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特許7340014バックライト輝度制御方法、装置及び表示デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-29
(45)【発行日】2023-09-06
(54)【発明の名称】バックライト輝度制御方法、装置及び表示デバイス
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20230830BHJP
   G09G 3/34 20060101ALI20230830BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20230830BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20230830BHJP
【FI】
G09G3/36
G09G3/34 J
G09G3/20 612U
G09G3/20 642B
G09G3/20 642E
G09G3/20 611A
G02F1/133 535
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021523040
(86)(22)【出願日】2021-04-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-09
(86)【国際出願番号】 CN2021088369
(87)【国際公開番号】W WO2022217628
(87)【国際公開日】2022-10-20
【審査請求日】2021-05-31
(31)【優先権主張番号】202110394920.6
(32)【優先日】2021-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515203228
【氏名又は名称】ティーシーエル チャイナスター オプトエレクトロニクス テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TCL China Star Optoelectronics Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.9-2,Tangming Rd,Guangming New District,Shenzhen,Guangdong,China 518132
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】胡 雄
(72)【発明者】
【氏名】呉 宇
(72)【発明者】
【氏名】李 浩然
【審査官】塚本 丈二
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0180941(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0182306(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0061333(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0120642(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0135122(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0271993(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0005162(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0020114(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第107424572(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105632421(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第111681614(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第111754946(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/36
G09G 3/34
G09G 3/20
G02F 1/133
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバックライトパーティションにそれぞれ対応する複数のパーティション画像を含む画像を表示するための表示パネルと、
複数の前記バックライトパーティションを含み、前記表示パネルにバックライトを供給するバックライトモジュールと、を含む表示デバイスに適用されるバックライト輝度制御方法であって、
如何なる前記パーティション画像について、前記パーティション画像のグレースケールデータに基づいて、前記パーティション画像に対応する前記バックライトパーティションにおけるバックライト源のパルス幅変調波の初期デューティ比を取得することと、
前記初期デューティ比に基づいて、前記初期デューティ比に正相関する前記バックライトパーティションにおけるバックライト源のピーク電流調整係数と、前記パルス幅変調波のデューティ比調整係数を特定することと、
前記ピーク電流調整係数と、予め取得された前記バックライトパーティションにおけるバックライト源の初期ピーク電流とに基づいて目標ピーク電流を特定し、前記デューティ比調整係数と前記初期デューティ比とに基づいて目標デューティ比を特定することと、
前記バックライトパーティションにおけるバックライト源に前記目標ピーク電流と前記目標デューティ比を有する前記パルス幅変調波とを入力することと、を含
前記初期デューティ比に基づいて、前記初期デューティ比に正相関する前記バックライトパーティションにおけるバックライト源のピーク電流調整係数と、前記パルス幅変調波のデューティ比調整係数とを特定することは、
予め設定された初期デューティ比区間と前記ピーク電流調整係数との対応関係に基づいて、前記初期デューティ比が収まる前記初期デューティ比区間に対応する前記ピーク電流調整係数を、前記バックライトパーティションにおけるバックライト源の前記ピーク電流調整係数とすることと、
前記ピーク電流調整係数の逆数を、前記バックライトパーティションにおけるバックライト源の前記パルス幅変調波のデューティ比調整係数とすることと、を含む、
バックライト輝度制御方法。
【請求項2】
前記バックライトパーティションにおけるバックライト源に前記目標ピーク電流と前記目標デューティ比を有する前記パルス幅変調波とを入力した後に、
前記初期デューティ比区間と前記デューティ比調整係数とに基づいて、目標デューティ比区間を特定することと、
前記目標デューティ比区間において前記パルス幅変調波のデューティ比を調整することにより、前記バックライトパーティションにおけるバックライト源の輝度調整を実現することと、をさらに含む、
請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記初期デューティ比区間と前記デューティ比調整係数とに基づいて、前記目標デューティ比区間を特定することは、
前記初期デューティ比が収まる前記初期デューティ比区間における最小端点値を特定することと、
