(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-29
(45)【発行日】2023-09-06
(54)【発明の名称】変異型シトクロムタンパク質およびその利用
(51)【国際特許分類】
C12N 15/31 20060101AFI20230830BHJP
C07K 14/80 20060101ALI20230830BHJP
C12N 1/15 20060101ALI20230830BHJP
C12N 1/19 20060101ALI20230830BHJP
C12N 1/21 20060101ALI20230830BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20230830BHJP
C12N 9/02 20060101ALI20230830BHJP
C12N 9/04 20060101ALI20230830BHJP
C12Q 1/26 20060101ALI20230830BHJP
C12Q 1/32 20060101ALI20230830BHJP
G01N 27/327 20060101ALI20230830BHJP
G01N 27/416 20060101ALI20230830BHJP
【FI】
C12N15/31 ZNA
C07K14/80
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12N9/02
C12N9/04 D
C12Q1/26
C12Q1/32
G01N27/327 353
G01N27/416 338
(21)【出願番号】P 2017131345
(22)【出願日】2017-07-04
【審査請求日】2020-06-16
【審判番号】
【審判請求日】2022-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000141897
【氏名又は名称】アークレイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100126505
【氏名又は名称】佐貫 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100105407
【氏名又は名称】高田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】早出 広司
(72)【発明者】
【氏名】島▲崎▼ 順子
(72)【発明者】
【氏名】森 一茂
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 勝博
【合議体】
【審判長】上條 肇
【審判官】長井 啓子
【審判官】飯室 里美
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-090563(JP,A)
【文献】国際公開第2005/030807(WO,A1)
【文献】国際公開第2006/137283(WO,A1)
【文献】Electrochemistry Communications,2011,vol.13,pp.1240-1243
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12Q 1/00 - 3/00
C07K 1/00 - 19/00
C12N 1/00 - 15/90
CA/MEDLINE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
UniProt/GeneSeq
PubMed
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号4のアミノ酸配列または配列番号4と60%以上のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列からなり、3つのヘム結合ドメインを有する
、シトクロム
Cタンパク質において、N末端側から数えて1番目の第1ヘム結合ドメインおよび2番目の第2ヘム結合ドメインが欠損した、変異型シトクロム
Cタンパク質。
【請求項2】
前記第1および第2ヘム結合ドメインを含む領域が欠損した、請求項1に記載の変異型シトクロム
Cタンパク質。
【請求項3】
前記第1および第2ヘム結合ドメインを含む領域が配列番号4の43~195の領域に相当する、請求項2に記載の変異型シトクロム
Cタンパク質。
【請求項4】
シトクロムCタンパク質がブルクホルデリア属微生物に由来する、請求項
1~3のいずれか一項に記載の変異型シトクロム
Cタンパク質。
【請求項5】
シトクロムCタンパク質がブルクホルデリア・セパシアに由来する、請求項
4に記載の変異型シトクロム
Cタンパク質。
【請求項6】
改変前のシトクロムCタンパク質が、配列番号4と80%以上のアミノ酸配列同一性を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の変異型シトクロムCタンパク質。
【請求項7】
改変前のシトクロム
Cタンパク質が、配列番号4と
90%以上のアミノ酸配列同一性を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の変異型シトクロム
Cタンパク質。
【請求項8】
配列番号4のアミノ酸番号314~425のアミノ酸配列、配列番号4のアミノ酸番号330~425のアミノ酸配列、またはこれらのアミノ酸配列において1または数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入もしくは付加されたアミノ酸配列(ただし、アミノ酸番号334~338のCXXCHモチーフは改変されない)からなる、請求項1~7のいずれか一項
に記載の変異型シトクロム
Cタンパク質。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の変異型シトクロム
Cタンパク質をコードするDNA。
【請求項10】
請求項9に記載のDNAを含む組み換えベクター。
【請求項11】
請求項10に記載の組み換えベクターで形質転換された形質転換細胞。
【請求項12】
請求項1~8のいずれか一項に記載の変異型シトクロム
Cタンパク質および酸化還元酵素の触媒サブユニットタンパク質を含む、酸化還元酵素・シトクロム複合体。
【請求項13】
酸化還元酵素がグルコースデヒドロゲナーゼである、請求項12に記載の酸化還元酵素・シトクロム複合体。
【請求項14】
請求項12または13に記載の酸化還元酵素・シトクロム複合体を含むバイオセンサ。
【請求項15】
請求項14に記載のバイオセンサに試料を添加し、電位を印加して応答電流を測定し、応答電流に基づいて試料に含まれる測定対象物質の濃度を算出することを特徴とする、測定対象物質の測定方法。
【請求項16】
印加電位が銀・塩化銀電極に対して0~+300mVである、請求項15に記載の測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は低電位でも電子授受が可能な変異型シトクロムタンパク質に関する。本発明の変異型シトクロムタンパク質はバイオセンサ等に好適に使用することができ、生化学分野、医療分野等で有用である。
【背景技術】
【0002】
電子受容タンパク質としてはシトクロムタンパク質が知られており、酸化還元酵素の触媒サブユニットと複合体を形成させて電気化学的センサとして使用されている。
例えば、特許文献1には、ブルクホルデリア属の微生物に由来する、グルコースデヒドロゲナーゼの触媒サブユニット(αサブユニット)とシトクロムCサブユニット(βサブユニット)の複合体をバイオセンサとして使用することが開示されている(特許文献1)。このようなバイオセンサは生体試料中のグルコース濃度などの測定に使用されるが、より精度よく測定するためにはタンパク質を改変するなどにより、測定感度を向上させることが求められる。
これまでに、電気化学的センサタンパク質の変異体としては主に触媒サブユニットの変異体が研究されており、シトクロムタンパク質の変異体はほとんど研究されてこなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
酸化還元電流を観測するバイオセンサを用いた目的物質の測定においては、試料中に含まれる還元物質の影響を低減するために、酵素および酵素複合体と電極間の電子授受が観測される範囲で酸化還元電位を下げることが望ましい。
【0005】
しかしながら、従来の天然のシトクロムタンパク質を電子受容タンパク質として用いて酸化還元電流を観測する場合には電極に大きな電位の印加を要する。例えば、特許文献1の実施例7では銀・塩化銀電極に対して+350mVの電位を印加しており、この電位においてはアスコルビン酸やアセトアミノフェンのような還元性物質が酸化されることによる測定値への正バイアスが生じることが懸念される。
【0006】
このような問題点を鑑み、本発明は、低電位印加で目的物質の測定が可能なバイオセンサに利用可能な変異型電子受容サブユニットタンパク質を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決するために、アミノ末端から数えて1番目の第1ヘム結合領域および2番目の第2ヘム結合領域を含む領域を欠損させた変異型シトクロムCタンパク質を作製し、これを用いてバイオセンサの評価を行った。その結果、驚くべきことに、第1および第2ヘム結合領域を含む領域を欠損させた変異型シトクロムCタンパク質はヘム結合領域が1つ(第3のヘム結合領域)しかないにもかかわらず触媒サブユニットから電子を受容することができ、従来よりも低電位で目的物質に応じた電流を流すことができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]3つのヘム結合ドメインを有するシトクロムタンパク質において、N末端側から数
えて1番目の第1ヘム結合ドメインおよび2番目の第2のヘム結合ドメインが欠損した、変異型シトクロムタンパク質。
[2]前記第1および第2のヘム結合ドメインを含む領域が欠損した、[1]に記載の変異型シトクロムタンパク質。
[3]前記第1および第2のヘム結合ドメインを含む領域が配列番号4の43~195の領域に相当する、[2]に記載の変異型シトクロムタンパク質。
[4]シトクロムタンパク質がシトクロムCタンパク質である、[1]~[3]のいずれかに記載の変異型シトクロムタンパク質。
[5]シトクロムCタンパク質がブルクホルデリア属微生物に由来する、[4]に記載の変異型シトクロムタンパク質。
[6]シトクロムCタンパク質がブルクホルデリア・セパシアに由来する、[5]に記載の変異型シトクロムタンパク質。
[7]改変前のシトクロムタンパク質が、配列番号4と60%以上のアミノ酸配列同一性を有する、[1]~[6]のいずれかに記載の変異型シトクロムタンパク質。
[8]配列番号4のアミノ酸番号314~425のアミノ酸配列、配列番号4のアミノ酸番号330~425のアミノ酸配列、またはこれらのアミノ酸配列において1または数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入もしくは付加されたアミノ酸配列(ただし、アミノ酸番号334~338のCXXCHモチーフは改変されない)からなる、[1]~[7]のいずれかに記載の変異型シトクロムタンパク質。
[9][1]~[8]のいずれかに記載の変異型シトクロムタンパク質をコードするDNA。
[10][9]に記載のDNAを含む組み換えベクター。
[11][10]に記載の組み換えベクターで形質転換された形質転換細胞。
[12][1]~[8]のいずれかに記載の変異型シトクロムタンパク質および酸化還元酵素の触媒サブユニットタンパク質を含む、酸化還元酵素・シトクロム複合体。
