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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-29
(45)【発行日】2023-09-06
(54)【発明の名称】コインランドリー
(51)【国際特許分類】
   D06F 95/00 20060101AFI20230830BHJP
   D06F 31/00 20060101ALI20230830BHJP
【FI】
D06F95/00
D06F31/00
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022022906
(22)【出願日】2022-02-17
(62)【分割の表示】P 2018054529の分割
【原出願日】2018-03-22
(65)【公開番号】P2022065668
(43)【公開日】2022-04-27
【審査請求日】2022-02-17
(73)【特許権者】
【識別番号】517164556
【氏名又は名称】株式会社TOSEI
(74)【代理人】
【識別番号】100107928
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正則
(72)【発明者】
【氏名】深瀬 利隆
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-205480(JP,A)
【文献】特開平05-057100(JP,A)
【文献】特開平06-091100(JP,A)
【文献】特開2015-217249(JP,A)
【文献】特開2002-180683(JP,A)
【文献】特開2004-263484(JP,A)
【文献】特開2001-205115(JP,A)
【文献】特開平06-079100(JP,A)
【文献】特開昭53-082064(JP,A)
【文献】米国特許第04561268(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F95/00
D06F31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被洗濯物を洗濯及び/又は乾燥する複数のランドリー機器と、
前記複数のランドリー機器を一元管理すると共に、前記複数のランドリー機器の各本体ユニットの工程全体を制御する集中管理ユニットと、
前記複数のランドリー機器に搭載される動力系のリレーと、
を有し、
前記集中管理ユニットに表示される選択メニューから利用者が選択した情報に従って前記動力系のリレーを動作させて前記各本体ユニットの工程全体を制御することを特徴とするコインランドリー
【請求項2】
前記複数のランドリー機器外板パネルの全て若しくはその一部が無く、
前記本体ユニットの前面側は、各ランドリー機器に前記被洗濯物を出し入れする開口部の複数が開口している室内壁が保護カバーとなっていることを特徴とする請求項1に記載のコインランドリー
【請求項3】
前記室内壁は、さらに表示部の開口部又は保守部へアクセスする開口部が開口していることを特徴とする請求項に記載のコインランドリー
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態はコインランドリーに関する。
【背景技術】
【0002】
コインランドリーは、店舗内に設置した洗濯機,乾燥機,洗濯乾燥機等のランドリー機器を利用者に提供する。利用者は、衣類や布団などの被洗濯物(被洗物、被乾燥物)を持ち込み、利用料金を支払って洗濯及び/又は乾燥を行う。コインランドリーの運営に当たって、複数台の洗濯機、乾燥機、洗濯乾燥機等を設置する必要が有るが、これまでのコインランドリーは、全て1台で完結された製品を、複数台設置している。そのため、設置台数分の機器費用がイニシャルコストとして発生し、高額の投資を行う必要がある。
【0003】
また、特に都市部においては十分なスペースを取る事が困難であり、設置台数を少なくしなければならない、メンテナンススペースが十分に取れない等が課題となっている。屋外設備についても、機器設置台数分の排気筒や若しくは集合排気の場合は口径の太い排気筒を屋外において上方へ立ち上げ、周囲への環境影響を考慮する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開昭53-82064号公報
【文献】特開2002-180683号公報
【文献】特開2002-126395号公報
【文献】特開平6-91100号公報
【文献】特許第2963820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、コインランドリーの運営に当たって、イニシャルコストを低減し、店舗オーナーのコスト負担を軽減することのできコインランドリーを提供することにある。
