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特許7339931移動体駆動装置および前記移動体駆動装置を備えた窓ガラス昇降装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-29
(45)【発行日】2023-09-06
(54)【発明の名称】移動体駆動装置および前記移動体駆動装置を備えた窓ガラス昇降装置
(51)【国際特許分類】
   E05F 11/48 20060101AFI20230830BHJP
   B60J 1/17 20060101ALI20230830BHJP
【FI】
E05F11/48 C
B60J1/17 A
E05F11/48 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020141139
(22)【出願日】2020-08-24
(65)【公開番号】P2022036767
(43)【公開日】2022-03-08
【審査請求日】2022-06-20
(73)【特許権者】
【識別番号】390000996
【氏名又は名称】株式会社ハイレックスコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村田 亘省
(72)【発明者】
【氏名】高岡 宏幸
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1716410(KR,B1)
【文献】特開2019-138117(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 11/48
B60J 1/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動部と、
前記駆動部によって駆動される第1ケーブルと、
前記駆動部によって駆動される第2ケーブルと、
前記第1ケーブルを方向転換する第1方向転換部材と、
前記第2ケーブルを方向転換する第2方向転換部材と、
前記第1ケーブルの一端および前記第2ケーブルの一端が接続され、前記駆動部により操作された前記第1ケーブルまたは第2ケーブルによって前記第1方向転換部材と前記第2方向転換部材との間で移動する移動体と
を備え、
前記移動体は、前記第1方向転換部材と前記第2方向転換部材との間を移動する際に、前記第1方向転換部材と前記第2方向転換部材とを結ぶ第1方向に対して略垂直な第2方向の成分を含む方向にシフトし、
前記移動体は、移動体本体と、前記移動体本体に設けられ、前記第1ケーブルの一端および前記第2ケーブルの一端が接続される接続機構とを有し、
前記接続機構は、
前記移動体が前記第1方向転換部材と前記第2方向転換部材との間を移動する際に前記第2方向の成分を含む方向への前記移動体のシフトに応じて、前記移動体本体に対して所定の軸周りに回転するように構成され
前記接続機構は、
前記第1ケーブルの一端が接続される第1接続部を有する第1接続体と、
前記第2ケーブルの一端が接続される第2接続部を有する第2接続体と
を備え、
前記第1接続体および前記第2接続体のそれぞれが、前記軸周りに回転し、
前記第1接続体は、付勢部材により前記第1接続体に接続された前記第1ケーブルを引っ張る方向に付勢されており、および/または、
前記第2接続体は、付勢部材により前記第2接続体に接続された前記第2ケーブルを引っ張る方向に付勢されている、移動体駆動装置。
【請求項2】
前記付勢部材は、一端が前記第1接続体に接続され、他端が前記第2接続体に接続されたバネ部材であり、前記第1接続体と前記第2接続体とは、前記バネ部材によって前記軸周りに互いに逆方向に回転するように構成されている、請求項に記載の移動体駆動装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の移動体駆動装置を備え、前記移動体に取り付けられた窓ガラスを昇降する窓ガラス昇降装置であって、
前記移動体駆動装置がさらに、前記移動体をガイドする複数のガイド部を有するガイド体を備え、
前記複数のガイド部は、前記第1方向に進むにつれて前記第2方向での間隔が変化するように延びている、窓ガラス昇降装置。
【請求項4】
前記移動体は、前記ガイド部に案内される被ガイド部を有し、
前記接続機構が前記被ガイド部に取り付けられている、請求項に記載の窓ガラス昇降装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体駆動装置および前記移動体駆動装置を備えた窓ガラス昇降装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自動車の後部座席の窓などに用いられるクォータウインドを開閉駆動するためのクォータウインドレギュレータが開示されている。特許文献1のウインドレギュレータは、互いの間隔が下側に向かって狭くなる2本のガイドレールと、これら2本のガイドレールによって案内されて昇降するキャリアプレートと、キャリアプレートを昇降駆動するためのケーブルユニットとを備えている。ケーブルユニットは、モータで駆動されるドラムを備えた駆動機構と、駆動機構とキャリアプレートとの間で動力を伝達する一対のケーブルとを備えている。