(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-30
(45)【発行日】2023-09-07
(54)【発明の名称】引越の予約を行うためのプログラム、方法、情報処理装置およびサーバ装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/02 20120101AFI20230831BHJP
【FI】
G06Q10/02
(21)【出願番号】P 2020140714
(22)【出願日】2020-08-24
(62)【分割の表示】P 2019172934の分割
【原出願日】2019-09-24
【審査請求日】2022-09-21
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 出願人ウェブサイトおよびサービスサイトにおいて平成31年1月31日にて、本願発明に関するサービスの概要並びにサービスの開始に関して公開しました。 また同平成31年1月31日付けにて、出願人が、株式会社PR TIMESが管理するウェブサイトに本願発明の概要を掲載させることにより、出願人が本願発明の概要を公開しました。
(73)【特許権者】
【識別番号】508016457
【氏名又は名称】株式会社 アップル
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】文字 放想
【審査官】鈴木 和樹
(56)【参考文献】
【文献】特許第6757052(JP,B1)
【文献】特開2005-227805(JP,A)
【文献】特開2017-165509(JP,A)
【文献】特開2015-210568(JP,A)
【文献】特開2005-157595(JP,A)
【文献】特開2015-118674(JP,A)
【文献】特開2016-024586(JP,A)
【文献】特開2015-225557(JP,A)
【文献】特開2002-092438(JP,A)
【文献】特開2008-077245(JP,A)
【文献】特開2016-151996(JP,A)
【文献】業界初、単身者向けスマホ引越予約サービス「アップルスピード予約」を提供開始。在庫管理システムと連動し,PRESS RELEASE [ONLINE],アップル引越センター,2017年02月01日,p.1-7,https://www.apple-hikkoshi.co.jp/archives/147,[検索日:2020/2/8]
【文献】高槻芳,定価なき商慣習に限界 変わらぬ引っ越し業界 なぜヤマトは躓いたのか,日経ビジネス,日経BP社,2018年12月03日,第1969号,p.48-51
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、ユーザの引越の予約を行わせるためのプログラムであって、前記コンピュータは、プロセッサと、メモリとを備え、前記プログラムは、前記プロセッサに、
ユーザの引越に関する情報を取得する第1のステップと、
前記取得した情報に基づいて、前記ユーザが引越を行う日程の候補となる複数の候補日のそれぞれについて、確定的な料金を特定し、特定した前記確定的な料金を、前記複数の候補日それぞれについて前記ユーザに提示する第2のステップと、
前記ユーザが前記複数の候補日のいずれかを指定する操作を受け付けることにより、指定された候補日での前記引越の予約を完了させる第3のステップと、を実行させ、
前記第1のステップにおいて、前記ユーザから、少なくとも住所に関する情報を含む引越に関する情報を入力するための入力操作を受け付けており、引越を希望する日である引越希望日の指定をするための入力操作を前記ユーザから受け付けることなく前記ユーザが入力した前記引越に関する情報を取得し、
前記第2のステップにおいて、前記ユーザが前記入力操作を行うタイミング以降において連続する第1の期間内の複数の日付を前記複数の候補日とし、当該第1の期間内の前記複数の日付
を配置し、各日付の前記確定的な料金を
、各日付と関連付けて配置する、プログラム。
【請求項2】
ユーザの引越の予約を行わせるための、コンピュータによって実行される方法であって、前記コンピュータは、プロセッサと、メモリとを備え、
前記方法は、前記プロセッサが、
ユーザの引越に関する情報を取得する第1のステップと、
前記取得した情報に基づいて、前記ユーザが引越を行う日程の候補となる複数の候補日のそれぞれについて、確定的な料金を特定し、特定した前記確定的な料金を、前記複数の候補日それぞれについて前記ユーザに提示する第2のステップと、
前記ユーザが前記複数の候補日のいずれかを指定する操作を受け付けることにより、指定された候補日での前記引越の予約を完了させる第3のステップと、を実行し、
前記第1のステップにおいて、前記ユーザから、少なくとも住所に関する情報を含む引越に関する情報を入力するための入力操作を受け付けており、引越を希望する日である引越希望日の指定をするための入力操作を前記ユーザから受け付けることなく前記ユーザが入力した前記引越に関する情報を取得し、
前記第2のステップにおいて、前記ユーザが前記入力操作を行うタイミング以降において連続する第1の期間内の複数の日付を前記複数の候補日とし、当該第1の期間内の前記複数の日付
を配置し、各日付の前記確定的な料金を
、各日付と関連付けて配置する、ことを含む、方法。
【請求項3】
プロセッサと、メモリとを備え、ユーザの引越の予約を行わせるための情報処理装置であって、
前記プロセッサは、
ユーザの引越に関する情報を取得し、
前記取得した情報に基づいて、前記ユーザが引越を行う日程の候補となる複数の候補日のそれぞれについて、確定的な料金を特定し、特定した前記確定的な料金を、前記複数の候補日それぞれについて前記ユーザに提示し、
前記ユーザが前記複数の候補日のいずれかを指定する操作を受け付けることにより、指定された候補日での前記引越の予約を完了させるように構成され、
ユーザの引越に関する情報を取得する際に、前記ユーザから、少なくとも住所に関する情報を含む引越に関する情報を入力するための入力操作を受け付けており、引越を希望する日である引越希望日の指定をするための入力操作を前記ユーザから受け付けることなく前記ユーザが入力した前記引越に関する情報を取得し、
特定した前記確定的な料金を、前記複数の候補日それぞれについて前記ユーザに提示する際に、前記ユーザが前記入力操作を行うタイミング以降において連続する第1の期間内の複数の日付を前記複数の候補日とし、当該第1の期間内の前記複数の日付
を配置し、各日付の前記確定的な料金を
、各日付と関連付けて配置する、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、引越の予約を行うためのプログラム、方法、情報処理装置およびサーバ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
引越の見積もりをする場合、ユーザの居住地や引越先などを入力して、概算の見積額を提示するサービスがある。例えば、特許文献1には、ユーザが日付を指定してから、家財道具などを入力して引越に係る確定料金を提示する契約支援システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されたシステムでは、予め引越業者側で用意された顧客が選択可能なプランの基本料金等の提示に基づいて、ユーザに希望する引越の日にち等を選択させるものである。このため、日にち選択後に入力する家財道具などの情報によって決定される確定料金は、基本料金よりも高額になる場合があり、料金提示に基づいて日にちを選択したユーザに失望感を与える虞がある。また、確定料金に同意できないユーザは、再度、日にちを決めなおし、入力操作を繰り返す必要があるため、操作が煩雑になってしまう。
【0005】
そこで、本開示は、上記課題を解決すべくなされたものであって、その目的は、ユーザが容易に引越の予約を行うことができるプログラム、方法、情報処理装置およびサーバ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示の一態様におけるプログラムは、コンピュータに、ユーザの引越の予約を行わせるためのプログラムであって、コンピュータは、プロセッサと、メモリとを備え、プログラムは、プロセッサに、ユーザの引越に関する情報を取得する第1のステップと、取得した情報に基づいて、ユーザが引越を行う日程の候補となる複数の候補日のそれぞれについて、確定的な料金を特定し、特定した確定的な料金を、複数の候補日それぞれについてユーザに提示する第2のステップと、ユーザが複数の候補日のいずれかを指定する操作を受け付けることにより、指定された候補日での引越の予約を完了させる第3のステップと、を実行させる。
