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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-29
(45)【発行日】2023-09-06
(54)【発明の名称】半導体集積回路及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/338 20060101AFI20230830BHJP
   H01L 29/778 20060101ALI20230830BHJP
   H01L 29/812 20060101ALI20230830BHJP
   H01L 33/04 20100101ALI20230830BHJP
【FI】
H01L29/80 H
H01L33/04
【請求項の数】 51
(21)【出願番号】P 2023513219
(86)(22)【出願日】2021-08-23
(86)【国際出願番号】 US2021047101
(87)【国際公開番号】W WO2022046611
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2023-04-17
(31)【優先権主張番号】63/069,551
(32)【優先日】2020-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519303726
【氏名又は名称】ジェフ ダブリュ.テイラー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ジェフ ダブリュ.テイラー
【審査官】石塚 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0365475(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0003399(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0079971(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0365476(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0025926(US,A1)
【文献】特開昭64-12581(JP,A)
【文献】特開平5-251475(JP,A)
【文献】特開平6-97461(JP,A)
【文献】特開平10-214906(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/778
H01L 21/338
H01L 29/812
H01L 33/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路を形成する方法であって、
基板の上に支持された複数の半導体層を堆積すること又は設けることであって、前記複数の半導体層は、i)少なくとも一つのn型層と、ii)少なくとも一つの前記n型層の上に形成された反転p型変調ドープ量子井戸構造であって、p型電荷シートの上に配置された量子井戸層と障壁層との少なくとも一つの対を有する、反転p型変調ドープ量子井戸構造と、iii)前記反転p型変調ドープ量子井戸構造の上に形成された非反転n型変調ドープ量子井戸構造であって、前記量子井戸層と前記障壁層との少なくとも一つの前記対の上に配置されたn型電荷シートを有する、非反転n型変調ドープ量子井戸構造と、iv)前記非反転n型変調ドープ量子井戸構造の上に配置された少なくとも一つのp型層であって、比較的高い濃度のp型ドープの第1のp型層を有し、前記第1のp型層は、比較的低い濃度のp型ドープの第2のp型層の下に形成された、少なくとも一つのp型層と、を有することと、
前記複数の半導体層にエッチング工程(E1)を行うことであって、前記エッチング工程(E1)は、前記第2のp型層の一部を露出することと、
前記第1のp型層に接触するp型ゲートイオン注入領域を形成するために、p型イオンを、前記エッチング工程(E1)によって露出された前記第2のp型層に注入することと、
前記非反転n型変調ドープ量子井戸構造に接触するn型ソースイオン注入領域及びn型ドレインイオン注入領域を形成するために、n型イオンを、前記複数の半導体層に注入することと、
前記p型ゲートイオン注入領域に接触するnチャネルHFETデバイスのゲート電極を形成することと、
前記n型ソースイオン注入領域及び前記n型ドレインイオン注入領域にそれぞれ接触する前記nチャネルHFETデバイスのソース電極及びドレイン電極を形成することと、
を備える、方法。
【請求項2】
前記nチャネルHFET素子のゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を形成する前に、前記nチャネルHFET素子の前記p型ゲートイオン注入領域、前記n型ソースイオン注入領域及び前記n型ドレインイオン注入領域をアニールする熱アニール工程を行うことを更に備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
耐火金属からフィーチャを形成することであって、前記フィーチャは、前記n型変調ドープ量子井戸構造によって設けられた量子井戸チャネルを覆い、前記n型ソースイオン注入領域及び前記n型ドレインイオン注入領域は、前記フィーチャの向かい合った辺に沿って互いに向かい合って配置され、前記p型ゲートイオン注入領域は、前記フィーチャの一つの端部に隣接して配置されることを更に備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記反転p型変調ドープ量子井戸構造に接触するp型バックゲートイオン注入領域を形成するために、前記p型イオンを、前記複数の半導体層に注入することと、
前記p型バックゲートイオン注入領域に接触する前記nチャネルHFETデバイスのバックゲート電極を形成することと、
を更に備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
耐火金属からフィーチャを形成することであって、前記フィーチャは、前記n型変調ドープ量子井戸構造によって設けられた量子井戸チャネルを覆い、前記n型ソースイオン注入領域及び前記n型ドレインイオン注入領域は、前記フィーチャの向かい合った辺に沿って互いに向かい合って配置され、前記p型ゲートイオン注入領域及び前記p型バックゲートイオン注入領域は、前記フィーチャの向かい合った端部に隣接して互いに向かい合って配置されることを更に備える、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記エッチング工程(E1)は、ドライエッチングを使用する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のp型層は、少なくとも7e18cm-3の濃度のp型ドーピングを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のp型層は、p型ドーピングされたAlGAAsの合金から形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のp型層は、Alx1GA(1-x1)Asから形成され、パラメ-タx1は、15%である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のp型層は、200~300Åの範囲の厚さを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記複数の半導体層は、iii)の前記非反転n型変調ドープ量子井戸構造とiv)の少なくとも一つの前記p型層との間の非ドープのスペーサ層を更に有し、
前記nチャネルHFETデバイスの前記n型ソースイオン注入領域及び前記n型ドレインイオン注入領域を形成するために、前記n型イオンを、前記非ドープのスペーサ層に注入する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のp型層に接触するp型エミッタイオン注入領域を形成するために、前記p型イオンを、前記エッチング工程(E1)によって露出した前記第2のp型層に注入することと、
前記非反転n型変調ドープ量子井戸構造に接触するn型ベースイオン注入領域を形成するために、前記n型イオンを、前記複数の半導体層に注入することと、
前記反転p型変調ドープ量子井戸構造に接触するp型コレクタイオン注入領域を形成するために、前記p型イオンを、前記複数の半導体層に前記p型イオンを注入することと、
前記p型エミッタイオン注入領域に接触するP-P BICFETデバイスのエミッタ電極を形成することと、
前記n型ベースイオン注入領域に接触する前記P-P BICFETデバイスのベース電極を形成することと、
前記p型コレクタイオン注入領域に接触する前記P-P BICFETデバイスのコレクタ電極を形成することと、
を更に備える、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記P-P BICFETデバイスのベース電極及びコレクタ電極は、相互接続されたセグメントを有する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記反転p型変調ドープ量子井戸構造に接触するp型ソースイオン注入領域及びp型ドレインイオン注入領域を形成するために、前記p型イオンを、前記複数の半導体層に注入することと、
前記複数の半導体層にエッチング工程(E2)を行うことであって、前記エッチング工程(E2)は、i)の前記n型層の上の層の一部を露出することと、
i)の前記n型層に接触するn型ゲートイオン注入領域を形成するために、前記n型イオンを、前記エッチング工程(E2)によって露出した層に注入することと、
前記n型ゲートイオン注入領域に接触するpチャネルHFET素子のゲート電極を形成することと、
前記p型ソースイオン注入領域及び前記p型ドレインイオン注入領域にそれぞれ接触する前記pチャネルHFET素子のソース電極及びドレイン電極を形成することと、
を更に備える、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記pチャネルHFET素子のゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を形成する前に、前記pチャネルHFET素子の前記n型ゲートイオン注入領域、前記p型ソースイオン注入領域及び前記p型ドレインイオン注入領域をアニールする工程を行うことを更に備える、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
耐火金属から追加のフィーチャを形成することであって、前記追加のフィーチャは、前記p型変調ドープ量子井戸構造によって設けられた量子井戸チャネルを覆い、前記p型ソースイオン注入領域及び前記p型ドレインイオン注入領域は、前記追加のフィーチャの向かい合った辺に沿って互いに向かい合って配置され、前記n型ゲートイオン注入領域は、前記追加のフィーチャの一つの端部に隣接して配置されることを更に備える、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記非反転n型変調ドープ量子井戸構造に接触するn型バックゲートイオン注入領域を形成するために、前記n型イオンを、前記複数の半導体層に注入することと、
前記n型バックゲートイオン注入領域に接触する前記pチャネルHFETデバイスのバックゲート電極を形成することと、
を更に備える、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
耐火金属から追加のフィーチャを形成することであって、前記追加のフィーチャは、前記p型変調ドープ量子井戸構造によって設けられた量子井戸チャネルを覆い、前記p型ソースイオン注入領域及び前記p型ドレインイオン注入領域は、前記追加のフィーチャの向かい合った辺に沿って互いに向かい合って配置され、前記n型ゲートイオン注入領域及び前記n型バックゲートイオン注入領域は、前記追加のフィーチャの向かい合った端部に隣接して互いに向かい合って配置されることを更に備える、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記エッチング工程(E2)は、ドライエッチングを使用する、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
i)の前記n型層は、少なくとも5×1018cm-3の濃度のn型ドーピングを有する、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
i)の前記n型層は、n型ドーピングされたガリウム砒素から形成される、請求項14に記載の方法。
【請求項22】
前記複数の半導体層は、ii)の前記反転p型変調ドープ量子井戸構造とiii)の前記非反転n型変調ドープ量子井戸構造との間の非ドープのスペーサ層を更に有し、
前記pチャネルHFETデバイスの前記p型ソースイオン注入領域及び前記p型ドレインイオン注入領域を形成するために、前記p型イオンを、前記非ドープのスペーサ層に注入する、請求項14に記載の方法。
【請求項23】
前記非反転n型変調ドープ量子井戸構造に接触するn型コレクタイオン注入領域を形成するために、前記複数の半導体層に前記n型イオンを注入することと、
前記反転p型変調ドープ量子井戸構造に接触するp型ベースイオン注入領域を形成するために、前記複数の半導体層に前記p型イオンを注入することと、
i)の前記n型層と接触するn型エミッタイオン注入領域を形成するために、前記n型イオンを、前記エッチング工程(E2)によって露出した層に注入することと、
前記n型コレクタイオン注入領域に接触するN-N BICFETデバイスのコレクタ電極を形成するとともに前記n型エミッタイオン注入領域に接触する前記N-N BICFETデバイスのエミッタ電極を形成することと、
前記p型ベースイオン注入領域に接触する前記N-N BICFET素子のベース電極を形成することと、
を更に備える、請求項14に記載の方法。
【請求項24】
前記N-N BICFETデバイスのベース電極及びコレクタ電極は、相互接続されたセグメントを有する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記nチャネルHFETデバイスを形成する間に、前記集積回路の一部として、少なくとも一つの光電子デバイス又は光デバイスを形成することを更に備える、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記複数の半導体層は、ガリウム砒素半導体材料のようなIII-V族化合物半導体材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
基板の上に支持された複数の半導体層であって、i)少なくとも一つのn型層と、ii)少なくとも一つの前記n型層の上に形成された反転p型変調ドープ量子井戸構造であって、p型電荷シートの上に配置された量子井戸層と障壁層との少なくとも一つの対を有する、反転p型変調ドープ量子井戸構造と、iii)前記反転p型変調ドープ量子井戸構造の上に形成された非反転n型変調ドープ量子井戸構造であって、前記量子井戸層と前記障壁層との少なくとも一つの前記対の上に配置されたn型電荷シートを有する、非反転n型変調ドープ量子井戸構造と、iv)前記非反転n型変調ドープ量子井戸構造の上に配置された少なくとも一つのp型層であって、比較的高い濃度のp型ドープの第1のp型層を有し、前記第1のp型層は、比較的低い濃度のp型ドープの第2のp型層の下に形成された、少なくとも一つのp型層と、を有する、複数の半導体層と、
前記第1のp型層に接触するp型ゲートイオン注入領域と、
