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特許7340206自己規制取引システムおよびその方法、コンピュータ可読記憶媒体、ならびに、プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-30
(45)【発行日】2023-09-07
(54)【発明の名称】自己規制取引システムおよびその方法、コンピュータ可読記憶媒体、ならびに、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0241 20230101AFI20230831BHJP
【FI】
G06Q30/0241
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021120801
(22)【出願日】2021-07-21
(62)【分割の表示】P 2018551900の分割
【原出願日】2016-12-20
(65)【公開番号】P2021170390
(43)【公開日】2021-10-28
【審査請求日】2021-07-26
(31)【優先権主張番号】62/270,155
(32)【優先日】2015-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518216478
【氏名又は名称】コチャバ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】KOCHAVA INC.
【住所又は居所原語表記】201 Church Street Sandpoint, Idaho 83864 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】マニング,チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】ファルコナー,オーブリー
【審査官】野元 久道
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0278820(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0269570(US,A1)
【文献】特開2011-257893(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークに通信可能に接続された第1のデータ処理デバイスシステム、
前記第1のデータ処理デバイスシステムに通信可能に接続された第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム、および
前記第1のデータ処理デバイスシステムおよび前記通信ネットワークに通信可能に接続された第1の入出力デバイスシステムを含むシステムであって、
前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムが、(a)取引台帳全体の第1の部分と、(b)前記取引台帳全体の第2の部分へのリンクとを格納し、前記リンクが、前記通信ネットワークに通信可能に接続された第2のデータ処理デバイスシステムによる前記取引台帳全体の第2の部分の格納を示しており、かつ、前記取引台帳全体の第2の部分が前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムによって格納が省略された前記取引台帳全体の一部を含み、前記取引台帳全体の第2の部分が前記取引台帳全体の全てより少ない状態で前記(a)及び(b)を格納し、
前記第1のデータ処理デバイスシステムが、前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された第1のプログラムを介して、
取引情報ブロックを生成し、
前記生成された取引情報ブロックを、前記取引台帳全体の第1の部分に対する更新として前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納し、
前記生成された取引情報ブロックを、前記第1の入出力デバイスシステムを介して、前記通信ネットワーク上の別のデータ処理デバイスシステムに送信するように構成されており、
前記第1のデータ処理デバイスシステムは、前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された第1のプログラムを介して、
前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された取引台帳全体における、削除が望まれる第1の部分の少なくとも一部が、前記通信ネットワークの他の場所に存在するか否かを判断するように構成されている
システム。
【請求項2】
前記取引台帳全体は、前記通信ネットワークに通信可能に接続された複数の異なるプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムにそれぞれ接続された複数のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムにそれぞれ格納された前記取引台帳全体の複数の部分を含み、
前記取引台帳全体の複数の部分は、前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された前記取引台帳全体の第1の部分と、前記第2のデータ処理デバイスシステムに格納された前記取引台帳全体の第2の部分とを含む
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
通信ネットワークに通信可能に接続された第1のデータ処理デバイスシステム、
前記第1のデータ処理デバイスシステムに通信可能に接続された第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム、および
前記第1のデータ処理デバイスシステムおよび前記通信ネットワークに通信可能に接続された第1の入出力デバイスシステムを含むシステムであって、
前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムが、(a)取引台帳全体の第1の部分と、(b)前記取引台帳全体の第2の部分へのリンクとを格納し、前記リンクが、前記通信ネットワークに通信可能に接続された第2のデータ処理デバイスシステムによる前記取引台帳全体の第2の部分の格納を示しており、かつ、前記取引台帳全体の第2の部分が前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムによって格納が省略された前記取引台帳全体の一部を含み、前記取引台帳全体の第2の部分が前記取引台帳全体の全てより少ない状態で前記(a)及び(b)を格納し、
前記第1のデータ処理デバイスシステムが、前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された第1のプログラムを介して、
取引情報ブロックを生成し、
前記生成された取引情報ブロックを、前記取引台帳全体の第1の部分に対する更新として前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納し、
前記生成された取引情報ブロックを、前記第1の入出力デバイスシステムを介して、前記通信ネットワーク上の別のデータ処理デバイスシステムに送信するように構成されており、
前記取引台帳全体の第1の部分の少なくとも一部を削除することが要求されている状態において、前記第1のデータ処理デバイスシステムは、前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された第1のプログラムを介して、
前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された前記取引台帳全体の第1の部分の少なくとも一部を削除する前に、前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された前記取引台帳全体の第1の部分の少なくとも一部が前記通信ネットワークの他の場所に存在することを確認するように構成されている
ステム。
【請求項4】
前記第1のデータ処理デバイスシステムは、削除が望まれる前記取引台帳全体における前記第1の部分の少なくとも一部が前記通信ネットワークの他の場所に存在しないと判断された状態において、前記取引台帳全体の前記第1の部分の少なくとも一部の削除を防止するように構成されている
請求項に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1のデータ処理デバイスシステムは、削除が望まれる前記取引台帳全体の第1の部分の少なくとも一部が前記通信ネットワークの他の場所に存在しないと判断された状態において、前記取引台帳全体の第1の部分の少なくとも一部を、前記通信ネットワークに保持するために前記第1の入出力デバイスシステムを介して前記通信ネットワーク上の特定のデータ処理デバイスシステムに送信するように構成されている
請求項に記載のシステム。
【請求項6】
前記特定のデータ処理デバイスシステムは、前記通信ネットワーク内で予め指定されたストレージノードである
請求項に記載のシステム。
【請求項7】
前記通信ネットワーク内で予め指定されたストレージノードは、前記取引台帳全体を格納する
請求項に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1のデータ処理デバイスシステムが、前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された第1のプログラムを介して、
1つまたは複数の要求を、第1の入出力デバイスシステムを介して通信ネットワーク上に送信し、前記1つまたは複数の要求は、前記取引台帳全体を生成するように構成され、
前記通信ネットワークから前記第1の入出力デバイスシステムを介して、前記取引台帳全体の残りの部分を受信し、
前記取引台帳全体の第1の部分および前記取引台帳全体の残りの部分から前記取引台帳全体を生成するように構成されている
請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記取引台帳全体がそれぞれのマーケットチャネルに関連付けられている
請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記取引台帳全体は、第1のマーケットチャネルに関連付けられた第1の取引台帳であり、
前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムは、第2のマーケットチャネルに関連付けられた第2の取引台帳の第1の部分を格納し、前記第2のマーケットチャネルは、前記第1のマーケットチャネルとは異なる
請求項に記載のシステム。
【請求項11】
前記取引台帳全体の少なくとも第2の部分へのリンクが、前記第1の取引台帳の少なくとも第2の部分への第1のリンクであること、および
前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムが、(c)前記第2のマーケットチャネルに関連する前記第2の取引台帳の第1の部分と、(d)前記第2の取引台帳の少なくとも第2の部分への第2のリンクとを格納し、前記第2のリンクが、前記通信ネットワークに通信可能に接続された第3のデータ処理デバイスシステムによる前記第2の取引台帳の少なくとも第2の部分の格納を示す
請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記取引情報ブロックは、第1の取引情報ブロックであり、
前記第1のデータ処理デバイスシステムが、前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納されたプログラムを介して、
第2の取引情報ブロックを生成し、
生成された前記第2の取引情報ブロックを、前記第2のマーケットチャネルに関連する前記第2の取引台帳の第1の部分の更新として、前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納し、
生成された前記第2の取引情報ブロックを、前記第2のマーケットチャネルに関連付けられた前記第2の取引台帳の更新として、第1の入出力デバイスシステムを介して、前記通信ネットワーク上のさらに別のデータ処理デバイスシステムに送信するように構成されている
請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
通信ネットワークに通信可能に接続された第1のデータ処理デバイスシステムにより実行される方法であって、前記第1のデータ処理デバイスシステムは、第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムおよび第1の入出力デバイスシステムに通信可能に接続されており、前記第1の入出力デバイスシステムは、前記通信ネットワークに通信可能に接続され、
前記方法は、
前記第1のデータ処理デバイスシステムによって実行され、前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムを介して、(a)取引台帳全体の第1の部分と、(b)前記取引台帳全体の第2の部分へのリンクとを格納し、前記リンクが、前記通信ネットワークに通信可能に接続された第2のデータ処理デバイスシステムによる前記取引台帳全体の第2の部分の格納を示しており、かつ、前記(a)及び(b)は、前記取引台帳全体の第2の部分が前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムによって格納が省略された前記取引台帳全体の一部を含み、前記取引台帳全体の第2の部分が前記取引台帳全体の全てより少ない状態で格納され、
前記第1のデータ処理デバイスシステムによって実行されて、取引情報ブロックを生成し、
前記第1のデータ処理デバイスシステムによって実行され、前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムを介して、生成された前記取引情報ブロックを、前記取引台帳全体の第1の部分に対する更新として前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納し、
前記第1のデータ処理デバイスシステムによって実行され、前記第1の入出力デバイスシステムを介して、前記生成された取引情報ブロックを、前記通信ネットワーク上の別のデータ処理デバイスシステムに送信すること、および
前記第1のデータ処理デバイスシステムによって実行され、前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された取引台帳全体における、削除が望まれる第1の部分の少なくとも一部が、前記通信ネットワークの他の場所に存在するか否かを判断すること
を含む
方法。
【請求項14】
第1の入出力デバイスシステムおよび通信ネットワークに通信可能に接続された第1のデータ処理デバイスシステムの1つまたは複数のデータ処理デバイスによって実行可能なプログラムを格納した1つまたは複数の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、前記プログラムは、
前記第1のデータ処理デバイスシステムに、1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体を介して、(a)取引台帳全体の第1の部分と、(b)前記取引台帳全体の第2の部分へのリンクとを格納させるように構成され、前記リンクが、前記通信ネットワークに通信可能に接続された第2のデータ処理デバイスシステムによる前記取引台帳全体の第2の部分の格納を示す、第1の格納命令であって、前記第1のデータ処理デバイスシステムに、前記取引台帳全体の第2の部分が前記第1のデータ処理デバイスシステムによって格納が省略された前記取引台帳全体の一部を含み、前記取引台帳全体の第2の部分が前記取引台帳全体の全てより少ない状態で前記(a)及び(b)を格納させるように構成された、前記第1の格納命令と、
前記第1のデータ処理デバイスシステムに、取引情報ブロックを生成させるように構成された生成命令と、
前記第1のデータ処理デバイスシステムに、1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体を介して、生成された前記取引情報ブロックを、前記取引台帳全体の第1の部分に対する更新として格納させるように構成された第2の格納命令と、
前記第1のデータ処理デバイスシステムに、前記第1の入出力デバイスシステムを介して、前記生成された取引情報ブロックを、前記通信ネットワーク上の別のデータ処理デバイスシステムに送信させるように構成された送信命令と、
前記第1のデータ処理デバイスシステムに、1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体を介して、格納された取引台帳全体における、削除が望まれる第1の部分の少なくとも一部が、前記通信ネットワークの他の場所に存在するか否かを判断させるように構成された判断命令と、
を含む
コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項15】
第1の入出力デバイスシステムおよび通信ネットワークに通信可能に接続された第1のデータ処理デバイスシステムに、
(a)取引台帳全体の第1の部分と、(b)前記取引台帳全体の第2の部分へのリンクとを格納させるように構成され、前記リンクが、前記通信ネットワークに通信可能に接続された第2のデータ処理デバイスシステムによる前記取引台帳全体の第2の部分の格納を示す、第1の格納命令であって、前記第1のデータ処理デバイスシステムに、前記取引台帳全体の第2の部分が前記第1のデータ処理デバイスシステムによって格納が省略された前記取引台帳全体の一部を含み、前記取引台帳全体の第2の部分が前記取引台帳全体の全てより少ない状態で前記(a)及び(b)を格納させるように構成された、前記第1の格納命令と、
取引情報ブロックを生成させるように構成された生成命令と、
生成された前記取引情報ブロックを、前記取引台帳全体の第1の部分に対する更新として格納させるように構成された第2の格納命令と、
前記第1の入出力デバイスシステムを介して、前記生成された取引情報ブロックを、前記通信ネットワーク上の別のデータ処理デバイスシステムに送信させるように構成された送信命令と、
格納された取引台帳全体における、削除が望まれる第1の部分の少なくとも一部が、前記通信ネットワークの他の場所に存在するか否かを判断させるように構成された判断命令と、
を実行させるためのプログラム。
【請求項16】
前記取引台帳全体の第1の部分と前記取引台帳全体の第2の部分は、前記取引台帳全体の互いに排他的な部分である、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本出願は、2015年12月21日に出願された米国仮出願第62/270,155号の利益を主張するものであり、その全開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示の態様は、分散型の取引データを検証し、コンピュータ化されたマーケットの完全性を維持するための関連するプロトコルとともに、コンピューティングデバイスのネットワークを介して自己規制されたコンピュータ化されたマーケットおよび取引チャネルを提供するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
インターネット、ワールドワイドウェブ、またはモバイルデバイス上のアプリケーションでのデジタル広告は、顧客を引き付けるために、マーケティングメッセージやその他のデジタルコンテンツを配信することによって、製品、サービス、またはアプリケーションを宣伝する。そのようなネットワーク環境では、デジタル広告は、通常、エコシステム内で一緒に働く様々な人物間の正式な関係を伴う。人物の例には、広告主のデバイス、パブリッシャーのデバイス、およびアグリゲータのデバイスが含まれる。
【0004】
パブリッシャーの端末はパブリッシャーによって運営される。パブリッシャーは、視聴者に広告を見せることができるアプリまたは公開されているウェブサイトを所有する主体(企業や個人)であってもよい。これらの広告(本明細書ではadsとも呼ばれる)は、通常、広告主によって運営される広告主のデバイスによって提供され、広告主は、自社の製品、サービス、またはアプリを運営者の視聴者に宣伝することに関心のある主体であってもよい。パブリッシャーは、ウェブページまたはアプリに広告スロットを提供する。広告スロットは、広告を表示できるウェブページまたはアプリの一部であってもよい。ウェブページまたはアプリは、広告を表示するための広告スロットに対応する1つまたは複数の部分であってもよい。
【0005】
典型的なプロモーションキャンペーン(広告購入とも呼ばれる)に必要な規模をサポートするために、広告主は、複数のパブリッシャーと協力してキャンペーンの目的を達成してもよい。広告主は、広範なオーディエンスベースで広告主が購入できる規模を拡大するため、複数のパブリッシャーの広告スロットを集約する広告ネットワーク(サプライサイドプロバイダまたはSSPとも呼ばれる)と連携してもよい。同様の方法で、2つ以上の広告スロットを有するパブリッシャーは、広告スロットを埋めるために、複数の広告主と連携してもよい。パブリッシャーもまた、利用可能な広告スロットを埋めるために、複数の広告主からの広告を集約する広告主アグリゲータ(需要側プロバイダまたはDSPとも呼ばれる)と連携してもよい。SSPはまた、DSPと相互作用して、より大きな規模の経済を提供してもよい。
【0006】
広告スロットを販売するまたは広告を購入するプロセスは、各プロモーションキャンペーン(フライトとも呼ばれる)の契約に署名し、支払いの詳細を決定し、フライトのフィルタリングおよびターゲティング基準を適格にする。さらに、フライトには、“毎日のペース”(広告は一度に広告スロットに表示されず、むしろ一定期間のペースとなる。)や、保証を記入する(在庫量の面で広告契約が成立する)などの条件を含めることができる。エコシステムにおける様々なパートナーと協力することは時間が掛かることがあり、広告を掲載する契約を交渉して署名するために必要な管理作業(交渉注文、またはIOと呼ばれる)は、面倒で手作業であり、さらに、プロモーションキャンペーンの目標を達成するのに十分な規模を確保するために、多くのパートナーと連携しなければならない。
【0007】
管理上の負担に加えて、パブリッシャー(または、SSP)と広告主(または、DSP)とは、お互いに1対1の交渉に頼っている。歴史的には、在庫の価値の評価シート(または価格設定シート)がソースごとに設定されるが、異なるターゲティング基準に応じて重い割引が発生する(または、プレミアムが適用される)可能性がある。これらのターゲティング基準には、時間帯、ネットワークとサイト固有のターゲティングの比較、地域ターゲティング、ウェブページまたはアプリの広告スロットの配置、広告スロットの供給、または広告の需要などの時間帯が含まれる(ただし、これに限定されない)。広告枠の‘市場価値’を理解することが難しいと、広告主(またはDSP)とパブリッシャー(またはSSP)の両方に悪影響が及ぶ可能性がある。パブリッシャーは広告枠の価格を下回る可能性があり、広告主は要求する広告枠のために過払いをするリスクがある。
【0008】
広告主は、通常、広告スロットに広告を表示するために、一定の料金を支払う。広告スロットにおける広告、他のデジタルコンテンツまたはメディアの各配置は、インプレッションと呼ばれる。通常、広告主は、広告に掲載された商品を購入するウェブページまたはアプリの視聴者など、少なくとも期待される投資収益率に基づいて、各広告インプレッションの価格をパブリッシャーに支払う。広告の視聴者によって何らかの行動が起こされるインプレッションは、コンバージョンと呼ばれる。コンバージョンは、製品の購入に限定されないことに留意されたい。コンバージョンは、視聴者が広告内のハイパーリンクを選択して、製品に関する詳細情報にアクセスすることも含むことができる。
【0009】
上述のように、デジタル広告マーケットは、供給サイドの経済と需要サイドの経済の両方を含むことができる。需要サイドの経済は、広告スロットに広告を配置するためのインプレッションの在庫を要求する広告主(またはDSP)を含む。供給サイドの経済は、広告スロットに広告を配置するためのインプレッションの在庫を提供するパブリッシャー(またはSSP)を含む。パブリッシャーのSSPの量が増加し続けるにつれて、広告主またはDSPが購入可能なインプレッションの数が増加する。従来のマーケットでは、リアルタイムビッダー(RTB)を、利用可能なインプレッションを広告主に販売するために使用することができた。RTBフレームワークの1つの実装例は、OpenRTBであり、OpenRTB API Specification Version 2.3.1、Interactive Advertising Bureau [online]に詳細に説明されている。しかしながら、OpenRTBであろうとなかろうと、すべてのRTB実装は、クライアント-サーバ入札アプローチと同じ基本的なフレームワークを使用する。RTBにより、SSPはパブリッシャーからインプレッション在庫を取得し、マーケット主導の入札アプローチを使用してDSPに販売することができる。このシナリオでは、SSP(サプライサイドプロバイダー)はインプレッションの供給を集計し、DSP(デマンドサイドプロバイダー)は広告を配置するインプレッションの需要を集計する。SSPとDSPとはともに、オークション指向の‘マーケットプレイス’を可能にする。通常、RTB環境は、複数の買い手により入札されている各インプレッションで構成される。買い手は通常DSPであるが、大規模な広告主もRTBマーケットにアクセスすることができてもよい。多くの場合、RTBマーケットは、最高入札者に、2番目に高い入札者のオファーのオファー価格またはその上の価格で、落札を授与するように設定されている。
【0010】
RTB、ならびにインプレッションの販売および購入でDSPおよびSSPが果たす役割は、上記の課題を克服する手段と考えることができる。このアプローチでは、特定のDSPが利用可能なSSPに接続されなければならないという要求の集中化という問題が依然としてある。同様に、パブリッシャーが買い手を活用するには、統合されたSSPを、在庫を購入するDSPに接続する必要がある。ほとんどの場合、広告主は依然として複雑で、非効率的で、コストがかかり、時間がかかる、複数のDSPを参照して作業する必要がある。また、複数のDSPで作業することで、広告主が購入しているDSPがともに同じSSPに接続されている場合、複数のDSPを扱うことで、広告主は実際には自分自身と競合する可能性があるという懸念もある(この場合、同じ広告主が2つの別々のDSPを介してコストを上げている)。
【0011】
DSPはまた、挿入申込を受け取り、次に特定のパブリッシャーと‘直接’購入してもよい。これは広告主によって知られているかもしれない。同じように、サブオーダーを受け取ったパブリッシャーは、この挿入申込を履行するために、他の第三者のパブリッシャーから買い戻して購入してもよい。このような状況は、実際のマーケット主導の環境では追跡も会計もされない再仲介の状況を作り出す。
【0012】
利用可能なインプレッションの量が増え続けるにつれて、広告主、パブリッシャー、および基礎をなすサプライチェーンは、インプレッションの需要と供給を管理する複雑さが増しており、利用可能なインプレッションが広告の配置のために広告主に迅速かつ効率的に販売されるようにし、オープンな分散環境でこれを行う。
【0013】
分散型台帳上で暗号化された取引を可能にし、プロトコルを有効にし、サプライチェーンまたはデマンドチェーンに携わる任意の人物に開放できる代替技術的アプローチが必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の様々な実施形態により、少なくとも上記の必要性が対処され、その技術分野における技術的解決が達成される。いくつかの実施形態では、通信ネットワークの各ノードに格納された分散台帳に暗号検証済み取引を記録するためのシステムおよび方法が提供される。各ノードは、通信ネットワークに通信可能に接続されたデータ処理デバイスシステムであってもよい。各データ処理デバイスシステムはまた、通信可能に接続された入出力デバイスシステム、およびプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムを含んでもよい。各データ処理デバイスシステムのプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムは、分散台帳のそれぞれの台帳を記憶することができる。これに関して、分散台帳は、通信ネットワークを介して互いに同期されてもよい。これに関して、各ノードは、別のノードの台帳の完全なまたは部分的なコピーを格納してもよい。いくつかの実施形態では、いくつかのノードは、ストレージ要件を低減し、分散台帳の効率的な検索を提供するために格納された別のノードの格納済みの台帳のそれぞれの部分的なコピーを格納する。分散台帳における取引が同期されているため、誤ったまたは不正な取引を記録するリスクが大幅に低減され、取引システムの自己規制が提供される。
【0015】
