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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-30
(45)【発行日】2023-09-07
(54)【発明の名称】コンテナ
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/00 20060101AFI20230831BHJP
   F25D 11/00 20060101ALI20230831BHJP
   A23L 3/36 20060101ALI20230831BHJP
【FI】
F25D23/00 302Z
F25D11/00 101D
A23L3/36 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020115637
(22)【出願日】2020-07-03
(65)【公開番号】P2022013221
(43)【公開日】2022-01-18
【審査請求日】2023-04-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520001257
【氏名又は名称】株式会社O′s&Asset
(74)【代理人】
【識別番号】110003649
【氏名又は名称】弁理士法人真田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大村 幸市
(72)【発明者】
【氏名】塩浦 龍
【審査官】森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3206373(JP,U)
【文献】特開2002-206852(JP,A)
【文献】特開2016-159817(JP,A)
【文献】特開2021-88370(JP,A)
【文献】特開2020-106152(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 23/00
F25D 11/00
A23L 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷凍機が付設されたコンテナであって、
前記コンテナの内部の底面に敷設された第一導体板と、
前記底面に対向する天井面をなす第二導体板と、
前記コンテナの内部を向く面であって前記底面及び前記天井面を除く面を構成する絶縁板と、
前記底面及び前記第一導体板の間に配置され、前記第一導体板を下方から支持する複数の碍子と、
前記第一導体板に電圧を印加して内部空間に電磁界を形成するための発生装置と、を備え
前記コンテナは直方体形状であって、前記底面に長手方向に延びる複数のレールが短手方向に間隔をあけて並設され、
各々の前記レールは、上下方向に延設された基部と、前記基部の上端部において水平方向に延在する平面部とからなる断面T字状であり、
前記コンテナは、
前記短手方向に隣接する二つの前記レールの前記平面部に跨って前記平面部の上面に配置されるとともに各々の前記碍子が取り付けられた第一台座部品と、
前記隣接する二つの前記レールの間であって前記平面部の下方に配置され、前記第一台座部品とともに前記平面部を挟持する第二台座部品と、を備え、
前記第一導体板は、前記各々の碍子に固定される
ことを特徴とする、コンテナ。
【請求項2】
複数の前記第一導体板が互いに隙間を空けて前記底面に敷設され、
前記発生装置は、各々の前記第一導体板に対する電圧印加を制御する
ことを特徴とする、請求項1記載のコンテナ。
【請求項3】
前記コンテナは直方体形状であって、長手方向の一端側に前記発生装置が配置されるとともに他端側に開閉扉が配置され、
前記各々の第一導体板は、前記長手方向に延設されるとともに短手方向に隙間をあけて敷設され、前記長手方向の前記一端側の端部に前記発生装置の高圧ケーブルが接続される
ことを特徴とする、請求項2記載のコンテナ
【請求項4】
前記コンテナは直方体形状であって、長手方向の一端側に前記冷凍機及び前記発生装置並びにダウントランスが配置されるとともに他端側に開閉扉が配置され、
前記ダウントランスは、前記冷凍機の電圧を降下して前記発生装置に電源を供給する
ことを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載のコンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍機が付設されたコンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
