(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-29
(45)【発行日】2023-09-06
(54)【発明の名称】負荷制御装置
(51)【国際特許分類】
H05B 47/10 20200101AFI20230830BHJP
【FI】
H05B47/10
(21)【出願番号】P 2020058504
(22)【出願日】2020-03-27
【審査請求日】2022-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【氏名又は名称】樺澤 襄
(72)【発明者】
【氏名】黒木 律男
(72)【発明者】
【氏名】加藤 剛
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-4623(JP,A)
【文献】実開昭57-125496(JP,U)
【文献】特開2012-43534(JP,A)
【文献】特開2019-207771(JP,A)
【文献】特表2015-520481(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0091451(US,A1)
【文献】特開平3-224097(JP,A)
【文献】特開2004-119152(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00-39/10
H05B 45/00-45/59
H05B 47/00-47/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷を動作させる動作ユニットと;
前記動作ユニットに着脱可能に接続され、前記動作ユニットに電力を供給するバッテリと;
を備え、
前記動作ユニットは、
前記バッテリの電力により前記負荷を動作させる電力変換部と、
外部からの動作信号の入力時に前記電力変換部を停止させ、前記動作信号の入力停止時に前記電力変換部を動作させるように制御する制御部と、
前記動作信号の入力時に点灯する動作信号入力表示部と、
を有する
ことを特徴とする負荷制御装置。
【請求項2】
前記動作信号入力表示部は、前記バッテリの電力により点灯する
ことを特徴とする請求項1記載の負荷制御装置。
【請求項3】
前記動作信号入力表示部は、前記動作信号の電力により点灯する
ことを特徴とする請求項1記載の負荷制御装置。
【請求項4】
前記動作ユニットは、
前記動作信号が入力する入力回路部と、
前記入力回路部と絶縁され、前記制御部が設けられる制御回路部と、
前記入力回路部から前記制御回路部に絶縁状態で前記動作信号を伝達する信号伝達部と、
を有する
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載の負荷制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、バッテリの電力により動作する負荷制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、負荷制御装置として避難誘導の案内を行う誘導灯がある。一般的な誘導灯においては、商用交流電源等の外部電源からの電力が入力される常時には、外部電源からの電力により誘導灯の表示面用の光源を点灯させ、また、停電等による外部電源の遮断時つまり外部電源の非入力時である非常時にはバッテリの電力により光源を点灯させる。
【0003】
また、誘導灯の種類は複数あり、一般的な誘導灯よりも非常時により目立たせるための点滅機能や、非常口への避難誘導を案内する音声を出力する音声機能等の報知機能を有するものがある。このような報知機能の動作ユニットは、外部電源の非入力時である非常時でも負荷を動作させるためにバッテリを電源とし、外部からの動作信号(火報信号)の入力有無に応じて動作する。この場合、通常時に、動作信号が入力して動作ユニットが停止し、また、非常時に、動作信号の入力が停止して動作ユニットが動作するように構成されている。
【0004】
工場出荷時にバッテリを動作ユニットに接続していると、バッテリの寿命に影響を与えるため、バッテリを動作ユニットから外した状態で出荷し、施工時において、施工作業者がバッテリを動作ユニットに接続している。
【0005】
