(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-29
(45)【発行日】2023-09-06
(54)【発明の名称】管理装置、管理方法及び管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0217 20230101AFI20230830BHJP
【FI】
G06Q30/0217
(21)【出願番号】P 2022019322
(22)【出願日】2022-02-10
【審査請求日】2022-02-10
【審判番号】
【審判請求日】2022-11-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519110124
【氏名又は名称】PayPay株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク ガラム
(72)【発明者】
【氏名】奥田 航
【合議体】
【審判長】渡邊 聡
【審判官】木方 庸輔
【審判官】伏本 正典
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-52957(JP,A)
【文献】特開2005-258620(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子決済を導入する加盟店で使用される端末に表示される、前記電子決済で即時適用されるクーポンの設定画面を通じて、前記電子決済を利用可能なユーザのうち、前記クーポンが適用される対象者を指定するため
に前記端末を操作する設定者により指定されたユーザ区分、及び
前記設定者により指定された前記ユーザ区分に予め対応付けられている追加の設定項目であって前記ユーザ区分に関する詳細基準の設定の決定操作が前記端末を操作する設定者により実行されることに応じて、前記端末から送信される前記ユーザ区分および前記ユーザ区分に関する詳細基準の各情報を受け付ける受付部
を有し、
前記受付部により受け付けられた前記ユーザ区分および前記ユーザ区分に関する詳細基準の各情報に従って、前記ユーザ区分および前記ユーザ区分に関する詳細基準の各情報に該当するユーザを前記加盟店ごとに判定する
ことを特徴とする管理装置。
【請求項2】
前記受付部は、
前記詳細基準として、所定のユーザ区分に該当する対象者をカスタマイズするための期間の設定を受け付ける
ことを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記受付部は、
前記詳細基準として、所定のユーザ区分に該当する対象者をカスタマイズするための利用金額の設定を受け付ける
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記受付部は、
前記詳細基準として、所定のユーザ区分に該当する対象者をカスタマイズするためのユーザのデモグラフィック属性またはサイコグラフィック属性の設定を受け付ける
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の管理装置。
【請求項5】
前記受付部は、
前記詳細基準の設定を受け付ける際、前記設定者により指定されたユーザ区分に対応する参照情報として、前記設定者が属する前記加盟店と同一業種の他の前記加盟店の前記設定者により設定された詳細情報に基づく情報を、設定項目ごとに提示する
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の管理装置。
【請求項6】
コンピュータが、
電子決済を導入する加盟店で使用される端末に表示される、前記電子決済で即時適用されるクーポンの設定画面を通じて、前記電子決済を利用可能なユーザのうち、前記クーポンが適用される対象者を指定するため
に前記端末を操作する設定者により指定されたユーザ区分、及び
前記設定者により指定された前記ユーザ区分に予め対応付けられている追加の設定項目であって前記ユーザ区分に関する詳細基準の設定の決定操作が前記端末を操作する設定者により実行されることに応じて、前記端末から送信される前記ユーザ区分および前記ユーザ区分に関する詳細基準の各情報を受け付ける受付工程
を実行し、
前記受付工程により受け付けられた前記ユーザ区分および前記ユーザ区分に関する詳細基準の各情報に従って、前記ユーザ区分および前記ユーザ区分に関する詳細基準の各情報に該当するユーザを前記加盟店ごとに判定する
ことを特徴とする管理方法。
【請求項7】
コンピュータに、
電子決済を導入する加盟店で使用される端末に表示される、前記電子決済で即時適用されるクーポンの設定画面を通じて、前記電子決済を利用可能なユーザのうち、前記クーポンが適用される対象者を指定するため
に前記端末を操作する設定者により指定されたユーザ区分、及び
前記設定者により指定された前記ユーザ区分に予め対応付けられている追加の設定項目であって前記ユーザ区分に関する詳細基準の設定の決定操作が前記端末を操作する設定者により実行されることに応じて、前記端末から送信される前記ユーザ区分および前記ユーザ区分に関する詳細基準の各情報を受け付ける受付手順
を実行させ、
前記受付手順により受け付けられた前記ユーザ区分および前記ユーザ区分に関する詳細基準の各情報に従って、前記ユーザ区分および前記ユーザ区分に関する詳細基準の各情報に該当するユーザを前記加盟店ごとに判定する
ことを特徴とする管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置、管理方法及び管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子決済を利用する利用者に対して所定の利益を付与する技術が知られている。このような技術の一例として、識別コードを用いて行う電子決済の利便性を損なうことなく、ユーザに対して特典を付与することができ、識別コードを用いた電子決済の付加価値を高めるための技術が提案されている。このような技術では、例えば、ユーザに提供するクーポンに基づいて特典が付与される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、ユーザに対してクーポンに基づく特典を付与可能な電子決済サービスを導入する店舗側の利便性の向上が求められる。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、ユーザに対してクーポンに基づく特典を付与可能な電子決済サービスを導入する店舗側の利便性を向上できる管理装置、管理方法及び管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る管理装置は、電子決済で即時適用されるクーポンの設定画面を通じて、電子決済を利用可能なユーザのうち、クーポンが適用される対象者を指定するためのユーザ区分、及びユーザ区分に関する詳細基準の設定を受け付ける受付部を有する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、ユーザに対してクーポンに基づく特典を付与可能な電子決済サービスを導入する店舗側の利便性を向上できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るクーポン情報の設定の概要を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るカスタマイズ処理の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係るカスタマイズ処理の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係るカスタマイズ処理の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係るカスタマイズ処理の他の例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る管理装置の構成例を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係るユーザ情報の概要を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る店舗情報の概要を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係るクーポン情報の概要を示す図である。
【
図12】
図12は、実施形態に係る決済情報の概要を示す図である。
【
図13】
図13は、実施形態に係る口座情報の概要を示す図である。
【
図14】
図14は、実施形態に係る管理装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、実施形態に係る管理装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、実施形態に係る管理装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図17】
図17は、実施形態に係る管理装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図18】
図18は、実施形態に係る管理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に本願に係る管理装置、管理方法及び管理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る管理装置、管理方法及び管理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
〔1.情報処理の一例〕
(1-1.情報処理システムの概要)
図1を用いて、実施形態に係る管理装置100を含む情報処理システムにより実現される情報処理について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。なお、
図1では、ユーザU01が、店舗aにおいて、識別コードを用いた電子決済サービスを利用して買い物を行う場合の情報処理の一例について説明する。
【0011】
図1に示すように、実施形態に係る情報処理システム1は、ユーザ端末10と、店舗端末20と、事業者端末30と、管理装置100とを含む。ユーザ端末10と、店舗端末20と、事業者端末30と、管理装置100とは、有線又は無線によりネットワークN(例えば、
図7参照)に接続される。
【0012】
ユーザ端末10及び管理装置100は、ネットワークNを介して相互に通信できる。また、店舗端末20及び管理装置100は、ネットワークNを介して相互に通信できる。また、事業者端末30及び管理装置100は、ネットワークNを介して相互に通信できる。ネットワークNは、たとえば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。なお、
図1に示した情報処理システム1には、
図1に示す例よりも多くのユーザ端末10や、店舗端末20や、事業者端末30や、管理装置100が含まれていてもよい。
【0013】