最小目標端点値が得られるように、前記最小端点値と前記デューティ比調整係数とを乗算することと、
前記最小目標端点値と100%とからなる区間を目標デューティ比区間とすることと、を含む、
請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記初期デューティ比区間は、それぞれ[0,25%],(25%,50%],(50%,75%]及び(75%,100%)であり、
前記初期デューティ比区間に応じて、前記ピーク電流調整係数は、それぞれ0.25、0.5、0.75及び1であり、
前記初期デューティ比区間に応じて、前記目標デューティ比区間は、それぞれ[0,100%]、(50%,100%]、(66.7%,100%]及び(75%,100%]である、
請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記パーティション画像のグレースケールデータに基づいて、前記パーティション画像に対応する前記バックライトパーティションにおけるバックライト源の前記パルス幅変調波の初期デューティ比を取得することは、
前記パーティション画像に対応する前記バックライトパーティションにおけるバックライト源の前記パルス幅変調波の初期デューティ比が得られるように、前記パーティション画像のグレースケールデータをデジタルアナログ変換することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ピーク電流調整係数と、予め取得された前記バックライトパーティションにおけるバックライト源の前記初期ピーク電流とに基づいて目標ピーク電流を特定し、前記デューティ比調整係数と前記初期デューティ比とに基づいて目標デューティ比を特定することは、
目標ピーク電流が得られるように、前記初期ピーク電流と前記ピーク電流調整係数とを乗算し、目標デューティ比が得られるように、前記初期デューティ比と前記デューティ比調整係数とを乗算することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
複数のバックライトパーティションにそれぞれ対応する複数のパーティション画像を含む画像を表示するための表示パネルと、
複数の前記バックライトパーティションを含み、前記表示パネルにバックライトを供給するバックライトモジュールと、を含む表示デバイスに適用されるバックライト輝度制御装置であって、
如何なる前記パーティション画像について、前記パーティション画像のグレースケールデータに基づいて、前記パーティション画像に対応する前記バックライトパーティションにおけるバックライト源のパルス幅変調波の初期デューティ比を取得するための初期デューティ比特定モジュールと、
前記初期デューティ比に基づいて、前記初期デューティ比に正相関する前記バックライトパーティションにおけるバックライト源のピーク電流調整係数と、前記パルス幅変調波のデューティ比調整係数を特定するための調整係数特定モジュールと、
前記ピーク電流調整係数と、予め取得された前記バックライトパーティションにおけるバックライト源の初期ピーク電流とに基づいて目標ピーク電流を特定し、前記デューティ比調整係数と前記初期デューティ比とに基づいて目標デューティ比を特定するための目標特定モジュールと、
前記バックライトパーティションにおけるバックライト源に前記目標ピーク電流と前記目標デューティ比を有する前記パルス幅変調波とを入力するための入力モジュールと、を含
前記調整係数特定モジュールは、
予め設定された初期デューティ比区間と前記ピーク電流調整係数との対応関係に基づいて、前記初期デューティ比が収まる前記初期デューティ比区間に対応する前記ピーク電流調整係数を、前記バックライトパーティションにおけるバックライト源の前記ピーク電流調整係数とするためのピーク電流調整係数ユニットと、
前記ピーク電流調整係数の逆数を、前記バックライトパーティションにおけるバックライト源の前記パルス幅変調波のデューティ比調整係数とするためのデューティ比調整係数特定ユニットと、を含む、
バックライト輝度制御装置。
【請求項8】
前記初期デューティ比区間と前記デューティ比調整係数とに基づいて、目標デューティ比区間を特定するための目標デューティ比区間特定モジュールと、
前記目標デューティ比区間において前記パルス幅変調波のデューティ比を調整することにより、前記バックライトパーティションにおけるバックライト源の輝度調整を実現するための輝度調整モジュールと、をさらに含む、
請求項に記載の装置。
【請求項9】
前記目標デューティ比区間特定モジュールは、
前記初期デューティ比が収まる前記初期デューティ比区間における最小端点値を特定するための最小端点値特定ユニットと、
最小目標端点値が得られるように、前記最小端点値と前記デューティ比調整係数とを乗算するための最小目標端点値特定ユニットと、
前記最小目標端点値と100%とからなる区間を目標デューティ比区間とするための目標デューティ比区間特定ユニットと、を含む、
請求項に記載の装置。
【請求項10】
前記初期デューティ比区間は、それぞれ[0,25%],(25%,50%],(50%,75%]及び(75%,100%)であり、
前記初期デューティ比区間に応じて、前記ピーク電流調整係数は、それぞれ0.25、0.5、0.75及び1であり、
前記初期デューティ比区間に応じて、前記目標デューティ比区間は、それぞれ[0,100%]、(50%,100%]、(66.7%,100%]及び(75%,100%]である、
請求項に記載の装置。
【請求項11】
前記初期デューティ比特定モジュールは、
前記パーティション画像に対応する前記バックライトパーティションにおけるバックライト源の前記パルス幅変調波の初期デューティ比が得られるように、前記パーティション画像のグレースケールデータをデジタルアナログ変換するために用いられる、
請求項に記載の装置。
【請求項12】
前記目標特定モジュールは、
目標ピーク電流が得られるように、前記初期ピーク電流と前記ピーク電流調整係数とを乗算し、目標デューティ比が得られるように、前記初期デューティ比と前記デューティ比調整係数とを乗算するために用いられる、
請求項に記載の装置。
【請求項13】
バックライト輝度制御装置と、
複数のバックライトパーティションにそれぞれ対応する複数のパーティション画像を含む画像を表示するための表示パネルと、
複数の前記バックライトパーティションを含み、前記表示パネルにバックライトを供給するバックライトモジュールと、を含む表示デバイスであって、
如何なる前記パーティション画像について、前記パーティション画像のグレースケールデータに基づいて、前記パーティション画像に対応する前記バックライトパーティションにおけるバックライト源のパルス幅変調波の初期デューティ比を取得するための初期デューティ比特定モジュールと、
前記初期デューティ比に基づいて、前記初期デューティ比に正相関する前記バックライトパーティションにおけるバックライト源のピーク電流調整係数と、前記パルス幅変調波のデューティ比調整係数を特定するための調整係数特定モジュールと、
前記ピーク電流調整係数と、予め取得された前記バックライトパーティションにおけるバックライト源の初期ピーク電流とに基づいて目標ピーク電流を特定し、前記デューティ比調整係数と前記初期デューティ比とに基づいて目標デューティ比を特定するための目標特定モジュールと、
前記バックライトパーティションにおけるバックライト源に前記目標ピーク電流と前記目標デューティ比を有する前記パルス幅変調波とを入力するための入力モジュールと、を含
前記調整係数特定モジュールは、
