(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-29
(45)【発行日】2023-09-06
(54)【発明の名称】呼吸装置を洗浄するための洗浄バスケット
(51)【国際特許分類】
A62B 25/00 20060101AFI20230830BHJP
B08B 3/02 20060101ALI20230830BHJP
B08B 5/04 20060101ALI20230830BHJP
A61M 16/06 20060101ALI20230830BHJP
【FI】
A62B25/00
B08B3/02 A
B08B5/04 A
A61M16/06
(21)【出願番号】P 2021573921
(86)(22)【出願日】2020-08-25
(86)【国際出願番号】 EP2020073715
(87)【国際公開番号】W WO2021037834
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2022-08-29
(31)【優先権主張番号】102019212775.4
(32)【優先日】2019-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】515309438
【氏名又は名称】マイコ マシネンバウ ゲーエムベーハー ウント コンパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シェーラー、マルク
(72)【発明者】
【氏名】シムンディック、マリヤン
(72)【発明者】
【氏名】リングヴァルト、ベルント
(72)【発明者】
【氏名】アンセルム、スタニスラフ
【審査官】飯島 尚郎
(56)【参考文献】
【文献】独国特許発明第102012220646(DE,B3)
【文献】特開2001-027693(JP,A)
【文献】特表2011-521343(JP,A)
【文献】特開2006-314947(JP,A)
【文献】特表2004-528966(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0074882(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102017219763(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62B 7/00-33/00
B08B 3/02
B08B 5/04
A61M16/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸装置(112)を洗浄するための洗浄バスケット(120)であって、
前記洗浄バスケット(120)は、少なくとも1つのバスケットラック(140)を備え、前記洗浄バスケット(120)内で少なくとも1つの保護呼吸マスク(114)を保持するための少なくとも1つのマスクホルダ(122)をさらに備え、少なくとも1つの吸引要素(156)をさらに備え、
前記吸引要素(156)は、少なくとも1つの吸引開口(160)を有し、前記マスクホルダ(122)に保持された前記保護呼吸マスク(114)内に延びるように構成され、
前記吸引要素(156)は、負圧にされ、前記保護呼吸マスク(114)の少なくとも1つの内部空間(148)から前記吸引開口(160)に洗浄流体を吸引するように構成されている、洗浄バスケット(120)。
【請求項2】
前記吸引要素(156)が、少なくとも1つの吸引開口を有する吸引パイプ、少なくとも1つの吸引開口を有する湾曲した吸引パイプ、少なくとも1つの吸引開口を有する吸引チューブ、少なくとも1つの吸引開口を有するU字パイプ、パイプループ、少なくとも1つの吸引開口を有するディスク状吸引要素、少なくとも1つの吸引開口を有するスプーン状吸引要素からなる群から選択される少なくとも1つの要素を有している、請求項1に記載の洗浄バスケット(120)。
【請求項3】
前記吸引要素(156)が、少なくとも部分的に柔軟性を有している、請求項1または2に記載の洗浄バスケット(120)。
【請求項4】
前記吸引要素(156)が、前記保護呼吸マスク(114)の内部空間への導入のための、少なくとも1つの柔軟な舌状部を有し、前記柔軟な舌状部に、少なくとも1つの吸引開口が設けられている、請求項3に記載の洗浄バスケット(120)。
【請求項5】
前記吸引要素(156)が、前記マスクホルダ(122)に接続されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の洗浄バスケット(120)。
【請求項6】
前記洗浄バスケット(120)が少なくとも1つの吸引ライン(164)を有し、前記吸引要素(156)が、前記吸引ライン(164)に流体接続され、前記吸引ライン(164)は、吸引装置(168)の接続のための、少なくとも1つの接続部(166)を有している、請求項1~5のいずれか1項に記載の洗浄バスケット(120)。
【請求項7】
前記吸引装置(168)が、全体的にまたは部分的に前記洗浄バスケット(120)に一体化されている、請求項6に記載の洗浄バスケット(120)。
【請求項8】
前記洗浄バスケット(120)がさらに、少なくとも1つのガス運搬要素(116)に接続可能な少なくとも1つの圧力接続部(188)を有し、前記ガス運搬要素(116)は、前記洗浄流体が前記呼吸装置(112)に供給される間に、圧縮ガスで満たされ得る、請求項1~7のいずれか1項に記載の洗浄バスケット(120)。
【請求項9】
前記洗浄バスケット(120)は、洗浄装置(118)の加圧装置(194)に前記圧力接続部(188)を接続するための、取り外し可能な圧縮ガス接続部(192)を有している、請求項8に記載の洗浄バスケット(120)。
【請求項10】
呼吸装置(112)を洗浄するための洗浄システム(110)であって、前記洗浄システム(110)が、
請求項1~9のいずれか1項に記載の、少なくとも1つの洗浄バスケット(120)と、
少なくとも1つの洗浄装置(118)と
を備え、
前記洗浄装置(118)は、前記少なくとも1つの洗浄バスケット(120)を受容するための、少なくとも1つの洗浄チャンバを有し、前記洗浄装置(118)はさらに、前記呼吸装置(112)に少なくとも1つの洗浄流体を供給するための、少なくとも1つの供給装置(136)を有し、
前記洗浄システム(110)がさらに、前記洗浄バスケット(120)の前記吸引要素(156)に接続可能であり、負圧を生成するように構成された、少なくとも1つの吸引装置(168)を有している、洗浄システム(110)。
【請求項11】
前記洗浄システム(110)は、少なくとも1つの圧力接続部(188)を有する少なくとも1つの加圧装置(194)をさらに備え、前記圧力接続部(188)は、前記呼吸装置(112)の少なくとも1つのガス運搬要素(116)に接続可能であり、前記加圧装置(194)は、前記呼吸装置(112)に前記少なくとも1つの洗浄流体が供給される間に、前記ガス運搬要素(116)に圧縮ガスを満たすように構成されている、請求項10に記載の洗浄システム(110)。
【請求項12】
前記洗浄バスケット(120)が、前記吸引要素(156)を前記吸引装置(168)に接続するための、取り外し可能な接続部(166)を有している、請求項10または11に記載の洗浄システム(110)。
【請求項13】
前記吸引装置(168)は、少なくとも1つのポンプ(170)を備えている、請求項10~12のいずれか1項に記載の洗浄システム(110)。
【請求項14】
前記ポンプ(170)が少なくとも1つのジェットポンプ(172)を有している、請求項13に記載の洗浄システム(110)。
【請求項15】
前記ジェットポンプ(172)が少なくとも1つのベンチュリノズル(174)を有している、請求項14に記載の洗浄システム(110)。
【請求項16】
前記洗浄装置(118)が、前記ベンチュリノズル(174)に接続された圧縮ガスライン(176)を有している、請求項15に記載の洗浄システム(110)。
【請求項17】
前記吸引装置(168)は、前記保護呼吸マスク(114)から吸引された洗浄流体を、前記洗浄装置(118)の流体システムに戻すように構成されている、請求項10~16のいずれか1項に記載の洗浄システム(110)。
【請求項18】
前記吸引装置(168)は、少なくとも1つの液体分離器(184)を有している、請求項10~17のいずれか1項に記載の洗浄システム(110)。
【請求項19】
前記吸引装置(168)は、少なくとも1つの吸引ライン(180)を有し、前記吸引ライン(180)は、前記洗浄バスケット(120)の接続部(166)に接続可能である、請求項10~18のいずれか1項に記載の洗浄システム(110)。
【請求項20】
前記洗浄装置(118)は、少なくとも1つの制御装置(126)を有し、少なくとも2つの異なるプログラム工程を有する洗浄プログラムを実行するように構成され、前記制御装置(126)は、前記洗浄プログラムの少なくとも1つのプログラム工程において、入り込んだ洗浄流体が、前記保護呼吸マスク(114)の少なくとも1つの内部空間(148)から、少なくとも部分的に前記吸引開口(160)へと吸引されるように、前記吸引要素(156)を負圧とする動作を行うように構成されている、請求項10~19のいずれか1項に記載の洗浄システム(110)。
【請求項21】
呼吸装置(112)を洗浄するための方法であって、前記方法は、
a)請求項1~9のいずれか1項に記載の、少なくとも1つの洗浄バスケット(120)を設けること、
b)前記呼吸装置(112)の少なくとも1つの保護呼吸マスク(114)を、前記洗浄バスケット(120)の前記少なくとも1つのマスクホルダ(122)に固定すること、
c)前記少なくとも1つの吸引開口(160)を有する前記吸引要素(156)の少なくとも一部が、内部空間(148)内に突出するように、前記保護呼吸マスク(114)の少なくとも1つの内部空間(148)内に、前記吸引要素(156)を導入すること、
d)前記呼吸装置(112)に少なくとも1つの洗浄流体を供給すること、および
e)前記吸引要素(156)に負圧をかけ、前記吸引開口(160)を介して前記内部空間(148)から洗浄流体を吸引すること
を含む方法。
【請求項22】
前記方法がさらに、
f)前記呼吸装置(112)の少なくとも1つのガス運搬要素(116)に圧縮ガスを満たすこと
を含む、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、呼吸装置または呼吸装置の構成部品を洗浄するための、さらには、呼吸装置または呼吸装置の構成部品を任意で殺菌するための洗浄バスケットに関する。さらに本発明は、呼吸装置を洗浄するための洗浄システム、および呼吸装置を洗浄するための方法に関する。例えば、消防士、技術的援助機関、救急医療隊員などの救急サービス用の呼吸装置、ダイバー用または一般的に過酷で危険な環境で働く人用の呼吸装置、軍隊や例えば警察などの治安部隊の隊員用の呼吸装置のような呼吸装置、またはその構成部品を洗浄するために、そのような装置および方法は一般的に使用されている。提案された装置および方法は、医療分野における呼吸装置、例えば、酸素を供給するためや手術を行うための呼吸マスクにも使用され得る。他の分野での使用も考えられる。
【背景技術】
【0002】
例えば、保護呼吸マスクや呼吸レギュレータなどの呼吸装置は、救急サービス、軍隊、または治安部隊の個人用防護具の一部を一般的に構成している。例えば、様々な用途のための多数の呼吸装置が、先行技術から知られている。例えば、消防士などの救急サービスは、呼吸により取り込まれた空気から有害な成分を取り除くためのフィルタが付いた保護呼吸マスクを使用する。しかし、多くの場合には、呼吸レギュレータと呼ばれるものが、フィルタの代替物として、あるいはフィルタに加えて使用され、使用者が呼吸ガス、すなわち圧縮ガスで換気されるのを可能にする。呼吸器レギュレータとも呼ばれることが多い呼吸レギュレータは、使用者が、圧縮ガスシリンダ、または何らかの圧縮ガス接続部から呼吸をすることを一般的に可能にし、このようにして、水中に、または呼吸が不可能なあるいは有毒な何らかの他の環境下に留まることを可能にする。この目的のために、圧縮ガス接続部から、圧縮ガス、例えば、圧縮空気が、呼吸レギュレータによって、使用者の作業環境で一般的な圧力に調整される。
【0003】
呼吸装置の使用後はその都度、呼吸装置またはその構成部品の洗浄、消毒、乾燥、点検さらには必要であれば修理、および包装を行わなければならないのが一般的である。洗浄は、例えば準備の次の段階のために、使用または保管した結果として生じた汚染物質全てを除去して、肉眼で見える範囲ではきれいでかつ衛生的に満足な状態で、呼吸装置を準備することを意図したものである。例えば、フィルタや呼吸レギュレータなどの呼吸マスクの、例えば追加部品や付属部品などの呼吸装置の他の構成部品にもこれらの要求が適用されるのが一般的である。
【0004】
多くの場合、例えば、呼吸マスクやその付属品などの呼吸装置の洗浄は、保護バッグおよび/またはアダプタを用いて、人間の手で行うか、または改良型のランドリー洗濯機で行う。例えば、特許文献1は、ドラムを用いた槽を有する洗濯機を全般的に開示している。ドラムのシェルは、ドラムの内部に向かって湾曲した構造を有していて、ドラムの外側への湾曲の外側の輪郭の角には孔を設けている。このような洗濯機を使用して、救急サービス用の装備の物品をとくに傷つけることなくきれいにすることが原理的に可能である。
【0005】
特許文献2は、洗濯処理機における保護呼吸マスク用保持システムを開示している。保持システムは支柱部を有していて、支柱部は、洗濯処理機のドラムに配置されてそれによって回転させられ、かつ保護呼吸マスクが支柱部に接続され得る。
【0006】
特許文献3および特許文献4はそれぞれ、保護スーツを処理するための装置を開示している。これらの場合では、柔軟な空気吹き出しノズルを複数備える複数の衣類ハンガーが使用されている。衣類ハンガーはそれぞれ、旋回装置に取り付けられている。呼吸装置の洗浄は、記載されている装置では、一般的に不可能であるか、あるいは困難を伴うだけである。
【0007】
特許文献5も、少なくとも1つの保護スーツを処理するための方法であって、以下のステップを含む方法を記載している。
a)少なくとも1つの処理アダプタを、保護スーツの少なくとも1つの開口に取り外し可能にかつ密封するように接続すること、
b)少なくとも1つの処理アダプタを介して、洗浄消毒流体を保護スーツの内部へと導入して、保護スーツの内部に導入した当該洗浄消毒流体を保護スーツから排出すること、
