(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-29
(45)【発行日】2023-09-06
(54)【発明の名称】薬品収納ボックス
(51)【国際特許分類】
F25D 23/00 20060101AFI20230830BHJP
F25D 25/00 20060101ALI20230830BHJP
B65G 1/00 20060101ALI20230830BHJP
【FI】
F25D23/00 301K
F25D25/00 E
B65G1/00 521A
(21)【出願番号】P 2022514337
(86)(22)【出願日】2021-03-03
(86)【国際出願番号】 JP2021008260
(87)【国際公開番号】W WO2021205785
(87)【国際公開日】2021-10-14
【審査請求日】2022-05-23
(31)【優先権主張番号】P 2020068398
(32)【優先日】2020-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314005768
【氏名又は名称】PHCホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山地 弘城
(72)【発明者】
【氏名】川上 太宏
(72)【発明者】
【氏名】森井 英之
【審査官】関口 勇
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-249355(JP,A)
【文献】特開2003-341652(JP,A)
【文献】特開2002-257467(JP,A)
【文献】国際公開第2020/026602(WO,A1)
【文献】実開昭59-018271(JP,U)
【文献】特開2010-071527(JP,A)
【文献】特開2015-137833(JP,A)
【文献】特開2007-101018(JP,A)
【文献】国際公開第2012/017903(WO,A1)
【文献】特開2000-105149(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 23/00
F25D 25/00
B65G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬品保冷庫内に出し入れ自在に収納され、制御装置によって管理される薬品収納ボックスであって、
ICタグが取り付けられた薬品が載置される底板と、
前記ICタグの情報を受信する第1アンテナが取り付けられ、前記第1アンテナが前記底板に向かう側となるように、前記底板の第1端面に着脱自在に接続される第1側板と、
前記第1側板と対向するように、前記底板の第2端面に着脱自在に接続される第2側板と、
前記第1側板および前記第2側板に挟持されるように、前記底板の第3端面に着脱自在に接続される背板と、を備え、
前記第1側板は、前記第1端面に接続される側の辺と前記第1端面に接続されない反対側の辺とを逆さにすることによって、前記第1アンテナが前記底板に向かう側となるように、前記第2端面にも接続することが可能な第1接続構造を有し、
前記第2側板は、前記第2端面に接続される側の辺と前記第2端面に接続されない反対側の辺とを逆さにすることによって、前記第1端面にも接続することが可能な第2接続構造を有する
ことを特徴とする薬品収納ボックス。
【請求項2】
前記底板は、前記第1端面には前記第1側板および前記第2側板を選択的に接続するための第1嵌合突起を有し、前記第2端面には前記第1側板および前記第2側板を選択的に接続するための第2嵌合突起を有し、
前記第1側板は、前記第1接続構造として、前記第1端面に接続される側の辺に前記第1嵌合突起と嵌合する第1嵌合爪を有するとともに、前記第1端面に接続されない側の辺に前記第2嵌合突起と嵌合する第2嵌合爪を有し、前記薬品収納ボックスの奥行き方向に沿う中心線を境に対称な形状を呈し、
前記第2側板は、前記第2接続構造として、前記第2端面に接続される側の辺に前記第2嵌合突起と嵌合する第3嵌合爪を有するとともに、前記第2端面に接続されない側の辺に前記第1嵌合突起と嵌合する第4嵌合爪を有し、前記薬品収納ボックスの奥行き方向に沿う中心線を境に対称な形状を呈する
ことを特徴とする請求項1に記載の薬品収納ボックス。
【請求項3】
前記第1側板は、前記背板と接続される側の端面に第1溝部を有し、
前記第2側板は、前記背板と接続される側の端面に第2溝部を有し、
前記背板は、前記第1溝部および前記第2溝部にそれぞれ嵌合する嵌合爪を有する
ことを特徴とする請求項2に記載の薬品収納ボックス。
【請求項4】
前記背板は、前記背板の前記底板と接続される側の端面に、前記底板の前記薬品が載置される面とは反対側の面に係合する係合爪を有する
ことを特徴とする請求項3に記載の薬品収納ボックス。
【請求項5】
前記背板には、前記ICタグの情報を受信する第2アンテナが前記底板に向かう側の面に取り付けられる
ことを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載の薬品収納ボックス。
【請求項6】
前記底板、前記第1及び第2側板、前記背板は、それぞれ、複数の通気孔を有する
ことを特徴とする請求項1~5の何れか一項に記載の薬品収納ボックス。
【請求項7】
前記背板には、温度データロガーが前記底板に向かう側の面に取り付けられる