予め設定された初期デューティ比区間と前記ピーク電流調整係数との対応関係に基づいて、前記初期デューティ比が収まる前記初期デューティ比区間に対応する前記ピーク電流調整係数を、前記バックライトパーティションにおけるバックライト源の前記ピーク電流調整係数とするためのピーク電流調整係数ユニットと、
前記ピーク電流調整係数の逆数を、前記バックライトパーティションにおけるバックライト源の前記パルス幅変調波のデューティ比調整係数とするためのデューティ比調整係数特定ユニットと、を含む、
表示デバイス。
【請求項14】
前記初期デューティ比区間と前記デューティ比調整係数とに基づいて、目標デューティ比区間を特定するための目標デューティ比区間特定モジュールと、
前記目標デューティ比区間において前記パルス幅変調波のデューティ比を調整することにより、前記バックライトパーティションにおけるバックライト源の輝度調整を実現するための輝度調整モジュールと、をさらに含む、
請求項1に記載の表示デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示技術分野に関し、特にバックライト輝度制御方法、装置及び表示デバイスに関する
【背景技術】
【0002】
表示技術の発展に伴い、フラットパネルディスプレイは、高解像度、優れた画像カラー、省電力、薄型軽量、携帯しやすいなどの利点により、携帯電話、スマートウォッチ、タブレット、ノートパソコン及びテレビなどのさまざまな情報表示製品に広く適用されている。しかしながら、表示業界における駆動技術が日々成熟するにつれ、機会と課題も発生する。液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display,LCD)の場合、例えば、高消費電力や低表示コントラストなどのバックライトの限界により、バックライトが局所的に制御可能な方向に発展することが強制されるため、サブミリメートル発光ダイオード(mini-Light Emitting Diode,mini-LED)バックライトモジュールが登場した。
【0003】
従来のmini-LEDバックライトモジュールでは、定電圧集積回路(Integrated Circuit,IC)とパッシブマトリックス(PassiveMatrix,PM)駆動方式との組み合わせを多く用いることによりバックライトの局所制御を実現している。しかしながら、当該制御方式ではバックライト輝度が不均一になり、バックライト輝度の微細化調整が困難となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来の制御方式ではmini-LEDバックライトモジュールの輝度が不均一になり、バックライト輝度の微細化調整が困難となる問題を解決するためのバックライト輝度制御方法、装置及び表示デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1態様によれば、複数のバックライトパーティションにそれぞれ対応する複数のパーティション画像を含む画像を表示するための表示パネルと、
複数の前記バックライトパーティションを含み、前記表示パネルにバックライトを供給するバックライトモジュールと、を含む表示デバイスに適用されるバックライト輝度制御方法であって、
如何なる前記パーティション画像について、前記パーティション画像のグレースケールデータに基づいて、前記パーティション画像に対応する前記バックライトパーティションにおけるバックライト源のパルス幅変調波の初期デューティ比を取得することと、
前記初期デューティ比に基づいて、初期デューティ比に正相関する前記バックライトパーティションにおけるバックライト源のピーク電流調整係数及びパルス幅変調波のデューティ比調整係数を特定することと、
前記ピーク電流調整係数と、予め取得された前記バックライトパーティションにおけるバックライト源の初期ピーク電流とに基づいて目標ピーク電流を特定し、前記デューティ比調整係数と前記初期デューティ比とに基づいて目標デューティ比を特定することと、
前記バックライトパーティションにおけるバックライト源に前記目標ピーク電流と前記目標デューティ比を有するパルス幅変調波とを入力することと、を含むバックライト輝度制御方法が提供される。
【0006】
他の実施例において、前記初期デューティ比に基づいて、初期デューティ比に正相関する前記バックライトパーティションにおけるバックライト源のピーク電流調整係数及びパルス幅変調波のデューティ比調整係数を特定することは、
前記初期デューティ比に基づいて、前記バックライトパーティションにおけるバックライト源のピーク電流調整係数を特定することと、
前記ピーク電流調整係数の逆数を、前記バックライトパーティションにおけるバックライト源のパルス幅変調波のデューティ比調整係数とすることと、を含む。
【0007】
他の実施例において、前記初期デューティ比に基づいて、前記バックライトパーティションにおけるバックライト源のピーク電流調整係数を特定することは、
予め設定された初期デューティ比区間と前記ピーク電流調整係数との対応関係に基づいて、前記初期デューティ比が収まる前記初期デューティ比区間に対応する前記ピーク電流調整係数を、前記バックライトパーティションにおけるバックライト源のピーク電流調整係数とすることを含む。
【0008】
他の実施例において、前記バックライトパーティションにおけるバックライト源に前記目標ピーク電流と前記目標デューティ比を有するパルス幅変調波とを入力した後に、
前記初期デューティ比区間と前記デューティ比調整係数とに基づいて、目標デューティ比区間を特定することと、
前記目標デューティ比区間において前記パルス幅変調波のデューティ比を調整することにより、前記バックライトパーティションにおけるバックライト源の輝度調整を実現することと、をさらに含む。
【0009】
他の実施例において、前記初期デューティ比区間と前記デューティ比調整係数とに基づいて、前記目標デューティ比区間を特定することは、
前記初期デューティ比が収まる前記初期デューティ比区間における最小端点値を特定することと、
最小目標端点値が得られるように、前記最小端点値と前記デューティ比調整係数とを乗算することと、
前記最小目標端点値と100%とからなる区間を目標デューティ比区間とすることと、を含む。
【0010】
他の実施例において、前記初期デューティ比区間は、それぞれ[0,25%],(25%,50%],(50%,75%]及び(75%,100%)であり、
前記初期デューティ比区間に応じて、前記ピーク電流調整係数は、それぞれ0.25、0.5、0.75及び1であり、
前記初期デューティ比区間に応じて、前記目標デューティ比区間は、それぞれ[0,100%]、(50%,100%]、(66.7%,100%]及び(75%,100%]である。
【0011】
他の実施例において、前記パーティション画像のグレースケールデータに基づいて、前記パーティション画像に対応する前記バックライトパーティションにおけるバックライト源のパルス幅変調波の初期デューティ比を取得することは、
前記パーティション画像に対応する前記バックライトパーティションにおけるバックライト源のパルス幅変調波の初期デューティ比が得られるように、前記パーティション画像のグレースケールデータをデジタルアナログ変換することを含む。
【0012】
他の実施例において、前記ピーク電流調整係数と、予め取得された前記バックライトパーティションにおけるバックライト源の初期ピーク電流とに基づいて目標ピーク電流を特定し、前記デューティ比調整係数と前記初期デューティ比とに基づいて目標デューティ比を特定することは、
目標ピーク電流が得られるように、前記初期ピーク電流と前記ピーク電流調整係数とを乗算し、目標デューティ比が得られるように、前記初期デューティ比と前記デューティ比調整係数とを乗算することを含む。