[13]酸化還元酵素がグルコースデヒドロゲナーゼである、[12]に記載の酸化還元酵素・シトクロム複合体。
[14][12]または[13]に記載の酸化還元酵素・シトクロム複合体を含むバイオセンサ。
[15][14]に記載のバイオセンサに試料を添加し、電位を印加して応答電流を測定し、応答電流に基づいて試料に含まれる測定対象物質の濃度を算出することを特徴とする、測定対象物質の測定方法。
[16]印加電位が銀・塩化銀電極に対して0~+300mVである、[15]に記載の測定方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、従来より低い電位(例えば、銀・塩化銀電極に対して0~+300mV、好ましくは0~+150mV、より好ましくは0~+100mV)で作動する電気化学的バイオセンサの構築が可能であり、試料中の還元物質による干渉を抑えて、グルコース等の測定対象物質の正確な測定をすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】野生型βサブユニットを含むグルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)複合体を含むグルコースセンサ、またはN末側欠損型βサブユニットを含むGDH複合体を含むグルコースセンサを用いたクロノアンペアメトリーの結果を示す図(印加電位は0,+100,+400mV)。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の変異型シトクロムタンパク質は、3つのヘム結合ドメインを有するシトクロムタ
ンパク質の変異体であって、N末端側から数えて1番目の第1ヘム結合ドメインおよび2番目の第2のヘム結合ドメインが欠損した、変異型シトクロムタンパク質である。
【0012】
シトクロムタンパク質はヘム結合ドメインを3つ有しており、本明細書では、N末側から数えて1,2,3番目のヘム結合ドメインをそれぞれ第1、第2、第3のヘム結合ドメインと呼ぶ。ヘム結合ドメインは一般的にCXXCH(配列番号5)(Xは任意のアミノ酸)で表され、本発明の変異型シトクロムタンパク質では第1および第2のヘム結合ドメインが欠損するように改変されている。
【0013】
ここで、「第1および第2のヘム結合ドメインが欠損するように改変されている」とは、第1および第2のCXXCHモチーフが欠損されていることを意味する。
【0014】
CXXCHモチーフの欠損には、CXXCHモチーフを含む領域の欠損も含まれ、第1ヘム結合ドメインを含む領域と第2ヘム結合ドメインを含む領域のそれぞれが欠損していてもよいし、第1および第2ヘム結合ドメインを含む領域が欠損していてもよい。
【0015】
シトクロムタンパク質としては、シトクロムCタンパク質が好ましく、配列番号4で表されるブルクホリデリア・セパシアのシトクロムCタンパク質(グルコースデヒドロゲナーゼのβサブユニット)が挙げられる。
以下、ブルクホリデリア・セパシアのシトクロムCタンパク質を代表例として説明する。
【0016】
配列番号4においては、第1のヘム結合ドメイン(アミノ酸番号43~47)、第2のヘム結合ドメイン(アミノ酸番号191~195)、第3のヘム結合ドメイン(アミノ酸番号334~338)が存在する。これら第1ヘム結合ドメインおよび第2ヘム結合ドメインが欠損されるが、第1および第2ヘム結合ドメインを含む領域(アミノ酸番号43~195)が欠損していてもよい。
【0017】
第3のヘム結合ドメインが維持され、変異型シトクロムCタンパク質としての機能を発揮する限り、すなわち、電子授受機能が損なわれない限り、第1および第2ヘム結合ドメインを含む領域(アミノ酸番号43~195)は少なくともこの領域が欠損していればよく、配列番号4におけるその前後のアミノ酸を含めて欠損してもよい。例えば、配列番号4のN末側からアミノ酸番号195までが欠損してもよく、例えば、第1および第2ヘム結合ドメインを含む領域が欠損した変異型シトクロムCタンパク質として配列番号4のアミノ酸番号314~425または330~425からなる変異型シトクロムCタンパク質が挙げられる。ただし、これらの配列において、N末端側及び/またはC末端側に任意のタグ配列やシグナル配列(例えば、配列番号4のアミノ酸番号1~27)などが付加されてもよい。
【0018】
なお、本発明の変異型シトクロムタンパク質は配列番号4のアミノ酸番号314~425からなるアミノ酸配列または配列番号4のアミノ酸番号330~425からなるアミノ酸配列そのものに限定されず、電子授受機能が損なわれない限り、これらの配列において、第3のヘム結合ドメイン(アミノ酸番号334~338)以外の1または数個のアミノ酸が置換、欠失、付加または挿入された配列でもよい。ここで、「1又は数個」とは、例えば、1~20個、好ましくは1~10個、より好ましくは1~8個、さらに好ましくは1~5個、特に好ましくは1~3個である。また、置換は保存的な置換が好ましく、「保存的置換」とは、酸性アミノ酸同士の置換、中性アミノ酸同士の置換、塩基性アミノ酸同士の置換など、性質が類似したアミノ酸同士の置換をいう。また、配列番号4のアミノ酸番号314~425からなるアミノ酸配列のN末側には、配列番号4のアミノ酸番号196~313からなるアミノ酸配列のC末側配列の一部が付加されてよいし、配列番号4のアミノ酸番号330~425からなるアミノ酸配列のN末側には、配列番号4のアミノ酸番
号196~329からなるアミノ酸配列のC末側配列の一部が付加されてよい。
なお、本発明の変異型シトクロムCタンパク質は、第3のヘム結合ドメイン(アミノ酸番号334~338)が保持され、電子授受機能が損なわれない限り、配列番号4のアミノ酸番号314~425からなるアミノ酸配列または配列番号4の330~425からなるアミノ酸配列と、80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するタンパク質であってもよい。
【0019】
なお、配列番号4はブルクホリデリア・セパシアKS1株が保持するGDH βサブユニットのアミノ酸配列であるが、KS1株は、平成12年9月25日に独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(現独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)〒292-0818 日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8)に、受託番号第FERM BP-7306として寄託されている。
【0020】
本発明において、上記改変が導入される前のシトクロムCタンパク質は配列番号4で表されるブルクホリデリア・セパシアのシトクロムCタンパク質に限定されず、第1、第2、第3のヘム結合ドメインを有するものであればよいが、例えば、配列番号4のホモログが使用でき、好ましくは配列番号4と60%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上の同一性を有する配列番号4のホモログが使用できる。
【0021】
配列番号4と60%以上の配列同一性を有するシトクロムCタンパク質のアミノ酸配列としては、ブルクホリデリア属のシトクロムCタンパク質が好ましく、Burkholderia cepacia J2315株のシトクロムタンパク質(配列番号6)、Burkholderia cenocepaciaのシトクロムCタンパク質(配列番号7)、Burkholderia multivoransのシトクロムCタンパク質(配列番号8)、Burkholderia ubonensisのシトクロムCタンパク質(配列番号9)、Burkholderia stagnalisのシトクロムCタンパク質(配列番号10)、Burkholderia thailandensisのシトクロムCタンパク質(配列番号11)が例示される。
また、ブルクホリデリア属以外のシトクロムタンパク質であってもよく、例えば、Ralstonia solanacearumのシトクロムタンパク質(配列番号12)やRalstonia pickettiiのシ
トクロムタンパク質(配列番号13)が例示される。ただし、これらに限定はされず、その他の生物由来のシトクロムCタンパク質でもよい。配列番号4と60%以上の配列同一性を有するシトクロムCタンパク質のアミノ酸配列の例をNational Center for Biotechnology Information(NCBI)のProtein Databaseのアクセション番号にて以下に示す。こ
れらの配列ではヘム結合ドメインが3つ存在し、アミノ末端側から数えて1、2番目の第1ヘム結合ドメインおよび第2ヘム結合ドメインを欠損させることで本発明の変異型シトクロムタンパク質が得られる。
【0022】
WP_006403391.1 MULTISPECIES: cytochrome C [Burkholderia]
AAQ06608.1 glucose dehydrogenase beta subunit [Burkholderia cepacia]
WP_006396899.1 cytochrome C [Burkholderia multivorans](配列番号8)
SAJ95286.1 gluconate 2-dehydrogenase (acceptor) [Burkholderia multivorans]
WP_006412653.1 cytochrome C [Burkholderia multivorans]
WP_060041792.1 cytochrome C [Burkholderia multivorans]
WP_060112921.1 cytochrome C [Burkholderia multivorans]
WP_060182288.1 cytochrome C [Burkholderia multivorans]
WP_060151834.1 cytochrome C [Burkholderia multivorans]
WP_048804658.1 cytochrome C [Burkholderia multivorans]
WP_059786407.1 cytochrome C [Burkholderia multivorans]
WP_035955019.1 cytochrome C [Burkholderia multivorans]
WP_059585013.1 cytochrome C [Burkholderia anthina]
WP_006482958.1 MULTISPECIES: cytochrome C [Burkholderia cepacia complex](配列番
号6)
WP_048988065.1 cytochrome C [Burkholderia cenocepacia] (配列番号7)
WP_084751507.1 cytochrome C [Burkholderia cenocepacia]
WP_077186512.1 cytochrome C [Burkholderia cenocepacia]
WP_069351905.1 cytochrome C [Burkholderia cenocepacia]
WP_059783319.1 cytochrome C [Burkholderia sp. NRF60-BP8]
WP_060263394.1 cytochrome C [Burkholderia cenocepacia]
WP_059836247.1 cytochrome C [Burkholderia sp. MSMB1835]
WP_059556637.1 cytochrome C [Burkholderia seminalis]
