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特許7339455一体型ドアチェックを備えた自動車用リフトオフヒンジ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-28
(45)【発行日】2023-09-05
(54)【発明の名称】一体型ドアチェックを備えた自動車用リフトオフヒンジ
(51)【国際特許分類】
   E05D 7/10 20060101AFI20230829BHJP
   B60J 5/04 20060101ALI20230829BHJP
   E05D 5/06 20060101ALI20230829BHJP
   E05D 5/12 20060101ALI20230829BHJP
   E05D 5/14 20060101ALI20230829BHJP
   E05D 11/08 20060101ALI20230829BHJP
【FI】
E05D7/10
B60J5/04 K
B60J5/04 L
E05D5/06 C
E05D5/12 A
E05D5/14
E05D11/08
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022577658
(86)(22)【出願日】2021-06-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-04
(86)【国際出願番号】 US2021037817
(87)【国際公開番号】W WO2021257821
(87)【国際公開日】2021-12-23
【審査請求日】2023-05-31
(31)【優先権主張番号】63/040,139
(32)【優先日】2020-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514056403
【氏名又は名称】マルチマティック インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】MULTIMATIC INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】コバチ、 クリストファー ロバート
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第6073308(US,A)
【文献】独国特許出願公開第10226881(DE,A1)
【文献】特表2004-536986(JP,A)
【文献】特開2001-49940(JP,A)
【文献】特開2008-157012(JP,A)
【文献】特開2010-105483(JP,A)
【文献】特開2011-111724(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05D 1/00-15/08
B60J 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のドア及びボディを回転可能に接続するための自動車用リフトオフヒンジジョイントであって、
第1のドア側ヒンジブラケット及び第2のドア側ヒンジブラケットと、
ボディ側ヒンジブラケットと、
第1の端部、第2の端部、並びに、成形ディテントシャフト特徴部及び取り外し可能なねじ付きファスナを受け入れるように適合される内ねじ式中間部分を設けられたシャフト中空コアを有するディテントシャフトと、
前記ディテントシャフトの前記第1の端部及び前記第2の端部にそれぞれ隣接して配置される第1の端部ブッシング及び第2の端部ブッシングと、
前記ディテントシャフトの前記第1の端部及び前記中間部分を受け入れるように適合される開放中心コアを有する円筒形チェック機構と、
中央部分における方形底面ピラミッド形状、多角形の第1の部分、多角形の第2の部分、及び前記取り外し可能なねじ付きファスナを受け入れように適合されるピン中空コアを有するガイドピンと、
を備え、
前記第1の端部ブッシング及び前記第2の端部ブッシングは、前記ディテントシャフトと前記第1及び第2のドア側ヒンジブラケットとの間にそれぞれ配置され、
前記ディテントシャフトの前記第1の端部は、前記第1のドア側ヒンジブラケットに回転可能に取り付けられ、前記ディテントシャフトの前記第2の端部は、前記第2のドア側ヒンジブラケットに回転可能に取り付けられ、
前記ガイドピンの前記第1の部分は、前記ボディ側ヒンジブラケットに非回転式に取り付けられ、
前記成形ディテントシャフト特徴部は、前記ガイドピンの対応するように成形された中央部分に非回転式に係合し、
前記ガイドピンの前記第2の部分は、前記シャフト中空コアの対応するように成形された第1のセクション内に、それらの間で接触することなく受け入れられ、
