(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-29
(45)【発行日】2023-09-06
(54)【発明の名称】サーバ装置、プログラムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G16H 20/10 20180101AFI20230830BHJP
【FI】
G16H20/10
(21)【出願番号】P 2021112440
(22)【出願日】2021-07-06
【審査請求日】2022-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】518193777
【氏名又は名称】株式会社Linc’well
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】230121016
【氏名又は名称】小笠原 匡隆
(72)【発明者】
【氏名】戸本 裕太郎
(72)【発明者】
【氏名】山本 遼佑
(72)【発明者】
【氏名】金子 和真
(72)【発明者】
【氏名】氷熊 大輝
【審査官】鹿谷 真紀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0027751(US,A1)
【文献】特開2016-110247(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医師による診察を提供する
医師の端末装置と、医薬品を注文するユーザの端末装置と、ネットワークを介して通信するように構成された通信インターフェースと、
所定の指示命令に加え、複数の医薬品それぞれが、医師による処方を必要とする医療用医薬品であるかを少なくとも記憶するメモリと、
前記所定の指示命令に基づいて、
前記複数の医薬品のうち、前記医療用医薬品以外であって、前記ネットワークを介した流通が可能な一般用医薬品と、前記医療用医薬品とを含む注文を、前記ユーザの端末装置から前記通信インターフェースを介して受け、
前記一般用医薬品の注文の確定の意思を、前記
ユーザの端末装置から前記通信インターフェースを介して受信すると、前記注文の確定の意思がなされた前記一般用医薬品の注文を確定し、
前記医療用医薬品の注文を、前記ユーザの端末装置から前記通信インターフェースを介して受信すると、前記医療用医薬品の注文を変更可能な仮確定の状態にし、
注文された前記医療用医薬品を処方しうる医師による前記ユーザの診察を、前記
ユーザの端末装置
から、前記通信インターフェースを介して予約
し、
予約された前記診察が行われたのちに、前記ユーザ又は前記医師のいずれかによる前記医療用医薬品の注文に対する確定がなされると、前記医療用医薬品の注文の決済をする、
処理を行うように構成されたプロセッサと、
を備えるサーバ装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記所定の指示命令に基づいて、
予約された前記診察が行われて、注文された前記医療用医薬品が処方されると、注文された前記医療用医薬品の注文の決済をする、
処理をさらに行うように構成される、
請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記所定の指示命令に基づいて、
注文が確定された前記
一般用医薬品を決済して発送する、
処理をさらに行うように構成される、
請求項2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記所定の指示命令に基づいて、
決済された前記一般用医薬品を前記ユーザに発送し、
前記一般用医薬品を発送した後に、決済された前記医療用医薬品を前記ユーザに発送する、
処理をさらに行うように構成される、
請求項3に記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記所定の指示命令に基づいて、
前記一般用医薬品と、前記医療用医薬品とが分かれて前記ユーザに発送されることを、前記通信インターフェースを介して前記
ユーザの端末装置に送信する、
処理を行うように構成される、
請求項4に記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記所定の指示命令に基づいて、
前記医療用医薬品の注文の確定の意思を、前記
ユーザの端末装置から前記通信インターフェースを介して受信すると、決済された前記医療用医薬品を決済して前記ユーザに発送する、
処理を行うように構成される、
請求項3~5のいずれか1項に記載のサーバ装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記所定の指示命令に基づいて、
前記医療用医薬品の注文の確定の意思を、前記
ユーザの端末装置から前記通信インターフェースを介して受信すると、決済された前記医療用医薬品を決済して前記ユーザに発送する、
処理を行うように構成される、
請求項4~6のいずれか1項に記載のサーバ装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記所定の指示命令に基づいて、
前記医師による前記ユーザの診察の結果に基づいて、前記ユーザにさらに適した医療用医薬品を、前記
医師の端末装置から前記通信インターフェースを介して受信し、受信した前記ユーザにさらに適した医療用医薬品を、前記通信インターフェースおよび前記
ユーザの端末装置を介して前記ユーザに提案する、
処理をさらに行うように構成される、
請求項2~7のいずれか1項に記載のサーバ装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記所定の指示命令に基づいて、
前記ユーザにさらに適した一般用医薬品を、前記通信インターフェースおよび前記
ユーザの端末装置を介して前記ユーザに提案する、
処理をさらに行うように構成される、
請求項2~8のいずれか1項に記載のサーバ装置。
【請求項10】
医師による診察を提供する
医師の端末装置と、医薬品を注文するユーザの端末装置と、ネットワークを介して通信するように構成された通信インターフェースと、
所定の指示命令に加え、複数の医薬品それぞれが、医師による処方を必要とする医療用医薬品であるかを少なくとも記憶するメモリと、を含むコンピュータを、
