(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-29
(45)【発行日】2023-09-06
(54)【発明の名称】痛み推定装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 1/00 20060101AFI20230830BHJP
【FI】
A61B1/00 550
A61B1/00 552
(21)【出願番号】P 2022500184
(86)(22)【出願日】2020-02-14
(86)【国際出願番号】 JP2020005815
(87)【国際公開番号】W WO2021161514
(87)【国際公開日】2021-08-19
【審査請求日】2022-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】弁理士法人イトーシン国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高山 晃一
(72)【発明者】
【氏名】藤田 浩正
【審査官】下村 一石
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/134898(WO,A1)
【文献】特開2019-005038(JP,A)
【文献】特開2015-196075(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00-1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡検査において、被検者の体内に挿入されている内視鏡の挿入部の挿入形状に係る推定用挿入形状情報、及び、前記内視鏡検査における前記挿入部に対して加えられた力量に係る推定用操作力量情報のうちの少なくとも一方を含む推定用挿入状況情報と、前記被検者に係る推定用被検者情報と、を含む推定用検査状況情報を取得するための処理を行うように構成された情報取得部と、
前記被検者に係る推定用被検者情報と、前記推定用挿入状況情報とを含んだ前記推定用検査状況情報に基づき、前記被検者の痛みに係る痛み情報を生成するように構成された痛み推定処理部と、
を有することを特徴とする痛み推定装置。
【請求項2】
内視鏡検査において、被検者の体内に挿入されている内視鏡の挿入部の挿入形状に係る推定用挿入形状情報、及び、前記内視鏡検査における前記挿入部に対して加えられた力量に係る推定用操作力量情報のうちの少なくとも一方を含む推定用挿入状況情報と、前記内視鏡により前記被検者の体内を撮像して得られた内視鏡画像に係る推定用内視鏡画像情報と、を含む推定用検査状況情報を取得するための処理を行うように構成された情報取得部と、
前記被検者に係る推定用被検者情報と、前記推定用挿入状況情報とを含んだ前記推定用検査状況情報に基づき、前記被検者の痛みに係る痛み情報を生成するように構成された痛み推定処理部と、
を有することを特徴とする痛み推定装置。
【請求項3】
内視鏡検査において、被検者の体内に挿入されている内視鏡の挿入部の挿入形状に係る推定用挿入形状情報、及び、前記内視鏡検査における前記挿入部に対して加えられた力量に係る推定用操作力量情報のうちの少なくとも一方を含む推定用挿入状況情報と、前記内視鏡に対して気体を供給するための動作を行う送気部の動作状態に係る推定用送気情報と、を含む推定用検査状況情報を取得するための処理を行うように構成された情報取得部と、
前記内視鏡に対して気体を供給するための動作を行う送気部の動作状態に係る推定用送気情報と、前記推定用挿入状況情報とを含んだ前記推定用検査状況情報に基づき、前記被検者の痛みに係る痛み情報を生成するように構成された痛み推定処理部と、
を有することを特徴とする痛み推定装置。
【請求項4】
内視鏡検査において、被検者の体内に挿入されている内視鏡の挿入部の挿入形状に係る推定用挿入形状情報、及び、前記内視鏡検査における前記挿入部に対して加えられた力量に係る推定用操作力量情報のうちの少なくとも一方を含む推定用挿入状況情報と、前記挿入部に設けられた剛性可変部の動作に係る推定用剛性可変部動作情報と、を含む推定用検査状況情報を取得するための処理を行うように構成された情報取得部と、
前記挿入部に設けられた剛性可変部の動作に係る推定用剛性可変部動作情報と、前記推定用挿入状況情報とを含んだ前記推定用検査状況情報に基づき、前記被検者の痛みに係る痛み情報を生成するように構成された痛み推定処理部と、
を有することを特徴とする痛み推定装置。
【請求項5】
内視鏡検査において、被検者の体内に挿入されている内視鏡の挿入部の挿入形状に係る推定用挿入形状情報、及び、前記内視鏡検査における前記挿入部に対して加えられた力量に係る推定用操作力量情報のうちの少なくとも一方を含む推定用挿入状況情報と、前記内視鏡の使用回数に係る推定用使用回数情報と、を含む推定用検査状況情報を取得するための処理を行うように構成された情報取得部と、
前記内視鏡の使用回数に係る推定用使用回数情報と、前記推定用挿入状況情報とを含んだ前記推定用検査状況情報に基づき、前記被検者の痛みに係る痛み情報を生成するように構成された痛み推定処理部と、
を有することを特徴とする痛み推定装置。
【請求項6】
内視鏡検査において、被検者の体内に挿入されている内視鏡の挿入部の挿入形状に係る推定用挿入形状情報、及び、前記内視鏡検査における前記挿入部に対して加えられた力量に係る推定用操作力量情報のうちの少なくとも一方を含む推定用挿入状況情報と、前記挿入部の剛性に係る推定用挿入部剛性情報と、を含む推定用検査状況情報を取得するための処理を行うように構成された情報取得部と、
前記挿入部の剛性に係る推定用挿入部剛性情報と、前記推定用挿入状況情報とを含んだ前記推定用検査状況情報に基づき、前記被検者の痛みに係る痛み情報を生成するように構成された痛み推定処理部と、
を有することを特徴とする痛み推定装置。
【請求項7】
内視鏡検査において、被検者の体内に挿入されている内視鏡の挿入部の挿入形状に係る推定用挿入形状情報、及び、前記内視鏡検査における前記挿入部に対して加えられた力量に係る推定用操作力量情報のうちの少なくとも一方を含む推定用挿入状況情報と、前記被検者への前記挿入部の挿入長に係る推定用挿入長情報と、を含む推定用検査状況情報を取得するための処理を行うように構成された情報取得部と、
前記被検者への前記挿入部の挿入長に係る推定用挿入長情報と、前記推定用挿入状況情報とを含んだ前記推定用検査状況情報に基づき、前記被検者の痛みに係る痛み情報を生成するように構成された痛み推定処理部と、
を有することを特徴とする痛み推定装置。
【請求項8】
前記情報取得部は、前記推定用挿入形状情報を取得するための処理として、前記挿入部の複数の位置各々に対応する複数の曲率を算出する処理を行うように構成されている
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の痛み推定装置。
【請求項9】
前記情報取得部は、前記推定用挿入形状情報を取得するための処理として、前記挿入部の挿入形状を示す挿入形状画像を生成する処理を行う構成されている
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の痛み推定装置。
【請求項10】
前記痛み推定処理部は、生成された前記痛み情報に応じて前記挿入部の挿入操作をガイドするための操作ガイド情報を生成する
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の痛み推定装置。
【請求項11】
コンピュータに、内視鏡検査において、被検者の体内に挿入されている内視鏡の挿入部の挿入形状に係る推定用挿入形状情報、及び、前記内視鏡検査における前記挿入部に対して加えられた力量に係る推定用操作力量情報のうちの少なくとも一方を含む推定用挿入状況情報と、前記被検者に係る推定用被検者情報と、を含む推定用検査状況情報を取得するための処理と、
前記被検者に係る推定用被検者情報と、前記推定用挿入状況情報とを含んだ前記推定用検査状況情報に基づき、前記被検者の痛みに係る痛み情報を生成する処理と、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡検査時に用いられる痛み推定装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療分野の内視鏡検査においては、内視鏡に設けられた細長な挿入部を患者等の被検者の体内の深部へ挿入するための挿入操作が行われる。また、医療分野の内視鏡検査においては、内視鏡の挿入部の挿入操作に資する情報の取得に係る提案が従来行われている。
【0003】
具体的には、例えば、国際公開第2018/135018号には、内視鏡の挿入部の挿入操作に資する情報として、被検者の体内に挿入されている当該挿入部に掛かる力を算出するための方法が開示されている。
【0004】
ここで、医療分野の内視鏡検査においては、内視鏡の挿入部が挿入されている(内視鏡検査を受けている)被検者の痛みの程度を推定するための方法についての検討が行われている。
【0005】
しかし、国際公開第2018/135018号には、被検者の体内に挿入されている挿入部に掛かる力から当該被検者の痛みの程度を推定するための具体的な方法について開示されていない。そのため、国際公開第2018/135018号に開示された構成によれば、例えば、内視鏡の挿入部の挿入操作を行う術者等のユーザが被検者の痛みの程度を把握できないことに起因し、当該ユーザに対して過度な負担を強いてしまう場合がある、という課題が生じている。
