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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-29
(45)【発行日】2023-09-06
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20230830BHJP
   H01L 23/48 20060101ALI20230830BHJP
【FI】
H01L21/60 321E
H01L23/48 G
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022037813
(22)【出願日】2022-03-11
(62)【分割の表示】P 2017215465の分割
【原出願日】2017-11-08
(65)【公開番号】P2022066555
(43)【公開日】2022-04-28
【審査請求日】2022-03-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】倉谷 英敏
(72)【発明者】
【氏名】服部 聡
(72)【発明者】
【氏名】田靡 京
【審査官】平野 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-121356(JP,A)
【文献】特開2004-014896(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/60
H01L 23/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体チップと、
第1部分及び第2部分を含む第1導電部材であって、前記第2部分は前記半導体チップと電気的に接続され、前記半導体チップから前記第2部分に向かう方向は第1方向に沿い、前記第2部分から前記第1部分に向かう方向は、前記第1方向と交差する第2方向に沿う、前記第1導電部材と、
第3部分を含む第2導電部材と、
前記第1部分と前記第3部分との間に設けられた導電性の第1接続部材と、
前記第1部分、前記第3部分及び前記第1接続部材の周りに設けられた第1部分領域を含む樹脂部と、
を備え、
前記第1部分は、前記第1接続部材に対向する凸部を有し、
前記第1接続部材は、前記凸部、及び前記第1部分の側面と接し、
前記樹脂部は、複数のフィラーを含み、前記複数のフィラーの前記樹脂部における濃度は、76重量%以上84重量%以下である、半導体装置。
【請求項2】
前記凸部は、前記第1部分の両端部から内側に離れて設けられている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1部分は前記第1接続部材と対向する第1凹部を含み、前記第1凹部は第1底部を有し、前記凸部から前記第1底部までの深さは、10μmを超える、請求項1又は請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記凸部から前記第1底部までの深さは、60μm以下である、請求項記載の半導体装置。
【請求項5】
半導体チップと、
第1部分及び第2部分を含む第1導電部材であって、前記第2部分は前記半導体チップと電気的に接続され、前記半導体チップから前記第2部分に向かう方向は第1方向に沿い、前記第2部分から前記第1部分に向かう方向は、前記第1方向と交差する第2方向に沿う、前記第1導電部材と、
第3部分及び第4部分を含む第2導電部材と、
前記第1部分と前記第3部分との間に設けられた導電性の第1接続部材と、
前記第1部分、前記第3部分及び前記第1接続部材の周りに設けられた第1部分領域を含む樹脂部と、
を備え、
前記第4部分の少なくとも一部は、前記樹脂部に覆われず、
前記第3部分から前記第4部分に向かう方向は、前記第1方向と交差する第3方向に沿い、
前記第3部分は、前記第1接続部材に対向する凸部を有し、
前記第1接続部材は、前記凸部、及び、前記第1部分の側面と接し、
前記樹脂部は、複数のフィラーを含み、前記複数のフィラーの前記樹脂部における濃度は、76重量%以上84重量%以下である、半導体装置。
【請求項6】
前記凸部は、前記第3部分の両端部から内側に離れて設けられている、請求項に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体チップを樹脂で封止した半導体装置がある。半導体装置において、特性の変動の抑制が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-314018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、特性の変動を抑制できる半導体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態によれば、半導体装置は、半導体チップ、第1導電部材、第2導電部材、第1接続部材、及び樹脂部を含む。前記第1導電部材は、第1部分及び第2部分を含む。前記第2部分は前記半導体チップと電気的に接続される。前記半導体チップから前記第2部分に向かう方向は第1方向に沿う。前記第2部分から前記第1部分に向かう方向は、前記第1方向と交差する第2方向に沿う。前記第2導電部材は、第3部分を含む。前記第1接続部材は、前記第1部分と前記第3部分との間に設けられ、導電性である。前記樹脂部は、前記第1部分、前記第3部分及び前記第1接続部材の周りに設けられた第1部分領域を含む。前記第1部分は、前記第1接続部材に対向する第1面を有する。前記第1面は、凹部及び凸部を含む。前記凹部は、第1底部、第1距離、及び、第2距離の少なくともいずれかを有する。前記第1底部の少なくとも一部は前記第1方向に対して垂直である。前記第1距離は、前記凹部と前記第2部分との間の距離であり、前記第1距離は、前記凸部と前記第2部分との間の距離よりも長い。前記第2距離は、前記凹部と前記第3部分との間の前記第1方向に沿った距離であり、前記第2距離は、前記第2部分から前記第1部分への向きにおいて増大する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1(a)~図1(c)は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。
図2】第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。
図3】半導体装置に関する実験結果を例示するグラフ図である。
図4図4(a)及び図4(b)は、半導体装置を例示する断面顕微鏡写真像である。
図5】第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図6図6(a)~図6(d)は、第1実施形態に係る別の半導体装置を例示する模式的断面図である。
図7図7は、第1実施形態に係る別の半導体装置を例示する模式的断面図である。
図8図8(a)~図8(d)は、第1実施形態に係る別の半導体装置を例示する模式的断面図である。
図9図9(a)~図9(c)は、第2実施形態に係る半導体装置の一部の製造方法を例示する模式的断面図である。
図10図10(a)~図10(e)は、第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式的断面図である。