【0006】
本発明が解決しようとする他の課題は、例えばコインランドリーの新規運営に当たって、スペースの小さいところでも容易に設置することのできるコインランドリーシステム及びコインランドリーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、実施形態のコインランドリーは、被洗濯物を洗濯及び/又は乾燥する複数のランドリー機器と、前記複数のランドリー機器を一元管理すると共に、前記複数のランドリー機器の各本体ユニットの工程全体を制御する集中管理ユニットと、前記複数のランドリー機器に搭載される動力系のリレーと、を有し、前記集中管理ユニットに表示される選択メニューから利用者が選択した情報に従って前記動力系のリレーを動作させて前記各本体ユニットの工程全体を制御することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態のコインランドリーシステムを導入したコインランドリーの内観図である。
図2】上記コインランドリーの平面図である。
図3】上記コインランドリーに設置する乾燥機の本体ユニットの正面図である。
図4】上記コインランドリーに設置する乾燥機の本体ユニットの側面図である。
図5】上記コインランドリーに設置する洗濯乾燥機の本体ユニットの正面図である。
図6】上記コインランドリーに設置する洗濯乾燥機の本体ユニットの側面図である。
図7】上記コインランドリーの集中精算システムのブロック構成図である。
図8】第2実施形態のコインランドリーシステムを導入したコインランドリーに設置する洗濯乾燥機の本体ユニットの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態に従うコインランドリーシステムについて、添付図面を参照しながら詳述する。なお、各図において、同一構成には同一符号を付している。
【0012】
(第1実施形態)
第1実施形態のコインランドリーシステムを導入したコインランドリー1は、図1及び図2に示すように、店舗内に複数のランドリー機器を設置して利用者にセルフ方式のランドリーサービスを提供している。ランドリー機器は、例えば、洗濯機,乾燥機,洗濯乾燥機,靴洗浄機,圧縮パック機などがあるが、図1及び図2には、一例としてドラム式の洗濯乾燥機2Aとドラム式の乾燥機2Bを複数設置したコインランドリー1を示している。利用者は、空いている洗濯乾燥機2A,乾燥機2Bの中から使用する機器を選び、持ち込んだ衣類等の被洗濯物(すなわち、被洗物、被乾燥物)を投入して洗濯又は乾燥或いは洗濯・乾燥を行う。また、利用者に代わって例えば店員が洗濯等を行う洗濯代行サービスを行う場合もある。
【0013】
コインランドリー1内には、店舗内のランドリー機器を一元管理する集中精算機3を配置している。利用者は、集中精算機3の操作ガイダンスに従って洗濯・乾燥メニューを選択し、利用料金を前払い又は後払い精算することによって、洗濯乾燥機2A,乾燥機2Bに所望のコースに従う洗濯及び/又は乾燥を実行させる。
【0014】
コインランドリー1内には、特に図2の平面図に示すように、ユーザーエリア4とメンテナンスエリア41を設けている。図示は省略するが、ユーザーエリア4には利用者のためのテーブルや椅子などを配置している。利用者は、ユーザーエリア4で待ち時間を過ごしたり、洗濯・乾燥を終えた衣類等をたたむ作業を行ったりする。メンテナンスエリア41は、コインランドリー1の関係者が使用するエリアであり、ランドリー機器,集中精算機3の点検・保守を行う際に使用する。ランドリー機器の電気配線,給排水管,給排気管,バルブなどのユーティリティ設備は、メンテナンスエリア41に配置する。メンテナンスエリア41は、好ましくは背面側の外壁42にシャッター43を設けている。例えばシャッター43を開いてランドリー機器の設置やメンテナンス器具の搬入を行うようにすることで、ランドリー機器の設置を容易にし、且つメンテナンスエリア41の省スペース化を図ることができる。なお、図2は、一例として長方形状のユーザーエリア4とメンテナンスエリア41を図示しているが、長方形状でなくともよい。
【0015】
ユーザーエリア4とメンテナンスエリア41は、室内壁44で仕切っている。室内壁44は、例えば、木材,金属材,樹脂材,或いはこれらの組み合わせによって形成する。メンテナンスエリア41側に、防音材や保温材などの機能材を積層してもよい。室内壁44のユーザーエリア4側の表面は、塗装したり壁紙を貼ったりするなどしてコインランドリー1内に美観をもたらすようにする。
【0016】