一方のケーブルにおいて、ケーブルの一端はキャリアプレートの係止部に係止され、上向きに延びてプーリによって方向転換され、他端は駆動機構のドラムに巻き付けられて係止される。他方のケーブルにおいて、ケーブルの一端はキャリアプレートの係止部に係止され、下向きに延びてガイドによって方向転換され、他端は駆動機構のドラムに巻き付けられて係止される。駆動機構によって一方のケーブルが引き操作されると、キャリアプレートは、引き操作されたケーブルによって操作されて、ガイドレールに沿って移動する。この際、特許文献1のウインドレギュレータのキャリアプレートは、複雑な動きをしながら昇降移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-188358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のように、ケーブルによって駆動される移動体(例えばキャリアプレート)が複雑な動作をすると、移動体の移動に応じて、移動体のケーブル接続部(特許文献1における係止部)からのケーブルの延び方向が変化する場合がある。ケーブル接続部から導出されるケーブルの延び方向が変化すると、ケーブルが、ケーブル接続部から導出される部分において、屈曲する負荷を受けたり、ケーブル接続部にケーブルから加わる張力が変化して、ケーブル接続部に負荷が加わる場合がある。
【0005】
そこで、本発明は、移動体から導出されるケーブルの方向が変化しても、ケーブルや移動体への負荷を抑制することができる、移動体駆動装置および窓ガラス昇降装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の移動体駆動装置は、駆動部と、前記駆動部によって駆動される第1ケーブルと、前記駆動部によって駆動される第2ケーブルと、前記第1ケーブルを方向転換する第1方向転換部材と、前記第2ケーブルを方向転換する第2方向転換部材と、前記第1ケーブルの一端および前記第2ケーブルの一端が接続され、前記駆動部により操作された前記第1ケーブルまたは第2ケーブルによって前記第1方向転換部材と前記第2方向転換部材との間で移動する移動体とを備え、前記移動体は、前記第1方向転換部材と前記第2方向転換部材との間を移動する際に、前記第1方向変換部材と前記第2方向変換部材とを結ぶ第1方向に対して略垂直な第2方向の成分を含む方向にシフトし、前記移動体は、移動体本体と、前記移動体本体に設けられ、前記第1ケーブルの一端および前記第2ケーブルの一端が接続される接続機構とを有し、前記接続機構は、前記移動体が前記第1方向転換部材と前記第2方向転換部材との間を移動する際に前記第2方向の成分を含む方向への前記移動体のシフトに応じて、前記移動体本体に対して所定の軸周りに回転するように構成されている。
【0007】
また、本発明の窓ガラス昇降装置は、前記移動体駆動装置を備え、前記移動体に取り付けられた窓ガラスを昇降する窓ガラス昇降装置であって、前記移動体駆動装置がさらに、前記移動体をガイドする複数のガイド部を有するガイド体を備え、前記複数のガイド部は、前記第1方向に進むにつれて前記第2方向での間隔が変化するように延びている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の移動体駆動装置および窓ガラス昇降装置によれば、移動体から導出されるケーブルの方向が変化しても、ケーブルや移動体への負荷を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態の移動体駆動装置を備えた窓ガラス昇降装置を示す図である。
図2図1の窓ガラス昇降装置において、移動体が上端に位置した状態を示す概略図である。
図3図2に示される状態から、移動体がわずかに下方に移動した状態を示す概略図である。
図4図3に示される状態から、移動体がさらに下方に移動して、第1方向の中央領域に位置する状態を示す概略図である。
図5図4に示される状態から、移動体がさらに下方に移動して、移動体が下端に位置した状態を示す概略図である。
図6】本発明の一実施形態の移動体駆動装置に設けられた接続機構を示す斜視図である。
図7図6の接続機構の上面図である。
図8図6の接続機構の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態の移動体駆動装置および窓ガラス昇降装置を説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまで一例であり、本発明の移動体駆動装置および窓ガラス昇降装置は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0011】
本実施形態の移動体駆動装置1は、図1に示されるように、駆動部2と、駆動部2によって駆動される第1ケーブル31と、駆動部2によって駆動される第2ケーブル32と、第1ケーブル31を方向転換する第1方向転換部材41と、第2ケーブル32を方向転換する第2方向転換部材42とを備えている。また、移動体駆動装置1はさらに、第1ケーブル31の一端31aおよび第2ケーブル32の一端32aが接続され、駆動部2により操作された第1ケーブル31または第2ケーブル32によって第1方向転換部材41と第2方向転換部材42との間で移動する移動体5を備えている。本実施形態では、移動体駆動装置1はさらに、移動体5をガイドする複数のガイド部61a、61b、61cを有するガイド体6を備えている。