いくつかの実施形態では、いくつかの実施形態では、自己規制取引システムは、通信ネットワークと、前記通信ネットワークに通信可能に接続された複数のデータ処理デバイスシステムであって、それぞれのプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムおよびそれぞれの入出力デバイスシステムに通信可能に接続された複数のデータ処理デバイスシステムを含む。いくつかの実施形態では、前記複数のデータ処理デバイスシステムの第1のデータ処理デバイスシステムは、第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム、および前記通信ネットワークに通信可能に接続された第1の入出力デバイスシステムに通信可能に接続される。いくつかの実施形態では、前記複数のデータ処理デバイスシステムシステムの第2のデータ処理デバイスシステムは、第2のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム、および前記通信ネットワークに通信可能に接続された第2の入出力デバイスシステムに通信可能に接続される。前記第1のデータ処理デバイスシステムに関連付けられた前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム、および前記第2のデータ処理デバイスシステムに関連付けられた第2のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムは、取引を記録する1つまたは複数の取引台帳のそれぞれの部分のローカルコピーを格納してもよい。各前記取引台帳はマーケットチャネルに関連付けられてもよい。前記第1のデータ処理デバイスシステムは、前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された第1のプログラムを介して、特定のマーケットチャネルと関連付けられた取引情報ブロックを生成し、生成された前記取引情報ブロックを、前記第1の入出力デバイスシステムを介して、前記通信ネットワークを通じて前記第2のデータ処理デバイスシステムに送信してもよい。前記第2のデータ処理デバイスシステムは、前記第2のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された第2のプログラムを介して、生成された前記取引情報ブロックを、前記第2の入出力デバイスシステムを介して、前記通信ネットワークを通じて受信し、受信した前記取引情報ブロックを、前記第2のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された前記特定のマーケットチャネルと関連付けられた前記取引台帳のそれぞれの部分のそれぞれのローカルコピーに格納してもよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、自己規制取引システムは、通信ネットワークと、前記通信ネットワークに通信可能に接続された複数のデータ処理デバイスシステムであって、それぞれのプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムおよびそれぞれの入出力デバイスシステムに通信可能に接続された複数のデータ処理デバイスシステムを含む。いくつかの実施形態では、前記複数のデータ処理デバイスシステムの第1のデータ処理デバイスシステムは、第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム、および前記通信ネットワークに通信可能に接続された第1の入出力デバイスシステムに通信可能に接続される。いくつかの実施形態では、前記複数のデータ処理デバイスシステムシステムの第2のデータ処理デバイスシステムは、第2のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム、および前記通信ネットワークに通信可能に接続された第2の入出力デバイスシステムに通信可能に接続される。前記第1のデータ処理デバイスシステムに関連付けられた前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム、および前記第2のデータ処理デバイスシステムに関連付けられた第2のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムは、取引を記録する1つまたは複数の取引台帳のそれぞれの部分のローカルコピーを記憶してもよい。各前記取引台帳はマーケットチャネルに関連付けられてもよい。前記第1のデータ処理デバイスシステムは、前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された第1のプログラムを介して、前記取引に利用可能な在庫に関連付けられた特定のマーケットチャネルを識別し、前記特定のマーケットチャネルと関連付けられた取引情報ブロックを生成し、生成された前記取引情報ブロックは前記取引に利用可能な在庫および1つまたは複数の前記取引条件を含み、生成された前記取引情報ブロックを、前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された前記特定のマーケットチャネルに関連付けられた前記取引台帳のローカルコピーに格納し、生成された前記取引情報ブロックを前記第1の入出力デバイスシステムを介して、前記通信ネットワークを通じて前記第2のデータ処理デバイスシステムに送信してもよい。前記第2のデータ処理デバイスシステムは、前記第2のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された第2のプログラムを介して、前記第2の入出力デバイスシステムを介して前記通信ネットワークを通じて生成された前記取引情報ブロックを受信し、受信した前記取引情報ブロックを、前記第2のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された前記特定のマーケットチャネルに関連付けられた前記取引台帳のローカルコピーに格納してもよい。
【0017】
いくつかの実施形態によれば、自己規制取引システムは、通信ネットワークと、前記通信ネットワークに通信可能に接続された複数のデータ処理デバイスシステムであって、それぞれのプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムおよびそれぞれの入出力デバイスシステムに通信可能に接続された複数のデータ処理デバイスシステムと、を含む。いくつかの実施形態では、前記複数のデータ処理デバイスシステムの第1のデータ処理デバイスシステムは、第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム、および前記通信ネットワークに通信可能に接続された第1の入出力デバイスシステムに通信可能に接続される。いくつかの実施形態では、前記複数のデータ処理デバイスシステムの第2のデータ処理デバイスシステムは、第2のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム、および前記通信ネットワークに通信可能に接続された第2の入出力デバイスシステムに通信可能に接続される。記第1のデータ処理デバイスシステムに関連付けられた前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム、および前記第2のデータ処理デバイスシステムに関連付けられた第2のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムは、取引を記録する1つまたは複数の取引台帳のそれぞれの部分のローカルコピーを記憶してもよい。各前記取引台帳はマーケットチャネルに関連付けられてもよい。前記第1のデータ処理デバイスシステムは、前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された第1のプログラムを介して、前記第1の入出力デバイスシステムを介して、買い手ノードに関連付けられた前記複数のデータ処理デバイスシステムの1つから取引に利用可能な在庫を購入する要求を、少なくとも受信することによって特定のマーケットチャネルに関連付けられた取引情報ブロックを生成し、取引に利用可能な前記在庫の要求に一致する前記取引台帳における1つまたは複数の取引情報ブロックを識別するために前記取引台帳を検索し、特定された前記取引情報ブロックを生成した特定のデータ処理デバイスシステムを特定し、前記特定のデータ処理デバイスシステムの評価を特定し、前記特定のデータ処理デバイスシステムの評価を、前記在庫の要求において指定された最小または閾値評価と比較し、前記特定のデータ処理デバイスシステムの評価が前記最小評価を上回るかまたは前記閾値評価を満たす場合、前記取引において購入された前記在庫および1または複数の前記取引条件を含む前記取引情報ブロックを生成し、生成された前記取引情報ブロックを、前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された前記特定のマーケットチャネルに関連付けられた前記取引台帳のローカルコピーに格納し、生成された前記情報ブロックを前記第1の入出力デバイスシステムを介して、前記通信ネットワークを通じて前記第2のデータ処理デバイスシステムに送信してもよい。前記第2のデータ処理デバイスシステムは、前記第2のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された第2のプログラムを介して、前記第2の入出力デバイスシステムを介して、前記通信ネットワークを通じて生成された前記取引情報ブロックを受信し、受信した前記取引情報ブロックを、前記第2のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された前記特定のマーケットチャネルに関連付けられた前記取引台帳のローカルコピーに格納してもよい。
【0018】
いくつかの実施形態によれば、自己規制取引システムは、通信ネットワークと、前記通信ネットワークに通信可能に接続された複数のデータ処理デバイスシステムであって、それぞれのプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムおよびそれぞれの入出力デバイスシステムに通信可能に接続された複数のデータ処理デバイスシステムと、を含む。いくつかの実施形態では、前記複数のデータ処理デバイスシステムの第1のデータ処理デバイスシステムは、第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム、および前記通信ネットワークに通信可能に接続された第1の入出力デバイスシステムに通信可能に接続される。いくつかの実施形態では、前記複数のデータ処理デバイスシステムの第2のデータ処理デバイスシステムは、第2のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム、および前記通信ネットワークに通信可能に接続された第2の入出力デバイスシステムに通信可能に接続される。記第1のデータ処理デバイスシステムに関連付けられた前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム、および前記第2のデータ処理デバイスシステムに関連付けられた第2のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムは、取引を記録する1つまたは複数の取引台帳のそれぞれの部分のローカルコピーを記憶してもよい。各前記取引台帳はマーケットチャネルに関連付けられてもよい。前記第1のデータ処理デバイスシステムは、前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された第1のプログラムを介して、在庫の購入に関連付けられた特定の取引情報ブロックの特定のマーケットチャネルに関連関連付けられた取引台帳を検索することによって、前記特定のマーケットチャネルに関連付けられた取引情報ブロックを生成し、前記特定の取引情報ブロック内の1つまたは複数の取引条件に基づいて、取引タイプおよび少なくとも1つの測定指標を識別し、前記少なくとも1つの測定指標を測定して前記取引のステータスを判定し、前記取引のステータスを含む前記取引情報ブロックを生成し、生成された前記取引情報ブロックを、前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された前記特定のマーケットチャネルに関連付けられた前記取引台帳のローカルコピーに格納し、生成された前記情報ブロックを前記第1の入出力デバイスシステムを介して、前記通信ネットワークを通じて第2のデータ処理デバイスシステムに送信してもよい。前記第2のデータ処理デバイスシステムは、前記第2のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された第2のプログラムを介して、前記第2の入出力デバイスシステムを介して、前記通信ネットワークを通じて生成された前記取引情報ブロックを受信し、受信した前記取引情報ブロックを、前記第2のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された前記特定のマーケットチャネルに関連付けられた前記取引台帳のローカルコピーに格納してもよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、システムは、通信ネットワークと、前記通信ネットワークに通信可能に接続された複数のデータ処理デバイスシステムであって、それぞれのプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムおよびそれぞれの入出力デバイスシステムに通信可能に接続された複数のデータ処理デバイスシステムと、を含む。いくつかの実施形態では、前記複数のデータ処理デバイスシステムの第1のデータ処理デバイスシステムは、第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム、および前記通信ネットワークに通信可能に接続された第1の入出力デバイスシステムに通信可能に接続される。いくつかの実施形態では、前記複数のデータ処理デバイスシステムの第2のデータ処理デバイスシステムは、第2のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム、および前記通信ネットワークに通信可能に接続された第2の入出力デバイスシステムに通信可能に接続される。記第1のデータ処理デバイスシステムに関連付けられた前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム、および前記第2のデータ処理デバイスシステムに関連付けられた第2のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムは、取引を記録する1つまたは複数の取引台帳のそれぞれの部分のローカルコピーを記憶してもよい。各前記取引台帳はマーケットチャネルに関連付けられてもよい。いくつかの実施形態では、前記第1のデータ処理デバイスシステムは、前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された第1のプログラムを介して、デバイス識別子を含む、取引に利用可能な在庫を特定し、取引に利用可能な在庫を特定し、前記デバイス識別子のそれぞれは画像、ビデオ、またはオーディオの送信が許可されるデバイスを識別し、デバイス識別子を含む、取引に利用可能な在庫を特定し、前記デバイス識別子のそれぞれは画像、ビデオ、またはオーディオの送信が許可されるデバイスを識別し、前記取引に利用可能な在庫に関連付けられた特定のマーケットチャネルを識別し、前記デバイス識別子を公開暗号鍵に従って暗号化して、暗号化デバイス識別子を生成し、前記暗号化デバイス識別子、前記暗号化デバイス識別子と関連付けられたデバイスの特性、および1つまたは複数の取引条件を含む、前記特定のマーケットチャネルと関連付けられた取引情報ブロックを生成し、生成された前記取引情報ブロックを、少なくとも前記特定のマーケットチャネルと関連付けられた前記取引台帳のそれぞれの部分のそれぞれのローカルコピーへの更新として、前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納し、生成された前記取引情報ブロックを、前記第1の入出力デバイスシステムを介して、前記通信ネットワークを通じて前記第2のデータ処理デバイスシステムに送信する。いくつかの実施形態では、前記第2のデータ処理デバイスシステムは、前記第2のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された第2のプログラムを介して、生成された前記取引情報ブロックを、前記第2の入出力デバイスシステムを介して、前記通信ネットワークを通じて受信し、受信した前記取引情報ブロックを、少なくとも前記特定のマーケットチャネルと関連付けられた前記取引台帳のそれぞれの部分のそれぞれのローカルコピーへの更新として、前記第2のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納し、前記公開暗号鍵に対応する秘密暗号鍵に従って、前記暗号化デバイス識別子を復号し、復号された前記デバイス識別子が、前記特性に合致するデバイスに関連付けられていることを検証し、前記復号された前記デバイス識別子が前記特性に合致するデバイスに関連付けられていることを検証したことの応答として、少なくとも前記第2のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された前記特定のマーケットチャネルと関連付けられた前記取引台帳のそれぞれの部分のそれぞれのローカルコピーにデジタル署名を追加する。
【0020】
いくつかの実施形態では、システムは、通信ネットワークと、前記通信ネットワークに通信可能に接続された複数のデータ処理デバイスシステムであって、それぞれのプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムおよびそれぞれの入出力デバイスシステムに通信可能に接続された複数のデータ処理デバイスシステムと、を含む。いくつかの実施形態では、前記複数のデータ処理デバイスシステムの第1のデータ処理デバイスシステムは、第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム、および前記通信ネットワークに通信可能に接続された第1の入出力デバイスシステムに通信可能に接続される。いくつかの実施形態では、前記複数のデータ処理デバイスシステムの第2のデータ処理デバイスシステムは、第2のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム、および前記通信ネットワークに通信可能に接続された第2の入出力デバイスシステムに通信可能に接続される。記第1のデータ処理デバイスシステムに関連付けられた前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム、および前記第2のデータ処理デバイスシステムに関連付けられた第2のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムは、取引を記録する1つまたは複数の取引台帳のそれぞれの部分のローカルコピーを記憶してもよい。各前記取引台帳はマーケットチャネルに関連付けられてもよい。いくつかの実施形態では、前記第1のデータ処理デバイスシステムは、前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された第1のプログラムを介して、特定のマーケットチャネルと関連付けられた取引情報ブロックを生成し、生成された前記取引情報ブロックを、少なくとも前記特定のマーケットチャネルと関連付けられた前記取引台帳のそれぞれの部分のそれぞれのローカルコピーへの更新として、前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納し、生成された前記取引情報ブロックを、前記第1の入出力デバイスシステムを介して、前記通信ネットワークを通じて前記第2のデータ処理デバイスシステムに送信する。いくつかの実施形態では、前記第2のデータ処理デバイスシステムは、前記第2のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された第2のプログラムを介して、生成された前記取引情報ブロックを、前記第2の入出力デバイスシステムを介して、前記通信ネットワークを通じて受信し、少なくとも前記特定のマーケットチャネルと関連付けられた前記取引台帳のそれぞれの部分のそれぞれのローカルコピーへの更新として、受信した前記取引情報ブロックを前記第2のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納する。
【0021】
いくつかの実施形態では、前記第1のデータ処理デバイスシステムは、前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された前記第1のプログラムを介して、取引に利用可能な在庫を特定し、前記取引に利用可能な在庫に関連付けられた特定のマーケットチャネルを特定する。生成された前記取引情報ブロックは、前記取引に利用可能な在庫および1つまたは複数の取引条件のインジケーションを含んでもよい。
【0022】
特定された前記取引に利用可能な在庫は、製品またはサービス識別子を含んでもよい。前記製品またはサービス識別子のそれぞれは、取引に利用可能な製品またはサービスを識別してもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、前記第1のデータ処理デバイスシステムは、プログラムを介して、製品またはサービス識別子を暗号化して、暗号化製品またはサービス識別子を生成する。前記暗号化製品またはサービス識別子は、生成された前記取引情報ブロックにおける取引に利用可能な在庫に含められてもよい。
【0024】
前記製品またはサービス識別子は、デバイス識別子であってもよい。各前記デバイス識別子は、広告が配信されることが許可されているデバイスを識別してもよい。これに関して、いくつかの実施形態では、前記暗号化された製品またはサービス識別子は、暗号化された前記デバイス識別子であってもよい。各デバイスは、広告または他のテキスト、画像、ビデオ、またはオーディオがモバイル電子デバイス上で実行されるアプリケーションを介して視覚的に提示されることが許可されている携帯電話、スマートフォンまたはタブレットコンピュータなどのモバイル電子デバイスであってもよい。前記アプリケーションは、前記第1のデータ処理デバイスシステムに関連付けられてもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、前記第1のデータ処理デバイスシステムは、前記第1のプログラムを介して、暗号化鍵に従って製品またはサービス識別子を暗号化して、暗号化製品またはサービス識別子を生成する。いくつかの実施形態では、前記第1のデータ処理デバイスシステムは、前記第1のプログラムを介して、公開暗号化鍵に従って前記製品またはサービス識別子を暗号化して、前記暗号化製品またはサービス識別子を生成する。
【0026】
いくつかの実施形態では、前記複数のデータ処理デバイスシステムの第3のデータ処理デバイスシステムは、第3のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム、および第3の入出力デバイスシステムに通信可能に接続される。前記第3の入出力デバイスシステムは、前記通信ネットワークに通信可能に接続される。前記第3のデータ処理デバイスシステムに関連付けられた前記第3のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムは、少なくとも前記特定のマーケットチャネルと関連付けられた前記取引台帳のそれぞれの部分のそれぞれのローカルコピーを記憶する。前記少なくとも前記特定のマーケットチャネルと関連付けられた前記取引台帳のそれぞれの部分は、少なくとも取引に利用可能な在庫のサブセットに関連付けられた操作セットと関連付けられた第1の取引情報ブロックセットを含む。前記第1の取引情報ブロックセットは、前記暗号化製品またはサービス識別子を含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、前記第3のデータ処理デバイスシステムは、前記第3のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された第3のプログラムを介して、前記公開暗号鍵に対応する秘密暗号鍵に従って、前記暗号化製品またはサービス識別子を復号する。
【0028】
前記第1の取引情報ブロックセットは、前記暗号化製品またはサービス識別子に関連付けられた前記製品またはサービスの特性を示す。いくつかの実施形態では、前記第3のデータ処理デバイスシステムは、前記第3のプログラムを介して、復号された前記製品またはサービス識別子が前記特性に合致する製品またはサービスに関連付けられていることを検証したことの応答として、少なくとも前記第3のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された前記特定のマーケットチャネルと関連付けられた前記取引台帳のそれぞれの部分のそれぞれのローカルコピーにデジタル署名を追加する。
【0029】
いくつかの実施形態では、前記複数のデータ処理デバイスシステムの第3のデータ処理デバイスシステムは、第3のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム、および第3の入出力デバイスシステムに通信可能に接続される。前記第3の入出力デバイスシステムは、前記通信ネットワークに通信可能に接続されてもよい。前記第3のデータ処理デバイスシステムに関連付けられた前記第3のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムは、少なくとも前記特定のマーケットチャネルと関連付けられた前記取引台帳のそれぞれの部分のそれぞれのローカルコピーを格納してもよい。前記少なくとも前記特定のマーケットチャネルと関連付けられた前記取引台帳のそれぞれの部分は、少なくとも取引に利用可能な在庫のサブセットに関連付けられた操作セットと関連付けられた第1の取引情報ブロックセットを含んでもよい。前記第1の取引情報ブロックセットは、前記第3のデータ処理デバイスシステムに関連付けられた公開暗号鍵に従って暗号化された製品またはサービス識別子、および少なくとも1つまたは複数の取引条件のサブセットを含んでもよい。いくつかの実施形態では、前記複数のデータ処理デバイスシステムの第4のデータ処理デバイスシステムは、第4のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム、および第4の入出力デバイスシステムに通信可能に接続されてもよい。第4の入出力デバイスシステムは、前記通信ネットワークに通信可能に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、前記第4のデータ処理デバイスシステムに関連付けられた前記第4のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムは、少なくとも前記特定のマーケットチャネルと関連付けられた前記取引台帳のそれぞれの部分のそれぞれのローカルコピーを格納してもよい。前記少なくとも前記特定のマーケットチャネルと関連付けられた前記取引台帳のそれぞれの部分は、少なくとも取引に利用可能な在庫のサブセットに関連付けられた操作セットと関連付けられた前記第1の取引情報ブロックセットを含んでもよい。前記第1の取引情報ブロックセットは、さらに、前記第3のデータ処理デバイスシステムと関連付けられたデジタル署名および前記第4のデータ処理デバイスシステムと関連付けられたデジタル署名を含む前記第1の取引情報ブロックセットを含んでもよい。いくつかの実施形態では、前記第3のデータ処理デバイスシステムは、第3のプログラムを介して、前記第3のデータ処理デバイスシステムに関連付けられた公開暗号鍵に対応する秘密暗号鍵に従って、前記暗号化製品またはサービス識別子を復号し、復号された前記製品またはサービス識別子を利用して、前記少なくとも1つまたは複数の取引条件のサブセットが満たされていることを検証し、前記少なくとも1つまたは複数の取引条件のサブセットが満たされたことの検証に失敗したことに応答して、前記第4のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに障害のインジケーションを送信し、前記少なくとも1つまたは複数の取引条件のサブセットが満たされたことの検証に成功したことに応答して、前記第4のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに成功のインジケーションを送信する。
【0030】