食品や生体等の被冷却物(保存対象物)の鮮度を長期間維持する保存方法として、冷蔵保存や冷凍保存と併せて庫内の空間に電界(静電場雰囲気)を形成する方法が知られている。この方法では、庫内に高電圧を付加することで電圧振動により電界を形成しながら被冷却物を冷蔵することで、氷結点付近でも被冷却物を凍りにくい状態にする。これにより、氷結点付近での長期保存が可能となる(例えば特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3218537号公報
【文献】特開2011-182697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような保存方法は、高い電圧を印加して電界を形成し、被冷却物の水分子を微振動させて互いに結合しにくくすることで、被冷却物を凍りにくい状態にする手法である。このため、当該保存方法においては、庫内の電界を安定して形成することが重要である。特に、コンテナのような大型な収容庫(冷蔵保存庫)に当該保存方法を適用する場合には、庫内が広いことから安定した電界を形成することが難しく、改良の余地がある。
【0005】
本件のコンテナは、このような課題に鑑み案出されたもので、庫内に安定した電磁界を形成し、被冷却物(保存対象物)の鮮度を長期間維持することを目的とする。なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)ここで開示するコンテナは、冷凍機が付設されたコンテナであって、前記コンテナの内部の底面に敷設された第一導体板と、前記底面に対向する天井面をなす第二導体板と、前記コンテナの内部を向く面であって前記底面及び前記天井面を除く面を構成する絶縁板と、前記底面及び前記第一導体板の間に配置され、前記第一導体板を下方から支持する複数の碍子と、前記第一導体板に電圧を印加して内部空間に電磁界を形成するための発生装置と、を備え、前記コンテナは直方体形状であって、前記底面に長手方向に延びる複数のレールが短手方向に間隔をあけて並設され、各々の前記レールは、上下方向に延設された基部と、前記基部の上端部において水平方向に延在する平面部とからなる断面T字状であり、前記コンテナは、前記短手方向に隣接する二つの前記レールの前記平面部に跨って前記平面部の上面に配置されるとともに各々の前記碍子が取り付けられた第一台座部品と、前記隣接する二つの前記レールの間であって前記平面部の下方に配置され、前記第一台座部品とともに前記平面部を挟持する第二台座部品と、を備え、前記第一導体板は、前記各々の碍子に固定されている。
【0007】
(2)複数の前記第一導体板が互いに隙間を空けて前記底面に敷設され、前記発生装置は、各々の前記第一導体板に対する電圧印加を制御することが好ましい。
(3)前記コンテナは直方体形状であって、長手方向の一端側に前記発生装置が配置されるとともに他端側に開閉扉が配置され、前記各々の第一導体板は、前記長手方向に延設されるとともに短手方向に隙間をあけて敷設され、前記長手方向の前記一端側の端部に前記発生装置の高圧ケーブルが接続されることが好ましい。
【0009】
)前記コンテナは直方体形状であって、長手方向の一端側に前記冷凍機及び前記発
生装置並びにダウントランスが配置されるとともに他端側に開閉扉が配置され、前記ダウ
ントランスは、前記冷凍機の電圧を降下して前記発生装置に電源を供給することが好まし
い。
【発明の効果】
【0010】
開示のコンテナによれば、庫内(コンテナの内部空間)に安定した電磁界を形成することができるため、被冷却物(保存対象物)の鮮度を長期間維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係るコンテナを示す斜視図である。
図2図1のコンテナの開閉扉を開いた状態をコンテナ外部から見た図である。
図3図1のコンテナの長手方向に直交する鉛直面で切断した断面図である。
図4図3のA部拡大図である。
図5】(a)は、図1のコンテナに設けられる第一導体板の構成を説明するための図であり、(b)は図5(a)のB部拡大図である。
図6】(a)~(e)は、図1のコンテナに設けられる碍子及び台座部品を説明するための図である。
図7図1のコンテナの作用を説明するための図(図2に対応する図)である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面を参照して、実施形態としてのコンテナについて説明する。以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。
