(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-29
(45)【発行日】2023-09-06
(54)【発明の名称】ハーフトーンカラー3D物体のための積層造形システム
(51)【国際特許分類】
B29C 64/147 20170101AFI20230830BHJP
B29C 64/165 20170101ALI20230830BHJP
B29C 64/393 20170101ALI20230830BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20230830BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20230830BHJP
B33Y 40/10 20200101ALI20230830BHJP
B33Y 50/02 20150101ALI20230830BHJP
【FI】
B29C64/147
B29C64/165
B29C64/393
B33Y30/00
B33Y10/00
B33Y40/10
B33Y50/02
(21)【出願番号】P 2020047062
(22)【出願日】2020-03-18
【審査請求日】2023-03-20
(32)【優先日】2019-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】マーク・ディー・ダニエルズ
(72)【発明者】
【氏名】ウェイン・エイ・ブチャー
(72)【発明者】
【氏名】ロジャー・エル・トリプレット
(72)【発明者】
【氏名】マーティン・エス・モルツ
【審査官】今井 拓也
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-525144(JP,A)
【文献】特開2000-177016(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0024317(US,A1)
【文献】特開2016-155310(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00 - 64/40
B33Y 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハーフトーンカラー積層造形複合構造体を製作するための印刷システムであって、
前記印刷システムを介してプロセス方向に送られる基材材料と、
第1のカラー粉末と、
前記基材材料に隣接する第1のカラー積層造形デバイスであって、前記第1のカラー積層造形デバイスは、第1のハーフトーンカラー画像を
目的の第1のハーフトーンパターンで前記基材材料の撮像領域上に堆積させるように構成されている、第1のカラー積層造形デバイスであって、第1の接着剤を前記
目的の第1のハーフトーンパターンで前記基材材料の前記撮像領域上に選択的に堆積させるための第1の画像形成デバイス、前記第1のカラー粉末を前記撮像領域及び前記第1の接着剤の上に塗布して前記第1のカラー粉末が前記第1の接着剤との相互作用を介して前記基
材材料に付着するように構成された第1の粉末塗布装置、及び前記基材材料に付着しない塗布された前記第1のカラー粉末を除去して前記撮像領域上の前記第1のハーフトーンカラー画像をもたらす除去粉末除去装置、を含む第1のカラー積層造形デバイスと、
前記第1のカラー粉末と異なる第2のカラー粉末と、
前記プロセス方向において前記第1のカラー積層造形デバイスの下流にある第2のカラー積層造形デバイスであって、前記第2のカラー積層造形デバイスは、前記第1のハーフトーンカラー画像とは異なる第2のハーフトーンカラー画像を
目的の第2のハーフトーンパターンで前記第1のハーフトーンカラー画像の前記撮像領域上に堆積させるように構成されている、第2のカラー積層造形デバイスと、を含み、
前記第2のカラー積層造形デバイスが、
第2の接着剤を前記
目的の第2のハーフトーンパターンで前記撮像領域及び前記第1のハーフトーンカラー画像上に選択的に堆積させるための、第2の画像形成デバイスと、
前記第2のカラー粉末を前記撮像領域及び前記第2の接着剤上に塗布するように構成されている第2のカラー粉末塗布装置であって、前記第2のカラー粉末は、前記第2の接着剤との相互作用を介して前記基材材料に付着する、第2のカラー粉末塗布装置と、
前記基材材料に付着しない任意の前記塗布された第2のカラー粉末を除去し、その結果、前記撮像領域上に前記第2のハーフトーンカラー画像をもたらすように構成されている、第2のカラー粉末除去装置と、を含み、
前記ハーフトーンカラー積層造形複合構造体の1つは、前記第1のハーフトーンカラー画像及び前記第2のハーフトーンカラー画像により前記撮像領域における集合ハーフトーンカラー画像として印刷された前記基
材材料を含む、印刷システム。
【請求項2】
前記第2のハーフトーンカラー画像を、ピニングされた第2のハーフトーンカラー画像として前記第1のハーフトーンカラー画像と共に前記基材材料上で安定化させるのに十分に、前記第2のハーフトーンカラー画像を少なくとも部分的に硬化させるため、前記プロセス方向において前記第2のカラー粉末除去装置の下流に位置付けられた定着装置を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記プロセス方向において前記第1のカラー積層造形デバイス及び前記第2のカラー積層造形デバイスのそれぞれの後に位置付けられた定着装置を更に含み、それぞれの定着装置は、
それぞれの前
記ハーフトーンカラー画像を以前に追加された任意のハーフトーンカラー画像と共に前記基材材料の前記撮像領域上で安定化させるのに十分に、
それぞれの前
記カラー積層造形デバイスによって追加された
それぞれの前
記ハーフトーンカラー画像を少なくとも部分的に硬化させるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記定着装置がホットプレートプレスを含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記定着装置がピニングランプを含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記定着装置がヒートローラーを含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1のハーフトーンカラー画像を、前記第2のカラー積層造形デバイスによる処理によって乱されないピニングされた第1のハーフトーン画像として、前記基材材料上で安定化させるのに十分に、前記第1のハーフトーンカラー画像を少なくとも部分的に硬化させるため、前記第1のカラー積層造形デバイスと前記第2のカラー積層造形デバイスとの間に定着装置を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1のカラー積層造形デバイス及び前記第2のカラー積層
造形デバイスのうちの少なくとも1つと通信して、通信する前記
第1のカラー積層造形デバイス
及び前記第2のカラー積層造形デバイスのうちの前記少なくとも1つの動作を制御するために制御信号を出力する、制御装置を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の接着剤及び前記第2の接着剤が、無染料流体である、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
ハーフトーンカラー積層造形複合構造体を印刷システムを使用して製作するための方法であって、前記印刷システムは、撮像領域を有する基材材料と、第1のカラー粉末と、前記基材材料に隣接する第1のカラー積層造形デバイスと、前記第1のカラー粉末と異なる第2のカラー粉末と、第2の画像形成デバイス、第2のカラー粉末塗布装置、及び第2のカラー粉末除去装置を含む
、プロセス方向において前記第1のカラー積層造形デバイスの下流にある第2のカラー積層造形デバイスと、を含み、前記方法は、
a)前記基材材料を前記印刷システムを通じて
前記プロセス方向に送ることと、
b)前記基材材料に隣接する前記第1のカラー積層造形デバイスを用いて
、第1のハーフトーンカラー画像
を目的の第1のハーフトーンパターンで前記基材材料の撮像領域上に選択的に堆積させることと、を含み、前記工程b)が、
第1の画像形成デバイスを用いて、第1の接着剤を前記
目的の第1のハーフトーンパターンで前記基材材料の撮像領域上に選択的に堆積させることと、
第1のカラー粉末塗布装置を介して第1のカラー粉末を前記撮像領域上に塗布して、前記第1の接着剤との相互作用を介して前記第1のカラー粉末を前記基材材料に付着させることと、
第1のカラー粉末除去装置を用いて、前記基材材料に付着しない前記塗布された第1のカラー粉末の全てを除去することであって、前記除去することで、前記基材材料上に前記第1のハーフトーンカラー画像をもたらすことと、を含むものであり、
c)前記プロセス方向において前記第1のカラー積層造形デバイスの下流にある第2のカラー積層造形装置を用いて、前記第1のハーフトーンカラー画像とは異な
る第2のハーフトーンカラー画像を
目的の第2のハーフトーンパターンで前記撮像領域及び前記第1のハーフトーンカラー画像上に選択的に堆積させることをさらに含み、前記工程c)が、
前記プロセス方向において前記第1のカラー粉末除去装置の下流にある第2の画像形成デバイスを用いて、第2の接着剤を前記
目的の第2のハーフトーンパターンで前記撮像領域及び前記第1のハーフトーンカラー画像上に選択的に堆積させることと、
第2のカラー粉末塗布装置を用いて、第2のカラー粉末を前記撮像領域上に塗布して、前記第2の接着剤との相互作用を介して前記第2のカラー粉末を前記基材材料に付着させることであって、前記第2のカラー粉末は、前記第1のカラー粉末とは異なる、ことと、