【0013】
本発明の第2態様によれば、複数のバックライトパーティションにそれぞれ対応する複数のパーティション画像を含む画像を表示するための表示パネルと、
複数の前記バックライトパーティションを含み、前記表示パネルにバックライトを供給するバックライトモジュールと、を含む表示デバイスに適用されるバックライト輝度制御装置であって、
如何なる前記パーティション画像について、前記パーティション画像のグレースケールデータに基づいて、前記パーティション画像に対応する前記バックライトパーティションにおけるバックライト源のパルス幅変調波の初期デューティ比を取得するための初期デューティ比特定モジュールと、
前記初期デューティ比に基づいて、初期デューティ比に正相関する前記バックライトパーティションにおけるバックライト源のピーク電流調整係数及びパルス幅変調波のデューティ比調整係数を特定するための調整係数特定モジュールと、
前記ピーク電流調整係数と、予め取得された前記バックライトパーティションにおけるバックライト源の初期ピーク電流とに基づいて目標ピーク電流を特定し、前記デューティ比調整係数と前記初期デューティ比とに基づいて目標デューティ比を特定するための目標特定モジュールと、
前記バックライトパーティションにおけるバックライト源に前記目標ピーク電流と前記目標デューティ比を有するパルス幅変調波とを入力するための入力モジュールと、を含むバックライト輝度制御装置が提供される。
【0014】
他の実施例において、前記調整係数特定モジュールは、
前記初期デューティ比に基づいて、前記バックライトパーティションにおけるバックライト源のピーク電流調整係数を特定するためのピーク電流調整係数ユニットと、
前記ピーク電流調整係数の逆数を、前記バックライトパーティションにおけるバックライト源のパルス幅変調波のデューティ比調整係数とするためのデューティ比調整係数特定ユニットと、を含む。
【0015】
他の実施例において、前記ピーク電流調整係数ユニットは、
予め設定された初期デューティ比区間と前記ピーク電流調整係数との対応関係に基づいて、前記初期デューティ比が収まる前記初期デューティ比区間に対応する前記ピーク電流調整係数を、前記バックライトパーティションにおけるバックライト源のピーク電流調整係数とするために用いられる。
【0016】
他の実施例において、前記初期デューティ比区間と前記デューティ比調整係数とに基づいて、目標デューティ比区間を特定するための目標デューティ比区間特定モジュールと、
前記目標デューティ比区間において前記パルス幅変調波のデューティ比を調整することにより、前記バックライトパーティションにおけるバックライト源の輝度調整を実現するための輝度調整モジュールと、をさらに含む。
【0017】
他の実施例において、前記目標デューティ比区間特定モジュールは、
前記初期デューティ比が収まる前記初期デューティ比区間における最小端点値を特定するための最小端点値特定ユニットと、
最小目標端点値が得られるように、前記最小端点値と前記デューティ比調整係数とを乗算するための最小目標端点値特定ユニットと、
前記最小目標端点値と100%とからなる区間を目標デューティ比区間とするための目標デューティ比区間特定ユニットと、を含む。
【0018】
他の実施例において、前記初期デューティ比区間は、それぞれ[0,25%],(25%,50%],(50%,75%]及び(75%,100%)であり、
前記初期デューティ比区間に応じて、前記ピーク電流調整係数は、それぞれ0.25、0.5、0.75及び1であり、
前記初期デューティ比区間に応じて、前記目標デューティ比区間は、それぞれ[0,100%]、(50%,100%]、(66.7%,100%]及び(75%,100%]である。
【0019】
他の実施例において、前記初期デューティ比特定モジュールは、
前記パーティション画像に対応する前記バックライトパーティションにおけるバックライト源のパルス幅変調波の初期デューティ比が得られるように、前記パーティション画像のグレースケールデータをデジタルアナログ変換するために用いられる。
【0020】
他の実施例において、前記目標特定モジュールは、
目標ピーク電流が得られるように、前記初期ピーク電流と前記ピーク電流調整係数とを乗算し、目標デューティ比が得られるように、前記初期デューティ比と前記デューティ比調整係数とを乗算するために用いられる。
【0021】
本発明の第3態様によれば、バックライト輝度制御装置と、
複数のバックライトパーティションにそれぞれ対応する複数のパーティション画像を含む画像を表示するための表示パネルと、
複数の前記バックライトパーティションを含み、前記表示パネルにバックライトを供給するバックライトモジュールと、を含む表示デバイスであって、
如何なる前記パーティション画像について、前記パーティション画像のグレースケールデータに基づいて、前記パーティション画像に対応する前記バックライトパーティションにおけるバックライト源のパルス幅変調波の初期デューティ比を取得するための初期デューティ比特定モジュールと、
前記初期デューティ比に基づいて、初期デューティ比に正相関する前記バックライトパーティションにおけるバックライト源のピーク電流調整係数及びパルス幅変調波のデューティ比調整係数を特定するための調整係数特定モジュールと、
前記ピーク電流調整係数と、予め取得された前記バックライトパーティションにおけるバックライト源の初期ピーク電流とに基づいて目標ピーク電流を特定し、前記デューティ比調整係数と前記初期デューティ比とに基づいて目標デューティ比を特定するための目標特定モジュールと、
前記バックライトパーティションにおけるバックライト源に前記目標ピーク電流と前記目標デューティ比を有するパルス幅変調波とを入力するための入力モジュールと、を含む表示デバイスが提供される。
【0022】
他の実施例において、前記調整係数特定モジュールは、
前記初期デューティ比に基づいて、前記バックライトパーティションにおけるバックライト源のピーク電流調整係数を特定するためのピーク電流調整係数ユニットと、
前記ピーク電流調整係数の逆数を、前記バックライトパーティションにおけるバックライト源のパルス幅変調波のデューティ比調整係数とするためのデューティ比調整係数特定ユニットと、を含む。
【0023】
他の実施例において、前記ピーク電流調整係数ユニットは、
予め設定された初期デューティ比区間と前記ピーク電流調整係数との対応関係に基づいて、前記初期デューティ比が収まる前記初期デューティ比区間に対応する前記ピーク電流調整係数を、前記バックライトパーティションにおけるバックライト源のピーク電流調整係数とするために用いられる。
【0024】
他の実施例において、前記初期デューティ比区間と前記デューティ比調整係数とに基づいて、目標デューティ比区間を特定するための目標デューティ比区間特定モジュールと、
前記目標デューティ比区間において前記パルス幅変調波のデューティ比を調整することにより、前記バックライトパーティションにおけるバックライト源の輝度調整を実現するための輝度調整モジュールと、をさらに含む。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係るバックライト輝度制御方法、装置及び表示デバイスによれば、定電流集積回路によりバックライトパーティションにおけるバックライト源に一定の電流を入力するため、バックライト輝度の均一性を向上させることができる。パーティション画像のグレースケールレベルに基づいて、バックライトパーティションのバックライト源に入力される目標ピーク電流を特定することができるため、高グレースケールレベルに必要なバックライト輝度を保証することができるだけではなく、低グレースケールレベルにおけるバックライト輝度の微細化調整を保証することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施例に係るバックライトパーティションを示す概略図である。
