(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-29
(45)【発行日】2023-09-06
(54)【発明の名称】情報管理方法、情報管理プログラム、及び情報管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0633 20230101AFI20230830BHJP
【FI】
G06Q10/0633
(21)【出願番号】P 2020069337
(22)【出願日】2020-04-07
【審査請求日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】P 2019075465
(32)【優先日】2019-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成31年1月22日にウェブサイト(https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2019/01/0122.html)にて公開 平成31年1月23日にウェブサイト(http://www.hitachi.co.jp/Prod/comp/soft1/jp1/product/jp1/list/im2/index.html)にて公開 平成31年1月23日にウェブサイト(https://www.hitachi-solutions.co.jp/jp1/sp/partnership/jp1im.html)にて公開 平成31年2月13日にウェブサイト(http://itdoc.hitachi.co.jp/manuals/3021/30213D5300/INDEX.HTM)にて公開
(73)【特許権者】
【識別番号】000233055
【氏名又は名称】株式会社日立ソリューションズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 靖久
(72)【発明者】
【氏名】天野 光司
(72)【発明者】
【氏名】長島 雅宗
【審査官】▲高▼瀬 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/121085(WO,A1)
【文献】特開2018-018471(JP,A)
【文献】特開2014-170400(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサ及びメモリを備え、グループ化された複数のホストをそれぞれノードとして有する第1のサブシステムと、いずれかの前記ホストに対応する、グループ化された複数のジョブをそれぞれノードとして有する第2のサブシステムとを管理する情報管理システムが、
各前記サブシステムにおける各ノードの構造化識別子を、各前記サブシステムにおけるグループに基づき生成する構造化識別子生成処理と、
前記ノード間の関連性の強さを示す関連度を算出する関連度算出処理と、
前記構造化識別子、及び前記関連度に基づき、所定の前記ノードに対する関連度が所定の条件を満たすノードである関連ノードを抽出する関連ノード抽出処理と、
前記所定のノードの構造化識別子が示すデータ構造上の情報に前記関連ノードの構造化識別子が示すデータ構造上の情報を付帯させた新たな構造化識別子を、前記サブシステムにおけるグループに基づき生成する表示構造化識別子生成処理と、
前記生成した新たな構造化識別子に基づき、前記所定のノードと前記関連ノードとの関連性を示す情報を表示する表示ツリー表示処理と、
を実行する、情報管理方法。
【請求項2】
前記情報管理システムは、前記構造化識別子生成処理において、前記構造化識別子として、前記情報管理システム、前記ノードが属する前記サブシステム、前記情報管理システムにおいて当該ノードが属するグループ、及び、当該ノードに割り当てられた識別子の情報を所定の分離記号で結合した識別子を生成する、
請求項1に記載の情報管理方法。
【請求項3】
前記情報管理システムは、
前記ジョブと前記ホストとの対応関係、又は前記ジョブ間の実行順序を、前記ノード間の関連性を示す情報である関連リンクとして生成する関連リンク生成処理を実行し、
前記関連度算出処理において、前記生成した関連リンクに基づき、前記関連度を算出する、
請求項1に記載の情報管理方法。
【請求項4】
前記情報管理システムは、前記表示ツリー表示処理において、前記関連ノードに対する所定ユーザの管理権限を示す権限情報に基づき、前記所定ユーザが前記関連ノードに対する管理権限を有するか否かを判定し、前記所定ユーザが前記関連ノードに対する管理権限を有すると判定した場合にのみ、前記生成した新たな構造化識別子に基づき、前記所定のノードと前記関連ノードとの関連性を示す情報を表示する、
請求項1に記載の情報管理方法。
【請求項5】
前記情報管理システムは、前記表示ツリー表示処理において、前記関連リンクに基づき、ユーザから指定された前記ジョブとその他のジョブとの間の実行順序を示す情報を表示する、
請求項
3に記載の情報管理方法。
【請求項6】
グループ化された複数のホストをそれぞれノードとして有する第1のサブシステムと、いずれかの前記ホストに対応する、グループ化された複数のジョブをそれぞれノードとして有する第2のサブシステムとを管理する、プロセッサ及びメモリを有する情報管理システムに、
各前記サブシステムにおける各ノードの構造化識別子を、各前記サブシステムにおけるグループに基づき生成する構造化識別子生成処理と、
前記ノード間の関連性の強さを示す関連度を算出する関連度算出処理と、
前記構造化識別子、及び前記関連度に基づき、所定の前記ノードに対する関連度が所定の条件を満たす前記ノードである関連ノードを抽出する関連ノード抽出処理と、
前記所定のノードの構造化識別子が示すデータ構造上の情報に前記関連ノードの構造化識別子が示すデータ構造上の情報を付帯させた新たな構造化識別子を、前記サブシステムにおけるグループに基づき生成する表示構造化識別子生成処理と、
前記生成した新たな構造化識別子に基づき、前記所定のノードと前記関連ノードとの関連性を示す情報を表示する表示ツリー表示処理と、
を実行させる、情報管理プログラム。
【請求項7】
前記情報管理システムに、前記構造化識別子生成処理において、前記構造化識別子として、前記情報管理システム、前記ノードが属する前記サブシステム、前記情報管理システムにおいて当該ノードが属するグループ、及び、当該ノードに割り当てられた識別子の情報を所定の分離記号で結合した識別子を生成させる、
請求項6に記載の情報管理プログラム。
【請求項8】
前記情報管理システムに、
前記ジョブと前記ホストとの対応関係、又は前記ジョブ間の実行順序を、前記ノード間の関連性を示す情報である関連リンクとして生成する関連リンク生成処理を実行させ、
前記関連度算出処理において、前記生成した関連リンクに基づき、前記関連度を算出させる、
請求項6に記載の情報管理プログラム。
【請求項9】
前記情報管理システムに、前記表示ツリー表示処理において、前記関連ノードに対する所定ユーザの管理権限を示す権限情報に基づき、前記所定ユーザが前記関連ノードに対する管理権限を有するか否かを判定し、前記所定ユーザが前記関連ノードに対する管理権限を有すると判定した場合にのみ、前記生成した新たな構造化識別子に基づき、前記所定のノードと前記関連ノードとの関連性を示す情報を表示させる、
請求項6に記載の情報管理プログラム。
【請求項10】
前記情報管理システムに、前記表示ツリー表示処理において、前記関連リンクに基づき、ユーザから指定された前記ジョブのグループにおけるジョブ間の実行順序を示す情報を表示させる、
請求項
8に記載の情報管理プログラム。
【請求項11】
プロセッサ及びメモリを備え、グループ化された複数のホストをそれぞれノードとして有する第1のサブシステムと、いずれかの前記ホストに対応する、グループ化された複数のジョブをそれぞれノードとして有する第2のサブシステムとを管理し、