【0013】
[1.構成]
図1は、本実施形態のコンテナ1を示す斜視図である。コンテナ1は、その内部に食品や生体等といった被冷却物(以下「保存対象物」という)を収容して冷蔵保存するための保存庫であり、例えば貨物輸送に用いられる。コンテナ1には、周知の冷凍機8が付設される。本実施形態のコンテナ1は直方体形状であって、長手方向の一端側(図1中の左上)に冷凍機8が配置され、長手方向の他端側(図1中の右下)に開閉扉5が配置される。すなわち、本実施形態のコンテナ1は他端側にのみ開口を有し、開閉扉5によってこの開口が閉塞される。
【0014】
冷凍機8は、コンテナ1の一端側に設けられた収容部9に配置される。収容部9は、コンテナ1の一端側の端面からコンテナ1の内部空間側に凹んで形成された部分である。一端側の端面と内部空間側を向く側面7(開閉扉5と対向する面)との間には、収容部9によって収容空間が形成される。この収容空間には、上記の冷凍機8に加え、内部空間に電磁界を形成するための発生装置10の一部及びダウントランス14が配置される。
【0015】
発生装置10は、高電圧を発生させるトランスと制御手段とを内蔵した制御ボックス11と、後述する第一導体板21に対する電圧印加を制御するリレー装置12と、高圧ケーブル13とを含む。本実施形態のコンテナ1では、制御ボックス11が収容部9に配置され、リレー装置12が内部空間の一端側に取り付けられる。高圧ケーブル13は、制御ボックス11とリレー装置12とを接続する部分と、リレー装置12と第一導体板21とを接続する部分とにそれぞれ設けられる。前者の高圧ケーブル13は、収容部9を構成する壁面に設けられた貫通孔を通じて、コンテナ1の内部空間に引き込まれる。
【0016】
ダウントランス14は、冷凍機8の電圧を降下して発生装置10の制御ボックス11に電源を供給する。ダウントランス14の端子台には、冷凍機8の電源ケーブルの先端に設けられた端子と、制御ボックス11の電源ケーブルの先端に設けられた端子とがそれぞれ接続される。なお、これらの機器(冷凍機8,ダウントランス14,制御ボックス11,リレー装置12)の接続方法は一例である。
【0017】
次に、コンテナ1の内部の構造を説明する。図2に示すように、コンテナ1は、内部の底面2に敷設された第一導体板21と、底面2に対向する天井面6をなす第二導体板22と、コンテナ1の内部を向く面であって底面2及び天井面6を除く面を構成する絶縁板23と、を備える。すなわち、コンテナ1は、上下の面(図2中の網掛け模様の面)のみが電気を通し、他の面(図2中のドット模様の面)は電気を通さない。これにより、一方の導体板(第一導体板21)に電圧が印加されると、電気は流れやすい他方の導体板(第二導体板22)へと向かうため、安定した電磁界が形成される。
【0018】
第一導体板21及び第二導体板22としては、例えばアルミ板やステンレス板といった金属の薄板を採用可能である。コンテナ1の天井面6がもともと導体で形成されている場合には、その天井面6を第二導体板22として利用可能である。一方、コンテナ1では、底面2がもともと導体で形成されている場合であっても、図1及び図2に示すように、複数の第一導体板21が底面2の全体を覆うように幅方向に並設される。なお、第一導体板21の上には、保存対象物が載置される。
【0019】
絶縁板23としては、例えば樹脂(FRP,ABS)や発泡ポリエチレンといった素材で形成された薄板を採用可能である。絶縁板23は、コンテナ1の幅方向両側の側面7と、開閉扉5の内部を向く面(内面)と、長手方向一端側の側面7とにそれぞれ貼付される。貼付の方法は特に限られず、業務用の接着剤や両面テープ等で貼り付けられる。なお、絶縁板23を貼付したのち、シーリングを行って隙間を埋めることが好ましい。
【0020】
複数の第一導体板21は、長手方向に延設されるとともに幅方向(短手方向)に隙間をあけて敷設される。図5(a)及び(b)は、1枚の第一導体板21の平面図及び部分拡大図である。図5(b)に示すように、第一導体板21の長手方向の一端側の端部には、高圧ケーブル13の端子が接続される接続孔21cが設けられる。なお、1枚の第一導体板21に1本の高圧ケーブル13を接続してもよいし、隣り合う2枚の第一導体板21をアルミテープのような導体テープで貼り付けて隙間を埋めることで1つの導体板とし、この導体板に1本の高圧ケーブル13を接続してもよい。リレー装置12には、第一導体板21の枚数(あるいはグループ数)と同数の高圧ケーブル13が接続される。
