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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-29
(45)【発行日】2023-09-06
(54)【発明の名称】携帯電子端末保持具
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/12 20060101AFI20230830BHJP
   H04M 1/02 20060101ALI20230830BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20230830BHJP
【FI】
H04M1/12 C
H04M1/02 C
H05K5/02 D
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020102241
(22)【出願日】2020-06-12
【基礎とした実用新案登録】
【原出願日】2019-04-10
(65)【公開番号】P2020174356
(43)【公開日】2020-10-22
【審査請求日】2022-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】398043193
【氏名又は名称】株式会社グルマンディーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100085316
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 三雄
(74)【代理人】
【識別番号】100171572
【弁理士】
【氏名又は名称】塩田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100213425
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 正憲
(72)【発明者】
【氏名】久保田 秀一
【審査官】白川 瑞樹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0195000(US,A1)
【文献】国際公開第2018/187278(WO,A1)
【文献】特表2014-513884(JP,A)
【文献】国際公開第2014/188663(WO,A1)
【文献】特開2005-200104(JP,A)
【文献】特表2019-527003(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45F3/00-5/14
A63F9/24
13/00-13/98
G06F1/00
1/16-1/18
H04B1/38-1/58
H04M1/00-1/82
99/00
H05K5/00-5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電子端末の背面に接着可能な接着層を基端側面に有してなる端末側板材と、
前記端末側板材の先端側面に対して伸縮動作の方向が垂直に前記端末側板材の先端側面に配設されてなる円錐バネと、
前記円錐バネの周囲を覆って前記端末側板材の先端側面に基端が固着されてなる中空の伸縮部材と、
前記伸縮部材の先端に固着されてなる蓋側板材と、
前記端末側板材の先端側面において、前記伸縮部材の外側に突設されてなる爪と、
前記蓋側板材の基端側面に、前記爪と係合可能に形成されてなる係合片と、
を有し、
前記蓋側板材を、前記円錐バネの伸長力に抗して基端方向に押すと共に前記端末側板材と近接させた状態において前記爪と前記係合片とを係合させると前記端末側板材と前記蓋側板材との間に前記伸縮部材が押縮められて収容され、
前記蓋側板材を前記円錐バネの中心を軸として軸回転させることで前記爪と前記係合片との前記係合した状態を解除して前記伸縮部材が伸長した状態に形成され、
前記伸縮部材において、前記伸縮部材は伸張した状態から収容状態へと変形させるときに軸方向への折れ曲がりを形成する折れ目を含み、
前記折れ目を含む前記伸縮部材の押縮み可能な部分は、伸長した状態において前記軸の方向に向って容易に変形可能な柔らかい樹脂により均一の厚さに成形されてなる
ことを特徴とする携帯電子端末保持具。
【請求項2】
前記伸縮部材が、前記円錐バネに沿うように、円錐形状に形成されてなる
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯電子端末保持具。