各前記サブシステムにおける各ノードの構造化識別子を、各前記サブシステムにおけるグループに基づき生成する構造化識別子生成部と、
前記ノード間の関連性の強さを示す関連度を算出する関連度算出部と、
前記構造化識別子、及び前記関連度に基づき、所定の前記ノードに対する関連度が所定の条件を満たす前記ノードである関連ノードを抽出する関連ノード抽出部と、
前記所定のノードの構造化識別子が示すデータ構造上の情報に前記関連ノードの構造化識別子が示すデータ構造上の情報を付帯させた新たな構造化識別子を、前記サブシステムにおけるグループに基づき生成する表示構造化識別子生成部と、
前記生成した新たな構造化識別子に基づき、前記所定のノードと前記関連ノードとの関連性を示す情報を表示する表示ツリー表示部と、
を備える、情報管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報管理方法、情報管理プログラム、及び情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大規模化、複雑化が進む企業の情報システムでは、多数の情報システム(サブシステム)を統合することで、一括して情報の運用及び管理をするニーズが高まっている。また、大規模な情報システムには、情報システムのレイヤーやサブシステムごとに異なる複数の管理者が存在し、また、それぞれの管理者の管理対象も、一部のレイヤーやサブシステムといった、システムの一部に限られる。したがって、これらのシステムを統合して一括管理する場合は、それぞれの管理者に対応した部分の情報を管理対象として適切に抽出し、また、その管理者が、必要とする部分(管理対象)にのみアクセスできるようにすることが好ましい。
【0003】
ここで、情報システムから情報の一部を抽出する場合は、以下のような問題がある。例えば、情報システムにおけるサブシステムでそれぞれ管理されるジョブ(業務)とホスト(コンピュータ)の関係について、ジョブはホストにより行われるのでジョブ管理とホスト管理とは密接な関係にある。しかし、情報システムを管理するソフトウェアは、業務(ジョブ)の管理システムやホストの稼動管理システム等のように、対象とするジョブ又はホストに応じて異なる種類のものが使用されているのが通常である。このため、大規模な情報システムでは各ユーザがジョブとホストの間の関連性を把握することが難しくなる。そこで、そのような情報システムから一部の情報を抽出した場合は、ジョブやホストの関連性を維持しつつその抽出部分を再構成し、さらにはユーザがその関連性を容易に把握できるようにする必要がある。
【0004】
ここで、情報システムを統合して一括管理する方法の一つに、構造化識別子(Structured Identifier。以下、SIDともいう。)を用いた管理方法がある。非特許文献1には、管理対象のオブジェクトに対し、一意性、連結可能性、及び脱着可能性を満たすように、複数の識別子及びセパレータを構成要素としたSIDを付与することで、情報システム全体を、ツリー構造で記述されたデータ群(統合ツリー)で管理する方法が記載されている。また、構造化識別子自体では表現できない、SIDが付与されたオブジェクト間の関連性を、「関連リンク」と称する情報により特定して管理する方法も開示されている。さらに、非特許文献1の応用研究である非特許文献2には、統合ツリーから部分集合を抽出する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】天野光司、西山博泰、小泉稔、藤井一信、須藤直也、田野俊一:設備構造およびサービス識別子の構造化による一元的な制御設備管理の効率化、電気学会論文誌C、137(2)、pp.249-259、2017
【文献】天野光司、西山博泰、小泉稔、清水勝人、笹木亘、田野俊一:集合モデルによる構造化識別子の識別領域の制御と設備管理機能の結合方式、電気学会論文誌C、138(12)、pp.1626-1633、2018
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この点、非特許文献1には、システム全体を表現する管理用ツリー(統合ツリー)から、一部の情報を抽出する方法は開示されていない。また、非特許文献2には、統合ツリーから部分集合を抽出する方法について言及されているものの、抽出した部分集合のデータ構造が互いに異なる場合の、管理データの再構成の方法について開示されていない。したがって、例えば、各部分集合のツリー(サブシステムのツリー)のルートノード(最上位のノード)が異なっていたり、ツリー構造が互いに異なっていたりする場合に、部分集合のツリーを適切に再構成することができない。さらに、統合ツリーは、プログラムによって管理する目的に最適化されているため、人間(管理者等のユーザ)の認知に適したデータ構造とはなっていない。したがって、再構成した部分集合のツリーをユーザにわかりやすく提示するためには、ツリーに応じてその構造化識別子の構造を最適化する必要がある。
【0007】
本発明はこのような現状に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数のサブシステムを備える情報管理システムにおいて、サブシステムから抽出した複数の情報間の関連性を、構造化識別子を用いてユーザに分かりやすく提示することが可能な情報管理方法、情報管理プログラム、及び情報管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の課題を解決するための本発明の一つは、プロセッサ及びメモリを備え、グループ化された複数のホストをそれぞれノードとして有する第1のサブシステムと、いずれかの前記ホストに対応する、グループ化された複数のジョブをそれぞれノードとして有する第2のサブシステムとを管理する情報管理システムが、各前記サブシステムにおける各ノードの構造化識別子を、各前記サブシステムにおけるグループに基づき生成する構造化識別子生成処理と、前記ノード間の関連性の強さを示す関連度を算出する関連度算出処理と、前記構造化識別子、及び前記関連度に基づき、所定の前記ノードに対する関連度が所定の条件を満たすノードである関連ノードを抽出する関連ノード抽出処理と、前記所定のノードの構造化識別子が示すデータ構造上の情報に前記関連ノードの構造化識別子が示すデータ構造上の情報を付帯させた新たな構造化識別子を、前記サブシステムにおけるグループに基づき生成する表示構造化識別子生成処理と、前記生成した新たな構造化識別子に基づき、前記所定のノードと前記関連ノードとの関連性を示す情報を表示する表示ツリー表示処理と、を実行する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数のサブシステムを備える情報管理システムにおいて、サブシステムから抽出した複数の情報間の関連性を、構造化識別子を用いてユーザに分かりやすく提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る情報管理システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、情報管理システム100を構成する各情報処理装置が備えるハードウェアの一例を説明する図である。
【
図3】
図3は、ホスト管理情報の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、ジョブ管理情報の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、情報システム管理処理の一例を説明するフローチャートである。
【
図6】
図6は、統合ツリー作成処理の一例を説明するフローチャートである。
【
図7】
図7は、構造化識別子(SID)の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、統合ツリーの表示例を示す図である。
【
図10】