いくつかの実施形態では、前記複数のデータ処理デバイスシステムの第3のデータ処理デバイスシステムは、第3のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム、および第3の入出力デバイスシステムに通信可能に接続される。前記第3の入出力デバイスシステムは、前記通信ネットワークに通信可能に接続されてもよい。前記第3のデータ処理デバイスシステムに関連付けられた前記第3のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムは、前記特定のマーケットチャネルと関連付けられた前記取引台帳の少なくとも一部のそれぞれのローカルコピーを格納してもよい。前記取引台帳の少なくとも一部は、生成された前記取引情報ブロックを含む前記特定のマーケットチャネルと関連付けられてもよい・前記第3のデータ処理デバイスシステムは、前記第3のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された第3のプログラムを介して、生成された前記取引情報ブロックに基づいて、少なくとも1つまたは複数の取引条件の特定の取引条件の変更を伴って、更新取引情報ブロックを生成し、生成された前記少なくとも特定の条件の変更を含む前記更新取引情報ブロックを、前記第3の入出力デバイスシステムを介して前記通信ネットワークを通じて配信してもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、前記第1のデータ処理デバイスシステムは、前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された前記第1のプログラムを介して、前記更新取引情報ブロックに少なくともデジタル署名をすることによって、第1のデジタル署名がされた取引情報ブロックを形成し、前記第1の入出力デバイスシステムを介して、前記通信ネットワークを通じて前記第1のデジタル署名がされた取引情報ブロック
を配信する。
【0032】
いくつかの実施形態では、前記第3のデータ処理デバイスシステムは、前記第3のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された前記第3のプログラムを介して、少なくとも前記第1のデジタル署名がされた取引情報ブロックによって、第2のデジタル署名がされた取引情報ブロックを形成し、前記第3の入出力デバイスシステムを介して、前記通信ネットワークを通じて前記第2のデジタル署名がされた取引情報ブロックを配信する。
【0033】
いくつかの実施形態では、前記第1のデータ処理デバイスシステムは、前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された前記第1のプログラムを介して、在庫取引と関連付けられた特定の取引情報ブロックの前記特定のマーケットチャネルと関連付けられた前記取引台帳の少なくとも一部の検索を行い、前記特定の取引情報ブロックにおける1つまたは複数の取引条件に基づいて、少なくとも1つの測定指標を識別し、少なくとも前記少なくとも1つの測定指標の分析に基づいて前記在庫取引のステータスを特定する。生成された前記取引情報ブロックは、前記在庫取引のステータスを含んでもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、前記第1のデータ処理デバイスシステムは、前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された前記第1のプログラムを介して、前記少なくとも1つの測定指標に応じて前記1つまたは複数の取引条件が満たされた場合に、前記在庫取引のステータスが正常に完了したとして特定し、前記在庫取引のステータスが正常に完了したと特定したことに応答して、前記第1のデータ処理デバイスシステムに関連付けられたデジタル署名を有する前記特定の取引情報ブロックに基づいて、更新取引情報ブロックを生成し、生成された前記更新取引情報ブロックを、前記第1の入出力デバイスシステムを介して、前記通信ネットワークを通じて前記複数のデータ処理デバイスシステムの第3のデータ処理デバイスシステムに送信する。前記第3のデータ処理デバイスシステムは、前記第2のデータ処理デバイスシステムのサブセットである。
【0035】
いくつかの実施形態では、前記複数のデータ処理デバイスシステムの第4のデータ処理デバイスシステムは、第4のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム、および第4の入出力デバイスシステムに通信可能に接続される。前記第4の入出力デバイスシステムは、前記通信ネットワークに通信可能に接続される。前記第4の入出力デバイスシステムは、前記第1のデータ処理デバイスシステム以外であってもよい。前記第4のデータ処理デバイスシステムに関連付けられた前記第4のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムは、前記特定のマーケットチャネルと関連付けられた前記取引台帳の少なくとも一部のそれぞれのローカルコピーを格納してもよい。前記特定のマーケットチャネルと関連付けられた前記取引台帳の少なくとも一部は、前記デジタル署名がされた更新取引情報ブロックを含む。いくつかの実施形態では、前記第4のデータ処理デバイスシステムは、前記第4のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された第4のプログラムを介して、前記特定のマーケットチャネルと関連付けられた前記取引台帳の少なくとも一部のローカルコピーから、前記デジタル署名がされた更新取引情報ブロックを識別し、識別された前記デジタル署名がされた更新取引情報ブロックの分析に基づいて、在庫取引のステータスが正常に完了したものであることを特定し、前記在庫取引が正常に完了したことを特定したことに応答して、前記在庫取引に関連付けられた資産の放出を指示する命令セットを送信する。
【0036】
いくつかの実施形態では、前記第1のデータ処理デバイスシステムは、前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された前記第1のプログラムを介して、前記少なくとも1つの測定指標の少なくとも1つに応じて、前記1つまたは複数の取引条件が部分的には完了し、しかし完了していない場合は、部分的に完了した前記在庫取引として、前記在庫取引のステータスを特定する。いくつかの実施形態では、前記複数のデータ処理デバイスシステムの第4のデータ処理デバイスシステムは、第4のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム、および第4の入出力デバイスシステムに通信可能に接続される。前記第4の入出力デバイスシステムは、前記通信ネットワークおよび前記第1のデータ処理デバイスシステム以外の第4のデータ処理デバイスシステムに通信可能に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、前記第4のデータ処理デバイスシステムに関連付けられた前記第4のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムは、前記特定のマーケットチャネルと関連付けられた取引台帳の少なくともそれぞれの部分のローカルコピーを記憶する。前記特定のマーケットチャネルと関連付けられた取引台帳の少なくとも一部は、前記在庫取引が部分的に完了したステータスを含む生成された前記取引情報ブロックを含んでもよい。いくつかの実施形態によれば、前記第4のデータ処理デバイスシステムは、前記第4のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された第4のプログラムを介して、前記特定のマーケットチャネルと関連付けられた前記取引台帳の少なくともそれぞれの部分のローカルコピーから、前記在庫取引が部分的に完了したステータスをベースにして識別し、前記在庫取引が部分的に完了したステータスを識別したことに応答して、前記在庫取引に関連付けられた資産の一部ではあるが、すべてではない資産の放出を指示する命令セットを送信する。
【0037】
いくつかの実施形態では、前記第1のデータ処理デバイスシステムは、前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された前記第1のプログラムを介して、前記少なくとも1つの測定指標の少なくとも1つに応じて、1つまたは複数の取引条件が満たされていない場合は、失敗ステータスとして特定する。いくつかの実施形態では、前記複数のデータ処理デバイスシステムの第4のデータ処理デバイスシステムは、第4のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム、および第4の入出力デバイスシステムに通信可能に接続される。前記第4の入出力デバイスシステムは、前記通信ネットワークおよび前記第1のデータ処理デバイスシステム以外の第4のデータ処理デバイスシステムに通信可能に接続されてもよい。いくつかの実施形態によれば、前記第4のデータ処理デバイスシステムに関連付けられた前記第4のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムは、前記特定のマーケットチャネルと関連付けられた前記取引台帳の少なくともそれぞれの部分のそれぞれのローカルコピーを格納する。前記特定のマーケットチャネルと関連付けられた前記取引台帳の少なくともそれぞれの部分は、生成された前記在庫取引の失敗状態ステータスおよび前記在庫取引に関連付けられた不測事態を含む前記取引情報ブロックを含んでもよい。いくつかの実施形態では、前記第4のデータ処理デバイスシステムは、前記第4のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された第4のプログラムを介して、少なくとも前記特定のマーケットチャネルと関連付けられた前記取引台帳のそれぞれの部分のローカルコピーから、前記在庫取引の失敗状態ステータスを識別し、少なくとも前記特定のマーケットチャネルと関連付けられた前記取引台帳のそれぞれの部分のローカルコピーから、前記在庫取引の失敗状態ステータスを識別したことに応答して、前記在庫取引に関連付けられた前記不測事態を識別し、前記不測事態に応じた前記在庫取引に関連付けられた資産の処理を指示する命令セットを送信する。
【0038】
いくつかの実施形態では、生成された前記取引情報ブロックは、売り手ノードに関連付けられた前記複数のデータ処理デバイスシステムの1つから取引に利用可能な在庫を購入する要求を含み、前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムは、前記売り手ノードと関連付けられている。いくつかの実施形態では、前記第2のデータ処理デバイスシステムは、前記第2のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された前記第2のプログラムを介して、少なくとも前記特定のマーケットチャネルに関連する取引台帳の少なくとも一部を検索させることにより、取引に利用可能な在庫の要求と一致する前記特定のマーケットチャネルと関連付けられた前記取引台帳の少なくとも一部における少なくとも1つの取引情報ブロックを識別し、少なくとも1つの取引情報ブロックを生成した特定のデータ処理デバイスシステムを決定し、前記特定のデータ処理デバイスシステムの評価を特定し、前記特定のデータ処理デバイスシステムの評価を前記在庫の要求に指定された閾値評価と比較し、前記特定のデータ処理デバイスシステムの評価が前記閾値評価を満たしていれば、新たに生成された取引情報ブロックで、少なくとも前記第2のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された前記特定のマーケットチャネルと関連付けられた前記取引台帳のそれぞれの部分のローカルコピーを更新する。いくつかの実施形態では、前記第1のデータ処理デバイスシステムは、前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された前記第1のプログラムを介して、前記特定のデータ処理デバイスシステムの前記評価を特定する少なくとも一部として、前記通信ネットワークに通信可能に接続された第3の入出力デバイスシステムに通信可能に接続された前記複数のデータ処理デバイスシステムの第3のデータ処理デバイスシステムに、前記通信ネットワークを介して、評価情報の要求を含むクエリを送信し、前記通信ネットワークを介して、前記クエリに応答した前記評価情報を含むレスポンスを受信し、前記評価情報から前記特定のデータ処理デバイスシステムの評価を識別する。
【0039】
いくつかの実施形態では、前記第2のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された前記特定のマーケットチャネルと関連付けられた前記取引台帳のそれぞれの部分のローカルコピーは、在庫に関して操作セットに関連付けられた第1の取引情報ブロックセットを含む。いくつかの実施形態では、前記第1の取引情報ブロックセットは、前記第1のデータ処理デバイスシステムに関連付けられた第1のデジタル署名と、前記複数のデータ処理デバイスシステムの第3のデータ処理デバイスシステムに関連付けられた第2のデジタル署名と、前記複数のデータ処理デバイスシステムの第4のデータ処理デバイスシステムに関連付けられた第3のデジタル署名と、前記複数のデータ処理デバイスシステムの第5のデータ処理デバイスシステムに関連付けられた第4のデジタル署名とを含んでもよい。前記第3のデータ処理デバイスシステムは、第3のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム、および第3の入出力デバイスシステムに通信可能に接続されてもよい。前記第3の入出力デバイスシステムは、前記通信ネットワークに通信可能に接続されてもよい。前記第4のデータ処理デバイスシステムは、第4のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム、および第4の入出力デバイスシステムに通信可能に接続されてもよい。前記第4の入出力デバイスシステムは、前記通信ネットワークに通信可能に接続されてもよい。前記第5のデータ処理デバイスシステムは、第5のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム、および。第5の入出力デバイスシステムに通信可能に接続されてもよい。前記第5の入出力デバイスシステムは、前記通信ネットワークに通信可能に接続されてもよい。いくつかの実施形態によれば、前記第1の取引情報ブロックセットは、前記複数のデータ処理デバイスシステムの第6のデータ処理デバイスシステムに関連付けられた第5のデジタル署名を含んでもよい。前記第6のデータ処理デバイスシステムは、第6のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム、および第6の入出力デバイスシステムに通信可能に接続されてもよい。前記第6の入出力デバイスシステムは、前記通信ネットワークに通信可能に接続されてもよい。前記第1の取引情報ブロックセットは、前記在庫に関する操作セットに関連付けられた1つまたは複数の取引条件のインジケーションを含んでもよい。前記第1のデータ処理デバイスシステムは、前記在庫の提供者に関連付けられ、前記第3のデータ処理デバイスシステムは前記在庫の受取者に関連付けられ、前記第4のデータ処理デバイスシステムは前記1つまたは複数の取引条件のサブセットのバリデータに関連付けられ、前記第5のデータ処理デバイスシステムが少なくとも前記1つまたは複数の取引条件のサブセットの障害のアービタに関連付けられてもよい。前記第6のデータ処理デバイスシステムは、前記特定のマーケットチャネルと関連付けられた前記取引台帳における取引情報のトラッカーに関連付けられてもよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、前記第1の取引情報ブロックセットは、前記在庫の暗号化製品またはサービス識別子を含む。いくつかの実施形態によれば、前記第1のデータ処理デバイスシステムは、前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された前記第1のプログラムを介して、前記複数のデータ処理デバイスシステムのトラッカーデータ処理デバイスシステムに関連付けられた公開暗号鍵にしたがって、前記在庫の暗号化製品またはサービス識別子を生成して提供する。前記トラッカーデータ処理デバイスシステムは、それぞれのプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム、およびそれぞれの入出力デバイスシステムに通信可能に接続される。それぞれの前記入出力デバイスシステムは、前記通信ネットワークに通信可能に接続されてもよい。前記トラッカーデータ処理デバイスシステムに関連付けられた前記プロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムは、前記第1の取引情報ブロックセットを含む前記特定のマーケットチャネルと関連付けられた前記取引台帳の少なくとも一部のそれぞれのローカルコピーを記憶してもよい。いくつかの実施形態では、前記トラッカーデータ処理デバイスシステムは、それぞれのプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納されたそれぞれのプログラムを介して、前記トラッカーデータ処理デバイスシステムと関連付けられ、前記トラッカーデータ処理デバイスシステムに関連付けられた公開暗号鍵に対応する秘密暗号鍵に従って、前記暗号化製品またはサービス識別子を復号する。いくつかの実施形態では、前記第1の取引情報ブロックセットは、前記暗号化製品またはサービス識別子に関連付けられた製品またはサービスの特性を示す。いくつかの実施形態によれば、前記トラッカーデータ処理デバイスシステムは、それぞれのプログラムを介して、復号された前記製品またはサービス識別子が前記特性に同意することを検証し、復号された前記製品またはサービス識別子が前記特性に同意する製品またはサービスに関連付けられていることを検証することに応答して、それぞれの前記プロセッサアクセス可能に格納された特定のマーケットチャネルと関連付けられた前記取引台帳のそれぞれの部分のそれぞれのローカルコピーにデジタル署名を追加する。
【0041】
いくつかの実施形態では、前記第1の取引情報ブロックセットは、前記在庫の製品またはサービス識別子のハッシュ識別子を含む。前記ハッシュ識別子は、前記在庫の前記製品またはサービス識別子にそれぞれ関連付けられてもよい。いくつかの実施形態によれば、前記第1のデータ処理デバイスシステムは、前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納されたプログラムを介して、前記在庫の製品またはサービス識別子に対して少なくともハッシュプロセスを実行することによって、前記第1の取引情報ブロックセットに前記ハッシュ識別子を生成して提供してもよい。前記複数のデータ処理デバイスシステムのトラッカーデータ処理デバイスシステムは、それぞれのプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム、およびそれぞれの入出力デバイスシステムに通信可能に接続されてもよい。それぞれの前記入出力デバイスシステムは、前記通信ネットワークに通信可能に接続されてもよい。前記トラッカーデータ処理デバイスシステムに関連付けられた前記プロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムは、前記特定のマーケットチャネルと関連付けられた前記取引台帳の少なくとも一部のそれぞれのローカルコピーを記憶してもよい。前記特定のマーケットチャネルと関連付けられた前記取引台帳の少なくとも一部は、前記第1の取引情報ブロックセットを含んでもよい。前記トラッカーデータ処理デバイスシステムは、それぞれのプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納されたそれぞれのプログラムを介して、前記ハッシュ識別子の少なくとも特定のハッシュ識別子に関連付けられ、かつ前記特定のマーケットチャネルと関連付けられた前記取引台帳の少なくともそれぞれの部分のそれぞれのローカルコピーには存在しないメタデータを生成し、生成された前記メタデータを、前記特定のハッシュ識別子と関連付けて、前記トラッカーデータ処理デバイスシステムに関連付けられたそれぞれの前記プロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納してもよい。
【0042】
いくつかの実施形態によれば、前記第1の取引情報ブロックセットは、前記在庫に関連付けられた前記操作セットに関連付けられた複数の取引条件の指示を含む。前記取引条件の少なくとも1つが、前記第1の取引情報ブロックセットにおいて暗号化されていてもよい。
【0043】
いくつかの実施形態によれば、前記第1の取引情報ブロックセットは、前記在庫に関する前記操作セットに関連付けられた複数の取引条件の指示を含んでもよい。前記取引条件の少なくとも1つは、前記第1の取引情報ブロックセットにおいて暗号化されていてもよい。いくつかの実施形態では、前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム、前記第3のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム、第4のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム、および前記第5のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムの各々は、前記暗号化された取引条件の少なくとも1つを復号するための復号鍵を記憶してもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、前記第1の取引情報ブロックセットは、前記在庫の製品またはサービス識別コード、前記製品またはサービス識別コードの他の前記在庫の1つまたは複数の特性の表示、または前記在庫の製品またはサービス識別コードおよび前記在庫の1つまたは複数の特性の表示の両方を含む。
【0045】
いくつかの実施形態によれば、通信ネットワークに通信可能に接続された複数のデータ処理デバイスシステムを含む。前記複数のデータ処理デバイスシステムの各々はプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム、および前記取引処理システムに含まれるそれぞれの入出力デバイスシステムに通信可能に接続されてもよい。前記複数のデータ処理デバイスシステムの第1のデータ処理デバイスシステムは、第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム、および第1の入出力デバイスシステムに通信可能に接続されてもよい。前記第1の入出力デバイスシステムは、前記通信ネットワークに通信可能に接続されてもよい。前記複数のデータ処理デバイスシステムの第2のデータ処理デバイスシステムは、第2のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム、および第2の入出力デバイスシステムに通信可能に接続されてもよい。前記第2の入出力デバイスシステムは、前記通信ネットワークに通信可能に接続されてもよい。前記第1のデータ処理デバイスシステムに関連付けられた前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム、および前記第2のデータ処理デバイスシステムに関連付けられた第2のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムは、取引を記録する1つまたは複数の取引台帳のそれぞれの部分のローカルコピーを記憶してもよい。各前記取引台帳はマーケットチャネルに関連付けられてもよい。前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムによって記憶されたそれぞれのプログラムは、特定のマーケットチャネルと関連付けられた取引情報ブロックを生成させる生成命令と、前記特定のマーケットチャネルと関連付けられた前記取引台帳の少なくともそれぞれの部分のそれぞれのローカルコピーへの更新として、生成された前記取引情報ブロックを前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに記憶させる第1の記憶命令と、生成された前記取引情報ブロックを第1の入出力デバイスシステムを介して、前記通信ネットワークを通じて前記第2のデータ処理デバイスシステムに送信させる送信命令と、を含む。いくつかの実施形態では、前記第2のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムによって記憶されたそれぞれのプログラムは、生成された前記取引情報ブロックを前記第2の入出力デバイスシステムを介して前記通信ネットワークを通じで受信させる受信命令と、前記特定のマーケットチャネルと関連付けられた前記取引台帳の少なくともそれぞれの部分のそれぞれのローカルコピーへの更新として、受信した前記取引情報ブロックを前記第2のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納させる第2の記憶命令とを含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、取引処理方法が、通信ネットワークに通信可能に接続された第1のデータ処理デバイスシステムによって実行される。前記第1のデータ処理デバイスシステムは、第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム、および第1の入出力デバイスシステムに通信可能に接続される。いくつかの実施形態では、前記方法は、前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムによって、前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムを介して、取引を記録する1つまたは複数の取引台帳のそれぞれの少なくとも一部のローカルコピーを格納し、前記取引台帳のそれぞれはマーケットチャネルと関連付けられ、前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムによって、特定のマーケットチャネルに関連付けられた取引情報ブロックを生成し、前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムによって、前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムを介して、前記特定のマーケットチャネルと関連付けられた前記取引台帳のそれぞれの少なくとも一部のローカルコピーへの更新として、前記第1のデータ処理デバイスシステムにおいて生成された前記取引情報ブロックを格納し、前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムによって、生成された前記取引情報ブロックを、前記第1のデータ処理デバイスシステムを介して、前記通信ネットワークを通じて第2のデータ処理デバイスシステムに送信する。
【0047】
いくつかの実施形態では、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体システムは、入出力デバイスシステムおよび通信ネットワークに通信可能に接続されたデータ処理デバイスシステムの1つまたは複数のデータ処理デバイスシステムによって実行可能なプログラムを格納する1つまたは複数のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含む。いくつかの実施形態では、前記プログラムは、特定の1つまたは複数のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に、取引を記録する1つまたは複数の取引台帳のそれぞれの少なくとも一部のコピーを格納するように構成された第1の格納モジュールであって、各取引台帳は、特定のマーケットチャネルと関連付けられた第1の格納モジュールと、前記特定のマーケットチャネルと関連付けられた取引情報ブロックを生成するように構成された生成モジュールと、前記特定の1つまたは複数のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に、生成された前記取引情報ブロックを、前記特定のマーケットチャネルと関連付けられた前記取引台帳の少なくともそれぞれの部分のコピーに対する更新として格納するように構成された第2の記憶モジュールと、前記入出力デバイスシステムを介して、生成された前記取引情報ブロックを、前記通信ネットワークを通じて第2のデータ処理デバイスシステムに送信する送信モジュールと、を含む。
【0048】