室内壁44には、洗濯乾燥機2A,乾燥機2Bの扉21A,21Bの部分がユーザーエリア4側に露出するように複数の開口部45を形成している。開口部45は、例えば扉21A,21Bの外周形状の相似形とする。すなわち、扉21A,21Bの部分を除いて、洗濯乾燥機2A,乾燥機2Bの前面側の保護壁として室内壁44が位置しており、利用者にとっては洗濯乾燥機2A,乾燥機2B内部の可動部等に対する安全壁となっている。室内壁44には、洗濯乾燥機2A,乾燥機2Bに表示部を設ける場合の開口部、コインランドリー1の関係者が保守のために使用する保守用開口部を設けるようにしてもよい。保守用開口部は、例えば利用者が使用できないように扉を設けて施錠するようにする。また、室内壁44には、集中精算機3の利用者の操作部が露出するように開口部46を形成している。
【0017】
洗濯乾燥機2A,乾燥機2Bは、1台で完結された製品とする場合に必須である外板パネル(すなわち、外装体)を省略している。さらに、洗濯乾燥機2A,乾燥機2Bは、複数台設置する事を前提として、共有可能な機器(「共有構成要素」と称す)を除く、必要最小限の機器(「個別構成要素」と称す)にて本体ユニットを夫々構成している。一例として、例えば被洗物又は被乾燥物を投入するドラム及びその駆動系で本体ユニットを構成する。ガスバーナー,送風機,リントフィルター等の共有可能な機器は、別途、共有ユニットとして構成する。共有ユニットの共有構成要素は、本体ユニットを構成する洗濯乾燥機2A,乾燥機2Bの個別構成要素が洗濯・乾燥を行う際に共用する。なお、外板パネルは、全てを省略した構成でなくともよく、一部を残すようにしてもよい。例えば、モーターなどの駆動装置を安全カバーとして囲うようにしてもよい。
【0018】
図3及び図4は、一例として、上下2段でユニット化したドラム式乾燥機2Bの本体ユニットを示す。なお、ドラム式乾燥機2Bの本体ユニットは、左右2列のユニットとしてもよい。さらに、上下2段左右2列のユニットとしてもよい。すなわち、上下左右の組み合わせを自由に選択出来る。
【0019】
上下2段のドラム式乾燥機2Bの本体ユニットは、例えば上下2段のラック状に形成したフレーム50に、略円筒体状に形成したシェル5A,5Bを固定配置している。フレーム50と各シェル5A,5Bは、例えばダンパー等の支持部材(不図示)で接続する。フレーム50は、例えばコンクリート等の基礎100上に例えばアンカーボルト101によって固定している。フレーム50は、例えば金属材で形成する。円筒状のドラム51A,51Bは、シェル5A,5Bの内部に回転自在に設けている。ドラム51A,51Bの側周面には、被乾燥物から蒸発した水分や乾燥用の温風を通過させる多数の通気孔52A,52Bを形成している。シェル5A,5B及びドラム51A,51Bは、前面側が開口しており、被乾燥物を出し入れする投入口となっている。なお、投入口を開閉する扉21Bは、シェル5A,5Bに設けてもよく、室内壁44に設けてもよい。
【0020】
ドラム51A,51Bの背面側は有底となっており、ドラム51A,51Bの中心線上に沿って延びる回転軸53A,53Bを接続している。回転軸53A,53Bは、シェル5A,5Bの外部に配置したベアリング等の軸受機構54A,54Bによって回転自在に軸支している。回転軸53A,53Bの端部に設けたプーリー55A,55Bは、モーター56A,56Bに設けたプーリー57A,57Bと無端ベルト58A,58Bを介して連結している。モーター56A,56Bは、例えばインバータ又は減速機で調整された回転速度でドラム51A,51Bを回転させる。
【0021】
シェル5A,5Bには、温風を導入する吸気路6A,6B及び温風を排気する排気路61A,61Bを形成している。シェル5A,5Bの背面側に配置した吸気口62A,62B及び排気口63A,63Bには、吸気管64A,64B及び排気管65A,65Bを接続している。上下2段の吸気口62A,62Bに接続した吸気管64A,64Bは、上流側で合流して1本の配管(吸気管)となっている。例えば外気を加熱して温風を生成する加熱装置7は、合流点又はその上流に配置している。加熱装置7は、例えばガスを燃焼して加熱するバーナーである。すなわち、上下2段のシェル5A,5Bが共用する加熱装置7は、共用ユニットの一つである。なお、図3及び図4には、上下2段のシェル5A,5Bで一つの加熱装置7を共用する構成としたが、メンテナンスエリア41に複数の本体ユニットを設置する場合、他の本体ユニットでも加熱装置7を共用する構成としてもよい。
【0022】