【0006】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、内視鏡の挿入時の挿入操作を行うユーザの負担を軽減可能な痛み推定装置及びプログラムを提供することを目的としている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施の形態の痛み推定装置は、内視鏡検査において、被検者の体内に挿入されている内視鏡の挿入部の挿入形状に係る推定用挿入形状情報、及び、前記内視鏡検査における前記挿入部に対して加えられた力量に係る推定用操作力量情報のうちの少なくとも一方を含む推定用挿入状況情報と、前記被検者に係る推定用被検者情報と、を含む推定用検査状況情報を取得するための処理を行うように構成された情報取得部と、前記被検者に係る推定用被検者情報と、前記推定用挿入状況情報とを含んだ前記推定用検査状況情報に基づき、前記被検者の痛みに係る痛み情報を生成するように構成された痛み推定処理部と、を有する。
本発明の他の実施の形態の痛み推定装置は、内視鏡検査において、被検者の体内に挿入されている内視鏡の挿入部の挿入形状に係る推定用挿入形状情報、及び、前記内視鏡検査における前記挿入部に対して加えられた力量に係る推定用操作力量情報のうちの少なくとも一方を含む推定用挿入状況情報と、前記内視鏡により前記被検者の体内を撮像して得られた内視鏡画像に係る推定用内視鏡画像情報と、を含む推定用検査状況情報を取得するための処理を行うように構成された情報取得部と、前記被検者に係る推定用被検者情報と、前記推定用挿入状況情報とを含んだ前記推定用検査状況情報に基づき、前記被検者の痛みに係る痛み情報を生成するように構成された痛み推定処理部と、を有する。
本発明の他の実施の形態の痛み推定装置は、内視鏡検査において、被検者の体内に挿入されている内視鏡の挿入部の挿入形状に係る推定用挿入形状情報、及び、前記内視鏡検査における前記挿入部に対して加えられた力量に係る推定用操作力量情報のうちの少なくとも一方を含む推定用挿入状況情報と、前記内視鏡に対して気体を供給するための動作を行う送気部の動作状態に係る推定用送気情報と、を含む推定用検査状況情報を取得するための処理を行うように構成された情報取得部と、前記内視鏡に対して気体を供給するための動作を行う送気部の動作状態に係る推定用送気情報と、前記推定用挿入状況情報とを含んだ前記推定用検査状況情報に基づき、前記被検者の痛みに係る痛み情報を生成するように構成された痛み推定処理部と、を有する。
本発明の他の実施の形態の痛み推定装置は、内視鏡検査において、被検者の体内に挿入されている内視鏡の挿入部の挿入形状に係る推定用挿入形状情報、及び、前記内視鏡検査における前記挿入部に対して加えられた力量に係る推定用操作力量情報のうちの少なくとも一方を含む推定用挿入状況情報と、前記挿入部に設けられた剛性可変部の動作に係る推定用剛性可変部動作情報と、を含む推定用検査状況情報を取得するための処理を行うように構成された情報取得部と、前記挿入部に設けられた剛性可変部の動作に係る推定用剛性可変部動作情報と、前記推定用挿入状況情報とを含んだ前記推定用検査状況情報に基づき、前記被検者の痛みに係る痛み情報を生成するように構成された痛み推定処理部と、を有する。
本発明の他の実施の形態の痛み推定装置は、内視鏡検査において、被検者の体内に挿入されている内視鏡の挿入部の挿入形状に係る推定用挿入形状情報、及び、前記内視鏡検査における前記挿入部に対して加えられた力量に係る推定用操作力量情報のうちの少なくとも一方を含む推定用挿入状況情報と、前記内視鏡の使用回数に係る推定用使用回数情報と、を含む推定用検査状況情報を取得するための処理を行うように構成された情報取得部と、前記内視鏡の使用回数に係る推定用使用回数情報と、前記推定用挿入状況情報とを含んだ前記推定用検査状況情報に基づき、前記被検者の痛みに係る痛み情報を生成するように構成された痛み推定処理部と、を有する。
発明の他の実施の形態の痛み推定装置は、内視鏡検査において、被検者の体内に挿入されている内視鏡の挿入部の挿入形状に係る推定用挿入形状情報、及び、前記内視鏡検査における前記挿入部に対して加えられた力量に係る推定用操作力量情報のうちの少なくとも一方を含む推定用挿入状況情報と、前記挿入部の剛性に係る推定用挿入部剛性情報と、を含む推定用検査状況情報を取得するための処理を行うように構成された情報取得部と、前記挿入部の剛性に係る推定用挿入部剛性情報と、前記推定用挿入状況情報とを含んだ前記推定用検査状況情報に基づき、前記被検者の痛みに係る痛み情報を生成するように構成された痛み推定処理部と、を有する。
本発明の他の実施の形態の痛み推定装置は、内視鏡検査において、被検者の体内に挿入されている内視鏡の挿入部の挿入形状に係る推定用挿入形状情報、及び、前記内視鏡検査における前記挿入部に対して加えられた力量に係る推定用操作力量情報のうちの少なくとも一方を含む推定用挿入状況情報と、前記被検者への前記挿入部の挿入長に係る推定用挿入長情報と、を含む推定用検査状況情報を取得するための処理を行うように構成された情報取得部と、前記被検者への前記挿入部の挿入長に係る推定用挿入長情報と、前記推定用挿入状況情報とを含んだ前記推定用検査状況情報に基づき、前記被検者の痛みに係る痛み情報を生成するように構成された痛み推定処理部と、を有する。
【0008】
本発明の一実施形態のプログラムは、コンピュータに、内視鏡検査において、被検者の体内に挿入されている内視鏡の挿入部の挿入形状に係る推定用挿入形状情報、及び、前記内視鏡検査における前記挿入部に対して加えられた力量に係る推定用操作力量情報のうちの少なくとも一方を含む推定用挿入状況情報と、前記被検者に係る推定用被検者情報と、を含む推定用検査状況情報を取得するための処理と、前記被検者に係る推定用被検者情報と、前記推定用挿入状況情報とを含んだ前記推定用検査状況情報に基づき、前記被検者の痛みに係る痛み情報を生成する処理と、を実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態に係る痛み推定装置を含む内視鏡システムの要部の構成を示す図。
【
図2】実施形態に係る内視鏡システムの具体的な構成を説明するためのブロック図。
【
図3】実施形態に係る痛み推定装置の処理に用いられる推定モデルの一例を示す模式図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明を行う。
【0011】
内視鏡システム1は、例えば、
図1に示すように、内視鏡10と、本体装置20と、挿入形状観測装置30と、操作力量計測装置40と、入力装置50と、表示装置60と、を有して構成されている。
図1は、実施形態に係る痛み推定装置を含む内視鏡システムの要部の構成を示す図である。
【0012】
内視鏡10は、患者等の被検者の体内に挿入される挿入部11と、挿入部11の基端側に設けられた操作部16と、操作部16から延設されたユニバーサルコード17と、を有して構成されている。また、内視鏡10は、ユニバーサルコード17の端部に設けられたスコープコネクタ(不図示)を介し、本体装置20に対して着脱自在に接続されるように構成されている。また、挿入部11、操作部16及びユニバーサルコード17の内部には、本体装置20から供給される照明光を伝送するためのライトガイド110(
図1では不図示)が設けられている。
【0013】
挿入部11は、可撓性及び細長形状を有して構成されている。また、挿入部11は、硬質の先端部12と、湾曲自在に形成された湾曲部13と、可撓性を有する長尺な可撓管部14と、を先端側から順に設けて構成されている。また、先端部12、湾曲部13及び可撓管部14の内部には、本体装置20から供給されるコイル駆動信号に応じた磁界を発生する複数のソースコイル18が挿入部11の長手方向に沿って所定の間隔で配置されている。また、挿入部11の内部には、本体装置20から供給される気体を流通させて先端部12の前方へ吐出するための管路として形成された送気チャンネル120(
図1では不図示)が設けられている。また、挿入部11の少なくとも一部の範囲に設けられた剛性可変範囲の内部には、本体装置20の制御に応じて当該剛性可変範囲の曲げ剛性を変化させることができるように構成された剛性可変機構130(
図1では不図示)が、挿入部11の長手方向に沿って設けられている。なお、以降においては、説明の便宜上、「曲げ剛性」を単に「剛性」として適宜略記するものとする。
【0014】
先端部12には、挿入部11の内部に設けられたライトガイド110により伝送された照明光を被写体へ出射するための照明窓(不図示)が設けられている。また、先端部12には、本体装置20から供給される撮像制御信号に応じた動作を行うとともに、照明窓を経て出射される照明光により照明された被写体を撮像して撮像信号を出力するように構成された撮像部140(
図1では不図示)が設けられている。
【0015】
湾曲部13は、操作部16に設けられたアングルノブ(不図示)の操作に応じて湾曲することができるように構成されている。
【0016】
操作部16は、ユーザが把持して操作することが可能な形状を具備して構成されている。また、操作部16には、挿入部11の長手軸に対して交差する上下左右の4方向に湾曲部13を湾曲させるための操作を行うことができるように構成されたアングルノブが設けられている。また、操作部16には、ユーザの入力操作に応じた指示を行うことが可能な1つ以上のスコープスイッチ(不図示)が設けられている。
【0017】
本体装置20は、1つ以上のプロセッサ20Pと、非一過性の記憶媒体20Mと、を有して構成されている。また、本体装置20は、ユニバーサルコード17を介し、内視鏡10に対して着脱自在に接続されるように構成されている。また、本体装置20は、挿入形状観測装置30、入力装置50及び表示装置60の各部に対して着脱自在に接続されるように構成されている。また、本体装置20は、入力装置50からの指示に応じた動作を行うように構成されている。また、本体装置20は、内視鏡10から出力される撮像信号に基づいて内視鏡画像を生成するとともに、当該生成した内視鏡画像を表示装置60に表示させるための動作を行うように構成されている。また、本体装置20は、内視鏡10の動作を制御するための様々な制御信号を生成して出力するように構成されている。また、本体装置20は、痛み推定装置としての機能を具備し、内視鏡検査を受けている被検者の痛みの程度を推定して推定結果を取得するとともに、当該取得した推定結果を示す痛みレベル情報を生成するための処理を行うように構成されている。また、本体装置20は、前述のように生成した痛みレベル情報を表示装置60に表示させるための動作を行うことができるように構成されている。
