(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-29
(45)【発行日】2023-09-06
(54)【発明の名称】電気光学装置
(51)【国際特許分類】
H05K 1/14 20060101AFI20230830BHJP
G02F 1/1333 20060101ALI20230830BHJP
G02F 1/1345 20060101ALI20230830BHJP
G06F 1/16 20060101ALI20230830BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20230830BHJP
【FI】
H05K1/14 C
G02F1/1333
G02F1/1345
G06F1/16 312J
G09F9/00 348A
H05K1/14 E
(21)【出願番号】P 2022124500
(22)【出願日】2022-08-04
(62)【分割の表示】P 2018103476の分割
【原出願日】2018-05-30
【審査請求日】2022-08-04
(73)【特許権者】
【識別番号】321010863
【氏名又は名称】トライベイル テクノロジーズ, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100184527
【氏名又は名称】渡邉 賢二
(72)【発明者】
【氏名】上野 孝弘
(72)【発明者】
【氏名】清原 徹
(72)【発明者】
【氏名】田代 智裕
【審査官】川俣 郁子
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-235321(JP,A)
【文献】特開2007-292838(JP,A)
【文献】特開2000-148394(JP,A)
【文献】特開2016-200728(JP,A)
【文献】特開2008-135465(JP,A)
【文献】特開2003-243791(JP,A)
【文献】特開2008-096866(JP,A)
【文献】特開2012-083492(JP,A)
【文献】特開2016-134345(JP,A)
【文献】特開平8-320498(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0322724(US,A1)
【文献】中国実用新案第203748103(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F1/133-1/1334
1/1339-1/135
G06F1/00
1/16-1/18
G09F9/00-9/46
H05K1/14
3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端部を有する電気光学パネルと、
第2端部と、当該第2端部とは反対側の第3端部とを有し、当該第2端部が前記第1端部に接続された、可撓性を有する第1接続部材と、
前記第1接続部材上の補強材と
を備え、
前記第1接続部材は、前記電気光学パネルと接続される第1の面と、当該第1の面とは反対側の第2の面とを有し、
前記補強材は、前記第1の面上に位置し、前記電気光学パネルの前記第1端部側の端面から前記第3端部側へ延在し、
前記第1接続部材は、前記第2端部と前記第3端部とを接続する第1及び第2側縁部の少なくとも一方に内側に凹む第1切り欠きを有し、
前記補強材の前記第3端部側の端は、前記第1切り欠きの前記第2端部側の端よりも前記第3端部側に位置し、前記第1切り欠きの前記第3端部側の端よりも前記第2端部側に位置する、電気光学装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電気光学装置であって、
前記第1切り欠きの前記第3端部側の端は、前記補強材の前記第2端部側の端よりも前記第3端部側に位置する、電気光学装置。
【請求項3】
請求項1及び請求項2のいずれか一つに記載の電気光学装置であって、
前記第1切り欠きの形状は、半円あるいは多角形である、電気光学装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の電気光学装置であって、
前記第3端部に接続された回路基板をさらに備え、
前記回路基板が前記電気光学パネルと対面するように前記第1接続部材が曲げられ、
前記第1切り欠きは、前記第1接続部材の曲がる部分に位置する、電気光学装置。
【請求項5】
請求項4に記載の電気光学装置であって、
前記第1切り欠きは、前記第1接続部材が曲げられることによって前記第1及び第2側縁部に形成される角部に位置する、電気光学装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一つに記載の電気光学装置であって、
前記第1接続部材は、前記第1及び第2側縁部のそれぞれに前記第1切り欠きを有する、電気光学装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一つに記載の電気光学装置であって、
前記第1接続部材は、前記第1側縁部に、前記第1切り欠きよりも前記第3端部側に位置する第2切り欠きを有する、電気光学装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一つに記載の電気光学装置であって、
前記第1端部に接続された、前記第1接続部材を含む複数の第2接続部材を備え、
前記第1接続部材は、前記複数の第2接続部材において最も端に位置し、
前記第1切り欠きは、前記第1及び第2側縁部のうち、少なくとも、外側の側縁部に位置する、電気光学装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一つに記載の電気光学装置であって、