ことを特徴とする請求項1~6の何れか一項に記載の薬品収納ボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬品収納ボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、予め定められた保管温度の環境下において薬品を保管する薬品保冷庫が知られている(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、薬品保冷庫内の薬品は、予め定められた保管温度の環境下に置かれるが、入出庫の情報が十分に管理されていないのが現状である。そのため、医療機関等において、必要十分な薬品の管理をできなくなる虞があった。
【0005】
そこで、本発明は、薬品保冷庫に収納され、薬品の入出庫情報等を精度よく管理することが可能な汎用的な薬品収納ボックスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した課題を解決する主たる本発明は、薬品保冷庫内に出し入れ自在に収納され、制御装置によって管理される薬品収納ボックスであって、ICタグが取り付けられた薬品が載置される底板と、前記ICタグの情報を受信する第1アンテナが取り付けられ、前記第1アンテナが前記底板に向かう側となるように、前記底板の第1端面に着脱自在に接続される第1側板と、前記第1側板と対向するように、前記底板の第2端面に着脱自在に接続される第2側板と、前記第1側板および前記第2側板に挟持されるように、前記底板の第3端面に着脱自在に接続される背板と、を備え、前記第1側板は、前記第1端面に接続される側の辺と前記第1端面に接続されない反対側の辺とを逆さにすることによって、前記第1アンテナが前記底板に向かう側となるように、前記第2端面にも接続することが可能な第1接続構造を有し、前記第2側板は、前記第2端面に接続される側の辺と前記第2端面に接続されない反対側の辺とを逆さにすることによって、前記第1端面にも接続することが可能な第2接続構造を有する。
【0007】
本発明の他の特徴については、添付図面及び本明細書の記載により明らかとなる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、薬品保冷庫内への薬品収納ボックス収納位置に応じて、アンテナを有する第1側板とアンテナを有していない第2側板とを左右入れ替えて底板に接続した薬品収納ボックスを用意できるため、薬品の入出庫情報等を精度よく管理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る薬品収納ボックスが収納される薬品保冷庫の一例を示す斜視図である。
【
図2】
図1の薬品保冷庫に対して本実施形態に係る薬品収納ボックスを出し入れする様子を示す斜視図である。
【
図3A】本実施形態に係る薬品収納ボックス200Aを示す分解斜視図である。
【
図3B】
図3Aの薬品収納ボックス200Aを他の方向から見た分解斜視図である。
【
図5A】本実施形態に係る薬品収納ボックス200Bを示す分解斜視図である。
【
図5B】
図5Aの薬品収納ボックス200Bを他の方向から見た分解斜視図である。
【
図7A】本実施形態に係る薬品収納ボックス200A、200Bに用いられる底板の一例を示す斜視図である。
【
図7B】薬品収納ボックス200A、200Bに用いられる
図7Aの底板を他の方向から見た斜視図である。
【
図8A】本実施形態に係る薬品収納ボックス200A、200Bに用いられる第1側板の一例を示す斜視図である。
【
図8B】本実施形態に係る薬品収納ボックス200A、200Bに用いられる
図8Aの第1側板を他の方向から見た斜視図である。
【
図9A】本実施形態に係る薬品収納ボックス200A、200Bに用いられる第2側板の一例を示す斜視図である。
【
図9B】本実施形態に係る薬品収納ボックス200A、200Bに用いられる
図9Aの第2側板を他の方向から見た斜視図である。
【
図10A】本実施形態に係る薬品収納ボックス200A、200Bに用いられる背板の一例を示す斜視図である。
【
図10B】本実施形態に係る薬品収納ボックス200A、200Bに用いられる
図10Aの背板を他の方向から見た斜視図である。
【
図11】本実施形態に係る第1側板が底板に接続される様子を示す要部斜視図である。
【
図12】本実施形態に係る背板が側板に接続される様子を示す要部斜視図である。
【
図13】本実施形態に係る背板が底板に接続される様子を示す要部斜視図である。
【
図14】薬品保冷庫内に薬品収納ボックス並べて配置したことを示す要部正面図である。
【
図15】本実施形態に係る薬品収納ボックスが用いられる薬品管理システムの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0011】
===薬品保冷庫===
図1は、本実施形態に係る薬品収納ボックスが収納される薬品保冷庫の一例を示す斜視図である。
図2は、
図1の薬品保冷庫に対して本実施形態に係る薬品収納ボックスを出し入れする様子を示す斜視図である。
【0012】
薬品保冷庫100は、例えば医療機関に設置され、医薬品卸を介して提供される製薬メーカーの薬品(医薬品)を収納して予め定められた温度で保冷する装置である。
【0013】
薬品保冷庫100は、外箱110、内箱120、機械室130、扉140を含んで構成されている。
【0014】