WP_063551853.1 cytochrome C [Burkholderia territorii]
WP_060310848.1 cytochrome C [Burkholderia anthina]
WP_034187893.1 MULTISPECIES: cytochrome C [Burkholderia cepacia complex]
WP_059789576.1 cytochrome C [Burkholderia sp. MSMB1072]
WP_059500343.1 MULTISPECIES: cytochrome C [Burkholderia cepacia complex]
WP_034204695.1 MULTISPECIES: cytochrome C [Burkholderia cepacia complex]
WP_011882359.1 cytochrome C [Burkholderia vietnamiensis]
WP_060968838.1 cytochrome C [Burkholderia anthina]
WP_077204198.1 cytochrome C [Burkholderia cenocepacia]
WP_050012790.1 cytochrome C [Burkholderia cenocepacia]
WP_011547563.1 MULTISPECIES: cytochrome C [Burkholderia]
WP_014724780.1 MULTISPECIES: cytochrome C [Burkholderia]
WP_059453668.1 cytochrome C [Burkholderia vietnamiensis]
WP_034195126.1 MULTISPECIES: cytochrome C [Burkholderia]
WP_027812584.1 cytochrome C [Burkholderia cenocepacia]
WP_059720348.1 cytochrome C [Burkholderia vietnamiensis]
WP_059548127.1 cytochrome C [Burkholderia vietnamiensis]
WP_044843288.1 cytochrome C [Burkholderia sp. USM B20]
WP_059577619.1 cytochrome C [Burkholderia vietnamiensis]
WP_059459380.1 cytochrome C [Burkholderia vietnamiensis]
WP_059451171.1 cytochrome C [Burkholderia territorii]
WP_027780832.1 cytochrome C [Burkholderia cepacia]
WP_077217239.1 cytochrome C [Burkholderia cenocepacia]
WP_059539736.1 cytochrome C [Burkholderia diffusa]
WP_059507572.1 cytochrome C [Burkholderia territorii]
AOJ19136.1 cytochrome C [Burkholderia cenocepacia]
WP_027806162.1 cytochrome C [Burkholderia cenocepacia]
WP_060107812.1 cytochrome C [Burkholderia territorii]
WP_059822261.1 cytochrome C [Burkholderia sp. MSMB1826]
WP_059464697.1 cytochrome C [Burkholderia diffusa]
WP_059240315.1 cytochrome C [Burkholderia cepacia]
WP_059734410.1 cytochrome C [Burkholderia vietnamiensis]
WP_069227164.1 cytochrome C [Burkholderia diffusa]
WP_060118353.1 cytochrome C [Burkholderia territorii]
WP_069617959.1 cytochrome C [Burkholderia sp. A2]
WP_060347293.1 cytochrome C [Burkholderia territorii]
WP_059702517.1 cytochrome C [Burkholderia vietnamiensis]
WP_060126789.1 cytochrome C [Burkholderia territorii]
WP_069260162.1 cytochrome C [Burkholderia metallica]
WP_059978049.1 cytochrome C [Burkholderia territorii]
WP_059691288.1 cytochrome C [Burkholderia sp. RF4-BP95]
WP_040140035.1 MULTISPECIES: cytochrome C [Burkholderia cepacia complex]
WP_011349243.1 cytochrome C [Burkholderia lata]
WP_059533875.1 MULTISPECIES: cytochrome C [Burkholderia cepacia complex]
WP_059547167.1 cytochrome C [Burkholderia latens]
WP_057924955.1 cytochrome C [Burkholderia ambifaria]
WP_059607236.1 cytochrome C [Burkholderia sp. LA-2-3-30-S1-D2]
WP_039351157.1 MULTISPECIES: cytochrome C [Burkholderia]
WP_046548033.1 cytochrome C [Burkholderia contaminans]
WP_006752013.1 cytochrome C [Burkholderia ambifaria]
WP_014899067.1 cytochrome C [Burkholderia cepacia]
WP_006756339.1 cytochrome C [Burkholderia ambifaria]
WP_059819259.1 cytochrome C [Burkholderia sp. MSMB0856]
WP_011354899.1 cytochrome C [Burkholderia lata]
WP_039320755.1 cytochrome C [Burkholderia sp. A9]
WP_035974222.1 MULTISPECIES: cytochrome C [Burkholderia cepacia complex]
WP_071332428.1 cytochrome C [Burkholderia contaminans]
WP_059684703.1 cytochrome C [Burkholderia sp. FL-7-2-10-S1-D7]
WP_048252126.1 cytochrome C [Burkholderia cepacia]
WP_069251790.1 cytochrome C [Burkholderia lata]
WP_011658978.1 cytochrome C [Burkholderia ambifaria]
WP_012366204.1 cytochrome C [Burkholderia ambifaria]
WP_072438780.1 MULTISPECIES: cytochrome C [Burkholderia]
WP_031400525.1 MULTISPECIES: cytochrome C [Burkholderia]
WP_034180248.1 cytochrome C [Burkholderia pyrrocinia]
WP_043184377.1 cytochrome C [Burkholderia cepacia]
WP_059729924.1 cytochrome C [Burkholderia cepacia]
WP_059713002.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis](配列番号9)
WP_065501791.1 cytochrome C [Burkholderia stabilis]
WP_059615074.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_085037374.1 cytochrome C [Burkholderia sp. CAMPA 1040]
WP_060359188.1 cytochrome C [Burkholderia cepacia]
WP_060333590.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059522548.1 cytochrome C [Burkholderia cepacia]
WP_059766841.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059637760.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_040131620.1 MULTISPECIES: cytochrome C [Burkholderia cepacia complex]
WP_060052348.1 cytochrome C [Burkholderia cepacia]
WP_021162032.1 MULTISPECIES: glucose dehydrogenase [Burkholderia]
WP_059666051.1 cytochrome C [Burkholderia cepacia]
WP_060375463.1 cytochrome C [Burkholderia cepacia]
WP_060371861.1 cytochrome C [Burkholderia cepacia]
WP_059697397.1 cytochrome C [Burkholderia cepacia]
WP_047903070.1 cytochrome C [Burkholderia pyrrocinia]
WP_027791850.1 cytochrome C [Burkholderia cepacia]
WP_059552416.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_060232513.1 cytochrome C [Burkholderia cepacia]
WP_059687063.1 cytochrome C [Burkholderia cepacia]
WP_060226065.1 cytochrome C [Burkholderia cepacia]
WP_060125713.1 cytochrome C [Burkholderia cepacia]
WP_059923490.1 cytochrome C [Burkholderia stagnalis](配列番号10)
WP_059565670.1 cytochrome C [Burkholderia stagnalis]
