(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-29
(45)【発行日】2023-09-06
(54)【発明の名称】車載処理装置
(51)【国際特許分類】
G01C 21/26 20060101AFI20230830BHJP
G08G 1/0968 20060101ALI20230830BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20230830BHJP
G09B 29/10 20060101ALI20230830BHJP
G09B 29/00 20060101ALI20230830BHJP
B60W 40/06 20120101ALI20230830BHJP
B60W 30/10 20060101ALI20230830BHJP
【FI】
G01C21/26 A
G08G1/0968 A
G08G1/16 C
G09B29/10 A
G09B29/00 A
B60W40/06
B60W30/10
(21)【出願番号】P 2019131233
(22)【出願日】2019-07-16
【審査請求日】2022-05-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金子 貴之
(72)【発明者】
【氏名】黒澤 大樹
(72)【発明者】
【氏名】正嶋 博
【審査官】高島 壮基
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0345959(US,A1)
【文献】特開2005-121707(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 30/00-60/00
G01C 21/00-21/36
G08G 1/00-99/00
G09B 29/10
29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通路を自車両が走行した往路経路
における、所定間隔ごとの各ノード点を対向車線側にオフセットし
た複数のノード点を繋いで目的地までのオフセット経路を生成するオフセット経路生成部と、
前記オフセット経路生成部で生成された前記オフセット経路に基づいて、
目的地までの複数の区間のうち、自車両が走行している区間の次の区間における、前記オフセット経路の各ノード点の垂線上に、均等に配置されるように復路経路の候補となる複数の候補点を生成する候補点生成部と、
前記候補点生成部が生成した前記候補点
のうち、自車両が走行している区間の次の区間における、走行中の自車両の速度に応じた位置にあるノード点の垂線上の複数の候補点を繋いだ複数の候補経路を生成する候補経路生成部と、
前記候補経路生成部が生成した複数の前記候補経路に基づいて、
全長が短いもの、曲率和が小さいもの、車幅方向の距離が小さいもののいずれかを高評価として重み付けして復路経路を選択する経路選択部と、を備える
ことを特徴とする、車載処理装置。
【請求項2】
前記オフセット経路は、前記往路経路と、前記通路の通路幅と、に基づいて算出される
ことを特徴とする、請求項1に記載の車載処理装置。
【請求項3】
通路を自車両が走行した往路経路に
おける、所定間隔ごとの各ノード点の垂線上に、均等に配置されるように複数の候補点を生成する候補点生成部と、
前記候補点生成部が生成した前記候補点
に対し、目的地までの複数の区間のうち、自車両が走行している区間の次の区間における、走行中の自車両の速度に応じた位置にあるノード点の垂線上の複数の候補点を繋いだ複数の候補経路を生成する候補経路生成部と、
前記候補経路生成部が生成した複数の前記候補経路に基づいて、
全長が短いもの、曲率和が小さいもの、車幅方向の距離が小さいもののいずれかを高評価として重み付けして復路経路を選択する経路選択部と、を備え、
前記候補経路生成部は、前記往路経路の対向車線側に、複数の前記候補経路を生成する
ことを特徴とする、車載処理装置。
【請求項4】
通路を自車両が走行した往路経路に
おける、所定間隔ごとの各ノード点の垂線上に、均等に配置されるように複数の候補点を生成する候補点生成部と、
前記候補点生成部が生成した前記候補点
に対し、目的地までの複数の区間のうち、自車両が走行している区間の次の区間における、走行中の自車両の速度に応じた位置にあるノード点の垂線上の複数の候補点を繋いだ複数の候補経路を生成する候補経路生成部と、
前記候補経路生成部が生成した複数の前記候補経路に基づいて、
全長が短いもの、曲率和が小さいもの、車幅方向の距離が小さいもののいずれかを高評価として重み付けして復路経路を選択する経路選択部と、を備え、
前記経路選択部は、前記往路経路の対向車線側にある前記候補経路を選択する
ことを特徴とする、車載処理装置。
【請求項5】
通路を自車両が走行した往路経路に
おける、所定間隔ごとの各ノード点の垂線上に、均等に配置されるように複数の候補点を生成する候補点生成部と、
前記候補点生成部が生成した前記候補点
に対し、目的地までの複数の区間のうち、自車両が走行している区間の次の区間における、走行中の自車両の速度に応じた位置にあるノード点の垂線上の複数の候補点を繋いだ複数の候補経路を生成する候補経路生成部と、
前記候補経路生成部が生成した複数の前記候補経路に基づいて、
全長が短いもの、曲率和が小さいもの、車幅方向の距離が小さいもののいずれかを高評価として重み付けして復路経路を選択する経路選択部と、を備え、
前記候補点生成部は、前記往路経路の対向車線側に、複数の前記候補点を生成する