【0007】
本開示の一態様における方法は、ユーザの引越の予約を行わせるための、コンピュータによって実行される方法であって、コンピュータは、プロセッサと、メモリとを備え、方法は、プロセッサが、ユーザの引越に関する情報を取得する第1のステップと、取得した情報に基づいて、ユーザが引越を行う日程の候補となる複数の候補日のそれぞれについて、確定的な料金を特定し、特定した確定的な料金を、複数の候補日それぞれについてユーザに提示する第2のステップと、ユーザが複数の候補日のいずれかを指定する操作を受け付けることにより、指定された候補日での引越の予約を完了させる第3のステップと、を実行することを含む。
【0008】
本開示の一態様における情報処理装置は、プロセッサと、メモリとを備え、ユーザの引越の予約を行わせるための装置であって、プロセッサは、ユーザの引越に関する情報を取得し、取得した情報に基づいて、ユーザが引越を行う日程の候補となる複数の候補日のそれぞれについて、確定的な料金を特定し、特定した確定的な料金を、複数の候補日それぞれについてユーザに提示し、ユーザが複数の候補日のいずれかを指定する操作を受け付けることにより、指定された候補日での引越の予約を完了させるように構成される。
【0009】
本開示の一態様におけるサーバ装置は、プロセッサと、メモリとを備え、ユーザの引越の予約を行わせるためのサーバ装置と、引越の予約を申し込むユーザ側端末装置と、リソース管理情報を入力する業者側端末装置とにより構成されるシステムにおけるサーバ装置であって、ユーザ側端末装置から、ユーザの引越に関する情報を取得し、業者側端末装置から、リソース管理情報を取得し、取得した引越に関する情報およびリソース管理情報に基づいて、ユーザが引越を行う日程の候補となる複数の候補日のそれぞれについて、確定的な料金を特定し、特定した確定的な料金を、複数の候補日それぞれについてユーザ側端末装置に提示し、ユーザ側端末装置から複数の候補日のいずれかを指定する操作を受け付けることにより、指定された候補日での引越の予約を完了させるように構成されている。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、ユーザが容易に引越の予約を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】予約システム1を構成する端末装置10のブロック図である。
【
図3】予約システム1を構成する端末装置30のブロック図である。
【
図5】リソース管理データベース281のデータ構造の一例を示す図である。
【
図6】予約情報データベース282のデータ構造の一例を示す図である。
【
図7】予約システム1における処理を示すシーケンス図である。
【
図8】ユーザの引越に関する情報を入力する画面例を示す図である。
【
図9】ユーザが引越を行う日程の設定を行う画面例を示す図である。
【
図10】ユーザが引越を行う日程の設定を行う画面例を示す図である。
【
図11】ユーザの入力状況をディスプレイに表示する画面例を示す図である。
【
図12】ユーザに確認を促す旨の通知を行う画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。なお、実施形態を説明する全図において、共通の構成要素には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略する。また、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが、本開示の必須構成要件であるとは限らない。
【0013】
<全体概要>
図1は、本実施形態に係る予約システム1の全体構成を示す図である。
図1に示すように、予約システム1は、引越を請け負う引越業者側の端末である端末装置10と、サーバ20と、引越の予約を行うユーザ側の端末である端末装置30とを備える。端末装置10とサーバ20とは、ネットワーク80を介して通信接続する。端末装置30とサーバ20とは、ネットワーク80を介して通信接続する。
【0014】
端末装置10は、引越業者(以下、単に「業者」と記載する場合がある。)が操作する装置であり、業者は、運送車両(トラック)や作業員の稼働状況などリソースの管理情報を入力する。端末装置10は、例えば、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPCなどにより実現される。この他に、移動体通信システムに対応したスマートフォン、タブレット等の携帯端末などであってもよい。
【0015】
端末装置30は、引越の予約を行うユーザが操作する端末であり、移動体通信システムに対応したスマートフォン、タブレット等の携帯端末などにより実現される。この他に、端末装置30は、例えば、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPCであるとしてもよい。
【0016】
図1に端末装置10として示すように、端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、記憶部16と、プロセッサ19とを備える。サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。なお、
図1では図示していないが、端末装置30は、端末装置10と同等のハードウェア構成を有する。
【0017】
端末装置10は、ネットワーク80を介してサーバ20と通信可能に接続される。端末装置10は、5G、4G、LTE(Long Term Evolution)などの通信規格に対応した無線基地局81、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11などの無線LAN(Local Area Network)規格に対応した無線LANルータ82等の通信機器と通信することによりネットワーク80に接続される。
【0018】
通信IF12は、端末装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入力装置13は、入力操作を受け付けるための入力装置(例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等)である。出力装置14は、情報を提示するための出力装置(ディスプレイ、スピーカ等)である。メモリ15は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。記憶部16は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。
【0019】
サーバ20は、ユーザや業者の情報を管理する。サーバ20は、ユーザの情報として、ユーザが端末装置30を介して入力した引越に関する情報(例えば、引越元住所、引越先住所、荷物の種類、荷物の数、引取り荷物など)を管理する。また、サーバ20は、業者の情報として、業者側のスタッフが端末装置10を介して入力した、運送用トラックや引越の作業員の稼働状況などリソースの管理情報(トラックの空きや出勤シフトなど)を管理する。
【0020】
通信IF22は、サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入出力IF23は、入力操作を受け付けるための入力装置、および、情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。メモリ25は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0021】
ストレージ26は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。
【0022】
<端末装置10の構成>
図2は、本実施形態に係る予約システム1を構成する端末装置10のブロック図である。
図2を参照して、引越を請け負う引越業者側の端末である端末装置10の構成について説明する。
【0023】
図2に示すように、端末装置10は、複数のアンテナ(アンテナ111、アンテナ112)と、各アンテナに対応する無線通信部(第1無線通信部121、第2無線通信部122)と、操作受付部130(タッチ・センシティブ・デバイス131およびディスプレイ132を含む)と、音声処理部140と、マイク141と、スピーカ142と、位置情報センサ150と、記憶部180と、制御部190と、を含む。端末装置10は、
図2では特に図示していない機能及び構成(例えば、電力を保持するためのバッテリ、バッテリから各回路への電力の供給を制御する電力供給回路など)も有している。