前記非反転n型変調ドープ量子井戸構造に接触するn型ソースイオン注入領域及びn型ドレインイオン注入領域と、
前記p型ゲートイオン注入領域に接触するnチャネルHFETデバイスのゲート電極と、
前記n型ソースイオン注入領域及び前記n型ドレインイオン注入領域にそれぞれ接触する前記nチャネルHFETデバイスのソース電極及びドレイン電極と、
を備える集積回路。
【請求項28】
前記nチャネルHFET素子のゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を形成する前に、前記nチャネルHFET素子の前記p型ゲートイオン注入領域、前記n型ソースイオン注入領域及び前記n型ドレインイオン注入領域は、熱アニール工程によってアニールされている、請求項27に記載の集積回路。
【請求項29】
耐火金属から形成されたフィーチャであって、前記n型変調ドープ量子井戸構造によって設けられた量子井戸チャネルを覆い、前記n型ソースイオン注入領域及び前記n型ドレインイオン注入領域は、前記フィーチャの向かい合った辺に沿って互いに向かい合って配置され、前記p型ゲートイオン注入領域は、前記フィーチャの一つの端部に隣接して配置された、フィーチャを更に備える、請求項27に記載の集積回路。
【請求項30】
前記反転p型変調ドープ量子井戸構造に接触するp型バックゲートイオン注入領域と、
前記p型バックゲートイオン注入領域に接触する前記nチャネルHFETデバイスのバックゲート電極と、
を更に備える請求項27に記載の集積回路。
【請求項31】
耐火金属から形成されたフィーチャであって、前記n型変調ドープ量子井戸構造によって設けられた量子井戸チャネルを覆い、前記n型ソースイオン注入領域及び前記n型ドレインイオン注入領域は、前記フィーチャの向かい合った辺に沿って互いに向かい合って配置され、前記p型ゲートイオン注入領域及び前記p型バックゲートイオン注入領域は、前記フィーチャの向かい合った端部に隣接して互いに向かい合って配置された、フィーチャを更に備える、請求項30に記載の集積回路。
【請求項32】
前記第1のp型層は、少なくとも7×18cm-3の濃度のp型ドーピングを有する、請求項27に記載の集積回路。
【請求項33】
前記第1のp型層は、p型ドーピングされたAlGAAsの合金から形成されている、請求項27に記載の集積回路。
【請求項34】
前記第1のp型層は、Alx1GA(1-x1)Asから形成されており、パラメ-タx1は、15%である、請求項27に記載の集積回路。
【請求項35】
前記第1のp型層は、200~300Åの範囲の厚さを有する、請求項27に記載の集積回路。
【請求項36】
前記複数の半導体層は、iii)の前記非反転n型変調ドープ量子井戸構造とiv)の少なくとも一つの前記p型層との間の非ドープのスペーサ層を更に有し、
前記nチャネルHFETデバイスの前記n型ソースイオン注入領域及び前記n型ドレインイオン注入領域は、前記非ドープのスペーサ層内に延在している、請求項27に記載の集積回路。
【請求項37】
前記第1のp型層に接触するp型エミッタイオン注入領域と、
前記非反転n型変調ドープ量子井戸構造に接触するn型ベースイオン注入領域と、
前記反転p型変調ドープ量子井戸構造に接触するp型コレクタイオン注入領域と、
前記p型エミッタイオン注入領域に接触するP-P BICFETデバイスのエミッタ電極と、
前記n型ベースイオン注入領域に接触する前記P-P BICFETデバイスのベース電極と、
前記p型コレクタイオン注入領域に接触する前記P-P BICFETデバイスのコレクタ電極と、
を更に備える、請求項27に記載の集積回路。
【請求項38】
前記P-P BICFETデバイスのベース電極及びコレクタ電極は、相互接続されたセグメントを有する、請求項37に記載の集積回路。
【請求項39】
前記反転p型変調ドープ量子井戸構造に接触するp型ソースイオン注入領域及びp型ドレインイオン注入領域と、
i)の前記n型層に接触するn型ゲートイオン注入領域と、
前記n型ゲートイオン注入領域に接触するpチャネルHFET素子のゲート電極と、
前記p型ソースイオン注入領域及び前記p型ドレインイオン注入領域にそれぞれ接触する前記pチャネルHFET素子のソース電極及びドレイン電極と、
を更に備える、請求項27に記載の集積回路。
【請求項40】
前記pチャネルHFET素子の前記n型ゲートイオン注入領域、前記p型ソースイオン注入領域及び前記p型ドレインイオン注入領域は、熱アニール工程によってアニールされている、請求項39に記載の集積回路。
【請求項41】
耐火金属から形成された追加のフィーチャであって、前記p型変調ドープ量子井戸構造によって設けられた量子井戸チャネルを覆い、前記p型ソースイオン注入領域及び前記p型ドレインイオン注入領域は、前記追加のフィーチャの向かい合った辺に沿って互いに向かい合って配置され、前記n型ゲートイオン注入領域は、前記追加のフィーチャの一つの端部に隣接して配置された、フィーチャを更に備える、請求項39に記載の集積回路。
【請求項42】
前記非反転n型変調ドープ量子井戸構造に接触するn型バックゲートイオン注入領域と、
前記n型バックゲートイオン注入領域に接触する前記pチャネルHFETデバイスのバックゲート電極と、
を更に備える、請求項39に記載の集積回路。
【請求項43】
耐火金属から形成された追加のフィーチャであって、前記p型変調ドープ量子井戸構造によって設けられた量子井戸チャネルを覆い、前記p型ソースイオン注入領域及び前記p型ドレインイオン注入領域は、前記追加のフィーチャの向かい合った辺に沿って互いに向かい合って配置され、前記n型ゲートイオン注入領域及び前記n型バックゲートイオン注入領域は、前記追加のフィーチャの向かい合った端部に隣接して互いに向かい合って配置された、フィーチャを更に備える、請求項42に記載の集積回路。
【請求項44】
i)の前記n型層は、少なくとも5×1018cm-3の濃度のn型ドーピングを有する、請求項39に記載の集積回路。
【請求項45】
i)の前記n型層は、n型ドーピングされたガリウム砒素から形成されている、請求項39に記載の集積回路。
【請求項46】
前記複数の半導体層は、ii)の前記反転p型変調ドープ量子井戸構造とiii)の前記非反転n型変調ドープ量子井戸構造との間の非ドープのスペーサ層を更に有し、
前記pチャネルHFETデバイスの前記p型ソースイオン注入領域及び前記p型ドレインイオン注入領域は、前記非ドープのスペーサ層内に延在している、請求項39に記載の集積回路。
【請求項47】
前記nチャネルHFETデバイスは、インバータ回路又は論理ゲートの一部として前記pチャネルHFETデバイスの上に積層されている、請求項39に記載の集積回路。
【請求項48】
前記非反転n型変調ドープ量子井戸構造に接触するn型コレクタイオン注入領域と、
前記反転p型変調ドープ量子井戸構造に接触するp型ベースイオン注入領域と、
i)の前記n型層と接触するn型エミッタイオン注入領域と、
前記n型コレクタイオン注入領域に接触するN-N BICFETデバイスのコレクタ電極と、
前記p型ベースイオン注入領域に接触する前記N-N BICFET素子のベース電極と、
前記n型エミッタイオン注入領域に接触する前記N-N BICFETデバイスのエミッタ電極と、
を更に備える、請求項39に記載の集積回路。
【請求項49】
前記N-N BICFETデバイスのベース電極及びコレクタ電極は、相互接続されたセグメントを有する、請求項48に記載の集積回路。
【請求項50】
前記集積回路の一部として形成されている少なくとも一つの光電子デバイス又は光デバイスを更に備える、請求項27に記載の集積回路。
【請求項51】
前記複数の半導体層は、ガリウム砒素半導体材料のようなIII-V族化合物半導体材料を含む、請求項27に記載の集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2020年8月24日に出願された米国仮出願第63/069,551号からの優先権を主張し、その全体を参照により本明細書に組み込む。
【0002】
本願は、(ヘテロ接合電界効果トランジスタのような)電子機能及び(発光体、光検出器及び光スイッチ、活性導波路のような)光電子機能及び(受動導波路及び結合器のような)光機能を実装する半導体集積回路及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
本願は、米国特許第6,031,243号、2000年4月24日に出願された米国特許出願第09/556,285号、2001年3月2日に出願された米国特許出願第09/798,316号、2002年3月4日に出願された国際出願PCT/US02/06802号、1997年10月14日に出願された米国特許出願第08/949,504号、2002年7月23日出願に出願された米国特許出願第10/200,967号、2000年11月10日に出願された米国特許出願第09/710,217号、2002年4月26日に出願された米国特許出願第60/376,238号、2002年12月19日に出願された米国特許出願第10/323,390号、2002年10月25日に出願された米国特許出願第10/280,892号、2002年12月19日に出願された米国特許出願第10/323,390号、2002年12月19日に出願された米国特許出願第10/323,513号、2002年12月19日に出願された米国特許出願第10/323,389号、2002年12月19日に出願された特許出願第10/323,388号、2003年1月13日に出願された米国特許出願第10/340,942号、2013年6月19日に出願された米国特許出願第 13/921,311号及び2014年3月24日に出願された米国特許出願第14/222,841号及び2017年3月6日に出願された米国特許出願第15/450,400号に詳しく記載されているような反転量子井戸チャネルデバイス構造を利用した多様なデバイス(光電子デバイス、論理回路及び/又は信号処理回路)を実現するための(「平面光電子技術」又は「POETと称する」)技術の上に構築されたものであり、その全てを参照により本明細書に組み込む。
【0004】
これらの構造では、共通の基板上にデバイスを作るために、製造順序を利用することができる。換言すれば、これらのデバイスの全てを共通の基板の上に同時に実現するために、n型コンタクト、p型コンタクト、臨界エッチング等を使用することができる。このデバイス構造の本質的なフィーチャは、1)n型変調ドープ界面及びp型変調ドープ量子井戸界面、2)イオン注入により形成された自己整合n型チャネルコンタクト及びp型チャネルコンタクト、3)イオン注入により形成されたn型チャネルコンタクト及び下側n型層構造に対するn型金属コンタクト及び4)イオン注入により形成されたp型チャネルコンタクト及び上側p型層構造に対するp型金属コンタクトを有する。能動素子構造は、好適には、(GAAs/AlGAAsのような)III-V族材料の化合物半導体系で実現される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
様々な光電子スデバイスを構築するためにPOETを使用することができる。相補型NHFET及びPHFET単極電界効果トランジスタのような様々な高性能トランジスタデバイスを構築するためにPOETを使用することも可能である。NHFETトランジスタは、一つ以上の量子井戸の上に配置されたn型電荷シートを有するn型変調ドープ量子井戸界面を採用する。(一つ以上の)量子井戸は、ソース電極端子とドレイン電極端子との間で電子電荷キャリアを伝導させるための活性チャネルを形成する。n型電荷シートの上に配置された高濃度ドープp型層は、(一つ以上の)量子井戸によって形成された活性チャネルを通る電子電荷キャリアの流れを制御する電界を加えるゲート領域を形成する。ゲート領域への低抵抗の電気接触は、高濃度ドープp型層をエッチングして停止させる制御されたエッチング工程によって設けられる。これらのエッチングの制御は困難である。エッチング停止層を、高濃度ドープp型層の上に配置することができる。ドライエッチングは、エッチング停止層のごく近くまで行われる。その後、エッチング停止層までエッチングエッチングして停止させるために、ウェットエッチングが使用される。その後、エッチングストップ層の残りの部分を除去して高濃度ドープp型層を露出するために、別のウェットエッチング工程が使用される。これらノードライエッチング手順及びウェットエッチング手順は、エッチャント(例えば、酸)の選択、エッチング温度の制御及びエッチャントの選択の信頼性の問題のために、効果的にエッチストップ層を除去して高濃度ドープp型層を露出する制御が困難である場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
集積回路を形成する方法及び結果として生じる集積回路は、基板の上に支持された複数の半導体層を有し、複数の半導体層は、i)少なくとも一つのn型層と、ii)少なくとも一つのn型層の上に形成された反転p型変調ドープ量子井戸構造と、iii)反転p型変調ドープ量子井戸構造の上に形成された非反転n型変調ドープ量子井戸構造と、iv)非反転n型変調ドープ量子井戸構造の上に配置された少なくとも一つのp型層であって、比較的高い濃度のp型ドープの第1のp型層を有し、第1のp型層は、比較的低い濃度のp型ドープの第2のp型層の下に形成された、少なくとも一つのp型層と、を有する。第1のp型層に接触するp型ゲート注入領域を形成するために、p型イオンを、露出された第2のp型層に注入する。非反転n型変調ドープ量子井戸構造に接触するn型ソースイオン注入領域及びn型ドレインイオン注入領域を形成する。p型ゲートイオン注入領域に接触するnチャネルHFETデバイスのゲート電極を形成する。n型ソースイオン注入領域及びn型ドレインイオン注入領域にそれぞれ接触するnチャネルHFETデバイスのソース電極及びドレイン電極を形成する。PチャネルHFETデバイス、相補型BICFETデバイス、積層相補型HFETデバイス及びそれに基づく回路及び/又は論理ゲート並びに種々の光電子デバイス及び光デバイスを、集積回路の一部として形成することもできる。
【0007】
上述の実施形態において、p型イオン注入は、NチャネルHFETデバイスのゲート領域及び/又はバックゲート領域に接触するために使用され、n型イオン注入は、PチャネルHFETデバイスのゲート領域及び/又はバックゲート領域に接触するために使用される。これらの注入工程を効果的に制御することができ、相補型HFETデバイスの高性能動作のためにゲート抵抗を最小にするのを支援する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本明細書に記載の集積回路デバイス構造のための例示的なエピタキシャル半導体層構造を示す概略図である。
【0009】
図2A図2Aは、本明細書に記載の集積回路デバイス構造を実現するための例示的なエピタキシャル半導体層構造を示す図である。
図2B図2Bは、本明細書に記載の集積回路デバイス構造を実現するための例示的なエピタキシャル半導体層構造を示す図である。
【0010】
図3A図3Aは、本開示による例示的なpチャネルHFETデバイスの概略上面図である。
【0011】
図3B図3Bは、図3AにおいてX-X’を付した部分に沿った図3Aの例示的なpチャネルHFETデバイスの概略断面図である。
【0012】
図3C図3Cは、図3AにおいてY-Y’を付した部分に沿った図3Aの例示的なpチャネルHFETデバイスの概略断面図である。
【0013】
図3D図3Dは、本開示による例示的なnチャネルHFETデバイスの概略上面図である。
【0014】
図3E図3Eは、図3DにおいてX-X’を付した部分に沿った図3Dの例示的なnチャネルHFETデバイスの概略断面図である。
【0015】
図3F図3Fは、図3DにおいてY-Y’を付した部分に沿った図3Dの例示的なnチャネルHFETデバイスの概略断面図である。
【0016】