ことを特徴とする、車載処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自車両が走行する経路を生成する車載処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自車両が過去に走行した経路を利用して、自車両が走行する経路を生成することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、過去の走行軌跡データに基づいて、走行経路を生成する走行経路生成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1には、復路経路についての記載がない。そのため、特許文献1に記載の走行経路生成装置は、自車両が過去に走行した往路経路に基づいて、復路経路を生成することができない、という問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、自車両が走行した往路経路に基づいて、自車両が走行する復路経路を生成することができる車載処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の車載処理装置は、
通路を自車両が走行した往路経路における、所定間隔の各ノード点を対向車線側にオフセットした複数のノード点を繋いで目的地までのオフセット経路を生成するオフセット経路生成部と、
前記オフセット経路生成部で生成された前記オフセット経路に基づいて、目的地までの複数の区間のうち、自車両が走行している区間の次の区間における、前記オフセット経路の各ノード点の垂線上に、均等に配置されるように復路経路の候補となる複数の候補点を生成する候補点生成部と、
前記候補点生成部が生成した前記候補点のうち、自車両が走行している区間の次の区間における、走行中の自車両の速度に応じた位置にあるノード点の垂線上の複数の候補点を繋いだ複数の候補経路を生成する候補経路生成部と、
前記候補経路生成部が生成した複数の前記候補経路に基づいて、全長が短いもの、曲率和が小さいもの、車幅方向の距離が小さいもののいずれかを高評価として重み付けして復路経路を選択する経路選択部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の車載処理装置は、
通路を自車両が走行した往路経路における、所定間隔ごとの各ノード点の垂線上に、均等に配置されるように複数の候補点を生成する候補点生成部と、
前記候補点生成部が生成した前記候補点に対し、目的地までの複数の区間のうち、自車両が走行している区間の次の区間における、走行中の自車両の速度に応じた位置にあるノード点の垂線上の複数の候補点を繋いだ複数の候補経路を生成する候補経路生成部と、
前記候補経路生成部が生成した複数の前記候補経路に基づいて、全長が短いもの、曲率和が小さいもの、車幅方向の距離が小さいもののいずれかを高評価として重み付けして復路経路を選択する経路選択部と、を備え、
前記候補経路生成部は、前記往路経路の対向車線側に、複数の前記候補経路を生成することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の車載処理装置は、
通路を自車両が走行した往路経路における、所定間隔ごとの各ノード点の垂線上に、均等に配置されるように複数の候補点を生成する候補点生成部と、
前記候補点生成部が生成した前記候補点に対し、目的地までの複数の区間のうち、自車両が走行している区間の次の区間における、走行中の自車両の速度に応じた位置にあるノード点の垂線上の複数の候補点を繋いだ複数の候補経路を生成する候補経路生成部と、
前記候補経路生成部が生成した複数の前記候補経路に基づいて、全長が短いもの、曲率和が小さいもの、車幅方向の距離が小さいもののいずれかを高評価として重み付けして復路経路を選択する経路選択部と、を備え、
前記経路選択部は、前記往路経路の対向車線側にある前記候補経路を選択することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の車載処理装置は、
通路を自車両が走行した往路経路における、所定間隔ごとの各ノード点の垂線上に、均等に配置されるように複数の候補点を生成する候補点生成部と、
前記候補点生成部が生成した前記候補点に対し、目的地までの複数の区間のうち、自車両が走行している区間の次の区間における、走行中の自車両の速度に応じた位置にあるノード点の垂線上の複数の候補点を繋いだ複数の候補経路を生成する候補経路生成部と、
前記候補経路生成部が生成した複数の前記候補経路に基づいて、全長が短いもの、曲率和が小さいもの、車幅方向の距離が小さいもののいずれかを高評価として重み付けして復路経路を選択する経路選択部と、を備え、
前記候補点生成部は、前記往路経路の対向車線側に、複数の前記候補点を生成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
このように構成された本発明の車載処理装置は、自車両が走行した往路経路に基づいて、自車両が走行する復路経路を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施例1の走行経路生成システムを示す構成図である。
【
図2】実施例1のオフセット経路生成部を説明する図である。
【
図3】実施例1のオフセット経路生成部を説明する図である。
【
図4】実施例1の候補点生成部を説明する図である。
【
図5】実施例1の候補経路生成部と経路選択部を説明する図である。
【
図6】実施例1の車載処理装置のシステムフローを示すフローチャートである。
【
図7】実施例1のオフセット経路生成の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図8】実施例1の復路経路生成の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図9】実施例2の対向車線領域算出部を説明する図である。
【
図10】実施例2の候補点生成部を説明する図である。