それによって、前記ファスナが完全に締め付けられたときに、ドアがボディに回転可能に接続され、前記ファスナが取り外されたときに、前記ドアは前記ボディから取り外され得る、自動車用リフトオフヒンジジョイント。
【請求項2】
前記ガイドピンの前記多角形の第1の部分及び第2の部分は方形である、請求項1に記載の自動車用リフトオフヒンジジョイント。
【請求項3】
前記ガイドピンは、スエージ、又は加締めよって前記ボディ側ヒンジブラケットに固定される、請求項1に記載の自動車用リフトオフヒンジジョイント。
【請求項4】
前記ガイドピンは、溶接、又は接着よって前記ボディ側ヒンジブラケットに固定される、請求項1に記載の自動車用リフトオフヒンジジョイント。
【請求項5】
前記ディテントシャフトは、溝が設けられており、前記チェック機構におけるバネ荷重ローラと回転可能に相互作用して、複数の個別の位置においてディテントトルクを発生させる、請求項1に記載の自動車用リフトオフヒンジジョイント。
【請求項6】
前記ガイドピンの前記第1の部分は、ほぞを構成し、これは前記ボディ側ヒンジブラケットにおいて対応するように成形された開口部に挿入され、前記ガイドピンを前記ボディ側ヒンジブラケットに結合するためにスエージされる、請求項1に記載の自動車用リフトオフヒンジジョイント。
【請求項7】
前記多角形の第1の部分及び第2の部分の角、及び前記ガイドピンの方形の中央部分は、それぞれが噛み合う前記ディテントシャフト及び前記ボディ側ブラケットの対応する部分との円滑な位置合わせを容易にするために丸みを帯びている、請求項1に記載の自動車用リフトオフヒンジジョイント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用ドアヒンジ、特にリフトオフヒンジジョイントの分野に関する。
【0002】
(関連出願への相互-参照)
本出願は、2020年6月17日に提出された米国仮出願第63/040,139号に対する優先権を主張し、それは参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
基本的に全ての現代の自動車工場は、最終塗装の前に板金で作られたドアを車両ボディに組み立てる。最終塗装前のこれらの構造物は、それぞれ白地ドア及び白地ボディと呼ばれる。組み立ては、ドアをボディに回転可能に結合するヒンジを使用して行われる。この段階でヒンジを使用すると、ドアを正しい向きでボディに取り付けることが容易になる。その後、最終塗装は、ドアが所定の位置にある状態で行われる。
【0004】
生産のこの時点で、塗装に続いて、ボディからドアを取り外すことが有用である。これにより、窓ガラス、シール、オーディオスピーカ、ドア内側トリム等、様々な構成要素を並列ラインでドアに効率的にさらに組み立てることが可能になる。ドアを簡単にボディから取り外して再組み立てするために、様々な技術が使用されてきた。この目的では、数年前からリフトオフヒンジジョイントが有利に使用されてきた。
【0005】
リフトオフヒンジは、取り外して再度取り付ける際に、ヒンジ構成要素、ドア、又はボディを損傷することなく、塗装のために十分に正しく向けられようにドアをしっかりと保持することを含む多くの問題に悩まされる傾向がある。ヒンジ構成要素の安全かつ繰り返し可能な位置合わせを可能にすることが最も望ましい。また、適切な向きでボディへドアを一貫して確実に再組み立てできるように、特定の位置でのみ分解及び再組み立てを許可することが好ましい。さらに、特定のスポーツ車両等、消費者のエンドユーザーによる簡単で便利な分解及び再組み立てを可能にするように構成されたヒンジジョイント構成要素を提供することが望ましい。
【0006】
事実上全ての車両は、ユーザーの出入り、積載等のために複数の個別の開放位置に保持されるドアを必要とする。これはドアチェッカによって促進される。ドアチェッカは、関連付けられたヒンジとは別であってもヒンジと統合されてもよい。安全で便利に使用できるリフトオフヒンジをドアチェッカと組み合わせると有利であろう。
【発明の概要】
【0007】
本発明の好ましい実施形態では、リフトオフヒンジジョイントは、一対のドア側ヒンジブラケット、ボディ側ヒンジブラケット、成形ディテントシャフト特徴部を有するディテントシャフト、ガイドピン、チェック機構、及びリフトオフファスナを備える。ディテントシャフトは、ブッシングを使用して、間隔を空けた2つのドア側ヒンジブラケットに回転可能に接続される。
【0008】