【0012】
移動体駆動装置1は、駆動部2の駆動力によって、移動体5を移動させる。詳細は後述するが、本実施形態の移動体駆動装置1において、移動体5は、第1方向転換部材41と第2方向転換部材42との間を移動する際に、第1方向変換部材41と第2方向変換部材42とを結ぶ第1方向D1に対して略垂直な第2方向D2の成分を含む方向にシフトする。すなわち、移動体5は、第1方向変換部材41と第2方向変換部材42とを結ぶ第1方向D1に移動する間に、第1方向D1に対して略垂直な第2方向D2に変位しながら移動する(図2図5参照)。なお、第2方向D2は、より詳細に説明すると、配索された第1ケーブル31および第2ケーブル32を含む面内において、第1方向D1に対して略垂直な方向をいう。また、第2方向D2の成分を含む方向という用語は、必ずしも第1方向D1に略垂直な方向だけではなく、第1方向D1に略垂直な方向(第2方向D2)に対して傾いた方向も含むことを意図している。なお、第1方向D1および第2方向D2の両方に略垂直な方向を第3方向D3という。
【0013】
移動体駆動装置1の適用対象は、駆動部2の駆動力によって、移動体5を移動させることができるものであれば、特に限定されない。本実施形態では、移動体駆動装置1は、図2図5に示されるように、移動体5の移動によって、移動体5に取り付けられた窓ガラスWを昇降させる窓ガラス昇降装置WRに適用される。本実施形態では、窓ガラス昇降装置WRは、窓ガラスWと、移動体駆動装置1とを備えている。
【0014】
窓ガラス昇降装置WRは、例えば、自動車の後部座席の窓などに用いられるサッシュレスタイプのクォータウインドウガラス(以下、単に窓ガラスWという)を開閉するように構成される。この場合、図2図5に示されるように、窓ガラスWは、下降に伴って窓ガラスWの面に対して垂直な軸周り(第3方向D3に延びる軸周り)に回転するように構成されている。これにより、窓ガラスWと自動車の後部のタイヤハウスとの干渉を防いでいる。
【0015】
なお、窓ガラス昇降装置WRによって開閉される窓ガラスWは、クォータウインドウガラスに限定されない。また、窓ガラス昇降装置WRによって開閉される窓ガラスWは、車両用に限定されるものでもない。
【0016】
本実施形態の窓ガラス昇降装置WRでは、第1方向D1は、上側に設けられた第1方向転換部材41と下側に設けられた第2方向転換部材42とを結ぶ上下方向(鉛直方向または鉛直方向に対してわずかに傾斜していてもよい)である。第2方向D2は、窓ガラスWの面と略平行な面において、第1方向D1に略垂直な方向となっている。窓ガラス昇降装置WRが車両用である場合、第2方向D2は、車両の前後方向となる。また、第3方向D3は、窓ガラスWの面に対して略垂直な方向となる。
【0017】
駆動部2は、第1ケーブル31および第2ケーブル32(以下、まとめてケーブル3と呼ぶ)を駆動する駆動源である。駆動部2は、電動でケーブル3を駆動するものであっても、手動でケーブル3を駆動するものであってもよい。本実施形態では、駆動部2は、図1に示されるように、モータ21を備えている。モータ21は正逆回転可能に構成され、図示しない減速機構を有している。減速機構に連結された出力軸はドラム(第2方向転換部材42。以下、ドラム42という)に連結され、モータ21によりドラムハウジング22内のドラム42が正逆回転し、ケーブル3がドラム42に巻き取りおよびドラム42から繰り出しされる。
【0018】
駆動部2は、本実施形態では、図1に示されるように、窓ガラスWの昇降方向となる第1方向D1における、窓ガラス昇降装置WRの下端側に設けられているが、駆動部2を設ける位置は図示する位置に限定されるものではない。例えば、駆動部2は、第1方向D1における、窓ガラス昇降装置WRの中央部など、他の位置に設けられていてもよい。
【0019】
第1ケーブル31および第2ケーブル32は、駆動部2の駆動力を移動体5に伝達する。第1ケーブル31および第2ケーブル32は、移動体5に駆動力を伝達するために、駆動部2と移動体5とを接続する。第1ケーブル31の一端31aは、図1に示されるように、移動体5の後述する接続機構52に接続され、第1ケーブル31の他端(図示せず)は、駆動部2のドラム(第2方向転換部材)42に接続されている。同様に、第2ケーブル32の一端32aは、移動体5の接続機構52に接続され、第2ケーブル32の他端(図示せず)は、駆動部2のドラム(第2方向転換部材)42に接続されている。
【0020】
本実施形態では、第1ケーブル31は、第1方向D1で第1方向転換部材41と第2方向転換部材42との間に位置する接続機構52から第1方向転換部材41に向かって延びている。第1ケーブル31はさらに、第1方向転換部材41によって方向転換されて、駆動部2へと延び、駆動部2に接続されている。なお、第1ケーブル31のうち、第1方向転換部材41から接続機構52まで延びる部分を第1ケーブル31の第1部分311と呼び、第1方向転換部材41から駆動部2まで延びる部分を第1ケーブル31の第2部分312と呼ぶ。また、第2ケーブル32は、接続機構52から第2方向転換部材42に延び、駆動部2に接続されている。
