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特許7339467森林蓄積量連続監視測定方法、システム及びその実施方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-28
(45)【発行日】2023-09-05
(54)【発明の名称】森林蓄積量連続監視測定方法、システム及びその実施方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/02 20120101AFI20230829BHJP
【FI】
G06Q50/02
【請求項の数】 6
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023100523
(22)【出願日】2023-06-20
【審査請求日】2023-07-31
(31)【優先権主張番号】202210745848.1
(32)【優先日】2022-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522417786
【氏名又は名称】四川省林業和草原調査規劃院(四川省林業和草原生態環境監測中心)
(73)【特許権者】
【識別番号】523159845
【氏名又は名称】四川様地時空科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】高飛
(72)【発明者】
【氏名】李娜娜
【審査官】佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第113626411(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109344215(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103268613(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109992747(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第111783360(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107909260(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110032611(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第113156394(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第112101159(CN,A)
【文献】特開2022-53520(JP,A)
【文献】特開2016-85145(JP,A)
【文献】特開2008-46837(JP,A)
【文献】特開2006-85517(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
森林蓄積量連続監視測定方法であって、その特徴は、次のステップを含むことである。
(1)サンプルプロットのサンプリング設計を行う:監視測定サンプルプロットのレイアウトを完成し、サンプルプロット母集団、サンプリング方法、及びサンプルプロットの空間位置を確定する。
(2)インテリジェントサンプルプロットのレイアウトインテリジェントサンプルプロットのレイアウトを行う。サンプルプロットに対して一回目の測定と監視測定設備のレイアウトとを完成する。
(3)サンプルプロットデータの自動収集を行う。
(4)蓄積の動的更新を行う。土地変化ありサブコンパートメントについては、リモートセンシング変化で検出され、森林資源チェンジポリゴンの図形と属性情報とを同時に更新し、土地変化なしサブコンパートメントについては、インテリジェントサンプルプロットデータで動的森林構造更新モデルを構築したうえで、森林サブコンパートメントの属性情報を更新する。具体的なステップは次の通りである。
(4.1)ステップ(3)で収集したデータに基づいて、各インテリジェントサンプルプロットの蓄積を算出する。
(4.2)インテリジェントサンプルプロットに基づいて現在の監視測定エリアの森林蓄積量とサンプリング精度とを計算する。森林蓄積量の計算式は以下の通りである。
【数1】
その中、all_Plotはインテリジェントサンプルプロットに基づいて計算された現在の監視測定エリアの森林蓄積量であり、vijはj番目母集団のi番目サンプルプロットの蓄積であり、sijはj番目母集団のi番目サンプルプロットの面積であり、Sはj番目母集団の合計面積であり、nはj番目母集団のサンプルプロット数であり、mは現在の監視測定エリア母集団数である。サンプリング精度の計算式は以下の通りである。
【数2】
その中、
は現在のサンプルプロット母集団のサンプリング精度であり、
は信頼性指標であり、
はj番目母集団のサンプル分散の算術平方根であり、
はj番目母集団のサンプル平均数である。
(4.3)サンプリング精度がサンプリング設計を満たしているか否かを判定し、そうである場合には、ステップ(4.4)を実行する一方、そうでない場合には、ステップ(1)を実行して、サンプリング設計を調整し、インテリジェントサンプルプロットを補完する。
(4.4)一類調査を組み合わせるか否かを判定し、そうである場合には、インテリジェントサンプルプロットに基づいて現在の監視測定エリアの森林蓄積量を今期の森林蓄積量として計算して、ステップ(4.17)を実施する一方、そうでない場合には、ステップ(4.5)を実行する。
(4.5)監視測定期間中にリモートセンシング画像が取得されたか否かを判定し、そうである場合には、ステップ(4.6)を実行する一方、そうでない場合には、動的森林構造モデルの更新のみを実施し、ステップ(4.11)を実行する。
(4.6)リモートセンシング変化による測定・更新を実施し、リモートセンシング変化による測定を主要な手段とし、現場調査及びファイル更新の方法を補助とし、土地変化ありサブコンパートメントの空間範囲を区分して、リモートセンシング判読ポリゴンデータベースを形成する。
(4.7)現場調査及びファイル更新に基づいて、リモートセンシング判読ポリゴンに対して現場調査因子を記入し、現場調査データベースを形成する。
(4.8)現場調査データベースと元期の森林資源サブコンパートメントデータベースとに対して、空間更新分析を行い、元期の森林資源サブコンパートメントデータベースにおいて現場調査因子に対して空間と属性との更新を行い、今期の森林資源サブコンパートメントデータベースを生成する。
(4.9)今期の森林資源サブコンパートメントデータベースと元期の森林資源サブコンパートメントデータベースとに対して空間連合分析を行い、連合結果に対して、前後で土地変化があったサブコンパートメントのみを保留して森林資源変化データベースとする。
(4.10)森林資源変化データベースの今期のサブコンパートメント蓄積と元期のサブコンパートメント蓄積との差異を集計して、土地変化ありサブコンパートメントのサブコンパートメント蓄積変化量を得る。計算式は以下の通りである。
【数3】
その中、
は土地変化ありサブコンパートメントのサブコンパートメント蓄積変化量であり、
はi番目森林資源変化データベースサブコンパートメントのサブコンパートメント蓄積であり、
はi番目森林資源変化データベースサブコンパートメントの元期のサブコンパートメント蓄積であり、oは森林資源変化データベースサブコンパートメントの総数である。
(4.11)二類調査を組み合わせるか否かを判定し、そうである場合には、ステップ(4.12)を実行する一方、そうでない場合には、ステップ(4.14)を実行する。
(4.12)土地変化なしサブコンパートメント内サンプルプロット総蓄積を計算し、この総蓄積と元期のサンプルプロット総蓄積との比と、1との差を求めて、動的森林構造モデル更新パラメータとする。計算式は以下の通りである。
【数4】
その中、kは動的森林構造モデル更新パラメータであり、Vcur_Plotは土地変化なしサブコンパートメント内サンプルプロット総蓄積であり、Vbase_Plotは元期のサンプルプロット総蓄積である。
(4.13)土地変化なしサブコンパートメント蓄積に動的森林構造モデル更新パラメータを乗じ、集計して森林構造変化ありサブコンパートメントの森林蓄積量変化量とする。計算式は以下の通りである。
【数5】
その中、ΔVStruct_varyは森林構造変化ありサブコンパートメントの森林蓄積量変化量であり、Vbase_Structは土地変化なしサブコンパートメント蓄積であり、Vcur_Plotは土地変化なしサブコンパートメント内サンプルプロット総蓄積であり、Vbase_Plotは元期のサンプルプロット総蓄積である。
(4.14)各層またはクォータ中の土地変化なしサブコンパートメント内サンプルプロット総蓄積を計算し、この総蓄積と元期のサンプルプロット総蓄積との比と、1との差を求めて、各層またはクォータの動的森林構造モデル更新パラメータとする。計算式は以下の通りである。
【数6】
その中、
はj番目層またはクォータの動的森林構造モデル更新パラメータであり、
はj番目層またはクォータ中の土地変化なしサブコンパートメント内サンプルプロット総蓄積であり、
はj番目層またはクォータの元期のサンプルプロット総蓄積である。
(4.15)土地変化なしサブコンパートメントの各層またはクォータ内基数サブコンパートメント蓄積に動的森林構造モデル更新パラメータを乗じ、集計して各層またはクォータの森林構造変化ありサブコンパートメントの森林蓄積量変化量とする。計算式は以下の通りである。
【数7】
その中、
は森林構造変化ありサブコンパートメントの森林蓄積量変化量であり、
はj番目層またはクォータ中の土地変化なしサブコンパートメント内サンプルプロット総蓄積であり、
はj番目層またはクォータの元期のサンプルプロット総蓄積であり、
はj番目層またはクォータ中のi番目土地変化なしサブコンパートメントの元期のサンプルプロット蓄積であり、
はj番目層またはクォータの土地変化なしサブコンパートメント内サンプルプロット蓄積であり、
はj番目層またはクォータの元期のサンプルプロット蓄積であり、
はj番目層またはクォータ内土地変化なしサブコンパートメント数であり、
は層又はクォータの数である。
(4.16)森林資源サブコンパートメントの森林蓄積量変化を計算し、計算式は以下の通りである。
【数8】
その中、ΔVは森林資源サブコンパートメントの森林蓄積量変化量であり、ΔVArea_changeは土地変化ありサブコンパートメントのサブコンパートメント蓄積変化量であり、ΔVStruct_varyは森林構造変化ありサブコンパートメントの森林蓄積量変化量である。
(4.17)プロセスを終了する。
(5)精度検査及び補正を行う。
(6)監視測定出力を行う:今期の蓄積監視測定データを出力する。
(7)監視測定期間が到来したか否かを判定し、そうである場合には、プロセスを終了する一方、そうでない場合には、ステップ(3)に戻り、連続監視測定を実施する。
【請求項2】