施工時において、動作信号の入力が停止している場合には、バッテリを動作ユニットに接続すると、動作ユニットが動作し、接続が正常であることを確認することができるが、動作信号が入力している場合には、動作ユニットが動作せず、接続が正常であることを確認することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、動作信号が入力していることを確認することができる負荷制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の負荷制御装置は、負荷を動作させる動作ユニットと、動作ユニットに着脱可能に接続され、動作ユニットに電力を供給するバッテリとを備える。動作ユニットは、バッテリの電力により負荷を動作させる電力変換部と、外部からの動作信号の入力時に電力変換部を停止させ、動作信号の入力停止時に電力変換部を動作させるように制御する制御部と、動作信号の入力時に点灯する動作信号入力表示部と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
実施形態の負荷制御装置によれば、動作信号が入力していることを確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1の実施形態を示す負荷制御装置が適用された誘導灯の斜視図である。
【
図4】同上負荷制御装置の動作ユニットの回路図である。
【
図5】第2の実施形態を示す負荷制御装置の動作ユニットの回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、第1の実施形態を、
図1ないし
図4を参照して説明する。
【0012】
図1に、負荷制御装置が適用された照明装置である誘導灯10の外観を示す。誘導灯10は、施設の非常口等に対応して天井面や壁面等の設置面に設置される。誘導灯10は、枠状の本体部11およびこの本体部11の前面側に取り付けられる前面パネル12等を含む筐体13、前面パネル12に設けられた表示板14、本体部11の下面側に設けられた点滅表示部15、前面パネル12に設けられた音声出力部16、本体部11の下面側に設けられたモニタ部17および動作確認スイッチ18等を備えている。
【0013】
表示板14は、誘導表示として人が避難している状態を示すピクトグラムが表示されている。表示板14は、前面パネル12に設けられた開口部に配置され、背面側からの光によって発光する。点滅表示部15は、本体部11の下面側から突出された透光性カバーを有し、内部側から外部側に光が出射される。音声出力部16は、音声が通過する孔等を有するカバーを有し、前面パネル12に設けられた開口部に配置されている。モニタ部17は、点検スイッチや、複数の充電用および光源用のモニタランプ等が配置されている。これらモニタランプは、異なる発光色のLED等が用いられている。動作確認スイッチ18は、操作により点滅表示部15および音声出力部16が動作するか否かを確認可能とする。
【0014】
そして、誘導灯10の表示板14は、常時および非常時(停電時および火災時)とも点灯表示する。点滅表示部15および音声出力部16は、常時には非動作状態にあり、火災による非常時には点滅表示部15が点滅動作するとともに音声出力部16から避難誘導を案内する音声を出力し、より一層の避難誘導効果が発揮されるように構成されている。
【0015】
次に、
図2に誘導灯10のブロック図を示す。誘導灯10には、商用電源等の外部電源20と、施設の自動火災報知機21に連動して所定の信号を誘導灯10に出力する信号装置22と、例えば誘導灯10の近傍の天井側に設置される煙感知器23と、誘導灯10の設置階の直上階に設置される誘導灯10とがそれぞれ接続される。
【0016】
信号装置22は、自動火災報知機21に連動して、非火災時である常時には火報信号である動作信号(信号電圧)を誘導灯10に出力し、火災時には動作信号の出力を停止する。さらに、信号装置22は、常時は音声停止信号を誘導灯10に出力せず、音声の出力を停止する場合に音声停止信号を誘導灯10に出力する。煙感知器23は、火災時(信号装置22から誘導灯10への動作信号の出力停止時)に誘導灯10から印加される動作電圧で動作し、煙の感知に応じた信号を誘導灯10に出力する。直上階の誘導灯10は、直下階の誘導灯10からの停止信号を入力して点滅動作および音声動作を停止する。
【0017】
また、誘導灯10は、外部電源20からの電力を入力する電源端子26、信号装置22から動作信号を入力する動作信号端子27、信号装置22から音声停止信号を入力する音声停止信号端子28、煙感知器23が接続される煙感知端子29、および直上階の誘導灯10が接続される直上階信号端子30等を備えている。
【0018】
また、誘導灯10は、電源端子26に接続されて外部電源20からの電力が供給される点灯ユニット33、および動作ユニットである音声点滅ユニット34を備えている。
【0019】
点灯ユニット33には、点灯用光源38、および第1のバッテリ39が接続されている。点灯用光源38は、例えばLED等の発光素子が用いられている。点灯用光源38は、例えば表示板14の背面側に配置される導光板に光を入射し、導光板から表示板14に出射される光によって表示板14を照明し、発光させる。第1のバッテリ39は、充放電可能な二次電池が用いられている。
