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特許7339663密封包装容器のガス濃度測定方法およびそれに用いるガス濃度測定装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-29
(45)【発行日】2023-09-06
(54)【発明の名称】密封包装容器のガス濃度測定方法およびそれに用いるガス濃度測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/61 20060101AFI20230830BHJP
   G01N 21/39 20060101ALI20230830BHJP
【FI】
G01N21/61
G01N21/39
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019226117
(22)【出願日】2019-12-16
(65)【公開番号】P2021096098
(43)【公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-09-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000108281
【氏名又は名称】ゼネラルパッカー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090239
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 始
(74)【代理人】
【識別番号】100100859
【弁理士】
【氏名又は名称】有賀 昌也
(72)【発明者】
【氏名】大島 雅志
(72)【発明者】
【氏名】長田 直樹
【審査官】嶋田 行志
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-038846(JP,A)
【文献】特表2016-520838(JP,A)
【文献】特開平10-121824(JP,A)
【文献】特開平09-021731(JP,A)
【文献】特表2010-521676(JP,A)
【文献】特開2009-014589(JP,A)
【文献】特開平10-148613(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00-G01N 21/958
G01N 35/00-G01N 37/00
B65B 19/00-B65B 33/06
B65D 67/00-B65D 85/88
A61J 1/00-A61J 19/06
JSTPlus/JST7580/JSTChina(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被包装物を充填しガス置換して包装された密封包装容器内の特定ガスの濃度をガス濃度測定装置により測定するガス濃度測定方法であって、
前記密封包装容器は、内部に被包装物充填空間を備えた本体部と、該本体部内のヘッドスペースと連通する連通部を有すると共にレーザー光透過用空間を備えた被測定部とを有し、
前記本体部は長方体形状に構成され、前記被測定部の前記レーザー光透過用空間は、前記本体部の一側面が延在する方向に沿って細長形状に形成されていると共に、前記本体部の外側に隣接して別に設けられ、
前記ガス濃度測定装置は、特定波長のレーザー光を射出するレーザー発生部と、前記レーザー光を受光するレーザー受光部と、特定波長の前記レーザー光を前記密封包装容器の前記被測定部に透過させて前記密封包装容器の内部に残留する特定ガスのガス濃度を測定するレーザー式ガス濃度計とを有し、
前記レーザー発生部から射出され前記被測定部の前記レーザー光透過用空間を透過する前記レーザー光を、前記レーザー光透過用空間の長手方向に対して斜め方向に透過させた後に前記レーザー受光部に入射させることを特徴とする密封包装容器のガス濃度測定方法。
【請求項2】
被包装物を充填しガス置換して包装された密封包装容器内の特定ガスの濃度をガス濃度測定装置により測定するガス濃度測定方法であって、
前記密封包装容器は、内部に被包装物充填空間を備えた本体部と、該本体部内のヘッドスペースと連通する連通部を有すると共にレーザー光透過用空間を備えた被測定部とを有し、