外箱110は、直方体形状を呈し、薬品を搬入又は搬出するための開口111を前面に有している。内箱120は、直方体形状を呈し、開口111に連通する開口121を前面に有し、断熱材を介して外箱110内に設置されている。内箱120には、薬品を収納するための棚122が複数段設置されている。棚122は、例えばステンレス製の棚であって、通気を確保するために、例えば網目形状を呈している。機械室130は、外箱110の内箱120よりも下側の位置に形成され、内箱120内を保冷するための冷却装置(不図示)が設置されている。冷却装置は、例えば圧縮機、凝縮器、蒸発器等によって冷媒を循環させる装置であって、予め定められた保冷温度の空気が内箱120内を循環するように、内箱120と接続されている。扉140は、内箱120内を確認するためのガラス窓141を有し、外箱110の開口111に対してスライド自在に装着されている。扉140を閉じることによって、内箱120内を密閉空間として薬品を保冷することが可能となる。
【0015】
尚、本実施形態では、管理対象の薬品が収納される薬品収納ボックス200が、薬品保冷庫100における内箱120内の棚122に対して、開口111、121を通して出し入れ自在に載置されることとする。本実施形態では、薬品収納ボックス200として、2種類の薬品収納ボックス200A、200Bを用意することが可能であり、その詳細については後述する。
【0016】
===薬品収納ボックス===
図3Aは、本実施形態に係る薬品収納ボックス200Aを示す分解斜視図である。
図3Bは、本実施形態に係る薬品収納ボックス200Aを他の方向から見た分解斜視図である。
図4は、本実施形態に係る薬品収納ボックス200Aを示す斜視図である。
図5Aは、本実施形態に係る薬品収納ボックス200Bを示す分解斜視図である。
図5Bは、本実施形態に係る薬品収納ボックス200Bを他の方向から見た分解斜視図である。
図6は、本実施形態に係る薬品収納ボックス200Bを示す斜視図である。
図7Aは、本実施形態に係る薬品収納ボックス200A、200Bに用いられる底板の一例を示す斜視図である。
図7Bは、本実施形態に係る薬品収納ボックス200A、200Bに用いられる底板を他の方向から見た斜視図である。
図8Aは、本実施形態に係る薬品収納ボックス200A、200Bに用いられる第1側板の一例を示す斜視図である。
図8Bは、本実施形態に係る薬品収納ボックス200A、200Bに用いられる第1側板を他の方向から見た斜視図である。
図9Aは、本実施形態に係る薬品収納ボックス200A、200Bに用いられる第2側板の一例を示す斜視図である。
図9Bは、本実施形態に係る薬品収納ボックス200A、200Bに用いられる第2側板を他の方向から見た斜視図である。
図10Aは、本実施形態に係る薬品収納ボックス200A、200Bに用いられる背板の一例を示す斜視図である。
図10Bは、本実施形態に係る薬品収納ボックス200A、200Bに用いられる背板を他の方向から見た斜視図である。
図11は、本実施形態に係る第1側板が底板に接続される様子を示す要部斜視図である。
図12は、本実施形態に係る背板が側板に接続される様子を示す要部斜視図である。
図13は、本実施形態に係る背板が底板に接続される様子を示す要部斜視図である。尚、
図3~
図13において、X軸は薬品収納ボックス200A、200Bの幅方向に沿う軸であり、Y軸は薬品収納ボックス200A、200Bの奥行方向に沿う軸であり、Z軸は薬品収納ボックス200A、200Bの高さ方向に沿う軸である。
【0017】
<<薬品収納ボックス200A>>
薬品収納ボックス200Aは、管理対象の薬品300を収納するためのボックスである。
【0018】
薬品収納ボックス200Aは、薬品300を収納するために、底板210、第1側板220、第2側板230、背板240、第1アンテナ250、第2アンテナ260を含んで構成されている。
【0019】
薬品収納ボックス200Aは、底板210、第1側板220、第2側板230、背板240の合計4枚の平板で取り囲まれることによって、薬品300を収納する空間を形成する。底板210の背板240とは反対側の端面には、立設する板はなく、薬品300を搬入または搬出する搬出入口270となっている。この搬出入口270は、薬品収納ボックス200Aが棚122に載置されたときに、開口111、121側を向くようになっている。これによって、作業者は、扉140を開くと、開口111、121から搬出入口270に手を伸ばすことで、薬品300の搬出入作業を行うことが可能となる。
【0020】
薬品収納ボックス200Aでは、第1側板220は、取り付けられている第1アンテナ250が底板210の側を向くように、底板210の紙面左側(+X側)の奥行き方向(Y軸の方向)に沿う第1端面211に対して着脱自在に接続されている。また、第2側板230は、底板210の紙面右側(-X側)の奥行き方向(Y軸の方向)に沿う第2端面212に対して着脱自在に接続されている。また、背板240は、第1側板220の紙面奥側(+Y側)の高さ方向(Z軸の方向)に沿う端面221と、第2側板230の紙面奥側(+Y側)の高さ方向(Z軸の方向)に沿う端面231と、底板210の紙面奥側(+Y側)の幅方向(X軸の方向)に沿う第3端面213とに対して、着脱自在に接続されている。
【0021】
これらの底板210、第1側板220、第2側板230、背板240のそれぞれは、例えば、樹脂材料を用いた金型成型によって個別に形成された後、着脱自在に接続されることとする。
【0022】
以下、底板210、第1側板220、第2側板230、背板240の詳細について説明する。
【0023】
<底板>
底板210は、薬品300が載置される平板形状を呈する板材である。底板210は、先に説明したように樹脂材料を用いた金型成型によって形成されることとする。底板210の紙面上側(+Z側)の面は、薬品300が安定して載置されるように平面となっている。
【0024】
