IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 川崎重工業株式会社の特許一覧

特許7339762モバイル型の収容装置、及びロボット制御方法
<>
  • 特許-モバイル型の収容装置、及びロボット制御方法 図1
  • 特許-モバイル型の収容装置、及びロボット制御方法 図2
  • 特許-モバイル型の収容装置、及びロボット制御方法 図3
  • 特許-モバイル型の収容装置、及びロボット制御方法 図4
  • 特許-モバイル型の収容装置、及びロボット制御方法 図5
  • 特許-モバイル型の収容装置、及びロボット制御方法 図6
  • 特許-モバイル型の収容装置、及びロボット制御方法 図7
  • 特許-モバイル型の収容装置、及びロボット制御方法 図8
  • 特許-モバイル型の収容装置、及びロボット制御方法 図9
  • 特許-モバイル型の収容装置、及びロボット制御方法 図10
  • 特許-モバイル型の収容装置、及びロボット制御方法 図11
  • 特許-モバイル型の収容装置、及びロボット制御方法 図12
  • 特許-モバイル型の収容装置、及びロボット制御方法 図13
  • 特許-モバイル型の収容装置、及びロボット制御方法 図14
  • 特許-モバイル型の収容装置、及びロボット制御方法 図15
  • 特許-モバイル型の収容装置、及びロボット制御方法 図16
  • 特許-モバイル型の収容装置、及びロボット制御方法 図17
  • 特許-モバイル型の収容装置、及びロボット制御方法 図18
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-29
(45)【発行日】2023-09-06
(54)【発明の名称】モバイル型の収容装置、及びロボット制御方法
(51)【国際特許分類】
   B25J 3/00 20060101AFI20230830BHJP
   B65G 1/06 20060101ALI20230830BHJP
【FI】
B25J3/00 Z
B65G1/06 511B
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019085635
(22)【出願日】2019-04-26
(65)【公開番号】P2020179485
(43)【公開日】2020-11-05
【審査請求日】2022-04-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宗藤 康治
【審査官】杉山 悟史
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-141102(JP,A)
【文献】特開平07-187329(JP,A)
【文献】特開平05-013299(JP,A)
【文献】特開2006-176314(JP,A)
【文献】登録実用新案第3217429(JP,U)
【文献】特開2018-089721(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 ~ 21/02
B65G 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容部と、
前記収容部に収容された物品を保持して取り出すためのロボットと、
前記ロボット及び前記収容部を内蔵した状態で持ち運び可能な筐体と、を備え、
前記ロボットは、
少なくとも一つの関節軸を有するロボットアームと、
前記ロボットアームの先端に取り付けられるエンドエフェクタと、
前記ロボットアーム及び前記エンドエフェクタの動作を制御するためのロボット制御装置と、を備え、
前記収容部は、載置面を有し、前記載置面に載置した状態で前記物品を収容可能であり、前記載置面には、前記ロボットが配置される側の第1縁部から反対側の第2縁部へと延びる複数の溝が形成され、前記複数の溝は、それぞれ、前記載置面の第1縁部において開放されており、
前記エンドエフェクタは、前記溝に対して前記載置面の第1縁部の側から差し込み可能な爪部材を有し、
前記ロボット制御装置が、前記収容部の載置面に形成された複数の溝のうち前記載置面に載置された物品の下側に位置する溝に前記載置面の第1縁部の側から前記爪部材を差し込み、そのあとで、前記爪部材を上方へと移動させて前記爪部材を前記溝及び前記載置面から離間させることで、前記収容部に収容された物品を前記筐体に穿設された取り出し口まで搬送するように、前記ロボットアーム及び前記エンドエフェクタの動作を制御することを特徴とする、モバイル型の収容装置。
【請求項2】
前記エンドエフェクタは、前記爪部材を少なくとも二つ有する、請求項1に記載のモバイル型の収容装置。
【請求項3】
前記少なくとも二つの爪部材の間隔を変更するための間隔変更機構をさらに備える、請求項2に記載のモバイル型の収容装置。
【請求項4】
前記間隔変更機構は、
前記少なくとも二つの爪部材のうちの第1爪部材に固定される第1ラックと、
前記少なくとも二つの爪部材のうちの第2爪部材に固定される第2ラックと、
前記第1及び前記第2ラックそれぞれに噛み合うピニオンと、を有し、
前記ピニオンが回転することで前記第1及び前記第2ラックが互いに反対側へと移動し、前記少なくとも二つの爪部材の間隔を変更するように構成される、請求項3に記載のモバイル型の収容装置。
【請求項5】
前記収容部は、複数の物品を収容可能であり、
前記ロボットは、前記収容部に収容された複数の物品の中から所望する物品を保持して取り出し、前記所望する物品を前記筐体に穿設された取り出し口まで搬送可能である、請求項1乃至4のいずれかに記載のモバイル型の収容装置。
【請求項6】
前記複数の物品は、それぞれ、配達物であり、
前記配達物を配達するための貨物自動車の荷台に載せて搬送可能である、請求項5に記載のモバイル型の収容装置。
【請求項7】
前記複数の溝は、それぞれ、前記第2縁部まで延びずに前記第1縁部と前記第2縁部との間で閉鎖されている、請求項1乃至6のいずれかに記載のモバイル型の収容装置。
【請求項8】
前記収容部に沿って延び、前記筐体に内蔵されるレールをさらに備え、
前記ロボットは、前記レール上を移動可能である、請求項1乃至7のいずれかに記載のモバイル型の収容装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載のロボットの動作を制御するためのロボット制御方法であって、
前記収容部の載置面に形成された複数の溝のうち前記載置面に載置された物品の下側に位置する溝に前記載置面の第1縁部の側から前記爪部材を差し込み、
前記爪部材を上方へと移動させて前記爪部材を前記溝及び前記載置面から離間させることで、前記収容部に収容された物品を前記筐体に穿設された取り出し口まで搬送することを特徴とする、ロボット制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボット、モバイル型の収容装置、及びロボット制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、収容部に収容された物品を保持して取り出すためのロボットが知られている。このようなロボットが、例えば、特許文献1の物品移動装置で提案されている。
【0003】