図10は、表示SID生成処理の一例を説明するフローチャートである。
【
図11】
図11は、注目ノードSID変換処理を説明するフローチャートである。
【
図12】
図12は、注目ノードSID変換処理における規定ノード部分の削除方法の一例を説明する図である。
【
図13】
図13は、注目ノードSID変換処理における分岐記号の変更方法の一例を説明する図である。
【
図14】
図14は、関連ノードSID変換処理の詳細を説明するフローチャートである。
【
図15】
図15は、関連度管理テーブルの一例を示す図である。
【
図16】
図16は、抽出関連ノードテーブルの一例を示す図である。
【
図17】
図17は、関連ノード表示ツリーSIDテーブルの一例を示す図である。
【
図18】
図18は、注目ノードがホスト5である場合に表示される表示ツリー図の一例を示す図である。
【
図19】
図19は、注目ノードがジョブ6である場合に表示される表示ツリー図の一例を示す図である。
【
図20】
図20は、権限ノード表示処理の一例を説明するフローチャートである。
【
図21】
図21は、権限ノード構成画面の一例を示す図である。
【
図23】
図23は、情報管理システム100の特徴を説明する図である。
【
図24】
図24は、表示ツリーと統合ツリーの関係を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本実施形態の情報管理システムについて図面を参照しつつ説明する。
【0012】
<<システム構成>>
図1は、本実施形態に係る情報管理システムの構成の一例を示す図である。情報管理システム100は、複数のホスト5と、ホスト管理システム2と、ジョブ管理システム4と、統合管理システム1と、端末10とを含んで構成されている。統合管理システム1、ホスト管理システム2、ジョブ管理システム4、及びホスト5の間は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット、専用線等の有線又は無線の通信ネットワーク3によって通信可能に接続されている。
【0013】
ホスト5(5a、5b、・・・5n)は、1又は複数の情報処理装置で構成されており、業務に関する処理のプログラムを実行する。なお、以下では、ホスト5aを「Host1」、ホスト5bを「Host2」、ホスト5cを「Host3」、ホスト5nを「Host4」と称する。
【0014】
ホスト管理システム2は、1又は複数の情報処理装置で構成されている情報処理システムである。ホスト管理システム2は、ホスト5を管理している、情報管理システム100のサブシステム(第1のサブシステム)である。具体的には、ホスト管理システム2は、各ホスト5と、1又は複数のホスト5を構成しているホストのグループ(以下、管理グループという)とを管理している。すなわち、ホスト管理システム2は、管理グループを上位階層とし、ホスト5を管理グループの下位階層とする階層構造を有する、グループ化されたサブシステムである。
【0015】
ジョブ管理システム4は、1又は複数の情報処理装置で構成されている情報処理システムである。ジョブ管理システム4は、ジョブ6(業務の単位。本実施形態では、ジョブ6は、情報処理装置により実行される業務の単位をいう。)を管理している、情報管理システム100のサブシステム(第2のサブシステム)である。具体的には、ジョブ管理システム4は、各ジョブ6と、1又は複数のジョブを構成するジョブのグループ(以下、ジョブネットという)と、1又は複数のジョブネットを構成するジョブネットのグループ(以下、ジョブグループという)とを管理している。すなわち、ジョブ管理システム4は、ジョブグループを最上位階層とし、ジョブネットをジョブグループの下位階層とし、ジョブ6をジョブネットの下位階層とする階層構造を有する、グループ化されたサブシステムである。
【0016】
なお、ジョブ6とホスト5の間、又は、ジョブ6間には、所定の関連性がある。例えば、各ジョブ6の間には、遂行順序の先後関係がある。また、1又は複数のジョブ6と、1又は複数のホスト5の間には、対応関係がある。
【0017】
統合管理システム1は、ホスト管理システム2及びジョブ管理システム4が管理しているホスト5及びジョブ6(以下、それぞれをノードという)の情報に基づき、情報管理システム100における各ノードの構造化識別子(SID:Structured Identifier)を生成する。そして、統合管理システム1は、各ノードのSIDに基づき、各ノードの階層構造(グループ)を表すデータ群(以下、統合ツリーという)を生成し、生成した統合ツリーの内容を所定の画面に表示する。
【0018】
さらに、統合管理システム1は、所定のノード(例えば、ユーザが指定したノード、ユーザが管理権限を有するノード。以下、注目ノードという)について、SIDを修正した構造化識別子(以下、表示SIDという)を生成する。また、統合管理システム1は、SIDのデータ構造に基づき、注目ノードと所定の関連性を有するノード(以下、関連ノードという)を特定し、特定した関連ノードの表示SIDを生成する。そして、統合管理システム1は、注目ノード及び関連ノードの表示SIDに基づき、注目ノードと関連ノードとの関連性を表すデータ群(以下、表示ツリーという)を生成し、生成した表示ツリーの内容を所定の画面に表示する。表示ツリーを示す図(表示ツリー図)は、表示SIDに基づき、各ノードの関連性をユーザに視覚的にわかりやすく表現した図である。
【0019】
端末10は、所定のユーザが使用する情報処理装置である。端末10は、統合管理システム1に情報を入力し、また、統合管理システム1が生成した情報を表示する。
【0020】
なお、
図2は、情報管理システム100を構成する各情報処理装置が備えるハードウェアの一例を説明する図である。各情報処理装置は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ51と、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等の主記憶装置52と、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置53と、キーボード、マウス、タッチパネルなどからなる入力装置54と、モニタ(ディスプレイ)等からなる、画面表示を行う出力装置55と、各装置と通信を行う通信装置56とを備える。
【0021】
<<機能>>
次に、統合管理システム1の機能について説明する。統合管理システム1は、グループ化された複数のホスト5をノードとして有する第1のサブシステム(ホスト管理システム2)と、いずれかのホスト5に対応する、グループ化された複数のジョブ6をノードとして有する第2のサブシステム(ジョブ管理システム4)とを管理する。
図1に示すように、統合管理システム1は、管理情報統合処理部7、及び表示情報作成処理部9の各機能を備える。
【0022】
管理情報統合処理部7は、ホスト管理システム2及びジョブ管理システム4が記憶している情報に基づき、各ノードのSID及び関連リンクを生成する。
【0023】
具体的には、管理情報統合処理部7は、構造化識別子生成部71、関連リンク生成部73を備える。
【0024】
構造化識別子生成部71は、各サブシステムにおける各ノードの構造化識別子(SID)を、各サブシステムにおけるグループに基づき生成する。
【0025】
なお、本実施形態では、構造化識別子生成部71は、構造化識別子として、情報管理システム100、ノードが属するサブシステム、情報管理システム100においてそのノードが属するグループ、及び、そのノードに割り当てられた識別子の情報を所定の分離記号で結合した識別子を生成する。
【0026】
関連リンク生成部73は、ジョブ6とホスト5との対応関係、又はジョブ6間の実行順序を、ノード間の関連性を示す情報である関連リンクとして生成する。
【0027】