【0021】
第1ケーブル31は、本実施形態では、移動体5を上昇させるための上昇用ケーブルである。第1ケーブル31が駆動部2のドラム42に巻き取られると、移動体5が第1ケーブル31により上側に引っ張られて上昇方向に移動する。これにより、移動体5に取り付けられた窓ガラスWが上昇する。第2ケーブル32は、本実施形態では、移動体5を下降させるための下降用ケーブルである。第2ケーブル32が駆動部2のドラム42に巻き取られると、移動体5が第2ケーブル32により下側に引っ張られて下降方向に移動する。これにより、移動体5に取り付けられた窓ガラスWが下降する。なお、第1ケーブル31および第2ケーブル32は、公知のコントロールケーブルを用いることができる。例えば、第1ケーブル31および第2ケーブル32は、コントロールケーブルのインナーケーブルとすることができる。第1ケーブル31および第2ケーブル32は、配索経路において、図示しないアウターケーシングに部分的に挿通されていてもよい。
【0022】
第1方向転換部材41および第2方向転換部材42は、移動体5と駆動部2との間に延びるケーブル3の延び方向を転換する。第1方向転換部材41には、図1に示されるように、移動体5から第1方向D1で一方側(上側)に延びる第1ケーブル31が掛け回され、第1方向転換部材41によって第1ケーブル31が方向転換される。第1方向転換部材41は、本実施形態では、ガイド体6に取り付けられている。具体的には、第1方向転換部材41は、ガイド体6のうち、第1方向D1で一方側の端部(上端部)に取り付けられている。第1方向転換部材41は、本実施形態では、第1ケーブル31が巻き掛けられる所定の軸周り(第3方向D3に延びる軸周り)に回転可能なプーリである。しかし、第1方向転換部材41の構造は、第1ケーブル31を方向転換することができれば、特に限定されない。例えば、第1方向転換部材41は、第1ケーブル31が掛け回される湾曲部を有する、回転しないガイド部材であってもよい。
【0023】
第2方向転換部材42には、図1に示されるように、移動体5から第1方向D1で他方側(下側)に延びる第2ケーブル32が掛け回され、第2方向転換部材42によって第2ケーブル32が方向転換される。第2方向転換部材42は、本実施形態では、ガイド体6に取り付けられている。具体的には、第2方向転換部材42は、ガイド体6のうち、第1方向D1で他方側の端部(下端部)に取り付けられている。第2方向転換部材42は、本実施形態では、第2ケーブル32が巻き掛けられる所定の軸周り(第3方向D3に延びる軸周り)に回転可能なドラムである。しかし、第2方向転換部材42の構造は、第2ケーブル32を方向転換することができれば、特に限定されない。例えば、第2方向転換部材42は、第2ケーブル32が掛け回される湾曲部を有するガイド部材であってもよいし、所定の軸周りに回転するプーリであってもよい。
【0024】
ガイド体6は、図1に示されるように、移動体5をガイドする複数のガイド部61a、61b、61cを有し、移動体5を所定の移動経路に沿ってガイドする。本実施形態では、ガイド体6は、車体(ドアパネル)に取り付けられる。ガイド体6には、図1に示されるように、駆動部2、第1方向転換部材41および第2方向転換部材42が取り付けられている。また、ガイド体6には、移動体5が移動可能に取り付けられている。
【0025】
本実施形態では、ガイド体6は、図1に示されるように、第1方向D1および第2方向D2に延びる所定の大きさの板状体として形成されている。しかし、ガイド体の形状および構造は、複数のガイド部を有していれば、特に限定されない。例えば、ガイド体は、ガイド部61aに対応するガイド部を有するガイドレールと、ガイド部61bに対応するガイド部を有するガイドレールと、ガイド部61cに対応するガイド部を有するガイドレールとを互いに接続することによって構成されていてもよい。
【0026】
ガイド部61a、61b、61cは、移動体5が第2方向D2の成分を含む方向にシフトするように設けられ、移動体5を所定の移動経路に沿って案内する。具体的には、ガイド部61a、61b、61cは、第1方向D1で一方の方向に進むにつれて、第2方向D2で一方の方向にずれるように延びている。移動体5は、後述するように被ガイド部53a、53b、53cを有しており、移動体5の被ガイド部53a、53b、53c(以下、単に被ガイド部53と呼ぶ場合がある)がガイド部61a、61b、61c(以下、単にガイド部61と呼ぶ場合がある)にそれぞれ案内されることによって、移動体5が所定の移動経路に沿って案内される。本実施形態では、移動体5は、被ガイド部53がガイド部61に案内されることによって、上述したように、第1方向転換部材41と第2方向転換部材42との間を移動する際に、第2方向D2の成分を含む方向にシフトするように移動する。
【0027】