特許文献1の物品移動装置は、各々の開口が同一面に配置された複数の収容部と、当該複数の収容部それぞれに収容された物品を撮像するためのカメラと、当該カメラを同一面に沿って移動させるためのカメラ移動機構と、当該カメラ移動機構を介して複数の収容部と対向するように配置されるロボットアームと、を備える。特許文献1では、このような構成の物品移動装置によって、複数箇所に区分けされて収納された物品を確実に認識して取り出すことが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-89721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1の物品移動装置は、複数の収容部それぞれに収容された物品を、ロボットアームの先端に取り付けられた吸着パッドで吸着して保持している。しかし、前記物品移動装置は、物品を吸着して保持するために、構造が複雑になってしまうという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、簡単な構造で、収容部に収容された物品を保持して取り出すことが可能なロボット、それを備えるモバイル型の収容装置、及びそれを用いるロボット制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明に係るロボットは、収容部に収容された物品を保持して取り出すためのロボットであって、少なくとも一つの関節軸を有するロボットアームと、前記ロボットアームの先端に取り付けられるエンドエフェクタと、前記ロボットアーム及び前記エンドエフェクタの動作を制御するためのロボット制御装置と、を備え、前記収容部は、載置面を有し、前記載置面に載置した状態で前記物品を収容可能であり、前記載置面には、前記ロボットが配置される側の第1縁部から反対側の第2縁部へと延びる複数の溝が形成され、前記複数の溝は、それぞれ、前記載置面の第1縁部において開放されており、前記エンドエフェクタは、前記溝に対して前記載置面の第1縁部の側から差し込み可能な爪部材を有し、前記ロボット制御装置が、前記収容部の載置面に形成された複数の溝のうち前記載置面に載置された物品の下側に位置する溝に前記載置面の第1縁部の側から前記爪部材を差し込み、そのあとで、前記爪部材を上方へと移動させて前記爪部材を前記溝及び前記載置面から離間させるように、前記ロボットアーム及び前記エンドエフェクタの動作を制御することを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、本発明に係るロボットは、収容部に載置された物品の下側に位置する溝に爪部材を差し込み、前記爪部材を上方へと移動させることにより前記物品を持ち上げて保持することができるので、簡単な構造で、収容部に収容された物品を保持して取り出すことが可能となる。
【0009】
前記エンドエフェクタは、前記爪部材を少なくとも二つ有してもよい。
【0010】
上記構成によれば、エンドエフェクタが爪部材を一つのみ有する場合と比較して、安定した状態で物品を保持することが可能となる。
【0011】
前記少なくとも二つの爪部材の間隔を変更するための間隔変更機構をさらに備えてもよい。
【0012】
上記構成によれば、物品の大きさに応じて少なくとも二つの爪部材の間隔を適宜変更することが可能となる。
【0013】
例えば、前記間隔変更機構は、前記少なくとも二つの爪部材のうちの第1爪部材に固定される第1ラックと、前記少なくとも二つの爪部材のうちの第2爪部材に固定される第2ラックと、前記第1及び前記第2ラックそれぞれに噛み合うピニオンと、を有し、前記ピニオンが回転することで前記第1及び前記第2ラックが互いに反対側へと移動し、前記少なくとも二つの爪部材の間隔を変更するように構成されてもよい。
【0014】
前記課題を解決するために、本発明に係るモバイル型の収容装置は、上記いずれかに記載のロボットと、前記収容部と、前記ロボット及び前記収容部を内蔵した状態で持ち運び可能な筐体と、を備え、前記ロボットは、前記収容部に収容された物品を前記筐体に穿設された取り出し口まで搬送可能であることを特徴とする。
【0015】
上記構成によれば、本発明に係るモバイル型の収容装置は、上記いずれかに記載のロボットを備えるので、簡単な構造で、収容部に収容された物品を保持して取り出すことが可能となる。また、本発明に係るモバイル型の収容装置は、収容部及びロボットを内蔵した状態で持ち運び可能な筐体を備え、ロボットが所望する物品を筐体に穿設された取り出し口まで搬送可能であるので、収容された所望する物品の取り出しを容易に行うことが可能となる。
【0016】
例えば、前記収容部は、複数の物品を収容可能であり、前記ロボットは、前記収容部に収容された複数の物品の中から所望する物品を保持して取り出し、前記所望する物品を前記筐体に穿設された取り出し口まで搬送可能であってもよい。
【0017】
前記複数の溝は、それぞれ、前記第2縁部まで延びずに前記第1縁部と前記第2縁部との間で閉鎖されていてもよい。
【0018】
上記構成によれば、溝に対して載置面の第1縁部の側から爪部材を差し込んでいくと、当該爪部材の先端が溝の内壁に突き当たるので、溝に対して爪部材を差し込み過ぎることを防止することが可能となる。これにより、収容部に収容された物品を、確実に保持して取り出すことが可能となる。
【0019】
例えば、前記複数の物品は、それぞれ、配達物であり、前記配達物を配達するための貨物自動車の荷台に載せて搬送可能であってもよい。
【0020】
前記課題を解決するために、本発明に係るロボット制御方法は、上記いずれかに記載のロボットの動作を制御するためのロボット制御方法であって、前記収容部の載置面に形成された複数の溝のうち前記載置面に載置された物品の下側に位置する溝に前記載置面の第1縁部の側から前記爪部材を差し込む第1ステップと、前記第1ステップを行ったあとで、前記爪部材を上方へと移動させて前記爪部材を前記溝及び前記載置面から離間させる第2ステップと、を備えることを特徴とする。
【0021】
上記構成によれば、本発明に係るロボット制御方法は、上記いずれかに記載のロボットを用いるので、簡単な構造で、収容部に収容された物品を保持して取り出すことが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、簡単な構造で、収容部に収容された物品を保持して取り出すことが可能なロボット、それを備える収容装置、及びそれを用いるロボット制御方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施形態に係るモバイル型の収容装置の外観斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係るモバイル型の収容装置の内部構造を示す概略図である。
図3】本発明の実施形態に係るモバイル型の収容装置が備える棚の正面図である。
図4】本発明の実施形態に係るモバイル型の収容装置が備える棚の一部を拡大した斜視図である。
図5】本発明の実施形態に係るモバイル型の収容装置が備えるロボットアーム及びエンドエフェクタの概略的な平面図である。
図6】本発明の実施形態に係るモバイル型の収容装置が備える間隔変更機構の一部を示す概略図である。
図7】本発明の一実施形態に係るモバイル型の収容装置が備えるロボットの制御系を示すブロック図である。
図8】本発明の一実施形態に係るモバイル型の収容装置が備える探索装置及びその周辺部分を示すブロック図である。
図9】本発明の実施形態に係るモバイル型の収容装置が備えるパワーアシスト装置及びその周辺部分を示すブロック図である。