また、底板210には、載置されている薬品300が内箱120内を循環する保冷用の空気によって効果的に保冷されるように、底板210を厚み方向(Z軸の方向)に貫通する複数の通気孔214が形成されている。通気孔214は、薬品300が底板210上に載置された際に、通気孔214上に乗り上げたとしても傾いたりすることがないように、例えばスリット状の細長い孔の形状をして、底板210に一定の間隔で整列して形成されている。
【0025】
底板210は軽量化のために比較的薄く形成されており、底板210の紙面下側(-Z側)の面には、底板210上に複数の薬品300が載置されたとしても底板210が撓まないように、底板210の幅方向(X軸の方向)および奥行き方向(Y軸の方向)に交差する複数の補強リブ215が、複数の通気孔214を避けるように底板210と一体に形成されている。
【0026】
底板210の第1端面211には、第1側板220および第2側板230を選択的に接続するための第1嵌合突起216Bが、奥行き方向に沿って4個設けられている。この第1嵌合突起216Bは、第1端面211から外側に突出してから、下方向(-Z方向)にL字型に折れ曲がって溝部216Aを形成している。溝部216Aは、奥行き方向の手前側(-Y側)から奥側(+Y側)に向かって形成されている。
【0027】
底板210の第2端面212には、第1側板220および第2側板230を選択的に接続するための第2嵌合突起217Bが、奥行き方向に沿って4個設けられている。この第2嵌合突起217Bは、第2端面212から外側に突出してから、下方向(-Z方向)にL字型に折れ曲がって溝部217Aを形成している。溝部217Aは、奥行き方向の手前側(-Y側)から奥側(+Y側)に向かって形成されている。
【0028】
底板210の第3端面213には、背板240を底板210に接続するための窪み部218が2個設けられている。
【0029】
<第1側板>
第1側板220は、底板210の第1端面211および第2端面212に対して選択的に着脱自在に接続される平板形状を呈する部材である。第1側板220は、先に説明したように樹脂材料を用いた金型成型によって形成されることとする。
【0030】
ここで、底板210に載置される薬品300には、この薬品300を識別するためのICタグ310が貼付されている。本実施形態において、ICタグ310は、例えばループコイル及びICチップを有するパッシブ型のRFIDタグであることとする。ICチップには、薬品300を示すID情報(品名、製造元コード、有効期限等)が予め記憶されている。
【0031】
第1アンテナ250は、底板210、第1側板220、第2側板230、背板240で取り囲まれた空間に電波を発信することによって、薬品300に貼付されているICタグ310内のICチップを起動し、薬品300を示すID情報を受信する装置である。第1アンテナ250によって受信されたID情報は、後述する制御装置によって、薬品300の入出庫時刻及び保冷温度を示す情報と紐付けて管理される。第1アンテナ250は、平板形状を呈している。
【0032】
第1側板220は、その厚み方向(X軸の方向)において、第1アンテナ250を収容する窪み部222を有している。この窪み部222の深さ(X軸の方向)は、第1アンテナ250の厚みよりも深く形成されている。つまり、第1アンテナ250を窪み部222に収容して固定したとき、第1アンテナ250は、窪み部222から出っ張ることなく奥まった状態となる。これは、薬品300が第1アンテナ250と接触することによって、第1アンテナ250の受信感度が低下して薬品300のID情報を正しく受信できなくなることを防止するためである。
【0033】
また、第1側板220には、薬品300が内箱120内を循環する空気によって効果的に保冷されるように、その厚み方向に貫通する複数の通気孔223が形成されている。通気孔223は、例えばスリット状の細長い孔の形状をして、第1アンテナ250を挟むように、第1アンテナ250の両側(+Y側および-Y側)のそれぞれの領域に一定の間隔で整列して形成されている。
【0034】
第1側板220は軽量化のために比較的薄く形成されており、第1側板220の紙面左側(+X側)の面には、第1側板220が撓むことがないように、第1側板220の奥行き方向(Y軸の方向)に沿って延びる複数の補強リブ224が、第1アンテナ250を挟んで、複数の通気孔223を避けるように第1側板220と一体に形成されている。
【0035】
第1側板220における底板210の第1端面211と接続される側の辺には、4個の溝部216Aにそれぞれ挿入される4個の第1嵌合爪225Aが設けられている。この辺には、4個の突起216Bがそれぞれ挿入される4個の挿入孔225Bが形成され、この挿入孔225Bにおける奥行き方向の奥側(+Y側)から手前側(-Y側)に向かって、第1嵌合爪225Aは形成されている。
【0036】
一方、第1側板220における底板210の第1端面211と接続されない側の辺には、4個の溝部217Aにそれぞれ挿入される4個の第2嵌合爪226Aが設けられている。この辺には、4個の突起217Bがそれぞれ挿入される4個の挿入孔226Bが形成され、この挿入孔226Bにおける奥行き方向の奥側(+Y側)から手前側(-Y側)に向かって、第2嵌合爪226Aは形成されている。
【0037】
第1側板220における背板240と接続される側(+Y側)の端面221には、奥行き方向(+Y方向)に突出してから、第2側板230から離れる方向(+X方向)にL字型に折れ曲がって溝を形成する溝部227が、高さ方向(Z軸の方向)の両端に形成されている。
【0038】
このように、第1側板220は、奥行き方向に沿う方向の中心線に対して線対称な形状を呈している。
【0039】
<第2側板>
第2側板230は、底板210の第1端面211および第2端面212に対して選択的に着脱自在に接続される平板形状を呈する部材である。第2側板230は、先に説明したように樹脂材料を用いた金型成型によって形成されることとする。