ガイド部61は、本実施形態では、ガイド体6において所定の経路に沿って延びる、第3方向D3に貫通した長孔として形成されている。しかし、ガイド部61の構造は、移動体5を所定の移動経路に沿って案内することができれば、特に限定されず、貫通していない凹溝状のガイド溝であってもよい。本実施形態では、ガイド体6は、複数のガイド部61を有している。なお、本実施形態では、ガイド体6は3つのガイド部61a、61b、61cを有しているが、移動体5を所定の移動経路に沿って案内することができれば、ガイド部の数は特に限定されない。例えば、ガイド体6は、1つのガイド部のみを有していてもよいし、2つのガイド部のみを有していてもよい。なお、本実施形態では、ガイド部61は、後述する接続機構52の近傍において、移動体5を案内する第1ガイド部61aと、第1ガイド部61aに対して第2方向D2で一方側(図1において左側)に設けられた第2ガイド部61bと、第1ガイド部61aに対して第2方向D2で他方側に設けられた第3ガイド部61cとを有している。
【0028】
本実施形態では、ガイド体6が複数のガイド部61を有し、複数のガイド部61は、第1方向D1に進むにつれて第2方向D2での互いに対する間隔が変化するように延びている。具体的には、第1ガイド部61aと第2ガイド部61bとは、第1方向D1で下方に向かうにつれて、第2方向D2での間隔が広くなるように形成されている。また、第1ガイド部61aと第3ガイド部61cとは第1方向D1で下方に向かうにつれて、第2方向D2での間隔が狭くなるように形成されている。一方、複数の被ガイド部53a、53b、53c同士の間隔は一定である。この場合、図2図5に示されるように、移動体5が第1方向D1で下降する際に、移動体5がガイド体6に対向する移動体5の面に垂直な軸周り(第3方向D3に延びる軸周り)に回転する。より詳細には、図2および図3に示されるように、移動体5がガイド部61の上端で案内されている状態から下降し始めた初期段階においては、3か所の被ガイド部53が略平行に移動して、移動体5は実質的に回転せずに下降する。一方、それぞれのガイド部61の長手方向の中央部においては、ガイド部61の湾曲の曲率を互いに異ならせることによって、ガイド部61の第2方向D2での間隔を変化させている。これにより、3か所の被ガイド部53がガイド部61に沿って移動する際に、移動体5が第3方向D3に延びる軸周りに回転する(図4および図5参照)。
【0029】
移動体5は、駆動部2により駆動されるケーブル3によって移動する。本実施形態では、移動体5には、窓ガラスWが直接または間接的に取り付けられる。移動体5は、ガイド体6のガイド部61に沿って移動することで、所定の移動経路に沿って移動して、窓ガラスWを開閉する。なお、本実施形態では、移動体5に取り付けられた窓ガラスWが操作対象とされているが、移動体5に窓ガラスW以外の操作対象が取り付けられていてもよいし、移動体5が最終的な操作対象であってもよい。
【0030】
移動体5は、図1に示されるように、移動体本体51と、移動体本体51に設けられ、第1ケーブル31の一端31aおよび第2ケーブル32の一端32aが接続される接続機構52とを有している。移動体本体51は、ガイド体6のガイド部61に案内されて移動する。移動体本体51の形状は、特に限定されないが、本実施形態では、ガイド体6の一方の面に対向する対向面を有する板状体として形成されている。移動体本体51は、図1に示されるように、窓ガラスWが直接または間接的に取り付けられる窓ガラス取付部51aを有している。窓ガラス取付部51aに窓ガラスWが取り付けられることにより、移動体5が移動した際に、窓ガラスWが移動体5と共に移動する。
【0031】
上述したように、本実施形態では、移動体5(移動体本体51)は、ガイド部61に案内される被ガイド部53を有している。被ガイド部53は、ガイド部61に係合して案内される。被ガイド部53は、移動体本体51に1または複数設けられる。本実施形態では、被ガイド部53は、ガイド部61の数に応じて移動体本体51に3つ設けられているが、被ガイド部53の数は特に限定されない。本実施形態では、図1に示されるように、移動体5は、移動体5が第1方向転換部材41の近傍に位置する上端位置にあるときに、第1方向D1で第1方向転換部材41の下方に位置する第1被ガイド部53aと、第1方向転換部材41の第2方向D2で両側に第1方向転換部材41を挟み込むように配置された第2被ガイド部53bおよび第3被ガイド部53cとを備えている。
【0032】
被ガイド部53の形状および構造は、被ガイド部53がガイド部61に係合して案内されるように構成されていれば、特に限定されない。本実施形態では、被ガイド部53は、ガイド部61の長手方向に延びるガイド部61の両側縁部を、ガイド体6の板厚方向(第3方向D3)に挟持して係合するように構成されている。具体的には、被ガイド部53は、図6に示されるように、ガイド部61の長手方向に延びる両側縁部(図6においてガイド体6は図示を省略している)のうち、ガイド体6の一方の面側(移動体本体51と対向する面とは反対側の面側)に位置する第1挟持部531と、ガイド体6の他方の面側(移動体本体51と対向する面側)に位置する第2挟持部532とを有している。第1挟持部531と第2挟持部532とによって、ガイド体6を第3方向D3で挟持している。また、被ガイド部53は、移動体本体51に対して、第3方向D3に延びる軸周りに回転するように設けられている。これにより、被ガイド部53は、ガイド部61の軌道に沿って移動体5を円滑に移動させることができる。