図10】本発明の実施形態に係るモバイル型の収容装置に対して作業者が宅配物を積み込んでいる様子を示す概略図である。
図11】本発明の実施形態に係るモバイル型の収容装置が作業者によって運ばれている様子を示す概略図である。
図12】本発明の実施形態に係るモバイル型の収容装置が貨物自動車に載せられて移動している状態を示す概略図である。
図13】本発明の実施形態に係るモバイル型の収容装置が、棚に収容された複数の宅配物の中から所望する第1宅配物を保持して取り出している様子を示す概略図であり、(A)が爪部材を棚に形成された溝に差し込んだ状態の図、(B)が爪部材を上方へと移動させて所望する第1宅配物を持ち上げた状態の図である。
図14】本発明の実施形態に係るモバイル型の収容装置が、棚に収容された複数の宅配物の中から所望する第2宅配物を保持して取り出している様子を示す概略図であり、(A)が爪部材を棚に形成された溝に差し込んだ状態の図、(B)が爪部材を上方へと移動させて所望する第2宅配物を持ち上げた状態の図である。
図15】本発明の実施形態に係るモバイル型の収容装置から所望する宅配物が作業者によって取り出されている様子を示す概略図である。
図16】本発明の実施形態に係るモバイル型の収容装置を用いる宅配方法の一例を示すフローチャートである。
図17】本発明の実施形態に係るモバイル型の収容装置の第1変形例が、棚に収容された宅配物を保持して取り出している様子を示す概略的な断面図であり、(A)が爪部材を棚に形成された溝に差し込む直前の状態の図、(B)が爪部材を棚に形成された溝に差し込んだ状態の図、(C)が爪部材を上方へと移動させて宅配物を持ち上げた状態の図、(D)が宅配物を持ち上げた状態で爪部材を溝から引き抜く方向に移動させたときの図である。
図18】本発明の実施形態に係るモバイル型の収容装置の第2変形例が備える棚の一部を拡大した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態に係る収容装置について、添付図面に基づき説明する。なお、本実施形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下では、全ての図を通じて、同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
【0025】
(モバイル型の収容装置10)
図1は、本実施形態に係るモバイル型の収容装置の外観斜視図である。また、図2は、同収容装置10の内部構造を示す概略図である。本実施形態に係るモバイル型の収容装置10(以下、特に必要な場合を除き、単に「収容装置10」と称する)は、複数の宅配物D(複数の物品、又は複数の配達物)を宅配するための現場に適用して用いられる。具体的には、収容装置10は、宅配の物流拠点から個人宅までの最終区間(いわゆる「ラストワンマイル」)において宅配物Dを搬送するために用いられる。
【0026】
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る収容装置10は、複数の宅配物Dを収容するための棚40(収容部)と、棚40に収容された複数の宅配物Dの中から所望する宅配物Dを保持して取り出すことが可能なロボット60と、棚40及びロボット60を内蔵した状態で持ち運び可能な筐体20と、を備える。
【0027】
(筐体20)
筐体20は、平面視において矩形状の底板21と、底板21の前端縁に立設される前板22と、底板21の後端縁に立設される背板23と、底板21の右端縁に立設される右側板24と、底板21の左側縁に立設される左側板25と、底板21、前板22、背板23、右側板24、及び左側板25から成る箱体の上面に蓋をするように設けられる天板26と、を有する。
【0028】
なお、以下の説明において、底板21と天板26とを結ぶ方向を高さ方向又は上下方向と称し、前板22と背板23とを結ぶ方向を幅方向又は前後方向と称し、且つ、右側板24と左側板25とを結ぶ方向を長手方向又は左右方向と称する。
【0029】
筐体20の底板21の前板22側の部分には、右側板24から左側板25の近傍まで長手方向に延びるレール28aが設けられる。また、筐体20の天板26のレール28aに対応した部分には、レール28bが設けられる。そして、レール28a上には、当該レール28a上を車輪(図示せず)で移動可能な移動子29aが設けられ、レール28b上には、当該レール28b上を車輪(同前)で移動可能な移動子29bが設けられる。移動子29a、29bのうち少なくともいずれかには、後述するロボット制御装置70によって動作を制御されるサーボモータ76e(図7参照)が設けられる。
【0030】
また、筐体20には、移動子29a、29bを連結するための連結軸30がさらに設けられる。当該連結軸30は、高さ方向に延びて配置される。上記構成によれば、連結軸30及び移動子29a、29bは、それぞれ、後述するロボットアーム61及びエンドエフェクタ50と一体的に、筐体20内を長手方向に移動可能である。
【0031】
筐体20の背板23には、正面視したとき棚40の全範囲を含むように当該棚40に対応した位置に穿設された開口32(図10参照)と、当該開口32を開閉するための開き戸33a、33b(同前)と、が設けられる。開き戸33a、33bは、開口32の長手方向における中央から両側に開閉可能であるように設けられる。
【0032】
また、筐体20の左側板25には、筐体20内から所望する宅配物Dを取り出すための取り出し口34が穿設される。筐体20の底板21の取り出し口34に隣接した部分には、所望する宅配物Dを仮置きするための仮置き棚36が設けられる。仮置き棚36は、所望する宅配物Dを上下方向に三つ並べて仮置きできるように構成される。
【0033】
(棚40)
図2に示すように、棚40は、筐体20の閉じられた開き戸33a、33bの内面(換言すれば、筐体20に穿設された開口32)に沿って長手方向に延在するように、閉じられた開き戸33a、33bの内面及び右側板24の内面に寄せて配置される。棚40は、筐体20の底板21に立設される四本の支柱42a~42dと、当該支柱42a、42bから支柱42c、42dまで架設される四枚の板状部材44a~44dと、を有する。
【0034】
具体的には、支柱42a、42bが筐体20の底板21の右側板24に隣接した部分に所定の間隔を空けて立設され、支柱42c、42dが筐体の底板21の左側板25の近傍部分に所定の間隔を空けて立設される。そして、四枚の板状部材44a~44dは、それぞれ、支柱42a、42bから支柱42c、42dまで、互いに並行して水平方向に延びるように架設される。
【0035】
図3は、本実施形態に係るモバイル型の収容装置が備える棚の正面図である。図4は、同モバイル型の収容装置が備える棚の一部を拡大した斜視図である。図3及び図4に示すように、棚40は、板状部材44a~44dそれぞれに載置面45を有し、当該載置面45に載置した状態で宅配物Dを収容可能である。載置面45には、ロボット60が配置される側の第1縁部45aから反対側の第2縁部45bへと延びる複数の溝46が形成される。複数の溝46は、それぞれ、第2縁部45bまで延びずに第1縁部45aと第2縁部45bとの間で内壁47によって閉鎖されている。
【0036】
(ロボット60)