ここで、ホスト管理情報20及びジョブ管理情報30の詳細を説明する。ホスト管理システム2及びジョブ管理システム4が、それぞれホスト管理情報20及びジョブ管理情報30を記憶している。
(ホスト管理情報)
図3は、ホスト管理情報の一例を示す図である。ホスト管理情報20は、ホスト5のグループ(階層構造)を記憶した情報である。ホスト管理情報20は、管理グループ名21及びこれに対応する管理ホスト名22を含んで構成されている。
【0028】
管理グループ名21は、管理グループを特定する情報である。同図の例では、管理グループには、管理グループ名21aに係るグループである「MGroup1」と、管理グループ名21bに係るグループである「MGroup2」とが存在する。すなわち、管理グループ名21におけるデータの数は、管理グループの数に相当する。
【0029】
管理ホスト名22は、管理ホストを特定する情報である。同図の例では、管理グループ名21aに係る管理グループである「MGroup1」に対しては、管理ホスト名22aに係るホスト5である「Host1」と、管理ホスト名22bに係るホスト5である「Host2」とが下位に属する。また、管理グループ名21bに係るグループである「MGroup2」に対しては、管理ホスト名22cに係るホスト5である「Host3」と、管理ホスト名22dに係るホスト5である「Host4」とが下位に属する。すなわち、管理ホスト名22のデータの数は、その管理グループに所属する管理ホストの数に相当する。
【0030】
なお、本実施形態では、管理グループ名21ごと、及び管理ホスト名22ごとに、ユーザの権限情報が付帯しているものとする。すなわち、管理グループ名21及び管理ホスト名22のそれぞれには、その管理グループ又は管理ホストの情報を表示可能(管理可能)なユーザのユーザIDのリストが対応づけて記憶されているものとする。
【0031】
(ジョブ管理情報)
図4は、ジョブ管理情報の一例を示す図である。ジョブ管理情報30は、ジョブ階層情報310と、ジョブ実行先ホスト情報330と、ジョブネット実行順序情報350とを含む。
【0032】
ジョブ階層情報310は、ジョブ6のグループ(階層構造)を示す情報である。ジョブ階層情報310は、ジョブグループを特定する情報であるジョブグループ名311と、ジョブグループ名311に係るジョブグループの構成するジョブネットを特定する情報であるジョブネット名313と、ジョブネット名313に係るジョブネットを構成するジョブ6を特定する情報であるジョブ名315とを有する。
【0033】
同図の例では、ジョブグループ名311aに係る「JGroup1」に対しては、ジョブネット名313aに係る「JNet1」及びジョブネット名313bに係る「JNet2」が下位に属し、「JNet1」にはジョブ名315aに係る「Job1」が下位に属し、「JNet2」にはジョブ名315bに係る「Job2」及びジョブ名315cに係る「Job3」が下位に属する。また、ジョブグループ名311bに係る「Jgroup2」に対しては、ジョブネット名313cに係る「JNet3」が下位に属し、「JNet3」に対してはジョブ名315dに係る「Job4」が下位に属する。
【0034】
ジョブ実行先ホスト情報330は、ジョブ6の実行先のホスト5を特定する情報である。ジョブ実行先ホスト情報330は、ジョブ6を実行するホスト5(以下、実行先ホストという)を特定する情報である実行先ホスト名331を含む。
【0035】
同図の例では、管理対象のホスト5に存在する「Job1」「Job2」「Job3」「Job4」に対してそれぞれ、実行先ホスト名331aに係る「Host1」、実行先ホスト名331bに係る「Host2」、実行先ホスト名331cに係る「Host3」、実行先ホスト名331dに係る「Host4」を有する。例えば、ジョブ6「Job1」の実行先のホスト5は「Host1」である。
【0036】
ジョブネット実行順序情報350は、各ジョブネットの間の実行順序を特定する情報である。ジョブネット実行順序情報350は、あるジョブネットの次に実行されるジョブネット(以下、後続ジョブネットという)を特定する情報である後続ジョブネット名351を含む。
【0037】
同図の例では、管理対象のホスト5に存在する「JNet1」「JNet2」「JNet3」「JNet4」に対しする後続ジョブネットはそれぞれ、実行先ホスト名351aに係る「Jnet2」、「なし」、「なし」である。すなわち、ジョブネット「JNet1」が実行された後にジョブネット「JNet2」が実行されるが、「JNet2」が実行された後に実行されるジョブネットは無い。
【0038】
なお、本実施形態では、ジョブグループ名311、ジョブネット名313、及びジョブ名315ごとに、ユーザの権限情報が付帯しているものとする。すなわち、ジョブグループ名311、ジョブネット名313、及びジョブ名315のそれぞれには、そのジョブグループ、ジョブネット、及びジョブ6の情報を表示可能(管理可能)なユーザのユーザIDのリストが対応づけて記憶されているものとする。
【0039】
次に、
図1に示すように、表示情報作成処理部9は、管理情報統合処理部7が生成したSIDに基づき、表示SIDを生成し、生成した表示SIDに基づき、所定の画面を表示する。
【0040】
具体的には、表示情報作成処理部9は、関連度算出部91、関連ノード抽出部92、表示構造化識別子生成部93、及び表示ツリー表示部94を備える。
【0041】
関連度算出部91は、ノード間の関連性の強さを示す関連度を算出する。
具体的には、例えば、関連度算出部91は、関連リンク生成部73が生成した関連リンクに基づき、関連度を算出する。
【0042】
関連ノード抽出部92は、構造化識別子(SID)、及び関連度に基づき、所定のノード(注目ノード)に対する関連度が所定の条件を満たすノードである関連ノードを抽出する。
【0043】
表示構造化識別子生成部93は、所定のノード(注目ノード)の構造化識別子(SID)が示すデータ構造上の情報に関連ノードの構造化識別子(SID)が示すデータ構造上の情報を付帯させた新たな構造化識別子(表示SID)を、サブシステムにおけるグループに基づき生成する。
【0044】
表示ツリー表示部94は、表示構造化識別子生成部93が生成した新たな構造化識別子に基づき、所定のノード(注目ノード)と関連ノードとの関連性を示す情報を表示する。
【0045】
また、表示ツリー表示部94は、関連ノードに対する所定ユーザ(注目ノード)の管理権限を示す権限情報に基づき、その所定ユーザが関連ノードに対する管理権限を有するか否かを判定し、その所定ユーザが関連ノードに対する管理権限を有すると判定した場合にのみ、表示構造化識別子生成部93が生成した新たな構造化識別子(表示SID)に基づき、その所定のノードと関連ノードとの関連性を示す情報を表示する。
【0046】
また、表示ツリー表示部94は、前記表示ツリー表示処理において、関連リンクに基づき、ユーザから指定されたジョブとその他のジョブとの間の実行順序を示す情報を表示する。
【0047】
以上に説明した各情報処理装置の機能は、各情報処理装置のハードウェアによって、もしくは、各情報処理装置のプロセッサ51が、主記憶装置52又は補助記憶装置53に記憶されている各プログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0048】
また、これらのプログラムは、例えば、二次記憶デバイスや不揮発性半導体メモリ、ハードディスクドライブ、SSDなどの記憶デバイス、又は、ICカード、SDカード、DVDなどの、情報処理装置で読み取り可能な非一時的データ記憶媒体に格納される。
【0049】
次に、情報管理システム100において行われる処理について説明する。情報管理システム100は、統合ツリーから表示ツリーを作成して表示する情報システム管理処理を実行する。
<<情報システム管理処理>>
図5は、情報システム管理処理の一例を説明するフローチャートである。この処理は、例えば、端末10から統合管理システム1に所定の入力があった場合に開始される。