前記複数の医薬品のうち、前記医療用医薬品以外であって、前記ネットワークを介した流通が可能な一般用医薬品と、前記医療用医薬品とを含む注文を、前記ユーザの端末装置から前記通信インターフェースを介して受け、
前記一般用医薬品の注文の確定の意思を、前記
ユーザの端末装置から前記通信インターフェースを介して受信すると、前記注文の確定の意思がなされた前記一般用医薬品の注文を確定し、
前記医療用医薬品の注文を、前記ユーザの端末装置から前記通信インターフェースを介して受信すると、前記医療用医薬品の注文を変更可能な仮確定の状態にし、
注文された前記医療用医薬品を処方しうる医師による前記ユーザの診察を、前記
ユーザの端末装置から前記通信インターフェースを介して予約
し、
予約された前記診察が行われたのちに、前記ユーザ又は前記医師のいずれかによる前記医療用医薬品の注文に対する確定がなされると、前記医療用医薬品の注文の決済をする、
処理を行うように構成されたプロセッサ、
として動作させるプログラム。
【請求項11】
医師による診察を提供する
医師の端末装置と、医薬品を注文するユーザの端末装置と、ネットワークを介して通信するように構成された通信インターフェースと、
所定の指示命令に加え、複数の医薬品それぞれが、医師による処方を必要とする医療用医薬品であるかを少なくとも記憶するメモリと、を含むコンピュータにおいて、プロセッサが前記所定の指示命令を実行することによりなされる方法であって、
前記複数の医薬品のうち、前記医療用医薬品以外であって、前記ネットワークを介した流通が可能な一般用医薬品と、前記医療用医薬品とを含む注文を、前記ユーザの端末装置から前記通信インターフェースを介して受ける段階と、
前記一般用医薬品の注文の確定の意思を、前記
ユーザの端末装置から前記通信インターフェースを介して受信すると、前記注文の確定の意思がなされた前記一般用医薬品の注文を確定し、
前記医療用医薬品の注文を、前記ユーザの端末装置から前記通信インターフェースを介して受信すると、前記医療用医薬品の注文を変更可能な仮確定の状態にする段階と、
注文された前記医療用医薬品を処方しうる医師による前記ユーザの診察を、前記
ユーザの端末装置から前記通信インターフェースを介して予約する段階と、
予約された前記診察が行われたのちに、前記ユーザ又は前記医師のいずれかによる前記医療用医薬品の注文に対する確定がなされると、前記医療用医薬品の注文の決済をする段階と、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品の流通に関するサーバ装置、プログラムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医師による処方が必要な医療用医薬品の注文と、医師による一般用医薬品の注文とを、ネットワークを介して一括して受けたいという要望がある。このような場合、医療用医薬品の注文の際に、医師による診断が予約できると便利である。例えば、特許文献1は、オンライン診療の予約を行うシステムを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施の形態は上述した背景からなされ、ネットワークを介して一般用医薬品とともに注文した医療用医薬品の医師による処方を受けるために便利なサーバ装置、プログラムおよび方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、実施の形態にかかるサーバ装置は、医師による診察を提供する端末装置と、医薬品を注文するユーザの端末装置と、ネットワークを介して通信するように構成された通信インターフェースと、所定の指示命令に加え、複数の医薬品それぞれが、医師による処方を必要とする医療用医薬品であるかを少なくとも記憶するメモリと、前記所定の指示命令に基づいて、前記複数の医薬品のうち、前記医療用医薬品以外であって、前記ネットワークを介した流通が可能な一般用医薬品と、前記医療用医薬品とを含む注文を、前記ユーザの端末装置から前記通信インターフェースを介して受け、前記一般用医薬品の注文の確定の意思を、前記端末装置から前記通信インターフェースを介して受信すると、前記注文の確定の意思がなされた前記一般用医薬品の注文を確定し、注文された前記医療用医薬品を処方しうる医師による前記ユーザの診察を、前記端末装置に前記通信インターフェースを介して予約する処理を行うように構成されたプロセッサと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】実施の形態にかかる流通システムの構成を示す図である。
【
図2】流通システムのユーザの端末装置、医師の端末装置および流通サーバのコンピュータとしてのハードウェアの構成を例示する図である。
【
図3】
図1に示した医師の端末装置において動作する病院システムの構成を示す図である。
【
図4】
図1に示した流通サーバにおいて動作する医薬品流通システムの構成を示す図である。
【
図5】
図4に示した医薬品データベースにおいて管理される医療用医薬品情報を例示する図である。
【
図6】
図4に示した医薬品データベースにおいて管理される一般用医薬品を例示する図である。
【
図7】医薬品流通システムの処理を示すフローチャートである。
【
図8】注文の仮確定が行われたことを示すUI画像を例示する図である。
【
図9】流通システムの動作を示す第1の通信シーケンス図である。
【
図10】ユーザが端末装置から流通サーバに一般用医薬品のみを注文するときのUI画像を例示する図である。
【
図11】流通システムの動作を示す第2の通信シーケンス図である。
【
図12】ユーザが端末装置から流通サーバに医療用医薬品のみを注文するときのUI画像を例示する第1の図である。
【
図13】ユーザが端末装置から流通サーバに医療用医薬品のみを注文するときのUI画像を例示する第2の図である。
【
図14】ユーザが端末装置から流通サーバに医療用医薬品のみを注文するときのUI画像を例示する第3の図である。
【
図15】ユーザの端末装置および医師の端末装置を介してユーザにオンライン診察を行う医師に表示される画像を例示する図である。
【
図16】医師による医療用医薬品のパーソナライズの結果を例示する図である。
【
図17】流通システムの動作を示す第3の通信シーケンス図である。
【
図18】医師の端末装置に表示されて医師がユーザの代わりに代替の医療用医薬品の注文の確定に用いるUI画像を例示する図である。