図4A図4Aは、本開示による例示的な積層相補型HFETインバータの概略図である。
【0017】
図4B図4Bは、本開示による例示的な積層相補型HFETインバータの概略上面図である。
【0018】
図4C図4Cは、図4BにおいてX-X’を付した部分に沿った図4Bの例示的な積層相補型HFETインバータの概略断面図である。
【0019】
図4D図4Dは、図4BにおいてY-Y’を付した部分に沿った図4Bの例示的な積層相補型HFETの概略断面図である。
【0020】
図5A図5Aは、本開示による他の例示的な積層相補型HFETインバータの概略上面図である。
図5B図5Bは、本開示による他の例示的な積層相補型HFETインバータの概略上面図である。
【0021】
図6A図6Aは、本開示による積層相補型HFETデバイスを有する例示的な2入力NANDゲートの概略図である。
【0022】
図6B図6Bは、本開示による積層相補型HFETデバイスを有する例示的な2入力NANDゲートの概略上面図である。
【0023】
図7A図7Aは、本開示による積層相補HFETデバイスを有する例示的な2入力NORゲートの概略図である。
【0024】
図7B図7Bは、本開示による積層相補型HFETデバイスを有する例示的な2入力NORゲートの概略上面図である。
【0025】
図8A図8Aは、本開示による例示的なP-P BICFETデバイスの概略上面図である。
【0026】
図8B図8Bは、図8AにおいてX-X’を付した部分に沿った図8Aの例示的なP-P BICFETデバイスの概略断面図である。
【0027】
図8C図8Cは、図8AにおいてY-Y’を付した部分に沿った図8Aの例示的なP-P BICFETデバイスの概略断面図である。
【0028】
図8D図8Dは、図8AにおいてZ-Z’を付した部分に沿った図8Aの例示的なP-P BICFETデバイスの概略断面図である。
【0029】
図9A図9Aは、本開示による例示的なN-N BICFETデバイスの概略上面図である。
【0030】
図9B図9Bは、図9AにおいてX-X’を付した部分に沿った図9Aの例示的なN-N BICFETデバイスの概略断面図である。
【0031】
図9C図9Cは、図9AにおいてY-Y’を付した部分に沿った図9Aの例示的なN-N BICFETデバイスの概略断面図である。
【0032】
図9D図9Dは、図9AにおいてZ-Z’を付した部分に沿った図9Aの例示的なN-N BICFETデバイスの概略断面図である。
【0033】
図10A図10Aは、図1及び/又は2A~2Bのエピタキシャル半導体層構造及び本明細書に記載の関連する製造方法論を採用する例示的な光電子デバイス及び光デバイスの概略図である。
図10B図10Bは、図1及び/又は2A~2Bのエピタキシャル半導体層構造及び本明細書に記載の関連する製造方法論を採用する例示的な光電子デバイス及び光デバイスの概略図である。
図11A図11Aは、図1及び/又は2A~2Bのエピタキシャル半導体層構造及び本明細書に記載の関連する製造方法論を採用する例示的な光電子デバイス及び光デバイスの概略図である。
図11B図11Bは、図1及び/又は図2A~2Bのエピタキシャル半導体層構造及び本明細書に記載の関連する製造方法論を採用する例示的な光電子デバイス及び光デバイスの概略図である。
図12A図12Aは、図1及び/又は図2A~2Bのエピタキシャル半導体層構造及び本明細書に記載の関連する製造方法論を採用する例示的な光電子デバイス及び光デバイスの概略図である。
図12B図12Bは、図1及び/又は図2A~2Bのエピタキシャル半導体層構造及び本明細書に記載の関連する製造方法論を採用する例示的な光電子デバイス及び光デバイスの概略図である。
図12C図12Cは、図1及び/又は図2A~2Bのエピタキシャル半導体層構造及び本明細書に記載の関連する製造方法論を採用する例示的な光電子デバイス及び光デバイスの概略図である。
図12D図12Dは、図1及び/又は図2A~2Bのエピタキシャル半導体層構造及び本明細書に記載の関連する製造方法論を採用する例示的な光電子デバイス及び光デバイスの概略図である。
図13A図13Aは、図1及び/又は図2A~2Bのエピタキシャル半導体層構造及び本明細書に記載の関連する製造方法論を採用する例示的な光電子デバイス及び光デバイスの概略図である。
図13B図13Bは、図1及び/又は図2A~2Bのエピタキシャル半導体層構造及び本明細書に記載の関連する製造方法論を採用する例示的な光電子デバイス及び光デバイスの概略図である。
図14図14は、図1及び/又は図2A~2Bのエピタキシャル半導体層構造及び本明細書に記載の関連する製造方法論を採用する例示的な光電子デバイス及び光デバイスの概略図である。
図15図15は、図1及び/又は図2A~2Bのエピタキシャル半導体層構造及び本明細書に記載の関連する製造方法論を採用する例示的な光電子デバイス及び光デバイスの概略図である。
図16図16は、図1及び/又は図2A~2Bのエピタキシャル半導体層構造及び本明細書に記載の関連する製造方法論を採用する例示的な光電子デバイス及び光デバイスの概略図である。
図17図17は、図1及び/又は図2A~2Bのエピタキシャル半導体層構造及び本明細書に記載の関連する製造方法論を採用する例示的な光電子デバイス及び光デバイスの概略図である。
図18図18は、図1及び/又は図2A~2Bのエピタキシャル半導体層構造及び本明細書に記載の関連する製造方法論を採用する例示的な光電子デバイス及び光デバイスの概略図である。
図19図19は、図1及び/又は図2A~2Bのエピタキシャル半導体層構造及び本明細書に記載の関連する製造方法論を採用する例示的な光電子デバイス及び光デバイスの概略図である。
図20図20は、図1及び/又は図2A~2Bのエピタキシャル半導体層構造及び本明細書に記載の関連する製造方法論を採用する例示的な光電子デバイス及び光デバイスの概略図である。
図21図21は、図1及び/又は図2A~2Bのエピタキシャル半導体層構造及び本明細書に記載の関連する製造方法論を採用する例示的な光電子デバイス及び光デバイスの概略図である。
図22図22は、図1及び/又は図2A~2Bのエピタキシャル半導体層構造及び本明細書に記載の関連する製造方法論を採用する例示的な光電子デバイス及び光デバイスの概略図である。
図23図23は、図1及び/又は図2A~2Bのエピタキシャル半導体層構造及び本明細書に記載の関連する製造方法論を採用する例示的な光電子デバイス及び光デバイスの概略図である。
【0034】
図24図24は、本明細書で説明する集積回路デバイス構造の他の例示的なエピタキシャル半導体層構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
ここで図1に目を向けると、本願のエピタキシャル半導体層構造は、ガリウム砒素(GaAs)のような化合物半導体又は他の適切な基板から実現される基板のような基板101の上に形成された下側ミラー層103を有する。下側ミラー層103は、互いに異なる屈折率を有する半導体材料又は誘電体材料の対のエピタキシャル成長によって典型的に構成される分布ブラッグ反射器(DBR)ミラーを形成することができる。互いに異なる屈折率を有する二つの材料を一緒に配置して接合部を形成するとき、接合部において光が反射される。そのような一つの境界で反射する光の量は少ない。しかしながら、複数の接合部/層の対を、各層が1/4波長(λ/4)の光学的厚さで周期的に積層する場合、特定の中心波長λで多量の反射光(例えば、大きい反射係数)を生じるようにするために、各境界からの反射光は、位相的に加算される。相補型ヘテロ構造電界効果トランジスタ(HFET)デバイス、場合によっては、他の電子デバイス、光電子デバイス及び光デバイスの実現に適した能動デバイス構造が、下側ミラー層103の上に堆積される。
【0036】
先ず、下側ミラー層103の上に一つ以上の高濃度ドープのn型層105が形成される。(一つ以上の)高濃度ドープのn型層105は、少なくとも3.5e18cm-3の濃度のn型ドーピングを有し、これにより、(一つ以上の)層105は、金属のような特性を有するように電気伝導が増大する。(一つ以上の)高濃度ドープのn型層105は、光電子デバイスの端子(例えば、陰極端子)用の下側n型抵抗接触領域を設けることができる。一つ以上の低濃度ドープのn型層103は、(一つ以上の)高濃度ドープのn型層105の上に形成される。(一つ以上の)低濃度ドープのn型層103は、5e16cm-3~5e17cm-3の間の範囲の濃度のn型ドーピングを有する。(一つ以上の)低濃度ドープのn型層103は、下側n型抵抗接触領域とその上の層との間の絶縁を設け、PチャネルHFETソース及びドレイン領域に対する低容量を設ける。pチャネルHFET(又はPHFET)のための層は、(一つ以上の)低濃度ドープのn型層103の上に形成される。pチャネルHFETのための層は、高濃度ドープのn型層109、非ドープのスペーサ層111及び反転p型変調ドープ量子井戸(QW)構造113を有する。(一つ以上の)高濃度ドープのn型層109は、少なくとも3.5e18cm-3の濃度のn型ドーピングを有する。高濃度ドープのn型層109は、pチャネルHFETのゲート領域を形成する。非ドープのスペーサ層111は、高濃度ドープのn型層109と反転p型変調ドープQW構造113との間にコンデンサ層を設ける。反転p型変調ドープQW構造113は、間に非ドープのスペーサ層を有する一つ以上のQWの下に形成された薄いP+ドープの電荷シートを有する。P+ドープの電荷シートは、少なくとも7e18cm-3の濃度のp型ドーピングを有する。
【0037】
一つ以上の非ドープのスペーサ層115を、反転p型変調ドープQW構造113上に形成することができる。
【0038】
nチャネルHFET(又はNHFET)のための層は、(一つ以上の)スペーサ層115の上に形成される。nチャネルHFETのための層は、非反転n型変調ドープQW構造117、非ドープのスペーサ層119及び高濃度ドープのp型層121を有する。非反転n型変調ドープQW構造117は、間に非ドープのスペーサ層を有する一つ以上のQWの上に形成された薄いN+ドープの電荷シートを有する。N+ドープの電荷シートは、少なくとも3.5e18cm-3の濃度のn型ドーピングを有する。非ドープのスペーサ層119は、非反転n型変調ドープQW構造117と高濃度ドープのp型層121との間にコンデンサ層を設ける。高濃度ドープのp型層121は、少なくとも7e18cm-3の濃度のp型ドーピングを有する。高濃度ドープのp型層121は、nチャネルHFETのゲート領域を形成する。
【0039】
非反転n型変調ドープQW構造117及び(一つ以上の)非ドープのスペーサ層115は、pチャネルHFETのバックゲート(又はコレクタ)領域を形成する。同様に、反転p型変調ドープQW構造113及び(一つ以上の)非ドープのスペーサ層115は、nチャネルHFETのバックゲート(又はコレクタ)領域を形成する。そのようなバックゲート(又はコレクタ)領域は、周知のように、MOSFETデバイスの基板領域に類似している。したがって、非反転nチャネルHFETデバイスは、能動デバイス構造の一部として、反転pチャネルHFETデバイスの上に積層される。
【0040】
複数の追加のp型層を、nチャネルHFETのゲート領域((一つ以上の)層121)の上に形成することができる。そのような(一つ以上の)追加のp型層は、一つ以上の低濃度ドープのp型層123に続いて、一つ以上の高濃度ドープのp型層125を有することができる。低濃度ドープのp型層123は、(1e17cm-3の例示的な目標を有する)5e16cm-3~5e17cm-3の間の範囲の濃度のp型ドーピングを有する。(一つ以上の)低濃度ドープのp型層123は、上側のp型オーミックコンタクト領域とその下の層との間の絶縁を設ける。(一つ以上の)低濃度ドープのp型層123は、VCSEL及び他の光電子デバイスの活性領域への電流のガイドを提供するためにイオン注入を使用することも可能にする。高濃度ドープのp型層125は、少なくとも7e18cm-3の濃度のp型ドーピングを有し、これにより、(一つ以上の)層125が金属様の特性を有するように電気伝導が増大する。(一つ以上の)高濃度ドープのp型層125は、光電子デバイスの端子(例えば、陽極端子)のための上側p型抵抗接触領域を設ける。
【0041】
一つ以上の非ドープのスペーサ層127を、図示のように、(一つ以上の)高濃度ドープのp型層125の上に形成することができる。光信号放出及び/又は検出のための共振キャビティデバイスを形成するために、上述した能動デバイス構造の上に上側ミラー層129を形成することができる。上側ミラー層129は、互いに異なる屈折率を有する半導体又は誘電体材料の対を堆積させることによって形成することができる。一つ以上の非ドープのスペーサ層127は、共振キャビティデバイスのための垂直キャビティ寸法の調整を行うことができ、本明細書に記載されている(VCSELのような)光学デバイスのための開口を形成することができ、かつ、光学デバイスのための能動面内光学導波路構造及び受動面内光学導波路構造を形成することができる。
【0042】
下側n型層105,107,109、反転p型変調ドープQW構造113、非反転n型変調ドープQW構造117及び上部p型層121,123,125は、垂直サイリスタ(N-P-N-P)デバイス構造を画定する。下側n型層105,107,109は、垂直サイリスタ(N-P-N-P)装置構造の下側n型領域を形成する。反転p型変調ドープQW構造113は、縦型サイリスタ(N-P-N-P)デバイス構造の中間p型領域を形成する。非反転n型変調ドープQW構造117は、縦型サイリスタ(N-P-N-P)デバイス構造の中間n型領域を形成する。上側p型層121,123,125は、縦型サイリスタ(N-P-N-P)素子構造の上側p型領域を形成する。この縦型サイリスタ(N-P-N-P)素子構造を、必要に応じて光サイリスタ素子又は電気サイリスタ素子を画定するために使用することができる。
【0043】
nチャネルHFETデバイスを作製するために、露出した層からゲート領域の中まで垂直下方に延在するp型イオン注入領域を形成するためにゲート領域の上の(p型層123のような)層のうちの一つの一部を露出するようにエッチングダウンするとともにp型イオンを露出した層に注入することによって、nチャネルHFETデバイスのゲート領域((一つ以上の)層121)に電気的な接触を形成する。p型金属を、p型イオン注入領域の上に堆積するとともにパターン化することができる。 このようにして形成されたp型金属は、nチャネルHFETデバイスのゲート電極を形成する。所望であれば、露出した層115からバックゲート領域の中まで垂直下方に延在するp型イオン注入領域を形成するために層115の一部を露出するようにエッチングダウンするとともにp型イオンを露出した層115に注入することによって、nチャネルHFETデバイスのバックゲート領域(反転p型変調ドープQW構造113及び(一つ以上の)非ドープのスペーサ層115)に電気的な接触を形成することができる。p型金属を、p型イオン注入領域の上に堆積するとともにパターン化することができる。この結果、パターン化されたp型金属は、nチャネルHFETデバイスのバックゲート電極を形成する。nチャネルHFETデバイスのソース端子電極及びドレイン端子電極は、n型イオン注入コンタクト領域を介して、n型変調ドープQW構造117において実現される(一つ以上の)QWチャネルの反対端に電気的に結合される。エッチング工程は、層119の一部をエッチングダウンして露出することができ、これにより、n型イオン注入コンタクト領域を形成するためのn型イオンの露出した層119への注入工程と、ソース端子電極及びドレイン端子電極とnチャネルHFETデバイスのためのn型変調ドープQW構造117で実現された(一つ以上の)QWチャネルの反対端との間の電気接触の形成と、が容易になる。
【0044】
