第1反射電極と第1電極層を絶縁層により分離することにより、表示装置における第1反射電極及び絶縁層を含む積層構造をウェハー工場において独立して製造することが可能になり、かつ該積層構造は、発光素子を製造することに適する表面を有するため、第1反射電極の製造難易度を低下させるとともに、表示装置の高発光効率及び高発光輝度を保証する。
【0049】
図10に示すように、本開示の更なる実施例は、サブ画素の形成方法を提供し、
ベース基板を提供するステップS1と、
前記ベース基板に光反射層及び絶縁層を形成するステップS2と、
前記絶縁層に発光素子を形成し、前記発光素子が前記光反射層に順次積層された第1電極層、発光層及び第2電極層を含み、第1電極層が透明電極層であり、前記絶縁層が光透過性を有し、それにより前記発光層から発した光が前記光反射層に反射されるように前記絶縁層の中を透過して前記光反射層に到達するステップS3と、を含む。
【0050】
例えば、本開示の実施例は、
図2の表示装置のサブ画素の形成方法を提供し、この方法は、以下のステップ101~103を含む。
【0051】
ステップ101、ベース基板を提供し、かつベース基板100に第1反射電極106及び絶縁層103を形成する。
例えば、ベース基板100に第1反射電極106を形成する。例えば、該第1反射電極106は、金属層105と保護層104とを含む。金属層105及び保護層104は、パターン化プロセスを用いて形成することができる。本開示の実施例において、パターン化プロセスは、フォトリソグラフィプロセスを含むがこれに限定されない。例えば、フォトリソグラフィプロセスは、予めパターン化された材料にフォトレジストを塗布し、マスクを利用してこのフォトレジストを露光し、フォトレジストを現像して一部のフォトレジストを除去し、一部の予めパターン化された材料をエッチングし、残りのフォトレジストを剥離することを含む。次に、第1反射電極106に絶縁層103を形成する。例えば、絶縁層103の形成は、
図11に示すように絶縁層103にビアホール110を形成することと、
図12に示すようにビアホール110に金属部材108を充填することとを含む。ここまで、発光素子を形成することに適する第1表面1031を有する駆動基板を形成する。理解すべきなのは、第1反射電極及び絶縁層以外に、ベース基板にさらに画素回路等の他の素子を形成する必要があり、その具体的な製造過程は、ここで詳細に説明しない。
【0052】
ステップ102、絶縁層103の第1表面1031に第1電極層122を形成する。
例えば、
図13に示すように、絶縁層103のベース基板100から離れた側に第1電極材料150を形成し、次に、
図14に示すように第1電極材料150をパターン化して第1電極層122を形成する。第1電極層122は、ビアホール110を被覆しかつ金属部材108と接触し、第1電極層122は、金属部材108により第1反射電極106と電気的に接続される。
【0053】
ステップ103、
図2に示すように第1電極層122のベース基板から離れた側に順に有機発光機能層124及び第2電極層126を形成する。
【0054】
本実施例の製造方法において、ステップ101は、ウェハー工場で実行することができ、かつ駆動基板を得て、該駆動基板は、発光素子を形成することに適する第1表面1031を有する。次に、ステップ102及びステップ103は、パネル工場で実行され、パネル工場は、ステップ101で得られた駆動基板に、発光素子を製造し続けてパッケージし、それにより最終的な表示装置を得る。従来の表示装置の製造方法に比べて、第1反射電極は、ウェハー工場で製造することができるため、第1反射電極の製造難易度及び製造コストを低下させるだけでなく、表示装置の高発光効率を保証する。
【0055】
例えば、本開示の他の実施例は、
図3のサブ画素の形成方法を提供し、この方法は、ステップ201~203を含む。
【0056】
ステップ201、
図15に示すように、ベース基板を提供し、かつベース基板200に第1反射電極206及び絶縁層203を形成する。
例えば、画素回路が形成されたベース基板200に第1反射電極206を形成する。例えば、該第1反射電極106は、金属層のみを含む。次に、第1反射電極206に絶縁層203を形成する。例えば、絶縁層203の形成は、絶縁層203に第1開口210を形成し、第1開口210は、第1反射電極206を露出させる。
図15に示すように、第1反射電極206のベース基板200から離れた一部の表面は、第1開口210から露出する。ここまで、発光素子を形成することに適する第1表面2031を有する駆動基板を形成する。
【0057】
ステップ202、絶縁層203の第1表面2031に第1電極層222を形成する。
例えば、
図16に示すように、絶縁層203のベース基板200から離れた側に第1電極材料250を形成する。次に、