【
図19】流通システムの動作を示す第4の通信シーケンス図である。
【
図20】流通システムの動作を示す第5の通信シーケンス図である。
【
図21】ユーザが端末装置から流通サーバに対して医療用医薬品および一般用医薬品を注文するときのUI画像を例示する第1の図である。
【
図22】ユーザが端末装置から流通サーバに対して医療用医薬品および一般用医薬品を注文するときのUI画像を例示する第2の図である。
【
図23】流通システムの動作を示す第6の通信シーケンス図である。
【
図24】ユーザが流通サーバに対して医療用医薬品および一般用医薬品を注文して、まず一般用医薬品がユーザに配送され、医師による診察の後で、医療用医薬品がユーザに配送されるときに用いられるUI画像を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[第1の実施の形態]
以下、第1の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下、実質的に同じ構成要素および処理には同じ符号および名称が付される。また、複数ありうる構成要素のいずれかを特定せずに示すときには、構成要素の符号の添え字を省略することがある。また、情報通信および情報処理の主体となり得る構成要素はノードと総称されることがある。
【0008】
また、構成要素などの数および種類は例示的に示され、適宜、増減されたり変更されたりしうる。また、数値は例示的に示され、正確性は保証されない。また、図面において、発明の本質的な説明に関係しない構成要素は、適宜、省略されることがある。また、m,nは2以上の整数である。
【0009】
[流通システム1の構成]
図1は、実施の形態にかかる流通システム1の構成を示す図である。
図1に示すように、流通システム1は、ユーザの端末装置14、医師の端末装置2および流通サーバ4が、インターネットなど、有線通信回線および無線通信回線が組み合わされた通信ネットワーク100を介して、互いにデータを通信可能に接続されて構成される。なお、医師の端末装置2は、流通サーバ4が流通させうる医療用医薬品を処方しうる病院それぞれに設置される。
【0010】
流通システム1は、これらの構成要素により、医薬品のうち、医師の処方箋(「指示箋」と呼ばれることもある)に従って処方される医療用医薬品と、販売のために薬剤師による対面の書面を用いた情報提供を必要とする要指導医薬品とを除く一般用医薬品とを、ネットワークおよび郵便などを介して流通させる。なお、以下、医療用医薬品と一般用医薬品とを、単に医薬品と総称する。
【0011】
ただし、ここで述べた医薬品の取り扱いは、日本国の法律に従っており、日本国以外の各国において、流通システム1が取り扱う医薬品の種類とその取り扱い方法に違いが生じうる。また、日本国の法律が改正されたときには、流通システム1が取り扱う医薬品の種類および取り扱いの方法が変更されうる。
【0012】
なお、要指導医薬品および一般用医薬品のうちの第1種医薬品は、医師の処方箋なしに、薬剤師が在勤する薬局で購入可能であるが、要指導医薬品のネットワークまたは郵便を介した販売は禁止されている。一方、一般用医薬品のうちの第1種医薬品は、薬剤師による書面での情報提供が義務とされる。しかしながら、第1種医薬品は、一般用医薬品のうちの第2種医薬品および第3種医薬品と同様に、医師の処方箋なしに、薬剤師または登録販売者が対応すれば、ネットワークまたは郵便を介した販売が可能である。なお、以下の説明においては、一般用医薬品は、同じルートで流通することが多い医薬部外品を含む。
【0013】
なお、要指導医薬品および一般用医薬品(第1種~第3種医薬品)は、医師の処方箋なので、OTC(Over The Counter)医薬品と総称されることがある。また、流通システム1を利用することにより、例えば、何らかの病気の患者が医療用医薬品の処方を受けたり、健常者がビタミン剤などのサプリメントを購入したりできる。従って、流通システム1の利用者は患者であるとは限らないので、以下、流通システム1の利用者は、患者と健常者との両方を含むユーザと記載される。
【0014】
流通システム1において、流通サーバ4は、ユーザからの注文と、端末装置2を用いる医師により発行された電子処方箋とを処理して医薬品を流通させる。ユーザの端末装置14は、流通システム1への医療用医薬品および一般用医薬品を注文し、端末装置2を用いる病院に在勤する医師にユーザを診察させる。端末装置2は、流通サーバ4からのユーザの診察の予約を受け付け、医師によるユーザの診察を補助する。
【0015】
[ユーザの端末装置14、医師の端末装置2および流通サーバ4のハードウェア]
図2は、
図1に示した流通システム1におけるユーザの端末装置14、医師の端末装置2および流通サーバ4のコンピュータとしてのハードウェア12の構成を例示する図である。
図2に示すように、これらのノードは、バス120を介して相互にデータを入出力可能に接続されたプロセッサ(CPU;Central Processing Unit)122と、ROM(Read Only Memory)124と、RAM(Random Access Memory)126と、通信ネットワーク100に接続される通信インターフェース(IF)128と、ディスプレイ、キーボード、スピーカおよびマイクなどのユーザインターフェース(UI;User Interface)装置が接続される入出力装置(I/O)130と、フラッシュメモリおよびDVDなどの記録媒体に対してデータの書き込みおよび読み出しを行う記録装置132と、プリンタなどが接続される外部装置IF134とを備える。
【0016】
流通システム1における各ノードの構成要素は、専門のハードウェアにより実現されても、
図2に示したROM124などに記憶されたソフトウェアとしてのプログラムをCPU122が実行することにより実現されても、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせにより実現されてもよい。また、通信ネットワーク100と、ユーザの端末装置14、医師の端末装置2および流通サーバ4との間の通信は、有線通信回線または無線通信回線、あるいは、これらの組み合わせを介して行われうる。
【0017】
[病院システム20の構成]
図3は、
図1に示した医師の端末装置2において動作する病院システム20の構成を示す図である。