図11】第3実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図12】第3実施形態に係る別の半導体装置を例示する模式的断面図である。
図13】第3実施形態に係る別の半導体装置を例示す断面顕微鏡写真像である。
図14】半導体装置の評価結果を示す表である。
図15】半導体装置の評価結果を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1(a)~図1(c)は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。 図2は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。
図1(c)は、斜視図である。図1(b)は、図1(c)のA1-A2線断面図である。図1(a)及び図2は、図1(b)に示す一部PAを拡大した断面図である。図1(c)のB1-B2線断面における構成の例については、後述する。
【0009】
図1(b)及び図1(c)に示すように、実施形態に係る半導体装置110は、半導体チップ10、第1導電部材21、第2導電部材22、第3導電部材23、第1接続部材41、第2接続部材42、第3接続部材43、及び、樹脂部30を含む。図1(c)に示すように、第4導電部材24及び第5導電部材25がさらに設けられても良い。
【0010】
1つの例において、半導体チップ10は、トランジスタである。図1(a)に示すように、半導体チップ10は、第1電極11(例えば、ソース電極)、第2電極12(例えば、ドレイン電極)、及び、半導体層10sを含む。この例では、半導体層10sは、第1電極11と第2電極12との間に設けられる。
【0011】
図1(c)に示すように、半導体チップ10は、第3電極13(例えば、ゲート電極)をさらに含んでも良い。第4導電部材24は、例えば、第3電極13と電気的に接続される。第5導電部材25は、第4導電部材24と電気的に接続される。第4導電部材24及び第5導電部材25の例については、後述する。
【0012】
図1(b)に示すように、第1導電部材21は、第1部分p1及び第2部分p2を含む。この例では、第1導電部材21は、第1中間部分mp1をさらに含む。
【0013】
第2部分p2は、半導体チップ10と電気的に接続される。この例では、第2部分p2は、第1電極11(例えば、ソース電極)と電気的に接続される(図1(a)参照)。
【0014】
半導体チップ10から第2部分p2に向かう方向は、第1方向(Z軸方向)に沿う。例えば、第2部分p2は、半導体チップ10の上方に位置する。
【0015】
Z軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とする。Z軸方向及びX軸方向に対して垂直な方向をY軸方向とする。
【0016】
第2部分p2から第1部分p1に向かう方向は、第2方向に沿う。第2方向は、第1方向(Z軸方向)と交差する。この例では、第2方向は、X軸方向である。例えば、第1導電部材21の少なくとも一部は、X軸方向に沿って延びる。
【0017】
第1中間部分mp1は、第2方向(X軸方向)において、第2部分p2と第1部分p1との間に位置する。第2方向における第1中間部分mp1の位置は、第2方向における第2部分p2の位置と、第2方向における第1部分p1の位置と、の間にある。この例では、第1中間部分mp1は、第2部分p2及び第1部分p1よりも上方に位置している。
【0018】
第2導電部材22は、第3部分p3及び第4部分p4を含む。第3部分p3から第4部分p4に向かう方向は、第3方向に沿う。第3方向は、第1方向(Z軸方向)と交差する。この例では、第3方向は、X軸方向であり、第2方向に沿う。
【0019】
図1(a)に示すように、第1接続部材41は、第1部分p1と第3部分p3との間に設けられる。第1接続部材41は、導電性である。第1接続部材41は、例えば、はんだを含む。
【0020】
半導体チップ10の第1電極11(例えば、ソース電極)は、第1導電部材21及び第1接続部材41を介して、第2導電部材22に電気的に接続される。第2導電部材22の第4部分p4は、外部と接続される外部端子となる。
【0021】
このように、第1導電部材21は、半導体チップ10と、第2導電部材22(外部端子)と、を電気的に接続する。第1導電部材21は、例えば、コネクタである。一方、第2導電部材22の第3部分p3は、ポストとして機能する。
【0022】
樹脂部30は、例えば、これらの部材を覆う。樹脂部30は、例えば、封止樹脂である。例えば、図1(a)に示すように、樹脂部30は、第1部分領域r1を含む。第1部分領域r1は、第1部分p1、第3部分p3及び第1接続部材41の周りに設けられる。
【0023】
図1(b)及び図1(c)に示すように、樹脂部30は、第2導電部材22の第4部分p4を覆わない。第4部分p4は、樹脂部30から露出する。これにより、第4部分p4は、外部と電気的に接続されることが可能である。
【0024】
一方、図1(b)に示すように、第1導電部材21は、樹脂部30に覆われる。第1導電部材21の上方にも、樹脂部30が設けられる。例えば、Z軸方向において、樹脂部30の一部と、半導体チップ10との間に、第2部分p2が位置する。
【0025】
図1(a)及び図1(b)に示すように、第2接続部材42は、半導体チップ10と第2部分p2との間に位置する。第2接続部材42は、導電性である。第2接続部材42は、例えば、はんだを含む。第2接続部材42は、半導体チップ10と第2部分p2とを電気的に接続する。例えば、第2接続部材42は、第1電極11と第2部分p2とを電気的に接続する。
【0026】
樹脂部30は、第2部分領域r2をさらに含む。第2部分領域r2は、第2部分p2及び第2接続部材42の周りに設けられる。
【0027】
図1(a)に示すように、第2導電部材22は、第3部分p3と第4部分p4に加えて、第2中間部分mp2をさらに含む。第3方向(この例では、第2方向に沿い、例えば、X軸方向)において、第2中間部分mp2は、第3部分p3と第4部分p4との間に位置する。この例では、第3部分p3は、第4部分p4よりも上方に位置する。例えば、第1方向(Z軸方向)における第2中間部分mp2の位置は、第1方向における第1接続部材41の位置と、第1方向における第4部分p4の位置と、の間にある。例えば、Z軸方向において、樹脂部30の一部と、第1接続部材41との間に、第3部分p3が位置する。
【0028】
図1(b)に示すように、第3導電部材23は、第5部分p5及び第6部分p6を含む。第1方向(Z軸方向)において、第5部分p5は、半導体チップ10と重なる。図1(a)に示すように、第3接続部材43は、第5部分p5と半導体チップ10との間に設けられる。この例では、第3接続部材43は、第5部分p5と第2電極12(例えばドレイン電極)との間に設けられる。第3接続部材43は、導電性である。第3接続部材43は、例えば、はんだを含む。第3接続部材43は、第5部分p5と、半導体チップ10(例えば第2電極12)と、を電気的に接続する。
【0029】
第3導電部材23は、例えば、ベッドである。第3導電部材23は、半導体チップ10で生じる熱の放熱経路として機能しても良い。
【0030】
樹脂部30は、第3部分領域r3をさらに含む。第3部分領域r3は、第3接続部材43の周りに設けられる。
【0031】
