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特許7339912内視鏡用照明光学システム、および、内視鏡
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-29
(45)【発行日】2023-09-06
(54)【発明の名称】内視鏡用照明光学システム、および、内視鏡
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/07 20060101AFI20230830BHJP
   G02B 23/26 20060101ALI20230830BHJP
【FI】
A61B1/07 733
A61B1/07 732
G02B23/26 B
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020053024
(22)【出願日】2020-03-24
(65)【公開番号】P2021151388
(43)【公開日】2021-09-30
【審査請求日】2022-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】弁理士法人イトーシン国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】本間 博之
【審査官】増渕 俊仁
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-085805(JP,U)
【文献】実開昭50-115042(JP,U)
【文献】実開平2-30914(JP,U)
【文献】特開2013-041025(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00-1/32
G02B 23/24-23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光ファイバからなり、光を導光するファイバ束と、
前記ファイバ束の先端部が挿入され、前記複数の光ファイバを束ねている口金と、
前記先端部の前記複数の光ファイバの間を充填している樹脂と、
前記ファイバ束の先端面から出射される前記光が入射し、出射面から前記光を出射する照明光学系と、を具備し、
前記口金は、先端の内径が基端の内径よりも小さいことを特徴とする内視鏡用照明光学システム。
【請求項2】
前記口金は、内径が略一定の基端領域と、内径が前記基端領域の前記内径よりも小さく、かつ、略一定の先端領域と、を有することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用照明光学システム。
【請求項3】
前記口金は、内径が、前記基端領域の前記内径よりも小さく、前記先端領域の前記内径よりも大きく、かつ、略一定の中間領域を、少なくとも1つ有することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡用照明光学システム。
【請求項4】
前記口金は、前記先端から前記基端にむかって内径が連続的に変化していることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用照明光学システム。
【請求項5】
前記先端の前記内径が前記基端の前記内径の95%以下であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の内視鏡用照明光学システム。
【請求項6】
前記出射面に、低屈折率層と高屈折率層とが交互に積層された反射防止膜が配設されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の内視鏡用照明光学システム。
【請求項7】
前記反射防止膜は、外面に、前記高屈折率層が配設されていることを特徴とする請求項6に記載の内視鏡用照明光学システム。
【請求項8】
前記基端領域の先端から前記出射面までの距離は、前記先端の前記内径の7倍以上13倍以下であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の内視鏡用照明光学システム。
【請求項9】
前記請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の内視鏡用照明光学システムを含むことを特徴とする内視鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の光ファイバが口金によって束ねられている内視鏡用照明光学システム、および、複数の光ファイバが口金によって束ねられている内視鏡用照明光学システムを含む内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
被検体の体腔内に挿入部を挿入して、先端部に配設された撮像装置によって画像を取得したり、先端部から突出させた処置具を用いて処置したりする内視鏡が広く用いられている。外光の届かない体腔内を観察するには、照明光学システムが不可欠である。
【0003】
光源が発生した照明光は、複数の光ファイバを束ねたファイバ束(ファイババンドル)によって導光され、先端部に配設された照明光学系から出射される。照明光学システムは、照明光によってファイバ束および照明光学系が加熱されるために、内視鏡先端の温度が上昇しやすい。近年、イメージセンサーの高密度、高画素化に伴って内視鏡先端の温度上昇(発熱)につながるため、発熱しにくい照明光学システムが求められている。