【0033】
本実施形態では、第1被ガイド部53aおよび第2被ガイド部53bは、図1に示されるように、直接または間接的に、補強プレートPによって接続されている。補強プレートPによって複数の被ガイド部53が互いに接続されることにより、移動体5の強度が高まり、移動体5の破損が抑制される。補強プレートPは、金属等、所定の剛性を有する材料によって構成される。補強プレートPは、複数の被ガイド部53を繋ぐ方向に細長い板状に形成されており、移動体5の移動を阻害しないように設けられる。なお、本実施形態では、補強プレートPの一端は、接続機構52を介して第1被ガイド部53aに接続されており、補強プレートPの他端は、第2被ガイド部53bに接続されている。
【0034】
接続機構52は、第1ケーブル31の一端31aおよび第2ケーブル32の一端32aが接続される部位である。なお、接続機構52の詳細については後述する。
【0035】
接続機構52により第1ケーブル31および第2ケーブル32が移動体5に接続されることで、駆動部2の駆動力が第1ケーブル31および第2ケーブル32を介して移動体5に伝達される。具体的には、図2に示される状態から、駆動部2が駆動されて、第2ケーブル32が第1方向D1で下方に引き操作されると、引き操作された第2ケーブル32によって、移動体5が下方に引っ張られて、下方に移動する。この際に、移動体5は第2方向D2の成分を含む方向にシフトする(図3図5参照)。本実施形態では、移動体5が下方に移動すると、移動体5の被ガイド部53がガイド部61に案内されて、移動体5がガイド部61の延在方向に応じて、所定の移動経路に沿って移動する。この際、移動体5は下方に移動しながら、第2方向D2の成分を含む方向にシフトする。より具体的には、図2図5に示されるように、接続機構52の近傍に設けられた第1被ガイド部53aが、第1ガイド部61aに沿って移動することによって第2方向D2の成分を含む方向にシフトする。この際、第1ガイド部61aと第2ガイド部61bとの間の第2方向D2の間隔、第1ガイド部61aと第3ガイド部61cとの間の第2方向D2の間隔を変化させることで、図3図5に示されるように、移動体5が下方に移動するにつれて第3方向D3に延びる軸周りに回転する。
【0036】
一方、図5に示される状態から、駆動部2が駆動されて、第1ケーブル31が第1方向D1で上方に引っ張られると、移動体5が上方に移動する。この際、移動体5は、移動体5が下降する際とは逆の方向へと回転する。
【0037】
なお、上記移動体5の動作はあくまで一例であり、移動体5が、第1方向転換部材41と第2方向転換部材42との間を移動する際に第2方向D2の成分を含む方向にシフトするのであれば、移動体5は他の動作を行うように構成されていてもよい。
【0038】
次に、接続機構52について説明する。接続機構52は、移動体5が第1方向転換部材41と第2方向転換部材42との間を移動する際に第2方向D2の成分を含む方向への移動体5のシフトに応じて、移動体本体51に対して所定の軸X周りに回転するように構成されている。具体的には、接続機構52は、第1方向D1および第2方向D2に略垂直な第3方向D3に延びる軸X周りに回転可能に、移動体本体51に設けられている。
【0039】
本実施形態では、接続機構52は、上述したように、移動体5が第1方向転換部材41と第2方向転換部材42との間を移動する際に第2方向D2の成分を含む方向への移動体5のシフトに応じて、移動体本体51に対して軸X周りに回転する。ケーブル3の端部(ケーブルエンド)が、従来の構造のように、移動体本体の所定の部位(ケーブルエンド係止部)に回転しないように取り付けられている場合、ケーブルや、移動体本体が破損する可能性がある。具体的には、従来の構造において、移動体が第2方向D2の成分を含む方向にシフトすると、ケーブルエンド係止部からケーブルが導出される方向が変化する。この場合、ケーブルに屈曲する負荷が加わったり、ケーブルからケーブルエンド係止部(本実施形態では接続機構52の一部)に加わる張力が変化して、ケーブルや、移動体本体が破損する可能性がある。一方、本実施形態では、接続機構52が移動体本体51に対して回転するように構成されている。したがって、移動体5が第2方向D2の成分を含む方向にシフトしたとしても、接続機構52が回転することで、ケーブル3と第1方向転換部材41または第2方向転換部材42との間のケーブル3の延び方向(角度)の変化を抑制することができ、移動体5のシフトに伴うケーブル3の張力の変化も抑制することができる。よって、ケーブル3の破損や、接続機構52の破損を抑制することができる。
【0040】
