(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-29
(45)【発行日】2023-09-06
(54)【発明の名称】灰皿
(51)【国際特許分類】
A24F 19/00 20060101AFI20230830BHJP
A24F 19/14 20060101ALI20230830BHJP
【FI】
A24F19/00 F
A24F19/14 C
(21)【出願番号】P 2020214565
(22)【出願日】2020-12-24
【審査請求日】2022-08-02
(73)【特許権者】
【識別番号】517428779
【氏名又は名称】株式会社リレー
(74)【代理人】
【識別番号】100154014
【氏名又は名称】正木 裕士
(74)【代理人】
【識別番号】100154520
【氏名又は名称】三上 祐子
(72)【発明者】
【氏名】木村 浩嗣
【審査官】石川 輝
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-113161(JP,A)
【文献】特開平09-206059(JP,A)
【文献】特開2000-125839(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0192963(US,A1)
【文献】特開2000-125838(JP,A)
【文献】特開2003-310237(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 19/00-19/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底で上方が開放された筒状の吸殻収容部と、
前記吸殻収容部の上方を閉止する蓋部と、
煙草の吸殻を投入する投入口が設けられた投入部と、を有し、
前記蓋部
の上面には、鉛直上下方向に貫通した貫通孔からなる開口窓が設けられ、
前記蓋部には、前記開口窓を開閉可能な開閉部が設けられ、
前記開口窓は、前記吸殻収容部の上方の一部を開放可能であり、
前記投入部は、前記投入口が前記開口窓と対向する位置となるように、前記蓋部の上部に設けら
れ、
前記開閉部は、
前記開口窓に対してスライドすることによって、該開口窓を開閉するスライド板と、
前記スライド板を前記開口窓が開放する方向に移動させることが可能な第1移動手段と、
前記スライド板を前記開口窓が閉止する方向に移動させることが可能な第2移動手段と、を有してなる灰皿。
【請求項2】
前記第1移動手段は、
前記スライド板に設けられた引っ張り部と、
前記引っ張り部に設けられたペダルと、を有し、
前記第2移動手段は、
前記スライド板に設けられ、該スライド板を前記開口窓が閉止する方向に付勢する弾性体を、有し、
前記ペダルが踏まれると、前記弾性体の弾性力に抗して、前記引っ張り部が前記スライド板を前記開口窓が開放する方向に移動させ、
前記ペダルが踏まれなくなると、前記弾性体が、前記スライド板を前記開口窓が閉止する方向に付勢してなる請求項
1に記載の灰皿。
【請求項3】
有底で上方が開放された筒状の吸殻収容部と、
前記吸殻収容部の上方を閉止する蓋部と、
煙草の吸殻を投入する投入口が設けられた投入部と、
前記吸殻収容部を着脱自在に収納可能な収納部と、を有し、
前記蓋部の上面には、鉛直上下方向に貫通した貫通孔からなる開口窓が設けられ、
前記蓋部には、前記開口窓を開閉可能な開閉部が設けられ、
前記開口窓は、前記吸殻収容部の上方の一部を開放可能であり、
前記投入部は、前記投入口が前記開口窓と対向する位置となるように、前記蓋部の上部に設けられ、
前記収納部には、前記蓋部が設けられ、
前記蓋部は、前記収納部の一端部を基点として、前記吸殻収容部の上方を開放閉止可能に回動してなる灰皿。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、灰皿に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、喫煙者は所定の決められた場所で喫煙することが求められており、通常、建物内における喫煙室や屋外の喫煙場所など非喫煙者から隔絶された場所や離れた場所での喫煙が必要とされている。このような喫煙場所には、通常、煙草の灰や吸い殻を投入可能な灰皿が設置されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような灰皿は、煙草の火を消火するための水を収容しなければならないことから、水に収容された煙草の臭いが部屋に充満する可能性があるといった問題があった。さらには、収容された煙草の量によっては、煙草が水に浸ることができず、もって、煙草の火が消火できず火事になる可能性があると共に、煙が漏れる可能性があるといった問題があった。またさらには、水を入れ替えなければならず、清掃作業が非常に煩雑となるといった問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、水を使用せずとも、煙草の火を消火することができると共に、清掃作業が簡単容易となる灰皿を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記本発明の目的は、以下の手段によって達成される。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0007】