【0018】
挿入形状観測装置30は、挿入部11に設けられたソースコイル18各々から発せられる磁界を検出するとともに、当該検出した磁界の強度に基づいて複数のソースコイル18各々の位置を取得するように構成されている。また、挿入形状観測装置30は、前述のように取得した複数のソースコイル18各々の位置を示す挿入位置情報を生成して本体装置20へ出力するように構成されている。
【0019】
操作力量計測装置40は、例えば、内視鏡10を操作するユーザの手または腕において発生した筋電位を計測可能な筋電センサを有して構成されている。また、操作力量計測装置40は、内視鏡10を操作するユーザが挿入部11に対して加えた操作力量に応じて発生する電圧値を計測するとともに、当該計測した電圧値を示す操作力量情報を生成して本体装置20へ出力するように構成されている。
【0020】
なお、本実施形態においては、例えば、操作力量計測装置40が、内視鏡10の操作を行うことが可能な図示しないロボットが挿入部11に対して加えた操作力量に応じて発生する電圧値等を計測した計測結果を取得するとともに、当該取得した計測結果を示す操作力量情報を生成して本体装置20へ出力するように構成されていてもよい。
【0021】
入力装置50は、例えば、マウス、キーボード及びタッチパネル等のような、ユーザにより操作される1つ以上の入力インターフェースを有して構成されている。また、入力装置50は、ユーザの操作に応じて入力された情報及び指示を本体装置20へ出力することができるように構成されている。
【0022】
表示装置60は、例えば、液晶モニタ等を有して構成されている。また、表示装置60は、本体装置20から出力される内視鏡画像等を画面上に表示することができるように構成されている。
【0023】
内視鏡10は、
図2に示すように、ソースコイル18と、ライトガイド110と、送気チャンネル120と、剛性可変機構130と、撮像部140と、を有して構成されている。
図2は、実施形態に係る内視鏡システムの具体的な構成を説明するためのブロック図である。
【0024】
撮像部140は、例えば、照明光により照明された被写体からの戻り光が入射される観察窓と、当該戻り光を撮像して撮像信号を出力するカラーCCD等のイメージセンサと、を有して構成されている。
【0025】
本体装置20は、
図2に示すように、光源部210と、送気部220と、剛性制御部230と、画像処理部240と、コイル駆動信号生成部250と、表示制御部260と、システム制御部270と、を有して構成されている。
【0026】
光源部210は、例えば、1つ以上のLEDまたは1つ以上のランプを光源として有して構成されている。また、光源部210は、挿入部11が挿入される被検者の体内を照明するための照明光を発生するとともに、当該照明光を内視鏡10へ供給することができるように構成されている。また、光源部210は、システム制御部270から供給されるシステム制御信号に応じて照明光の光量を変化させることができるように構成されている。
【0027】
送気部220は、例えば、送気用のポンプ及びボンベ等を有して構成されている。また、送気部220は、システム制御部270から供給されるシステム制御信号に応じ、ボンベ内に貯留されている気体を送気チャンネル120に供給するための動作を行うように構成されている。
【0028】
剛性制御部230は、例えば、剛性制御回路等を有して構成されている。また、剛性制御部230は、システム制御部270から供給されるシステム制御信号に応じて剛性可変機構130の駆動状態を制御することにより、挿入部11の剛性可変範囲における剛性の大きさを設定するための動作を行うように構成されている。
【0029】
画像処理部240は、例えば、画像処理回路を有して構成されている。また、画像処理部240は、内視鏡10から出力される撮像信号に対して所定の処理を施すことにより内視鏡画像を生成するとともに、当該生成した内視鏡画像を表示制御部260及びシステム制御部270へ出力するように構成されている。
【0030】
コイル駆動信号生成部250は、例えば、ドライブ回路を有して構成されている。また、コイル駆動信号生成部250は、システム制御部270から供給されるシステム制御信号に応じ、ソースコイル18を駆動させるためのコイル駆動信号を生成して出力するように構成されている。
【0031】
表示制御部260は、画像処理部240から出力される内視鏡画像を含む表示画像を生成するための処理を行うとともに、当該生成した表示画像を表示装置60に表示させるための処理を行うように構成されている。また、表示制御部260は、システム制御部270から出力される痛みレベル情報を表示装置60に表示させるための処理を行うように構成されている。表示装置60に表示された痛みレベル情報等の各種情報は、ユーザである医師、またはユーザ以外の医療従事者である看護師等に伝達される。
【0032】
システム制御部270は、操作部16及び入力装置50からの指示等に応じた動作を行わせるためのシステム制御信号を生成して出力するように構成されている。また、システム制御部270は、情報取得部271と、痛み推定処理部272と、を有して構成されている。
【0033】
情報取得部271は、挿入形状観測装置30から出力される挿入位置情報に基づき、被検者の体内に挿入されている挿入部11の挿入状況を示す情報に相当する挿入状況情報(推定用挿入状況情報)を取得するための処理を行うように構成されている。
【0034】
具体的には、情報取得部271は、例えば、挿入形状観測装置30から出力される挿入位置情報に含まれる複数の3次元座標値(後述)に基づき、挿入部11に設けられた複数のソースコイル18各々の位置に対応する複数の曲率を算出して算出結果を取得するともに、当該取得した算出結果を含む挿入状況情報を生成するように構成されている。すなわち、情報取得部271は、一の内視鏡検査を受けている被検者の体内に挿入されている挿入部11の挿入形状に係る情報(推定用挿入形状情報)を得るための処理として、挿入部11の複数の位置各々に対応する複数の曲率を算出する処理を行うように構成されている。
【0035】
痛み推定処理部272は、情報取得部271により生成された挿入状況情報に基づき、被検者の痛みの程度を推定した推定結果を取得するための処理を行うように構成されている。被検者の痛みの程度の推定結果は、例えば、所定の複数の痛みレベルのうちの一の痛みレベルとして取得される。また、痛み推定処理部272は、前述のように取得した推定結果を示す痛みレベル情報(痛み情報)を生成するとともに、当該生成した痛みレベル情報を表示制御部260へ出力するように構成されている。
【0036】
ここで、本実施形態における痛み推定処理部272の構成の具体例について説明する。
【0037】
痛み推定処理部272は、入力層と、隠れ層と、出力層と、を含む多層のニューラルネットワークにおける各結合係数(重み)をディープラーニング等の学習手法で学習させることにより作成された推定器CLPを用いた処理を行うことにより、情報取得部271により生成された挿入状況情報に対応する被検者の痛みの程度を所定の複数の痛みレベルのうちの一の痛みレベルとして推定した推定結果を得るように構成されている。
【0038】
前述の推定器CLPの作成時においては、例えば、情報取得部271により生成されるものと同様の挿入状況情報と、当該挿入状況情報に対応する被検者の痛みの程度を所定の複数の痛みレベルのうちの一の痛みレベルに分類した分類結果を示すラベルと、を含む教師データを用いた機械学習が行われる。言い換えると、推定器CLPは、例えば、事前収集対象である事前収集用挿入形状情報と、当該事前収集用挿入形状に対応する被検者の痛みの程度を示す事前収集用痛み情報とを含む事前収集情報を教師データとして機械学習を行うことで作成する。また、前述の所定の複数の痛みレベル各々は、例えば、大、小及び無しのような多段階のレベルとして設定されている。また、前述の教師データの作成時においては、例えば、内視鏡検査中の被検者において実際に発生した痛みの程度に応じて当該被検者により押下される複数のスイッチを有する押しボタンスイッチの押下状態等のような、当該被検者の主観的な評価基準に基づいて痛みの程度を評価した評価結果に応じたラベルを挿入状況情報に付与するための作業が行われる。または、前述の教師データの作成時においては、例えば、内視鏡検査中の被検者から発せられた脳波を測定する脳波計により得られた波形の分析結果、及び、当該被検者において発生した筋電位を測定する筋電センサにより得られた波形の分析結果等のような、当該被検者とは異なる専門家等の人物の客観的な評価基準に基づいて痛みの程度を評価した評価結果に応じたラベルを挿入状況情報に付与するための作業が行われる。
【0039】
そのため、前述の推定器CLPによれば、例えば、情報取得部271により生成された挿入状況情報に含まれる複数の曲率を入力データとしてニューラルネットワークの入力層に入力することにより、当該挿入状況情報に対応する被検者の痛みレベルとして推定され得るレベル各々に対応する複数の尤度を当該ニューラルネットワークの出力層から出力される出力データとして取得することができる。また、前述の推定器CLPを用いた処理によれば、例えば、ニューラルネットワークの出力層から出力される出力データに含まれる複数の尤度の中で最も高い一の尤度に対応する一の痛みレベルを、被検者の痛みレベルの推定結果として得ることができる。