OJD09200.1 cytochrome C [Burkholderia sp. DNA89]
WP_060237338.1 cytochrome C [Burkholderia pseudomultivorans]
WP_059707234.1 cytochrome C [Burkholderia cepacia]
WP_060362538.1 cytochrome C [Burkholderia stagnalis]
WP_060159353.1 cytochrome C [Burkholderia stagnalis]
WP_069748432.1 cytochrome C [Burkholderia stabilis]
WP_059677336.1 cytochrome C [Burkholderia cepacia]
WP_059730424.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059813883.1 cytochrome C [Burkholderia cepacia]
WP_059993161.1 cytochrome C [Burkholderia stagnalis]
WP_060236459.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_076476708.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_010089725.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_060195541.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059971786.1 cytochrome C [Burkholderia pyrrocinia]
WP_060367052.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_060016611.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059924260.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_060048488.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059892434.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059488090.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059483872.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059865488.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059633519.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_060287380.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059853060.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059968663.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059752176.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059532869.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059660535.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059590294.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_026043943.1 cytochrome C [Burkholderia pyrrocinia]
WP_060264220.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_060019510.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059946330.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_042588017.1 MULTISPECIES: cytochrome C [Burkholderia]
WP_084908871.1 cytochrome C [[Pseudomonas] mesoacidophila]
WP_071751088.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_060094261.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059885808.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059878406.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_071852856.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_060161154.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059796027.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059835010.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059911385.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059744627.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_045565069.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_060276465.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_060052180.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059877204.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059918860.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059674217.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059626644.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059706954.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059610359.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_071751781.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_060345076.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_060056668.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059867004.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059846198.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059956839.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059801215.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_060374144.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_060228155.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_060449283.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_060088315.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_060141594.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059965520.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059733305.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059849627.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_060165437.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059712923.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059737856.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059659999.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059924960.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059777863.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_060058770.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059776014.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_060123897.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_060003887.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_071753220.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_069271183.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_060168536.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059937950.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059651010.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059952547.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059727989.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_060328321.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059872364.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059997503.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_071773630.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_059828379.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_060088886.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_060248705.1 cytochrome C [Burkholderia ubonensis]