【0050】
統合管理システム1の管理情報統合処理部7は、ホスト5及びジョブ6の情報に基づき統合ツリーを生成する統合ツリー作成処理を実行する(s1)。
【0051】
次に、表示情報作成処理部9は、統合ツリーを構成しているSIDに基づき、各ノードの表示SIDを生成する表示SID生成処理を実行する(s3)。そして、表示情報作成処理部9は、生成した表示SIDに基づき、表示ツリーを生成して表示する表示ツリー表示処理を実行する(s5)。
【0052】
以下、情報システム管理処理における各処理の詳細を説明する。
<統合ツリー作成処理>
図6は、統合ツリー作成処理の一例を説明するフローチャートである。統合管理システム1の管理情報統合処理部7は、ホスト管理システム2からホスト管理情報20を取得する(s41)。また、管理情報統合処理部7は、ジョブ管理システム4からジョブ管理情報30を取得する(s42)。なお、両処理の実行順序は問わない。
【0053】
管理情報統合処理部7は、s41で取得したホスト管理情報20に基づき、ホスト5に関するSIDを生成する(s43)。また、管理情報統合処理部7は、s41で取得したジョブ管理情報30のジョブ階層情報310に基づき、ジョブ6に関するSIDを生成する(s44)。なお、両処理の実行順序は問わない。
【0054】
ここで、
図7は、構造化識別子(SID)の一例を示す図である。例えば、ホスト5のSID500は、システム全体(情報管理システム100)を示す識別子501(「AllSys」)と、ホスト5に関するサブシステム(ホスト管理システム2)を示す識別子503(「MonitoringSys」)と、このサブシステムを構成する管理グループを示す識別子505(「MGroup1」「MGroup2」)と、管理グループを構成するホスト5を示す識別子507(「Host1」「Host2」「Host3」「Host4」)とがこの順で、所定の分離記号(セパレータ;「.」)により結合された構造化識別子となっている。なお、システム全体又はサブシステムを示す識別子(例えば、「AllSys」、「AllSys.MonitoringSys」)は、予め管理情報統合処理部7が既定値(規定ノード部分)として生成しているものとする。
【0055】
次に、ジョブ6のSID700は、システム全体(情報管理システム100)を示す識別子501(「AllSys」)と、ジョブ6に関するサブシステム(ジョブ管理システム4)を示す識別子703(「JobSys」)と、このサブシステムを構成する管理グループを示す識別子705(「JGroup1」「JGroup2」)と、管理グループを構成するジョブネットを示す識別子707(「JNet1」「JNet2」「JNet3」)と、ジョブネットを構成するジョブ6を示す識別子709(「Job1」「Job2」「Job3」「Job4」)とがこの順で、所定の分離記号(「.」)により結合された構造化識別子となっている。なお、システム全体又はサブシステムを示す識別子(例えば、「AllSys」、「AllSys. JobSys」)は、予め管理情報統合処理部7が既定値(規定ノード部分)として生成しているものとする。
【0056】
このようなデータ構成により、本実施形態のSIDは、一意性、連結可能性、及び脱着可能性を備えている。
【0057】
次に、
図6のs45に示すように、管理情報統合処理部7は、ジョブ6及びホスト5の間の対応関係を示す関連リンクを、ジョブ管理情報30のジョブ実行先ホスト情報330に基づき生成する。この関連リンクは、例えば、実行先ホスト名331aに基づき生成される、ジョブ6「Job1」のSID700からホスト5「Host1」のSID500を示すポインタの情報である。
【0058】
さらに、管理情報統合処理部7は、ジョブネット間の実行順序を示す関連リンクを、ジョブ管理情報30のジョブネット実行順序情報350に基づき生成する(s46)。この関連リンクは、例えば、後続ジョブネット名351aに基づき生成される、ジョブネット「JNet1」のSID700から後続のジョブネット「JNet2」のSID700を示すポインタの情報である。
【0059】
ここで、
図8は、関連リンクの一例を示す図である。まず、ジョブ6及びホスト5間の対応関係を示す関連リンク1100は、ジョブ6を示す構成要素1101(「from:ジョブ名」)と、ジョブ6を実行するホスト5を示す構成要素1103(「to:ジョブ名」)と、関連リンクの種類を示す構成要素1105(「type:jobExecutionHost」。ジョブ6及びホスト5の関係。)とを含んで構成されている。
【0060】
また、ジョブネット間の実行順序を示す関連リンク1300は、前の順序のジョブネットを示す構成要素1301(「from:ジョブネット名」)と、後の順序のジョブネットを示す構成要素1303(「to:ジョブネット名」)と、関連リンクの種類を示す構成要素1305(「jobnetExecutionOrder」。ジョブネットの実行順序の先後関係。)とを含んで構成されている。なお、あるジョブネットに対して後続のジョブネットが存在しない場合(例えば、「JNet2」の後続ジョブネット及び「JNet3」の後続ジョブネットは共に存在しない)には、そのジョブネットに対して関連リンクは生成されない。
【0061】
関連リンク及びSIDは、以上のような構成を有していることにより、統合ツリーにおける各ノードの論理的な位置を一意に特定し、情報管理システムにおけるノード間の関連性の強さを求めることができる。具体的には、統合管理システム1は、各ノードのSID及び関連リンクに基づき、統合ツリーにおける親子ノードの間、及び、関連リンクで対応づけられた2ノードの間を単位距離(例えば、1)とすることで、始点のノードから終点のノードまでの最短距離を算出する。これにより、始点のノードと終点のノードの間の関連度を算出することができる。
【0062】
なお、統合ツリー作成処理において、管理情報統合処理部7は、以上の関連リンク及び構造化識別子を含む情報である統合ツリーを生成し、生成した統合ツリーの内容を画面に表示する。
【0063】
(統合ツリー)
ここで、
図9は、統合ツリーの表示例を示す図である。この統合ツリー
図1500は、SIDに対応するノード表示部1501を有する。ノード表示部1501は、各SIDに付与された識別番号(ノード番号)が表示される番号表示部1503を備える。また、統合ツリー
図1500は、関連リンクを表し、ノード表示部1501間を接続する接続線1505を備える。接続線1505の近傍には、関連リンクの名称を表示した関連リンク名表示部1507が設けられる。
【0064】
次に、情報システム管理処理における表示SID生成処理について説明する。
<表示SID生成処理>
図10は、表示SID生成処理の一例を説明するフローチャートである。まず、表示情報作成処理部9は、統合管理システム1の画面に優先的に表示するノード(以下、注目ノードという)を設定する(s81)。具体的には、例えば、表示情報作成処理部9は、端末10から、所定のノード(例えば、現在障害が発生しているノード)の情報の入力を受け付ける。これにより、特定のノードで障害が発生している場合等に、そのノードをそのノードを確実に表示することができる。
【0065】
また、例えば、表示情報作成処理部9は、ユーザの属性に基づき、注目ノードを決定してもよい。例えば、表示情報作成処理部9は、端末10からユーザにより入力されたユーザのユーザIDと、ホスト管理情報20及びジョブ管理情報30における各ノードのSIDに付帯している権限情報とを比較することで、そのユーザが管理権限(表示権限)を有するノードを、注目ノードとして特定する。これにより、ユーザが管理権限を有するノードに限定した情報の表示を行うことができる。
【0066】
表示情報作成処理部9は、s81で設定した注目ノードのSIDを表示SIDに変換する注目ノードSID変換処理を実行する(s82)。さらに、表示情報作成処理部9は、注目ノードに対する関連ノードを特定し、特定した関連ノードの表示SIDを生成する関連ノード表示SID生成処理を実行する(s83)。