第2のカラー粉末除去装置を用いて、前記基材材料に付着しない任意の前記塗布された第2のカラー粉末を除去することであって、前記除去することで、前記撮像領域上に前記第2のハーフトーンカラー画像をもたらすことと、を含むものであり、
前記ハーフトーンカラー積層造形複合構造体の1つは、前記第1のハーフトーンカラー画像及び前記第2のハーフトーンカラー画像が堆積されて前記撮像領域において集合ハーフトーンカラー画像を形成する前記基材材料を含む、方法。
【請求項11】
前記第1のカラー積層造形デバイスと前記第2のカラー積層造形デバイスとの間の定着装置を用いて、前記第1のハーフトーンカラー画像を硬化させることを更に含み、前記
硬化させることは、前記第1のハーフトーンカラー画像を、前記第2のカラー積層造形デバイスによって処理されることによって乱されない、ピニングされた第1のハーフトーンカラー画像として、前記基材材料上で安定化させるのに十分である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記プロセス方向において前記第2のカラー積層造形デバイスの下流に位置付けられた定着装置を用いて、前記第2のハーフトーンカラー画像を硬化させることを更に含み、前記
硬化させることは、前記第2のハーフトーンカラー画像を、ピニングされた第2のハーフトーンカラー画像として、前記第1のハーフトーンカラー画像と共に前記基材材料上で安定化させるのに十分である、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記プロセス方向において前記第1のカラー積層造形デバイス及び前記第2のカラー積層造形デバイスのそれぞれの後に位置付けられた定着装置を用いて、
それぞれの前
記カラー積層造形デバイスによって追加された
それぞれの前
記ハーフトーンカラー画像を硬化させることを更に含み、前記
硬化させることは、
それぞれの前
記ハーフトーンカラー画像を以前に追加された全てのハーフトーンカラー画像と共に前記基材材料の前記撮像領域上で安定化させるのに十分である、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
切断デバイスを用いて、前記基材材料を3D物体の層に対応する基材シートに切断することを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
スタッカサブシステムを用いて前記切断された基材シートを積み重ね、位置合わせ機構を用いて、前記積み重ねられた基材シートを位置合わせすることを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の接着剤及び前記第2の接着剤が、無染料流体である、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のカラー積層造形デバイス及び前記第2のカラー積層造形デバイスのうちの少なくとも1つの動作を制御するために、制御装置から制御信号を出力することを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
ハーフトーンカラー積層造形複合構造体を製作するための印刷システムであって、
前記印刷システムを介してプロセス方向に送られる基材材料と、
前記基材材料に隣接して連続的に位置する複数のカラー積層造形デバイスであって、前記複数のカラー積層造形デバイスのそれぞれは、
各カラー積層造形デバイスに特有のそれぞれのカラー粉末と、
無染料接着剤を
それぞれのハーフトーンパターンで前記基材材料の撮像領域上に選択的に堆積させるための画像形成デバイスと、
前記それぞれのカラー粉末を前記基材材料及び前記
無染料接着剤に塗布するように構成されているカラー粉末塗布装置であって、前記
それぞれのカラー粉末は、前記接着剤との相互作用を介して前記基材材料に付着し、前記
それぞれのカラー粉末は、異なるカラーを有する前記カラー粉末塗布装置のそれぞれによって塗布される、カラー粉末塗布装置と、
前記基材材料に付着しな
い塗布された
前記それぞれのカラー粉末の全てを除去して、前記
それぞれのカラーのハーフトーンポリマー画像を前記基材材料上に残すように構成されている粉末除去装置と、を含む、複数のカラー積層造形デバイスと、
前記プロセス方向において前記複数のカラー積層造形
デバイスのそれぞれの後に位置付けられた定着装置であって、それぞれの定着装置は、前記
それぞれのカラーハーフトーンポリマー画像を以前に追加された全てのカラーハーフトーンポリマー画像と共に前記基材材料の前記撮像領域上で安定化させるのに十分に、
前記複数のカラー積層造形デバイスの内の先行する
前記カラー積層造形デバイスによって追加された前記それぞれのカラーハーフトーンポリマー画像を少なくとも部分的に硬化させるように構成されている、定着装置と、
前記複数のカラー積層造形デバイスのそれぞれと通信して、前記
それぞれのカラー積層造形デバイスの動作を制御するために制御信号を出力する、制御装置と、を含み、
前記基材材料は、前記カラー
ハーフトーンポリマー画像で印刷されて、前記撮像領域において集合ハーフトーンカラー画像を形成する、印刷システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、複合体系積層造形のためのシステム及び方法に関し、より具体的には、カラー複合構造体を同時に製造するこのようなプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、出力製品の成形又は機械加工の様々な形態を含む、従来の物体、部品、及び構成要素の製造プロセスは、「積層造形」又はAM(additive manufacturing)技術と国際的に称される新しい種類の技術の商業的実装例を含むように発展している。これらのAM技術は、一般に、未完成の状態で時には毒性そうでなければ危険である付加材料の層が、特定の材料堆積及び硬化スキームに従って、プロセス中の3D物体上に順次堆積する、「固体自由造形(Solid Freeform Fabrication、SFF)」又は「3D印刷」と代替的に称されるプロセスを伴う。3D物体形成プロセスにおいて各層が付加されると、新たな材料層が付加され、1層以上の既に存在する層に付着する。次いで、各AM層は、少なくとも部分的に、3D物体構築プロセスにおける任意の次のAM層の堆積の前に、個々に硬化し得る。3D作業空間全体にわたって、この連続層材料の付加/接合は、様々なレベルの精巧さの自動制御下で実行される。
【0003】
AM製造技術としては、3D印刷物体を生成するために使用可能な「3D印刷」技術と広く称されるようになったこれらの技術が挙げられるが、これらに限定されない。3D印刷技術は、受像媒体基材上に2次元(two-dimensional、2D)印刷画像を形成するための周知のプロセスに適合する、及び周知のプロセスにいくつかの点で類似していると思われる1つ以上のプロセスを用いる。3D印刷技術によって生成される出力構造の有意な差は、一般的に、(1)3Dプリンタからの出力3D印刷物体を形成するために使用される堆積した材料の組成物、及び/又は(2)比較的多数の連続する(及び非常に薄い)堆積材料の層を堆積させて、層を出力3D印刷物体の形態に積み重ねる、「印刷」ヘッドによって行われる多数のパスに基づく。
【0004】
多数の粉末系AM技術が商業化されてきた。これらとしては、選択的レーザ焼結(selective laser sintering、SLS)、並びに3D印刷のためのトナー系2D印刷技術の特定の適合が挙げられる。当業者は、これらの実装例のうちの特定のものでは、特定の複雑な形状の作成を支持するための、別個の支持構造が通常必要とされないことを認識している。これらのプロセスのうちの特定のものでは、粉末材料は、過剰な粉末が手動で除去される3D物体に選択的に圧密化される。SLSプロセスでは、例えば、粉末の薄層が作業空間容器内に堆積し、次いで、粉末は、所望の断面の形状を追跡するレーザビームを使用して粉末を一緒に溶かす。本プロセスは、粉末層を堆積させることによって繰り返され、このようにこの様式で1層ずつ3D物体を構築する。典型的なトナー系3D印刷プロセスでは、バインダ材料は、粉末の各層上の3D物体の断面の形状で、一般的に結合剤を印刷するために使用される印刷技術で、層内に堆積した粉末を選択的に結合する。
【0005】
そこで、利用可能であるAM又は3D印刷プロセス及び技術の数が増加している。多数のこれらAM又は3D印刷プロセスの間の主な際立った特性は、層が、出力3D物体を作成するように堆積される様式、及び出力3D物体を形成するために使用される材料にある。
【0006】
(この用語が、3D印刷を含む様々な3D物体層化及び構築技術を参照するために本開示の残りの部分全体にわたって使用されるため)、AM技術の特定のものは、材料を溶融又は軟化して、例えば、適用された熱を通して入力材料の選択的レーザ溶融又は焼結などの技術を使用して、構築層を生成する。AM製造技術の他のものは、噴射(インク)材料「印刷」技術などのそれらの液体材料の堆積技術を使用して、液体材料を堆積及び硬化させる。
【0007】
有色の複合系積層造形(Composite-Based Additive Manufacturing、CBAM)写真彫刻物を製造する既存の方法は、炭素繊維又は他の繊維基材を染めるカラー湿潤流体を用いて行われ、次いで、粉末の単一層がそれぞれの基材層に塗布される。次いで、これらの層が圧縮及び加熱されて、積層体が作製される。次いで、不必要な過剰の基材は、サンドブラスト又は化学的方法によって除去される。この方法は、「Methods for Photosculpture」と題された米国特許第9,393,770(B2)号に開示されている。第4欄12行から述べられているように、「メーカー製インク、この場合はHPを使用することの問題は、インクは水溶性であり、支持除去プロセスにおいてにじむ、漂白される、かつ落ちる場合があるということである。この問題は、圧電ヘッド及び顔料インクの使用、又は顔料系の使用を含むいくつかの方法で解決することができる。」単一の処理プロセス中に一体化された方法でマルチカラー複合構造体を製造することが有益であろう。