【0020】
点灯ユニット33は、外部電源20または第1のバッテリ39の電力を所定の点灯用電力に変換して点灯用光源38に供給する電力変換部、第1のバッテリ39を充電する充電回路、および電力変換部を制御する制御部等を備えている。
【0021】
点灯ユニット33は、常時モードと、非常時モードとを有している。常時モードは、外部電源20からの電力が入力されているときのモードであり、外部電源20からの電力により点灯用光源38を点灯させるとともに第1のバッテリ39を充電する。非常時モードは、停電時(外部電源20からの電力の遮断時つまり外部電源20からの電力の非入力時)のモードであり、第1のバッテリ39の電力により点灯用光源38を点灯させる。
【0022】
さらに、音声点滅ユニット34には、負荷である点滅用光源42および音声出力装置43、第2のバッテリ44、および動作信号端子27および音声停止信号端子28が接続されている。
【0023】
点滅用光源42は、例えばキセノンランプや、LEDを含む発光素子等が用いられている。点滅用光源42は、点滅表示部15の内側に配置され、点滅表示部15を通じて外部に光を出射する。
【0024】
音声出力装置43は、音声出力部16の内側に配置されたスピーカを有し、非常時に音声点滅ユニット34によって例えば「非常口はこちらです」等の避難誘導を案内する音声を出力する。
【0025】
第2のバッテリ44は、充放電可能な二次電池が用いられている。第2のバッテリ44は、コネクタ等によって音声点滅ユニット34に着脱可能とする。
【0026】
動作信号端子27および音声停止信号端子28に接続された音声点滅ユニット34には、信号装置22からの動作信号が入力され、また、信号装置22から音声停止信号が入力可能とする。
【0027】
音声点滅ユニット34は、第2のバッテリ44の電力を所定の点滅用電力に変換して点滅用光源42に供給する電力変換部、第2のバッテリ44の電力により所定の音声信号を増幅して音声出力装置43に供給する電力変換部、第2のバッテリ44を充電する充電回路、および信号装置22からの動作信号の入力状態の変化つまり入力有無に応じて電力変換部を制御する制御部等を備えている。
【0028】
音声点滅ユニット34は、常時モードと、非常時に点滅用光源42を点滅動作させるとともに音声出力装置43から音声を出力動作させる非常時モードとを有している。
【0029】
常時モードは、非火災時に、信号装置22から動作信号が入力されているときのモードであり、点滅用光源42を消灯するとともに音声出力装置43からの音声出力を停止し、外部電源20からの電力が入力されている場合に外部電源20からの電力により第2のバッテリ44を充電する。
【0030】
非常時モードは、非常時である火災時に、信号装置22から動作信号が入力されないときのモードであり、第2のバッテリ44の電力により点滅用光源42を点滅させるとともに音声出力装置43から避難誘導を案内する音声を出力させる。
【0031】
音声点滅ユニット34は、煙感知端子29に接続されている。煙感知端子29に煙感知器23が接続されている場合、音声点滅ユニット34は、非常時モードの際に、煙感知器23に動作電圧を出力して煙感知器23を動作させ、煙感知器23からの感知信号を入力する。音声点滅ユニット34は、煙感知器23が煙を感知すると、点滅用光源42を消灯するとともに音声出力装置43からの音声の出力動作を停止する。
【0032】
音声点滅ユニット34は、直上階信号端子30に接続されている。直上階信号端子30に直上階の誘導灯10が接続され、かつ煙感知端子29に煙感知器23が接続されている場合、音声点滅ユニット34は、非常時モードの際に、煙感知器23が煙を感知すると、直上階の誘導灯10に停止信号を出力し、直上階の誘導灯10による点滅動作および音声出力動作を停止させる。
【0033】
音声点滅ユニット34は、音声停止信号端子28を通じて信号装置22から音声停止信号を入力すると、火災時でも音声の出力を停止する。
【0034】
【0035】
誘導灯10は、負荷60である点滅用光源42または音声出力装置43を制御する負荷制御装置61を備えている。負荷制御装置61は、負荷60を動作させる動作ユニット62、および動作ユニット62に電力を供給するバッテリ63を備えている。動作ユニット62は、音声点滅ユニット34または点滅ユニットであり、本実施形態では音声と点滅の機能を有する音声点滅ユニット34である。バッテリ63は、第2のバッテリ44である。したがって、負荷制御装置61の動作ユニット62である音声点滅ユニット34は、バッテリ63である第2のバッテリ44の電力により、負荷60である点滅用光源42および音声出力装置43をそれぞれ動作させる。