【
図11】実施例2の候補経路生成部と経路選択部を説明する図である。
【
図12】実施例2の車載処理装置のシステムフローを示すフローチャートである。
【
図13】実施例2の対向車線領域算出の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図14】実施例2の復路経路生成の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図15】実施例3の経路選択部を説明する図である。
【
図16】実施例3の復路経路生成の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図17】実施例4の候補点生成部を説明する図である。
【
図18】実施例4の復路経路生成の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明による車載処理装置を実現する実施形態を、図面に示す実施例1~実施例4に基づいて説明する。
【実施例1】
【0014】
実施例1における車載処理装置を備える走行経路生成システムは、移動体としての自動車に搭載される。実施例1では、駐車場において、入庫の際に自車両が過去に走行した往路経路に基づいて、出庫の際に自車両が、往路経路と同じ通路上の復路経路を自動運転で走行する場合について説明する。
【0015】
[走行経路生成システムの構成]
図1は、実施例1の走行経路生成システムを示す構成図である。以下、
図1に基づいて、実施例1の走行経路生成システムの構成を説明する。
【0016】
走行経路生成システム1は、第1入力部10と、第2入力部20と、車載処理装置30と、出力部50と、を備える。
【0017】
(第1入力部)
第1入力部10は、携帯端末としてのスマートフォン11と、双方向通信が可能な通信装置12と、入力装置13と、ソナー14と、レーダ15と、ライダ16と、ステレオカメラ17と、車速センサ18と、舵角センサ19と、を備える。
【0018】
スマートフォン11は、入力画面を備え、ユーザは、入力画面に対して、入庫又は出庫の指示の情報を入力できるようになっている。
【0019】
通信装置12は、例えばTCU(Telematics Communication Unit)であり、スマートフォン11との双方向の通信を可能とする。通信装置12が受信した入庫又は出庫の情報は、車載処理装置30に入力される。
【0020】
入力装置13は、例えばナビゲーションシステムであり、地図情報を保有する。地図情報は、車載処理装置30に入力される。
【0021】
ソナー14は、例えば、自車両のフロントバンパーに取り付けられる。ソナー14は、音波を発信し、障害物からの反射波を捕えることにより、自車両から障害物までの方向や距離を測定する。障害物には、他車両や、歩行者や、縁石や、車止め等が含まれる。すなわち、ソナー14は、自車両の周辺情報を測定する。ソナー14が測定した自車両の周辺情報は、車載処理装置30に入力される。
【0022】
レーダ15は、例えば、自車両のフロントバンパーに取り付けられる。レーダ15は、電波を発信し、障害物からの反射電波を捕えることにより、自車両から障害物までの方向や距離を測定する。すなわち、レーダ15は、自車両の周辺情報を測定する。レーダ15が測定した自車両の周辺情報は、車載処理装置30に入力される。
【0023】
ライダ16は、例えば、自車両のフロントバンパーに取り付けられる。ライダ16は、レーザ光を発信し、障害物からの反射レーザ光を受光することにより、自車両から障害物までの方向や距離を測定する。すなわち、ライダ16は、自車両の周辺情報を測定する。ライダ16が測定した自車両の周辺情報は、車載処理装置30に入力される。
【0024】
ステレオカメラ17は、例えば、ルームミラーの近傍に取り付けられる。ステレオカメラ17は、画像情報により、自車両から障害物までの方向や距離を測定する。また、ステレオカメラ17は、画像情報により、駐車場の枠線や、歩行者用通路の線等の路面標示の情報を取得する。すなわち、ステレオカメラ17は、自車両の周辺情報を測定する。ステレオカメラ17が測定した自車両の周辺情報は、車載処理装置30に入力される。
【0025】
車速センサ18は、自車両の車速を検出する。すなわち、車速センサ18は、自車両の情報を検出する。車速センサ18が検出した自車両の情報は、車載処理装置30に入力される。
【0026】
舵角センサ19は、自車両のステアリングの操舵角を検出する。すなわち、舵角センサ19は、自車両の情報を検出する。舵角センサ19が検出した自車両の情報は、車載処理装置30に入力される。
【0027】
(第2入力部)
第2入力部20は、4台のカメラ21と、GNSS受信機22と、を備える。
【0028】
各カメラ21は、自車両の周囲を異なる撮影範囲で撮影するためのものであり、自車両のフロントバンパー、リアバンパー、ドアミラー等に設置されている。各カメラ21の撮影範囲を合わせると、自車両の全周囲をカバーできるようになっている。すなわち、各カメラ21は、自車両の周辺情報を撮影する。各カメラ21によって撮影された自車両の周辺情報は、車載処理装置30に入力される。
【0029】
GNSS受信機22は、衛星航法システムを構成する複数の衛星から信号を受信し、受信した信号に基づく演算によりGNSS受信機22の位置(例えば、緯度および経度)を算出する。GNSS受信機22が算出した位置情報は、車載処理装置30に入力される。
【0030】
(車載処理装置)
車載処理装置30は、RAM31と、記憶部32と、演算部40と、を備える。
【0031】
RAM31は、入力装置13からの地図情報と、ソナー14とレーダ15とライダ16とステレオカメラ17とカメラ21とからの自車両の周辺情報と、GNSS受信機22が算出した位置情報と、により作成された自車両の周辺の現在地