WP_036661765.1 cytochrome C [Pandoraea sp. SD6-2]
WP_059573013.1 cytochrome C [Burkholderia sp. TSV86]
WP_006027348.1 MULTISPECIES: cytochrome C [Burkholderia]
WP_069235777.1 cytochrome C [Burkholderia sp. Bp7605]
WP_059514380.1 cytochrome C [Burkholderia sp. TSV85]
WP_063533919.1 cytochrome C [Burkholderia sp. MSMB1589WGS]
WP_059929957.1 MULTISPECIES: cytochrome C [pseudomallei group]
WP_060819951.1 cytochrome C [Burkholderia sp. BDU19]
WP_059646659.1 MULTISPECIES: cytochrome C [pseudomallei group]
WP_038746875.1 cytochrome C [Burkholderia sp. ABCPW 111]
WP_059669953.1 cytochrome C [Burkholderia sp. MSMB1498]
WP_038801472.1 cytochrome C [Burkholderia oklahomensis]
WP_060356553.1 cytochrome C [Burkholderia sp. MSMB617WGS]
WP_059582413.1 MULTISPECIES: cytochrome C [pseudomallei group]
WP_085508044.1 cytochrome C [Burkholderia pseudomallei]
WP_010118598.1 cytochrome C [Burkholderia oklahomensis]
WP_059597682.1 cytochrome C [Burkholderia sp. BDU6]
WP_025405690.1 cytochrome C [Burkholderia thailandensis]
WP_038742304.1 cytochrome C [Burkholderia pseudomallei]
WP_009900297.1 cytochrome C [Burkholderia thailandensis](配列番号11)
WP_004532924.1 cytochrome C [Burkholderia pseudomallei]
WP_058034623.1 cytochrome C [Burkholderia pseudomallei]
WP_038758421.1 cytochrome C [Burkholderia pseudomallei]
WP_038760788.1 cytochrome C [Burkholderia pseudomallei]
WP_004540659.1 cytochrome C [Burkholderia pseudomallei]
WP_085547264.1 cytochrome C [Burkholderia pseudomallei]
WP_076883397.1 cytochrome C [Burkholderia pseudomallei]
WP_059473995.1 cytochrome C [Burkholderia sp. BDU5]
WP_041191039.1 cytochrome C [Burkholderia pseudomallei]
WP_043296725.1 cytochrome C [Burkholderia thailandensis]
WP_063597172.1 cytochrome C [Burkholderia pseudomallei]
WP_066496408.1 cytochrome C [Burkholderia sp. BDU8]
WP_038799895.1 cytochrome C [Burkholderia pseudomallei]
WP_004539114.1 cytochrome C [Burkholderia pseudomallei]
WP_004524074.1 cytochrome C [Burkholderia pseudomallei]
WP_017881863.1 cytochrome C [Burkholderia pseudomallei]
WP_009897184.1 cytochrome C [Burkholderia thailandensis]
WP_004536717.1 cytochrome C [Burkholderia pseudomallei]
WP_076885712.1 cytochrome C [Burkholderia pseudomallei]
WP_066570748.1 cytochrome C [Burkholderia sp. ABCPW 14]
WP_076903220.1 cytochrome C [Burkholderia pseudomallei]
WP_076936464.1 cytochrome C [Burkholderia pseudomallei]
WP_076893617.1 cytochrome C [Burkholderia pseudomallei]
WP_043299328.1 cytochrome C [Burkholderia pseudomallei]
WP_038785043.1 cytochrome C [Burkholderia pseudomallei]
WP_041220968.1 cytochrome C [Burkholderia pseudomallei]
WP_076891198.1 cytochrome C [Burkholderia pseudomallei]
WP_076883909.1 cytochrome C [Burkholderia pseudomallei]
WP_004528232.1 cytochrome C [Burkholderia pseudomallei]
WP_085539130.1 cytochrome C [Burkholderia pseudomallei]
WP_038784065.1 cytochrome C [Burkholderia pseudomallei]
WP_038760183.1 cytochrome C [Burkholderia pseudomallei]
WP_038730591.1 cytochrome C [Burkholderia pseudomallei]
WP_038765827.1 cytochrome C [Burkholderia pseudomallei]
WP_076855330.1 cytochrome C [Burkholderia pseudomallei]
WP_004199672.1 cytochrome C [Burkholderia mallei]
KGC89207.1 cytochrome C family protein [Burkholderia pseudomallei]
EDO93432.1 glucose dehydrogenase, beta subunit [Burkholderia pseudomallei Pasteur 52237]
WP_011205494.1 cytochrome C subunit II [Burkholderia pseudomallei]
KGV82938.1 cytochrome C family protein [Burkholderia pseudomallei MSHR4375]
CDU31054.1 putative cytochrome C subunit II [Burkholderia pseudomallei]
KGV67566.1 cytochrome C family protein [Burkholderia pseudomallei MSHR4299]
EDK84065.1 cytochrome C family protein [Burkholderia mallei 2002721280]
WP_074287454.1 cytochrome C [Burkholderia sp. GAS332]
WP_035557403.1 cytochrome C [Burkholderia sp. 9120]
WP_084534186.1 cytochrome C [Paraburkholderia dilworthii]
WP_017774215.1 cytochrome C [Paraburkholderia kururiensis]
WP_030100524.1 cytochrome C [Burkholderia sp. K24]
WP_028194542.1 cytochrome C [Paraburkholderia fungorum]
WP_046573324.1 cytochrome C [Paraburkholderia fungorum]
WP_042300635.1 cytochrome C [Paraburkholderia kururiensis]
WP_084166897.1 cytochrome C [Paraburkholderia caledonica]
SDI05126.1 cytochrome C, mono-and diheme variants [Paraburkholderia phenazinium]WP_051120977.1 cytochrome C [Paraburkholderia bryophila]
WP_073428494.1 MULTISPECIES: cytochrome C [Burkholderiaceae]
WP_074300113.1 cytochrome C [Paraburkholderia phenazinium]
WP_074768708.1 cytochrome C [Paraburkholderia fungorum]