【発明の概要】
【0008】
以下に、本教示の1つ以上の実施形態又は実施例のいくつかの態様の基本的な理解を提供するために、簡略化した概要を提示する。この概要は、広範な概略ではなく、本教示の主要な又は重要な要素を識別することも、本開示の範囲を明示することも意図していない。むしろ、その主要な目的は、単に、後に提示される詳細な説明の序文として、簡略化された形態で1つ以上の概念を提示するだけである。追加の目標及び利点は、図面の説明、本開示の詳細な説明、及び特許請求の範囲においてより明らかになるであろう。
【0009】
本開示で具体化された前出及び/又は他の態様及びユーティリティは、ハーフトーンカラー積層造形複合構造体を製作するための印刷システムを提供することによって達成され得る。例示的な印刷システムは、システムを介してプロセス方向に送られる基材材料と、複数のカラー積層造形デバイスと、を含む。第1のカラー積層造形デバイスは、基材材料に隣接し、第1の画像形成デバイス、第1のカラー粉末塗布装置、及び第1のカラー粉末除去装置を含む。第1の画像形成デバイスは、第1の接着剤を所望の(目的の)第1のハーフトーンパターンで基材材料の撮像領域上に選択的に堆積させる。第1のカラー粉末塗布装置は、第1のカラー粉末を撮像領域及び第1の接着剤上に塗布し、第1のカラー粉末は、第1の接着剤との相互作用を介して基材材料に付着する。第1のカラー粉末除去装置は、基材材料に付着しない塗布された第1のカラー粉末の全てを除去し、その結果、撮像領域上に第1のハーフトーンカラー画像をもたらす。プロセス方向において第1のカラー積層造形デバイスの下流にある追加のカラー積層造形デバイスは、第2の画像形成デバイスと、第2のカラー粉末塗布装置と、第2のカラー粉末除去装置と、を含む。第2の画像形成デバイスは、第2の接着剤を所望の第2のハーフトーンパターンで撮像領域及び第1のハーフトーンカラー画像上に選択的に堆積させる。第2のカラー粉末塗布装置は、第2のカラー粉末を撮像領域及び第2の接着剤上に塗布し、第2のカラー粉末は、第1のカラー粉末と異なり、第2のカラー粉末は、第2の接着剤との相互作用を介して基材材料に付着する。第2のカラー粉末除去装置は、基材材料に付着しない塗布された第2のカラー粉末の全てを除去し、その結果、撮像領域上に第2のハーフトーンカラー画像パターンをもたらす。その結果、基材材料は、第1のハーフトーンカラー画像及び第2のハーフトーンカラー画像で印刷されて、撮像領域において集合ハーフトーンカラー画像を形成する。
【0010】
本明細書に例示される態様によれば、ハーフトーンカラー積層造形複合構造体を製作するための例示的な方法は、基材材料をプロセス方向に送ることと、第1の画像形成デバイスを用いて、第1の接着剤を所望の第1のハーフトーンパターンで基板材料の撮像領域上に選択的に堆積させることと、第1のカラー粉末塗布装置を介して第1のカラー粉末を撮像領域上に塗布して、第1の接着剤との相互作用を介して第1のカラー粉末を基材材料に付着させることと、第1のカラー粉末除去装置を用いて、基材材料に付着しない塗布された第1のカラー粉末の全てを除去することであって、除去することで、基材材料上に第1のハーフトーンカラー画像をもたらす、ことと、プロセス方向において第1のカラー粉末除去装置の下流にある第2の画像形成デバイスを用いて、第2の接着剤を所望の第2のハーフトーンパターンで撮像領域及び第1のハーフトーンカラー画像上に選択的に堆積させることと、第2のカラー粉末塗布装置を用いて、第2のカラー粉末を撮像領域上に塗布して、第2の接着剤との相互作用を介して第2のカラー粉末を基材材料に付着させることであって、第2のカラー粉末は第1のカラー粉末と異なる、ことと、第2のカラー粉末除去装置を用いて、基材材料に付着しない塗布された第2のカラー粉末の全てを除去することであって、除去することで、撮像領域上に第2のハーフトーンカラー画像をもたらす、ことと、を含む。第1のハーフトーンカラー画像及び第2のハーフトーンカラー画像は、撮像領域において集合ハーフトーンカラー画像を形成する。
【0011】
本明細書に記載される態様によれば、ハーフトーンカラー積層造形複合構造体を製作するための印刷システムである。システムは、システムを介してプロセス方向に送られる基材材料と、制御装置と、基材材料に隣接して連続的に位置する複数のカラー積層造形デバイスと、を含む。複数のカラー積層造形デバイスのそれぞれは、基材材料の撮像領域上に対応のハーフトーンパターンで無染料接着剤を選択的に堆積させるための画像形成デバイスと、対応のカラー粉末を基材材料及び接着剤上に塗布するように構成されたカラー粉末塗布装置と、を含んでもよく、対応のカラー粉末は、接着剤との相互作用を介して基材材料に付着し、対応のカラー粉末は、異なるカラーを有するカラー粉末塗布装置のそれぞれによって塗布され、粉末除去装置は、基材材料に付着しない塗布された対応のカラー粉末の全てを除去して、基材材料上に対応のカラーのハーフトーンポリマー画像を残すように構成されている。印刷システムはまた、プロセス方向において複数のカラー積層造形デバイスのそれぞれの後に位置付けられる定着装置を含んでもよく、それぞれの定着装置は、基材材料の撮像領域上に以前に追加された任意のカラーハーフトーンポリマー画像と共に対応のカラーハーフトーンポリマー画像を安定化させるのに十分に、先行するカラー積層造形デバイスによって追加された対応のカラーハーフトーンポリマー画像を少なくとも部分的に硬化させるように構成されている。制御装置は、複数のカラー積層造形デバイスのそれぞれと通信して、対応のカラー積層造形デバイスの動作を制御するために制御信号を出力し得る。カラーポリマー画像は副層として結合して、撮像領域で集合ハーフトーンカラー画像を形成する。
【0012】
本明細書には、例示的な実施形態を記載する。しかしながら、本明細書に記載する装置及びシステムの特徴を組み込むいずれのシステムも、例示的な実施形態の範囲及び趣旨に包含されることが想定される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
開示される装置、機構、及び方法の様々な例示的な実施形態は、以下の図面を参照して詳細に説明され、同様の参照番号は類似又は同一の要素を示す。
【0014】
【
図1】実施形態の一実施例による、3D物体を印刷するための積層造形システムの側面図である。
【
図2】一実施例による、ハーフトーンカラー積層造形複合構造体を製作するための印刷システムの側面図である。
【
図3】ハーフトーンカラー積層造形スキームを実施するための例示的な制御システムのブロック図を示す。
【
図4】実施形態の一実施例による、ハーフトーンカラー積層造形複合構造体を製作するための例示的な方法の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書に開示されるデバイス、システム、及び方法の例示的な例が、以下に提供される。デバイス、システム、及び方法の一実施形態は、以下に記載される実施例のうちの任意の1つ以上、及び任意の組み合わせを含み得る。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、以下に記載される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの例示的な実施形態は、本開示が徹底的かつ完全になるように提供され、本発明の範囲を当業者に完全に伝える。したがって、例示的な実施形態は、本明細書に記載される装置、機構、及び方法の趣旨及び範囲内に含まれ得る全ての代替物、修正物、及び等価物を包含することが意図される。
【0016】
我々は、本開示の詳細を不必要に不明瞭にしないように、周知の出発材料、処理技術、構成要素、機器、及び他の周知の詳細の説明を単に要約するか、又は省略してもよいことを予め指摘する。したがって、詳細が他の方法で周知である場合、本開示の出願に任せて、それらの詳細に関する選択肢を提案又は指示する。図面は、基材ウェブ上に印刷するための例示的な方法、装置、及びシステムの実施形態に関連する様々な実施例を示し、AM製造のためのウェブの個々のシートを自動的に積層することを示す。
【0017】
本明細書における値の任意の数値範囲を指す場合、そのような範囲は、記載された範囲の最小値と最大値との間のそれぞれ及び全ての数及び/又は端数を含むと理解される。例えば、0.5~6%の範囲は、端点0.5%及び6%に加えて、0.6%、0.7%、及び0.9%の全ての中間値、5.95%、5.97%、及び5.99%などまでの全てを明示的に含む。文脈上明確に別段の指示がない限り、本明細書に記載される互いの数値特性及び/又は要素範囲にも当てはまる。
【0018】
量に関連して使用される修飾語「約」は、記述された値を含み、文脈によって規定される意味を有する(例えば、それは、少なくとも特定の量の測定に関連する誤差の程度を含む)。特定の値で使用される場合、その値を開示していると考慮される必要がある。例えば、「約2」という用語はまた、値「2」も開示し、範囲「約2~約4」はまた、範囲「2~4」も開示する。
【0019】
「媒体」、「ウェブ」、「ウェブ基材」、「印刷基材」、及び「基材シート」という用語は、一般に、予備切断又はウェブ供給にかかわらず、通常は、紙、ポリマー、マイラー材料、プラスチック、又は他の好適な物理的印刷媒体基材、シート、ウェブなどの、画像用の可撓性物理的シートを指す。「媒体」、「印刷媒体」、「印刷基材」、及び「印刷シート」という列挙された用語はまた、当業者に容易に理解されるように、織布、不織布、金属フィルム、炭素繊維強化材料、及び箔も含み得る。
【0020】