図31aを記憶する。
【0032】
記憶部32は、入力装置13からの地図情報と、ソナー14とレーダ15とライダ16とステレオカメラ17とカメラ21とからの自車両の周辺情報と、GNSS受信機22が算出した位置情報と、により作成された学習地
図32aを記憶する。
【0033】
学習地
図32aは、自車両が過去に走行した経路情報である。この経路情報には、自車両が過去に走行した往路経路の情報と、この往路経路の周辺に存在した障害物や路面標示の情報とが含まれる。往路経路の情報は、例えば、約1m間隔のノード点として記憶され、障害物や路面標示の情報は、例えば、物標点として記憶される。
【0034】
また、記憶部32は、車両パラメータ32bを記憶する。車両パラメータ32bは、仕向け地や、車幅や、トレッド幅や、ハンドルの取付位置等の自車両の既知の情報である。
【0035】
また、記憶部32は、クリアランス値32cを記憶する。クリアランス値32cは、自車両の車幅方向において、自車両の中心から通路の縁までの距離であり、例えば2[m]である。クリアランス値32cは、自車両の車幅方向において、自車両から通路の縁までの距離が、例えば1[m]を確保できるように設定する。
【0036】
演算部40は、点群データ取得部41と、位置推定部42と、経路計算部43と、を備える。なお、演算部40は、車載処理装置30の全体の制御を司る。
【0037】
点群データ取得部41は、学習地
図32aを取得する。位置推定部42は、GNSS受信機22が算出した位置情報から、現在地
図31a上の自車両の位置を推定する。
【0038】
(出力部)
出力部50は、表示装置51と、車両制御装置52と、操舵装置53と、駆動装置54と、制御装置55と、を備える。
【0039】
表示装置51には、経路計算部43が計算処理をした処理情報が表示される。車両制御装置52は、経路計算部43が計算処理をした処理情報に基づいて、操舵装置53としてのステアリングと、駆動装置54としてのアクセルと、制御装置55としてのシフトやブレーキと、の制御量を算出し、操舵装置53と、駆動装置54と、制御装置55とに指示を与える。
【0040】
[経路計算部]
図2及び
図3は、実施例1のオフセット経路生成部を説明する図である。
図4は、実施例1の候補点生成部を説明する図である。
図5は、実施例1の候補経路生成部と経路選択部を説明する図である。以下、
図2~5に基づいて、実施例1の経路計算部43について説明する。
【0041】
経路計算部43は、
図1に示すように、オフセット経路生成部44と、候補点生成部45と、候補経路生成部46と、経路選択部47と、を備える。
【0042】
(オフセット経路生成部)
オフセット経路生成部44は、通路特定部44aと、通路幅算出部44bと、通行方向算出部44cと、オフセット方向算出部44dと、オフセット量算出部44eと、を備える。
【0043】
オフセット経路生成部44は、
図2に示すように、自車両Eが走行した往路経路T1を、通路Sの幅方向で対向車線に向かうオフセット方向Dにオフセットしたオフセット経路T2を生成する。
【0044】
通路特定部44aは、ソナー14とレーダ15とライダ16とステレオカメラ17とカメラ21とからの自車両Eの周辺情報に基づいて、自車両Eが走行する通路Sを特定する。
【0045】
具体的には、通路特定部44aは、自車両Eの周辺情報に基づいて算出された停車車両や壁や縁石等の障害物のない領域Jのうち、自車両Eの車幅方向で最も狭い幅の領域を、通路Sとして特定する。領域Jは、他車両や壁や縁石等の障害物、及び、駐車場の枠線や、歩行者用通路の線等の路面標示のない領域としてもよい。
【0046】
通路幅算出部44bは、
図3に示すように、通路特定部44aが特定した通路Sの通路幅(幅員)dwを算出する。また、通路幅算出部44bは、通路幅dwと、GNSS受信機22が算出した位置情報とに基づいて、自車両Eの往路経路T1の走行方向からみて、自車両Eの中心から左側の第1通路幅d1と、自車両Eの中心から右側の第2通路幅d2と、を算出する。第1通路幅d1と第2通路幅d2との和は、通路幅dwとなる。
【0047】
通行方向算出部44cは、車両パラメータ32bに基づいて、通路Sにおける自車両Eの通行方向を算出する。通行方向算出部44cは、例えば、自車両Eの仕向け地が日本である場合、通行方向を通路Sの左側である左側通行と算出する。
【0048】
なお、通行方向算出部44cは、第1通路幅d1と第2通路幅d2に基づいて、通路Sにおける自車両Eの通行方向を算出してもよい。例えば、通行方向算出部44cは、第1通路幅d1が第2通路幅d2より短い場合、通行方向を通路Sの左側である左側通行と算出する。通行方向算出部44cは、第2通路幅d2が第1通路幅d1より短い場合、通行方向を通路Sの右側である右側通行と算出する。
【0049】
オフセット方向算出部44dは、通行方向算出部44cが算出した通行方向から、オフセット方向Dを算出する。通行方向が通路Sの左側である左側通行である場合、オフセット方向Dは、自車両Eの車幅方向において、通路Sの右側となる。通行方向が通路Sの右側である右側通行である場合、オフセット方向Dは、自車両Eの車幅方向において、通路Sの左側となる。すなわち、オフセット方向Dは、自車両Eの走行方向の対向車線側となる。
【0050】
オフセット量算出部44eは、クリアランス値32cと、自車両Eの車幅と、第2通路幅d2とに基づいて、往路経路T1をオフセット方向Dにオフセットするオフセット量Zを算出する。オフセット量Zは、例えば、自車両Eの車幅以上であり、オフセット経路T2がクリアランス値32cを確保できるように算出される。
【0051】
すなわち、オフセット経路生成部44は、自車両Eが走行した往路経路T1を、通路Sの幅方向で対向車線に向かうオフセット方向Dに、オフセット量Zのオフセットをしたオフセット経路T2を生成する。