ディテントシャフトは、ディテントシャフトを囲むチェック機構内に回転可能に取り付けられる。ディテントシャフトとチェック機構との回転相互作用は、複数の所望の位置でドアをチェックするために必要なディテントトルクを発生させる。チェック機構は、チェック力を発生させるためにディテントシャフト上の溝と相互作用するバネが事前荷重されたローラを有する。例えば、その全体が参照により組み込まれている“Integrated Door Check Hinge for Automobiles”と題されたUS6,481,056を参照。成形ディテントシャフト特徴部は、ガイドピンの対応するように成形された部分に位置合わせされる。
【0009】
ガイドピンは、ボディ側ヒンジブラケットに固定される。この位置合わせにより、ドア側とボディ側のヒンジブラケットは、組み立て及び再組み立てのために正しい向きに配置される。ドアの組み立て及び再組み立てのための適切な向きを確保するには、非円形の底面、例えば、ガイドピンの方形底面ピラミッド状成形中間部分が理想的であることが分かった。最後に、取り外し可能なリフトオフファスナは、ネジ状の端部を有するボルトの形態で、ガイドピンの穴を通して、ボディ側ヒンジブラケットのオリフィスから挿入され、それに対応するディテントシャフトの内ネジ穴にねじ込むことによって締められる。典型的には、ボルトの頭部とボディ側ヒンジブラケットとの間にワッシャが設けられており、ボルトの取り付け及び取り外しが容易になる。
【0010】
実際には、ガイドピンの中間部分の方形の形状及びそれに対応するディテントシャフト特徴部は、部品の円滑な接触を容易にし、組み立て及び分解の際の部品の摩耗を防ぐために、角が丸みを帯びるように変更されてもよい。ガイドピンの一端には、ボディ側ヒンジブラケットにおける対応するように成形された開口部に位置合わせされるほぞが設けられており、2つの構成要素を結合するためにスエージされてもよい。ガイドピン及びボディ側ヒンジブラケットは、加締め、溶接、又は同様の締結手段によって結合されてもよい。ほぞ及びドア側ヒンジブラケットにおける対応する開口部は、ガイドピンの反対側の端部の外形に一致するように方形であってもよく、ほぞとドア側ヒンジブラケットとの間の相対的な回転を防ぐために三角形又は六角形等の別の多角形であってもよい。
【0011】
同様に、ガイドピンの反対側の端部は、ディテントシャフトの穴内に非回転可能に収まるように、方形又は非方形の多角形の形状を有してもよい。ガイドピンの方形底面ピラミッド状成形部分のみが、ディテントシャフト特徴部の対応するように成形された部分と係合する。これにより、フォームフィットが発生する。一方、ガイドピンの反対側の端部は、実際には係合することなく、ヒンジの組み立て時にディテントシャフトをガイドピンに一時的に保持するためのガイド要素として機能する。好ましくは、ガイドピンの反対側の端部とディテントシャフトの穴との間の隙間によって、これら2つの特徴が相互に干渉することが防がれる。
【0012】
ガイドピンの中間ピラミッド状部分の方形の形状は、ボディへのドアの正しい組み立て及び再組み立てを容易にするために最適であることが分かった。自動車用サイドドアは、典型的には、65度から85度の間で開く。実際には、作業者又はロボットがこのような狭い場所でドアを操作することは困難であるため、ドアを閉鎖位置又は略閉鎖位置において掛け直すことはできない。また、例えば、ドアを120度開いた状態で掛け直そうとした場合、ドア及びボディの板金が接触して両方に損傷を与える可能性がある。そのため、方形底面ピラミッド状ピンの90度のインデクシングによって、作業者又は機械がアクセスすることが可能な正しい位置にのみドアを掛け直すことができ、付随する損傷を伴う板金部品間の接触を防ぐことができる。他の多角形の形状では、基本的に絶対確実あるこの部品の最適なインデクシングは行えないであろう。工場の設定では非常に便利であるが、基本的に絶対確実な部品のインデクシングは、スポーツ車両のドアが反復的に取り外し及び交換される場合に、損傷を防ぐためにこれらのリフトオフヒンジを消費者が使用する場合に特に有益である。
【0013】
一般的な車両のドアは、2つのヒンジジョイント、すなわち上部及び下部のヒンジジョイントによってボディに取り付けられる。上記の一体型ドアチェッカを備えたヒンジジョイントは、上部の位置が好ましい場合もあるが、いずれの位置に取り付けられてもよい。同様のガイドピンが、典型的には下部の、反対側のドア側ヒンジブラケットに設けられてもよい。このようにして、最初にリフトオフファスナを使用せずに、ドアをボディ側ヒンジブラケットから持ち上げ及び取り外して、正しい向きで再度取り付けることができる。これにより、ドアの組み立て作業が大幅に簡略化される。
【0014】
最後に、リフトオフファスナが挿入及び締め付けられると、ガイドピンの方形底面ピラミッド状中間部分、及びそれに対応するディテントシャフトの成形部分、ディテントシャフト特徴部が、しっかりと係合して、様々な構成要素間の全ての動きの自由度を制限する。ただし、チェッカ機構に対する及びドア側ヒンジブラケットに対するディテントシャフトの許容される回転運動は例外である。これにより、安全な構造的ジョイントがもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一体型ドアチェックを備えたリフトオフヒンジの斜視図である。