本明細書で使用される場合、「マーキング材料」という用語は、画像形成デバイスによってウェブ基材上に堆積して、基材上に画像を形成する印刷物質を指し得る。「マーキング材料」という列挙された用語としては、インク、トナー、金属粒子、プラスチック、顔料、粉末、溶融材料、ポリアミド、ナイロン、ガラス充填ポリアミド、エポキシ樹脂、バイオ系樹脂、ワックス、グラファイト、グラフェン、炭素繊維、フォトポリマー、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリ乳酸(polylactic acid、PLA)、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol、PVA)、ABSフィラメント、高密度ポリエチレン(high-density polyethylene、HDPE)、高衝撃ポリスチレン(high impact polystyrene、HIPS)、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PETT)、セラミック、導電性フィラメント、及び他のインクジェット材料を挙げることができる。
【0021】
本明細書で使用される場合、「画像形成デバイス」、「印刷デバイス」、又は「プリンタ」という用語は、デジタル複写機、スキャナ、画像印刷機、ゼログラフィックデバイス、デジタルプロダクションプレス、文書処理システム、画像再生機、製本機、ファクシミリ機、多機能機などの、任意の目的のための印刷出力機能を実行する任意の装置を包含し、いくつかのマーキングエンジン、供給機構、走査アセンブリ、並びに紙フィーダー、仕上機などの他の印刷媒体処理ユニットを含み得る。画像形成デバイスは、シート、ウェブ、マーキング材料などを取り扱うことができる。画像形成デバイスは、任意の表面などにマークを置くことができ、入力シート上のマークを読み取る任意の機械、又はこのような機械の任意の組み合わせである。3Dプリンタは、3D物体などを作製し得る。図に示される構造体は、簡略化のために示されていない追加の機能を含み得るが、示された構造は、除去又は修正されてもよいことが理解されるであろう。
【0022】
「制御装置」という用語は、本明細書では、一般に、プロセス又は機械を指示又は調節する1つ以上のデバイスの操作に関する様々な装置を説明するために使用される。制御装置は、本明細書で論じられる様々な機能を実行するために、多数の方法(例えば、専用ハードウェアなど)で実施され得る。「プロセッサ」は、本明細書で論じる様々な機能を実行するために、ソフトウェア(例えば、マイクロコード)を使用して、プログラムされ得る1つ以上のマイクロプロセッサを用いる制御装置の一例である。制御装置は、プロセッサを用いて又は用いずに実施されてもよく、また、いくつかの機能を実行する専用ハードウェアと、他の機能を実行するプロセッサ(例えば、1つ以上のプログラムされたマイクロプロセッサ及び関連回路)との組み合わせとして実施されてもよい。本開示の様々な実施形態で用いられ得る制御装置構成要素の例としては、従来のマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate array、FPGA)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0023】
実施例は、本明細書に開示されるような方法を実施又は実行するための、コンピュータデバイス上で実行される場合、複数の命令を含む、少なくとも1つの機械可読媒体を更に含む。このようなコンピュータ可読媒体は、汎用又は専用コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。例として、限定するものではないが、このようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROM、若しくは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置、若しくは他の磁気記憶装置、又はコンピュータ実行可能命令又はデータ構造の形態の所望のプログラムコード手段を保持若しくは記憶するために使用され得る任意の他の媒体を含み得る。情報が、ネットワーク又は別の通信接続(有線、無線、又はこれらの組み合わせのいずれか)を介して、コンピュータに転送又は提供される場合、コンピュータは、コンピュータ可読媒体としての接続を適切に検査する。したがって、任意のこのような接続は、適切にコンピュータ可読媒体と呼ばれる。上記の組み合わせはまた、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0024】
コンピュータ実行可能命令としては、例えば、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は特定の機能又は機能群を実行する専用処理デバイスを起動する命令及びデータが挙げられる。コンピュータ実行可能命令としてまた、スタンドアロン環境又はネットワーク環境でコンピュータによって実行されるプログラムモジュールも挙げられる。一般に、プログラムモジュールとしては、特定のタスクを実行するか、又は特定の抽象データ型を実施するルーチン、プログラム、物体、構成要素、及びデータ構造などが挙げられる。コンピュータ実行可能命令、関連するデータ構造、及びプログラムモジュールは、本明細書に開示される方法の工程を実行するためのプログラムコード手段の例を表す。このような実行可能命令又は関連するデータ構造の特定のシーケンスは、その中に記載される機能を実施するための対応する行為の例を表す。
【0025】
本明細書で使用される場合、特に指定しない限り、「物体」という用語はまた、部品、要素、部分、又は構成要素も意味し得る。本明細書で使用される場合、物体は、3D印刷システム(プリンタ)によって個別に構築される、又は実際に構築される3D物体を指す。本明細書で言及されるような物体は、不可欠な部分を形成するために、層を連続的に付加することによって構築される。いくつかのプリンタは、同じ印刷ジョブの一部として、複数の独立した3D物体を含む3Dモデルからの複数の独立した部分を構築することができる。物体は、物体本体内に埋め込まれた空隙を含み得る。
【0026】
本発明の実施形態はこの点に関して限定されるものではないが、例えば、「処理する」、「コンピューティング」、「計算する」、「決定する」、「使用する」、「確立する」、「分析する」、「チェックする」などの用語を利用する考察は、コンピュータのレジスタ及び/又はメモリ内の物理的(例えば、電子的)量として表されるデータを、コンピュータのレジスタ及び/又はメモリ内の物理量として同様に表される他のデータ、又は操作及び/若しくはプロセスを実行する命令を記憶し得る他の情報記憶媒体に操作及び/又は変換するコンピュータ、コンピューティングプラットフォーム、コンピューティングシステム、又は他の電子コンピューティングデバイスの操作(複数可)及び/又はプロセス(複数可)を指し得る。
【0027】
図1は、3D物体を印刷するための例示的なAMシステム100のブロック図である。AMシステム100は、材料供給装置102、画像形成デバイス104、粉末サブシステム106、定着装置108、センサ110、カッター112、移送サブシステム114、積層装置サブシステム116、並びに様々な構成要素を接続及び制御する他の機能などの構成要素を含み得る。例示的な構成要素が
図1に示されているが、様々な代替及び任意の構成要素もまた、システム100と共に使用するのに好適である。
【0028】
例示的な実装例では、三次元(3D)物体は、コンピュータ支援設計(computer-aided design、CAD)プログラムによって作成される物体のコンピュータ3Dモデルに従って印刷される。例えば、CADプログラムは、自由形式の不均一な有利基準的スプライン(non-uniform rational basis spline、NURBS)プログラムであってもよく、又はCADプログラムは、Solid Works(登録商標)であってもよい。AMシステム100では、マーキング材料148(例えば、粉末)(
図4)は、画像形成デバイス104によって定義されるような、3D物体の薄いスライス又は層の「ポジ画像」に対応する基材材料118(又はその基材シート)上の物理的パターンで、粉末サブシステム106によって選択的に堆積する。3D物体の各スライスについて、3D物体が存在するスライスの位置に対応するパターンで粉末が付着し、3D物体が存在しないスライス内の位置において、粉末は基材に付着しない。3D CADモデルの薄いスライスは、例えば、STLファイル形式の3Dモデルから開始し、netfabb(登録商標)StudioソフトウェアのSlice Commander機能(netfabb GmbH,Parsberg,Germanyから入手可能)を使用して、薄いスライスを作成することによって作成され得る。指定された3D部品又は物体を作製するために必要な多くの付加された基材シートのために繰り返される、基材シートを選択的にパターニングするこのサイクルは、通常各シートで、3D部品又は物体の層を表す。
【0029】
材料供給装置102は、基材材料118(例えば、炭素繊維、紙)をロール又はシート形態(ここでは例えばロール形態で示す)に保持し、画像形成デバイス104への移送のために基材材料を適正な位置に載置する。基材材料118は、転写サブシステム114を介して、画像形成デバイス104に移送されてもよく、転写サブシステム114は、AMシステム100を通って供給される基材材料の長さによって画定されるウェブを保持及び前進させるために使用される供給ローラー122と共に、張力付与機構120を含んでもよい。張力付与機構120は、AMシステムの構成要素に供給されるように教示される、基材材料118を保持するために位置する1つ以上のローラー124を含み得る。基材材料118のウェブは、画像形成デバイス104、粉末サブシステム106、定着装置108、センサ110を含むAMシステムの全ての構成要素を貫通することができ、次いで、以下により詳細に論じられるように、積層前にカッター112によって単一のシートに切断され得る。
【0030】