【0036】
動作ユニット62は、バッテリ63の電力により負荷60を動作させる電力変換部64と、外部からの動作信号の入力有無に応じて電力変換部64を制御する制御部65と、動作信号の入力時に点灯する動作信号入力表示部66とを有している。
【0037】
音声点滅ユニット34の電力変換部64は、バッテリ63である第2のバッテリ44の電力を所定の点滅用電力に変換して点滅用光源42に供給し、点滅用光源42を点滅動作させ、また、バッテリ63である第2のバッテリ44の電力により増幅した所定の音声信号を音声出力装置43に供給し、音声出力装置43から音声を出力動作させる。
【0038】
制御部65は、信号装置22からの動作信号が入力されているときに電力変換部64の動作を停止し、動作信号が入力されていないときに電力変換部64を動作させるように制御する。
【0039】
動作信号入力表示部66は、本体部11内に設けられ、施工時に前面パネル12を外した状態で本体部11の前面側から視認可能とする位置に設けられている。
【0040】
次に、
図4に負荷制御装置61の動作ユニット62の回路図を示す。
【0041】
動作ユニット62は、動作信号の入力系と、音声停止信号の入力系とを備えるが、まずは動作信号の入力系について説明する。
【0042】
動作信号端子27に入力する動作信号には、信号装置22によってAC100Vの場合とDC24Vの場合とがあるが、負荷制御装置61ではいずれの動作信号が入力しても対応可能に構成されている。
【0043】
動作ユニット62は、動作信号が入力する入力回路部70と、この入力回路部70に対して電気的に絶縁され、制御部65が設けられる制御回路部71と、入力回路部70から制御回路部71に電気的な絶縁状態で動作信号を伝達する信号伝達部72とを有している。
【0044】
入力回路部70において、動作信号端子27には、保護のためのヒューズFU1およびバリスタZ1を介して整流回路DB1の一対の入力端子が接続されている。整流回路DB1の一対の出力端子にコンデンサC1が接続されている。
【0045】
コンデンサC1と並列に、抵抗R1,R2,R3、ツェナーダイオードZD1、抵抗R4の第1直列回路と、抵抗R5,R6,R7,R8,R9の第2直列回路と、抵抗R10、信号伝達部72であるフォトカプラPC1のフォトダイオード、ツェナーダイオードZD2,ZD3、抵抗R11の第3直列回路と、がそれぞれ接続されている。
【0046】
第2直列回路の抵抗R8,R9と並列に電界効果トランジスタ(FET)である第1スイッチング素子Q1のドレイン、ソースが接続され、第1直列回路のツェナーダイオードZD1のアノードと抵抗R4との間に抵抗R12を介して第1スイッチング素子Q1のゲートが接続されている。第1スイッチング素子Q1のゲートとソースとの間にコンデンサC2が接続されている。
【0047】
第3直列回路のツェナーダイオードZD2,ZD3、抵抗R11と並列に電界効果トランジスタ(FET)である第2スイッチング素子Q2のドレイン、ソースが接続され、第2直列回路の抵抗R8と抵抗R9との間に第2スイッチング素子Q2のゲートが接続されている。第2スイッチング素子Q2のゲートとソースとの間にコンデンサC3が接続されている。
【0048】
また、制御回路部71において、フォトカプラPC1のフォトトランジスタが、このフォトトランジスタに並列に接続されるコンデンサC4を介して、制御部65に接続されている。
【0049】
コンデンサC4の低電位側と制御部65との間に、抵抗R13を介して動作信号入力表示部66であるLED1が接続されている。LED1にはコンデンサC5が並列に接続されている。
【0050】
ここで、動作信号の入力有無に応じた動作ユニット62の動作を説明する。
【0051】
動作信号がAC100Vの場合、交流の動作信号を整流回路DB1で整流し、整流された動作信号の電圧が入力回路部70に印加される。
【0052】
整流された動作信号の電圧が15V以上となると、つまり、第2直列回路の抵抗R8,R9の分圧抵抗により決まる第2スイッチング素子Q2のゲート電圧が15V以上となると、第2スイッチング素子Q2がオンし、フォトカプラPC1のフォトダイオードが発光する。
【0053】
整流された動作信号の電圧が38V以上となると、第1直列回路のツェナーダイオードZD1がオンし、第1スイッチング素子Q1のゲートに電圧が印加されて第1スイッチング素子Q1がオンし、それによって第2スイッチング素子Q2のゲート電圧が低下して第2スイッチング素子Q2がオフし、フォトカプラPC1のフォトダイオードが消灯する。
【0054】