請求項1に記載の森林蓄積量連続監視測定方法の特徴は前記ステップ(5)において、森林蓄積量変化量を監視測定基礎に重ね合わせて、監視測定結果に対して精度検査を実施し、インテリジェントサンプルプロットデータと森林資源サブコンパートメントデータとがいずれも精度要件を満たすように、精度要件を満たしていないデータに対して原因を見出した後補正を行う。
【請求項3】
請求項2に記載の森林蓄積量連続監視測定方法の特徴は前記ステップ(5)の具体的なステップは以下の通りである。
(5.1)一類調査を組み合わせるか否かを判定し、そうでない場合には、ステップ(5.2)を実行する一方、そうである場合には、インテリジェントサンプルプロットに基づいて計算された監視測定エリアの総蓄積を今期の森林蓄積量とする。
(5.2)クォータサンプリングが必要かどうかを判定し、そうである場合には、ステップ(5.5)を実行する一方、そうでない場合には、監視測定元期のサブコンパートメント森林蓄積量と森林サブコンパートメント蓄積量変化量との合計値である、監視測定サブコンパートメント蓄積集計値と、インテリジェントサンプルプロットに基づいて計算された今期の監視測定エリアの総蓄積量である、サンプリング母集団の調査蓄積値とを比較する。
(5.3)監視測定サブコンパートメント蓄積集計値とサンプリング母集団の調査蓄積値との差異が標準誤差の±1倍以内であるか否かを判定し、そうでない場合には、ステップ(5.4)を実行する一方、そうである場合には、補正をスキップして、監視測定サブコンパートメント蓄積集計値を今期の森林蓄積量とする。
(5.4)監視測定サブコンパートメント蓄積集計値とサンプリング母集団の調査蓄積値との差異が標準誤差以内になるように、森林資源サブコンパートメント蓄積の偏差が比較的大きいサブコンパートメントに対して修正を行い、補正後の監視測定サブコンパートメント蓄積集計値を今期の森林蓄積量とする。
(5.5)各クォータ内監視測定サブコンパートメントのヘクタール当たり蓄積とサンプリング調査のヘクタール当たり蓄積とを計算して比較し、両者の差が所定のしきい値を超えているか否かを判定し、そうでない場合には、ステップ(5.6)を実行する一方、そうである場合には、補正をスキップして、各クォータにおける監視測定サブコンパートメント蓄積集計値を今期の森林蓄積量とする。
(5.6)各クォータ内監視測定サブコンパートメントのヘクタール当たり蓄積とサンプリング調査のヘクタール当たり蓄積との差異が所定のしきい値以内になるように、森林資源サブコンパートメント蓄積の偏差が比較的大きいサブコンパートメントに対して修正を行い、各クォータにおける補正後の監視測定サブコンパートメント蓄積集計値を今期の森林蓄積量とする。
(5.7)プロセスを終了する。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の森林蓄積量連続監視測定方法の特徴は前記ステップ(6)の具体的なステップは以下の通りである。
(6.1)今期の結果の精度検査が合格しているか否かを判定し、そうでない場合は、ステップ(6.3)を実行する一方、そうである場合には、今期の結果データベースを出力し、タイムスタンプを付けてアーカイブ・保存する。
(6.2)各結果の主要な指標を出力する。
(6.3)プロセスを終了する。
【請求項5】
森林蓄積量連続監視測定システムの特徴は請求項1に記載の森林蓄積量連続監視測定方法におけるステップ(4)~ステップ(7)を完成するための森林蓄積量連続監視測定システムであって、以下を含む。
ユーザログイン・管理モジュール:森林蓄積量連続監視測定システムにログインするために用いられる。ンテリジェントサンプルプロットデータ受信・記憶モジュール:インテリジェントサンプルプロットデータを受信して解析し、データを森林サンプルプロット時空データベースに保存し、且つ更新を行うために用いられる。
モートセンシング変化検出モジュール:複数周期のリモートセンシング画像を用いて、前後2周期のリモートセンシング変化を監視測定する判定ポリゴンを取得するために用いられる。
リモートセンシング判読ポリゴン調査・編集モジュール:リモートセンシング判読ポリゴンに対する現場検証及びファイル更新が行われた後、リモートセンシング判読ポリゴン因子の入力を完成するために用いられる。
サンプルプロット蓄積計算モジュール:森林サンプルプロット時空データベースにおける更新されたサンプル木調査情報を利用して、今期の各サンプルプロット蓄積及びサンプリング母集団蓄積を計算するために用いられる。
森林資源変化データベース生成モジュール:リモートセンシング判読ポリゴンの検証結果を用いて、元期の森林資源サブコンパートメントデータを更新し、図形と属性の対比分析を経って、森林資源チェンジポリゴンを得、今期の森林資源サブコンパートメント蓄積及び森林蓄積量変化量を算出するために用いられる。
森林構造モデル更新計算モジュール:動的モデル更新パラメータを算出し、今期の森林構造の変化による森林蓄積量変化量を取得するために用いられる。サンプリング精度及び特徴値計算モジュール:監視測定全体のサンプリング精度及び特徴値を統計して生成するために用いられる。
今監視測定時空データベース更新モジュール:期の結果が精度検査に合格した後、今期の結果にタイムスタンプを付けてアーカイブ・保存を行うために用いられる。
監視測定結果計算・統計モジュール:監視測定結果の主要な指標及び統計データテーブルを統計するために用いられる。
【請求項6】
請求項5に記載の森林資源連続監視測定システムの実行方法であって、その特徴は以下のステップを含む。
(1)ユーザはユーザログイン・管理モジュールを用いて応用システムにログインする。
(2)インテリジェントサンプルプロットデータ受信・記憶モジュールを用いて、今期のサンプルプロットデータベースを収集し更新を行う。
(3)リモートセンシング変化検出モジュールを用いて、前後周期のリモートセンシング画像に基づいて、森林資源判読ポリゴンを取得する。
(4)リモートセンシング判読ポリゴン調査・編集モジュールを用いて、森林資源判読ポリゴンに対して、外部作業調査及びファイル更新を経って、図形と属性を編集した後、現場調査データベースを得る。
(5)森林資源変化データベース生成モジュールを用いて、元期の森林資源サブコンパートメントデータを現場調査データベースに重ね合わせて、森林資源変化データベースを生成し、土地変化による森林蓄積量変化量を統計する。
(6)森林構造モデル更新計算モジュールを用いて、土地変化なしサブコンパートメントに対して、動的森林構造モデル更新パラメータを行い、すべての土地変化なしサブコンパートメントに対して蓄積更新を行い、森林構造変化による森林蓄積量変化量を統計して得る。
(7)サンプリング精度及び特徴値計算モジュールを用いて、サンプリング母集団の特徴値を計算し、サンプルプロット森林蓄積量及び森林サブコンパートメント蓄積を計算し、精度制御要件に従ってデータ補正を行う。
(8)結果精度検査が合格した後、監視測定時空データベース更新モジュールを用いて、今期の結果データベースを出力し、タイムスタンプを付けてアーカイブ・保存を行う。
(9)ユーザは必要に応じて、監視測定結果計算・統計モジュールを用いて、監視測定結果の主要な指標及び統計データテーブルを統計する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モノのインターネットデータ収集、計算及び処理の技術分野に関し、具体的には森林蓄積量連続監視測定方法、システム及びその実施方法に関する。
【背景技術】
【0002】
森林蓄積量は林業調査の主要な監視測定指標であり、実測と目測を組み合わせ、サンプリング制御とサブコンパートメント調査を組み合わせた森林資源計画設計調査(二類調査と略称する)及び森林資源特別調査は県域森林蓄積量を取得する主要な手法であり、森林蓄積量監視測定の新しい技術と新しい手法は主に、成長モデルの更新や、リモートセンシングの定量的インバージョン、レーザレーダによる樹木測量などの分野に集中し、、二類調査における森林蓄積量の調査期間が長く、精度が低く、比較可能性が低く、コストが高いという問題の解決に用いられる。
【0003】
現在、二類調査は10年に1回行われており、周期が長く作業量も多いため、「毎年出力、毎年評価」の要求を満たすことが難しい。成長モデルの更新やリモートセンシングの定量的インバージョンなどの手法は、既存の調査サンプルプロットの質と量に大きく依存しており、モデリングに使用するサンプルプロットは静的なデータであるため、初期シミュレーションの精度は高くても、後期の精度は明らかに低下したり、誤ったりすることが発生する。レーザレーダによる樹木測量はコストが高く、点群データの後期処理方法が複雑であるため、大規模な普及使用が難しい。
【0004】
現在、県域や林野区の森林蓄積量の連続監視測定を実現し、森林蓄積量の「リアルタイム出力、連続比較可能」といった監視測定の難点を突破するために、調査監視測定周期が短く、監視測定結果が正確で比較可能で、コストが低く、操作が簡単な監視測定方法とシステムが急務となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、調査監督測定周期が短く、監視測定結果が正確で比較可能で、コストが低く、操作が簡単で、森林蓄積量の「リアルタイム出力、連続比較可能」といった監視測定の難点を突破する森林蓄積量連続監視測定方法、システム及びその実施方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的は、以下の技術方案により実現される。森林蓄積量連続監視測定方法は、以下のステップを含む。
【0007】
(1)サンプルプロットのサンプリング設計を行う:監視測定サンプルプロットのレイアウトを完成し、サンプルプロット母集団、サンプリング方法、及びサンプルプロットの空間位置を確定する。
【0008】
(2)インテリジェントサンプルプロットのレイアウトを行う:サンプルプロットに対して最初の測定と監視測定設備のレイアウトを完成する。
【0009】
(3)サンプルプロットデータの自動収集を行う。
【0010】
(4)蓄積の動的更新を行う:土地変化ありサブコンパートメントは、リモートセンシング変化検出により、、森林資源チェンジポリゴンの図形と属性情報とを同時に更新し、土地変化なしサブコンパートメントは、インテリジェントサンプルプロットデータを通じて動的森林構造更新モデルを構築したうえで、森林サブコンパートメントの属性情報を更新する。
【0011】
(5)精度検査及び補正を行う。
【0012】
(6)監視測定出力を行う:今期の蓄積監視測定データを出力する。
【0013】
(7)監視測定期間が到来したか否かを判定し、そうである場合には、プロセスを終了する一方、そうでない場合には、ステップ(3)に戻り、連続監視測定を実施する。
【0014】
さらなる技術方案として、前記ステップ(4)の具体的なステップは以下の通りである。
【0015】
(4.1)ステップ(3)で収集したデータに基づいて、各インテリジェントサンプルプロットの蓄積を算出する。
【0016】
(4.2)インテリジェントサンプルプロットに基づいて現在の監視測定エリアの森林蓄積量とサンプリング精度とを計算する。
【0017】
森林蓄積量は次の式により計算され、
【数1】