【0067】
ここで、注目ノードSID変換処理の詳細を説明する。
<注目ノードSID変換処理>
図11は、注目ノードSID変換処理を説明するフローチャートである。まず、表示情報作成処理部9は、注目ノードのSIDから、不要な構成部分(規定ノード部分)を削除する(s91)。具体的には、例えば、表示情報作成処理部9は、注目ノードより上位の階層の情報を削除する。
【0068】
図12は、注目ノードSID変換処理における規定ノード部分の削除方法の一例を説明する図である。同図に示すように、注目ノードが管理グループ「Mgroup1」、管理ホスト「Host1」、及び管理ホスト「Host2」の3つである場合は、管理グループ「Mgroup1」より上位の階層に相当する規定ノード部分である「AllSys.MonitoringSys」の部分が削除される。
【0069】
次に、
図11に示すように、表示情報作成処理部9は、s91で不要な構成部分を削除したSIDにおける分離記号を、他の分離記号に変更する。具体的には、例えば、表示情報作成処理部9は、SIDにおける分離記号であるピリオド(.)を、スラント(/)に変換する。これにより、SIDにおける分離記号と、後述する表示SIDにおける分離記号とを区別することができる。
【0070】
図13は、注目ノードSID変換処理における分岐記号の変更方法の一例を説明する図である。同図に示すように、「Mgroup1.Host1」を「Mgroup1/Host1」に変換し、「Mgroup1.Host2」を「Mgroup1/Host2」に変換する。
【0071】
次に、関連ノード表示SID生成処理の詳細を説明する。
<関連ノード表示SID生成処理>
図14は、関連ノード表示SID生成処理の詳細を説明するフローチャートである。まず、表示情報作成処理部9は、注目ノードと、統合ツリーにおける各ノードとの関連度を、SID及び関連リンクに基づき算出し、算出した関連度を関連度管理テーブルに記憶する(s101)。なお、表示情報作成処理部9は、規定ノード部分に対する関連度は算出しない。
【0072】
図15は、関連度管理テーブルの一例を示す図である。関連度管理テーブル1700は、ノード番号が格納されるノード番号項目1701、ノード番号項目1701に係るノードのSIDが格納されるSID項目1702、ノード番号項目1701に係るノードの内容を示す情報が格納されるSID内容項目1703及び、注目ノードとノード番号項目1701に係るノードの間の関連度が格納される関連度項目1704の各項目を有する。
【0073】
次に、
図14に示すように、表示情報作成処理部9は、関連ノードを抽出する(s102)。例えば、表示情報作成処理部9は、注目ノードとの関連度が所定の閾値(以下、表示関連度という)以下である各ノードを関連ノードとして抽出する。例えば、表示関連度がNであった場合、表示情報作成処理部9は、統合ツリー上でN階層離れたノードまでを関連ノードとして抽出する。抽出された関連ノードの情報は、抽出関連ノードテーブルに記憶される。
【0074】
図16は、抽出関連ノードテーブルの一例を示す図である。抽出関連ノードテーブル1900は、関連度管理テーブル1700と同様のデータ構成を備え、関連度に基づき抽出された関連ノードの情報を含んでいる。
【0075】
次に、
図14に示すように表示情報作成処理部9は、s102で抽出した関連ノードに関する表示ツリーSIDを生成する(s103)。具体的には、例えば、表示情報作成処理部9は、注目ノードの表示SIDに、分離記号を介して、s102で抽出した各関連ノードのSIDを結合する。なお、生成した関連ノードの表示ツリーSIDは、関連ノード表示SIDテーブルに記憶される。
【0076】
(関連ノード表示SIDテーブル)
図17は、関連ノード表示ツリーSIDテーブルの一例を示す図である。関連ノード表示SIDテーブル2100は、関連度の値ごとに分割された複数のサブテーブル2150からなり、各サブテーブル2150は、関連ノードのノード番号が格納されるノード番号項目2151、ノード番号項目2151に係る関連ノードの表示SIDが格納される表示SID項目2153、ノード番号項目2151に係る関連ノードの内容を示す情報が格納されるSID内容項目2155及び、ノード番号項目2151と注目ノードとの間の関連度が格納される関連度項目2157の各項目を有する。なお、本実施形態では、関連ノード表示SIDテーブル2100には、注目ノードとの関連度が小さい順に、かつ、階層が深くなる順に、関連ノードのレコードが追加されるものとする。
【0077】
このように、関連ノードの表示SIDは、注目ノードの表示SIDに、関連ノードのSIDを追加した情報となっているので、統合ツリーにおけるSIDが有していた性質(一意性、連結可能性、及び脱着可能性)を備えさせることができる。
【0078】
次に、表示ツリー表示処理について説明する。
<表示ツリー表示処理>
統合管理システム1は、表示SID作成処理を実行後、以下に説明する各種の画面を表示する表示ツリー表示処理を実行する。表示ツリー表示処理は、例えば、表示SID作成処理を実行後、所定のユーザが操作する端末10から、ユーザIDを含む所定の画面表示指示が入力されたことを契機に、開始する。
まず、統合管理システム1が表示する表示ツリー図の具体例について説明する。
【0079】
(ホストを注目ノードとした場合の表示ツリー図)
図18は、注目ノードがホスト5である場合に表示される表示ツリー図の一例を示す図である。具体的には、この表示ツリー
図2300は、注目ノードが管理グループ「Mgroup1」、管理ホスト「Host1」、及び管理ホスト「Host2」であり、表示関連度が2の場合である場合の図である。この表示ツリー
図2300は、注目ノードを示す注目ノード表示部2301と、注目ノードとの関連度が2以下である関連ノードを示す関連ノード表示部2303とを備え、これらの表示部の間が、関連リンクを表す結合線2305によって結合されている。これにより、各ノードの階層構造がツリー状に表示される。なお、注目ノード表示部2301及び関連ノード表示部2303には、ノード番号2307が表示される。
【0080】
(ジョブを注目ノードとした場合の表示ツリー図)
図19は、注目ノードがジョブ6である場合に表示される表示ツリー図の一例を示す図である。具体的には、この表示ツリー
図2500は、注目ノードがジョブネット「JNet1」及びジョブグループ「JGroup1」で、表示関連度が3である場合の図である。この表示ツリー
図2500は、注目ノードを示す注目ノード表示部2501と、注目ノードとの関連度が3以下である関連ノードを示す関連ノード表示部2503とを備え、これらの表示部が、関連リンクを表す結合線2505によって結合されている。これにより、各ノードの階層構造がツリー状に表示される。なお、注目ノード表示部2501及び関連ノード表示部2503には、ノード番号2507が表示される。
【0081】
(権限ノード構成処理、権限ノード構成画面)
統合管理システム1は、権限ノード構成画面を表示するための処理である権限ノード表示処理を実行する。権限ノード構成画面は、ユーザが表示権限を有するノードについてのみ、注目ノードとの関連性を表示した画面である。
【0082】
図20は、権限ノード表示処理の一例を説明するフローチャートである。まず、統合管理システム1の管理情報統合処理部7は、注目ノードに係る権限情報を参照することにより、ユーザが注目ノードに対する表示権限(管理権限)を有しているか否かを判定する(s111)。具体的には、例えば、表示情報作成処理部9は、ホスト管理情報20及びジョブ管理情報30を参照することにより、注目ノードに対応づけられた権限情報に、ユーザIDが含まれているか否かを判定する。
【0083】