pチャネルHFETデバイスを作製するために、露出した層111からゲート領域((一つ以上の)層109)の中まで垂直下方に延在するn型イオン注入領域を形成するために層111の一部を露出するようにエッチングダウンするとともに露出した層111にn型イオンを注入することによって、pチャネルHFETデバイスのゲート領域((一つ以上の)層109)に電気的な接触を形成する。n型金属を、n型イオン注入領域の上に堆積するとともにパターン化することができる。この結果、パターン化されたn型金属は、pチャネルHFETデバイスのゲート電極を形成する。所望であれば、露出した層119から(非反転n型変調ドープQW構造117を含む)バックゲート領域の中まで垂直下方に延在するn型イオン注入領域を形成するために層119の一部を露出するようにエッチングダウンするとともに露出した層119にn型イオンを注入することによって、pチャネルHFETデバイスのバックゲート領域(非反転n型変調ドープQW構造117及び(一つ以上の)非ドープのスペーサ層115)に電気的な接触を形成することができる。n型金属を、n型イオン注入領域の上に堆積するとともにパターン化することができる。この結果、パターン化されたn型金属は、pチャネルHFETデバイスのバックゲート電極を形成する。pチャネルHFETデバイスのソース端子電極及びドレイン端子電極は、p型イオン注入コンタクト領域を介して、p型変調ドープQW構造113において実現される(一つ以上の)QWチャネルの反対端に電気的に結合される。エッチング工程は、層115の一部をエッチングダウンして露出することができ、これにより、p型イオン注入コンタクト領域を形成するためのp型イオンの露出した層115への注入工程と、ソース及びドレイン端子電極とpチャネルHFETデバイスのためのp型変調ドープQW構造113で実現されたる(一つ以上の)QWチャネルの反対端との間の電気接触の形成と、が容易になる。
【0045】
nチャネルHFETデバイスとpチャネルHFETデバイスの両方は、両端に接触するQWチャネルを電流が2次元ガスとして流れる電界効果トランジスタである。トランジスタの基本的な動作は、QWチャネルに垂直な変調電界によるQWチャネルのコンダクタンスの変調である。変調された電界は、ソース電圧に対するゲート電圧の関数として反転層(すなわち、nチャネルデバイスに対する2次元電子ガス又はpチャネルHFETに対する2次元ホールガス)を制御することによってQWチャネルのコンダクタンスを変調する。
【0046】
nチャネル型HFETデバイスについては、ゲート端子電極及びソース端子電極を、ゲート領域とソース領域のP/N接合に順バイアスがかけられてゲート伝導が最小となるとともにソース端子電極とドレイン端子電極との間のn型変調ドープQW構造117のQWチャネルに電子ガスの反転層が形成される電圧でバイアスをかけることにより、QWチャネルのコンダクタンスをオンにする。この構成において、ソース端子電極は、n型変調ドープQW構造117のQWチャネルに電子キャリアが入る端子電極であり、ドレイン端子電極は、電子キャリアがデバイスから出て行く端子電極であり、ゲート端子電極は、デバイスの制御端子である。
【0047】
pチャネルHFET素子は、nチャネルHFET素子に対して電流方向と電圧極性を逆にしてnチャネルHFET素子と同様に動作する。pチャネル型HFET素子については、ソース領域とゲート領域のP/N接合に順バイアスがかけられてゲート伝導が最小となるとともにソース端子電極とドレイン端子電極の間のp型変調ドープQW構造113のQWチャネルにホールガスの反転層を生成する電圧でゲート端子電極及びソース端子電極にバイアスをかけることによって、QWチャネルのコンダクタンスをオンにする。この構成において、ソース端子電極は、p型変調ドープQW構造113のQWチャネルにホールキャリアが入る端子であり、ドレイン端子電極は、ホールキャリアが抜ける端子であり、ゲート端子電極は、デバイスの制御端子である。
【0048】
nチャネルHFETを、ソース端子電極及びドレイン端子電極がQWチャネル領域の両側にある活性導波路領域のn型変調ドープQW構造117のQWチャネル領域を電流が2次元ガスとして流れるフォトトランジスタとして動作するように構成することもできる。基本的なトランジスタの動作は、フォトトランジスタの活性導波路領域内を伝搬する光モードの吸収によって生じる反転層(すなわち、2次元電子ガス)によるQWチャネルのコンダクタンスの変調である。この場合、ゲート端子電極を省略することができる。具体的には、QWチャネルのコンダクタンスは、フォトトランジスタの活性導波路領域内を伝搬する光モードの吸収によりソース端子電極とドレイン端子電極との間のn型変調ドープ量子井戸構造117のQWチャネル内に電子ガスの反転層が生成されることによって制御される。この反転層は、ソース端子電極とドレイン端子電極との間で電流を導通させるソース-ドレイン電流路を提供する。すなわち、フォトトランジスタ素子のソース-ドレイン電流路は、導通オンの状態である。反転が存在しない場合、ソース端子電極とドレイン端子電極との間で電流を導通させるソース-ドレイン電流路は存在しない。すなわち、フォトトランジスタのソース-ドレイン電流経路は、非導通のオフ状態である。この構成において、ソース端子電極は、n型変調ドープQW構造117のQWチャネルに電子キャリアが入る端子電極であり、ドレイン端子電極は、電子キャリアが素子から出る端子電極である。
【0049】
pチャネルHFETを、ソース端子電極及びドレイン端子電極がQWチャネル領域の両側にある活性導波路領域のp型変調ドープQW構造113のQWチャネル領域を電流が2次元ガスとして流れるフォトトランジスタとして動作するように構成することもできる。基本的なトランジスタの動作は、フォトトランジスタの活性導波路領域内を伝播する光モードの吸収によって生じる反転層(すなわち、2次元ホールガス)によるQWチャネルのコンダクタンスの変調である。この場合、ゲート端子電極を省略することができる。具体的には、QWチャネルのコンダクタンスは、フォトトランジスタの活性導波路領域内を伝播する光モードの吸収によりソース端子電極とドレイン端子電極との間のp型変調ドープ量子井戸構造32のQWチャネル内にホールガスの反転層が生成されることによって制御される。この反転層は、ソース端子電極とドレイン端子電極との間で電流を導通させるソース-ドレイン電流路を提供する。すなわち、フォトトランジスタ素子のソース-ドレイン電流路は、導通オンの状態である。反転が存在しない場合、ソース端子電極とドレイン端子電極との間で電流を導通させるソース-ドレイン電流路は存在しない。すなわち、フォトトランジスタのソース-ドレイン電流経路は、非導通のオフ状態である。この構成において、ソース端子電極は、p型変調ドープQW構造22のQWチャネルにホールキャリアが入る端子電極であり、ドレイン端子電極は、ホールキャリアが素子から出る端子電極である。
【0050】
図2A及び図2Bは、まとめて、本明細書に記載の集積回路デバイス構造を実現するための例示的なエピタキシャル半導体層構造を示す図である。他の実施形態において、リン化インジウム材料のような他のIII-V族材料を、図1のエピタキシャル層構造を実現するために使用することができる。図2A及び図2Bのエピタキシャル層構造を、例えば、分子線エピタキシー(MBE)技術、化学気相成長技術又は他の適切な技術を使用して製造することができる。 図2Bから開始すると、半絶縁性GaAs基板101の上にアルミニウムヒ素(AlAs)の半導体層とガリウムヒ素(GaAs)の半導体層を交互に(好適には、少なくとも7対で)順次堆積して底部ミラー層103を形成することができる。AlAs層の数は、好適には、ミラーの最初と最後の層がAlAsであるように、GaAs層の数よりも常に一つ多くなる。実施形態において、設計された中心波長でミラーが形成されるように、AlAs層を、化合物Alを生成するために製造中に高温蒸気酸化することができる。この中心波長は、デバイス構造の所望の共振波長の全てが高い反射率にさらされるように選択される。一実施形態において、下側ミラー層103のAlAs層及びGaAs層の厚さを、GaAs及びAlの最終光学厚さが中心波長λの1/4波長となるように選択することができる。代替的には、ミラーを、酸化ステップを使用しないように、設計された波長でGaAsとAlAsの1/4波長の厚さの交互の層として成長させることができる。この場合、効率的な光レージング及び光検出に必要な反射率を実現するために(980nmで27.5対又は850nmで29.5対などが一般的である)更に多くの対が必要となる。
【0051】
抵抗接触を形成することができるN+ GaAs材料の層105で始まる活性デバイス構造が、下側ミラー層103の上に堆積される。層105は、4×1018cm-3の典型的なn型ドーピング及び1000Å付近の典型的な厚さを有する。N+ GaAs層105は、上述した図1の高濃度ドープのn型層105に対応する。
【0052】
AlGAAsのN型合金の層107が、層105の上に堆積される。 実施形態において、層107を、パラメ-タx1が好適には15%であるとともに1×1017cm-3の典型的なn型ドーピング及び1000Åの典型的な厚さを有するAlx1Ga(1-x1)Asの合金とすることができる。N型AlGaAs層107は、更に低い導波路クラッド及び光学的閉じ込めを設けることができる。また、pチャネルHFETデバイスの低ソース-ゲート間容量及び低ドレインゲート間容量並びにN-N BICFERTデバイスの低エミッタ-ベース間容量を可能にする。N型AlGaAs層107は、上述した図1の低濃度ドープのn型層107に対応する。
【0053】
N+GaAs材料の層109が、層107の上に堆積される。 実施形態において、N+GaAs層は、3.5×1018cm-3の典型的なn型ドーピング及び300Åの典型的な厚さを有することができる。N+GaAs層109は、pチャネルHFETデバイスのゲート領域の一部として電気的に機能し、pチャネルHFETデバイスのゲート領域の入力容量を規定するコンデンサの下側プレートを形成することができる。層109は、層109への空乏によるコンデンサスペーサ層111の侵入を制限するために十分なn型ドーピングを組み込むことができる。N+GaAs層109は、上述した図1の高濃度ドープのn型層109に対応する。
【0054】
次に、AlGaAsの合金から形成された非ドープのスペーサ層111が、N+GaAs層109の上に堆積される。実施形態において、スペーサ層111は、パラメ-タx1が好適には15%であるとともに300Åの典型的な厚さを有するAlx1Ga(1-x1)Asの合金から形成される。スペーサ層111は、pチャネルHFETのゲート領域の入力容量を規定するコンデンサの下側プレート(層109)と上側プレート(反転p型変調ドープQW構造113のP+電荷シート)との間のスペーサ層を形成する。非ドープのAlGaAsスペーサ層111は、上述した図1の非ドープのコンデンサ層111に対応する。
【0055】
次に、反転p型変調ドープ量子井戸構造113を、スペーサ層121の上に形成する。反転p型変調ドープ量子井戸構造113は、AlGaAsの合金から形成された薄いp型電荷シートを有する。実施形態において、p型電荷シートを、パラメ-タx1が好適には15%であるAlx1Ga(1-x1)Asから形成することができる。p型電荷シートは、7×1018cm-3の典型的なp型ドーピング及び40Åの典型的な厚さを有する。p型電荷シートは、pチャネルHFETデバイスのゲート領域の入力容量を規定するコンデンサの下側プレートを形成する。p型電荷シートは、反転p型変調ドープ量子井戸構造113のためのp型変調ドープ層として機能する。次に、非ドープのスペーサ層を、AlGaAsの合金から形成する。実施形態において、非ドープのスペーサ層は、パラメ-タx1が好適には15%であるとともに30Åの典型的な厚さを有するAlx1Ga(1-x1)Asの合金から形成される。次に、InGaAs QW層及び非ドープのGaAs障壁層が、(三つ以上の量子井戸のような)量子井戸の数だけ繰り返される。単一の量子井戸構造を使用してもよい。実施形態において、InGaAs QW層を、パラメ-タx1が好適には20%であるとともに60Åの典型的な厚さを有するInx1Ga(1-x1)Asの合金から形成することができる。実施形態において、非ドープのGaAs障壁層は、100Åの典型的な厚さを有する。これらの層は、上述の図1の反転p型変調ドープ量子井戸構造113に対応する。他の実施形態において、Sb(アンチモン化物)の優れたホール移動度を利用するために、反転p型変調ドープQW構造113のQW層を、InGaSBの合金又はInGaAsSBの合金から形成することができる。例えば、QW層を、合金Inx1Ga(1-x1)SB又はInx1Ga(1-x1)Asy1SB(1-y1)とすることができる。合金のパラメ-タx1は、50%であり、非常に高い圧縮応力で改善された移動度にアクセスするために、20Åまでの厚さにすることができる。
【0056】
次に、AlGaAsの合金の非ドープのスペーサ層115が、反転p型変調ドープ量子井戸構造113の最後の非ドープのGaAs障壁層の上に形成される。実施形態において、非ドープのスペーサ層115は、パラメ-タx1が好適には20%であるとともに2000Åの典型的な厚さを有するAlx1Ga(1-x1)Asの合金から形成される。スペーサ層115を、エピタキシャル層構造の連続性を説明するために、図2A及び図2Bの両方に示す。スペーサ層115は、上述した図1の(一つ以上の)非ドープのスペーサ層115に対応する。
【0057】
次に、非反転n型変調ドープ量子井戸構造117が、非ドープのスペーサ層115の上に形成される。非反転n型変調ドープ量子井戸構造117は、(三つ以上の量子井戸のような)量子井戸の数だけ繰り返される非ドープのInGaAs QW層及びGaAs障壁層を有する。単一の量子井戸構造を使用してもよい。実施形態において、非ドープのInGAAs QW層は、パラメ-タx1が好適には20%であるとともに60Åの典型的な厚さを有するInx1Ga(1-x1)Asの合金から形成される。実施形態において、非ドープのスペーサ層は、パラメ-タx1が好適には15%であるとともに30Åの典型的な厚さ(又はスケ-ル構造において30Åより小さいの厚さ)を有するAlx1Ga(1-x1)Asの合金から形成される。次は、薄いn型電荷シートである。実施形態において、n型電荷シートは、パラメ-タx1が好適には15%であるAlx1Ga(1-x1)Asの合金から形成される。n型電荷シートは、3.5×1018cm-3の典型的なn型ドーピングでN+をドープされ、80Åの典型的な厚さを有する。また、n型電荷シートは、nチャネルHFETのゲート領域の入力容量を規定するコンデンサの下側プレートを形成する。これらの層は、上述した図1のn型変調ドープQW構造117に対応する。他の実施形態において、非反転n型変調ドープQW構造117の(一つ以上の)QW層を、QWバンドギャップを低減するとともに波長を1500nmの範囲にシフトするために変成成長技術を使用して形成することができる。その場合、(一つ以上の)QW層のインジウムの濃度を、60%より大きくすることができる。
【0058】
次に、AlGaAsの合金から形成された非ドープのスペーサ層119が、n型変調ドープ量子井戸構造117のn型電荷シートの上に堆積される。実施形態において、非ドープのスペーサ層119を、パラメ-タx1が好適には15%であるとともに300Åの典型的な厚さを有するAlx1Ga(1-x1)Asから形成することができる。スペーサ層119は、nチャネルHFETのゲート領域の入力容量を規定するコンデンサの下側プレート(n型電荷シート)と上側プレート(層121)の間のスペーサ層を形成する。非ドープのAlGaAs層119は、上述した図1の(一つ以上の)スペーサ層119に対応する。
【0059】
