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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-29
(45)【発行日】2023-09-06
(54)【発明の名称】ベースプレート
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/24 20060101AFI20230830BHJP
   E02D 27/00 20060101ALI20230830BHJP
   E04B 1/58 20060101ALI20230830BHJP
【FI】
E04B1/24 R
E02D27/00 D
E04B1/58 503H
E04B1/58 503F
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019127197
(22)【出願日】2019-07-08
(65)【公開番号】P2021011765
(43)【公開日】2021-02-04
【審査請求日】2022-06-14
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和元年7月2日にセンクシア株式会社ショールーム内にカタログが配置された。
(73)【特許権者】
【識別番号】323005120
【氏名又は名称】センクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】児玉 雄介
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-159190(JP,A)
【文献】特開2010-275776(JP,A)
【文献】特開平10-299081(JP,A)
【文献】特開2000-038771(JP,A)
【文献】特開2003-232088(JP,A)
【文献】特開2012-237129(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0214363(US,A1)
【文献】特開2000-204676(JP,A)
【文献】特開平04-209223(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/24
E02D 27/00
E04B 1/41,1/58
E04C 5/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基礎に対してアンカーボルトにより固定され、コンクリートに被覆される柱材のプレートであって、
前記プレートは、
前記柱材が固定されるとともに前記コンクリートに接する表面と、
隙間を介して前記基礎に固定される裏面と、
前記アンカーボルトが貫通されるボルト孔と、
前記基礎から前記表面を超えて延びるとともにコンクリートに被覆される板材と対向する側面と、を有しており、
前記プレートの前記表面に接する前記コンクリートは、前記板材の上方に形成される亀裂によって前記プレートの内側と外側に分断されるものであり、
前記裏面は、防錆層を備えており、
前記表面は、防錆層を備えていない
ことを特徴とするプレート。
【請求項2】
前記裏面は、前記隙間と駒材とを介して前記基礎に固定されるものであって、
前記裏面は、前記駒材との接触面に凹凸部を備える
ことを特徴とする請求項1に記載のプレート。
【請求項3】
基礎に対してアンカーボルトにより固定され、コンクリートに被覆される柱材のプレートであって、
前記プレートは、
前記柱材が固定されるとともに前記コンクリートに接する表面と、
駒材と隙間を介して前記基礎に固定される裏面と、
前記アンカーボルトが貫通されるボルト孔と、を有しており、
前記裏面は、防錆層を備えており、
前記裏面の前記防錆層の前記駒材との接触面に凹凸部を備える
ことを特徴とするプレート。
【請求項4】
前記プレートは、
前記基礎から前記表面を超えて延びるとともにコンクリートに被覆される板材と対向する側面と、を有しており、
前記プレートの前記表面に接する前記コンクリートは、前記板材の上方に形成される亀裂によって前記プレートの内側と外側に分断されるものであり、
前記表面は、防錆層を備えていない
ことを特徴とする請求項3に記載のプレート。
【請求項5】
前記プレートは、
前記表面と前記裏面とを貫通するとともに前記ボルト孔から離間した周囲の少なくとも一部を囲んで形成されたスリットと、を有している