前記本体部は長方体形状に構成され、前記被測定部の前記レーザー光透過用空間は、前記本体部の一側面が延在する方向に沿って細長形状に形成されていると共に、前記本体部内に区画板部により区画して設けられ、
前記ガス濃度測定装置は、特定波長のレーザー光を射出するレーザー発生部と、前記レーザー光を受光するレーザー受光部と、特定波長の前記レーザー光を前記密封包装容器の前記被測定部に透過させて前記密封包装容器の内部に残留する特定ガスのガス濃度を測定するレーザー式ガス濃度計とを有し、
前記レーザー発生部から射出され前記被測定部の前記レーザー光透過用空間を透過する前記レーザー光を、前記レーザー光透過用空間の長手方向に対して斜め方向に透過させた後に前記レーザー受光部に入射させることを特徴とする密封包装容器のガス濃度測定方法。
【請求項3】
被包装物を充填しガス置換して包装された密封包装容器内の特定ガスの濃度を測定するガス濃度測定装置であって、
前記密封包装容器は、内部に被包装物充填空間を備えた本体部と、該本体部内のヘッドスペースと連通する連通部を有すると共にレーザー光透過用空間を備えた被測定部とを有し、
前記本体部は長方体形状に構成され、前記被測定部の前記レーザー光透過用空間は、前記本体部の一側面が延在する方向に沿って細長形状に形成されていると共に、前記本体部の外側に隣接して別に設けられ、
前記ガス濃度測定装置は、特定波長のレーザー光を射出するレーザー発生部と、前記レーザー光を受光するレーザー受光部と、特定波長の前記レーザー光を前記密封包装容器の前記被測定部に透過させて前記密封包装容器の内部に残留する特定ガスのガス濃度を測定するレーザー式ガス濃度計とを有し、
前記レーザー発生部から射出され前記被測定部の前記レーザー光透過用空間を透過する前記レーザー光を、前記レーザー光透過用空間の長手方向に対して斜め方向に透過させた後に前記レーザー受光部に入射させることを特徴とするガス濃度測定装置。
【請求項4】
被包装物を充填しガス置換して包装された密封包装容器内の特定ガスの濃度を測定するガス濃度測定装置であって、
前記密封包装容器は、内部に被包装物充填空間を備えた本体部と、該本体部内のヘッドスペースと連通する連通部を有すると共にレーザー光透過用空間を備えた被測定部とを有し、
前記本体部は長方体形状に構成され、前記被測定部の前記レーザー光透過用空間は、前記本体部の一側面が延在する方向に沿って細長形状に形成されていると共に、前記本体部内に区画板部により区画して設けられ、
前記ガス濃度測定装置は、特定波長のレーザー光を射出するレーザー発生部と、前記レーザー光を受光するレーザー受光部と、特定波長の前記レーザー光を前記密封包装容器の前記被測定部に透過させて前記密封包装容器の内部に残留する特定ガスのガス濃度を測定するレーザー式ガス濃度計とを有し、
前記レーザー発生部から射出され前記被測定部の前記レーザー光透過用空間を透過する前記レーザー光を、前記レーザー光透過用空間の長手方向に対して斜め方向に透過させた後に前記レーザー受光部に入射させることを特徴とするガス濃度測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、密封包装容器内の特定ガスの濃度を高精度に測定可能な密封包装容器のガス濃度測定方法およびそれに用いるガス濃度測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ガス置換されて密封されたレトルト成形容器(例えばレトルト米飯パック)などの密封包装容器が多用されている。
この種の密封包装容器の包装工程では、ヘッドスペース内に残存する、被包装物の保存期間または賞味期間を縮めるおそれがある酸化原因ガス(例えば酸素)を除去した後、窒素、二酸化炭素等の不活性ガスでガス置換して密封するガス置換包装が行われている(特許文献1)。これによって、密封包装容器内の酸化原因ガスは除去され、被包装物、特に食品は長期の保存期間、賞味期間を確保することができる。
【0003】