【0021】
発生装置10のリレー装置12は、各第一導体板21に対する電圧印加を制御する。本実施形態のリレー装置12は、複数の第一導体板21に電圧を印加する際に、どの第一導体板21に電圧を印加するのか(電圧印加のタイミングやオンオフ)を制御する。なお、発生装置10は、全ての第一導体板21に同時に電圧を印加してもよいし、一部の第一導体板21にのみ電圧を印加してもよい。この場合、リレー装置12を省略してもよい。
【0022】
図3図5(b)に示すように、コンテナ1は、第一導体板21を下方から支持する複数の碍子30を備える。碍子30は、底面2と第一導体板21との間に配置され、第一導体板21に印加された電圧が底面2側へ流れることを防止する。本実施形態のコンテナ1は、底面2に長手方向に延びる複数のレール4が幅方向に間隔をあけて並設されており、このレール4に碍子30が支持される。
【0023】
図4に示すように、コンテナ1の底面2には、断面T字状のレール4と、断面H字状のフレーム3とが設けられる。レール4及びフレーム3はいずれも、長手方向に一様な断面を持つ。なお、ここでいう断面とは、長手方向に直交する鉛直面で切断した断面形状をいう。各レール4は、上下方向に延設された基部4aと、基部4aの上端部において水平方向に延在する平面部4bとからなる断面T字状であり、フレーム3の高さ寸法の半分程度の高さ寸法に形成される。
【0024】
コンテナ1は、碍子30をレール4に取り付けるための二種類の台座部品31,32を備える。一方の台座部品31(以下「第一台座部品31」という)は、幅方向に隣接する二つのレール4の平面部4bに跨って平面部4bの上面に配置される。第一台座部品30の上面には碍子30が取り付けられる。他方の台座部品32(以下「第二台座部品32」という)は、第一台座部品31が配置された隣接する二つのレール4の間であって平面部4bの下方に配置され、第一台座部品31とともに平面部4bを挟持する。
【0025】
図5(a)に示すように、本実施形態のコンテナ1では、長手方向に延在する第一導体板21に対し、幅方向に二つの碍子30が固定されるとともに、長手方向に略等間隔に碍子30が固定される。なお、図5(a)では一部の碍子30にのみ符号を付している。図5(b)に示すように、第一導体板21には、碍子30が重ね合わされる位置に、碍子30と第一導体板21とを取り付けるための板取付孔21aが形成される。また、第一導体板21には、碍子30を長手方向から挟むように二つの固定用孔21bが形成される。これらの固定孔21bは、二つの台座部品31,32を本締めする際にドライバー等の工具を挿入するために利用される。なお、本実施形態の第一導体板21には、軽量化を図るためのパンチング孔21dが複数形成されているが、パンチング孔21dは省略してもよい。
【0026】
ここで、碍子30,第一導体板21,二種類の台座部品31,32の組み立て方法について図6(a)~(e)を用いて例示する。図6(a)は、組み立て前の碍子30及び台座部品31,32である。本実施形態の碍子30は、径の異なる二種類の円板を同軸上に交互に重ね合わせたような形状をなし、第一導体板21を取り付けるための複数(図では2つ)の孔部を有する。本実施形態の第一台座部品31及び第二台座部品32はいずれも直方体形状であり、取付用の孔部を複数有する。なお、第一台座部品31の板厚(高さ寸法)は、図4に示すように、碍子30の上面に固定された第一導体板21の上面とフレーム3の上端面とが同一の高さ位置になうように設定される。
【0027】
図6(b)に示すように、第一台座部品31の上面に碍子30を載置し、例えばビスにより両者を固定する。次に、図6(c)に示すように、碍子30付きの第一台座部品31を、レール4の平面部4bの上に置く。そして、図6(d)に示すように、第一台座部品31の下方であってレール4の間に第二台座部品32を入れ、平面部4bを上下の台座部品31,32で挟み込み、この状態で両者をビスで仮止めする。これにより、碍子30が台座部品31,32を介してレール4に仮止めされる。
【0028】
すべての碍子30をレール4に仮止めしたら、図6(e)に示すように、第一導体板21を碍子30の上面に置く。このとき、碍子30の孔部の位置と第一導体板21の板取付孔21aの位置とを合わせ、両者をねじ止めする。最後に、上下の台座部品31,32を仮止めしているビスを本締めして、碍子30,台座部品31,32,第一導体板21を強固に固定する。なお、この本締めの際に上記の固定用孔21bが用いられる。