第3導電部材23の第6部分p6の少なくとも一部は、樹脂部30に覆われない。第6部分p6の少なくとも一部は、樹脂部30から露出する。第6部分p6は、外部と接続される外部端子の別の1つとなる。
【0032】
このように、第1導電部材21は、第1電極11(例えば、ソース電極)と電気的に接続される。第2導電部材22は、第1導電部材21を介して、第1電極11と電気的に接続される。第3導電部材23は、第2電極12(例えば、ドレイン電極)と電気的に接続される。既に説明したように、第4導電部材24は、第3電極13(例えば、ゲート電極)と電気的に接続される。
【0033】
既に説明したように、この例では、第1中間部分mp1は、第2部分p2及び第1部分p1よりも上方に位置している。第1方向(Z軸方向)における第1部分p1の位置は、第1方向における第1接続部材41の位置と、第1方向における第1中間部分mp1の位置と、の間にある。第1方向における第2部分p2の位置は、第1方向における第2接続部材42の位置と、第1方向における第1中間部分mp1の位置と、の間にある。
【0034】
第1~第5導電部材21~25には、例えば、Cuなどの金属が用いられる。第1~第3接続部材41~43には、例えば、はんだなどが用いられる。樹脂部30には、例えば、エポキシ樹脂などが設けられる。後述するように、樹脂部30は、フィラーを含んでも良い。
【0035】
半導体装置110は、例えば、SOP(small outline package)型の半導体装置である。
【0036】
図1(a)に示すように、実施形態においては、第1導電部材21の第1部分p1の表面に凹凸形状が設けられている。図1(a)に示すように、第1部分p1は、第1接続部材41に対向する第1面21fを有している。第1面21fは、凹部(第1凹部21d)及び凸部(第1凸部21p)を含む。
【0037】
第3部分p3の上方に、第1部分p1がある。第1凹部21dの高さ方向の位置は、第1凸部21pの高さ方向の位置よりも高い。第1凹部21dは、Z軸方向において、第1凸部21pを基準にして、後退している。
【0038】
この例では、第1凹部21dは、第1部分p1の端(第1導電部材21の端)に位置している。第1凹部21dは、第1底部21dfを有する。この例では、第1底部21dfの少なくとも一部は、第1方向(Z軸方向)に対して垂直である。
【0039】
図2に示すように、例えば、第2方向(X軸方向)において、第1凹部21dと第2部分p2との間に、第1凸部21pが位置する。例えば、第1凹部21dと第2部分p2との間の距離を第1距離Lx1とする。第1凸部21pと第2部分p2との間の距離Lxp1とする。第1距離Lx1は、距離Lxp1よりも長い。
【0040】
図2に示すように、第1凹部21dが設けられることにより、第1部分p1と第3部分p3との間の距離は、第1凹部21dにおいて部分的に増大する。例えば、第1凹部21dと第3部分p3との間の第1方向(Z軸方向)に沿った距離を第2距離Lz2とする。第1凸部21pと第3部分p3との間の第1方向(Z軸方向)に沿った距離を距離Lzp2とする。第2距離Lz2は、距離Lzp2よりも長い。
【0041】
第1凹部21dは、深さdz1を有する。深さdz1は、第1凸部21pの表面のZ軸方向における位置と、第1凹部21dの表面のZ軸方向における位置と、の間のZ軸方向に沿う長さに対応する。第3部分p3の表面が平坦である場合、第1凹部21dの深さは、例えば、第2距離Lz2と距離Lzp2との差に対応する。
【0042】
第3部分p3と第1凹部21dとの間に位置する第1接続部材41の厚さ(第2距離Lz2に対応する)は、第3部分p3と第1凸部21pとの間に位置する第1接続部材41の厚さ(距離Lzp2に対応する)よりも厚くなる。
【0043】
以下に説明するように、このような第1凹部21d(及び第1凸部21p)により、特性の変動が抑制できる。
【0044】
例えば、参考例において、第1部分p1の第1面21fには、上記のような凹凸が設けられていない。このような参考例においては、半導体装置の熱サイクル試験(TCTthermal cycle test)において、オン抵抗が上昇する場合がある。特に、広い温度範囲で使用される半導体装置においては、TCT評価の条件が強化される。例えば、-65℃と150℃との間の範囲を1000サイクル変化させる試験を行うと、参考例においては、オン抵抗が上昇し易いことが分かった。TCT評価後の試料を解析したところ、オン抵抗が上昇した試料では、はんだ(第1接続部材41)にクラックが生じていることが分かった。クラックが生じると、コネクタ(第1導電部材21)と、外部端子(第2導電部材22)と、の間の抵抗が高くなる。これにより、オン抵抗が高くなると、考えられる。
【0045】
評価した試料をさらに解析すると、はんだが薄い部分にクラックが生じやすいことが分かった。
【0046】
参考例においては、第1部分p1の第1面21fに上記のような凹凸が設けられていないため、はんだの厚さは、製造条件によって変動しやすい。例えば、はんだが薄い試料(はんだが薄い部分)において、クラックが生じやすい。後述するように、凹凸が設けられない場合には、実用的に、はんだの厚さの最小値を十分に厚くすることが困難である。
【0047】
これに対して、実施形態においては、第1部分p1の第1面21fに、凹凸形状(第1凹部21d及び第1凸部21p)が設けられる。これにより、第1凹部21dと第3部分p3との間に位置する第1接続部材41を厚くできる。一方、第1凸部21pと第3部分p3との間に位置する第1接続部材41の厚さは、上記の参考例と同じ程度に制御できる。このため、第1凹部21dの深さdz1に対応した厚さを、第1接続部材41に、安定して付与できる。
【0048】
後述するように、第1凹部21d及び第1凸部21pは、第1導電部材21となる金属部材(金属板など)を、型を用いて変形させて形成することができる。第1凹部21dの深さdz1は、型に応じるため、比較的均一である。従って、第1凹部21dの深さdz1に対応した、第1接続部材41の厚さは、均一になる。
【0049】
実施形態によれば、特性(例えばオン抵抗)の変動を抑制できる半導体装置を提供できる。
【0050】
図2に示すように、第1部分p1よりも第1中間部分mp1が上方に位置する場合において、第1部分p1の第1中間部分mp1側の端部が、曲線的に曲がる場合がある。このような曲線的な曲がりの部分を凹部と見なすことができる。この場合、曲線的な曲がりの部分において、はんだにはクラックが生じにくい。上記の参考例において、曲線的な曲がりの部分が設けられたとしても、他の部分には凹部が設けられない。このような参考例においては、曲線的な曲がりの部分ではクラックが生じ難い。しかしながら、他の部分では、凹部が設けられないため、既に説明したように、他の部分においてクラックが生じ易い。
【0051】
実施形態においては、曲線的に曲がる部分とは別に、上記の第1凹部21dが設けられる。第1凹部21dにより、第1接続部材41が、所望の厚さに制御できる。これにより、クラックが効果的に抑制でき、オン抵抗の上昇が抑制できる。
【0052】
以下、いくつかの実験結果について説明する。
【0053】