請求項1に係る灰皿は、有底で上方が開放された筒状の吸殻収容部(5)と、
前記吸殻収容部(5)の上方を閉止する蓋部(6)と、
煙草の吸殻を投入する投入口(32)が設けられた投入部(3)と、を有し、
前記蓋部(6)の上面(60c)には、鉛直上下方向に貫通した貫通孔からなる開口窓(60d)が設けられ、
前記蓋部(6)には、前記開口窓(60d)を開閉可能な開閉部(7)が設けられ、
前記開口窓(60d)は、前記吸殻収容部(5)の上方の一部を開放可能であり、
前記投入部(3)は、前記投入口(32)が前記開口窓(60d)と対向する位置となるように、前記蓋部(6)の上部に設けられ、
前記開閉部(7)は、
前記開口窓(60d)に対してスライドすることによって、該開口窓(60d)を開閉するスライド板(70)と、
前記スライド板(70)を前記開口窓(60d)が開放する方向に移動させることが可能な第1移動手段(8)と、
前記スライド板(70)を前記開口窓(60d)が閉止する方向に移動させることが可能な第2移動手段(9)と、を有してなることを特徴としている。
【0009】
請求項2に係る灰皿は、上記請求項1に記載の灰皿(1)において、前記第1移動手段(8)は、
前記スライド板(70)に設けられた引っ張り部(第1連結稈8a、第2連結稈8b、第3連結稈8c)と、
前記引っ張り部(第1連結稈8a、第2連結稈8b、第3連結稈8c)に設けられたペダル(46)と、を有し、
前記第2移動手段(9)は、
前記スライド板(70)に設けられ、該スライド板(70)を前記開口窓(60d)が閉止する方向に付勢する弾性体(コイルバネ9c)を、有し、
前記ペダル(46)が踏まれると、前記弾性体(コイルバネ9c)の弾性力に抗して、前記引っ張り部(第1連結稈8a、第2連結稈8b、第3連結稈8c)が前記スライド板(70)を前記開口窓(60d)が開放する方向に移動させ、
前記ペダル(46)が踏まれなくなると、前記弾性体(コイルバネ9c)が、前記スライド板(70)を前記開口窓(60d)が閉止する方向に付勢してなることを特徴としている。
【0010】
請求項3に係る灰皿は、有底で上方が開放された筒状の吸殻収容部(5)と、
前記吸殻収容部(5)の上方を閉止する蓋部(6)と、
煙草の吸殻を投入する投入口(32)が設けられた投入部(3)と、
前記吸殻収容部(5)を着脱自在に収納可能な収納部(フレーム部4)と、を有し、
前記蓋部(6)の上面(60c)には、鉛直上下方向に貫通した貫通孔からなる開口窓(60d)が設けられ、
前記蓋部(6)には、前記開口窓(60d)を開閉可能な開閉部(7)が設けられ、
前記開口窓(60d)は、前記吸殻収容部(5)の上方の一部を開放可能であり、
前記投入部(3)は、前記投入口(32)が前記開口窓(60d)と対向する位置となるように、前記蓋部(6)の上部に設けられ、
前記収納部(フレーム部4)には、前記蓋部(6)が設けられ、
前記蓋部(6)は、前記収納部(フレーム部4)の一端部を基点として、前記吸殻収容部(5)の上方を開放閉止可能に回動してなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
次に、本発明の効果について、図面の参照符号を付して説明する。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0012】
請求項1,3に係る発明によれば、投入部(3)の投入口(32)に煙草の吸殻が投入されると、開閉部(7)によって開口窓(60d)が開放される。この際、投入口(32)が開口窓(60d)と対向する位置となっているから、煙草の吸殻は、開口窓(60d)を通って、吸殻収容部(5)に収容されることとなる。そしてその後、開閉部(7)によって開口窓(60d)を閉止するようにすれば、吸殻収容部(5)内は蓋部(6)によって密閉された状態となる。これにより、吸殻収容部(5)内の既存の空気以外、新たな空気が吸殻収容部(5)内に流入することができず、もって、吸殻収容部(5)内に収容された煙草の吸殻が、さらに燃えようとしても酸欠状態でこれ以上燃えることができなくなり、自然に鎮火(消火)することとなる。