【0029】
[2.作用,効果]
(1)上述したコンテナ1によれば、底面2に敷設された第一導体板21に電圧を印加することで電磁界を発生させることができるが、底面2及び天井面6以外の内面は絶縁板23で構成されていることから、図7に示すように、電気の流れる方向を下から上へと決めることができる。言い換えると、上述したコンテナ1では、第一導体板21に印加された電圧(電気)が流れやすい天井面6へと向かうため、安定した電磁界を形成することができる。加えて、第一導体板21と底面2との間には碍子30が配置されているため、第一導電板21から底面2側に電流が流れることを防止でき、電磁界の形成をより安定させることができる。したがって、庫内(コンテナ1の内部空間)に安定した電磁界を形成し、収容される保存対象物の鮮度を長期間維持することができる。
【0030】
(2)上述したコンテナ1によれば、底面2に敷設される第一導体板21が複数に分かれており、発生装置10によってどの第一導体板21に電圧を印加するのかが制御されることから、電力消費量を抑制しつつ必要な範囲に安定した電磁界を形成することができる。
【0031】
(3)上述したコンテナ1によれば、長手方向の一端側に発生装置10が配置され、長手方向に延設された第一導体板21の一端側の端部に高圧ケーブル13が接続されるため、高圧ケーブル13の長さを短くできる。また、コンテナ1の開閉扉5から最も遠い一端側に発生装置10が配置されるため、コンテナ1に物体(保存対象物)を収容する際の妨げとならない。
【0032】
(4)上述したコンテナ1によれば、二種類の台座部品31,32によって碍子30が底面2のレール4に固定され、この碍子30に第一導体板21が固定されるため、第一導体板21及び碍子30を簡単かつ安定してコンテナ1に固定することができる。さらに、上記の組み立て方法を採用することにより、コンテナ1に対して簡単に碍子30及び第一導体板21を固定することができる。
【0033】
(5)上述したコンテナ1によれば、冷凍機8と発生装置10とがともにコンテナ1の長手方向の一端側に配置されるため、冷凍機8の電圧を発生装置10で容易に利用できる。さらに、コンテナ1の開閉扉5から最も遠い一端側に冷凍機8,発生装置10,ダウントランス14が配置されることから、コンテナ1に物体(保存対象物)を収容する際の妨げとならない。
【0034】
[3.その他]
上述したコンテナ1の構成は一例であって、上述したものに限られない。例えば、コンテナ1の側面部分が曲面状であってもよいし、コンテナ1の側面部分に開口及び扉が設けられていてもよい。また、コンテナ1がレール4やフレーム3を有さない構成であってもよく、コンテナ1が業務用又は家庭用の冷凍庫であってもよい。この場合、底面2と第一導体板21との間に配置される碍子30の固定方法として、上記の台座部品31,32を用いる代わりに、例えば接着剤や両面テープ等を使用してよい。
【0035】
また、上述したコンテナ1では、第一導体板21がコンテナ1の長手方向に延設されているが、第一導体板21が幅方向に延設されていてもよい。あるいは、長手方向や幅方向に分割して延設されていてもよい。少なくとも、底面2に第一導体板21が敷き詰められていればよく、その配置は限られない。ただし、発生装置10と第一導体板21との距離が長くなると高圧ケーブル13を長くしなければならないため、高圧ケーブル13の長さや配索を考慮して発生装置10に対する第一導体板21の配置を決定することが好ましい。
【0036】
上述したコンテナ1では、長手方向の一端側に発生装置10と冷凍機8とダウントランス14とが配置されているが、これらの機器の配置はこれに限られない。コンテナ1の内部空間を犠牲にせず、開閉扉5(開口)から荷物の搬入出作業を考慮して、各種機器の配置を設定することが好ましい。
【符号の説明】
【0037】
1 コンテナ
2 底面
3 フレーム
4 レール
4a 基部
4b 平面部
5 開閉扉
6 天井面
7 側面
8 冷凍機
9 収容部
10 発生装置
11 制御ボックス
12 リレー装置
13 高圧ケーブル
14 ダウントランス
21 第一導体板
21a 板取付孔
21b 固定用孔
21c 接続孔
21d パンチング孔
22 第二導体板
23 絶縁板
30 碍子
31 第一台座部品
32 第二台座部品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7