図5は、本実施形態に係るモバイル型の収容装置が備えるロボットアーム及びエンドエフェクタの概略的な平面図である。図5に示すように、ロボット60は、三つの関節軸JT1~JT3(少なくとも一つの関節軸)を有するロボットアーム61と、ロボットアーム61の先端に取り付けられ、所望する宅配物Dを保持するためのエンドエフェクタ50と、ロボットアーム61、エンドエフェクタ50及び上記した移動子29a、29bの動作を制御するためのロボット制御装置70(図7等参照)と、を有する。
【0037】
ロボットアーム61は、上記した連結軸30に取り付けられる取り付け部62と、水平方向に延びる部材で構成される三つのリンク64a~64cと、三つのリンク64a~64cを順次連結する関節軸JT1~JT3と、を有する。
【0038】
取り付け部62は、ロボットアーム61の基端に設けられる。取り付け部62には貫通孔63が穿設され、当該貫通孔63に対して上記した連結軸30が挿通される。これにより、ロボットアーム61及びエンドエフェクタ50は、ロボット制御装置70に制御されて連結軸30上を高さ方向に移動可能である。
【0039】
リンク64aは、その基端部がサーボモータ76aで駆動される関節軸JT1を介して取り付け部62に取り付けられる。これにより、リンク64aは、高さ方向に延びる軸線周りに回動可能な状態で取り付け部62に取り付けられる。
【0040】
リンク64bは、その基端部がサーボモータ76bで駆動される関節軸JT2を介してリンク64aの先端部に取り付けられる。これにより、リンク64bは、高さ方向に延びる軸線周りに回動可能な状態でリンク64aに取り付けられる。
【0041】
リンク64cは、その基端部がサーボモータ76cで駆動される関節軸JT3を介してリンク64bの先端部に取り付けられる。これにより、リンク64cは、高さ方向に延びる軸線周りに回動可能な状態でリンク64bに取り付けられる。
【0042】
エンドエフェクタ50は、その基端部がリンク64cの先端部に取り付けられる。エンドエフェクタ50は、棚40の載置面45に形成される複数の溝46それぞれに対して載置面45の第1縁部45aの側から差し込み可能な二つの爪部材58a、58bと、当該爪部材58a、58bの間隔を変更するための間隔変更機構51と、を有する。
【0043】
図6は、本実施形態に係るモバイル型の収容装置が備える間隔変更機構の一部を示す概略図である。図5及び図6に示すように、間隔変更機構51は、中空の直方体状に形成される枠体52と、当該枠体52の内部に設けられる二つのベベルギヤ54a、54bと、同じく当該枠体52の内部に設けられる二つのラック56a、56bと、を有する。
【0044】
爪部材58aは、その基端部がラック56aに固定され、枠体52の外部へと直線状に延びる。また、爪部材58bは、その基端部がラック56bに固定され、枠体52の外部へと直線状に爪部材58aと平行して延びる。
【0045】
ここで、ロボットアーム61の先端部(換言すれば、リンク64cの先端部)には、サーボモータ76dが設けられる。当該サーボモータ76dは、その回転軸がリンク64cの捻じれ方向に回転するように当該リンク64cの内部に配置される。
【0046】
サーボモータ76dの回転軸には、上記したベベルギヤ54aの基端部が取り付けられる。ベベルギヤ54aは、その軸線がサーボモータ76dの回転軸と同一直線上に位置するように配置される。ベベルギヤ54aの先端部には、当該ベベルギヤ54aと互いに噛み合うようにベベルギヤ54bが配置される。当該ベベルギヤ54bは、その軸線がベベルギヤ54aに噛み合う部分から鉛直方向下向きに延びるように配置される。
【0047】
ベベルギヤ54bの下端部に設けられるピニオン55には、上記したラック56a、56bがそれぞれ噛み合わされる。具体的には、ピニオン55の径方向の一方側の部分(ここでは、エンドエフェクタ50の先端側に位置する部分)には、上記したラック56aが噛み合わされる。また、ピニオン55の径方向の他方側の部分(ここでは、エンドエフェクタ50の基端側に位置する部分)には、上記したラック56bが噛み合わされる。そして、間隔変更機構51は、ピニオン55(すなわち、ベベルギヤ54b)が回転することでラック56a、56bが枠体52内を互いに反対側へと移動し、爪部材58a、58bの間隔を変更するように構成される。
【0048】
図7は、本実施形態に係るモバイル型の収容装置が備えるロボットの制御系を示すブロック図である。図7に示すように、ロボット制御装置70は、プログラムを格納するためのメモリ72(記憶装置)と、当該メモリ72に格納されたプログラムを実行するためのプロセッサ74(処理装置)と、を少なくとも有する。ロボット制御装置70の具体的な構成は特に限定されないが、例えば、CPU(Central Processing Unit、中央演算処理装置)がメモリに格納されたプログラムに従って動作することにより実現されてもよい。
【0049】
そして、ロボット60は、棚40に収容された複数の宅配物Dの中から後述する探索装置80によって見つけ出された所望する宅配物Dを保持して取り出し、取り出した所望する宅配物Dを筐体20に穿設された取り出し口34まで搬送可能である。
【0050】
(探索装置80)
図8は、本実施形態に係るモバイル型の収容装置が備える探索装置及びその周辺部分を示すブロック図である。図8に示すように、本実施形態に係る収容装置10は、棚40に収容された複数の宅配物Dの中から所望する宅配物Dを探索するための探索装置80をさらに備える。
【0051】
探索装置80は、上記したロボット60と、当該ロボット60の先端に設けられる撮像装置82と、当該撮像装置82で撮像された画像情報を解析するための解析装置84と、を有する。なお、図8に示すように、解析装置84は、ロボット制御装置70の一部として構成されてもよいし、又は、当該ロボット制御装置70とは別個に設けられてもよい。
【0052】
図8に示すように、本実施形態に係る収容装置10は、探索装置80及び後述するパワーアシスト装置90を駆動するための電池86をさらに備える。また、収容装置10は、後述する貨物自動車Vの電源PSから供給される電力の態様を、探索装置80及び後述するパワーアシスト装置90で使用可能な態様に変換するための変換装置88をさらに備える。
【0053】
(パワーアシスト装置90)
図9は、本実施形態に係るモバイル型の収容装置が備えるパワーアシスト装置及びその周辺部分を示すブロック図である。図9に示すように、本実施形態に係る収容装置10は、筐体20を持ち運ぶ際に作業者P(図10等参照)の負担を軽減するためのパワーアシスト装置90をさらに備えてもよい。
【0054】
パワーアシスト装置90は、筐体20の底板21の底面の四隅近傍にそれぞれ設けられる四つの車輪98と、当該四つの車輪98のうち筐体20の左側板25側に設けられる二つの車輪98を少なくとも駆動するための電動モータ99と、を有する。
【0055】
また、パワーアシスト装置90は、筐体20の左側板25の外面に取り付けられる操作装置92と、当該操作装置92の前側と後ろ側それぞれから突出するように設けられるハンドル94と、をさらに有する。なお、操作装置92は、例えば、パワーアシスト装置90を操作するための構成だけでなく、収容装置10に内蔵されたロボット60及び探索装置80の電源のオンとオフを切り換えるためのスイッチ等を有してもよい。
【0056】
そして、パワーアシスト装置90は、ハンドル94に対して作業者P(図10等参照)から加えられる外力を検出するための外力センサ96と、当該外力センサ96の検出値に基づき、電動モータ99の動作を制御するための制御装置95と、をさらに有する。制御装置95は、ハンドル94に対して当該ハンドル94がその軸線を回転軸として回転するような外力が作業者Pから加えられたとき、例えばその外力の方向や大きさ等に基づき、電動モータ99の回転速度を変化させてもよい。