【0052】
(候補点生成部)
候補点生成部45は、
図4に示すように、オフセット経路T2に対して、現在の自車両の周辺情報と、現在の自車両の情報と、に基づいて、所定の区間A1に、複数の候補点nを生成する。候補点生成部45は、候補点nを障害物のある場所には生成しないようにする。
【0053】
オフセット経路T2は、複数のノード点Pを繋いで目的地点Gまで形成される。候補点nは、自車両Eが走行している区間A0より先の所定の区間A1に形成される。候補点nは、区間A1の各ノード点P1~P8において、オフセット経路T2の垂線f1~f8上に形成される。垂線f1には、4つの候補点n1が、ノード点P1に対して、左右均等に配置される。垂線f2~f8にも同様に、4つの候補点n2~n8が、ノード点P2~P8に対して、左右均等に配置される。
【0054】
(候補経路生成部)
候補経路生成部46は、
図5に示すように、候補点生成部45が生成した候補点nを繋いだ複数の候補経路Cを生成する。候補経路生成部46は、区間A0を走行中の自車両Eの速度に基づいて、区間A1において複数の候補経路Cを生成する。候補経路生成部46は、自車両Eの速度が大きい場合、繋ぐ候補点nを先の候補点(例えば、候補点n8)とし、自車両Eの速度が小さい場合、繋ぐ候補点nを手前の候補点(例えば、候補点n7)とする。実施例1では、5つの候補経路C1~C5が生成される。なお、ノード点Pは候補点nに含まれるものとする。
【0055】
(経路選択部)
経路選択部47は、
図5に示すように、5つの候補経路C1~C5を、全長で重み付けして、復路経路C3を選択する。
【0056】
経路選択部47は、候補経路C1~C5の中で、全長が短いものを高評価として重み付けして、復路経路C3を選択する。すなわち、経路選択部47は、候補経路Cの全長を考慮して、復路経路C3を選択する
【0057】
経路選択部47は、候補経路C1~C5の中で、曲率和が小さいものを高評価として重み付けして、復路経路を選択してもよい。曲率和とは、オフセット経路T2と候補経路Cとで形成された面積であり、ヨーレートの合計である。
【0058】
経路選択部47は、候補経路C1~C5の中で、区間A0を走行中の自車両Eの、オフセット経路T2に対する車幅方向の距離(横位置のズレ量)が小さいものを高評価として重み付けして、復路経路を選択してもよい。
【0059】
このようにして、自車両Eが区間A0を走行している間に、次の区間A1の経路を生成する。また、自車両Eが区間A1を走行している間に、次の区間A2の経路を生成し、目的地点Gまで経路が生成されることになる。
【0060】
[経路計算部の処理の流れ]
図6は、実施例1の車載処理装置のシステムフローを示すフローチャートである。
図7は、実施例1のオフセット経路生成の処理の流れを示すフローチャートである。
図8は、実施例1の復路経路生成の処理の流れを示すフローチャートである。以下、
図6~
図8に基づいて、実施例1の経路計算部43の処理の流れを説明する。
【0061】
(車載処理装置のシステムフロー)
図6に示すように、自車両Eの入庫の際に、オフセット経路生成部44は、オフセット経路生成の処理を実行する(ステップS101)。
【0062】
次いで、ユーザがスマートフォン11に対して、出庫の指示を与えると(ステップS102)、演算部40は、GNSS受信機22が算出した位置情報から、自車両の周辺の学習地
図32aの読み込みを行う(ステップS103)。次いで、演算部40は、現在地
図31aを生成する(ステップS104)。次いで、位置推定部42は、GNSS受信機22が算出した位置情報から、現在地
図31a上の自車両の位置を推定する(ステップS105)。
【0063】
次いで、経路計算部43は、復路経路生成の処理を実行する(ステップS106)。次いで、車両制御装置52は、経路計算部43が計算処理をした処理情報に基づいて、操舵装置53と、駆動装置54と、制御装置55との制御量を算出し(ステップS107)、その制御量を、操舵装置53と、駆動装置54と、制御装置55とに与える。
【0064】
次いで、算出された制御量に従って操舵装置53と、駆動装置54と、制御装置55とが制御されて、自車両Eが区間A1を走行する(ステップS108)。
【0065】
次いで、演算部40は、目的地点Gに到達したか否かを判断する(ステップS109)。目的地点Gに到達したと判断した場合(ステップS109でYES)、車載処理装置30のシステムフローを終了する。一方、目的地点Gに到達していないと判断した場合(ステップS109でNO)、ステップS104に戻る。
【0066】
(オフセット経路生成の処理の流れ)
図7に示すように、オフセット経路生成部44の通路幅算出部44bは、通路特定部44aが特定した通路Sの通路幅(幅員)dwを算出する(ステップS201)。
【0067】
次いで、通行方向算出部44cは、車両パラメータ32bに基づいて、通路Sにおける自車両Eの通行方向を算出する(ステップS202)。
【0068】
次いで、オフセット方向算出部44dは、通行方向算出部44cが算出した通行方向から、オフセット方向Dを算出する(ステップS203)。
【0069】
次いで、通路幅算出部44bは、通路幅dwと、GNSS受信機22が算出した位置情報とに基づいて、自車両Eの往路経路T1の走行方向からみて、自車両Eの中心から左側の第1通路幅d1と、自車両Eの中心から右側の第2通路幅d2と、を算出する(ステップS204)。
【0070】
次いで、オフセット量算出部44eは、クリアランス値32cと、自車両Eの車幅と、第2通路幅d2とに基づいて、往路経路T1をオフセット方向Dにオフセットするオフセット量Zを算出する(ステップS205)。
【0071】