【0016】
図2】本発明の一体型ドアチェックを備えたリフトオフヒンジの断面立面図である。
【0017】
図3】本発明の一体型ドアチェックを備えたリフトオフヒンジの、図1の平面「2」を通る断面立面図である。
【0018】
図4】本発明の一体型ドアチェックを備えたリフトオフヒンジの分解斜視図である。
【0019】
図5】互いに組み立てる前の、本発明のガイドピン及びボディ側ヒンジブラケットの一部の斜視図である。
【0020】
図6】互いに組み立てた後の、本発明のガイドピン及びボディ側ヒンジブラケットの一部の斜視図である。
【0021】
図7】互いに組み立てた後の、本発明のガイドピン及びボディ側ヒンジブラケットの一部の部分斜視断面図である。
【0022】
図8】本発明のディテントシャフトの斜視図である。
【0023】
図9】互いに組み立てた後の、本発明のガイドピン及びボディ側ヒンジブラケットの一部の斜視図である。
【0024】
図10】ディテントシャフトをガイドピンに取り付ける前の、分離されたディテントシャフト及び組み立てられたガイドピン及びボディ側ヒンジブラケットの斜視図である。
【0025】
図11】ディテントシャフトが取り付けられているが固定されていない、組み立てられたガイドピン及びボディ側ヒンジブラケットの断面立面図である。
【0026】
図12】ディテントシャフトが取り付けられかつねじ付きファスナで固定されている、組み立てられたガイドピン及びボディ側ヒンジブラケットの断面立面図である。
【0027】
図13】概略的な車両ドアに固定された一体型ドアチェックを備えた組み立てられたリフトオフヒンジ及び車両ドアに固定された下部リフトオフヒンジの断面立面図である。
【0028】
様々な態様又は個々の特徴の何れかを含む前の段落、請求項又は以下の記載及び図面の実施形態、例示及び代替物は、独立して又は任意の組み合わせで理解されてもよい。一実施形態に関連して記載された特徴は、このような特徴が非互換性でない限り、全ての実施形態に適用可能である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
一体化ドアチェック1を備えた自動車用リフトオフヒンジ(単に自動車用リフトオフヒンジとも呼ばれる)は、車両用ドア3及び車両ボディ(図示せず)を回転可能に接続するように構成されている。図1に示すように、リフトオフヒンジ1は、第1のドア側ヒンジブラケット5、第2のドア側ヒンジブラケット7、ボディ側ヒンジブラケット9を備える。ヒンジブラケットは、典型的には、板金から打ち抜かれるが、熱間圧延、鋳造等を使用して形成された外形部品であってもよい。
【0030】
リフトオフヒンジ1は、第1の端部13、第2の端部15、及び成形ディテントシャフト特徴部17を備えたシャフト中空コア12を有するディテントシャフト11をさらに備える。分離されたディテントシャフト11は、例えば、図8に示されている。シャフト中空コア12において、第1の端部13に隣接する部分には、シャフト中空コア12の第1のセクション19がある。ディテントシャフト11のシャフト中空コア12は、内ねじ式中間部分23をさらに備える。
【0031】
図4に示すように、ねじ付きファスナ25は、ディテントシャフト11の内ねじ式中間部分23と係合するように適合される。ねじ付きファスナ25は、典型的には、ボルトである。
【0032】
リフトオフヒンジ1は、開放中心コア29を備えた円筒形チェック機構27をさらに備える。円筒形チェック機構27は、例えば図3に示されている。図2及び図3に示されているように、ディテントシャフト11は、第1の端部ブッシング31及び第2の端部ブッシング33によって、円筒形チェック機構27の開放中心コア29内で回転するように適合される。
【0033】
ガイドピン35は、リフトオフヒンジ1の一体要素である。ガイドピン35は、好ましくは、方形底面ピラミッド状形状を有する中央部分37、好ましくは方形であって、ほぞを含み得る第1の多角形部分39、同じく好ましくは方形である第2の多角形部分41、及びピン中空コア43を備える。例えば,図5から図7は、ガイドピン35を示している。
【0034】
ヒンジは、互いに取り外し可能に取り付けられるように構成されるドア側半分及びボディ側半分によって形成されている。
【0035】