図1に示すユーザ端末10は、ユーザU01によって利用される情報処理端末である。ユーザ端末10は、典型的には、スマートフォンである。ユーザ端末10は、管理装置100によって配信される情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより、表示部11に表示する。
【0014】
また、ユーザ端末10は、ユーザ操作に従って、管理装置100から提供されるクーポンを取得する。そして、ユーザ端末10は、取得したクーポンに個別に割り振られているクーポンIDと、ユーザ端末10のユーザ(たとえば、
図1に示すユーザU01)に個別に割り振られているユーザIDとを対応付けて管理装置100に送信する。これにより、管理装置100においてユーザIDとクーポンIDとが対応付けて管理される。ユーザ端末10のユーザU01は、予めクーポンを取得しておくことにより、決済に連動して自動的にクーポンに基づく特典を受けることができる。
【0015】
また、ユーザ端末10は、カメラ機能を備える。ユーザ端末10は、カメラ機能により、店舗内に設置された識別コードであるQR(Quick Response)コード(登録商標)等の2次元コードCを読み取り可能である。
【0016】
図1に示す店舗端末20は、店舗aの店員U02によって利用される情報処理端末である。店舗端末20は、典型的には、POS(Point Of System)端末である。
【0017】
また、店舗端末20は、1次元コードであるバーコードや2次元コードであるQRコード(登録商標)を読み取るリーダを備える。店舗端末20は、リーダにより、ユーザ端末10の表示部11に表示されたバーコードや2次元コードCを読み取り可能である。
【0018】
また、店舗端末20が設置される店舗aは、管理装置100が運営及び管理を行う決済処理システムによって提供される電子決済サービスを導入する店舗の1つである。店舗aは、たとえば、後述する事業者本部Aにより展開される店舗の1つである。事業者本部A及び店舗aによる事業形態の典型例としては、事業者本部Aがフランチャイズ本部であり、店舗aが直営店である場合を例示できる。
【0019】
図1に示す事業者端末30は、管理装置100により提供される電子決済サービスを導入する店舗aを統括する企業の事業者本部Aの従業員U03によって利用される情報処理端末である。事業者端末30は、典型的には、ノート型PC(Personal Computer)やデスクトップPCである。事業者端末30は、PCの他、スマートフォンや、タブレット型端末や、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)などにより実現され得る。
【0020】
また、事業者端末30は、管理装置100によって配信される情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより、表示部31に表示する。また、事業者端末30は、表示部31に表示されるクーポン設定画面W1(
図2参照)を通じて、管理装置100に対し、クーポンに関するクーポン情報を設定する。クーポン情報の設定に関する詳細については後述する。
【0021】
図1に示す管理装置100は、ユーザ端末10を用いた電子決済に関する電子決済サービス(決済手段)を提供する情報処理装置である。管理装置100は、典型的には、サーバ装置やクラウドシステム等である。例えば、管理装置100は、取引対象(商品等)の提供者(事業者)である店舗(例えば、店舗a)や、取引対象が提供されるユーザ(例えば、ユーザU01)の口座を管理する。管理装置100は、ユーザからの決済要求に従って、口座間において電子マネーの移行等を行うことで、各種決済を実現する。なお、電子マネーとは、例えば、各種企業が独自に用いるポイントや通貨等であってもよく、日本円やドル等の国家により提供される貨幣を電子的に取引可能としたものであってもよい。
【0022】
また、管理装置100は、電子決済サービスのユーザに提供するクーポンに関するクーポン情報を管理する。管理装置100が管理するクーポン情報は、例えば、
図1に示す情報処理システム1において、クーポンの企画を行い、クーポンの原資を出資する企業の事業者本部Aの従業員U03により設定される。管理装置100が管理するクーポン情報には、例えば、クーポンがユーザに適用される適用条件や、クーポンによりユーザに付与される利益の内容、一のユーザに割り当てられる利益の上限などが含まれる。
【0023】
なお、ユーザ端末10および事業者端末30は、所定の情報処理を実現する制御情報を管理装置100から受け取った場合には、制御情報に従って情報処理を実現する。ここで、制御情報は、たとえばJavaScript(登録商標)などのスクリプト言語やCSS(Cascading Style Sheets)などのスタイルシート言語、Java(登録商標)などのプログラミング言語、HTML(HyperText Markup Language)などのマークアップ言語などにより記述される。なお、管理装置100から配信される所定のアプリケーションそのものを制御情報とみなしてもよい。
【0024】
(1-2.情報処理システムにおける決済処理について)
ここで、情報処理システム1において実行される電子決済の一例について説明する。なお、以下の説明では、店舗aに配置された2次元コード(QRコード(登録商標))であって、店舗aを識別する店舗識別情報を示す2次元コードCを用いて、ユーザU01がユーザ端末10を用いた決済を行う例について説明するが、実施形態は、これに限定されるものではない。以下に説明するコード決済の一例は、任意のユーザが任意のユーザ端末10を用いて、任意の店舗にて決済を行う場合においても適用可能である。また、店舗識別情報を示す2次元コードCは、QRコードのみならず、バーコードや所定のマーク、番号などであってもよい。また、2次元コードCは、紙などの媒体に印字された印刷物により物理的に構成される例に限られず、店舗端末20に表示される画像情報により構成されていてもよい。
【0025】
例えば、ユーザU01が店舗aにて各種の商品やサービスといった取引対象の購入や利用に伴う決済を行う場合、ユーザU01は、ユーザ端末10に予めインストールされた決済用のアプリケーションプログラム(以下、「ユーザアプリ」と称する。)を起動する。そして、ユーザU01は、ユーザアプリを介して、店舗aに設置された2次元コードCを撮影する。このような場合、ユーザ端末10は、取引対象の価格を入力するための画面を表示し、ユーザU01あるいは店舗aの店員から決済金額の入力を受け付ける。そして、ユーザ端末10は、ユーザU01を識別する利用者識別情報と、店舗識別情報(もしくは、店舗識別情報が示す情報、すなわち、店舗aを示す情報(たとえば、店舗ID))と、決済金額とを含む取引情報(決済情報)を管理装置100へと送信する。
【0026】
管理装置100は、ユーザ端末10から取引情報を受け付けると、利用者識別情報が示すユーザU01の口座から、店舗識別情報が示す店舗aの口座へと、決済金額に相当する分の電子マネーを移行させる。このとき、管理装置100は、決済金額に相当する分の電子マネーから店舗aに課金する所定の手数料を差し引いてから、店舗aの口座へ移行させてもよい。そして、管理装置100は、取引が完了した旨の通知をユーザ端末10へと送信する。このような場合、ユーザ端末10は、取引が完了した旨の画面や所定の音声を出力することで、電子マネーによる取引が行われた旨をユーザU01に通知する。あるいは、管理装置100は、利用者識別情報が示すユーザU01の口座から決済金額に相当する分の電子マネーを引き出して店舗aの売り上げ情報として管理し、所定のタイミングで売上に相当する額の現金を店舗aが保有する銀行口座に振り込んでもよい。この場合、管理装置100は、ユーザU01の口座から決済金額に相当する分の電子マネーを引き出したタイミングで、電子マネーによる取引が完了した旨をユーザU01に通知してもよい。
【0027】
なお、ユーザ端末10を用いた決済は、上述した処理に限定されるものではない。たとえば、ユーザ端末10を用いた決済は、店舗aに設置された店舗端末20を用いたものであってもよい。具体的には、まず、ユーザ端末10は、ユーザU01を識別するための利用者識別情報を示すコード情報を画面上に表示させる。このような場合、店舗aに設置された店舗端末20は、ユーザ端末10に表示されたコード情報から利用者識別情報を読み取り、読み取った利用者識別情報(もしくは、利用者識別情報が示す情報、すなわち、ユーザU01を示す情報(たとえば、利用者ID))と、決済金額と、店舗aを識別する店舗識別情報とを含む取引情報を管理装置100へと送信する。
【0028】
管理装置100は、店舗端末20から取引情報を受け付けると、利用者識別情報が示すユーザU01の口座から、店舗aの口座へと、決済金額に相当する分の電子マネーを移行させる。そして、管理装置100は、店舗端末20あるいはユーザ端末10に対し、取引が完了した旨の通知を送信する。店舗端末20あるいはユーザ端末10は、取引が完了した旨の画面や所定の音声を出力することで、電子マネーによる取引が完了した旨をユーザU01に通知する。また、管理装置100は、利用者識別情報が示すユーザU01の口座から決済額に相当する分の電子マネーを引き出して店舗aの売り上げ情報として管理し、所定のタイミングで売上に相当する額の現金を店舗aが保有する銀行口座に振り込んでもよい。この場合、管理装置100は、ユーザU01の口座から決済金額に相当する分の電子マネーを引き出したタイミングで、電子マネーによる取引が完了した旨を事業者UaあるいはユーザU01に通知してもよい。
【0029】
また、ユーザ端末10を用いた決済は、ユーザU01が予め電子マネーをチャージした口座から店舗aの口座へと電子マネーを移行させる処理のみならず、たとえば、ユーザU01が予め登録したクレジットカードを用いた決済であってもよい。このような場合、たとえば、ユーザ端末10は、店舗aの口座に対して決済金額が示す額の電子マネーを移行させるとともに、ユーザU01のクレジットカードの運用会社に対し、決済金額が示す額を請求してもよい。
【0030】
また、ユーザ端末10を用いた決済は、ユーザU01の口座から店舗の口座へと電子マネーを移行させる処理のみならず、例えば、ユーザU01の口座から他のユーザの口座へと電子マネーを移行させる決済(すなわち、ユーザ間での送金)であってもよい。例えば、送金元のユーザU01が利用するユーザ端末10は、送金先のユーザを識別する利用者識別情報(例えば、送金先の利用者が利用する端末装置に表示される利用者識別情報)を読み取り、ユーザU01から送金金額の入力を受け付け、読み取った識別情報と、送金金額と、ユーザU01を識別する利用者識別情報とを示す情報を管理装置100へと送信する。このような場合、管理装置100は、ユーザU01の口座から、送金先のユーザの口座へと、送金金額が示す額の電子マネーを移行させ、ユーザ端末10または送金先のユーザが利用する端末装置に対し、送金が完了した旨の画面や所定の音声を出力させることで、送金が行われた旨を通知してもよい。
【0031】