なお、ケーブル3の一端の接続機構52への接続方法や、ケーブル3の一端(ケーブルエンド)の形状は特に限定されない。本実施形態では、ケーブル3の一端は、図6図8に示されるように、接続機構52に設けられた接続部Cに係合することによって接続機構52に取り付けられている。本実施形態では、接続部Cは、接続機構52の回転方向に形成されたスリットSを有しており、このスリットSを介してケーブル3が第1方向転換部材41または第2方向転換部材42に向かって導出される。このスリットSにより、接続機構52が回転したときに、ケーブル3はスリットS内を移動することができる。これにより、接続機構52が回転しても、ケーブル3に曲げ変形など、屈曲する負荷が加わることが抑制され、ケーブル3の破損をさらに抑制することができる。
【0041】
本実施形態では、図6に示されるように、接続機構52は、被ガイド部53に取り付けられている。接続機構52は、第3方向D3で被ガイド部53に隣接して設けられており、接続機構52は被ガイド部53を介して移動体本体51に取り付けられている。接続機構52および被ガイド部53は共に、移動体本体51に対して第3方向D3に延びる軸X周りに回転するように構成されている。
【0042】
本実施形態では、図1図6および図7に示されるように、接続機構52は、第1ケーブル31の一端31aが接続される第1接続部Caを有する第1接続体52aと、第2ケーブル32の一端32aが接続される第2接続部Cbを有する第2接続体52bとを備え、第1接続体52aおよび第2接続体52bのそれぞれが、軸X周りに回転する。したがって、第1接続体52aおよび第2接続体52bは互いに独立して、第3方向D3に延びる軸X周りに回転する。したがって、第1接続体52aおよび第2接続体52bがそれぞれ回転することにより、移動体5の第2方向D2へシフトしたとしても、第1ケーブル31および第2ケーブル32のそれぞれの延び方向の変化を抑制することができる。したがって、第1ケーブル31および第2ケーブル32に屈曲する負荷が加わることをさらに抑制し、第1ケーブル31および第2ケーブル32から接続機構52に加わる張力の変化をさらに抑制することができる。したがって、ケーブル3の破損や、接続機構52の破損がさらに抑制される。
【0043】
第1接続体52aと第2接続体52bの形状や構造は、第1接続体52aおよび第2接続体52bのそれぞれが軸X周りに独立して回転することができれば、特に限定されない。本実施形態では、第1接続体52aと第2接続体52bとは、図6および図7に示されるように、同軸周りに回転するように設けられている。第1接続体52aと第2接続体52bとは第3方向D3に延びる軸X方向に隣接するように設けられている。第1接続体52aは、図6および図7に示されるように、略円板状の基部の外周の一部から、径方向外側に突出する第1接続部Caを有している。同様に、第2接続体52bは、略円板状の基部の外周の一部から、径方向外側に突出する第2接続部Cbを有している。
【0044】
なお、本実施形態では、第1接続体52aおよび第2接続体52bの両方が、移動体本体51に対して回転するように構成されているが、第1接続体52aおよび第2接続体52bのいずれか一方のみが回転するように構成されていてもよい。
【0045】
また、本実施形態では、第1接続体52aは、付勢部材SPにより第1接続体52aに接続された第1ケーブル31を第1接続体52aへと引っ張る方向に付勢されており、第2接続体52bは、付勢部材SP(図7参照)により第2接続体52bに接続された第2ケーブル32を第2接続体52bへと引っ張る方向に付勢されている。本実施形態では、第1接続体52aの第1接続部Caから第1接続体52aの回転軸となる軸Xへと延びる線L1と、第2接続体52bの第2接続部Cbから第2接続体52bの回転軸となる軸Xへと延びる線L2とが為す角θが小さくなるように、第1接続体52aと第2接続体52bとが接続機構52の回転方向で互いに近付く方向に付勢されている。より詳細には、第1接続体52aは、第1接続部Caが、第1接続体52aの外周のうち、第1ケーブル31の第2部分312に第2方向D2で対向する部分とは反対側の部分(図1における外周の右半分)、かつ、第1接続体52aの軸Xの位置よりも第1方向D1で第1方向転換部材41側(図1における外周の上半分)となる領域(図1における外周の右上部分)を移動するように構成されている。一方、第2接続体52bは、第2接続部Cbが、第2接続体52bの外周のうち、第1ケーブル31の第2部分312に第2方向D2で対向する部分とは反対側の部分(図1における外周の右半分)、かつ、第2接続体52bの軸Xの位置よりも第1方向D1で第2方向転換部材42側(図1における外周の下半分)となる領域(図1における外周の右下部分)を移動するように構成されている。
【0046】
上述したように、第1接続体52aおよび第2接続体52bが、所定の方向に付勢されている場合、移動体5の第2方向D2でのシフト等によって、ケーブル3の配索経路が変化したとしても、第1接続体52aおよび第2接続体52bがケーブル3を引っ張ることができ、ケーブル3の弛みを無くすことができる。また、ケーブル3の配索経路の変化だけでなく、温度や繰り返しの使用などによるケーブル3自体の伸縮に対しても対応することができる。
【0047】
以下、この点を図2図5を用いて詳細に説明する。なお、以下の説明はあくまで一例であり、以下の説明により本発明が限定されるものではない。
【0048】