図2に示すように、端末装置10に含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
【0024】
アンテナ111は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ111は、空間から電波を受信して受信信号を第1無線通信部121へ与える。
【0025】
アンテナ112は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ112は、空間から電波を受信して受信信号を第2無線通信部122へ与える。
【0026】
第1無線通信部121は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ111を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。第2無線通信部122は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ112を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、チューナー、RSSI(Received Signal Strength Indicator)算出回路、CRC(Cyclic Redundancy Check)算出回路、高周波回路などを含む通信モジュールである。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、端末装置10が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部190へ与える。
【0027】
操作受付部130は、ユーザの入力操作を受け付けるための機構を有する。具体的には、操作受付部130は、タッチスクリーンとして構成され、タッチ・センシティブ・デバイス131と、ディスプレイ132とを含む。タッチ・センシティブ・デバイス131は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。タッチ・センシティブ・デバイス131は、例えば静電容量方式のタッチパネルを用いることによって、タッチパネルに対するユーザの接触位置を検出する。タッチ・センシティブ・デバイス131は、タッチパネルにより検出したユーザの接触位置を示す信号を入力操作として制御部190へ出力する。
【0028】
ディスプレイ132は、制御部190の制御に応じて、画像、動画、テキストなどのデータを表示する。ディスプレイ132は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイによって実現される。
【0029】
音声処理部140は、音声信号の変復調を行う。音声処理部140は、マイク141から与えられる信号を変調して、変調後の信号を制御部190へ与える。また、音声処理部140は、音声信号をスピーカ142へ与える。音声処理部140は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク141は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部140へ与える。スピーカ142は、音声処理部140から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
【0030】
位置情報センサ150は、端末装置10の位置を検出するセンサであり、例えばGPS(Global Positioning System)モジュールである。GPSモジュールは、衛星測位システムで用いられる受信装置である。衛星測位システムでは、少なくとも3個または4個の衛星からの信号を受信し、受信した信号に基づいて、GPSモジュールが搭載される端末装置10の現在位置を検出する。
【0031】
記憶部180は、例えばフラッシュメモリ等により構成され、端末装置10が使用するデータおよびプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部180は、リソース管理情報181を記憶する。
【0032】
リソース管理情報181は、業者側の運送車両(トラック)や作業員のリソースを管理する情報である。リソースを管理する情報としては、例えば、トラックの利用可能日時、積載量、作業員の出勤シフトなどの稼働状況、等が含まれる。
【0033】
制御部190は、記憶部180に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、端末装置10の動作を制御する。制御部190は、例えばアプリケーションプロセッサである。制御部190は、プログラムに従って動作することにより、入力操作受付部191と、送受信部192と、データ処理部193と、通知制御部194としての機能を発揮する。
【0034】
入力操作受付部191は、タッチ・センシティブ・デバイス131等の入力装置に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。入力操作受付部191は、タッチ・センシティブ・デバイス131に対してユーザが指などを接触させた座標の情報に基づき、ユーザの操作がフリック操作であるか、タップ操作であるか、ドラッグ(スワイプ)操作であるか等の操作の種別を判定する。
【0035】
送受信部192は、端末装置10が、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
【0036】
データ処理部193は、端末装置10が入力を受け付けたデータに対し、プログラムに従って演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。
【0037】
通知制御部194は、ユーザに対し情報を提示する処理を行う。通知制御部194は、表示画像をディスプレイ132に表示させる処理、音声をスピーカ142に出力させる処理、振動をディスプレイ132に発生させる処理等を行う。
【0038】
<端末装置30の構成>
図3は、本実施形態に係る予約システム1を構成する端末装置30のブロック図である。
図3を参照して、引越の予約を行うユーザ側の端末である端末装置30の構成について説明する。
【0039】
図3に示すように、端末装置30は、複数のアンテナ(アンテナ311、アンテナ312)と、各アンテナに対応する無線通信部(第1無線通信部321、第2無線通信部322)と、操作受付部330(タッチ・センシティブ・デバイス331およびディスプレイ332を含む)と、音声処理部340と、マイク341と、スピーカ342と、位置情報センサ350と、カメラ360と、モーションセンサ370と、記憶部380と、制御部390と、を含む。端末装置30は、
図3では特に図示していない機能及び構成(例えば、電力を保持するためのバッテリ、バッテリから各回路への電力の供給を制御する電力供給回路など)も有している。
図3に示すように、端末装置30に含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
【0040】
端末装置30は、
図2に示す端末装置10が有する機能及び構成と同等の機能及び構成を含む。例えば、アンテナ311、312は、端末装置10のアンテナ111、112と同等である。その他、端末装置30の第1無線通信部321、第2無線通信部322、操作受付部330(タッチ・センシティブ・デバイス331およびディスプレイ332)、音声処理部340、マイク341、スピーカ342、位置情報センサ350は、端末装置10の第1無線通信部121、第2無線通信部122、操作受付部130(タッチ・センシティブ・デバイス131およびディスプレイ132)、音声処理部140、マイク141、スピーカ142、位置情報センサ150と同等の機能及び構成を有する。
【0041】
カメラ360は、受光素子により光を受光して、撮影画像として出力するためのデバイスである。カメラ360は、例えば、カメラ360から撮影対象までの距離を検出できる深度カメラである。
【0042】
モーションセンサ370は、加速度センサ、角速度センサ等を含み、端末装置30の動きを検出する。
【0043】
記憶部380は、例えばフラッシュメモリ等により構成され、端末装置30が使用するデータおよびプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部380は、予約情報381を記憶する。
【0044】