【請求項3】
前記端末側板材の先端側面に該先端側面の外周に沿う位置に形成されてなる端末側凸部
を有し、
前記爪が、前記端末側板材の先端側面と平行に、前記端末側凸部に突設されてなる
ことを特徴とする請求項1若しくは請求項2に記載の携帯電子端末保持具。
【請求項4】
前記蓋側板材の基端側面に該基端側面の外周に沿う位置に形成されてなる蓋側凸部を有し、
前記係合片が、前記蓋側板材の基端側面と平行に、前記蓋側凸部に突設されてなる
ことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一つに記載の携帯電子端末保持具。
【請求項5】
前記爪が、突端に向って先鋭形状に形成されてなり、
前記端末側板材と、前記蓋側板材とを互いに近づく方向に押圧することで、前記爪と前記係合片とを係合可能とする
ことを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか一つに記載の携帯電子端末保持具。
【請求項6】
前記係合片が、突端に向って先鋭形状に形成されてなり、
前記端末側板材と、前記蓋側板材とを互いに近づく方向に押圧することで、前記爪と前記係合片とを係合可能とする
ことを特徴とする請求項1~請求項5のいずれか一つに記載の携帯電子端末保持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートフォン等の携帯電子端末の背面に接着可能な、携帯電子端末の使用
時における携帯電子端末の落下を防止する携帯電子端末保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電子端末の落下を防止するために、スマートフォン等の背面に接着する接着
層を有してなる基端部材を有し、前記基端部材の該接着層と反対側の面にリングが配設さ
れてなる携帯電子端末保持具が利用されている。前記携帯電子端末保持具は、前記リング
に中指等の指を一本挿入して、前記携帯電子端末保持具を用いて携帯電子端末の落下を防
止し、携帯電子端末を保持するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6028122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記携帯電子端末保持具のリングの内径は、指の抜き差しを容易にできるように、指の
径よりも大きく形成されてなる。
しかし、前記携帯電子端末保持具は、リングの内径が指の径よりも大きく、かつ、一本の
指で、リング部材を使用して携帯電子端末を支持するため、十分なホールド感がなく、ま
た、十分なホールド感がないため、十分に安心して携帯電子端末を使用することができな
かった。
さらに、リングの内径をリングに挿入した指の径よりも大きくしなければならないことに
より、リングの外側周面とリングに挿入した指と隣り合う指とが当接し、前記隣り合う指
が痛くなるという課題が存在していた。
【0005】
また、前記携帯電子端末保持具のリングを収容若しくは展開する際には、リング部材の
一部に配設されてなる軸を中心に、前記リング部材を、基端部材と接近する方向に旋回若
しくは基端部材と離間する方向に旋回させることとなっている。
しかし、このような収容・展開方法では、収容状態時に他の物がリング部材に引っ掛かる
などすると、リングが容易に展開されてしまう。また、展開状態時であって、リングを支
点として携帯電子端末を起立状態に支持している際に上方から何らかの圧力が掛かった場
合には、リングが必要以上に展開されてしまい起立状態に支持していた携帯電子端末が倒
れてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、上記課題を解決するための手段として、本発明に係る携帯電子端末保持具は、
携帯電子端末の背面に接着可能な接着層を基端側(基端側とは、端末側板材の接着層を介
して、本発明に係る携帯電子端末保持具を携帯電子端末の背面に接着した場合における、
携帯電子端末の背面へと向かう方向をいう。以下同じ。)面に有してなる端末側板材と、
前記端末側板材の先端側(先端側とは、端末側板材の接着層を介して、本発明に係る携帯
電子端末保持具を携帯電子端末の背面に接着した場合における、携帯電子端末の背面から
離れる方向をいう。以下同じ。)面に対して伸縮動作の方向が垂直に前記端末側板材の先
端側面に配設されてなる円錐バネと、前記円錐バネの周囲を覆って前記端末側板材の先端
側面に基端が固着されてなる中空の伸縮部材と、前記伸縮部材の先端に固着されてなる蓋