次いで、画像形成デバイス104は、基材材料118上の正確な位置に画像様方式で接着剤(例えば、流体126)のパターンを堆積させることができる。流体126は、材料の一部が、3D物体のスライスのポジ画像として液体で被覆され、材料の一部が被覆されないように、基材材料118上に選択的に堆積する。流体126のパターンは、様々な手法を介して堆積し得る。例えば、画像形成デバイス104は、流体を分注するためのサーマルインクジェットヘッド又は圧電インクジェットヘッドを含み得る。例では、画像形成デバイス104は、流体126を分注するために空気圧をかけることができる。画像形成デバイス104はまた、空気圧が、空気の放出又は流体の分注を制御するために使用される場合、ソレノイド弁を含み得る。
【0031】
場合によっては、選択的に堆積する流体は、水、又は水の蒸発を遅らせる材料を含む水溶液であり得る。例えば、水溶液は、2-ピロリジノンを含み得る。他の場合では、アルコールなどの異なる流体が、接着剤として選択的に堆積し得る。例えば、基材材料118が、感水性(例えば、ポリビニルアルコール(PVOH))である場合、次いで、水は、基材材料を歪ませるか又は溶解し得る。この場合、選択的に堆積する流体としてアルコールが使用され得る。場合によっては、展延から選択的に堆積するか、又は過剰に基材に吸収される液体流体を防止するために、液体流体を選択的に堆積させる前に、表面エネルギー調整剤又は撥水剤を基材に塗布することが有用である。
【0032】
次いで、材料供給装置102は、基材材料118を、別個の構成要素として提供され得るか、又は単一の構成要素に一体化され得る、粉末塗布装置128及び粉末除去装置130を含む、粉末サブシステム106に移送する。いずれの配置においても、粉末塗布装置128は、3D物体粉末(例えば、熱可塑性粉末)を、基材材料上に堆積させるように構成されている。粉末は、画像形成デバイス104、すなわち層画像によって湿潤された基材の領域に接着するように構成されている。換言すれば、粉末塗布装置128は、パターン化された層形状がちょうど印刷された基材材料118の表面上に、限定されないが熱可塑性粉末などの粉末を堆積させる。粉末は、流体接着剤との相互作用を介して、基材材料又はそのシート上の印刷された(湿潤)領域に固着して、基材材料上にポリマー画像を形成するが、流体で被覆されていない基材材料の部分には付着しない。
【0033】
典型的な用途では、粉末塗布装置128は、粉末を収容するトラフを含み得る。トラフは、その下面にスリット付き開口部を有してもよく、粉末サブシステムの電気機械的振動装置に接続されている。振動装置は、作動時に、粉末を、基材がトラフの下で移動する間に、スリット付き開口部を通して下方に、トラフから基材上に流動させる。振動装置は、下の基板上のパターン化された流体の存在を感知するセンサ回路を含み得る制御装置150によって作動する。パターン化された流体が完全に通過すると、振動装置は停止して、トラフからの粉末流動を停止し得る。
【0034】
粉末は、他の手法によって選択的に堆積し得る。例えば、粉末は、基材の層の片側を粉末で満たし、次いで、基材の反対側をサーマル印刷ヘッドなどの適切なデバイスで選択的に加熱することによって、選択的に堆積し得る。この手法では、サーマル印刷ヘッドは、選択的にオン又はオフにすることができる、加熱素子の高解像度配列を含む。加熱される領域では、粉末は溶融し、基材に付着する。付着していない過剰な粉末は、例えば、粉末除去装置130により、過剰な粉末を真空にすることによって、又は過剰な粉末が重力を介して基材から落ちるように基材を裏返すことによって除去される。
【0035】
あるいは、粉末は、ゼログラフィック印刷で用いられるものと同様の選択的堆積技術を使用して堆積し得る。この手法では、電荷が粉末粒子に付与され、この粉末粒子は、基材118に向けられ、次いで基材の一部に選択的に付着するが、静電気引力又は斥力に起因する他のものではない。粉末粒子は、反対の電荷を有する基材の一部、又はこのような電荷を有する基材表面に隣接する基材の一部に付着し、同じ電荷を有する基材の一部から、又はこのような電荷を有する基材表面に隣接する基材の一部から反発される。
【0036】
あるいは、粉末は、磁気グラフィック印刷で用いられるものと同様の選択的堆積技術を使用して堆積し得る。この手法では、粉末は、基材層の一部に選択的に付着するが、粉末と、基材表面又は基材表面に隣接する基材層との間の磁力相互作用に起因する他のものではない。例えば、粉末は、単一の構成要素の磁性トナー、コロイド懸濁液(例えば、強磁性流体)、又は2つの構成要素のトナーであり得る。磁鉄鉱又は酸化第二鉄(FeO)などの様々な磁気顔料が、この手法でトナー粉末に使用され得る。
【0037】
上記の実施例の全てでは、粉末を選択的に堆積させる工程は、固体粉末を非選択的様式で基材118に向けるサブ工程を含み得る。例えば、このサブ工程は、基材の表面全体を粉末で満たすことを含み得る。又は例えば、ゼログラフィック又は磁気グラフィックの例では、このサブ工程は、基材層全体に向けて帯電又は磁化された粉末を送ることを含み得る。
【0038】
更に
図1を参照すると、粉末除去装置130は、次いで、基材に付着していない任意の粉末を除去する。粉末は、例えば、粉末除去装置に隣接して移動する際に、過剰な粉末を真空にすることによって、基材から除去され得る。典型的な用途では、粉末除去装置130は、(後述される)サイクロンに連結される真空モータを有する真空を含み得る。動作中、真空により、基材材料118に付着していない粉末が引き寄せられ、撮像領域に塗布された粉末はポリマー画像として留まる。サイクロンは、当業者によく理解されるように、再使用のために、真空処理された粉末を粉末塗布装置128に再循環させ得る。特定の状況では、いくつかの望ましくない粉末が依然として基材材料上に存在し得るため、真空からの粉末除去量は不十分であり得る。このため、粉末除去装置130は、基材から任意の残りの過剰な粉末を除去するために、真空後のエアナイフを含み得る。除去された過剰な粉末はまた、再使用のためにサイクロンによって粉末塗布装置に再循環され得る。
【0039】
粉末サブシステム106は、基材材料118が、画像形成デバイス104を通過すると、基材が、粉末サブシステム106を自動的に移動するように、連続的に稼働するように設定され得る。あるいは、移送サブシステム114、画像形成デバイス、及び粉末サブシステム106と通信する制御装置150は、粉末塗布装置128、及び粉末除去装置130、又はそのサブシステムに、適切な時間でオン及びオフにするように命令し得る。
【0040】
基材118に粉末が塗布され、過剰な粉末が除去された後、残りのパターン化された粉末は、基材上に溶融するか、少なくとも部分的に硬化又はピニングされてもよく、その結果、粉末状のポリマー画像は、基材の印刷された領域により永久的に貼り付き、そのようにして、後続の処理工程中の変位、破壊、又は脱落から保護される。この目的のために、任意の定着装置108は、粉末サブシステム106の後に配置され得る。定着装置108は、粉末除去装置130から出る基材の上方に、下方に、又は隣接して配置され得る。定着装置108は、少なくとも部分的に硬化又はピニングし、それによってパターン化された粉末を基材に固定するのに十分な、例えば、限定するものではないが、放射、IR、又は他の加熱手法であり得る。基材118が、粉末サブシステム106から出て移動すると、定着装置108からの熱が、基材表面上のパターン化された粉末を安定化させて、粉末を基材に固定させる。
【0041】
AMシステム100は、任意に、システムが故障していないこと、適切な量の粉末が堆積すること、基材材料が必要に応じて移動していること、個々の基材シートが必要に応じて移動していること、を確実にするためにセンサ110(例えば、カメラなどの撮像デバイス)、及びプロセスの他の品質保証態様を有し得る。センサは、例えば、制御装置150からの入力に基づいて、又は印刷された材料又は基材シートの端部の検出に基づいて自動的に作動し得る。
【0042】
上記のように、例示的なAMシステム100では、基材材料118のロール102は、画像形成デバイス104の前に取り付けられ、位置する。特定の理論に限定されないが、基材材料118のウェブは、画像形成デバイス104、粉末サブシステム106、定着装置108、センサ110を含むAMシステムの全ての構成要素を貫通することができ、次いで、積層前にカッター112によって単一のシート132に切断することができ、シートは、3D物体の層に対応する。例では、基材材料118のウェブは、カッター112によって、プロセスの任意の前の時点で単一のシート132に切断され得る。例えば、ウェブは、得られた基材シートを画像形成デバイス104に前進させる前に、単一のシートに変換され得る。同様に、ウェブは、画像形成デバイス104の後及び粉末サブシステム106の前、又は粉末サブシステムの後及び定着装置108の前、又は定着装置の後及びセンサ110の前に、単一のシートに変換され得る。例では、ウェブは、個々のシートに予備切断されてもよく、シートは、AMシステムによる個々の処理のために材料フィーダーによって保持されたシートの積層体として配置される。カッター112は、当業者によく理解されるように、機械的器具(例えば、ブレード、パンチ)、又は他の手法(例えば、レーザ)でシートを切断し得る。
【0043】
例では、AMシステム100はまた、所望の位置に、基材材料118又はその基材シート132内に見当開口部を置くためのパンチデバイス134も含み得る。見当開口部は、シート上に印刷されたパターン化されたマーキング材料画像の正確な位置合わせのために、基材シートの位置に対して正確に予め画定された位置に配置される。これは、例えば、画像形成デバイス104及び粉末サブシステム106が置かれる同じフレーム上に、又は当該技術分野において周知の他の位置合わせ機構を使用して、移送サブシステム114によって移動する基材材料118に近接して、パンチデバイス134を取り付けることによって達成され得る。パンチデバイス134は、基材材料から見当開口部を突き出す硬質器具、又は基材材料から見当開口部を切断するレーザカッターを含み得る。