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項に記載のプレート。
【請求項6】
前記スリットが形成されたスリット形成面は、防錆層を備えている
ことを特徴とする請求項5に記載のプレート。
【請求項7】
前記プレートは、
前記表面と前記アンカーボルトに締め込まれたナットの間に弾性材が設けられている
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のうちいずれか1項に記載のプレート。
【請求項8】
前記プレートは、前記基礎から前記表面を超えて延びるとともにコンクリートに被覆される板材と対向する側面と、を備え、
前記側面は、防錆層を備えている
ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のうちいずれか1項に記載のプレート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柱材の下端に取り付けられ、アンカーボルトを介して基礎に固定されるベースプレートに関する。
【背景技術】
【0002】
鉄骨柱と基礎とを接合するには、鉄骨柱の下端に固定したベースプレートを、基礎に対してアンカーボルトで固定するのが一般的であった。
このような構造では、側方からの力が柱に作用した際に柱と基礎の接合箇所に大きな曲げモーメントが加わることになる。この曲げモーメントに耐えるために、柱や基礎の剛性を大きく頑丈にする必要があり、コスト増を引き起こす要因となっていた。
【0003】
そこで、本出願人は、先に、柱体と、柱体の下端に接合されるベースプレートと、ベースプレートの外周に沿って立設された板材と、ベースプレートの表面から外側を覆うコンクリートとを具備し、基礎とベースプレートの裏面との間に隙間が設けられ、ベースプレートにその表裏面を貫通するスリットが形成された柱脚構造を提案した(特許文献1参照)。
この柱脚構造によれば、ベースプレートと基礎の間の隙間、ベースプレートのスリット、及び、板材によってコンクリートに形成される亀裂が協働して、ベースプレートが回転変形し、柱に加わった曲げモーメントを吸収するので、要求される耐力を低減して、コストを抑えることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-159190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記特許文献1に記載のような柱脚構造は、コンクリートに形成された亀裂等を通って、ベースプレートと基礎の間の隙間に水が浸入し、ベースプレートの裏面に錆が発生し、ベースプレートが短期間で腐食するおそれがあった。また、錆びの発生によって汚れた水が外部に漏れ出し見栄えも悪くなることもあった。
本発明が解決しようとする課題は、ベースプレートの裏面と基礎の間に形成された隙間に水が浸入しても、錆の発生を防ぐことができるため、耐久性の高いベースプレートを提供することにある。また、体裁も良くなる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願請求項1に係る発明は、基礎に対してアンカーボルトにより固定され、コンクリートに被覆される柱材のプレートであって、前記プレートは、前記柱材が固定されるとともに前記コンクリートに接する表面と、隙間を介して前記基礎に固定される裏面と、前記アンカーボルトが貫通されるボルト孔と、前記基礎から前記表面を超えて延びるとともにコンクリートに被覆される板材と対向する側面と、を有しており、前記プレートの前記表面に接する前記コンクリートは、前記板材の上方に形成される亀裂によって前記プレートの内側と外側に分断されるものであり、前記裏面は、防錆層を備えており、前記表面は、防錆層を備えていないことを特徴とするプレートである。
本願請求項2に係る発明は、前記裏面は、前記隙間と駒材とを介して前記基礎に固定されるものであって、前記裏面は、前記駒材との接触面に凹凸部を備えることを特徴とする請求項1に記載のプレートである。
本願請求項3に係る発明は、基礎に対してアンカーボルトにより固定され、コンクリートに被覆される柱材のプレートであって、前記プレートは、前記柱材が固定されるとともに前記コンクリートに接する表面と、駒材と隙間とを介して前記基礎に固定される裏面と、前記アンカーボルトが貫通されるボルト孔と、を有しており、前記裏面は、防錆層を備えており、前記裏面の前記防錆層の前記駒材との接触面に凹凸部を備えることを特徴とするプレートである。