予約情報381は、ユーザの引越に関する情報である。引越に関する情報としては、例えば、引越元住所、引越先住所、荷物の種類、荷物の数、引取り荷物、等が含まれる。なお、予約情報381には、操作受付部330を介してユーザが入力した情報を含めてもよいし、位置情報センサ350から取得した現在位置に基づいて取得された引越元や引越先の住所を含めてもよい。また、カメラ360によって撮影された画像に基づいて画像認識により取得された、荷物の種類や荷物の数等を含めてもよい。
【0045】
制御部390は、記憶部380に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、端末装置30の動作を制御する。制御部390は、例えばアプリケーションプロセッサである。制御部390は、プログラムに従って動作することにより、入力操作受付部391と、送受信部392と、データ処理部393と、通知制御部394としての機能を発揮する。
【0046】
入力操作受付部391は、タッチ・センシティブ・デバイス331等の入力装置に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。入力操作受付部391は、タッチ・センシティブ・デバイス331に対してユーザが指などを接触させた座標の情報に基づき、ユーザの操作がフリック操作であるか、タップ操作であるか、ドラッグ(スワイプ)操作であるか等の操作の種別を判定する。
【0047】
送受信部392は、端末装置30が、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
【0048】
データ処理部393は、端末装置30が入力を受け付けたデータに対し、プログラムに従って演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。
【0049】
通知制御部394は、ユーザに対し情報を提示する処理を行う。通知制御部394は、表示画像をディスプレイ332に表示させる処理、音声をスピーカ342に出力させる処理、振動をディスプレイ332に発生させる処理等を行う。
【0050】
<サーバ20の機能的な構成>
図4は、サーバ20の機能的な構成を示す図である。
図4に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0051】
通信部201は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0052】
記憶部202は、サーバ20が使用するデータ及びプログラムを記憶する。記憶部202は、リソース管理データベース281、予約情報データベース282等を記憶する。
【0053】
リソース管理データベース281は、業者側の運送車両(トラック)や作業員のリソースを管理するためのデータベースである。
【0054】
予約情報データベース282は、予約システム1における各ユーザの引越の予約に関する情報を保持するためのデータベースである。
【0055】
制御部203は、サーバ20のプロセッサがプログラムに従って処理を行うことにより、各種モジュールとして示す機能を発揮する。
【0056】
操作内容取得モジュール2041は、端末装置10における操作内容と、端末装置30における操作内容とを取得する。操作内容取得モジュール2041は、例えば、端末装置10において、引越業者が入力したリソースを管理する情報(リソース管理情報)を、操作内容として取得する。また、操作内容取得モジュール2041は、例えば、端末装置30において、ユーザが入力した引越に関する情報(予約情報)を、操作内容として取得する。取得したリソース管理情報および予約情報は、それぞれ、リソース管理データベース281および予約情報データベース282に格納される。
【0057】
受信制御モジュール2042は、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0058】
送信制御モジュール2043は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0059】
料金算出モジュール2044は、ユーザが入力した引越に関する情報に基づいて、ユーザが引越を行う日程の候補となる複数の候補日のそれぞれについて、確定的な料金を特定し、特定した確定的な料金を、複数の候補日それぞれについてユーザに提示する処理を制御する。料金算出モジュール2044は、ユーザの入力操作に応答して、ユーザの引越に関する情報として、引越において引越元の住所から引越先の住所までの移動に要する移動時間、および、各住所での引越に要する作業時間を見積もるための情報を取得し、リソース管理データベース281に記憶される運送車両や作業員の稼働状況を参照して、各日程について確定的な料金を特定するようにしてもよい。料金は、業者側が予め所定の条件に応じて設定してもよい。なお、料金算出モジュール2044は、引越に関する情報に基づいて、複数の候補日において移動用の運送車両または作業員のリソースの少なくともいずれかが確保できない場合は、予約ができない旨をユーザに提示してもよい。
【0060】
予約完了モジュール2045は、ユーザが複数の候補日のいずれかを指定する操作を受け付けることにより、指定された候補日での引越の予約を完了させる処理を制御する。
【0061】
<データ構造>
図5は、リソース管理データベース281のデータ構造の一例を示す図である。リソース管理データベース281で管理するリソースとしては、引越業者のリソースがある。例えば、引越業者のリソースとして、引越作業をするための人員に関するリソースと、機材に関するリソースがある。
【0062】
図5に示すように、リソース管理データベース281には、各日程と、引越業者のリソースである作業員1,2…、トラック1,2…の稼働状況とが対応付けて格納されている。
図5において、説明を簡略化するために、作業員やトラックが利用可の場合は「〇」、利用不可の場合は「●」、作業員の出勤シフトに入っていない(非出勤日)場合は「×」で示す。なお、作業員について「利用可」とは、作業員が出勤予定で、引越作業が行える(空いている)日であることを意味する。また、作業員について「利用不可」とは、作業員に既に引越作業が割り当てられている日であることを意味する。したがって、引越予約がキャンセルされたり、変更されたりした場合は、「利用不可(●)」から「利用可(〇)」に更新される。業者側の端末装置10は、例えば、上述のようなリソースの稼働状況が入力されると、リソース管理情報としてサーバ20へ送信する。サーバ20は、受信したリソース管理情報を、リソース管理データベース281に格納する。
【0063】
図5において、例えば、日程「10/5」において、リソース「作業員1」は非出勤日(×)、リソース「作業員2」は利用不可(●)、リソース「トラック1」は利用不可(●)、リソース「トラック2」は利用可(〇)であることを示している。なお、
図5で示すデータ構造は、リソース管理のための一例であって、目的に応じて任意のデータ構造を生成してよいことはいうまでもない。例えば、
図5では、一日単位で稼働状況を示しているが、情報の粒度を、「午前、午後」や、「時間」単位で管理してもよい。
【0064】
図6は、予約情報データベース282のデータ構造の一例を示す図である。
図6に示すように、予約情報データベース282には、ユーザから予約された各引越に関する情報が格納されている。
図6では、引越ごとに、引越を識別する「引越ID」、引越の予約がされた「予約日」、現住所において引越作業を行う日である「引越日」、予約を行ったユーザを示す「ユーザ名」、引越元の住所である「現住所」、引越先の住所である「新住所」などの項目が対応付けて記憶される。なお、
図6で示された項目の他に、荷物の種類や数、引越料金、引越で利用する段ボールの数、家電製品の廃棄処分の有無等、任意の項目を対応付けて記憶させてよい。ユーザ側の端末装置30は、例えば、上述のような引越に関する情報が入力されると、予約情報としてサーバ20へ送信する。サーバ20は、受信した予約情報を、予約情報データベース282に格納する。
【0065】
図6において、例えば、引越ID「T001」は、予約日が「2018/10/1」、引越日が「2018/11/5」、ユーザ名「A」、現住所「CAD1」、新住所「NAD1」であることを示している。
図6では、ユーザ名や住所には、説明を簡略化するために抽象的な記号を用いているが、実際には、具体的な名前や地名、マンション名、地番、部屋番号などが記載される。なお、
図6で示すデータ構造は一例であって、目的に応じて任意のデータ構造を生成してよいことはいうまでもない。
【0066】
<処理>
図7は、本実施形態に係る予約システム1における処理を示すシーケンス図である。
図7を参照して、予約システム1を構成する各装置の処理の一例を説明する。
【0067】