そして、ガス置換包装後の検査工程において、酸化原因ガス、特に酸素の濃度が既定値以下であるかどうかの検査が行われているが、現在主流であるガス濃度の測定方法は、サンプルとして任意に選択した密封包装容器に注射針を刺し、密封包装容器内から吸引した少量のガスの組成を検査する抜き取り検査である。この抜き取り検査では、注射痕が形成された密封包装容器は廃棄しなければならない。また、検査精度を上げるためにサンプル数を増やすと検査時間が長くなり、増加する廃棄量によって経済的、時間的損失が増大する不都合があった。さらに、密封包装容器内において被包装物が存在しないヘッドスペースが狭小な場合、被包装物が測定を阻害するためガス濃度の測定が極めて困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第3742042号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の課題は、密封包装容器を損傷することなく、被包装物が存在しないヘッドスペースが狭小な場合でも、内部の特定ガスの濃度を高精度に測定可能な密封包装容器のガス濃度測定方法およびそれに用いるガス濃度測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するものは、被包装物を充填しガス置換して包装された密封包装容器内の特定ガスの濃度をガス濃度測定装置により測定するガス濃度測定方法であって、前記密封包装容器は、内部に被包装物充填空間を備えた本体部と、該本体部内のヘッドスペースと連通する連通部を有すると共にレーザー光透過用空間を備えた被測定部とを有し、前記本体部は長方体形状に構成され、前記被測定部の前記レーザー光透過用空間は、前記本体部の一側面が延在する方向に沿って細長形状に形成されていると共に、前記本体部の外側に隣接して別に設けられ、前記ガス濃度測定装置は、特定波長のレーザー光を射出するレーザー発生部と、前記レーザー光を受光するレーザー受光部と、特定波長の前記レーザー光を前記密封包装容器の前記被測定部に透過させて前記密封包装容器の内部に残留する特定ガスのガス濃度を測定するレーザー式ガス濃度計とを有し、前記レーザー発生部から射出され前記被測定部の前記レーザー光透過用空間を透過する前記レーザー光を、前記レーザー光透過用空間の長手方向に対して斜め方向に透過させた後に前記レーザー受光部に入射させることを特徴とする密封包装容器のガス濃度測定方法である(請求項1)。また、上記課題を解決するものは、被包装物を充填しガス置換して包装された密封包装容器内の特定ガスの濃度をガス濃度測定装置により測定するガス濃度測定方法であって、前記密封包装容器は、内部に被包装物充填空間を備えた本体部と、該本体部内のヘッドスペースと連通する連通部を有すると共にレーザー光透過用空間を備えた被測定部とを有し、前記本体部は長方体形状に構成され、前記被測定部の前記レーザー光透過用空間は、前記本体部の一側面が延在する方向に沿って細長形状に形成されていると共に、前記本体部内に区画板部により区画して設けられ、前記ガス濃度測定装置は、特定波長のレーザー光を射出するレーザー発生部と、前記レーザー光を受光するレーザー受光部と、特定波長の前記レーザー光を前記密封包装容器の前記被測定部に透過させて前記密封包装容器の内部に残留する特定ガスのガス濃度を測定するレーザー式ガス濃度計とを有し、前記レーザー発生部から射出され前記被測定部の前記レーザー光透過用空間を透過する前記レーザー光を、前記レーザー光透過用空間の長手方向に対して斜め方向に透過させた後に前記レーザー受光部に入射させることを特徴とする密封包装容器のガス濃度測定方法である(請求項2)。
【0007】
さらに、上記課題を解決するものは、被包装物を充填しガス置換して包装された密封包装容器内の特定ガスの濃度を測定するガス濃度測定装置であって、
前記密封包装容器は、内部に被包装物充填空間を備えた本体部と、該本体部内のヘッドスペースと連通する連通部を有すると共にレーザー光透過用空間を備えた被測定部とを有し、前記本体部は長方体形状に構成され、前記被測定部の前記レーザー光透過用空間は、前記本体部の一側面が延在する方向に沿って細長形状に形成されていると共に、前記本体部の外側に隣接して別に設けられ、
前記ガス濃度測定装置は、特定波長のレーザー光を射出するレーザー発生部と、前記レーザー光を受光するレーザー受光部と、特定波長の前記レーザー光を前記密封包装容器の前記被測定部に透過させて前記密封包装容器の内部に残留する特定ガスのガス濃度を測定するレーザー式ガス濃度計とを有し、前記レーザー発生部から射出され前記被測定部の前記レーザー光透過用空間を透過する前記レーザー光を、前記レーザー光透過用空間の長手方向に対して斜め方向に透過させた後に前記レーザー受光部に入射させることを特徴とするガス濃度測定装置である(請求項3)。