上下2段のシェル5A,5Bの各排気口63A,63Bに接続した排気管65A,65Bは、メンテナンスエリア41の例えば天井側に配設した集合排気ダクト71に夫々接続している(図2参照)。各排気管65A,65Bには、風量を調整するバルブ66A,66Bを夫々設ける。集合排気ダクト71は、メンテナンスエリア41の外に設けた室外機72に接続している。室外機内72には、温風をシェル5A,5Bから排出する排気装置である送風機72aを配置している(図2参照)。送風機72aは、例えばシロッコファン式の送風機である。室外機72内には、送風機72aの他に、リントフィルター72bを設けている。すなわち、上下2段のシェル5A,5Bが共用する送風機72a及びリントフィルター72bは、共用ユニットの一つである。なお、室外機72とせず、共用する送風機72a及びリントフィルター72bを室内に配置してもよい。
【0023】
上記構成において乾燥実行時に送風機72aが作動し、バルブ66A,66Bを開いていくとシェル5A,5B内が負圧となり、吸気路6A,6Bから温風が導入される。各シェル5A,5Bの温風の風量は、例えばシェル5A,5B内の温度及び湿度をセンサーで検出し、検出結果に基づいてバルブ66A,66Bの開度を調節することによって行う。上下2段の乾燥機2Aのうち一方、例えば上段の乾燥機2Aのみ稼働させる場合、バルブ66Aのみ開いてバルブ66Bは閉じたままとする。なお、図2は、メンテナンスエリア41に設置した全ての本体ユニットで室外機72及び集合排気ダクト71を共用する構成としたが、室外機72及び集合排気ダクト71を複数設けてユニット単位でのみ共用する構成としてもよい。なお、リントフィルターは、各シェル5A,5Bの排気路61A,61Bにも設けて、室外機72のリントフィルター72bと負荷を分散するようにしてもよい。
【0024】
図5及び図6は、洗濯乾燥機2Aの本体ユニットを示している。洗濯乾燥機2Aの本体ユニットも、乾燥機2Bの本体ユニットと同様に、外板パネル(すなわち、外装体)を省略している。本体ユニットは、必要最小限の機器(「個別構成要素」と称す)にてユニットを構成している。一例として、被洗物を投入するドラム及びその駆動系で本体ユニットを構成している。但し、洗濯乾燥機2Aは、特に脱水工程での振動が大きいため、本実施形態では上下2段とはせず1段としている。
【0025】
具体的には、フレーム90に略円筒体状に形成したシェル9を固定配置している。フレーム90は、例えばコンクリート等の基礎100に例えばアンカーボルト101によって固定している。フレーム90は、例えば金属材で形成する。円筒状のドラム91は、シェル9の内部に回転自在に設けている。ドラム91の側周面には、多数の通気孔92を形成している。シェル9及びドラム91の前面側は開口しており、被洗濯物を出し入れする投入口となっている。なお、投入口を開閉する扉21Aは、シェル9に設けてもよく、室内壁44に設けてもよい。
【0026】
ドラム91の背面側は有底となっており、ドラム91の中心線上に沿って延びる回転軸
93を接続している。回転軸93は、シェル9の外部に配置したベアリング等の軸受機構94によって回転自在に軸支している。回転軸93の端部に設けたプーリー95は、モーター96に設けたプーリー97と無端ベルト98を介して連結している。モーター96は、例えばインバータ又は減速機で調整された回転速度でドラム91を回転させる。
【0027】
シェル9には、温風を導入する吸気路201及び温風を排気する排気路202を形成している。シェル9の背面側に配置した吸気口203及び排気口204には、吸気管205及び排気管206を接続している。吸気管205は、乾燥機2Bと共用の加熱装置7に接続している。排気管206は、集合排気ダクト71に接続している。排気管206には、風量を調整するバルブ207を設ける。
【0028】
シェル9には、図5に示すように、洗濯用水を供給する給水路301を接続している。給水路301は、バルブ302を介して洗濯用水の供給源(不図示)と接続している。シェル9には、洗剤を供給する洗剤供給路303を接続している。洗剤供給路303は、バルブ304を介して洗剤の供給源(不図示)と接続している。シュル9には、さらに洗濯排水を排出する排水路305を接続している。排水路305は、バルブ306を介して洗濯排水の回収装置(不図示)と接続している。図6は、給水路301,洗剤供給路303,排水路305の図示を省略している。
【0029】
シェル9は、図5に示すように、左右にブラケット307を設けている。ブラケット307は、支持バネ308を介して支持部材309に支持されている。支持部材309は、フレーム90に固定している。すなわち、シェル9は、ブラケット307,支持バネ308及び支持部材309を介してフレーム90に支持されている。図示は省略するが、さらにダンパーを設けてシェル9を支持するのが好ましい。図6は、ブラケット307,支持バネ308,支持部材309の図示を省略している。
【0030】