【0040】
すなわち、以上に述べた処理によれば、痛み推定処理部272は、一の内視鏡検査において情報取得部271により生成された挿入状況情報を、当該一の内視鏡検査よりも前に得られた当該挿入状況情報と同様の情報を用いた機械学習により作成された推定モデルに相当する推定器CLPに適用して処理を行うことにより、当該一の内視鏡検査における被検者の痛みの程度を所定の複数の痛みレベルのうちの一の痛みレベルとして推定した推定結果を得るように構成されている。
【0041】
本実施形態においては、本体装置20の少なくとも一部の機能が、プロセッサ20Pにより実現されるようにすればよい。また、本実施形態においては、本体装置20の少なくとも一部が、個々の電子回路として構成されていてもよく、または、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路における回路ブロックとして構成されていてもよい。また、本実施形態に係る構成を適宜変形することにより、例えば、コンピュータが、本体装置20の少なくとも一部の機能を実行させるためのプログラムをメモリ等の記憶媒体20Mから読み込むとともに、当該読み込んだプログラムに応じた動作を行うようにしてもよい。
【0042】
挿入形状観測装置30は、
図2に示すように、受信アンテナ310と、挿入位置情報取得部320と、を有して構成されている。
【0043】
受信アンテナ310は、例えば、複数のソースコイル18各々から発せられる磁界を3次元的に検出するための複数のコイルを有して構成されている。また、受信アンテナ310は、複数のソースコイル18各々から発せられる磁界を検出するとともに、当該検出した磁界の強度に応じた磁界検出信号を生成して挿入位置情報取得部320へ出力するように構成されている。
【0044】
挿入位置情報取得部320は、受信アンテナ310から出力される磁界検出信号に基づき、複数のソースコイル18各々の位置を取得するように構成されている。また、挿入位置情報取得部320は、前述のように取得した複数のソースコイル18各々の位置を示す挿入位置情報を生成してシステム制御部270へ出力するように構成されている。
【0045】
具体的には、挿入位置情報取得部320は、複数のソースコイル18各々の位置として、例えば、挿入部11が挿入される被検者の所定の位置(肛門等)が原点または基準点となるように仮想的に設定された空間座標系における複数の3次元座標値を取得する。また、挿入位置情報取得部320は、前述のように取得した複数の3次元座標値を含む挿入位置情報を生成してシステム制御部270へ出力する。
【0046】
本実施形態においては、挿入形状観測装置30の少なくとも一部が、電子回路として構成されていてもよく、または、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路における回路ブロックとして構成されていてもよい。また、本実施形態においては、例えば、挿入形状観測装置30が1つ以上のプロセッサ(CPU等)を具備して構成されていてもよい。
【0047】
続いて、本実施形態の作用について説明する。
【0048】
術者等のユーザは、内視鏡システム1の各部を接続して電源を投入した後、例えば、被検体の肛門または直腸付近に先端部12が位置するように挿入部11を配置する。
【0049】
情報取得部271は、挿入形状観測装置30から出力される挿入位置情報に基づき、挿入部11に設けられた複数のソースコイル18各々の位置に対応する複数の曲率の算出結果を含む挿入状況情報を生成するための処理を行う。
【0050】
痛み推定処理部272は、情報取得部271により生成された挿入状況情報に含まれる複数の曲率を推定器CLPに入力して処理を行うことにより、当該挿入状況情報に応じた被検者の痛みレベルの推定結果を取得するとともに、当該取得した推定結果を示す痛みレベル情報を生成する。そして、痛み推定処理部272は、前述のように生成した痛みレベル情報を表示制御部260へ出力する。
【0051】
具体的には、痛み推定処理部272は、被検者の痛みの程度を、例えば、当該被検者において発生している痛みが比較的大きい場合に相当する痛みレベルPHと、当該被検者において発生している痛みが比較的小さい場合に相当する痛みレベルPLと、当該被検者において発生している痛みがない場合に相当する痛みレベルPNと、のうちのいずれか一の痛みレベルとして推定した推定結果を取得する。
【0052】
表示制御部260は、痛み推定処理部272から出力される痛みレベル情報を表示装置60に表示させるための処理を行う。
【0053】
具体的には、表示制御部260は、例えば、痛み推定処理部272から出力される痛みレベル情報により示される痛みレベルがPHである場合には、被検者において発生している痛みが大きいことを示す文字列を生成するとともに、当該生成した文字列を表示装置60に表示させるための処理を行う。また、表示制御部260は、例えば、痛み推定処理部272から出力される痛みレベル情報により示される痛みレベルがPLである場合には、被検者において発生している痛みが小さいことを示す文字列を生成するとともに、当該生成した文字列を表示装置60に表示させるための処理を行う。また、表示制御部260は、例えば、痛み推定処理部272から出力される痛みレベル情報により示される痛みレベルがPNである場合には、被検者において発生している痛みがないことを示す文字列を生成するとともに、当該生成した文字列を表示装置60に表示させるための処理を行う。
【0054】
以上に述べたように、本実施形態によれば、内視鏡検査を受けている被検者において発生した痛みの程度を推定することができるとともに、当該被検者の痛みの程度を示す情報をユーザに提示することができる。そのため、本実施形態によれば、内視鏡の挿入部の挿入操作を行うユーザの負担を軽減することができる。
【0055】
本実施形態によれば、例えば、情報取得部271が、挿入形状観測装置30から出力される挿入位置情報に含まれる複数の3次元座標値に基づき、内視鏡検査中の被検者に挿入されている挿入部11の挿入形状を2次元的に示す挿入形状画像を生成するとともに、当該生成した挿入形状画像を含む挿入状況情報を生成するための処理を行うものであってもよい。換言すると、本実施形態においては、情報取得部271が、挿入部11の挿入形状に係る情報を得るための処理として、挿入部11の挿入形状を2次元的に示す挿入形状画像を生成する処理を行うように構成されていてもよい。
【0056】
そして、前述のような場合においては、痛み推定処理部272が、入力層と、隠れ層と、出力層と、を含む多層のニューラルネットワークにおける各結合係数(重み)をディープラーニング等の学習手法で学習させることにより作成された推定器CLQを用いた処理を行うことにより、情報取得部271により生成された挿入状況情報に対応する被検者の痛みの程度を所定の複数の痛みレベルのうちの一の痛みレベルとして推定した推定結果を得るように構成されていればよい。
【0057】
前述の推定器CLQの作成時においては、例えば、情報取得部271により生成されるものと同様の挿入状況情報と、当該挿入状況情報に対応する被検者の痛みの程度を所定の複数の痛みレベルのうちの一の痛みレベルに分類した分類結果を示すラベルと、を含む教師データを用いた機械学習が行われる。また、前述の所定の複数の痛みレベル各々は、例えば、大、小及び無しのような多段階のレベルとして設定されている。また、前述の教師データの作成時においては、内視鏡検査を受けた被検者の主観的な評価基準、または、当該被検者とは異なる専門家等の人物の客観的な評価基準のいずれかに基づいて痛みの程度を評価した評価結果に応じたラベルを挿入状況情報に付与するための作業が行われる。
【0058】
そのため、前述の推定器CLQによれば、例えば、情報取得部271により生成された挿入状況情報に含まれる挿入形状画像の各画素の画素値等の多次元データを取得し、当該多次元データを入力データとしてニューラルネットワークの入力層に入力することにより、当該挿入状況情報に対応する被検者の痛みレベルとして推定され得るレベル各々に対応する複数の尤度を当該ニューラルネットワークの出力層から出力される出力データとして取得することができる。また、前述の推定器CLQを用いた処理によれば、例えば、ニューラルネットワークの出力層から出力される出力データに含まれる複数の尤度の中で最も高い一の尤度に対応する一の痛みレベルを、被検者の痛みレベルの推定結果として得ることができる。
【0059】
すなわち、以上に述べた処理によれば、痛み推定処理部272は、一の内視鏡検査において情報取得部271により生成された挿入状況情報を、当該一の内視鏡検査よりも前に得られた当該挿入状況情報と同様の情報を用いた機械学習により作成された推定モデルに相当する推定器CLQに適用して処理を行うことにより、当該一の内視鏡検査における被検者の痛みの程度を所定の複数の痛みレベルのうちの一の痛みレベルとして推定した推定結果を得るように構成されている。
【0060】
本実施形態によれば、例えば、情報取得部271が、内視鏡検査において挿入部11に対して加えられた力量に係る情報である推定用操作力量情報を挿入状況情報として取得してもよい。例えば、操作力量計測装置40から出力される一の電圧値を一定時間続けて記録することにより複数の電圧値を有する時系列データを推定用操作力量情報として取得するとともに、当該取得した時系列データを含む挿入状況情報を取得するための処理を行うものであってもよい。
【0061】