さらに、上記課題を解決するものは、被包装物を充填しガス置換して包装された密封包装容器内の特定ガスの濃度を測定するガス濃度測定装置であって、前記密封包装容器は、内部に被包装物充填空間を備えた本体部と、該本体部内のヘッドスペースと連通する連通部を有すると共にレーザー光透過用空間を備えた被測定部とを有し、前記本体部は長方体形状に構成され、前記被測定部の前記レーザー光透過用空間は、前記本体部の一側面が延在する方向に沿って細長形状に形成されていると共に、前記本体部内に区画板部により区画して設けられ、前記ガス濃度測定装置は、特定波長のレーザー光を射出するレーザー発生部と、前記レーザー光を受光するレーザー受光部と、特定波長の前記レーザー光を前記密封包装容器の前記被測定部に透過させて前記密封包装容器の内部に残留する特定ガスのガス濃度を測定するレーザー式ガス濃度計とを有し、前記レーザー発生部から射出され前記被測定部の前記レーザー光透過用空間を透過する前記レーザー光を、前記レーザー光透過用空間の長手方向に対して斜め方向に透過させた後に前記レーザー受光部に入射させることを特徴とするガス濃度測定装置である(請求項4)。
【発明の効果】
【0008】
請求項1または2に記載のガス濃度測定方法によれば、密封包装容器を損傷することなく、被包装物が存在しないヘッドスペースが狭小な場合でも、内部の特定ガスの濃度を高精度に測定することができる。また、レーザー光の光路長をより長くすることができ、密封包装容器内部の特定ガスの濃度をより高精度に測定することができる。
請求項3または4に記載のガス濃度測定装置によれば、密封包装容器を損傷することなく、被包装物が存在しないヘッドスペースが狭小な場合でも、内部の特定ガスの濃度を高精度に測定することができる。また、レーザー光の光路長をより長くすることができ、密封包装容器内部の特定ガスの濃度をより高精度に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明のガス濃度測定方法に使用される密封包装容器の一実施例の作用を説明するための説明図である。
図2図1に示した密封包装容器の正面図である。
図3図1に示した密封包装容器の右側図である。
図4図1に示した密封包装容器の平面図である。
図5図1に示した密封包装容器の使用状態を示す正面図である。
図6】本発明のガス濃度測定方法に用いるガス濃度測定装置の一実施例の正面図である。
図7図6に示したガス濃度測定装置の平面図である。
図8図6に示したガス濃度測定装置の右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明では、レーザー発生部11から射出され被測定部7のレーザー光透過用空間6を透過する前記レーザー光を、被測定部7のレーザー光透過用空間6に対して斜め方向に透過させた後にレーザー受光部12に入射させることで、密封包装容器を損傷することなく、被包装物が存在しないヘッドスペースが狭小な場合でも、内部の特定ガスの濃度を高精度に測定可能な密封包装容器のガス濃度測定方法およびガス濃度測定装置を実現した。
【実施例1】
【0011】
本発明の密封包装容器のガス濃度測定方法の一実施例を図1ないし図8に示した一実施例を用いて説明する。
この実施例の密封包装容器のガス濃度測定方法は、被包装物Sを充填しガス置換して包装された密封包装容器1内の特定ガスの濃度をガス濃度測定装置10により測定するガス濃度測定方法であって、密封包装容器1は、内部に被包装物充填空間2を備えた本体部3と、本体部3内のヘッドスペース4と連通する連通部5を有すると共にレーザー光透過用空間6を備えた被測定部7とを有し、ガス濃度測定装置10は、特定波長のレーザー光を射出するレーザー発生部11と、レーザー光を受光するレーザー受光部12と、特定波長の前記レーザー光を密封包装容器1の被測定部7に透過させて密封包装容器1の内部に残留する特定ガスのガス濃度を測定するレーザー式ガス濃度計13とを有し、レーザー発生部11から射出され被測定部7のレーザー光透過用空間6を透過する前記レーザー光を、被測定部7のレーザー光透過用空間6に対して斜め方向に透過させた後にレーザー受光部12に入射させることを特徴とする密封包装容器内のガス濃度測定方法である。以下、詳述する。
【0012】
この実施例の密封包装容器1は、レトルト米飯の容器であり、内部の特定ガスは酸素である。ただし、密封包装容器はこれに限定されるものではなく、図1に示すように、被包装物(この実施例では米飯)Sが密封包装容器1内に十分に充填されヘッドスペース4が狭小となってガス濃度を精度よく測定できない密封包装容器を広く包含するものであり、また、酸素以外の特定ガスを含有した密封包装容器を包含するものである。