次に、p型ドーピングを有するAlGaAsの合金から形成された層121が、非ドープのAlGaAs層119の上に堆積される。実施形態において、層121は、パラメ-タx1が好適には15%であるAlx1Ga(1-x1)Asから形成される。層121は、7×1018cm-3の典型的なp型ドーピングでP+ドープされ、200~300Åの典型的な厚さを有する。層121は、nチャネルHFETデバイスのゲート領域の一部として電気的に機能することができ、かつ、nチャネルHFETデバイスのゲート領域の入力容量を規定するコンデンサの上側プレートを形成することができる。層121は、層121への空乏によるコンデンサスペーサ層119の浸透を制限するために、十分なp型ドーピングを組み込むことができる。 層121は、上述した図1の(一つ以上の)高濃度ドープのp型層121に対応する。
【0060】
次に、p型ドーピングを有するAlGaAsの合金から形成された層123を、p型AlGaAs層121の上に堆積する。実施形態において、層123は、パラメ-タx1が好適には20%であるAlx1Ga(1-x1)の合金から形成される。層123は、1×1017cm-3の典型的なp型ドーピングでPドープされ、1000Åの典型的な厚さを有する。層123のp型AlGaAs材料は、上側導波路クラッド及び光閉じ込めを提供し、vcelデバイスのための電流ステアリング注入を可能にする。層123は、上述した図1の(一つ以上の)低濃度ドープのp型層123に対応する。
【0061】
次に、P+GaAs材料の層125を、p型AlGaAs層121の上に堆積する。P+ドープのGaAs層125は、その上に抵抗接触を形成することを可能にする。層125は、7×1018cm-3の典型的なp型ドーピング及び1000Åの典型的な厚さを有する。P+ドープのGaAs層125は、上述の図1の(一つ以上の)高濃度ドープのp型層125に対応する。
【0062】
次に、非ドープのGaAsの層127を、P+ドープのGaAs層125の上に堆積する。層127は、250Å以上の典型的な厚さを有することができる。層127を、本明細書に記載されているような(VCSELのような)光デバイスの開口を形成するとともに光デバイスの能動面内光導波路構造及び受動面内光導波路構造を形成するための共振キャビティ調整に使用することができる。層127は、上述した図1の(一つ以上の)非ドープの層127に対応する。
【0063】
光信号放出及び/又は検出のための共振キャビティデバイスを形成するために、上側ミラー層129を、上述の能動デバイス構造の上に形成することができる。上側ミラー層129を、互いに異なる屈折率を有する半導体又は誘電体材料の対を堆積させることによって形成することができる。
【0064】
図3A図3Cは、図1及び/又は図2A及び図2Bのエピタキシャル層構造から実現される例示的なpチャネルHFETデバイス(又はPHFETデバイス)を示す。図3A及び3Bに最もよく示すように、p型変調ドープQW構造113がソースp型イオン注入領域304aとドレインp型イオン注入領域304bとの間(及びそれに電気的に接続したソース端子電極306aとドレイン端子電極306bとの間)にチャネル領域を形成するように、ソース端子電極306A及びドレイン端子電極306Bは、対応するソースp型イオン注入領域304a及びドレインp型イオン注入領域304bを介してp型変調ドープQW構造113に電気的に結合される。(タングステンのような)耐火金属又は他の適切な材料から形成することができるフィーチャ301は、層123のエッチングによって形成されたメサの上にパターン化される(図3A図3B図3C)。フィーチャ301は、pチャネルHFETのチャネル領域を覆う。p型変調ドープQW構造113の約200Å上の層115にエッチングが行われる。エッチングは、図3Bに最もよく示すように、フィーチャ301の向かい合った辺に沿って延在するソースp型イオン注入領域304a及びドレインp型イオン注入領域304bを形成するために、層115の露出した部分へのp型イオン(例えば、Be/Fイオン)の注入を受ける層115の(ソースコンタクト領域及びドレインコンタクト領域と称する)部分を露出する。フィーチャ301の長さ(L)寸法は、ソースp型イオン注入領域304aとドレインp型イオン注入領域304bとの間のチャネル領域の有効長に寄与する。図3Cに最もよく示すように、露出した層111からフィーチャ301の一つの端部におけるpチャネルHFETデバイスのゲート領域((一つ以上の)層109)の中まで垂直下方に延在するゲートn型イオン注入領域302aを形成するために、露出した層111へのn型イオン(例えば、Si/Fイオン)注入の対象となるフィーチャ301の一端の層111の(ゲートコンタクト領域と称する)部分を露出する別のエッチングが行われる。チャネル長を画定し、かつ、ソースイオン注入及びドレインイオン注入のためにフィーチャの向かい合った辺に沿うとともにゲートイオン注入のためにフィーチャの一方の端部にある自己整合注入マスクを提供するために、フィーチャ301を使用することができる。n型変調ドープQW構造117の上方約300Åの層119に(層123のタングステンレベルから開始する)別のエッチングが行われる。このエッチングにより、ゲートコンタクト領域及びゲートn型イオン注入領域302aの領域に対向するフィーチャ301の他方の端部における層119の(バックゲートコンタクト領域と称する)部分が露出される。図3Cに最もよく示すように、層119の露出した部分は、露出した層119からフィーチャ301の他方の端部におけるnチャネルHFETデバイスの(非反転n型変調ドープQW構造117を含む)バックゲート領域の中まで垂直下方に延在するバックゲートn型イオン注入領域302bを形成するために、n型イオン(例えば、Si/Fイオン)が注入される。バックゲートイオン注入のためにフィーチャの他方の端部における自己整列型注入マスクを提供するために、フィーチャ301を使用することができる。フィーチャ301の幅(W)寸法は、ゲートn型イオン注入領域302aとバックゲートn型イオン注入領域302bとの間のチャネル領域の有効幅に寄与する。この構成において、pチャネルHFETデバイスのチャネル領域の幅(W)寸法及び対応する有効幅は、pチャネルHFETデバイスのチャネル領域の(典型的な応用の場合の)長さ(L)寸法及び対応する有効長より著しく大きく、ゲートn型イオン注入領域302a及びバックゲートn型イオン注入領域302bは、フィーチャ301の幅(W)寸法及びpチャネルHFETデバイスのチャネル領域の対応する有効幅の向かい合った端部に配置される。図3A及び図3Bに最もよく示すように、下側ミラー層103までのエッチング309は、p型イオン注入領域304a,304bを組み込むメサ303a,303bを形成することができる。図3A及び図3Cに最もよく示すように、下側ミラー層103までのエッチング309は、ゲートn型イオン注入領域302aを組み込むメサ307aを形成することができる。図3A及び図3Cに最もよく示すように、下側ミラー層103に至る同一又は類似のエッチングは、バックゲートn型イオン注入領域302bを組み込むメサ307bを形成することができる。ソースp型イオン注入領域304a、ドレインp型イオン注入領域304b、ゲートn型イオン注入領域302a及びバックゲートn型イオン注入領域302bは、イオン照射により非晶構造となる。メタライゼーションの前に、ソースp型イオン注入領域304a、ドレインp型イオン注入領域304b、ゲートn型イオン注入領域302a及びバックゲートn型イオン注入領域302bをアニールするRTA(高温短時間アニール)工程を行うことができる。RTA工程の熱エネルギ-は、非晶構造を単結晶構造に戻し、ドーパント原子が(n型の場合の)ドナー又は(p型の場合の)アクセプタとして半導体層の上に結合を形成することができる。図3A及び図3Bに示すようなソース端子電極306a及びドレイン端子電極306bを形成するために、(p型金のような)p型金属を、対応するソースp型イオン注入領域304a及びドレインp型イオン注入領域304bにそれぞれ接触するメサ303a,303bの上に堆積するとともにパターン化することができる。図3A及び図3Cに示すようなゲート端子電極305a及びバックゲート端子電極305bを形成するために、(p型金のような)p型金属を、対応するゲートn型イオン注入領域302a及びバックゲートn型イオン注入領域302bにそれぞれ接触するメサ307a,307bの上に堆積してパターン化することができる。
【0065】
pチャネルHFETデバイスは、負の電圧レベルVGSでデバイスがオンになるエンハンスメントモードデバイスである。通常の動作の下では、ソース端子電極306aは、正の電圧レベルVSDによってドレイン端子電極306bに対して順バイアスがかけられ、ゲート端子電極305aは、負の電圧レベルVGSによってソース端子電極306aに対して逆バイアスがかけられる。VSDの値が小さい場合、デバイスは、ドレイン電流IがVSDに対して擬似的に線形に変化する三極領域で動作することができる。VSDの値が大きい場合、デバイスは、ドレイン電流IがVSDに対して略一定である定電流領域で動作する。デバイスのバックゲート端子電極305bは、構造体113の(一つ以上の)p型QW反転チャネルの上の領域のバイアス制御を行うことができる。更に具体的には、ソース端子電極306aに対するバックゲート端子電極305bの正のバイアスは、pチャネルHFETデバイスのターンオン電圧の減少(すなわち、負の閾値の増加)を引き起こす。また、このバイアス電圧は、ダイオードの空乏領域幅を増加させ、これによって、寄生ノード容量を減少させることができる。
【0066】
図3D~3Fは、図1及び/又は図2A及び図2Bのエピタキシャル層構造から実現される例示的なnチャネルHFETデバイス(又はNHFETデバイス)を示す。図示したように、n型変調ドープQW構造117がソースn型イオン注入領域313aとドレインn型イオン注入領域bとの間(及びそれに電気的に接続したソース端子電極312aとドレイン端子電極312bとの間)にチャネル領域を形成するように、ソース端子電極312a及びドレイン端子電極312bは、対応するソースn型イオン注入領域313a及びドレインn型イオン注入領域313bを介してn型変調ドープQW構造117に電気的に結合される。(タングステンのような)耐火金属又は他の適切な材料から形成することができるフィーチャ301は、層123のエッチングによって形成されたメサの上にパターン化される(図3D図3E図3F)。フィーチャ301は、nチャネルHFETのチャネル領域を覆う。n型変調ドープQW構造117の約300Å上の層119にエッチングが行われる。このエッチングがタングステンフィーチャ301の形成後に行われることに留意されたい。タングステンレベル、すなわち、123におけるエッチングされた表面におけるNHFETのSコンタクト領域及びDコンタクト領域のフォトレジストマスクによるパターン化の後、このパターンは、エッチングマスクとして使用される。代替的には、このエッチングを、最初にフォトレジストマスクで(p型注入を受ける)ゲート注入領域を保護することによって行うことができる。図3Dに最もよく示すように、このエッチングは、フィーチャ301の向かい合った辺に沿って延在するソースn型イオン注入領域313a及びドレインn型イオン注入領域313bを形成するために、露出した層119へのn型イオン(例えば、Si/Fイオン)の注入にさらされる層119の(ソースコンタクト領域及びドレインコンタクト領域と称する)部分を露出する。チャネル長を画定し、かつ、ソースイオン注入及びドレインイオン注入のためにフィーチャの辺に沿った自己整合インプラントマスクを提供するために、フィーチャ301を使用することができる。フィーチャ301の長さ(L)寸法は、ソースn型イオン注入領域313aとドレインn型イオン注入領域313bとの間のチャネル領域の有効長に寄与する。層121の約200~400Å上の層123に別のエッチングを行う(このエッチングを、全ての電子デバイスのタングステンレベルを確立するために使用されるトランジスタ作製のための最初のエッチングとすることができる)。図3Fに最もよく示すように、このエッチングは、露出した層123からフィーチャ301の一方の端部におけるnチャネルHFETデバイスのゲート領域((一つ以上の)層121,119)の中まで垂直下方に延在するゲートp型イオン注入領域314aを形成するために、露出した層123へのp型イオン(例えば、Be/Fイオン)注入の対象とされたフィーチャ301の一方の端部の層123の(ゲートコンタクト領域と称する)部分を露出する。p型変調ドープQW構造113の上方約300Åの層115にエッチングを行うことができる。エッチングは、ゲートp型イオン注入領域314aの領域の反対側にあるフィーチャ301の他方の端部における層115の(バックゲートコンタクト領域と称する)部分を露出する。図3Fに最もよく示すように、層115の露出した部分は、露出した層115からフィーチャ301の他方の端部におけるnチャネルHFETデバイスの(反転p型変調ドープQW構造113を含む)バックゲート領域の中まで垂直下方に延在するバックゲートp型イオン注入領域314bを形成するために、p型イオン(例えば、BE/Fイオン)の注入が行われる。バックゲートイオン注入のためのフィーチャの他方の端部における自己整列型注入マスクを提供するために、フィーチャ301を使用することができる。フィーチャ301の幅(W)寸法は、ゲートp型イオン注入領域314aとバックゲートp型イオン注入領域314bとの間のチャネル領域の有効幅に寄与する。この構成において、nチャネルHFETデバイスのチャネル領域の幅(W)寸法及び対応する有効幅は、nチャネルHFETデバイスのチャネル領域の長さ(L)寸法及び対応する有効長より著しく大きく、ゲートp型イオン注入領域314a及びバックゲートp型イオン注入領域314bは、フィーチャ301の幅(W)寸法及びnチャネルHFETデバイスのチャネル領域の対応する有効幅の向かい合った端部に配置される。図3D及び図3Eに最もよく示すように、下側ミラー層103までのエッチング309は、ソースn型イオン注入領域313a及びドレインn型イオン注入領域313bを組み込むメサ312a,312bを形成することもできる。 図3D及び図3Fに最もよく示すように、下側ミラー層103までのエッチング309は、ゲートp型イオン注入領域314aを組み込むメサ317aを形成することができる。図3D及び図3Fに最もよく示すように、下側ミラー層103までの同一又は類似のエッチングは、バックゲートp型イオン注入領域314bを組み込むメサ317Bを形成することができる。ソースn型イオン注入領域313a、ドレインn型イオン注入領域313b、ゲートp型イオン注入領域314a及びバックゲートp型イオン注入領域314bは、イオン照射により非晶構造となる。メタライゼーション前に、ソースn型イオン注入領域313a、ドレインn型イオン注入領域313b、ゲートp型イオン注入領域314a及びバックゲートp型イオン注入領域314bをアニールするRTA(高温短時間アニール)工程を行うことができる。RTA工程の熱エネルギ-は、非晶構造を単結晶構造に戻し、ドーパント原子が(n型の場合の)ドナー又は(p型の場合の)アクセプタとして半導体層の上に結合を形成することができる。図3D及び図3Eに示すようなソース端子電極316a及びドレイン端子電極316bを形成するために、(p型金のような)p型金属を、(対応するソースp型イオン注入領域313a及びドレインp型イオン注入領域313bにそれぞれ接触する)メサ312a,312bの上に堆積するとともにパターン化することができる。図3D及び図3Fに示すようなゲート端子電極315a及びバックゲート端子電極315bを形成するために、(p型金のような)p型金属を、(対応するゲートn型イオン注入領域314a及びバックゲートn型イオン注入領域314bにそれぞれ接触する)メサ317a,317bの上に堆積してパターン化することができる。
【0067】