【0013】
しかして、本発明によれば、煙草の火を消火するための水が不要となるため、従来のように、水に収容された煙草の臭いが部屋に充満する可能性が無く、さらには、煙草の火が消火できず火事になる可能性も無く、煙が漏れる可能性も無い。またさらには、水を入れ替える必要もないことから、清掃作業が簡単容易となる。これにより、本発明によれば、水を使用せずとも、煙草の火を消火することができると共に、清掃作業が簡単容易となる。
【0014】
また、請求項1に係る発明によれば、開口窓(60d)に対してスライドすることによって、開口窓(60d)を開閉するスライド板(70)を、第1移動手段(8)によって、開放する方向に移動させ、第2移動手段(9)によって、閉止する方向に移動させるようにしているから、簡単容易に開口窓(60d)を開閉することができる。
【0015】
さらに、請求項2に係る発明によれば、ペダル(46)が踏まれると、弾性体(コイルバネ9c)の弾性力に抗して、引っ張り部(第1連結稈8a、第2連結稈8b、第3連結稈8c)がスライド板(70)を開口窓(60d)が開放する方向に移動させ、ペダル(46)が踏まれなくなると、弾性体(コイルバネ9c)が、スライド板(70)を開口窓(60d)が閉止する方向に付勢するようにしている。これにより、使用者は、ペダル(46)を踏むだけで、開口窓(60d)を開放させることができ、ペダル(46)を踏むのをやめるだけで、開口窓(60d)を閉止させることができることとなるから、極めて簡単容易に開口窓(60d)を開閉することができる。
【0016】
一方、請求項3に係る発明によれば、収納部(フレーム部4)内に吸殻収容部(5)を着脱自在に収納し、この収納部(フレーム部4)には、一端部を基点として回動することによって、吸殻収容部(5)の上方を開放閉止可能な蓋部(6)が設けられている。これにより、吸殻収容部(5)内に収容された煙草の吸殻を廃棄するにあたっては、蓋部(6)を回動し、吸殻収容部(5)の上方を開放した上で、収納部(フレーム部4)内から吸殻収容部(5)を取り出すだけで良い。それゆえ、簡単容易に、吸殻収容部(5)内に収容された煙草の吸殻を廃棄することができることとなり、もって、清掃作業がより簡単容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係る灰皿の縦断面正面図である。
【
図2】同実施形態に係る灰皿の縦断面側面図である。
【
図3】同実施形態に係るカバー部を示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【
図4】同実施形態に係る投入部を示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【
図5】同実施形態に係るフレーム部を示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【
図6】同実施形態に係る吸殻収容部を示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【
図7】同実施形態に係る蓋部を示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【
図8】(a)は開口窓が閉止している状態を示し、(b)は開口窓が開放している状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態に係る灰皿を、図面を参照して具体的に説明する。なお、以下の説明において、上下左右の方向を示す場合は、図示正面から見た場合の上下左右をいうものとする。
【0019】
図1及び
図2に示すように、灰皿1は、カバー部2と、投入部3と、フレーム部4と、吸殻収容部5と、蓋部6と、で構成されている。以下、各構成について詳しく説明することとする。
【0020】
<カバー部の説明>
カバー部2は、
図3(b)に示すように、縦長略矩形状に形成されたカバー部本体20を有している。このカバー部本体20の上面20aは、
図3(a)に示すように開放され、
図3(b)に示す下面20bが開放されて、内部に空間S1(
図3(a)参照)が形成された筒状に形成されている。そして、このカバー部本体20の下面20b側には、
図3(b)に示すように、略中央位置に矩形状の開口部21が設けられている。
【0021】
<投入部の説明>
投入部3は、
図4(a)に示すように、平面視略矩形状に形成された投入部本体30を有している。この投入部本体30は、
図4(b)に示すように、略中央部に、下窄まりの容器状に形成されたホッパ部31が一体的に設けられている。そして、
図4(a)に示すように、このホッパ部31の上面31aは開放され、