なお、ユーザ端末10を用いた送金は、上述した処理に限定されるものではない。例えば、ユーザ端末10を用いた送金は、送金先のユーザの電話番号や、送金先のユーザを示す情報(例えば、利用者ID)をユーザ端末10に入力することにより行われてもよい。具体的な例を挙げると、ユーザ端末10は、送金先のユーザの電話番号または利用者IDと、送金金額との入力をユーザU01から受け付け、入力された電話番号または利用者IDと、送金金額と、ユーザU01を識別する利用者識別情報とを管理装置100へと送信する。そして、管理装置100は、ユーザU01の口座から、送信された電話番号または利用者IDに紐づけられたユーザの口座へと、送金金額が示す額の電子マネーを移行させる。
【0032】
ここで、送金先のユーザの電話番号や利用者IDは、当該ユーザに関する情報と紐付けて決済アプリに予め登録されていてもよい。この場合、ユーザ端末10は、決済アプリに登録されたユーザ(送金先)の指定と、当該ユーザへの送金金額の入力とをユーザU01から受け付け、指定されたユーザに紐付けられた電話番号または利用者IDと、送金金額と、ユーザU01を識別する利用者識別情報とを管理装置100へと送信する。
【0033】
また、例えば、ユーザ端末10を用いた送金は、送金金額を受け取るためのリンク情報を送金先のユーザに提供することにより行われてもよい。具体的な例を挙げると、ユーザ端末10は、ユーザU01から送金金額の入力を受け付けて送金金額を受け取るためのリンク情報を生成し、リンク情報を含む電子メールを送信したり、リンク情報を含む投稿情報をSNS(Social Networking Service)に投稿したりすることで、送金先のユーザが利用する端末装置にリンク情報を提供する。そして、送金先のユーザがリンク情報を選択して受け取り操作を行った場合、管理装置100は、ユーザU01の口座から、送金先のユーザの口座へと、送金金額が示す額の電子マネーを移行させる。
【0034】
なお、上述した決済手段や決済サービスは、商品の購入や役務の提供に対する対価の提供(債務の精算)のためのものに限定されるものではない。例えば、上述したように、決済手段や決済サービスは、複数のユーザが有する口座間の送金に関する機能を有していてもよい。すなわち、上述した決済手段や決済サービスは、ユーザや店舗等、電子マネーの所有者と紐づく任意の所有者の口座間における電子マネーの送受信を制御するサービスであればよい。すなわち、実施形態に係る決済手段や決済サービスは、電子マネーのやり取りを実現するための各種制御(電子マネーを介した各種の口座間送金制御のみならず、電子マネー口座と銀行口座間のやり取りに関する制御や、分割、ボーナス払いに伴う処理といった各種債権処理、その他電子マネーを含む財産のやり取りに関する各種制御)を実行する取引手段や取引サービスであれば、任意の態様で提供されるものであってもよい。また、このような取引手段や取引サービスが実現する各種の制御には、決済に関する制御と送金に関する制御の両方が含まれていてもよく、いずれか一方のみが含まれていてもよい。すなわち、「取引」とは、電子マネーに関する「決済」のみならず、電子マネーの「送金」やその他各種の処理をも含む概念である。すなわち、管理装置100は、任意の所有者間における電子マネーのやり取りを制御する取引手段を実現する情報処理装置であってもよい。
【0035】
(1-3.実施形態の概要について)
(1-3-1.クーポン情報の設定の概要)
図2を用いて、実施形態に係るクーポン情報の設定について説明する。
図2は、実施形態に係るクーポン情報の設定の概要を示す図である。以下では、事業者本部Aの従業員U03が、事業者端末30を操作して、事業者本部Aが統括する店舗aで利用可能なクーポンに関するクーポン情報の設定を行う場合を一例として説明する。
図2の右側には、事業者端末30の表示部31に表示されるクーポン情報の設定画面例を示し、
図2の左側には、ユーザ端末10の表示部11に表示されるクーポン情報の表示画面例を示している。
【0036】
図2に示すように、管理装置100は、事業者端末30からの要求に応じて、
図2に示すようなクーポン設定画面W1を提供する。事業者本部Aの従業員U03は、事業者端末30の表示部31に表示されるクーポン設定画面W1を操作してクーポン情報の設定を行う。以下に説明するように、クーポン設定画面W1により設定されるクーポンは、クーポンを予め取得したユーザ(たとえば、ユーザU01)が識別コードを用いて行う電子決済に連動して自動的に適用される。また、クーポン設定画面W1により設定されるクーポンは、クーポンの利用時よりも後に利用可能な特典として、所定のキャッシュバックを行う。
【0037】
クーポン設定画面W1には、「画像」や、「タイトル」や、「詳細説明」や、「セグメント設定」や、「公開時期」や、「クーポン利用期間」や、「利用回数」や、「適用条件」や、「キャッシュバック額」や、「キャッシュバック上限」や、「予算上限金額」や、「クーポン併用可否」といった複数の設定項目が備えられている。
【0038】
「画像」は、管理装置100からユーザ端末10に提供されるクーポンに挿入される画像の設定を受け付けるための設定項目である。
図2に示すように、「画像」の設定項目において管理装置100にアップロードされた画像情報は、ユーザ端末10の表示部11に表示されるクーポン表示画面W2の表示領域DA1にカバー画像GZとして挿入される。
【0039】
「タイトル」は、前述のクーポン情報に挿入される画像に記載するタイトルの設定を受け付けるための設定項目である。
図2に示すように、「タイトル」の設定項目において設定された情報は、管理装置100に送信され、ユーザ端末10の表示部11に表示されるクーポン表示画面W2のカバー画像GZの中に挿入される。
【0040】
「詳細説明」は、前述のクーポン情報に挿入されるクーポンについての詳細説明の設定を受け付けるための設定項目である。
図2に示すように、「詳細説明」の設定項目において設定された情報は、管理装置100に送信され、ユーザ端末10の表示部11に表示されるクーポン表示画面W2の表示領域DA2に挿入される。
【0041】
「セグメント設定」は、クーポンを獲得可能なユーザの属性を設定するための設定項目である。
図2では、クーポンを獲得可能なユーザの属性に設定するための情報として、複数のユーザ区分で構成されるユーザセグメント(ユーザ区分一覧)が示されている。
図2に示すユーザセグメントは、「新規」や「既存」、「アクティブ」や「非アクティブ」、「フォロワー」といったユーザ区分を有している。「新規」や「既存」、「アクティブ」や「非アクティブ」は、以下に説明するように、管理装置100により提供される電子決済サービス(所定の決済手段の一例)を利用可能なユーザの決済履歴に基づいて予め規定されるユーザ区分一例である。また、「フォロワー」は、例えば、管理装置100により提供される電子決済サービスを利用可能なユーザの店舗追跡状況に基づいて予め規定されるユーザ区分の一例である。なお、ユーザセグメントを構成するユーザ区分は、管理装置100により提供される電子決済サービスを利用可能なユーザのデモグラフィック属性またはサイコグラフィック属性に基づいて予め規定することもできる。
【0042】
「新規」は、対象ブランド(店舗)で一度も決済したことがないという属性を有するユーザを指定するためのユーザ区分である。一方、「既存」は、対象ブランド(店舗)で決済したことがあるという属性を有するユーザを指定するためのユーザ区分である。なお、クーポン公開前に対象ブランド(店舗)で決済を行ったことがないユーザであっても、クーポンの公開期間中に決済を行ったユーザについては、「既存」のユーザ区分に含めることができる。
【0043】
「アクティブ」は、クーポン情報の設定前の直近30日以内に、対象ブランド(店舗)で決済を行ったことがあるという属性を有するユーザを指定するためのユーザ区分である。一方、「非アクティブ」は、クーポン情報の設定前の直近30日以内に、対象ブランド(店舗)で決済を行ったことがないという属性を有するユーザを指定するためのユーザ区分である。
【0044】
「フォロワー」は、対象ブランドの店舗をフォローしているという属性を有するユーザを指定するためのユーザ区分である。なお、フォローとは、例えば、決済アプリにおいて、対象ブランドの店舗がお気に入りとして設定されている場合や、対象プライドのSNS(Social Network Services)をフォローしている場合などが想定される。
【0045】
なお、ユーザセグメントは、クーポン設定画面W1の「設定する」ボタンの操作に応じて表示されるサブウィンドウ構成により提供されてもよいし、クーポン設定画面W1の一部として始めから表示される形式で提供されていてもよい。また、ユーザセグメントの選択が行われなかった場合、全てのユーザ区分がクーポン獲得対象として設定される。
【0046】
また、クーポン設定画面W1は、ユーザセグメントにおけるユーザ区分の指定に応じて、該当するユーザ区分の推定ユーザ数を提示できる。推定ユーザ数は、管理装置100により、ユーザ情報や決済情報などの各種情報に基づいて推計される。
【0047】
図2に示すように、「セグメント設定」の設定項目において設定された情報は、管理装置100に送信され、ユーザ端末10の表示部11に表示されるクーポン表示画面W2の表示領域DA1に挿入されたカバー画像GZの中に反映される。例えば、クーポン表示画面W2を表示部11に表示するユーザ端末10のユーザU01が、セグメント設定において指定されたユーザ区分に該当する場合、カバー画像GZにおいて「対象ユーザ」と表示される。
【0048】
「公開期間」は、クーポンの公開期間を設定するための設定項目である。「公開期間」の設定項目において設定された情報は、管理装置100に送信される。なお、
図2に示す例では、「公開期間」の設定項目において設定された情報は、ユーザ端末10の表示部11に表示されるクーポン表示画面W2に表示されていないが、表示されるようにしてもよい。
【0049】
「クーポン利用期間」は、クーポンを獲得したユーザがクーポンを利用可能な期間を設定するための設定項目である。
図2に示すように、「クーポン利用期間」の設定項目において設定された情報は、管理装置100に送信され、ユーザ端末10の表示部11に表示されるクーポン表示画面W2の表示領域DA1(カバー画像GZ)及び表示領域DA4に挿入される。
【0050】
「利用回数」は、クーポンを利用することが可能な回数の情報を設定するための設定項目である。
図2に示すように、「利用回数」の設定項目において設定された情報は、管理装置100に送信され、ユーザ端末10の表示部11に表示されるクーポン表示画面W2の表示領域DA3に挿入される。
【0051】
「適用条件」は、クーポンが適用される金銭的な条件を設定するための設定項目である。
図2に示すように、「適用条件」の設定項目において設定された情報は、管理装置100に送信され、ユーザ端末10の表示部11に表示されるクーポン表示画面W2の表示領域DA3に挿入される。
【0052】
「キャッシュバック額」は、クーポンの適用によりユーザ端末10のユーザU01に還元するキャッシュバックの額を設定するための設定項目である。
図2に示すように、「キャッシュバック額」の設定項目において設定された情報は、管理装置100に送信され、ユーザ端末10の表示部11に表示されるクーポン表示画面W2の表示領域DA3に挿入される。キャッシュバック額は、還元率または固定額による設定が可能である。