nチャネルHFETデバイスは、正の電圧レベルVGSでデバイスがオンになるエンハンスメントモードデバイスである。通常の動作の下では、ドレイン端子電極316bは、正の電圧レベルVDSによってソース端子電極316aに対して順方向バイアスがかけられ、ゲート端子電極315aは、正の電圧レベルVGSによってソース端子電極316aに対して順方向バイアスがかけられる。VDSの値が小さい場合、デバイスは、ドレイン電流IがVDSに対して擬似的に線形に変化する三極領域で動作する。VDSの値が大きい場合、デバイスは、ドレイン電流IがVDSに対して略一定である定電流領域で動作する。デバイスのバックゲート電極315bは、構造117の(一つ以上の)N型QW反転チャネルの下の領域のバイアス制御を行うことができる。更に具体的には、ソース端子電極312aに対するバックゲート電極315bの負のバイアスは、nチャネルHFETデバイスのターンオン電圧の増大を引き起こす。このバイアス電圧は、ダイオードの空乏領域幅を増大し、それによって、寄生ノード容量を減少させる。
【0068】
上述した実施形態において、p型イオン注入は、NチャネルHFETデバイスのゲート領域及び/又はバックゲート領域への接触に使用され、n型イオン注入は、PチャネルHFETデバイスのゲート領域及び/又はバックゲート領域への接触に使用される。これらの注入工程を効果的に制御することができ、相補型HFETデバイスの高性能動作のためにゲート抵抗を最小にするのを支援する。さらに、低濃度ドープされたn型層107とp型ゲートイオン注入との組み合わせにより、PチャネルHFETデバイスのソース-ゲート容量及びドレインゲート容量が低くなることが保証される。そのような低容量は、p型ゲートイオン注入領域がゲート層109を貫通することによって底部が層107にあるP-N接合を形成することに起因する。この接合は、pチャネルHFETデバイスの高性能動作のために低容量となる(したがって、電流リ-ク及び容量が最小となる)。
【0069】
本願のデバイス構造を、(相補型バイポーラ反転チャネル電界効果トランジスタのような)他のトランジスタデバイス、(VCSEL、面内レーザ、電気的ポンプレーザ又は光学的ポンプレーザ、光サイリスタ、レーザアレイ、検出器、変調器及び光スイッチのような)光電子デバイス及び(受動導波路及びオフチップカプラのような)純粋な光デバイスを実現するように構成することもできる。
【0070】
実施形態において、(相補型NチャネルHFETデバイス及び相補型PチャネルHFETデバイス及び/又は相補型P-Pバイポーラ反転チャネル電界効果トランジスタ及び相補型N-Nバイポーラ反転チャネル電界効果トランジスタ又はBICFETデバイスのような)電気デバイスを、(VCSEL、面内レーザ、電気的励起レーザ又は光学的励起レーザ、光検出器及び光スイッチのような)光電子デバイス及び可能である場合の(受動導波路及びオフチップカプラのような)純粋な光デバイスと共に、本明細書に記載されるとともに図1及び/又は図2A及び図2Bに示すような(上側ミラー層を退席する前の)エピタキシャル層を採用する集積回路(IC)に形成するために、製造ステップを使用することができる。
【0071】
製造ステップは、ブロック401で開始し、この場合、整合マークが半導体層構造の層127の上に画定される。
【0072】
ブロック402において、半導体層構造の層127の上に窒化物層(厚さ約500Å)を堆積する。
【0073】
ブロック403において、フォトレジストマスクを窒化物層の上に堆積するとともにパターン化する。パターン化されたフォトレジストマスクは、垂直レーザ開口部及び面内導波路開口部を画定するエッチングマスクとして機能する。開口部は、パターン化されたフォトレジストマスクによって保護される。
【0074】
ブロック404において、403のフォトレジストマスクを使用することによって、402で堆積した窒化物層を通過して高濃度ドープのp型層125までの半導体層構造にエッチング工程を行い、開口部を画定する。開口部は、層127のメサによって形成され、ICの特定の光電子デバイス又は光学デバイスの導波領域及び/又は共振キャビティとして光学的に機能することができる。
【0075】
ブロック405において、酸素イオン及びその後のn型ドーパントイオン(例えば、Si/Fイオン)を、403のフォトレジストマスクを使用して、ICの特定の光学デバイスのための開口部の対辺の半導体層構造に注入する。酸素イオンは、中間スペーサ層115の中心又はその近傍を中心とする深さに注入される。n型ドーパントイオンは、層123の中心又はその近傍を中心とする深さまで注入される。
【0076】
ブロック406において、403のフォトレジストマスクを除去する。
【0077】
ブロック407において、フォトレジストマスクを堆積し、電子デバイス(例えば、NHFETデバイス、PHFETデバイス、P-P BICFETデバイス、N-N BICFETデバイス)が形成される全ての領域を露出するようにパターン化する。光電子デバイス又は光デバイスの開口部及び陽極又は上側エミッタコンタクト領域は、フォトレジストマスクで保護される。
【0078】
ブロック408において、407のフォトレジストマスクを使用して半導体層構造をエッチングし、電子デバイス(例えば、NHFETデバイス、PHFETデバイス、P-P BICFETデバイス、N-N BICFETデバイス)が形成される全ての領域を露出する。エッチングは、層121の上方で約300~400Åで終了するように制御される。このエッチング深さを、“d1”として示すことができ、それは、光デバイスの分離のために及び層121への近接のために設計される。実施形態において、エッチングは、III-V化合物に適したガス(例えば、BCl3)を使用したドライエッチング技術を採用することができる。
【0079】
ブロック409において、407のフォトレジストマスクを除去する。
【0080】
オプションのブロック410において、(nチャネルHFETデバイスのような)特定のnチャネルデバイスを露出するためにフォトレジストマスクを適用することができ、次いで、高いチャネル移動度を維持するためにn型変調ドープQW構造117の上の領域に限定されるイオン注入を行う。イオン注入の種を、n型(例えば、1e17cm-3~1e18cm-3の範囲のSi/Fイオン)又はp型(例えば、1e17cm-3~1e18cm-3の範囲のBe/Fイオン)とすることができる。イオン注入のドーピング型及び濃度を、元のエピタキシーの誤差の補正、最適なレーザ性能(閾値電流)とnチャネルHFETデバイスの最適な閾値電圧との適合を可能にすること及びマルチレベル論理設計の実施を可能にすることのような適切と考えられるようにnチャネル閾値をシフト又は調整するように構成することができる。この構成において、(Si/Fイオンのような)n型イオンの注入は、nチャネル閾値を下にシフトさせる(すなわち、負にする又は更なるデプレッション型にする)ことができる。一方、(Be/Fイオンのような)p型イオンの注入は、nチャネルの閾値を上にシフトさせる(すなわち、正にする又は更なるエンハンスメント型にする)ことができる。その後、フォトレジストマスクを除去することができる。同様に、(pチャネルHFETデバイスのような)特定のpチャネルデバイスを露出するために別のフォトレジストマスクを適用することができ、次いで、n型変調ドープQW構造117における領域及びその下の領域(すなわち、pチャネルHFETデバイスのバックゲート領域)に限定されるイオン注入が行われる。イオン注入の種を、(1e17cm-3~1e18cm-3の範囲のBe/Fイオンのような)p型又は(1e17cm-3~1e18cm-3の範囲のSi/Fイオンのような)n型とすることができる。イオン注入のドーピング型及び濃度を、元のエピタキシーの誤差の補正、最適なレーザ性能(閾値電流)とnチャネルHFETデバイスの最適な閾値電圧との適合を可能にすること及びマルチレベル論理設計の実施を可能にすることのような適切と考えられるようにpチャネル閾値をシフト又は調整するように構成することができる。この構成において、(Be/Fイオンのような)p型イオンの注入は、pチャネル閾値を下にシフトさせる(すなわち、正にする又は更なるデプレッション型にする)ことができる。一方、(Si/Fイオンのような)n型イオンの注入は、pチャネルの閾値を上にシフトさせる(すなわち、負にする又は更なるエンハンスメント型にする)ことができる。その後、フォトレジストマスクを除去することができる。
【0081】
ブロック411において、電子デバイスの上側フィーチャのための(408のエッチングによって露出する)層123の上に耐火金属(例えば、タングステン)を堆積する。耐火性金属(例えば、タングステン)は、特定のオプトエレクトロニクスデバイス(例えば、VCSEL、面内レーザ、電気的ポンプレーザ又は光学的ポンプレーザ、光サイリスタ、レーザアレイ、光検出器、光変調器及び光スイッチ)のための陽極電極又は上側エミッタ電極のための(404のエッチングによって露出される)層125の上にも堆積される。
【0082】
ブロック412において、フォトレジストマスクを堆積するとともに電子デバイスの上側フィーチャを画定するためにパターン化する。411の耐火金属(例えば、タングステン)は、電子デバイスのフィーチャを画定するために、フォトレジストマスクを使用してエッチングされる。光電子デバイスの陽極電極又は上側エミッタ電極を画定するための耐火金属(例えば、タングステン)のエッチングを行うために、同一のフォトレジストマスク又は異なるフォトレジストマスクを使用する。411の耐火金属(例えば、タングステン)を、六フッ化硫黄(SF6)を使用したドライエッチングによってパターン化することができる。
【0083】
ブロック413において、412のフォトレジストマスクを除去する。
【0084】
ブロック414において、全ての電子デバイスを保護するために、フォトレジストマスクを堆積するとともにパターン化し、これは、全ての光電子デバイス及び光学デバイスを露光することと同等である。
【0085】
ブロック415において、例えば、BCl3を使用して全てのnチャネル光電子デバイスについての408と同様に深さd1まで半導体層をエッチングするために、414のフォトレジストマスクを使用する。このエッチングの後、nチャネルデバイス(電気的及び光学的の両方)は、層123の深さd1又はその近くに共通の深さレベルを有することが予測される。
【0086】
ブロック416において、414のフォトレジストマスクを除去する。
【0087】
ブロック417において、NHFETデバイスのソースコンタクト領域及びドレインコンタクト領域、PHFETデバイスのバックゲート接触領域、P-P BICFETデバイスのベース接触領域、N-N BICFETデバイスのコレクタ接触領域並びに(使用時に)光電子デバイスの(nソースコンタクト領域又はソースコンタクト領域とも称する)nチャネルコンタクト領域を露出するために、フォトレジストマスクをd1レベルで層123の上に堆積するとともにパターン化する。代替的には、(p型注入を受けるように設計された)ゲートコンタクト領域と指定された301フィーチャの端部の領域を保護するとともに他の全ての領域を露出したままにするために、フォトレジストマスクをd1レベルで層123の上に堆積するとともにパターン化することができる。
【0088】
ブロック418において、NHFETデバイスのソースコンタクト領域及びドレインコンタクト領域、PHFETデバイスのバックゲートコンタクト領域、P-P BICFETデバイスのベースコンタクト領域、N-N BICFETデバイスのコレクタコンタクト領域及び(使用時の)光電子デバイスの(Nソースコンタクト領域又はソースコンタクト領域とも称する)Nチャネルコンタクト領域を露出するために、半導体層構造を、例えば、BCl3を使用するとともに層119の略中央までの417のパターン化されたフォトレジストマスクを使用してエッチングを行う。
【0089】
ブロック419において、417のフォトレジストマスクを除去する。
【0090】
ブロック420において、約500Åの窒化物を、例えば、コンフォーマル(conFormal)のためのプラズマ強化化学気相成長法(PECVD)によって堆積する。次に、全てのタングステン被覆メサの上に誘電体側壁を形成するために、窒化物に対する異方性エッチングを行う。この側壁の目的は、半導体側壁への注入の侵入を防ぐとともにサブミクロンnチャネルデバイスの有効長を維持することである。
【0091】
ブロック421において、n型ドーパントイオン(例えば、Si/Fイオン)が注入される。先ず、(417のマスクと同様の)ソースドレインフォトレジストマスクを堆積するとともにパターン化する。次に、n型ドーパントイオン(例えば、Si/Fイオン)を、NHFETデバイスのソースコンタクト領域及びドレインコンタクト領域、PHFETデバイスのバックゲートコンタクト領域、P-P BICFETデバイスのベースコンタクト領域、N-N BICFETデバイスのコレクタコンタクト領域及び(使用時の)光電子デバイスの(nソースコンタクト領域又はソースコンタクト領域とも称する)nチャネルコンタクト領域に注入する。実施形態において、イオン注入のn型ドーパント濃度を、5e18~1e19cm-3の範囲とすることができる。
【0092】
ブロック422において、421のフォトレジストマスクを除去する。
【0093】
ブロック423において、NHFETデバイスのゲートコンタクト領域及びP-P BICFETデバイスのエミッタコンタクト領域を露出するために、フォトレジストマスクを、d1レベルで層123の上に堆積するとともにパターン化する。
【0094】
ブロック424において、p型ドーパントイオン(例えば、BE/Fイオン)を、423のフォトレジストマスクを使用してNHFETデバイスのゲートコンタクト領域及びP-P BICFETデバイスのエミッタコンタクト領域に注入する。実施形態において、イオン注入のp型ドーパント濃度は、1e19~1.5e19cm-3の範囲とすることができる。
【0095】
ブロック425において、423のフォトレジストマスクを除去する。
【0096】
ブロック426において、PHFETデバイスのソースコンタクト領域及びドレインコンタクト領域、(使用時の)光電子デバイスのpチャネルコンタクト領域、PHFETデバイスのゲートコンタクト領域、NHFETデバイスのバックゲートコンタクト領域、N-N BICFETのベースコンタクト領域、N-N BICFETのエミッタコンタクト領域、P-P BICFETのコレクタコンタクト領域、PHFETのゲートコンタクト領域、N-N BICFETのエミッタコンタクト領域、(使用時の)光電子デバイスの陰極コンタクト領域を露出するために、フォトレジストマスクを、d1レベルで層123の上に堆積するとともにパターン化する。
【0097】
ブロック427において、例えば、BCl3を使用するとともに層113の上の約300Åのレベルまでの層115に対する426のパターン化フォトレジストマスクを使用して、半導体層構造をエッチングする。
【0098】
ブロック428において、426のフォトレジストマスクを除去する。
【0099】
ブロック429において、全てのタングステン被覆メサの上に誘電体側壁を形成するために、約500Åの窒化物を、(コンフォーマルのための)PECVDによって堆積し、その後、窒化物の異方性エッチングを行う。この側壁の目的は、半導体側壁及びQWチャネルへの注入の侵入を防止するためであり、注入の侵入によって、pチャネル型HFETデバイスの有効長が短くなる。
【0100】
ブロック430において、PHFETデバイスのソースコンタクト領域及びドレインコンタクト領域、(使用時の)光電子デバイスのpチャネルコンタクト領域、PHFETデバイスのゲートコンタクト領域、NHFETデバイスのバックゲートコンタクト領域、N-N BICFETデバイスのベースコンタクト領域、N-N BICFETデバイスのエミッタコンタクト領域及びP-P BICFETデバイスのコレクタコンタクト領域を露出するために、フォトレジストマスクを、(427のエッチングによって露出した)層115に堆積するとともにパターン化する。