c)少なくとも1つの処理アダプタを介して、保護スーツを乾燥させるための乾燥ガスを保護スーツの内部へと導入して、保護スーツ内部に導入された当該乾燥ガスを保護スーツから排出すること、および
d)少なくとも1つの処理アダプタを、保護スーツの少なくとも1つの開口から分離すること。
【0008】
特許文献6は、保護呼吸マスクを洗浄するための装置を開示している。当該装置は、閉鎖可能なハウジングと、少なくとも1つの保護呼吸マスクのための少なくとも1つの受容部とを備え、受容部はキャリアに配置されている。ノズルの配置とブラシの配置も行われていて、保護呼吸マスクの移動によって保護呼吸マスクにブラシをかけることが可能である。しかし、開示されている装置では、マスクの付属品を個々に割り当てて個々に洗浄することはできない。さらに、例えば、呼吸レギュレータなどのガス運搬要素を、開示されている装置で洗浄することはできない。特許文献7も、保護呼吸マスクを洗浄、消毒、乾燥するための装置であって、割り当てられたノズルシステムと個々の処理用の場所とを有している搬送フレームを備えた装置を開示している。この装置も、ガス運搬要素と付属品を洗浄するのに原理的には適していない。
【0009】
特許文献8は、圧縮空気呼吸装置のための洗浄装置を開示している。この装置は、保護グリッドが境界となる受容空間と、複数の回転可能なノズル支持部と、を有している。ノズル支持部は、この場合は、保護グリッドの外側に位置している。しかし、この装置が有する欠点は、洗浄液が、ガス導入領域の中へと入り込むことである。
【0010】
対照的に、呼吸装置の繊細な構成要素、例えば、呼吸レギュレータなどの洗浄は、人間の手で行われるのが一般的である。必要であれば、超音波洗浄装置内への配置によって、人間の手による洗浄をアシストすることができる。しかし、特許文献9は、呼吸レギュレータを洗浄するための方法と装置を開示している。この場合においては、洗浄対象の物品は、回転要素のホルダに取り付けられ、洗浄液、消毒液、および濯ぎ液の入った液槽に繰り返し浸される。まず最初に、呼吸レギュレータが、バルブとチューブ接続部との間が密閉されるように圧縮空気で満たされて、その後液体層に浸される。しかし、浸すことによるこのような方法の欠点は、洗浄の後に様々なキャビティから洗浄流体を取り除くことを適切な動きによって保証するために、対応するアクチュエータを有する複雑なホルダが必要となるということである。
【0011】
特許文献10は、保護呼吸マスクを処理するための装置を記載している。保護呼吸マスクを備え付けるための受容部が設けられており、受容部の中では、呼吸装置接続部によって保護呼吸装置が当該受容部に連結されている。処理剤を収集するための収集装置と、処理剤を供給するためのポンプとが、上記装置の区画に設けられている。
【0012】
特許文献11は、麻酔機器の物品の洗浄および除染をするための装置を開示している。ノズルシステムが設けられていて、それによって、高圧のジェット水流を洗浄対象の物品に噴射することができる。
【0013】
特許文献12は、保護呼吸マスクを洗浄するための装置を記載している。この場合では、ハウジングには、回転可能に取り付けられる管状フレームが設けられていて、ハウジング内では、洗浄の対象のマスクが、ホルダ上で広げられる。上記回転フレームによって、保護呼吸マスクが、回転運動をしながら槽内の洗浄液の槽を通るように移動させられる。
【0014】
特許文献13は、呼吸装置を洗浄するための洗浄装置を記載している。洗浄装置は、少なくとも1つの呼吸装置を受容するための少なくとも1つの洗浄チャンバと、および少なくとも1つの洗浄流体を呼吸装置に供給するための少なくとも1つの流体装置も備えている。洗浄装置は、少なくとも1つの圧力接続部を備えた少なくとも1つの加圧装置をさらに有している。圧力接続部は、呼吸装置の少なくとも1つのガス運搬要素に接続可能である。加圧装置は、ガス運搬要素を圧縮ガスで満たすように構成されている。
【0015】
特許文献14は、少なくとも2つのホルダを備えた、呼吸装置を洗浄するためのプロダクトレンジを記載している。この場合、第1のホルダが、加圧装置付きの呼吸マスクを洗浄するために設けられ、また、支持フレームを洗浄するために第2のホルダも設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【文献】欧州特許第0935687号明細書
【文献】欧州特許出願公開第1088928号明細書
【文献】独国実用新案第20003743号明細書
【文献】独国実用新案第29822172号明細書
【文献】独国特許出願公開第102015108857号明細書
【文献】独国特許発明第102005033618号明細書
【文献】独国実用新案第20003744号明細書
【文献】独国特許出願公開第102007009936号明細書
【文献】独国特許発明第102007012768号明細書
【文献】独国特許出願公開第10020835号明細書
【文献】米国特許出願公開第3881503号明細書
【文献】西独国特許第1174169号明細書
【文献】国際公開第2011/144518号
【文献】独国特許発明第102012220646号明細書
【発明の概要】
【0017】
上記の装置や方法によって達成された利点にもかかわらず、多くの技術的課題が残されたままである。呼吸マスクとも呼ばれる保護呼吸マスクの場合における技術的課題については、特に、保護呼吸マスクは、構造的に複雑な設計となる場合が多く、かつ洗浄流体が蓄積するキャビティを有しているということである。洗浄プログラムの間および終了時に、特に、通常はラビリンス状に構成されるシール領域に、洗浄液が集積する。これら液の残留物は、保護呼吸マスクを取り外した後に、人間の手によって洗浄装置から除去しなければならないのが一般的であるが、このような場合には、洗浄を行った呼吸マスクの衛生状態を悪くすることになる場合がある。さらに、人間の手で除去することで、洗浄装置を操作するのにさらなるコストがかかる。対照的に、もし保護呼吸マスクから十分除去されなければ、それに応じて、洗浄装置の内部あるいは、例えば、別の乾燥区画内での次の乾燥の間で、乾燥時間を増加させる。保護呼吸マスクにおける液の残留物に関連したさらなる課題は、特に、保護呼吸マスクが洗浄装置から取り外されたときに液の残留物が作業エリアの床に落ちるということにある。このことにより、作業場所での事故の危険性を生じ得る。
【0018】
発明の目的
したがって、上記した種類の既知の装置や方法の欠点を少なくとも実質的に回避する、洗浄バスケット、洗浄システム、および呼吸装置の洗浄のため、および任意に追加で行われる呼吸装置の消毒のための方法を提供することが望ましい。特に、保護呼吸マスクの衛生化が十分であり、従来の装置や方法と比べて保護呼吸マスクの乾燥が早く、同時に、洗浄流体の漏れ、特に洗浄液の漏れによる事故の危険性が低い、保護呼吸マスクの洗浄を可能にすることが意図されている。
【0019】
発明の概要
本目的は、特許請求の範囲の独立請求項に記載の特徴を有する、洗浄バスケット、洗浄システム、および呼吸装置の洗浄、任意で追加して行われる呼吸装置の消毒のための方法によって、対処される。個々に実現可能な、または任意の所望の組み合わせで実現可能な好適な発展形態は、従属請求項に示されている。
【0020】
以下、「有する」、「備える」、「包含する」、もしくは「含む」という用語、またはそれらから文法的に派生した用語は、包括的に使用される。したがって、これらの用語は、これらの用語によって導入された特徴以外にさらなる特徴が存在しないという状況、またはこれらの用語によって導入された特徴以外に1つまたは複数のさらなる特徴が存在するという状況のいずれにも言及し得る。例として、「AはBを有する」、「AはBを備える」、「AはBを包含する」、または「AはBを含む」という表現は、Bの他にさらなる要素がAには存在しないという状況(すなわち、AはBのみからなるという状況)、またはBに加えて1つまたは複数のさらなる要素、例えば、要素C、要素CおよびDまたはさらに別の要素が、Aに存在するという状況のいずれにも言及し得る。
【0021】
さらに、「少なくとも1つ」、「1つまたは複数の」、およびこれら用語を文法的に改変したものは、1つまたは複数の要素または特徴と結び付けて使用されてかつ要素または特徴をただ1つまたは複数有し得るという事実を表現しようと意図されている場合には、例えば、これら要素または特徴が初めて導入されるときに一般的に1回だけ使用される。これら要素または特徴がそれから再び記述されるときには、対応している用語、「少なくとも1つ」または「1つまたは複数の」は、これら特徴または要素をただ1つまたは複数有し得るという可能性を限定しなければ、通常はもはや使用されない。
【0022】
さらに以下では、「好ましくは」、「特に」、「例えば」、またはこれらに類似する用語は、任意の特徴によって他の実施形態を限定することなく、任意の特徴に結び付けて使用される。この点について、これら用語によって導入された特徴は任意の特徴であり、特許請求項の保護の範囲、特に独立請求項の保護の範囲をこれら特徴によって限定することを意図したものではない。この点について、当業者であれば理解できるように、本発明を他の構成を用いても実施することができる。同様に、「本発明の1の実施形態では」や「本発明の1の例示的な実施形態では」によって導入された特徴は、独立請求項の保護の範囲を限定しない任意の特徴であると理解できる。さらに、これらの導入時の表現は、これらの表現により導入された特徴を、任意または任意ではない他の特徴と組み合わせるあらゆる可能性に影響を及ぼさないことを意図している。
【0023】
本発明の第1の態様では、呼吸装置を洗浄するための洗浄バスケットが提案される。
【0024】
本明細書で使用される「洗浄バスケット」という用語は、「フラッシングバスケット」とも呼ばれ、当業者によって理解されるように、慣習的で一般的な意味が与えられる広義の用語である。この用語は、特定のあるいは適合された意味には限定されない。当該用語は、限定されることなく、特に携帯型受容装置のことを指し、当該携帯型受容装置は、その中に洗浄対象の物品が収容可能であり、その中で洗浄装置、例えば食器洗浄機に当該物品が導入可能であり、その中で洗浄された状態で洗浄装置から当該物品を再度取り外すことができる装置である。あるいは、洗浄バスケットは、例えば常に洗浄装置に取り付けられていてもよい。例えば、洗浄バスケットは、洗浄装置のレールシステムに固定でき、レールシステムを介して洗浄装置の洗浄チャンバ内に押し込まれたり、洗浄の後に洗浄チャンバから再び引き出されたりすることが可能である。さらに、洗浄バスケットは、洗浄対象の物品を一時的に貯蔵するためにも使用できる。洗浄バスケットは、特に複数の開口を有しており、液が下に落ちるようになっている。洗浄バスケットは、特に実質的に立方体の形状を有し、またバスケット底面を有し、当該バスケット底面は、例えば正方形または略長方形の輪郭を有していて、かつ平坦な作業面上に洗浄バスケットを配置するための支持面を有している。任意で、例えば、突出している縁部や例えばハンドルなどのその他のさらなる構成要素とともに、1つまたは複数のバスケット壁がバスケット底面から上方に延びていてもよい。
【0025】
本明細書で使用される「呼吸装置」という用語は、当業者によって理解されるように、慣習的で一般的な意味が与えられる広義の用語である。この用語は、特定のあるいは適合された意味には限定されない。当該用語は、限定されることなく、特に、使用者の呼吸器系を有害な影響から保護するように適切に構成された装置のことを指し得る。例えば、呼吸装置は、周囲の空気の全部または一部濾過するように、および/または呼吸用の空気を少なくとも1人の使用者に供給するように構成された装置であってもよい。これら呼吸装置は、使用準備ができている完全な呼吸装置、またはそうでなければ、これらの構成要素のことであってもよく、以下では、用語によって呼吸装置とその構成要素の区別はしない。
【0026】
呼吸装置は、少なくとも1つの保護呼吸マスクを包含していて、保護呼吸マスクは呼吸マスクとも呼ばれる。本明細書で使用される「保護呼吸マスク」という用語は、当業者によって理解されるように、慣習的で一般的な意味が与えられる広義の用語である。この用語は、特定のあるいは適合された意味には限定されない。当該用語は、限定されることなく、特に、呼吸装置の構成要素である装置であって、使用者の顔全体またはその一部、特に口や鼻を覆うように構成された装置のことを指し得る。使用者の顔全体またはその一部を覆うことは、使用者の呼吸器を有害物質から保護するのに、および/または呼吸用の空気を呼吸器内へと送るおよび/または呼吸器から送るのに役立ち得る。保護呼吸マスクは、使用者の顔および/または頭の他の部分、例えば眼をさらに覆うことが可能である。したがって、保護呼吸マスクは、特に、少なくとも1つの透明な視認窓も有していてもよい。保護呼吸マスクは、保護呼吸マスクの内部空間を外部から密閉するための、少なくとも1つのシール部をさらに有していてもよく、例えば、保護呼吸マスクの使用中では、保護呼吸マスクそれ自体、使用者の頭部、および保護呼吸マスクのシール部によって、保護呼吸マスクの内部空間の境界が形成される。特に、保護呼吸マスクは凸型のデザインのものが可能であり、この場合、保護呼吸マスクによって部分的に閉鎖された少なくとも1つのキャビティが形成されていて、当該キャビティの縁は、例えば少なくとも1つのシール部によって形成される。特に、保護呼吸マスクは、全体的にまたは部分的に柔軟に構成される壁であって、口および鼻を覆い、また顔のさらなる部分、例えば眼を任意で覆う壁を有することが可能である。シール部は、顔と保護呼吸マスクとの間の上記内部空間が密閉領域として設計されるように顔に対して保護呼吸マスクを密閉する少なくとも1つのシールリップを特に有している。さらに、保護呼吸マスクは、以下でより詳細に説明するように、使用者の頭部に固定するための少なくとも1つの固定部、例えば少なくとも1つのベルト、少なくとも1つの固定バンド、または複数のバンドから構成され、バンディングまたはウエッビングと呼ばれることが多い留め具、を有している。呼吸マスクは、例えば、少なくとも1つの開口を有することが可能であり、例えば、空気の供給または呼吸用の空気の供給を可能にするように構成され得る。例えば、呼吸用の空気の供給の接続のための少なくとも1つのねじ山を有することが可能である。さらに、保護呼吸マスクは、例えば、少なくとも1つの呼気弁を有していてもよい。保護呼吸マスクは、例えば、柔軟な材料から、特に、少なくとも1つのエラストマー材料、例えば、ゴムおよび/またはシリコンから、全体的にまたは部分的に作製可能である。