【0040】
第2側板230には、薬品300が内箱120内を循環する空気によって効果的に保冷されるように、その厚み方向に貫通する複数の通気孔232が形成されている。通気孔232は、例えばスリット状の細長い孔の形状をして、一定の間隔で整列して形成されている。
【0041】
第2側板230は軽量化のために比較的薄く形成されており、第2側板230の紙面右側(-X側)の面には、第2側板230が撓むことがないように、第2側板230の高さ方向(Z軸の方向)および奥行き方向(Y軸の方向)に交差する複数の補強リブ233が、複数の通気孔232を避けるように第2側板230と一体に形成されている。
【0042】
第2側板230における底板210の第2端面212と接続される側の辺には、4個の溝部217Aにそれぞれ挿入される4個の第3嵌合爪234Aが設けられている。この辺には、4個の突起217Bがそれぞれ挿入される4個の挿入孔234Bが形成され、この挿入孔234Bにおける奥行き方向の奥側(+Y側)から手前側(-Y側)に向かって、第3嵌合爪234Aは形成されている。
【0043】
一方、第2側板230における底板210の第2端面212と接続されない側の辺には、4個の溝部216Aにそれぞれ挿入される4個の第4嵌合爪235Aが設けられている。この辺には、4個の突起216Bがそれぞれ挿入される4個の挿入孔235Bが形成され、この挿入孔235Bにおける奥行き方向の奥側(+Y側)から手前側(-Y側)に向かって、第4嵌合爪235Aは形成されている。
【0044】
第2側板230における背板240と接続される側(+Z側)の端面231には、奥行き方向(+Y方向)に突出してから、第1側板220から離れる方向(-X方向)にL字型に折れ曲がって溝を形成する溝部236が、高さ方向(Z軸の方向)の両端に形成されている。
【0045】
このように、第2側板230は、奥行き方向に沿う方向の中心線に対して線対称な形状を呈している。
【0046】
<背板>
背板240は、底板210の第3端面213、第1側板220の端面221、第2側板230の端面231に対して着脱自在に接続される平板形状を呈する部材である。背板240は、先に説明したように樹脂材料を用いた金型成型によって形成されることとする。
【0047】
第2アンテナ260は、底板210、第1側板220、第2側板230、背板240で取り囲まれた空間に電波を発信することによって、薬品300に貼付されているICタグ310内のICチップを起動し、薬品300を示すID情報を受信する装置である。第2アンテナ260によって受信されたID情報は、後述する制御装置によって、薬品300の入出庫時刻及び保冷温度を示す情報と紐付けて管理される。第2アンテナ260は、平板形状を呈している。
【0048】
ここで、第1アンテナ250の第2側板230に対向する面とICタグ310の面とが垂直の位置関係となるように、薬品300が底板210上に載置されてしまうと、第1アンテナ250から発信する電波がICタグ310内のループコイルと鎖交しなくなって、第1アンテナ250はICタグ310内のICチップから薬品300を示すID情報を正しく受信できなくなる虞がある。具体的には、ICタグ310の面がX軸及びZ軸からなる面に沿うように、薬品300が底板210上に載置されてしまうと、第1アンテナ250の第2側板230に対向する面(Y軸及びZ軸からなる面に沿う面)とICタグ310の面(X軸及びZ軸からなる面に沿う面)とが垂直の位置関係となるため、第1アンテナ250はICタグ310内のICチップから薬品300を示すID情報を正しく受信できなくなる虞がある。例えば、薬品300がバイアル瓶に封入され、ICタグ310がバイアル瓶の側面に貼付されるような場合、上記の問題は顕著となる。
【0049】
そこで、第2アンテナ260の搬出入口270に向かう側の面(X軸及びZ軸からなる面に沿う面)が、第1アンテナ250の第2側板230に向かう側の面(Y軸及びZ軸からなる面に沿う面)と垂直の位置関係となるように、第2アンテナ260は、背板240の底板210に向かう側の面に取り付けられる。これによって、薬品300がZ軸を中心として如何なる方向を向いて底板210上に載置されたとしても、ICタグ310内のICチップから薬品300を示すID情報を正しく受信することが可能となる。
【0050】
背板240は、その厚み方向(Y軸の方向)において、第2アンテナ260を収容する窪み部241をその中央に有している。この窪み部241の深さ(Y軸の方向)は、第2アンテナ260の厚みよりも深く形成されている。つまり、第2アンテナ260を窪み部241に収容して固定したとき、第2アンテナ260は、窪み部241から出っ張ることなく奥まった状態となる。これは、薬品300が第2アンテナ260と接触することによって、第2アンテナ260の受信感度が低下して薬品300のID情報を正しく受信できなくなることを防止するためである。
【0051】
また、背板240には、薬品300が内箱120内を循環する空気によって効果的に保冷されるように、その厚み方向に貫通する複数の通気孔242が形成されている。通気孔242は、例えばスリット状の細長い孔の形状をして、窪み部241に隣り合う両側の領域に複数形成されている。
【0052】
背板240は軽量化のために比較的薄く形成されており、背板240の紙面奥側(+Y側)の面のうち、通気孔242が設けられている面には、背板240が撓むことがないように、背板240の幅方向(X軸の方向)に延びる補強リブ243が、複数の通気孔242を避けるように背板240と一体に複数形成されている。