【0004】
特開2006-323077号公報には、複数の光ファイバを束ねたファイバ束を口金で束ねてから、口金を絞り加工により縮径する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2006-323077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態は、信頼性が高く発熱しにくい内視鏡用照明光学システム、および、信頼性が高く発熱しにくい内視鏡用照明光学システムを含む内視鏡を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の内視鏡用照明光学システムは、複数の光ファイバからなり、光を導光するファイバ束と、前記ファイバ束の先端部が挿入され、前記複数の光ファイバを束ねている口金と、前記先端部の前記複数の光ファイバの間を充填している樹脂と、前記ファイバ束の先端面から出射される前記光が入射し、出射面から前記光を出射する照明光学系と、を具備し、前記口金は、先端の内径が基端の内径よりも小さい。
【0008】
また、別の実施形態の内視鏡は、内視鏡用照明光学システムを含み、前記内視鏡用照明光学システムは、複数の光ファイバからなり、光を導光するファイバ束と、前記ファイバ束の先端部が挿入され、前記複数の光ファイバを束ねている口金と、前記先端部の前記複数の光ファイバの間を充填している樹脂と、前記ファイバ束の先端面から出射される前記光が入射し、出射面から前記光を出射する照明光学系と、を具備し、前記口金は、先端の内径が基端の内径よりも小さい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態によれば、信頼性が高く発熱しにくい内視鏡用照明光学システム、および、信頼性が高く発熱しにくい内視鏡用照明光学システムを含む内視鏡を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態の内視鏡を含む内視鏡システムの構成図である。
図2】第1実施形態の照明光学システムの断面図である。
図3】第1実施形態の照明光学システムの図2のIII-III線にそった断面図である。
図4】第1実施形態の照明光学システムの製造方法を説明するための断面図である。
図5】第1実施形態の変形例1の照明光学システムの断面図である。
図6】第1実施形態の変形例2の照明光学システムの断面図である。
図7】第2実施形態の照明光学システムの断面図である。
図8】反射防止膜の分光反射率を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<内視鏡>
図1に示すように、実施形態の内視鏡9は、例えば、撮像信号を処理するプロセッサ92と、モニタ93と、使用条件等を設定するための入力装置94と、光源装置95と、共に内視鏡システム8を構成する。
【0012】
なお、以下の説明において、実施の形態等に基づく図面は、模式的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、夫々の部分の厚みの比率および相対角度などは現実のものとは異なる。図面の相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。一部の構成要素の図示は省略する。
【0013】
内視鏡9は、体内に挿入される細長い挿入部60と、挿入部60から操作部(不図示)を間にはさんで配設されているユニバーサルコード61と、を具備する。ユニバーサルコード61は、プロセッサ92および光源装置95と接続されている。挿入部60は、先端部60Aにステンレス鋼等からなる硬性部材60A1を有する。硬性部材60A1には貫通孔H10、H63、H65がある。
【0014】
貫通孔H10には、内視鏡用照明光学システム(以下、「光学システム」ともいう。)10が挿入されている。光学システム10は、複数の光ファイバ21および樹脂40を含むファイバ束20と、口金30と、照明光学系(以下、「光学系」ともいう。)50と、を具備する。
【0015】
貫通孔H63は、操作部から処置具等が挿入されるチャンネルチューブ63と挿通している。貫通孔H65には撮像装置65が挿入されている。
【0016】
光学システム10のファイバ束20、撮像装置65と接続されているケーブル66、および、チャンネルチューブ63は、挿入部60を挿通している。挿入部60の外周面は、樹脂64によって覆われている。
【0017】
光源装置95が発生した光は、ファイバ束20を経由して先端部60Aまで導光され、被写体に向けて出射される。照明光が被写体表面で反射し、反射光が撮像装置65によって撮像信号に変換される。撮像信号はケーブル66を経由してプロセッサ92に伝送される。撮像信号はプロセッサ92で信号処理され、内視鏡画像がモニタ93に表示される。なお、撮像信号が光信号に変換され光ファイバを経由して導光されてもよい。
【0018】
後述するように、光学システム10は、信頼性が高く、発熱が抑制されているため、内視鏡9は信頼性が高く、発熱が抑制されている。
【0019】
<第1実施形態>