【0057】
(宅配方法の一例)
つづいて、図10~16に基づき、上記実施形態に係る収容装置10を用いて、宅配の物流拠点から個人宅まで宅配物Dを搬送する宅配方法の一例について説明する。また、当該宅配方法の中で、上記実施形態に係るロボット60を用いるロボット制御方法の一例についても説明する。さらに、上記実施形態に係る収容装置10によって奏する効果についても併せて説明する。
【0058】
図10は、上記実施形態に係るモバイル型の収容装置に対して作業者が宅配物を積み込んでいる様子を示す概略図である。まず、図10に示すように、宅配の物流拠点において、作業者Pが、筐体20の背板23に設けられた開き戸33a、33bを開き、筐体20の開口32から棚40に複数の宅配物Dを積み込む。そして、作業者Pは、棚40に全ての宅配物Dを積み込んだあと、開き戸33a、33bを閉じる。
【0059】
ここで、筐体20の開口32が正面視したとき棚40の全範囲を含むように当該棚40に対応した位置に穿設され、且つ、ロボット60が棚40を介して筐体20の開口32と対向するように筐体20内に配置されるので、作業者Pは、複数の宅配物Dを棚40に積み込んで収容する作業を容易に行うことが可能となる。
【0060】
また、収容装置10内にロボット60及び探索装置80が配置されているので、作業者Pは、収容装置10に複数の宅配物Dを積み込む際に、配達順路などに基づき複数の宅配物Dそれぞれの棚40内での収容場所を考慮する必要がない。これにより、作業者Pは、積み込み作業をいっそう容易に行うことが可能となる。
【0061】
なお、作業者Pは、各々の送り状が筐体20の前板22側又は天板26側に位置するように、複数の宅配物Dを棚40に積み込むことが好ましい。これにより、探索装置80が所望する宅配物Dを探索し易くなる。
【0062】
図11は、上記実施形態に係るモバイル型の収容装置が作業者によって運ばれている様子を示す概略図である。次に、図11に示すように、作業者Pが、ハンドル94を把持しつつパワーアシスト装置90を操作して収容装置10を貨物自動車V(図12等参照)まで運ぶ。
【0063】
このとき、作業者Pは、作業者Pは、筐体20に設けられたハンドル94及び四つの車輪98によって、収容装置10を容易に持ち運ぶことが可能となる。換言すれば、収容装置10は、ハンドル94及び四つの車輪98を備えることで、モバイル性を向上させることが可能となる。
【0064】
また、作業者Pは、例えば、ハンドル94に対して当該ハンドル94がその軸線を回転軸として回転するような外力を加えることで、筐体20の速度を変化させることが可能である。すなわち、作業者Pは、パワーアシスト装置90によって筐体20をいっそう容易に持ち運ぶことが可能となる。換言すれば、収容装置10は、パワーアシスト装置90を備えることで、モバイル性をいっそう向上させることが可能となる。
【0065】
さらに、収容装置10は、パワーアシスト装置90を駆動するための電池86を備えることで、モバイル性をいっそう向上させることが可能となる。
【0066】
そして、作業者Pは、貨物自動車Vの荷台LCに収容装置10を積み込む。このとき、作業者Pは、例えば、フォークリフト等の荷役装置(図示せず)を用いて、貨物自動車Vの荷台LCに収容装置10を積み込んでもよい。なお、本実施形態では、貨物自動車Vの荷台LCに二つの収容装置10、10が積み込まれる(図15参照)。
【0067】
なお、貨物自動車Vの荷台LCは、背面に開口が形成され、当該開口には中央から両側に開くように開き戸が設けられる(同前)。作業者Pは、貨物自動車Vの荷台LCの開き戸を開いて、収容装置10、10それぞれの取り出し口34が荷台LCの開口側に位置するように収容装置10、10を荷台LCに積み込む。そのあとで、作業者Pは、例えば、収容装置10、10それぞれの操作装置92を操作して、ロボット60及び探索装置80の電源をオンにしたうえで、貨物自動車Vの荷台LCの開き戸を閉じる。
【0068】
探索装置80は、電源がオンされることで、棚40に収納された複数の宅配物Dそれぞれの上面又は側面に貼り付けられた送り状の画像情報(すなわち、宅配先の画像情報)を、ロボットアーム61の姿勢を変更しつつ撮像装置82により撮像して取得する。このとき、収容装置10は、変換装置88を備えることで、貨物自動車Vの電源PSから供給される電力を用いて、探索装置80を駆動させることが可能である。なお、収容装置10は、上記した電池86から供給される電力を用いて、探索装置80を駆動させることも可能である。
【0069】
例えば、探索装置80は、棚40の最も上段の板状部材44dの左右方向の一端から他端まで撮像装置82(すなわち、ロボットアーム61の先端)を移動させつつ、当該板状部材44d上に載置された複数の宅配物Dの上面を撮像して画像情報を取得する。次に、探索装置80は、棚40の最も上段の板状部材44dの左右方向の他端から一端まで撮像装置82を移動させつつ、当該板状部材44d上に収容された複数の宅配物Dの前面を撮像して画像情報を取得する。
【0070】
さらに、探索装置80は、上から二段目の板状部材44c、上から三段目の板状部材44b、及び最も下段の板状部材44aそれぞれに収納された複数の宅配物Dの上面及び前面についても、同様に撮像して宅配先の画像情報を取得する。このように画像情報を取得することで、例えば、送り状が前面に貼り付けられた宅配物Dと、送り状が上面に貼り付けられた宅配物Dとが混在している場合であっても、複数の宅配物Dそれぞれの宅配先の画像情報を問題なく取得することが可能となる。撮像装置82は、このように取得した複数の宅配物Dそれぞれの宅配先の画像情報を解析装置84へと送信する。なお、本実施形態では、撮像装置82は、複数の宅配物Dの大きさ(例えば、幅方向における底面の長さ等)が認識可能な画像情報を取得し、当該画像情報を解析装置84へと送信する。
【0071】
また、探索装置80は、撮像装置82により複数の宅配物Dそれぞれの宅配先の画像情報を撮像したときのロボットアーム61の先端の位置情報又はロボットアーム61の姿勢をロボット制御装置70に送信する。これにより、ロボット60は、取得したロボットアーム61の先端の位置情報又はロボットアーム61の姿勢に基づき、棚40に収容された複数の宅配物Dの中から所望する宅配物Dを保持して取り出すことが可能となる。
【0072】
解析装置84は、取得した宅配先の画像情報に基づき、複数の宅配物Dそれぞれの宅配先を解析する。そして、解析装置84は、解析した複数の宅配物Dそれぞれの宅配先に基づき、収容装置10に収納された複数の宅配物Dを効率良く配達するための配達ルートを決定する。なお、このとき、解析装置84は、前記複数の宅配物Dそれぞれの位置情報に加えて、後述するGPS制御装置から取得可能な収容装置10の位置情報に基づき、前記配達ルートを決定してもよい。このように決定された配達ルートは、例えば、貨物自動車Vの運転席DSに配置されるディスプレイ等の出力装置から出力されてもよい。また、解析装置84は、取得した画像情報から複数の宅配物Dそれぞれの大きさを認識する。
【0073】