ステップS731において、(業者側)端末装置10は、引越業者が入力したリソース管理情報を取得し、サーバ20に送信する。
【0068】
ステップS711において、サーバ20は、端末装置10から受信したリソース管理情報をリソース管理データベース281に格納する。
【0069】
ステップS701において、(ユーザ側)端末装置30は、ユーザから受け付けた引越の予約申し込みをサーバ20に送信する。例えば、ユーザは、引越業者のWebサイトから、引越の予約申し込みのためのユーザ登録情報を入力する。
【0070】
ステップS713において、サーバ20は、端末装置30から受信した引越の予約申し込みに応じて、ユーザ登録を行う。サーバ20は、例えば、ユーザ登録情報として入力されたメールアドレスにアカウント認証のためのURLを送信し、ユーザが当該URLにアクセスすると、予約システム1を利用するためのアカウントを発行して、ユーザ登録を行うようにしてもよい。
【0071】
ステップS715において、サーバ20は、端末装置30に対し、ユーザの引越に関する情報(予約情報)を入力するための予約画面を提示する。
【0072】
ステップS703において、端末装置30は、提示された予約画面に応じてユーザが入力した予約情報を取得し、サーバ20に送信する。
【0073】
ステップS717において、サーバ20は、取得した予約情報を、予約情報データベース282に格納する。
【0074】
ステップS719において、サーバ20は、取得した情報に基づいて、ユーザが引越を行う日程の候補となる複数の候補日のそれぞれについて、確定的な料金を特定し、特定した確定的な料金を、複数の候補日それぞれについてユーザに提示する。ユーザが引越を行う日程の候補となる複数の候補日は、例えば、引越申し込みを行った日から所定の期間内(1か月など)である。確定的な料金を特定する複数の候補日数は、業者側が任意に設定することができる。サーバ20は、予め業者が入力している基本料金を参照して、リソース管理データベース281および予約情報データベース282に格納された情報に基づき、確定的な料金を算出してもよい。確定的な料金の算出方法は、特に限定されず、任意の方法を用いることができる。
【0075】
ステップS705において、端末装置30は、ユーザが上記複数の候補日のいずれかを指定する操作を受け付け、指定された候補日をサーバ20に送信する。
【0076】
ステップS721において、サーバ20は、指定された候補日での引越の予約を完了させる。サーバ20は、予約された日を引越日として予約情報データベース282を更新する。また、予約が完了した旨を端末装置10および30に通知する。
【0077】
ステップS733において、端末装置10は、サーバ20において予約が完了したことに応じて、リソース管理情報を更新し、サーバ20へ更新情報を送信する。サーバ20は、例えば、予約された日の作業員や運送車両の稼働状況を「利用不可」(
図5参照)に変更する処理を行う。
【0078】
ステップS723において、サーバ20は、受信した更新情報に基づいて、リソース管理データベース281を更新する。なお、リソース管理データベース281の更新は、予約完了処理に基づいて、サーバ20で行い、更新情報を端末装置10へ通知するようにしてもよい。
【0079】
<画面例>
図8~
図12を参照して、予約システム1において、(ユーザ側)端末装置30に提示される画面例について説明する。
【0080】
図8は、ユーザの引越に関する情報を入力する画面例を示す図である。
図8(A)は、ユーザに引越元である現住所の入力操作を促す画面を示しており、例えば、スマートフォンなどの縦長のディスプレイに表示される。ユーザが垂直方向にフリック操作等を行うと、引越先である新住所や、引越に係る建物の条件(エレベータの有無、運送車両の駐車位置など)の入力操作を促す画像がスクロール表示される。
【0081】
図8(B)は、ユーザに引越で運びたい荷物の種類や数の入力操作を促す画面を示しており、
図8(A)で示した住所の設定が完了すると、次のページ(画面)としてディスプレイの画面が遷移する。
図8(B)では、水平方向のフリック操作によりベッドのサイズ選択を変更することができる。例えば、水平方向のフリック操作に応じて、シングル、セミダブル、ダブル(不図示)、クイーン(不図示)などがスライド表示され、ユーザは、表示されたサイズのベッドのうち、運びたいサイズのベッドをタップ操作で選択することができる。さらに、「-」、「+」アイコンにより、運びたい数を入力することができる。また、垂直方向のフリック操作により荷物の表示を変更することができる。例えば、垂直方向のフリック操作に応じて、ベッド、タンス、冷蔵庫(不図示)、テレビ(不図示)、テーブル(不図示)などの荷物のリストがスクロール表示される。
【0082】
図8で示すように、ユーザの引越に関する情報として、ユーザに住所や荷物の種類、数を入力させることで、サーバ20は、引越において引越元の住所から引越先の住所までの移動に要する移動時間、および、各住所での引越に要する作業時間を見積もるための情報を取得することができる。サーバ20は、引越に関する情報について、ユーザの入力操作が完了していない場合には、引越の複数の候補日の確定的な料金をユーザに提示せず、入力操作が完了したことに応答して確定的な料金を特定する。
【0083】
また、予約完了までの入力画面において、入力段階801,802のように、予約完了までに必要とされる入力段階(入力操作)のうち、現時点の入力状況が、どの入力段階であるかを表示させてもよい。ユーザは、予約完了までに後どの程度の入力操作が必要なのか知ることができるため、安心感をもって入力操作を行うことができる。
【0084】
図8の例では、入力段階801、802に示すように、10個の模様「●」が線で接続されている。これら10個の模様「●」のそれぞれが、複数の入力段階のそれぞれを示している。図示する例では、画面の左端部に近い模様「●」ほど初期の入力段階であり、画面の右端部に近い模様「●」ほど終盤の入力段階である。
図8(A)の例では、入力段階801において、これら10個の模様「●」のうち画面の端部に近い模様(図示する例では、画面左端部に最も近い模様)の位置に、ユーザが入力中の段階を示すアイコン(図示する例では、引越で使用される機材である「トラック」を模した画像)を配置することで、ユーザの入力段階が第1の段階であることを示している。当該アイコンは、図示するように、引越で使用されるリソースに関する画像である。これにより、複数個の模様「●」で示される各入力段階の入力を終えることで、ユーザの引越予約のための作業が完了することをユーザに認識させることができ得る。
【0085】
ここで、複数の入力段階のそれぞれについて説明する。ユーザが複数の入力段階について入力をする前に、サーバ20は、ユーザに対し、ユーザがアカウントを登録するための操作を受け付けるための画面を提供する。
【0086】
例えば、サーバ20は、ユーザから、メールアドレスまたは電話番号の入力を受け付ける。サーバ20は、ユーザからメールアドレスの入力を受け付けることに応答して、認証用の情報を含むURL等を生成し、生成したURL等を含む情報を、当該メールアドレスに対して送信する。ユーザが認証用のURL等にアクセスすることにより、ユーザに対してアカウントを発行する。同様に、ユーザから受け付けた電話番号に基づいてSMS(Short Message Service)による認証を行うこととしてもよい。例えば、サーバ20は、有効期限があるコードを生成して、SMSにより、認証用のコードを送信する。これにより、サーバ20は、ユーザに対しアカウントを発行する。
【0087】
ユーザは、以下に説明する複数の入力段階の情報の入力を行うことになる。サーバ20は、ユーザのアカウントと対応付けて、ユーザの入力内容を保存する。これにより、ユーザが複数の入力段階の全ての入力を完成させていなくとも、入力内容をサーバ20に保存することができる。
【0088】
サーバ20は、アカウントを発行しているユーザから、以下の複数の入力段階それぞれの入力を、第1の段階から順に受け付ける。
・ 第1の段階:項目「住所の設定」
・ 第2の段階:項目「荷物の設定(種類と数)」
・ 第3の段階:項目「荷物の設定(詳細登録)」
・ 第4の段階:項目「荷物の設定(引取り荷物)」
・ 第5の段階:項目「オプションの設定」
・ 第6の段階:項目「段ボールの設定」
・ 第7の段階:項目「引越日時の設定」
・ 第8の段階:項目「支払い方法の設定」
・ 第9の段階:項目「連絡先情報の設定」
・ 第10の段階:項目「お申込み内容の確認」
【0089】
(ア)第1の段階(項目「住所の設定」)でのユーザの入力内容
サーバ20は、第1の段階(項目「住所の設定」)において、ユーザから、以下の情報の入力を受け付ける。