図2に示すように、本実施形態の内視鏡用照明光学システム10の光学系50は、3つの凸レンズ51、52、53と、レンズ51等を保持するレンズ枠54と、を含む。凸レンズ51、52、53の光学面のうち、出射面50SAを除く全ての面には反射防止膜がコーティングされている。さらに、凸レンズ53は、高屈折率ガラス(コア)53aが低屈折率ガラス(クラッド)53bで覆われている単ファイバ構成である。光ファイバ21から出射される光は、凸レンズ53のコアとクラッドとの境界における全反射も利用して、効率良く凸レンズ51から照野へ出射される。複数の光ファイバ21を含むファイバ束20の先端部は、口金30によって束ねられている。光学系50の基端面と、ファイバ束20の先端面とは対向配置された状態に固定されている。
【0020】
図3に示すように、光ファイバ21の断面は円形であり、口金30の中の複数の光ファイバ21の間には、樹脂40が充填されている。複数の光ファイバ21のそれぞれの先端部は、樹脂40によって互いに強固に接着されている。このため、ファイバ束20に応力が印加されても口金30から光ファイバ21が抜けにくい。光学システム10は照明光の強度が低下することがなく、信頼性が高い。
【0021】
なお、図3では説明のため、光ファイバ21の数を少なく図示しているが、ファイバ束20は、例えば1000本から4000本の光ファイバ21を含んでいる。
【0022】
例えば、エポキシ樹脂である樹脂40の熱伝導率は高くはない。このため、光ファイバ21の先端面または光学系50の基端面等で反射された光が、樹脂40に吸収されると、樹脂40は発熱する。樹脂40の発熱を抑制するためには、口金30の中における複数の光ファイバ21の充填率を改善し、口金30の中の樹脂40の割合することが有効である。
【0023】
口金30の内径(直径)をD30、光ファイバ21の外径(直径)をD21、光ファイバ21の本数をNとすると、口金30の中における樹脂40の断面積V30は、以下の(式1)で示される。
【0024】
V30=(D30/2)-N(D21/2) (式1)
【0025】
本実施形態の光学システム10では、口金30は先端の内径D32が基端の内径D31よりも小さい。すなわち、内径D31が略一定の基端領域31と、内径D32が基端領域31の内径D31よりも小さく、かつ、略一定の先端領域32と、を有する。口金30の内径D30は、基端領域31と先端領域32との間の境界領域においてゆるやかに変化している。
【0026】
なお、内径D30が略一定とは、例えば、最小内径および最大内径が、平均内径D30の98%以上102%以下である。口金30の肉厚T30は、基端領域31と先端領域32とで略同じである。
【0027】
光学システム10は、最も発熱しやすい、先端領域32に含まれる樹脂40が少ない。このため、光学システム10は、発熱が抑制されている。また、基端領域31の内径D31は大きいため、束ねられた光ファイバ21の接着強度が高い。
【0028】
なお、先端領域32の内径D32は、効果が顕著であるため、基端領域31の内径D31の95%以下であること、好ましい。
【0029】
光学システム10の製造方法では、最初に、束ねられた複数の光ファイバ21の先端部が、塑性変形しやすい金属(例えば、アルミニウム)からなる中空円筒である口金30に挿入される。そして、界面張力を利用して、複数の光ファイバ21の隙間に樹脂40が注入される。樹脂40がコーティングされた複数の光ファイバ21が、口金30に挿入されてもよい。また、断面がU字形の口金部材に複数の光ファイバ21が配設されてから、口金部材の開口を閉じるように加工してもよい。
【0030】
図4に示すように、口金30の先端領域32だけが、例えば、スウェージング装置39を用いて絞り加工される。樹脂40が熱硬化された後に、口金30を含むファイバ束20の最先端部が切断され、切断面が研磨されることによって、口金30によって固定されたファイバ束20が作製される。
【0031】
光学システム10は、口金30の基端部は絞り加工されないため光ファイバ21は、加工時および使用時に破損しにくい。光ファイバ21の破損を防止するためには、内径D32は内径D31の90%以上であることが好ましい。また、口金30の内径D30は境界領域においてゆるやかに変化している。このため、光ファイバ21が、さらに破損しにくい。なお、先端領域32の外周面と境界領域の外周面とがなす角度θ(図4参照)は、75度以下が好ましく、45度以下が特に好ましい。
【0032】
光学システム10は、発熱が抑制されており、さらに、照明光の強度が低下することがなく、信頼性が高い。
【0033】
<第1実施形態の変形例>
次に、第1実施形態の変形例の内視鏡用照明光学システム10A、10Bについて説明する。光学システム10A、10Bは第1実施形態の光学システム10と類似しているので同じ機能の構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
【0034】
<第1実施形態の変形例1>
図5に示すように本変形の内視鏡用照明光学システム10Aでは、口金30Aは、内径D33が、基端領域31の内径D31よりも小さく、先端領域32の内径D32よりも大きく、かつ、略一定の中間領域33を有する。
【0035】
光学システム10Aは、光学システム10と同じ効果を有し、さらに、最も発熱しやすい先端領域32の長さが短いために、光学システム10よりも、発熱が抑制されている、さらに、ゆるやかに口金30Bの内径D30が変化するため、照明光の強度が低下することがなく、信頼性が高い。
【0036】
なお、先端領域32と中間領域33とがなす角度、および、中間領域33と基端領域31とがなす角度は、75度以下が好ましく、45度以下が特に好ましい。