図2図5に示されるように、本実施形態では、移動体5の移動の過程で、移動体5は第2方向D2の位置を変化させながら移動する。図2に示される位置から、図3に示される位置まで移動体5が移動する際に、第1方向転換部材41から接続機構52まで延びる第1ケーブル31の角度が変化していることがわかる。同様に、第2方向転換部材42から接続機構52まで延びる第2ケーブル32の角度も変化する。この第1ケーブル31および第2ケーブル32の延び方向に対応するように第1接続体52aおよび第2接続体52bは回転することができる。そして、図3に示される位置から図4に示される位置まで移動体5が移動すると、第2方向D2での移動体5のシフト量は最大に近くなる。この状態において、本実施形態の接続機構52が無い場合、移動体5が第2方向D2にシフトした分、ケーブル3の配索経路の長さは長くなるがケーブル3自体の長さは変わらないので、図3の状態よりもケーブル3の張力が高くなる。そのため、場合によってはケーブル3の長さが足らずに移動体5とケーブル3のケーブルエンドとの接続箇所が破損する場合がある。一方、本実施形態では、移動体5が第2方向D2にシフトすることに応じて、第1方向転換部材41と接続機構52との間の距離をより短くする方向に第1接続体52aが回転し、第2方向転換部材42と接続機構52との間の距離をより短くする方向に第2接続体52bが回転する。具体的には、第1接続体52aの第1接続部Caと、第2接続体52bの第2接続部Cbとが離れて、第1接続部Caと第2接続部Cbとの間が開くように回転する。これにより、ケーブル3の延び方向が調整されるとともに、ケーブル3に大きな張力が加わることが抑制される。
【0049】
また、図4に示される状態から、図3図2に示される状態へと移動体5が移動すると、移動体5が第2方向D2で第1ケーブル31の第2部分312に近付くようにシフトする。この場合、図2または図3におけるケーブル3の配索経路において必要なケーブル3の全長は、図4におけるケーブル3の配索経路において必要なケーブル3の全長よりも短くなる。そのため、図4に示される状態から、図3図2に示される状態へと移動体5が移動すると、ケーブル3に弛みがでるが、その弛みを解消するように、第1接続体52aおよび第2接続体52bが回転する。具体的には、図7において、角度θが小さくなるように、第1接続体52aの第1接続部Caと、第2接続体52bの第2接続部Cbとが近付いて、第1接続部Caと第2接続部Cbとの間が閉じるように回転する。これにより、ケーブル3の弛み取りが可能となり、移動体5を円滑に移動させることができる。
【0050】
また、本実施形態では、付勢部材SP(図7参照)は、一端が第1接続体52aに接続され、他端が第2接続体52bに接続されたバネ部材であり、第1接続体52aと第2接続体52bとは、バネ部材によって軸X周りに互いに逆方向に回転するように構成されている。具体的には、第1接続体52aは、図1において、第3方向D3に延びる軸X周りの一方向(時計方向)に回転するように構成されており、第2接続体52bは、図1において、第3方向D3に延びる軸X周りの他方向(反時計方向)に回転するように構成されている。本実施形態では、1つの付勢部材SPによって、第1接続体52aと第2接続体52bとが付勢されている。この場合、1つのバネ部材で第1接続体52aおよび第2接続体52bを動作させることができ、部品点数を少なくすることができる。
【0051】
なお、付勢部材SPを構成するバネ部材の種類は、第1接続体52aおよび第2接続体52bを付勢することができれば、特に限定されない。本実施形態では、付勢部材SPは、一端が第1接続体52aに取り付けられ、他端が第2接続体52bに取り付けられたトーションバネである。また、付勢部材SPは、本実施形態では、1つのバネ部材によって構成されているが、第1接続体52aおよび第2接続体52bのそれぞれに付勢部材SPが設けられていてもよい。また、本実施形態では、第1接続体52aおよび第2接続体52bの両方が、付勢部材SPによって付勢されているが、第1接続体52aおよび第2接続体52bのいずれか一方のみが付勢部材SPによって付勢されていてもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 移動体駆動装置
2 駆動部
21 モータ
22 ドラムハウジング
3 ケーブル
31 第1ケーブル
31a 第1ケーブルの一端
311 第1ケーブルの第1部分
312 第1ケーブルの第2部分
32 第2ケーブル
32a 第2ケーブルの一端
41 第1方向転換部材
42 第2方向転換部材(ドラム)
5 移動体
51 移動体本体
51a 窓ガラス取付部
52 接続機構
52a 第1接続体
52b 第2接続体
53 被ガイド部
53a 第1被ガイド部
53b 第2被ガイド部
53c 第3被ガイド部
531 第1挟持部
532 第2挟持部
6 ガイド体
61 ガイド部
61a 第1ガイド部
61b 第2ガイド部
61c 第3ガイド部
C 接続部
Ca 第1接続部
Cb 第2接続部
D1 第1方向
D2 第2方向
D3 第3方向
P 補強プレート
S スリット
SP 付勢部材
W 窓ガラス
WR 窓ガラス昇降装置
X 軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8