次いで、オフセット経路生成部44は、自車両Eが走行した往路経路T1を、通路Sの幅方向で対向車線に向かうオフセット方向Dに、オフセット量Zだけオフセットしたオフセット経路T2を生成し(ステップS206)、オフセット経路生成の処理を終了する。
【0072】
(復路経路生成の処理の流れ)
図8に示すように、候補点生成部45は、オフセット経路T2に対して、現在の自車両の周辺情報と、現在の自車両の情報と、に基づいて、所定の区間A1に、複数の候補点nを生成する(ステップS301)。
【0073】
次いで、候補経路生成部46は、候補点生成部45が生成した候補点nを繋いだ複数の候補経路Cを生成する(ステップS302)。
【0074】
次いで、経路選択部47は、5つの候補経路C1~C5を、全長で重み付けして、復路経路C3を選択し(ステップS303)、復路経路生成の処理を終了する。
【0075】
[車載処理装置の作用]
実施例1の車載処理装置30の作用を説明する。実施例1の車載処理装置30は、通路Sを自車両Eが走行した往路経路T1を対向車線側にオフセットしたオフセット経路T2を生成するオフセット経路生成部44と、オフセット経路生成部44で生成されたオフセット経路T2に基づいて、復路経路C3の候補となる複数の候補点nを生成する候補点生成部45と、候補点生成部45が生成した候補点nを繋いだ複数の候補経路Cを生成する候補経路生成部46と、候補経路生成部46が生成した複数の候補経路Cに基づいて、復路経路C3を選択する経路選択部と、を備える。
【0076】
これにより、自車両Eが走行した往路経路T1に基づいて、自車両Eが走行する復路経路C3を生成することができる。また、オフセット経路T2を往路経路T1から遠ざけることができる。そして、オフセット経路T2に紐付けられて生成された復路経路C3を、往路経路T1からできるだけ遠ざけることができる。そのため、自車両Eが復路経路C3を走行する際に、往路経路T1を走行する他車両を回避するために、自車両Eが蛇行する量を少なくすることができる。その結果、自車両Eは、復路経路C3を少ない蛇行で走行することができる。
【0077】
実施例1の車載処理装置30において、オフセット経路T2は、往路経路T1と、通路Sの通路幅dwと、に基づいて算出される(
図2及び
図3)。
【0078】
これにより、通路幅dwが広い場合は、オフセット量Zを大きくして、オフセット経路T2を往路経路T1から遠ざけることができる。そのため、オフセット経路T2に紐付けられて生成された復路経路C3を、オフセット経路T2を往路経路T1から遠ざけることができる。そのため、自車両Eは、復路経路C3を蛇行しないで走行することができる。
【0079】
一方、通路幅dwが狭い場合、オフセット量Zは少なくなるものの、オフセット経路T2を往路経路T1からできるだけ遠ざけることができる。そのため、オフセット経路T2に紐付けられて生成された復路経路C3を、往路経路T1からできるだけ遠ざけることができる。その結果、自車両Eが復路経路C3を走行する際に、往路経路T1を走行する他車両を回避するために蛇行する蛇行量を少なくすることができる。
【実施例2】
【0080】
実施例2の車載処理装置は、主に候補点生成部と候補経路生成部の構成が異なる点で、実施例1の車載処理装置と相違する。
【0081】
[車載処理装置の構成]
図9は、実施例2の対向車線領域算出部を説明する図である。
図10は、実施例2の候補点生成部を説明する図である。
図11は、実施例2の候補経路生成部と経路選択部を説明する図である。以下、
図9~
図11に基づいて、実施例2の車載処理装置の構成を説明する。なお、上記実施例で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語又は同一の符号を用いて説明する。
【0082】
実施例2の車載処理装置30は、
図1に示すように、対向車線領域算出部144を備える。対向車線領域算出部144は、通路特定部44aと、通路幅算出部44bと、通行方向算出部44cと、を備える。
【0083】
対向車線領域算出部144は、
図9に示すように、通行方向算出部44cが算出した通行方向から、自車両Eに対して、通路Sの対向視線側にある対向車線領域Qを算出する。
【0084】
対向車線領域Qは、通路Sにおいて、往路経路T1より、自車両Eの対向車線側の領域とする。なお、対向車線領域Qは、往路経路T1から、自車両Eの車幅Wの半分以上の距離が離れた対向車線側の領域とすることができる。
【0085】
通行方向が通路Sの左側である左側通行である場合、対向車線領域Qは、自車両Eの車幅方向において、通路Sの右側となる。通行方向が通路Sの右側である右側通行である場合、対向車線領域Qは、自車両Eの車幅方向において、通路Sの左側となる。
【0086】
候補点生成部45は、
図10に示すように、往路経路T1に対して、現在の自車両の周辺情報と、現在の自車両の情報と、に基づいて、所定の区間A1に、複数の候補点nを生成する。候補点生成部45は、候補点nを障害物のある場所には生成しないようにする。
【0087】
往路経路T1は、複数のノード点Pを繋いで目的地点Gまで形成される。候補点nは、自車両Eが走行している区間A0より先の所定の区間A1に形成される。候補点nは、区間A1の各ノード点P1~P8において、往路経路T1の垂線f1~f8上に形成される。垂線f1には、5つの候補点n1が、ノード点P1に対して配置される。5つの候補点n1は、通路Sの通路幅dwいっぱいに生成される。垂線f2~f8にも同様に、5つの候補点n2~n8が、ノード点P2~P8に対して配置される。
【0088】
候補経路生成部46は、
図11に示すように、対向車線領域Qに、複数の候補経路C1~C5を生成する。すなわち、候補経路生成部46は、通路Sを自車両Eが走行した往路経路T1に対して、対向車線側に、複数の候補経路を生成する。
【0089】