本願請求項4に係る発明は、前記プレートは、前記基礎から前記表面を超えて延びるとともにコンクリートに被覆される板材と対向する側面と、を有しており、前記プレートの前記表面に接する前記コンクリートは、前記板材の上方に形成される亀裂によって前記プレートの内側と外側に分断されるものであり、前記表面は、防錆層を備えていないことを特徴とする請求項3に記載のプレートである。
本願請求項5に係る発明は、前記プレートは、前記表面と前記裏面とを貫通するとともに前記ボルト孔から離間した周囲の少なくとも一部を囲んで形成されたスリットと、を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項に記載のプレートである。
本願請求項6に係る発明は、前記スリットが形成されたスリット形成面は、防錆層を備えていることを特徴とする請求項5に記載のプレートである。
本願請求項7に係る発明は、前記プレートは、前記表面と前記アンカーボルトに締め込まれたナットの間に弾性材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のうちいずれか1項に記載のプレートである。
本願請求項8に係る発明は、前記プレートは、前記基礎から前記表面を超えて延びるとともにコンクリートに被覆される板材と対向する側面と、を備え、前記側面は、防錆層を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のうちいずれか1項に記載のプレートである。
また、別発明として以下のものでも良い。
手段1は、基礎に対してアンカーボルトにより固定され、コンクリートに被覆される柱材のプレートであって、前記プレートは、前記柱材が固定されるとともに前記コンクリートに接する表面と、少なくとも一部に隙間を介して前記基礎に固定される裏面と、前記アンカーボルトが貫通されるボルト孔と、を有しており、前記裏面は、防錆層を備えていることを特徴とするプレートである。
【0007】
手段2は、前記プレートは、前記表面と前記裏面とを貫通するとともに前記ボルト孔から離間した周囲の少なくとも一部を囲んで形成されたスリットと、を有していることを特徴とする手段1に記載のプレートである。
【0008】
手段3は、前記スリットが形成されたスリット形成面は、防錆層を備えていることを特徴とする手段2に記載のプレートである。
【0009】
手段4は、前記プレートは、前記表面と前記アンカーボルトに締め込まれたナットの間に弾性材が設けられていることを特徴とする手段1乃至手段3のうちいずれか1つに記載のプレートである。
【0010】
手段5は、前記裏面は、駒材と、該駒材の周囲に形成される前記隙間とを介して前記基礎に固定されるものであって、前記駒材との接触面に凹凸部を備えることを特徴とする手段1乃至手段4のうちいずれか1つに記載のプレートである。
【0011】
手段6は、前記プレートは、前記基礎から前記表面を超えて延びるとともにコンクリートに被覆される板材と対向する側面と、を備え、前記側面は、防錆層を備えていることを特徴とする手段1乃至手段5のうちいずれか1つに記載のプレートである。
【0012】
手段7は、前記表面は、防錆層を備えていないことを特徴とする手段1乃至手段6のうちいずれか1つに記載のプレートである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、基礎との間に形成される隙間に接するベースプレートの裏面は防錆層を備えているので、コンクリートの亀裂等を通って隙間に水が浸入しても、ベースプレートの裏面が錆び難く、ベースプレートの耐久性が低下するのを防ぐことができる。また、錆で汚れた水が漏れ出して美観を損ねたりすることがない。
【0014】
加えて、スリット形成面が防錆層を備えていることにより、スリットの発錆を防ぎ、錆び付きによってスリットの変形容易性が低下する心配がない。
【0015】
加えて、ベースプレートの駒材との接触面に凹凸部を備えれば、ベースプレートが駒材に対して滑りにくい。
【0016】
加えて、基礎から延びる板材と対向するベースプレートの側面が防錆層を備えることにより、板材の上方に形成されるコンクリートの亀裂から進入する水によって、ベースプレートの側面の発錆を抑制する。
【0017】