まず、第1実験として、導電部材に上記のような凹凸が設けられない場合において、はんだの量を変えたときの結果について説明する。この第1実験では、第1導電部材21及び第2導電部材22のそれぞれが対向する面は、平坦(凹凸は、0.1μm以下)である。この場合、はんだの量を多くしても、第1導電部材21及び第2導電部材22のそれぞれの平坦面の間のはんだの厚さは、大きくは変化しない。これは、はんだの量を多くした場合、第1導電部21及び第2導電部材22のそれぞれの側面(傾斜した面)部分のはんだの量が増えるだけであるからである。このため、第1導電部材21及び第2導電部材22のそれぞれが対向する面が平坦である場合には、これらの平坦面の間のはんだの厚さは、約5μm程度以下であり、10μm以上にはならない。
【0054】
なお、はんだの量を過度に多くすると、はんだが、意図した接続部分を超えて存在してしまい、所望の構造が得られない。半導体装置を小型化することが困難になる。
【0055】
従って、第1凹部21dを意図して設けることで、はんだの厚さを10μm以上にできる。
【0056】
第2実験においては、はんだ材料中に、金属粒(Niボール)が混ぜられる。金属粒の径(平均の径)は、20μm、30μmまたは50μmである。第2実験においても、第1導電部材21及び第2導電部材22のそれぞれが対向する面は、平坦(凹凸は、0.1μm以下)である。上記のような3種類の径の金属粒を含むはんだを用いて実験したところ、いずれの場合も、金属粒を含まないはんだをもちいた場合よりも、オン抵抗の変動が小さい。径が20μmのときのオン抵抗の変動よりも、径が30μmのときのオン抵抗の変動が小さい。径が30μmのときのオン抵抗の変動よりも、径が50μmのときのオン抵抗の変動が小さい。
【0057】
このように、はんだが厚いと、オン抵抗の変動がより抑制できると考えられる。
【0058】
図3は、半導体装置に関する実験結果を例示するグラフ図である。
図3は、上記の第1実験及び第2実験の結果を合わせて示している。図3の横軸は、はんだの厚さtc(μm)である。縦軸は、オン抵抗の変動ΔRon(相対値)である。オン抵抗の変動ΔRonは、熱サイクル試験の前のオン抵抗R1と、熱サイクル試験の後のオン抵抗R2と、の差のオン抵抗R1に対する比((R2-R1)/R1))である。
【0059】
図3において、はんだの厚さtcが、10μmのデータは、第1実験の結果において、量が適正なときのデータに対応する。はんだの厚さtcが、20μm、30μm及び50μmのデータは、第2実験において、金属粒の径を変更したときのデータに対応する。
【0060】
図3に示すように、はんだの厚さtcが10μmを超えると、オン抵抗の変動ΔRonが小さくできる。はんだの厚さtcが10μmを超えると、オン抵抗の変動ΔRonは、基準値ΔRon1未満になる。
【0061】
従って、第1凹部21dの深さdz1は、10μm以上を超えることが好ましい。第1接続部材41の少なくとも一部の厚さは、10μmを超えるようになり、クラックが抑制できる。オン抵抗の上昇が抑制できる。深さdz1は、20μm以上であることがさらに好ましい。第1接続部材41の少なくとも一部の厚さは、20μm以上となり、オン抵抗の上昇がさらに抑制できる。
【0062】
図4(a)及び図4(b)は、半導体装置を例示する断面顕微鏡写真像である。
図4(a)は、実施形態に係る半導体装置110に対応する。半導体装置110においては、第1部分p1に凹凸形状(第1凹部21d及び第1凸部21p)が設けられる。図4(b)は、参考例の半導体装置109に対応する。半導体装置109においては、第1導電部材21の第1部分p1に上記の凹凸形状が設けられない。
【0063】
図4(b)に示すように、参考例の半導体装置109においては、第1部分p1と第3部分p3の間の第1接続部材41は薄い。第1接続部材41の厚さは、5μm以上10μm未満である。これに対して、図4(a)に示すように、半導体装置110においては、第1部分p1と第3部分p3の間の第1接続部材41の一部は、厚い。この例では、第1接続部材41の一部の厚さは、例えば、50μm以上60μm以下である。これは、半導体装置110においては、凹凸形状(第1凹部21d及び第1凸部21p)が設けられているからである。半導体装置109においては、TCT評価において、クラックが生じ易く、オン抵抗が増大し易い。半導体装置110においては、TCT評価において、クラックが抑制され、オン抵抗の増大が抑制される。
【0064】
以下、図1(c)のB1-B2線断面の構成の例について説明する。
図5は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図5は、図1(c)のB1-B2線断面の一部を拡大して示す。
【0065】
図5に示すように、半導体装置110において、第4導電部材24、第5導電部材25、第4接続部材44及び第5接続部材45が設けられる。半導体チップ10は、第3電極13(例えば、ゲート電極)をさらに含む。第4導電部材24は、半導体チップ10(この例では第電極1(例えばゲート電極))と電気的に接続される。
【0066】
例えば、第4導電部材24は、第7部分p7、第8部分p8及び第3中間部分mp3を含む。第3中間部分mp3は、第7部分p7と第8部分p8との間に位置する。第3中間部分mp3は、第7部分p7及び第8部分p8よりも上方に位置する。
【0067】
第8部分p8と、半導体チップ10(第3電極13)と、の間に、導電性の第5接続部材45が設けられる。
【0068】
一方、第5導電部材25は、第9部分p9、第10部分p10及び第4中間部分mp4を含む。第4中間部分mp4は、第9部分p9と第10部分p10との間に位置する。Z軸方向における第4中間部分mp4の位置は、Z軸方向における第9部分p9の位置と、Z軸方向における第10部分p10の位置と、の間にある。
【0069】
第4接続部材44は、第4導電部材24の一部(第7部分p7)と、第5導電部材25の一部(第9部分p9)と、の間に位置する。
【0070】
樹脂部30は、第4部分領域r4を含む。第4部分領域r4は、第4導電部材24の上記の一部、第5導電部材25の上記の一部、及び、第4接続部材44の周りに設けられる。
【0071】
第10部分p10は、樹脂部30に覆われない。第10部分p10は、外部と接続される、別の外部端子となる。一方、第4導電部材24は、樹脂部30に覆われる。この例では、Z軸方向において、樹脂部30の一部と第4接続部材44との間に第9部分p9が位置する。
【0072】
第7部分p7は、第9部分p9に対向する面24fを有する。面24fは、第7部分凹部24d及び第7部分凸部24pを有する。
【0073】
第7部分凹部24dは、第7部分底部24df、第7部分p7の第1距離、第7部分p7の第2距離の少なくともいずれかを有する。第7部分底部24dfの少なくとも一部は、第1方向(Z軸方向)に対して垂直である。第7部分p7の第1距離は、第7部分凹部24dと第8部分p8との間の距離である。第7部分p7の第1距離は、第7部分凸部24pと第8部分p8との間の距離よりも長い。第7部分p7の第2距離は、第7部分凹部24dと第9部分p9との間の第1方向(Z軸方向)に沿った距離である。第7部分p7の第2距離は、第8部分p8から第7部分p7への向きにおいて増大しても良い。
【0074】
第7部分p7にこのような凹凸形状を設けることで、クラックが抑制される。例えば、特性の変動を抑制できる。
【0075】
第7部分凹部24dの深さは、第1凹部21dの深さdz1と同様として良い。
【0076】
以下、第1部分p1の凹凸形状に関するいくつかの例について説明する。第1部分p1の凹凸形状に関する以下の説明は、第7部分p7に設けられる凹凸形状にも適用できる。
【0077】