【0027】
さらに、呼吸装置は、さらに別の構成要素を備えることが可能である。特に、呼吸装置は、少なくとも1つの以下に記載の構成要素をさらに備えることが可能である。チューブ、バルブ、フィルタ、圧縮空気コンテナ、呼吸レギュレータ、またはこれら構成要素の組み合わせおよび/または他の要素の組み合わせ。
【0028】
本明細書で使用される「洗浄」という用語は、当業者によって理解されるように、慣習的で一般的な意味が与えられる広義の用語である。この用語は、特定のあるいは適合された意味には限定されない。当該用語は、限定されることなく、特に、洗浄対象の物品において肉眼で見える不純物の付着をなくす、または微細な不純物の付着さえもなくす作業、および/またはそのような不純物を部分的に除去する作業を指し得る。加えて、消毒効果を任意に達成することも可能である。
【0029】
呼吸装置を洗浄するための、提案する洗浄バスケットは、少なくとも1つのバスケットラックを備えている。さらに、洗浄バスケットは、少なくとも1つの保護呼吸マスクを洗浄バスケット内で保持するための少なくとも1つのマスクホルダを備えている。さらに、洗浄バスケットは、少なくとも1つの吸引要素を備えていて、当該吸引要素は、少なくとも1つの吸引開口を有し、マスクホルダによって保持されている保護呼吸マスク内へと延びるように構成されている。吸引要素は、負圧状態にされて、保護呼吸マスクの少なくとも1つの内部空間から吸引開口へと洗浄流体を吸引するように構成されている。この負圧状態は、特に、洗浄流体が呼吸装置に供給される間またはその後に起きる。
【0030】
本明細書で使用される「バスケットラック」という用語は、当業者によって理解されるように、慣習的で一般的な意味が与えられる広義の用語である。この用語は、特定のあるいは適合された意味には限定されない。当該用語は、限定されることなく、特に、バスケット底部と、バスケット底部から延び得る1つまたは複数のさらなるバスケット壁部と、を有し得る、洗浄バスケットの機械的な基本構造を指し得る。バスケットラックは、プラスチックおよび金属からなる群から選択される少なくとも1つの材料から、特にその全体またはその一部が作製され得る。バスケットラックは、例えばその全体またはその一部がワイヤラックとして、例えばワイヤ格子として構成可能である。そのような構成に代えて、または追加的に、バスケットラックは、その全体またはその一部が、プラスチック製のラックとして、例えば、複数の開口を有するプラスチック製のラック、例えばプラスチック製格子としても構成可能である。特に、バスケットラックは、例えば1つまたは複数の開口を有することが可能であり、それによって洗浄流体がバスケットラックの内部から流れ出ることが可能である。バスケットラックは、例えばその全体またはその一部が、例えば長方形の支持面を備えた立方体基礎構造を有することが可能である。
【0031】
本明細書で使用される「マスクホルダ」という用語は、当業者によって理解されるように、慣習的で一般的な意味が与えられる広義の用語である。この用語は、特定のあるいは適合された意味には限定されない。当該用語は、限定されることなく、特に洗浄作業中に、少なくとも1つの保護呼吸マスクを保持するように構成された装置のことを指し得る。マスクホルダは、洗浄バスケットから、とくに洗浄バスケットの底部および/または洗浄バスケットの壁部から、例えば洗浄バスケットの内部空間へおよび/または洗浄バスケットから上方へと延びている少なくとも1つの突起部を有することが可能であり、当該突起部は、特に洗浄バスケットの底部から間隔を空けて、少なくとも1つの保護呼吸マスクを保持および/または固定するように構成されている。マスクホルダは、例えばその全体またはその一部が、少なくとも1種類のプラスチックおよび/または少なくとも1つの金属材料から作製可能である。マスクホルダは、その全体またはその一部がバスケットラックに接続されるか、さもなければバスケットラックと一体的に形成される。
【0032】
本明細書で使用される「吸引要素」という用語は、当業者によって理解されるように、慣習的で一般的な意味が与えられる広義の用語である。この用語は、特定のあるいは適合された意味には限定されない。当該用語は、限定されることなく、特に、吸引動作、特に負圧状態にすることによって特定の領域から少なくとも1の流体を除去するように構成された装置または構成要素のことを指し得る。特に、吸引要素は、パイプ、チューブ、およびチャネルからなる群から選択される少なくとも1つの要素を有することが可能であり、当該要素は、流体がそれを通って当該要素に入る少なくとも1つの開口を有し、当該要素自体は、負圧状態にされ得る。例えば、当該要素は、少なくとも1つの負圧発生源または真空源への接続部を少なくとも1つ有していてもよいし、または少なくとも1つの負圧発生源または真空源に接続するための、少なくとも1つの接続部を有していてもよく、当該接続部は、吸引開口とも呼ばれる上記少なくとも1つの開口に流体接続される。
【0033】
したがって、本明細書で使用される「吸引開口」という用語は、当業者によって理解されるように、慣習的で一般的な意味が与えられる広義の用語である。この用語は、特定のあるいは適合された意味には限定されない。当該用語は、限定されることなく、特に、吸引要素の壁部の開口を指すことができ、当該開口を通って吸引要素の、負圧状態とされ得る内部空間、例えば内腔へと、流体が入る。当該開口は、原理的には、任意の所望の断面、例えば、丸い断面、長円形の断面、または多角形状断面を有することが可能である。例えば、吸引要素の壁部には、単一の開口が設けられていてもよいし、複数の開口が設けられていてもよい。例えば、少なくとも1つの吸引開口は、吸引要素のパイプ、チューブまたはチャネルに少なくとも1つの流路開口を含み得る。
【0034】
吸引要素は、その全体またはその一部がマスクホルダに接続され得るか、またはマスクホルダに一体化され得る。したがって、例えば、吸引要素は、マスクホルダの構成部品として形成されてもよいし、マスクホルダに固定接続されてもよいし、マスクホルダに取り外し可能に接続されてもよい。しかし、代替的または追加的に、吸引要素は、全体的または部分的に、洗浄バスケットの他の構成要素に固定接続あるいは取り外し可能に接続されてもよいし、全体的または部分的に、洗浄バスケットの他の構成部品に一体化されてもよい。したがって、吸引要素は、バスケットラックに接続されてもよい。ここでは、固定接続または取り外し可能な接続が考えられる。例えば、吸引要素は、洗浄バスケットの、例えば洗浄の目的で取り外されるべき1つまたは複数の他の部品、例えば、バスケットラック、マスクホルダに取り外し可能に接続されるように構成されてもよい。
【0035】
上で説明したように、吸引要素は、マスクホルダによって保持される保護呼吸マスクの中へと延びるように構成されている。したがって、吸引要素は、特に、例えば、縦方向の長さが横方向の長さの少なくとも2倍、例えば少なくとも3倍の長さを有する細長い要素を有していてもよい。特に、したがって、吸引要素は、保護呼吸マスクの少なくとも1つの内部空間内へと延びるように、例えばチューブもしくはパイプまたはさもなければチューブまたはパイプのループとして構成されていてもよい。空間的には、保護呼吸マスクがマスクホルダに収容にされたときに、吸引要素が、例えば、マスクホルダに面する保護呼吸マスクの壁部によって形成される内部空間の中へと延びるように、吸引要素は、特に、マスクホルダの中から外へ突出するあるいはマスクホルダから突出するように配置され得る例えば。吸引要素は、以下でより詳細に説明するように、剛性を有してもよいし、柔軟に構成されてもよく、したがって、吸引要素は、例えば柔軟に内部の空間に導入可能であり、例えば、具体的には、洗浄流体を空間内で吸引するために保護呼吸マスクのシール部の箇所の空間に導入可能である。
【0036】
さらに、上で説明したように、吸引要素は、負圧がかけられるように構成されている。上に説明したように、このように負圧をかけること、したがって少なくとも1の洗浄流体の呼吸装置への供給の間の、あるいは洗浄流体の供給後の吸引動作が、例えば、乾燥ステップの間または乾燥ステップの前に行われる。吸引要素に負圧をかけることによって、洗浄流体は、保護呼吸マスクの少なくとも1つの内部空間から吸い出されて吸引開口へと吸い込まれる。この目的のために、吸引要素は、上に説明したように、例えば吸引要素の壁部によって囲まれた内腔、例えば吸引要素のパイプ、チューブ、またはチャネルの内腔を有し得る。吸引開口は、例えば、内腔を囲む壁部を貫通し得て、したがって、洗浄流体は、吸引開口を通って、内腔に流入することができる。内腔は、特に細長であってもよい。少なくとも1つの接続点、例えば、少なくとも1つのポートまたは別のタイプの接続点において、内腔は、真空源とも呼ばれる少なくとも1つの負圧源に接続可能である。
【0037】
本明細書で使用される「洗浄流体」という用語は、当業者によって理解されるように、慣習的で一般的な意味が与えられる広義の用語である。この用語は、特定のあるいは適合された意味には限定されない。当該用語は、限定されることなく、洗浄対象の物品に当たると、洗浄作用を発揮する液体を指し得る。したがって、以下では、他の流体媒体の使用を制限することなく、「洗浄液」という用語も、「洗浄流体」という用語の代わりに使用される。特に、洗浄液は、水性液体、例えば、水、および/または1つまたは複数の添加剤を含有する水、例えば1つまたは複数の、洗浄剤濃縮物、リンス添加剤および/または消毒剤を含有する水を含むことができる。個別の洗浄液を使用したり、あるいは複数の洗浄液を組み合わせて使用したりするようにして、洗浄液は、呼吸装置に供給可能である。もし複数の洗浄液を使用する場合には、別々の洗浄液は同時にまたは続けて供給されてもよい。呼吸装置を収容した洗浄バスケットは、例えば、洗浄装置の洗浄チャンバ内に動かされることなく配置されたままにすることができ、様々な洗浄液および/または洗浄流体を連続的に供給可能である。
【0038】
さらに上述したように。洗浄流体は、水性洗浄流体、少なくとも1つの洗剤溶液を含有する洗浄流体、少なくとも1つの濯ぎ助剤を含有する洗浄流体、少なくとも1つの消毒液を含有する洗浄流体、濯ぎ後用の流体、脱塩水、および加熱された洗浄流体、特に、30℃から70℃の温度、特に好ましくは60℃の温度まで加熱された洗浄流体からなる群から選択される少なくとも1つの洗浄流体を特に含み得る。
【0039】
「洗浄流体が供給される」という用語は、洗浄対象の物品、この場合では呼吸マスクを少なくとも1つの洗浄流体と接触させることを意味することとして、少なくともここでは一般的に理解できる。このことは、例えば、直接的な供給方法で、例えば、散布、滴下、噴霧、または前述した直接的な供給方法および/または他の直接的な供給方法の組み合わせによって行われることができ、この場合では、洗浄流体が、洗浄対象、例えば、呼吸装置および/または呼吸マスクに直接当たる。この供給方法のこの構成は、特に、固定式の洗浄チャンバに使用され得る。あるいは、または追加的に、洗浄チャンバ内に収容された洗浄対象の物品が洗浄チャンバの少なくとも1つの位置で洗浄流体と接触するように、洗浄チャンバが洗浄流体で完全にまたは部分的に満たされるようにして、供給が行われてもよい。このような供給の構成は、洗浄チャンバを可動式のもの、例えばドラムの形態のものとして構成する場合に、特に使用できる。上記した種類の供給および/または他の種類の供給の組み合わせも可能である。洗浄チャンバが固定式に構成されているかあるいは可動式に構成されているかには関係なく、洗浄対象の物品、例えば呼吸装置および/または呼吸マスクに洗浄流体を1回供給するだけで、簡単な動作モードで洗浄流体を供給できる。しかし、あるいは、または追加的に、洗浄流体を洗浄対象の物品に繰り返し供給することによって、洗浄を循環動作モードで行うことも可能である。そのような循環動作モードや循環回路は、例えば従来技術の洗濯機から知られている。
【0040】
吸引要素は、少なくとも1つ吸引開口を備えた吸引パイプ、特に湾曲した吸引パイプと、少なくとも1つの吸引開口を備えた吸引チューブと、少なくとも1つの吸引開口を備えたU字パイプと、パイプのループと、少なくとも1つの吸引開口を備えたディスク状の吸引要素と、少なくとも1つの吸引開口を備えたスプーン状の吸引要素と、からなる群から選択される少なくとも1つの要素を特に有することが可能である。異なる形態が原理的に可能である。例えば、異なるパイプ形状または筒状の要素が原理的に可能である。代替的または追加的に、パイプ形状を有していないが、例えば少なくとも1つの吸引開口と、それによって洗浄流体が吸引できる少なくとも1つの内部構造と、を有している1つまたは複数の吸引要素も使用可能である。例えば、上で説明したように、それを介して洗浄バスケット内に保持されるか収容されるディスク状またはスプーン状の要素が考えられる。この要素は、例えば最下点に、少なくとも1つの吸引開口を有することが可能であり、洗浄流体は、例えば内部空間全体を介して、または一体化されたチャネルを介して、吸引され得る。
【0041】
上で説明したように、吸引要素は、少なくとも部分的に、例えば、少なくとも複数の部分において、柔軟に、特に弾性を有するように構成されている。したがって、吸引要素は、例えば、変形可能となるように構成可能であり、例えば、手で加えられた力によって変形させることが可能である。この変形は塑性変形または弾性変形であり得る。吸引要素は、したがって、例えば塑性的にまたは弾性的に変形または曲げることが可能な金属性のパイプまたはプラスチック製のパイプから作製可能である。変形を可能にするために、例えば、伸縮ベローズを使用することも考えられる。
【0042】
保護呼吸マスクの内部空間の中への導入のために、特に、吸引要素は、少なくとも1つの吸引パイプおよび/または少なくとも1つの柔軟な舌状部を有することが可能である。上記舌状部は、例えば、案内ループとして、または吸引要素のパイプまたはチューブの湾曲した端部として、設計され得る。特に、少なくとも1つの吸引開口が柔軟な舌状部に設けられて、柔軟な舌状部が保護呼吸マスクの内部空間内へと延びるときに当該吸引開口が保護呼吸マスクの内部空間内に配置されるようになっている。代替的または追加的に、柔軟性がその形状またはその材料に起因するだけでなく、剛性を有する吸引要素が弾力的または弾性的に取り付けられ、それによって呼吸マスクの内部空間に容易に導入できるように、吸引要素が構成されることも可能である。
【0043】