そして、前述のような場合においては、痛み推定処理部272が、入力層と、隠れ層と、出力層と、を含む多層のニューラルネットワークにおける各結合係数(重み)をディープラーニング等の学習手法で学習させることにより作成された推定器CLWを用いた処理を行うことにより、情報取得部271により生成された挿入状況情報に対応する被検者の痛みの程度を所定の複数の痛みレベルのうちの一の痛みレベルとして推定した推定結果を得るように構成されていればよい。
【0062】
前述の推定器CLWの作成時においては、例えば、情報取得部271により生成されるものと同様の挿入状況情報と、当該挿入状況情報に対応する被検者の痛みの程度を所定の複数の痛みレベルのうちの一の痛みレベルに分類した分類結果を示すラベルと、を含む教師データを用いた機械学習が行われる。言い換えると、推定器CLWは、例えば、事前収集対象である事前収集用操作力量情報と、当該事前収集用操作力量情報に対応する被検者の痛みの程度を示す事前収集用痛み情報とを含む事前収集情報を教師データとして機械学習を行うことで作成する。また、前述の所定の複数の痛みレベル各々は、例えば、大、小及び無しのような多段階のレベルとして設定されている。また、前述の教師データの作成時においては、内視鏡検査を受けた被検者の主観的な評価基準、または、当該被検者とは異なる専門家等の人物の客観的な評価基準のいずれかに基づいて痛みの程度を評価した評価結果に応じたラベルを検査状況情報に付与するための作業が行われる。
【0063】
そのため、前述の推定器CLWによれば、例えば、情報取得部271により生成された挿入状況情報の時系列データに含まれる複数の電圧値を入力データとしてニューラルネットワークの入力層に入力することにより、当該挿入状況情報に対応する被検者の痛みレベルとして推定され得るレベル各々に対応する複数の尤度を当該ニューラルネットワークの出力層から出力される出力データとして取得することができる。また、前述の推定器CLWを用いた処理によれば、例えば、ニューラルネットワークの出力層から出力される出力データに含まれる複数の尤度の中で最も高い一の尤度に対応する一の痛みレベルを、被検者の痛みレベルの推定結果として得ることができる。
【0064】
すなわち、以上に述べた処理によれば、痛み推定処理部272は、一の内視鏡検査において情報取得部271により生成された挿入状況情報を、当該一の内視鏡検査よりも前に得られた当該挿入状況情報と同様の情報を用いた機械学習により作成された推定モデルに相当する推定器CLWに適用して処理を行うことにより、当該一の内視鏡検査における被検者の痛みの程度を所定の複数の痛みレベルのうちの一の痛みレベルとして推定した推定結果を得るように構成されている。
【0065】
本実施形態によれば、例えば、情報取得部271が、一の内視鏡検査における検査状況を示す情報として、挿入形状観測装置30から出力される挿入位置情報に含まれる複数の3次元座標値に基づいて生成した挿入状況情報と、入力装置50において入力された情報を検出して得られた被検者に係る情報に相当する被検者情報(推定用被検者情報)と、を含む検査状況情報(推定用検査状況情報)を取得するための処理を行うものであってもよい。なお、前述の被検者情報には、例えば、内視鏡検査を受ける被検者の性別を示す情報、当該被検者の年齢を示す情報、当該被検者の体型を示す情報、当該被検者における腸管の癒着の有無を示す情報、及び、当該被検者における鎮静剤の使用の有無を示す情報等のうちのいずれか1つの情報が含まれている。
【0066】
そして、前述のような場合においては、痛み推定処理部272が、入力層と、隠れ層と、出力層と、を含む多層のニューラルネットワークにおける各結合係数(重み)をディープラーニング等の学習手法で学習させることにより作成された推定器CLRを用いた処理を行うことにより、情報取得部271により生成された検査状況情報に含まれる各情報に対応する被検者の痛みの程度を所定の複数の痛みレベルのうちの一の痛みレベルとして推定した推定結果を得るように構成されていればよい。
【0067】
前述の推定器CLRの作成時においては、例えば、情報取得部271により生成されるものと同様の検査状況情報と、当該検査状況情報に対応する被検者の痛みの程度を所定の複数の痛みレベルのうちの一の痛みレベルに分類した分類結果を示すラベルと、を含む教師データを用いた機械学習が行われる。言い換えると、推定器CLRは、例えば、事前収集用被検者情報と事前収集用痛み情報との関係を含む情報と、事前収集用挿入形状情報と事前収集用痛み情報との関係を含む事前収集情報とを教師データとして機械学習を行うことで作成する。また、前述の所定の複数の痛みレベル各々は、例えば、大、小及び無しのような多段階のレベルとして設定されている。また、前述の教師データの作成時においては、内視鏡検査を受けた被検者の主観的な評価基準、または、当該被検者とは異なる専門家等の人物の客観的な評価基準のいずれかに基づいて痛みの程度を評価した評価結果に応じたラベルを検査状況情報に付与するための作業が行われる。
【0068】
そのため、前述の推定器CLRによれば、例えば、情報取得部271により生成された検査状況情報のうちの挿入状況情報に含まれる複数の曲率と、当該検査状況情報のうちの被検者情報に応じた値と、を併せて入力データとしてニューラルネットワークの入力層に入力することにより、当該検査状況情報に対応する被検者の痛みレベルとして推定され得るレベル各々に対応する複数の尤度を当該ニューラルネットワークの出力層から出力される出力データとして取得することができる。また、前述の推定器CLRを用いた処理によれば、例えば、ニューラルネットワークの出力層から出力される出力データに含まれる複数の尤度の中で最も高い一の尤度に対応する一の痛みレベルを、被検者の痛みレベルの推定結果として得ることができる。
【0069】
すなわち、以上に述べた処理によれば、痛み推定処理部272は、一の内視鏡検査において情報取得部271により生成された検査状況情報を、当該一の内視鏡検査よりも前に得られた当該検査状況情報と同様の情報を用いた機械学習により作成されているとともに推定器CLPとは異なる推定モデルとして作成された推定器CLRに適用して処理を行うことにより、当該一の内視鏡検査における被検者の痛みの程度を所定の複数の痛みレベルのうちの一の痛みレベルとして推定した推定結果を得るように構成されている。
【0070】
本実施形態によれば、例えば、情報取得部271が、一の内視鏡検査における検査状況を示す情報として、挿入形状観測装置30から出力される挿入位置情報に含まれる複数の3次元座標値に基づいて生成した挿入状況情報と、画像処理部240から出力される内視鏡画像に係る推定用内視鏡画像情報とを含む検査状況情報を取得するための処理を行うものであってもよい。推定用内視鏡画像情報は、例えば、画像処理部240から出力される内視鏡画像に対して解析処理を施して得られた解析結果を示す解析情報であってもよい。なお、前述の解析情報には、例えば、内視鏡検査中の(挿入部11が挿入されている)被検者の腸壁から先端部12の先端面までの距離が0または略0である状態に相当する過接近状態の発生の有無を示す情報、及び、当該被検者の腸管における憩室の有無を示す情報等のうちのいずれか1つの情報が含まれていればよい。また、前述の過接近状態の発生の有無は、例えば、画像処理部240から出力される内視鏡画像全域における赤色の領域が占める割合に基づいて検出することができる。
【0071】
そして、前述のような場合においては、痛み推定処理部272が、入力層と、隠れ層と、出力層と、を含む多層のニューラルネットワークにおける各結合係数(重み)をディープラーニング等の学習手法で学習させることにより作成された推定器CLSを用いた処理を行うことにより、情報取得部271により生成された検査状況情報に含まれる各情報に対応する被検者の痛みの程度を所定の複数の痛みレベルのうちの一の痛みレベルとして推定した推定結果を得るように構成されていればよい。
【0072】
前述の推定器CLSの作成時においては、例えば、情報取得部271により生成されるものと同様の検査状況情報と、当該検査状況情報に対応する被検者の痛みの程度を所定の複数の痛みレベルのうちの一の痛みレベルに分類した分類結果を示すラベルと、を含む教師データを用いた機械学習が行われる。言い換えると、推定器CLSは、例えば、事前収集用内視鏡画像情報と事前収集用痛み情報との関係を含む情報と、事前収集用挿入形状情報と事前収集用痛み情報との関係を含む事前収集情報とを教師データとして機械学習を行うことで作成する。また、前述の所定の複数の痛みレベル各々は、例えば、大、小及び無しのような多段階のレベルとして設定されている。また、前述の教師データの作成時においては、内視鏡検査を受けた被検者の主観的な評価基準、または、当該被検者とは異なる専門家等の人物の客観的な評価基準のいずれかに基づいて痛みの程度を評価した評価結果に応じたラベルを検査状況情報に付与するための作業が行われる。
【0073】
そのため、前述の推定器CLSによれば、例えば、情報取得部271により生成された検査状況情報のうちの挿入状況情報に含まれる複数の曲率と、当該検査状況情報のうちの解析情報に応じた値と、を併せて入力データとしてニューラルネットワークの入力層に入力することにより、当該検査状況情報に対応する被検者の痛みレベルとして推定され得るレベル各々に対応する複数の尤度を当該ニューラルネットワークの出力層から出力される出力データとして取得することができる。また、前述の推定器CLSを用いた処理によれば、例えば、ニューラルネットワークの出力層から出力される出力データに含まれる複数の尤度の中で最も高い一の尤度に対応する一の痛みレベルを、被検者の痛みレベルの推定結果として得ることができる。
【0074】
すなわち、以上に述べた処理によれば、痛み推定処理部272は、一の内視鏡検査において情報取得部271により生成された検査状況情報を、当該一の内視鏡検査よりも前に得られた当該検査状況情報と同様の情報を用いた機械学習により作成されているとともに推定器CLPとは異なる推定モデルとして作成された推定器CLSに適用して処理を行うことにより、当該一の内視鏡検査における被検者の痛みの程度を所定の複数の痛みレベルのうちの一の痛みレベルとして推定した推定結果を得るように構成されている。