いくつかの実施形態によれば、システムは、通信ネットワークと、前記通信ネットワークに通信可能に接続された複数のデータ処理デバイスシステムであって、取引処理システムに含まれるそれぞれのプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム、および前記取引処理システムに含まれるそれぞれの入出力デバイスシステムに通信可能に接続された複数のデータ処理デバイスシステムとを含む。前記複数のデータ処理デバイスシステムの第1のデータ処理デバイスシステムは、第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム、および第1の入出力デバイスシステムに通信可能に接続される。前記第1の入出力デバイスシステムは、前記通信ネットワークに通信可能に接続される。前記第1のデータ処理デバイスシステムに関連付けられた前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムは、取引を記録する1つまたは複数の取引台帳のそれぞれの部分のローカルコピーを記憶し、各前記取引台帳はマーケットチャネルに関連付けられてもよい。いくつかの実施形態では、前記第1のデータ処理デバイスシステムは、前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに記憶された第1のプログラムを介して、前記取引台帳の検索を行い、特定のユーザアカウントに関連付けられた少なくとも1つの在庫品目を識別し、かつ前記在庫品目の少なくとも処分を規定する取引条件セットを識別することによって、複数の取引の特定の取引を識別し、前記通信ネットワークを介して、第2のデータ処理デバイスシステムに前記在庫品目の処理を指示する命令セットを送信してもよい。
【0049】
前記在庫品目は、前記第2のデータ処理デバイスシステムを識別する識別子を含んでもよい。前記在庫品目の処理を指示する命令セットは、前記第2のデータ処理デバイスシステムに通信可能に接続された第2の入出力デバイスシステムを介して画像、テキスト、オーディオまたはビデオの表示を指示する1つまたは複数の命令を含んでもよい。前記在庫品目の処理を指示する前記命令セットは、前記取引条件セットにおいて識別される宛先への前記在庫品目の輸送を指示する1つまたは複数の命令を含んでもよい。前記第2のデータ処理デバイスシステムは、前記特定のユーザアカウントに関連付けられていてもよい。いくつかの実施形態では、前記識別子は暗号化され、前記第1のデータ処理デバイスシステムは、前記第1のプログラムを介して、前記命令セットを前記第2のデータ処理デバイスシステムに送信するための前提条件として、対応する秘密復号鍵を利用して暗号化された前記識別子を復号してもよい。いくつかの実施形態では、前記第1のデータ処理デバイスシステムは、前記第1のプログラムを介して、前記在庫品目の前記処分の全部または一部の完了を示す更新取引情報ブロックを生成し、生成された前記更新取引情報ブロックを、前記第1の入出力デバイスシステムを介して、前記通信ネットワークを通じて前記複数のデータ処理デバイスシステムの第3のデータ処理デバイスシステムに送信してもよい。いくつかの実施形態では、前記第3のデータ処理デバイスシステムは、第3のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムおよび第3の入出力デバイスシステムに通信可能に接続される。第3の入出力デバイスシステムは、前記通信ネットワークに通信可能に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、前記第3のデータ処理デバイスシステムは、前記第3のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納された第3のプログラムを介して、生成された前記更新取引情報ブロックを前記第3の入出力デバイスシステムを介して、前記通信ネットワークを通じて受信し、生成された前記更新取引情報ブロックに示された前記在庫品目の処分の全部または一部の完了を検証し、前記検証の結果を示す第2の更新取引情報ブロックを生成し、生成された前記第2の更新取引情報ブロックを、前記第3の入出力デバイスシステムを介して、前記通信ネットワークを通じて複数のデータ処理デバイスシステムの1つまたは複数のデータ処理デバイスシステムに送信する。
【0050】
いくつかの実施形態によれば、取引処理システムは、特定のマーケットチャネルと関連付けられた複数の取引を記録する取引台帳の少なくとも一部のプログラムおよびローカルコピーを格納する第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムと、通信ネットワークに通信可能に接続された第1の入出力デバイスシステムと、を有する。いくつかの実施形態では、前記第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムによって記憶された前記プログラムは、前記取引台帳の検索を行い、特定のユーザアカウントに関連付けられた少なくとも1つの在庫品目を識別し、かつ前記在庫品目の少なくとも処分を規定する取引条件セットを識別することによって、複数の取引の特定の取引を識別する識別命令と、前記第1の入出力デバイスシステムおよび前記通信ネットワークを介して、第2のデータ処理デバイスシステムに前記在庫品目の処理を指示する命令セットを送信する送信命令と、を含む。
【0051】
いくつかの実施形態によれば、取引処理方法は、通信ネットワークに通信可能に接続された第1のデータ処理デバイスシステムによって実行される。第1のデータ処理デバイスシステムは、第1のプロセッサアクセス可能な第1のメモリデバイスシステム、および第1の入出力デバイスシステムに通信可能に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、前記方法は、特定のマーケットチャネルと関連付けられた複数の取引を記録する取引台帳の少なくとも一部のローカルコピーを、前記第1のデータ処理デバイスシステムによって、第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムを介して格納し、前記取引台帳の検索を行い、特定のユーザアカウントに関連付けられた少なくとも1つの在庫アイテムを識別し、少なくとも在庫品目の処理を規定する取引条件セットを識別することによって、前記第1のデータ処理デバイスシステムによって、前記複数の取引の特定の取引を識別し、前記第1のデータ処理デバイスシステムによって実行され、前記第1の入出力デバイスシステムおよび前記通信ネットワークを介して、第2のデータ処理デバイスシステムに、前記在庫品目の処理を指示する命令セットを送信する。
【0052】
いくつかの実施形態によれば、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体システムは、入出力デバイスシステムおよび通信ネットワークに通信可能に接続されたデータ処理デバイスシステムの1つまたは複数のデータ処理デバイスシステムによって実行可能なプログラムを格納する1つまたは複数のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含む。いくつかの実施形態では、前記プログラムは、特定の1つまたは複数の読み取り可能な記憶媒体に、特定のマーケットチャネルと関連付けられた複数の取引を記録する取引台帳の少なくとも一部のコピーを格納するように構成された第1の記憶モジュールと、少なくとも前記取引台帳の検索を行い、前記特定のユーザアカウントに関連付けられた少なくとも1つの在庫品目を識別し、前記在庫品目の処理を少なくとも規定する取引条件セットを識別することによって、前記複数の取引の特定の取引を識別する識別モジュールと、前記通信ネットワークを通じて、前記入出力デバイスシステムを介して、第2のデータ処理デバイスシステムに前記在庫品目の処理を少なくとも規定する取引条件セットを送信する送信モジュールと、を含む。
【0053】
前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体システムは、1つまたは複数の非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体システムであってもよい。
【0054】
いくつかの実施形態によれば、コンピュータプログラム製品は、当該コンピュータプログラム製品がコンピューティングデバイスによって実行されるとき、ここで述べる方法のそれぞれのいずれかまたはすべてのステップを実行するためのプログラムコード部分を含む。そのようなコンピュータプログラム製品のいずれかまたはすべては、1つまたは複数のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納されてもよい。
【0055】
本発明の様々な実施形態は、ここで述べるシステム、デバイス、または機械およびそれらの関連する特徴のいずれかまたはすべての組み合わせまたはサブセットを含む、または含むシステム、デバイス、または機械を含んでもよい。
【0056】
さらに、ここで述べるシステム、デバイス、または機械のすべてまたは一部、またはこれらの組み合わせまたはサブコンビネーションは、ここで述べる方法およびプロセスのいずれかまたはすべて、またはそれらの組み合わせまたはサブコンビネーションのすべてまたは一部を実施または実行してもよい。
【0057】
本明細書で論じられる方法およびプロセスの一部または全部の特徴のいずれかは、本明細書で論じられる方法およびプロセスの一部または全部の全部または一部の任意の他の特徴と組み合わせられてもよい。さらに、コンピュータプログラム製品が、コンピュータまたは他のコンピューティングデバイスまたはコンピューティングシステムによって実行されるときに、ここで述べる方法およびプロセスおよびその関連する特徴の一部または全部の一部または全部を実行するためのプログラムコード部分を含むコンピュータプログラム製品が提供されてもよい。そのようなコンピュータプログラム製品は、1つ以上のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体とも呼ばれる1つまたは複数のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納されてもよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、ここで述べるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体システム(プロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムとも呼ばれる)のいずれかまたはすべては、ここで述べる1つまたは複数の方法およびプロセスの一部または全部を実行するようにデータ処理デバイスシステムを構成するプログラムを記憶する1または複数の非一時的なコンピュータ読み取り可能な(またはプロセッサアクセス可能な)データ記憶媒体(またはメモリデバイス)を含むまたはこれらで構成される、非一時的なコンピュータ読み取り可能な(またはプロセッサアクセス可能な)データ記憶媒体システム(またはメモリデバイスシステム)である。
【0059】
さらに、ここで述べる方法および関連する特徴のいずれかまたはすべては、ここで述べるシステム、デバイスまたは機械のいずれかのすべてまたは一部のようなデバイスシステム、デバイスまたは機械の全部または一部によって実施または実行されてもよく、またはそれらの組み合わせまたはサブコンビネーションであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
添付の図面は、様々な実施形態の態様を説明するためのものであり、一定の縮尺ではない要素を含むことができることを理解されたい。
図1】本発明のいくつかの実施形態によるコンピューティングデバイスシステムを示す。
図2】本発明のいくつかの実施形態による、図1のコンピューティングデバイスシステムの全部または一部の特定の実装であるコンピューティングデバイスシステムを示す。
図3】本発明のいくつかの実施形態による、コンピューティングデバイスまたはデバイスシステムのネットワークを含む、図1のコンピューティングデバイスシステムの全部または一部の特定の実装である取引システムを示す。
図4】本発明のいくつかの実施形態による、コンピューティングデバイスまたはデバイスシステムのネットワークを含む、図1のコンピューティングデバイスシステムの全部または一部の特定の実装である取引システムを示す。
図5】本発明のいくつかの実施形態による、図1、2、3または4のコンピューティングデバイスシステムに関連付けられている(例えば、格納されている、処理されている、またはその両方)取引台帳データの構造の一例を示す。
図6A】本発明のいくつかの実施形態による、図1、2、3または4の1または複数のコンピューティングデバイスシステムに関連付けられている(例えば、格納されている、処理されている、またはその両方)取引台帳データの構造の一例を示す。
図6B】本発明のいくつかの実施形態による、図6Aの取引台帳データの特定の部分を示す。
図7】本発明のいくつかの実施形態による、取引を実行および検証するための方法を示すフローチャートであって、図1、2、3または4のコンピューティングデバイスシステムによって実行可能または実行される方法を示すフローチャートを示す。
図8A】本発明のいくつかの実施形態による、図7の方法のステップ605の実装の詳細な例を示すフローチャートである。
図8B】本発明のいくつかの実施形態による、在庫のデータベースまたはその一部の例を示す図である。
図9】本発明のいくつかの実施形態による、図7の方法のステップ625の実装の詳細な例を示すフローチャートである。
図10】本発明のいくつかの実施形態による、取引における条件を改めるための方法を示すフローチャートであって、図1、2、3または4のコンピューティングデバイスシステムによって実行可能または実行される方法を示すフローチャートを示す。
図11】本発明のいくつかの実施形態による、図7の方法のステップ645の実装の詳細な例を示すフローチャートである。
図12】本発明のいくつかの実施形態による、図7の方法のステップ650の実装の詳細な例を示すフローチャートである。
図13】本発明のいくつかの実施形態による、未公開状態の取引情報ブロックの一例を示す。
図14】本発明のいくつかの実施形態による、異なるトラッカーノードによって格納されるメタデータの例を示す図である。
図15】本発明のいくつかの実施形態による、公開状態の取引情報ブロックの一例を示す。
図16】本発明のいくつかの実施形態による、相互に合意できる取引状態の取引情報ブロックの一例を示す。
図17】本発明のいくつかの実施形態による、履行前検証済み状態の取引情報ブロックの例を示す。
図18】本発明のいくつかの実施形態による、履行状態の取引情報ブロックの一例を示す図である。
図19】本発明のいくつかの実施形態による、製品またはサービス識別子およびユーザアカウントをリンクする例示的なデータベースまたはその一部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
上述したように、商品またはサービスの提供を容易にする従来の取引システムは、取引に関与する多くのエンティティ間で多大な手作業および独立したやりとりを必要とする。このような取引の手作業を自動化するいくつかの従来の試みは、例えば、特定のDSP(需要サイドプロバイダ)が複数の利用可能なSSP(供給サイドプロバイダ)に接続されなければならない集中型コンピュータベースの構成をもたらした。本発明の発明者は、このような従来の中央集中型取引構成の要件が、SSPと関わることができるDSPの数に、アーキテクチャ上のボトルネックを生じさせることを認識した。さらに、本発明の発明者は、そのような従来の集中型取引システムは、ハブ(例えば、DSPによって提供されるウェブサイトまたは他のプラットフォーム)が故障した場合に、そのハブアンドスポーク配置のためにシステム全体の故障に比較的敏感であることを認識した。
【0062】
本発明の発明者は、従来の集中型ハブアンドスポーク取引システムでは、取引を実行するために必要なすべてのエンティティに対応することができず、プロセスの多くのタスクがシステム外で、手動で直接的にやりとりされることに気づいた。少なくともこの理由から、本発明の発明者は、従来の中央集中型取引システムは、少なくとも取引処理において多すぎるタスクを手動で実行する必要があるという点で非効率的であることを認識した。
【0063】
さらに、本発明者らは、従来の集中型取引システムでは、多くの場合、広告主は依然として複雑で非効率的で高価で時間が掛かる複数のDSPを参照し作業しなければならないことを認識した。本発明の発明者は、複数のDSPを参照して作業することにより、広告主が購入している複数のDSPが同じSSPに接続されている場合、広告主は実際に自分自身と競合する可能性があるという懸念はあることを理解した(この場合、同じ広告主が2つの別々のDSPを介してコストを引き上げている)。
【0064】
従来の取引システムの少なくともこれらの欠点に照らして、本発明の発明者は、本明細書(図面を含む)に記載されている他の注目すべき特徴の中で、本発明の少なくともいくつかの実施形態による取引システムの改良されたアーキテクチャを発明し、本明細書において説明する。いくつかの実施形態では、改良されたアーキテクチャは、通信ネットワークを介して通信可能に接続された複数の分散ノード(それぞれデータ処理デバイスシステムを含む)において、改良されたデータ構造のコピーまたは少なくとも部分的なコピーの記憶を含む改良されたデータ構造および取引システムアーキテクチャ(ハードウェアおよびソフトウェア構成)を含む。いくつかの実施形態では、改良されたデータ構造は、取引実行プロセスの様々な段階で、取引を記述する詳細を記録する情報ブロック(または取引情報ブロック)を含む。いくつかの実施形態では、取引プロセスにおいて新しいイベントを記録するために、取引情報ブロックが追加され、または少なくとも1つは更新される。このようにして、いくつかの実施形態によれば、個々の取引の全ての履歴が、改良されたデータ構造に記録され、分散ノードに利用可能となる。改良されたデータ構造において、取引情報ブロックが追加または更新されると、いくつかの実施形態によれば、改良された取引システムアーキテクチャは、追加または更新された取引情報ブロックを通信ネットワークの少なくとも複数のノードのそれぞれに送信し、改良されたデータ構造のそれぞれのローカルコピーは、迅速に更新され、システム全体にわたって広く利用可能となる。改良されたデータ構造のそれぞれのローカルコピーが即座に更新され、通信ネットワーク全体でアクセス可能になることに伴い、いくつかの実施形態によれば、改良されたデータ構造および改良された取引システムアーキテクチャは、中央ノードから取引情報を要求し、または要求を受信することなく、ネットワーク内の各ノードに複数の取引を独立して見て参加する機能を提供し、それによって、取引に関与するエンティティ間の相互作用を制約する従来の集中型取引システムのボトルネックを解消することができる。
【0065】
さらに、改良されたデータ構造および改良された取引システムアーキテクチャの様々な実施形態による中央ノードへの依存の除去により、改良されたアーキテクチャは、取引の履歴を記録している改良されたデータ構造を含む複数のノードを含み、このようなノードの全部または大部分(おそらくないイベント)がシステム全体の障害を引き起こすことに失敗することを必要とするため、従来の集中型取引システムに比べて障害に対する回復力が大幅に向上する。さらに、本発明の改良されたアーキテクチャにおける複数のノードは、取引の履歴を記録する改良されたデータ構造を格納することにより、不正な取引は、改良されたデータ構造の遠隔コピーのいずれにも記録されず、そして、不正な取引を比較的容易に識別することができるので、不正な取引をシステムに導入することが非常に困難になる。
【0066】
本発明の発明者は、従来の集中型取引システムがそのような特徴または利点を考慮することを見出していない。
【0067】
これに関してさらに、いくつかの実施形態では、改良されたデータ構造は、後で説明する‘買い手’、‘売り手’、‘バリデータ’、‘アービタ’、‘トラッカー’、‘評価機関’などの各取引に関与するノードタイプの1つまたは複数の指標(indications)を含み、それによって、各取引に関連付けられた多くの異なるタイプのエンティティを提供する。その結果、取引システムアーキテクチャは、改良されたシステム内で、多くの異なるタイプのエンティティがそれぞれの取引に自動的に関与する機能を柔軟に提供し、エンティティタイプの参加に関してかなり制約されている上述の従来の取引システムと比較して、取引を完了するためにシステムの外部で手作業を行う必要性を大幅に低減する。
【0068】
さらに、改良されたデータ構造および改良された取引システムアーキテクチャの様々な実施形態による中央ノードへの依存の除去により、従来の集中取引システムと比較してコスト削減を達成することができる。例えば、本発明の改良されたデータ構造および改良された取引システムアーキテクチャは、取引に必要なすべてのエンティティを含む単一のネットワークを提供することができるが、一方、従来の集中取引システムは、複数のDSPおよびSSPに関与し、取引を完了するために必要な様々な種類のエンティティを除外する。
【0069】
さらに、改良されたデータ構造の実施形態は、エンティティタイプに依存せず、単一のデータ構造が異なるエンティティタイプのすべてに利用してよく、さらにシステム内の広範な参加をさらに容易にする。上述した従来のシステムによって企図されているとは理解されていない特徴および利点を有し、上述した従来のシステムによって期待されているとは理解されていない特徴および利点を有する。
【0070】
さらに、本発明の様々な実施形態による、改良された取引システムアーキテクチャに起因する、複数のノードにおける改良されたデータ構造またはその一部の記憶は、すべての取引を公に利用可能にし、それによって様々なエンティティへのアクセスが容易になり、競争が激化する可能性がある。しかしながら、本発明者らは、このような公共流通システムでは、上述した従来の取引システムでは明らかに考慮されていないプライバシー問題やセキュリティ問題が発生する可能性があることを認識した。例えば、広告コンテキストまたはマーケットチャネル(market channel)において、パブリッシャーは、複数の顧客のモバイルデバイスにロードされるアプリケーション(例えば、“アプリ”)を提供し、そのアプリケーションは、顧客がモバイルデバイス上でアプリを実行しているときに、広告を顧客に提示する機能を提供してもよい。この状況では、パブリッシャーは、顧客のモバイルデバイスのそれぞれを一意に識別するデバイス識別子(例えば、MACアドレスまたは他のデバイス識別子)のリストを有してもよい。買い手(コンテンツプロバイダやブローカーなど)に、パブリッシャーのアプリを通じて広告をパブリッシャーの顧客に提示する機能を販売するためには、パブリッシャーは、パブリッシャーが所有するモバイルデバイスを識別する必要がある。しかしながら、モバイルデバイス識別子(例えば、“デバイスID”)は、個人的な個人情報またはビジネス情報とみなされ、買い手にそれらを開示することは望ましくないかもしれない。この潜在的な問題を認識して、本発明の改良された取引システムアーキテクチャのいくつかの実施形態は、改良されたデータ構造内に存在するデバイスIDまたは他の機密情報を暗号化するために、パブリッシャーまたは他の売り手にアクセス可能な公開暗号鍵を利用する。改良された取引システムのいくつかの実施形態では、パブリッシャーまたは他の売り手によって信頼される別のエンティティが、例えば、パブリッシャーまたは他の売り手が、買い手が受け入れているデバイスのデバイスIDを提供していることを検証するため、他のエンティティは、デバイスIDまたは他の機密情報を個人的に復号して、例えばその検証タスクを実行するために、公開暗号鍵に関連付けられた秘密復号鍵を利用してもよい。したがって、改良されたデータ構造および改良されたと取引システムアーキテクチャの様々な実施形態は、情報セキュリティを維持することと、従来の取引システムでは考慮されていない取引情報に対するオープンで、効率的なパブリックアクセスとの間の効率的なバランスをとる。
【0071】
改良されたデータ構造および改良された取引システムアーキテクチャのいくつかの実施形態は、特定の取引に関与するエンティティに対する評判評価の記録を含む。そのような評価は、評価機関など、その専門のエンティティによって提供されてもよく、複数の異なる評価エンティティからの複数の評価セットが記録されてもよい。このような評価により、改良された取引システムのエンティティにとって、名誉をもって行動するための強いインセンティブが提供される。例えば、検証サービスを実行するエンティティが、復号されたデバイスIDへのアクセスを乱用する場合、そのようなエンティティは、改良された取引システムにおける様々な実施形態のために公に利用可能なその評価にペナルティを課される可能性がある。または、売り手または買い手が、改良されたデータ構造で特定された条件で定義された義務を履行しなかった場合、そのようなエンティティは、本発明のいくつかの実施形態に従って、それぞれの評価にペナルティが課される。したがって、改良されたデータ構造および改良された取引システムアーキテクチャの様々な実施形態は、分散データ構造に様々なエンティティの評価を含むことによって、取引システムの改良により、すべてまたは少なくとも複数のノードによって迅速かつ容易に識別可能な取引を適切に行うため、従来の取引システムでは考慮されないインセンティブを提供する。
【0072】
さらに、本発明の様々な実施形態による改良された取引システムアーキテクチャによる複数のノードにおける改良されたデータ構造またはその一部の記憶は、複数のエンティティが、改良されたデータ構造に記憶された取引履歴の検索および分析を実行し、複数のエンティティのそれぞれが取引履歴を検索または分析するための独自の方法を開発することを許可する。したがって、改良された取引システムアーキテクチャの様々な実施形態は、競争上の優位性を発達させる可能性のある異なる検索または分析プロバイダ(例えば、本明細書に記載されたトラッカー、バリデータ、アービタ、および評価機関)であって、最良の方法論を有するプロバイダが、上述した従来の取引システムでは提供されていないと理解される競争上の優位性を発揮することを可能にする。
【0073】
これに関して、この改良されたアーキテクチャの様々な実施形態による取引情報および履歴の公共の分散環境のために、本発明の発明者は、未知であるかまたは必ずしも信頼されていないエンティティが取引情報および履歴に関する検索および/または分析を行っている場合があることを認識した。この種のアーキテクチャのために、本発明者らは,場合によっては、取引情報および履歴内の特定の情報のプライバシーまたは機密性を保持しながら、そのようなエンティティによって実行される潜在的に価値のある検索および分析を阻害しないことが望ましい場合があることを認識した。これに関連して、本発明者らは、上記の暗号化されたアーキテクチャは、場合によっては有益であるが、そのような暗号化は、使用される暗号化技術に依存して、異なる時間に同じ情報の異なる値または表現につながる可能性がある。異なる時間に同じ情報の異なる値または表現を有することは、場合によっては、取引情報の適切な検索および分析を阻害する可能性がある。例えば、もし機密データオブジェクト(例えば、デバイスID)が、本発明の改良されたデータ構造の取引履歴に、異なる暗号化された表現として経時的に現れる場合、傾向分析、または検索プロバイダによって取得されたメタデータなどの補足情報を機密データオブジェクト(例えば、デバイスIDなど)に適切にリンクすることは、トレンド分析を実行すること、または検索プロバイダによって取得されたメタデータなどの補足情報を機密データオブジェクト(例えば、デバイスIDなど)に適切にリンクすることが難しい可能性がある。したがって、本発明の発明者は、ハッシュ値は本質的に復号できないが、時間の経過とともに永続的な表現を保持するので、改良されたデータ構造内にそのような機密データオブジェクトのハッシュ値を含める改良された取引システムアーキテクチャの様々な実施形態を構築した。これらの実施形態によれば、検索または分析プロバイダは、例えば、検索または分析プロバイダが実際のデバイスID(または他の機密データオブジェクト)を知ることなしに、デバイスID(または他の機密データオブジェクト)のハッシュ値またはハッシュIDを使用して、複数の取引履歴にわたって同じデバイス(または他の機密データオブジェクト)を認識することができる。したがって、例えば、パブリッシャーまたは他の売り手は、パブリッシャーまたは他の売り手のデバイスID(または他の機密データオブジェクト)の在庫の機密性を放棄することなしに、パブリッシャーまたはその他の者がデバイスID(または他の機密データオブジェクト)の在庫を売る機会を増やすために、デバイスID(またはその他の機密データオブジェクト)の在庫に関する豊富な分析およびメタデータを開発する第三者のエンティティを利用することができる。従来の取引システムは、明らかにこれらの問題またはこれらの発明的解決策を考慮していない。
【0074】
改良された取引システムおよびデータ構造のアーキテクチャにより、様々なエンティティは、取引プロセスにおける様々なステップの完了または先に完了したステップへの変更を、互いに明示的に通知する必要はない。いくつかの実施形態では、担当エンティティは、単に、改良された取引システム全体に広がっている改良されたデータ構造において発行された取引情報ブロックにデジタル署名する。個々のエンティティは、改良されたデータ構造において記録された取引を読み込み、適切なアクションをする機能を有する。様々な実施形態が、改良されたデータ構造を公に配布し、対応する取引が改良された取引システムのすべてのエンティティに見えるので、改良された取引システムは、上述した従来のシステムに存在する中央制御またはポリシングエンティティを必要とすることなく、自己規制またはポリシングされる。上述したように、この改良されたアーキテクチャはまた、改良されたデータ構造の1つのコピーに挿入された偽の情報が他のコピーの履歴データに存在しないために、エンティティが改良されたデータ構造に偽の情報を挿入することを困難にする。上述したように、改良されたデータ構造の1つのコピーに挿入された誤った情報が、改良されたデータ台帳の他のコピーの履歴データに存在しないために、エンティティが、改良されたデータ構造に偽の情報を挿入することを困難にする。したがって、そのような偽の情報は比較的容易に識別される。