前記電気光学パネルは、画像を表示する、電気光学装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気光学装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1~3には、液晶表示パネルなどの電気光学パネルと、当該電気光学パネルに接続された、可撓性を有する接続部材とを備える電気光学装置に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-98548号公報
【文献】特開2007-292838号公報
【文献】特開2001-242479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
昨今、液晶表示装置などの電気光学装置の用途の多様化が進んでいるため、様々な環境で電気光学装置が使用される可能性がある。そのため、電気光学装置では、電気光学パネルと接続部材との接続部分に応力が発生し、接続部材が損傷あるいは断線したり、接続部材が電気光学パネルから外れたりする可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は上述の点に鑑みて成されたものであり、電気光学パネルと接続部材との接続部分に発生する応力を低減することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電気光学装置の一態様は、第1端部を有する電気光学パネルと、第2端部と、当該第2端部とは反対側の第3端部とを有し、当該第2端部が前記第1端部に接続された、可撓性を有する第1接続部材と、前記第1接続部材上の補強材とを備え、前記第1接続部材は、前記電気光学パネルと接続される第1の面と、当該第1の面とは反対側の第2の面とを有し、前記補強材は、前記第1の面上に位置し、前記電気光学パネルの前記第1端部側の端面から前記第3端部側へ延在し、前記第1接続部材は、前記第2端部と前記第3端部とを接続する第1及び第2側縁部の少なくとも一方に内側に凹む第1切り欠きを有し、前記補強材の前記接続面の前記第3端部側の端は、前記第1切り欠きの前記第2端部側の端よりも前記第3端部側に位置し、前記第1切り欠きの前記第3端部側の端よりも前記第2端部側に位置する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電気光学パネルと接続部材との接続部分に発生する応力を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】電気光学装置の構成の一例を示す斜視図である。
【
図2】電気光学装置の構成の一例を示す斜視図である。
【
図3】電気光学装置の構成の一例を示す平面図である。
【
図4】電気光学装置の構成の一例を示す拡大図である。
【
図5】電気光学装置の構成の一例を示す断面図である。
【
図6】電気光学装置の構成の一例を示す側面図である。
【
図7】電気光学装置にかかる力の一例を示す図である。
【
図8】電気光学装置に発生する応力の一例を示す図である。
【
図9】電気光学装置にかかる力の一例を示す図である。
【
図10】電気光学装置に発生する応力の一例を示す図である。
【
図11】電気光学装置に発生する応力の一例を示す図である。
【
図12】電気光学装置に発生する応力の一例を示す図である。
【
図13】第1比較装置の構成の一例を示す平面図である。
【
図14】第1比較装置の構成の一例を示す拡大図である。
【
図15】第1比較装置の構成の一例を示す側面図である。
【
図16】第2比較装置の構成の一例を示す平面図である。
【
図17】第2比較装置の構成の一例を示す拡大図である。
【
図18】第2比較装置の構成の一例を示す断面図である。
【
図19】第3比較装置の構成の一例を示す平面図である。
【
図20】第3比較装置の構成の一例を示す拡大図である。
【
図21】第3比較装置の構成の一例を示す側面図である。
【
図22】電気光学装置の構成の一例を示す拡大図である。
【
図23】電気光学装置の構成の一例を示す断面図である。
【
図24】電気光学装置の構成の一例を示す平面図である。
【
図25】電気光学装置の構成の一例を示す平面図である。
【
図26】電気光学装置の構成の一例を示す平面図である。
【
図27】電気光学装置の構成の一例を示す平面図である。
【
図28】電気光学装置の構成の一例を示す平面図である。
【
図29】電気光学装置の構成の一例を示す平面図である。
【
図30】電気光学装置の構成の一例を示す平面図である。
【
図31】電気光学装置の構成の一例を示す平面図である。
【
図32】電気光学装置の構成の一例を示す平面図である。
【
図33】電気光学装置の構成の一例を示す平面図である。
【
図34】電気光学装置の構成の一例を示す側面図である。
【
図35】電気光学装置の構成の一例を示す平面図である。
【
図36】電気光学装置の構成の一例を示す拡大図である。
【
図37】電気光学装置の構成の一例を示す断面図である。
【
図38】電気光学装置の構成の一例を示す側面図である。
【
図39】電気光学装置の構成の一例を示す平面図である。
【
図40】電気光学装置の構成の一例を示す拡大図である。
【
図41】電気光学装置の構成の一例を示す断面図である。
【
図42】電気光学装置の構成の一例を示す平面図である。
【
図43】電気光学装置の構成の一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1の実施形態>
図1は、本実施の形態に係る電気光学装置100の構成の一例を示す斜視図である。