図2に示す例では、キャッシュバック額の還元率が30%であるので、例えば、クーポンを利用して決済を行ったユーザU01の決済金額が1000円である場合、このユーザU01に対して、300円に相当する電子マネーが還元される。
【0053】
「キャッシュバック上限」は、クーポンの適用によりユーザ端末10のユーザU01に還元するキャッシュバックの額の上限を設定するための設定項目である。
図2に示すように、「キャッシュバック上限」の設定項目において設定された情報は、管理装置100に送信され、ユーザ端末10の表示部11に表示されるクーポン表示画面W2の表示領域DA3に挿入される。
図2に示す例では、キャッシュバック額の上限が1000円であるので、例えば、クーポンを利用して決済を行ったユーザU01の決済金額が4000円であっても、このユーザU01に対して、還元率に相当する1200円ではなく、キャッシュバック上限である1000円に相当する電子マネーが還元されることになる。
【0054】
「予算上限金額」は、クーポンの適用によりユーザ端末10のユーザU01に還元するキャッシュバックの原資に割り当てる予算を設定するための設定項目である。
図2に示すように、「予算上限金額」の設定項目において設定された情報は、管理装置100に送信され、ユーザ端末10の表示部11に表示されるクーポン表示画面W2の表示領域DA3に挿入される。なお、
図2に示す例では、「予算上限金額」に対応する情報がクーポン表示画面W2の表示領域DA4に反映されている。
【0055】
「クーポン併用可否」は、クーポンの併用を許可するか否かを設定するための設定項目である。
図2に示すように、「クーポン併用可否」の設定項目において設定された情報は、管理装置100に送信され、ユーザ端末10の表示部11に表示されるクーポン表示画面W2の表示領域DA3に挿入される。
【0056】
「キャンペーン店舗の設定」は、決済に連動してクーポンを適用し、決済金額に対するキャッシュバックを行う店舗の設定を行うための設定項目である。例えば、事業者本部Aの従業員U03は、「キャンペーン店舗の設定」の設定項目について設定を行うことにより、事業者本部Aが統括する全ての店舗に共通のクーポンを作成できる。また、事業者本部Aの従業員U03は、統括する店舗のうちのいずれかの店舗(例えば、売上が振るわない店舗など)限定で使用可能なクーポンの作成も可能となる。これにより、店舗ごとにカスタマイズしたクーポン戦略が可能となる。また、事業者本部Aの従業員U03は、統括する店舗をエリアに分け、エリアごとに異なるユーザ区分を対象としたクーポンを作成することも可能となる。これにより、店舗がある地域の地域性に合わせたクーポン戦略も可能となる。「キャンペーン店舗の設定」の設定項目において設定された情報は、管理装置100に送信される。
【0057】
上述してきたクーポン設定画面W1を通じて、管理装置100は、例えば、事業者本部Aの従業員U03から、クーポン情報の設定を受け付ける。管理装置100は、事業者端末30から受信するクーポン情報を管理する。管理装置100は、クーポン情報に設定されたユーザ区分に該当するユーザを電子決済サービスの利用者の中から検索し、検索したユーザに対して、検索したユーザのみが獲得可能なクーポンを提供する。このようにして、電子決済サービスを導入する事業者本部Aは、決済金額に応じた利益還元を行うユーザを具体的に設定できる。
【0058】
(1-3-2.アカウント権限について)
管理装置100は、電子決済サービスの導入時に各店舗に発行するアカウントごとに、レベルの異なるアカウント権限を付与してもよい。そして、管理装置100は、付与したアカウント権限の範囲内でクーポンに関する設定を受け付けてもよい。例えば、管理装置100が付与するアカウント権限として、クーポン設定画面W1における全ての設定項目に対する設定が許可される管理者権限や、クーポン設定画面W1における設定項目の一部について設定が許可される標準権限などが例示される。例えば、クーポン設定画面W1における「予算上限金額」や「キャンペーン店舗の設定」についての設定項目は、管理者権限のみで操作可能な設定項目としてもよい。例えば、管理装置100は、「キャンペーン店舗の設定」の設定項目について、標準権限のアカウントでキャンペーンを実施する店舗の選択を行おうとした場合、管理者権限が必要である旨を通知するなどして、設定を受け付けないようにできる。また、「キャンペーン店舗の設定」の設定項目においてキャンペーンの実施店舗として選択される店舗が一定数以上の店舗に跨る場合、管理者権限のアカウントでのみ設定を可能とすることもできる。例えば、管理装置100は、「キャンペーン店舗の設定」の設定項目において、標準権限のアカウントで一定数以上の店舗を選択しようとした場合、アカウント権限の範囲を越えている旨を通知するなどして、設定を受け付けないようにできる。このように、アカウント権限のレベル分けを行うことにより、例えば、事業者本部Aでのみ作成可能なクーポンや、各店舗で作成可能なクーポンなどを実現可能となる。また、クーポン設定画面W1における各設定項目において設定できる設定値(パラメータ)の範囲をアカウント権限のレベルに応じて異なる範囲となるようにすることもできる。例えば、例えば、クーポン設定画面W1(
図2参照)に設けられた「キャッシュバック額」の設定項目において、標準権限で設定できる金額の上限よりも管理者権限で設定できる金額の上限を高くしたり、「キャッシュバック上限」の設定項目において、標準権限で設定できる金額の上限よりも管理者権限で設定できる金額の上限を高くしたりすることが可能となる。
【0059】
(1-3-3.カスタマイズ処理)
上述の電子決済サービスを運営する決済事業者は、上述の電子決済サービスを導入する加盟店(たとえば、事業者本部A)に対して、上述の電子決済サービスを用いた決済を行うための決済用アプリケーション(以下、「ストアアプリ」と称する。)を提供する。このストアアプリは、上述したように、クーポンが適用される対象者を指定するためのユーザセグメントに関する設定を受け付けることが可能に構成されている。管理装置100は、加盟店によるユーザセグメントの設定内容に従って、特定のユーザ区分に合致するユーザU01のみが獲得可能なクーポンの発行を行う。このように、加盟店は、特典を付与するユーザ(たとえば、
図1に示すユーザU01)を具体的に設定できる。
【0060】
ところで、上述の電子決済サービスは、加盟店の業種や業態を問わない汎用のサービスである。このため、上述のストアアプリは、加盟店の業種や業態の実情に即した機能を提供するものとは言えない場合がある。たとえば、あるユーザがどのユーザセグメントに区分されるかは、業種・業態ごとに大きく異なる場合がある。具体例を示せば、飲食店のように、ロイヤルユーザが比較的高頻度に来店(決済)するような業種・業態では、ロイヤルユーザに対応する来店(決済)間隔を比較的短く設定することが望まれる。一方で、自動車ディーラーのように、ロイヤルユーザであっても比較的低頻度で来店(決済)するような業種・業態では、ロイヤルユーザに対応する来店(決済)間隔を比較的長く設定することが望まれる。
【0061】
このようなことから、上述のストアアプリにより加盟店に対して提供される機能について改善の余地がある。すなわち、加盟店の業種・業態の実情に即して、ユーザ区分に関する詳細基準(対象者の判定基準)をカスタマイズするための機能が求められる。そこで、以下では、実施形態に係るカスタマイズ処理について説明する。なお、以下では、カスタマイズ処理は、加盟店である事業者本部Aの従業員U03がストアアプリに搭載される機能を通じて実現される。
【0062】
なお、以下の説明では、事業者端末30を従業員U03と同一視する場合がある。すなわち、以下の説明において、従業員U03を事業者端末30と読み替えることもできる。
【0063】
図3~
図5は、実施形態に係るカスタマイズ処理の一例を示す図である。
図3に示すクーポン設定画面W1におけるユーザセグメントの領域には、ユーザセグメントが有する各ユーザ区分に関する詳細基準の設定を行うための基準設定ボタンB-1が示されている。また、
図3~
図5に示す基準設定画面W3は、たとえば、決済間隔を設定するための設定項目R-1と、利用金額を設定するための設定項目R-2と、属性を設定するための設定項目R-3とを有している。
【0064】
また、設定項目R-1~設定項目R-3は、それぞれ、設定値を入力するためのスライドバー(「スライダー」とも称される。)BR、及び指定値表示ボックスBXを有している。また、設定項目R-3には、ユーザの性別等を択一的に設定するためのラジオボタンB-2が設けられている。基準設定ボタンB-1に対する操作が行われた場合、
図3~
図5に示す基準設定画面W3が有する設定項目R-1~設定項目R3のうち、クーポン設定画面W1のユーザセグメントの領域において、設定者(たとえば、従業員U03)により指定されたユーザ区分に対応する設定項目が、ユーザ区分に関する詳細基準の設定操作を受付可能な状態となって表示される。
【0065】
また、設定項目R-1において設定される「決済間隔」は、ユーザ区分:「アクティブ」または「ノンアクティブ」に関する詳細基準として、「アクティブ」または「ノンアクティブ」に該当する対象者を各加盟店が自由にカスタマイズするための期間の一例である。つまり、設定項目R-1は、ユーザ区分:「アクティブ」または「ノンアクティブ」が選択された場合、設定可能な状態となって表示される。
【0066】
また、設定項目R-2において設定される「利用金額」は、ユーザ区分:「アクティブ」または「ノンアクティブ」に関する追加の詳細基準として、「アクティブ」または「ノンアクティブ」に該当する対象者を各加盟店が自由にカスタマイズするための利用金額の一例である。つまり、設定項目R-2は、ユーザ区分:「アクティブ」または「ノンアクティブ」が選択された場合、設定可能な状態となって表示される。
【0067】
また、設定項目R-3において設定される属性は、ユーザ区分:「アクティブ」または「ノンアクティブ」に関する追加の詳細基準として、「アクティブ」または「ノンアクティブ」に該当する対象者を各加盟店が自由にカスタマイズするためのユーザのデモグラフィック属性またはサイコグラフィック属性の一例である。つまり、設定項目R-3は、ユーザ区分:「アクティブ」または「ノンアクティブ」が選択された場合、設定可能な状態となって表示される。
【0068】
また、
図3~
図5に示す基準設定画面W3には、決定ボタンB-3と、キャンセルボタンB-4と、ヘルプボタンB-5とが設けられている。決定ボタンB-3は、基準設定画面W3において設定されたユーザ区分に関する詳細基準を確定させ、詳細基準の設定を完了するためのボタンである。キャンセルボタンB-4は、基準設定画面W3におけるユーザ区分に関する詳細基準の設定を中止し、クーポン設定画面W1に戻るためのボタンである。ヘルプボタンB-5は、基準設定画面W3の操作方法などを設定者に提示するためのチュートリアル情報などを表示させるためのボタンである。
【0069】
なお、基準設定画面W3のデザインは、
図3~
図5に示す例には、特に限定される必要はなく、実施形態に係る情報処理が実現できる限り、任意のデザインで構成することができる。
【0070】
以下、
図3~