図4(b)に示すように、ホッパ部31の下面31bには開放された投入口32が設けられている。そしてこのようなホッパ部31の内部は、
図4(a)に示すように、空間S2が形成され、中空状に形成されている。
【0022】
かくして、このように構成された投入部3は、
図1及び
図2に示すように、カバー部本体20の上面20aに着脱自在に取り付けられることとなる。
【0023】
<フレーム部の説明>
フレーム部4は、
図5(b)に示すように縦長矩形状のフレーム部本体40を有している。このフレーム部本体40は、
図5(a)に示すように、上面40aが開放され、
図5(b)に示す下面40bが閉止されて、内部に空間S3(
図5(a)参照)が形成された筒状に形成されている。そして、このフレーム部本体40の上面40aの外周部には、
図5(a)に示すように、略十字形状のフランジ部41が一体的に形成されている。このフランジ部41の一端部41a(
図5(a)に示す下側、
図5(b)に示す左側)には、蓋部6が回動可能に連結される横長略矩形状の軸部42が一体的に設けられ、フランジ部41の他端部41b(
図5(a)に示す上側、
図5(b)に示す右側)には、蓋部6を着脱自在に連結可能な略矩形状の連結部43が一体的に設けられている。
【0024】
一方、
図5(b)に示すように、フレーム部本体40の下面40bには、側面視縦長矩形状の支持部44が離間して一対設けられており、この一対の支持部44の上面44aには、フレーム部本体40の下面40bが溶接等によって一体的に設けられている。そして、
図5(b)に示すように、この一対の支持部44の内周面44bの上面44a側には、側面視凹状の連結部材45が溶接等によって一体的に設けられている。そしてさらには、
図5(b)に示すように、一対の支持部44の内周面44bの下面44c側には、側面視略矩形状のペダル46が設けられている。このペダル46は、
図2に示す矢印Y1方向に回動できるように、
図5(b)に示すペダル46の下面46a側に、回転軸47が設けられており、この回転軸47は、一対の支持部44間に架設されている。これにより、この回転軸47を基点として、ペダル46は、
図2に示す矢印Y1方向に回動できるようになっている。一方、
図5(b)に示すように、ペダル46の上面46b側には、連結軸48が設けられており、この連結軸48は、一対の支持部44間を貫通するように設けられている。
【0025】
かくして、このように構成されたフレーム部4は、
図1及び
図2に示すように、カバー部本体20の空間S1(
図3(a)参照)内に着脱自在に収納されることとなる。
【0026】
<吸殻収容部の説明>
吸殻収容部5は、
図6(b)に示すように、縦長矩形状の吸殻収容部本体50を有している。この吸殻収容部本体50は、煙草の吸殻を収容することができるもので、上面50aが、
図6(a)に示すように、開放され、
図6(b)に示す下面50bが閉止されて、内部に空間S4(
図6(a)参照)が形成された筒状に形成されている。そして、この吸殻収容部本体50の上面50aの外周部には、
図6(a)に示すように、台形状のフランジ部51が一体的に形成されている。
【0027】
かくして、このように構成された吸殻収容部5は、
図1及び
図2に示すように、フレーム部本体40の空間S3(
図5(a)参照)内に着脱自在に収納される。この際、
図5(b)に示すように、フレーム部本体40の下面40b側には、側面視矩形状の載置台40cが内部に設けられていることから、この載置台40c上に吸殻収容部本体50の下面50bが載置されることとなる。これにより、
図1及び
図2に示すように、吸殻収容部5が、フレーム部本体40の空間S3(
図5(a)参照)内に着脱自在に収納された際、吸殻収容部5のフランジ部51は、フレーム部本体40のフランジ部41より、若干上方に位置することとなる。しかして、このようにすれば、吸殻収容部5を、フレーム部本体40内から取り外す際、使用者は、吸殻収容部5のフランジ部51を簡単容易に把持することができることとなる。これにより、吸殻収容部5を、フレーム部本体40内から簡単に取り外すことが可能となる。
【0028】
<蓋部の説明>
蓋部6は、
図7(b)に示すように、側面視矩形状に形成された蓋部本体60を有している。
図7(b)に示すように、この蓋部本体60の一端部60a(
図7(b)に示す左側)は、軸部42に回動自在に連結されている。これにより、軸部42を基点として蓋部本体60が、矢印Y2方向に回動できることとなる。そして、
図7(b)に示すように、この蓋部本体60の他端部60b(
図7(b)に示す右側)は、連結部43に着脱自在に連結されることとなる。これにより、軸部42を基点として蓋部本体60が回動し、蓋部本体60の他端部60b(