【0037】
光学システム10Aの光学系50Aは、1つの凸レンズ55とレンズ枠54と有する。すなわち、光学系は図2等に示した、3つの凸レンズ51、52、53を含む構成に限定されない。なお、光学システム10Aは、2つ以上の中間領域を有していてもよい。
【0038】
<第1実施形態の変形例2>
図6に示すように本変形の内視鏡用照明光学システム10Bでは、口金30Bは、先端32Aから基端31Aにむかって内径D30が連続的に変化している。先端32Aの内径D32Aは、基端31Aの内径D31Aの95%以下であることが好ましい。
【0039】
光学システム10Bは、光学システム10と同じ効果を有し、さらに、光学システム10よりも発熱が抑制されており、さらに、口金30Bの内径D30がゆるやかに変化するため、光ファイバ21の破損によって照明光の強度が低下することがなく、信頼性が高い。
【0040】
なお、光学システム10Bの光学系50Bは、1つの凹レンズ56とレンズ枠54と有する。
【0041】
<第2実施形態>
第2実施形態の内視鏡用照明光学システム10Cは内視鏡用照明光学システム10と類似し、同じ効果を有しているので同じ機能の構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
【0042】
図7に示すように、光学システム10Cでは、光学系50の先端の凸レンズ51の出射面50SAに反射防止膜59が配設されている。反射防止膜59は、複数の低屈折率層および複数の高屈折率層からなる複数の層が交互に積層された多層膜である。
【0043】
反射防止膜59の例として以下に反射防止膜59A~59Gの構成を示す。なお、第1層がレンズに最初にコーティングされる層である。屈折率の測定波長は546nmである。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】
【表5】
【0049】
【表6】
【0050】
【表7】
【0051】
図8に、反射防止膜59A~59Gの分光反射率を示す。
【0052】
低屈折率層の材料は、SiO、Al、Y、LaAlO、または、これらの混合物であることが好ましい。高屈折率層の材料は、Al、Y、ZrO、Ta、TiO、HfO、Nb、LaTiO、LaAlO、または、これらの混合物であることが好ましい。なお、反射防止膜59は、2種類以上の低屈折率層を有していてもよいし、2種類以上の高屈折率層を有していてもよい。
【0053】
レンズ51等は、例えば、光学ガラス、石英、サファイア、安定化ジルコニア(YSZ)、イットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)からなる。例えば、イオンアシスト蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法によって配設される、各層の厚さは、5nm以上150nm以下である。
【0054】
照明光が出射面50SAにおいてフレネル反射されると、光学系50を硬性部材60A1の貫通孔H10に固定している接着剤(不図示)が反射光を吸収して発熱する。光学システム10Cは、光学系50の出射面50SAに反射防止膜59が配設されているため、照明光の出射面50SAにおけるフレネル反射を軽減できる。このため、光学システム10Cは、光学システム10よりも発熱が抑制されている。
【0055】
なお、反射防止膜59は、レンズ51から最も離れている外面に配設されている表面層は、高屈折率層であることが好ましい。高屈折率層は、低屈折率層よりも、密度が高く、内視鏡9の洗浄等に用いられる薬液に対して高い耐性を示すためである。耐薬品性の観点から、表面層は厚さが3nm以上であることが好ましい。
【0056】
なお、光学システム10、10A~10Cにおいては、図7に示すように、基端領域31の先端から出射面50SAまでの距離Lは、先端の内径D32(D32A)の7倍以上13倍以下であることが好ましい。
【0057】
距離Lが前記下限以上であれば、出射面50SAにおいて反射された照明光によって発熱した光学系50の熱が、ファイバ束20に伝わりにくく、また、ファイバ束20の熱が光学系50に伝わりにくい。前記上限以下であれば、先端部60Aが短小であるため低侵襲の内視鏡を提供できる。
【0058】
なお、光学システム10A~10Cを含む内視鏡9A~9Cが、光学システム10A~10Cの効果を有することは言うまでも無い。なお、内視鏡9等は医療用であるが、その用途は工業用でもよいし、挿入部60は軟性でも硬性でもよい。内視鏡9等は、挿入部90が、プロセッサ92およびモニタ93等と、一体化されている内視鏡でもよい。また、撮像信号が光信号に変換されて、挿入部60を伝送されてもよい。
【0059】
本発明は、上述した実施形態等に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
【符号の説明】
【0060】
8…内視鏡システム
9、9A~9C…内視鏡
10、10A~10C…内視鏡用照明光学システム(光学システム)
20…ファイバ束
21…光ファイバ
30…口金
31…基端領域
32…先端領域
33…中間領域
39…スウェージング装置
40…樹脂
50…照明光学系(光学系)
51、52、53、55、56…レンズ
54…レンズ枠
59…反射防止膜
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8