図12は、上記実施形態に係るモバイル型の収容装置が貨物自動車に載せられて移動している状態を示す概略図である。図12に示すように、作業者Pは、収容装置10、10を貨物自動車Vの荷台LCに積み込んだあと、例えば、解析装置84により決定された配達ルートに基づき、宅配の物流拠点から複数の宅配物Dのうちいずれかの宅配先まで貨物自動車Vを運転して移動する。
【0074】
ここで、収容装置10、10は、それぞれ、GPS(Global Positioning System、全地球測位システム)の一部を構成するGPS制御装置(図示せず)及びGPS受信機(同前)をさらに備えてもよい。また、GPS制御装置は、プログラムを格納するための記憶装置(同前)と、当該記憶装置に格納されたプログラムを実行するための処理装置(同前)と、を少なくとも有してもよい。
【0075】
GPS制御装置は、GPS衛星からGPS受信機を介してGPS信号を受信する。そして、GPS制御装置は、例えば、自らの位置情報(すなわち、収容装置10の位置情報)を宅配先の人物が保有するスマートフォンやPC(Personal Computer、パーソナルコンピュータ)に送信してもよい。これにより、宅配先の人物は、自分宛ての宅配物Dの配送状況を把握することが可能となる。
【0076】
図13は、上記実施形態に係るモバイル型の収容装置が、棚に収容された複数の宅配物の中から所望する第1宅配物を保持して取り出している様子を示す概略図であり、(A)が爪部材を棚に形成された溝に差し込んだ状態の図、(B)が爪部材を上方へと移動させて所望する第1宅配物を持ち上げた状態の図である。図13に示すように、上記ステップS3で複数の宅配物D(複数の物品、又は複数の配達物)のうちいずれかの宅配先まで移動している際中に、ロボット60によって、棚40に収容された複数の宅配物Dの中から所望する宅配物Dを保持して取り出し、所望する宅配物Dを筐体20に穿設された取り出し口34まで搬送する。
【0077】
具体的には、ロボット制御装置70が、メモリ72に格納された所望する第1宅配物D図13において左側に載置された第1宅配物D。以下、特に必要な場合を除き、単に「第1宅配物D」と称する)の位置情報に基づき、ロボットアーム61の姿勢を変更して爪部材58a、58bを第1宅配物Dの手前下側まで移動させる。また、ロボット制御装置70が、メモリ72に格納された第1宅配物Dの大きさに関する情報に基づき、間隔変更機構51によって、爪部材58a、58bの間隔を第1宅配物Dの大きさに応じた間隔に変更する。そして、ロボット制御装置70が、棚40の載置面45に形成された複数の溝46のうち第1宅配物Dの下側に位置する溝46に載置面45の第1縁部45aの側から爪部材58a、58bを差し込むように、ロボットアーム61及びエンドエフェクタ50の動作を制御する。
【0078】
このとき、複数の溝46が、それぞれ、第1縁部45aと第2縁部45bとの間で内壁47によって閉鎖されているので、溝46に対して載置面45の第1縁部45aの側から爪部材58a、58bを差し込んでいくと、当該爪部材58a、58bの先端が溝46の内壁47に突き当たる。したがって、溝46に対して爪部材58a、58bを差し込み過ぎることを防止することが可能となる。これにより、棚40に収容された宅配物Dを、確実に保持して取り出すことが可能となる。本実施形態では、上記のようにして図16に示すロボット制御方法のステップS1(第1ステップ)が行われる。
【0079】
そのあとで、ロボット制御装置70は、爪部材58a、58bを上方へと移動させて当該爪部材58a、58bを溝46及び載置面45から離間させるように、ロボットアーム61及びエンドエフェクタ50の動作を制御する。さらに、ロボット制御装置70は、保持した第1宅配物Dを、取り出し口34に隣接して配置された仮置き棚36に仮置きするように、ロボットアーム61及びエンドエフェクタ50の動作を制御する。
【0080】
上記のように、本実施形態では、ロボット60が、棚40に載置された第1宅配物Dの下側に位置する溝46に二つの爪部材58a、58bを差し込み、当該二つの爪部材58a、58bを上方へと移動させることにより第1宅配物Dを持ち上げて保持することが可能である。したがって、本実施形態に係るロボット60は、例えば、ロボットアームの先端に取り付けられる吸着パッドで吸着して保持するような場合と比較して、簡単な構造で、棚40に収容された第1宅配物Dを保持して取り出すことが可能となる。
【0081】
また、本実施形態では、エンドエフェクタ50が二つの爪部材58a、58bを有することで、当該エンドエフェクタ50が爪部材を一つのみ有する場合と比較して、安定した状態で第1宅配物Dを保持することが可能となる。
【0082】
さらに、本実施形態では、二つの爪部材58a、58bの間隔を変更するための間隔変更機構をさらに備えるので、第1宅配物Dの大きさに応じて二つの爪部材58a、58bの間隔を適宜変更することが可能となる。
【0083】
本実施形態では、上記のようにして図16に示すロボット制御方法のステップS2(第2ステップ)が行われる。
【0084】
図14は、本実施形態に係るモバイル型の収容装置が、棚に収容された複数の宅配物の中から所望する第2宅配物を保持して取り出している様子を示す概略図であり、(A)が爪部材を棚に形成された溝に差し込んだ状態の図、(B)が爪部材を上方へと移動させて所望する第2宅配物を持ち上げた状態の図である。図14に示すように、本実施形態では、ロボット60は、第1宅配物Dを仮置き棚36に仮置きしたあと(すなわち、第1宅配物Dを筐体20の取り出し口34まで搬送したあと)、ロボット制御装置70が、メモリ72に格納された所望する第2宅配物D図13及び図14において右側に載置された第2宅配物D。以下、特に必要な場合を除き、単に「第2宅配物D」と称する)の位置情報に基づき、ロボットアーム61の姿勢を変更して爪部材58a、58bを第2宅配物Dの手前下側まで移動させるように、ロボットアーム61及びエンドエフェクタ50の動作を制御する。
【0085】
また、ロボット制御装置70は、メモリ72に格納された第2宅配物Dの大きさに関する情報に基づき、間隔変更機構51によって、爪部材58a、58bの間隔を第2宅配物Dの大きさに応じた間隔に変更する。ここで、第2宅配物Dは、直前に搬送した第1宅配物Dと比較して大きい。したがって、ロボット制御装置70は、間隔変更機構51によって、爪部材58a、58bの間隔を大きくすることで、爪部材58a、58bの間隔を第2宅配物Dの大きさに応じた間隔に変更する。
【0086】
そして、ロボット制御装置70は、棚40の載置面45に形成された複数の溝46のうち第2宅配物Dの下側に位置する溝46に載置面45の第1縁部45aの側から爪部材58a、58bを差し込むように、ロボットアーム61及びエンドエフェクタ50の動作を制御する。以降の手順は、上記した第1宅配物Dを筐体20の取り出し口34まで搬送する場合と同じであるため、ここではその説明を繰り返さない。
【0087】
図15は、本実施形態に係るモバイル型の収容装置から所望する宅配物が作業者によって取り出されている様子を示す概略図である。図15に示すように、作業者Pが運転席DSから降りて荷台LCの開き戸を開くと、筐体20に穿設された取り出し口34から所望する第1宅配物D、及び第2宅配物Dが取り出し可能な状態となっている。これにより、作業者Pは、収容装置10から第1宅配物D、及び第2宅配物Dの取り出しを容易に行うことが可能となる。最後に、作業者Pは、取り出し口34に存する第1宅配物D、及び第2宅配物Dを宅配先まで持ち運ぶ。
【0088】