【0013】
本体部3内部には、被包装物(この実施例では米飯)Sを充填するための被包装物充填空間2が設けられており、この実施例では、本体部3および被包装物充填空間2は略長方体を形成されているが、形態は長方体に限定されるものではなく、どのような形態のものでもよい。
【0014】
被測定部7は、内部にレーザー光透過用空間6を有し、レーザー光を透過させて特定ガスの濃度を測定するための部位であり、本体部3内のヘッドスペース4と連通する連通部5を介して本体部3に隣接して設けられている。ただし、この実施例の被測定部7は、本体部3に隣接して別に設けられているが、これに限定されるものではなく、レーザー光を透過させて特定ガスの濃度を測定できるものであればどのような形態でもよく、例えば、本体部内に区画板部などで被包装物充填空間とレーザー光透過用空間とが区画して設けられたものなども本発明の範疇に包含される。なお、被測定部7は、連通部5を介して、ヘッドスペース4内の気体のみが移行する構造であることが好ましいが、レーザー光による特定ガスの濃度測定を阻害しない範囲内で、水分や被包装物Sの微量分が少量移行するものでもよい。
【0015】
この実施例の密封包装容器1は、被測定部7にレーザー光を透過させて特定ガスの濃度を測定するために、透明性材料(例えばポリプロピレン等)にて一体成形されている。ただし、本発明の密封包装容器は、これに限定されるものではなく、被測定部を構成する部位のみが透明性材料にて形成されていてもよく、さらに、特定ガスの濃度を測定可能とする特定波長のレーザー光を透過可能な材料にて、本体部または/および被測定部が形成されていてもよい。なお、本願において「透明性材料」には、色彩の有無を問わず、透明または半透明の材料を広く包含する。また、本願において、特定波長のレーザー光を透過可能な材料には、透明または半透明、材質、柄、文字または図形等付加、着色の有無を問わず、特定波長のレーザー光を透過可能な材料を広く包含する。
【0016】
また、被測定部7のレーザー光透過用空間6は、この実施例のように細長形状に形成されていることが好ましい。これにより、レーザー光の光路長をより長く確保することができ、特定ガス濃度の測定精度を向上させることができる。そして、この実施例の密封包装容器1は、上面にフィルムFが貼着されて、被包装物充填空間2、連通部5およびレーザー光透過用空間6の密封状態が保持されている。
【0017】
この実施例のガス濃度測定方法は、密封包装容器1内に残留している特定ガスのガス濃度を測定する方法であり、出荷前に密封包装容器1を検査する検査場で行われたり、包装に係る各種工程を有するロータリー式或いはピロー式等の包装機の検査工程で行われる。
【0018】
この実施例のガス濃度測定方法では、残留している特定ガス酸素ガス(O)である。大気雰囲気下で行われる包装機の包装工程では、被包装物を充填したとき、密封包装容器1内部に大気も充填される。
【0019】
大気に含まれている酸素ガスをはじめとした酸化原因ガスは、被包装物、特に食品類を酸化させて劣化させる原因となる。そのため、包装機には、被包装物を密封包装容器に充填する包装工程の後に、当該密封包装容器から大気を抜気して、不活性ガス、たとえば、窒素ガス(N)、二酸化炭素ガス(CO)へ置き換えるガス置換(ガスパージ)工程が設けられている。
【0020】
その後、ガス置換された密封包装容器1内の酸素ガスのガス濃度を測定して、ガス濃度が基準値以下に収まっているかどうか検査する方法が、本実施例に係るガス濃度測定方法である。酸素ガスのガス濃度を測定したとき、ガス濃度が基準値以下に収まっている場合は、正常にガス置換が行われ、密封包装容器1内は不活性ガスが充満しているので、被包装物の酸化を防止することができ、保存期間や賞味期間を延ばすことができる。これに対して、ガス濃度が基準値を超えている場合は不良品と判断されて、例えば包装機の包装工程(不良品排出工程)にて排出される。
【0021】
この実施例のガス濃度測定法に用いられるガス濃度測定装置10は、図6に示すように、レーザー光を射出するレーザー発生部11と、レーザー光を受光するレーザー受光部12とを備えたレーザー式ガス濃度計13を有している。
【0022】