整流された動作信号の電圧が67V以上となると、第1スイッチング素子Q1がオン、第2スイッチング素子Q2がオフしているが、ツェナーダイオードZD2,ZD3がオンし、フォトカプラPC1のフォトダイオードが発光する。
【0055】
フォトカプラPC1のフォトダイオードが発光すると、フォトカプラPC1のフォトトランジスタで受光し、つまりフォトカプラPC1がオンする。フォトカプラPC1がオンすることに基づいて、制御部65が動作信号入力表示部66(LED1)を点灯させる。制御部65は、制御回路部71に供給されるバッテリ63の電力により動作し、バッテリ63の電力により動作信号入力表示部66を点灯させる。
【0056】
なお、整流された動作信号の電圧が38V以上となったときにフォトカプラPC1のフォトダイオードが消灯するが、瞬間的に消灯するだけで、直ぐに点灯するため、動作信号入力表示部66(LED1)が瞬間的に消灯したとしても目視では確認できない。
【0057】
また、動作信号がDC24Vの場合、直流の動作信号を整流回路DB1で整流し、整流された動作信号の電圧が入力回路部70に印加される。
【0058】
整流された動作信号の電圧が15V以上となると、つまり、第2直列回路の抵抗R8,R9の分圧抵抗により決まる第2スイッチング素子Q2のゲート電圧が15V以上となると、第2スイッチング素子Q2がオンし、フォトカプラPC1のフォトダイオードが発光する。
【0059】
フォトカプラPC1のフォトダイオードが発光すると、フォトカプラPC1のフォトトランジスタで受光し、つまりフォトカプラPC1がオンする。フォトカプラPC1がオンすることに基づいて、制御部65が動作信号入力表示部66(LED1)を点灯させる。制御部65は、制御回路部71に供給されるバッテリ63の電力により動作し、バッテリ63の電力により動作信号入力表示部66を点灯させる。
【0060】
続いて、音声停止信号の入力系について説明する。
【0061】
音声停止信号端子28に入力する音声停止信号はDC24Vである。
【0062】
動作ユニット62は、音声停止信号が入力する入力回路部73と、この入力回路部73に対して電気的に絶縁され、制御部65が設けられる制御回路部74と、入力回路部73から制御回路部74に電気的な絶縁状態で音声停止信号を伝達する信号伝達部75とを有している。
【0063】
これら入力回路部73、制御回路部74および信号伝達部75は、入力回路部70、制御回路部71および信号伝達部72と共通の構成が用いられている。なお、音声停止信号はDC24Vのみであることから、第3直列回路のツェナーダイオードZD22,ZD23、抵抗31は備えていなくてもよい。
【0064】
次に、誘導灯10の施工について説明する。
【0065】
前面パネル12を外して内部を露出させた本体部11を天井面または壁面に設置する。外部電源20からの電源線、信号装置22からの動作信号用信号線および音声停止用信号線、煙感知器23からの煙感知用信号線、および直上階の誘導灯10との接続用信号線を、それぞれ本体部11内に引き込んで対応する各端子に接続する。
【0066】
工場出荷時には各バッテリ39,44を各ユニット33,34に電気接続していると、各バッテリ39,44の寿命に影響を与えるため、各バッテリ39,44を各ユニット33,34から外した状態で出荷されている。そのため、施工時において、各バッテリ39,44を各ユニット33,34に電気接続する。
【0067】
この施工時において、信号装置22からの動作信号の入力している状態で、第2のバッテリ44を音声点滅ユニット34に接続すると、外部電源20または第2のバッテリ44の電力で起動する音声点滅ユニット34は、動作信号が入力されていることを判断し、点滅用光源42を点滅動作させないとともに音声出力装置43から音声を出力させない。
【0068】
そのため、施工時において、点滅用光源42や音声出力装置43の状態を確認しただけでは、信号装置22からの動作信号用信号線が正しく配線されているか否かや、信号装置22から動作信号が正しく入力されているのか否かなどを確認することができない。
【0069】
本実施形態では、信号装置22から動作信号が入力されていると、本体部11の内部に設けられている動作信号入力表示部66が点灯するため、信号装置22からの動作信号用信号線が正しく配線されていること、動作信号が正しく入力されていることを確認でき、動作確認を簡略化できる。
【0070】
そして、これが確認できれば、前面パネル12を本体部11に取り付け、誘導灯10の施工が完了となる。
【0071】
次に、誘導灯10の動作を説明する。
【0072】
誘導灯10に外部電源20からの電力が入力されている常時には、点灯ユニット33は外部電源20からの電力により点灯用光源38を点灯させて表示板14を点灯表示し、さらに、点灯ユニット33、音声点滅ユニット34は外部電源20からの電力によってそれぞれ対応する第1のバッテリ39、第2のバッテリ44を充電する。