【0101】
ブロック431において、p型ドーパントイオン(例えば。BE/Fイオン)を、430のフォトレジストマスクを使用して、PHFETデバイスのソースコンタクト領域及びドレインコンタクト領域、(使用時の)光電子デバイスのpチャネルコンタクト領域、PHFETデバイスのゲートコンタクト領域、NHFETデバイスのバックゲートコンタクト領域、N-N BICFETデバイスのベースコンタクト領域、N-N BICFETデバイスのエミッタコンタクト領域及びP-P BICFETデバイスのコレクタコンタクト領域に注入する。実施形態において、イオン注入のp型ドーパント濃度を、1e19~1.5e19cm-3の範囲とすることができる。
【0102】
ブロック432において、430のフォトレジストマスクを除去する。
【0103】
ブロック433において、PHFETデバイスのゲートコンタクト領域及びN-N BICFETデバイスのエミッタコンタクト領域を露出するために、フォトレジストマスクを、(427のエッチングによって露出した)層115に堆積するとともにパターン化する。
【0104】
ブロック434において、PHFETデバイスのゲートコンタクト領域及びN-N BICFETデバイスのエミッタコンタクト領域を露出するために、例えば、BCl3を使用するとともに層111の略中央まで433のパターン化されたフォトレジストマスクを使用して、半導体層構造をエッチングする。
【0105】
ブロック435において、434のフォトレジストマスクを使用して、n型ドーパントイオン(例えば、Si/Fイオン)を、PHFETデバイスのゲートコンタクト領域及びN-N BICFETデバイスのエミッタコンタクト領域に注入する。実施形態において、イオン注入のn型ドーパント濃度を、5e18~1e19cm-3の範囲とすることができる。
【0106】
ブロック436において、433のフォトレジストマスクを除去する。
【0107】
ブロック437において、(使用時の)光電子デバイスの陰極コンタクト領域を露出するために、フォトレジストマスクを、(427のエッチングによって露出した)層115に堆積するとともにパターン化する。
【0108】
ブロック438において、(使用時の)光電子デバイスの陰極コンタクト領域を露出するために、例えば、BCl3を使用するとともに層105までの437のパターン化されたフォトレジストマスクを使用して、半導体層構造をエッチングする。
【0109】
ブロック439において、437のフォトレジストマスクを除去する。
【0110】
ブロック440において、全てのイオン注入領域の急速熱アニールに備えて、窒化シリコンを500Åの典型的な厚さで堆積する。
【0111】
ブロック441において、高温短時間アニール(RTA)工程を行う。例えば、RTA工程は、不活性バックグラウンドで850℃、15秒の典型的なサイクルを採用することができる。イオン注入領域は、イオン照射により非晶構造体となる。RTA工程を、メタライゼーションの前に全てのイオン注入領域をアニールするために行うことができる。RTA工程の熱エネルギ-は、非晶構造を単結晶構造に戻し、ドーパント原子が(n型の場合の)ドナー又は(p型の場合の)アクセプタとして半導体層の上に結合を形成することができる。
【0112】
ブロック442において、リフトオフを介してn型Au電極を形成するためのフォトレジストマスクを堆積するとともにパターン化する。n型Au電極は、(PHFETデバイスのn型イオン注入されたゲートコンタクト領域及びバックゲートコンタクト領域に形成される)PHFETデバイスのゲート電極及びバックゲート電極、(NHFETデバイスのn型イオン注入されたソースコンタクト領域及びドレインコンタクト領域に形成される)NHFETデバイスのソース電極及びドレイン電極、(P-P BICFETデバイスのn型イオン注入されたベースコンタクト領域に形成される)P-P BICFETデバイスのベース電極、(N-N BICFETデバイスのn型イオン注入されたコレクタコンタクト領域及びエミッタコンタクト領域に形成される)N-N BICFETデバイスのコレクタ及びエミッタ電極、(光電子デバイスのn型イオン注入された(一つ以上の)nチャネルコンタクト領域に形成される)光電子デバイスのnチャネル電極(又はnソース電極)及び(使用時に光電子デバイスの(一つ以上の)n型陰極コンタクト領域(層105)に形成される)光電子デバイスの陰極電極を含むことができる。
【0113】
ブロック443において、n型Au電極のためのn型Au金属(例えば、AuGe-Ni-Auの合金)を堆積する。
【0114】
ブロック444において、n型Au電極を、リフトオフを介してパターン化する。
【0115】
ブロック445において、リフトオフを介してp型Au電極を形成するためのフォトレジストマスクを堆積するとともにパターン化する。p型Au電極は、(NHFETデバイスのp型イオン注入されたゲートコンタクト領域及びバックゲートコンタクト領域に形成される)NHFETデバイスのゲート電極及びバックゲート電極、(PHFETデバイスのp型イオン注入されたソースコンタクト領域及びドレインコンタクト領域に形成される)PHFETデバイスのソース電極及びドレイン電極、(N-N BICFETデバイスのp型イオン注入されたベースコンタクト領域に形成される)N-N BICFETデバイスのベース電極、(NHFETデバイスのP型イオン注入されたゲートコンタクト領域に形成される)N-N BICFET電極、(P-P BICFETデバイスのp型イオン注入されたコレクタコンタクト領域及びエミッタコンタクト領域に形成される)P-P BICFETデバイスのコレクタ電極及びエミッタ電極及び(使用時に光電子デバイスのp型イオン注入された(一つ以上の)pチャネルコンタクト領域に形成される)光電子デバイスのpチャネル電極(又はpソース電極)を含むことができる。
【0116】
ブロック446において、p型Au電極のためのp型Au金属(例えば、AuBe-Cr-Auの合金)を堆積する。
【0117】
ブロック447において、p型Au電極を、リフトオフを介してパターン化する。
【0118】
ブロック448において、n型Au電極及びp型Au電極を焼結又はアニールする。例えば、焼結工程は、420℃、15秒の典型的なサイクルを採用することができる。
【0119】
ブロック449において、全てのデバイスを分離するために、下側ミラー層103に対するトレンチ(約1000Å)をエッチングするためのフォトレジストマスクを、全てのデバイスに対して堆積するとともにパターン化する。
【0120】
ブロック450において、例えば、ドライエッチング技術(例えば、BCl3)を使用して半導体層構造を底部ミラー層103までエッチングするために、449のフォトレジストマスクを使用する。
【0121】
ブロック451において、449のフォトレジストマスクを除去する。
【0122】
ブロック452において、必要に応じて金属相互接続のクロスオ-バ-を可能にするために、窒化シリコン(SiN)又は酸化シリコン(SiO2)のようなレベル間誘電体材料を堆積する。
【0123】
ブロック453において、全ての金属相互接続のためのコンタクトホールをエッチングするために、フォトレジストマスクを堆積するとともにパターン化する。
【0124】
ブロック454において、レベル間誘電体材料を介してコンタクト開口部をエッチングするために、453のフォトレジストマスクを使用する。例えば、SiN又はSiO2誘電体材料をエッチングするために、CF4及びSF6のエッチャントを使用することができる。
【0125】
ブロック455において、453のフォトレジストマスクを除去する 。
【0126】
ブロック456において、任意の回路に必要な種々のN型Au電極及びP型Au電極へのAu金属相互接続及び必要に応じた電子デバイス及び光電子デバイスの接続のために、フォトレジストマスクを堆積するとともにパターン化する。
【0127】
ブロック457において、Au金属相互接続のためのAu金属を堆積する。
【0128】
ブロック458において、Au金属相互接続を、リフトオフを介してパターン化する。
【0129】
複数の金属相互接続レベルが使用される場合にブロック456~458を複数回繰り返すことができることに留意されたい。
【0130】
ブロック459において、光電子デバイス及び光学デバイスの開口部を開けるために、フォトレジストマスクを堆積するとともにパターン化する。
【0131】
ブロック460において、光電子デバイス及び光学デバイスの開口部をエッチングするために、459のフォトレジストマスクを使用する。例えば、、開口部の層127を露出するために、エッチングは、SF6を使用して窒化物-タングステン窒化物をエッチングすることができる。
【0132】
ブロック461において、459のフォトレジストマスクを除去する。
【0133】
ブロック462において、上側ミラー層129を堆積し、露出した開口部を覆う。例えば、7対の二酸化ケイ素(SiO2)及び二酸化チタン(TIO2)を、イオンビームアシスト蒸着(IBAD)を使用して堆積することができる。上側ミラー層129の中心波長は、典型的には980nm、850nm又は1310nmである。
【0134】
ブロック463において、全てのデバイスにボンドパッドを開くために、フォトレジストマスクを堆積するとともにパターン化する。これは、誘導結合プラズマエッチング(ICP)を使用した上側ミラー層129のドライエッチングを含むことができる。
【0135】
オプションのステップにおいて、450のアイソレーションエッチングによって露出される下側ミラー層を酸化させることができる。この工程は、層構造の一部として形成された下側ミラー層が適切なDBRミラーとして機能しない場合に有用である。一実施形態において、アイソレ-ションエッチングによって露出するアルミニウム砒素(AlAs)の下側ミラー層は、下側DBRミラーを形成するAlAsを酸化アルミニウム(Al)に変換する蒸気雰囲気にさらされる。
【0136】
上述したような上側の開口部を光が半導体層構造の活性領域から出射又は入射できるように構成することができることに留意されたい。代替的には、開口部を、本明細書に記載のICで実現される光電子デバイス又は光デバイスの一部として、受動面内導波路構造及び/又は能動面内導波路構造を形成するために使用することができる。そのような面内導波路は、ICの平面内での光の伝播をガイドし、上側に形成された開口部は、ICウエハーの上部のための光の垂直閉じ込め及び導波のために設けられる。受動面内導波路構造では、パターン化された陽極金属を省略することができ、上側の開口の下に配置された半導体層構造の活性領域内に光の横方向の閉じ込めを行うために、イオン注入領域を上側の開口の対辺の下に形成することができる。
【0137】
実施形態において、PHFETデバイスに積層されたNHFETデバイスを含む積層相補型HFETインバータを有するICを構成するために、本明細書に記載のエピタキシャル層構造及び製造方法を使用することができる。この構成は、ICの一部としての相補型HFETインバータの面積を最小にするのに役立つ。
【0138】
図4A~4Dは、PHFETデバイスに積層されたNHFETデバイスを有する積層型相補型HFETインバータの一実施形態を示す図である。図4Bに最もよく示すように、インバータは、略矩形レイアウトを有する。図4B及び図4Dに最もよく示すように、矩形レイアウトの上側中央部において、PHFETデバイスのゲートのためのゲートコンタクト電極305a及びその下のn型インプラント領域302aは、NHFETデバイスのゲートのためのゲートコンタクト電極315a及びその下のp型インプラント領域314aと共に直線経路に沿って延在する。PHFETデバイスのゲートのためのゲートコンタクト電極305a及びその下のn型インプラント領域302aは、NHFETデバイスのゲートのためのゲートコンタクト電極315a及びその下のp型インプラント領域314aに対してレイアウトの周辺部に向かって横方向にオフセットしている。二つのゲートコンタクト電極305a,305bは、インバータのIN端子を形成するために、金属によって互いに接続されている。 図4B及び図4Cに最もよく示すような矩形レイアウトの他の部分において、PHFETデバイスのソース端子及びドレイン端子のためのソースコンタクト電極306a及びドレインコンタクト電極306b並びにその下のp型注入領域304a,304bと共にPHFETデバイスのチャネルを覆う上側フィーチャ301は、PHFETデバイスのゲートの直線経路に向かって延在二つのセグメントと共にレイアウトの周辺についてセグメント状のU字形状で延在する。さらに、NHFETデバイスノードレイン端子のためのドレインコンタクト電極316b及びその下のn型注入領域313bと共にNHFETデバイスのチャネルを覆う上側フィーチャ301は、レイアウトの中央領域に向かって横方向にオフセットした同様のセグメント状のU字形状で延在する。NHFETデバイスのソース端子のためのソースコンタクト電極316a及びその下のn型インプラント領域313aは、レイアウトの中央領域に配置される。PHFETデバイスのドレインコンタクト電極306bは、インバータのOUT端子を形成するために、NHFETデバイスのドレインコンタクト電極316bに金属によって相互接続される。PHFETデバイスのソースコンタクト電極306aは、インバータのVDD端子を形成する。そして、NHFETのソースコンタクト電極316aは、インバータのGND端子を形成する。
【0139】
図5A及び図5Bは、PHFETデバイスに積層されたNHFETデバイスを有する積層相補型HFETインバータの他の例示的な実施形態を示す。これらの実施形態は、NHFETデバイス及びPHFETデバイスのドレイン端子が互いに電気的及び物理的に分離して維持されることを除いて、図4A~4Dの実施形態と同様である。図5Bの実施形態は、インバータのための更に高い駆動電流、すなわち、ファンアウトを提供することができる。
【0140】
図5A及び図5Bの実施形態を、NORゲート及びNANDゲート、フリップフロップ、カウンタ等のようなICの一部としての他の相補型HFET回路のための構築ブロックとして使用することができる。例えば、図6A及び図6Bは、積層相補型HFETデバイスから構築された2入力NANDゲートを示す。他の例では、図7A及び図7Bは、積層相補型HFETデバイスから構築された2入力NORゲートを示す。
【0141】
本願のエピタキシャル層構造を、n型変調ドープ量子井戸反転チャネルベース領域(P-P BICFET)又はp型変調ドープ量子井戸反転チャネルベース領域(N-N BICFET)を有するバイポーラ反転チャネル電界効果トランジスタ(BICFET)を実現するようにも構成することができる。
【0142】
図8A図8Dに示すように、P-P BICFETデバイスは、n型変調ドープQW構造117において実現される(一つ以上の)QWチャネルを有するn型変調ドープ量子井戸反転チャネルベース領域を覆うインターデジタルフィーチャ801を採用する。インターデジタルフィーチャ801を、タングステンのような耐火性金属から形成することができる。(フィーチャ801の下にある)対応するインターデジタルベース領域は、n型イオン注入領域804を介してインターデジタルベースコンタクト電極部806に動作可能に結合される。p型変調ドープQW構造113のインターデジタルコレクタ領域は、p型イオン注入領域805を介してインターデジタルコレクタコンタクト電極部807に動作可能に結合される。エミッタ電極806は、p型イオン注入領域808を介して、インターデジタルベース領域のn型変調ドープQW構造117に電気的に結合される。P-P BICFETデバイスは、エミッタ領域とベース領域とのPN接合に順バイアスをかけながらベース領域とコレクタ領域とのPN接合に逆バイアスをかけることによりエミッタ端子電極からコレクタ端子電極にホールが注入されるアクティブモードで動作することができるバイポーラ接合トランジスタである。ホールが正のキャリアであるので、ホールの注入により、コレクタ端子電極から電流が流出するとともにエミッタ端子電極に電流が流れ込む。バイアス条件により、ベースからエミッタに電子が注入され、これによって、エミッタ端子電極に流入する電流と同様にベース端子電極から流出する電流に寄与する。