【0053】
背板240の窪み部241に隣り合う
図10Aの紙面左側(+X側)の領域には、温度データロガー400を収容するための窪み部244が形成されている。
【0054】
温度データロガー400とは、予め定められたサンプリング時間で取得される薬品収納ボックス200A、200Bごとの温度データを逐次記録する装置のことである。本実施形態で使用される温度データロガー400は、その筐体の下側の位置に温度センサ410が内蔵されており、温度センサ410は、検知口420を通して薬品保冷庫100内の温度データを取得する。温度データロガー400は、実質的に直方体形状を呈し、第1側板220に向かう側(+X側)の面と第2側板230に向かう側(-X側)の面にはそれぞれ突起部430A、430Bが設けられている。
【0055】
窪み部244には、温度データロガー400が載置される台座244Cと、収容された温度データロガー400が窪み部244から外れないように、突起部430A、430Bをそれぞれ押さえる押さえ片244A、244Bと、が形成されている。押さえ片244A、244Bは、窪み部244における奥行き方向(Y軸の方向)の手前側(-Y側)に設けられている。
【0056】
突起部430A、430Bが押さえ片244A、244Bよりも上側(+Z側)となる状態で、温度データロガー400を奥行き方向に沿って窪み部244内に収容し、その後、温度データロガー400を高さ方向(Z軸の方向)に沿って底板210に向かう側(-Z側)に押し込む。これによって、温度データロガー400は、台座244Cに載置され、突起部430A、430Bがそれぞれ押さえ片244A、244Bと対向することによって、窪み部244内に外れることなく収容されることとなる。
【0057】
窪み部244における搬出入口270と対向する面には、通気孔244Dが形成されている。また、温度データロガー400が台座244Cに載置されることによって、温度センサ410の検知口420の周囲に空間を形成することができる。これにより、温度データロガー400は、薬品保冷庫100内に載置された薬品収納ボックス200A、200Bにおける底板210、第1側板220、第2側板230、背板240で取り囲まれた空間の温度データを精度よく記録することが可能となる。また、背板240における底板210との側とは反対側(+Y側)を向く面において、窪み部244の両側にも、補強リブ243が設けられている。
【0058】
背板240における第1側板220の端面221と対向する辺(+X側の辺)には、2個の溝部227にそれぞれ挿入される2個の嵌合爪245Aが設けられている。この辺には、2個の溝部227がそれぞれ挿入される2個の挿入孔245Bが形成され、この挿入孔245Bにおける高さ方向の上側(+Z側)から下側(-Z側)に向かって、嵌合爪245Aは形成されている。
【0059】
一方、背板240における第2側板230の端面231と対向する辺(-X側の辺)には、2個の溝部236にそれぞれ挿入される2個の嵌合爪246Aが設けられている。この辺には、2個の溝部236がそれぞれ挿入される2個の挿入孔246Bが形成され、この挿入孔246Bにおける高さ方向の上側(+Z側)から下側(-Z側)に向かって、嵌合爪246Aは形成されている。
【0060】
背板240において、底板210の第3端面213に設けられている2個の窪み部218と対向する位置には、弾性力で、窪み部218の下面218A(底板210の下側の面)に係合する2個の係合爪247が形成されている。
【0061】
<<薬品収納ボックス200Aの組み立て手順>>
先ず、底板210、第1側板220、第2側板230、背板240を準備する。尚、温度データロガー400については、薬品収納ボックス200Aを組み立てる前に背板240の窪み部244に予め収容しておいてもよいし、薬品収納ボックス200Aを組み立てた後に背板240の窪み部244に収容してもよい。
【0062】
次に、第1アンテナ250が底板210の側を向くように、第1側板220における第1嵌合爪225Aが設けられている側の辺を下向き(-Z側)にする。そして、底板210の第1端面211に設けられている4個の突起216Bを、第1側板220に設けられている4個の挿入孔225Bにそれぞれ挿入した後に、第1側板220を底板210の手前方向(-Y方向)にスライドする。これによって、第1側板220の4個の第1嵌合爪225Aが底板210の4個の溝部216Aに挿入され、第1側板220は底板210と接続される。
【0063】
次に、第2側板230における補強リブ233が設けられていない側の面が底板210の側を向くように、第2側板230における第3嵌合爪234Aが設けられている側の辺を下向き(-Z側)にする。そして、底板210の第2端面212に設けられている4個の突起217Bを、第2側板230に設けられている4個の挿入孔234Bにそれぞれ挿入した後に、第2側板230を底板210の手前方向(-Y方向)にスライドする。これによって、第2側板230の4個の第3嵌合爪234Aが底板210の4個の溝部217Aに挿入され、第2側板230は底板210と接続される。
【0064】
次に、背板240における第2アンテナ260の面が底板210の側を向くようにする。そして、第1側板220の2個の溝部227を背板240の2個の挿入孔245Bに挿入するとともに、第2側板230の2個の溝部236を背板240の2個の挿入孔246Bに挿入する。この状態から、背板240を第1側板220および第2側板230の高さ方向の下側(-Z側)にスライドする。これによって、背板240の2個の嵌合爪245Aが第1側板220の2個の溝部227に挿入されるとともに、背板240の2個の嵌合爪246Aが第2側板230の2個の溝部236に挿入され、背板240は第1側板220および第2側板230と接続される。その後、更に、背板240を第1側板220および第2側板230の高さ方向の下側にスライドすると、背板240の2個の係合爪247が底板210の2個の窪み部218を摺動しながら、弾性力によって窪み部218の下面218Aに係合し、背板240は、底板210とも接続される。