WP_075465130.1 cytochrome C [Ralstonia solanacearum]
WP_039597687.1 cytochrome C [Ralstonia sp. A12]
WP_055334967.1 cytochrome C [Ralstonia solanacearum]
WP_078223437.1 cytochrome C [blood disease bacterium A2-HR MARDI]
WP_013213209.1 cytochrome C [Ralstonia solanacearum]
WP_063393008.1 cytochrome C [Ralstonia mannitolilytica]
WP_003265144.1 cytochrome C, partial [Ralstonia solanacearum](配列番号12)
WP_039568931.1 cytochrome C [Ralstonia solanacearum]
WP_045786290.1 cytochrome C [Ralstonia mannitolilytica]
WP_064802148.1 cytochrome C [Ralstonia insidiosa]
WP_021195198.1 MULTISPECIES: cytochrome C [Ralstonia]
WP_004629446.1 cytochrome C, mono- and diheme variants family [Ralstonia pickettii]
WP_012435095.1 cytochrome C [Ralstonia pickettii]
WP_003279246.1 cytochrome C [Ralstonia solanacearum]
WP_048931829.1 cytochrome C [Ralstonia sp. MD27]
WP_027677928.1 cytochrome C [Ralstonia sp. UNC404CL21Col]
WP_012761509.1 cytochrome C [Ralstonia pickettii](配列番号13)
WP_045204557.1 cytochrome C [Burkholderiaceae bacterium 26]
CUV46938.1 Gluconate 2-dehydrogenase cytochrome C subunit [Ralstonia solanacearum]
WP_024973348.1 cytochrome C [Ralstonia pickettii]
AKZ27209.1 cytochrome C [Ralstonia solanacearum]
WP_020749403.1 oxidoreductase dehydrogenase (cytochrome C subunit) [Ralstonia solanacearum]
WP_024976325.1 cytochrome C [Ralstonia pickettii]
WP_049842155.1 cytochrome C [Ralstonia solanacearum]
WP_028852719.1 cytochrome C [Ralstonia solanacearum]
WP_071895582.1 cytochrome C [Ralstonia solanacearum]
SFP41323.1 cytochrome C, mono-and diheme variants [Ralstonia sp. NFACC01]
WP_064477581.1 cytochrome C [Ralstonia solanacearum]
WP_058908222.1 cytochrome C [Ralstonia solanacearum]
WP_009238766.1 MULTISPECIES: cytochrome C [Ralstonia]
CUV21878.1 Gluconate 2-dehydrogenase cytochrome C subunit [Ralstonia solanacearum]
WP_011000726.1 cytochrome C [Ralstonia solanacearum]
WP_071507651.1 cytochrome C [Ralstonia solanacearum]
WP_065857157.1 cytochrome C [Ralstonia pickettii]
WP_019717689.1 cytochrome C [Ralstonia solanacearum]
WP_071012822.1 cytochrome C [Ralstonia solanacearum]
WP_020831436.1 2-Keto-D-gluconate dehydrogenase [Ralstonia solanacearum]
CUV55668.1 Gluconate 2-dehydrogenase cytochrome C subunit [Ralstonia solanacearum]
【0023】
本発明の変異型シトクロムCタンパク質は、上述したような配列番号4と60%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列、例えば、配列番号6~13のいずれかのアミノ酸配列において、アミノ末端側から数えて1、2番目の第1および第2のヘム結合ドメインが欠損するように改変されたものも含まれる。例えば、配列番号6~13のいずれかのアミノ酸配列において、第1および第2のヘム結合ドメインが欠損したもの、配列番号6~13のいずれかのアミノ酸配列において、第1、第2のヘム結合ドメインを含む領域(配列番号4のアミノ酸番号43~195に相当する領域)が欠損したものでもよい。
【0024】
なお、改変のもととなる配列番号6~13のアミノ酸配列は改変部位および第3のヘム結合ドメイン以外において、1または数個のアミノ酸が置換、欠失、付加または挿入された配列でもよい。
【0025】
したがって、本発明の変異型シトクロムCタンパク質は、電子授受機能を保持する限り、配列番号6~13のいずれかのアミノ酸配列において第1および第2のヘム結合ドメインが欠損したアミノ酸配列、または、配列番号6~13のいずれかのアミノ酸配列において第1および第2のヘム結合ドメインを含む領域(配列番号4のアミノ酸番号43~195に相当する領域)が欠損したアミノ酸配列において、さらに、第3のヘム結合ドメイン以外の位置で、1または数個のアミノ酸が置換、欠失、付加または挿入された配列を有するタンパク質でもよい。ここで、「1又は数個」とは、例えば、1~20個、好ましくは1~10個、より好ましくは1~8個、さらに好ましくは1~5個、特に好ましくは1~3個である。また、置換は保存的な置換が好ましく、「保存的置換」とは、酸性アミノ酸同士の置換、中性アミノ酸同士の置換、塩基性アミノ酸同士の置換など、性質が類似したアミノ酸同士の置換をいう。
【0026】
<酸化還元酵素・シトクロム複合体>
本発明の変異型シトクロムタンパク質は、酸化還元酵素の触媒サブユニットとともに使用することができ、酸化還元反応により生じた電子を受け取り、その電子を電極へ渡すことができる。したがって、本発明の変異型シトクロムタンパク質を含む酸化還元酵素・シトクロム複合体は電気化学センサとして使用できる。電気化学センサは好ましくは変異型シトクロムタンパク質とグルコース酸化還元酵素を含むグルコースセンサである。
【0027】
<酸化還元酵素>
酸化還元酵素は、測定対象物質を酸化還元しうる酵素であればよいが、触媒サブユニットとして、ピロロキノリンキノン(PQQ)、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)のうち少なくとも一方を含む酵素の触媒サブユニットを挙げることができる。例えば、PQQを含
む酸化還元酵素として、PQQグルコースデヒドロゲナーゼ(PQQGDH)が挙げられ、FADを含む酸化還元酵素として、FADを含んだαサブユニットを持つシトクロムグルコースデヒド
ロゲナーゼ(CyGDH)、グルコースオキシダーゼ(GOD)が挙げられる。その他、コレステロールオキシダーゼ、キノヘムエタノールデヒドロゲナーゼ(QHEDH (PQQ Ethanol dh)、ソルビトールデヒドロゲナーゼ(Sorbitol DH)、D-フルクトースデヒドロゲナーゼ(Fructose DH)、セロビオースデヒドロゲナーゼ、乳酸デヒドロゲナーゼが挙げられる。
【0028】
この中ではグルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)が好ましい。
グルコースデヒドロゲナーゼはグルコースデヒドロゲナーゼ活性を有する限り特に制限されず、公知のものを含め種々の生物に由来するグルコースデヒドロゲナーゼ触媒サブユニットが使用できる。変異型シトクロムタンパク質と同じ微生物由来とすることもできるが、具体的には、例えば、ブルクホリデリア・セパシアKS1株由来の配列番号3のアミノ酸配列を有するαサブユニットタンパク質が使用できる。しかし、GDHのαサブユニットとして機能し得る限り、配列番号3のアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入、又は付加されたアミノ酸配列を有するタンパク質であってもよい。また、GDHのαサブユニットとして機能し得る限り、KS1株以外のαサブユニットのアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入、又は付加されたアミノ酸配列を有するタンパク質であってもよい。前記「1又は数個」とは、好ましくは1~20個、より好ましくは1~10個、特に好ましくは1~5個である。なお、グルコースデヒドロゲナーゼのαサブユニットタンパク質の酵素活性や基質特異性を向上させる変異は数多く知られており、それらの変異を有するグルコースデヒドロゲナーゼのαサブユニットタンパク質が使用できる。
【0029】
また、グルコースデヒドロゲナーゼ複合体は、本発明の変異型シトクロムタンパク質と触媒サブユニットに加え、γサブユニットをさらに含んでもよい。γサブユニットとしてはγサブユニットとして機能する限り特に制限されず、公知のものを含め種々の生物に由来するγサブユニットが使用できる。変異型シトクロムタンパク質と同じ微生物由来とすることもできるが、具体的には、例えば、ブルクホリデリア・セパシアKS1株由来の配列番号2のアミノ酸配列を有するタンパク質が使用できる。しかし、γサブユニットとして機能し得る限り、配列番号2からなるアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入、又は付加されたアミノ酸配列を有するタンパク質であってもよい。また、γサブユニットとして機能し得る限り、KS1株以外のγサブユニットのアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入、又は付加されたアミノ酸配列を有するタンパク質であってもよい。前記「1又は数個」とは、好ましくは1~15個、より好ましくは1~10個、特に好ましくは1~5個である。尚、γサブユニットとして機能するとは、αサブユニットとともに複合体を形成したときに同複合体のGDH活性を高める機能をいう。
【0030】
<DNA>
本発明はまた、変異型シトクロムタンパク質をコードするDNAを提供する。変異型シトクロムタンパク質を含むDNAは変異型シトクロムタンパク質のアミノ酸配列に基づき、その塩基配列が特定されうるが、例えば、野生型シトクロムタンパク質をコードするDNAにおいて、第1および第2ヘム結合ドメインまたはこれらを含む領域が欠損するように塩基配列を改変することで得ることができる。