【0075】
本実施形態によれば、例えば、情報取得部271が、一の内視鏡検査における検査状況を示す情報として、挿入形状観測装置30から出力される挿入位置情報に含まれる複数の3次元座標値に基づいて生成した挿入状況情報と、送気部220の動作状態を検出して得られた検出結果を示す送気情報(推定用送気情報)と、を含む検査状況情報を生成するための処理を行うものであってもよい。なお、前述の送気情報には、例えば、送気部220から送気チャンネル120に対する気体の供給が一定時間以上続けて行われているか否かを示す情報が含まれていればよい。
【0076】
そして、前述のような場合においては、痛み推定処理部272が、入力層と、隠れ層と、出力層と、を含む多層のニューラルネットワークにおける各結合係数(重み)をディープラーニング等の学習手法で学習させることにより作成された推定器CLTを用いた処理を行うことにより、情報取得部271により生成された検査状況情報に含まれる各情報に対応する被検者の痛みの程度を所定の複数の痛みレベルのうちの一の痛みレベルとして推定した推定結果を得るように構成されていればよい。
【0077】
前述の推定器CLTの作成時においては、例えば、情報取得部271により生成されるものと同様の検査状況情報と、当該検査状況情報に対応する被検者の痛みの程度を所定の複数の痛みレベルのうちの一の痛みレベルに分類した分類結果を示すラベルと、を含む教師データを用いた機械学習が行われる。言い換えると、推定器CLTは、例えば、事前収集用送気情報と事前収集用痛み情報との関係を含む情報と、事前収集用挿入形状情報と事前収集用痛み情報との関係を含む事前収集情報とを教師データとして機械学習を行うことで作成する。また、前述の所定の複数の痛みレベル各々は、例えば、大、小及び無しのような多段階のレベルとして設定されている。また、前述の教師データの作成時においては、内視鏡検査を受けた被検者の主観的な評価基準、または、当該被検者とは異なる専門家等の人物の客観的な評価基準のいずれかに基づいて痛みの程度を評価した評価結果に応じたラベルを検査状況情報に付与するための作業が行われる。
【0078】
そのため、前述の推定器CLTによれば、例えば、情報取得部271により生成された検査状況情報のうちの挿入状況情報に含まれる複数の曲率と、当該検査状況情報のうちの送気情報に応じた値と、を併せて入力データとしてニューラルネットワークの入力層に入力することにより、当該検査状況情報に対応する被検者の痛みレベルとして推定され得るレベル各々に対応する複数の尤度を当該ニューラルネットワークの出力層から出力される出力データとして取得することができる。また、前述の推定器CLTを用いた処理によれば、例えば、ニューラルネットワークの出力層から出力される出力データに含まれる複数の尤度の中で最も高い一の尤度に対応する一の痛みレベルを、被検者の痛みレベルの推定結果として得ることができる。
【0079】
すなわち、以上に述べた処理によれば、痛み推定処理部272は、一の内視鏡検査において情報取得部271により生成された検査状況情報を、当該一の内視鏡検査よりも前に得られた当該検査状況情報と同様の情報を用いた機械学習により作成されているとともに推定器CLPとは異なる推定モデルとして作成された推定器CLTに適用して処理を行うことにより、当該一の内視鏡検査における被検者の痛みの程度を所定の複数の痛みレベルのうちの一の痛みレベルとして推定した推定結果を得るように構成されている。
【0080】
本実施形態によれば、例えば、情報取得部271が、一の内視鏡検査における検査状況を示す情報として、挿入形状観測装置30から出力される挿入位置情報に含まれる複数の3次元座標値に基づいて生成した挿入状況情報と、剛性制御部230の動作状態を検出して得られた検出結果を示す剛性制御情報(推定用剛性可変部動作情報)と、を含む検査状況情報を生成するための処理を行うものであってもよい。剛性制御情報は、言い換えると、挿入部11に設けられた剛性可変部の動作に係る情報である。なお、前述の剛性制御情報には、例えば、剛性制御部230により設定されている剛性の大きさの設定値を示す情報が含まれていればよい。
【0081】
そして、前述のような場合においては、痛み推定処理部272が、入力層と、隠れ層と、出力層と、を含む多層のニューラルネットワークにおける各結合係数(重み)をディープラーニング等の学習手法で学習させることにより作成された推定器CLUを用いた処理を行うことにより、情報取得部271により生成された検査状況情報に含まれる各情報に対応する被検者の痛みの程度を所定の複数の痛みレベルのうちの一の痛みレベルとして推定した推定結果を得るように構成されていればよい。
【0082】
前述の推定器CLUの作成時においては、例えば、情報取得部271により生成されるものと同様の検査状況情報と、当該検査状況情報に対応する被検者の痛みの程度を所定の複数の痛みレベルのうちの一の痛みレベルに分類した分類結果を示すラベルと、を含む教師データを用いた機械学習が行われる。言い換えると、推定器CLUは、例えば、事前収集用剛性可変部動作情報と事前収集用痛み情報との関係を含む情報と、事前収集用挿入形状情報と事前収集用痛み情報との関係を含む事前収集情報とを教師データとして機械学習を行うことで作成する。また、前述の所定の複数の痛みレベル各々は、例えば、大、小及び無しのような多段階のレベルとして設定されている。また、前述の教師データの作成時においては、内視鏡検査を受けた被検者の主観的な評価基準、または、当該被検者とは異なる専門家等の人物の客観的な評価基準のいずれかに基づいて痛みの程度を評価した評価結果に応じたラベルを検査状況情報に付与するための作業が行われる。
【0083】
そのため、前述の推定器CLUによれば、例えば、情報取得部271により生成された検査状況情報のうちの挿入状況情報に含まれる複数の曲率と、当該検査状況情報のうちの剛性制御情報に応じた値(剛性の大きさの設定値)と、を併せて入力データとしてニューラルネットワークの入力層に入力することにより、当該検査状況情報に対応する被検者の痛みレベルとして推定され得るレベル各々に対応する複数の尤度を当該ニューラルネットワークの出力層から出力される出力データとして取得することができる。また、前述の推定器CLUを用いた処理によれば、例えば、ニューラルネットワークの出力層から出力される出力データに含まれる複数の尤度の中で最も高い一の尤度に対応する一の痛みレベルを、被検者の痛みレベルの推定結果として得ることができる。
【0084】
すなわち、以上に述べた処理によれば、痛み推定処理部272は、一の内視鏡検査において情報取得部271により生成された検査状況情報を、当該一の内視鏡検査よりも前に得られた当該検査状況情報と同様の情報を用いた機械学習により作成されているとともに推定器CLPとは異なる推定モデルとして作成された推定器CLUに適用して処理を行うことにより、当該一の内視鏡検査における被検者の痛みの程度を所定の複数の痛みレベルのうちの一の痛みレベルとして推定した推定結果を得るように構成されている。
【0085】
本実施形態によれば、例えば、情報取得部271が、一の内視鏡検査における検査状況を示す情報として、挿入形状観測装置30から出力される挿入位置情報に含まれる複数の3次元座標値に基づいて生成した挿入状況情報と、入力装置50において入力された情報を検出して得られた内視鏡10の使用回数を示す情報に相当する内視鏡情報(推定用使用回数情報)と、を含む検査状況情報を生成するための処理を行うものであってもよい。
【0086】
そして、前述のような場合においては、痛み推定処理部272が、入力層と、隠れ層と、出力層と、を含む多層のニューラルネットワークにおける各結合係数(重み)をディープラーニング等の学習手法で学習させることにより作成された推定器CLVを用いた処理を行うことにより、情報取得部271により生成された検査状況情報に含まれる各情報に対応する被検者の痛みの程度を所定の複数の痛みレベルのうちの一の痛みレベルとして推定した推定結果を得るように構成されていればよい。
【0087】
前述の推定器CLVの作成時においては、例えば、情報取得部271により生成されるものと同様の検査状況情報と、当該検査状況情報に対応する被検者の痛みの程度を所定の複数の痛みレベルのうちの一の痛みレベルに分類した分類結果を示すラベルと、を含む教師データを用いた機械学習が行われる。言い換えると、推定器CLVは、例えば、事前収集用使用回数情報と事前収集用痛み情報との関係を含む情報と、事前収集用挿入形状情報と事前収集用痛み情報との関係を含む事前収集情報とを教師データとして機械学習を行うことで作成する。また、前述の所定の複数の痛みレベル各々は、例えば、大、小及び無しのような多段階のレベルとして設定されている。また、前述の教師データの作成時においては、内視鏡検査を受けた被検者の主観的な評価基準、または、当該被検者とは異なる専門家等の人物の客観的な評価基準のいずれかに基づいて痛みの程度を評価した評価結果に応じたラベルを検査状況情報に付与するための作業が行われる。
【0088】
そのため、前述の推定器CLVによれば、例えば、情報取得部271により生成された検査状況情報のうちの挿入状況情報に含まれる複数の曲率と、当該検査状況情報のうちの内視鏡情報に応じた値と、を併せて入力データとしてニューラルネットワークの入力層に入力することにより、当該検査状況情報に対応する被検者の痛みレベルとして推定され得るレベル各々に対応する複数の尤度を当該ニューラルネットワークの出力層から出力される出力データとして取得することができる。また、前述の推定器CLVを用いた処理によれば、例えば、ニューラルネットワークの出力層から出力される出力データに含まれる複数の尤度の中で最も高い一の尤度に対応する一の痛みレベルを、被検者の痛みレベルの推定結果として得ることができる。