候補経路生成部46は、候補点生成部45が生成した候補点nを繋いだ複数の候補経路Cを生成する。候補経路生成部46は、区間A0を走行中の自車両Eの速度に基づいて、区間A1において複数の候補経路Cを生成する。候補経路生成部46は、自車両Eの速度が大きい場合、繋ぐ候補点nを先の候補点(例えば、候補点n8)とし、自車両Eの速度が小さい場合、繋ぐ候補点nを手前の候補点(例えば、候補点n7)とする。実施例2では、5つの候補経路C1~C5が生成される。なお、ノード点Pは候補点nに含まれるものとする。
【0090】
経路選択部47は、
図10に示すように、5つの候補経路C1~C5を、全長で重み付けして、復路経路を選択する。
【0091】
[経路計算部の処理の流れ]
図12は、実施例2の車載処理装置のシステムフローを示すフローチャートである。
図13は、実施例2の対向車線領域算出の処理の流れを示すフローチャートである。
図14は、実施例2の復路経路生成の処理の流れを示すフローチャートである。以下、
図12~
図14に基づいて、実施例2の経路計算部43の処理の流れを説明する。
【0092】
(車載処理装置のシステムフロー)
図12に示すように、対向車線領域算出部144は、自車両Eの入庫の際の走行する自車両Eに対する対向車線の方向を算出する対向車線領域算出の処理を実行する(ステップS401)。なお、ステップS402~ステップS409は、実施例1のステップS102~ステップS109に対応する。
【0093】
(対向車線領域算出の処理の流れ)
図13に示すように、対向車線領域算出部144の通路幅算出部44bは、通路特定部44aが特定した通路Sの通路幅(幅員)dwを算出する(ステップS501)。
【0094】
次いで、通行方向算出部44cは、車両パラメータ32bに基づいて、通路Sにおける自車両Eの通行方向を算出する(ステップS502)。
【0095】
次いで、通路幅算出部44bは、通路幅dwと、GNSS受信機22が算出した位置情報とに基づいて、自車両Eの往路経路T1の走行方向からみて、自車両Eの中心から左側の第1通路幅d1と、自車両Eの中心から右側の第2通路幅d2と、を算出する(ステップS503)。
【0096】
次いで、対向車線領域算出部144は、通行方向算出部44cが算出した通行方向から、自車両Eに対して、対向車線領域Qを算出し(ステップS504)、対向車線領域算出の処理を終了する。
【0097】
(復路経路生成の処理の流れ)
図14に示すように、候補点生成部45は、往路経路T1に対して、現在の自車両の周辺情報と、現在の自車両の情報と、に基づいて、所定の区間A1に、複数の候補点nを生成する(ステップS601)。
【0098】
次いで、候補経路生成部46は、候補経路生成部46は、通路Sを自車両Eが走行した往路経路T1に対して、対向車線領域Qに、候補点生成部45が生成した候補点nを繋いだ複数の候補経路Cを生成する(ステップS602)。
【0099】
次いで、経路選択部47は、5つの候補経路C1~C5を、全長で重み付けして、復路経路C3を選択し(ステップS603)、復路経路生成の処理を終了する。
【0100】
[車載処理装置の作用]
実施例2の車載処理装置30の作用を説明する。実施例2の車載処理装置30は、通路Sを自車両Eが走行した往路経路T1に対して、複数の候補点nを生成する候補点生成部45と、候補点生成部45が生成した候補点nを繋いだ複数の候補経路Cを生成する候補経路生成部46と、候補経路生成部46が生成した複数の候補経路Cに基づいて、復路経路C3を選択する経路選択部47と、を備え、候補経路生成部46は、往路経路T1の対向車線側に、複数の候補経路Cを生成する(
図9及び
図10)。
【0101】
これにより、自車両Eが走行した往路経路T1に基づいて、自車両Eが走行する復路経路C3を生成することができる。また、通路Sにおいて、往路経路T1とズレた位置に復路経路C3を生成することができる。そのため、自車両Eが復路経路C3を走行する際に、往路経路T1を走行する他車両を回避するために、自車両Eが蛇行する量を少なくすることができる。その結果、自車両Eは、復路経路C3を少ない蛇行で走行することができる。
【0102】
なお、他の構成及び作用効果については、上記実施例と略同様であるので説明を省略する。
【実施例3】
【0103】
実施例3の車載処理装置は、経路選択部の構成が異なる点で、実施例2の車載処理装置と相違する。
【0104】
[経路選択部の構成]
図15は、実施例3の経路選択部を説明する図である。以下、
図15に基づいて、実施例3の経路選択部の構成を説明する。なお、上記実施例で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語又は同一の符号を用いて説明する。
【0105】
経路選択部は、
図15に示すように、5つの候補経路C1~C5のうち、往路経路T1の対向車線側にある候補経路C2~C5を重み付けして、選択する。さらに、経路選択部47は、候補経路C2~C5を、全長で重み付けして、復路経路C3を選択することもできる。
【0106】
[復路経路生成の処理の流れ]
図16は、実施例3の復路経路生成の処理の流れを示すフローチャートである。以下、
図16に基づいて、実施例4の復路経路生成の処理の流れを説明する。
【0107】
図16に示すように、候補点生成部45は、往路経路T1に対して、現在の自車両の周辺情報と、現在の自車両の情報と、に基づいて、所定の区間A1に、複数の候補点nを生成する(ステップS701)。
【0108】
次いで、候補経路生成部46は、候補経路生成部46は、通路Sを自車両Eが走行した往路経路T1に対して、候補点生成部45が生成した候補点nを繋いだ複数の候補経路Cを生成する(ステップS702)。
【0109】
次いで、経路選択部47は、5つの候補経路C1~C5を、対向車線領域Qにある候補経路で重み付けして、復路経路C2~C5を選択し、さらに、候補経路C2~C5を、全長で重み付けして、復路経路C3を選択し(ステップS703)、復路経路生成の処理を終了する。