【0143】
図9A~9Dに示すように、N-N BICFETデバイスは、p型変調ドープQW構造113で実現される(一つ以上の)QWチャネルを有するp型変調ドープ量子井戸反転チャネルベース領域を覆うインターデジタルフィーチャ901を採用する。インターデジタルフィーチャ901を、タングステンのような耐火性金属から形成することができる。(フィーチャ901の下にある)対応するインターデジタルベース領域は、p型イオン注入領域905を介して、インターデジタルベースコンタクト電極部分907に動作可能に結合される。インターデジタルフィーチャ901は、n型変調ドープQW構造117のインターデジタルコレクタ領域を覆い、インターデジタルコレクタ領域は、n型イオン注入領域904を介してインターデジタルコレクタコンタクト電極部906に動作可能に結合される。エミッタ電極909は、n型イオン注入領域908を介して、インターデジタルベース領域のp型変調ドープQW構造113に電気的に結合される。N-N BICFETデバイスは、エミッタ領域とベース領域とのPN接合に順バイアスをかけながらベース領域とコレクタ領域とのPN接合に逆バイアスをかけることによりエミッタ端子電極からコレクタ端子電極に電子を注入するアクティブモードで動作することができるバイポーラ接合トランジスタ-である。電子が負のキャリアであるので、電子の注入により、コレクタ端子電極に電流が流れ込むとともにエミッタ端子電極から電流が流れ出す。バイアス条件により、ベースからエミッタにホールが注入され、これによって、ベース端子電極に流れる電流とエミッタ端子電極から流出する電流に寄与する。
【0144】
本明細書に記載のエピタキシャル層構造及び製造方法を、ICの一部として様々な光電子デバイス及び光デバイスを実現するために使用することができる。そのような光電子デバイス及び光デバイスの例を、図10A~23に示す。そのようなデバイスは、光信号の放出及び/又は検出のために共振キャビティを採用することができる。
【0145】
一つの構成において、デバイスの共振キャビティを、垂直キャビティとして構成することができ、光は、デバイスの上面における光開口部(図示せず)を介して垂直キャビティに入射及び出射してもよい。この構成において、上側ミラー層129と下側ミラー層103との間の距離は、光キャビティの長さを表し、この距離を、(例えば、指定された波長の1~3倍のような)指定された波長に対応するように設定することができる。この距離は、下側ミラー層及び上側ミラー層への光の侵入深さを考慮することができる。この距離は、この条件を可能にするために、その間にある一つ以上の層の厚さを調整することによって制御される。
【0146】
他の構成において、デバイスの共振キャビティは、デバイス構造から形成された導波路領域内での光モード信号の伝播をサポートするために、ウイスパリングギャラリーマイクロ共振器又は閉ループマイクロ共振器として構成することができる。ウイスパリングギャラリーマイクロ共振器の場合、導波管領域を、ウイスパリングギャラリーモードの伝播をサポートするディスク状構造とすることができる。ディスク状構造の形状は、ウイスパリングギャラリーモードの特定の波長に調整される。例えば、ディスク状構造の周辺を、ディスク状構造内を循環する定在波の波長の整数倍に対応するように構成することができる。 (例えば、直径10μm以下の)比較的小さなディスク状構造の場合、自由スペクトル領域FSRは、ディスク状構造の直径がウイスパリングギャラリーモードの特定の波長を決定することができるように十分に大きい。閉ループマイクロ共振器の場合、導波路は、円形光路、矩形光路、楕円形光路又は他の適切な形状に従う光モードの循環伝搬をサポートすることができる。閉ループ導波路の光路長は、閉ループ導波路内を伝搬する光モード信号の特定の波長に調整される。少なくとも一つの結合導波路は、ウイスパリングギャラリーマイクロ共振器又は閉ループマイクロ共振器に一体的に隣接して形成される。結合導波路は、ウイスパリングギャラリーマイクロ共振器又は閉ループマイクロ共振器への及び/又はそこからの光のエバネッセント結合を行う。具体的には、レーザの場合、出力のために結合導波路を伝播する出力光信号を生成するために、ウイスパリングギャラリーマイクロ共振器によって生成されたウイスパリングギャラリーモード又は閉ループマイクロ共振器の閉ループ導波路を循環する光モード信号を結合導波路に結合する。検出器の場合、入力光は、結合導波路に供給され、結合導波路は、検出のためにウイスパリングギャラリーマイクロ共振器におけるウイスパリングギャラリーモードとして又は検出のために閉ループ型マイクロ共振器の閉ループ導波路内を循環する光モード信号として入力光信号を結合する。
【0147】
図10A及び図10Bは、本明細書に記載のエピタキシャル層構造及び製造方法から実現されるHFET VCSELダイオードレーザを示す。他の実施形態において、HFET VCSELデバイスのアレイを、共通の上側エミッタ電極及び共通のソース電極で一体的に形成することができる。
【0148】
図11A及び図11Bは、本明細書に記載のエピタキシャル層構造及び製造方法から実現されるHFET VCSELサイリスタレーザを示す。
【0149】
図12A~12Dは、本明細書に記載のエピタキシャル層構造及び製造方法から実現されるサイリスタ面内レーザを示す。
【0150】
図13A及び図13Bは、本明細書に記載のエピタキシャル層構造及び製造方法から実現されるHFET面内レーザを示す。
【0151】
図14は、本明細書に記載のエピタキシャル層構造及び製造方法から実現されるデュアル入力方向性カプラを示す。
【0152】
図15は、本明細書に記載のエピタキシャル層構造及び製造方法から実現されるサイリスタ光電子発振器を示す。
【0153】
図16~18は、本明細書に記載のエピタキシャル層構造及び製造方法から実現される導波路光検出器、光変調器、及び光増幅器を示す。
【0154】
図19は、本明細書に記載のエピタキシャル層構造及び製造方法から実現される導波路スプリッタ又は導波路コンバイナを示す。
【0155】
図20は、本明細書に記載のエピタキシャル層構造及び製造方法から実現される(2×2光スイッチング素子を有する)光スイッチング構造を示す。
【0156】
図21は、本明細書に記載のエピタキシャル層構造及び製造方法から実現されるサイリスタ光スイッチングノード(又は汎用サイリスタウイスパリングギャラリーモードレーザ)を示す。
【0157】
図22及び図23は、本明細書に記載のエピタキシャル層構造及び製造方法から実現される面内波長デマルチプレクサのアレイ(又は面内波長多重化器のアレイ)を示す。
【0158】
サイリスタレーザデバイスの場合、i)陽極端子電極が陰極端子電極に対して順方向にバイアスがかけられ、かつ、ii)n型変調ドープQW構造117において、オフ状態のバイアス点が存在しないように順方向降伏電圧を減少させる電荷である臨界スイッチング電荷QCRよりも大きい電荷が生成されるようにnチャネルソース電極と陽極電極との間の電圧にバイアスがかけられるとき、デバイス構造は、(デバイスを流れる電流Iが略ゼロである)非導通/オフ状態から(電流Iがゼロより十分大きい)導通/オン状態へ切り替わる。pチャネルソース電極と陰極電極との間の電圧を、p型変調ドープQW構造113において臨界スイッチング電荷QCRよりも大きい電荷を生成するように構成することもできる。臨界スイッチング電荷QCRは、デバイスの形状及びドーピングレベルに固有のものである。n型変調ドープQW構造117の電荷(又はp型変調ドープQW構造113の電荷)が、保持動作を維持するチャネル電荷の臨界値である保持電荷Qよりも減少するように、デバイスを流れる電流Iが十分な時間に亘ってデバイスの保持電流を下回るとき、デバイスは、(電流Iがゼロよりも十分に大きい)導電/オン状態から非導通/オフ状態に切り替わる。したがって、陽極端子電極が陰極端子電極に対して順方向にバイアスがかけられ、かつ、n型変調ドープQW構造117(又はp型変調ドープQW構造113)において臨界スイッチング電荷QCRを生成するために、nチャネルソース電極(及び/又はpチャネルソース電極)にバイアスがかけられるとき、デバイスは、導通/オン状態に切り替わる。 導通/オン状態における電流Iが、レージングのための閾値ITHより上である場合、光子放出がデバイス構造内で発生する。垂直共振器型面発光レーザの場合、素子構造内での光子放出により、素子構造の上面から垂直に放出される光学モードが生じる。ウイスパリングギャラリーマイクロ共振器の場合、デバイス構造内の光子放出により、ウイスパリングギャラリーマイクロ共振器の導波路領域内を循環するウイスパリングギャラリーモード信号が生じる。閉ループマイクロ共振器の場合、装置構造内の光子放出により、閉ループマイクロ共振器の閉ループ導波路内を循環する光学モード信号が生じる。
【0159】
サイリスタ検出器の場合、デバイス構造は、入力光信号の光子吸収に起因するn型変調ドープQW構造117及び/又はp型変調ドープQW構造113に電荷を生じさせる入力光信号に応答して、(デバイスを流れる電流Iが略ゼロである)非導通/オフ状態から(電流Iがゼロより十分に大きい)導通/オン状態に切り替わる。具体的には、陽極端子電極は、陰極端子電極に対して順方向にバイアスがかけられ、かつ、入力光パルスの光子吸収の結果としてn型変調ドープQW構造113(及び/又はp型変調ドープQW構造117)に生じる電荷が臨界切り替え電荷QCRより大きくなるように、nチャネルソース電極と陽極電極との間の電圧(及び/又はpチャネルソース電極と陰極端子電極との間の電圧)は、バイアスがかけられる。入力光信号が除去されると、デバイスは、n型変調ドープQW構造117(及び/又はp型変調ドープQW構造113)の電荷が保持電荷Qより下に減少したときに(電流Iがゼロより十分に大きい)導通/オン状態から(デバイスを流れる電流Iが略ゼロである)非導通/オフ状態に切り替わる。垂直キャビティ表面検出器の場合、デバイス構造は、デバイス構造の上面を通して垂直に受光を行う光モードを吸収する。ウイスパリングギャラリーマイクロ共振器の場合、デバイス構造は、ウイスパリングギャラリーマイクロ共振器の導波路領域内を循環するウイスパリングギャラリーモードを吸収する。閉ループマイクロ共振器の場合、デバイス構造は、閉ループマイクロ共振器の閉ループ導波路内を循環する光モード信号を吸収する。
【0160】
いくつかの実施形態において、面内導波路において全反射を行うために、上述のデバイス構造において回折格子を形成することができる。実質的に、回折格子は、導波路を横切るミラーを提供する。
【0161】
図24に目を向けると、図1の層109,111,113を図示のように層/構造113B,111,113Aによって置換した点を除いて上述した図1のエピタキシャル半導体層構造と同様であるエピタキシャル半導体層構造を示す。この構成において、113Bは、非ドープのスペーサの下に形成された非反転p型変調ドープ量子井戸構造であり、111は、高濃度ドープのn型層であり、113Aは、非ドープのスペーサ層の上に形成された非反転p型変調ドープ量子井戸構造である。113Bの非反転p型変調ドープ量子井戸構造は、量子井戸層と障壁層の一つ以上の対の上に、非ドープのスペーサ層によってオフセットされたp型電荷シートを有する。113Aの反転p型変調ドープ量子井戸構造は、量子井戸層及び障壁層の一つ以上の対の下方に、非ドープのスペーサ層によってオフセットされたp型電荷シートを有する。高濃度のドープn型層111は、各々が非ドープのスペーサ層を有する二つのp型変調ドープ量子井戸構造のp型電荷シートの間に配置される。高濃度のドープn型層111は、反転p型変調ドープ量子井戸構造113A及び非反転p型変調ドープ量子井戸構造113Bの別々の量子井戸チャネルのためのゲート領域(ゲート全周囲構造)を形成する。この構成において、pチャネル型HFET素子については、高濃度のドープn型層111に接触するn型ゲートコンタクトイオン注入領域が形成され、n型ゲートコンタクトイオン注入領域の上にpチャネル型HFET素子のゲート電極が形成される。pチャネルHFETデバイスのp型ソースコンタクトイオン注入領域及びp型ドレインコンタクトイオン注入領域を形成するために、p型イオン注入領域は、層/構造113B,111,113Aに延在する。同様に、nチャネルHFETデバイス用のp型バックゲートコンタクトイオン注入領域、P-P BICFETデバイスのためのp型コレクタコンタクトイオン注入領域及び光電子デバイスのためのp型pチャネルコンタクト イオン注入領域を形成するために、p型イオン注入領域は、層/構造113B,111,113Aに延在する。N-N BICFET素子の場合、高濃度ドープのn型層111に接触するn型エミッタコンタクトイオン注入領域を形成し、n型エミッタコンタクトイオン注入領域の上にN-N BICFET素子のエミッタ電極を形成することができる。
【0162】
本明細書に記載の層構造が能動デバイス構造の(一つ以上の)下側ミラー層と下側n型層との間の基板の上に形成された変成バッファ構造を有することができることも考えられる。変成バッファ構造は、能動素子構造と基板との間のミスマッチに起因する格子歪みに対応するように構成された複数の層を採用することができる。そのような変成バッファ構造の例は、2014年3月24日に出願された米国特許出願第14/222,841号に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0163】
本明細書では、集積回路の一部として一体的に形成される相補型トランジスタデバイス及び光電子デバイスの両方に対して相補型変調ドープ量子井戸構造を採用する集積回路を形成する方法のいくつかの実施形態を説明及び図示した。本発明の特定の実施形態を説明したが、本発明がこれに限定されることを意図しておらず、本発明は、当該技術が許す限り広い範囲であり、本明細書が同様に読まれることが意図される。したがって、特定のIII-V族材料系及びヘテロ構造を開示したが、他のIII-V族材料系及びヘテロ構造を使用して本明細書に記載の光電子集積回路を実現できることが理解される。したがって、主張した精神及び範囲から逸脱することなく、提供した本発明を更に変更することができることが当業者によって理解される。
【要約】
集積回路は、基板の上に形成された半導体層から製造され、半導体層は、少なくとも一つのn型層と、反転p型変調ドープ量子井戸(mod-Doped QW)構造と、非反転n型mod-Doped QW構造と、第1のp+型層を含む少なくとも一つのp型層を有し、第1のp+型層は、第2のp型層の下に形成される。エッチング工程により、第2のp型層を露出する。p型イオンを、露出した第2のp型層に注入する。p型イオン注入領域に接触するnチャネルHFETデバイスのゲート電極を形成する。nチャネルHFETデバイスのソース電極及びドレイン電極を、n型mod-doped QW構造に接触して形成されるn型イオン注入領域に接触して形成する。PチャネルHFETデバイス、相補型BICFETデバイス、積層相補型HFETデバイス及びそれに基づく回路及び/又は論理ゲート並びに様々な光電子デバイス及び光デバイスを、集積回路の一部として形成することもできる。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
図9C
図9D
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C
図12D
図13A
図13B
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24