【0065】
これによって、薬品収納ボックス200Aの組み立てが完了する。薬品収納ボックス200Aを構成する底板210、第1側板220、第2側板230、背板240を取り外す場合、背板240の係合爪247と底板210の窪み部218の下面218Aとの係合を解除し、上記の組み立て手順と逆の手順を行えばよい。
【0066】
<<薬品収納ボックス200Bの組み立て手順>>
先ず、薬品収納ボックス200Aと同様に、底板210、第1側板220、第2側板230、背板240を準備する。尚、温度データロガー400については、薬品収納ボックス200Aを組み立てる前に背板240の窪み部244に予め収容しておいてもよいし、薬品収納ボックス200Aを組み立てた後に背板240の窪み部244に収容してもよい。
【0067】
次に、第1アンテナ250が底板210の側を向くように、第1側板220における第2嵌合爪226Aが設けられている側の辺を下向き(-Z側)にする。そして、底板210の第2端面212に設けられている4個の突起217Bを、第1側板220に設けられている4個の挿入孔226Bにそれぞれ挿入した後に、第1側板220を底板210の手前方向(-Y方向)にスライドする。これによって、第1側板220の4個の第2嵌合爪226Aが底板210の4個の溝部217Aに挿入され、第1側板220は底板210と接続される。
【0068】
次に、第2側板230における補強リブ233が設けられていない側の面が底板210の側を向くように、第2側板230における第4嵌合爪235Aが設けられている側の辺を下向き(-Z側)にする。そして、底板210の第1端面211に設けられている4個の突起216Bを、第2側板230に設けられている4個の挿入孔235Bにそれぞれ挿入した後に、第2側板230を底板210の手前方向(-Y方向)にスライドする。これによって、第2側板230の4個の第4嵌合爪235Aが底板210の4個の溝部216Aに挿入され、第2側板230は底板210と接続される。
【0069】
次に、背板240における第2アンテナ260の面が底板210の側を向くようにする。そして、第2側板230の2個の溝部236を背板240の2個の挿入孔245Bに挿入するとともに、第1側板220の2個の溝部227を背板240の2個の挿入孔246Bに挿入する。この状態から、背板240を第1側板220および第2側板230の高さ方向の下側(-Z側)にスライドする。これによって、背板240の2個の嵌合爪245Aが第2側板230の2個の溝部236に挿入されるとともに、背板240の2個の嵌合爪246Aが第1側板220の2個の溝部227に挿入され、背板240は第1側板220および第2側板230と接続される。その後、更に、背板240を第1側板220および第2側板230の高さ方向の下側にスライドすると、背板240の2個の係合爪247が底板210の2個の窪み部218を摺動しながら、弾性力によって窪み部218の下面218Aに係合し、背板240は、底板210とも接続される。
【0070】
これによって、薬品収納ボックス200Bの組み立てが完了する。薬品収納ボックス200Bを構成する底板210、第1側板220、第2側板230、背板240を取り外す場合、背板240の係合爪247と底板210の窪み部218の下面218Aとの係合を解除し、上記の組み立て手順と逆の手順を行えばよい。
===薬品保冷庫への薬品収納ボックスの配置===
【0071】
図14(A)は、薬品保冷庫100内に例えば薬品収納ボックス200Aを2個並べて配置したことを示す要部正面図である。説明の便宜上、紙面左側を「薬品収納ボックス200A1」とし、紙面右側を「薬品収納ボックス200A2」とする。
図14(B)は、薬品保冷庫100内に、薬品収納ボックス200Aと、薬品収納ボックス200Bとを配置したことを示す要部正面図である。尚、説明の便宜上、薬品保冷庫100の扉140の記載を省略する。
【0072】
図14(A)では、薬品収納ボックス200A2の第1側板220と薬品収納ボックス200A1の第2側板230とが隣り合うことから、薬品収納ボックス200A2の第1アンテナ250は、薬品収納ボックス200A1に近い位置に配置されることとなる。この場合、薬品収納ボックス200A1の第1アンテナ250および第2アンテナ260によって、薬品収納ボックス200A1内に載置されている薬品300のICタグ310から当該薬品300に関する情報を受信しようとすると、薬品収納ボックス200A2の第1アンテナ250による電波反射の影響を受けて、ICタグ310に記憶されている情報を正しく受信することができなくなる虞がある。これは、薬品収納ボックス200Bを2個並べて配置した場合にも、同様の問題が生じる。
【0073】
そこで、このような問題を解決するため、薬品収納ボックス200A、200Bを1個ずつ組み立て、
図14(B)に示すように、薬品収納ボックス200Aを紙面左側に配置し、薬品収納ボックス200Bを紙面右側に配置する。これにより、薬品収納ボックス200A、200Bの双方の第1アンテナ250が遠ざかることから、隣り合う薬品収納ボックスの第1アンテナ250による電波反射の影響をなくすことができる。そして、薬品収納ボックス200A、200Bの双方において、薬品300に貼付されたICタグ310から、当該薬品300に関する情報を正しく受信することが可能となる。