図2及び3は、
図1に示される電気光学装置100の一部の構成の一例を示す斜視図及び平面図である。
図4は、
図3に示される部分X1を拡大して示す図である。
図5は、
図4に示される構造の矢視A1-A1における断面を示す図である。
図6は、
図4に示される構造を矢印A2の方向から見た様子を示す図である。
図5では、断面にハッチングを示している。後述する図面に示される断面についても同様にハッチングが示されている。
【0010】
図2には、電気光学装置100が備える電気光学パネル1、接続部材2及び回路基板3が示されている。
図3には、電気光学装置100が備える電気光学パネル1、接続部材2、回路基板3及び補強材4が示されている。
図1に示されるように、電気光学装置100は、接続部材2が曲げられた状態で使用される。
図2~6には、曲げられる前の接続部材2が示されている。
図6では、
図5と比較して、電気光学パネル1及び接続部材2の構造を簡略化して示している。
【0011】
電気光学装置100は、例えば、画像を表示する表示装置である。具体的には、電気光学装置100は、例えば、液晶表示装置である。電気光学装置100は、表示装置以外の装置であってもよい。
【0012】
図1~6に示されるように、電気光学装置100は、電気光学パネル1と、可撓性を有する接続部材2と、回路基板3と、補強材4と、バックライト6とを備えている。本例では、電気光学装置100は、2つの接続部材2を備えているが、1つの接続部材2を備えてもよいし、3つ以上の接続部材2を備えてもよい。
【0013】
電気光学パネル1は、例えば、画像を表示する表示パネルである。具体的には、電気光学パネル1は、例えば液晶表示パネルである。電気光学パネル1は、ガラスあるいはプラスチックなどから成る基板と、当該基板上の端子電極16(
図5参照)とを備えている。端子電極16は、導電性部材よって構成されている。電気光学パネル1は、略長方形の板状を成している。電気光学パネル1は、接続部材2が接続される、表示面を含む主面1aと、それとは反対側の主面1bとを備える。また電気光学パネル1は、短手方向において、接続部材2が接続される端部10と、それとは反対側の端部11とを備える。
図5に示されるように、端子電極16は、端部10の主面1a側に位置する。以後、説明の便宜上、主面1aを前面1aと呼び、主面1bを背面1bと呼ぶことがある。
【0014】
電気光学パネル1は、液晶表示パネル以外のパネルであってもよい。例えば、電気光学パネル1は、表示機能と、ユーザ操作を検出する機能とを有するタッチパネルであってもよい。このタッチパネルは、インセル型であってもよいし、オンセル型であってもよい。以後、電気光学パネル1を単にパネル1と呼ぶことがある。
【0015】
回路基板3は、例えば、プリント回路基板である。プリント回路基板は、プリント基板あるいはリジッド基板とも呼ばれる。回路基板3は、エポキシ樹脂あるいはフェノール樹脂から成る基板と、当該基板上の部品とを備えている。回路基板3は、電気光学パネル1に対して信号等を出力する。以後、回路基板3を単に基板3と呼ぶことがある。
【0016】
各接続部材2は、パネル1及び基板3を互いに電気的に接続する。各接続部材2は、例えば、フレキシブルプリント配線板(Flexible Printed Circuit(FPC))である。接続部材2は配線部材であるとも言える。複数の接続部材2の少なくとも一つには、部品が実装されてもよいし、部品が実装されなくてもよい。フレキシブルプリント配線板に部品を実装する技術は、COF(Chip on Film)と呼ばれる。各接続部材2はフィルム状の部材である。各接続部材2は、主面2aと、それとは反対側の主面2bとを備える。パネル1は主面2bに接続される。以後、説明の便宜上、主面2aを前面2aと呼び、主面2bを背面2bと呼ぶことがある。
【0017】
各接続部材2は、パネル1に接続されるパネル側端部260と、パネル側端部260とは反対側に位置する、基板3に接続される基板側端部270(
図2参照)とを備える。パネル側端部260はパネル1の端部10に接続される。基板3から出力される信号等は、接続部材2を通じて、パネル1に入力される。基板3からは、パネル1を駆動するための駆動信号等が出力される。以後、パネル側端部260と基板側端部270とを結ぶ方向を長さ方向と呼ぶことがある。また、接続部材2の厚み方向及び長さ方向に垂直な方向を幅方向と呼ぶことがある。
【0018】
図5に示されるように、接続部材2は、ベースフィルム21と、ベースフィルム21に接着された導体20と、導体20上の端子電極23と、導体20を覆う、ベースフィルム21上のカバーレイ22と、補強材24とを備える。導体20及び端子電極23は配線として機能する。ベースフィルム21及びカバーレイ22は、絶縁部材で構成されている。ベースフィルム21は前面2a側に位置し、カバーレイ22は背面2b側に位置する。
【0019】
補強材24は、接続部材2における、パネル1との接続部分を補強するための部材である。補強材24は、接続部材2のパネル側端部260に位置する。補強材24は、ベースフィルム21における、前面2a側の主面21a上に位置する。補強材24は、例えば、カバーレイ22と同じ材料で形成される。なお、補強材24は、カバーレイ22とは異なる材料で構成されてもよい。
【0020】
接続部材2の導体20における、パネル側端部260側の端部200は、カバーレイ22に覆われていない。端子電極23は、導体20の端部200上に位置しており、カバーレイ22に覆われていない。端子電極23は、背面2b側に位置するとともに、パネル側端部260に位置する。
【0021】