その中その中、Vall_Plotはインテリジェントサンプルプロットに基づいて計算された現在の監視測定エリアの森林蓄積量であり、vijはj番目母集団のi番目サンプルプロットの蓄積であり、sijはj番目母集団のi番目サンプルプロットの面積であり、Sはj番目母集団の合計面積であり、nはj番目母集団のサンプルプロット数であり、mは現在の監視測定エリア母集団数である。
【0018】
サンプリング精度は次の式により計算され、
【数2】

その中その中、
は現在のサンプルプロット母集団のサンプリング精度であり、
は信頼性指標であり、
はj番目母集団のサンプル分散の算術平方根であり、
はj番目母集団のサンプル平均数である。
【0019】
(4.3)サンプリング精度がサンプリング設計を満たしているか否かを判定し、そうである場合には、ステップ(4.4)を実行する一方、そうでない場合には、ステップ(1)を実行して、サンプリング設計を調整し、インテリジェントサンプルプロットを補完する。
【0020】
(4.4)一類調査を組み合わせるか否かを判定し、そうである場合には、インテリジェントサンプルプロットに基づいて現在の監視測定エリアの森林蓄積量を今期の森林蓄積量として計算して、ステップ(4.17)を実行する一方、そうでない場合には、ステップ(4.5)を実行する。
【0021】
(4.5)監視測定期間中にリモートセンシング画像が取得されたか否かを判定し、そうである場合には、ステップ(4.6)を実行する一方、そうでない場合には、動的森林構造モデルの更新のみを実施し、ステップ(4.11)を実行する。
【0022】
(4.6)リモートセンシング変化による測定・更新を実施し、リモートセンシング変化による測定を主要な手段とし、現場調査及びファイル更新の方法を補助とし、土地変化ありサブコンパートメントの空間範囲を区分して、リモートセンシング判読ポリゴンデータベースを形成する。
【0023】
(4.7)現場調査及びファイル更新に基づいて、リモートセンシング判読ポリゴンに対して現場調査因子を記入し、現場調査データベースを形成する。
【0024】
(4.8)現場調査データベースと元期の森林資源サブコンパートメントデータベースに対して、空間更新分析を行い、、現地調査因子を元期の森林資源サブコンパートメントデータベース上で空間と属性を更新し、今期の森林資源サブコンパートメントデータベースを生成する。
【0025】
(4.9)今期の森林資源サブコンパートメントデータベースと元期の森林資源サブコンパートメントデータベースとに対して空間連合分析を行い、連合結果に対して、前後で土地変化があったサブコンパートメントのみを保留して森林資源変化データベースとする。
【0026】
(4.10)以下の式により、森林資源変化データベースの今期のサブコンパートメント蓄積と元期のサブコンパートメント蓄積との差異を集計して、土地変化ありサブコンパートメントのサブコンパートメント蓄積変化量を得る。計算式は次のとおりである。
【数3】

その中その中、
は土地変化ありサブコンパートメントのサブコンパートメント蓄積変化量であり、
はi番目森林資源変化データベースサブコンパートメントのサブコンパートメント蓄積であり、
はi番目森林資源変化データベースサブコンパートメントの元期のサブコンパートメント蓄積であり、oは森林資源変化データベースサブコンパートメントの総数である。
【0027】
(4.11)二類調査を組み合わせるか否かを判定し、そうである場合には、ステップ(4.12)を実行する一方、そうでない場合には、ステップ(4.14)を実行する。
【0028】
(4.12)土地変化なしサブコンパートメント内サンプルプロット総蓄積を計算し、この総蓄積と元期のサンプルプロット総蓄積との比と、1との差を求めて、動的森林構造モデル更新パラメータとする。計算式は次のとおりである。
【数4】

その中その中、kは動的森林構造モデル更新パラメータであり、Vcur_Plotは土地変化なしサブコンパートメント内サンプルプロット総蓄積であり、Vbase_Plotは元期のサンプルプロット総蓄積である。
【0029】
(4.13)土地変化なしサブコンパートメント蓄積に動的森林構造モデル更新パラメータを乗じ、集計して森林構造変化ありサブコンパートメントの森林蓄積量変化量とする。計算式は次以下の通りである。
【数5】

その中その中、ΔVStruct_varyは森林構造変化ありサブコンパートメントの森林蓄積量変化量であり、Vbase_Structは土地変化なしサブコンパートメント蓄積であり、Vcur_Plotは土地変化なしサブコンパートメント内サンプルプロット総蓄積であり、Vbase_Plotは元期のサンプルプロット総蓄積である。
【0030】
(4.14)各層またはクォータ中の土地変化なしサブコンパートメント内サンプルプロット総蓄積を計算し、この総蓄積と元期のサンプルプロット総蓄積との比と、1との差を求めて、各層またはクォータの動的森林構造モデル更新パラメータとする。計算式は以下の通りである。
【数6】

その中その中、
はj番目層またはクォータの動的森林構造モデル更新パラメータであり、
はj番目層またはクォータ中の土地変化なしサブコンパートメント内サンプルプロット総蓄積であり、
はj番目層またはクォータの元期のサンプルプロット総蓄積である。
【0031】
(4.15)土地変化なしサブコンパートメントの各層またはクォータ内基数サブコンパートメント蓄積に動的森林構造モデル更新パラメータを乗じ、集計して各層またはクォータの森林構造変化ありサブコンパートメントの森林蓄積量変化量とする。計算式は以下の通りである。
【数7】

その中その中、
は森林構造変化ありサブコンパートメントの森林蓄積量変化量であり、
はj番目層またはクォータ中の土地変化なしサブコンパートメント内サンプルプロット総蓄積であり、
はj番目層またはクォータの元期のサンプルプロット総蓄積であり、
はj番目層またはクォータ中のi番目土地変化なしサブコンパートメントの元期のサンプルプロット蓄積であり、
はj番目層またはクォータの土地変化なしサブコンパートメント内サンプルプロット蓄積であり、
はj番目層またはクォータの元期のサンプルプロット蓄積であり、
はj番目層またはクォータ内土地変化なしサブコンパートメント数であり、
は層又はクォータの数である。
【0032】
(4.16)森林資源サブコンパートメントの森林蓄積量変化を計算する。計算式は次のとおりである。
【数8】