レーザー式ガス濃度計13は、波長可変半導体レーザー吸収分光法によって特定ガスを分析可能に形成されている。
【0023】
ここで、波長可変半導体レーザー吸収分光法(Tunable Diode Laser Absorption Spectroscopy:TDLAS)とは、半導体レーザー素子から出力されたレーザー光に係る所定の入射光強度と、測定対象となる特定ガスを含んだ気体を封じたセルを透過して当該特定ガスに吸収された透過後のレーザー光に係る透過光強度とから透過率を求めて、透過率に基づくレーザー光の吸光度からガス濃度を測定する方法である。
【0024】
特定ガスを含め、気体はそれぞれ固有の吸収波長帯を有し、当該吸収波長帯にはより強く光を吸収する波長に係る吸収線が複数本含まれていることが知られている。TDLASは、出力するレーザー光の近赤外領域の波長を、測定対象となる特定ガスの複数本の吸収線のうち、一本の吸収線に係る特定波長に合致するように変調し増幅するように構成されている。そして、セルの透過前後で変化する特定波長の吸収スペクトルに基づいてレーザー光の吸光度を求めてガス濃度を測定している。なお、本実施例において測定対象ガスは酸素ガスであって、当該測定対象ガスを封じるセルは密封包装容器1である。
【0025】
レーザー発生部11は、レーザー光源と、レーザー光源から射出するレーザー光の波長を特定の波長に設定し所定の光強度に調整する制御部とを有している。
レーザー光源は、波長が可変可能なダイオードからなる半導体レーザー素子を備え近赤外領域のレーザー光を出力可能に形成されている。制御部は、半導体レーザー素子から出力されるレーザー光の波長を測定対象の特定ガス固有の特定波長に調整して、レーザー光が所定の入射光強度で射出されるように増幅する制御を行うように形成されている。
【0026】
ここで、本実施例に係るレーザー式ガス濃度計13が測定する特定ガスは、酸素ガスであることから、当該酸素ガス固有の吸収波長帯は760nm帯であり、当該吸収波長帯に含まれる複数の吸収線のうち、一の吸収線に係る特定波長がレーザー光の出力波長として選択される。
【0027】
レーザー発生部11は、第1ハウジング15に内蔵されており、第1ハウジング15はレーザー射出用窓部16を有している。レーザー射出用窓部16には、近赤外領域の光を通しやすいサファイヤガラスが嵌め込まれている。そして、レーザー発生部11は、レーザー射出用窓部16を通じて第1ハウジング15からレーザー光を射出するように形成されている。
【0028】
第1ハウジング15内は特定ガス、この実施例では酸素ガスを除去するために、真空化またはガス置換(ガスパージ)をすることができるように形成されている。そのため、第1ハウジング15内を真空で維持したり、あるいは窒素ガス、または二酸化炭素等の不活性ガス類で満たすことができるように構成されている。 これによって、レーザー光源からレーザー射出用窓部16を通じて射出するまでの間に、第1ハウジング15内でレーザー光が特定ガスに吸収されることを防止することができ、ガス濃度測定の精度を向上させることができる。
【0029】
レーザー受光部12は、密封包装容器1の被測定部7を透過したレーザー光を受光する受光センサと、受光センサからの受光信号に基づいてガス濃度を測定する測定部を有している。
【0030】
受光センサは、密封包装容器1の被測定部7を透過したレーザー光の透過光強度を電気的な透過光信号に変換する素子、例えばフォトダイオードにて構成されている。これによって、密封包装容器1の被測定部7を透過したレーザー光の透過光強度を電気的に処理することができる。
【0031】
測定部は、透過光強度に係る透過光信号と、レーザー発生部11から出力されたレーザー光の入射光強度に係る入射光信号に基づいて透過率を計算し、当該透過率に基づいてレーザー光の特定ガスによる吸光度を求め、当該吸光度に基づいて密封包装容器1の被測定部7内の特定ガスの濃度を測定するように構成されている。
【0032】
レーザー受光部12は、第2ハウジング17に内蔵されている。第2ハウジング17はレーザー受光用窓部18を有している。レーザー受光用窓部18には、レーザー射出用窓部16と同様、近赤外領域の光を通しやすいサファイヤガラスが嵌め込まれている。これによって、レーザー受光部12は、レーザー受光用窓部18を通じて密封包装容器1の被測定部7を透過したレーザー光を受光するように形成されている。
【0033】