図5は、ボディ側半分から始めて、ボディ側ヒンジブラケット9の対応するように成形された開口部又はオリフィス10に挿入する準備ができているガイドピン35の第1の多角形部分39を示している。部品の円滑な係合を容易にするために、ガイドピン35の第1の多角形部分39の外側の角及びオリフィス10の内側の角は丸みを帯びていてもよい。ガイドピン35は、ガイドピン35のピラミッド状中央部37の表面がボディ側ヒンジブラケット9の対向面に接したときに移動限界まで挿入される。ピラミッド状中央部37の4つの角は、ボディ側ヒンジブラケット9を変形させることなく、硬い底面上で大きな安定性及び強度を得るための複数の接触線を提供する。挿入後、ガイドピン35は、第1の多角形部分39の端、又はほぞの突起部分をスエージすることによって、ボディ側ヒンジブラケット9に取り付けられてもよい。図6及び図10にほぞ39のスエージ部分40を示す。加締め等の他の材料据え込み方法、又は溶接等の代替方法を利用して、ガイドピン35をボディ側ヒンジブラケット9に固定してもよい。図7及び図9は、図5及び図6の反対の観点からボディ側面ドアブラケット9に固定されたガイドピン35を示している。図7の部分断面図は、ガイドピン35のピン中空コア43を示している。
【0036】
図2図3及び図4に示すように、ドア側半分については、円筒形チェック機構27は、US 6,481,056に記載されているものと同様に構築されている。本発明の場合、円筒形チェック機構27は、第2のドア側ヒンジブラケット7における第2のオリフィス8の周りで第2のドア側ヒンジブラケット7上に置かれている。ディテントシャフト11の第1の端部13は、第2のオリフィス8及び円筒形チェック機構27の開放中心コア29を介して挿入される。次に、第1のドア側ヒンジブラケット5は、ディテントシャフト11の第1の端部13が第1のドア側ヒンジブラケット5の第1のオリフィス6を介して延びるように、ディテントシャフト11の第1の端部13に取り付けられる。ディテントシャフト11の第2の端部15のフランジ16は、ディテントシャフト11のさらなる縦方向の動きを制限するように、第2のドア側ヒンジブラケット7に接する。ワッシャ14がディテントシャフト11の第1の端部13の上に配置され、第1のドア側ヒンジブラケット5及び第2のドア側ヒンジブラケット7を連結するために、第1の端部13がワッシャの上でスエージされる。円筒形チェック機構27は、第1のドア側ヒンジブラケット5と第2のドア側ヒンジブラケット7との間の分離を維持する。第1のドア側ヒンジブラケット5及び第2のドア側ヒンジブラケットのそれぞれの第1のオリフィス6及び第2のオリフィス8内のディテントシャフト11の軸回転は、第1の端部ブッシング31及び第2の端部ブッシング33によって容易になる。
【0037】
ドア側半分は、前述のようにドア側半分を組み立てる前又は後に、自動車用ドア3に取り付けられてもよい。典型的には、第1のドア側ヒンジブラケット5及び第2のドア側ヒンジブラケット7は、従来の手段を使用してドア3にボルトで固定される。また、これらのブラケット5及び7は、溶接又は他の適切な接着手段によってドア3に取り付けられてもよい。
【0038】
同様に、ボディ側半分は、前述のようにボディ側半分の組み立ての前又は後に自動車の車両ボディに取り付けられてもよい。ボディ側ヒンジブラケット9は、典型的には、従来の手段を使用してボディにボルトで固定される。また、ボディブラケット9は、溶接又は他の適切な接着手段によってボディに取り付けられてもよい。
【0039】
ドア側半分及びボディ側半分がそれぞれドア3及びボディに組み立て及び取り付けられた状態で、ドア側半分はボディ側半分に取り外し可能に取り付けられてもよい。ディテントシャフト11はガイドピン35と係合するように適合される。典型的には、接触は方形底面ピラミッド形状を備えたガイドピン35の中央部分37、及びフォームフィットを作るためにディテントシャフト11の同様の成形ディテントシャフト特徴部17において発生する。再び、ガイドピン35の中央部分37の方形外部角部又は端部及びディテントシャフト特徴部17の内側角部は、これらの部分をスライドさせて係合及び係合解除しやすくするために丸みを帯びてもよい。好ましくは、接触が競合し又はこのような接触と干渉する他の表面がない接触面において正確な位置合わせが確保されるように、ガイドピン35の非接触部分とディテントシャフト11のシャフト中空コア12との間に遊びがある。ガイドピン35の第2の多角形部分41はガイド特徴部として機能し、ヒンジの組み立て中にディテントシャフト11のシャフト中空コア12の第1のセクション19を一時的に保持する。
【0040】
前述のように、その後、ドア3はボディから持ち上げられてもよい。接触するガイドピン35及びディテントシャフト11の対応する形状により、ドア3を何度取り外して交換しても、ドア3は以前と同様に正確にボディに位置合わせされる。前述のように、ピラミッド状ガイドピン35の直角インデクシングには、ドアをどちらかの方向に90度回転させると、ヒンジへのアクセスを過度に制限し、又はドアに対する損傷の危険があるため、ドアを正確な位置に掛け直す必要がある。ガイドピン35の形状は方形ピラミッド形状が好ましいが、三辺形又は六角形も有効である。