図7(b)に示す右側)が連結部43に連結すれば、フレーム部本体40の空間S3(
図5(a)参照)内に着脱自在に収納された吸殻収容部5の上面50a(
図6参照)は、蓋部本体60により閉止されることとなる。そして、軸部42を基点として蓋部本体60が回動し、蓋部本体60の他端部60b(
図7(b)に示す右側)が連結部43の連結から解放されれば(
図7(b)に示す蓋部本体60の破線部分参照)、フレーム部本体40の空間S3(
図5(a)参照)内に着脱自在に収納された吸殻収容部5の上面50a(
図6参照)は、開放されることとなる。
【0029】
一方、
図7(a)に示すように、蓋部本体60の上面60cの略中央部には、矩形状の開口窓60dが上下方向に貫通して設けられている。なお、この開口窓60dの大きさは、投入部3の投入口32の大きさと略同一となるように形成されている。
【0030】
一方、この開口窓60dの上方には、この開口窓60dを、
図8(b)に示すように開放、又は、
図8(a)に示すように閉止することができる開閉部7が設けられている。この開閉部7は、
図7(a)及び
図8に示すように、矩形状のスライド板70と、このスライド板70を開口窓60dに対して矢印Y3方向にスライドさせることができる一対のガイドレール71と、で主に構成されている。このスライド板70には、
図8(b)に示すように、開口窓60dを開放させる方向(
図8に示す下方向)に移動させることができる第1移動手段8と、
図8(a)に示すように、開口窓60dを閉止させる方向(
図8に示す上方向)に移動させることができる第2移動手段9とが設けられている。
【0031】
第1移動手段8は、
図7(a)及び
図8に示すように、スライド板70の一端部70aに連結されている第1連結稈8aと、
図7(b)に示す第1連結稈8aの円弧状の孔8a1内に連結されているL字状の第2連結稈8bと、第2連結稈8bの下端部8b1に連結されている棒状の第3連結稈8cと、で構成されている。この第3連結稈8cの下端部8c1は、
図1及び
図2に示すように、矩形状の連結板10を介して、ペダル46の上面46bに設けられている連結軸48に連結されている。これにより、
図2に示すペダル46が踏まれると、ペダル46が下方向(
図2に示す破線部分参照)に移動し、もって、連結軸48も下方向に移動することとなる。それゆえ、第3連結稈8cも下方向に移動することとなる。しかして、第3連結稈8cの下方向の移動に伴い、第2連結稈8bも下方向に移動し、もって、第1連結稈8aが、スライド板70を、
図8(b)に示すように、開口窓60dを開放させる方向(
図8に示す下方向)に移動させることとなる。
【0032】
一方、第2移動手段9は、
図7(a)及び
図8に示すように、スライド板70の一端部70aに離間して設けられている矩形状の一対の第1取付枠9aと、蓋部本体60の上面60cの他端部60b側に設けられている横長矩形状の第2取付枠9bと、一対の第1取付枠9aと第2取付枠9b間に離間して取り付けられている一対のコイルバネ9cと、で構成されている。これにより、スライド板70は、一対のコイルバネ9cによって、通常は、
図8(a)に示すように、開口窓60dを閉止させる方向(
図8に示す上方向)に付勢されている。しかしながら、上記説明したように、
図2に示すペダル46が踏まれると、第1連結稈8aが、スライド板70を、
図8(b)に示すように、開口窓60dを開放させる方向(
図8に示す下方向)に移動させる。この際、スライド板70は、一対のコイルバネ9cの弾性力に抗して、第1連結稈8aによって、開口窓60dを開放させる方向(
図8に示す下方向)に移動することとなる。それゆえ、ペダル46が踏まれなくなると、一対のコイルバネ9cによって、スライド板70は、開口窓60dを閉止させる方向(
図8に示す上方向)に付勢され、もって、スライド板70が、
図8(a)に示すように、開口窓60dを閉止する方向(
図8に示す上方向)に移動させられることとなる。この際、スライド板70の移動に伴い、第1連結稈8aも移動することなるから、第2連結稈8bも移動し、それに伴い、第3連結稈8cが上方向に移動することとなる。それゆえ、第3連結稈8cの上方向の移動に伴い、連結軸48も上方向に移動することとなるから、ペダル46は、上方向(
図2に示す実線部分参照)に移動し、
図2に示すように、踏まれる前の状態に戻ることとなる。
【0033】
<灰皿の使用方法の説明>
かくして、上記のように構成される灰皿1は、次のように使用される。すなわち、
図1及び
図2に示すように、カバー部2のカバー部本体20内にフレーム部4を収納し、フレーム部4のフレーム部本体40内に吸殻収容部5を収納する。そして、フレーム部本体40の軸部42に蓋部本体60を連結し、蓋部本体60を連結部43に連結することで、吸殻収容部5の上面50a(