・ ユーザの現住所(つまり、引越元)の情報として、郵便番号、住所、間取り、居住人数、建物の種類(賃貸マンション、分譲マンション、戸建て、およびその他の種類)
【0090】
なお、サーバ20は、ユーザが、建物の種類として、マンション(賃貸マンションまたは分譲マンション)を指定した場合、さらに、マンションの高さの種別として、一定の階数以上であるか(例えば、19階建て以下であるか、20階建て以上であるか)の入力を受け付ける。マンションの高さの種別として、いわゆるタワーマンションであるか否かの指定を受け付けることとしてもよい。これらの情報に基づいて、部屋にある荷物を搬出するのに要する時間を見積もることができ得る。具体的には、引越に要する作業時間の見積をし得る。例えば、タワーマンションの高層階であれば、低層階の場合と比較して、エレベーターによる昇降に一定の時間を要すると見込まれる。
【0091】
サーバ20は、ユーザが、建物の種類として、マンション、および、その他のいずれかを指定した場合、ユーザが居住している階についての指定と、エレベーターの有無についての指定を受け付ける。これらの情報に基づいて、引越の作業時間と、引越の作業に要する人員数とを見積もることができ得る。例えば、エレベーターがない場合は、階段を使用して引越作業をすることになり、エレベーターがある場合よりも引越の時間が長くなること、引越作業に要する人員を多くすることがあり得る。
【0092】
サーバ20は、さらに、道路から、ユーザが居住している建物までの距離の情報の入力を受け付ける。例えば、建物から引越用の車両までの距離に応じて、引越に要する作業時間が変動し得る。
【0093】
サーバ20は、ユーザから、現住所で居住している期間(例えば、何年住んでいるか)の指定を受け付ける。例えば、ユーザが住んでいる期間が長くなるほど、様々な荷物が部屋に置かれている可能性があり、荷物の搬出のための作業時間を要する可能性がある。
【0094】
(イ)第2の段階(項目「荷物の設定(種類と数)」)でのユーザの入力内容
サーバ20は、第2の段階(項目「荷物の設定(種類と数)」)において、ユーザから、以下の情報の入力を受け付ける。
・ 大型家具の種類と数
【0095】
例えば、サーバ20は、引越用の段ボールに梱包することが困難な荷物について、ユーザから入力を受け付ける。例えば、サーバ20は、家具の種類と数として、家電製品(冷蔵庫、洗濯機の、テレビ、パソコン、マッサージ機、エアコン等の種類と数)の指定をユーザから受け付ける。サーバ20は、生活用の家具(ベッド、タンス、本棚、ソファ、リビングボード、ダイニングセット、食器棚等の種類と個数)の指定をユーザから受け付ける。その他、サーバ20は、部屋にある物品(ピアノなどの楽器、バイク・自転車などの移動手段、水槽・植物・インテリアなど主に観賞用の物品)の種類と数についての指定をユーザから受け付ける。また、サーバ20は、所定のサイズ、所定の重量を超過する荷物の有無についてユーザから入力を受け付けることとしてもよい。これらの情報に基づいて、部屋にある荷物を搬出するのに要する時間と、作業に要する人員数を見積もることができ得る。
【0096】
なお、サーバ20は、部屋にあるすべての荷物についてユーザから入力を受け付けることとせず、入力が必要なものについてリストとしてユーザに提示することとしてもよい。例えば、ユーザから住所、間取り、人数、建物の条件などの入力と、大きな荷物、重量がある荷物、また、取り扱いに一定の注意が必要な荷物についてユーザから入力を受け付けることとし、小物など細かい荷物については入力を受け付けることを必須としなくてもよい。例えば、部屋の間取り、人数、建物の条件に応じて、細かい荷物の総量を推定し得る。
【0097】
(ウ)第3の段階(項目「荷物の設定(詳細登録)」)でのユーザの入力内容
サーバ20は、第3の段階(項目「荷物の設定(詳細登録)」)において、ユーザから、以下の情報の入力を受け付ける。第3の段階では、第2の段階で入力された荷物の詳細な情報の入力を受け付ける。
【0098】
例えば、第2の段階において、ユーザが、引越に伴う荷物として、「冷蔵庫」と、「ベッド」について指定したとする。サーバ20は、第3の段階において、ユーザから、「冷蔵庫」の詳細な情報として、引越元からの搬出と、引越先への搬入に特別な機材が必要でないかを見積もるためのユーザの回答を受け付ける。例えば、サーバ20は、ユーザに対し、質問文「冷蔵庫の大きさが、引越元、引越先、ともに、階段を通過せず設置場所へと移動させられる冷蔵庫であるか、または、階段を通過させることができるものであるか」を提示する。このように、作業員の他に特別な機材を必要とせず搬出および搬入が可能であるかをユーザに問い合わせる。これにより、引越作業における作業時間と、特別な機材が必要であるかを確認することができ、引越費用の見積に反映させることができる。
【0099】
サーバ20は、第3の段階において、「ベッド」の詳細な情報として、ユーザ自身が組み立てる形で家具を組み立てるものであるか否かの質問文をユーザに提示する。例えば、家具を搬出および搬入する際に、家具を引越元で分解し、引越先で組み立てる場合、その作業時間を見積もることができる。
【0100】
(エ)第4の段階(項目「荷物の設定(引取り荷物)」)でのユーザの入力内容
サーバ20は、第4の段階(項目「荷物の設定(引取り荷物)」)において、ユーザから、以下の情報の入力を受け付ける。
・ ユーザが引越事業者に引き取ってほしい荷物
【0101】
例えば、サーバ20は、ユーザに対し、ユーザが引越に伴って引取りを希望する荷物のリストを提示する。当該リストには、例えば、炊飯器、電子レンジ、トースター、掃除機などの生活家電が含まれる。その他、当該リストには、スポーツ用品、移動手段、楽器、寝具などが含まれる。これらの情報に基づいて、引越費用の見積に反映させることができる。
【0102】
(オ)第5の段階(項目「オプションの設定」)でのユーザの入力内容
サーバ20は、第5の段階(項目「オプションの設定」)において、ユーザに対し、引越作業に伴う選択肢として、以下の情報の入力を受け付ける。
・ 荷物の箱詰め及び箱開けを引越事業者がするか否か
・ エアコン工事その他の電気工事をするか否か
・ 引越者が説明を受けていない機器(例えば、盗聴器など)が引越先に設置されているか発見するための調査をするか否か
【0103】
(カ)第6の段階(項目「段ボールの設定」)でのユーザの入力内容
サーバ20は、第6の段階(項目「段ボールの設定」)において、ユーザから、引越時の荷物を梱包するための資材(段ボール、粘着テープ、包装紙など)の量の指定を受け付ける。サーバ20は、予め、一定数の段ボール等についてはユーザに無料で提供するよう、資材の量を設定してもよい。
【0104】
(キ)第7の段階(項目「引越日時の設定」)でのユーザの入力内容
サーバ20は、第7の段階において、ユーザに対し、引越するための複数の候補日と、第1~第6の段階の各入力結果に基づいて特定される引越料金(確定的な料金)とを提示する。詳しくは
図9等を用いて説明する。
【0105】
(ク)第8の段階(項目「支払い方法の設定」)でのユーザの入力内容
サーバ20は、第8の段階(項目「支払い方法の設定」)において、ユーザから、支払い方法の入力を受け付ける。例えば、サーバ20は、ユーザに対し、ユーザが第7の段階で指定した引越料金の内訳と、支払い方法とを提示する。支払い方法としては、例えば、現金払い、クレジットカード払いなどがある。
【0106】
(ケ)第9の段階(項目「連絡先情報の設定」)でのユーザの入力内容
サーバ20は、第9の段階(項目「連絡先情報の設定」)において、ユーザの連絡先の情報の入力を受け付ける。ユーザの連絡先の情報としては、以下を含む。
・ ユーザの氏名
・ ユーザのメールアドレス、電話番号
・ ユーザが希望する連絡方法
【0107】
以上のように、実施形態の説明では、第1~第8の段階までにおいて、ユーザから、引越に伴う条件の入力を受け付けて、引越の日時および引越に要する確定的な料金の入力を受け付けた後で、ユーザの連絡先の入力を受け付けることとしている。これにより、ユーザは、引越先、引越の料金および候補日を決定するまでは、ユーザの連絡先の情報を入力することが必須ではなくなる。そのため、例えば、引越をする具体的な予定はなく見積のみをしたいような場合において、ユーザの入力操作を容易にすることができる。
【0108】
(コ)第10の段階(項目「お申込み内容の確認」)でのユーザの入力内容
サーバ20は、第10の段階において、第1~第9の段階までにおいてユーザから入力を受け付けた内容をユーザに提示したうえで、引越事業者に対し引越の依頼をするか否かの確認をする画面をユーザに提示する。ユーザは、当該画面において、申し込みの内容を確認し、引越事業者に引越を申し込むことができる。