図5を参照しつつ、ユーザ区分に関する詳細基準の設定例について説明する。なお、
図3~
図5は、設定者(たとえば、従業員U03)により、ユーザ区分として「アクティブ」が選択された場合について例示している。
【0071】
図3~
図5には、設定者(たとえば、従業員U03)によりユーザ区分:「アクティブ」が選択された後、基準設定ボタンB-1に対する操作に応じて表示部31に表示される基準設定画面W3が例示されている。
図3に示す例では、設定項目R-1~設定項目R-3の全ての設定項目が、ユーザ区分:「アクティブ」に関する詳細基準の設定を受付可能な状態で表示されている。
【0072】
また、設定項目R-1における「決済間隔」は、たとえば、クーポン情報の設定前の直近の期間であり、対象ブランド(店舗)においてユーザにより行われた決済の間隔を意味する。具体例を示せば、
図3に示す基準設定画面W3の設定項目R-1において決済間隔が「7日」に設定された後、決定ボタンB-3が操作された場合、ユーザ区分に関する詳細基準の情報が管理装置100に送信される。この場合、管理装置100は、設定者(加盟店)に対応する対象ブランド(店舗)でクーポン設定前の直近7日以内に決済を行ったことがあるユーザを「アクティブ」のユーザ区分に該当するユーザであると判定する。
【0073】
また、設定項目R-2における「利用金額」は、たとえば、クーポン情報の設定前の所定期間において、対象ブランド(店舗)においてユーザが決済した金額の価格帯の範囲を意味する。具体例を示せば、
図4に示す基準設定画面W3の設定項目R-2において、最高金額が「1,500円」に設定され、最低金額が「1,200円」に設定された後、決定ボタンB-3が操作された場合、ユーザ区分に関する詳細基準の情報が管理装置100に送信される。この場合、管理装置100は、設定者(加盟店)に対応する対象ブランド(店舗)においてクーポン設定前の直近7日以内に決済を行ったことがあるユーザのうち、所定期間における平均利用金額が「1,200円~1,500円」の価格帯の範囲にあるユーザを「アクティブ」のユーザ区分に該当するユーザであると判定する。なお、管理装置100は、平均利用金額に限られず、所定期間における最高金額や最低金額が設定項目R-2において設定された価格帯の範囲にあるユーザを「アクティブ」のユーザ区分に該当するユーザであると判定してもよい。
【0074】
また、設定項目R-3における「属性」は、たとえば、クーポン情報の設定前の所定期間において、対象ブランド(店舗)において決済を行ったユーザの属性を意味する。具体例を示せば、
図5に示す基準設定画面W3の設定項目R-3において、年齢が「33歳」に設定され、性別が「女性」に設定された後、決定ボタンB-3が操作された場合、ユーザ区分に関する詳細基準の情報が管理装置100に送信される。この場合、管理装置100は、設定者(加盟店)に対応する対象ブランド(店舗)においてクーポン設定前の直近7日以内に決済を行ったことがあるユーザのうち、年齢が「33歳」で、かつ、性別が「女性」であるユーザを「アクティブ」のユーザ区分に該当するユーザであると判定する。
【0075】
また、管理装置100は、ユーザ区分に関する詳細基準の情報に「利用金額」に関する設定情報(
図4参照)が含まれる場合、設定者(加盟店)に対応する対象ブランド(店舗)においてクーポン設定前の直近7日以内に決済を行ったことがあり、所定期間における平均利用金額が「1,200円~1,500円」の価格帯の範囲にあるユーザのうち、年齢が「33歳」で、かつ、性別が「女性」であるユーザを「アクティブ」のユーザ区分に該当するユーザであると判定する。
【0076】
なお、設定項目R-3で設定される年齢はピンポイントである必要はなく、年代や、任意の年齢の範囲を設定可能に構成されていてもよい。なお、設定項目R-3における「属性」は、設定項目R-1における「決済間隔」や、設定項目R-2における「利用金額」の設定が前提となる補助的な基準として機能させてもよい。
【0077】
図3~
図5に示す例によれば、ユーザ区分:「アクティブ」に該当する対象者は、クーポン設定前の直近7日以内に決済を行ったことがあり、対象ブランド(店舗)での所定期間における平均利用金額が「1,200円~1,500円」の価格帯の範囲にあり、かつ、年齢が「33歳」で、性別が「女性」であるユーザとなる。このように、管理装置100は、
図3~
図5に示す基準設定画面W3を通じて、各加盟店が自由にユーザセグメントに関する詳細基準をカスタマイズするための機能を提供できる。
【0078】
また、管理装置100は、ユーザ区分に関する詳細基準の設定を受け付ける際、設定者(たとえば、従業員U03)により指定されたユーザ区分に対応する参照情報を設定者の業種(業態)に基づいて設定項目ごとに提示する。たとえば、管理装置100は、設定者(加盟店)の業種が飲食小売である場合、加盟店のうち、業種が飲食小売である他の加盟店により設定された詳細基準に基づく参照情報を提示できる。参照情報は、ユーザ区分に関する詳細基準の設定を補助するための提案情報として機能させることを目的として提示される情報である。
【0079】
具体例を示せば、
図3に示す基準設定画面W3において、設定者により指定されたユーザ区分:「アクティブ」に対応する「決済間隔」に関する参照情報J-1として、「飲食小売のロイヤルカスタマーは平均7日ごとに購入しています。」が提示される。また、
図4に示す基準設定画面W3において、設定者により指定されたユーザ区分:「アクティブ」に対応する「利用金額」に関する参照情報J-2として、「飲食小売のロイヤルカスタマーの平均利用金額は1,200円~1,500円です。」が提示される。また、
図5に示す基準設定画面W3において、設定者により指定されたユーザ区分:「アクティブ」に対応する「属性」に関する参照情報J-3として、「飲食小売のロイヤルカスタマーは、30代前半の女性です。」が提示される。これらの情報を参考として、設定者は、ユーザ区分に関する詳細基準の設定を行うことができる。
【0080】
なお、管理装置100は、参照情報J1~J3を任意のタイミングで設定者に提示できる。たとえば、管理装置100は、基準設定画面W3を表示するタイミングで当初から提示してもよいし、設定者の設定操作に連動して提示してもよいし、設定者の要求に応じて提示してもよい。
【0081】
また、基準設定画面W3において設定されるユーザ区分に関する詳細基準は、ユーザ区分:「アクティブ」または「ノンアクティブ」が指定された場合に限られず、「アクティブ」または「ノンアクティブ」以外のユーザ区分が指定された場合の詳細基準として利用されてもよい。
図6は、実施形態に係るカスタマイズ処理の他の例を示す図である。
【0082】
図6には、設定者(たとえば、従業員U03)によりユーザ区分:「新規」が指定された後、基準設定ボタンB-1に対する操作に応じて表示部31に表示される基準設定画面W3が例示されている。
図6に示す例では、設定項目R-1~設定項目R-3のうち、設定項目R-3における「属性」のみが、ユーザ区分:「新規」に関する詳細基準の設定を受付可能な設定項目として表示されている。
図6に示す基準設定画面W3の設定項目R-3において、年齢が「40歳」に設定され、性別が「男性」に設定された後、決定ボタンB-3が操作されたとする。この場合、管理装置100は、設定者(加盟店)に対応する対象ブランド(店舗)において決済を行ったことがないユーザのうち、年齢が「40歳」で、性別が「男性」であるユーザを「新規」のユーザ区分に振り分ける。なお、設定項目R-3で設定される年齢はピンポイントである必要はなく、年代や、任意の年齢の範囲を設定可能に構成されていてもよい。また、たとえば、ユーザ区分:「既存」が指定された場合、設定項目R-2における「利用金額」に関する詳細基準の設定を受付可能に構成するなど、指定されたユーザ区分に対応する適切な詳細基準を設定可能に構成できる。
【0083】
〔2.システム構成例〕
以下、実施形態に係る情報処理システム1の構成例について説明する。
図7は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図7に示すように、情報処理システム1は、ユーザ端末10と、店舗端末20と、事業者端末30と、管理装置100とを有する。
【0084】
また、ユーザ端末10と、店舗端末20と、事業者端末30と、管理装置100とは、有線又は無線によりネットワークNに接続される。例えば、ユーザ端末10及び管理装置100は、ネットワークNを介して相互に通信できる。また、店舗端末20及び管理装置100は、ネットワークNを介して相互に通信できる。また、事業者端末30及び管理装置100は、ネットワークNを介して相互に通信できる。
【0085】
ネットワークNは、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、電話網(携帯電話網、固定電話網等)、地域IP(Internet Protocol)網、インターネット等の通信ネットワークである。ネットワークNには、有線ネットワークが含まれていてもよいし、無線ネットワークが含まれていてもよい。なお、
図7に示す情報処理システム1は、
図7に示す例よりも多くのユーザ端末10や、店舗端末20や、事業者端末30や、管理装置100を有していてもよい。
【0086】
ユーザ端末10は、ユーザU01によって利用される情報処理装置である。ユーザ端末10は、典型的には、スマートフォンである。なお、ユーザ端末10は、スマートフォンの他、タブレット型端末、ノート型PC(Personal Computer)、デスクトップPC、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現され得る。
【0087】
また、ユーザ端末10は、管理装置100から提供される電子決済サービスを利用するためのアプリケーションプログラム等を取得する。ユーザ端末10のユーザU01は、前述のアプリケーションプログラムを起動することにより、ユーザ端末10を用いて、管理装置100により提供される電子決済サービスを用いた決済を実現できる。また、ユーザ端末10は、ユーザ操作にしたがって管理装置100が提供するクーポンに関するウェブサイトを表示部11に表示する。また、ユーザ端末10は、前述のウェブサイトにおいて閲覧可能なクーポン表示画面W2(
図2参照)に対するユーザ操作にしたがってクーポンを取得する。ユーザ端末10は、取得したクーポンを識別するクーポンIDと、ユーザIDとを対応付けて管理装置100に登録する。ユーザU01に対して配信されたクーポン情報のうち、ユーザU01が興味を示したクーポン情報が管理装置100に登録される。なお、ユーザ端末10が取得するクーポン情報は、プッシュ通知で配信されるものであってもよく、プル通知で配信されるものであってもよい。
【0088】
店舗端末20は、実店舗で店員(例えば、店員U02)に使用される情報処理装置である。店舗端末20は、典型的には、POS(Point Of System)端末である。なお、店舗端末20は、スマートフォンなどの携帯電話機や、タブレット端末や、PDAや、デスクトップ型PCや、ノート型PC等により実現され得る。
【0089】