図2】本発明の実施例に係るパーティション画像を示す概略図である。
図3】本発明の実施例に係るバックライト制御方法のフローチャートである。
図4】本発明の実施例に係るバックライト制御方法の完全フローチャートである。
図5】本発明の実施例に係るバックライト輝度制御装置の構造を示す概略図である。
図6】本発明の実施例に係る駆動装置の構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の目的、技術的手段及び効果をより明瞭、明確にするために、以下は、図面を参照するとともに実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。なお、本明細書に記載される具体的な実施例は、本願を説明するためのものであり、本発明を限定するためのものではない。
【0028】
液晶ディスプレイの消費電力を低減させ、表示コントラストを向上させるには、通常、mini-LEDバックライトモジュールを液晶ディスプレイに適用し、定電圧集積回路とパッシブマトリックス駆動方式との組み合わせを用いることによりバックライトの局所制御を実現する。以下では、説明の便宜上、液晶ディスプレイを表示、mini-LEDバックライトモジュールをバックライトモジュール、mini-LEDバックライトモジュールにおけるmini-LEDチップをバックライト源と呼ぶ。当該バックライトモジュールを複数のバックライトパーティションに分割することができ、各バックライトパーティションに含まれるバックライト源は、個別に制御することができる。具体的には、定電圧集積回路は、データ線を介してバックライトパーティションにおけるバックライト源の発光の有無及び発光時の発光輝度を制御する。定電圧集積回路の遠近端(データ線遠近端と略称する)に対するデータ線の抵抗コンデンサ負荷(RC loading)が一致しないため、くわえて抵抗電圧降下(IR drop)効果により、データ線遠近端のバックライト源の輝度に差が生じることで、バックライトの輝度が不均一になると同時に、当該制御方式では、バックライト輝度の微細化調整が困難となる。
【0029】
上記課題を解決するために、本発明の実施例によれば、バックライト輝度制御方法及び装置が提供される。以下、図面を参照しながら、具体的な実施例を通じてバックライト輝度制御方法及び装置について詳細に説明する。
【0030】
まず、本発明の実施例によれば、バックライト輝度制御方法が提供される。当該方法の実行主体は、表示デバイスに設けられるバックライト輝度制御装置であってもよい。当該装置は、ソフトウェア及び/又はハードウェアによって実現することができ、バックライト輝度の均一性及び微細化調整を実現するために用いられ、ひいては表示効果が向上する。
【0031】
表示デバイスは、表示パネルと、表示パネルにバックライトを供給するバックライトモジュールを含む。
【0032】
ここで、バックライトモジュールは、複数のバックライトパーティションを含む。図1は、本発明の実施例に係るバックライトパーティションを示す概略図である。図1に示すように、バックライトモジュールは、水平方向(X方向)に沿ったM(M≧1の整数)個のバックライトパーティションと、垂直方向(Y方向)に沿ったN(N≧1の整数)個のバックライトパーティションと、を含む。図1において、M=3、Y=3と仮定すると、図1に示すバックライトモジュールは、それぞれバックライトパーティション1、バックライトパーティション2、...、バックライトパーティション9である合計9個のバックライトパーティションを含む。
【0033】
表示パネルは、複数のバックライトパーティションにそれぞれ対応する複数のパーティション画像を含む画像を表示するためのものである。図2は、本発明の実施例に係るパーティション画像を示す概略図である。図2に示すように、バックライトパーティションと同じ分割規則により表示パネルに表示される画像を分割することにより、図1に示す9個のバックライトパーティションにそれぞれ対応し、それぞれパーティション画像1、パーティション画像2、...、パーティション画像9である9個のパーティション画像が得られる。
【0034】
如何なるパーティション画像について、バックライトモジュールの、当該パーティション画像と同じ位置にあるバックライトパーティションを、当該パーティション画像に対応するバックライトパーティションとする。例えば、図1に示すバックライトパーティション1は、図2に示すパーティション画像1に対応するバックライトパーティションである。なお、異なるバックライトパーティション間の境界及び異なるパーティション画像間の境界は、いずれも仮想境界であり、実際の設計には物理的な境界は存在しない。
【0035】
図3は、本発明の実施例に係るバックライト制御方法のフローチャートである。図3に示すように、当該方法は、以下のステップを含む。
【0036】
ステップS1において、如何なるパーティション画像について、パーティション画像のグレースケールデータに基づいて、パーティション画像に対応するバックライトパーティションにおけるバックライト源のパルス幅変調(Pulse Width Modulation,PWM)波の初期デューティ比を取得する。
【0037】
ステップS2において、初期デューティ比に基づいて、初期デューティ比に正相関するバックライトパーティションにおけるバックライト源のピーク電流調整係数及びPWM波のデューティ比調整係数を特定する。
【0038】
ステップS3において、ピーク電流調整係数と、予め取得されたバックライトパーティションにおけるバックライト源の初期ピーク電流とに基づいて目標ピーク電流を特定し、デューティ比調整係数と初期デューティ比とに基づいて目標デューティ比を特定する。
【0039】
ステップS4において、バックライトパーティションにおけるバックライト源に目標ピーク電流と目標デューティ比を有するPWM波とを入力する。
【0040】
なお、本発明の実施例の基本的な考え方は、バックライトパーティションにおけるバックライト源に電流とPWM波を入力することにより、電流とPWM波のデューティ比とを乗算して有効電流が得られ、有効電流によりバックライトパーティションにおけるバックライト源の輝度を制御することである。ここで、電流は定電流集積回路から出力され、通常、定電流集積回路から出力される最大電流をピーク電流と称する。すなわち、当該ピーク電流は、本発明の実施例における初期ピーク電流である。本発明の実施例では、定電流集積回路により、バックライトパーティションにおけるバックライト源に一定の電流を入力するため、従来技術において定電圧集積回路によりバックライトパーティションにおけるバックライト源に一定の電圧を入力する設計と比較して、バックライト輝度の均一性を向上させることができる。
【0041】
上記有効電流を得るためには、定電流集積回路によりバックライトパーティションにおけるバックライト源に初期ピーク電流を入力し、PWM波のデューティ比を調整することで実現できる。例えば、初期ピーク電流が1で、必要な有効電流が0.25であると仮定すると、PWM波のデューティ比を25%に設定することにより、0.25の有効電流が得られる。しかし、PWM波のデューティ比の調整シフトは通常限られており、この例において、デューティ比の調整シフトがそれぞれ1%、2%、...、100%である合計100シフトであると仮定すると、バックライトパーティションにおけるバックライト源に1である初期ピーク電流を入力した場合、隣接するデューティシフトに対応する有効電流の差は0.01であり、当該差が大きいため、バックライト輝度の微細化調整が困難となる。