その中その中、ΔVは森林資源サブコンパートメントの森林蓄積量変化量であり、ΔVArea_changeは土地変化ありサブコンパートメントのサブコンパートメント蓄積変化量であり、ΔVStruct_varyは森林構造変化ありサブコンパートメントの森林蓄積量変化量である。
【0033】
(4.17)プロセスを終了する。
【0034】
さらなる技術方案として、前記ステップ(5)において、森林蓄積量変化量を監視測定基礎に重ね合わせて、監視測定結果に対して精度検査を実施し、インテリジェントサンプルプロットデータと森林資源サブコンパートメントデータとがいずれも精度要件を満たすように、精度要件に合致しないデータに対して原因を見出した後補正を行う。
【0035】
さらなる技術方案として、前記ステップ(5)の具体的なステップは以下の通りである:
【0036】
(5.1)一類調査を組み合わせるか否かを判定し、そうでない場合には、ステップ(5.2)を実行する一方、そうである場合には、インテリジェントサンプルプロットに基づいて計算された監視測定エリアの総蓄積は今期の森林蓄積量である。
【0037】
(5.2)クォータサンプリングが必要かどうかを判定し、そうである場合には、ステップ(5.5)を実行する一方、そうでない場合には、監視測定元期のサブコンパートメント森林蓄積量と森林サブコンパートメント蓄積量変化量との合計値である、監視測定サブコンパートメント蓄積集計値と、インテリジェントサンプルプロットに基づいて計算された今期の監視測定エリアの総蓄積量である、サンプリング母集団の調査蓄積値とを比較する。
【0038】
(5.3)監視測定サブコンパートメント蓄積集計値とサンプリング母集団の調査蓄積値との差異が標準誤差の±1倍以内であるか否かを判定し、そうでない場合には、ステップ(5.4)を実行する一方、そうである場合には、補正をスキップして、今期の森林蓄積量は監視測定サブコンパートメント蓄積集計値である。
【0039】
(5.4)監視測定サブコンパートメント蓄積集計値とサンプリング母集団の調査蓄積値との差異が標準誤差の±1倍以内になるように、森林資源サブコンパートメント蓄積の偏差が比較的大きいサブコンパートメントに対して修正を行い、今期の森林蓄積量は補正後の監視測定サブコンパートメント蓄積集計値である。
【0040】
(5.5)各クォータ内監視測定サブコンパートメントのヘクタール当たり蓄積とサンプリング調査のヘクタール当たり蓄積とを計算して比較し、両者の差が所定のしきい値を超えているか否かを判定し、そうでない場合には、ステップ(5.6)を実行する一方、そうである場合には、補正をスキップして、この時の今期の森林蓄積量は各クォータにおける監視測定サブコンパートメント蓄積集計値である。
【0041】
(5.6)各クォータ内監視測定サブコンパートメントのヘクタール当たり蓄積とサンプリング調査のヘクタール当たり蓄積との差異が指定したしきい値内になるように、森林資源サブコンパートメント蓄積の偏差が比較的大きいサブコンパートメントに対して修正を行い、今期の森林蓄積量は各クォータにおける補正後の監視測定サブコンパートメント蓄積集計値である。
【0042】
(5.7)プロセスを終了する。
【0043】
さらなる技術方案として、前記ステップ(6)の具体的なステップは、以下の通りである。
【0044】
(6.1)今期の結果の精度検査が合格しているか否かを判定し、そうでない場合は、ステップ(6.3)を実行する一方、そうである場合には、今期の結果データベースを出力し、タイムスタンプを付けてアーカイブ・保存する。
【0045】
(6.2)各結果の主要な指標を出力する。
【0046】
(6.3)プロセスを終了する。
【0047】
上述の目的を実現するために、本発明はまた、上記のいずれかの森林蓄積量連続監視測定方法におけるステップ(4)~ステップ(7)を完成するための森林蓄積量連続監視測定システムをさらに提供する。以下を含む:
【0048】
ユーザログイン・管理モジュール:森林蓄積量連続監視測定システムにログインするために用いられる。
【0049】
インテリジェントサンプルプロットデータ受信・記憶モジュール:インテリジェントサンプルプロットデータを受信して解析し、データを森林サンプルプロット時空データベースに保存し、且つ更新を行うために用いられる。
【0050】
リモートセンシング変化検出モジュール:複数周期のリモートセンシング画像を用いて、前後2周期のリモートセンシング変化を監視測定する判定ポリゴンを取得するために用いられる。
【0051】
リモートセンシング判読ポリゴン調査・編集モジュール:リモートセンシング判読ポリゴンに対する現場検証及びファイル更新が行われた後、リモートセンシング判読ポリゴン因子の入力を完成するために用いられる。
【0052】
サンプルプロット蓄積計算モジュール:森林サンプルプロット時空データベースにおける更新されたサンプル木調査情報を利用して、今期の各サンプルプロット蓄積及びサンプリング母集団蓄積を計算するために用いられる。
【0053】
森林資源変化データベース生成モジュール:リモートセンシング判読ポリゴンの検証結果を用いて、元期の森林資源サブコンパートメントデータを更新し、図形と属性の対比分析を経って、森林資源チェンジポリゴンを得、今期の森林資源サブコンパートメント蓄積及び森林蓄積量変化量を算出するために用いられる。
【0054】
森林構造モデル更新計算モジュール:動的モデル更新パラメータを算出し、今期の森林構造の変化による森林蓄積量変化量を取得するために用いられる。
【0055】
サンプリング精度及び特徴値計算モジュール:監視測定全体のサンプリング精度及び特徴値を統計して生成するために用いられる。
【0056】
監視測定時空データベース更新モジュール:今期の結果が精度検査に合格した後、今期の結果にタイムスタンプを付けてアーカイブ・保存を行うために用いられる。
【0057】
監視測定結果計算・統計モジュール:監視測定結果の主要な指標及び統計データテーブルを統計するために用いられる。
【0058】
本発明は森林資源連続監視測定システムの実行方法をさらに提供し、以下のステップを含む。
【0059】
(1)ユーザはユーザログイン・管理モジュールを用いて応用システムにログインする。
【0060】
(2)インテリジェントサンプルプロットデータ受信・記憶モジュールを用いて、今期のサンプルプロットデータベースを収集し更新を行う。
【0061】
(3)リモートセンシング変化検出モジュールを用いて、前後周期のリモートセンシング画像に基づいて、森林資源判読ポリゴンを取得する。
【0062】
(4)リモートセンシング判読ポリゴン調査・編集モジュールを用いて、森林資源判読ポリゴンに対して、外部作業調査及びファイル更新を経て、図形と属性を編集した後、現場調査データベースを取得する。
【0063】
(5)森林資源変化データベース生成モジュールを用いて、元期の森林資源サブコンパートメントデータを現場調査データベースに重ね合わせて、森林資源変化データベースを生成し、土地変化による森林蓄積量変化量を統計する。
【0064】
(6)森林構造モデル更新計算モジュールを用いて、土地変化なしサブコンパートメントに対して、動的森林構造モデル更新パラメータを行い、すべての土地変化なしサブコンパートメントに対して蓄積更新を行い、森林構造変化による森林蓄積量変化量を統計して得る。
【0065】
(7)サンプリング精度及び特徴値計算モジュールを用いて、サンプリング母集団の特徴値を計算し、サンプルプロット森林蓄積量及び森林サブコンパートメント蓄積を計算し、精度制御要件に基づくデータ補正を行う。
【0066】
(8)結果精度検査が合格した後、監視測定時空データベース更新モジュールを用いて、今期の結果データベースを出力し、タイムスタンプを付けてアーカイブ・保存を行う。
【0067】
(9)ユーザは必要に応じて、監視測定結果計算・統計モジュールを用いて、監視測定結果の主要な指標及び統計データテーブルを統計する。
【発明の効果】
【0068】
従来技術と比較して、本発明は以下の利点を有する。森林蓄積量をリアルタイムで正確に出力することができる。インテリジェントサンプルプロットを1回だけレイアウトすることで、データ収集の頻度を数日1回にまで高め、さらに、蓄積の動的な更新と精度補正・修正により、データを数日で出力することができ、監視測定の適時性を大幅に向上させ、「毎年出力、毎年評価」を完全に満たすことができる。得られたデータは正確な最初測定データであり、森林構造更新モデルの動的調整を構築し、シミュレーションデータの正確性と信頼性を保証する。
【0069】
森林蓄積量の連続比較可能性を実現し、リモートセンシングの定量的インバージョン及びレーザレーダによる樹木測定に比べて、本発明は、調査システム、調査方法、及び調査対象物を変更せずに、固定サンプルプロット、固定サンプル木の固定測定位置を連続的に監視測定するため、監視測定結果が連続比較可能であり、測定環境や元期の基礎データの品質に影響されにくい。
【0070】
県レベル森林蓄積量の監視測定コストを削減し、本発明は、1回の監視測定により、10年間連続して1日1回の測定、数日に1回の伝送という監視測定効果を実現することができ、人工調査に比べて大幅にコストを削減し、作業組織編成、品質検査、安全生産の作業量とリスクを低減し、総合利益の向上が顕著である。
【図面の簡単な説明】
【0071】
本発明の一部を構成する添付図面は、本発明のさらなる理解を提供するために用いられ、本発明の例示的な実施形態及びその説明は、本発明の不当な限定を構成するものではなく、本発明を説明するために使用される。
図1】本発明の1つの実施形態に係る森林蓄積量連続監視測定方法のフローチャートである。
図2】本発明の1つの実施形態に係るサンプルプロットのサンプリング設計動作のフローチャートである。
図3】本発明の1つの実施形態に係るインテリジェントサンプルプロットのレイアウトのフローチャート概略図である。
図4】本発明の1つの実施形態に係るサンプルプロットデータ自動収集のフローチャートである。
図5】本発明の1つの実施形態に係る蓄積の動的更新のフローのフローチャートである。
図6】本発明の1つの実施形態に係る精度検査及び補正プロセスフローのフローチャートである。
図7】本発明の1つの実施形態に係る監視測定出力プロセスのフローのフローチャートである。
図8】本発明の1つの実施形態に係る森林蓄積量連続監視測定システムの構成ブロック図である。
図9】本発明の1つの実施形態に係る森林蓄積量連続監視測定システムの実行フローのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0072】
以下、添付図面を参照して本発明を詳細に説明するが、この部分の説明は、例示的及び説明的なものにすぎず、本発明の保護の範囲を限定するものではない。さらに、当業者は、本明細書の記述に基づいて、本明細書中の実施例及び異なる実施例中の特徴をそれぞれ組み合わせることができる。
【0073】
本発明の実施例は、図1を参照し、森林蓄積量連続監視測定方法は、以下のステップを含む。
【0074】
(1)サンプルプロットのサンプリング設計を行う:業務の需要に応じて、実際の作業基礎と結びつけて完成し、サンプルプロット母集団、サンプリング方法、及びサンプルプロットの空間位置を確定する。
二類調査のサンプリング設計はサンプリングを制御することに属しており、すなわち、評価するサンプリングされた母集団内のサブコンパートメント調査の累計蓄積とがサンプルプロット調査の蓄積は一定の偏差の範囲内である。本発明のサンプリング設計は、業務要件と実際の作業基礎を結合することによって3種類に分けることができ、1つ目は森林資源(一類調査と略称)と組み合わせた連続精査サンプリング設計であり、2つ目は二類調査と組み合わせたサンプリング設計であり、3つ目は森林資源管理の「一枚の地図」または林野・草地・湿地に基づく総合的監視測定における森林資源サブコンパートメントデータ(森林サブコンパートメントデータと略称)に基づくサンプリング設計であり、典型的な調査方法を用いて、層別サンプリングまたはクォータサンプリングを用いるサンプリング設計を行う。サンプルプロットのサンプリング設計の作業プロセスは、以下の通りである、図2
【0075】