ここで、従来から、例えば、宅配の物流拠点では、ロボットやAGV(Automated guided vehicle、無人搬送車)を用いて、DA(Distribution Automation、流通での自動化を図るシステム)による自動化が積極的に進められている。しかし、例えば、宅配の物流拠点から個人宅までの最終区間(いわゆる「ラストワンマイル」)では、自動化があまり進められていない。
【0089】
なお、ラストワンマイルでは、例えば、自動運転による無人自動車に宅配ボックスを搭載したり、ドローンを用いたりすることで、自動化を進める試みがなされている。しかし、例えば、前者の場合には安全面が懸念され、後者の場合には一度に配送できる量が限られてしまうという問題があった。これにより、ラストワンマイルでの宅配作業を自動化することが、現実的には困難であった。
【0090】
一方、上記実施形態に係る収容装置10を用いることによって、作業者Pが運転する貨物自動車Vの荷台LCに積み込んで複数の宅配物Dを搬送することができるため、安全面が懸念されることはなく、また、一度に配送できる量が限られてしまうこともない。したがって、収容装置10を用いることによって、ラストワンマイルでの宅配作業の一部を現実的に自動化することができる。
【0091】
(第1変形例)
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。したがって、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
【0092】
図17に基づき、上記実施形態に係るモバイル型の収容装置の第1変形例について説明する。図17は、当該第1変形例が、棚に収容された宅配物を保持して取り出している様子を示す概略的な断面図であり、(A)が爪部材を棚に形成された溝に差し込む直前の状態の図、(B)が爪部材を棚に形成された溝に差し込んだ状態の図、(C)が爪部材を上方へと移動させて宅配物を持ち上げた状態の図、(D)が宅配物を持ち上げた状態で爪部材を溝から引き抜く方向に移動させたときの図である。
【0093】
なお、本変形例に係るモバイル型の収容装置は、棚40及び爪部材58の構造を除き、上記実施形態に係るモバイル型の収容装置10と同様の構造を備える。したがって、同一部分には同じ参照番号を付し、同様となる説明は繰り返さない。
【0094】
図17に示すように、本変形例の爪部材58´は、本体部分59aと、本体部分59aの先端の上面に突設される突部59bと、を有する。また、本変形例の棚40´が有する板状部材44´には、第2縁部45bの上面に直方体状の凸部47´が突設される。当該凸部47´は、板状部材44´の幅方向の一端から他端まで延在する。板状部材44´にこのような凸部47´が形成されることで、当該板状部材44´から宅配物Dが落下してしまうことを抑制することが可能となる。
【0095】
凸部47´の第1縁部45a側の側面には、凹部48が形成される。当該凹部48は、凸部47´の下端縁から上方へと延びる。当該凹部48は、凸部47´の上端縁まで延びずに当該凸部47´の下端縁と上端縁の間で閉鎖されている。当該凹部48は、凸部47´の下端縁で溝46と連通している。
【0096】
本変形例に係るモバイル型の収容装置が、棚40´に収容された宅配物Dを持ち上げて保持する態様の一例について説明する。
【0097】
まず、図17(A)に示すように、ロボット制御装置70が、メモリ72に格納された宅配物Dの位置情報に基づき、ロボットアーム61の姿勢を変更して爪部材58´を宅配物Dの手前下側まで移動させる。
【0098】
次に、図17(B)に示すように、ロボット制御装置70は、棚40´の載置面45に形成された複数の溝46´のうち宅配物Dの下側に位置する溝46´に載置面45の第1縁部45aの側から爪部材58´を差し込むように、ロボットアーム61の動作を制御する。このとき、複数の溝46が、それぞれ、凸部47´に形成された凹部48の鉛直方向に延びる内壁によって閉鎖されているので、爪部材58´の先端が前記内壁に突き当たる。これにより、爪部材58´の後ろ方向(筐体20の背板23に向かう方向)への移動を規制することができるので、溝46に対して爪部材58´を差し込み過ぎることを防止することが可能となる。
【0099】
さらに、図17(C)に示すように、ロボット制御装置70は、爪部材58´を上方へと移動させて当該爪部材58´を溝46及び載置面45から離間させるように、ロボットアーム61の動作を制御する。このとき、複数の溝46の第2縁部45b側の上方が、それぞれ、凸部47´に形成された凹部48の水平方向に延びる内壁によって閉鎖されているので、爪部材58´の突部59bの上端が、前記内壁に突き当たる。これにより、爪部材58´の上方への移動を規制することができるので、溝46及び載置面45から爪部材58´を離間させ過ぎることを防止することが可能となる。また、上記のようにして、ロボット60´は、棚40´に収容された宅配物Dを持ち上げて保持することができる。
【0100】
最後に、図17(D)に示すように、ロボット制御装置70は、宅配物Dを持ち上げて保持した状態で、爪部材58を溝46から引き抜く方向(すなわち、前方向又は筐体20の前板22に向かう方向)へと移動させる。上記のようにして、ロボット60´は、棚40´に収容された宅配物Dを保持して取り出すことができる。
【0101】
(第2変形例)
図18に基づき、上記実施形態に係るモバイル型の収容装置の第2変形例について説明する。図17は、当該第2変形例が備える棚の一部を拡大した斜視図である。なお、本変形例に係るモバイル型の収容装置は、棚40の構造を除き、上記実施形態に係るモバイル型の収容装置10と同様の構造を備える。したがって、同一部分には同じ参照番号を付し、同様となる説明は繰り返さない。
【0102】
上記実施形態及び第1変形例では、棚40、40´に形成される複数の溝46、46´は、それぞれ、載置面45の第1縁部45aにおいて開放され、第2縁部45bまで延びずに第1縁部45aと第2縁部45bとの間で閉鎖されていた。一方、本変形例では、図18に示すように、棚40´´に形成される複数の溝46´´が、それぞれ、載置面45の第1縁部45aから第2縁部45bまで延び、載置面45の第1縁部45aだけでなく第2縁部45bにおいても開放されている。棚40´´に形成される複数の溝46´´は、このような構造を有していてもよい。
【0103】
(その他の変形例)
上記実施形態では、エンドエフェクタ50が二つの爪部材58a、58bを有する場合について説明した。しかし、この場合に限定されず、エンドエフェクタ50は、爪部材を一つのみ有してもよいし、又は、三つ以上有してもよい。なお、エンドエフェクタ50が爪部材を一つのみ有する場合、宅配物D(物品)を安定した状態で保持するために、当該爪部材の幅を図5に示す二つの爪部材58a、58bそれぞれの幅と比較して大きくすることが好ましい。
【0104】
なお、エンドエフェクタ50が爪部材を一つのみ有する場合、ロボット60は、二つの爪部材58a、58bの間隔を変更するための間隔変更機構51を備える必要がない。また、エンドエフェクタ50が爪部材を三つ以上有する場合、間隔変更機構51は、三つの爪部材それぞれの間隔を適宜変更するように構成されてもよい。
【0105】
上記実施形態では、筐体20の左側板25の外面に取り付けられた操作装置92を用いて、ロボット60及び探索装置80の電源のオンとオフを切り換える場合について説明した。しかし、この場合に限定されず、例えば、貨物自動車Vの運転席DSに、ロボット60及び探索装置80の電源のオンとオフを切り換えるための操作装置を配置してもよい。