【0044】
次に、3D物体を形成する例示的なAMプロセスにおいては、粉末印刷された基材シート132は、基材シートをそれらの見当開口部を介して位置合わせし、互いに融合して、積層された基材シートを組み合わされた物体に取り付けることによって積層され得る。次いで、コーティングされていない基材材料は、例えば、研磨剤ブラスト、化学的除去、又は溶解によって、組み合わされた物体から除去され得る。積層装置サブシステム116は、上記の見当開口部に基づいて、切断された印刷された基材シート132を見当合わせして積層するように構成されている。
図1に見られるように、積層装置サブシステム116は、印刷された基材シート132を受容し、見当開口部が、積層装置サブアセンブリの見当ピン136の周りに位置合わせされて、印刷されたシートの積層体138を形成する。
【0045】
印刷されたシートを積層した後、シート上のパターン化された粉末は、組み合わせて、3D物体に硬化し得る。
図1は、たとえ圧縮しても、基材シート132上の圧力を維持するために、1つ以上の弾性構成要素(例えば、ばね142)を含む圧縮デバイス140を含む、積層装置サブシステム116を示す。多数の基材シート(層)が、ベッドプレート144上に重ねられて、積層装置サブシステム116内に置かれた後、挿入された基材シートは、ばね142と共に圧縮されて、上部プレート146上で、底部ベッドプレートに向かって圧力をかけ得る。
【0046】
圧縮された積層体138は、例えば、オーブン(図示せず)内で加熱され得る。オーブンからの熱は、熱可塑性粉末を溶融させる。溶融した材料は、基材層をコーティングする。次いで、その中に基板積層体138を有する圧縮デバイス140は、オーブンから取り出され、基材層は冷却される。次いで、溶融した材料は固化する。これによって、基材シート132を一緒に結合(融合)する。次いで、(固化した材料によって覆われていない)過剰な基材は、例えば、研磨剤ブラスト、化学的除去、又は溶解によって、上記のように除去されて、3D印刷された物体をもたらす。
【0047】
AMシステム100によって実行されるプロセスは、1つ以上の制御装置150を使用して、順序配列及び監視され得る。制御装置150は、印刷される物体の3Dモデルに基づいて、機外のコンピュータ(図示せず)によって生成される構築命令を読み取り、実行し得る。例えば、材料供給装置102、画像形成デバイス104、粉末サブシステム106、定着装置108、センサ110、カッター112、移送サブシステム114、パンチデバイス134、及び積層装置サブシステム116は、制御装置からの入力に基づいて、本明細書で論じられるように動作し得る。したがって、画像形成デバイス104と通信する制御装置150が示されているが、制御装置は、AMシステムの任意の構成要素と通信し得ることが理解される。
【0048】
図2は、ハーフトーンカラー積層造形複合構造体を製作するためのAMシステム200を使用する、上述のAMシステムの改善物を示す。AMシステム200では、基材材料は、色の薄い又は白色の炭素繊維又は他の繊維基材であってもよい。AMシステム200は、当業者に容易に理解されるように、ポリマーの製造プロセス中に着色され得るポリマー粉末を使用し、したがって、粉末ペレット全体に着色される。例えば、第1のカラー積層造形デバイス152は、画像形成デバイス104及び粉末サブシステム106を含んでもよい。粉末塗布装置128によって塗布されるポリマー粉末は、他の積層造形で製造された物体と区別可能であり得るハーフトーンカラー画像を製造するため、画像形成デバイス104によって堆積された流体126の接着剤ハーフトーンパターンに付着する基材材料118の撮像領域上に塗布された、所与のカラー(例えば、Pantone、白色)であってもよい。AMシステム100を参照して上述した同様の参照番号は、AMシステム200内の類似又は同一の要素を指定する。
【0049】
AMシステム200は、3D物体用にマルチカラー印刷層を作製するために結合され得る他のハーフトーンカラー画像を提供する、追加のカラー積層造形デバイスを第1のカラー積層造形デバイス152の下流に追加してもよい。特に断りがない限り、追加のカラー積層造形デバイスは、第1のカラー積層造形デバイス152と同様であり、それぞれ、カラー又は何らかの他の品質において第1のカラー積層造形デバイスとは異なるポリマー副層を堆積させるように意図的に設計される。それぞれのカラー積層造形デバイスによって追加される副層は、基材材料上でマルチカラー層画像に組み合わされ、印刷された基材シート132として切断され得る。
【0050】
特定の理論又は数量に限定されないが、AMシステム200は、それぞれが対応の画像形成デバイス104及び粉末サブシステム106を有する第2、第3、及び第4のカラー積層造形デバイス154、156、158を含んでもよい。対応の画像形成デバイス104のそれぞれは、無染料接着剤を対応のパターンで基材材料118の撮像領域上に選択的に堆積させるように構成されている。接着剤は、無染料又は無色の液体であってもよく、基材材料118、又は基材材料上の任意の粉末若しくはポリマー画像の変色を引き起こさないように設計され得る。それぞれの対応の画像形成デバイス102によって選択的に堆積される流体126のパターンは、ハーフトーンパターンであってもよい。それぞれの画像形成デバイスによって堆積される接着剤は、同じ材料であってもよい。したがって、場合によっては、選択的に堆積する流体接着剤は、水、又は水の蒸発を遅らせる材料を含む水溶液であってもよい。例えば、水溶液は、2-ピロリジノンを含み得る。他の場合では、アルコールなどの異なる流体が、接着剤として選択的に堆積し得る。例えば、基材材料118が、感水性(例えば、ポリビニルアルコール、PVOH)である場合、水は、基材材料を歪ませるか又は溶解し得る。この場合、選択的に堆積する流体としてアルコールが使用され得る。場合によっては、選択的に堆積する液体流体が延展すること、又は基材に過剰に吸収されることを防止するために、液体流体を選択的に堆積させる前に、表面エネルギー調整剤又は撥水剤を基材に塗布することが有用であり得る。流体126の組成はまた、後続的に基材材料118に塗布されるポリマー粉末の種類(例えば、カラー、磁気特性、真珠光沢)によって異なり得る。
【0051】
対応の粉末サブシステム106のそれぞれは、粉末塗布装置128及び粉末除去装置130を含む。それぞれの粉末塗布装置128は、異なるカラー又は他の特性を有する対応の粉末を貯蔵し、塗布し得る。例えば、粉末塗布装置のそれぞれは、4成分色(シアン、マゼンタ、黄色、及び黒色-「CMYK」)のうちの1つを塗布し得る。粉末塗布装置又は追加の粉末塗布装置のいずれかは、異なる種類の粉末(例えば、磁性粉末、蛍光粉末)、又は白色を含む他のカラー粉末を塗布し得る。粉末は、カラー積層造形デバイスの対応の画像形成デバイスによって堆積された接着剤流体によって湿潤されている基材材料の領域に付着するように構成されている。粉末は、接着剤との相互作用を介して基材材料又はそのシート上の印刷された(湿潤)領域に固着して、基材材料上に追加のカラー画像副層を形成するが、対応の接着剤流体で被覆されていない基材材料の部分には付着しない。
【0052】
それぞれの粉末塗布装置128は、対応の(例えば、カラー)ポリマー粉末を含有するトラフを含んでもよい。トラフは、その下面にスリット付き開口部を有してもよく、粉末サブシステムの電気機械的振動装置に接続されている。振動装置は、作動時に、基材材料がトラフの下で移動する間に、対応のポリマー粉末がスリット付き開口部を通って下方に、トラフから基材材料上へと流動するようにさせ得る。振動器は、制御装置150によって作動させられ得る。対応のパターン化された流体が完全に通過すると、振動装置は停止して、トラフからの対応のポリマー粉末流動を停止し得る。粉末はまた、上述のように、ないしは別の方法で当業者に理解されるように、他のアプローチによって選択的に堆積され得る。
【0053】
更に
図2を参照すると、第1のカラー積層造形デバイス152からの粉末塗布装置128は、粉末を基材材料118の撮像領域上に浮遊させることによって、第1のカラーポリマー粉末(例えば、シアン)を貯蔵及び塗布することができ、塗布された第1のカラー粉末は、第1のカラー積層造形デバイスの画像形成デバイス104によって堆積された、パターン化された接着剤と混合して、基材材料上に第1のカラー画像(例えば、シアン)を形成する。第1のカラー画像は、第1のカラー積層造形デバイス152の画像形成デバイス104によってパターン化されたハーフトーン画像に一致するハーフトーン画像であってもよい。接着剤に付着しない、また接着剤と混合しない過剰な第1のカラー粉末は、第1のカラー積層造形デバイスの粉末除去装置130によって除去され得る。典型的な用途では、それぞれ対応の粉末除去装置130は、サイクロンに連結される真空モータを有する真空を含み得る。動作中、真空により、対応の接着剤流体126との相互作用を介して基材材料118に付着しない対応の粉末が引き寄せられ、印刷された接着剤上に塗布されたポリマー粉末は、対応のポリマー画像として留まる。サイクロンは、当業者によく理解されるように、再使用のために、真空処理された粉末を対応の粉末塗布装置に再循環させ得る。それぞれの粉末除去装置130は、基材材料から任意の残りの過剰な粉末を除去するために、真空後のエアナイフを含み得る。
【0054】
それぞれの粉末サブシステム106は、基材材料118が、対応のカラー積層造形デバイスの関連する画像形成デバイス104を通過すると、基材材料が、関連する粉末サブシステムを自動的に移動するように、連続的に稼働するように設定され得る。あるいは、制御装置150は、関連する粉末塗布装置128及び粉末除去装置130又はそれらのサブシステムに、適切な時間でオン及びオフにするように指示し得る。
【0055】
定着装置108は、第1のカラー画像を少なくとも部分的に硬化又はピニングするために、第1のカラー積層造形デバイス粉末サブシステム106に近接した下流にあってもよい。