吸引要素は、特に、マスクホルダに直接的または間接的に接続可能であり、特に、マスクホルダに少なくとも部分的に組み込むことができる。特に、吸引開口が、バスケットラックとバスケットラックから最も遠くに突出するマスクホルダの先端との間に配置されるように、吸引要素は、マスクホルダに一体化され得る。このことは、洗浄流体が重力によって収集される箇所となる、保護呼吸マスクの内部の中の可能な限り最も低い箇所に吸引開口を配置するのに特に役立ち得る。
【0044】
バスケットラックは、上で説明されているように、特に、少なくとも1つのラック底部と、複数のラック壁部と、を有し得る。ラック底部および/またはラック壁部は、少なくとも1つの金属材料および/または少なくとも1つのプラスチック材料から全体的にまたは部分的に作製され得る。マスクホルダおよび吸引要素は、バスケットラックに固定接続可能であるか、またはバスケットラックに取り外し可能に接続可能である。
【0045】
特に、マスクホルダは、バスケットラックから突出する少なくとも1つの突起部を有することが可能である。保護呼吸マスクは、例えば、上記突起部に取り付けられるか広げられ得る。
【0046】
傷つきやすい保護呼吸マスクが広げられたときに鋭い角によって当該保護呼吸マスクを損傷させないために、マスクホルダは、特に、例えば丸みを帯びたワイヤから作製されたワイヤラックを有することが可能である。ワイヤラックは、金属材料から形成されてもよいし、プラスチック材料から形成されてもよい。
【0047】
洗浄バスケットは、特に少なくとも1つの吸引ラインを有することができる。上記吸引ラインは、例えば、パイプ、チューブ、またはチャネルとして設計可能であり、例えば、バスケットラックに固定接続されるか、またはさもなければ、バスケットラック、例えばバスケットラックのバスケット底面に一体化され得る。吸引要素は、吸引ラインに流体接続され得る。例えば、吸引要素は、吸引ラインと一体的に接続されてもよいし、吸引ラインとは独立に構成されて流体接続されてもよい。特に、吸引要素の内腔は、吸引ラインの内腔に接続可能である。吸引ラインは、特に、全体的または部分的に洗浄要素の構成部品となる吸引要素の接続のため、特に取り外し可能な接続のための、少なくとも1つの接続部を有することが可能である。したがって、上記少なくとも1つの接続部は、例えば、圧力ポートまたはスクリュー接続部を有することが可能であり、洗浄バスケットが導入されるか既に導入され得る洗浄装置の真空ライン部が、当該圧力ポートまたはスクリュー接続部に接続される。圧力ポートは、例えば、迅速に動作する閉鎖部、例えばバヨネット式閉鎖部を有することが可能である。
【0048】
少なくとも1つの吸引ラインが接続可能であり、かつ以下により詳細に記載される吸引装置は、全体的にまたは部分的に、少なくとも1つの洗浄バスケットを収容する洗浄装置に一体化され得る。しかし、代替的または追加的に、吸引装置は、少なくとも部分的に、洗浄バスケットに一体化されてもよい。例えば、以下に詳細に記載されるベンチュリノズルなどの吸引装置の構成部品は、洗浄バスケット上にまたは洗浄バスケット内に直接位置することが可能であり、例えば、バスケットラックに接続され得るか、またはバスケットラックに一体化され得る。この場合、例えば、洗浄バスケットと全体的にまたは部分的に一体化され得るか、または固定接続または取り外し可能な接続が考えられるときには洗浄バスケットに固定接続されるか取り外し可能に接続される上記の吸引装置に、吸引ラインは、直接的にまたは間接的に接続させることが可能である。
【0049】
吸引装置が全体的または部分的に、洗浄バスケットに一体化される場合には、洗浄装置は、例えば、吸引装置を支持または作動させることが可能であるか、または、吸引装置にエネルギーを供給することが可能である。特に、例えば、吸引装置が少なくとも1つのポンプ、例えば、ベンチュリノズルを有している場合、吸引装置は、洗浄装置によって圧縮空気が充填されるように構成可能である。この場合、洗浄装置の一部への負圧の供給は、必ずしも必要ではない。
【0050】
吸引装置の、洗浄装置への全体的または部分的な一体化は、設置スペースの点でも利点がある。例えば、吸引装置用のスペースが、洗浄装置それ自身の中で節約され得る。
【0051】
吸引装置が全体的または部分的に洗浄装置に一体化される構成は、洗浄対象の物品の種類に応じて当該物品を収容する目的で、特に有用である。例えば、本発明に基づく洗浄バスケットには、保護呼吸マスク、または装着可能な他の保護マスク、例えば特許文献13に記載されているような、呼吸レギュレータが装着され得る。後者の場合では、洗浄装置が、圧縮装置、例えば圧縮空気源を既に有しており、この圧縮装置が、吸引装置を動作させるために使用され得る例えば。このとき、洗浄装置の制御装置を使用して、例えば、対応する洗浄プログラムを選択することによって、例えば、上流に接続されたバルブによって、加圧工程の所望の時間的順序で作動され得る。例えば、呼吸レギュレータの洗浄の間では、加圧が連続的に行われる一方で、保護呼吸マスクの洗浄の間では、加圧、したがって吸引装置の動作は、例えば濯ぎ作業の最終段階のみで行われる。
【0052】
本明細書で提案された洗浄バスケットを含め、複数の異なるタイプの洗浄バスケットを洗浄装置に使用することが可能である。洗浄バスケット、特にここで提案された洗浄バスケットが、例えば、少なくとも1つの識別部を有することも考えられる。当該少なくとも1つの識別部は、例えば、少なくとも1つの、光学式、電気式、または磁気式の識別部、例えば、バーコードまたはRFIDラベルを備え得る。例えば電磁カムスイッチを用いた純粋に機械式のコーディングやスキャニングも考えられる。一般的に、洗浄装置は、例えば、洗浄バスケットを識別し、例えば、それに応じて、例えば特に制御装置による制御によって洗浄プログラムを選択および/または適合させるように構成することができる。この識別は、例えば、洗浄装置の少なくとも1つのセンサを介して行われる。
【0053】
上述したように、呼吸装置の保護呼吸マスクを通った洗浄流体を保護呼吸マスクの内部空間から吸引するために、洗浄バスケットは、吸引要素を有して構成される。しかし、さらに、例えば、特許文献13に記載されているように、洗浄流体を用いた洗浄の間に、加圧によって呼吸装置の少なくとも1つのガス運搬要素を保護するようにさらに構成され得る。したがって、洗浄バスケットは、呼吸装置の少なくとも1つのガス運搬要素に接続可能な少なくとも1つの圧力接続部を有することが可能であり、洗浄流体が呼吸装置に供給される間に、ガス運搬要素には、圧縮空気が充填され得る。このようにして、保護呼吸マスクの内部空間からの、意図せずに入り込んだ洗浄流体の吸引を、少なくとも1つのガス運搬要素、例えば、呼吸レギュレータにおいて、意図せずに入り込んだ洗浄流体を防ぐことと組み合わせることができる。さらに、呼吸装置への機械式の接合、特にクイックカップリングおよび/またはねじをもたらすために、圧力接続部は、特に、形状嵌合および/または圧力嵌めの接合要素を少なくとも1つ備えている。洗浄バスケットは、特に、洗浄装置の加圧装置、特に、洗浄バスケットが導入される洗浄装置の加圧装置に、圧力接続部を接続するための取り外し可能な圧縮空気接続部を有している。
【0054】
上述したように、圧力接続部は、特に吸引装置が全体的または部分的に、洗浄バスケットに一体化されるときに吸引のためにも使用され得る。したがって、圧力接続部は、複数の機能を有している。
【0055】
上述したように、洗浄バスケットは、少なくとの1つの保護呼吸マスクを有する呼吸装置、任意には少なくとも1つのガス運搬要素を有する呼吸装置を洗浄するように構成されている。しかし、洗浄バスケットは、追加で、呼吸装置のさらなる構成部品を洗浄するようにも追加的に構成され得る。したがって、特に、洗浄バスケットに、呼吸装置の複数の小部品を受容するための少なくとも1つの小部品用バスケット、特に、バスケットカバーを備えた閉鎖可能な小部品用バスケットが、追加的に配置されてもよい。
【0056】
本発明のさらなる態様では、呼吸装置を洗浄するための、特に、少なくとも1つの保護呼吸マスクを有する呼吸装置、任意で少なくとも1つの呼吸レギュレータを有する呼吸装置を洗浄するための洗浄システムが提案される。洗浄システムは、
本発明の、例えば、上記構成の1つまたは複数による、および/または以下にも記載されている1つまたは複数の実施形態による、少なくとも1つの洗浄バスケットと、
少なくとも1つの洗浄装置とを備え、
洗浄装置は、少なくとも1つの洗浄バスケットを受容するための、少なくとも1つの洗浄チャンバを有し、洗浄装置はさらに、呼吸装置に少なくとも1つの洗浄流体を供給するための、少なくとも1つの供給装置を有している。
洗浄システムがさらに、洗浄バスケットの吸引要素に接続可能であり、負圧を生成するように構成された、少なくとも1つの吸引装置を有している。上述したように、本明細書において、吸引装置は、全体的または部分的に、洗浄装置に一体化され得る。代替的または追加的に、吸引装置は、全体的または部分的に、洗浄バスケットに一体化されてもよい。
【0057】
本明細書で使用される「洗浄システム」という用語は、当業者によって理解されるように、慣習的で一般的な意味が与えられる広義の用語である。この用語は、特定のあるいは適合された意味には限定されない。当該用語は、限定されることなく、特に、システム、すなわち、機能的に相互作用する少なくとも2つの構成要素の全体、上記の定義の意味の範囲内で洗浄に有用な上記のシステムのことを指し得る。
【0058】
ここで使用されているような「洗浄装置」という用語は、当業者によって理解されるように、慣習的で一般的な意味が与えられる広義の用語である。この用語は、特定のあるいは適合された意味には限定されない。当該用語は、限定されることなく、特に、付着した肉眼で見える不純物または付着した微細な不純物を洗浄対象の物品から除去するように構成された、またはそのような不純物を少なくとも部分的に除去するように構成された装置のことを指すことができる。さらに、任意で消毒効果が引き起こされ得る。以下でさらに説明するように、洗浄装置は、洗浄機、特に食器洗浄機としてとして構成され得る。この洗浄機は、ここでは、例えば1槽式洗浄機として、特に、多重回路式濯ぎシステムを備えた商業用の1槽式洗浄機として、ドラム式の機械として、またはフード型の洗浄機、特にパススルー型の洗浄機として構成され得る。水の交換を伴う食器洗浄機は、特に単回路システムと呼ばれるものであるが、このような食器洗浄機も使用できる。あるいは、または食器洗浄機に加えて、異なるタイプの洗浄装置も使用することができる。
【0059】
洗浄装置は、少なくとも1つの洗浄チャンバを備えている。本明細書で使用される「洗浄チャンバ」という用語は、当業者によって理解されるように、慣習的で一般的な意味が与えられる広義の用語である。この用語は、特定のあるいは適合された意味には限定されない。当該用語は、限定されることなく、特に、完全にまたは部分的に閉鎖されたチャンバであって、その内部で洗浄が完全にまたは部分的に行われるチャンバのことを指すことができる。洗浄チャンバは、特に、当該洗浄チャンバを全体的にまたは部分的に囲む少なくとも1つのハウジングを有し得る。本明細書では、単一の洗浄チャンバが設けられているが、原理的には、例えば、複数の洗浄チャンバが連続して設けられていてもよい。洗浄チャンバは、例えば、洗浄対象の物品を洗浄チャンバ内に入れるための少なくとも1つの開口を有している。例えば、この1つの開口には、洗浄チャンバの前側および/または洗浄チャンバの上側に配置された蓋部が設けられている。あるいは、例えば、フード型食器洗浄機またはプッシュススルー型の洗浄機と呼ばれるものの範囲内で、洗浄チャンバを閉鎖するためのフードも可能である。他の構成も原理的に可能である。
【0060】
洗浄チャンバは、少なくとも1つの洗浄バスケットを受容するように構成されている。この目的のために、洗浄チャンバは、例えば、少なくとも1つのバスケット受容部、例えば、洗浄バスケットを押し入れることが可能な少なくとも1つのレール、および/または、それによって洗浄チャンバ内へ、洗浄チャンバ外へ、または洗浄チャンバを通ってバスケットが輸送できる少なくとも1つの保持装置または輸送装置、を有することが可能である。
【0061】
洗浄装置は、呼吸装置に少なくとも1つの洗浄流体を供給するための少なくとも1つの供給装置をさらに有し得る。供給装置は、特に、洗浄チャンバ内で洗浄装置に少なくとも1つの洗浄流体を供給するように構成され得る。供給装置は、例えば、少なくとも1つの洗浄流体を受容するための少なくとも1つのタンクと、例えば、1つまたは複数のノズルと、を有している。特に、供給装置は、例えば、洗浄チャンバ内に受容される少なくとも2つのノズルを有し得る。さらに、供給装置は、例えば少なくとも1つのノズルに洗浄流体を輸送するための1つまたは複数のポンプや、1つまたは複数のパイプラインなど、他の要素をさらに有し得る。供給装置は、特に洗浄装置の少なくとも1つの制御装置によって制御され得る。
【0062】
本明細書で使用される「供給装置」という用語は、当業者によって理解されるように、慣習的で一般的な意味が与えられる広義の用語である。この用語は、特定のあるいは適合された意味には限定されない。当該用語は、限定されることなく、特に、それによって少なくとも1つの洗浄流体、特に少なくとも1つの洗浄液が、洗浄チャンバ内で洗浄対象の物品に供給され得る、基本的には任意の所望の装置のことを指し得る。供給装置は、例えば、少なくとも1つのノズルと、例えば、洗浄対象の物品の上および/または下に配置され得る1つまたは複数のノズルアームとを備えた少なくとも1つのノズルシステムを有している。さらに、供給装置は、洗浄液をノズルシステムに供給するための、少なくとも1つのポンプと少なくとも1つの伝達システムとを備え得る。例えば、ノズルシステムと、タンクから洗浄流体を供給するためのラインシステムと、さらには少なくとも1つの対応するポンプとが設けられてもよい。代替的または追加的に、例えば、少なくとも1つのノズルシステムは、この目的のために必要なポンプを用いることなく、供給ラインから供給されてもよい。洗浄装置は、特に、洗浄タンクと濯ぎタンクという2つのタンクを有する洗浄装置として構成され得る。したがって、供給装置は、特に、洗浄システムと濯ぎシステムとを備えていてもよく、例えば、洗浄システムは、洗浄タンクと、洗浄ノズルシステムと、さらに、洗浄ラインシステムと、洗浄ポンプ、例えば再循環ポンプと、を有していてもよい。濯ぎシステムは、例えば、洗浄タンクとは異なる濯ぎタンクと、さらに、濯ぎノズルシステムと、濯ぎラインシステムと、任意の構成要素である濯ぎポンプとを有し得る。濯ぎノズルシステムおよび洗浄ノズルシステムは、例えば、全体的にまたは部分的に別々に形成され得る。しかし、これらノズルシステムを、任意で、例えば、全体的または部分的に共通のハウジングに組み合わせることもできる。