(1.1)一類調査と組み合わせるかどうか、すなわち、一類調査の固定サンプルプロットのうえで、系統的サンプリング手法を用いて、密度を増やしてデプロイを行うかどうかを判定する。判定結果が「NO」であれば、ステップ(1.2)に進み、判定結果が「YES」であれば、4km×4kmまたは2km×2kmで密度を増やして監視測定サンプルプロットのレイアウトを行う。この方法は省レベル或いは市レベルの一類調査の構成部分として、県域森林蓄積量監視測定を完成すると共に、省レベル或いは市レベルの森林資源監視測定システムを補足し、且つ森林蓄積量と森林面積の変化を同時に監視測定することができる。その中、多くのサンプルプロットをレイアウトするという欠点がある。
【0076】
(1.2)二類調査と組み合わせるかどうか、すなわちサンプリング設計とサンプルプロットは直接二類調査のサンプリング設計結果を利用するか否かを判定する。判定結果が「NO」であれば、ステップ(1.3)に進み、判定結果が「YES」であれば、レイアウトされるサンプルプロットの数は二類調査サンプリング設計法により決定され、通常は区分後にサンプリングし、すなわちサブコンパートメントの区分後に、調査母集団のうちのサンプリング可能な閉鎖林や疎林をサンプリング対象とし、等距離サンプルユニットを機械的にレイアウトして、サンプリング対象内に入るサンプルユニットを実測サンプルプロットとする。この方法でレイアウトされたサンプルプロットの数は、一類調査で使用測定されたサンプルプロットよりも少ないが、それでもその数は依然として多い。
【0077】
(1.3)森林サブコンパートメントデータをサンプリング対象とし、典型的な調査方法を採用し、層別サンプリングまたはクォータサンプリングを用いてサンプリング設計を行い、制御特徴を分析し選択した後、精度要件に基づいてサンプルプロット数を決定する。この方法は、選択したサンプルの代表性が高く、レイアウトされるサンプルプロットの数が少なく、サンプルの偏差が小さい。クォータサンプリングを例とする。サンプリング設計において、まず樹種グループによって県域森林資源サブコンパートメントを層化し、層化された結果に対して更に年齢グループによってサンプリング数量を割り当て、その中でサンプルプロットの割当比率は階層中の各年齢グループの面積比に基づいて、サンプルの額を分配する。 例えば、馬尾松林の年齢グループ別統計によると、馬尾松林の若林、中年林、近成熟林、成熟林、過成熟林の割合が4:4:4:1:0.5:0.5であることが、馬尾松林の近成熟林、成熟林、過成熟林を統合することで、馬尾松林若林、馬尾松林中年林、馬尾松林近成熟・成熟・過成熟林との3つのクォータを形成することができる。もし1つの馬尾松林層に合計10サンプルプロットを設置すると、馬尾松林の近成熟林、成熟林、過成熟林の数はそれぞれ4個と、4個と、2個となる。
【0078】
(1.4)サンプルプロットのレイアウトを実施し、制御特徴に基づいて森林サブコンパートメントデータに対して層化またはクォータを画定し、各層またはクォータにおける森林サブコンパートメントに対して、系統的配置点をレイアウトし、各サンプルプロットの空間位置を決定する。ここで、系統的配置点とは、固定距離を隔てて配置点をレイアウトし、ランダムサンプリング、機械サンプリングの方式で設定数のサンプルプロットを抽出することを指す。
【0079】
(2)インテリジェントサンプルプロットのレイアウトを行う:サンプルプロットに対して最初の測定と監視測定設備のレイアウトとを完成し、測定設備の正常な運行、データ収集・伝送の安定性・信頼性を確保する。
【0080】
インテリジェントサンプルプロットとは、サンプルプロット蓄積調査の過程において、人工によるメジャー測定の代わりに樹木径測定センサを使い、人工による記録の代わりにデータ収集端末によるデータ収集を使い、モバイル通信ゲートウェイあるいは北斗ショートメッセージゲートウェイにより、樹木径測定センサのデータを定期的に収集・伝送し、サンプルプロットデータの自動連続監視測定を実現することを指す。樹木径測定センサは設置された後、樹木径の周長やサンプル木の直径を測定でき、WIFIやブルートゥース、またはLoraなどの無線アドホックネットワーク技術によりデータ収集端末に接続し、データ収集と入力を完成する。樹木径測定センサとデータ収集端末は同様に、WIFIやブルートゥース、またはLoraなどの無線アドホックネットワーク技術を用いて、モバイル通信ゲートウェイまたは北斗ショートメッセージゲートウェイと、ネットワークを組んで、データの集約と伝送を完成する。モバイル通信ゲートウェイは通信キャリアのモバイル通信基地局を介してデータを通信サーバに送り返し、北斗ショートメッセージゲートウェイは北斗衛星を介してデータを北斗コントローラに送り返す。通信サーバと北斗コントローラのデータは、光ネットワークを介して森林蓄積量連続監視測定応用システムに伝送される。
【0081】
具体的なプロセスは、図3に示すように、以下の通りである。
【0082】
(2.1)レイアウトされたサンプルプロットに到達し、サンプルプロットの測定・設置を完成し、データ収集端末でサンプルプロットの信号タイプをテストし、ゲートウェイタイプを選択する。2/3/4/5G等モバイル通信信号が存在する場合には、モバイル通信ゲートウェイを選択し、2/3/4/5G等モバイル通信信号がない場合には、北斗ショートメッセージゲートウェイを選択する。
【0083】
(2.2)サンプルプロットの中央位置においてサンプル木を選択し、アルミ合金の支柱をレイアウトし、通信ゲートウェイを確定して信号をテストし、成功後通信ゲートウェイを開いたままにする。
【0084】
(2.3)データ収集端末を介して通信ゲートウェイに接続し、データ収集頻度を設定し、通信ゲートウェイと樹木径測定センサの次回の自動起動時間と継続時間長を決定する。
【0085】
(2.4)サンプル木の直径の測定位置を選択し、樹木径測定センサを被測定サンプル木に釘で固定する。
【0086】
(2.5)樹木径測定センサの起動ボタンを押し、インジケータランプを点灯させ、データ収集端末を使用して樹木径測定センサに接続し、接続された樹木径測定センサの表示されたコードと樹木径測定センサのハウジング上のタグコードとが一致することを確認する。
【0087】
(2.6)樹木径測定センサの引出口から引出ロープを引き出し、サンプル木に引出ロープを1周巻き付けた後、いたずら防止用引出ロープ固定口に填め込む。
【0088】
(2.7)データ収集端末において、サンプル木の直径について測定値があるか、または実際の値から明らかにずれているかを確認し、「YES」のある場合には、樹木径測定センサの起動ボタンを押し、データ収集端末をリセットした後、再び引出ロープを引いて設置する。
【0089】
(2.8)接続された樹木径測定センサをクリックし、樹種とゲージタイプを入力する。 ここで、技術規程のコーディング要件に従って、樹種とゲージタイプのコードを記入する。例えば、樹種がヒノキであればコード601を記入し、ゲージタイプが活立木で、コード1を記入する。
【0090】
(2.9)樹木径測定センサは通信ゲートウェイと通信し、測定値を通信ゲートウェイに送信し、通信ゲートウェイとクロック同期を行い、樹木径測定センサの次回起動時間と継続時間長を取得する。
【0091】
(2.10)樹木径測定センサが接続されていない場合に、一定時間経過後に樹木径測定センサが自動的にスリープ状態に入り、インジケータランプが消灯する。
【0092】
(2.11)ステップ(2.4)~ステップ(2.10)を繰り返して、サンプルプロット内のすべてのサンプル木の測定及び樹木径測定センサの設置を完成する。
【0093】
(2.12)通信ゲートウェイは、衛星/モバイル通信基地局を介して蓄積された情報を通信受信装置に送り返し、プラットフォーム層のネットワークサーバに集約される。衛星を通じて伝送された情報は北斗コントローラに送り返され、ネットワークサーバに集約される。モバイル通信基地局を介して伝送された情報は、通信サーバに送り返され、ネットワークサーバに集約される。
【0094】
(2.13)データ収集端末と通信ゲートウェイとの接続を切断し、一定時間経過後に通信ゲートウェイが自動的にスリープ状態に入り、インジケータランプが消灯する。
【0095】
(3)サンプルプロットデータの自動収集を行う。
【0096】
インテリジェントサンプルプロットは設定された監視測定頻度に基づいてデータを送り返し、応用システムは収集したデータを解析して保存する任務を完成する。インテリジェントサンプルプロットをレイアウトした後、収集頻度を設定し、通信ゲートウェイと樹木径測定センサの起動時間を決定し、定期的なデータ収集と送り返しを開始する。1つのサイクルにおけるインテリジェントサンプルプロットの自動データ収集及び送り返しプロセスは、以下の通りである、図4
【0097】
(3.1)通信ゲートウェイがウェイクアップされているか否かを判定する。 設定されたウェイクアップ時間に従って通信ゲートウェイがすでに指定時間に起動した場合に、通信ゲートウェイにより衛星/モバイル通信基地局を介してサーバ側のネットワークサーバにアクセスし、次のウェイクアップ時間及び継続時間長を取得する。ウェイクアップ時間に達していない場合に、通信ネットワークはスリープ状態にあり、次のウェイクアップを待つ。通信リレーの起動時間は、樹木径測定センサの起動時間よりも早く設定される。
【0098】
(3.2)樹木径測定センサがウェイクアップされているか否かを判定する。設定されたウェイクアップ時間に従って樹木径測定センサがすでに指定時間に起動した場合、樹木径測定センサはサンプル木の直径を測定し、測定値を通信ゲートウェイに送信し、通信ゲートウェイとクロック同期を行い、次の起動時間と継続時間長を取得し、成功後にスリープ状態に入る。 ウェイクアップ時間に達していない場合に、樹木径測定センサはスリープ状態にあり、次のウェイクアップを待つ。
【0099】
(3.3)通信ゲートウェイは衛星/モバイル通信基地局を介して蓄積された情報を通信受信装置に送り返し、プラットフォーム層のネットワークサーバに集約する。
【0100】
(3.4)一定時間経過後に通信ゲートウェイが自動的にスリープ状態に入り、インジケータランプが消灯し、今回のプロセスが終了する。
【0101】
(4)蓄積の動的更新を行う:土地変化ありサブコンパートメントについては、リモートセンシング変化で検出され、森林資源チェンジポリゴンの図形と属性情報とを同時に更新し、土地変化なしサブコンパートメントについては、インテリジェントサンプルプロットデータで動的森林構造更新モデルを構築したうえで、森林サブコンパートメントの属性情報を更新する。
【0102】
森林蓄積量の変化は2つの部分から構成され、一つは人工造林、森林伐採、森林収用・占用、自然災害、森林育成及びその他土地変化などの原因による森林蓄積量の変化、即ち、土地変化ありサブコンパートメントであり、この部分は、リモートセンシング変化により検出され、森林資源チェンジポリゴンの図形と属性情報を同時に更新する。二つは森林の自然成長、環境ストレス、人為的攪乱及びその他の森林構造の変化のみを引き起こしたが、土地変化による森林蓄積量の変化をまた引き起こしておらず、即ち土地変化なしサブコンパートメントであり、この部分は、インテリジェントサンプルプロットデータで動的森林構造更新モデルを構築したうえで、森林サブコンパートメントの属性情報を更新する。
【0103】
【数9】
【0104】
本発明は、リモートセンシング変化による検出・更新と動的森林構造更新モデルとの組み合わせを採用し、森林蓄積量の連続的な動的監視測定を実現する。従来のサンプルプロット森林構造更新モデルとは異なり、動的森林構造更新モデルで使用されるサンプルプロットデータはすべて、インテリジェントサンプルプロットでリアルタイムな監視測定によって得られるので、構築された森林蓄積量更新モデルも動的に更新され、モデルデータの更新が時間の変化に応じて調整され、歪みが生じないことを保証する。蓄積の動的更新プロセスは、以下の通りである。図5
【0105】
(4.1)ステップ(3)で収集したデータに基づいて、各インテリジェントサンプルプロットの蓄積を算出する。インテリジェントサンプルプロットから自動的に収集して送り返されたサンプル木の樹種、サンプル木のタイプ、サンプル木の胸径データに基づいて、樹高曲線テーブル、及び二変数材積式を用いて各インテリジェントサンプルプロットの蓄積を算出する。
【0106】
(4.2)インテリジェントサンプルプロットに基づいて現在の監視測定エリアの森林蓄積量とサンプリング精度とを計算する。
【0107】
森林蓄積量の計算式は以下の通りである。
【0108】
【数10】