側板材と、前記端末側板材の先端側面において、前記伸縮部材の外側に突設されてなる爪
と、前記蓋側板材の基端側面に、前記爪と係合可能に形成されてなる係合片と、を有し、
前記蓋側板材を、前記円錐バネの伸長力に抗して基端方向に押すと共に前記端末側板材と
近接させた状態において前記爪と前記係合片とを係合させると前記端末側板材と前記蓋側
板材との間に前記伸縮部材が押縮められて収容され、前記蓋側板材を前記円錐バネの中心
を軸として軸回転させることで前記爪と前記係合片との前記係合した状態を解除して前記
伸縮部材が伸長した状態に形成され、前記伸縮部材の押縮み可能な部分は、伸長した状態
において前記軸の方向に向って容易に変形可能な柔らかい樹脂により均一の厚さに成形さ
れてなることを特徴とする。
【0007】
前記携帯電子端末には、例えば、スマートフォン、携帯電話機、携帯ゲーム機、携帯オ
ーディオプレーヤーなど種々の携帯電子端末を用いることができる。
【0008】
前記端末側板材の形状は、円型、楕円形、多角形、動物の顔を模した形状、その他の種
々の形状とすることができる。また、前記端末側板材の素材としては、樹脂、金属、木材
、等種々の素材を採用することができる。しかし、携帯電子端末を保持するという使用態
様に鑑みれば、比較的軽量な樹脂を用いることが好ましい。
【0009】
前記蓋側板材の形状は、円型、楕円形、多角形、動物の顔を模した形状、その他の種々
の形状とすることができる。蓋側板材を動物の顔を模した形状とした場合には、携帯電子
端末を背面から見た際に、蓋側板材の特徴的な形状が目に入るためデザイン性に優れてい
る。また、蓋側板材の先端側面にシールを張るなどして模様、色彩などを付した場合にも
、同様に当該模様が目に入るためデザイン性に優れている。
また、前記蓋側板材の素材としては、樹脂、金属、木材、等種々の素材を採用することが
できる。しかし、携帯電子端末を保持するという使用態様に鑑みれば、比較的軽量な樹脂
を用いることが好ましい。
【0010】
本発明に係る携帯電子端末保持具は、前記伸縮部材の押縮み可能な部分が、伸長した状
態において前記軸の方向に向かって容易に変形可能な柔らかい樹脂が均一の厚さに成形さ
れてなる。
本発明に係る携帯電子端末保持具を使用して携帯電子端末を保持する際には、二本の指で
前記伸縮部材を挟持するが、例えば、人差し指及び中指で前記伸縮部材を挟持した場合は
、該人差し指及び中指から前記伸縮部材の前記軸の方向に加わる圧力により前記伸縮部材
が、前記軸の方向に向かって変形することができる。
このとき、前記伸縮部材を二本の指で挟持しており、かつ、前記伸縮部材が前記軸の方向
に向かって前記人差し指及び中指に沿って変形するため、前記携帯電子端末保持具のホー
ルド感が強く、安心して携帯電子端末を保持することができる。さらに、前記伸縮部材が
、前記人差し指及び中指に沿って変形し、指と接触する面積が広いことから、指に加わる
負担も小さく、指が痛くなるという事態を防止することができる。
【0011】
また、前記の通り、本発明に係る携帯電子端末は、前記端末側板材の先端側面において
、前記伸縮部材の外側に突設されてなる爪と、前記蓋側板材の基端側面に、前記爪と係合
可能に形成されてなる係合片と、を有してなる。
前記携帯電子端末は、前記蓋側板材を、前記円錐バネの伸長力に抗して基端方向に押すと
共に前記端末側板材と近接させた状態において前記爪と前記係合片とを係合させると、前
記端末側板材と前記蓋側板材との間に前記伸縮部材が押縮められて収容される。一方、前
記蓋側板材を前記円錐バネの中心を軸として軸回転させることで前記爪と前記係合片との
前記係合状態を解除して前記伸縮部材が伸長した状態に形成されてなることから、意図せ
ず、前記携帯電子端末保持具に圧力が加わった場合に携帯電子端末保持具が収容状態と展
開状態との間で変形することがない。
さらに、携帯電子端末保持具を展開状態から収容状態へと変形させる場合には、前記蓋側
板材を、基端方向に押すと共に前記爪と前記係合片とを係合させることで収容状態へと変
形させることができる。また、携帯電子端末保持具を収容状態から展開状態へと変形させ
る場合には、前記蓋側板材を前記円錐バネの中心を軸として軸回転させることで展開状態
へと変形させることができる。このため、意図した収容・展開状態間の変形が容易である
【0012】
また、本発明に係る携帯電子端末保持具は、前記伸縮部材が、前記円錐バネに沿うよう
に、円錐形状に形成されてなることとしても良い。
【0013】
この場合には、前記携帯電子端末保持具を挟持して、携帯電子端末を保持する使用者は