加えて、ベースプレートの表面が防錆層を備えていないことにより、ベースプレートとその上方のコンクリートとの接着性が向上し、コンクリートの剥落を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1の実施形態に係る柱材と基礎の接合部の縦断面図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る柱材と基礎の接合部の横断面図である。
図3】本発明の第1の実施形態を示すベースプレートの要部縦断面図である。
図4】本発明の第2の実施形態に係る柱材と基礎の接合部の縦断面図である。
図5】本発明の第2の実施形態を示すベースプレートの要部横断面図である。
図6】本発明のその他の変形例に係る柱材と基礎の接合部の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照する等して説明する。なお、本発明は、実施形態に限定されないことはいうまでもない。
【0020】
[第1の実施形態]
図1図3は、本発明の第1の実施形態を示し、図1は、柱材1と基礎2の接合部の縦断面図、図2は柱材1と基礎2の接合部の横断面図、図3はベースプレート3の要部縦断面図である。
【0021】
本実施形態では、柱材1は角形鋼管より成り、柱材1の下端にはベースプレート3が取り付けられる。ベースプレート3は、矩形の鋼板であり、その表面3aの中央部に柱材1が固定される。
ベースプレート3には、ボルト孔4、及び、ベースプレート3の表面3aと裏面3bを貫通するスリット5が形成される。ボルト孔4及びスリット5は柱材1の位置を避けてその外側に配置される。
基礎2にはアンカーボルト6が埋設される。アンカーボルト6の上端部は基礎2の上面から突出し、ベースプレート3のボルト孔4に挿通される。そして、アンカーボルト6のボルト孔4から上方へ突出した部分にナット7を締め込んで、ベースプレート3及び柱材1を基礎2に固定してある。
【0022】
ボルト孔4はベースプレート3の各辺の中央部内側にそれぞれ形成され、アンカーボルト6がこれらボルト孔4と対応する位置に埋設される。
スリット5は、ベースプレート3の表面3aと裏面3bとを貫通するとともにボルト孔4から離間してボルト孔4の周囲の少なくとも一部を囲んで形成され、各ボルト孔4の近傍において、ベースプレート3の各辺から直角に内側へ向かって延び、さらに直角に曲がって各辺と平行に延び、全体としてL字形を成す。そして、各ボルト孔4からやや離間した周囲は、L字形のスリット5とベースプレート3の各辺によって3方から囲まれている。
【0023】
ベースプレート3の裏面3bと基礎2の上面との間には、ベースプレート3を支持するモルタル製の駒材8が設置される。駒材8はベースプレート3の中央部に設けられ、駒材8の外側を囲んで隙間9が形成される。すなわち、ベースプレート3の裏面3bは、駒材8とその周囲の隙間9を介して基礎2に固定される。
なお、駒材8の縦横寸法は、柱材1の断面寸法と同じかやや小さく、駒材8の高さは、柱材1の断面寸法によっても異なるが、50mm程度とする。
【0024】
ベースプレート3の全周に沿って、金属、木、プラスチック等を素材とする板材10が立設される。板材10は基礎2からベースプレート3の表面3aを超えて延び、板材10とベースプレート3の側面3cとが、狭い間隙を介して対向している。
また、基礎2の上にはコンクリート11が打設され、ベースプレート3の表面3a及び板材10の外側はコンクリート11で被覆される。
【0025】
上記したように、ベースプレート3の表面3aはコンクリート11で被覆されているため、錆び止め加工を施していない。
一方、ベースプレート3の裏面3b、側面3c、スリット5が形成されたスリット形成面は露出しているので、防錆層12を備えている。防錆層12を形成するには、エポキシ系樹脂である、例えばタールエポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、他には、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン等の防錆剤を塗布、吹き付け、あるいは浸潤させて形成する。
【0026】
地震等で柱材1と基礎2の接合部分に大きい曲げモーメントが加わると、ベースプレート3の裏面3bと基礎2の間に隙間9があるので、ベースプレート3が回転変形して曲げモーメントを吸収する。この際、ベースプレート3にはスリット5が形成されているので、ベースプレート3は変形しやすく、ベースプレート3の回転変形が促進される。