【0042】
上記問題を解決するために、バックライトパーティションにおけるバックライト源に入力される電流を低減させることができ、例えば、初期ピーク電流1から0.25に電流を低減させる。このとき、PWM波のデューティ比を100%に設定することにより、0.25の有効電流が得られる。この場合、隣接するデューティ比シフトに対応する有効電流の差は0.0025に達することができ、0.01よりもはるかに小さいため、上記の場合と比較して、バックライト輝度調整時の繊細さが大幅に向上し、バックライト輝度の微細化調整が実現される。
【0043】
これに基づいて、本発明の実施例では、パーティション画像のグレースケールデータに基づいて、パーティション画像に対応するバックライトパーティションにおけるバックライト源のPWM波の初期デューティ比を取得する。
【0044】
ここで、バックライトパーティションにおけるバックライト源のPWM波の初期デューティ比は、バックライトパーティションに対応するパーティション画像のグレースケールレベルを示すためのものである。初期デューティ比が大きいほど、パーティション画像のグレースケールレベルが高くなり、初期デューティ比が小さいほど、パーティション画像のグレースケールレベルが低くなる。
【0045】
初期デューティ比に基づいて、パーティション画像に対応するバックライトパーティションにおけるバックライト源のピーク電流調整係数と、PWM波のデューティ比調整係数とを特定する。
【0046】
ここで、ピーク電流調整係数とは、バックライトパーティションにおけるバックライト源に入力される定電流集積回路の初期ピーク電流を調整するための係数である。ピーク電流調整係数は、初期デューティ比に正相関する。なお、初期デューティ比が大きいほど、パーティション画像のグレースケールレベルが高くなる。このとき、バックライトパーティションに必要な輝度が大きくなり、バックライトパーティションに必要な有効電流が大きくなるため、ピーク電流調整係数が大きくなり、初期デューティ比が小さいほど、パーティション画像のグレースケールレベルが低くなる。このとき、バックライトパーティションに必要な輝度が小さくなり、バックライトパーティションに必要な有効電流が小さくなるため、ピーク電流調整係数が小さくなる。本発明の実施例において、ピーク電流調整係数は1以下である。
【0047】
初期ピーク電流とピーク電流調整係数とを乗算することにより、調整されたピーク電流、すなわち、バックライトパーティションにおけるバックライト源に入力される本発明の実施例に係る目標ピーク電流が得られる。
【0048】
PWM波のデューティ比調整係数とは、PWM波のデューティ比を調整するための係数である。一般に、電流を切り替える(初期ピーク電流を目標ピーク電流に切り替える)場合、バックライト輝度の不変を保証する必要があるため、ピーク電流係数の逆数をデューティ比調整係数とする。
【0049】
調整前のPWM波のデューティ比、すなわち本発明の実施例に係る初期デューティ比とデューティ比調整係数とを乗算することにより、調整後のPWM波のデューティ比、すなわち本発明の実施例における目標デューティ比が得られる。
【0050】
上記目標ピーク電流と上記目標デューティ比を有するPWM波とをバックライトパーティションにおけるバックライト源に入力することにより、これらに対応する有効電流を発生させ、有効電流によりバックライトパーティションにおけるバックライト源の輝度を制御する。
【0051】
本発明の実施例によれば、パーティション画像のグレースケールレベルに基づいてバックライトパーティションにおけるバックライト源に入力される目標ピーク電流を特定することができる。グレースケールレベルが高いほど、目標ピーク電流が大きくなり、グレースケールレベルが低いほど、目標ピーク電流が小さくなる。これにより、高グレースケールレベルに必要なバックライト輝度を保証するだけではなく、低グレースケールレベルにおけるバックライト輝度の微細化調整を保証することができる。
【0052】
上記実施例に基づいて、本発明の実施例では、上記実施例におけるステップS2について説明する。ステップS2において、初期デューティ比に基づいて、初期デューティ比に正相関するバックライトパーティションにおけるバックライト源のピーク電流調整係数及びPWM波のデューティ比調整係数を特定することは、具体的には、以下のステップを含む。
【0053】
ステップS21において、初期デューティ比に基づいて、バックライトパーティションにおけるバックライト源のピーク電流調整係数を特定する。
【0054】
具体的には、バックライトパーティションにおけるバックライト源のPWM波の初期デューティ比は、バックライトパーティションに対応するパーティション画像のグレースケールレベルを示すためのものである。初期デューティ比が大きいほど、パーティション画像のグレースケールレベルが高くなり、このとき、バックライトパーティションに必要な輝度が大きくなり、バックライトパーティションに必要な有効電流が大きくなる。このため、ピーク電流調整係数が大きくなる。初期デューティ比が小さいほど、パーティション画像のグレースケールレベルが低くなり、このとき、バックライトパーティションに必要な輝度が小さくなり、バックライトパーティションに必要な有効電流が小さくなるため、ピーク電流調整係数が小さくなる。
【0055】
ステップS22において、ピーク電流調整係数の逆数を、バックライトパーティションにおけるバックライト源のPWM波のデューティ比調整係数とする。一般的に、電流を切り替える(初期ピーク電流を目標ピーク電流に切り替える)場合、バックライト輝度の不変を保証する必要があるため、ピーク電流係数の逆数をデューティ比調整係数とする。
【0056】
上記実施例に基づいて、本発明の実施例では、上記実施例におけるステップS21について説明する。ステップS21において、初期デューティ比に基づいて、バックライトパーティションにおけるバックライト源のピーク電流調整係数を特定することは、
予め設定された初期デューティ比区間とピーク電流調整係数との対応関係に基づいて、初期デューティ比が収まる初期デューティ比区間に対応するピーク電流調整係数を、バックライトパーティションにおけるバックライト源のピーク電流調整係数とすることを含む。
【0057】
具体的には、バックライトパーティションにおけるバックライト源のPWM波の初期デューティ比は、バックライトパーティションに対応するパーティション画像のグレースケールレベルを示すためのものである。初期デューティ比が大きいほど、パーティション画像のグレースケールレベルが高くなり、このとき、バックライトパーティションに必要な輝度が大きくなり、バックライトパーティションに必要な有効電流が大きくなるため、ピーク電流調整係数が大きくなる。初期デューティ比が小さいほど、パーティション画像のグレースケールレベルが低くなり、このとき、バックライトパーティションに必要な輝度が小さくなり、バックライトパーティションに必要な有効電流が小さくなるため、ピーク電流調整係数が小さくなる。
【0058】
以上により、ピーク電流調整係数は初期デューティ比に正相関するため、本発明の実施例において、初期デューティ比区間を設定し、異なる初期デューティ比を異なるピーク電流調整係数に対応させる。例えば、それぞれ[0,25%]、(25%,50%]、(50%,75%]、(75%,100%]の四つの初期デューティ比区間を設定し、上記四つの初期デューティ比区間にそれぞれ対応するピーク電流調整係数は0.25、0.5、0.75及び1である。