【0063】
上述したように、供給装置は、特に、少なくとも1つのノズルを有し得る。上記少なくとも1つのノズルは、特に、スプレーノズルと、濯ぎノズルと、スプレーアーム、特に回転可能なスプレーアームと、再循環動作モードで動作し得るノズルと、からなる群から選択される少なくとも1つのノズルが含まれ得る。
【0064】
例えば、供給装置によって少なくとも1つの洗浄プログラムを実行するために、洗浄装置は、例えば、洗浄装置の少なくとも1つの制御装置によって制御されるように構成可能であり、洗浄対象の物品、例えば、呼吸装置が設置された少なくとも1つの洗浄バスケットが、洗浄チャンバ内で固定された状態で収容され、洗浄流体は、例えば、最初の、少なくとも1つの洗浄流体を用いた少なくとも1つの洗浄ステップ、および、少なくとも1つの濯ぎ流体を使用する少なくとも1つの濯ぎステップなどの、洗浄プログラムのうちの、1つまたは複数の洗浄ステップで、様々な方法で連続的に供給される。洗浄対象の物品が固定された状態で収容されているときに、上記1つの洗浄チャンバへの洗浄流体の供給の下流側で行われる少なくとも1つの乾燥ステップがさらに提供されてもよい。したがって、洗浄装置は、特に、プログラミングされた自動洗浄機として構成され得る。しかし、代替的に、洗浄装置は、例えば、呼吸装置が設置された洗浄バスケットが1つまたは複数の洗浄領域を通って搬送される搬送洗浄装置として、構成されてもよい。
【0065】
本明細書で使用される「タンク」という用語は、当業者によって理解されるように、慣習的で一般的な意味が与えられる広義の用語である。この用語は、特定のあるいは適合された意味には限定されない。当該用語は、限定されることなく、特に、少なくとも1つの流体、特に少なくとも液体を受容するために構成された完全にまたは部分的に閉鎖された容器のことを指し得る。上述したように、上記の少なくとも1つのタンクは、例えば、少なくとも1つの洗浄タンクを有し得る。洗浄流体が洗浄チャンバから洗浄タンクの中へと流れることができるように、当該少なくとも1つの洗浄タンクは、例えば、洗浄チャンバの底部に配置され得るか、またはさもなければ洗浄チャンバの底部に流体接続され得る。例えば、洗浄タンクは、少なくとも1つの濾過部によって洗浄チャンバから分けられている。上記少なくとも1つの洗浄タンクに加えて、上記少なくとも1つのタンクは、1つまたは複数のさらなるタンクをさらに備え得る。したがって、少なくとも1つのタンクは、例えば、洗浄タンクとは別々に形成され得る少なくとも1つの濯ぎタンクを有し得る。例えば、洗浄ステップが洗浄チャンバ内でまだ進行している間に、少なくとも1つの流体が、少なくとも1つの濯ぎタンク内で処理、例えば、温度制御され得る。濯ぎタンクは、例えば、少なくとも1つのボイラーを備え得る。
【0066】
上述したように、洗浄システムは、洗浄バスケットの吸引要素に接続可能であり、負圧を生成するために意図された、少なくとも1つの吸引装置をさらに有している。当該吸引装置は、全体的または部分的に、洗浄バスケットに一体化され得る。しかし、代替的または追加的に、吸引装置は、全体的または部分的に、洗浄装置に一体化されてもよい。
【0067】
本明細書で使用される「吸引装置」という用語は、当業者によって理解されるように、慣習的で一般的な意味が与えられる広義の用語である。この用語は、特定のあるいは適合された意味には限定されない。当該用語は、限定されることなく、特に、対象となる空間から少なくとも1つの流体、特に少なくとも液体を吸引するように構成された基本的には任意の装置のことを指し得る。吸引装置は、特に、少なくとも1つのポンプおよび/または少なくとも1つの真空源を有し得る。吸引装置は、全体的または部分的に、洗浄装置に固定されて一体化され得るか、またはさもなければ吸引装置は、例えば、洗浄装置の真空接続部を有することも可能であり、当該真空接続部によって、洗浄装置は、真空ライン、例えば、現場にある真空ラインに接続される。しかし、代替的または追加的に、洗浄装置はそれ自身、真空源とも呼ばれる少なくとも1つの負圧源、特に、少なくとも1つのポンプを有することも可能である。吸引装置は、洗浄バスケットの吸引要素に固定接続されてもよいし、当該吸引要素に取り外し可能に接続されてもよい。さらに、代替的または追加的に、吸引装置は、全体的または部分的に、例えば、少なくとも1つのベンチュリノズルの形態で、洗浄バスケットに一体化されてもよい。
【0068】
洗浄システムは、少なくとも1つの圧力接続部を備える少なくとも1つの加圧装置を有し得る。加圧装置は、標準圧力よりも大きな圧力、例えば、少なくとも1.5バールの圧力、好ましくは、少なくとも2バールの圧力で、流体、特に気体を供給することができるように構成された装置を意味するものとして、一般的に理解できる。
【0069】
圧力接続部は、加圧装置の任意の所望の接続部であって、当該接続部の接続を介して流体、特に、気体が加圧装置に供給され得る接続部を意味するものとして、原理的に理解できる。特に、この圧力接続部は、洗浄チャンバの内部に配置され得る、および/または洗浄チャンバの内部からアクセス可能である。複数の圧力接続部を設けることも考えられる。
【0070】
圧力接続部は、洗浄チャンバ内の呼吸装置の少なくとも1つのガス運搬要素、好ましくは洗浄チャンバ内の複数の呼吸装置の複数のガス運搬要素に接続可能であることが意図されている。ガス運搬要素は、本明細書では一般的に、人間または動物のユーザによる呼吸器具の使用中に呼吸ガスが充填されるか、または別の方法で呼吸ガスと接触し得る要素を意味すると理解することができる。特に、ガス運搬要素は、呼吸レギュレータおよび/または少なくとも1つのバルブを備えた呼吸チューブであってもよい。特に、ガス運搬要素は、一般的に洗浄流体が供給されるべきではない、少なくとも1つのチューブ、および/または、内部空間を有する少なくとも1つの異なるタイプのガス運搬装置、および/または、洗浄少なくとも1つのバルブを有する要素とすることができる。例えば、ガス運搬要素は、動作中に、通常の圧力よりも高い圧力、例えば1.5バールより高い、特に2バールより高い圧力とされる呼吸装置のガス運搬領域とすることができる。特に、これは、呼吸レギュレータの呼吸器ガス運搬領域とすることができ、ここで、呼吸レギュレータは、原則として、単段の呼吸レギュレータとしてもよいし、多段の呼吸レギュレータとしてもよい。本明細書でのガス運搬要素は、例えば、呼吸レギュレータの第1ステージおよび/または第2ステージおよび/または任意でさらなるステージの一部であってもよく、完全な呼吸レギュレータであってもよい。例えば、ガス運搬要素は、チューブ接続部と、呼吸レギュレータのバルブとの間の領域とすることができ、あるいはガス運搬要素はそのような領域を構成することができる。
【0071】
圧力接続部とガス運搬要素との間の接続は、一般的には、流体接続部、特にガス接続部を意味するものとして理解することができ、加圧装置の圧力下にある流体を、呼吸装置のガス運搬要素内に、特にガス運搬要素の内部空間に、好ましくはこの接続部で流体損失および/または圧力損失が発生することなく移送することができるようになっている。さらに、圧力接続部と呼吸装置のガス運搬要素との間の接続部は、呼吸装置を圧力接続部に固定的に接続することができるように、少なくとも1つの機械的接続部、特に押し込み式および/または非押し込み式の接続部を任意に備えることができる。例えば、ねじ接続および/またはクランプ接続および/またはテンション接続とすることができ、そのために、圧力接続部および/または呼吸装置は、それぞれの場合において、少なくとも1つの機械的接続要素を有することができる。特に、これは、クイックカップリングおよび/またはねじの形態のプラグイン接続、例えば、呼吸レギュレータの呼吸接続用の連結ピースとすることができる。クイックカップリングは、この場合、一般的に、2つの流体運搬部品間の気密性および/または液密性のプラグイン接続部を意味するものとして理解されるべきであり、このプラグイン接続部は、特にねじ留めを使用せずに、例えば、少なくとも1つのクリップおよび/またはバヨネットロックおよび/または、例えばユニオンナットなどのねじ留めによって、簡単かつ迅速な方法で固定および解除可能な機械的固定によって機械的に固定することができる。接続は、特に工具を使わずに行うことができる。特に、圧力接続部は、異なるタイプのガス運搬要素に接続するための、固定式または交換式の複数のアダプタを含んでいてもよい。これらのアダプタによって、複数の異なるガス運搬要素を圧力接続部に直接または間接的に接続することができ、例えば、異なる種類および/または異なるタイプのガス運搬要素、例えば、異なるメーカーまたは製造業者のガス運搬要素を接続することができる。例えば、複数の異なる連結ピース(例えばクイックカップリングの連結ピース)および/またはねじを備えたアダプタのセットが、異なるガス運搬要素の接続のために提供され得る。これらは、例えば、様々なクイックカップリングシステムおよび/または標準的なねじとすることができる。代替的または追加的に、少なくとも1つの圧力接続部は、しかしながら、特定のタイプの接続要素または特定のタイプのガス運搬要素のための固定の圧力接続部として構成することもできる。圧力接続部および/または連結システムが、第一に、相手が接続されていない場合にガスが逃げないように構成されており、この場合、他の媒体、例えば洗浄流体がガス運搬要素に入ることができないように構成されていると、特に有利である。
【0072】
加圧装置は、ガス運搬要素に圧縮ガスを満たすように構成されている。圧縮ガスは、一般的には、標準圧力より高い圧力、すなわち1バールより高い圧力を有する任意の所望のガスを意味するものとして理解できる。特に、圧力は、1.5バールより高い圧力、特に2バールより高い圧力、特に好ましくは3バールより高い圧力とすることができる。特に、加圧装置は、圧縮ガスが充填された呼吸装置の内部空間からすべての洗浄流体を遠ざけるような方法で、圧縮ガスによる加圧が行われるように構成され得る。圧縮ガスは、例えば、圧縮空気または正圧の他のガス状媒体、例えば、窒素、二酸化炭素などとすることができる。特に、圧縮ガスとして、不活性ガスを用いることができる。洗浄装置は、特に、加圧装置を介した加圧が、少なくとも1つの洗浄動作中、例えば、シングルステップまたはマルチステップの洗浄プログラムの少なくとも1つのプログラムステップ中に行われるように構成することができる。特に、圧縮ガスの充填は、洗浄流体が呼吸装置に供給されるのと同時に行うことができる。そのため、圧力接続部は、特に、圧縮ガスの充填と洗浄流体の供給とを同時に行うことができるように、洗浄チャンバ内に配置され得る。
【0073】
加圧装置は、特に、以下からなる群から選択される少なくとも1つの要素を有することができる。
外部の圧縮ガス源、特に現場の圧縮ガスラインおよび/または圧縮ガスボンベに接続するための、少なくとも1つの外部圧力接続部。
洗浄装置に一体化された圧縮ガス源、特に一体化された圧縮ガスボンベおよび/または一体化されたコンプレッサー。
【0074】
上述したように、圧力接続部は、特に、少なくとも1つの押し込み式および/または非押し込み式の接続要素を備えることができる。この接続要素は、ガス密閉接続に加えて、呼吸装置への機械的接続を行うように構成することができる。特に、前記少なくとも1つの接続要素は、少なくとも1つのクイックカップリングおよび/または少なくとも1つのねじを有することができる。一般に、圧力接続部は、特に、全体的または部分的に洗浄バスケットに一体化することができる。洗浄バスケットは、一般に、特に洗浄装置への少なくとも1つの取り外し可能な圧縮ガス接続部を有することができる。加圧装置は、特に、少なくとも1つのバルブ、特に、洗浄装置の制御装置によって作動可能な少なくとも1つのバルブを有することができる。
【0075】
洗浄バスケットは、特に、吸引要素を吸引装置に接続するための少なくとも1つの接続部、例えば、少なくとも1つの取り外し可能な吸引接続部を有することができる。この接続部は、例えば、手動で吸引装置に接続することができ、例えば、吸引接続部が少なくとも1つの取り外し可能な連結要素、例えば、再び述べるが、クイックカップリング、ねじ接続部、またはバヨネットロックを有することによって接続することができる。代替的または追加的に、接続部は、例えば、洗浄バスケットが洗浄装置の洗浄チャンバに導入されたときに、吸引要素の吸引装置への接続が自動的になされるように構成することもできる。したがって、例えば、洗浄バスケットが洗浄チャンバに導入されるときに、洗浄バスケットを、接続部、例えば取り外し可能な吸引接続部を用いて、洗浄装置の吸引ポートまたは吸引開口部に押し付けることができる。例えば、洗浄チャンバが閉じられているときに、接続部と洗浄装置の吸引ポートおよび/または吸引開口部との間に、例えば、洗浄装置の開放装置、例えばドアが洗浄バスケットに押し付けられることによって、押圧接続を行うことができる。
【0076】
上述したように、吸引装置は、特に、全体的または部分的に洗浄装置に一体化された少なくとも1つの真空源を備えていてもよい。しかし、代替的または追加的に、吸引装置は、現場の真空源(例えば真空ライン)に接続可能な少なくとも1つの真空接続部を有していてもよい。特に、吸引装置は、ジェットポンプ、特にベンチュリノズル、ポンプからなる群から選択される少なくとも1つの装置を含むことができる。この装置は、特に、洗浄装置および/または洗浄バスケットに全体的または部分的に一体化されていてもよい。
【0077】
吸引装置は、特に、保護呼吸マスクから吸引された洗浄流体を、洗浄装置の流体システム、特に、洗浄装置の少なくとも1つのタンクに戻すように構成することができる。この目的のために、吸引装置は、特に、保護呼吸マスクの内部空間から吸い出された流体の流れから洗浄流体を分離することができる。したがって、洗浄システム、特に洗浄装置および/または特に吸引装置は、特に、少なくとも1つの液体分離器を備えることができる。
【0078】
吸引装置は、特に、少なくとも1つのバルブを有することができる。これにより、吸引装置は、例えば起動された状態において、動作可能であり、従って、吸引動作は、例えば、特定の時間にのみ実施され得る。少なくとも1つのバルブは、例えば、洗浄装置の制御装置によって制御され得、そのため、例えば、洗浄プログラムの少なくとも1つのプログラムステップの一部として、吸引動作が実行され得る。
【0079】