、前記円錐形状の頂点付近と、前記端末側板材若しくは前記蓋側板材との交点付近を二本
の指で挟持することができる。
この時、前記円錐形状に形成されてなる伸縮部材の頂点付近を二本の指で挟持すると、
指を大きく開く必要がない。さらに、二本の指が、前記伸縮部材と、前記端末側板材若し
くは前記蓋側板材とが当接することとなり、伸縮部材のみを挟持する場合よりもホールド
感が増し、携帯電子端末の保持が特に容易になる。
【0014】
さらに、本発明に係る携帯電子端末保持具は、前記端末側板材の先端側面に該先端側面
の外周に沿う位置に形成されてなる端末側凸部を有し、前記爪が、前記端末側板材の先端
側面と平行に、前記端末側凸部に突設されてなることとしても好ましい。
【0015】
この場合には、前記端末側凸部に突設されてなる爪が、前記端末側板材の先端側面と平
行となっているため、前記蓋側板材を前記端末側板材の先端側面と垂直に、基端側に押し
、前記蓋側板材を前記円錐バネの中心を軸として軸回転させることで、前記爪と前記係合
片とを係止することができ、前記端末側凸部を設けない場合よりも容易に展開状態から収
容状態への変形が可能となる。
【0016】
また、本発明に係る携帯電子端末保持具は、前記蓋側板材の基端側面に該基端側面の外
周に沿う位置に形成されてなる蓋側凸部を有し、前記係合片が、前記蓋側板材の基端側面
と平行に、前記蓋側凸部に突設されてなることとすることもできる。
【0017】
この場合には、前記蓋側凸部に突設されてなる前記係合片が、前記蓋側板材の基端側面
と平行となっているため、前記蓋側板材を前記蓋側板材の基端側面と垂直に、基端側に押
し、前記蓋側板材を前記円錐バネの中心を軸として軸回転させることで、前記爪と前記係
合片とを係止することができ、極めて容易に展開状態から収容状態への変形が可能となる
【0018】
さらに、本発明に係る携帯電子端末保持具は、前記爪が、突端に向って先鋭形状に形成
されてなり、前記端末側板材と、前記蓋側板材とを互いに近づく方向に押圧することで、
前記爪と前記係合片とを係合可能とすることとしても好ましい。
【0019】
また、本発明に係る携帯電子端末保持具は、前記係合片が、突端に向って先鋭形状に形
成されてなり、前記端末側板材と、前記蓋側板材とを互いに近づく方向に押圧することで
、前記爪と前記係合片とを係合可能とすることとすることもできる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る携帯電子端末保持具によれば、前記携帯電子端末保持具のホールド感が強
く、安心して携帯電子端末を保持することができる。さらに、指に加わる負担も小さく、
指が痛くなるという事態を防止することができる。
【0021】
またさらに、本発明に係る携帯電子端末保持具は、意図した収容・展開状態同士の変形
が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明に係る携帯電子端末保持具1の分解図である。
図2】(a)は、本発明に係る携帯電子端末保持具1の展開状態における使用状態を示す斜視図である。(b)は、本発明に係る携帯電子端末保持具1の収容状態における使用状態を示す斜視図である。
図3】(a)は、本発明に係る携帯電子端末保持具1の展開状態における円錐バネ3と伸縮部材4とを省略した平面図である。(b)は、本発明に係る円錐バネ3と伸縮部材4とを省略していない図3(a)におけるA-A線断面図である。
図4】(a)は、本発明に係る携帯電子端末保持具1の収容状態における円錐バネ3と伸縮部材4とを省略した平面図である。(b)は、本発明に係る円錐バネ3と伸縮部材4とを省略していない図4(b)におけるB-B線断面図である。
図5】先鋭形状の爪5aと、係合片2aとの係合状態を示す図4(a)におけるB-B線断面図である。
図6】爪5aと、先鋭形状の係合片2aとの係合状態を示す図4(a)におけるB-B線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る実施の形態を、図を参照しながら詳説する。
【0024】
図1は、本発明に係る携帯電子端末保持具1の分解図である。本実施形態における携帯
電子端末保持具1は、蓋側板材2と、円錐バネ3と、伸縮部材4と、端末側板材5と、接
着部材6とからなる。
【0025】
蓋側板材2は、円盤形状に形成されてなり、蓋側板材2の外周に沿う位置には、図1
示すように蓋側板材2の基端側面と垂直に蓋側凸部2bが一周連続して形成されてなる。
さらに、蓋側凸部2bには、蓋側板材2の基端側面と平行に、爪5aと係合可能に形成さ