続いて、集中精算機3について説明する。集中精算機3は、制御系の共有ユニットにあたる集中管理ユニットである。すなわち、CPU等の制御機器は、集中精算機3にて一括管理を行い、個々のランドリー機器(2A,2B)の本体ユニットからは取り除き、動力系の出力制御機器(例えばリレー等)3A,3B,3Cのみを本体ユニットに個別構成要素として搭載する(図3及び図5参照)。プログラム等の制御についても集中精算機3にて集中管理を行い、個々の本体ユニットとは信号線のみで接続し、個々の本体ユニット内の出力制御機器3A,3B,3Cを制御して、工程全体のコントロールを行う。例えば、料金表示,時間表示等の表示系、及びコース選択,精算機能等の操作系についても、集中精算機3で一元管理を行い、個々の本体ユニットからはこれらの機器を取り除く。なお、集中管理ユニットの好ましい一例として集中精算機3を示したが、集中精算機3とは別に集中管理ユニットを別途設けてもよい。
【0031】
集中精算機3は、図7に示すように、コインランドリー集中精算システム400に含まれる。集中精算機3は、利用者へのガイダンスを表示する表示部401を備えている。表示部401は、例えばコントローラ401aによって制御されるタッチパネルディスプレイであり、操作ガイダンスに従って表示される選択メニューを利用者が指でタッチして選択できるようになっている。メニューは、洗濯・乾燥コースの選択メニュー,利用料金を支払う精算メニューなどがある。集中精算機3は、さらに音声ガイダンスや報知音を発するスピーカー402を備えている。
【0032】
集中精算機3は、現金精算のための紙幣入金部403a及び硬貨入金部403b、並びにつり銭出金部403cを備えている。さらに、集中精算機3は、電子マネーによる精算方式として、プリペイドカードによる精算のためのプリペイドカードリーダライタ404、及びICカードによる精算のためのICカードリーダライタ405を備えている。利用者は、表示部401の操作ガイダンスに従って、現金精算,プリペイドカード精算,ICカード精算のいずれかを選択することができる。ICカードは、例えば、クレジットカード,交通系又は流通系の電子マネーカードなどである。
【0033】
集中精算機3は、プリンター406を備えている。プリンター406は、現金や電子マネーによって精算した利用料金と利用明細などを記載したレシートを印刷して、レシート取出口(つり銭出金部403cと兼用)から出力する。
【0034】
集中精算機3は、集中精算機3の全体動作及び各ランドリー機器を一元管理の下に制御する制御部500を備えている。制御部500は、例えば回路基板上に配置されたCPU501,ROM502,RAM503を備えている。ROM502は、CPU501が実行するプログラム及び各種制御条件などの情報を格納している。CPU501は、プログラム及び各種制御条件をROM502から読み出して、集中精算機3の全体動作を制御する。RAM503は、ランドリー機器の稼働状況などの情報を一時的に格納する。
【0035】
システムコントローラ504は、例えばケーブルハーネスを通じて集中精算機3と通信可能なように接続されている。システムコントローラ504は、各ランドリー機器を制御する管理システムコントローラ505と、例えばインターネットを介して外部との通信を行うための通信ポート506を備える。管理システムコントローラ505は、有線又は無線による通信が可能なように各ランドリー機器と接続されている。管理システムコントローラ505は、店舗内のランドリー機器の稼働状態を管理する。また、管理システムコントローラ505は、利用者が選択した選択メニューの情報などを集中精算機3から受信し、それを基にランドリー機器を制御する。すなわち、洗濯乾燥機2A,乾燥機2Bの各本体ユニット内の出力制御機器3A,3B,3Cを制御して、工程全体のコントロールを行う。
【0036】
通信ポート506には、例えばルータやモデムなどの情報通信機器507を通じてインターネット網508に接続される。情報通信機器507とインターネット網508との間に、各種情報やデータ等を取りまとめる「情報システムコントローラ」を配置してもよい。そしてインターネット網508を通じて、店舗のオーナーの通信端末(例えば、サーバ509A)や、利用者の通信端末(例えば携帯端末509B)と通信可能になっている。
【0037】
上述の構成の実施形態によれば、複数のランドリー機器(2A,2B)をユニット化し、共有不可能な最低限の機器のみで本体ユニットを構成することにより、ランドリー機器(2A,2B)のコスト低減を実現し、店舗オーナーのイニシャルコストに対する負荷を軽減することができる。
【0038】
さらに、上述の構成の実施形態によれば、各ランドリー機器(2A,2B)の制御は例えば集中精算機3で一括管理し、各ランドリー機器(2A,2B)には動力系の出力制御機器(3A,3B,3C)のみを搭載する構成とすることにより、各ランドリー機器(2A,2B)のコスト低減を実現し、店舗オーナーのイニシャルコストに対する負荷を軽減することができる。