接続部材2の端子電極23は、パネル1の端子電極16に対して、導電性接着材5により接続される。これにより、接続部材2とパネル1とが電気的に接続される。電気光学装置100は、一つの端子電極16と、それに接続される一つの端子電極23とを備えてもよいし、複数の端子電極16と、それらにそれぞれ接続される複数の端子電極23とを備えてもよい。
【0022】
図1に示されるように、電気光学装置100では、パネル1の背面1bと基板3とがバックライト6を介して対面するように、各接続部材2が前面2a側を外側にして曲げられる。本例では、各接続部材2は湾曲している。バックライト6は、光源等が収納された筐体60を備えている。パネル1及び基板3は筐体60に取り付けられる。バックライト6からパネル1に光が照射されることによって、パネル1の前面1aに画像が表示される。
【0023】
補強材4は、接続部材2とパネル1との接続部分を補強するための部材である。補強材4は、各接続部材2の背面2b上に位置する。各補強材4は、絶縁部材で構成されている。補強材4は、樹脂等の粘着性を有する材料で形成されてもよいし、温度あるいは光などに反応して硬化する材料で形成されてもよい。また、補強材4は、それに含有されている溶剤が揮発して硬化する材料あるいは湿気反応タイプの材料で形成されてもよい。
【0024】
補強材4は、
図5,6に示されるように、パネル1の端部10側の端面(言い換えれば側面)1cから、接続部材2の基板側端部270側に、すなわち、接続部材2の長さ方向に沿って基板3側に延在している。パネル1の端面1cには、端子電極16の補強材4側の端面16aが含まれる。また補強材4は、
図3に示されるように、接続部材2の幅方向に沿って延在している。具体的には、補強材4は、接続部材2の幅方向の一方端から他方端にわたって存在している。
【0025】
図5に示されるように、接続部材2の端子電極23は、導電性接着剤5によって端子電極16に接続された第1部分231と、端子電極16に接続されずに導電性接着剤5及びカバーレイ22から露出する第2部分232とを備える。第2部分232は、第1部分231よりも基板3側に位置する。補強材4は、第2部分232を覆っている。このように、導電性接着剤5及びカバーレイ22から露出する第2部分232が補強材4で覆われることにより、端子電極23は補強材4によって保護される。
【0026】
また補強材4は、カバーレイ22における、パネル側端部260側の端部220を覆っている。また補強材4は、パネル1の端面1cの一部と、導電性接着剤5の補強材4側の端面5aとを覆っている。
【0027】
電気光学装置100では、以上のような補強材4の存在により、接続部材2の端子電極23の第2部分232が露出しなくなるとともに、接続部材2のパネル側端部260が曲がりにくくなる。これにより、端子電極23が損傷したり、破断したりする可能性が低減する。また、接続部材2の端子電極23が、パネル1の端子電極16から外れる可能性が低減する。さらに、曲げられた状態の接続部材2を備える電気光学装置100に対して、振動あるいは衝撃が加わった場合に、接続部材2がパネル1の端面1cに接触することによって接続部材2が損傷したり破断したりする可能性を低減することができる。
【0028】
本例では、各接続部材2は切り欠き25aを有している。具体的には、接続部材2は、パネル側端部260と基板側端部270とを接続する側縁部280に切り欠き25aを有している。本例では、接続部材2が有する、長さ方向に沿って延在する一対の側縁部280のそれぞれに対して、一つの切り欠き25aが設けられている。
【0029】
切り欠き25aは、側縁部280の端面(側面)280aから、その内側に凹むように形成されている。切り欠き25aは、側縁部280において、前面2aから背面2bにわたって、導体20を避けるように形成されている。
図1に示されるように、切り欠き25aは、接続部材2の曲がる部分に位置する。切り欠き25aの形状は、例えば、半円である。具体的には、切り欠き25aは、それを前面2aあるいは背面2b側から見た場合に半円形を成している。
【0030】
図4,6に示されるように、切り欠き25aにおける背面2b側の縁252のパネル側端部260側の端250は、補強材4における主面2bとの接続面4aのパネル側端部260側の端41よりも基板側端部270側に位置する。また、切り欠き25aの端250は、補強材4の端40の位置と一致する、あるいは、補強材4の接続面4aの基板側端部270側の端40よりも基板側端部270側に位置する。一方で、切り欠き25aの縁252の基板3側の端251は、補強材4の接続面4aの基板3側の端40よりも基板3側に位置する。本例では、補強材4は背面2bと接触していることから、接続面4aは、補強材4における主面2bとの接触面であるとも言える。
【0031】
本例では、接続部材2の長さ方向における、切り欠き25aの端250の位置は、接続部材2の長さ方向における、補強材4の端40の位置と一致している。背面2b側から見た場合に、切り欠き25aは、接続部材2の長さ方向において、補強材4の端40から存在していると言える。背面2b側から見た場合に、切り欠き25aは、補強材4とは重ならない場所に位置する。
【0032】
以上のように、電気光学装置100では、接続部材2に補強材4が設けられるとともに、接続部材2が切り欠き25aを有することから、切り欠き25a周辺に応力がかかりやすくなる。
【0033】
例えば、本例のように、切り欠き25aが接続部材2の曲がる部分に位置する場合、接続部材2が曲がっている状態で生じる応力が、切り欠き25a周辺にかかりやすくなる。具体的には、接続部材2において、