吸引装置は、特に、少なくとも1つの吸引ラインを有することができ、この吸引ラインは、洗浄バスケットの接続部に接続可能である。上述したように、この吸引ラインは、例えば、手動および/または自動で、洗浄バスケットの少なくとも1つの接続部、例えば、少なくとも1つの吸引接続部、特に吸引要素に接続可能な、少なくとも1つの吸引ポートおよび/または吸引開口を有することができる。
【0080】
上述したように、洗浄装置は様々に構成され得る。したがって、洗浄装置は、単一チャンバの洗浄装置として構成されてもよいし、複数チャンバの洗浄装置として構成されてもよい。また、洗浄装置は、洗浄動作中に洗浄バスケットが洗浄チャンバ内に静止している静止型洗浄装置として構成されてもよいし、洗浄バスケットが洗浄チャンバ内を搬送される搬送型洗浄装置として構成されてもよい。特に、洗浄装置は、単一チャンバ型洗浄機、特に、少なくとも2つのタンクを備えた、業務用の単一チャンバ型洗浄機を備えていてもよい。単一チャンバ型洗浄機は、特に、洗浄チャンバとは別に形成された少なくとも1つの流体タンクを有し、洗浄装置で進行する洗浄プロセスとは無関係に、流体タンク内で少なくとも1つの洗浄流体を調整、特に加熱することが可能である。単一チャンバ型洗浄機は、さらに、例えば洗浄チャンバに接続された少なくとも1つの洗浄タンクを有することができる。代替的に、洗浄装置は、例えば、水交換式洗浄機として構成され、例えば、単に1つのタンクを有し、別個の流体タンクを有さない洗浄機、例えば、単一チャンバ型洗浄機を備えていてもよい。
【0081】
上述したように、洗浄装置は、特に、少なくとも1つの制御装置を有し、少なくとも2つの異なるプログラムステップを有する少なくとも1つの洗浄プログラムを実行するように構成され得る。本明細書で使用される「制御装置」という用語は、当業者が理解するような慣用的かつ一般的な意味を持つ広い用語である。この用語は、特定の意味または適合された意味に限定されない。この用語は、限定されることなく、特に、洗浄装置の単一部分の装置または複数部分の装置を指すことができ、この装置は、洗浄装置の動作を完全にまたは部分的に制御し、および/または調節するように構成されている。特に、制御装置は、洗浄装置の1つまたは複数の動作パラメータ、例えば、少なくとも1つの温度、少なくとも1つの圧力、少なくとも1つのポンプ出力、少なくとも1つのバルブ位置、少なくとも1つの加熱出力、または前述の動作パラメータの2つ以上の組み合わせを変更し、特に制御および/または調節するように構成することができる。制御装置は、特に、少なくとも1つのデータ処理装置、例えば、少なくとも1つのプロセッサを備えていてもよい。制御装置は、例えば、洗浄装置の少なくとも1つの洗浄プログラムを制御または実行するために、特にプログラミングの観点から構成することができる。したがって、制御装置の機能は、部分的にハードウェアで実現することができ、また、代替的または追加的に、完全または部分的にソフトウェアで実現することができる。さらに、制御装置は、少なくとも1つの揮発性および/または不揮発性のデータメモリを備えることができる。さらに、制御装置は、少なくとも1つのインターフェース、例えば、コマンドを入力するためのヒューマン/マシンインターフェース、および/または情報を出力するためのヒューマン/マシンインターフェース、および/または、洗浄装置と少なくとも1つの他の装置との間でデータおよび/またはコマンドを一方向または双方向に交換するための無線または有線のインターフェースを備えることができる。制御装置は、特に、少なくとも1つのコンピュータおよび/または少なくとも1つのプロセッサを備えていてもよい。制御装置は、特に、洗浄装置の中央または分散型のマシン制御装置とすることができる。
【0082】
制御装置は、特に、例えば、洗浄プログラムの少なくとも1つのプログラムステップにおいて、入り込んだ洗浄流体が保護呼吸マスクの少なくとも1つの内部空間から少なくとも部分的に吸引開口に吸引されるように、吸引要素に負圧をかけるように作動するように、プログラミングによって構成され得る。
【0083】
さらなる態様では、呼吸装置を洗浄する方法が提案される。この方法は、以下でより詳細に述べられる複数のステップを含む。これらのステップは、言及される順序で実施することができる。しかし、異なる順序も基本的には可能である。さらに、言及される2つ以上の方法ステップは、時間的に重複して、または同時に実施されてもよい。さらに、言及される方法ステップの1つまたは複数は、1度だけ実施されてもよいし、繰り返し実施されてもよい。方法は、言及されたステップの他に、言及されていない更なる方法ステップを含んでいてもよい。
【0084】
方法は、以下のステップを含む。
a)本発明による、例えば、上述した1つまたは複数の構成による、および/または、以下で説明する1つまたは複数の実施形態による、少なくとも1つの洗浄バスケットを設けること、
b)呼吸装置の少なくとも1つの保護呼吸マスクを、洗浄バスケットの少なくとも1つのマスクホルダに固定すること、
c)少なくとも1つの吸引開口を有する吸引要素の少なくとも一部が、内部空間内に突出するように、保護呼吸マスクの少なくとも1つの内部空間に吸引要素を導入すること、
d)呼吸装置に少なくとも1つの洗浄流体を供給すること、および
e)吸引要素に負圧をかけ、吸引開口を介して内部空間から洗浄流体を吸引すること。
【0085】
方法は、特に、例えば上述した1つまたは複数の構成による、および/または、以下で説明する1つまたは複数の実施形態による、本発明による洗浄装置を使用して実施され得る。したがって、特に、方法ステップd)における供給は、洗浄装置の洗浄チャンバ内で行うことができる。また、ステップe)における負圧をかけることは、洗浄装置によって、または洗浄装置によって制御された方法で行うことができる。可能な構成については、洗浄装置の上述の説明を参照されたい。
【0086】
上述したように、方法ステップe)における吸引は、ステップd)において少なくとも1つの洗浄流体が呼吸装置に供給されている間に、全体的または部分的に行われてもよいし、方法ステップd)に対して時間的に下流側へと全体的または部分的にシフトさせてもよい。特に、方法ステップe)は少なくとも部分的に、方法ステップd)の後に実施され得る。この時間的に下流側へのシフトは、洗浄バスケットが静止した状態で、時間的に下流側にシフトして吸引が開始されるという事実によって行われ得る。代替的には、洗浄バスケットが移動する場合、例えば搬送型洗浄装置の場合、例えば、まず少なくとも1つのゾーンで少なくとも1つの洗浄流体が供給され、続いて少なくとも1つのゾーンで吸引が行われることにより、空間的に下流側への移動が行われ得る。
【0087】
方法は、さらに、以下のステップを含むことができる。
f)呼吸装置の少なくとも1つのガス運搬要素に圧縮ガスを満たすこと。
【0088】
方法ステップf)は、特に、方法ステップd)およびe)の一方または両方と少なくとも一時的に同時に実施され得る。特に、方法ステップf)は、前記方法ステップの一方または両方と時間的に重複して実施され得る。特に、圧縮ガスの充填は、洗浄流体が呼吸装置に供給されるのと同時に行うことができる。
【0089】
方法は、さらに、以下のステップを含むことができる。
g)呼吸装置が乾燥される少なくとも1つの乾燥ステップ。
【0090】
乾燥ステップは、洗浄チャンバ内で行われてもよいし、洗浄チャンバ外で行われてもよい。例えば、乾燥ステップは、洗浄用物品が洗浄チャンバから乾燥用キャビネットなどの乾燥設備に移送されることで行われる。乾燥ステップは、例えば、呼吸装置の加熱、例えば、熱風による乾燥を含むことができる。他の乾燥方法も、例えば食器洗浄機の技術から知られており、例えば凝縮乾燥が挙げられる。方法ステップe)、すなわち、吸引要素に負圧をかけ、洗浄流体を吸引することは、特に、乾燥ステップが実施される前に少なくとも一時的に行われてもよいし、乾燥ステップ中に全体的または部分的に行われてもよい。吸引の後に全体的または部分的に行われる乾燥は、一般的に、前述の吸引よりも効率的に行うことができる。
【0091】
提案された洗浄バスケット、提案された洗浄システム、および呼吸装置を洗浄するための提案された方法は、言及されたタイプの従来の装置および方法に比べて多くの利点を有する。したがって、特に、前述したタイプの既知の装置および方法の上述した技術的課題に対処することができる。
【0092】
吸引要素は、特に柔軟で可動の吸引部材および/または吸引パイプとして構成され得る。吸引要素は、洗浄後に保護呼吸マスクの排出容積、例えば内部空間の部分領域に残る、洗浄流体の残留物、特に洗浄流体の残留物を吸引するために使用され得る。吸引要素は、例えば、内部または外部の吸引装置によって負圧をかけられる。例えば、洗浄機などの洗浄装置に既に存在する外部圧力ラインまたは圧力ラインを使用して、負圧を供給または生成することができる。例えば、圧縮空気を供給するために、圧縮空気ラインを使用することができる。液体残留物を吸引するための負圧は、例えば、少なくとも1つのジェットポンプ、特にベンチュリノズルによって発生させることができる。
【0093】
さらに、洗浄流体は、吸引された後に分離され得る。例えば、洗浄システムは、洗浄流体/空気の混合物、特に水/空気の混合物をそらすおよび/または分離するように構成することができる。特に、吸引装置は、洗浄流体/空気の混合物を、特に実際の洗浄チャンバによって遮蔽された方法で、吸引装置の出口から洗浄チャンバの底部に運搬するように構成することができる。これにより、呼吸装置が洗浄流体、特に残留液体で再び濡れることを防止することができる。
【0094】
保護呼吸マスクの内部空間は、特に排出容積と呼ばれるか、または少なくとも1つの排出容積を有することができる。洗浄技術や食器洗い機の技術において、排出容積は、一般的に、洗浄流体が自動的に排出されない洗浄用アイテムの幾何学的形状を指す。保護呼吸マスクの場合、排出容積は、典型的には、マスク壁と、保護呼吸マスクをユーザの顔に対して密封する役割を果たす包囲されたシールリップとの間に形成される。代替的または追加的に、排出容積は、保護呼吸マスクの下端の延長部に形成することもでき、この延長部には従来、フィルタおよび/または呼吸装置が接続される。少なくとも1つの排出容積は、提案された吸引要素によって、洗浄流体の残留から完全にまたは部分的に解放される。これにより、従来の洗浄装置の上述した欠点を回避することができる。特に、乾燥動作を促進し、洗浄結果を改善し、作業領域の床への洗浄流体の流出を少なくとも実質的に防止することができる。
【0095】
吸引要素は、その形状および/または構成物の点から、それぞれの目的に適合され得る。したがって、吸引要素は、特に、負圧用の少なくとも1つの接続部と、例えば残留液体を吸引することができる少なくとも1つの吸引開口を有することができる。吸引要素は、特に、吸引開口を排出容積の最も低い点または少なくともその近傍に容易に導入できるように設計することができる。さらに、吸引要素は、保護呼吸マスクを洗浄バスケットのマスクホルダに固定するのを補助するように構成することもできる。
【0096】
吸引要素は、特に洗浄バスケット内での空間的な向きや位置に関して、フレキシブルに取り付けることができる。例えば、吸引要素の向きおよび/または形状を変化させることも可能である。例えば、異なる方向、例えば空間の3方向に移動可能であり、また、代替的または追加的に、洗浄バスケットにスプリングサスペンションを設けることで、これらの要件をさらにアシストすることができます。
【0097】
洗浄バスケットには、1つまたは複数のマスクホルダが設けられ得る。複数のマスクホルダが設けられる場合、例えば、各マスクホルダは、少なくとも1つの吸引要素に割り当てられ得る。複数の吸引要素が洗浄バスケットに設けられる場合、それらは共通の吸引ライン、例えば共通のチャネルに接続され得る。吸引ラインは、吸引装置に接続されるか、または接続可能である。吸引ラインは、例えば、吸引ポンプ、例えば、ベンチュリノズルの吸引ポートに接続されるか、または接続可能であり、それによって負圧にされ得る。上述したように、吸引装置は、洗浄バスケット自体に全体的または部分的に一体化され得、したがって、例えば、洗浄装置は、吸引装置、例えばベンチュリノズルの動作のために、圧力、例えば圧縮空気のみを提供することができる。
【0098】
洗浄バスケットの吸引要素と吸引装置との間の接続部は、固定されていてもよいし、取り外し可能であってもよい。例えば、1つまたは複数のチューブ接続部を設けることができ、これらの接続部は、例えば、1つまたは複数のクイックカップリングによって、容易に取り外しできるように構成され得る。チャネルおよび接続部の材料としては、プラスチック、ステンレス、エラストマーなど、さまざまな材料が考えられ、また、前述の材料や他の材料の組み合わせも可能である。使用される材料は、一般的に、特に熱的および化学的安定性の点で、洗浄作業中の要件を満たす必要がある。
【0099】
一般的に、吸引装置による負圧をかけることは、様々な方法で行うことができる。したがって、洗浄装置に一体化されたポンプ以外にも、代替的または追加的に、他の手段で吸引動作を行うことができる。したがって、吸引装置は、例えば、現場の水源からの真水など、真水で動作可能な少なくとも1つのウォータージェットポンプを有していてもよい。また、代替的または追加的に、上述したように、現場の負圧供給源への接続が可能であり、または代替的または追加的に、電気モーターで動作する吸引装置も可能である。
【0100】
吸引装置は、例えば、少なくとも1つのバルブ、例えば、少なくとも1つのソレノイドバルブを介して制御され得る。バルブは、特に洗浄装置の少なくとも1つの制御装置、特に少なくとも1つのマシン制御装置によって、例えば洗浄プログラムに応じて制御され得る。任意で、上述したように、圧縮空気の供給を追加でオンにすることも可能である。必要に応じて、個々のプログラムステップの間に、例えば、洗浄および濯ぎの結果を改善するために、残留液体を排出容積から吸引することも可能である。
【0101】
吸引装置は、例えば、要求に応じて、例えば、洗浄装置に存在するバスケット識別の助けにより、設置がされる対応する洗浄バスケットによって起動され得る。洗浄装置は、例えば、洗浄バスケットのタイプを識別する少なくとも1つの識別装置、例えば、少なくとも1つのセンサを有することができ、特に、洗浄バスケットが少なくとも1つの吸引要素を有するか、またはそのような吸引要素を有しない洗浄バスケットであるかを識別するために構成され得る。制御装置は、それに応じて、吸引装置を作動させるかどうかを設定することができる。
【0102】