図3に示すように、病院システム20は、診察予約装置200、医薬品提示装置202、医薬品変更装置204、オンライン診察装置206、電子処方箋発行装置208および電子カルテ管理装置210を備える。病院システム20の構成要素は、互いに任意のタイミングでデータを通信したり、端末IFを介してユーザの操作を受け入れたり情報を表示したり、ネットワークIFを介して他のノードと相互にデータを通信したりしうる。
【0018】
病院システム20は、これらの構成要素により、ユーザの診察予約を、例えば、医師が運営する病院の管理下にある端末装置2を介して受け、ユーザを診察して医療用医薬品を処方する。また、病院システム20は、ユーザが流通サーバ4に注文した医療用医薬品よりも、医師による診察の結果として、ユーザにとって適切と考えられる医療用医薬品を選択して処方する。
【0019】
病院システム20において、診察予約装置200は、ユーザが流通サーバ4に対して医療用医薬品を注文したときに、流通サーバ4からの診察予約を受け、診察スケジュールを調整してこのユーザの診察の予約を受け入れる。
【0020】
医薬品提示装置202は、ユーザが流通サーバ4に注文した医療用医薬品、これと作用および効果が同じか類似する医療用医薬品およびそのジェネリック医薬品、および、これと同じ種類で主成分の量が異なる医療用医薬品などを、UI装置のディスプレイに表示して医師に提示する。
【0021】
医薬品選択装置204は、ユーザの診察の結果に基づく医師の操作に応じて、医薬品提示装置202により提示された医療用医薬品から、あるいは、自ら探し出した医療用医薬品から、ユーザが注文した医療用医薬品よりも適切な医療用医薬品を選択する。医薬品変更装置204は、選択した医療用医薬品を流通サーバ4に通知する。また、医薬品変更装置204は、医師が、ユーザの注文と異なる代替の医療用医薬品を処方したときに、医師がユーザの代わりに注文を確定するための処理を行う。
【0022】
オンライン診察装置206は、電話、あるいは、オンライン会議アプリケーションを用いて、端末装置2を用いる医師とユーザとの間のコミュニケーションを実現し、医師にユーザを診察させる。
【0023】
電子処方箋発行装置208は、医師の操作に応じて、ユーザに医療用医薬品を処方する電子処方箋を発行し、流通サーバ4に対して送信する。
【0024】
電子カルテ管理装置210は、医師の操作に応じて診察の結果を示す電子カルテを作成し、管理する。
【0025】
[医薬品流通システム40の構成]
図4は、
図1に示した流通サーバ4において動作する医薬品流通システム40の構成を示す図である。
図4に示すように、医薬品流通システム40は、医薬品データベース400、受注装置402、相談装置404、パーソナライズ装置406、禁忌問診装置408、診察予約装置410、電子処方箋処理装置412、ユーザ管理装置414、ユーザデータベース416、医薬品変更装置420、服薬指導装置422、注文仮確定装置424、一般用医薬品決済・発送装置426、医療用医薬品確認装置428、医療用医薬品決済・発送装置430および医療用・一般用医薬品決済・発送装置432を備える。医薬品流通システム40の構成要素は、互いに任意のタイミングでデータを通信したり、端末IFを介してユーザの操作を受け入れたり情報を表示したり、ネットワークIFを介して他のノードと相互にデータを通信したりしうる。
【0026】
流通サーバ4は、例えば、薬剤師および登録販売者、つまり、一般用医薬品を取り扱いうる有資格者の管理の下で運用される。流通サーバ4において動作する医薬品流通システム40は、ユーザから、医療用医薬品と、一般用医薬品との両方の注文を同時に受けうる。このようなときには、ユーザは医師の診察を受け、さらに、電子処方箋を受けて医療用医薬品の処方を受ける必要がある。従って、このようなときには、医薬品流通システム40は、ユーザに、医師の端末装置2を用いる病院における診察を予約させ、ユーザが診察を受けてから、医師から出される電子処方箋に従って医療用医薬品を処方する。一方、医薬品流通システム40は、ユーザが注文した通りの一般用医薬品を、ユーザに販売する。
【0027】
図5は、
図4に示した医薬品データベース400において管理される医療用医薬品情報を例示する図である。
図6は、
図4に示した医薬品データベース400において管理される一般用医薬品を例示する図である。医薬品流通システム40において、医薬品データベース400は、流通サーバ4を運営する企業が在庫していたり、短時間で取り寄せられたりし、流通させうるm種類の医療用医薬品およびn種類の一般用医薬品と、これらを処方しうる病院と、診療科と、医師によるこれまでの問診などにより得られ、ユーザの既往症および身体の状態などを示し、医療用医薬品の処方に必要とされるユーザ情報と、これらの医薬品の禁忌事項とを、
図5,
図6に示すように対応付けて記憶し、管理する。
【0028】
図4に示す受注装置402は、端末装置14を介したユーザのログインを受け、ユーザが所望する医療用医薬品、一般用医薬品、または、医療用医薬品および一般用医薬品の両方を受注する。この受注における医薬品の選択は、例えば、受注装置402が、ユーザが発注しそうな医薬品を選択して端末装置14のディスプレイに表示し、ユーザが、ディスプレイに表示された医薬品を選択し、選択した医薬品を、受注装置402により用意された電子商取引の分野において用いられるいわゆる「カート」に入れる操作を行うことにより行われる。受注装置402による医薬品の選択は、例えば、ユーザによる医薬品の検索の結果、ユーザへの医療用医薬品の処方の履歴、一般用医薬品の購入履歴、および、
図5に示したユーザ情報などに基づいて行われる。
【0029】
相談装置404は、例えば、医薬品流通システム40とユーザの端末装置14との間の音声または文字を用いたコミュニケーション、あるいは、オンライン会議アプリケーションによる音声および動画像を用いたコミュニケーションのための処理を行い、ユーザと薬剤師との間の相談を実現する。なお、ユーザと薬剤師との間の相談は、薬剤師からユーザへの問診と、この問診に対するユーザから薬剤師への回答を含みうる。
【0030】
パーソナライズ装置406は、相談装置404により実現された相談の結果などに基づいて、医薬品データベース400に記憶された一般用医薬品から、ユーザが注文した一般的医薬品よりも適切な医療用医薬品を、薬剤師が提示して便宜を図るパーソナライズを実現する。