【0109】
サーバ20は、
図8(A)の画面を端末装置30に表示させた状態で、第1の段階における入力(引越元、引越先の住所の入力)を完了させる操作をユーザから受け付けることに応答して、
図8(B)の画面に遷移させる。このとき、入力段階802に示すように、画面の左端部から2番目の模様「●」の位置に、入力段階を示すアイコンが配置されている。また、ユーザの入力が完了している第1の段階の模様「●」(最も左端の模様「●」)を、ユーザの入力が完了していない段階(第3の段階~第10の段階)の模様「●」と区別できる態様で表示している。図示する例では、ユーザの入力が完了している段階の模様「●」をハイライト表示により強調しつつ、ユーザの入力が完了していない段階の模様「●」と模様間の線とを比較的暗く表示している。
【0110】
また、ユーザが入力中の段階を示すアイコン(図示する例における「トラック」の画像)は、複数の入力段階のうち、次の入力段階がいずれの模様「●」であるかをユーザに示唆する態様で表示することとしてもよい。図示する例では、端末装置30において、「トラック」の画像が当該「トラック」の前方が右側(すなわち、入力段階を表す複数の模様「●」のうち、後半の段階がある方向)になるような態様で表示している。これにより、ユーザは、「トラック」の画像が、右端部の模様「●」に到達するまで入力を行うことを知得することができる。すなわち、ユーザは、引越の予約に必要な情報の入力の全体像を容易に把握することができる。
【0111】
以上により、ユーザに対し、入力の段階が複数あることと、入力の段階の全体像(図示する例では、入力段階が10段階まであること)と、ユーザが入力中の段階がいずれであるか(どの段階まで入力をしているか)を知得させることが容易になる。
【0112】
また、サーバ20は、複数の入力段階のそれぞれにおいて、端末装置30において、垂直方向のフリック操作またはドラッグ操作(スワイプ操作)により、各入力段階におけるすべての入力項目をユーザに提示させる。ユーザは、端末装置30において、フリック操作、ドラッグ操作、タップ操作等により、各入力段階のすべての入力項目について入力できるため、端末装置30を把持する手の操作(片手での操作)で、引越にかかる情報の入力をユーザから受け付けることができる。
【0113】
図9は、ユーザが引越を行う日程の設定を行う画面例を示す図である。
図7におけるステップS719、ステップS705の処理等に対応する。
図9において、住所や荷物などのユーザの引越に関する情報(
図8参照)に基づいて、複数の引越の候補日について、連続する一定期間内(例えば、1カ月)の複数の日付を垂直方向901(「第1の方向」に相当)に並べて配置し、各日付の確定的な料金を、垂直方向901に並べられる各日付と関連付けて配置している。ユーザは、垂直方向901にフリック操作等することで、複数の候補日をスクロール表示させることができる。
【0114】
また、
図9では、候補日「8/4(日)」以降の連続する候補日について午前(朝開始便)、午後(午後フリー便)の確定的な料金が示されている。すなわち、複数の候補日の各日付と、当該複数の候補日の各日付の午前(「第1の時間帯」に相当)の確定金額と、午後(「第1の時間帯に後続する第2の時間帯」に相当)の確定金額とを1画面に表示している。
図9では午前、午後は垂直方向に並べて配置されているが、水平方向に並べて配置してもよい。
【0115】
表示される連続する一定期間の候補日は、例えば、申し込み操作を行っている日から所定の営業日以降が表示されるようにしてもよいし、ユーザが予め表示させる期間の最初の日を指定してもよい。すなわち、サーバ20は、端末装置30から、引越に関する情報の入力を受け付けたタイミングに基づいて、当該タイミングを起点とした所定の営業日以降の一定期間の確定的な料金を特定して、特定した当該一定期間の確定的な料金を端末装置30へ応答することとしてもよい。
【0116】
また、
図9では、候補日「8/5(月)」および候補日「8/6(火)」には、「受付ができない」旨が示されている。これは、引越に関する情報に基づいて、複数の候補日において移動用の運送車両または作業員のリソースの少なくともいずれかが確保できない場合に、予約ができない旨をユーザに提示するものである。また、候補日「8/4(日)」に示すように、ユーザの予約を分散させるために、「割安日」などのようにユーザの関心を引くような表示をしてもよい。
【0117】
例えば、サーバ20は、リソース管理データベース281を参照することにより、端末装置30のユーザに提示する複数の候補日それぞれにおける人員のリソース、機材のリソースの稼働予定を取得する。サーバ20は、ユーザに提示する複数の候補日において、リソースの空きに基づいて、ユーザの関心を引く表示を、候補日と対応付けて表示することとしてもよい。サーバ20は、例えば、過去の引越予約の履歴に基づいて(例えば、過去数カ月、過去数年程度の引越予約の履歴)、引越需要を予測する学習済みモデルを生成することにより、端末装置30のユーザに提示する複数の候補日のそれぞれの引越需要を予測し、需要が一定以下と見込まれる候補日について、ユーザの関心を引く表示をすることとしてもよい。
【0118】
片手で長辺を把持して使用するスマートフォンなどの縦長のディスプレイにおいては、親指でフリック操作、ドラッグ操作等がしやすい。このため、
図9に示すように、複数の引越の候補日を垂直方向(長辺方向)に配置することで、ユーザはフリック操作またはドラッグ操作をして複数の候補日をスクロール表示させることができ、料金を容易に比較しながら、引越日時を検討、指定することができる。
【0119】
ユーザは複数の候補日のいずれかを選択すると、確定料金の他に引越の料金を変動させるための入力操作を受け付ける画面に遷移することなく、予約が進行する。このため、ユーザは、安心感をもって、提示された引越の候補日の中から引越を希望する日を指定することができる。
【0120】
図10は、ユーザが引越を行う日程の設定を行う画面例を示す図である。
図10(A)では、
図9において表示された連続する一定期間の最後の日である候補日「9/2(月)」より後の期間の確定料金を表示させるためのボタン1001(「もっと見る」)が表示されている。ユーザがボタン1001をタップ等して指定すると、
図10(B)に示す画面に遷移し、ボタン1001に代え、候補日「9/2(月)」に後続させて、候補日「9/3(火)」以降の日付と確定料金とが関連付けて、垂直方向に連続配置して表示される。ユーザは、フリック操作、ドラッグ操作などして、候補日「9/3(火)」以降の連続する一定期間についてスクロール表示させることができる。候補日「9/3(火)」以降の連続する一定期間の末尾において、ボタン1001と同様に、後に連続する一定期間を表示させるためのボタンを配置してもよい。
【0121】
なお、ボタン1001を指定する操作によらず、連続する一定期間の候補日の確定的な料金をユーザに提示することとしてもよい。例えば、端末装置30は、ユーザがフリック操作、ドラッグ操作により縦方向に画面をスクロールさせる操作を行うことにより、
図9において表示された連続する一定期間の最後の日の確定的な料金をユーザに提示したとする。端末装置30は、ユーザが画面をスクロールさせる操作を行った結果、画面に表示する情報の端部に達し、これ以上スクロールできない状態になったとする。端末装置30は、ユーザがスクロール操作を行うことにより、画面に表示する情報の端部に到達したことを検出し、当該検出したことに応答して、サーバ20に対し、後に連続する一定期間の各候補日の確定的な料金を提示することとしてもよい。
【0122】
以上により、端末装置30は、タッチ・センシティブ・デバイス331への第1の操作に応答して(ユーザがタッチ・センシティブ・デバイス331のタッチ位置を移動させる操作に応答して)、複数の候補日の確定的な料金を提示するための描画処理を行う。
【0123】
すなわち、端末装置30は、ユーザがタッチ位置を移動させる操作を行って、当該タッチ位置が、各候補日の確定的な料金を表示するためのオブジェクトを通過したとしても、ユーザの操作がフリック操作またはドラッグ操作と判別することにより、フリック操作またはドラッグ操作に対応して画面をスクロールさせている。これに対し、端末装置30は、各候補日の確定的な料金を表示するためのオブジェクトに対するタップ操作を受け付けると、当該タップ操作にかかる候補日で引越の予約を受け付けるための処理を行う。
【0124】