【0074】
本実施形態によれば、同一の底板210、第1側板220、第2側板230、背板240から、2種類の薬品収納ボックス200A、200Bを容易に組み立てることができる。よって、薬品保冷庫100内への薬品収納ボックス200A、200Bの配置に迅速に対応することができる。
===薬品管理システム===
【0075】
図15は、本実施形態に係る薬品収納ボックスが用いられる薬品管理システムの一例を示すブロック図である。
【0076】
薬品管理システム1は、薬品保冷庫100内に収納された薬品収納ボックス200A、200B内に収納されている薬品300を示すID情報を、薬品保冷庫100の扉開閉情報と庫内温度情報、薬品収納ボックス200A、200B内の保冷温度情報及び薬品300の入出庫情報と紐付けて管理するシステムである。
【0077】
薬品管理システム1は、薬品保冷庫100に備わっている扉開閉検知センサ600と庫内温度センサ500、薬品収納ボックス200A、200Bに取り付けられた温度データロガー400の温度センサ410と、薬品収納ボックス200A、200Bに取り付けられている第1アンテナ250および第2アンテナ260と、に対して、制御装置150を通信可能に接続することによって構成される。
【0078】
制御装置150は、入力部151、計時部152、制御部153、記憶部154、出力部155を含んで構成されている。
【0079】
入力部151は、薬品保冷庫100の扉開閉検知センサ600からの扉開閉情報と庫内温度センサ500からの庫内温度情報、及び温度センサ410から薬品収納ボックス200A、200B内の温度情報を入力するとともに、第1アンテナ250および第2アンテナ260から薬品300を示すID情報を入力する。
【0080】
計時部152は、現在時刻を計時する。
制御部153は、第1アンテナ250および第2アンテナ260から薬品300を示すID情報を予め定められたサンプリング期間に従って定期的に取得する。例えば、制御部153は、第1アンテナ250および第2アンテナ260から薬品300を示すID情報を初めて取得したとき、当該薬品300が入庫したものと判断し、このときの現在時刻を当該薬品300が入庫した時刻と見做す。又、制御部153は、第1アンテナ250および第2アンテナ260から薬品300を示すID情報を取得できなくなったとき、当該薬品300が出庫したものと判断し、このときの現在時刻を薬品300が出庫した時刻と見做す。そして、制御部153は、薬品300のID情報を、薬品保冷庫100の扉開閉情報と庫内温度情報、薬品収納ボックス200A、200Bの温度情報及び薬品300の入出庫時刻の情報と紐付ける処理を行う。
【0081】
記憶部154は、制御部153によって紐付けられた情報を記憶する。
出力部155は、外部からの指示に従って、紐付けられた情報を出力する。
【0082】
尚、制御部153の機能は、記憶部154に記憶されているプログラムを実行することによって実現される。
【0083】
このようにして、薬品300と、当該薬品300が収納される薬品収納ボックス200を管理することが可能となる。
【0084】
ここで、制御部153は、ICタグ310からID情報を取得するために、例えば4チャネルの入力ポートCH1~CH4を有している。例えば、薬品収納ボックス200A、200Bを棚122上に並べて載置した場合、薬品収納ボックス200Aに設けられた第1アンテナ250および第2アンテナ260に接続されている2本のケーブルと、薬品収納ボックス200Bに設けられた第1アンテナ250および第2アンテナ260に接続されている2本のケーブルと、の合計4本のケーブルが、上記の4チャネルの入力ポートCH1~CH4に接続される。
【0085】
制御部153では、予め定められたサンプリング時間に従って、入力ポートCH1、CH2、CH3、CH4の順に、入力されるID情報を順次繰り返し取得するようになっている。尚、入力ポートCH1~CH4においてID情報を取得する順番については、上記に限らず、予め適宜設定した順番であってもよい。
【0086】
尚、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0087】
1 薬品管理システム
100 薬品保冷庫
110 外箱
120 内箱
130 機械室
140 扉
141 ガラス窓
150 制御装置
151 入力部
152 計時部
153 制御部
154 記憶部
155 出力部
200、200A、200B 薬品収納ボックス
210 底板
211 第1端面
212 第2端面
213 第3端面
214 通気孔
215 補強リブ
216A 溝部
216B 第1嵌合突起
217A 溝部
217B 第2嵌合突起
218 窪み部
218A 下面
220 第1側板
221 端面
222 窪み部
223 通気孔
224 補強リブ
225A 第1嵌合爪
225B 挿入孔
226A 第2嵌合爪
226B 挿入孔
227 溝部
230 第2側板
231 端面
232 通気孔
233 補強リブ
234A 第3嵌合爪
234B 挿入孔
235A 第4嵌合爪
235B 挿入孔
236 溝部
240 背板
241 窪み部
242 通気孔
243 補強リブ
244 窪み部
244A、244B 押さえ片
244C 台座
244D 通気孔
245A 嵌合爪
245B 挿入孔
246A 嵌合爪
246B 挿入孔
247 係合爪
300 薬品
310 ICタグ
400 温度データロガー
410 温度センサ
420 検知口
430A、430B 突起部
500 庫内温度センサ
600 扉開閉検知センサ