れてなる係合片2aが突設されてなる。
なお、係合片2aは、突端に向って先鋭形状に形成することもできる。この場合は、蓋側
板材2と端末側板材5とを互いに近づく方向に押圧することで、容易に爪5aと係合片2
aとを係合することができる。
また、蓋側板材2は、図3(b)に示すように、伸縮部材4の先端に固着されてなる。
【0026】
円錐バネ3は、例えば、ステンレスで形成することができる。
また、円錐バネ3は図3(b)に示すように、端末側板材5の先端側面に対して伸縮動
作の方向が垂直となるよう、端末側を頂点として端末側板材5の先端側面に配設されてな
る。
【0027】
伸縮部材4は、図1に示すように、固着部4aと、折れ目4b4cと、係止部4dと、
縮径部4eとからなる。
また、伸縮部材4は、図3(b)に示すように、円錐バネ3に沿うように円錐形状中空
に形成されてなり、円錐バネ3の周囲を覆って端末側板材5の先端側面に基端が固着され
てなる。
また、該固着手段は、図3(b)に示すように、端末側板材5の係止孔5cに係止部4
d及び縮径部4eを挿入し、係止孔5cに形成されてなる段差に係止部4dを嵌め込むこ
とによるものである。
なお、図3(b)に示すように、伸縮部材4の押縮み可能な部分は、伸長した状態にお
いて容易に変形可能なやわらかい樹脂により均一の厚さに成形されてなる。
【0028】
端末側板材5は、図1に示すように、端末側板材5の先端側面に該先端側面の外周に沿
う位置に該先端側面と垂直に一周連続して形成されてなる端末側凸部5bと、伸縮部材4
の外側に突設されてなり、端末側板材5の先端側面と平行に端末側凸部5bに形成されて
なる爪5aと、端末側板材5の先端側面と基端側面を端末側板材5の中心において貫通し
てなり、該貫通部の先端において段差が形成されてなる係止孔5cとからなる。端末側板
材5は、基端側面において、スマートフォンSの背面に接着可能な接着部材6である両面
テープを有してなる。なお、該接着部材6である両面テープの中心には孔6aが形成され
てなる。
なお、爪5aは、突端に向って先鋭形状に形成することもできる。この場合は、蓋側板材
2と端末側板材5とを互いに近づく方向に押圧することで、容易に爪5aと係合片2aと
を係合することができる。
【0029】
以下、上記の構成を有する本発明に係る携帯電子端末保持具1の使用方法について図を
参照しながら詳説する。
【0030】
まず、図2(a)及び図2(b)に示すように携帯電子端末保持具1を使用する使用者
は、接着部材6である両面テープを用いて、携帯電子端末保持具1を携帯電子端末例えば
スマートフォンSの背面の任意の位置に固着する。
【0031】
これにより、携帯電子端末保持具1の接着部材6がスマートフォンSの背面と携帯電子
端末保持具1の端末側板材5の基端側面とを固着させ、携帯電子端末保持具1がスマート
フォンSに固定され、携帯電子端末保持具1の使用が可能となる。
【0032】
次に、携帯電子端末保持具1を用いてスマートフォンSを保持する際は、スマートフォ
ンSの背面に固着された携帯電子端末保持具1の円錐形状を呈した伸縮部材4の頂点付近
を、人差し指と中指とで挟持する。
【0033】
これにより、人差し指と中指とが伸縮部材4を挟持して携帯電子端末保持具1をホール
ドするため、不意にスマートフォンSが使用者の手から落下するのを防止することができ
、安心してスマートフォンSの使用ができる。
【0034】
また、人差し指と中指とが伸縮部材4を挟持することにより、伸縮部材4の軸方向への
圧力により、柔らかい樹脂で均一の厚さに成形されてなる伸縮部材4を軸方向に変形させ
ることができる。これによって、人差し指と中指と伸縮部材4との接触面積が広くなり、
特に強いホールド感が生ずる。これによって、携帯電子端末保持具1の使用者は、スマー
トフォンSをぐらつきのない安定した状態で使用することができる。
【0035】
またさらに、伸縮部材4が均一の厚さで、やわらかい樹脂からなることにより、人差し
指と中指と伸縮部材4との接触面にかかる負担が小さく、指が痛くなるという事態を防止
することができる。
【0036】
またさらに、円錐形状を呈した伸縮部材4の付近は、短径であるため指間を大きく広げ
る必要がなく、楽に携帯電子端末保持具1を使用してスマートフォンSを保持することが
できる。
【0037】
次に、携帯電子端末保持具1を使用して、スマートフォンSを起立させる場合について
説明する。
【0038】
携帯電子端末保持具1を使用してスマートフォンSを起立させようとする使用者は、ま
ず、携帯電子端末保持具1の端末側板材5の基端側面をスマートフォンSの背面に固着す