図4~6に示される位置112に応力が集中しやすくなり、位置112の周辺に応力がかかりやすくなる。位置112は、切り欠き25aの背面2b側の縁252における最も内側の位置となる。言い換えれば、位置112は、切り欠き25aの背面2b側の縁252において、接続部材2の長さ方向に延びる中心線に最も近い位置となる。
【0034】
また、外力による摩擦あるいは振動等により生じる応力についても、位置112の周辺にかかりやすくなる。例えば、
図7に示されるように、外力による摩擦あるいは振動等により、回路基板3が紙面左方向に動くような力115が発生した場合を考える。
図8は、
図7に示される部分X2を接続部材2の背面2b側から見た場合の当該部分X2を拡大して示す平面図である。
図8の例では、上述の
図4とは異なり、切り欠き25aの縁252のパネル1側の端250は、補強材4の接続面4aの基板3側の端40よりも基板3側に位置する。後述する
図10の例についても同様である。力115の発生にともない接続部材2が受ける応力117aは位置112の周りにかかりやすくなる。
【0035】
他の例として、
図9に示されるように、外力による摩擦あるいは振動等により、回路基板3が紙面右方向に動くような力116が発生した場合を考える。
図10は、
図9に示される部分X3を接続部材2の背面2b側から見た場合の当該部分X3を拡大して示す平面図である。力116の発生にともない接続部材2が受ける応力117bは、位置112の周りにかかりやすくなる。
【0036】
また、外部応力だけではなく、内部応力についても、応力が集中しやすい位置112の周りにかかりやすくなる。
図11,12は、電気光学装置100の周囲の温度を、常温から、それよりも+215℃高い温度まで上げた場合に接続部材2に発生する熱応力及びひずみを示すシミュレーション結果を示す図である。電気光学装置100の周囲の温度を上げた場合には、熱応力によって、接続部材2を伸縮させる内部応力が発生する。
図11には、上述の
図8に示される構造についてのシミュレーション結果が示されている。
図12には、上述の
図10に示される構造についてのシミュレーション結果が示されている。
図11,12では、ハッチングの種類によって内部応力の大きさを表している。
図11,12の凡例に示される値の単位はMpaである。また、
図11,12では、電気光学装置100に発生するひずみが、格子のゆがみで表されている。
図11,12に示される結果から理解できるように、ひずみが切り欠き25aの周囲に集まっており、切り欠き25aの周囲が、内部応力が作用しやすい部分になっている。
【0037】
図13~15は、本実施の形態に係る電気光学装置100と比較される第1比較装置の一部の構造を示す図である。
図16~18は、電気光学装置100と比較される第2比較装置の一部の構造を示す図である。
図19~21は、電気光学装置100と比較される第3比較装置の一部の構造を示す図である。
【0038】
第1比較装置は、電気光学装置100において、上記の特許文献1と同様に補強材4が設けられておらず、切り欠き25aの替わりに切り欠き118が設けられたものである。切り欠き118は、切り欠き25aと同様の形状を有している。
図13は、第1比較装置のパネル1及び接続部材2を示す平面図である。
図14は、
図13に示される部分X4を拡大して示す図である。
図15は、
図14に示される構造を矢印Bの方向から見た様子を示す図である。
図13~15では、曲げられていない接続部材2が示されている。
【0039】
第1比較装置では、背面2b側から見た場合に、切り欠き118は、上記の特許文献1の切欠部(12a)と同様に、接続部材2の長さ方向において、パネル1の端面1cから存在している。第1比較装置では、
図14,15に示されるように、応力が集中しやすい位置112は、切り欠き118のパネル1側の端1180に存在する。したがって、応力が集中しやすい位置112は、パネル1と接続部材2との接続部分に近い位置となる。そのため、接続部材2におけるパネル1との接続部分が損傷して接続部材2が断線したり、接続部材2の端子電極23がパネル1から外れたりする可能性がある。さらに、第1比較装置では、補強材4が設けられていないため、接続部材2が曲げられた状態において、第1比較装置に振動あるいは衝撃が加わった場合、接続部材2が損傷したり、破断したりする可能性がある。損傷した接続部材2では、導体20(配線)が露出している場合があり、導体20が湿気等の影響を直接受けることで、導体20の腐食断線を引き起こす可能性がある。
【0040】
第2比較装置は、電気光学装置100において、上述の特許文献2と同様に、切り欠き25aが設けられていないものである。
図16は、第2比較装置のパネル1、接続部材2及び補強材4を示す平面図である。
図17は、
図16に示される部分X5を拡大して示す図である。
図18は、
図17に示される構造の矢視C-Cにおける断面を示す図である。
図16~18では、曲げられていない接続部材2が示されている。
【0041】
第2比較装置では、外力による摩擦あるいは振動等により、上述の力115(
図6参照)が発生した場合、接続部材2が受ける応力117aが集中しやすい位置112は、
図17,18のようになる。つまり、接続部材2の側縁部280の端面280aと、補強材4の接続面4aの基板3側の端40との境界点が、応力が集中しやすい位置112aとなる。さらに、接続部材2の側縁部280の端面280aと、補強材4の接触面4aのパネル1側の端41との境界点が、応力が集中しやすい位置112bとなる。位置112bは、パネル1と接続部材2との接続部分に近い位置となるため、第1比較装置と同様に、接続部材2におけるパネル1との接続部分が損傷して接続部材2が断線したり、接続部材2の端子電極23がパネル1から外れたりする可能性がある。さらに、第2比較装置では、接続部材2の側縁部280に切り欠きが設けられていないため、温度変化で生じる内部応力の作用を接続部材2が受け易くなる。