さらに、洗浄装置は、呼吸装置に圧縮空気および/または圧縮ガスを吹き付けるための1つまたは複数の圧縮空気ノズルを有し得る。例えば、洗浄装置は、1つまたは複数の柔軟なおよび/または移動可能な圧縮空気ノズルを有することができ、このノズルによって、特に洗浄流体の排出を補助し、乾燥結果を改善するために、圧縮空気および/または圧縮ガスを特定の方法で少なくとも1つの保護呼吸マスクに供給することができる。このようにして、例えば保護呼吸マスクの1つまたは複数の視認窓における洗浄流体の残留は、特に視覚に関連する領域において、回避されるか、または少なくとも低減することができる。1つまたは複数の圧縮空気ノズルは、例えば、少なくとも1つの専用のスイッチング素子、例えば、制御装置によって作動させることができる少なくとも1つのバルブを備えることができる。
【0103】
全体として、提案された吸引要素および提案された吸引装置により、例えば、保護呼吸マスクの排出容積内の液体の残留量を低減することができる。これにより、例えば、洗浄後に手動で振って水を出すことを回避することが可能となる。特に、排出容積は、プログラムシーケンスの終了時に吸引されてもよいし、プログラムシーケンスの終了前、例えば洗浄流体が供給された後に吸引されてもよい。洗浄流体は、2つのプログラムステップの間、例えば、異なるタイプの洗浄流体が呼吸装置に供給される2つのプログラムステップの間で吸引されてもよい。例えば、濯ぎの前に、内部空間、特に排出容積から洗浄流体を完全にまたは部分的に除去するために、洗浄ステップと濯ぎステップの間に吸引ステップを設けることができる。このようにして、特に濯ぎの結果をさらに改善することができる。
【0104】
さらに、洗浄チャンバ内での乾燥時と、洗浄チャンバ外、例えば乾燥キャビネット内での乾燥時の両方において、乾燥時間を大幅に改善することができる。したがって、例えば、少なくとも1つの吸引要素および/または少なくとも1つの吸引装置によって、従来の方法と比較して、保護呼吸マスク内の洗浄流体の残留量を低減させることができる。それにより、例えば、洗浄装置自体の内部および/または乾燥キャビネット内での必要な乾燥時間が短縮される。
【0105】
さらに、上述の少なくとも1つの圧縮空気ノズルによって、濯ぎの結果をさらに改善することができる。追加の圧縮空気ノズルが使用される場合、例えば、視認窓のような重要な部分で残留物のない乾燥を達成することができ、同時に濯ぎ剤の使用を最小限に抑え、乾燥時間を短縮することができる。
【0106】
要約すると、以下の実施形態は、さらなる可能な構成を、限定されることなく提案する。
【0107】
実施形態1:呼吸装置を洗浄するための洗浄バスケットであって、洗浄バスケットは、少なくとも1つのバスケットラックを備え、洗浄バスケット内で少なくとも1つの保護呼吸マスクを保持するための少なくとも1つのマスクホルダをさらに備え、少なくとも1つの吸引要素をさらに備え、吸引要素は、少なくとも1つの吸引開口を有し、マスクホルダに保持された保護呼吸マスク内に延びるように構成され、吸引要素は、負圧にされ、保護呼吸マスクの少なくとも1つの内部空間から吸引開口に洗浄流体を吸引するように構成されている、洗浄バスケット。
【0108】
実施形態2:吸引要素が、少なくとも1つの吸引開口を有する吸引パイプ、特に、湾曲した吸引パイプ、少なくとも1つの吸引開口を有する吸引チューブ、少なくとも1つの吸引開口を有するU字パイプ、パイプループ、少なくとも1つの吸引開口を有するディスク状吸引要素、少なくとも1つの吸引開口を有するスプーン状吸引要素からなる群から選択される少なくとも1つの要素を有している、実施形態1に記載の洗浄バスケット。
【0109】
実施形態3:吸引要素が、少なくとも部分的に柔軟性、特に弾性を有している、実施形態1または2に記載の洗浄バスケット。
【0110】
実施形態4:吸引要素が、保護呼吸マスクの内部空間への導入のための、少なくとも1つの柔軟な舌状部を有し、柔軟な舌状部に、少なくとも1つの吸引開口が設けられている、実施形態3に記載の洗浄バスケット。
【0111】
実施形態5:吸引要素が、マスクホルダに接続されている、特に、少なくとも部分的にマスクホルダに一体化されている、実施形態1~4のいずれか1つに記載の洗浄バスケット。
【0112】
実施形態6:吸引開口が、バスケットラックとバスケットラックから最も遠くに突出するマスクホルダの先端との間に配置されるように、吸引要素は、マスクホルダに一体化されている、実施形態5に記載の洗浄バスケット。
【0113】
実施形態7:バスケットラックが、少なくとも1つのラック底部と、複数のラック壁部とを有している、実施形態1~6のいずれか1つに記載の洗浄バスケット。
【0114】
実施形態8:マスクホルダおよび吸引要素が、バスケットラックに接続されている、実施形態1~7のいずれか1つに記載の洗浄バスケット。
【0115】
実施形態9:マスクホルダが、バスケットラックから突出する少なくとも1つの突起部を有している、実施形態1~8のいずれか1つに記載の洗浄バスケット。
【0116】
実施形態10:マスクホルダが、ワイヤラックを有している、実施形態1~9のいずれか1つに記載の洗浄バスケット。
【0117】
実施形態11:洗浄バスケットが少なくとも1つの吸引ラインを有し、吸引要素が、吸引ラインに流体接続され、吸引ラインは、吸引装置の接続、特に取り外し可能な接続のための、少なくとも1つの接続部を有している、実施形態1~10のいずれか1つに記載の洗浄バスケット。
【0118】
実施形態12:洗浄バスケットがさらに、少なくとも1つのガス運搬要素に接続可能な少なくとも1つの圧力接続部を有し、ガス運搬要素は、洗浄流体が呼吸装置に供給される間に、圧縮ガスで満たされ得る、実施形態1~11のいずれか1つに記載の洗浄バスケット。
【0119】
実施形態13:圧力接続部は、さらに、呼吸装置への機械的接続を行うために、少なくとも1つの押し込み式および/または非押し込み式の接続要素、特に、クイックカップリングおよび/またはねじを備えている、実施形態12に記載の洗浄バスケット。
【0120】
実施形態14:洗浄バスケットは、洗浄装置の加圧装置に圧力接続部を接続するための、取り外し可能な圧縮ガス接続部を有している、実施形態12または13に記載の洗浄バスケット。
【0121】
実施形態15:洗浄バスケットに、呼吸装置の小部品を受容するための小部品用バスケット、特に、バスケットカバーを備えた閉鎖可能な小部品用バスケットが、追加的に配置されている、実施形態1~14のいずれか1つに記載の洗浄バスケット。
【0122】
実施形態16:呼吸装置、特に、呼吸レギュレータおよび/または保護呼吸マスクを洗浄するための洗浄システムであって、洗浄システムが、
実施形態1~15のいずれか1つに記載の、少なくとも1つの洗浄バスケットと、
少なくとも1つの洗浄装置と
を備え、
洗浄装置は、少なくとも1つの洗浄バスケットを受容するための、少なくとも1つの洗浄チャンバを有し、洗浄装置はさらに、呼吸装置に少なくとも1つの洗浄流体を供給するための、少なくとも1つの供給装置を有し、
洗浄システムがさらに、洗浄バスケットの吸引要素に接続可能であり、負圧を生成するように意図された、少なくとも1つの吸引装置を有している、洗浄システム。
【0123】
実施形態17:洗浄システムは、少なくとも1つの圧力接続部を有する少なくとも1つの加圧装置をさらに備え、圧力接続部は、呼吸装置の少なくとも1つのガス運搬要素に接続可能であり、加圧装置は、呼吸装置に少なくとも1つの洗浄流体が供給される間に、ガス運搬要素に圧縮ガスを満たすように構成されている、実施形態16に記載の洗浄システム。
【0124】
実施形態18:加圧装置は、
外部の圧縮ガス源、特に現場の圧縮ガスラインおよび/または圧縮ガスボンベに接続するための、少なくとも1つの外部圧力接続部、および、
洗浄装置に一体化された圧縮ガス源、特に一体化された圧縮ガスボンベおよび/または一体化されたコンプレッサー
からなる群から選択される少なくとも1つの要素を有している、実施形態17に記載の洗浄システム。
【0125】
実施形態19:圧力接続部は、さらに、呼吸装置への機械的接続を行うために、少なくとも1つの押し込み式および/または非押し込み式の接続要素、特に、クイックカップリングおよび/またはねじを備えている、実施形態17または18に記載の洗浄システム。
【0126】
実施形態20:圧力接続部が、全体的にまたは部分的に洗浄バスケットに一体化されている、実施形態17~19のいずれか1つに記載の洗浄システム。
【0127】
実施形態21:洗浄バスケットは、洗浄装置への取り外し可能な圧縮ガス接続部を有している、実施形態17~20のいずれか1つに記載の洗浄システム。
【0128】
実施形態22:加圧装置は、少なくとも1つのバルブを有している、実施形態17~21のいずれか1つに記載の洗浄システム。
【0129】
実施形態23:洗浄バスケットが、吸引要素を吸引装置に接続するための、取り外し可能な接続部を有している、実施形態17~22のいずれか1つに記載の洗浄システム。
【0130】
実施形態24:吸引装置が、少なくとも1つのポンプ、特に、ジェットポンプ、特に、少なくとも1つのベンチュリノズルを有するジェットポンプを備えている、実施形態17~23のいずれか1つに記載の洗浄システム。
【0131】
実施形態25:吸引装置は、保護呼吸マスクから吸引された洗浄流体を、洗浄装置の流体システムに、特に、洗浄装置の少なくとも1つのタンクに戻すように構成されている、実施形態17~24のいずれか1つに記載の洗浄システム。
【0132】
実施形態26:吸引装置は、少なくとも1つの液体分離器を有している、実施形態17~25のいずれか1つに記載の洗浄システム。
【0133】
実施形態27:吸引装置は、少なくとも1つのバルブを有している、実施形態17~26のいずれか1つに記載の洗浄システム。
【0134】
実施形態28:吸引装置は、少なくとも1つの吸引ラインを有し、吸引ラインは、洗浄バスケットの接続部に接続可能である、実施形態17~27のいずれか1つに記載の洗浄システム。
【0135】
実施形態29:洗浄装置は、単一チャンバ型洗浄機を備えている、実施形態17~28のいずれか1つに記載の洗浄システム。
【0136】
実施形態30:単一チャンバ型洗浄機は、洗浄チャンバとは別に形成された少なくとも1つの流体タンクを有し、洗浄装置で進行する洗浄プロセスとは無関係に、流体タンク内で少なくとも1つの洗浄流体を調整、特に加熱することが可能である、実施形態29に記載の洗浄システム。
【0137】
実施形態31:洗浄装置は、少なくとも1つの制御装置を有し、少なくとも2つの異なるプログラム工程を有する洗浄プログラムを実行するように構成されている、実施形態17~30のいずれか1つに記載の洗浄システム。
【0138】
実施形態32:制御装置は、洗浄プログラムの少なくとも1のプログラム工程において、入り込んだ洗浄流体が、保護呼吸マスクの少なくとも1つの内部空間から、少なくとも部分的に吸引開口へと吸引されるように、吸引要素を負圧とする動作を行うように構成されている、実施形態31に記載の洗浄システム。
【0139】
実施形態33:制御装置は、少なくとも1つのプロセッサを有している、実施形態31または32に記載の洗浄システム。
【0140】
実施形態34:供給装置は、少なくとも1つのノズル、特に、スプレーノズルと、濯ぎノズルと、スプレーアーム、特に回転可能なスプレーアームと、再循環動作モードで動作し得るノズルと、からなる群から選択される少なくとも1つのノズルを有している、実施形態17~33のいずれか1つに記載の洗浄システム。
【0141】
実施形態35:洗浄流体は、水性洗浄流体、少なくとも1つの洗浄洗剤溶液を含有する洗浄流体、少なくとも1つの濯ぎ助剤を含有する洗浄流体、少なくとも1つの消毒液を含有する洗浄流体、濯ぎ後用の流体、脱塩水、および加熱された洗浄流体、特に、30℃から70℃の温度、特に好ましくは60℃の温度まで加熱された洗浄流体からなる群から選択される、実施形態17~34のいずれか1つに記載の洗浄システム。
【0142】
実施形態36:呼吸装置を洗浄するための方法であって、方法は、
a)実施形態1~15のいずれか1つに記載の、少なくとも1つの洗浄バスケットを設けること、
b)呼吸装置の少なくとも1つの保護呼吸マスクを、洗浄バスケットの少なくとも1つのマスクホルダに固定すること、
c)少なくとも1つの吸引開口を有する吸引要素の少なくとも一部が、内部空間内に突出するように、保護呼吸マスクの少なくとも1つの内部空間内に、吸引要素を導入すること、
d)呼吸装置に少なくとも1つの洗浄流体を供給すること、および
e)吸引要素に負圧をかけ、吸引開口を介して内部空間から洗浄流体を吸引すること
を含む方法。
【0143】
実施形態37:実施形態16~35のいずれか1つに記載の少なくとも1つの洗浄システムの使用を含む、実施形態36に記載の方法。
【0144】
実施形態38:方法ステップe)が、少なくとも部分的に、方法ステップd)の後に実施される、実施形態36または37に記載の方法。
【0145】
実施形態39:方法がさらに、
f)呼吸装置の少なくとも1つのガス運搬要素に圧縮ガスを満たすこと
を含む、実施形態36~38のいずれか1つに記載の方法。
【0146】
実施形態40:方法ステップf)は、方法ステップd)およびe)の一方または両方と少なくとも一時的に同時に実施される、実施形態39に記載の方法。
【0147】
実施形態41:方法がさらに、
g)呼吸装置が乾燥される少なくとも1つの乾燥ステップ
を含む、実施形態36~40のいずれか1つに記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0148】
さらなる詳細と特徴は、特に従属請求項に関連して、例示的な実施形態の以下の説明に表れている。ここで、それぞれの特徴は、それ自体が単独で、または互いに組み合わせて共に実現することができる。本発明は、例示的な実施形態に限定されるものではない。例示的な実施形態は、図に模式的に示されている。個々の図における同じ参照符号は、その機能に関して同一または機能的に同じであるか、または互いに対応する要素を指す。
【0149】
【
図1】呼吸装置を洗浄するための洗浄システムの例示的な実施形態を、側面からの断面図で示す。
【
図2】洗浄バスケットの例示的な実施形態を斜め上方から見た斜視図である。
【
図4】保護呼吸マスクがない状態の、
図2に記載の洗浄バスケットのマスクホルダの詳細な斜視図である。
【
図5】保護呼吸マスクが広げられた状態のマスクホルダの部分的な斜視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0150】