【0059】
バックライト輝度制御装置には、初期デューティ比区間とピーク電流調整係数との対応関係が予め設定される。バックライト輝度制御装置がバックライト輝度制御方法を実行する場合、パーティション画像に対応するバックライトパーティションにおけるバックライト源のPWM波の初期デューティ比に基づいて、初期デューティ比が収まる初期デューティ比区間を判断し、初期デューティ比が収まる初期デューティ比区間に対応するピーク電流調整係数を、パーティション画像に対応するバックライトパーティションにおけるバックライト源のピーク電流調整係数とする。例えば、パーティション画像に対応するバックライトパーティションにおけるバックライト源のPWM波の初期デューティ比が25%である場合、初期デューティ比区間[0,25%]に対応し、パーティション画像に対応するバックライトパーティションにおけるバックライト源のピーク電流調整係数を0.25と特定する。
【0060】
上記実施例に基づいて、本発明の実施例では、上記実施例におけるステップS4以降のステップについて説明する。ステップS4において、バックライトパーティションにおけるバックライト源に目標ピーク電流と目標デューティ比を有するPWM波とを入力した後に、以下のステップをさらに含む。
【0061】
ステップS5において、初期デューティ比区間とデューティ比調整係数とに基づいて、目標デューティ比区間を特定する。
【0062】
ステップS6において、目標デューティ比区間においてパルス幅変調波のデューティ比を調整することにより、バックライトパーティションにおけるバックライト源の輝度調整を実現する。
【0063】
ここで、ステップS5は、具体的には、以下のステップを含む。
【0064】
ステップS51において、初期デューティ比が収まる初期デューティ比区間における最小端点値を特定する。
【0065】
ステップS52において、最小端点値とデューティ比調整係数とを乗算することにより、最小目標端点値が得られる。
【0066】
ステップS53において、最小目標端点値と100%とからなる区間を目標デューティ比区間とする。
【0067】
例えば、それぞれ[0,25%]、(25%,50%]、(50%,75%]、(75%,100%]の四つの初期デューティ比区間を設定し、四つの初期デューティ比区間にそれぞれ対応するピーク電流調整係数は0.25、0.5、0.75及び1であり、それに応じて、PWM波のデューティ比調整係数は4、2、4/3及び1である。パーティション画像に対応するバックライトパーティションにおけるバックライト源のPWM波の初期デューティ比が25%である場合、初期デューティ比区間[0,25%]における最小端点値0とデューティ比調整係数4とを乗算することにより最小目標端点値0が得られる。そして、最小目標端点値0と100%とからなる区間[0,100%]を目標デューティ比区間として、目標デューティ比区間[0,100%]の範囲において、目標デューティ比を調整することによりバックライトパーティションにおけるバックライト源の輝度を制御する。これにより、低グレースケールレベルにおけるバックライト輝度の微細化調整を保証することができる。
【0068】
上記実施例に基づいて、本発明の実施例では、初期デューティ比区間は、それぞれ[0,25%]、(25%,50%]、(50%,75%]、(75%,100%]であり、それに応じて、ピーク電流調整係数は、それぞれ0.25、0.5、0.75及び1であり、目標デューティ比区間は、それぞれ[0,100%]、(50%,100%]、(66.7%,100%]、(75%,100%]である。
【0069】
本発明の実施例では、具体例と組み合わせてバックライト輝度制御方法を説明する。
【0070】
【表1】
【0071】
表1はバックライト輝度制御方法におけるパラメータの対応関係表である。表1に示すように、パーティション画像のグレースケールデータに基づいて得られる、対応するバックライトパーティションにおけるバックライト源のPWM波の初期デューティ比が[0,25%]区間に収まる場合、ピーク電流係数を0.25として特定し、実際の設計では目標ピーク電流シフトを0.25に対応する00シフトに調整することにより、0.25Imaxの目標ピーク電流が出力される。このとき、電流切り替え時の輝度の不変を保証するために、目標デューティ比が初期デューティ比の4倍であるPWM波を出力する。その後、0.25Imaxの目標ピーク電流で、[0,100%]の目標デューティ比区間において目標デューティ比を調整することにより、0~0.25Pkの範囲におけるバックライト輝度の微細化調整を実現することができる。
【0072】
パーティション画像のグレースケールデータに基づいて得られる、対応するバックライトパーティションにおけるバックライト源のPWM波の初期デューティ比が(25%、50%]区間に収まる場合、ピーク電流係数を0.5として特定し、実際の設計では目標ピーク電流シフトを0.5に対応する01シフトに調整することにより、0.5Imaxの目標ピーク電流が出力される。このとき、電流切り替え時の輝度の不変を保証するために、目標デューティ比が初期デューティ比の2倍であるPWM波を出力する。その後、0.5Imaxの目標ピーク電流で、(50%、100%]の目標デューティ比区間において目標デューティ比を調整することにより、0.25Pk~0.5Pkの範囲におけるバックライト輝度の微細化調整を実現することができる。
【0073】
パーティション画像のグレースケールデータに基づいて得られる、対応するバックライトパーティションにおけるバックライト源のPWM波の初期デューティ比が(50%、75%]区間に収まる場合、ピーク電流係数を0.75として特定し、実際の設計では目標ピーク電流シフトを0.75に対応する10シフトに調整することにより、0.75Imaxの目標ピーク電流が出力される。このとき、電流切り替え時の輝度の不変を保証するために、目標デューティ比が初期デューティ比の4/3倍であるPWM波を出力する。その後、0.75Imaxの目標ピーク電流で、(66.7%、100%]の目標デューティ比区間において目標デューティ比を調整することにより、0.5Pk~0.75Pkの範囲におけるバックライト輝度の微細化調整を実現することができる。
【0074】
パーティション画像のグレースケールデータに基づいて得られる、対応するバックライトパーティションにおけるバックライト源のPWM波の初期デューティ比が(75%、100%]区間に収まる場合、ピーク電流係数を1として特定し、実際の設計では目標ピーク電流シフトを1に対応する11シフトに調整することにより、Imaxの目標ピーク電流が出力される。このとき、電流切り替え時の輝度の不変を保証するために、目標デューティ比が初期デューティ比と等しいPWM波を出力する。その後、Imaxの目標ピーク電流で、(75%、100%]の目標デューティ比区間において目標デューティ比を調整することにより、0.75Pk-Pkの範囲におけるバックライト輝度の微細化調整を実現することができる。
【0075】
上記実施例に基づいて、本発明の実施例では、バックライト輝度制御方法の完全フローについて説明する。図4に示すように、図4は、本発明の実施例に係るバックライト制御方法の完全フローチャートである。
【0076】
ステップ101において、パーティション画像のグレースケールデータに基づいて、パーティション画像に対応するバックライトパーティションにおけるバックライト源のPWM波の初期デューティ比を取得する。
【0077】