【0089】
すなわち、以上に述べた処理によれば、痛み推定処理部272は、一の内視鏡検査において情報取得部271により生成された検査状況情報を、当該一の内視鏡検査よりも前に得られた当該検査状況情報と同様の情報を用いた機械学習により作成されているとともに推定器CLPとは異なる推定モデルとして作成された推定器CLVに適用して処理を行うことにより、当該一の内視鏡検査における被検者の痛みの程度を所定の複数の痛みレベルのうちの一の痛みレベルとして推定した推定結果を得るように構成されている。
【0090】
本実施形態によれば、例えば、情報取得部271が、一の内視鏡検査における検査状況を示す情報として、挿入形状観測装置30から出力される挿入位置情報に含まれる複数の3次元座標値に基づいて生成した挿入状況情報と、挿入部11の剛性を示す挿入部剛性情報(推定用挿入部剛性情報)と、を含む検査状況情報を生成するための処理を行うものであってもよい。なお、挿入部剛性情報は、挿入部11の材質や長さ等によって予め定まっている剛性の大きさを示す情報である。すなわち、挿入部剛性情報は、挿入部11の材質や長さ等によって予め定まっている設計値を示す情報であり、ユーザの操作や剛性制御部230の動作状態によって剛性の大きさが変更される剛性制御情報とは異なる。
【0091】
そして、前述のような場合においては、痛み推定処理部272が、入力層と、隠れ層と、出力層と、を含む多層のニューラルネットワークにおける各結合係数(重み)をディープラーニング等の学習手法で学習させることにより作成された推定器CLYを用いた処理を行うことにより、情報取得部271により生成された検査状況情報に含まれる各情報に対応する被検者の痛みの程度を所定の複数の痛みレベルのうちの一の痛みレベルとして推定した推定結果を得るように構成されていればよい。
【0092】
前述の推定器CLYの作成時においては、例えば、情報取得部271により生成されるものと同様の検査状況情報と、当該検査状況情報に対応する被検者の痛みの程度を所定の複数の痛みレベルのうちの一の痛みレベルに分類した分類結果を示すラベルと、を含む教師データを用いた機械学習が行われる。言い換えると、推定器CLYは、例えば、事前収集用挿入部剛性情報と事前収集用痛み情報との関係を含む情報と、事前収集用挿入形状情報と事前収集用痛み情報との関係を含む事前収集情報とを教師データとして機械学習を行うことで作成する。また、前述の所定の複数の痛みレベル各々は、例えば、大、小及び無しのような多段階のレベルとして設定されている。また、前述の教師データの作成時においては、内視鏡検査を受けた被検者の主観的な評価基準、または、当該被検者とは異なる専門家等の人物の客観的な評価基準のいずれかに基づいて痛みの程度を評価した評価結果に応じたラベルを検査状況情報に付与するための作業が行われる。
【0093】
そのため、前述の推定器CLYによれば、例えば、情報取得部271により生成された検査状況情報のうちの挿入状況情報に含まれる複数の曲率と、当該検査状況情報のうちの挿入部剛性情報に応じた値と、を併せて入力データとしてニューラルネットワークの入力層に入力することにより、当該検査状況情報に対応する被検者の痛みレベルとして推定され得るレベル各々に対応する複数の尤度を当該ニューラルネットワークの出力層から出力される出力データとして取得することができる。また、前述の推定器CLYを用いた処理によれば、例えば、ニューラルネットワークの出力層から出力される出力データに含まれる複数の尤度の中で最も高い一の尤度に対応する一の痛みレベルを、被検者の痛みレベルの推定結果として得ることができる。
【0094】
すなわち、以上に述べた処理によれば、痛み推定処理部272は、一の内視鏡検査において情報取得部271により生成された検査状況情報を、当該一の内視鏡検査よりも前に得られた当該検査状況情報と同様の情報を用いた機械学習により作成されているとともに推定器CLPとは異なる推定モデルとして作成された推定器CLYに適用して処理を行うことにより、当該一の内視鏡検査における被検者の痛みの程度を所定の複数の痛みレベルのうちの一の痛みレベルとして推定した推定結果を得るように構成されている。
【0095】
本実施形態によれば、例えば、情報取得部271が、一の内視鏡検査における検査状況を示す情報として、挿入形状観測装置30から出力される挿入位置情報に含まれる複数の3次元座標値に基づいて生成した挿入状況情報と、被検者へ挿入された挿入部11の挿入長を示す挿入長情報(推定用挿入長情報)と、を含む検査状況情報を生成するための処理を行うものであってもよい。なお、挿入長情報は、挿入形状観測装置30により取得され、システム制御部270の情報取得部271に入力される。また、挿入長情報は、言い換えると、挿入部11の先端部12が腸管のどこの部位(例えば、S状結腸、脾湾曲部)に位置しているかを示唆する情報である。
【0096】
そして、前述のような場合においては、痛み推定処理部272が、入力層と、隠れ層と、出力層と、を含む多層のニューラルネットワークにおける各結合係数(重み)をディープラーニング等の学習手法で学習させることにより作成された推定器CLXを用いた処理を行うことにより、情報取得部271により生成された検査状況情報に含まれる各情報に対応する被検者の痛みの程度を所定の複数の痛みレベルのうちの一の痛みレベルとして推定した推定結果を得るように構成されていればよい。
【0097】
前述の推定器CLXの作成時においては、例えば、情報取得部271により生成されるものと同様の検査状況情報と、当該検査状況情報に対応する被検者の痛みの程度を所定の複数の痛みレベルのうちの一の痛みレベルに分類した分類結果を示すラベルと、を含む教師データを用いた機械学習が行われる。言い換えると、推定器CLXは、例えば、事前収集用挿入長情報と事前収集用痛み情報との関係を含む情報と、事前収集用挿入形状情報と事前収集用痛み情報との関係を含む事前収集情報とを教師データとして機械学習を行うことで作成する。また、前述の所定の複数の痛みレベル各々は、例えば、大、小及び無しのような多段階のレベルとして設定されている。また、前述の教師データの作成時においては、内視鏡検査を受けた被検者の主観的な評価基準、または、当該被検者とは異なる専門家等の人物の客観的な評価基準のいずれかに基づいて痛みの程度を評価した評価結果に応じたラベルを検査状況情報に付与するための作業が行われる。
【0098】
そのため、前述の推定器CLXによれば、例えば、情報取得部271により生成された検査状況情報のうちの挿入状況情報に含まれる複数の曲率と、当該検査状況情報のうちの挿入長情報に応じた値と、を併せて入力データとしてニューラルネットワークの入力層に入力することにより、当該検査状況情報に対応する被検者の痛みレベルとして推定され得るレベル各々に対応する複数の尤度を当該ニューラルネットワークの出力層から出力される出力データとして取得することができる。また、前述の推定器CLXを用いた処理によれば、例えば、ニューラルネットワークの出力層から出力される出力データに含まれる複数の尤度の中で最も高い一の尤度に対応する一の痛みレベルを、被検者の痛みレベルの推定結果として得ることができる。
【0099】
すなわち、以上に述べた処理によれば、痛み推定処理部272は、一の内視鏡検査において情報取得部271により生成された検査状況情報を、当該一の内視鏡検査よりも前に得られた当該検査状況情報と同様の情報を用いた機械学習により作成されているとともに推定器CLPとは異なる推定モデルとして作成された推定器CLXに適用して処理を行うことにより、当該一の内視鏡検査における被検者の痛みの程度を所定の複数の痛みレベルのうちの一の痛みレベルとして推定した推定結果を得るように構成されている。
【0100】
本実施形態によれば、例えば、情報取得部271が、挿入形状観測装置30から出力される挿入位置情報に基づいて取得した複数の曲率と、操作力量計測装置40から出力される操作力量情報に基づいて取得した時系列データと、を含む挿入状況情報を生成するための処理を行うように構成されていてもよい。換言すると、本実施形態においては、情報取得部271が、一の内視鏡検査を受けている被検者の体内に挿入されている挿入部11の挿入状況を示す情報として、挿入部11の挿入形状に係る情報、及び、当該一の内視鏡検査において挿入部11に対して加えられた力量に応じて得られた情報のうちの少なくとも一方を含む挿入状況情報を生成するための処理を行うように構成されていればよい。また、前述のような場合において、例えば、痛み推定処理部272が、情報取得部271により生成された挿入状況情報に含まれる複数の曲率を推定器CLPに入力して得られた出力データと、当該挿入状況情報に含まれる時系列データを推定器CLWに入力して得られた出力データと、に基づいて被検者の痛みレベルを推定して推定結果を得るような処理を行うように構成されていてもよい。
【0101】
本実施形態によれば、痛み推定処理部272が、被検者の痛みレベルの推定結果に応じて生成した痛みレベル情報を表示制御部260へ出力するものに限らず、例えば、当該痛みレベル情報を図示しないスピーカへ出力するようにしてもよい。そして、このような場合においては、例えば、痛み推定処理部272により生成された痛みレベル情報に応じて異なる警告音または音声をスピーカから出力させることができる。
【0102】
本実施形態によれば、痛み推定処理部272が、被検者の痛みレベルの推定結果に応じて生成した痛みレベル情報を表示制御部260へ出力するものに限らず、例えば、当該痛みレベル情報を図示しないランプへ出力するようにしてもよい。そして、このような場合においては、例えば、痛み推定処理部272により生成された痛みレベル情報に応じて異なる点滅間隔でランプを発光させることができる。