ユーザが注目ノードに対する表示権限を有している場合は(s111:YES)、表示情報作成処理部9は、注目ノードを示す図形又は文字を、画面の所定位置に表示し(s113)、s115の処理を行う。他方、ユーザが注目ノードに対する表示権限を有していない場合は(s111:NO)、表示情報作成処理部9は、s115の処理を行う。
【0084】
s115において表示情報作成処理部9は、関連ノードを一つ選択する。そして、表示情報作成処理部9は、表示情報作成処理部9は、選択した関連ノードに係る権限情報を参照することにより、ユーザが当該関連ノードに対する表示権限(管理権限)を有しているか否かを判定する(s117)。具体的には、例えば、表示情報作成処理部9は、ホスト管理情報20及びジョブ管理情報30を参照することにより、当該関連ノードに対応づけられた権限情報に、ユーザIDが含まれているか否かを判定する。
【0085】
ユーザが当該関連ノードに対する表示権限を有していない場合は(s117:NO)、s121の処理を行う。他方、ユーザが当該関連ノードに対する表示権限を有している場合は(s117:YES)、表示情報作成処理部9は、当該関連ノードを示す図形又は文字を、当該関連ノードの階層及び関連度に応じた、画面の所定位置に表示する(s119)。
【0086】
具体的には、例えば、表示情報作成処理部9は、関連ノードの階層が下層であるほど、当該関連ノードを画面の右側に表示する。また、表示情報作成処理部9は、関連度が「1」の他のノードと隣接して当該関連ノードを表示する。
【0087】
表示情報作成処理部9は、他に選択していない関連ノードがあるか否かを判定する(s121)。他に選択していない関連ノードがある場合は(s121:YES)、その関連ノードを選択すべくs115の処理を行い、他に選択していない関連ノードがない場合は(s121:NO)、権限ノード表示処理は終了する。
【0088】
ここで、
図21は、権限ノード構成画面の一例を示す図である。権限ノード構成画面2700には、ユーザが表示権限を有する注目ノード及び関連ノードを表示するノード表示部2701を備える。ノード表示部2701における各ノードは、そのノードのグループ(階層)に応じた所定位置に表示される。また、ノード表示部2701における、互いに関連性の高いノード(例えば、関連度が1であるノード間)は、互いに隣接した位置に配置される。同図の例では、ノード表示部2701は、ユーザが表示権限を有しているノードとして、注目ノードである管理グループ「MGroup1」及びこれに対する関連ノードの情報を表示している。他方、ユーザが表示権限を有しないノード(管理グループ「Mgroup2」及びこれに対する関連ノード)の情報は表示されない(符号2702)。
【0089】
このように、ユーザの権限に応じた選択的な表示を行うことにより、ノードのグループごとのアクセス制御を実現することができる。また、関連するノードが隣接して表示されるため、例えば、管理ホスト上で実行されるジョブの情報を迅速に確認できる。例えば、管理ホスト「Host1」で障害が発生した場合に、ユーザは、管理ホスト「Host1」の関連ノードであるジョブ「Job1」に影響が出ることが迅速に把握できる。
【0090】
(ジョブ関連性画面)
図22は、ジョブ関連性画面の一例を示す図である。ジョブ関連性画面2900は、ジョブグループにおけるジョブネット及びジョブの関連性を示す画面である。このジョブ関連性画面2900は、例えば、権限ノード構成画面2700に表示されているジョブネット2703がユーザにより選択されることにより表示される。
【0091】
ジョブ関連性画面2900は、選択されたジョブネットが表示される選択ジョブネット表示部2901と、そのジョブネットと関連性を有するジョブネット(例えば、そのジョブネットの後続ジョブネット)が表示される関連性ジョブネット表示部2903と、その関連性の内容を示す情報を表示する関連性表示部2905とを備える。なお、ジョブ関連性画面2900は、これらのジョブネットが属するジョブグループが表示されるジョブグループ表示部2907を備える。
【0092】
選択ジョブネット表示部2901、及び関連性ジョブネット表示部2903のそれぞれは、それぞれのジョブネットを構成するジョブが表示されるジョブ表示部2909と、そのジョブと関連性を有するホスト5が表示されるホスト表示部2911とを備える。
【0093】
ジョブ関連性画面2900により、ユーザは、各ジョブネットを構成するジョブ、および各ジョブが実行されるホスト5を、ジョブ6の視点から確認することができる。
【0094】
なお、ここではジョブネットの選択の場合を説明したが、その他の種類のジョブの選択、例えば、ジョブグループ又はジョブ6単独の指定があった場合も同様である。すなわち、選択されたジョブグループ又はジョブ6と、その他のジョブグループ又はジョブ6との間の関連性の表示が行われる。
【0095】
権限ノード構成画面2700及びジョブ関連性画面2900を組み合わせることにより、ユーザは、例えば、あるホスト5で障害が発生しているときに障害の影響を判断するため、そのホスト5上で行われるジョブの情報を容易に知ることができる。すなわち、ホスト管理システムの管理者であっても、他のシステムである業務システムへの影響を容易に把握することができ、障害発生時に速やかに適切な業務システムの管理者にその影響を通知することができる。
【0096】
最後に、以上の情報管理システム100の概要をまとめると次のようになる。
図23は、情報管理システム100の特徴を説明する図である。まず、統合管理システム1は、ホスト管理情報20からホスト管理システムの構成3101を、ジョブ管理情報30からジョブ管理システムの構成3103をそれぞれ取得する。そして、統合管理システム1は、取得したこれらの情報から、各ノード(ホスト5及びジョブ6)のSID3105及び関連リンク3107を生成する。そして、統合管理システム1は、例えば、注目ノードが「Host1」、関連ノードが「Job1」の場合、「Host1」に係る表示SID(分離記号は変更される)に、「Job1」に係るSIDを結合させることで、関連ノード「Job1」に係る表示SID3109(構造化識別子)を生成する。これを各注目ノードについて繰り返すことで、統合管理システム1は、表示ツリー3301を生成する。また、このとき、生成した表示ツリー3301を構成するノードのうち、統合ツリーのSIDを結合したノードは、統合ツリーの対応するノードを指し示すポインタ3303「AllSys.JobSys.Job1」を持っていると見なせる。このポインタ3303は、統合ツリーのSIDであるため、SIDの特徴である一意性を持つ。このため、統合管理システム1は、統合ツリーのSIDを結合したノードに関連する詳細データを一つのみ保持すれば、各詳細データの実体をそれぞれ管理することなく、効率よくデータを管理することができる。例えば、統合管理システム1は、画面に表示するためなどの目的で、表示ツリー3301のノードに関連した詳細情報を参照する場合は、ポインタ3303にしたがって、統合ツリーによって一意に管理された情報を参照することができる。
【0097】
また、情報管理システム100では、以下に説明するように、統合ツリーのSIDを結合したノードは、対応する表示ツリー3301の上位構造が変更されても、統合ツリー上の同じノードを相変わらず指し示すことができるので、ユーザは、表示ツリーの上位構造を簡単にカスタマイズすることができる。
【0098】
図24は、表示ツリーの構成を変更する場合を説明する図である。この図は、表示ツリーの上位構造である規定のノードを、変更前の規定のノード3501から変更後の規定のノード3505に変更する場合を示している。変更前の規定のノード3501はサブシステムの構造を有しない。他方、変更後の規定のノード3505はサブシステム「SubSystem1」及び「SubSystem2」の構造を有する。なお、規定のノードは必要とする構成に応じてユーザが自由に作成できるものとし、サブシステムとホストの関連性(どのホストがどのサブシステムに所属するか)はユーザが指定できるものとする。