図17に示すように、第1電極材料250をパターン化して第1電極層222を形成する。第1電極層222は、第1開口210を被覆し、第1電極層222の少なくとも一部222aは、第1開口210内に形成されかつ第1反射電極206に電気的に接続される。
【0058】
ステップ203、
図3に示すように第1電極層222のベース基板から離れた側に順に発光層224及び第2電極層226を形成する。
【0059】
本実施例の製造方法において、ステップ201は、ウェハー工場で実行することができ、かつ駆動基板を得て、該駆動基板は、発光素子を形成することに適する第1表面2031を有する。次に、ステップ202及びステップ203は、パネル工場で実行され、パネル工場は、ステップ201で得られた駆動基板に、続いて発光素子を製造してパッケージを行い、それにより最終的な表示装置を得る。従来の表示装置の製造方法に比べて、第1反射電極は、ウェハー工場で製造することができるため、第1反射電極の製造難易度及び製造コストを低下させるだけでなく、表示装置の高発光効率を保証する。
【0060】
本開示の更なる実施例は、駆動基板を提供し、発光素子の発光を駆動することに適し、ベース基板と、表示領域と、周辺領域とを含む。ここで、前記表示領域は、前記ベース基板に位置する複数のサブ画素を含む。ここで、各サブ画素は、前記ベース基板に位置する第1反射電極と、絶縁層であって、前記第1反射電極の前記ベース基板から離れた側に位置し、前記絶縁層が前記発光素子の形成に適する第1表面を有し、前記絶縁層が光透過性を有し、それにより前記絶縁層に入射した光が前記第1反射電極により反射されるように前記絶縁層の中を透過して前記第1反射電極に到達するものと、前記ベース基板上に位置しかつ駆動トランジスタを含む画素回路であって、前記駆動トランジスタが半導体層、ソース電極、ドレイン電極を含み、前記ソース電極及びドレイン電極のうちの一つが前記第1反射電極と互いに電気的に接続され、前記半導体層が前記ベース基板内に位置するものと、前記ベース基板に位置しかつデータ信号を記憶するように構成された記憶コンデンサと、を含む。ここで、周辺領域は、前記表示領域を取り囲み、かつ前記ベース基板に位置する複数の第2反射電極と、前記複数の第2反射電極の前記ベース基板から離れた側に設置された遮光層と、を含む。
【0061】
本実施例の駆動基板において、第1反射電極を有し、かつ絶縁層が前記発光素子を形成することに適する第1表面を有するため、第1反射電極をウェハー工場で製造された駆動基板に集積することができ、第1反射電極の製造コスト及び難易度を低下させるだけでなく、表示装置の高発光輝度及び高発光効率を保証する。
【0062】
例えば、
図12に示すように、駆動基板は、ベース基板100と、第1反射電極106と、絶縁層103とを含み、絶縁層103は、金属部材118が充填されたビアホール110を含み、金属部材118と第1反射電極106は、互いに電気的に接続される。このように、絶縁層103は、発光素子130を形成することに適する第1表面1031を有する。
【0063】
例えば、
図15に示すように、駆動基板は、ベース基板200と、第1反射電極206と、絶縁層203とを含み、絶縁層203は、第1反射電極203を露出させる第1開口210を含む。このように、絶縁層203は、発光素子230を形成することに適する第1表面2031を有する。
【0064】
本開示の実施例が提供する表示装置及びその製造方法、駆動基板において、絶縁層及び第1反射電極が設置されるため、表示装置における第1反射電極と絶縁層を含む積層構造をウェハー工場で独立して製造することが可能になり、それにより第1反射電極の製造難易度を低下させるとともに、表示装置の高発光効率及び高発光輝度を保証する。
【0065】
本明細書において、下記の点をさらに説明する必要がある。
(1)本開示の実施例の図面は、本開示の実施例の関する構造のみに関し、他の構造について通常の設計をしてもよい。
【0066】
(2)明確にするために、本開示の実施例を説明するための図面において、層、又は領域の厚さは、拡大又は縮小され、すなわちこれらの図面は、実際の比率に応じて描画されるものではない。
【0067】
(3)衝突コンフリクトがない場合、本開示の実施例および実施例における特徴を互いに組合せて新しい実施例を得ることができる。
【0068】
以上は、本開示の例示的な実施形態のみであり、本開示の保護範囲を限定するものではなく、本開示の保護範囲は、添付の請求項により決定される。
【符号の説明】
【0069】
10 画素回路
100 ベース基板
103 絶縁層
106 第1反射電極
122 第1電極層
126 第2電極層
130 発光素子
216 第2反射電極
240 遮光層
AA 表示領域
Cst 記憶コンデンサ
EA 周辺領域
SP サブ画素