以上のように、端末装置30は、ポインティングデバイス(タッチ・センシティブ・デバイス331)に対する第1の操作に応答して、複数の候補日の確定的な料金を提示する画面においてスクロールさせる。端末装置30は、複数の候補日について、第1の操作とは異なる第2の操作をポインティングデバイスにより受け付けることにより、ユーザが当該候補日を指定したものとして処理する。
【0125】
したがって、例えば、端末装置30がタッチ・センシティブ・デバイス331を備えるデバイスである場合、ユーザは、片手の指で第1の操作と第2の操作とを切り替えることにより、複数の候補日の確定的な料金を見比べるためのスクロール操作と、候補日を指定する操作とを行うことができる。
【0126】
また、端末装置30は、画面をスクロールさせるためのフリック操作またはドラッグ操作のみで、複数の候補日をユーザに提示しうる。ここで、候補日を指定する操作をタップ操作により受け付ける場合、端末装置30は、タップ操作でない限り候補日の指定を受け付けることがない。したがって、複数の候補日の表示を切り替えるための操作と、候補日をユーザが指定する操作とをともにタップ操作で行う場合と比べると、ユーザが誤って候補日を指定する操作をしてしまうおそれを低減し得る。
【0127】
すなわち、ユーザが引越を行う日程設定のための操作を行うタイミングに基づいて、当該タイミング以降において連続する第1の期間(例えば、1カ月)の各日付を垂直方向(第1の方向)に並べて配置する。そして、第1の期間以降の第2の期間の各日付の確定料金を表示させるための入力操作をボタン1001によって受け付け、ボタン1001を指定するなどの入力操作に応答して、第1の期間の各日付と、第1の期間の各日付の確定料金と、第1の期間に続く第2の期間の各日付と、第2の期間の各日付の確定料金とを垂直方向(第1の方向)に並べて配置するものである。
【0128】
図9および
図10で示すように、ユーザが予約のための操作を行うタイミングが一カ月のいずれの時であるかにかかわらず、当該タイミング以降の第1の期間の各日付を垂直方向に並べる。また、第2の期間の長さは、第1の期間の長さと同程度であり、例えば、1カ月であったり、2週間等であったりしてもよい。そして、ボタン1001を指定するなどの入力操作に応答して、第1の期間に含まれる各日付に後続させて第2の期間に含まれる各日付を垂直方向に並べて配置する。
【0129】
図11は、ユーザの入力状況をディスプレイに表示する画面例を示す図である。
図11に示すように、例えば、画面の右上に配置されるボタン1101(
図11(A))をユーザがタップ等して指定すると、入力状況を示す画像1102が、当該指定する前に表示されていた画像1103の少なくとも一部の領域を重畳するように、例えば右から左(矢印方向)にスライドして現れる(
図11(B)→(C)→(D))ようにしてもよい。ユーザが、入力状況を示す画像1102を任意のタイミングで表示させることができるようにすることで、ユーザは既に入力が完了した入力段階にいつでも戻り、入力内容を修正することができる。
【0130】
例えば、
図11(D)の、入力状況を示す画像1102に示すように、端末装置30は、各段階においてユーザの入力が完了している段階と、完了していない段階とを区別して表示する。
【0131】
図示する例では、端末装置30は、ユーザの入力が完了している段階についてはチェックマークアイコンを強調表示するとともに「修正」ボタンを表示する。端末装置30は、当該「修正」ボタンを指定するユーザの入力操作に応答して、当該段階についてユーザから入力内容の修正を受け付ける画面を表示する。
【0132】
また、図示する例では、端末装置30は、ユーザが入力中であるが入力を完了していない段階については「再開」ボタンを表示する。また、前段階までのユーザの入力が完了していない段階については「未設定」ボタンを表示する。なお、端末装置30は、「未設定」ボタンへの入力操作を検出したとしても、当該段階の入力を受け付けないこととしてもよい。これにより、予め設定された各段階を、順に入力するようユーザに促すことができる。
【0133】
また、ユーザがボタン1104を指定すると、画像1102(
図11(D))をスライドさせて、
図11(A)の画面(画像1103が表示される)に戻るようにしてもよい。ユーザは、ブラウザなどの「戻る」ボタンを何度も押下して既に入力が完了した入力段階に戻る、というような操作をする必要がなく、少ない操作回数で、容易に入力内容を修正することができる。
【0134】
以上のように、端末装置30は、画像1103が表示されている画面において、入力状況を示す画像1102をスライドしつつ重畳して表示することで、ユーザに対し、画像1103が表示される層と、入力状況を示す画像1102の層とを認識させることができる。また、入力状況を示す画像1102を表示させるためのボタン1101の位置と、入力状況を示す画像1102を表示させた状態から、各段階で入力を行うための画面に戻るためのボタン1104の位置とを略同一としている。これにより、ユーザは、画面において、ボタン1101またはボタン1104の位置付近への入力操作により、入力状況を示す画像1102を表示させたり画面から消去したりすることができる。
【0135】
図12は、ユーザに確認を促す旨の通知を行う画面例を示す図である。
図11で説明したように、ユーザは既に入力した内容を任意のタイミングで修正してもよいが、複数の候補日のいずれかをユーザが指定した後に引越先の住所を変更する操作をユーザが行った場合は、変更後の住所等に基づいて料金が変更される。このため、ユーザに入力内容や料金の確認を促す通知をすることで、ユーザが料金変更を看過しないように促すことができる。
【0136】
<その他の画面の表示例>
図11の例では、各段階の入力を行う画面、または、入力状況を示す画像1102のいずれかが端末装置30の画面に表示される例を説明している。
【0137】
この他に、各段階の入力を行う画面と、入力状況を示す画像1102とを1画面に表示することとしてもよい。これにより、ユーザは、どの段階まで入力を終えているかを確認しつつ、各段階の入力をすることができる。
【0138】
<変形例>
以上の実施形態の説明では、サーバ20は、
図8、
図11に示すように、項目「住所の設定」、項目「荷物の設定(種類と数)」、項目「荷物の設定(詳細登録)」、項目「荷物の設定(引取り荷物)」などについてユーザから入力を受け付けることとして説明した。
【0139】
サーバ20は、項目「荷物の設定(種類と数)」、項目「荷物の設定(詳細登録)」、項目「荷物の設定(引取り荷物)」など、ユーザから荷物の指定を受け付ける画面をユーザに提示する際に、予め、所定の項目についてはユーザから操作を受け付けることなく所定の値を設定済みとしておき、ユーザの編集を受け付け可能にしておいてもよい。例えば、サーバ20は、項目「住所の設定」で入力を受け付けた引越元の情報、また、ユーザの性別、年代、居住人数等の情報などに基づいて、ユーザの荷物の量を推定することとしてもよい。つまり、これら項目「住所の設定」で入力を受け付けた引越元の情報、また、ユーザの性別、年代、居住人数等の情報等の情報は、ユーザの荷物の量を推定するために用いることができる情報の一例である。サーバ20は、推定した荷物の量に応じて、荷物に関する情報について、ユーザから指定を受け付ける前に予め所定値を設定することとしてもよい。
【0140】
また、サーバ20は、ユーザの荷物の量を推定するために用いることができる情報についてのユーザの入力結果に対し、予め、項目「荷物の設定(種類と数)」等について入力する値をテーブルとして保持していてもよい。
【0141】
これにより、引越作業にかかるユーザの入力操作を、よりいっそう容易にすることができる。
【0142】
<効果の説明>
上述したように、本実施形態に係る予約システム1において、ユーザの引越に関する情報を取得し、当該情報に基づいて、複数の引越の候補日について、確定的な料金を特定し、ユーザに提示する。ユーザは、提示された複数の候補日と、これらの候補日における確定的な料金とに基づいて、希望する引越日を指定することで、予約を完了させる。これにより、ユーザが、各日付に示される確定的な金額を見比べて予約をすることが容易となる。
【0143】
以上、本開示の好ましい実施形態について説明したが、本開示は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本開示には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲が含まれる。また、上記実施形態及び変形例で説明した装置の構成は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせ可能である。
【符号の説明】
【0144】
1 予約システム、10,30 端末装置、20 サーバ、80 ネットワーク