【0041】
ドア3が回転可能に及び軸方向にボディに固定される準備ができると、ねじ付きファスナ25は、典型的には、第2のワッシャ26に通され、ガイドピン35の中空コア43を通って、ディテントシャフト11の内ねじ式中間部分23に入る。典型的には、ねじ付きファスナ25の前端24は、ディテントシャフト11の内ねじ式中間部分23よりも直径が小さいため、ねじ付きファスナ25が内ねじ式中間部分23に完全に締め付けられたとき、その前端24はディテントシャフト11に接触しない。ねじ付きファスナ25を締め付けると、それぞれガイドピン35及びディテントシャフト11の2つのピラミッド面37、17がしっかりと係合し、構造的ジョイントを生成するように他の自由度を抑制する。例えば、図2図3及び図12には、締結されたジョイントが示されている。
【0042】
リフトオフヒンジのドアチェック機能を実現するために、ディテントシャフト11には、ディテントシャフト11が円筒形チェック機構内で回転するときに、円筒形チェック機構27の開放中心コア29内のバネ荷重ローラと係合する溝又はスプライン18が設けられる。スプライン18及び開放中心コア29内のバネ荷重ローラの相互作用によって、ドア3が回転して開閉するときに、多数の個別の位置でチェックすることを可能にするディテントトルクが発生する。前述のように、ヒンジと統合されたこの形式のドアチェックは、US6,481,056に記載されている。
【0043】
好ましくは、図示のリフトオフヒンジはチェック機構と共に使用されるが、ファスナ締め付け時のピンの回転を防ぐためにチェック機構なしでも使用され得る。上記の多角形形状がこの機能を容易にしている。
【0044】
図13に示すように、第2のヒンジジョイント45、典型的には、各ドアの1対のヒンジの下部は、典型的な一体型ドアチェック1を備えた上部リフトオフヒンジよりも単純であり得る。下部ドア側ヒンジブラケット49に取り付けられた下部ガイドピン47は、単に下部ボディ側ヒンジブラケット53の下部ボディブラケット開口部51を介して取り付けられてもよい。ねじ付きファスナ25が上部ヒンジ1において締め付けられると、下部ヒンジジョイント45における下部ガイドピン47も必然的に上下移動が制限される。下部ドア側ヒンジブラケット49及び下部ボディ側ヒンジブラケット53は、上部ボディ側ヒンジブラケット1に対して、第1の及び第2の上部ドア側ヒンジブラケット5、7と共に互いに対して回転してもよい。代替的に、必要に応じて、下部ヒンジジョイント45は従来の手段を用いて固定され得る。
【0045】
本発明は、図面及び前述の説明において詳細に図示及び説明されているが、そのような図示及び説明は、説明的又は例示的であり、限定的ではないとみ見なされるべきである。本発明は、開示された実施形態に限定されない。開示された実施形態の他のバリエーションも、図面、開示、及び添付された請求項の吟味により、当業者及び請求項に記載された発明を実施する者によって理解されると共に実行され得る。請求項において、「備える」という語は他の要素を除外するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は複数を除外するものではない。単一のプロセッサ、コントローラ又は他のユニットが、請求項に記載されているいくつかの項目の機能を果たしてもよい。単に特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという事実によって、これらの手段の組み合わせを利用して利点を得ることができないことを示すものではない。請求項のいかなる参照符号も、その範囲を制限するものと解釈されるべきではない。
【0046】
また、例示の実施形態には特定の構成要素の配置が開示されているが、それによって他の配置も利益を得ることが理解されるべきである。特定のステップシーケンスが示されかつ記載されているが、ステップは特段の定めが無ければ任意の順番で行われ、分離され又は組み合わされてもよく、本発明から利益を得ることが理解されるべきである。
【0047】
異なる例は例示された特定の構成要素を有するが、本発明の実施形態は、こうした特定の組合せに限定されない。一例による構成要素又は特徴の一部を別の例による特徴又は構成要素と組み合わせて使用することも可能である。
【0048】
例示の実施形態が開示されているが、当業者であれば所定の修正が特許請求の範囲内に入ることを認識するであろう。この理由のために、以下の請求項は真の範囲及び内容を決定するよう検討されるべきである。
図1
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図13