【0099】
ここで、変更前の規定のノード3501から変更後の規定のノード3505への変更は、例えば、他のホスト管理システムとのシステム統合によって、もとのシステムがサブシステムとしてシステム全体の一部に組み込まれる場合に発生する。
図24の例では、変更後の規定のノード3505におけるサブシステム「SubSystem1」にホスト「Host1」及び「Host2」が所属するように設定される。具体的には、「Host1」及び「Host2」が「SubSystem1」の下位に作成される。「Host1」及び「Host2」のそれぞれの下位ノードは元のノードの構造を維持している。「SubSystem2」以下の部分についても「SubSystem1」と同様に作成される。
【0100】
すなわち、表示ツリーの上位構造の変更は、統合ツリーの内容(統合管理システムの内部管理用のデータの構造)に影響を与えない。また、表示ツリーの上位構造が変更されても、統合ツリーのSIDを結合したノードは、変更前と同じポインタ「AllSys.JobSys.Job1」及び「AllSys.JobSys.Job2」を持つため、これらのポイントが指し示す統合ツリーのノードは変わらない。このため、前述した、「統合ツリーのSIDを結合したノードに関連する詳細データは、統合管理システム内でただ一つだけ保持すればよい」という性質は、ここで説明した、表示ツリーの上位構造の可変性と両立する。
【0101】
以上、
図23及び
図24で説明したように、情報管理システム100では、(1)表示ツリーの統合SIDを結合したノードは統合ツリー上の実体データを指し示すポインタとして見なせるため、ノードに関係する詳細データは、統合ツリー上だけで管理すればよい。また、(2)統合ツリーの内容(統合管理システムの内部管理用のデータの構造)に影響を与えることなく表示ツリーの構成変更ができることからわかるように、「表示に関係するデータの管理」と、ノードの詳細情報などの「実体データの管理」が、論理的に分離されている。これらにより、情報管理システム100は、効率的なデータ管理を実現できる。
【0102】
以上のように、グループ化された複数のホスト5を含むホスト管理システム2と、グループ化された複数のジョブ6を含むジョブ管理システムとをサブシステムとして含んで構成される情報管理システム100において、各サブシステムにおけるノードのSIDをサブシステムのグループに基づき生成し、他方で注目ノードに対する関連ノードを抽出し、注目ノードのSIDが示す情報に関連ノードのSIDが示す情報を付帯させた新たな構造化識別子(表示SID)を生成し、注目ノードと関連ノードとの関連性を示す情報(表示ツリー図等を表示した各画面)を表示するので、注目ノード及び関連ノードのSIDが有していた性質(一意性、連結可能性、脱着可能性)を維持したSIDに基づく情報(表示ツリー)を再構成することができ、これに基づき両者の関係を論理的に明確に表示することができる。
【0103】
このように、本実施形態の情報管理システム100によれば、複数のサブシステムを備える情報管理システムにおいて、サブシステムから抽出した複数の情報間の関連性を、構造化識別子を用いてユーザに分かりやすく提示することができる。
【0104】
以上の実施形態の説明は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に本発明にはその等価物が含まれる。
【0105】
例えば、本実施形態では、サブシステムが2つある場合を想定したが、3以上のサブシステムを有していてもよい。
【0106】
また、本実施形態では、サブシステムの種類(ホスト管理システム、ジョブ管理システム)ごとにサブシステムが1つずつある場合を想定したが、同種のサブシステムにつき2以上のサブシステムを有していてもよい。
【0107】
また、情報管理システム100が管理するサブシステムのノードの種類について、本実施形態では、ホスト5及びジョブ6を想定したが、管理対象に限定はなく、他の種類のノードであってもよい。
【0108】
また、本実施形態では、ノードの階層について、ホスト5は2層、ジョブ6は3層からなるものとしたが、ノードの階層は特に限定されない。
【0109】
また、本実施形態では、ジョブ6に関する関連リンクについて、ジョブネット間の関連リンクを設定したが、ジョブ6間やジョブグループ間での関連リンクを設定するようにしてもよい。
【0110】
また、本実施形態では、統合管理システム1がSIDを生成するものとしたが、ホスト管理システム2やジョブ管理システム4がそれぞれSIDを生成し、これらを統合管理システム1に送信するようにしてもよい。
【0111】
また、情報管理システム100が生成した画面は、統合管理システム1ではなく、ホスト管理システム2、ジョブ管理システム4、又は端末10が表示してもよい。
【0112】
以上の本明細書の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。すなわち、本実施形態の情報管理システムにおいては、前記情報管理システムは、前記構造化識別子生成処理において、前記構造化識別子として、前記情報管理システム、前記ノードが属する前記サブシステム、前記情報管理システムにおいて当該ノードが属するグループ、及び、当該ノードに割り当てられた識別子の情報を所定の分離記号で結合した識別子を生成する、としてもよい。
【0113】
このように、構造化識別子を、情報管理システム、ノードが属するサブシステム、情報管理システムにおいてノードが属するグループ、及び、ノードに割り当てられた識別子の情報を所定の分離記号で結合した識別子とすることにより、システムの構造及びノードの論理的位置を示す構造化識別子として、一意性、連結可能性、及び脱着可能性を保持することができる。
【0114】
また、本実施形態の情報管理システムにおいては、前記ジョブと前記ホストとの対応関係、又は前記ジョブ間の実行順序を、前記ノード間の関連性を示す情報である関連リンクとして生成する関連リンク生成処理を実行し、前記関連度算出処理において、前記生成した関連リンクに基づき、前記関連度を算出する、としてもよい。
【0115】
このように、ジョブ6とホスト5との対応関係、又は、ジョブ6間の実行順序を関連リンクとして設定することで関連度を算出することにより、各業務とホスト5との関連性を確実に設定し、適切な表示ツリーを生成することができる。
【0116】
また、本実施形態の情報管理システムにおいては、前記表示ツリー表示処理において、前記関連ノードに対する所定ユーザの管理権限を示す権限情報に基づき、前記所定ユーザが前記関連ノードに対する管理権限を有するか否かを判定し、前記所定ユーザが前記関連ノードに対する管理権限を有すると判定した場合にのみ、前記生成した新たな構造化識別子に基づき、前記所定のノードと前記関連ノードとの関連性を示す情報を表示する、としてもよい。
【0117】
このように、関連ノードに対するユーザの管理権限を示す権限情報に基づき、ユーザがその関連ノードに対する管理権限を有すると判定した場合にのみ、注目ノードと関連ノードとの関連性を示す情報を表示することで、ユーザは、自身が管理権限を有する関連ノード情報のみを確認することができる。これにより、適切なアクセス権限管理を行うことができる。
【0118】
また、本実施形態の情報管理システムにおいては、前記表示ツリー表示処理において、前記関連リンクに基づき、ユーザから指定された前記ジョブとその他のジョブとの間の実行順序を示す情報を表示する、としてもよい。
【0119】
このように、ユーザから指定されたジョブ6とその他のジョブ6との間の実行順序を示す情報を表示することで、ユーザは、自身が注目するジョブ6に関連して実行すべきジョブ6を確認することができ、業務を効率良く行うことができる。
【符号の説明】
【0120】
100 情報管理システム、1 統合管理システム、2 ホスト管理システム、4 ジョブ管理システム、5 ホスト、6 ジョブ