図6(a)~図6(d)は、第1実施形態に係る別の半導体装置を例示する模式的断面図である。
図6(a)に示すように、半導体装置111においては、第1部分p1の裏面(第1面21fと反対側の面)に凹凸形状が設けられている。第1部分p1の裏面の凹凸形状は、第1部分p1の第1面21fの凹凸形状に沿っている。半導体装置111におけるこれ以外の構成は、半導体装置110の構成と同様である。
【0078】
第1部分p1の裏面は実質的に平坦でも良く(半導体装置110)、凹凸形状を有しても良い(半導体装置111)。
【0079】
図6(b)に示すように、半導体装置112においては、第1部分p1の第1面21fに第1凹部21d及び第1凸部21pが設けられている。半導体装置112においては、第1距離Lx1(第1凹部21dと第2部分p2との間の距離)は、距離Lxp1(第1凸部21pと第2部分p2との間の距離)よりも短い。第1凹部21dは、第1底部21dfを有する。第1底部21dfの少なくとも一部は、第1方向(Z軸方向)に対して垂直である。半導体装置112におけるこれ以外の構成は、半導体装置110の構成と同様である。
【0080】
半導体装置112においては、第1部分p1と第1中間部分mp1との間の曲線的な曲がりとは別に、第1凹部21dが設けられる。第1凹部21dの第1底部21dfの少なくとも一部は、X-Y平面に沿う。このような第1凹部21dを設けた場合も、第1底部21dfに対応する部分において、第1接続部材41を安定して厚くできる。これにより、クラックが抑制できる領域を拡大できる。
【0081】
図6(c)に示すように、半導体装置113においても、第1部分p1の第1面21fに第1凹部21d及び第1凸部21pが設けられている。半導体装置113においては、第1凹部21dの第1底部21dfが傾斜している。既に説明したように、第1凹部21dと第3部分p3との間の第1方向(Z軸方向)に沿った距離を第2距離Lz2とする。第2距離Lz2は、第2部分p2から第1部分p1への向きにおいて増大する。半導体装置113におけるこれ以外の構成は、半導体装置110の構成と同様である。
【0082】
半導体装置113においては、上記の第1凹部21dが設けられる。第1接続部材41は、このような第1凹部21dの中に充填される。第1凹部21dに対応する部分において、第1接続部材41を安定して厚くできる。これにより、クラックが抑制できる領域を拡大できる。
【0083】
図6(d)に示すように、半導体装置114においては、第1部分p1の第1面21fに、第1凹部21dと、複数の凸部と、が設けられている。第1凸部21pは、複数の凸部の1つに対応する。第1凹部21dは、複数の凸部の間に位置する。半導体装置114におけるこれ以外の構成は、半導体装置110の構成と同様である。半導体装置114においても、第1凹部21dに対応する部分において、第1接続部材41を安定して厚くできる。これにより、クラックが抑制できる領域を拡大できる。
【0084】
半導体装置114において、部(第1部21)は、第1部分p1の両端部から内側に離れて設けられている。両端部は、第1端部pa1及び第2端部pb1である。第2端部pb1から第1端部pa1に向かう方向は、第2方向(例えば、X軸方向)に沿う。第2端部pb1は、第1部分p1と第1中間部分mp1との境界部分(遷移部分)である。
【0085】
半導体装置111~114においても、特性の変動(例えば、オン抵抗の上昇)を抑制できる。
【0086】
このように、実施形態において、凹部(第1凹部21d)は、以下のような第1底部21df、以下のような第1距離Lx1、及び、以下のような第2距離Lz2の少なくともいずれかを有しても良い。第1底部21dfの少なくとも一部は、第1方向(Z軸方向)に対して垂直である。第1距離Lx1は、第1凹部21dと第2部分p2との間の距離である。第1距離Lx1は、第1凸部21pと第2部分p2との間の距離Lxp1よりも長い。第2距離Lz2は、第1凹部21dと第3部分p3との間の第1方向(Z軸方向)に沿った距離である。第2距離Lz2は、第2部分p2から第1部分pへの向きにおいて増大する。
【0087】
上記の例では、凹凸形状は、第1部分p1に設けられる。以下に説明するように、実施形態において、凹凸形状が第3部分p3に設けられても良い。
【0088】
図7は、第1実施形態に係る別の半導体装置を例示する模式的断面図である。
図7は、図1(c)のA1-A2線に対応する断面の拡大図である。
【0089】
図7に示すように、半導体装置120においては、第2導電部材22の第3部分p3の表面に凹凸形状が設けられている。一方、この例では、第1導電部材21の第1部分p1の表面(第1面21f)には、凹凸形状が設けられていない。半導体装置120において、第1面21fに凹凸形状がさらに設けられても良い。
【0090】
以下、第3部分p3に設けられる凹凸形状の例について説明する。第3部分p3は、第2面22fを有する。第2面22fは、第1接続部材41に対向する。第2面22fは、凹部(第2凹部22d)及び凸部(第2凸部22p)を含む。
【0091】
第2凹部22dは、第2底部22dfを有する。この例では、第2底部22dfの少なくとも一部は、第1方向(Z軸方向)に対して垂直である。
【0092】
第2凹部22dは、第3距離Lx3を有する。第3距離Lx3は、第2凹部22dと第4部分p4との間の距離である。第3距離Lx3は、第2凸部22pと第4部分p4との間の距離Lxp3よりも長い。
【0093】
第2凹部22dは、第4距離Lz4を有する。第4距離Lz4は、第2凹部22dと第1部分p1との間の第1方向(Z軸方向)に沿った距離である。第2凸部22pは、距離Lzp4を有する。距離Lzp4は、第2凸部22pと第1部分p1との間の第1方向(Z軸方向)に沿った距離である。第4距離Lz4は、距離Lzp4よりも長い。
【0094】
第2凹部22dの深さdz2は、Z軸方向における第2凹部22dの位置と、Z軸方向における第2凸部22pの位置と、の間のZ軸方向に沿う距離である。第2凹部22dの深さdz2は、第4距離Lz4と距離Lzp4との差に対応する。
【0095】
このような凹凸形状(第2凹部22d及び第2凸部22p)を設けることで、第1部分p1と第3部分p3との間において、第1接続部材41の厚さを安定して増大できる。これにより、クラックが抑制される。例えば、特性の変動(例えば、オン抵抗の上昇)を抑制できる。
【0096】
第2凹部22dの深さdz2は、10μmを超えることが好ましい。深さdz2は、20μm以上であることがさらに好ましい。
【0097】
上記のように、半導体装置120においては、第3部分p3の第2面22fに凹凸形状が設けられる。一方、既に説明したように、半導体装置110においては、第1部分p1の第1面21fに凹凸形状が設けられる。後述するように、製造工程において、第3部分p3の上に第1接続部材41となる材料(例えば、はんだペーストなど)を置き、その上に、第1部分p1を置く方法が考えられる。この場合、第3部分p3の上面が平坦であると、その材料を安定して置くことができる。このような場合には、第1部分p1の下面に凹凸形状が設けられることが好ましい。一方、第1接続部材41となる材料が、例えば、シート状であり、シート状の材料が導電部材に転写される方法も考えられる。このような場合には、第3部分p3の上面に凹凸形状が設けられても、シート状の材料を安定して置くことができる。
【0098】