【0039】
さらに、上述の構成の実施形態によれば、利用者から見えるランドリー機器(2A,2B)の前面を室内壁44で覆い、衣類等を出し入れするための投入口のみを開口する構成とすることにより、外板パネルを省略した分、各ランドリー機器(2A,2B)のコスト低減を実現し、店舗オーナーのイニシャルコストに対する負荷を軽減することができる。すなわち、これまでのコインランドリー1に設置するランドリー機器(2A,2B)は、機器毎に全面保護カバーである外板パネルを設けているが、コインランドリー1においては、複数台のランドリー機器(2A,2B)を並べて設置する事がほとんどであるため、この際隣接する面同士のカバーは本来の目的である安全に対す保護の用をなさない。従ってこれら各ランドリー機器毎(2A,2B)の保護カバーを省略し、コスト低減を図る。さらに、保護カバーを省略したことでメンテナンスエリア41での各ランドリー機器毎(2A,2B)の点検等のアクセスが容易になる。
【0040】
ランドリー機器(2A,2B)前面のパネルは、コンランドリー1の店舗のデザイン性を考慮して色合い、柄等をシール等の貼り付けにより店舗毎に変更する場合がある。ランドリー機器(2A,2B)前面のパネル付近には、店舗内のユーザーエリア4と機器背面のメンテナンスエリア41を分割する為の壁を設けるが、ランドリー機器(2A,2B)前面のパネルを店舗の室内壁44と共有する事で、ランドリー機器(2A,2B)のコスト低減を図れると共に、店舗デザインの自由度が増し機器の外観を気にせず、店舗デザインが可能となる。
【0041】
また、上述の構成の実施形態によれば、排気を集合排気とし、1箇所から屋外へ集合排気ダクトを取り出し、室外機72によって冷却、臭い低減、微細なリントを除去する構成にして、室外の排気関係スペースも低減する。すなわち、コインランドリー1にて、複数台のランドリー機器(2A,2B)を設置した際、排気ダクトを機器毎に屋外へ接続するか若しくは、集合ダクトとして必要口径のダクトを屋外へ接続する必要が有るが、個別排気の場合は壁(外壁42)への多数の穴あけ、集合排気の場合は個別排気よりも大口径のダクトを屋外へ接続し、臭い、リント等環境への配慮から、屋外にて上方へダクトを立ち上げ、高所にて大気へ放出する必要が有る。本実施形態は、専用の室外排気装置として室外機72を用いて、小口径の集合ダクトで室外まで接続し、室外にて室外機72と接続する。排気装置には小口径排気ダクトによる圧損対応、複数台の同時排気に対応して送風機を完備し、排気に含まれる臭い及び微細なリント等を除去するフィルタ類(例えばリントフィルター)を装備し、室外機72より直接外気へ排気可能とする。吸気管65A,205と排気管65B,206とを2重管構造にして熱交換による排熱利用を行うようにしてもよい。
【0042】
(第2実施形態)
続いて、第2実施形態のコインランドリーシステムを導入したコインランドリー1について説明する。第2実施形態のコインランドリーシステムを導入したコインランドリー1は、洗濯乾燥機2Aを上下2段配置としたことを除けば、第1実施形態のコインランドリー1と同じ構成である。従って、第1実施形態のコインランドリー1と同様の構成については、同じ符号を付すことによって詳しい説明は省略する。
【0043】
第2実施形態のコインランドリー1に設置する洗濯乾燥機2Aは、図8に示すように、上下2段に配置している。但し、乾燥機2Bとは異なり、フレーム90を個別にする。そして、上段の洗濯乾燥機2Aのフレーム90は、上段用支持用のベース600によって支持する。ベース600は、例えばコンクリート等の基礎100上に例えばアンカーボルト101によって固定する。ベース600は、例えば金属材で形成する。
【0044】
既述のように、洗濯乾燥機2Aは、特に脱水工程での振動が大きいため、共通のフレームで2段配置すると上段側の揺れが激しくなる場合がある。さらに、共振による振動の増幅も懸念される。そこで、ベース600を設けて、上段の洗濯乾燥機2Aと下段の洗濯乾燥機2Aとを個別に基礎100等の床面に固定する。これにより、振動によって機器に不具合が生じるのを抑える。
【0045】
本発明の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0046】
1 コインランドリー
2A 洗濯乾燥機
2B 乾燥機
21A,21B 扉
51A,51B ドラム
3 集中精算機
44 室内壁
45 開口部
71 集合排気ダクト
72 室外機
9 ドラム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8