その中その中、Vall_Plotはインテリジェントサンプルプロットに基づいて計算された現在の監視測定エリアの森林蓄積量であり、vijはj番目母集団のi番目サンプルプロットの蓄積であり、sijはj番目母集団のi番目サンプルプロットの面積であり、Sはj番目母集団の合計面積であり、nはj番目母集団のサンプルプロット数であり、mは現在の監視測定エリア母集団数である。
【0109】
サンプリング精度の計算式は以下の通りである。
【0110】
【数11】

その中その中、
は現在のサンプルプロット母集団のサンプリング精度であり、
は信頼性指標であり、本方案では95%の信頼性に基づいて計算し、
はj番目母集団のサンプル分散の算術平方根であり、
はj番目母集団のサンプル平均数である。
【0111】
(4.3)サンプリング精度がサンプリング設計を満たしているか否かを判定し、そうである場合には、ステップ(4.4)を実行する一方、そうでない場合には、ステップ(1)を実行して、サンプリング設計を調整し、インテリジェントサンプルプロットを補完する。
【0112】
精度判定はサンプリング設定によって決定され、例えば、90%の信頼性レベルでは、90%の精度が必要である。測定の不確実性が10%を超える場合は、サンプルプロットの数を増やす必要がある。
【0113】
(4.4)一類調査を組み合わせるか否かを判定し、そうである場合には、インテリジェントサンプルプロットに基づいて現在の監視測定エリアの総蓄積を今期の森林蓄積量として計算して、インテリジェントサンプルプロットに基づいて計算した現在の監視測定エリアの総蓄積が今期の森林蓄積量であり、ステップ(4.17)を実施する一方、そうでない場合には、ステップ(4.5)を実行する。
【0114】
(4.5)監視測定期間中にリモートセンシング画像が取得されたか否かを判定し、そうである場合には、ステップ(4.6)を実行する一方、そうでない場合には、動的森林構造モデルの更新のみを実施し、ステップ(4.11)を実行する。
【0115】
(4.6)リモートセンシング変化による測定・更新を実施し、リモートセンシング変化による測定を主要な手段とし、現場調査及びファイル更新の方法を補助とし、土地変化ありサブコンパートメントの空間範囲を区分して、リモートセンシング判読ポリゴンデータベースを形成する。
【0116】
(4.7)現場調査及びファイル更新に基づいて、リモートセンシング判読ポリゴンに対して現場調査因子を記入し、現場調査データベースを形成する。現場調査因子には、土地の種類、樹種、起源、年齢グループ、ヘクタール蓄積、サブコンパートメント蓄積、ヘクタール当たり植物数、サブコンパートメント当たり植物数が含まれるが、これらに限定されない。
【0117】
(4.8)現場調査データベースと元期の森林資源サブコンパートメントデータベースに対して、空間更新分析を行い、現地調査因子を元期の森林資源サブコンパートメントデータベースの上で空間と属性の更新を行い、、今期の森林資源サブコンパートメントデータベースを生成する。
【0118】
(4.9)今期の森林資源サブコンパートメントデータベースと元期の森林資源サブコンパートメントデータベースに対して空間連合分析を行い、連合結果に対して、前後で土地変化があったサブコンパートメントのみを保留して森林資源変化データベースとする。
【0119】
(4.10)森林資源変化データベースの今期のサブコンパートメント蓄積と元期のサブコンパートメント蓄積との差異を集計して、土地変化ありサブコンパートメントのサブコンパートメント蓄積変化量を得、計算式は以下の通りである。
【0120】
【数12】