また、ベースプレート3の周囲に沿って板材10を立設してあるので、板材10の上方においてコンクリート11に亀裂が生ずる。この亀裂によって、ベースプレート3の内側と外側が分断されるため、コンクリート11の結合力によってベースプレート3の回転変形が阻害されない。
【0027】
コンクリート11の亀裂、ベースプレート3のスリット5、ベースプレート3の側面3cと板材10との間隙等を通して、ベースプレート3の裏面3bと接する隙間9に水が浸入しても、ベースプレート3の裏面3b、側面3c、スリット形成面は、防錆層12が形成されているので錆び難い。
【0028】
[第2の実施形態]
図4及び図5は、本発明の第2の実施形態を示す。
第2の実施形態では、駒材8は、モルタル部8aと、モルタル部8aの上面に配置された金属板8bとから成る。金属板8bの縦横寸法は、モルタル部8aの縦横寸法より小さくなっている。これは、ベースプレート3の配置の際に、金属板8bに接触してモルタル部8a上をずれたとしてもモルタル部8a上に重なって存在することを維持するような寸法である。このようにモルタル部8aとベースプレート3の裏面3bとの間に金属板8bを設けたことにより、ベースプレート3によりモルタル部8aが破損するのを防ぐ。さらに、金属板8bの縦横寸法をモルタル部8aより小さくすることで、ベースプレート3がより点に近い形で支持されることになるのでベースプレート3がスムーズに回転変形することになるが、あまり小さくすると、回転変形したベースプレート3の底部がモルタル部8aの縁に接触し、この部分が破壊される場合があるので、適宜設定する。具体的には、金属板8bの縦横寸法は、例えば、モルタル部8aの0.5倍から1.0未満としている。
【0029】
ベースプレート3の裏面3bにおいて、駒材8の金属板8bとの接触面に多数の凹凸部13を備える。凹凸部13は、ベースプレート3の裏面3bの全面に形成しても、金属板8bと接触する部分のみに形成してもよい。
このように、ベースプレート3の裏面3bに凹凸部13を備えることにより、防錆層によってベースプレート3の裏面3bの摩擦係数が低下したとしても、ベースプレート3を設置した後の駒材8の金属板8bのベースプレート3に対する滑りを抑制し、金属板8bの位置ずれを防ぐことができる。
その他の構造は、第1の実施形態と同様である。
【0030】
[その他の実施形態]
本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。例えば以下のようなものも含まれる。
【0031】
本実施形態では、柱材を角形としたが、H形、溝形等としてもよい。この場合、ボルト孔の位置や、スリットの位置及び形状は、柱材の形状に合わせて設置する。
【0032】
第2の実施形態では、ベースプレートの裏面に凹凸部を形成してあるが、金属板の上面に凹凸部を形成してもよいし、ベースプレート及び金属板の両方に凹凸部を形成してもよい。
もちろん、駒材に金属板を設置しない場合も、ベースプレートの裏面が凹凸部を備えることもできる。
また、防錆層によりベースプレートの裏面の摩擦係数が低下しない場合や低下が問題にならない場合には、凹凸部を省略しても良いことはいうまでもない。
【0033】
第2の実施形態では、駒材8の縦横寸法について、モルタル部8aより金属板8bを小さくしたが、これに限られず、ほぼ同じ縦横寸法としても良い。
また、駒材の平面形状を矩形としていたが、これにも限られず、平面視において円形であっても良い。
【0034】
本実施形態では、ベースプレートがスリットを備えることにより、設置後に柱に作用する曲げモーメントを吸収するものであったが、これに限られず、設置後に柱に作用する曲げモーメントを吸収するようなものであればどのようなベースプレートであっても良い。ない。例えば、図6に示すように、スリットを備えず、ボルト孔4に挿通させたアンカーボルト6に締め込まれたナット7とベースプレート3との間に皿バネなどの弾性材14を設置する構成のベースプレートであっても良い。この構成では、弾性材14により設置後に柱に作用する曲げモーメントを吸収する。
また、弾性材とスリットとを併用するようにしても良い。
【0035】
いずれの実施形態における各技術的事項を他の実施形態に適用して実施例としても良い。
【符号の説明】
【0036】
1 柱材
2 基礎
3 ベースプレート
3a 表面
3b 裏面
3c 側面
4 ボルト孔
5 スリット
6 アンカーボルト
7 ナット
8 駒材
8a モルタル部
8b 金属板
9 隙間
10 板材
11 コンクリート
12 防錆層
13 凹凸部
14 弾性材
図1
図2
図3
図4
図5
図6