【0042】
第3比較装置は、電気光学装置100において、切り欠き25aの替わりに、上述の特許文献3の凹部(11)と同様の切り欠き119が設けられたものである。
図19は、第3比較装置のパネル1、接続部材2及び補強材4を示す平面図である。
図20は、
図19に示される部分X6を拡大して示す図である。
図21は、
図20に示される構造を矢印Dの方向から見た様子を示す図である。
図19~21では、曲げられていない接続部材2が示されている。
【0043】
第3比較装置では、背面2b側から見た場合に、切り欠き119は、特許文献3の凹部(11)と同様に、接続部材2の長さ方向において、パネル1の端面1cよりも端部11側から存在している。つまり、
図20,21に示されるように、切り欠き119のパネル1側の端1190は、パネル1の端面1cよりも、パネル1の端部10側に位置する。一方で、切り欠き119の基板3側の端1191は、補強材4の接続面4aの基板3側の端40よりも基板3側に位置する。また第3比較装置では、補強材4が切り欠き119の中にも存在している。
【0044】
第3比較装置では、
図20,21に示されるように、切り欠き119における、接続部材2の背面2b側の縁1192と、補強材4の接続面4aの基板3側の端40との境界点が、応力が集中しやすい位置112cとなっている。さらに、切り欠き119の縁1192と、補強材4の接続面4aのパネル1側の端41との境界点が、応力が集中しやすい位置112dとなっている。位置112dは、パネル1と接続部材2との接続部分に近い位置となるため、第1及び第2比較装置と同様に、接続部材2におけるパネル1との接続部分が損傷して接続部材2が断線したり、接続部材2の端子電極23がパネル1から外れたりする可能性がある。
【0045】
一方で、第3比較装置では、補強材4を固くすることによって、接続部材2が断線する可能性を低減させることが可能である。しかしながら、補強材4を固くすると、接続部材2を曲げる際に必要なフレキシブル性が低下するため好ましくない。また、製造工程において、切り欠き119内に十分に補強材4が形成されない場合、接続部材2が断線する可能性が増加する。
【0046】
以上のような第1から第3比較装置と比較して、本実施の形態に係る電気光学装置100では、接続部材2の側縁部280に設けられた切り欠き25aの縁252のパネル1側の端250が、補強材4の接続面4aのパネル1側の端41よりも基板3側に位置し、さらに、切り欠き25aの縁252の基板3側の端251が、補強材4の接続面4aの基板3側の端40よりも基板3側に位置する。これにより、外部応力あるいは内部応力が集中しやすい位置112を、接続部材2とパネル1との接続部分から離すことが可能となる。そのため、パネル1と接続部材2との接続部分に発生する応力を低減することが可能となる。その結果、接続部材2が損傷あるいは断線したり、接続部材2がパネル1から外れたりする可能性が低減する。接続部材2の損傷により導体20が露出する可能性が低減することから、導体20が腐食断線する可能性を低減することができる。よって、電気光学装置100の性能が向上する。
【0047】
また、切り欠き25aの周囲に応力が作用しやすくなることから、接続部材2の基板側端部270が基板3から外れる可能性も低減することができる。
【0048】
また、切り欠き25aと、接続部材2の内部の導体20との間の距離を大きくすることによって、切り欠き25aの周囲にかかる応力が導体20に与える影響を低減することができる。その結果、接続部材2の導体20が断線する可能性を低減することができる。
【0049】
また、本例のように、接続部材2の一対の側縁部280のそれぞれに切り欠き25aが設けられる場合には、パネル1と接続部材2との接続部分に発生する応力をさらに低減することが可能となる。その結果、接続部材2が損傷あるいは断線したり、接続部材2がパネル1から外れたりする可能性がさらに低減する。
【0050】
なお、上記の例では、切り欠き25aの縁252のパネル1側の端250は、補強材4の接続面4aの基板3側の端40よりもパネル1側には位置していなかったが、当該端40よりもパネル1側に位置してもよい。
図22は、この場合のパネル1、接続部材2及び補強材4の一例を示す平面図である。
図23は、
図22に示される構造の矢視E-Eの断面を示す図である。
図22,23の例では、切り欠き25a内に補強材4が形成されている。
【0051】
切り欠き25aの縁252のパネル1側の端250が、補強材4の接続面4aの基板2側の端40よりもパネル1側に位置する場合には、
図22,23に示されるように、切り欠き25aの縁252と補強材4の端40との境界点が、応力が集中しやすい位置112となる。したがって、切り欠き25aの端250が補強材4の端40よりもパネル1側に位置する場合であっても、応力が集中しやすい位置112を、接続部材2とパネル1との接続部分から離すことが可能となる。そのため、
図1~6に示される構造と同様に、パネル1と接続部材2との接続部分に発生する応力を低減することが可能となる。
【0052】
また、上記の例では、接続部材2の一対の側縁部280のそれぞれに切り欠き25aが設けられているが、一対の側縁部280の一方だけに切り欠き25aが設けられてもよい。
図24は、この場合のパネル1、接続部材2及び補強材4の一例を示す平面図である。
図24の例では、2つの接続部材2のうちの一方の接続部材2については、他方の接続部材2側の側縁部280だけに切り欠き25aが設けられている。一方で、他方の接続部材2については、一対の側縁部280のそれぞれに切り欠き25aが設けられている。他方の接続部材2では、一方の側縁部280だけに切り欠き25aが設けられてもよい。