【0056】
基材材料118は、第2の接着剤を所望の第2のパターンで撮像領域及び第1のハーフトーンカラー画像上に選択的に堆積させるように構成された画像形成デバイス104を有する、第2のカラー積層造形デバイス154に進み得る。第2のカラー積層造形デバイス154の粉末塗布装置128は、ここで第1のカラー画像(例えば、シアン)及び第2の接着剤を含み得る撮像領域上に浮遊させることによって、第2のカラーポリマー粉末(例えば、マゼンタ)を貯蔵及び塗布し得る。第2の付着剤に接触する第2のカラーポリマー粉末は、接着剤と混合又は結合して、基材材料の撮像領域に第2のカラー画像(例えば、マゼンタ)を形成し得る。第2のカラー積層造形デバイス154の粉末除去装置130は、過剰な第2のカラーポリマー粉末を基材材料から除去することができる。過剰な第2のカラーポリマー粉末は、第2の付着剤に接触しない基材材料上の粉末である。第2のカラー画像(例えば、マゼンタ)は、第1のカラー画像と共に撮像領域に留まる。第2のカラー画像は、第2のカラー積層造形デバイス154の画像形成デバイスによってパターン化されたハーフトーン画像に一致するハーフトーン画像であってもよい。第2の定着装置108は、第2のカラー画像を少なくとも部分的に硬化又はピニングするために、第2のカラー積層造形デバイス粉末サブシステム106に近接した下流にあってもよい。
【0057】
基材材料118は、第3のカラー積層造形デバイス156及び第4のカラー積層造形デバイス158に進み、第1及び第2のカラー積層造形デバイスに関して上述したものと同様の方法で、第3のカラー画像(例えば、黄色)及び第4のカラー画像(例えば、黒色)をそれぞれ受容し得る。それぞれのカラー画像は、対応の粉末の特定の色の副層をハーフトーン形式で撮像領域に追加し得、これらは共に、印刷された基材材料に対して所望の色を製造するのに必要な所望のドットオンドットハーフトーン「CMYK」粉末を有する結合カラー画像層を撮像領域に生成し得る。4つの印刷カラー、シアン、マゼンタ、黄色、及び黒色の密度を変化させることによって、任意の特定の色合いが再現され得る。印刷された基材材料は、カッター112によって印刷された基材シート132に切断され、積み重ね及び更なる処理のために送られ得る。カラー積層造形デバイス152、154、156、158は、カラー3D物体を生成するために積み重ねられ、更に処理され得る(例えば、加熱、圧縮、洗浄)、追加の印刷された基材シート132にカラー画像を追加することを繰り返し得る。
【0058】
定着装置108は、後続の処理によって乱されないように十分な安定性を画像に付与するのに足るよう、基材材料の撮像領域に直近に適用された対応の画像を少なくとも部分的に硬化又はピニングするように、カラー積層造形デバイス152、154、156、158のそれぞれに隣接した下流に位置してもよい。対応の定着装置108は、関連する粉末除去装置130から出る基材の上方に、下方に、又は隣接して配置されてもよい。それぞれの定着装置108は、熱/圧力ローラーとして示されているが、いかなる特定の構造体にも限定されない。例えば、定着装置はまた、ホットプレートプレス、高強度発光体、電磁放射放出体、又は、後続の処理によって乱されないように十分な安定性を画像に付与するのに足るよう、対応のパターン化されたポリマー粉末画像を少なくとも部分的に硬化又はピニングし、それによって基材材料に固定するのに十分な別の定着デバイスであってもよい。換言すれば、それぞれのカラー副層の後に定着装置を使用して、カラー副層を基材材料にピニングすることは、以前に適用された副層からのカラー粉末の不必要な移動を防止する。カラー副層の中間ピニングはまた、望ましくないカラーの混合を低減し、過剰な粉末を再生利用する可能性を高める。更に、それぞれのポリマー画像副層の安定化は、画像の他の副層と接触しているポリマー画像の部分間の結合を高め得る。
【0059】
図3は、
図1及び
図2に示されるAMシステム内の例示的なデバイスを自動的に制御する命令を実行するための制御装置150のブロック図を示す。例示的な制御装置150は、
図2で示され、
図4の、以下でより詳細に説明されるように、システム内でマルチカラーAMプロセスを実行するための制御装置への入力を提供し得るか、又はその構成要素であり得る。
【0060】
例示的な制御システム150は、使用者が例示的な制御システム150と通信し得る操作インターフェース310を含み得る。操作インターフェース310は、AM 3D物体形成システム200に関連付けられるローカルアクセス可能なユーザーインターフェースであり得る。操作インターフェース310は、使用者が例示的な制御システム150に情報を入力することを可能にし得る制御デバイス及び/又はコンピューティングデバイスに共通する1つ以上の従来の機構として構成され得る。操作インターフェース310は、例えば、従来のキーボード、「ソフト」ボタン又は互換性のあるスタイラスで使用するための様々な構成要素を有するタッチスクリーン、使用者が例示的な制御システム150に、音声認識プログラムによって「変換される」口頭命令を提供し得るマイクロフォン、又は使用者が特定の操作命令を例示的な制御システム150に通信し得る他の同様のデバイスを挙げることができる。操作インターフェース310は、例示的な制御システム150が関連付けられたAMシステムに搭載された、一体化された、又は関連付けられたグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)の一部又は機能であり得る。
【0061】
例示的な制御システム150は、例示的な制御システム150を個別に操作するため、並びにAM 3Dマルチカラー物体形成に関する効果制御及び操作機能を実行するため、具体的には、マルチカラー複合体系の層形成スキームを実施するための、1つ以上のローカルプロセッサ320を含み得る。プロセッサ(複数可)320は、例示的な制御システム150の特定の機能、及び例示的な制御システム150を用いたマルチカラーAM 3D物体形成プロセスの制御を指示する命令を解釈及び実行する、少なくとも1つの従来のプロセッサ又はマイクロプロセッサを含み得る。
【0062】
例示的な制御システム150は、1つ以上のデータ記憶デバイス330を含み得る。このようなデータ記憶装置(複数可)330は、例示的な制御システム150、具体的にはプロセッサ(複数可)320によって使用されるデータ又は操作プログラムを記憶するために使用され得る。データ記憶デバイス(複数可)330は、例えば、例示的な制御システム150が関連付けられている、AMシステム内でマルチカラー3D物体を製造するための1つ以上の3D物体モデルに関する情報を記憶するために使用され得る。記憶された3D物体モデル情報は、概ね上述の方法で3D物体を形成するための一連のマルチカラー2Dスライスの層の印刷のためのデータに移され得る。
【0063】
データ記憶デバイス330は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、又は、例えば、プロセッサ320によってシステム動作を実行するための命令を別々に記憶するための、更新可能なデータベース情報を記憶することが可能な別のタイプの動的記憶デバイスを含み得る。データ記憶デバイス(複数可)330はまた、従来のROMデバイス、又はプロセッサ(複数可)320のための静的情報及び命令を記憶する別のタイプの静的記憶デバイスを含み得る、読み出し専用メモリ(ROM)を挙げることができる。更に、データ記憶デバイス(複数可)330は、例示的な制御システム150と統合されていてもよく、又はクラウド系データ記憶構成要素を含む例示的な制御システム150の外部で、及び制御システム150と有線若しくは無線通信で提供され得る。
【0064】
例示的な制御システム150としては、例示的な制御システム150が関連付けられ得るAMシステム200のGUI上の表示スクリーンが含まれるが、これらに限定されない、ユーザーに情報を出力する1つ以上の従来の機構として構成され得る、少なくとも1つのデータ出力/表示デバイス340を挙げることができる。データ出力/表示デバイス340は、デバイス内の複数の別個の処理ステーション又はサブシステムのうちの1つ以上において1つ以上の個別に制御された構成要素の動作を含む、例示的な制御システム150が関連付けられ得るAMシステムによってもたらされるマルチカラー3D物体形成動作の状態をユーザーに示すために使用され得る。
【0065】
例示的な制御システム150は、例示的な制御システム150が、例示的な制御システムの外部にあり得る構成要素と通信し得る、1つ以上の別個の外部通信インターフェース350を含み得る。外部通信インターフェース350のうちの少なくとも1つは、3D物体形成操作における制御機能の実行のためのモデリング情報を記憶する外部CAD/CAMデバイスを接続することを支援する入力ポートとして構成され得る。例示的な制御システム150と、外部及び/又は関連付けられた構成要素との間で、有線又は無線通信を提供する任意の好適なデータ接続は、示された外部通信インターフェース350によって包含されることが企図される。
【0066】
例示的な制御システム150としては、移された3D物体モデリング情報によるプロセス中のマルチカラー3D物体のための、一連の2Dスライス(例えば、印刷された基材シート132)を製造する、基材材料118上の画像形成プロセス(例えば、画像形成デバイス104、粉末サブシステム106、定着装置108)を制御するために使用され得る画像形成制御デバイス360を挙げることができる。基材材料118は、マルチカラー画像形成制御デバイス360の制御下で、マルチカラー画像層が上に形成されるように、カラー積層造形デバイス152、154、156、158を介して供給され得る。基材材料は、印刷された基材ウェブとしてカラー積層造形デバイスを出て、マルチカラー複合物体の形成用に印刷されたシートの積層体138を構成するために、AMシステム200の出力側で切断され、自動的に積み重ねられ得る。マルチカラー画像形成制御装置360は、データ記憶デバイス330のうちの1つ以上に連結されるプロセッサ320の一部若しくは機能として動作し得るか、又は例示的な制御システム150内の別個のスタンドアロン構成要素モジュール若しくは回路として動作し得る。プロセッサ320又はマルチカラー画像形成制御デバイス360のいずれかは、入力3D物体モデル情報を解析して、AMシステム200内の基材材料118上の層ごとの2Dスライスマルチカラー材料層印刷スキームを決定及び実行し得る。