【0075】
本発明の様々な実施形態は、改良されたデータ構造において、それぞれの取引の完了を容易にする取引条件を含む。このアーキテクチャにより、本発明者らは、異なるマーケットチャネルは、異なるタイプの取引条件を必要とすることがあることを認識し、したがって、場合によっては、改良されたデータ構造に複数のマーケットチャネルの取引履歴を含むことが煩雑である。例えば、モバイルデバイス広告マーケットチャネル内の取引は、特定の顧客のモバイルデバイスによって広告が提示される回数を識別する取引条件を定期的に含んでもよい。しかし、住宅建設・修理のマーケットチャネルでは、そのような取引期間は不必要であるが、他の取引条件が定期的に含まれる。したがって、改良された取引システムアーキテクチャの様々な実施形態は、各マーケットチャネルのための改良されたデータ構造のインスタンスを含む。改良されたデータ構造のインスタンスを特定のマーケットチャネルと関連付けることにより、本発明の様々な実施形態によれば、特定のマーケットチャネルに特化した取引条件のセットを効率的に提供することができる。さらに、特定のマーケットチャネルに特化したトラッカー(例えば、検索プロバイダ)、アービタ、バリデータ、評価機関などのエンティティのセットは、特定のマーケットチャネルに特化されており、そのマーケットチャネルに特有の改良されたデータ構造のインスタンスから作業を続けるので、効率的に発展する可能性がある。従来の取引システムは、これらの問題またはこれらの発明的解決策を考慮していない。
【0076】
改良されたデータ構造は、本明細書では、取引台帳または分散台帳と略記する。“取引台帳”および“分散台帳”という語句は、単に議論を容易にするために使用されているが、そのような語句は、本発明の改良されたデータ構造において、上記の基礎的な改良および重要性を、従来の取引システムのものと比較して無視または単純化するために使用すべきではなく、改良されたデータ構造および改良された取引システムアーキテクチャは、これまで考慮されていなかったまたは実際に達成可能ではないと考えられる多くの重要かつ貴重な特徴を可能にする。これに関して、本発明の改良された取引システムアーキテクチャおよびデータ構造によってカバーされない取引システムを実施する他の多くの方法があるが、本発明の様々な実施形態は、例えば、上記および他の点で本明細書中で論じられている重要な利益を提供する。
【0077】
本発明のいくつかの実施形態は、自己規制取引システムおよび方法に関する。取引システムおよび方法のうちの1つまたは複数は、複数のコンピューティングデバイス(例えば、以下に説明する1つまたは複数のシステム100)を含んでもよい。コンピューティングデバイスは、インターネットなどのネットワークシステムを介して互いに通信可能に接続された取引システムおよび方法のうちの1つまたは複数に関連する様々なエンティティのデジタル表現であってもよい。1つまたは複数の自己規制取引システムおよび方法は、全体的または部分的に各コンピューティングデバイスまたはエンティティに利用可能な分散データストアを含んでもよい。いくつかの実施形態では、データストアは、1つまたは複数の取引システムにおいて取引活動の完全または部分的な履歴を維持する取引台帳であってもよい。いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイスのうちの特定のものは、それに関連付けられた取引台帳の完全なコピーを有してもよく、コンピューティングデバイスの他のものが、それに関連付けられた取引台帳の部分コピーを有してもよい。いくつかの実施形態では、取引台帳の部分コピーは、特定の期間、例えば24時間またはいくつかの他の定義された期間の取引活動を含んでもよい。取引台帳の部分コピーは、24時間以上経過した取引活動が取引台帳から削除され、新しい取引活動が取引台帳に追加されるローリング台帳として実装されてもよい。
【0078】
取引システムおよび方法の1つまたは複数は、商品(例えば、製品)、サービス、またはその両方の取引ために、インターネットまたは他のネットワークベースのマーケットなどの複数のコンピュータ化されたマーケット(チャネルまたはマーケットチャネルとも呼ばれる)を含む。1つまたは複数の取引システム内の各コンピューティングデバイスは、1つまたは複数のマーケットチャネルに関連付けられた1つまたは複数のエンティティを表してもよい。例えば、取引システムおよび方法の1つまたは複数は、実行する買い手および売り手、交渉、および取引の実行、関心のあるオファーを特定するために買い手と売り手の代わりに取引を検索しているトラッカー、交渉された取引の進行状況と完了を検証するバリデータ、不完全な取引の場合に紛争を裁定するアービタ、取引システムおよび方法に参加する様々なエンティティに関するフィードバックを提供する評価機関を含む。各コンピューティングデバイスは、1つまたは複数の取引台帳を格納してよく、各取引台帳は特定のマーケットチャネルに関連付けられる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のコンピューティングデバイスは、1つまたは複数の取引システムおよび方法内で新しいマーケットチャネルを生成し、コンピューティングデバイスの他のものは、既存または新たに生成されたマーケットチャネルに参加する。
【0079】
いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイスは、取引システムの1つまたは複数の取引を実行および検証するための1つまたは複数の方法を実装するプログラムによって提供される命令を実行してもよい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のコンピューティングデバイスが、1つまたは複数の格納されたプログラムにアクセスしてもよい。いくつかの実施形態では、プログラムによって提供される命令を実行することは、取引台帳に記録された取引活動を読み取ること、または取引台帳に新しい取引活動を書き込むことを含んでもよい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のコンピューティングデバイスのそれぞれが、それに関連付けられた取引台帳の少なくとも一部のローカルコピーを格納する。1つまたは複数のコンピューティングデバイスのそれぞれは、コンピューティングデバイスが取引台帳のローカルコピーを変更したときに、ネットワークを通じて1つまたは複数の取引システムの1つまたは複数の他のコンピューティングデバイスに少なくともそのローカルコピーに対して行われた更新を配信するプログラムによって構成されてもよい。
【0080】
以下の説明では、本発明の様々な実施形態の完全な理解を提供するために、ある特定の詳細が記載されている。しかし、当業者であれば、これらの詳細なしに他の実施形態を実施できることを理解するであろう。他の例では、周知の構造は、本発明の様々な実施形態の説明を不必要に不明瞭にすることを避けるために詳細に示されていないか、または詳細には記載されていない。
【0081】
本明細書を通じて、“一実施形態”、“実施形態”、“例示的な実施形態”、“図示の実施形態”または“特定の実施形態”などは、必ずしもすべてが一実施形態または同じ実施形態を指しているわけではない。さらに、異なる実施形態の特定の特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の他の実施形態を形成するために任意の適切な方法で組み合わせられてもよい。
【0082】
明示または文脈によって必要とされない限り、“または”という言葉は本開示において非排他的な意味で使用される。さらに、明示または文脈によって必要とされない限り、“セット”という語句は1つまたは複数を意味することが意図されている。例えば、“オブジェクトのセット”という語句は、1つまたは複数のオブジェクトを意味する。さらに、明示的または明示的に文脈によって必要とされない限り、“サブセット”という語句は、サブセットの親またはスーパーセットに存在する要素と同じまたはより少ない要素を有する集合を意味することが意図される。
【0083】
さらに、“少なくとも”という語句は、明示的に列挙された要素の他に他の要素が存在する可能性を強調するために、本明細書では時には使用されるか、または使用されてもよい。しかしながら、特に明記しない限り(“唯一の”という用語の使用による)、または文脈によって必要とされる場合、“少なくとも”という語句の非使用は明示的に列挙された要素以外の他の要素が存在する可能性を含む。例えば、‘少なくともAに基づく’という語句は、Aと、A以外の1つ以上の他の追加要素の可能性とを含む。同様に、‘Aに基づく’という語句は、Aと、A以外にも1つ以上の他の追加要素が存在する可能性がある。ただし、‘Aのみに基づく’という語句はAのみを含む。同様に、‘少なくともAに構成される’という語句は、A以外の1または複数の他の追加の動作の可能性と同様に、Aを実行するための構成を含む。同様に、‘Aにより構成される’という語句は、A以外の1つまたは複数の他の追加アクションの可能性と同様に、Aを実行するための構成を含む。しかしながら、‘Aのみにより構成された’という語句は、Aのみを実行する構成を意味する。
【0084】
語句“デバイス”、語句“機械”および語句“デバイスシステム”はすべて、そのようなデバイスまたはサブデバイスが同じハウジングまたは異なるハウジング内に配置されているかどうかにかかわらず、1つまたは複数の機能を実行するために相互作用する1つまたは複数の物理デバイスまたはサブデバイス(例えば、機器の一部)を含むことが意図されている。しかしながら、それぞれのデバイス、機械、またはデバイスシステムが異なるハウジングにわたって存在する実施形態を排除するために、デバイスまたは機械またはデバイスシステムが完全に同じハウジング内に存在することは、様々な実施形態に従って明示的に指定されてもよい。いくつかの実施形態では、“デバイス”という語句は、“デバイスシステム”と同等に呼ばれてもよい。
【0085】
さらに、本明細書では、“応答して”という表現が用いられてもよい。例えば、この語句は、以下の文脈において、イベントAがイベントBの発生に応答して発生するという意味で使用されてもよい。この点に関して、そのような語句は、例えば、イベントBの発生が、イベントAをトリガとする。
【0086】
用語“その派生物”などは、本明細書では、データまたは情報の派生物のコンテキストにおいて、そのようなデータまたは情報が修正され得るか、または1つまたは複数の操作の対象となる可能性を強調するために使用される。例えば、デバイスが表示用の第1のデータを生成する場合、生成された第1のデータを表示可能なフォーマットに変換するプロセスは、第1のデータを変更してもよい。この第1のデータの変更された形態は、第1のデータの派生物とみなしてよい。例えば、第1のデータは、1次元の数値の配列であってもよいが、第1のデータの表示は、配列内の数字を表す色分けされた棒グラフであってもよい。別の例として、上述の第1のデータがネットワークを介して送信される場合、第1のデータをネットワーク送信または受信デバイスによる理解のために受け入れ可能なフォーマットに変換するプロセスは、第1のデータを変更してもよい。前述のように、この変更された第1のデータの形態は、第1のデータの派生物とみなしてよい。さらに別の例では、生成された第1のデータは、第1のデータから導き出されると考えられる他のデータを生成するために、数学的演算、スケーリング、または他のデータとの結合を経てもよい。これに関して、データは、一般に、1つ以上のデータ処理デバイスシステムを通じた移動中、形態が変化しているか、または他のデータと組み合わされていることが分かり、“その派生物”という語句が情報またはデータを参照して使用されているかどうかにかかわらず、本明細書の情報またはデータへの言及は、これらおよび同様の変更を含むことを意図している。上記のように、“またはその派生物”などの語句の使用は、単にそのような変更の可能性を強調するに過ぎない。したがって、“またはその派生物”という語句の追加または削除は、それぞれのデータまたは情報の解釈に影響を与えてはならない。例えば、上述した色分けされた棒グラフは、それぞれの第1のデータの派生物とみなされてもよく、またはそれぞれの第1のデータそのものとみなされてもよい。
【0087】
本開示における“プログラム”という用語は、システムに1つまたは複数の操作を実行させるために、コントローラシステムまたはデータ処理デバイスシステムのようなシステム内の1つまたは複数のコンポーネントによって実行され得る命令またはモジュールのセットとして解釈されるべきである。一組の命令またはモジュールは、図1に示される少なくともメモリデバイスシステム130に関して後に説明されるような、任意の種類のメモリデバイスによって格納されてもよい。さらに、本開示は、プログラムの命令またはモジュールが動作の実行を引き起こしていることを記述または同様に説明することができる。この文脈において“構成される”という語句は、少なくとも(a)動作の実行を引き起こすために、1つまたは複数のデータ処理デバイスによって実行可能な形式で現在存在する命令またはモジュール(例えば、命令またはモジュールがコンパイルされ、暗号化されていない形式で実行準備が整っている場合)、および(b)1つまたは複数のデータ処理デバイスによって実行可能ではない形式の現在の命令またはモジュールであるが、1つまたは複数のデータ処理デバイスによって実行可能な形式に変換されて、動作の実行を引き起こすことができるもの(例えば、命令またはモジュールが非実行可能な方法で暗号化されるが、復号プロセスの実行を通じて、実行の準備が整えられた形態に変換される場合)を含むことが意図される。そのような説明は、命令またはモジュールが機能の実行を引き起こすように構成されていることを説明することと同等であるとみなされるべきである。用語“モジュール”は、一連の命令として定義されてよい。用語“プログラム”および用語“モジュール”は、それぞれ、複数のサブプログラムまたは複数のサブモジュールをそれぞれ含むように解釈されてもよい。これに関して、プログラムまたはモジュールへの言及は、複数のプログラムまたは複数のモジュールを参照すると考えられてよい。
【0088】
さらに、情報またはデータは、様々なデバイスまたはワークフローを通って移動する際に、操作され、操作され、または異なる形態に変換され得ることが理解される。これに関連して、文脈によって明示的に明示または要求されない限り、情報またはデータに対する言及は、その情報またはデータへの変更を含むことが意図される。例えば、“データX”は送信のために暗号化されてもよく、“データX”への参照は、別途必要とされない限り、または文脈によって示されない限り、その暗号化形態および非暗号化形態の両方を含む。別の例として、“画像情報Y”は雑音フィルタ処理を受けることができ、“画像情報Y”への言及は、文脈によって特に必要または指示されない限り、前処理された形態および雑音フィルタリングされた形態の両方を含む。言い換えれば、前処理された形態と雑音フィルタリングされた形態の両方は、文脈によって他に必要とされない限り、“画像情報Y”とみなされる。この点を強調するために、本明細書では、“またはその派生物”などの語句を使用されてよい。前の例を続けると、“画像情報Yまたはその派生物”という語句は、文脈によって特に必要または指示されない限り、ノイズフィルタリングされた“画像情報Y”の前処理された形式およびノイズフィルタリングされた形式の両方を指す潜在的に“画像情報Y”の派生とみなされる。しかし、語句“またはその派生物”などの非使用にもかかわらず、そのような語句の使用がそうであるように情報またはデータの派生物または改変が含まれる場合、この語句は使用されるときに単に強調のために使用される。
【0089】
図1は、本発明のいくつかの実施形態によるコンピューティングデバイスシステムを概略的に示す。いくつかの実施形態では、システム100は、自己規制取引システム101のノード102(例えば、以下に説明する図3および図4)のそれぞれのインスタンスを提供してもよく、またはシステム100は、いくつかの実施形態によれば、データ処理デバイスシステム110と、入出力デバイスシステム120と、プロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム130とを含んでもよい。プロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム130および入出力デバイスシステム120は、データ処理デバイスシステム110に通信可能に接続される。いくつかの実施形態では、“コンピューティングデバイス”という語句は、システム100の全体として定義されてもよい。いくつかの実施形態では、“コンピューティングデバイス”という語句は、データ処理デバイスシステム110のすべてまたは一部として定義されてもよい。いくつかの実施形態では、“コンピューティングデバイスシステム”は、1つまたは複数のコンピューティングデバイスとして定義されてもよい。
【0090】
データ処理デバイスシステム110は、システム100におけるそれらの1つまたは複数のような他のデバイス、本明細書で説明する図7図8B、および図9-12のそれぞれの例示の方法を含む本発明の様々な実施形態の方法を組み合わせて実装または実行された、1または複数のデータ処理デバイスを含んでもよい。“データ処理デバイス”、“データプロセッサ”、“プロセッサ”、“計算デバイス”、および“コンピュータ”の各語句は、中央処理デバイス(“CPU”)、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、メインフレームコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント、および磁気、光学、生物学的コンポーネントなどで実施されても、データを処理し、データを管理し、またはデータを処理するように構成された任意の他のデバイスを含むことが意図される。
【0091】
メモリデバイスシステム130は、図5、6A、6B、8B、および13-19に示される情報、ならびに本明細書で説明される図7、8B、および9-12のそれぞれの方法の例示を含む様々な実施形態の方法を実行するために必要なプログラム命令のような情報を含むプログラム命令およびその他の情報を記憶する、1つまたは複数のプロセッサアクセス可能メモリデバイスを含んでもよい。これに関して、図7、8B、および9-12のそれぞれの例の方法において示されたステップの各々は、メモリデバイスシステム130に記憶され、それぞれのステップの実行を引き起こすように構成されたプログラム命令を表してもよい。メモリデバイスシステム130は、複数のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスを含む分散プロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムであってもよい。
【0092】
“プロセッサアクセス可能なメモリ”および“プロセッサアクセス可能なメモリデバイス”などの語句の各々は、レジスタ、フロッピーディスク、ハードディスク、コンパクトディスク、DVD、フラッシュメモリ、ROM、およびRAMを含む、揮発性または不揮発性、電子的、磁気的、光学的、またはそれ以外の任意のプロセッサアクセス可能なデータ記憶デバイスまたは媒体を含むことが意図されるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、“プロセッサアクセス可能なメモリ”および“プロセッサアクセス可能なメモリデバイス”という語句のそれぞれは、非一時的なプロセッサアクセス可能な(またはコンピュータ読み取り可能な)データ記憶媒体を含むこと、またはそれにすることが意図される。いくつかの実施形態では、プロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム130は、非一時的なプロセッサアクセス可能な(またはコンピュータ可読の)データ記憶媒体システムを含むと考えられる。そして、いくつかの実施形態では、メモリデバイスシステム130は、1つ以上の非一時的なプロセッサアクセス可能な(またはコンピュータ読み取り可能な)記憶媒体またはデータ記憶媒体を含む、非一時的なプロセッサアクセス可能な(またはコンピュータ読み取り可能な)記憶媒体システムまたはデータ記憶媒体システムを含む、またはそれにすることが意図される。
【0093】
“通信可能に接続された”という語句は、有線であろうが無線であろうと、デバイス、データプロセッサ、またはデータが通信されるプログラム間のあらゆるタイプの接続を含むことが意図される。さらに、“通信可能に接続された”という語句は、単一のデータプロセッサ内のデバイスまたはプログラム間の接続、異なるデータプロセッサに配置されたデバイスまたはプログラム間の接続、およびデータプロセッサ内に配置されていないデバイス間の接続を含むことが意図される。これに関して、メモリデバイスシステム130は、データ処理デバイスシステム110および入出力デバイスシステム120とは別個に示されているが、当業者は、メモリデバイスシステム130が、データ処理デバイスシステム110または入出力デバイスシステム120内に完全にまたは部分的に配置されてもよいことを理解するであろう。さらに、これに関して、入出力デバイスシステム120は、データ処理デバイスシステム110およびメモリデバイスシステム130とは別に図示されているが、当業者は、このようなシステムが、入出力デバイスシステム120の内容に応じて、システム110またはメモリデバイスシステム130内に配置されてもよいことを理解するであろう。さらに、データ処理デバイスシステム110、入出力デバイスシステム120、およびメモリデバイスシステム130は、完全に同一のデバイスまたは筐体内に配置されてもよいし、別々のデバイスまたは筐体の中に別個に配置されてもよい。データ処理デバイスシステム110、入出力デバイスシステム120、およびメモリデバイスシステム130が同じデバイス内に配置されている場合、図1のシステム100は、いくつかの実施形態では、単一の特定用途向け集積回路(ASIC)によって実装されてもよい。
【0094】
入出力デバイスシステム120は、所望の選択、所望の情報、命令、または任意の他のデータがデータ処理デバイスシステム110に入力される、マウス、キーボード、タッチスクリーン、コンピュータ、プロセッサアクセス可能なメモリデバイス、ネットワークインタフェースカードまたはネットワークインタフェース回路、またはいくつかのデバイスまたはデバイスの組み合わせを含んでよい。入出力デバイスシステム120は、ユーザの動作に応答するユーザ起動可能な制御システムを含んでもよい。入出力デバイスシステム120は、実施形態の様々なものに記載された他のデバイスまたはシステムからの選択、情報、命令、または他のデータを受信するための任意の適切なインタフェースを含んでもよい。入出力デバイスシステム120は、実施形態の様々なものに記載された他のデバイスまたはシステムからの選択、情報、命令、または他のデータを受信するための任意の適切なインタフェースを含んでもよい。
【0095】
また、入出力デバイスシステム120は、画像生成デバイスシステム、表示デバイスシステム、スピーカデバイスシステム、コンピュータ、プロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム、ネットワークインタフェースカードもしくはネットワークインタフェース回路、またはデータ処理デバイスシステム110によって情報、命令、または他のデータを出力するための任意のデバイスまたはデバイスの組み合わせを含んでもよい。これに関し、入出力デバイスシステムは、様々な実施形態で説明される様々な他のデバイスまたはシステムを含んでもよい。入出力デバイスシステム120は、情報、命令、またはデータを実施形態の様々なものに記載された他のデバイスおよびシステムに出力するための任意の適切なインタフェースを含んでもよい。入出力デバイスシステム120がプロセッサアクセス可能なメモリデバイスを含む場合、そのようなメモリデバイスは、メモリデバイスシステム130の一部または全部を形成してもしなくてもよい。
【0096】
本発明の様々な実施形態によれば、システム100は、少なくとも図2、3および4にそれぞれ示されたシステムのいくつかまたはすべてを含む。
【0097】
図2は、いくつかの実施形態による、図1のコンピューティングデバイスシステム100の全部または一部の特定の実装であるコンピューティングデバイスシステム200の例を示す。これに関して、図2のシステム200は、少なくとも図3および図4に関して以下でさらに説明するノード102の全部または一部を表してもよい。コンピューティングデバイスシステム200は、いくつかの実施形態において、図1のデータ処理デバイスシステム110の一実施形態に対応するプロセッサ150を含んでもよい。コンピューティングデバイスシステム200は、図1のデータ処理デバイスシステム110の一実施形態に対応するプロセッサ150を含む。非一時的ランダムアクセスメモリ151、入出力(I/O)アダプタ156、およびハードディスクドライブ157などの非一時的記憶媒体は、いくつかの実施形態によると、図1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム130の一実施形態に対応してもよい。いくつかの実施形態によるとI/Oアダプタ156もまた、図1の入出力デバイスシステム120の一部とみなしてもよい。いくつかの実施形態によると、ユーザインタフェースアダプタ154、マウス158、キーボード159、ディスプレイアダプタ155、ディスプレイ160、および通信インタフェース152は、図1の入出力デバイスシステム120の一実施形態に対応してもよい。いくつかの実施形態によると、通信インタフェース152は、他のコンピューティングデバイスシステム200もしくは100、またはノード102と通信するための通信ネットワーク153に通信可能に接続する。
【0098】
図3は、様々な実施例によるシステム101の一例を示す。システム101は、図1図1のコンピューティングデバイスシステム100、または図2のコンピューティングデバイスシステム200の全て、一部、またはそれぞれのインスタンスの特定の実装であってもよい。いくつかの実施形態では、システム101は、商品、サービス、またはその両方の取引のための自己規制取引システムを提供する。取引システム101は、複数のノード102(図3に示された例示的な実施形態では、複数のノード102a、102b、102c、102d、102e、および102fとして呼び出される6つ)を含む。いくつかの実施形態では、図1のコンピューティングデバイス100および図2のコンピューティングデバイス200は、ノード102の少なくともいくつかまたはすべてのそれぞれを提供する。これに関して、各ノード102は、コンピューティングデバイス100または200のインスタンスを表すことができ、またはコンピューティングデバイス100は、ノード102の複数またはすべてを表すとみなしてもよい。ノード102は、通信チャネル103を提供する周知の通信システムを使用して互いに通信可能に接続されてもよい(図面の明確化のために、すべての通信チャネルが図3に示されているわけではない)。通信システムの例には、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、セルラーネットワーク、またはインターネットが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、図2の通信ネットワーク153は、通信チャネル103を提供してもよい。これに関して、いくつかの実施形態によれば、システム101は、複数のノード102を含んでもよく、各ノード102は、通信チャネル103を含む通信ネットワーク(例えば、ネットワーク153)に通信可能に接続されたデータ処理デバイスシステムを含む。
【0099】
したがって、いくつかの実施形態では、システム101は、通信ネットワーク(例えば、ネットワーク153)に通信可能に接続された複数のデータ処理デバイスシステム(例えば、100または200)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、各ノード102内のそれぞれのデータ処理デバイスシステム(例えば、100または200)は、それぞれのプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム(例えば、130または151,157、または151および157の両方)およびそれぞれの入出力デバイスシステム(例えば、120または151,152,154,155,156,157,158,159,160、またはそれらの組み合わせ)に通信可能に接続される。いくつかの実施形態では、ノード102のそれぞれのプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムの1つまたは複数のそれぞれは、少なくとも以下の図7-12で説明するような1または複数のプロセスのそれぞれの全部または一部を実行するためのノード102のそれぞれのデータ処理デバイスシステムを構成するプログラムを格納する。
【0100】