以下、第3部分p3の凹凸形状に関するいくつかの例について説明する。第3部分p3の凹凸形状に関する以下の説明は、第9部分p9の凹凸形状にも適用できる。
【0099】
図8(a)~図8(d)は、第1実施形態に係る別の半導体装置を例示する模式的断面図である。
図8(a)に示すように、半導体装置121においては、第3部分p2の裏面(第2面22fと反対側の面)に凹凸形状が設けられている。裏面の凹凸形状は、第2面22fの凹凸形状に沿っている。半導体装置121におけるこれ以外の構成は、半導体装置120の構成と同様である。
【0100】
第3部分p3の裏面は実質的に平坦でも良く(半導体装置120)、凹凸形状を有しても良い(半導体装置121)。
【0101】
図8(b)に示すように、半導体装置122においては、第3部分p3の第2面22fに第2凹部22d及び第2凸部22pが設けられている。半導体装置122においては、第3距離Lx3(第2凹部22dと第4部分p4との間の距離)は、距離Lxp3(第2凸部22pと第4部分p4との間の距離)よりも短い。第2凹部22dは、第2底部22dfを有する。第2底部22dfの少なくとも一部は、第1方向(Z軸方向)に対して垂直である。半導体装置122におけるこれ以外の構成は、半導体装置120の構成と同様である。
【0102】
半導体装置122においては、第3部分p3と第2中間部分mp2との間の曲線的な曲がりとは別に、第2凹部22dが設けられる。第2凹部22dの第2底部22dfの少なくとも一部は、X-Y平面に沿う。このような第2凹部22dを設けた場合も、第2底部22dfに対応する部分において、第1接続部材41を安定して厚くできる。これにより、クラックが抑制できる領域を拡大できる。
【0103】
図8(c)に示すように、半導体装置123においても、第3部分p3の第2面22fに第2凹部22d及び第2凸部22pが設けられている。既に説明したように、第2凹部22dと第1部分p1との間の第1方向(Z軸方向)に沿った距離を第4距離Lz4とする。第4距離Lz4は、第4部分p4から第3部分p3への向きにおいて増大する。半導体装置123におけるこれ以外の構成は、半導体装置120の構成と同様である。
【0104】
半導体装置123においては、上記の第2凹部22dが設けられる。第1接続部材41は、このような第2凹部22dの中に充填される。第2凹部22dに対応する部分において、第1接続部材41を安定して厚くできる。これにより、クラックが抑制できる領域を拡大できる。
【0105】
図8(d)に示すように、半導体装置124においては、第3部分p3の第2面22fに、第2凹部22dと、複数の凸部が設けられている。第2凸部22pは、複数の凸部の1つに対応する。第2凹部22dは、複数の凸部の間に位置する。半導体装置124におけるこれ以外の構成は、半導体装置120の構成と同様である。半導体装置124においても、第2凹部22dに対応する部分において、第1接続部材41を安定して厚くできる。これにより、クラックが抑制できる領域を拡大できる。
【0106】
半導体装置124において、部(第2部22)は、第3部分p3の両端部から内側に離れて設けられている。両端部は、第3端部pa3及び第4端部pb3である。第4端部pb3から第3端部pa3に向かう方向は、第3方向(例えば、X軸方向)に沿う。第4端部pb3は、第3部分p3と第2中間部分mp2との境界部分(遷移部分)である。
【0107】
半導体装置121~124においても、特性の変動(例えば、オン抵抗の上昇)を抑制できる。
【0108】
このように、実施形態において、凹部(第2凹部22d)は、以下のような第2底部22df、以下のような第3距離Lx3、及び、以下のような第4距離Lz4の少なくともいずれかを有しても良い。第2底部22dfの少なくとも一部は、第1方向(Z軸方向)に対して垂直である。第3距離Lx3は、第2凹部22dと第4部分p4との間の距離である。第3距離Lx3は、第2凸部22pと第4部分p4との間の距離よりも長い。第4距離Lz4は、第2凹部22dと第1部分p1との間の第1方向に沿った距離である。第4距離Lz4は、第4部分p4から第3部分p3への向きにおいて増大する。
【0109】
(第2実施形態)
第2実施形態は、製造方法に係る。以下、第1導電部材21の製造方法、及び、半導体装置の製造方法の例について説明する。
【0110】
図9(a)~図9(c)は、第2実施形態に係る半導体装置の一部の製造方法を例示する模式的断面図である。
これらの図は、第1導電部材21(半導体装置110の一部の部品)の製造方法を例示している。
【0111】
図9(a)に示すように、導電板21Aを準備する。導電板21Aは、例えば、Cu板である。
【0112】
図9(b)に示すように、導電板21Aを、第1型M1及び第2型M2の間に入れた状態で、これらの型に圧力を加えて、導電板21Aを変形させる。例えば、第1型M1の第2型M2に対向する面は、凹領域Mp1、凹領域Mp2及び凸領域Mp3を有する。第2型M2の第1型M1に対向する面は、凸領域Mq1、凸領域Mq2及び凹領域Mq3を有する。導電板21Aの1つの領域(凹領域Mp1と凸領域Mq1との間の領域)から、第1部分p1が形成される。導電板21Aの別の1つの領域(凹領域Mp2と凸領域Mq2との間の領域)から、第2部分p2が形成される。導電板21Aの別の1つの領域(凸領域Mp3と凹領域Mq3との間の領域)から、第1中間部分mp1が形成される。
【0113】
凹領域Mp1に、凹部Mpd及び凸部Mppが設けられている。凹部Mpdに対応する部分により、導電板21Aに凸部が形成される。凸部Mppに対応する部分により、導電板21Aに凹部が形成される。導電板21Aの凸部が、第1凸部21pとなる。導電板21Aの凹部が、第1凹部21dとなる。導電板21Aをこれらの型から外す。
【0114】
図9(c)に示すように、導電板21Aの1つの領域(凹領域Mp1と凸領域Mq1との間の領域)の一部を切断して除去する。これにより、第1部分p1が形成される。これにより、図1(a)に例示した第1導電部材21が得られる。
【0115】
図9(b)において、第2型M2の凸領域Mq1の表面形状を、第1型M1の凹領域Mp1の表面形状(凹凸形状)に沿わせても良い。例えば、凸領域Mq1に凸部及び凹部が設けられ、これらの凸部及び凹部が、凹領域Mp1の凹部Mpd及び凸部Mppにそれぞれ嵌め込まれるように、第1型M1及び第2型M2が重ね合わせられても良い。この場合、図6(a)に例示した第1導電部材21が得られる。2つの型の表面形状は、種々に変形して良い。種々の形状の第1凹部21d及び第1凸部21pが得られる。
【0116】
第1導電部材21を含む半導体装置の製造方法の例について説明する。
図10(a)~図10(e)は、第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式的断面図である。
図10(a)に示すように、リードフレーム28を準備する。リードフレーム28は、第2導電部材22となる部分、及び、第3導電部材23となる部分を含む。
【0117】
図10(b)に示すように、第3導電部材23の一部(第5部分p5)の上に、はんだペースト43bを塗布する。
【0118】
図10(c)に示すように、はんだペースト43bの上に、半導体チップ10を載せる。はんだペースト43bを溶融させ、第3導電部材23と半導体チップ10とを接合する。
【0119】