【0031】
禁忌問診装置408は、ユーザが注文した医薬品の禁忌事項を医薬品データベース400から読み出し、ユーザの端末装置14のディスプレイに表示し、薬剤師による医薬品の禁忌事項の説明と、そのユーザによる同意および確認を補助する。
【0032】
診察予約装置410は、ユーザが注文した医薬品に医療用医薬品が含まれているときに、
図5,
図6に示した医薬品データベース400を参照し、この医療用医薬品を処方するための診察をなしうる診療科の医師の診療科を自動的に選択する。診察予約装置410は、さらに、選択した診療科の医師によるユーザの診察を、端末装置2を運営する病院に予約する。
【0033】
電子処方箋処理装置412は、診察予約装置410により予約された医師による診察の結果として発行された医療用医薬品の処方箋を処理し、この医療用医薬品を注文したユーザへの処方箋に従った医療用医薬品の処方を許可する。あるいは、電子処方箋処理装置412は、診察の結果として発行された処方箋に、ユーザが注文した医療用医薬品が記載されていないときには、この医療用医薬品を注文したユーザへの処方箋に従った医療用医薬品の処方を禁止する。
【0034】
ユーザ管理装置414は、ユーザの流通サーバ4におけるアカウントの情報、住所、クレジットカード番号などの医薬品の代金の支払に必要とされる情報、医療用医薬品の処方履歴および一般用医薬品の購入履歴などを示すデータをユーザデータベース416に記憶させ、管理する。ユーザ管理装置414は、これらの情報を用いて、ユーザの医薬品流通システム40へのログインのための処理、および、医薬品の代金の支払いなどの処理を行う。
【0035】
医薬品変更装置420は、病院システム20から、ユーザが注文した医療用医薬品を変更する電子処方箋を医師が発行したことを通知されたときに、ユーザが注文した医療用医薬品を、電子処方箋に記載された医療用医薬品に変更する。また、医薬品変更装置420は、医師がユーザの注文と異なる代替の医療用医薬品を処方したときに、医師の端末装置2にUI画像を表示し、UI画像に対する医師の操作に応じて、医師がユーザに代わって代替の医療用医薬品の注文を確定する処理を行う。
【0036】
服薬指導装置422は、例えば、医薬品流通システム40とユーザの端末装置14との間の音声または文字を用いたコミュニケーション、あるいは、オンライン会議アプリケーションによる音声および動画像を用いたコミュニケーションを実現し、薬剤師などがユーザに医薬品の服薬を指導する処理を行う。
【0037】
注文仮確定装置424は、ユーザの注文が医療用医薬品のみを含むか、あるいは、医療用医薬品と一般用医薬品とを含むかにかかわらず、ユーザが端末装置14を用いて、病院システム20に注文を確定させる意思を示したときに仮確定を行う。注文の仮確定とは、ユーザの注文を、その後に変更可能だが決済が行われない状態にして、仮に確定させることである。注文仮確定装置424は、さらに、注文が仮確定したことをユーザの端末装置14に表示する。
【0038】
一般用医薬品決済・発送装置426は、ユーザの注文が一般用医薬品のみを含み、ユーザがこの注文を確定させる意思を示したとき、一般用医薬品の代金などの支払いを受けるための決済を行う。一般用医薬品決済・発送装置426は、さらに、決済済みの一般用医薬品を、注文したユーザに発送する処理を行う。
【0039】
医療用医薬品確認装置428は、ユーザの注文が医療用医薬品を含むか否かを確認し、ユーザの注文が医療用医薬品を含むときには、その旨と注文に含まれる医療用医薬品を診察予約装置410に通知する。
【0040】
医療用医薬品決済・発送装置430は、ユーザの注文が、医師により処方された医療用医薬品のみを含み、ユーザがこの注文を確定させる意思を示したとき、医療用医薬品の代金などの支払いを受けるための決済を行う。医療用医薬品確認装置428は、さらに、決済済みの一般用医薬品を、注文したユーザに発送する処理を行う。
【0041】
医療用・一般用医薬品決済・発送装置432は、ユーザの注文が医療用医薬品および一般用医薬品を含み、ユーザがこの注文を確定させる意思を示したとき、医療用医薬品および一般用医薬品の代金などを受けるための決済を行う。医療用・一般用医薬品決済・発送装置432は、さらに、決済済みの医療用医薬品および一般用医薬品を、注文したユーザに発送する処理を行う。
【0042】
[医薬品流通システム40の処理]
以下、医薬品流通システム40の処理を説明する。
図7は、
図4に示した医薬品流通システム40の処理を示すフローチャートである。
図7に示す処理は、流通サーバ4が他のノードから何らかのデータを受信したときに起動し、ユーザからの複数の注文それぞれごとに平行して実行されうる。
【0043】
図7に示すステップS100において、受注装置402は、端末装置14からユーザによる医薬品の注文があったか否かを判断する。医薬品流通システム40は、医薬品の注文があったとき(S100の処理においてY)にはS102の処理に進み、注文がなかったとき(S100の処理においてN)にはS100の処理に進む。
【0044】
ステップS102において、受注装置402は、医薬品を注文したユーザが、端末装置14を用いて、相談装置404に対して注文に関する相談を希望する旨の操作を行ったか否かを判断する。ユーザが相談を希望するとき(S102の処理においてY)には医薬品流通システム40はS104の処理に進み、ユーザが相談を希望しないとき(S102の処理においてN)には医薬品流通システム40はS108の処理に進む。
【0045】
ステップS104において、流通サーバ4を運営する企業に在職する薬剤師などは、相談装置404を用いて医薬品を注文したユーザと相談する。
【0046】
ステップS106において、ユーザと相談した薬剤師などは、パーソナライズ装置406を用いて、このユーザにとって、よりよい一般用医薬品を選択して提示するパーソナライズを行う。
【0047】
ステップS108において、端末装置14を用いて、ユーザが注文仮確定装置424に対して注文を確定する操作したことを示すデータを受けると、注文仮確定装置424は、ユーザの注文を仮確定する。
図8は、注文の仮確定が行われたことを示すUI画像を例示する図である。注文仮確定装置424は、注文を仮確定すると、
図8に示すように、「注文が仮確定されました」との記載を含むUI画像をユーザの端末装置14に表示する。