例えば、ブルクホリデリア・セパシアのシトクロムタンパク質をコードするDNAの具体例として、グルコースデヒドロゲナーゼβサブユニットをコードする、配列番号1の塩基番号2386~3660からなる塩基配列を含むDNAが挙げられる。また、βサブユニ
ットをコードするDNAは、配列番号1の塩基番号2386~3660からなる塩基配列を有するDNAに限られず、当該塩基配列の相補配列を有するDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、βサブユニットとして機能し得るタンパク質をコードするDNAであってもよい。
変異型シトクロムタンパク質をコードするDNAとして、例えば、配列番号5の塩基番号3372~3660もしくは3325~3660からなる塩基配列を有するDNAや当該塩基配列の相補配列を有するDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、変異型シトクロムタンパク質として機能し得るタンパク質をコードするDNAが挙げられる。
【0031】
所望の変異を有する変異型シトクロムタンパク質は、シトクロムタンパク質をコードするDNAに、部位特異的変異法によって所望のアミノ酸欠失を導入したり、PCR法で特定領域のみを増幅させたりすることによって変異DNAを構築し、これを適当な発現系を用いて発現させることによって、取得することができる。
【0032】
変異型シトクロムタンパク質を含む酸化還元酵素・シトクロム複合体を使用する場合、酸化還元酵素の触媒サブユニットをコードするDNAを変異型シトクロムタンパク質をコードするDNAとともに用いることが好ましい。
酸化還元酵素の触媒サブユニットをコードするDNAは特に制限されず、目的に応じて適宜選択して使用することができるが、例えば、グルコースデヒドロゲナーゼαサブユニットをコードするDNAとして、配列番号1の塩基番号764~2380からなる塩基配列を含むDNAが挙げられる。また、αサブユニット遺伝子は、配列番号1の塩基配列の塩基番号764~2380からなる塩基配列の相補配列を有するDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、GDH活性を有するタンパク質をコードするDNAであってもよい。
【0033】
酸化還元酵素・シトクロム複合体にグルコースデヒドロゲナーゼγサブユニットを含める場合、酸化還元酵素のγサブユニットをコードするDNAを変異型シトクロムタンパク質をコードするDNAおよび触媒サブユニットをコードするDNAとともに用いることが好ましい。
γサブユニットをコードするDNAの具体例としては、配列番号1の塩基番号258~761からなる塩基配列を含むDNAが挙げられる。またγサブユニットをコードするDNAは、配列番号1の塩基番号258~761からなる塩基配列の相補配列を有するDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、γサブユニットとして機能し得るタンパク質をコードするDNAであってもよい。
【0034】
前記ストリンジェントな条件としては、好ましくは80%、より好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上の同一性を有するDNA同士がハイブリダイズする条件、具体的には、ハイブリダイゼーション反応の後、0.1×SSC、0.1%SDS、60℃の条件下で洗浄する条件が挙げられる。
【0035】
シトクロムタンパク質をコードするDNA、酸化還元酵素の触媒サブユニットをコードするDNA等は、ブルクホルデリア・セパシア等の微生物の染色体DNAを鋳型とするPCRやハイブリダイゼーション法などによって取得することができる。
ブルクホリデリア・セパシアKS1株のGDH γサブユニット遺伝子、αサブユニット
遺伝子、及びβサブユニット遺伝子を含む染色体DNA断片の塩基配列を配列番号1に示す。この塩基配列には3つのオープンリーディングフレーム(ORF)が存在し、5’末端側から、1番目のORFはγサブユニット(配列番号2)をコードし、2番目のORFはαサブユニット(配列番号3)をコードし、3番目のORFはβサブユニット(配列番号4)をコードしている。
【0036】
変異型シトクロムタンパク質、活性サブユニットはそれぞれ別々にDNAを発現させてもよいし、変異型シトクロムタンパク質をコードするDNAと活性サブユニットをコードするDNAをポリシストロニックに含むDNAを用いて発現させてもよい。
【0037】
<ベクター>
変異型シトクロムタンパク質、活性サブユニットの遺伝子の取得、変異の導入、遺伝子の発現等に用いるベクターとしては、宿主微生物で機能するベクターであれば特に制限されないが、例えばエシェリヒア属細菌で機能するベクター、具体的にはpTrc99A、pBR322、pUC18、pUC118、pUC19、pUC119、pACYC184、pBBR122等が挙げられる。遺伝子の発現に用いるプロモーターも宿主に応じて適宜選択できるが、例えばlac、trp、tac、trc、PL、tet、PhoA等が
挙げられる。
【0038】
<形質転換体>
上記のようなDNAまたはそれを含むベクターを宿主微生物に導入して形質転換体を得ることで、変異型シトクロムタンパク質や酸化還元酵素・シトクロム複合体を発現させることができる。形質転換は公知の方法を採用でき、例えばカルシウム処理によるコンピテントセル法、プロトプラスト法又はエレクトロポレーション法等が挙げられる。
【0039】
宿主微生物としてはタンパク質発現に使用されるものであれば特に制限されないが、エシェリヒア・コリ等のエシェリヒア属細菌、バチルス・サブチリス等のバチルス属細菌、サッカロマイセス・セレビシエ、ピキア・パストリス等の酵母、アスペルギルス・ニガー、アスペルギルス・オリゼ等の糸状菌が挙げられるが、これらに限られない。
【0040】
<バイオセンサ>
本発明の変異型シトクロムタンパク質は酸化還元反応を利用する電気化学的バイオセンサに使用できる。バイオセンサの種類は組み合わせる酸化還元酵素の種類によって様々な用途とすることができ、例えば、酸化還元酵素としてグルコース酸化還元酵素を用いる場合はグルコースセンサとすることができ、酸化還元酵素として乳酸デヒドロゲナーゼを用いる場合は乳酸センサとすることができる。
【0041】
この中ではグルコースセンサが好ましく、グルコースセンサを作製する場合、酵素電極の試薬層に本発明の変異型シトクロムタンパク質と酸化還元酵素の触媒サブユニットを含有させることが好ましい。さらにγサブユニットを含有させてもよい。これにより、試料中のグルコースを触媒サブユニットにより酸化し、このとき生じた電子を変異型シトクロムタンパク質が受容し、電極に伝達することで、試料中のグルコース濃度に応じた応答電流が流れ、その電流値によりグルコース濃度を算出することができる。
【0042】
グルコースセンサとして具体的には、作用極として、本発明の変異型シトクロムタンパク質とグルコースデヒドロゲナーゼの触媒サブユニットを含む複合体が金電極、白金電極、カーボン電極等の電極表面上に固定化された酵素電極を用いるグルコースセンサが挙げられる。センサは、目的とする被検物質の濃度を電気化学的に測定する測定系をいうが、作用極(酵素電極)、対極(白金等)、および参照極(Ag/AgCl等)の3電極を含む計が好ましい。慣用の簡易血糖値システムにおいて用いられているような、作用極と対極とから構成される2電極系でもよい。センサはさらに、緩衝液および被検試料を入れる恒温セル、作用極に電位を印加する電源、電流計、記録計等を含むことが好ましい。センサは、バッチ型であってもフロー型であってもよい。特にフロー型のセンサとしては、血糖値を連続で計測できるセンサであってもよい。すなわち、連続的に供給される血液試料、あるいは同透析試料、あるいは血液中あるいは細胞間質液中に本発明の酵素を固定した二
電極系あるいは三電極系を挿入して計測するセンサであってもよい。このような酵素センサの構造は、当該技術分野においてよく知られており、例えばBiosensors-Fundamental and Applications-Anthony P.F.Turner,Isao Karube and Geroge S. Wilson,Oxford University Press 1987に記載されている。
【0043】
本発明のグルコースセンサを用いるグルコースの濃度の測定は、例えば、以下のようにして行うことができる。センサの恒温セルに緩衝液を入れ、一定温度に維持する。作用電極として本発明の変異型シトクロムタンパク質とグルコース酸化還元酵素の触媒サブユニットタンパク質を固定化した酵素電極を用い、対極としては例えば白金電極を、参照電極としては例えばAg/AgCl電極を用いる。作用極に一定の電位(例えば、銀・塩化銀電極に対して0~+300mV、好ましくは0~+150mV、より好ましくは0~+100mV)を印加して、電流が定常になった後、恒温セルにグルコースを含む試料を加えて電流の増加を測定する。標準濃度のグルコース溶液により作製したキャリブレーションカーブに従い、試料中のグルコース濃度を計算することができる。
【0044】
本発明の変異型シトクロムタンパク質とGDH触媒サブユニットを含むGDH複合体は、グルコースアッセイキットの構成要素として用いることもできる。グルコースアッセイキットには、本発明の変異型シトクロムタンパク質とGDH触媒サブユニットを含むGDH複合体以外に、発色又は発光試薬、希釈用緩衝液、標準物質、使用説明書などが含まれてよい。
【0045】
例えば、ブルクホルデリア・セパシアの野生型GDHを用いたグルコースセンサ及びグルコースアッセイキットは、米国特許公開第2004/0023330A1に記載されている。本発明の変異型シトクロムタンパク質を含むGDHも、同様にして使用することができる。
【実施例】
【0046】
次に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
【0047】
〔実施例1〕変異型GDH βサブユニット遺伝子の構築
変異型GDH βサブユニット遺伝子の構築に用いるプラスミドとしては、特開2012
-090563に記載のプラスミドpTrc99Aγαβにおいて、αサブユニットに変異を導入したpTrc99Aγα(QYY)βを使用した。同プラスミドは、ブルクホルデリア・セパシアKS1株(FERM BP-7306)染色体DNAから単離された、GDH γサブユニット構造遺伝子とαサブユニット構造遺伝子、βサブユニット構造遺伝子を連続して含み、このうちαサブユニット構造遺伝子について、326残基目のセリン、365残基目のセリン、472残基目のアラニンをコードするコドンがそれぞれグルタミン、チロシン、チロシンをコードするものに置換されたDNA断片が、ベクターpTrc99Aのクローニング部位に挿入されてなるプラスミドである。本プラスミド中のGDHの各構造遺伝子は、trcプロモーターによって制御される。pTrc99Aγαβは、アンピシリン耐性遺伝子を保持している。
【0048】
まず、上記プラスミドDNAを鋳型として、以下の配列を有するオリゴヌクレオチドをプライマーとするPCRにより、GDHのγサブユニット、αサブユニット及びβサブユニットのシグナル配列までをコードするDNA断片を増幅した。
【0049】
〔フォワードプライマー〕
5’-ACGTAGCCATGGCACACAACGACAACCACTC-3’(配列
番号14)
〔リバースプライマー〕
5’-ATCGGCCGCGCGCGCGAAGCCCGGCAA-3’(配列番号15)
【0050】
PCR反応は、以下の反応組成で、95℃、30秒の後、95℃ 30秒、55℃ 1分、72℃ 2分を25サイクル繰り返し、72℃ 5分の反応を行った後、4℃で保持した。