いくつかの実施形態では、システム101は、ピアツーピア(P2P)ネットワークであってもよい。各ノード102は、通信チャネル110を介して他のノード102に直接的または間接的に通信可能に接続されてもよい。通信チャネル103は、ノード102間の安全な通信を提供するためにオープン(暗号化されていない)であってもよいし、または暗号化されてもよい。各ノード102は、たとえ通信経路が、中間の第3のノード102に通信可能に接続された通信チャネルを介して通信を送信する必要があるとしても、別のノード102と通信してもよい。いくつかの実施形態では、2つの特定のノード102を通信可能に接続する通信経路の中間ノードは、メッセージルータとして機能し、2つの特定のノード102間に通信リンクを提供する。
【0101】
例えば、図4に示すように、ノード102aは、ノード102bおよび102dに直接的に通信可能に接続されている。ノード102aは、中間ノード102bを介してノード102cに間接的に通信可能に接続される。ノード102aはまた、中間ノード102dを介してノード102eに、中間ノード102bまたは102dのいずれかを介してノード102fに間接的に通信可能に接続される。通信は最短ルートに従う必要はないことに留意いすべきである。例えば、ノード102aはまた、中間ノード102dおよび102bへの順次接続を介して、ノード102cに通信可能に接続される。いくつかの実施形態では、より少ない数の中間ノード102によって定義される通信経路は、優先経路でなくてもよいし、効率的な通信を提供しなくてもよい。例えば、ノード102の各々の物理的(地理的)な位置は、ノード102を接続する通信チャネル103に沿った通信効率に影響を与え得る。通信効率はまた、ノード102を接続する特定の通信チャネル103の速度または容量によって影響され得る。
【0102】
取引システム101内の各ノード102は、1つまたは複数の分散取引台帳104のそれぞれの少なくとも一部を含んでもよい。例えば、各ノード102のそれぞれのプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム130は、1つまたは複数の分散取引台帳103のそれぞれの少なくとも一部を格納してもよい。言い換えると、例えば、いくつかの実施形態によると、少なくとも2つのデータ処理デバイス(例えば、110)の少なくとも2つのプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム(例えば、130)は、少なくとも、取引を記録する1つまたは複数の取引台帳104の1または複数の取引のそれぞれの部分のローカルコピーを格納し、各取引台帳104は、マーケットチャネルに関連付けられている。
【0103】
1つまたは複数のノード102のそれぞれは、それぞれのプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム130に格納された取引サーバプログラム(“TS”)105を実行してもよい。TSは、取引台帳104の少なくとも一部の閲覧、修正(生成を含む)、および交換を管理するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、各取引台帳104は、特定のマーケットチャネルに関連付けられてもよい。取引システム101における各ノード102は、1つ以上のマーケットチャネルに関連する様々なプログラムまたは方法を実行してもよい。いくつかの実施形態では、特定のノード102によって実行されるプログラムまたは方法は、取引システム101によって提供される特定のマーケットチャネルにおける特定のノード102の役割に対応することができる。いくつかの実施形態では、取引システム101は、それぞれの取引台帳104を含む広告マーケットチャネル(広告チャネル)を有してもよい。いくつかの実施形態では、取引システム101は、それぞれの取引台帳104を含むそれに関連する単一の広告チャネルを有してもよい。いくつかの実施形態では、取引システム101は、それぞれがそれぞれの取引台帳104を含む、複数の広告チャネルまたはそれに関連する複数の様々なマーケットチャネルを有してもよい。
【0104】
いくつかの実施形態では、システム101は、広告システム101とも呼ばれる広告マーケット取引システムである。広告システム101は、単一のマーケットチャネルまたは取引台帳104に限定されず、そのような複数のマーケットチャネルおよびそれぞれの取引台帳を含んでもよい。本明細書の様々な実施形態は、広告システム101または広告チャネルを提供する取引システム101を参照して説明するが、広告システムまたは広告チャネルを参照して説明した構造または特性は、他のマーケットチャネルまたは他のマーケットチャネルをサポートする取引システムにも適用可能である。
【0105】
いくつかの実施形態では、システム101のアーキテクチャは、各取引台帳104をそれぞれのマーケットチャネルに関連付ける。このようなアーキテクチャでは、改良された取引台帳データ構造104の各インスタンスは、取引台帳データ構造104が関連付けられている特定のマーケットチャネルに特化したそれぞれの1組の取引条件を提供するように効率的にカスタマイズされる。さらに、特定のマーケットチャネルに特化したトラッカー(例えば、検索プロバイダ)、アービタ、バリデータ、評価機関などのエンティティのセットは、特定のマーケットチャネルに特化され、そのマーケットチャネルに特有の取引台帳データ構造104のインスタンスから絶えず働くので、効率的に発展し得る。図4の例に示すように、ノード102fは、図4のように4つの異なるマーケットチャネルに参加しており、図4は、取引アクセス元データ構造104の4つの異なるインスタンスのそれぞれの全部または一部をそのプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム130に格納するノード102fを示す。一方、図4の例では、ノード102bは、2つの異なるマーケットチャネルに参加するものとして示されており、取引台帳データ構造104の2つの異なるインスタンスのそれぞれの全部または一部が、ノード102bによってプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム130に格納されている。しかしながら、図4の例では、ノード102cは、そのプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム103に格納されたそれぞれの取引台帳データ構造104の単一インスタンスのそれぞれの全部または一部の図とともに、1つのマーケットチャネルにのみ参加するものとして示されている。これに関して、本発明の様々な実施形態によれば、任意のノード102は、各取引台帳データ構造104のすべてまたはそれぞれの部分または部分を格納またはアクセスすることによって、任意の数のマーケットチャネルに参加することができることが分かる。
【0106】
これに関して、取引台帳データ構造104の各矩形図は、それぞれの取引台帳またはそれぞれの取引台帳のそれぞれの部分を表すものとして解釈されてもよい。いくつかの実施形態によれば、例えば、ノード102cは、特定のマーケットチャネルについて取引台帳104の全体を格納してもよいが、ノード102eは、特定のマーケットチャネルに対してそのような取引台帳104の一部を格納してもよい。これに関連して、例えば、ノード102eに隣り合う図4に示された取引台帳104は、ノード102cに隣り合う図4に示された取引台帳104の一部を表してもよい。この点でも、この例でノード102eによって記憶された部分取引台帳104は、ノード102cによって記憶された完全な取引台帳104へのコンピュータ分野で知られているポインタまたは他の参照などのリンクを含んでもよく、システム101全体が、取引サーバ105を介して同じ取引台帳104の異なるコピーを同期させるのに必要な情報を保持する。同様に、ノード102eによって記憶された取引台帳104が特定のマーケットチャネルに関連付けられた取引台帳の第1の部分を表す場合、ノード102cによって記憶された取引台帳が特定のマーケットチャネルに関連付けられた取引台帳の残りを表す場合、ノード102eによって格納された取引台帳104は、ノード102cによって記憶された取引台帳104にリンクすることができ、その逆もあり得るので、したがって、システム101は、取引サーバプログラム105を介して、特定のノード102によって要求された場合に取引台帳全体を生成するために必要な情報を保持する。ノード102が取引台帳104のコピーの一部を削除することを望む場合、いくつかの実施形態では、それぞれのTS105は、削除される部分が、他の取引サーバプログラム105との通信を介してシステム101内の他の場所に存在することを保証してもよい。もし、そのような部分がシステム101内の他の場所に存在しない場合には、そのような部分の削除を防止するか、またはそのような部分を別のノード102、おそらくあらかじめ指定されたストレージノード102に送信して、システム101内に存在することを可能にする。
【0107】
広告システム101(または取引システム101によって提供される広告チャネル)は、広告主、DSP、パブリッシャー、およびSSP(広告ネットワークとも呼ばれる)などのエンティティが、1つまたは複数の公開マーケットに参加することができる取引システムを提供することができる。いくつかの実施形態では、広告システム101は、広告主またはDSPにそれらの広告オファーを取引台帳104に公開することを許可する。同様に、パブリッシャーまたはSSPは、インプレッション在庫を取引台帳104に公開してもよい。対応する参加者は、それぞれのオファーまたはインプレッションを見つけ出し、続いてそれを受け入れたり、消費したりするために、検索エンジン提供トラッカーエンティティを利用して、取引台帳データ構造104に格納されているオファーまたはインプレッションを検索する。例えば、パブリッシャーまたはSSPは、広告主またはDSPによって発行された広告オファーを受け入れることができる。広告主またはDSPは、パブリッシャーまたはSSPによって利用可能なインプレッションを消費することがある。いくつかの実施形態では、対応する参加者は、オファーまたはインプレッションのための条件を交渉および設定することができる。広告システム101は、合意された条件の実行、サービスまたは商品の配送、およびトレーサビリティを確認するバリデータを含む決済システムを含んでもよい。いくつかの実施形態では、決済システムは、アービタまたは評価機関を含んでもよい。
【0108】
これに関して、取引システム101の様々な実施形態では、ノード102は、プロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム130に格納されたそれぞれのプログラムによって構成され、マーケットに参加するエンティティに代わって特定の役割を果たしてもよい。これらの役割には、買い手(広告主またはDSP)、売り手(パブリッシャーまたはSSP)、アービタ(仲介による紛争解決サービスを提供して成功した取引を促進する者)、トラッカー(マーケットの状態を把握し、アプリケーション・プログラマブル・インタフェースまたはAPIを提供して、低レイテンシ・オファーの検索とチャネル発見を容易にする者)、評価機関(マーケット参加者の信頼性スコアを維持するためにマーケット取引を監視する者)、およびバリデータ(関連する発注書の条件に従って取引が完了することを保証するための特別なチャネルに適した技術を提供する者)を含む。これに関して、取引システム101内の各参加者またはエンティティは、ノード102として明示されるか、ノード102を操作することができる。例えば、いくつかの実施形態では、ノード102は、アービタロールと関連付けられてもよい。アービタノードは、アービタロールに関連する様々なプログラムを実行するように構成されたコンピューティングデバイスシステム100を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アービタノードは、新しいマーケットチャネルを生成してもよい。アービタノードは、取引システム101内の他のノード102に新しいマーケットチャネルへのアクセスを提供してもよい。いくつかの実施形態では、ノード102は、アービタノードに登録要求を送信し、その要求に応答してアービタノードからシートID番号310(図5に関してより詳細に後述する)を受信してもよい。いくつかの実施形態では、シートID番号310は、取引システム101内の各エンティティ(参加者)またはノード102を一意に識別してもよい。いくつかの実施形態では、アービタノードは、取引システム101内の広告チャネルに関連付けられ、広告システム101を提供する。
【0109】
図5は、いくつかの実施形態による、ノード情報300を格納するデータ構造を示す。いくつかの実施形態では、システム101に参加する各エンティティまたはノード102は、それらに関連付けられ、1つまたは複数のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム130またはメモリ151,157に格納されたノード情報300を有してもよい。例示的な一例として、ノード情報300は、図1のノード102aに関して以下に説明される、他のノード(102b、102c、102d、102e、102f)のそれぞれは、それらに関連付けられたノード情報300を有してもよい。いくつかの実施形態では、ノード情報300は、ノード102aに割り当てられた固有のシートID番号310を含んでもよい。ノード情報300はまた、広告システム101内のノード102aに関連付けられた少なくとも1つの役割を記述するノードタイプ320を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ノード102aは、それに関連付けられた複数の役割を有してもよい。例えば、ノード102aは、特定の取引における対応するエンティティによって果たされる役割に応じて、SSPとそれに関連するDSPロールの両方を有してもよい。これに関して、ノード情報300を保持するデータ構造は、当該分野で知られているリンクされたリストとしてノードタイプを実装してよく、可変数の異なるノードタイプを可能にし、各ノードタイプは、ノード102aが対応するノードタイプとして動作する1つまたは複数の取引のリンクされたリストにリンクされる。いくつかの実施形態では、ノード情報300は、また、支払い情報330、決済情報340、およびノード評判情報350を含んでもよい。いくつかの実施形態では、支払情報330および決済情報340は、関連エンティティ間の自然言語契約として提供されてもよい。各マーケットチャネルは、特定のマーケットチャネルで実施されている特定のタイプの取引に対して優先される条件の1つまたは複数のセットを有してもよい。これに関して、いくつかの実施形態では、支払情報330および決済情報は、特定のマーケットチャネルのための条件の1つまたは複数のセットにおける各条件のデフォルト値または値の範囲を含んでもよい。例えば、ノード102aがモバイルデバイス広告マーケットチャネルに参加しており、このマーケットチャネルの条件の1つが顧客のモバイルデバイスを介した広告提示当たりの価格である場合、支払い情報は、ノード102aに関連付けられたエンティティがXのデフォルト価格を有することを示してよく、Xは特定の金額である。いくつかの実施形態は、支払い情報330または決済情報340の一部として、アービタ支援エスクロー、請求ゲートウェイサービス、または支払促進オプションを含んでもよい。
【0110】
ノード評判情報350は、ノード102aの信頼性の尺度を、広告システム101における他のノード102b、102c、102d、102eおよび102fに提供してもよい。評判情報350のデータは、評価機関などの第三者によって提供されてもよい。したがって、ノード102aは、ノード情報350の情報の少なくとも一部を制御することができない。これに関して、ノード情報300の少なくともいくつかは、ノード102aによって制御されるプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム130またはメモリ151,153によって記憶される必要がなく、1つまたは複数の他のノード102に格納されてもよい。例えば、評判情報350は、ノード102aのシートID310に関連付けて評価機関のノード102によって格納され、他のノード102に利用可能にされてもよい。したがって、図5は、情報の単一の連続ブロックとしてのノード情報300を示しており、ノード情報300は、複数のノード102にわたって断片化されて格納されてもよい。取引台帳104のような本明細書で説明する他のデータについても同様である。
【0111】
いくつかの実施形態では、ノード102aに関連付けられたノード情報300は、ノード102aについての嗜好情報360も含んでもよい。嗜好情報360は、優先アービタまたは好適な対応する参加者(例えば、パブリッシャーにとって特に好ましい広告主)などの情報を含んでもよい。
【0112】
本発明の発明者は、少なくとも、新しい取引を発生させるエンティティ検索、エンティティ分析、およびエンティティ間の直接的なやりとりを促進する利益のために、取引台帳データ構造104と比較して、ノード情報300を別個のデータ構造として構築する。例えば、トラッカーエンティティ(例えば、検索プロバイダ)をシステム101内に構成して、特定のエンティティ、例えば、ノード102aのシードID310を利用することによって、特定のエンティティ、例えばノード102aを含む取引の履歴について、取引台帳データ構造104内の取引の履歴を見直(review)してもよい。そのような履歴を見直すと、トラッカーは、ノード102aが平均して顧客のモバイルデバイスを介して広告提示当たり価格Xを請求し、ノード102aの支払い情報330にそれ自身のレコードを投入することを特定してもよい。したがって、投入されたノード情報300により、システム101のアーキテクチャは、例えば範囲AからB内の価格で広告プレゼンテーションを販売する売り手(例えば、ノード102aなど)を検索することを広告の買い手に許可し、AおよびBは特定の金銭的価値である。もし、価格Xが価格範囲AからB内にある場合、買い手はノード102aを認識することができ、可能な取引のためにノード102aに直接アプローチしてもよい。ノード情報310がなければ、エンティティ検索、エンティティ分析、およびエンティティとエンティティ間の直接的なやりとりをエンティティが実行することは少なくとも困難であり、例えばいくつかの状況において、新しい取引を探しているエンティティは、取引台帳データ構造104に存在する既存のオファーを見つけることに制限される可能性がある。これに関して、ノード情報300のような情報と取引台帳データ構造104のような情報との間の別個のデータ構造のこのようなアーキテクチャは、従来の取引システムにおける発明者によって発見されていない。
【0113】
上述したように、いくつかの実施形態によれば、各ノード102は1つまたは複数のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム130、またはメモリ151,157に記憶された1つまたは複数の取引台帳104を有してもよい。各取引台帳104は、取引システム101内の特定のマーケットチャネルの取引が記録される。例えば、広告システム101のための取引台帳104は、他の取引態様の中でも、オファー取引、購入取引、および確認取引を記録してもよい。いくつかの実施形態では、広告主またはDSPなどの買い手は、取引台帳104における記録を介して広告システム101に購入サイドオファーを送ってもよい。同様に、パブリッシャーまたはSSPなどの売り手は、広告システム101に売り手側のオファーを掲示してもよい。多くの場合、購入サイドのオファーは、本質的にキャンペーンのようなオファー取引である場合がある。例えば、広告主は、幅広い聴衆に向けて製品またはサービスを宣伝するために、幅広いパブリッシャーに広告を掲載することに関心があるかもしれない。売り手側のオファーは、広範な広告主にとって関心のある、特定の人口統計またはオーディエンスに対するインプレッション在庫を提供するオファー取引であってもよい。
【0114】
いくつかの実施形態では、オファー取引は、オファー取引を掲示するノード102のシートID番号と、オファーが買い側オファーであるか売り側オファーであるかの指標を含んでもよい。オファー取引は、フィルタリング、ターゲティング、メタデータ情報も含んでもよい。例えば、ターゲティング情報は、所望の視聴者または人口統計を含んでもよい。取引システム101内の各デジタルチャネルは、その特定のデジタルチャネルに対するオファー取引を定義する完全なデータモデルに関するメタデータを有してもよい。いくつかの実施形態では、メタデータのようなオファー取引に含まれる情報は、ノード102がオファー取引メタデータの異なるバージョンをサポートすることができるように、バージョン管理がされてもよい。広告システム101において、オファー取引メタデータは、価格設定モデル、ターゲティングの詳細、ペーシングの詳細、アトリビューションルックバックウィンドウおよびタイプ、履行の詳細、またはオファー中に拘束力を有する可能性のある他の基準を含んでもよい。オファー取引の価格設定モデルは、当該技術分野では周知であり、1000インプレッション(CPM)または1インプレッション単価(CPI)などのパッシブモデル、1アクション単価(CPA)またはクリック単価(CPC)などのアクティブモデルを含んでもよい。CPMまたはCPIモデルでは、パブリッシャーは、ビューアに表示されるときにそのインプレッションに対して支払われる。CPAまたはCPCモデルでは、広告主は視聴率のために支払うのではなく、視聴者がそのインプレッションに応じて特定のアクションを実行するように支払う。視聴者によって実行されるアクションは、広告をクリックすること、情報フォームを完成すること、懸賞または他のコンテストに入ること、または購入を行うことを含んでもよい。アクティブモデルは測定可能な視聴者の行動に価格を結びつけるため、広告主はパッシブな価格設定モデルに対してアクティブな価格設定モデルを好むことが多い。
【0115】
オファー取引のフィルタリングおよびターゲティング基準は、オファー取引の要件または優先順位を指定するために使用されてもよい。例えば、フィルタリング基準を使用して、許容可能な価格設定モデル、最小評判スコア、または優先パートナーが指定され、ターゲティング基準を使用して、所望の人口統計カバレージ、地理的カバレッジ、またはペーシング(一定期間にわたる広告の表示)が指定されてもよい。
【0116】
メタデータ情報は、広告システム101の他のノード102によって使用されて、取引の完了を確認し、仲裁を支援し、または評判スコアを更新する。いくつかの実施形態では、メタデータ情報は、公開情報(取引台帳に含まれるレコード)、および私的情報または機密情報(マーケットプレイスに参加するエンティティに代わって特定のノードの構成で定義される変数)の両方を含む公開情報または変数(本明細書では取引要素とも呼ぶ)は、広告システム101内のすべてのノード102によってアクセス可能であるが、私的情報または変数は、必要に応じて特定の役割(例えば、アービタ)に関連付けられたノードにアクセス可能であってもよい。私的変数には、パブリック変数で見つかった情報と組み合わせて使用して、さまざまな方法を実行するための情報を含められてもよい。一部の取引には私的および公的情報の両方が含まれ、他の取引には私的または公的情報のみが含まれることに留意すべきである。
【0117】
例えば、私的変数は、特定のオファーの最大入札価格に対応する情報を含んでもよい。公共取引要素は、特定のオファーについてノード102によって行われた現在のビッドに対応する情報を含んでもよい。上述の既存の実施形態と同じ経済的能力で機能するRTBオークションシステムは、私的変数に格納されている最大入札値まで現在の入札を増加させることによって、競争相手を表す別のノード102によって発行された入札に自動的に対抗するために、ノード102のプライベート変数に格納された情報を使用してもよい。いくつかの実施形態では、特定のオファーに対する最高入札者を確立するためのネゴシエーションプロトコルは、広告システム101のコンピューティングデバイスシステム100によって実行可能なソフトウェアプログラムとして実施されてもよい。いくつかの実施形態では、このネゴシエーションプロトコルは、それに関連付けられた売り手またはアービタの役割を有する特定のノード102によって実行されてもよい。アービタまたは売り手ノード102は、特定のオファー取引の入札プロセスに従事している他のノード102のそれぞれについて、最大入札額に関連付けられた私的変数にアクセスしてもよい。他のノード102の各々は、特定のオファー取引の入札プロセスに従事している他のノード102について、現在のビッド価格に関連付けられた私的変数にアクセスしてもよい。もし、オファー取引が完全に購入されており、ネゴシエーションプロトコルを通じて販売されていない場合、私的変数は必要ないかもしれない。
【0118】
いくつかの実施形態では、取引台帳104は、相互に納得できる取引に対応する購入取引を記録してもよい。いくつかの実施形態では、リアルタイム入札プロセスを使用して、オファー取引に設定されたサービスまたは商品を提供することに合意した勝者エンティティまたはノード102が、オファー取引の購入取引を決定してもよい。いくつかの実施形態では、購入取引は、勝利したエンティティまたはノード102のシートID番号、対応するオファー取引、および勝利したエンティティまたはノード102によって指定された条件を識別してもよい。広告システム101は、オファー取引の条件を購入取引の条件と照合し、オファーエンティティと購入エンティティとの双方が相互に合意した後に、格納されたオファー取引と格納された購入取引を更新する方法を含んでもよい。
【0119】
いくつかの実施形態では、広告システム101は、オファー取引および購入取引において、合意された注文条件の完了または現在のステータスを記録する確認取引を含んでもよい。いくつかの実施形態では、分散台帳104において検証取引を記録することにより、支払い取引のトリガとされてもよい。バリデーション取引は、バリデーションノードまたはアービタノードによって生成されて、取引が完了し、元のオファー取引および購入取引内にある測定指標を介して確認されてもよい。
【0120】
いくつかの実施形態では、モバイル広告チャネルの測定指標は、以下の1つまたは複数を含んでもよい。
・モバイルデバイスの固有の識別プロパティを収集するために、広告先のクリックリダイレクトをホスティングすること。
・モバイルデバイスにインストールされたアプリケーションとのさらなるマッチングが容易になるようにするために、収集された識別子の編成をすること。
・ソフトウェアが実行されるデバイスから識別子を収集するために、モバイルアプリケーションにソフトウェアルーチンを組み込むこと。
・特定のマーケティングキャンペーンの効果を計算するために、実行中のモバイルソフトウェアから収集された識別子を使用してクリックリダイレクトを処理する際に収集された識別子のマッチングをすること(このプロセスはアトリビューションとして知られている)。
・ユーザの関与、購入アクティビティ、およびその他のカスタムインストルメントアクションを監視するためのモバイルアプリケーションに組み込まれたソフトウェア命令。
・特定のマーケティングキャンペーンのLTV(Long Term Value)およびその他の主要業績評価指標(KPI)を決定するために、収集されたアクティビティデータを計算されたアトリビューションの詳細と関連付けること。
・不正な取引の自動検出、データ報告、および署名された条件に従ってオファー取引が完了したことを保証する補完的なサービス。
【0121】
上述のように、ノード102は、それに関連付けられた1つまたは複数のノードタイプ320を有してもよい。ノードタイプ320は、広告システム101内の対応するノード102に関連付けられた役割を記述する。いくつかのノードタイプ320は、広告主、DSP、パブリッシャー、SSP、アービタ、トラッカー、評価機関、およびバリデータを含んでもよい。広告主およびDSPは、広告スロットに配置するための広告在庫が関連付けられた買い手ノードタイプである。いくつかの実施形態では、広告主またはDSPは、本質的にキャンペーンのような(買い手側)オファー取引を生成してもよい。パブリッシャーおよびSSPは、広告を受け取るためのインプレッション在庫が関連付けられた売り手ノードタイプである。いくつかの実施形態では、パブリッシャーまたはSSPは、性質上、人口中心の(売り手側)オファー取引を生成してもよい。
【0122】
アービタは、買い手ノードと売り手ノードとの間の取引の履行を容易にし、紛争を仲裁するために、買い手ノードと売り手ノードによって相互に認可される信頼できるエンティティまたはノード102であってもよい。いくつかの実施形態では、複数のアービタノード102および広告システム101が存在してもよい。広告システム101内の各ノード102は、ノード情報300内に好ましいアービタを含んでもよい。
【0123】
評価機関は、広告システム101の各買い手ノード、売り手ノード、アービタノード、または他のノードタイプに対するフィードバックを提供するノード102であってもよい。いくつかの実施形態では、評価機関は、各ノード102に関連付けられた評判スコア350を更新してもよい。評判スコア350は、取引の成功もしくは失敗、またはアービタによる紛争の裁定に応答して更新されてもよい。いくつかの実施形態では、広告システム101は、買い手ノードまたは売り手ノードに関連するオファー取引を見つけるために、買い手ノードまたは売り手ノードによって指定された基準に基づいて、オファー取引の検索を専門にするトラッカーノードも含んでもよい。いくつかの実施形態では、トラッカーノードは、取引システム101内に新しいマイクロマーケットチャネルを作成し、そのための条件を指定してもよい。ノードタイプ320は、特定の役割を参照して上述したが、他のノードタイプが取引システムまたは広告システム101に関連付けられてもよい。