図1は、側面からの断面図において、呼吸装置112を洗浄するための洗浄システム110の例示的な実施形態を示している。呼吸装置は、少なくとも1つの保護呼吸マスク114と、さらには、任意に、例えばガス運搬要素116、例えば呼吸レギュレータなどの追加の構成要素とを備えている。
【0151】
この例示的な実施形態では、洗浄システム110は、洗浄装置118と、少なくとも1つの洗浄バスケット120とを備えている。洗浄バスケット120は、
図1に模式的に示されている。洗浄バスケット120の可能な構成の詳細図が、
図2~
図5に示されている。
図2は、洗浄バスケット120を斜め上方から見た斜視図、
図3は、洗浄バスケット120の上面図、
図4は、保護呼吸マスク114がない状態の、マスクホルダ122の詳細な斜視図、
図5は、保護呼吸マスク114が広げられた状態のマスクホルダ122の部分的な斜視断面図である。これらの図は、以下に文脈に沿って説明される。
【0152】
洗浄装置118は、洗浄装置118の様々な構成要素が収容されたハウジング124を有している。例えば、洗浄装置118の制御装置126も、ハウジング124に収容され得る。ハウジング124は、少なくとも1つの洗浄バスケット120を受容するための洗浄チャンバ128を取り囲んでいる。ハウジング124は、例えば、洗浄バスケット120を洗浄チャンバ128に導入するために洗浄チャンバ128を開閉することができる開放装置130を有することができる。図示された例示的な実施形態では、開放装置130は、フード132として図示されている。したがって、洗浄装置118は、例えば、パススルー型の洗浄機として構成することができる。しかし、他の構成も可能であり、例えば、開放装置130がフラップまたはドアとして設計される構成も可能である。洗浄チャンバ128は、
図1では開いた状態で示されている。例えば、洗浄チャンバ128には、例えばレールシステムのようなバスケット受け部134が設けられてもよい。
【0153】
洗浄装置118は、少なくとも1つの洗浄流体を呼吸装置112に供給するための少なくとも1つの供給装置136を備えている。供給装置136の可能な構成に関しては、例として、上記先行技術、例えば特許文献13を参照することができる。特に、供給装置136は、少なくとも1つのノズルシステム138を有することができる。さらに、供給装置136は、少なくとも1つの洗浄流体を受容するための少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つのタンクと、1または複数のポンプとを有することができる。
【0154】
例えば
図2に見られるように、図示された例示的な実施形態の洗浄バスケット120は、バスケット壁部142およびバスケット底部144を有するバスケットラック140を備えている。洗浄バスケット120は、さらに、既に述べた少なくとも1つのマスクホルダ122を備えており、図示の例示的な実施形態では、一例として4つのマスクホルダ122が設けられている。このマスクホルダは、例えば、マスクホルダに広げられたそれぞれの保護呼吸マスクが洗浄バスケット120の4つの角に向くように方向付けられる。また、異なる数も可能である。図示の例示的な実施形態では、マスクホルダ122は、バスケットラック140に固定的または取り外し可能に接続されており、例えば、バスケットラック140上にラックとして取り外し可能に配置することができる。
【0155】
図面に見られるように、マスクホルダ122は、例えば、丸いワイヤから形成されるなどワイヤループとして設計することができる。しかし、他の実施形態も原理的に可能であり、例えば、マスクホルダ122が頭部の形状または顔の形状を有する実施形態も可能である。
【0156】
例えば、
図5に見られるように、少なくとも1つの保護呼吸マスク114は、マスクホルダ122上に配置または広げられ得る。これは、好ましくは、保護呼吸マスク114の少なくとも1つの視認窓146が上方を向くように行われ得る。保護呼吸マスク114の少なくとも1つの内部空間148は、原則として、対照的に、下方に形成され、内部空間148は、保護呼吸マスク114によって部分的に取り囲まれ、原則として、広げられた状態では下方に開放している。それにもかかわらず、原則として1つまたは複数の排出容積150が、例えば1つまたは複数のシール部152の領域および/または少なくとも1つのガス運搬要素116のための接続領域154など、内部空間148に形成される。保護呼吸マスク114は、従来、例えば
図1における配置の場合には、上方および下方から洗浄され、洗浄流体が供給されるので、洗浄流体は、原則として、上述したように、この内部空間148に蓄積され、洗浄流体は、洗浄流体の供給の終了後に完全には流れ落ちることができない。この残留量の洗浄流体は、多くの場合、洗浄装置118内および/または別の乾燥キャビネット内での洗浄動作およびその後の乾燥動作を妨害し、さらに、洗浄装置118の前の床に漏れた場合、滑りの危険性があるため、安全上の問題を引き起こす可能性がある。
【0157】
この問題を回避するために、洗浄バスケット120は、さらに、少なくとも1つの吸引要素156を有している。吸引要素156は、例えば、パイプ、チューブ、チャネル、またはその他の方法で、好ましくはその内部に内腔157が形成されるように構成され、それによって吸引要素156を真空または負圧とされ得る。例えば、この実施形態および他の例示的な実施形態において、吸引要素156は、湾曲したパイプループ158として設計されるか、または、パイプループ158を含んでいてもよく、好ましくは、パイプループ158またはその湾曲した領域は下方を向いている。
【0158】
吸引要素156は、例えば、パイプループ158の最下点に形成される少なくとも1つの吸引開口160を備える。例えば、
図5に見られるように、吸引要素156は、マスクホルダ122によって保持された保護呼吸マスク144の内部空間148内に延びることができるように構成されている。例えば、少なくとも1つの吸引要素156は、各マスクホルダ122に割り当てることができる。吸引要素156は、例えば、対応する真空または負圧が内腔157に印加されることによって、負圧をかけるように構成される。このようにして、内部空間148、特に排出容積150から、洗浄流体を完全にまたは部分的に除去するために、洗浄流体を内部空間148から吸引開口160に吸引することができる。
【0159】
吸引要素156の内部空間148への導入を容易にするために、吸引要素156は、特に、少なくとも部分的に柔軟性、特に弾性を有するように構成され得る。例えば、
図4に見られるように、この目的のために、吸引要素156は、例えば弾性的に取り付けられ得る。図に例示されているように、吸引要素156は、例えば、マスクホルダ122から直接または間接的に伸長可能であり、当該伸長範囲は、例えば、ばね支持部162によって可変的に構成することができる。このようにして、例えば、図示されているパイプループ158は、柔軟な舌状部として構成され得る。さらに、この柔軟性によって、例えば、吸引開口160が、例えば、排出容積150の最下点の近傍に配置されることを保証することができる。
【0160】
洗浄バスケット120は、さらに、少なくとも1つの吸引ライン164を有し、吸引要素156は、吸引ライン164を介して吸引要素156に負圧がかけられるように、吸引ライン164に流体接続されている。吸引ライン164は、複数の吸引要素156が洗浄バスケット120に設けられる場合、吸引要素156に共通してまたは個別に負圧をかけることができる。吸引ライン164は、剛性を有するように設計されてもよいし、柔軟に設計されてもよい。
【0161】
吸引ライン164は、特に、少なくとも1つの吸引要素156を負圧源に接続するための少なくとも1つの接続部166を有することができる。特に、接続部166は、
図1に例示されている吸引装置168への接続、好ましくは取り外し可能な接続を可能にする。この接続において、互いに組み合わせることが可能な複数の可能性がある。したがって、吸引装置168は、
図1に示されるように、洗浄装置118に、例えば完全に一体化することができる。しかし、代替的または追加的に、吸引装置168は、全体的または部分的に、現場の装置、例えば真空ラインに依存することもできる。また、代替的または追加的に、吸引装置168は、完全にまたは部分的に、洗浄バスケット120に一体化されていてもよい。
【0162】
特に、吸引装置168は、
図1に示されるように、ポンプ170を有し得る。このポンプは、例えば、ジェットポンプ172として設計することができ、ベンチュリノズル174を備えていてもよい。例えば、洗浄装置は、例えばバルブ178を介してベンチュリノズル174に接続される圧縮ガスライン176を有していてもよい。ベンチュリノズル174は、その一部が、例えば吸引ライン180を介して、洗浄バスケット120の接続部166に接続されるか、または接続可能である。この接続は、例えば、洗浄バスケット120が洗浄チャンバ128に導入されたときに自動的に行われるか、あるいは手動で行われる。例えば、開放装置130を閉鎖する際に、自動接続が行われ得る。さらに、1つまたは複数のバルブが、例えば少なくとも1つの逆止弁182が、吸引ライン180に導入されてもよい。なお、図示されているジェットポンプ172の代わりに、代替的または追加的に、例えば異なるタイプの真空ポンプまたは液体ポンプなどの異なるタイプの吸引装置168が用いられてもよい。
【0163】
さらに、吸引装置168は、同様に
図1に例示されている少なくとも1つの液体分離器184を有し得る。液体分離器は、例えば、ベンチュリノズル174および/または異なるタイプのジェットポンプ172に接続され得る。液体分離器184は、例えば、内部空間148から吸引された分離された洗浄流体が、洗浄装置118の流体システムに戻されるように構成され得る。例えば、液体分離器184は、全体的または部分的に洗浄チャンバ128に配置されるか、または洗浄チャンバ128に接続され得る。例えば、分離された洗浄流体は、洗浄装置118のタンクに直接または間接的に戻され得る。
【0164】
洗浄バスケット120のさらなる可能な構成要素については、例として特許文献13を参照することができる。特に、小部品を収容するために、洗浄バスケット120は、少なくとも1つの小部品用バスケットを有することができ、その中で、例えば、保護呼吸マスク114に割り当てられることなく、アクセサリが洗浄され得る。
【0165】
さらに、本明細書において説明した吸引は、洗浄流体がガス運搬要素116に入り込むことを防ぐために、洗浄流体が呼吸装置112に供給されている間にガス運搬要素116を加圧するという、特許文献13に記載されている原理と組み合わせることもできる。
図1に見られるように、この原理は、吸引と同じ圧縮ガスライン176でサポート可能である。しかし、個別に加圧することも可能である。
【0166】
ガス運搬要素116のための加圧を実現するために、洗浄バスケット120は、例えば
図1、
図3および
図5に見られる少なくとも1つの圧力接続部188を追加で有していてもよい。圧力接続部188は、洗浄流体が呼吸装置112に供給されている間に、ガス運搬要素116に圧縮ガスを充填するように構成することができる。この目的のために、圧力接続部188は、例えば、少なくとも1つのクイックカップリング190を有し得る。圧力接続部188は、例えば取り外し可能な圧縮ガス接続部192を介して、洗浄装置118の加圧装置194に接続可能である。この接続は、手動で行われてもよいし、例えば、開放装置130の閉鎖時など、自動的に行われてもよい。加圧装置194は、例えば、洗浄装置118に一体化された圧縮ガス源を備えていてもよいし、
図1に例として示すように、外部の圧縮ガス源、例えば現場の圧縮ガス供給装置196に依存してもよい。前述の現場の圧縮ガス供給源196は、任意で、例えば分岐198によって、吸引装置168の動作のために同時に使用することもできる。加圧装置194は、例えば、圧縮ガス接続部192に接続可能な圧縮ガスライン200を備えていてもよい。任意で、少なくとも1つの逆止弁202が圧縮ガスライン200に設けられていてもよい。
【0167】
加圧装置194は、さらに、例えば
図1には図示されていない1つまたは複数のノズルによって、圧縮ガス、例えば圧縮空気を呼吸装置112に吹き付けるために追加的に使用され得る。これは、例えば、乾燥中に、呼吸装置112から、特に保護呼吸マスク114からの洗浄流体の排出を促進するために追加的に使用され得る。
【0168】
洗浄装置118は、特に自動プログラム洗浄機として構成することができ、制御装置126によって、複数のプログラムステップを有する少なくとも1つの洗浄プログラムを実行するように構成することができる。例えば、洗浄流体を少なくとも1つのプログラムステップで供給することができ、例えば、前記少なくとも1つのプログラムステップは、少なくとも1つの洗浄ステップおよび少なくとも1つの濯ぎステップを含み得る。前記洗浄流体の供給中に、前述の、少なくとも1つのガス運搬要素116の加圧が行われ得る。吸引は、この供給の間に既に行われてもよいし、その後のプログラムステップで行われてもよい。これは、例えば、別の吸引ステップで行われてもよい。このステップは、上述したように、洗浄装置118内で全体的または部分的に行われ得る乾燥動作に、全体的または部分的に統合され得る。代替的または追加的に、例えば吸引ステップが実施された後、乾燥は、しかしながら、全体的または部分的に洗浄チャンバ128の外部、例えば乾燥キャビネット内で行うこともできる。
【符号の説明】
【0169】
110 洗浄システム
112 呼吸装置
114 保護呼吸マスク
116 ガス運搬要素
118 洗浄装置
120 洗浄バスケット
122 マスクホルダ
124 ハウジング
126 制御装置
128 洗浄チャンバ
130 開放装置
132 フード
134 バスケット受容部
136 供給装置
138 ノズルシステム
140 バスケットラック
142 バスケット壁部
144 バスケット底部
146 視認窓
148 内部空間
150 排出容積
152 シール部
154 接続領域
156 吸引要素
157 内腔
158 パイプループ
160 吸引開口
162 ばね支持部
164 吸引ライン
166 接続部
168 吸引装置
170 ポンプ
172 ジェットポンプ
174 ベンチュリノズル
176 圧縮ガスライン
178 バルブ
180 吸引ライン
182 逆止弁
184 液体分離器
186 小部品用バスケット
188 圧力接続部
190 クイックカップリング
192 圧縮ガス接続部
194 加圧装置
196 圧縮ガス供給装置
198 分岐
200 圧縮ガスライン
202 逆止弁