【0048】
ステップS110において、医療用医薬品確認装置428は、S108の処理において仮確定されたユーザの注文に、医療用医薬品が含まれず、一般用医薬品のみが含まれるか否かを判断する。医薬品流通システム40は、仮確定された注文に一般用医薬品のみが含まれるとき(S110の処理においてY)にはS112の処理に進み、仮確定された注文に医療用医薬品が含まれるとき(S110の処理においてN)にはS130の処理に進む。
【0049】
ステップS112において、一般用医薬品決済・発送装置426は、ユーザが、端末装置14を用いて、一般用医薬品の決済および発送を望む操作をしたことを示すデータを受信したか否かを判断する。医薬品流通システム40は、ユーザが一般用医薬品の決済および発送を望む操作をしたとき(S112の処理においてY)にはS130の処理に進み、ユーザが一般用医薬品の決済および発送を望む操作をしなかったとき(S112の処理においてN)にはS114の処理に進む。
【0050】
ステップS114において、診察予約装置410は、
図3に示した病院システム20の診察予約装置200と通信し、端末装置2を運営する病院に在勤する医師によるユーザへの診察を予約する。
【0051】
ステップS116において、この予約に従って、医師によるオンライン診察装置206を用いたユーザの診察が行われる。病院システム20の電子処方箋発行装置208は、さらに、診察の結果に基づいて、医療用医薬品を処方するための電子処方箋を発行し、医薬品流通システム40に対して送信する。
【0052】
ステップS118において、医薬品変更装置420は、病院システム20から電子処方箋を受信したか否かを判断する。医薬品流通システム40は、電子処方箋を受信したとき(S118の処理においてY)にはS120の処理に進み、処方箋を受信しないとき(S118の処理においてN)にはS118の処理に留まる。
【0053】
ステップS120において、パーソナライズ装置406は、S118の処理において受信された処方箋に記載された医療用医薬品と、ユーザが注文した医療用医薬品とが異なるときに、処方箋に記載された医療用医薬品を端末装置14に表示してユーザに提示し、パーソナライズする。ただし、パーソナライズ装置406は、処方箋に記載された医療用医薬品と、ユーザが注文した医療用医薬品とが同じときにはパーソナライズを行わない。
【0054】
ステップS122において、医薬品変更装置420は、S120の処理においてパーソナライズされた医療用医薬品の処方をユーザが承知する操作を示すデータがユーザの端末装置14から受信されたか否か、つまり、注文された医療用医薬品を、処方箋に記載された医療用医薬品に変更するか否かを判断する。
【0055】
医薬品流通システム40は、医療用医薬品に変更する必要があるとき(S420の処理においてY)にはS124の処理に進み、医療用医薬品に変更する必要がないとき(S420の処理においてN)にはS126の処理に進む。
【0056】
ステップS124において、医薬品変更装置420は、医療用医薬品への注文を、処方箋に記載された医療用医薬品への注文に変更する。
【0057】
ステップS126において、必要に応じて、薬剤師が禁忌問診装置408を用いてユーザに対する禁忌問診を行い、服薬指導装置422を用いて服薬指導を行う。
【0058】
ステップS128において、注文に医療用医薬品のみが含まれ、一般用医薬品が含まれていないときには、医療用医薬品決済・発送装置430は、医療用医薬品の決済とユーザへの発送とを行う。あるいは、注文に一般用医薬品と医療用医薬品とが含まれるときには、医療用・一般用医薬品決済・発送装置432は、医療用医薬品および一般用医薬品の決済とユーザへの発送とを行う。
【0059】
ステップS130において、一般用医薬品決済・発送装置426は、一般用医薬品の決済を行う。
【0060】
ステップS132において、一般用医薬品決済・発送装置426は、決済した一般用医薬品をユーザに発送する。
【0061】
このように、医薬品流通システム40では、一般用医薬品の決済と発送、及び医療用医薬品の決済と発送を行うタイミングをユーザの所望に応じて決定することが可能である。
【0062】
[流通システム1の動作]
以下、流通システム1の動作を説明する。なお、以下に示す流通システム1の動作は、矛盾が生じない範囲において適宜、組み合わされうる。
図9は、流通システム1の動作を示す第1の通信シーケンス図である。なお、
図9は、ユーザが、流通サーバ4に対して一般用医薬品のみを注文するときの通信シーケンスを示す。
図10は、ユーザが、端末装置14から流通サーバ4に一般用医薬品のみを注文するときのUI画像を例示する図である。
【0063】
図9に示すステップS200において、流通サーバ4の医薬品流通システム40にログインしたユーザは、流通サーバ4が流通させうる一般用医薬品を、
図10に示すようにユーザの端末装置14に表示されるUI画像を用いて選択し、流通サーバ4に一般用医薬品を注文する。ユーザは、さらに、UI画像のなかの「注文を確定する」と記載されたボタンに対する操作により、注文を仮確定させる。
【0064】
ステップS202,S204において、点線で示すように、ユーザがUI画像のなかの「パーソナライズ問診で最適な薬を見つける」と記載されたボタンに対する操作を行うと、一般用医薬品のパーソナライズが行われる。つまり、ユーザの上記操作に応じて、流通サーバ4を運営する企業に在職する薬剤師などとユーザとの間で、一般用医薬品に関する相談と、より良い一般用医薬品の選択と、一般用医薬品の注文変更とが行われる。
【0065】
ステップS206において、ユーザが、
図10に示したUI画像のなかの「注文を確定する」と記載されたボタンに対する操作を行うと、流通サーバ4は、注文された一般用医薬品の決済および発送を行う。
【0066】
図11は、流通システム1の動作を示す第2の通信シーケンス図である。なお、
図11は、ユーザが、流通サーバ4に対して医療用医薬品のみを注文し、医師により処方された代替の医療用医薬品の注文を自ら確定するときの通信シーケンスを示す。
図12~
図16は、ユーザが、端末装置14から流通サーバ4に医療用医薬品のみを注文するときのUI画像を例示する第1~第3の図である。
【0067】
図11に示すステップS220において、流通サーバ4にログインしたユーザは、流通サーバ4が流通させうる医療用医薬品のうち、