【0051】
〔反応液組成〕
pTrc99Aγα(QYY)β(100ng/μl) 0.5μl
10×反応緩衝液 2μl
フォワードプライマー(100ng/μl) 0.5μl
リバースプライマー(100ng/μl ) 0.5μl
dNTP 0.4μl
蒸留水 15.7μl
DNAポリメラーゼ 0.4μl
合計 20μl
【0052】
また、βサブユニットの第3ヘム結合ドメイン、すなわち配列番号4のアミノ酸番号314~425または330~425の領域をコードするDNA断片を、以下の配列を有するオリゴヌクレオチドをプライマーとするPCRにより増幅した。なお、フォワードプライマーにはどちらも5‘末端側にβサブユニットのシグナル配列に相当する配列が付加されている。
【0053】
〔フォワードプライマー 314~425増幅用〕
5’-TTGCCGGGCTTCGCGCGCGCGGCCGATCTGCGCGGTGTCGCGCTCGCG-3’(配列番号16)
〔フォワードプライマー 330~425増幅用〕
5’-TTGCCGGGCTTCGCGCGCGCGGCCGATTATCTCGGCAACTGCGCGACG-3’(配列番号17)
〔リバースプライマー〕
5’-GTGGTGCTCGAGTGCGGCCGCGCGCAGCTTCGCGACGTCCTG-3’(配列番号18)
【0054】
PCR反応は、以下の反応組成で、95℃、30秒の後、95℃ 30秒、55℃ 1分、72℃ 30秒を25サイクル繰り返し、72℃ 5分の反応を行った後、4℃で保持した。
【0055】
〔反応液組成〕
pTrc99Aγα(QYY)β(100ng/μl) 0.5μl
10×反応緩衝液 2μl
フォワードプライマー(100ng/μl) 0.5μl
リバースプライマー(100ng/μl ) 0.5μl
dNTP 0.4μl
蒸留水 15.7μl
DNAポリメラーゼ 0.4μl
合計 20μl
【0056】
上記操作で得られたDNA断片をそれぞれ精製したのち、これらを混合して鋳型とし、以
下の配列を有するオリゴヌクレオチドをプライマーとするOverlap extention PCRにより結合、増幅した。なお、リバースプライマーにはヒスチジンタグの配列がデザインされており、これにより変異型βサブユニットのC末端にヒスチジンタグが付加されることとなる。
【0057】
〔フォワードプライマー〕
5’-ACGTAGCCATGGCACACAACGACAACCACTC-3’(配列番号14)
〔リバースプライマー〕
5’-GTACGTAAGCTTTCAGTGGTGGTGGTGGTGGTGCTCGAGTGCGGCCGC-3’(配列番号19)
【0058】
PCR反応は、以下の反応組成で、95℃、30秒の後、95℃ 30秒、55℃ 1分、72℃ 4分を25サイクル繰り返し、72℃ 5分の反応を行った後、4℃で保持した。
【0059】
〔反応液組成〕
γサブユニット~βサブユニットシグナル配列までのPCR産物(100ng/μl)
1μl
βサブユニット 314~425までのPCR産物
またはβサブユニット 330~425までのPCR産物(100ng/μl)
1μl
10×反応緩衝液 2μl
フォワードプライマー(100ng/μl) 0.5μl
リバースプライマー(100ng/μl ) 0.5μl
dNTP 0.4μl
蒸留水 14.2μl
DNAポリメラーゼ 0.4μl
合計 20μl
【0060】
得られたPCR産物を精製後、N末端側をNcoI、C末端側をHindIIIで消化し、同様に処理したpTrc99Aにライゲーションした。得られた組換えベクターでエシェリヒア・コリDH5αを形質転換し、カルベニシリン50μg/mLを含むLB寒天培地で生じるコロニーを採取した。得られた形質転換体を液体のLB培地で培養してプラスミドを抽出し、その挿入DNA断片を解析したところ、γサブユニット、αサブユニット、βサブユニットのシグナル配列に続き、βサブユニットの314~425残基目をコードする遺伝子または同330~425残基目をコードする遺伝子が挿入されていることが確認された。これらのプラスミドを、それぞれpTrc99Aγα(QYY)β314-His、pTrc99Aγα(QYY)β330-Hisと命名した。これらのプラスミド中のGDHの各構造遺伝子は、βサブユニットのC末端にヒスチジンタグを有し、trcプロモーターによって制御される。また、いずれもアンピシリン耐性遺伝子を保持している。
【0061】
〔実施例2〕変異型GDH βサブユニットを含むブルクホルデリア・セパシアのGDH
の発現
実施例1で得られた発現プラスミドを用いて、変異型GDH βサブユニット遺伝子を含
むGDHを製造した。
【0062】
変異型GDH βサブユニット遺伝子を含むGDH発現プラスミドおよびシトクロムc成
熟に必須の遺伝子群を有するプラスミドpBBJMccmを導入したエシェリヒア・コリ
BL21(DE3)株を、3mlのLB培地(カルベニシリン50μg/ml及びカナマイシン50μg/ml含有)で、試験管を用いて37℃で一晩振とう培養した。それらの培養液を、培養液1リットル当たりの組成が表1となるように調製された培地50ml(カルベニシリン50μg/mlおよびカナマイシン50μg/ml含有)を含む300mlの坂口フラスコに2本に1%植菌し、25℃で28時間振とう培養した。なお、宿主が恒常的にシトクロムcを成熟させることができる場合、例えば、ccm遺伝子がゲノムに相同的組み換えなどで挿入され、恒常的に発現している形質転換株などでは、pBBJMccmのようなベクタは不要である。
【0063】
【0064】
前記で培養した培養液から菌体を集め、得られた湿菌体1gあたり5mlのBugBuster Protein Extraction reagent(メルク・ミリポア)を添加、懸濁し、菌体を溶解させた。この懸濁液を遠心分離(15000r.p.m、20分、4℃)して残渣を除去し、粗酵素サンプルとした。
【0065】
また、γα(QYY)β314-Hisについては、粗酵素サンプルを0.5M塩化ナトリウム、20mMイミダゾールを含む20mMリン酸ナトリウムバッファー(pH7.0)に対して一晩透析したのち、同バッファーで平衡化したNi-NTAアガロース(キアゲン)を充てんしたカラムに添加し、0.5M塩化ナトリウム、54mMイミダゾールを含む20mMリン酸ナトリウムバッファー(pH7.0)で洗浄した後、0.5M塩化ナトリウム、140mMイミダゾールを含む20mMリン酸ナトリウムバッファー(pH7.0)で溶出させ、精製酵素サンプルを得た。
【0066】
〔実施例3〕変異型GDH βサブユニットを含むブルクホルデリア・セパシアのGDH
の機能解析
GDH活性の測定は、PMS/DCIP系およびルテニウム(Ru)/MTT系で行った。前者は一般的なGDH活性を、後者はβサブユニットを介してメディエータへと電子伝達が行われた場合のGDH活性を示す。
【0067】
PMS/DCIP系での活性測定は以下のように行った。20mMリン酸カリウムバッファー(pH7.0)中で、酵素サンプル、終濃度0.6mMのメチルフェナジンメトサルフェート(PMS)、終濃度0.06mMの2,6-ジクロロフェノールインドフェノール(DCIP)、終濃度4mMまたは40mMのグルコースを添加し、分光光度計を用いてDCIP由来の吸収波長である600nmの吸光度の1分間当たりの変化量を測定した
。
また、Ru/MTT系での活性測定は以下のように行った。20mMリン酸カリウムバッファー(pH7.0)中で、酵素サンプル、終濃度2%のヘキサアンミンルテニウム(III)塩化物、終濃度1mMの3-(4,5-ジメチル-2-チアゾリル)-2,5-ジフェニル-2H-テトラゾリウムブロミド(MTT)、終濃度4mMまたは40mMのグルコースを添加し、分光光度計を用いてMTTから生じるホルマザン由来の吸収波長である565nmの吸光度の1分間当たりの変化量を測定した。
粗酵素サンプルの活性測定の結果を、表2に示す。
【0068】
【0069】
表中、野生型βサブユニットを含む酵素には及ばないものの、両変異体ともRu/MTT系でGDH活性を示しており、これらの変異体がβサブユニットを介してメディエータへの電子伝達を行うことが示唆された。また、野生型酵素ではβサブユニットを含まないγα複合体ではPMS/DCIPを電子受容体としたときには酵素活性は約45U/mgであり(Biochimica et Biophysica Acta, 1645(2), 133-138.)、βサブユニットを含む場合の値(約300U/mg:Journal of Biotechnology, 123(2), 127-136.)の約15%の酵素活性し
か観察されないが、本変異シトクロムcを含む複合体は野生型βサブユニット複合体を含む場合とほとんど同じ活性を示した。したがって、この変異βサブユニットがαサブユニットから電子を正常に受け取り、これをPMS/DCIPに電子を受け渡していることが見出された。
【0070】
また、γα(QYY)β314について精製を行い、上記手順に従って40mMグルコースに対する酵素活性を、別途調製した野生型βサブユニットを含むγα(QYY)βともども測定した。結果を表3に示す。
【0071】
【0072】
精製酵素においてもγα(QYY)β314はRu/MTT系でGDH活性を示しており、PMS/DCIP系でのGDH活性との比は野生型βサブユニットを含む酵素複合体と同様であった。このことから、当該変異体が野生型βサブユニットを含む酵素複合体と同様、βサブユニットを介してメディエータへの電子伝達を行うことが示唆された。
【0073】
〔実施例4〕グルコースセンサの作製
金表面に単分子膜形成分子を介して変異型βサブユニットを含むGDHを固定化した酵素電
極を作製した。単分子膜形成分子としては、以下のDSHを用いた。
【化1】
【0074】
具体的には、金ワイヤ(径0.5mm、長さ6~7cm)をピランハ溶液(200μl)に室温で2時間浸漬し、その後、アセトンで洗浄し、DSHのアセトン溶液(濃度20μM)に浸漬し、25℃で24時間インキュベートしてDSHのチオール基を金表面に結合させた。続い
て、アセトンで洗浄し、上記GDHα、βサブユニット複合体(濃度0.03mg/ml))を含む
リン酸バッファー(300μl)に浸漬し、4℃で一晩インキュベートしてDSHの官能基を介
して酵素複合体を結合させ、酵素電極を得た。
【0075】
〔実施例5〕グルコース濃度の測定
上記酵素電極を用いて、0mM(バックグラウンド)、1mM、 5mMまたは50mMのグルコース水溶液に対する応答電流値の測定をクロノアンペアメトリーにより行った。グルコース測定は、対極(Ptワイヤ)、参照極(銀/塩化銀)を用い、作用極への印加電位を0V、+0
.1V、+0.4V(vs.銀/塩化銀)とし、37℃で行った。
【0076】
<結果>
銀塩化銀電極に対して400mV印加した電流値のグルコース濃度特性を基準に、0mVおよび100mVの電流値を比較した。
その結果、
図1に示されるように、印加電位0mVにおいては比較例(点線)でグルコース
濃度依存的な酸化電流が観測されなかったのに対し、実施例(実線)では酸化電流のグル
コース濃度依存が見られた。
印加電位100mVで比較例でもグルコース濃度依存的な酸化電流の観測がされたが、400mVの応答電流を基準とした電流値出力は実施例の方が高かった。
以上から実施例のtruncated βサブユニットを用いたセンサにおいて、野生型βサブユニットを用いたセンサより低い酸化電位で触媒電流を取得可能であることが示された。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明の変異型シトクロムタンパク質を用いたバイオセンサは、低電位での電流測定が可能であり、グルコースセンサ等のバイオセンサに好適に使用することができる。
【配列表】