【0103】
本実施形態によれば、痛み推定処理部272が、被検者の痛みの程度を所定の複数の痛みレベルのうちの一の痛みレベルとして推定した推定結果を示す痛みレベル情報を生成して表示制御部260へ出力するものに限らず、例えば、当該推定結果に応じてユーザによる挿入部11の挿入操作をガイドするための操作ガイド情報をさらに生成するとともに、当該操作ガイド情報を表示制御部260へ出力するようにしてもよい。
【0104】
具体的には、痛み推定処理部272は、例えば、被検者の痛みレベルの推定結果として痛みレベルPHを得た場合には、挿入部11の一時停止を促す操作ガイド情報を生成するとともに、当該操作ガイド情報を表示制御部260へ出力する。また、痛み推定処理部272は、例えば、被検者の痛みレベルの推定結果として痛みレベルPLを得た場合には、挿入部11の挿入速度及び挿入力量等の調整を促す操作ガイド情報を生成するとともに、当該操作ガイド情報を表示制御部260へ出力する。また、痛み推定処理部272は、例えば、被検者の痛みレベルの推定結果として痛みレベルPNを得た場合には、挿入部11の挿入速度及び挿入力量等の維持を促す操作ガイド情報を生成するとともに、当該操作ガイド情報を表示制御部260へ出力する。また、痛み推定処理部272は、例えば、被検者の痛みレベルの推定結果として痛みレベルPOを得た場合には、痛みレベルPOよりも小さい痛みを示す痛みレベルに変化するように、ユーザによる現在の挿入部11の挿入操作とは異なる挿入操作を促す操作ガイド情報を生成するとともに、当該操作ガイド情報を表示制御部260へ出力する。
【0105】
本実施形態によれば、痛み推定処理部272が、被検者の痛みレベルの推定結果に応じて生成した操作ガイド情報を表示制御部260へ出力するものに限らず、例えば、当該操作ガイド情報を図示しないスピーカへ出力するようにしてもよい。そして、このような場合においては、例えば、痛み推定処理部272により生成された操作ガイド情報に応じた操作を促す音声をスピーカから出力させることができる。
【0106】
本実施形態によれば、痛み推定処理部272が、被検者の痛みレベルの推定結果に応じて生成した操作ガイド情報を表示制御部260へ出力するものに限らず、例えば、当該操作ガイド情報を図示しないランプへ出力するようにしてもよい。そして、このような場合においては、例えば、痛み推定処理部272により生成された操作ガイド情報に応じた操作を促す点灯状態でランプを発光させることができる。
【0107】
本実施形態によれば、痛み推定処理部272が、被検者の痛みレベルの推定結果に応じて生成した痛みレベル情報や操作ガイド情報を表示制御部260に出力するものに限らず、挿入部11の挿入動作を自動で行うように構成された自動挿入装置の制御に痛みレベル情報や操作ガイド情報を用いてもよい。このような場合においては、例えば、被検者の痛みレベルの推定結果として痛みレベルPPを得た場合には、痛みレベルPPよりも小さい痛みを示す痛みレベルに変化するように、自動挿入装置による現在の挿入部11の挿入動作とは異なる挿入動作を促す操作ガイド情報を生成するとともに、当該操作ガイド情報を自動挿入装置へ出力する。
【0108】
本実施形態によれば、痛み推定処理部272が、機械学習により作成された推定モデルを用いて被検者の痛みレベルの推定に係る処理を行うものに限らず、例えば、多項式により表される推定モデルを用いて当該被検者の痛みレベルの推定に係る処理を行うものであってもよい。このような場合の例について、以下に説明する。
【0109】
痛み推定処理部272は、例えば、情報取得部271により生成された挿入状況情報に含まれる複数の曲率を下記数式(1)のような多項式により表される推定モデルに適用することにより痛み値Paを算出するとともに、当該算出した痛み値Paの大きさに応じて被検者の痛みレベルを推定した推定結果を取得する。なお、下記数式(1)において、A1、A2、A3、…、As、As+1は近似パラメータを表し、X1、X2、X3、…、Xsは情報取得部271により生成された挿入状況情報に含まれるs個の曲率を表すものとする。
【0110】
上記数式(1)の近似パラメータA
1、A
2、A
3、…、A
s、A
s+1は、例えば、下記数式(2)により示される行列式に係る演算を行うことにより算出することができる。なお、下記数式(2)において、P1、P2、P3、…、Pmは、内視鏡検査を受けた被検者の主観的な評価基準、または、当該被検者とは異なる専門家等の人物の客観的な評価基準のいずれかに基づいて痛みの程度を評価した値に相当する既知のm個の痛み値を表すものとする。また、下記数式(2)において、X
1m、X
2m、X
3m、…、X
smは、痛み値Pmに応じて取得された既知のs個の曲率を表すものとする。
【0111】
すなわち、以上に述べた例によれば、痛み推定処理部272は、一の内視鏡検査において情報取得部271により生成された挿入状況情報を、当該一の内視鏡検査よりも前に得られた当該挿入状況情報と同様の情報を用いて作成された推定モデルに相当する上記(1)の多項式に適用して処理を行うことにより、当該一の内視鏡検査における被検者の痛みの程度を所定の複数の痛みレベルのうちの一の痛みレベルとして推定した推定結果を得るように構成されている。
【0112】
以上に述べたような多項式により表される推定モデルによれば、機械学習により作成された推定モデルと同様の作用効果を得ることができる。
【0113】
なお、痛み推定処理部272の処理に用いられる推定モデルは、上記数式(1)のような1次の多項式として作成されたものに限らず、例えば、情報取得部271により生成された挿入状況情報に含まれる複数の曲率を適用可能な2次以上の次数を有する多項式として作成されるものであってもよい。
【0114】
また、痛み推定処理部272の処理に用いられる推定モデルは、上記数式(1)のような多項式として作成されたものに限らず、例えば、情報取得部271により生成された検査状況情報のうちの挿入状況情報に含まれる複数の曲率と、当該検査状況情報のうちの被検者情報に応じた値と、を併せて適用可能な多項式として作成されるものであってもよい。
【0115】
本実施形態によれば、痛み推定処理部272が、機械学習により作成された推定モデルを用いて被検者の痛みレベルの推定に係る処理を行うものに限らず、例えば、統計的手法を用いて取得された推定モデルを用いて当該被検者の痛みレベルの推定に係る処理を行うものであってもよい。このような場合の例について、以下に説明する。なお、以下に述べる推定モデルの作成に係る処理は、痛み推定処理部272において行われるものに限らず、コンピュータ等のような本体装置20とは異なる装置において行われるものであってもよい。
【0116】
痛み推定処理部272は、例えば、内視鏡検査を受けた被検者の主観的な評価基準、または、当該被検者とは異なる専門家等の人物の客観的な評価基準のいずれかに基づいて痛みの程度を評価した値に相当するp(p≧2)個の痛み値各々に対応するq(q≧2)個の曲率を並べることにより行列Cを生成するとともに、当該生成した行列Cに対して下記数式(3)に示すような特異値分解を施す。なお、下記数式(3)において、Vは左特異ベクトルを表し、Sは特異値行列を表し、UTは右特異ベクトルの転置行列を表すものとする。
【0117】
痛み推定処理部272は、上記数式(3)に示される特異値分解を行って得られたq行1列の左特異ベクトルVに含まれるq個の成分の中で最も大きな値を第1成分Vxとして取得するとともに、当該左特異ベクトルVに含まれる各要素の中で2番目に大きな値を第2成分Vyとして取得する。すなわち、第1成分Vxは、p個の痛み値各々の評価において最も大きな影響を及ぼしたと推定される成分として取得される。また、第2成分Vyは、p個の痛み値各々の評価において2番目に大きな影響を及ぼしたと推定される成分として取得される。
【0118】
痛み推定処理部272は、p個の痛み値のうちの一の痛み値Pxに対応するq個の曲率の中から、第1成分Vxに相当する曲率Cxと、第2成分Vyに相当する曲率Cyと、をそれぞれ取得する。すなわち、曲率Cx及び曲率Cyは、第1成分Vx及び第2成分Vyにより規定される2次元座標系における座標値(Cx,Cy)として表すことができる。
【0119】
痛み推定処理部272は、痛み値Pxに対応する座標値(Cx,Cy)を取得するための処理をp個の痛み値各々に対して行うことにより、例えば、
図3のように表される推定モデルCMAを作成する。
図3は、実施形態に係る痛み推定装置の処理に用いられる推定モデルの一例を示す模式図である。
【0120】
痛み推定処理部272は、情報取得部271により生成された検査状況情報のうちの挿入状況情報に含まれる複数の曲率の中から、第1成分Vx及び第2成分Vyに対応する2つの曲率を取得し、当該取得した2つの曲率(による座標値)を推定モデルCMAに適用した状態でk近傍法等によるクラスタリング処理を行うことにより、被検者の痛みレベルの推定結果を取得する。
【0121】
すなわち、以上に述べた例によれば、痛み推定処理部272は、一の内視鏡検査において情報取得部271により生成された挿入状況情報を、当該一の内視鏡検査よりも前に得られた当該挿入状況情報と同様の情報を用いて作成された推定モデルCMAに適用して処理を行うことにより、当該一の内視鏡検査における被検者の痛みの程度を所定の複数の痛みレベルのうちの一の痛みレベルとして推定した推定結果を得るように構成されている。
【0122】
以上に述べたような統計的手法を用いて取得された推定モデルによれば、機械学習により作成された推定モデルと同様の作用効果を得ることができる。
【0123】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更、組み合わせや応用が可能であることは勿論である。