その中その中、
は土地変化ありサブコンパートメントのサブコンパートメント蓄積変化量であり、
はi番目森林資源変化データベースサブコンパートメントのサブコンパートメント蓄積であり、
はi番目森林資源変化データベースサブコンパートメントの元期のサブコンパートメント蓄積であり、oは森林資源変化データベースサブコンパートメントの総数である。
【0121】
(4.11)二類調査を組み合わせるか否かを判定し、そうである場合には、ステップ(4.12)を実行する一方、そうでない場合には、ステップ(4.14)を実行する。
【0122】
(4.12)土地変化なしサブコンパートメント内サンプルプロット総蓄積を計算し、この総蓄積と元期のサンプルプロット総蓄積との比と1との差を求めて、動的森林構造モデル更新パラメータとし、計算式は以下の通りである。
【0123】
【数13】

その中その中、kは動的森林構造モデル更新パラメータであり、Vcur_Plotは土地変化なしサブコンパートメント内サンプルプロット総蓄積であり、Vbase_Plotは元期のサンプルプロット総蓄積である。
【0124】
(4.13)土地変化なしサブコンパートメント蓄積に動的森林構造モデル更新パラメータを乗じ、集計して森林構造変化ありサブコンパートメントの森林蓄積量変化量とし、計算式は以下の通りである。
【0125】
【数14】

その中その中、ΔVStruct_varyは森林構造変化ありサブコンパートメントの森林蓄積量変化量であり、Vbase_Structは土地変化なしサブコンパートメント蓄積であり、Vcur_Plotは土地変化なしサブコンパートメント内サンプルプロット総蓄積であり、Vbase_Plotは元期のサンプルプロット総蓄積である。
【0126】
(4.14)各層またはクォータ中の土地変化なしサブコンパートメント内サンプルプロット総蓄積を計算し、この総蓄積と元期のサンプルプロット総蓄積との比と1との差を求めて、各層またはクォータの動的森林構造モデル更新パラメータとし、計算式は次の通りである。
【0127】
【数15】

その中その中、
はj番目層またはクォータの動的森林構造モデル更新パラメータであり、
はj番目層またはクォータ中の土地変化なしサブコンパートメント内サンプルプロット総蓄積であり、
はj番目層またはクォータの元期のサンプルプロット総蓄積である。
【0128】
(4.14)土地変化なしサブコンパートメントの各層またはクォータ内基数サブコンパートメント蓄積に動的森林構造モデル更新パラメータを乗じ、集計して各層またはクォータの森林構造変化ありサブコンパートメントの森林蓄積量変化量とし、例えば、森林構造タイプ、年齢グループ、起源の3つの管理特徴に基づいて、元期のサンプルプロット及び元期のサブコンパートメントに対して、層別サンプリング又はクォータサンプリングを行い、それぞれ、サンプルプロットとサブコンパートメントとが対応付けられる動的森林構造モデル更新パラメータを作成して更新を実施し、すなわち、同じ森林構造タイプ、年齢グループ及び起源のサンプルプロットについて作成された動的森林構造モデル更新パラメータに基づいて、同じ森林構造タイプ、年齢グループ及び起源の元期のサブコンパートメントの動的森林構造モデルを更新することにより、森林構造変化による森林蓄積量変化をより正確にシミュレーションすることができる。計算式は以下の通りである。
【0129】
【数16】

その中その中、
は森林構造変化ありサブコンパートメントの森林蓄積量変化量であり、
はj番目層またはクォータ中の土地変化なしサブコンパートメント内サンプルプロット総蓄積であり、
はj番目層またはクォータの元期のサンプルプロット総蓄積であり、
はj番目層またはクォータ中のi番目土地変化なしサブコンパートメントの元期のサンプルプロット蓄積であり、
はj番目層またはクォータの土地変化なしサブコンパートメント内サンプルプロット蓄積であり、
はj番目層またはクォータの元期のサンプルプロット蓄積であり、
はj番目層またはクォータ内土地変化なしサブコンパートメント数であり、
は層又はクォータの数である。
【0130】
(4.16)森林資源サブコンパートメントの森林蓄積量変化を計算し、計算式は以下の通りである。
【0131】
【数17】