【0124】
図6Aは、システム101のいくつかの例示的な実施形態による取引台帳104の例を示す。新しい取引は、広告システム101内のノード102のいずれかによって分散台帳104に追加されてもよい。例えば、買い手および売り手ノード102は、オファー取引または買い取引を分散台帳104に書き込んでもよい。バリデータまたはアービタノード102は、分散台帳104からオファー取引を読んだり、取引を購入したり、または分散台帳104に検証取引を書き込んだりしてもよい。トラッカーノード102は、分散台帳104からオファー取引を読み出し、オファー取引に関連付けられた情報を、買い手ノードまたは売り手ノード102によって提供される検索条件と比較し、一致するオファー取引を買い手ノードまたは売り手ノード102に提供する。評価機関は、様々なノード102に関連付けられた評判スコア350を更新するために、分散台帳104からオファー取引、購入取引、または確認取引を読み出してもよい。
【0125】
いくつかの実施形態では、異なるノードタイプは、それに関連付けられた分散台帳104の完全なまたは部分的なコピーを有してもよい。いくつかの実施形態では、買い手および売り手ノード102は、ローカルに記憶された所定の期間に対応する分散台帳104の部分的なコピーのみを有してもよい。バリデータ、トラッカー、またはアービタノード102は、ローカルに格納された分散台帳104の完全なまたは部分的なコピーを有してもよい。いくつかの実施形態では、バリデータ、トラッカー、またはアービタノード102は、買い手ノード102および売り手ノード102とは異なる所定の期間に対応する分散台帳104の部分的なコピーを有してもよい。例えば、買い手および売り手ノード102に格納された分散台帳104は、過去24時間以内に投稿された取引を含んでもよい。バリデータに格納された部分台帳104またはアービタノード102は、先週に投稿された取引を含んでもよい。トラッカーまたは評価機関ノード102に格納された分散台帳は、各マーケットプレイスチャネルの開始以降に追加されたすべての取引の永久記録を含んでもよい。
【0126】
いくつかの実施形態では、取引の数が増えるにつれて、分散台帳104はそれに応じてサイズが増加する。買い手および売り手ノード102などの一部のノードは、広告システム101に効果的に参加するために、すべての取引の完全な記録を必要としないことがある。これらのノード(買い手ノードおよび売り手ノード)に格納されている分散台帳104のローカルコピーは、ローリング台帳として実施することができ、所定の期間(例えば、24時間)よりも古い取引は、分散台帳104のローカルコピーから削除される。これは分散台帳104のサイズを制限し、広告システム101において掲示されたオファー取引に買い手または売り手ノードが応答するのに必要な関連情報が提供される。いくつかの実施形態では、様々なノード102は、格納された異なる期間に対応する分散台帳104を有してもよい。
【0127】
図6Aに示すように、分散台帳104に格納された各取引情報ブロック401は、取引識別番号410(取引IDとも呼ばれる)によって識別されてもよい。取引情報ブロック401は、オファー取引、購入取引、または確認取引などの取引タイプ420を含んでもよい。これに関して、取引タイプ420は、取引において交換される商品またはサービスに関して実行される1つまたは複数の操作を示す操作セットの指示を含んでもよい。例えば、取引情報ブロック401が商品を販売するオファーを表す場合、操作セットは販売を含むか、または販売であってもよい。取引情報ブロック401が商品を購入するオファーを表す場合、操作セットは購入を含むか、または購入であってもよい。
【0128】
いくつかの実施形態では、取引情報ブロック401は、取引を承認する取引に対する1つまたは複数のエンティティ(例えば、売り手、買い手、バリデータ、またはアービタ)からのデジタル署名435を含んでもよい。デジタル署名435を記述するために“デジタル”という語句が使用されるが、本発明は、このコンテキストまたは任意のコンテキストにおけるコンピュータ化された情報のバイナリ表現に限定されない。
【0129】
いくつかの実施形態では、取引情報ブロック401は、関連する取引ID440を含んでもよい。例えば、検証取引のための取引情報ブロック401は、対応するオファー取引または購入取引の取引IDを含んでもよい。取引情報ブロック401はまた、取引のエンティティであるノード102を識別する1つまたは複数のシートID番号310を含んでもよい。例えば、買い手、売り手、相互に合意されたバリデータ、および取引に関して相互に合意されたアービタは、取引情報ブロック401のシートID番号310によって識別されてもよい。いくつかの実施形態では、オファー取引または購入取引などのいくつかの取引タイプは、1つまたは複数の条件430のセットを含んでもよい。条件430は、オファー取引で指定されたフィルタリング基準またはターゲティング基準を使用して決定されるか、または購入取引で交渉される。条件430の少なくとも一部は、取引台帳104に関連付けられた特定のマーケットチャネルに対してカスタマイズされてもよい。いくつかの実施形態では、購入取引または相互に納得できる取引は、商品またはサービスに対する特定の交渉取引の最終条件430を記録してもよい。対応するオファー取引に記録された条件430は、特に取引が完了せずに仲裁に進む場合に、歴史的背景を提供してもよい。
【0130】
図6Bに示すように、条件430は、(1)取引にエンティティ参加するために必要な閾値エンティティ評価510、(2)取引に関与する製品またはサービスを示す製品またはサービス識別子520、(3)取引に関与する製品またはサービスの第三者検証に適した取引に関与する商品またはサービスの特性530、(4)カウンターオファー540が受け入れられるかどうか、(5)支払い情報および支払いまたはエスクロー機構550、(6)取引の適切な履行の第三者検証に適した1つまたは複数の測定指標560(7)取引の適切な履行が達成されない場合には、1つまたは複数のコンティンジェンシー契約570、または条件510-570の組み合わせもしくはサブコンビネーションのデータを含んでもよい。
【0131】
閾値エンティティ評価条件510は、1つまたは複数の取引に未知のエンティティのそれぞれについて、そのエンティティが取引に参加するために必要な閾値評価を示してもよい。例えば、売り手ノード102が取引情報ブロック401を生成して売り手の製品の一部を販売するオファーを公表する場合、売り手ノード102は、その値を、そのオファーが閾値エンティティ評価条件510の値を満たす買い手にのみ公開されていることを示す閾値エンティティ評価条件510に挿入する。この構成によれば、取引システム101のアーキテクチャは、売り手ノード102が取引に入る可能性がある買い手の質を自動的に制限する手段を提供する。類似の構成は、バリデータ、アービタ、またはその両方など、取引にまだ関与していない他のエンティティにも適用されてもよい。例えば、売り手ノード102が取引のバリデータまたはアービタを未だ選択していない場合、すなわち、売り手ノード102が、購入予定者が取引のバリデータまたはアービタを識別または提案することを許可している場合、売り手ノード102は、購入予定者によって提案されたバリデータまたはアービタの質を制限するために、条件510に閾値エンティティ評価条件510の値を挿入してもよい。したがって、図6Bには閾値エンティティ評価510の単一の項目しか示されていないが、そのような条件510は、複数のエンティティにそれぞれ関連付けられた複数の閾値エンティティ評価を含んでもよい。
【0132】
製品またはサービス識別子の条件520は、例えば、(a)購入オファーのコンテキストにおいて、取引に利用可能な製品(例えば、在庫)もしくはサービス、または(b)購入オファーのコンテキストにおいて、取引のために所望される製品またはサービスを示してもよい。モバイルデバイス広告マーケットチャネルのコンテキストでは、条件520において識別された製品識別子は、広告を顧客に提示するよう指示されたモバイルデバイスのデバイス識別子であってもよい。
【0133】
製品/サービス条件の特性530は、取引に関与する製品またはサービスの品質を記述してもよく、ID条件520で識別された製品またはサービスが、条件530で識別された特性と一致することを保証するために、第三者バリデータによって利用されてもよい。これに関して、本発明者らは、状況によっては、取引に関わる製品またはサービスの実際の識別は機密扱いになる可能性があることを認識した。したがって、いくつかの実施形態では、条件520の製品またはサービス識別子は、製品またはサービスの実際の識別子のハッシュ値または暗号化された形式のいずれかである。したがって、いくつかの実施形態では、買い手などの一部のエンティティは、取引に関与する製品またはサービスの実際の識別にアクセスできないことがある。これらの実施形態の少なくともいくつかでは、特性条件530を含むように取引情報ブロック401を構成することは、そのようなエンティティが取引に関わる製品またはサービスをよりよく理解できるようにする手段を提供する。いくつかの実施形態では、第三者エンティティのようなエンティティに余分な安心を追加するために、取引システム101は、バリデータ、トラッカーのような第三者エンティティに関連付けられた公開暗号鍵を使用して、条件520の製品またはサービス識別子を暗号化し、信頼できる第三者エンティティは、例えば、製品またはサービス識別子を復号するために公開暗号鍵に関連付けられたそれ自身の秘密暗号鍵を使用してもよい。この構成では、秘密復号鍵を有する第三者エンティティのみが、条件520において製品またはサービス識別子を復号することができ、そのような製品またはサービスが、条件530に設定された特性と一致することを確認することができる。バリデータまたはトラッカーのような信頼できる第三者のエンティティは、その確認の結果を購入予定者または他の関心のあるエンティティに単に提供するだけでよく、それによって、そのようなエンティティに、条件520で識別された製品またはサービスが、条件530で識別された特性に関して真正であるという追加の保証を提供する。したがって、改良されたデータ構造104および改良された取引システムアーキテクチャ101の様々な実施形態は、情報セキュリティを維持することと、取引情報104に対するオープンで効率的なパブリックアクセスを提供することとの間の効率的なバランスをとる。
【0134】
いくつかの実施形態によれば、カウンターオファー条件540は、1つまたは複数の条件430を提供したエンティティが、1つまたは複数の条件430への変更を喜んで受け入れるかどうかを示す。
【0135】
いくつかの実施形態によれば、支払いおよび支払いメカニズムの条件550は、取引において行われる支払いの金額および方法を定義する。いくつかの実施形態では、エスクローサービスを利用して、取引における売り手の保証を強化してもよい。これに関して、いくつかの実施形態では、取引の実行中の特定の履行義務の一致に従って、例えば買い手によって売り手に義務付けられた支払手数料のような、エスクローで保有されている資産の一部の放出を支援する。例えば、いくつかの実施形態では、条件430は、1つまたは複数の測定指標560を含む。例えば、取引が1000単位の製品の移転である場合、測定指標560は、例えば、(a)500単位の製品が配送された場合、支払の25%がエスクローから放出されて(b)750単位の製品が配送された場合、支払のさらに25%がエスクローから売り手に放出され、(c)1000単位の製品が配送された場合、支払の残りの50%がエスクローから売り手に放出される。いくつかの実施形態では、第三者のバリデータが取引を監視し、測定指標がいつ満たされたかを検証し、アービタまたはエスクローエージェントなどの他の第三者エンティティに、資産の適切な部分を売り手に放出するよう指示する。
【0136】
これに関して、本発明の発明者は、測定指標560のそのような検証を実行するエンティティが、売り手への資産の放出を管理するエンティティとは異なることを要求する取引システム101のいくつかの実施形態を構築する。そのような構成は、測定指標の性能が適切に満たされているか否かに関して論争がある場合に重要となり得る。
【0137】
いくつかの実施形態によれば、コンティンジェンシー契約570は、1つまたは複数の測定指標560が満たされない場合における取引を定義する代替条件を示す。例えば、測定指標560が、条件520で識別された製品が特定の日付までに配送されなければならないことを示す場合、コンティンジェンシーアレンジ契約570は、例えば、10%の価格低下が、その特定の日までの配送までは行われないが、その後7日以内に配送された場合は発生する。コンティンジェンシー契約570は、例えば、特定の日付の後の7日以内の配送では発生しないが、その後の7日以内に発生した場合などに25%の訂正が生じることを示してもよい。そのようなコンティンジェンシー契約570は、紛争の際に仲裁人の関与の必要性を最小限に抑えることを目的としている。
【0138】
新たに生成された取引情報ブロック401内で行われる最初のオファーのタイプに応じて、条件430は、製品またはサービスID520、製品またはサービスの特性530、またはID520と特性530の両方を含む。例えば、売り手が、売り手に属する特定の在庫を売るために取引情報ブロック401を生成する場合、条件430は、例えば、ID520がハッシュまたは暗号化された形態である場合に、ID520および特性530を含んでもよい。別の例では、もし買い手が特定のタイプの在庫を探しているが、取引台帳104の買い手の要求を満たす売り手からの既存のオファーが分からない場合、買い手は、そのような特定のタイプの在庫を求めるために取引情報ブロック401を生成してもよい。これらの状況の少なくともいくつかにおいて、取引システム101は、例えば取引サーバプログラム105を介して、特性530を含むが、ID520は含まない取引情報ブロック401を生成することを買い手に許可する。そのような場合、特性530は、買い手が希望する製品の量を示してよく、そのような製品を提供できる売り手は、製品またはサービスIDの条件520に識別子を追加することによって応答してもよい。さらに別の例では、ブローカーエンティティ自体が販売する商品の在庫を有しておらず、売り手からそのような在庫を得ることができると信じる場合、取引システム101のいくつかの実施形態は、例えば、取引サーバプログラム105を介して、条件520において製品識別子を省略しながら、ブローカーがそれを得ることができると信じる製品の特性530を含むように新しい取引情報ブロック401を生成することを、ブローカーエンティティに許可する。そのような場合、ブローカーエンティティは、一定期間内に特性530に合致する在庫を提供するために、1つまたは複数の測定指標560によって義務付けられてもよい。別の測定指標560は、相互に合意された第三者バリデータが、ブローカーエンティティによって最終的に提供される在庫が特性530を満たすことを検証することを要求してもよい。
【0139】
図6Bを続け、取引情報ブロック401はまた、取引の現在の段階を指定するステータス450を含んでもよい。例えば、オファー取引は、台帳に転記されると、ステータスが“公開済”のステータス450になることがある。オークション段階に入ると、取引のステータス450が“アクティブ”に更新されることがあるオークション、その後の支払いおよび商品/サービスの交換などの販売プロセスが終了すると、取引のステータスは“完了”に更新されることがある。関連する購入取引の取引ID410は、関連する取引440に記録されてもよい。
【0140】
分散台帳104は、当該技術分野で知られている分散データストアプラットフォームを使用して実装されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、Palo Alto,CAのProtocol Labs、Inc.の惑星間ファイルシステム(IPFS)などのMerkle directed acyclic graph(DAG)ベースのファイル配信システムを使用してもよい。いくつかの実施形態では、分散型ハッシュテーブルまたはDHTデータ記憶技術を使用して、分散台帳104を実装してもよい。DHT技術は、当該技術分野で知られているKademliaやMadeSafeなどの、BitTorrent(BitTorrentは、94107 カリフォルニア州 サンフランシスコ スイート600,セカンドストリート コーポレーションカリフォルニア303 BitTorrent,Inc.の商標である。) peer discoveryのような当業界で一般的なプロトコルの分散データベース実装の基礎をなしている。多数のノードが不正行為と結託しないことを信頼できると仮定した分散データストアの実装例の1つは、Ripple(Rippleは 94104 カリフォルニア州 サンフランシスコ,ブッシュストリート コーポレーションカリフォルニア #2724 268 Ripple Labs Inc.の商標である。)を使用してもよい。分散台帳を維持するためにブロックチェーン技術を使用する別の例は、当該技術分野で知られているMultiChainである。スマートコントラクト技術を組み込んだ別のものは、分散ストレージ層内に論理命令を格納して実行することを可能にするものであり、当該技術分野で知られているeris:dbである。
【0141】
取引ID410は、各取引を識別する固有のハッシュ値によって提供されてもよい。各取引情報ブロック401はまた、取引の現在のステータスを識別する情報を含んでもよい。例えば、取引情報ブロック401は、関連するオファー取引を記録し、オファー取引が投稿されたされたときに取引のステータスを保留オファーとして識別してもよい。対応するエンティティまたはノード102がオファー取引を受け入れると、購入取引が取引情報ブロック401に記録され、取引のステータスが更新されて、取引が保留中であることが識別される。取引情報ブロック401は、購入取引を取引情報ブロック401に付加することによって更新されてもよい。バリデータまたはアービタノード102は、取引情報ブロック401に検証取引を付加し、購入取引に記録された条件430にしたがって製品またはサービスの配信が確認されると、取引のステータスを完了として更新してもよい。ハッシュベースのデータストレージ技術の利点の1つは、オファーされたオファー取引に対してグローバル分散取引台帳を提供し、一定期間に受け入れられた取引を購入するために使用できることができることである。いくつかの実施形態では、買い手および売り手エンティティまたはノード102に関する情報を秘密に保つことができるが、取引の詳細を公開してネットワーク全体の取引の可視性を提供してもよい。
【0142】
各マーケットチャネルは、それ自体の分散データ台帳104を有してもよい。この構成により、共通のインフラストラクチャノードによって様々なマーケットチャネルが主催され、関与することが可能になる。分散データ台帳104の部分コピーの形で、マーケットチャネルごとに格納された毎日のローリングチェーンは、取引指向ノード102上のファイルサイズを低減しつつ、取引データの効率的な格納を可能にする。いくつかの実施形態では、アービタノード102は、特定のマーケットチャネルに関連付けられた特定の分散台帳104の完全なコピーを格納してもよい。
【0143】
いくつかの実施形態では、分散取引台帳104は、広告システム101のすべてのノード102にわたって同期され、すべてのノードが最新の取引情報を有することを保証する。 上で参照したDHTおよびブロックチェーン技術のような、当該技術分野で周知の様々なプロトコルを使用して、取引台帳104のローカルコピーへの変更を広告システム内の他のノード102に送信されてもよい。
【0144】
動作中のノード102によって表される様々なエンティティは、広告システム101において互いに相互作用してもよい。例えば、図3および図4の広告システム101は、売り手ノード102a(パブリッシャーノード102aとも呼ばれる)、買い手ノード102b(広告主ノードとも呼ばれる)、トラッカーノード102c、バリデータノード102d、アービタノード102e、および評価機関ノード102fを含んでもよい。広告マーケットチャネル内で動作するいくつかの実施形態では、取引を容易にするために、売り手ノード102aは、以下に詳細に説明する売り手またはパブリッシャデータパイププログラム(“PDP”)106および広告サーバ107を実行してもよく、広告サーバ107は、広告取引の履行における広告の提示のために、複数の顧客デバイス108(システム100のそれぞれのインスタンスであってもよいし、いくつかの実施形態ではモバイルデバイスであってもよい。)のそれぞれで実行されるソフトウェア開発キットプログラム(“SDK”)109と相互作用してもよい。
【0145】
図7は、いくつかの例示的な実施形態によるマーケットチャネルにおける取引の実行および検証方法のフローチャートを示す。以下に説明する図8Aおよび図9-12の方法も、図7の方法と同様に、図1-4に関して説明したもののような本明細書に記載された様々なシステムの全部または一部によって実行されてもよい。
【0146】
これに関して、売り手ノード102aは、広告プレゼンテーションに利用可能な、アプリまたはウェブサイト内の表示領域などのインプレッション在庫を有してもよい。この例では、売り手ノード102aは、評価機関ノード102fによって提供される評判スコア350の形で信頼性を確立したと仮定する。売り手ノード102aの評判スコア350は、いくつかの実施形態によれば、広告主(例えば、買い手ノード102b)にとって興味のあるインプレッション在庫と有益な財産として、売り手ノード102aのウェブサイトまたはモバイルアプリを確立する。売り手ノード102aは、ノード情報300の一部としてそのユーザまたは視聴者の人口統計的なユーザの詳細を提供してもよい。
【0147】
インプレッション在庫を収益化するために、売り手ノード102aは、少なくともTSプログラム105によって、図7のステップ605で、売り手ノード102aのインプレッション在庫を介して広告を提示することに関心があるかもしれない買い手ノード102bを探索するように構成された取引台帳データ構造104の新しい取引情報ブロック401を生成する。これに関して、TSプログラム105は、取引タイプ420および条件430(例えば、図6A、6B)のような、取引情報ブロック401に関して取引データを処理するために使用される、上述した情報の少なくともいくつかの入力を促す売り手ノード102aに関連する入出力デバイスシステム120の表示デバイスを介して、特定のマーケットチャネルに特有のテンプレート形式を提示してもよい。TSプログラム105は、既存の取引台帳104を参照して、既存の取引台帳104には存在しない新たな一意の取引IDを特定することによって、取引IDフィールド410を設定してもよい。TSプログラム105は、売り手ノード102aに関連付けられたノード情報300内に存在するシートID310をインポートすることによって、新しい取引情報ブロック401にシートIDフィールド310を設定してもよい。関連する取引フィールド440は、新しい取引情報ブロック401の生成のためにデフォルトで‘null’であり、新たな取引情報ブロックのステータス450は、ステップ610において新しい取引情報ブロック401が台帳104に公開されるまで、デフォルト値‘null’または何らかの他の予備的な値にしてもよい。そのような時点で、ステータス450は、‘発行済み’、‘保留中’、‘新規販売オファー’などのようなものに変更されてもよい。
【0148】
いくつかの実施形態では、取引タイプ420は、上述したように、売り手ノード102aが広告のために利用可能なインプレッション在庫を作りたいと望む在庫オファーであってもよい。このような在庫オファーは、売りオファーの一例ある。したがって、いくつかの実施形態では、そのような在庫オファー取引タイプは、製品またはサービス識別子(例えば、インプレッション在庫(例えば、アプリを実行するデバイスまたは売り手ノードのウェブサイトを表示するデバイス広告を提示するのに利用可能な表示領域を有するか、または有している)を保持するデバイスのデバイスID520)を要求する。しかしながら、取引情報ブロック401が取引台帳104に公開されたときに、取引情報ブロック401が公開されているので、本発明者らは、売り手ノード102aがそのようなデバイスID520を秘密に保つことを望むかもしれないことを認識した。しかしながら、本発明者らは、買い手ノード102bが、例えばインプレッション在庫の品質または特性を評価するために何らかの方法を必要とすることを認識した。したがって、本発明のいくつかの実施形態は、そのようにハッシュ化したデバイスID520を含み、そしてその結果、新たに生成された取引情報ブロック401のデバイスIDフィールド520にハッシュ形式で記録された特性フィールド530を含むか、または特性フィールド530を含み、かつフィールド520にハッシュされたデバイスIDを含むことによって、この潜在的な問題に対処する。例えば、PDPプログラム106は、売り手ノード102aのインプレッション在庫のデータベースを格納し、その在庫の対応するデバイスIDをデバイスIDフィールド520に配置するためにハッシュ化するように構成されてもよい。それに加えてまたは代替として、そのような在庫内のデバイスに関連する人口統計などの一般的な特性を特性フィールド530に入力してもよい。これに関して、売り手ノード102aは、少なくともTSプログラム105を介して、フィールド520にハッシュ化されたデバイスID、フィールド530に特性、またはフィールド520にハッシュ化されたデバイスIDと提供されたフィールド530に特性を両方とも入力し、潜在的な買い手ノード102b、トラッカーノード102c、バリデータノード102d、アービタノード102e、および評価機関102fが実際のデバイスIDを知らずにインプレッション在庫を評価することを可能にする。
【0149】
例えば、製品またはサービスID(例えば、デバイスID)または他の機密データオブジェクトのコンテキストにおけるハッシュ値の使用を詳述するために、新しい取引情報ブロック401を生成することは、ハッシュ値は本質的に復号できず、時間の経過と共に永続的な表現または値を保持するため、いくつかの状況において特に有用である。したがって、潜在的な買い手ノード102b、トラッカーノード102c、バリデータノード102d、アービタノード102e、および評価機関102fは、例えば、そのようなノードが実際のデバイスID(または他の機密データオブジェクト)を知ることはなく、複数の取引履歴を通じて同じデバイス(または他の機密データオブジェクト)を認識するために、デバイスID(または他の機密データオブジェクト)のハッシュ値またはハッシュIDを使用する。これに関して、各ノード102は、そのような履歴を分析し、それらのハッシュIDに関連付けられた特性または他のメタデータを開発またはアクセスする機会を与えられ、そして結果として、そのようなデバイスの実際のデバイスIDを知らなくとも、そのようなデバイスIDに関連付けられたデバイスの品質を理解する。それに加えてまたは代替として、特性フィールド530は、そのような特性または他のメタデータを直接提供することができる。フィールド520内のハッシュIDが特性フィールド530と共に使用される場合、ハッシュIDは、他のノードがフィールド530内の特性の精度を検証することを可能にすることができる。したがって、例えば、売り手ノード102aは、(またはその他の機密データオブジェクト)の在庫の機密性を放棄することなく、デバイスID(または他の機密データオブジェクト)の在庫に関する豊富な分析およびメタデータを開発する第三者エンティティを利用することができる。したがって、例えば、売り手ノード102aは、デバイスID(またはその他の機密データオブジェクト)のインプレッション在庫の機密性を放棄することなしに、取引システム101に完全に参加し、そのデバイスID(または他の機密データオブジェクト)の在庫に関する豊富な分析およびメタデータを開発する第三者エンティティを利用することができる。従来の取引システムは、これらの問題またはこれらの発明的解決策を考慮していない。
【0150】
いくつかの実施形態では、取引タイプ420はブローカーオファーであってもよく、売り手者ノード102aはそれ自体のインプレッション在庫を持たず、広告のために他のノードのインプレッション在庫を利用可能にすることを望む。このようなブローカーオファーは、上述の在庫オファーとは対照的に、別のタイプの売りオファーである。ブローカーオファー取引タイプの場合、取引サーバ105のいくつかの実施形態は、そのようなブローカーエンティティ(売り手ノード102aのタイプ)が、条件520のデバイスID(または他の製品またはサービスID)(ハッシュされたまたは他のもの)を省略しながら、ブローカーが潜在的なバイヤノード102bに対して得ることができると信じるデバイス(または他の製品またはサービスID)の特性530を含むように、新しい取引情報ブロック401を生成する。言い換えると、ブローカーオファーについては、取引サーバ105は、ステップ605で、新しい取引情報ブロック401を生成するときに、製品またはサービスID条件520を省略するか、またはnull値を保持することを許可してもよい。ブローカーノードは、オファーの時点で在庫の実際の内容(例えば、デバイスイID)をまだ有していないので、製品またはサービスID条件520の省略を許可するブローカーオファーにおいて特に有益であるが、特性530を満たす適切な在庫を後で提供することができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、実際のまたはハッシュ化された製品またはサービスID(例えば、デバイスID)がフィールド520で必要とされることがある。