【0106】
上記実施形態では、筐体20に穿設された取り出し口34に隣接して、所望する宅配物Dを仮置きするための仮置き棚36が配置される場合について説明した。しかし、この場合に限定されず、例えば、仮置き棚36を設けずにロボット60が取り出し口34で宅配物Dを保持し、所望する宅配物Dをロボット60から作業者Pに対して直接受け渡すようにしてもよい。
【0107】
上記実施形態では、取り出し口34が筐体20の左側板25にのみ穿設される場合について説明したが、これに限定されない。すなわち、取り出し口34は、筐体20の前板22、背板23、右側板24、左側板25、及び天板26のうち少なくともいずれか一つに穿設されていればよい。
【0108】
上記実施形態では、筐体20が直方体状である場合を説明したが、これに限定されない。例えば、筐体20は、立方体状であってもよいし、四角柱以外の多角柱状であってもよいし、又は、円柱状であってもよい。或いは、筐体20は、その内部に棚40及びロボット60が配置可能であり、かつ、その側面に取り出し口34が穿設可能なその他の形状であってもよい。
【0109】
上記実施形態では、収容装置10が、探索装置80及びパワーアシスト装置90を駆動するための電池86及び変換装置88を備える場合について説明した。しかし、この場合に限定されず、収容装置10は、電池86及び変換装置88のうちいずれかのみを備える構成であってもよいし、又は、電池86及び変換装置88の両方を備えない構成であってもよい。後者のような場合、探索装置80及びパワーアシスト装置90は、電池86及び貨物自動車Vの電源PSとは別個に設けられる他の電源から電力を供給されてもよい。
【0110】
また、例えば、電池86がパワーアシスト装置90及び探索装置80の一部である撮像装置82にのみ電力を供給してもよい。このとき、例えば、変換装置88が貨物自動車Vの電源PSから供給される電力の態様を探索装置80の一部であるロボット60で使用可能な態様に変換したうえで当該ロボット60にのみ電力を供給してもよい。さらに、例えば、電池86が、ロボット60、撮像装置82、及びパワーアシスト装置90それぞれに対して個別に設けられてもよい。
【0111】
上記実施形態では、ロボット60によって、所望する第1宅配物D、及び第2宅配物Dを筐体20に穿設された取り出し口34まで搬送する作業が、複数の宅配物Dのうちいずれかの宅配先まで移動している際中に行われる場合を説明した。このとき、例えば、貨物自動車Vが信号待ち等で一時的に停止している際中に行われてもよい。これにより、所望する宅配物Dを筐体20に穿設された取り出し口34まで搬送している際中に移動による振動が生じないので、所望する宅配物Dを取り出し口34まで確実に搬送することが可能となる。
【0112】
また、上記の場合に限定されず、例えば、貨物自動車Vが宅配先に到着してから、貨物自動車Vの荷台LCの開き戸が作業者Pによって開かれるまでの間に、前記搬送する作業が行われてもよい。このタイミングで前記搬送する作業を行うことで、例えば、貨物自動車Vを運転して移動している際中に前記搬送する作業を行う場合と比較して、収容装置10が振動しないので、前記搬送する作業を確実に行うことが可能となる。
【0113】
上記実施形態では、ロボット60は、レール28及び連結軸30上を移動可能であり、三つの関節軸JT1~JT3を有する片腕の水平多関節型ロボットとして構成される場合を説明したが、これに限定されない。例えば、ロボット60は、双腕の水平多関節型ロボットとして構成されてもよい。或いは、ロボット60は、極座標型ロボットとして構成されてもよいし、円筒座標型ロボットとして構成されてもよいし、直角座標型ロボットとして構成されてもよいし、垂直多関節型ロボットとして構成されてもよいし、又は、その他のロボットとして構成されてもよい。
【0114】
そして、ロボット60が、ロボットアーム61の姿勢を変更するのみで、当該ロボットアーム61の先端が棚40(収容部)の全範囲に移動可能であるように構成されるのであれば、筐体20内にレール28及び連結軸30を備えなくてもよい。これにより、収容装置10の構成をいっそう簡単にすることが可能となる。
【0115】
上記実施形態では、収容装置10が、筐体20を持ち運ぶ際に作業者Pの負担を軽減するためのパワーアシスト装置90を備える場合について説明した。しかし、この場合に限定されず、収容装置10は、パワーアシスト装置90を備えなくてもよい。これにより、収容装置10の構成をいっそう簡単にすることが可能となる。このような場合、筐体20には、例えば、車輪98及びハンドル94(把手)のうちの少なくともいずれかが設けられてもよい。これにより、収容装置10は、パワーアシスト装置90を備える場合と比較して、簡単な構成で、筐体20を持ち運ぶ際に作業者Pの負担を軽減することが可能となる。
【0116】
上記実施形態では、モバイル型の収容装置10が、複数の宅配物D(物品)を個人宅まで宅配するための現場(より詳細には、いわゆる「ラストワンマイル」)に適用して用いられる場合を説明した。しかし、この場合に限定されず、収容装置10は、例えば、宅配物以外の配達物(例えば、郵便物など)を個人宅以外の配達先(例えば、事業所又は事務所など)に配達するための現場(より詳細には、「ラストワンマイル」)に適用して用いられてもよい。また、収容装置10は、ラストワンマイル以外の物流の現場で用いられてもよいし、又は、物流以外の現場で用いられてもよい。後者のような場合、収容装置10は、配達物以外の複数の物品を収容するために用いられてもよい。
【0117】
上記実施形態では、ロボット60が、筐体20内に棚40(収容部)とともに配置され、当該棚40に収容された宅配物Dを筐体20の取り出し口34まで搬送する場合について説明した。しかし、この場合に限定されず、ロボット60は、例えば、棚40(収容部)に隣接した床面に載置され、当該棚40に収容された宅配物Dを別の場所(例えば、ベルトコンベヤの上流側部分)まで搬送するように用いられてもよい。また、ロボット60は、宅配物D以外の物品を搬送するように構成されてもよい。すなわち、上記実施形態で説明したロボット制御方法は、棚40(収容部)から宅配物以外の物品を取り出す場合にも適用することが可能である。
【符号の説明】
【0118】
10 収容装置
20 筐体
21 底板
22 前板
23 背板
24 右側板
25 左側板
26 天板
28 レール
29 移動子
30 連結軸
32 開口
33 開き戸
34 取り出し口
36 仮置き棚
40 棚
42 支柱
44 板状部材
45 載置面
46 溝
47 内壁
48 凹部
50 エンドエフェクタ
51 間隔変更機構
52 枠体
54 ベベルギヤ
55 ピニオン
56 ラック
58 爪部材
60 ロボット
61 ロボットアーム
62 取り付け部
63 貫通孔
64 リンク
70 ロボット制御装置
72 メモリ
74 プロセッサ
76 サーボモータ
80 探索装置
82 撮像装置
84 解析装置
86 電池
88 変換装置
90 パワーアシスト装置
92 操作装置
94 ハンドル
95 制御装置
96 外力センサ
98 車輪
D 宅配物
JT 関節軸
P 作業者
V 貨物自動車
DS 運転席
LC 荷台
PS 電源
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18