図10(d)に示すように、半導体チップ10の上に、はんだペースト42bを塗布し、第2導電部材22の一部(第3部分p3)の上に、はんだペースト41bを塗布する。
【0120】
図10(e)に示すように、はんだペースト42b及びはんだペースト41bの上に、第1導電部材21を載せる。はんだペースト42bの上に、第2部分p2が位置する。はんだペースト41bの上に、第1部分p1が位置する。はんだペースト42b及びはんだペースト41bを溶融させる。第1導電部材21の第2部分p2と、半導体チップ10と、が接合される。第1導電部材21の第1部分p1と、第2導電部材22の第3部分p3と、が接合される。
【0121】
この後、樹脂部30をモールド加工により形成する。さらに、リードフレーム28の不要な部分を切断する。これにより、半導体装置(例えば、半導体装置110など)が得られる。
【0122】
(第3実施形態)
図11は、第3実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図11は、図1(a)に対応する部分の断面図である。
図11に示すように、本実施形態に係る半導体装置130においては、第1接続部材41は、粒41pを含む。粒41pは、例えば、金属ボールである。粒41pは、例えばNiを含むボールである。半導体装置130におけるこれ以外の構成は、例えば、第1実施形態に係る半導体装置(例えば半導体装置110など)と同様である。
【0123】
半導体装置130においては、第1接続部材41(例えば、はんだ)中の粒41pが、第1部分p1と第3部分p3との間に位置する。第1部分p1と第3部分p3との間の距離の最小値は、粒41pのサイズにより決まる。これにより、第1接続部材41の厚さが、適切な厚さ以上に設定し易くなる。これにより、例えば、クラックが抑制される。特性の変動を抑制できる半導体装置を提供できる。
【0124】
実施形態において、粒41pのサイズ(例えば径)は、10μmを超え20μm以下であることが好ましい。サイズが10μmを超えることにより、第1部分p1と第3部分p3との間の距離の最小値を10μmよりも大きくできる。
【0125】
粒41pは、接合には寄与しない。粒41pのサイズは、適切なサイズ以下に制御される。これにより、適切な接合強度が維持できる。例えば、粒41pのサイズが過度に大きい場合、実効的な接続領域の面積が小さくなる。例えば、パッケージサイズを小型化するために、第1部分p1と第3部分p3とが互いに対向する部分(接合部分)を小さくする場合がある。このような場合においても、粒41pのサイズを20μm以下にすることで、実効的な接続領域の面積を実用的な範囲に維持できる。
【0126】
はんだペースト41bなどをノズルから塗出して塗布する方法がある。粒41pのサイズが過度に大きいと、ノズルが詰まり、安定した製造が困難になる場合がある。粒41pのサイズが20μm以下であると、ノズルの詰まりが抑制できる。安定した製造が可能になる。
【0127】
粒41pの濃度は、適切な濃度以下に制御される。これにより、適切な接合強度が維持できる。
【0128】
半導体装置130においては、粒41pにより、第1部分p1と第3部分p3との間の距離の最小値が制御される。さらに、第1部分p1に凹凸形状が設けられるため、第1部分p1と第3部分p3との間の距離が、凹部の深さに基づいて制御される。これにより、第1接続部材41の厚さは、より安定して、厚く制御できる。特性の変動をより安定して抑制できる。
【0129】
図12は、第3実施形態に係る別の半導体装置を例示する模式的断面図である。
図12は、図1(a)に対応する部分の断面図である。
図12に示すように、本実施形態に係る半導体装置131においても、第1接続部材41は、粒41pを含む。半導体装置131においては、第1部分p1に凹凸形状が設けられていない。半導体装置131におけるこれ以外の構成は、半導体装置130と同様である。
【0130】
半導体装置131においては、粒41pにより、第1部分p1と第3部分p3との間の距離の最小値が制御される。半導体装置131においても、特性の変動を抑制できる。
【0131】
図13は、第3実施形態に係る別の半導体装置を例示す断面顕微鏡写真像である。
図13は、半導体装置131に対応する。図13に示すように、粒41pにより、第1部分p1及び第3部分p3の間の距離が制御される。この例では、第1部分p1と第3部分p3との間の距離は、約20μm~約30mである。
【0132】
実施形態において、第1接続部材41の「0.02%耐力」(例えばJIS Z 2241:2011参照)は、10.5MPa以上であることが好ましい。
【0133】
例えば、第1接続部材41として、Pb、Ag及びSnを含むはんだが用いられる場合がある。このとき、Agの濃度が1wt%で、Snの濃度が3wt%である第1はんだ材料においては、「0.02%耐力」は、10.5MPaである。一方、Agの濃度が2wt%で、Snの濃度が8wt%である第2はんだ材料においては、「0.02%耐力」は、12.5MPaである。第2はんだ材料を用いた場合において、TCT評価後のクラック及びオン抵抗の変化は、第1はんだ材料を用いた場合に比べて、明確に良好である。
【0134】
以下、樹脂部30の材料に関する実験結果の例について説明する。
【0135】
第1実験においては、樹脂部30として用いられる材料が変更される。樹脂部30は、エポキシ樹脂と、フィラーと、を含む。フィラーはシリカ球である。フィラーの濃度が変更される。
【0136】
実験試料の半導体装置においては、第1部分p1及び第3部分p3に凹凸形状は設けられていない。作製された半導体装置に関して種々の評価が行われる。以下では、以下の4つの評価結果について説明する。
【0137】
第1評価においては、MSL(Moisture Sensitivity Level)試験後の剥離が評価される。例えば、樹脂部と導電部材との間に剥離が観察される。第2評価においては、MSL試験後の樹脂部30のクラックが評価される。上記のMSL試験の条件は、85℃、85RH%、48時間において、3回のIRリフロー(260℃Max)である。
【0138】
第3評価においては、TCT後のはんだ(第1接続部材41)のクラックが顕微鏡により観察される。第4評価においては、TCT後のオン抵抗の変動が評価される。
【0139】
図14は、半導体装置の評価結果を示す表である。
図14には、第1~第7試料SP01~SP07の評価結果が示されている。
第1試料SP01においては、エポキシ樹脂M04が用いられ、フィラー濃度Cfは、88.0wt%(重量%)である。第2試料SP02においては、エポキシ樹脂M02が用いられ、フィラー濃度Cfは、87.5wt%である。第3試料SP03においては、エポキシ樹脂M01が用いられ、フィラー濃度Cfは、85.0wt%である。第4試料SP04においては、エポキシ樹脂M03が用いられ、フィラー濃度Cfは、84.0wt%である。第5試料SP05においては、エポキシ樹脂M05が用いられ、フィラー濃度Cfは、84.0wt%である。第6試料SP06においては、エポキシ樹脂M06が用いられ、フィラー濃度Cfは、80.0wt%である。第7試料SP07においては、エポキシ樹脂M07が用いられ、フィラー濃度Cfは、77.0wt%である。
【0140】