【0110】
[車載処理装置の作用]
実施例3の車載処理装置30の作用を説明する。通路Sを自車両Eが走行した往路経路T1に対して、複数の候補点nを生成する候補点生成部45と、候補点生成部45が生成した候補点nを繋いだ複数の候補経路Cを生成する候補経路生成部46と、候補経路生成部46が生成した複数の候補経路Cに基づいて、復路経路C3を選択する経路選択部47と、を備え、経路選択部47は、往路経路T1の対向車線側にある候補経路C1~C4を選択する(
図13)。
【0111】
これにより、自車両Eが走行した往路経路T1に基づいて、自車両Eが走行する復路経路C3を生成することができる。また、通路Sにおいて、往路経路T1とズレた位置に復路経路C3を生成することができる。そのため、自車両Eが復路経路C3を走行する際に、往路経路T1を走行する他車両を回避するために、自車両Eが蛇行する量を少なくすることができる。その結果、自車両Eは、復路経路C3を少ない蛇行で走行することができる。
【0112】
なお、他の構成及び作用効果については、上記実施例と略同様であるので説明を省略する。
【実施例4】
【0113】
実施例4の車載処理装置は、候補点生成部の構成が異なる点で、実施例2の車載処理装置と相違する。
【0114】
[経路選択部の構成]
図17は、実施例4の候補点生成部を説明する図である。以下、
図17に基づいて、実施例4の候補点生成部の構成を説明する。なお、上記実施例で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語又は同一の符号を用いて説明する。
【0115】
候補点生成部45は、
図17に示すように、対向車線領域Qに、複数の候補点nを生成する。すなわち、候補点生成部45は、通路Sを自車両Eが走行した往路経路T1に対して、対向車線側に、複数の候補点nを生成する。
【0116】
[復路経路生成の処理の流れ]
図18は、実施例4の復路経路生成の処理の流れを示すフローチャートである。以下、
図18に基づいて、実施例4の復路経路生成の処理の流れを説明する。
【0117】
図18に示すように、候補点生成部45は、往路経路T1に対して、現在の自車両の周辺情報と、現在の自車両の情報と、に基づいて、所定の区間A1の対向車線領域Qに、複数の候補点nを生成する(ステップS801)。
【0118】
次いで、候補経路生成部46は、候補経路生成部46は、通路Sを自車両Eが走行した往路経路T1に対して、候補点生成部45が生成した候補点nを繋いだ複数の候補経路Cを生成する(ステップS802)。
【0119】
次いで、経路選択部47は、5つの候補経路C1~C5を、全長で重み付けして、復路経路C3を選択し(ステップS803)、復路経路生成の処理を終了する。
【0120】
[車載処理装置の作用]
実施例4の車載処理装置30の作用を説明する。通路Sを自車両Eが走行した往路経路T1に対して、複数の候補点nを生成する候補点生成部45と、候補点生成部45が生成した候補点nを繋いだ複数の候補経路Cを生成する候補経路生成部46と、候補経路生成部46が生成した複数の候補経路Cに基づいて、復路経路C3を選択する経路選択部47と、を備え、候補点生成部45は、往路経路T1の対向車線側に、複数の候補点nを生成する(
図13)。
【0121】
これにより、自車両Eが走行した往路経路T1に基づいて、自車両Eが走行する復路経路C3を生成することができる。また、通路Sにおいて、往路経路T1とズレた位置に復路経路C3を生成することができる。そのため、自車両Eが復路経路C3を走行する際に、往路経路T1を走行する他車両を回避するために、自車両Eが蛇行する量を少なくすることができる。その結果、自車両Eは、復路経路C3を少ない蛇行で走行することができる。
【0122】
なお、他の構成及び作用効果については、上記実施例と略同様であるので説明を省略する。
【0123】
以上、本発明の車載処理装置を実施例1に基づき説明してきた。しかし、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や、各実施例の組み合わせや、追加等は許容される。
【0124】
実施例1では、オフセット経路生成部44は、オフセット量Zに関わらず、オフセット量Zをオフセットしたオフセット経路T2を生成する例を示した。しかし。オフセット経路生成部は、オフセット量Zが自車両Eの車幅以上であり、オフセット経路T2がクリアランス値32cを確保できないような場合、閾値を設けて、オフセットしないようにしてもよい。
【0125】
実施例1~実施例4では、候補点nは、区間A1の各ノード点P1~P8に対して、4つ~5つ形成される例を示した。しかし、候補点の数は、この態様に限定されない。
【0126】
実施例1~実施例4では、通路Sを、停車車両や壁や縁石等の障害物のない領域Jのうち、自車両Eの車幅方向で最も狭い幅の領域を、通路Sとして特定する例を示した。しかし、通路は、停車車両や壁や縁石等の障害物、及び、駐車場の枠線や、歩行者用通路の線等の路面標示のない領域としてもよい。
【0127】
実施例1~実施例4では、駐車場において、入庫の際に自車両が過去に走行した往路経路に基づいて、出庫の際に自車両が復路経路を自動運転で走行する場合に、本発明を適用する例を示した。しかし、駐車場以外の広場や、一般道等においても、本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0128】
30 車載処理装置
44 オフセット経路生成部
45 候補点生成部
46 候補経路生成部
47 経路選択部
C 候補経路
C3 復路経路
E 自車両
S 通路
T1 往路経路
T2 オフセット経路
dw 通路幅
n 候補点