図2参照)を閉止する。そしてさらに、この状態でカバー部本体20の上面20aに投入部3を取り付ける。この際、投入部3の投入口32と、蓋部6の開口窓60dとが対向する位置になる。
【0034】
しかして、この状態で、投入部3の投入口32内に煙草の吸殻が投入され、
図2に示すペダル46が踏まれると、第1連結稈8aが、スライド板70を、
図8(b)に示すように、開口窓60dを開放させる方向(
図8に示す下方向)に移動させることとなる。これにより、投入口32と、蓋部6の開口窓60dとが対向する位置になっているから、投入口32内に投入された煙草の吸殻が開口窓60dを通って、吸殻収容部本体50内に収容されることとなる。そして、ペダル46が踏まれなくなると、一対のコイルバネ9cによって、スライド板70は、開口窓60dを閉止させる方向(
図8に示す上方向)に付勢され、もって、スライド板70が、
図8(a)に示すように、開口窓60dを閉止する方向(
図8に示す上方向)に移動させられることとなる。これにより、吸殻収容部本体50内は、密閉されることとなるから、吸殻収容部本体50内の既存の空気以外、新たな空気が吸殻収容部本体50内に流入することができず、もって、吸殻収容部本体50内に収容された煙草の吸殻が、さらに燃えようとしても酸欠状態でこれ以上燃えることができなくなり、自然に鎮火(消火)することとなる。
【0035】
しかして、以上説明した本実施形態によれば、投入部3の投入口32に煙草の吸殻が投入されると、開閉部7によって開口窓60dが開放される。この際、投入口32が開口窓60dと対向する位置となっているから、煙草の吸殻は、開口窓60dを通って、吸殻収容部5に収容されることとなる。そしてその後、開閉部7によって開口窓60dを閉止するようにすれば、吸殻収容部5内は蓋部6によって密閉された状態となる。これにより、吸殻収容部5内の既存の空気以外、新たな空気が吸殻収容部5内に流入することができず、もって、吸殻収容部5内に収容された煙草の吸殻が、さらに燃えようとしても酸欠状態でこれ以上燃えることができなくなり、自然に鎮火(消火)することとなる。
【0036】
しかして、本実施形態によれば、煙草の火を消火するための水が不要となるため、従来のように、水に収容された煙草の臭いが部屋に充満する可能性が無く、さらには、煙草の火が消火できず火事になる可能性も無く、煙が漏れる可能性も無い。またさらには、水を入れ替える必要もないことから、清掃作業が簡単容易となる。これにより、本実施形態によれば、水を使用せずとも、煙草の火を消火することができると共に、清掃作業が簡単容易となる。
【0037】
また、本実施形態によれば、吸殻収容部本体50内に収容された煙草の吸殻を廃棄するにあたっては、投入部3をカバー部本体20の上面20aから取り外し、軸部42を基点として蓋部本体60を回動させ、蓋部本体60が連結部43の連結から解放されれば、フレーム部本体40内から吸殻収容部5を取り外すことができる。これにより、簡単容易に、吸殻収容部本体50内に収容された煙草の吸殻を廃棄することができることとなるから、清掃作業がより簡単容易となる。
【0038】
なお、本実施形態において示した形状等はあくまで一例であり、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば、本実施形態において示した、カバー部2、投入部3、フレーム部4、吸殻収容部5、蓋部6の形状はあくまで一例であり、どのような形状でも良い。例えば、第1移動手段8は、スライド板70を開口窓60dが開放する方向に移動させれば良く、第2移動手段9は、スライド板70を開口窓60dが閉止する方向に移動させれば良い。これにより、簡単容易に開口窓60dを開閉することができる。そのため、第1移動手段8及び第2移動手段9は、本実施形態にて示した形状でなくともどのような形状でも良い。しかしながら、本実施形態にて示した第1移動手段8及び第2移動手段9の形状によれば、使用者は、ペダル46を踏むだけで、開口窓60dを開放させることができ、ペダル46を踏むのをやめるだけで、開口窓60dを閉止させることができることとなる。それゆえ、極めて簡単容易に開口窓60dを開閉することができる。そのため、本実施形態にて示した第1移動手段8及び第2移動手段9の形状にするのが好ましい。
【符号の説明】
【0039】
1 灰皿
3 投入部
32 投入口
4 フレーム部(収納部)
46 ペダル
5 吸殻収容部
6 蓋部
60d 開口窓
7 開閉部
70 スライド板
8 第1移動手段
8a 第1連結稈(引っ張り部)
8b 第2連結稈(引っ張り部)
8c 第3連結稈(引っ張り部)
9 第2移動手段
9c コイルバネ(弾性体)