る。次に、携帯電子端末保持具1を展開状態とする。最後に、展開状態の携帯電子端末保
持具1の蓋側板材2の先端側の側周面の一部を支点として、スマートフォンSの長手方向
を水平にしてスマートフォンSを携帯電子端末保持具1に立て掛ける。
【0039】
こうすることで、携帯電子端末保持具1の蓋側板材2の側周面の一部が床若しくは机等
に接地し、該接地店を支点として、スマートフォンSが携帯電子端末保持具1に立て掛け
られ、スマートフォンSを起立させることができる。この状態では、携帯電子端末保持具
1の使用者はスマートフォンSを手で支持することなく動画等をリラックスして視聴する
ことができる。
【0040】
次に、携帯電子端末保持具1の収容・展開の動作について図を参照しながら詳説する。
【0041】
携帯電子端末保持具1は図2(a)及び図2(b)に示すように、収容・展開状態の間
での変形が可能である。
【0042】
なお、収容状態とは、図4(a)及び図4(b)に示すように、蓋側板材2、端末側板
材5、蓋側凸部2b、及び、端末側凸部5bによって閉塞されてなる空間内に、円錐バネ
3及び伸縮部材4が押縮められて収容されており、さらに、5つの爪5a及び5つの係合
片2aが係合されてなる状態をいう。この際、伸縮部材4は、折れ目4b4c部分が円錐
形状の軸方向に折れ曲がっている。
また、展開状態とは、図3(a)及び図3(b)に示すように、5つの爪5a及び5つ
の係合片2aが係合されておらず、伸縮部材4は伸長した状態となっており、前記のよう
な閉塞空間が開放されている状態をいう。
【0043】
まず、携帯電子端末保持具1を収容状態から展開状態へと変形させる場合は、スマート
フォンSに固着されてなる携帯電子端末保持具1の蓋側板材2を、円錐バネ3の軸を中心
に、時計回り若しくは反時計回りに軸回転させる。
こうすることで、端末側凸部5b及び蓋側凸部2bに等間隔に配設されてなる5つの爪
5a及び係合片2aの係合状態が解除され、円錐バネ3の伸長力が働き円錐バネ3及び伸
縮部材4は伸長した状態となり、前記閉塞空間が開放されて携帯電子端末保持具1は収容
状態から展開状態へと変形される。
【0044】
次に、携帯電子端末保持具1を展開状態から収容状態へと変形させる場合は、蓋側板材
2を円錐バネ3の伸長力に抗して基端方向に押すと共に、蓋側板材2と端末側板材5を近
接させ、5つの係合片2aと5つの爪5aとが係合するように円錐バネ3の軸を中心とし
て蓋側板材2を時計回り若しくは反時計回りに軸回転させる。
こうすることで、円錐バネ3が押縮められ、伸縮部材4は折れ目4b4c部分で円錐形
状の軸方向に折れ曲がりながら押縮められる。この際、蓋側板材2、端末側板材5、蓋側
凸部2b、及び、端末側凸部5bによって閉塞空間が形成され、前記押縮められた円錐バ
ネ3及び、伸縮部材4は該閉塞空間に収容され、携帯電子端末保持具1は展開状態から収
容状態へと変形される。
【0045】
なお、5つの爪5a若しくは5つの係合片2aの左右端に回転止め凸部を形成すること
で、蓋側板材2を必要以上に回転させてしまい、爪5aと係合片2aとの係合が失敗する
という事態を防止することが可能となる。
【0046】
さらに、図5及び図6に示すように、5つの爪5a若しくは5つの係合片2aを先鋭形
状とすることで、蓋側板材2を端末側板材5と近接するように基端側へ押圧すると、爪5
aと係合片2aとが当接し、爪5a及び端末側凸部5bが軸方向に、又は、係合片2a及
び蓋側凸部2bが軸方向と反対の方向に少し傾き、そのまま押圧することで、5つの爪5
aと係合片2aとが係合される。
これによって、展開状態から収容状態へと変形させる際に、蓋側板材2を回転させること
なく、蓋側板材2を基端側へ押圧するだけで爪5aと係合片2aとの係合が可能となる。
【0047】
なお、5つの爪5aと5つの係合片2aとの両方を先鋭形状とすることもできる。
この場合は、蓋側板材2を端末側板材5と近接するように基端側へ押圧すると、爪5a
と係合片2aとが当接し、爪5a及び端末側凸部5bが軸方向に、並びに、係合片2a及
び蓋側凸部2bが軸方向と反対の方向に少し傾き、そのまま押圧することで、5つの爪5
aと係合片2aとが係合される。
【符号の説明】
【0048】
1 携帯電子端末保持具
2 蓋側板材
2a 係合片
2b 蓋側凸部
3 円錐バネ
4 伸縮部材
4a 固着部
4b 折れ目
4c 折れ目
4d 係止部
4e 縮径部
5 端末側板材
5a 爪
5b 端末側凸部
5c 係止孔
6 接着部材
6a 孔
S スマートフォン
図1
図2
図3
図4
図5
図6