ステップ102において、初期デューティ比が25%より大きいか否かを判断する。初期デューティ比が25%以下である場合、目標ピーク電流シフトを00に調整し、パーティション画像に対応するバックライトパーティションにおけるバックライト源に0.25Imaxの目標ピーク電流を出力するとともに、パーティション画像に対応するバックライトパーティションにおけるバックライト源に目標デューティ比が初期デューティ比の4倍であるPWM波を出力する。一方、初期デューティ比が25%より大きい場合、ステップ103を実行する。
【0078】
ステップ103において、初期デューティ比が50%より大きいか否かを判断する。初期デューティ比が50%以下である場合、目標ピーク電流シフトを01に調整し、パーティション画像に対応するバックライトパーティションにおけるバックライト源に0.5Imaxの目標ピーク電流を出力するとともに、パーティション画像に対応するバックライトパーティションにおけるバックライト源に目標デューティ比が初期デューティ比の2倍であるPWM波を出力する。一方、初期デューティ比が50%より大きい場合、ステップ104を実行する。
【0079】
ステップ104において、初期デューティ比が75%より大きいか否かを判断する。初期デューティ比が75%以下である場合、目標ピーク電流シフトを10に調整し、パーティション画像に対応するバックライトパーティションにおけるバックライト源に0.75Imaxの目標ピーク電流を出力とともに、パーティション画像に対応するバックライトパーティションにおけるバックライト源に目標デューティ比が初期デューティ比の4/3倍であるPWM波を出力する。一方、初期デューティ比が75%より大きい場合、目標ピーク電流シフトを11に調整し、パーティション画像に対応するバックライトパーティションにおけるバックライト源にImaxの目標ピーク電流を出力とともに、パーティション画像に対応するバックライトパーティションにおけるバックライト源に目標デューティ比が初期デューティ比と等しいPWM波を出力する。
【0080】
上記実施例に基づいて、本発明の実施例では、上記実施例におけるステップS1について説明する。ステップS1において、パーティション画像のグレースケールデータに基づいて、パーティション画像に対応するバックライトパーティションにおけるバックライト源のPWM波の初期デューティ比を取得することは、パーティション画像のグレースケールデータをデジタルアナログ変換することにより、パーティション画像に対応するバックライトパーティションにおけるバックライト源のPWM波の初期デューティ比が得られることを含む。
【0081】
具体的には、パーティション画像のグレースケールデータは、デジタルデータであり、グレースケールデータをデジタルアナログ変換することにより、パーティション画像に対応するバックライトパーティションにおけるバックライト源のPWM波が得られる。次に、PWM波のデューティ比、すなわち本発明の実施例における初期デューティ比を取得する。
【0082】
上記実施例に基づいて、本発明の実施例では、上記実施例におけるステップS3について説明する。ステップS3において、ピーク電流調整係数と、初期ピーク電流とに基づいて目標ピーク電流を特定し、デューティ比調整係数とPWM波の初期デューティ比とに基づいて目標デューティ比を特定することは、初期ピーク電流とピーク電流調整係数とを乗算することにより、目標ピーク電流が得られ、PWM波の初期デューティ比とデューティ比調整係数とを乗算することにより、目標デューティ比が得られることを含む。
【0083】
上記実施例に基づいて、本発明の実施例によれば、ソフトウェア及び/又はハードウェアによって実現され、バックライト輝度の均一性及び微細化調整を実現するために用いられ、ひいては表示効果が向上するバックライト輝度制御装置がさらに提供される。当該装置は、複数のバックライトパーティションにそれぞれ対応する複数のパーティション画像を含む画像を表示するための表示パネルと、複数のバックライトパーティションを含み、表示パネルにバックライトを供給するバックライトモジュールと、を含む表示デバイスに適用される。図5は、本発明の実施例に係るバックライト輝度制御装置の構造を示す概略図である。図5に示すように、当該装置は、如何なるパーティション画像について、パーティション画像のグレースケールデータに基づいて、パーティション画像に対応するバックライトパーティションにおけるバックライト源のPWM波の初期デューティ比を取得するための初期デューティ比特定モジュール501と、初期デューティ比に基づいて、初期デューティ比に正相関するバックライトパーティションにおけるバックライト源のピーク電流調整係数及びPWM波のデューティ比調整係数を特定するための調整係数特定モジュール502と、ピーク電流調整係数と予め取得されたバックライトパーティションにおけるバックライト源の初期ピーク電流とに基づいて目標ピーク電流を特定し、デューティ比調整係数と初期デューティ比とに基づいて目標デューティ比を特定するための目標特定モジュール503と、バックライトパーティションにおけるバックライト源に目標ピーク電流と目標デューティ比を有するPWM波とを入力するための入力モジュール504と、を含む。
【0084】
なお、本発明の実施例に係る装置は、上記実施例に係る方法を実施するためのものであり、上記実施例では、方法について詳細に説明したので、ここでは装置についての説明を省略する。本発明の実施例に係る装置によれば、定電流集積回路によりバックライトパーティションにおけるバックライト源に一定の電流を入力するため、バックライト輝度の均一性を向上させることができる。パーティション画像のグレースケールレベルに基づいて、バックライトパーティションのバックライト源に入力される目標ピーク電流を特定することができるため、高グレースケールレベルに必要なバックライト輝度を保証することができるだけではなく、低グレースケールレベルにおけるバックライト輝度の微細化調整を保証することができる。
【0085】
上記実施例に基づいて、本発明の実施例では、バックライト輝度制御装置の物理的なハードウェア構造について説明し、バックライト輝度制御装置は、表示デバイスの駆動装置に統合され得る。図6は、本発明の実施例に係る駆動装置の構造を示す概略図である。図6に示すように、駆動装置は、タイミングコントローラ601と、タイミングコントローラ601に電気的に接続され、表示デバイスにおけるバックライトモジュールにも電気的に接続される制御ボード602とを含む。ここで、タイミングコントローラ601は、パーティション画像のグレースケールデータを制御ボード602に入力するためのものである。制御ボード602は、グレースケールデータをPWM波に変換し、PWM波の初期デューティ比、予め設定された初期デューティ比区間、ピーク電流調整係数及びデューティ比調整係数間の関係に基づいて、目標ピーク電流と目標デューティ比とを特定し、目標ピーク電流と目標デューティ比を有するPWM波とを対応するバックライトパーティションにおけるバックライト源に入力する。
【0086】
上記実施例に基づいて、本発明の実施例によれば、上記実施例に係るバックライト輝度制御装置を含む表示デバイスが提供される。上記実施例ではバックライト輝度制御装置について詳細に説明したので、ここでは説明を省略する。
【0087】
なお、当業者は、本願の技術的手段及びその出願概念に従って同等の置換又は変更を行うことができ、これらの変更又は置換のすべては、いずれも本願に添付された請求項の保護範囲に属すべきものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6