店舗端末20は、ユーザU01が購入する商品のバーコードを読み取ることで、決済金額を算出する。また、店舗端末20は、ユーザ端末10に表示されたバーコードやQRコード(登録商標)を読み取ることで、ユーザIDや決済方法に関する情報を取得することも可能である。店舗端末20は、ユーザIDと、店舗IDと、決済金額とを対応付けた決済情報を管理装置100へ送信する。なお、店舗端末20は、商品のバーコードに基づき、商品情報をあわせて管理装置100へ送信することも可能である。
【0090】
事業者端末30は、管理装置100により運営される決済処理システムを導入する店舗aを統括する企業の事業者本部Aの従業員U03によって利用される情報処理装置である。事業者端末30は、典型的には、ノート型PC(Personal Computer)やデスクトップPCである。
【0091】
また、事業者端末30は、事業者端末30のユーザである従業員U03の操作に従って、管理装置100にアクセスする。このような場合、事業者端末30のユーザである従業員U03は、管理装置100から発行されたアカウントを用いて、管理装置100により提供される電子決済サービスに関するウェブサイトにログインする。事業者端末30は、ウェブサイトにおける従業員U03の操作に従って、ウェブサイト上で閲覧可能なクーポン設定画面W1(
図2参照)を表示部31に表示する。また、事業者端末30は、クーポン設定画面W1において設定されたクーポン情報を管理装置100に送信する。
【0092】
管理装置100は、ユーザ端末10を用いた電子決済に関する電子決済サービスを提供する情報処理装置である。管理装置100が提供する電子決済サービスは、例えば、ユーザ端末10のユーザU01が、ユーザ端末10を用いて利用できるアプリケーションプログラム等により実現される。管理装置100は、典型的には、サーバ装置やクラウドシステム等である。管理装置100は、例えば、ユーザ端末10から受信する決定要求に従って、各種決済を実現する。
【0093】
また、管理装置100は、事業者端末30のユーザである従業員U03からのログイン要求に応じて、電子決済サービスに関するウェブサイトへのログイン処理を実行する。また、管理装置100は、前述のウェブサイトを通じて、クーポン設定画面W1を事業者端末30のユーザである従業員U03へ提供する。また、管理装置100は、クーポン設定画面W1を通じて事業者端末30から受信するクーポン情報を、電子決済サービスを導入する店舗に対して個別に割り振られる店舗IDに関連付けて管理する。また、管理装置100は、クーポン情報に基づいて、ユーザ端末10のユーザU01に対してクーポンを提供する。
【0094】
〔3.装置構成例〕
以下、実施形態に係る管理装置100の構成について説明する。
図8は、実施形態に係る管理装置の構成例を示すブロック図である。
【0095】
図8に示すように、管理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0096】
(通信部110について)
通信部110は、有線又は無線により、ネットワークNに接続される。通信部110は、ネットワークNを介して、ユーザ端末10や、店舗端末20や、事業者端末30との間で情報の送受信を行う。通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。
【0097】
(記憶部120について)
記憶部120は、制御部130による制御及び演算に用いられるプログラム及びデータを記憶する。記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
図8に示すように、記憶部120は、ユーザ情報記憶部121と、店舗情報記憶部122と、クーポン情報記憶部123と、決済情報記憶部124と、口座情報記憶部125とを有する。
【0098】
(ユーザ情報記憶部121について)
ユーザ情報記憶部121は、管理装置100が提供するサービスを利用するユーザに関するユーザ情報を記憶する。
図9は、実施形態に係るユーザ情報の概要を示す図である。
【0099】
図9に示すように、ユーザ情報記憶部121に記憶されるユーザ情報は、「ユーザID」や、「氏名」や、「性別」や、「年齢」や、「住所」や、「獲得クーポンID」などの複数の項目を有し、これらの各項目は相互に対応付けられている。
【0100】
「ユーザID」の項目は、管理装置100が提供する電子決済サービスを利用するユーザに対して個別に付与される各ユーザに固有の識別情報を記憶する。また、「氏名」の項目は、管理装置100が提供するサービスを利用するユーザの氏名の情報を記憶する。
【0101】
また、「性別」の項目は、管理装置100が提供するサービスを利用するユーザの性別の情報を記憶する。また、「年齢」の項目は、管理装置100が提供するサービスを利用するユーザの年齢の情報を記憶する。
【0102】
また、「住所」の項目は、管理装置100が提供するサービスを利用するユーザの住所の情報を記憶する。また、「獲得クーポンID」の項目は、管理装置100が提供するサービスを利用するユーザが獲得したクーポンに個別に割り振られる各クーポンに固有の識別情報を記憶する。
【0103】
(店舗情報記憶部122について)
店舗情報記憶部122は、管理装置100が提供する電子決済サービスを導入する店舗に関する店舗情報を記憶する。
図10は、実施形態に係る店舗情報の概要を示す図である。
【0104】
図10に示すように、店舗情報記憶部122に記憶される店舗情報は、「店舗ID」や、「名称」や、「住所」や、「アカウント権限」などの複数の項目を有し、これらの項目は相互に対応付けられている。
【0105】
「店舗ID」の項目は、電子決済サービスを導入する店舗に対して個別に割り振られる各店舗に固有の識別情報を記憶する。また、「名称」の項目は、電子決済サービスを導入する店舗の名称の情報を記憶する。また、「住所」の項目は、電子決済サービスを導入する店舗の所在地の情報を記憶する。
【0106】
また、「アカウント権限」の項目は、電子決済サービスの導入時に導入店舗に対して発行されるアカウントに対して付与されるアカウント権限の情報を記憶する。アカウント権限には、クーポン設定画面W1(
図2参照)における全ての設定項目に対する設定が許可される管理者権限や、クーポン設定画面W1における設定項目の一部について設定が許可される標準権限などが例示される。
【0107】
(クーポン情報記憶部123について)
クーポン情報記憶部123は、電子決済サービスを導入する店舗により設定されるクーポン情報を記憶する。
図11は、実施形態に係るクーポン情報の概要を示す図である。
【0108】
図11に示すように、クーポン情報記憶部123に記憶されるクーポン情報は、クーポン設定画面W1(
図2参照)および基準設定画面W3(
図3~
図5参照)により設定される各設定項目に対応する複数の項目を有し、これらの項目は相互に対応付けられている。
【0109】
「店舗ID」の項目は、電子決済サービスを導入する店舗に対して個別に割り振られる各店舗に固有の識別情報を記憶する。また、「クーポンID」の項目は、クーポン設定画面W1により設定されるクーポン情報に基づいて発行されるクーポンに個別に割り振られる識別情報を記憶する。
【0110】
また、「画像ファイル」の項目は、管理装置100からユーザ端末10に提供されるクーポンに関するクーポン情報に挿入する画像に関する情報を記憶する。「画像ファイル」の項目として、画像ファイル名や、画像ファイルの格納先を示すファイルパスの番号などが例示される。
【0111】
また、「タイトル」の項目は、前述のクーポン情報に挿入される画像に記載するタイトルの情報を記憶する。また、「詳細説明」の項目は、前述のクーポン情報に挿入されるクーポンについての詳細説明の情報を記憶する。
【0112】
また、「セグメント」の項目は、クーポンを獲得可能なユーザの属性に関する情報(ユーザ区分)を記憶する。例えば、「セグメント」の項目は、所定の条件に基づいて予め規定された複数のユーザ区分で構成されるユーザセグメント(ユーザ区分一覧)の中から、クーポンを獲得可能なユーザの属性として指定されたユーザ区分の情報を記憶する。
【0113】
なお、「セグメント」の項目は、ユーザセグメントの中から指定されたユーザ区分を記憶する例に特に限定される必要はない。例えば、デモグラフィック属性やサイコグラフィック属性、各種サービスにおける行動履歴に基づく属性に基づいて設定されてもよい。
【0114】
また、「詳細基準」の項目は、ユーザ区分に関する詳細基準に関する情報を記憶する。「詳細基準」の項目に記憶される詳細基準に関する情報には、所定のユーザ区分に該当する対象者をカスタマイズするための期間や、所定のユーザ区分に該当する対象者をカスタマイズするための利用金額や、所定のユーザ区分に該当する対象者をカスタマイズするためのユーザのデモグラフィック属性またはサイコグラフィック属性などの情報が含まれる。
図11の例によれば、店舗ID:「SA」で識別される店舗で発行されるクーポンID:「KPB201」のクーポンが適用される対象者は、ユーザ区分:「アクティブ」が指定されている。また、「アクティブ」の詳細基準として、決済間隔が「7日」に設定されている。
【0115】
また、「公開期間」の項目は、クーポンの公開期間に関する情報が記憶される。また、「利用期間」の項目は、クーポンの利用期間に関する情報が記憶される。また、「利用回数」の項目は、クーポンを利用可能な利用回数を示す情報が記憶される。また、「適用条件」の項目は、クーポンの適用条件に関する情報が記憶される。クーポンの適用条件として、例えば、クーポンが適用される決済金額の金額条件などが例示される。
【0116】
また、「CB額」の項目は、管理装置100により提供される電子決済サービスを用いて代金の決済を行った場合に、決済の当事者であるユーザが獲得済みのクーポンに基づいて、当事者であるユーザにキャッシュバックされる電子マネーに関する情報が記憶される。「CB額」の項目に記憶される情報として、例えば、決済金額に対する還元率や、還元額の情報などが例示される。
【0117】
また、「CB上限」の項目は、管理装置100により提供される電子決済サービスを用いて代金の決済を行った場合に、決済の当事者であるユーザが獲得済みのクーポンに基づいて、当事者であるユーザにキャッシュバックされる電子マネーの上限に関する情報を記憶する。
【0118】
また、「予算条件」の項目は、クーポンの適用によりユーザ端末10のユーザU01に還元するキャッシュバックの原資に割り当てる予算の情報を記憶する。また、「クーポン併用」の項目は、クーポンの併用の許否に関する情報を記憶する。また、「キャンペーン実施店舗」の項目は、クーポンの適用によりキャッシュバックを行う店舗の情報を記憶する。
【0119】
(決済情報記憶部124について)
決済情報記憶部124は、電子決済サービスを利用して行われた決済情報を記憶する。
図12は、実施形態に係る決済情報の概要を示す図である。
【0120】
図12に示すように、決済情報記憶部124に記憶される決済情報は、「ユーザID」と、「店舗ID」と、「商品ID」と、「決済金額」と、「決済日時」と、「決済番号」と、「適用クーポンID」と、「CB予定額」の複数の項目を有し、これらの各項目は相互に対応付けられている。
【0121】