その中その中、ΔVは森林資源サブコンパートメントの森林蓄積量変化量であり、ΔVArea_changeは土地変化ありサブコンパートメントのサブコンパートメント蓄積変化量であり、ΔVStruct_varyは森林構造変化ありサブコンパートメントの森林蓄積量変化量である。
【0132】
(4.17)プロセスを終了する。
【0133】
(5)精度検査及び補正を行う。
【0134】
森林蓄積量変化量を監視測定基礎に重ね合わせて、監視測定結果に対して精度検査を実施し、インテリジェントサンプルプロットデータと森林資源サブコンパートメントデータとがいずれも精度要件を満たすように、精度要件を満たしていないデータに対して原因を見出した後補正を行う。
【0135】
毎回監視測定出力の前に、精度チェックとデータ補正を行い、森林サブコンパートメントの総蓄積とレイアウトされたインテリジェントサンプルプロットの総蓄積が精度要件を満たすことを保証する必要がある。精度チェックと補正プロセスは、図6に示すように、次の通りである。
【0136】
(5.1)一類調査を組み合わせるか否かを判定し、そうでない場合には、ステップ(5.2)を実行する一方、そうである場合には、インテリジェントサンプルプロットに基づいて計算された監視測定エリアの総蓄積を今期の森林蓄積量とする。
【0137】
(5.2)クォータサンプリングが必要かどうかを判定し、そうである場合には、ステップ(5.5)を実行する一方、そうでない場合には、監視測定元期の森林蓄積量と森林蓄積量変化量との合計値である、監視測定サブコンパートメント蓄積集計値と、今期のインテリジェントサンプルプロットに基づいて計算された監視測定エリアの総蓄積量である、サンプリング母集団の調査蓄積値とを比較する。
【0138】
(5.3)監視測定サブコンパートメント蓄積集計値とサンプリング母集団の調査蓄積値との差異が標準誤差の±1倍以内であるか否かを判定し、そうでない場合には、ステップ(5.4)を実行する一方、そうである場合には、補正をスキップして、監視測定サブコンパートメント蓄積集計値を今期の森林蓄積量とする。
【0139】
(5.4)監視測定サブコンパートメント蓄積集計値とサンプリング母集団の調査蓄積値との差異が標準誤差の±1倍以内になるように、森林資源サブコンパートメント蓄積の偏差が比較的大きいサブコンパートメントに対して修正を行い、補正後の監視測定サブコンパートメント蓄積集計値を今期の森林蓄積量とする。
【0140】
(5.5)各クォータ内監視測定サブコンパートメントのヘクタール当たり蓄積とサンプリング調査のヘクタール当たり蓄積とを計算して比較し、両者の差が所定のしきい値を超えているか否かを判定し、そうでない場合には、ステップ(5.6)を実行する一方、そうである場合には、補正をスキップして、各クォータにおける監視測定サブコンパートメント蓄積集計値を今期の森林蓄積量とする。
【0141】
(5.6)各クォータ内監視測定サブコンパートメントのヘクタール当たり蓄積とサンプリング調査のヘクタール当たり蓄積との差異が所定のしきい値以内になるように、森林資源サブコンパートメント蓄積の偏差が比較的大きいサブコンパートメントに対して修正を行い、各クォータにおける補正後の監視測定サブコンパートメント蓄積集計値を今期の森林蓄積量とする。ここで、サブコンパートメントの補正方法は、境界の区域区分が現場と異なるサブコンパートメントや、境界の区域区分をサブコンパートメント区域区分条件によって区分されていないサブコンパートメント、森林構造が顕著に異なり細分化されていないサブコンパートメントにつて、サブコンパートメントの蓄積が顕著に高いか顕著に低いかどうかをエリア目測することを含む。
【0142】
(5.7)プロセスを終了する。
【0143】
(6)監視測定出力を行う。
【0144】
監視測定出力は、要求される精度に合致した今期の蓄積監視測定データと必要な統計データテーブルとを統計して出力し、監視測定時空データベースを更新し、複数回の監視測定結果の連続性と比較可能性を保証する。監視測定出力のプロセスは、図7に示すように、以下の通りである。
【0145】
(6.1)今期の結果の精度検査が合格しているか否かを判定し、そうでない場合は、ステップ(6.3)を実行する一方、そうである場合には、今期の結果データベースを出力し、タイムスタンプを付けてアーカイブ・保存する。今期の結果データベースはリモートセンシング判読ポリゴンデータベース、現場調査データベース、サンプルプロットサンプル木監視測定データベース、森林資源変化データベース及び森林資源サブコンパートメントデータベースを含むがこれらに限定されない。
【0146】
(6.2)各結果の主要な指標及び統計データテーブルを出力する。主要な指標は、母集団、層別またはクォータ別の母集団の名称、層別、ヘクタール当たりの蓄積、ヘクタール当たりの植物数、サブコンパートメント総蓄積、サブコンパートメント総面積、森林総蓄積、森林総面積、及びすべての森林資源サブコンパートメントが集計されたサブコンパートメント総蓄積、サブコンパートメント総面積、森林総蓄積、森林総面積を含むがこれらに限定されない。統計データテーブルは、各種土地面積統計テーブル、各種森林蓄積量統計テーブル、各種土地面積動態テーブル、各種森林蓄積量動態テーブル、母集団特徴数計算テーブルを含むがこれらに限定されない。
【0147】
主要な指標の測定と計算方法は文献(『森林資源連続精査データ処理に関する国家統計規範』、LY/T1957-2011)を準拠することができる。
【0148】
(6.3)プロセスを終了する。
【0149】
(7)監視測定期間が到来したか否か、すなわち設定された監視測定期間が到来したか否かを判定し、そうである場合には、プロセスを終了する一方、そうでない場合には、ステップ(3)に戻り、連続監視測定を実施する。
【0150】
本発明はまた、図8に示すように、上述のいずれかの森林蓄積量連続監視測定方法におけるステップ(4)~(7)を完成するための森林蓄積量連続監視測定システムを提供し、以下を含む。
【0151】
ユーザログイン・管理モジュール:森林蓄積量連続監視測定システムにログインし、ユーザ情報、権限、役割を管理するために用いられる。
【0152】
インテリジェントサンプルプロットデータ受信・記憶モジュール:インテリジェントサンプルプロットデータを受信して解析し、データを森林サンプルプロット時空データベースに保存し、且つ更新を行うために用いられる。森林サンプルプロット時空データには、サンプルプロット調査票におけるサンプル木の樹種、サンプル木のタイプ、サンプル木の胸径データが含まれる。
【0153】
リモートセンシング変化検出モジュール:複数周期のリモートセンシング画像を用いて、人工目視・判読・基準設定、AIモデル訓練、人工再決定、判読ポリゴンデータベース構築などのプロセスを通じて、前後2周期のリモートセンシング変化を監視測定する判定ポリゴンを取得するために用いられる。
【0154】
リモートセンシング判読ポリゴン調査・編集モジュール:リリモートセンシング判読ポリゴンに対する現場検証及びファイル更新が行われた後、ユーザに図形と属性編集機能を提供し、リモートセンシング判読ポリゴン因子の入力を完成するために用いられる。入力内容には、変化の原因、面積、現状の土地状況、現状の樹種因子、現状の起源、現状のヘクタール当たりの蓄積量現状のヘクタール当たりの植物数、現状のサブコンパートメント蓄積、現状のサブコンパートメント植物数が含まれるがこれらに限定されない。
【0155】
サンプルプロット蓄積計算モジュール:サンプルプロットのサンプリング設計タイプに応じて、森林サンプルプロット時空データベースにおける更新されたサンプル木調査情報を利用して、今期の各サンプルプロット蓄積及びサンプリング母集団蓄積を計算するために用いられる。
【0156】
森林資源変化データベース生成モジュール:リモートセンシング判読ポリゴンの検証結果を用いて、元期の森林資源サブコンパートメントデータを更新し、図形と属性の対比分析を経って、森林資源チェンジポリゴンを得、今期の森林資源サブコンパートメント蓄積及び森林蓄積量変化量を算出するために用いられる。
【0157】
森林構造モデル更新計算モジュール:サンプリング設計方法に基づいて、現在の様々な土地の蓄積量と各サンプリング母集団の蓄積量とを基に、動的モデル更新パラメータを算出し、サンプル型不変サブコンパートメント蓄積量に動的モデル更新パラメータを乗じて、今期の森林構造の変化による森林蓄積量変化量を取得するために用いられる。
【0158】
サンプリング精度及び特徴値計算モジュール:ユーザが監視測定全体のサンプリング精度及び特徴値を統計して生成するために用いられる。母集団サンプリング精度及び特徴値は、母集団の名称、層別、面積重み、サンプル数、最大蓄積、最小蓄積、平均値、標準偏差、標準誤差、変動係数、誤差及び精度を含むがこれらに限定されない。
【0159】
監視測定時空データベース更新モジュール:今期の結果が精度検査に合格した後、ユーザが今期の結果にタイムスタンプを付けてアーカイブ・保存を行うために用いられる。今期の結果データベースはリモートセンシング判読ポリゴンデータベース、現場調査データベース、サンプルプロットサンプル木監視測定データベース、森林資源変化データベース及び森林資源サブコンパートメントデータベースを含むがこれらに限定されない。
【0160】
監視測定結果計算・統計モジュール:監視測定結果の主要な指標及び統計データテーブルを統計するために用いられる。主要な指標は、母集団、層別またはクォータ別の母集団の名称、層別、ヘクタール当たりの蓄積、ヘクタール当たりの植物数、サブコンパートメント総蓄積、サブコンパートメント総面積、森林総蓄積、森林総面積、及びすべての森林資源サブコンパートメントが集計されたサブコンパートメント総蓄積、サブコンパートメント総面積、森林総蓄積、森林総面積を含むがこれらに限定されない。統計データテーブルは、各種土地面積統計テーブル、各種森林蓄積量統計テーブル、各種土地面積動態テーブル、各種森林蓄積量動態テーブル、母集団特徴数計算テーブルを含むがこれらに限定されない。
【0161】
森林資源連続監視測定システムの実行方法は、図9に示すように、以下の通りである。
【0162】
(1)ユーザはユーザログイン・管理モジュールを用いて応用システムにログインする。
【0163】
(2)インテリジェントサンプルプロットデータ受信・記憶モジュールを用いて、今期のサンプルプロットデータベースを収集し更新を行う。
【0164】
(3)リモートセンシング変化検出モジュールを用いて、前後周期のリモートセンシング画像に基づいて、森林資源判読ポリゴンを取得する。
【0165】
(4)リモートセンシング判読ポリゴン調査・編集モジュールを用いて、森林資源判読ポリゴンに対して、外部作業調査及びファイル更新を経て、図形と属性を編集した後、現場調査データベースを得る。
【0166】
(5)森林資源変化データベース生成モジュールを用いて、元期の森林資源サブコンパートメントデータを現場調査データベースに重ね合わせて、森林資源変化データベースを生成し、土地変化による森林蓄積量変化量を統計する。
【0167】
(6)森林構造モデル更新計算モジュールを用いて、土地変化なしサブコンパートメントに対して、動的森林構造モデル更新パラメータを行い、すべての土地変化なしサブコンパートメントに対して蓄積更新を行い、森林構造変化による森林蓄積量変化量を統計して得る。
【0168】
(7)サンプリング精度及び特徴値計算モジュールを用いて、サンプリング母集団の特徴値を計算し、サンプルプロット森林蓄積量及び森林サブコンパートメント蓄積を計算し、精度制御要件に従ってデータ補正を行う。
【0169】
(8)結果精度検査が合格した後、監視測定時空データベース更新モジュールを用いて、今期の結果データベースを出力し、タイムスタンプを付けてアーカイブ・保存を行う。
【0170】
(9)ユーザは必要に応じて、監視測定結果計算・統計モジュールを用いて、監視測定結果の主要な指標及び統計データテーブルを統計する。
【0171】
上記は本発明の好ましい実施例にすぎず、本技術分野の一般当業者にとって、本発明の原理から逸脱することなく、いくつかの改良及び修正が加えられることができ、これらの改良及び修正も本発明の保護範囲とみなされるべきであることに留意したい。
【要約】
本発明は森林蓄積量連続監視測定方法、システム及びその実施方法に関し、該方法は、(1)サンプルプロットのサンプリング設計を行うステップと、(2)インテリジェントサンプルプロットのレイアウトを行うステップと、(3)サンプルプロットデータの自動収集を行うステップと、(4)蓄積の動的更新を行うステップであって、土地変化ありサブコンパートメントについては、リモートセンシング変化で検出され、森林資源チェンジポリゴンの図形と属性情報とを同時に更新し、土地変化なしサブコンパートメントについては、インテリジェントサンプルプロットデータで動的森林構造更新モデルを構築したうえで、森林サブコンパートメントの属性情報を更新する、ステップと、(5)精度検査及び補正を行うステップと、(6)監視測定出力を行うステップであって、今期の蓄積監視測定データを出力するステップと、(7)監視測定期間が到来したか否かを判定するステップと、を備える。本発明の実施により、調査監督測定周期が短くなり、監視測定結果が正確で比較可能で、コストが低減し、作業組織編成、品質検査、安全生産の作業量とリスクを低減し、特に県、林場を経営単位とする森林資源蓄積量調査監視測定に適しており、総合利益の向上が顕著である。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9