図12に示すように端末装置14に表示されるUI画像を用いて、例えば、皮膚科医などの処方箋に従って処方されるAGA治療薬を選択する。さらに、ユーザが「注文を確定する」と記載されたボタンへの操作を行うと、流通サーバ4への医療用医薬品の注文が仮確定する。
【0068】
注文が仮確定されると、
図13に示すように、AGA治療薬αの画像と、この医療用医薬品に関する「ご購入に関するご注意以下の医薬品のご購入には皮膚科の医師による診察が必要です」との表示と、「オンライン診察を皮膚科医に予約する」と記載されたボタンの表示とが行われる。流通サーバ4は、いずれの医療用医薬品がいずれの病院のいずれの診療科の医師により処方されうるかを、
図4,
図5に示した医薬品データベース400を参照することにより判断する。
【0069】
図11に示すステップS222において、ユーザが、「オンライン診察を皮膚科医に予約する」と記載されたボタンに対する操作を行うと、流通サーバ4は、医師の端末装置2に対して、医療用医薬品を注文したユーザのいずれかの病院の皮膚科医による診察を予約する。
【0070】
図15は、医師の端末装置2およびユーザの端末装置14を介してユーザにオンライン診察を行う医師に表示される画像を例示する図である。ステップS224において、端末装置14と流通サーバ4とを介して、皮膚科医によるユーザの診察が、電話、または、
図15に示すようにオンライン会議アプリケーションにより、動画像および音声などを用いて行われる。オンライン診察においては、
図5に示した医療用医薬品情報が医師により適宜、参照され、診察に役立てられる。
【0071】
ステップS226において、医師による医療用医薬品のパーソナライズが行われる。
【0072】
図16は、医師による医療用医薬品のパーソナライズの結果を例示する図である。ステップS228において、S226の処理におけるパーソナライズの結果、医師は、AGA治療薬αよりもユーザにとってAGA治療薬βの方が適切であると判断する。医師が、さらに、この判断を示す操作を端末装置2に対して行うと、端末装置2から流通サーバ4に、AGA治療薬βの電子処方箋が送信される。この結果として、
図16に示すように、ユーザの端末装置14に、ユーザが選択したAGA治療薬αの代わりに、医師によりパーソナライズされたAGA治療薬βが処方される旨が表示される。
【0073】
流通サーバ4は、
図14に示すように、AGA治療薬βの画像およびその情報と、「診察の結果として下の薬が処方されました」との表示と、「注文を確定する」と記載されたボタンを含むUI画像をユーザの端末装置14に送信して表示させる。
【0074】
ステップS230において、流通サーバ4は、ユーザが、
図14に示したUI画像のなかの「注文を確定する」と記載されたボタンに対して操作を行うと、S228の処理において発行された処方箋に従ったAGA治療薬βの注文が確定され、その決済および発送が行われる。
【0075】
図17は、流通システム1の動作を示す第3の通信シーケンス図である。なお、
図17は、ユーザが、流通サーバ4に対して医療用医薬品のみを注文し、医師により処方された代替の医療用医薬品の注文を、医師がユーザの代わりに確定するときの通信シーケンスを示す。
図18は、医師の端末装置2に表示され、医師がユーザの代わりに代替の医療用医薬品の注文の確定に用いるUI画像を例示する図である。
【0076】
図17に示すように、流通システム1において、
図11に示したS220~S228の処理が行われる。ステップS232の処理において、流通サーバ4は、医師の端末装置2のディスプレイに、
図18に示すように、医師が処方したAGA治療薬βの画像と、「処方した薬の注文を患者の代わりに確定しますか」との記載と、「患者の代わりに確定する」と記載されたボタンとを含むUI画像を表示する。なお、医師が医療用医薬品を処方するユーザは何らかの治療を医師に望む患者であると推定できるので、
図18に示したUIにおいては、「ユーザ」の代わりに「患者」という用語が使われている。
【0077】
ステップS234において、医師が、
図18に示した「患者の代わりに確定する」と記載されたボタンに対する操作を行うと、医師の端末装置2は、この操作が行われたことを示すデータを流通サーバ4に対して送信し、医師がAGA治療薬αの代替として処方したAGA治療薬βの注文が確定される。
【0078】
図19は、流通システム1の動作を示す第4の通信シーケンス図である。なお、
図19は、ユーザが、流通サーバ4に対して医療用医薬品のみを注文し、医師により処方された代替の医療用医薬品の注文を仮確定し、医師がさらに注文を確定するときの通信シーケンスを示す。ただし、
図19に示した通信シーケンスは、適切な変更により、注文が医療用医薬品と一般用医薬品とを含む場合にも対応可能である。
【0079】
図19に示すように、
図17に示したS220~S228の処理が行われる。ステップS236において、流通サーバ4は、医師により代替の医療用医薬品が処方されたことを示すUI画像を、
図14に示したようにユーザの端末装置14に表示する。
【0080】
ステップS238において、ユーザが、「注文を確定する」と記載されたボタンに対する操作を行うと、流通サーバ4は、代替の医療用医薬品の注文を仮確定し、
図8に示したUI画像をユーザの端末装置14に表示する。
【0081】
その後、
図17に示したS232,S234の処理が行われ、代替の医療用医薬品の注文が確定され、決済および医療用医薬品がユーザに発送される。
【0082】
図20は、流通システム1の動作を示す第5の通信シーケンス図である。なお、
図20は、ユーザが、流通サーバ4に対して医療用医薬品および一般用医薬品を注文し、これらを一回の発送でユーザに配送するときの通信シーケンスを示す。
図21,
図22は、ユーザが、端末装置14から流通サーバ4に対して医療用医薬品および一般用医薬品を注文するときのUI画像を例示する第1および第2の図である。
【0083】
図20に示すステップS240において、流通サーバ4にログインしたユーザは、流通サーバ4が流通させうる医療用医薬品および一般用医薬品を、
図21に示すように端末装置14に表示されるUI画像を用いて選択し、医薬品流通システム40に医療用医薬品および一般用医薬品を注文する。
【0084】