【0053】
また、上記の例では、複数の接続部材2のそれぞれに切り欠き25aが設けられているが、複数の接続部材2のうちの一部の接続部材2だけに切り欠き25aが設けられてもよい。
図25は、この場合のパネル1、接続部材2及び補強材4の一例を示す平面図である。
図25の例では、2つの接続部材2のうちの一方の接続部材2だけに切り欠き25aが設けられている。
【0054】
また、上記の例では、接続部材2の切り欠きの形状は半円であったが、他の形状であってもよい。例えば、接続部材2の切り欠きの形状は多角形であってもよい。
図26,27は、この場合のパネル1、接続部材2及び補強材4の一例を示す平面図である。
図26に示される接続部材2には、切り欠き25aの替わりに、四角形の切り欠き25bが設けられている。
図27に示される接続部材2には、切り欠き25aの替わりに、星形の半分の形状を有する切り欠き25cが設けられている。
図26に示される切り欠き25bは、それを前面2aあるいは背面2b側から見た場合に四角形を成している。
図27に示される切り欠き25dは、それを前面2aあるいは背面2b側から見た場合に星形の半分を成している。なお、接続部材2は、三角形あるいは五角形等の他の多角形の切り欠きを備えてもよい。
図26,27に示されるように、切り欠きにおける背面2b側の縁のパネル1側の端が、補強材4における背面2bとの接続面の基板3側の端よりもパネル1側には位置しない場合には、切り欠きの最も内側の位置が、応力が集中しやすい位置112となる。
【0055】
また、接続部材2において、一方の側縁部280に形成される切り欠きの形状と、他方の側縁部280に形成される切り欠きの形状とは、互いに異なってもよい。
図28,29は、この場合のパネル1、接続部材2及び補強材4の一例を示す平面図である。
図28の例では、一方の接続部材2において、他方の接続部材2側の側縁部280に、切り欠き25aよりも径が小さい半円の切り欠き25dが設けられている。また、他方の接続部材2において、一方の接続部材2側の側縁部280に切り欠き25dが設けられている。
図29の例では、一方の接続部材2において、他方の接続部材2側の側縁部280に、上述の切り欠き25bが設けられている。また、他方の接続部材2において、一方の接続部材2側の側縁部280に切り欠き25bが設けられている。
【0056】
また、接続部材2の側縁部280には複数の切り欠きが設けられてもよい。
図30は、この場合のパネル1、接続部材2及び補強材4の一例を示す平面図である。
図30の例では、各接続部材2において、一対の側縁部280のそれぞれに2つの切り欠き25aが設けられている。側縁部280には、3つ以上の切り欠きが設けられてもよい。
【0057】
また、接続部材2の側縁部280に複数の切り欠きが設けられる場合には、当該複数の切り欠きの形状は異なってもよい。
図31は、この場合のパネル1、接続部材2及び補強材4の一例を示す平面図である。
図31の例では、各側縁部280に、互いに形状が異なる切り欠き25a,25dが設けられている。
【0058】
このように、側縁部280に複数の切り欠きが設けられることによって、応力が集中しやすい位置112の数を増やすことができる。これにより、電気光学装置100に発生する応力を分散することができることから、接続部材2が損傷したり断裂したりする可能性をさらに低減することができる。
【0059】
また、電気光学装置100が複数の接続部材2を備える場合には、最も端の接続部材2の外側の側縁部280に切り欠きが設けられてもよい。言い換えれば、複数の接続部材2のうちの両端の接続部材2の少なくも一方の外側の側縁部280に切り欠きが設けられてもよい。
【0060】
図1等に示されるように、電気光学装置100が2つの接続部材2を備える場合には、当該2つの接続部材2のそれぞれが、最も端の接続部材2となる。電気光学装置100が2つの接続部材2を備える
図1,26~31の例では、当該2つの接続部材2のそれぞれの外側の側縁部280に切り欠きが設けられている。また、電気光学装置100が2つの接続部材2を備える
図24,25の例では、当該2つの接続部材2の一方のみの外側の側縁部280に切り欠きが設けられている。また、
図32に示される例では、電気光学装置10が備える2つの接続部材2のそれぞれについて、一対の側縁部280のうち、外側の側縁部280のみに切り欠き25aが設けられている。
【0061】
また、
図33に示される例では、電気光学装置10が備える3つの接続部材2のうち、両端の接続部材2のそれぞれにおいて、一対の側縁部280のうち、外側の側縁部280のみに切り欠き25aが設けられている。なお、
図33の例において、両端の接続部材2の一方のみの外側の側縁部280に切り欠きが設けられてもよい。また、
図33の例において、両端の接続部材2の少なくとも一方の一対の側縁部280のそれぞれに切り欠きが設けられてもよい。また、
図33の例において、中央の接続部材2の一対の側縁部280の少なくとも一方に切り欠きが設けられてもよい。
【0062】
電気光学装置100が複数の接続部材2を備える場合には、最も端の接続部材2の外側の側縁部280に応力が発生しやすいことから、当該側縁部280に切り欠きを設けることによって、接続部材2が損傷したり断裂したりする可能性をより確実に低減することができる。
【0063】
また、
図32,33の例のように、複数の接続部材2の側縁部280のうち、両端の接続部材2の外側の側縁部280のみに切り欠きを設ける場合には、接続部材2の回路設計あるいは外形設計の自由度を向上させることができる。さらに、切り欠きの数を抑えることができることから、切り欠きを形成する際に発生する製造コストを低減することができる。