【0067】
例示的な制御システム150としては、積層された支持構成要素構造体を除去し、3D物体を表面仕上げし得る削除機械加工プロセスにおいて、切断された印刷済みシートスライスの処理された積層体に対して最終3D物体成形スキームを実行するための3D複合物体仕上げ制御デバイス(図示せず)を挙げることができる。上記で列挙された他の別個の制御デバイスと同様に、3D複合物体仕上げ制御デバイスは、仕上げのデバイス動作を実行するための1つ以上のデータ記憶デバイス330に連結されるプロセッサ320の一部若しくは機能として動作し得るか、又は例示的な制御システム150内の別個のスタンドアロン構成要素モジュール若しくは回路として動作し得る。
【0068】
図3に示されるように、例示的な制御システム150の様々な構成要素の全ては、1つ以上のデータ/制御バス370によって、内部に、並びに1つ以上のAMマルチカラー複合物体形成デバイス及び/又はその構成要素に接続され得る。これらのデータ/制御バス370は、例示的な制御システム150の様々な構成要素間の有線又は無線通信を提供することができ、それらの構成要素の全ては、一体的に収容されているか、又はそれ以外の場合外部であり、かつ例示的な制御システム150が関連付けられ得るAMシステム200に接続される。
【0069】
図3に一体型ユニットとして示されているが、例示的な制御システム150の様々な開示された要素は、例示的な制御システムの単一ユニットと一体である、又は外部であり、例示的な制御システムの単一ユニットと有線若しくは無線通信する、個々の構成要素又は構成要素の組み合わせとして、サブシステムの任意の組み合わせで配置され得る、と理解されるべきである。換言すれば、一体型ユニットとして、又は支持ユニットとしての特定の構成は、
図3の記述によって暗示されことはない。更に、例示的な制御システム150に関する本開示で提供される詳細を理解しやすくするために個々のユニットとして示されているが、個々に示された構成要素のうちのいずれかの記載された機能、具体的には、示された制御デバイスのそれぞれは、例えば、1つ以上のデータ記憶デバイス(複数可)330に接続され、それと通信する1つ以上のプロセッサ320によって実行され得る。
【0070】
開示される実施形態は、マルチカラー積層造形複合構造体を製作するための例示的な方法を含み得る。
図4は、このような例示的な方法のフローチャートを示す。
図4に示すように、本方法の動作は工程S400で開始され、工程S410に進行する。
【0071】
工程S410において、画像形成デバイスは、接着剤を所望の第1のパターンで、プロセス方向に移動する基材材料の撮像領域上に選択的に堆積させる。所望の第1のパターンは、ハーフトーン画像であってもよい。基材材料は、基材材料を保持及び前進させるために使用される供給ローラーと共に張力機構を含み得る、移送サブシステムからの助けを借りてプロセス方向に移動し得る。本方法の動作は、工程S420に進行する。
【0072】
工程S420において、粉末サブシステムは、基材材料の撮像領域上に、第1のカラーポリマー副層として第1のカラー画像を作製する。特に、粉末サブシステムの粉末塗布装置は、第1のカラー粉末を撮像領域上に浮遊させて、流体接着剤との相互作用を介して粉末を基材に付着させる。第1のカラー粉末は、撮像領域において接着剤に固着して基材材料上に第1のカラー画像を形成するが、流体で被覆されていない撮像領域の部分に付着しない。第1のカラー画像は、第1のカラー粉末と接着剤との流体の組み合わせ、又は基材に付着している状態の粉末であってもよく、粉末は接着剤によって変化する。次いで、粉末除去装置は、基材から過剰な第1のカラー粉末を除去する。過剰な第1のカラー粉末は、接着剤を介して基材に固着しない粉末である。この過剰な粉末は、例えば、粉末除去装置により、過剰な粉末を真空にすることによって、又は過剰な粉末が重力を介して基材から落ちるように基材を裏返すことによって除去される。過剰な粉末を除去した後、第1のカラーポリマー副層は、第1のカラー画像を表したままである。第1のカラー画像は、ハーフトーン形式であってもよい。
【0073】
本方法の動作は、工程S430に進行し、第1のカラー画像副層は、基板上で安定化される。例えば、粉末サブシステムの下流にある定着装置は、第1のカラー画像を基材上に少なくとも部分的に硬化させることができ、それにより、第1のカラー画像副層が基材の印刷された領域に永続的に貼り付き、後続の処理中の変位、破壊、又は脱落からも保護される。本方法の動作は、工程S440に進行する。
【0074】
工程S440では、プロセス方向において定着装置の下流にある追加の画像形成デバイスは、追加の接着剤を所望の追加のパターンで基板の撮像領域上に選択的に堆積させる。追加の接着剤は、撮像領域の一部が、3D物体のスライスの正の追加の画像副層として追加の接着剤で被覆されるように、撮像領域上に選択的に堆積される。第2の接着剤は、画像形成デバイスによって塗布される接着剤と同じ材料であってもよく、又は異なる材料であってもよい。所望の追加のパターンは、ハーフトーン画像であってもよく、第1のカラー画像の少なくとも一部又は基材材料の撮像領域に位置する任意の追加のカラー画像を被覆し得る。
【0075】
図4に示す方法の動作は、工程S450に進行し、追加の粉末サブシステムは、基材材料の撮像領域上に追加のカラー副層として追加のカラー画像を作製する。特に、追加の粉末サブシステムの追加の粉末塗布装置は、追加の接着剤との相互作用を介して追加のカラー粉末を撮像領域に付着させるために、第1のカラー粉末とは異なる追加のカラー粉末を撮像領域に塗布する。追加のカラー粉末は、撮像領域において追加の接着剤に固着して基材材料上に追加のカラー画像を形成するが、追加の接着剤流体で被覆されていない撮像領域の部分には付着しない。追加のカラー画像は、第2の粉末と第2の接着剤との流体の組み合わせ、又は基材に付着している状態の第2の粉末であってもよく、粉末は、追加の接着剤によって変化する。次いで、追加の粉末サブシステムの追加の粉末除去装置は、過剰な追加のカラー粉末を基材から除去する。過剰な粉末は、追加の接着剤によって基材に固着しない追加のカラー粉末である。この過剰な追加のカラー粉末は、例えば、追加の粉末除去装置により、過剰な粉末を真空にすることによって、又は過剰な粉末が重力を介して基材から落ちるように基材を裏返すことによって除去される。過剰な追加のカラー粉末を除去した後、第1のカラー画像副層及び追加のカラー画像副層は、集合カラー画像層の一部として留まり、追加のカラー画像副層は追加のカラー画像を表す。追加のカラー画像はまた、ハーフトーン形式であってもよい。
【0076】
本方法の動作は、工程S460に進行し、追加のカラー画像は、基板上で安定化される。例えば、追加の粉末サブシステムの下流にある追加の定着装置は、追加のカラー画像を基材材料上に少なくとも部分的に硬化させることができ、それにより、追加のカラー画像が基材材料の撮像領域に永続的に貼り付き、後続の処理中の変位、破壊、又は脱落からも保護される。追加の定着装置はまた、第1のカラー画像及び任意の追加のカラー画像を更に硬化させ得る。次いで、本方法の動作は、続けて工程S440に戻り、撮像領域において追加のカラー画像副層として別の追加のカラー画像を適用してもよく、対応の追加のカラー画像階層は全て、撮像領域において第1のカラー画像副層と結合して、撮像領域を有する対応の基材シートのための集合マルチカラー画像層を形成する。あるいは、本方法の動作は、工程S410に戻って、別のマルチカラー画像印刷シートを製作するか、又は工程S470で停止して、マルチカラー画像が印刷されたシートの更なる処理を可能にし得る。
【0077】
実行可能な方法工程の例示的に示されたシーケンスは、工程に記載される機能を実施するための、対応する動作シーケンスの一例を表す。例示的に示された工程は、開示された実施形態の目的を達成するために、任意の合理的な順序で実行され得る。本方法の開示された工程の特定の順序は、必ずしも
図4の記述によって暗示されず、添付の説明は、任意の特定の方法工程を除き、任意の他の方法工程の実行に必要な前提条件であると合理的に見なされる。個々の方法工程は、順番に、又は同時若しくはほぼ同時のタイミングで並行して実行され得る。加えて、示され、記載された方法工程の全てが、本開示による任意の特定のスキームに含まれる必要はない。
【0078】
当業者であれば、開示される主題の他の実施形態は、多くの異なる構成において、AMシステムに共通する多くの種類の画像形成要素を用いて実施され得ることを理解するであろう。例えば、単一パスマーキング材料の堆積が、論じられた実施形態に示されているが、実施例は、3D物体形成システム及び方法を含む、マルチパスシステム及び方法に適用される場合がある。また、論じられた実施形態では、片面印刷が示されているが、実施例は、多面マルチカラー積層造形印刷に適用される場合がある。これらは、開示されるスキームに従って実行され得る変形の非限定的な例であることを理解されたい。換言すれば、特定の限定的な構成は、上記の説明及び添付の図面から暗示されるべきではない。
【0079】
様々な上記で開示された及び他の特徴及び機能、又はこれらの代替物が、他の異なるシステム又は用途に組み合わされ得ることが理解されるであろう。また、現在予想又は予測されてないそこでの様々な代替物、修正物、変形物、又は改善物は、その後に当業者によって行われてもよい。