【0073】
さらに、常時には、自動火災報知機21に連動して、信号装置22からの動作信号が出力されている。誘導灯10では、信号装置22からの動作信号が入力されていることにより、音声点滅ユニット34は動作せず、点滅用光源42は消灯し、音声出力装置43は音声出力を停止している。なお、このとき、誘導灯10の内部に配置されていて外部からは確認することはできないが、動作信号入力表示部66が点灯している。
【0074】
また、外部電源20の停電時には、点灯ユニット33は第1のバッテリ39の電力により点灯用光源38を点灯させて表示板14の点灯表示を継続する。
【0075】
また、火災時には、自動火災報知機21に連動して、信号装置22からの動作信号の出力が停止される。誘導灯10では、信号装置22からの動作信号の入力が停止されることにより、音声点滅ユニット34が第2のバッテリ44の電力により点滅用光源42を点滅動作させるとともに音声出力装置43から避難誘導を案内する音声を出力させる。点滅用光源42の点滅動作により誘導灯10の点滅表示部15が点滅し、誘導灯10の音声出力部16から「非常口はこちらです」等の避難誘導を案内する音声が出力され、誘導灯10によるより一層の避難誘導効果が発揮される。
【0076】
また、火災時に、誘導灯10の近くの煙感知器23で煙を検知した場合、信号装置22から音声停止信号が誘導灯10に入力され、音声点滅ユニット34は音声出力装置43から音声の出力を停止させる。
【0077】
また、信号装置22からの動作信号の出力が再開されれば、点滅用光源42の点滅動作を停止するとともに、音声出力装置43からの音声を出力している場合にはその出力を停止する。
【0078】
このように、本実施形態によれば、動作ユニット62が動作信号の入力時に点灯する動作信号入力表示部66を備えるため、例えば施工時において、信号装置22からの動作信号用信号線が正しく配線されていること、動作信号が正しく入力されていることを確認することができる。
【0079】
また、動作ユニット62に接続されるバッテリ63の電力を利用して、動作信号入力表示部66を点灯することができる。
【0080】
また、入力回路部70と制御回路部71とを電気的に絶縁し、信号伝達部72により入力回路部70から制御回路部71に電気的な絶縁状態で動作信号を伝達するため、誤配線が生じた場合でも、制御回路部71の制御部65等が壊れるのを防止できる。
【0081】
【0082】
図5は負荷制御装置61の動作ユニット62の回路図である。
【0083】
動作信号の入力系の動作ユニット62において、入力回路部70に動作信号入力表示部66を備えている。
【0084】
動作信号入力表示部66を除く入力回路部70および制御回路部71は、第1の実施形態と同じである。
【0085】
動作信号入力表示部66は、第3直列回路のフォトカプラPC1のフォトダイオードのカソードとツェナーダイオードZD2のカソードとの間に接続されている。動作信号入力表示部66のLED1のアノードがフォトカプラPC1のフォトダイオードのカソードに接続され、LED1のカソードがツェナーダイオードZD2のカソードと第2スイッチング素子Q2のドレインとの交点に接続されている。
【0086】
そして、上述したように、AC100VまたはDC24Vの動作信号のいずれが入力した場合でも、入力回路部70のフォトカプラPC1のフォトダイオードが発光するとともに、そのときに動作信号入力表示部66(LED1)も点灯し、動作信号が入力されていることを確認できる。
【0087】
この場合、動作信号の電力を利用して動作信号入力表示部66を点灯させることができ、回路構成を簡略化できる。
【0088】
なお、上記実施形態において、誘導灯10は、表示板14の点灯機能に加えて、点滅機能および音声機能を有しているが、少なくとも点滅機能を有していればよい。
【0089】
また、負荷制御装置61は、誘導灯10への適用に限らず、非常灯等の照明装置にも適用できる。
【0090】
なお、上記実施形態では、動作ユニット62として音声と点滅の機能を有する音声点滅ユニット34について説明したが、動作ユニット62としては点滅機能のみを有する点滅ユニットであってもよい。その場合、誘導灯10は、音声出力装置43および音声停止信号端子28は有さなくてよい。
【0091】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0092】
60 負荷
61 負荷制御装置
62 動作ユニット
63 バッテリ
64 電力変換部
65 制御部
66 動作信号入力表示部
70 入力回路部
71 制御回路部
72 信号伝達部