「ユーザID」及び「店舗ID」の項目には、上述のユーザ情報記憶部121や、店舗情報記憶部122や、クーポン情報記憶部123に記憶される「ユーザID」や「店舗ID」の項目の情報に対応する情報が記憶される。
【0122】
また、「商品ID」の項目には、ユーザにより購入された商品に個別に割り振られている各商品に固有の識別情報を記憶する。また、「決済金額」の項目は、決済金額の情報を記憶する。また、「決済日時」の情報は、決済日時の情報を記憶する。また、「決済番号」の項目は、対応する決済処理に対して個別に割り振られる各決済処理に固有の識別情報を記憶する。
【0123】
また、「適用クーポンID」は、対応する決済処理に連動して自動的に適用されたクーポンのクーポンIDが記憶される。また、「CB予定額」の項目は、クーポンに基づいてキャッシュバックされる電子マネーの獲得予定額の情報を記憶する。
【0124】
(口座情報記憶部125について)
口座情報記憶部125は、管理装置100により提供される電子決済サービスを利用するユーザの口座情報を記憶する。電子決済サービスを利用するユーザには、電子決済サービスを利用して商品の代金を支払うユーザ側と、電子決済サービスを導入して商品の代金の支払いを受け付ける店舗側とが含まれる。
図13は、実施形態に係る口座情報の概要を示す図である。
【0125】
図13に示すように、口座情報記憶部125に記憶される口座情報は、「ユーザID/店舗ID」や、「口座番号」や、「電子マネー残高」などの複数の項目を有し、これらの項目は互いに対応付けられている。
【0126】
「ユーザID/店舗ID」の項目は、電子決済サービスを利用して商品の代金を支払うユーザのユーザID、又は電子決済サービスを通じて商品の代金の支払いを受け付ける店舗の店舗IDのいずれかを記憶する。
【0127】
また、「口座番号」は、電子決済サービスを利用するユーザに個別に割り振られる各ユーザに固有の口座番号の情報を記憶する。また、「電子マネー残高」の項目は、口座に入金済みの電子マネーの残高の情報を記憶する。
【0128】
(制御部130について)
制御部130は、管理装置100の制御や演算を実行するコントローラ(controller)である。制御部130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、管理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0129】
図8に示すように、制御部130は、受付部131と、提供部132と、決済処理部133とを有する。
【0130】
(受付部131について)
受付部131は、クーポンを獲得可能なユーザの属性情報を受け付ける。具体的には、受付部131は、管理装置100が提供する電子決済サービスを導入する店舗側(例えば、事業者端末30)に対して電子決済サービスに関するウェブサイトへのアクセスを許可する。また、受付部131は、前述のウェブサイトを通じて、クーポン設定画面W1(
図2参照)へのアクセスを許可する。また、受付部131は、クーポン設定画面W1に設けられた「セグメント設定」の設定項目を通じて、クーポン情報の設定要求元である店舗から、クーポンを獲得可能なユーザの属性に設定するユーザ区分の指定を受け付ける。
【0131】
また、受付部131は、クーポン設定画面W1(
図2参照)に設けられた「セグメント設定」の設定項目において指定されたユーザ区分に属する推定ユーザ数を提示する。
【0132】
また、受付部131は、クーポン設定画面W1(
図2参照)に設けられた「画像」の設定項目を通じて、クーポンに挿入されるカバー画像の設定を受け付ける。また、受付部131は、クーポン設定画面W1(
図2参照)に設けられた「キャンペーン店舗の設定」の設定項目を通じて、クーポンを利用可能な店舗(キャンペーン店舗)の設定を受け付ける。これにより、電子決済サービスを導入する企業は、全ての店舗に共通のクーポンを作成したり、例えば、売上が振るわない店舗など限定で使用可能なクーポンを作成したりすることができる。
【0133】
また、受付部131は、クーポン情報の設定要求元である店舗に付与するアカウント権限の範囲内で、クーポン設定画面W1におけるクーポン情報の設定を受け付ける。例えば、アカウント権限は、クーポン設定画面W1における全ての設定項目に対する設定が許可される管理者権限や、クーポン設定画面W1における設定項目の一部について設定が許可される標準権限などにレベル分けされる。また、受付部131は、アカウント権限のレベルに応じて、クーポンに関するクーポン情報の設定を行う際に入力可能なパラメータの範囲を変更する。これにより、例えば、クーポン設定画面W1(
図2参照)に設けられた「キャッシュバック額」の設定項目において、標準権限で設定できる金額の上限よりも管理者権限で設定できる金額の上限を高くしたり、「キャッシュバック上限」の設定項目において、標準権限で設定できる金額の上限よりも管理者権限で設定できる金額の上限を高くしたりすることができる。
【0134】
また、受付部131は、クーポン設定画面W1において設定されたクーポン情報に対して、クーポン情報を識別するためのクーポンIDを付与する。そして、提供部132は、発行したクーポンIDを含むクーポン情報を、クーポン情報の設定要求元である店舗IDに関連付けて記憶部120(クーポン情報記憶部123)に登録する。
【0135】
また、受付部131は、電子決済で即時適用されるクーポンのクーポン設定画面W1(
図2参照)を通じて、電子決済を利用可能なユーザのうち、クーポンが適用される対象者を指定するための上述のユーザ区分、及びユーザ区分に関する詳細基準の設定を受け付ける。
【0136】
たとえば、受付部131は、ユーザ区分に関する詳細基準の設定を受け付けるための基準設定画面W3(
図3~
図6参照)を設定者に提供する。そして、受付部131は、通じて、ユーザ区分に関する詳細基準として、所定のユーザ区分に該当する対象者をカスタマイズするための期間の設定を受け付ける。また、たとえば、受付部131は、ユーザ区分に関する詳細基準として、所定のユーザ区分に該当する対象者をカスタマイズするための利用金額の設定を受け付ける。また、たとえば、受付部131は、ユーザ区分に関する詳細基準として、所定のユーザ区分に該当する対象者をカスタマイズするためのユーザのデモグラフィック属性またはサイコグラフィック属性の設定を受け付ける。
【0137】
受付部131は、クーポン設定画面W1のユーザセグメントにおいて指定されたユーザ区分に対応付けて、基準設定画面W3において受け付けた詳細基準の情報を仮登録する。受付部131は、クーポン設定画面W1におけるクーポン情報の設定が完了した際、ユーザ区分に対応付けて詳細基準の情報をクーポン情報記憶部123に登録する。
【0138】
また、受付部131は、ユーザ区分に関する詳細基準の設定を受け付ける際、設定者により指定されたユーザ区分に対応する参照情報を設定者の業種に基づいて提示する。たとえば、受付部131は、設定者と業種が同一である他の設定者の設定情報に基づく参照情報を提示する。具体的には、受付部131は、設定者(加盟店)の業種が飲食小売である場合、加盟店のうち、業種が飲食小売である他の加盟店の設定情報に基づいて、参照情報を提示できる。
【0139】
(提供部132について)
提供部132は、受付部131により受け付けられた属性情報が示す属性のユーザのみが獲得可能なクーポンを提供する。具体的には、提供部132は、公開時期に該当するクーポン情報がある場合、該当のクーポン情報に設定されたユーザセグメントの情報(例えば、指定されたユーザ区分や詳細基準)を取得する。提供部132は、取得したユーザセグメントの情報に該当するユーザを電子決済サービスの利用者の中から検索する。提供部132は、例えば、ユーザ情報記憶部121に記憶されているユーザ情報や、決済情報記憶部124に記憶されている決済情報などを参照して、指定されたユーザ区分に該当するユーザを検索する。そして、提供部132は、検索したユーザに対して、公開時期に該当するクーポン情報に基づくクーポンを発行する。
【0140】
(決済処理部133について)
決済処理部133は、決済要求に含まれる決済情報に基づいて決済処理を実行する。具体的には、決済処理部133は、ユーザ端末10から決済要求を受信すると、決済情報に含まれるユーザIDと店舗IDとに基づいて、ユーザ情報記憶部121に記憶されているユーザ情報の中から決済金額に適用可能なクーポン情報を選択する。そして、決済処理部133は、選択したクーポン情報に基づいて精算金額を算出する。そして、決済処理部133は、決済情報に含まれるユーザIDに紐付く口座から、決済情報に含まれる店舗IDに紐付く口座へと、精算金額が示す額の電子マネーを移行させ、決済が完了した旨の通知をユーザ端末10へと送信する。
【0141】
〔4.処理手順〕
以下、
図14~17を用いて、実施形態に係る管理装置100の処理手順について説明する。
図14~
図17は、実施形態に係る管理装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、以下に示す処理手順は、管理装置100の制御部130によって繰り返し実行される。
【0142】
(4-1.クーポン情報登録処理)
まず、
図14を用いて、管理装置100によるクーポン情報登録処理の処理手順の一例を説明する。
図14に示すように、受付部131は、電子決済サービスを導入する店舗側(例えば、事業者端末30)に提供するウェブサイトを通じて、クーポン設定画面W1へのアクセスを許可する(ステップS101)。
【0143】
続いて、受付部131は、クーポン情報の設定要求元に発行したアカウントのアカウント権限の範囲内で、クーポン設定画面W1におけるクーポン情報の設定を受け付ける(ステップS102)。
【0144】
続いて、受付部131は、クーポン情報の設定が完了したかを判定する(ステップS103)。受付部131は、クーポン情報の設定が完了したと判定した(ステップS103,Yes)、クーポン情報を識別するためのクーポンIDを付与する(ステップ104)。
【0145】
そして、受付部131は、クーポンIDを含むクーポン情報を、クーポン情報の設定要求元である店舗IDに関連付けて記憶部120(クーポン情報記憶部123)に登録して(ステップS105)、
図14に示す処理手順を終了する。
【0146】
(4-2.クーポン情報提供処理)
次に、
図15を用いて、管理装置100によるクーポン情報提供処理の処理手順の一例を説明する。
図15に示すように、提供部132は、クーポン情報記憶部123に登録されているクーポン情報を検索し、登録済みのクーポン情報の中に公開時期に該当するクーポン情報があるかを判定する(ステップS201)。
【0147】
提供部132は、公開時期に該当するクーポン情報がないと判定した場合(ステップS201;No)、
図15に示す処理手順を終了する。
【0148】
一方、提供部132は、公開時期に該当するクーポン情報があると判定した場合(ステップS201;Yes)、公開時期に該当するクーポン情報に設定されているユーザセグメントに対応するユーザに対応するユーザを検索する(ステップS202)。例えば、提供部132は、ユーザ情報記憶部121に記憶されているユーザ情報や、決済情報記憶部124に記憶されている決済情報などを参照し、クーポン情報のセグメントに設定されたユーザ区分に該当するユーザを検索する。