ユーザがUI画像のなかの「注文を確定する」と記載されたボタンに対する操作を行うと、流通サーバ4は、医療用医薬品および一般用医薬品の注文を仮確定する。ユーザの注文には皮膚科医が処方しうるAGA治療薬と、内科医が処方しうる鎮痛解熱剤とが医療用医薬品として含まれるので、
図22に示すように、仮確定後のUI画像のなかには、「ご購入に関するご注意以下の医薬品のご購入には皮膚科と内科の医師による診察が必要です」の表示がなされ、また、「オンライン診察を予約する」とのボタンが表示される。
【0085】
図20に示すステップS242において、ユーザの端末装置14と流通サーバ4とを介して、
図9に示したS202,S204の処理について説明したように、点線で示すように、一般用医薬品の相談およびパーソナライズが行われる。
【0086】
ステップS244において、流通サーバ4は、ユーザの端末装置14に表示された「オンライン診察を予約する」に対するユーザの操作に応じて、医師の端末装置2に、医療用医薬品を注文したユーザの皮膚科医および内科医による診察を予約する。
【0087】
ステップS246において、
図11に示したS224の処理においてと同様に、ユーザの端末装置14と流通サーバ4とを介して、皮膚科医および内科医による電話または医師の端末装置2で動作するオンライン会議アプリケーションを用いた診察が行われる。
【0088】
ステップS248において、
図11に示したS226の処理においてと同様に、ユーザの端末装置14と流通サーバ4とを介して、医療用医薬品のパーソナライズが行われる。
【0089】
ステップS250において、医師の端末装置2は、皮膚科医および内科医が診察の結果に基づいてユーザに処方する医療用医薬品の電子処方箋を発行し、流通サーバ4に送信する。
【0090】
ステップS252において、流通サーバ4は、
図22に示したUI画像のなかの「注文を確定する」と記載されたボタンに対する操作に応じて、処方された医療用医薬品および注文された一般用医薬品の注文を確定し、これらの決済および発送を行う。
【0091】
図23は、流通システム1の動作を示す第6の通信シーケンス図である。なお、
図23は、ユーザが、流通サーバ4に対して医療用医薬品および一般用医薬品を注文し、まず一般用医薬品がユーザに配送され、医師による診察の後で、医療用医薬品がユーザに配送されるときの通信シーケンスを示す。
【0092】
図23に示すように、
図20などを参照して説明したステップS240,S242の処理が行われる。
【0093】
ステップS260において、ユーザは、端末装置14を操作して、医師による診察が不要な一般用医薬品の配送を流通サーバ4に要求する。
【0094】
ステップS262において、流通サーバ4は、一般用医薬品の決済を行い、決済した一般用医薬品をユーザに発送する。
【0095】
図20などを参照して説明したステップS244~S250の処理が行われると、ステップS264の処理において、医療用医薬品の決済および発送が行われ、ユーザに配送される。
【0096】
図24は、ユーザが、流通サーバ4に対して医療用医薬品および一般用医薬品を注文し、まず一般用医薬品がユーザに配送され、医師による診察の後で、医療用医薬品がユーザに配送されるときに用いられるUI画像を例示する図である。なお、
図23に示した処理を行うためには、
図24に示すUI画像をS260の処理においてユーザの端末装置14に表示し、ユーザが、「一般用医薬品発送(発送が医療用医薬品と2回に分かれます)」と記載されたボタンに対する操作を行ったことを契機として、ユーザへの一般用医薬品の発送が行われるようにすればよい。
【0097】
本開示にかかる処理および手順は、実施形態において明示的に説明された装置によってだけでなく、ソフトウェア、ハードウェアまたはこれらの組み合わせにより実現されうる。具体的には、本明細書で説明された処理および手順は、集積回路、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、磁気ディスク、光ストレージなどの媒体に、当該処理に相当するロジックを実装することにより実現されうる。また、本明細書で説明される処理および手順は、それらの処理および手順を、指示命令として含むコンピュータプログラムとして実装されえ、端末装置およびサーバ装置を含む各種のコンピュータにより実行されうる。
【0098】
本明細書中において、単一の装置、ソフトウェア、コンポーネント、および/または、モジュールによって実行されると説明された処理および手順は、複数の装置、複数のソフトウェア、複数のコンポーネント、および/または、複数のモジュールによって実行されうる。また、本明細書において、単一のメモリおよび記録装置に格納される旨が説明された各種情報は、単一の装置に含まれる複数のメモリまたは複数の装置に分散して配置された複数のメモリに分散して格納されうる。さらに、本明細書において説明された複数のソフトウェアおよびハードウェアは、それらをより少ない構成要素に統合することにより、または、より多い構成要素に分解することにより実現されうる。
【0099】
本発明の実施の形態が説明されたが、この実施の形態は、例として提示されたものであり、発明の範囲を限定することを意図されていない。この新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることができ、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更され得る。この実施の形態やその変形は、本発明の範囲および要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0100】
1 流通システム、100 通信ネットワーク、14 端末装置、2 端末装置、20 病院システム、200 診察予約装置、202 医薬品提示装置、204 医薬品変更装置、206 オンライン診察装置、208 電子処方箋発行装置、210 電子カルテ管理装置、40 医薬品流通システム、400 医薬品データベース、402 受注装置、404 相談装置、406 パーソナライズ装置、408 禁忌問診装置、410 診察予約装置、412 電子処方箋処理装置、414 ユーザ管理装置、416 ユーザデータベース、420 医薬品変更装置、422 服薬指導装置、424 注文仮確定装置、426 一般用医薬品決済・発送装置、428 医療用医薬品確認装置、430 医療用医薬品決済・発送装置、432 医療用・一般用医薬品決済・発送装置、