【0064】
<第2の実施の形態>
図34は、本実施の形態に係る電気光学装置100の構成の一例を示す側面図である。
図35は、本実施の形態に係る電気光学装置100が備えるパネル1、接続部材2、基板3及び補強材4の構成の一例を示す平面図である。
図36は、
図35に示される部分X7を拡大して示す図である。
図37は、
図36に示される構造の矢視F-Fの断面を示す図である。
図35~37には、曲げられる前の接続部材2が示されている。
【0065】
上記の第1の実施の形態では、パネル1及び基板3がバックライト6に取り付けられた状態では、接続部材2は湾曲している。これに対して、本実施の形態では、
図34に示されるように、パネル1及び基板3がバックライト6に取り付けられた状態では、接続部材2が折り曲がっている。
【0066】
図34の例では、接続部材2は、2箇所で折り曲げられており、2つの折れ曲がり部分290を備える。一方の折れ曲がり部分290は、パネル側端部260の近くに位置し、他方の折れ曲がり部分290は、基板側端部270の近くに位置する。接続部材2に2つの折れ曲がり部分290が形成されることによって、
図34に示されるように、接続部材2の側縁部280には2つの角部281が形成される。角部281は、側縁部280の折れ曲がり部分であるとも言える。
【0067】
図35,36に示される破線291aは、接続部材2のパネル側端部260の近くに形成される折れ曲がり部分290についての、背面2b側から見た場合の幅方向に延びる中心線を示している。以後、破線291を中心線291aと呼ぶことがある。
【0068】
本実施の形態では、側縁部280の角部281に切り欠き25aが設けられている。具体的には、側縁部280の2つの角部281のうち、パネル1側の角部281だけに切り欠き25aが設けられている。そして、本実施の形態では、
図34に示されるように、側縁部280の端面280a側から見た場合において、角部281の二等分線281aが位置112と重なるように、当該角部281に切り欠き25aが設けられている。上述のように、位置112は、切り欠き25aの背面2b側の縁252における最も内側の位置である。したがって、端面280a側から見た場合において、角部281の二等分線281aが、切り欠き25aの縁252における最も内側の位置と重なるように、当該角部281に当該切り欠き25aが設けられていると言える。背面2b側から見た場合には、
図36に示されるように、折れ曲がり部分290の中心線291aが位置112と重なるように、当該折れ曲がり部分290に切り欠き25aが設けられている。
【0069】
このように、本実施の形態では、接続部材2が曲げられることによって側縁部280に形成される角部281に切り欠き25aが設けられている。角部(折れ曲がり部分)281には応力が発生しやすいことから、角部281に切り欠き25aを設けることによって、接続部材2が損傷したり断裂したりする可能性を低減することができる。
【0070】
また、
図34の例のように、側縁部280の端面280a側から見た場合において、角部281の二等分線281aが位置112と重なるように、当該角部281に切り欠き25aが設けられることによって、位置112に応力がより集中しやすくなる。これにより、接続部材2が損傷したり断裂したりする可能性がより低減することができる。
【0071】
また、切り欠き25aは、接続部材2の側縁部280の2つの角部281のそれぞれに設けられてもよい。
図38は、この場合の電気光学装置100の構成の一例を示す側面図である。
図39は、
図38に示される電気光学装置100が備えるパネル1、接続部材2、基板3及び補強材4の構成の一例を示す平面図である。
図40は、
図39に示される部分X8を拡大して示す図である。
図41は、
図40に示される構造の矢視G-Gの断面を示す図である。
図39~41には、曲げられる前の接続部材2が示されている。
図39,40に示される破線291bは、接続部材2の基板3側端部270の近くに形成される折れ曲がり部分280についての、背面2b側から見た場合の幅方向に延びる中心線を示している。
【0072】
また、電気光学装置100が複数の接続部材2を備える場合には、最も端の接続部材2の外側の側縁部280の角部281に切り欠きを設けてもよい。
図42は、この場合の接続部材2の一例を示す図である。
図42には、折り曲げられていない接続部材2が示されている。
図42の例では、最も端の接続部材2の外側の側縁部280の2つの角部281のそれぞれに切り欠き25aが設けられている。
【0073】
また、切り欠きが、側縁部280の2つの角部281のそれぞれに設けられる場合には、一方の角部281に設けられる切り欠きの形状と、他方の角部281に設けられる切り欠きの形状とは互いに異なっていてもよい。
図43は、この場合の接続部材2の一例を示す図である。
図43には、折り曲げられていない接続部材2が示されている。
図43の例では、側縁部280の2つの角部281のうち、パネル1側の角部281には切り欠き25aが設けられ、基板3側の角部281には、切り欠き25aよりも径が小さい上述の切り欠き25dが設けられている。
【0074】
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
【符号の説明】
【0075】
1 電気光学パネル、1c 端面、2 接続部材、2a,2b 主面、3 回路基板、4 補強材、4a 接続面、10,260,270 端部、25a,25b,25c,25d 切り欠き、40,41,250,260 端、100 電気光学装置、280 側縁部、281 角部。