【0149】
そして、提供部132は、検索されたユーザに対して、該当のクーポン情報に基づくクーポンを発行し(ステップS203)、
図15に示す処理手順を終了する。
【0150】
(4-3.決済処理)
次に、
図16を用いて、管理装置100による決済処理の処理手順の一例を説明する。以下では、決済要求がユーザ端末10から取得される例について説明する。
【0151】
図16に示すように、決済処理部133は、ユーザ端末10から決済要求を受信すると、決済要求に含まれる決済情報に基づいて、決済金額に適用可能なクーポン情報を選択する(ステップS301)。
【0152】
決済処理部133は、選択したクーポン情報に基づいて精算金額を算出する(ステップ302)。そして、決済処理部133は、算出した精算金額に基づいて決済処理を実行する(ステップS303)。
【0153】
決済完了後、決済処理部133は、決済完了通知をユーザ端末10に送信して(ステップS304)、
図16に示す処理手順を終了する。
【0154】
(4-4.詳細基準設定処理)
次に、
図17を用いて、管理装置100により実行される詳細基準設定処理の一例を説明する。詳細基準設定処理は、上述したクーポン情報登録処理において実行され得る。
【0155】
図17に示すように、受付部131は、ユーザ区分に関する詳細基準の設定要求を受け付ける(ステップS401)。たとえば、ユーザ区分に関する詳細基準の設定要求は、クーポン設定画面W1のユーザセグメントの領域に設けられている基準設定ボタンB-1を操作することにより送信される。
【0156】
また、受付部131は、ユーザ区分に関する詳細基準の設定要求の要求元(たとえば、従業員U03)に対して、基準設定画面W3を提供する(ステップS402)。このとき、受付部131は、ユーザセグメントの領域において指定されたユーザ区分に対応する適切な設定項目を、ユーザ区分に関する詳細基準の設定操作を受付可能な状態で表示する。
【0157】
また、受付部131は、基準設定画面W3において、ユーザ区分に対応する参照情報を設定項目ごとに提示する(ステップS403)。たとえば、受付部131は、受付部131は、設定者と業種が同一である他の加盟店により設定された詳細基準に基づく参照情報を提示する。
【0158】
また、受付部131は、ユーザ区分に関する詳細基準の設定が完了したかどうかを判定する(ステップS404)。具体的には、受付部131は、基準設定画面W3に設けられている決定ボタンB-3に対する操作が行われたかどうかを判定する。
【0159】
受付部131は、ユーザ区分に関する詳細基準の設定が完了していると判定した場合(ステップS404;Yes)、ユーザセグメントの領域において指定されたユーザ区分に対応付けて、設定者により設定された詳細基準の情報を仮登録する(ステップS405)。
【0160】
そして、受付部131は、ユーザ区分に関する詳細基準の設定要求の要求元に、クーポン設定画面W1を表示させて(ステップS406)、
図17に示す処理手順を終了する。
【0161】
上述のステップS404において、受付部131は、ユーザ区分に関する詳細基準の設定が完了していないと判定した場合(ステップS404;No)、ユーザ区分に関する詳細基準の設定を中止するかどうかを判定する(ステップS407)。具体的には、受付部131は、基準設定画面W3に設けられているキャンセルボタンB-4に対する操作が行われたかどうかを判定する。
【0162】
受付部131は、ユーザ区分に関する詳細基準の設定を中止すると判定した場合(ステップS407;Yes)、上述のステップS406の処理手順に移り、ユーザ区分に関する詳細基準の設定要求の要求元に、クーポン設定画面W1を表示させる。
【0163】
一方、受付部131は、ユーザ区分に関する詳細基準の設定を中止しないと判定した場合(ステップS407;No)、上述のステップS404の処理手順に戻り、ユーザ区分に関する詳細基準の設定が完了したかどうかの判定を継続する。
〔5.変形例〕
上述の実施形態は一例を示したものであり、種々の変更及び応用が可能である。例えば、上述の実施形態において、管理装置100は、電子決済サービスを導入する店舗(例えば、店舗a)のフォロワー(例えば、ユーザU01)に対して、所定のタイミングで、クーポンを獲得可能なユーザ区分(ユーザの属性)を通知したり、発行中のクーポンを獲得可能な対象者であることを通知したりしてもよい。
【0164】
また、管理装置100は、電子決済サービスを導入する店舗(例えば、店舗a)により、クーポンの投稿があると、クーポンの投稿を行った店舗のフォロワーに対して、クーポンの投稿があった旨のお知らせを自動的に配信してもよい。
【0165】
また、上述の実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、逆に、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0166】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0167】
また、上記してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0168】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態及び変形例に係る管理装置100は、例えば、
図18に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、管理装置100を例に挙げて説明する。
図18は、実施形態に係る管理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、ROM1200、RAM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0169】
CPU1100は、ROM1200又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1200は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0170】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信インターフェイス1500は、通信網500(実施形態のネットワークNに対応する)を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、また、通信網500を介してCPU1100が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0171】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0172】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1300を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1300上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0173】
例えば、コンピュータ1000が管理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1300上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、管理装置100の記憶装置内の各データが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0174】
〔7.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る管理装置100は、電子決済で即時適用されるクーポンの設定画面を通じて、電子決済を利用可能なユーザのうち、クーポンが適用される対象者を指定するためのユーザ区分、及びユーザ区分に関する詳細基準の設定を受け付ける受付部131を有する。
【0175】
これにより、実施形態に係る管理装置100は、各加盟店がユーザ区分に関する詳細基準を自由にカスタマイズするための機能を提供できる。この結果、管理装置100は、ユーザに対してクーポンに基づく特典を付与可能な電子決済サービスを導入する店舗側の利便性を向上できる。
【0176】
また、実施形態に係る管理装置100において、受付部131は、詳細基準として、所定のユーザ区分に該当する対象者をカスタマイズするための期間の設定を受け付ける。
【0177】
また、実施形態に係る管理装置100において、受付部131は、詳細基準として、所定のユーザ区分に該当する対象者をカスタマイズするための利用金額の設定を受け付ける。
【0178】
また、実施形態に係る管理装置100において、受付部131は、詳細基準として、所定のユーザ区分に該当する対象者をカスタマイズするためのユーザのデモグラフィック属性またはサイコグラフィック属性の設定を受け付ける。
【0179】
これらにより、実施形態に係る管理装置100は、ユーザ区分に関する詳細基準をカスタマイズするための複数の設定項目を通じて、業種・業態の実情に即したユーザ区分を設定するための仕組みを加盟店に提供できる。
【0180】
また、実施形態に係る管理装置100において、受付部131は、ユーザ区分に関する詳細基準の設定を受け付ける際、設定者により指定されたユーザ区分に対応する参照情報を設定者の業種に基づいて設定項目ごとに提示する。
【0181】
また、実施形態に係る管理装置100において、受付部131は、設定者と業種が同一である他の加盟店により設定された詳細基準に基づく参照情報を提示する。
【0182】
これらにより、実施形態に係る管理装置100は、ユーザ区分に関する詳細基準を設定するための参考情報を、詳細基準を設定する加盟店に提供できる。
【0183】
なお、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示の技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者にとって明らかな他の効果を奏しうる。
【0184】
〔8.その他〕
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0185】
また、上述した管理装置100は、機能によっては外部のプラットフォームなどをAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0186】
また、特許請求の範囲に記載した「部」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0187】
1 情報処理システム
10 ユーザ端末
20 店舗端末
100 管理装置
110 通信部
120 記憶部
121 ユーザ情報記憶部
122 店舗情報記憶部
123 クーポン情報記憶部
124 決済情報記憶部
125 口座情報記憶部
130 制御部
131 受付部
132 提供部
133 決済処理部