第2ハウジング17内もまた、第1ハウジング15と同様、真空化またはガス置換可能に形成されている。そのため、レーザー受光用窓部18を通じて入射されたレーザー光を受光センサが受光するまでの間に、第2ハウジング17内でレーザー光が特定ガスに吸収されることを防止することができガス濃度測定の精度を向上させることができる。
【0034】
このように、レーザー式ガス濃度計13は、レーザー発生部11からレーザー射出用窓部16を通じてレーザー光を射出し、当該レーザー光を測定対象の密封包装容器1の被測定部7内に透過させて、レーザー受光用窓部18を通じてレーザー受光部12で密封包装容器1の被測定部7を透過したレーザー光を受光するように構成されている。
【0035】
そして、レーザー式ガス濃度計13を有するガス濃度測定装置10は、レーザー発生部11から射出され被測定部7のレーザー光透過用空間6を透過するレーザー光を、被測定部7のレーザー光透過用空間6に対して斜め方向に透過させた後にレーザー受光部12に入射させるように構成されている。
【0036】
つぎに、本発明のガス濃度測定方法およびガス濃度測定装置の具体的な作用を図面に示した一実施例を用いて説明する。
【0037】
本発明のガス濃度測定方法およびガス濃度測定装置10では、図6または図7に示すように、コンベアWのベルトY上に載置された密封包装容器1が順次間欠搬送される。密封包装容器1は、図7中搬送方向(矢印H方向)に、密封包装容器1の被測定部7の長手方向が沿って搬送されるようにベルトY上に載置される。
【0038】
そして、ガス濃度測定装置10が設置された部位付近に密封包装容器1の被測定部7が至ると、図6または図8に示すように、ガス濃度測定装置10の第1ハウジング15および第2ハウジング17がそれぞれ第1往復動機構(第1シリンダー21を含む。)19または第2往復動機構(第2シリンダー22を含む。)20により上下から移動して、被測定部7の上下面を挟持する。この時、レーザー射出用窓部16およびレーザー受光用窓部18が被測定部7の上下面の斜め位置にそれぞれ面当接するように構成されている。
【0039】
密封包装容器1の被測定部7の上下面にそれぞれレーザー射出用窓部16およびレーザー受光用窓部18が面当接した後、レーザー発生部11からレーザー射出用窓部16を介して密封包装容器1の被測定部7にレーザー光が下方から射出される。レーザー光は被測定部7のレーザー光透過用空間6内を斜め上方向に進行して第2ハウジング17のレーザー受光用窓部18を介してレーザー受光部12で受光される。
【0040】
レーザー受光部12の受光センサは、密封包装容器1の被測定部7を透過したレーザー光を電子的な透過光信号へ変換し、当該透過光信号が測定部へ出力される。測定部は、上記透過光信号と、レーザー発生部11が射出したレーザー光を電子的に変換した入射光信号を取得し、透過光信号と入射光信号を比較して、レーザー光の密封包装容器1の被測定部7に対する透過率Tを測定する。そして、当該透過率Tに基づいて、密封包装容器1の被測定部7内の特定ガスに吸収されたレーザー光の特定波長の吸収スペクトルの吸光度が計算され、当該吸光度に基づいて密封包装容器1の被測定部7内の特定ガスのガス濃度が測定される。
【0041】
なお、この実施例では、第1ハウジング15は密封包装容器1の被測定部7に対して下方に配置され、第2ハウジング17が密封包装容器1の被測定部7に対して上方に配置されているが、これに限定されるものではなく、密封包装容器1の被測定部7に対して斜め方向にレーザー光を入射できるものは本発明の範疇に広く包含され、例えば第1ハウジング15が密封包装容器1の被測定部7の上方に配置され、第2ハウジング17が下方に配置されていてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 密封包装容器
2 被包装物充填空間
3 本体部
4 ヘッドスペース
5 連通部
6 レーザー光透過用空間
7 被測定部
10 ガス濃度測定装置
11 レーザー発生部
12 レーザー受光部
13 レーザー式ガス濃度計
15 第1ハウジング
16 レーザー射出用窓部
17 第2ハウジング
18 レーザー受光用窓部
19 第1往復動機構
20 第2往復動機構
21 第1シリンダー
22 第2シリンダー
F フィルム
w コンベア
Y ベルト
S 被包装物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8