図14には、樹脂材料(エポキシ樹脂及びフィラー)についての、線膨張係数α(×10-6/K)及びガラス転移温度Tg(℃)の評価結果が示されている。さらに、図14には、上記の第1評価V1~第4評価V4の結果が示されている。結果は、E1~E4の4段階の評価値で示されている。評価値E1は、「規準以下で悪い」ことを示す。評価値E2は、「基準とほぼ同値度」であることを示す。評価値E3は、「基準を超えており良好である」ことを示す。評価値E4は、「基準を大きく超えており結果3よりも良い」ことを示す。
【0141】
図14に示すように、第1評価V1(MSL試験における剥離)の結果は、全ての試料において、評価値E3であり、良好である。第2評価V2(MSL試験における樹脂部30のクラック)の結果は、全ての試料において、評価値E3であり、良好である。
【0142】
第3評価V3(TCTにおけるクラック)の結果、及び、第4評価V4(TCTにおけるオン抵抗の変動)の結果は、第1~第3試料SP01~SP03において、評価値E1であり、悪い。第4試料SP04及び第5試料SP05において、結果は、評価値E2である。第6試料SP06において、結果は、評価値E3であり、良好である。第7試料SP07において、結果は、評価値E4であり、さらに良好である。
【0143】
図14の結果から、樹脂部30の線膨張係数αは、大きいことが好ましい。線膨張係数αは、例えば、13×10-6/K以上17×10-6/K以下であることが好ましい。図14に示すように、第3評価V3(TCTにおけるクラック)、及び、第4評価V4(TCTにおけるオン抵抗の変動)において、良好な結果が得られる。
【0144】
例えば、Cuの線膨張係数αは、約17×10-6/Kである。樹脂部30の線膨張係数αは、導電部材(例えばCu)の線膨張係数αに近いことが好ましいと考えられる。一般的な半導体装置において、樹脂部(封止材)の線膨張係数αは、シリコンの線膨張係数α(約6×10-6/K)の近くなるように設計されることが多い。実施形態においては、コネクタとポストとの接合部分に応力が特に集中すると考えられる。このような構造の場合においては、樹脂部30の線膨張係数αは、半導体(シリコン)の線膨張係数αではなく、導電部材(例えばCu)の線膨張係数αに近いことが、好ましいと考えられる。これにより、例えば、コネクタとポストとの接合部分(第1接続部材41)におけるクラックが抑制され易くなる。特性の変動が抑制される。
【0145】
実施形態において、樹脂部30は、複数のフィラーを含む。複数のフィラーの樹脂部30における濃度は、76重量%以上84重量%以下であることが好ましい。図14に示すように、第3評価V3(TCTにおけるクラック)、及び、第4評価V4(TCTにおけるオン抵抗の変動)において、良好な結果が得られる。
【0146】
フィラーは、例えば、Siを含む酸化物(例えばシリカ)、Mgを含む酸化物、及び、Alを含む酸化物よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。
【0147】
図15は、半導体装置の評価結果を示す表である。
図15は、第2実験の結果を示す。第2実験においては、樹脂部30のエポキシ樹脂の材料が変更される。エポキシ樹脂の材料の変更により、ガラス転移温度Tgが変更される。第2実験において、フィラー濃度Cfは、80.0wt%で一定である。第2実験においても、半導体装置において、第1部分p1及び第3部分p3に凹凸形状は設けられていない。
【0148】
図15に示すように、第8試料SP08においては、エポキシ樹脂M06が用いられ、ガラス転移温度Tgは、120℃である。第9試料SP09においては、エポキシ樹脂M08が用いられ、ガラス転移温度Tgは、150℃である。第10試料SP10においては、エポキシ樹脂M09が用いられ、ガラス転移温度Tgは、170℃である。
【0149】
図15に示すように、ガラス転移温度Tgが高いと、TCT評価において良好な結果が得られる。TCT評価における最高温度は、150℃である。ガラス転移温度TgがTCT評価における最高温度以上であることで、良好な結果が得られると考えられる。
【0150】
実施形態において、樹脂部30のガラス転移温度Tgは、150℃以上であることが好ましい。クラックがより抑制できる。特性の変動をより効果的に抑制できる。
【0151】
例えば、パワー半導体装置において、半導体チップと外部端子との接合構造として、ワイヤボンディングではなく、銅などの板状のコネクタを用いた構造が提案されている。これにより、例えば、低い抵抗が得られる。このような半導体装置において、厳しい信頼性基準を満たすことが要求される。TCT(温度サイクル試験)において、はんだにクラックが発生しオン抵抗が上昇することがある。
【0152】
実施形態によれば、特性の変動を抑制できる半導体装置を提供することができる。
【0153】
本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれば良い。
【0154】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、半導体装置に含まれる半導体チップ、導電部材、接続部材及び絶縁部などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0155】
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0156】
その他、本発明の実施の形態として上述した半導体装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての半導体装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0157】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0158】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0159】
10…半導体チップ、 10s…半導体層、 11~13…第1~第3電極、 21…第1導電部材、 21d…第1凹部、 21df…第1底部、 21f…第1面、 21p…第1凸部、 22…第2導電部材、 22d…第2凹部、 22df…第2底部、 22f…第2面、 22p…第2凸部、 23…第3導電部材、 24…第4導電部材、 24d…第7部分凹部、 24df…第7部分底部、 24f…面、 24p…第7部分凸部、 25…第5導電部材、 28…リードフレーム、 30…樹脂部、 41~45…第1~第5接続部材、 41b、42b、43b…はんだペースト、 41p…粒、 109110~114、120~124、130、131…半導体装置、 ΔRon…変動、 ΔRon1…基準値、 E1~E4…評価値、 Lx1…第1距離、 Lx3…第3距離、 Lxp1、Lxp3…距離、 Lz2…第2距離、 Lz4…第4距離、 Lzp2、Lzp4…距離、 M01~M09…エポキシ樹脂、 M1、M2…第1、第2型、 Mp1、Mp2…凹領域、 Mp3…凸領域、 Mpd…凹部、 Mpp…凸部、 Mq1、Mq2…凸領域、 Mq3…凹領域、 PA…一部、 V1~V4…第1~第4評価、 SP01~SP10…第1~第10試料、 dz1、dz2…深さ、 mp1~mp4…第1~第4中間部分、 p1~p10…第1~第10部分、 pa1、pb1、pa3、pb4…第1~第4端部、 r1~r4…第1~第4部分領域、 tc…厚さ
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