【0151】
いくつかの実施形態では、取引タイプ420は、売り手ノード102aではなく買い手ノード102bが、ステップ605で取引サーバ105を介してステップ605を実行して新しい取引情報ブロック401を生成する、広告主が開始した購入オファーであってもよい。したがって、この取引タイプは、上述した在庫オファーおよびブローカーオファー売却オファー取引とは対照的に、購入オファー取引である。この広告主によって開始された購入オファー取引タイプは、広告の提示を望む買い手ノード102bに対応し、条件520の特定の製品またはサービスID(例えば、デバイスID)(例えば、ハッシュまたはハッシュされていない形態)、製品(例えば、在庫)またはサービス(IDの他に、識別コードと考えることができる)の特性530、またはID520および特性530の両方を識別してもよい。これに関して、いくつかの実施形態では、買い手ノード102bによって生成された取引情報ブロック401は、売り手ノード(例えば、102a)に関連付けられた複数のデータ処理デバイスシステム(例えば、ノード102の110)のうちの1つから取引のために利用可能な在庫を購入する要求を含んでもよい。(“取引に利用可能な在庫”という語句は、本明細書では製品の文脈で使用されることがあるが、そのような在庫は、いくつかの実施形態では利用可能なサービスであってもよい。)。以下でより詳細に説明するように、トラッカーノード102cは、取引情報ブロック401(例えば、売り手ノード102aなどの売り手ノードからの在庫オファー)を識別し、その要求に合致するように、それぞれの取引台帳104を検索してもよい。買い手ノード102bが、対応する売主ノードが(例えば、評価ノード102fから)十分な品質評価を有することを望む場合、トラッカーノード102cは、売り手ノード102aの評価が対応する閾値品質格付けを満たすかどうかを決定してもよく、トラッカーノード102cは、いくつかの実施形態によれば、買い手ノード102b宛ての新しい取引情報ブロック401の生成を介して潜在的に一致する在庫オファーを買い手ノード102bに通知し、それぞれの取引台帳104に追加してもよい。いくつかの実施形態では、トラッカーノード102cは、通信ネットワーク(例えば、153,103)を介して、売り手ノード102aの評価情報に対する要求を含むクエリを、例えば評価機関ノード102であるデータ処理システムデバイス(例えば110)に送信することを介して、売り手ノード102aの評価を特定してもよい。そのようなクエリは、新たに生成された取引情報ブロック401を介して行われてもよい。トラッカーノード102cは、(例えば、評価機関ノード102fによって提供される取引情報ブロック401内の)通信ネットワークを介して、クエリに対する売り手ノード102aの評価情報を含む応答を受信してもよい。トラッカーノード102cは、いくつかの実施形態に従って、評価情報から売り手ノード102aの評価を識別してもよい。
【0152】
オファー取引タイプ420の3つの例が上記で議論されたが、在庫オファー取引タイプの例は、いくつかの実施形態によると、説明のための図7の方法に従う。しかしながら、他の実施形態は、他のオファー取引タイプを実行する。在庫オファー取引タイプに関して、図13は、取引サーバ105のいくつかの実施形態による、ステップ605で在庫オファーに対して生成された新しい取引情報ブロック401を示す。これに関して、図8Aは、売り手ノード102aのデータ処理デバイスシステム110によって実行されて、図13に示された例示的な新しい取引情報ブロック401を生成する取引サーバ105およびPDP106のいくつかの実施形態による、図7のステップ605の特定の実装の詳細なフローチャートを示す。本明細書のすべての方法の図と同様に、図示されたステップの実際の実行順序は、図に示された順序とは異なる順序で行われてもよい。
【0153】
図8Aは、いくつかの実施形態による図6のステップ605の特定の実装形態を示し、ここでは図8Aについて説明する。図8Aのステップ606において、取引サーバ105は、新たに生成された取引情報ブロック401の適切なマーケットチャネルを見つけてもよい。ここで、新たな取引情報ブロック401(すなわち、この例では売り手ノード102a)を生成するための図1のノード情報300のシートID310は、特定のマーケットチャネルに関連付けられてもよい。同じノードが複数のマーケットチャネルに参加する場合、そのようなノードは複数のシートIDを登録し、取引サーバ105は売り手ノード102aのノード情報300にアクセスして、新しい取引情報ブロック401にどのシートIDが使用されるかを識別してもよい。したがって、選択されたシートID310を参照することによって、取引サーバ105は、ステップ606において、適切なマーケットチャネルを決定してもよい。
【0154】
ステップ607において、取引サーバ105は、ステップ606で特定されたマーケットチャネルに特有の条件のセットを識別してもよい。例えば、広告マーケットチャネルでは、取引情報ブロック401に含まれる条件がインプレッションの数を識別する必要がある場合がある。一方、別のマーケットチャネルでは、そのような条件は不要である。
【0155】
ステップ608で、PDP106(例えば、PDP106によって構成された売り手ノード102aのデータ処理デバイスシステム110であってもよい。)は、売り手ノード102aに関連付けられたインプレッション在庫のデータベースを参照することにより、売り手ノード102aが有する取引に利用可能な在庫を特定してもよい。図8Bは、いくつかの実施形態による、データベース850のようなデータベースの少なくとも一部の例を示す。説明を容易にするために、5行6列の情報のみがデータベース850に示されているが、2次元テーブル形式以外の任意の数の行および列、および他のデータ構造が実装されてもよい。
【0156】
いくつかの実施形態では、データベース850は、売り手ノード102aのプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム130によって格納されるが、他の場所に格納されてもよく、1つの場所に格納される代わりに分散されてもよい。この例では、データベース850は、シートID#列852、マーケットチャネル列854、在庫タイプ列856、製品またはサービスID列858、利用可能列860および理由列862を含む。シートID#列852は、売り手ノードがそのノード情報300に関連付けられた異なるシートID310を有することを示している。この例では、売り手ノード102aは、“Seller_Node_A1”(列852に示されているデータベース850の第1-3行に示されている)および“Seller_Node_A2”(データベース850の第4および5行に示されている)。これらのシートIDは、売り手ノード102aに関連付けられたノード情報300のシートID310にリンクされてもよい。図8Bに示すように、シートID“Seller_Node_A1”は特定のマーケットチャネル、すなわち、"Mobile Device Advertisement"マーケットチャネル(列854における、データベース850の第1-3行に示されている)に関連付けられるが、“Seller_Node_A2”は異なる特定のマーケットチャネル、すなわち、"Physical Print Advertisement"マーケットチャネル(データベース850の第4および5行における列854に示されている)に関連付けられる。したがって、この例では、売り手ノード102aは、2つの異なるマーケットチャネルに参加するので、登録された2つの異なるシートIDを有してもよい。売り手ノード102aのユーザが、モバイルデバイス広告マーケットチャネルを選択することによって、新しい在庫オファーを生成することを選択した場合、TS105は、図8のステップ606で決定された特定のマーケットチャネルとして、モバイルデバイス広告マーケットチャネルを対応して識別してもよい(例えば、売り手ノード102aのデータ処理デバイスシステム110は、TS105によって構成されてもよい)。図13において新しい取引情報ブロック401を生成するとき、例えば、TS105は、ノード情報300内のフィールド310からのシートID“Seller_Node_A1”を、図13のシートID番号フィールド310に挿入してもよい。
【0157】
在庫タイプ列856は、データベース850の各行によって識別される在庫のタイプを識別してもよい。製品またはサービスID列858は、データベース850内のそれぞれの行に関連付けられた在庫の実際の製品またはサービス識別子を表してもよい。そのような製品またはデバイスID(またはそのハッシュまたは暗号化されたバージョン)のうちの1つまたは複数は、製品またはサービスIDフィールド520(例えば、図6B)のそれぞれに対応してもよい。利用可能列860は、いくつかの実施形態によれば、対応する在庫アイテムが取引に利用可能か否かを示す。そうでない場合には、いくつかの実施形態によると、少なくとも物理的な印刷広告マーケットチャネルの場合に、少なくとも売り手ノード102aのモバイルデバイス広告マーケットチャネルまたはマガジンもしくは新聞の購読が取り消される(データベース850の第5行の列862に示されている)ような場合に、対応するモバイルデバイスからアンインストール(データベース850の第3行の列862に示されている)された売り手ノード102aのアプリのような、理由列862に利用不可の理由が提供されてもよい。
【0158】
先の例を続けると、図8Aのステップ608の少なくとも一部として、売り手ノード102aのPDP106は、列854にモバイルデバイス広告マーケットチャネルを有し、利用可能な列860に“Yes”という値を有するデータベース850内のすべての行を検索することによって、少なくとも選択されたモバイルデバイス広告マーケットチャネルの取引に利用可能な在庫を特定してもよい(例えば、売り手ノード102aのデータ処理デバイスシステムをPDP106によって構成してもよい)。図13の例において、この分析の結果は、取引に利用可能な2つのデバイス108(データベース850においてデバイスID"Device-ID-1"および"Device-ID-2"を含む)を識別してもよい。しかしながら、様々な実施形態によれば、任意の数のデバイスが取引のために利用可能であることはもちろんである。この例では、説明を簡単にするために、2つのデバイスが使用されている。上述のように、PDP106は、これらの2つのデバイスのデバイスIDをハッシュ化し、ハッシュ化されたデバイスIDを図13に示すデバイスID条件520にインポートしてもよい。図13において、これらのハッシュ化されたデバイスIDは、“Hash-Value-1"および"Hash-Value-2"として記号的に表される。いくつかの状況では、PDPプログラム106は売り手ノード102aのエコシステム内で完全に動作することができるのに対して、TSプログラム105は他のノード102の他のTSプログラム105とのインタフェースであるので、TSプログラム105ではなく、ステップ608でPDPプログラム106が、取引のために利用可能な在庫を特定し(例えば、特定するために売り手ノード102aのデータ処理デバイスシステム110がPDPプログラム106を実行する)、取引情報ブロック401のためにハッシュ化されたデバイスIDを提供することが有益な場合がある。したがって、いくつかの実施形態では、PDPプログラム106がステップ608で取引のために利用可能な在庫を特定し、ハッシュ化されたデバイスIDを提供することは、例えば、デバイスIDおよびデータベース内の他の情報(例えば、850)、および外部ノード102を含む、売り手ノード102aの秘密情報の余分なセキュリティを提供するのに有益である。ハッシュの使用は、本明細書では、取引情報ブロック401内のデバイスIDまたは他の値のような値の代替的な、本質的に復号不可能な、永続的な表現を提供するものとして説明されているが、本質的に復号不可能な永続的な値の表現である。
【0159】
ステップ609で、新しい取引情報ブロック401の残りの情報は、取引サーバ105によって、および例えば売り手ノード102aの表示デバイスを介して取引サーバ105によって提示されたフォームを介して受け取られた入力によって入力されてもよい。図13に示すように、取引サーバ105は、新しい取引ID410を図13に示される新しい一意の識別子である“1234_Block〇”とする。“Block〇”への言及は、この取引が発展するにつれて、この取引のために、この例の後の部分で、例えば“Block1”、“Block2”などとラベル付けされた追加のブロックが生成され得ることを示す。このようなブロックのすべては、関連する取引条件440を介して複数のブロックを含む単一の取引を形成するために互いにリンクされてもよい。しかしながら、これは図13の新しい取引情報ブロック401であるので、図13の関連取引フィールド440は、関連する取引がないことを示す。
【0160】
また、図13に示すように、売り手ノードは、取引タイプ420を“在庫オファー”として識別してもよい。取引サーバ105は、シートID番号フィールド310を、この例では"Seller_Node_A1"として記号的に表された。売り手ノード102aの選択されたシートIDを含むものとして埋めこんでもよい。図13の例では、条件430は、売り手ノード102aが、例えば5つ星が最高の評価であり、0個の星が最低の評価であるシステムにおいて、3つ星以上の評価の評価510を有する買い手ノード102Bを望むことを示す。ただし、どのような評価システムが使用されてもよい。図13の条件430もまた、フィールド520のハッシュ値を介して識別されたデバイスが、特性フィールド530の“Demographic X”として表された特定の人口統計に関連することを指定する。図13の条件540は、売り手ノード102aが潜在的な買い手ノード102bからのカウンターオファーを受け入れることに開放されていることを示す。図13の支払い/メカニズムの条件550は、売り手ノード102aは、特定のアービタノード102eによってエスクローでYドルが保持されるデバイスIDフィールド520で識別されたデバイスのそれぞれについて、Yドルの価格で4回のインプレッション(例えば、画像、ビデオ、またはオーディオ広告の表示)を可能にする。測定指標条件560は、各デバイスの2つのインプレッションが発生したときにエスクロー量の半分が解放されることを売り手ノード102aが望むことを示す。また、コンティンジェンシーアレンジメント契約570は、売り手ノード102aがコンティンジェンシーアレンジメントを提供していないことを示す。(図13に示された特定の条件は、明瞭化のために単純な例として提供されているに過ぎず、任意の条件を使用することができることに留意されたい。)
【0161】
いくつかの実施形態によれば、売り手ノード102aが、例えば図13に示すように在庫オファーに満足している場合、売り手ノード102aは、取引情報ブロック401を電子的に署名し、日付を記入する。いくつかの実施形態では、ステップ605の時点で、条件450によって示されるように、取引のステータスは“未公開”と識別される。しかしながら、任意の組のステータス識別子が使用されてもよいことに留意すべきである。ステータス条件455はまた、取引情報ブロックが生成されたか最後に変更された日時を示す日付/時間フィールド455を含んでもよく、それは過去24時間または他の期間のような所定の期間内に生成または修正された取引または取引情報ブロック401を格納することを望むノード102に役立つ可能性がある。
【0162】
ステップ605で、条件436を介して発信ノードの電子署名を含む新しい取引情報ブロック401の生成が完了すると、取引サーバ105は、システム101においてそのような新しい取引情報ブロック401を取引台帳104に追加するため、新たな取引情報ブロック401を1つまたは複数の他のノード102に配信してもよい。
【0163】
これに関して、ステップ610において、売り手ノード102aのコンピューティングデバイス(例えば100)の第1のデータ処理デバイスシステム(例えば110)が(例えば、TS105は、特定のマーケットチャネル(例えば、上記の例ではモバイルデバイス広告)に関連付けられた取引情報ブロック(101、上記の例では図13)を生成し、生成された取引情報ブロックを、特定のマーケットチャネルに関連付けられた売り手ノード102aの第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム(例えば、130,151)に格納された取引台帳104の少なくとも一部のそれぞれのローカルコピーに対する更新として格納してもよい(例えば、TS105、PDP106またはそのほかのプログラム)。売り手ノード102aの第1のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムは、生成された取引情報ブロック(例えば、図13)を、売り手ノード102aの第1の入出力デバイスシステム(例えば、120)を介して、通信ネットワーク(例えば、153、103)を通じて少なくとも他のノード102(例えば、図4)のコンピューティングデバイス(例えば100)の第2のデータ処理デバイスシステム(例えば、110)に送信してもよい。生成された取引情報ブロック(例えば、図13)をそれぞれの入出力デバイスシステム(例えば120)を介して受信する少なくとも1つのノード102の各々は、(例えば、生成された取引情報ブロックを受信し、取引台帳104のそれぞれのローカルコピー(またはその一部)への更新として格納してもよい(例えば、他のノード102の第2のデータ処理デバイスシステム)。生成された取引情報ブロック401を配信するこのプロセスは、生成された取引情報ブロック401を含むように取引台帳104の1つまたは複数の分散コピーを同期させるプロセスの少なくとも一部であってもよい。対応するプロセスは、本明細書に記載されている台帳104のすべての更新、例えば、以下に説明する少なくともステップ630、ステップ647、ステップ652、およびステップ655で行われてもよい。
【0164】
少なくともステップ605およびいくつかの実施形態では、図8Aに示すように、売り手ノード102aの第1のデータ処理デバイスシステムは、取引のために利用可能な在庫を特定し(例えば、ステップ608)、特定のマーケットチャネル(例えば、上記の例ではモバイルデバイス広告)を取引に利用可能な在庫(例えば、上述した例におけるデータベース850を介して)と関連付けられたものとして識別する。生成された取引情報ブロック(例えば、図13)は、取引に利用可能な在庫(例えば、フィールド520を介して)および1つまたは複数の取引条件(例えばフィールド430を介して)のインジケーションを含んでもよい。いくつかの実施形態では、特定された取引に利用可能な在庫は、製品識別子(例えば、図8Bのデータベース850の列858からのフィールド520内の)を含み、それぞれは取引に利用可能な製品またはサービスを識別する(例えば、上記の例におけるデータベース850の列860から特定される)。
【0165】
様々な実施形態によりステップ605または609で生成された取引情報ブロック401(例えば、図13)は、取引情報ブロックセットとみなされてよい。複数の取引情報ブロック401(例えば、図13および後述の図15,16,17,18)を含む取引もまた、取引情報ブロックセットとみなされてもよい。
【0166】
いくつかの実施形態では、第1の取引情報ブロックセット(例えば、図13のブロック401を含む)は、製品またはサービス識別子(例えば、データベース850の列858)のハッシュ識別子(例えば、図13において“Hash-Value-1”および“Hash-Value-2”として記号的に表される)を含み、ハッシュ識別子はそれぞれ在庫の製品識別子と関連付けられている。いくつかの実施形態では、売り手ノード102aの第1のデータ処理デバイスシステム(例えば110)は、少なくとも在庫の製品識別子(例えば、データベース850の列858内の各行)に対してハッシュプロセスまたはハッシュ機能を実行することによって、第1の取引情報ブロックセット(例えば、図13のフィールド520)にハッシュ識別子を生成して提供する(例えば、PDP106を介して)。
【0167】
いくつかの実施形態では、売り手ノード102aは広告主またはDSPに対応し、在庫は広告在庫である。広告主またはDSPは、取引情報ブロック401によって示されるオファー取引の条件430の一部としてフィルタリングまたはターゲティング基準を含んでもよい。オファー取引はまた、広告に対する所望の人口統計を特定してもよい。いくつかの実施形態では、売り手ノード102はパブリッシャーまたはSSPに対応し、在庫はインプレッション在庫である。パブリッシャーまたはSSPは、オファー取引の条件430の一部として、人口統計情報またはオーディエンス情報を含んでもよい。オファー取引では、利用可能なペース、ウェブサイトまたはモバイルアプリの広告スロットの位置、または最小価格情報を指定してもよい。いくつかの実施形態では、広告システム101は、オファー取引、購入取引、および確認取引などの様々な取引に対して一定の要件を課してもよい。いくつかの実施形態では、オプションステップ615において条件430は、特定のマーケットチャネルに対して、オファー取引がそのような条件に準拠しているかどうかを特定するために、広告システム101に要求される条件と比較される。例えば、広告システム101は、すべての新規オファーがフィールド520内のサービスまたは製品ID、または製品またはサービスの特性を識別することを確実にするために、取引台帳104に追加された新しいオファーをスキャンするバリデータノード102dを含んでもよい。新しいオファーにフィールド520および530の両方が欠けている場合、ステップ620で、新しいオファーは却下されてもよい。これに関して、新しいオファー取引(例えば、それが新しいオファー取引を表すことを示すステータスフィールド450を有する新しい取引情報ブロック401)が、広告システム101によって示される条件の要件に準拠していない場合、ステップ620により、例えば分散取引に追加された更新された取引情報ブロック401の生成を介して、例えば適用可能なバリデータノード102dによって、取引台帳104から削除し、売り手ノード102aに拒否通知を送ってもよい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のアービタノード102eは、(集合的に)広告システム101の条件を設定し、これらを分散取引台帳104の一部として公開してもよい。いくつかの実施形態では、広告システム101の要求または条件は、分散取引台帳104のヘッダとして公開されてもよい。いくつかの実施形態では、広告システム101内のノード102のそれぞれは、公開されたオファー取引が広告システム101によって設定された条件要求に準拠しているかどうかを特定するために、分散取台帳104に関連付けられたヘッダ情報を読み取ってもよい。ステップ615のいくつかの実施形態では、コンテンツのポリシングまたはゲートキーパーとしての役割を果たす単一のエンティティまたはノード102が存在しない場合がある。いくつかの実施形態では、取引サーバ105(例えば、売り手ノード102aまたは他の元のエンティティ)は、ステップ615が図7の例のステップ610の後に発生しているように示されていても、ステップ610で新しい取引情報ブロック401を取引台帳104に追加することを許可する前に、特定のマーケットチャネルの要件に合致することを保証するため、新しい取引情報ブロック401(例えば、図13)を見直してもよい。
【0168】
新しい取引情報ブロック401(例えば、図13)が取引台帳104に追加されると、その内容は、いくつかの実施形態によれば、取引システム101のすべてのノード102によって閲覧可能となる。これに関して、取引システム101は、複数のトラッカーノード(例えば、トラッカーノード102c)のいずれかまたはすべてが、新しいまたは変更された取引情報ブロック401のために取引台帳104を継続的にスキャンすることを可能にしてもよい。これに関して、例えばトラッカーノード102cを含む各トラッカーノードは、取引台帳104内で発生する取引のそれぞれのメモリデバイスシステム130に格納された独自のリポジトリまたはデータベースを開発するように構成してもよい。
【0169】
いくつかの実施形態では、トラッカーノード102cなどの各トラッカーノードは、特定のマーケットチャネルに関連付けられた取引台帳104で識別された1つまたは複数の取引に関連付けられたメタデータのそれぞれのセットを開発するように構成される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のトラッカーノードは、取引システム101の外部の1つまたは複数のデータベースに通信可能に接続され、そのようなメタデータの開発を容易にする。
【0170】
例えば、図14に示すように、2つのトラッカーノード1402,1404が取引台帳104をスキャンし、複数のハッシュされたデバイスIDの値を抽出し、それらのそれぞれの独自のデータベースのそれぞれの列1414,1416にそれらを格納すると仮定し、その一部分はそれぞれ参照番号1410,1412で表されている。図14の例では、トラッカーノードA1402およびトラッカーノードB1404は、図13に示す新しい取引情報ブロック401におけるデバイスID条件520からそれぞれの列1414,1416に示されるデバイスID“Hash-Value-1”および“Hash-Value-2”を抽出してもよく、またはデバイスID“Hash-Value-1”および“Hash-Value-2”に関連付けられた同じデバイスを含む取引台帳104内の1つまたは複数の既存取引情報ブロック401からそのようなデバイスIDを抽出してもよい。同様に、トラッカーノードA1402およびトラッカーノードB1404は、デバイスID"Hash-Value-3"および"Hash-Value-4"に関連付けられた同じデバイスを含む取引台帳104において、それぞれの列1414,1416に示されるデバイスID"Hash-Value-3"および"Hash-Value-4"を1つまたは複数の既存の取引情報ブロック401から抽出してもよい。
【0171】
ハッシュ化されたデバイスIDによって提供される永続的な値の少なくとも利点により、上述したように、取引システム101は、取引システム101の外部で特定のデバイスと利用可能なデータのトラッカーノードの関連付けを含む、取引台帳104内の複数の取引にまたがる特定のデバイスに関連付けられた傾向のトラッカーノード(例えば、トラッカーノード1402,1404)の識別を容易にするように構成される。図14の例では、トラッカーノードA1402は、それ自体の分析、取引システム101の外部の特定のデータへのアクセス、またはその両方は、列1406で識別された評価によって示されるように、列1414で識別された各デバイスのユーザが、それぞれのデバイスを介して提示された広告に肯定的に応答する速度を決定する。しかしながら、トラッカーノードB1404は、分析能力を有し、トラッカーノードA1402とは異なる外部データへのアクセスを有し、したがって、図14の列1406に示すトラッカーノードA1402によって生成されたメタデータとは異なる、図14の列1408に示す異なるメタデータを有する。これに関して、列1408は、年間収入を列1416で識別されたデバイスのそれぞれに関連付ける。
【0172】
したがって、配信されたため、買い手ノード(例えば、102b)のような、トラッカーノード(例えば、102c)の分析役割を他のノードから検索することを分離する取引システム101の様々な実施形態の公に利用可能な構成は、複数のノードを有することが可能であり、複数の競合トラッカーノードを開発することが可能である。これに関して、各トラッカーノードは、取引台帳104の分析およびそれ自身の外部データベースのセット(例えば、システム101の取引台帳104の外部)へのアクセスを介して、その特定のマーケットチャネルにおける独自の専門知識を開発することができる。このような取引システム101の構成は、買い手ノードは、買い手ノードに最も適した取引レジャー104内の利用可能な取引を見つけるために、買い手ノードが望む特定の専門知識を有するベストトラッカーノードまたは少なくともトラッカーノードに引き出されるので、取引システム101が少なくとも買い手ノード(例えば、102b)を売り手ノード(例えば、102a)と照合する能力の全体的な品質を改良する。
【0173】
したがって、いくつかの実施形態では、トラッカーノード102cのトラッカーデータ処理デバイスシステム(例えば、110)は、プログラムによって。ハッシュ識別子の少なくとも特定のハッシュ識別子(例えば、データベース1410における特定の行)に関連付けられたメタデータ(例えば、データベース1410)を生成し、プロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム(例えば、130)に格納された特定のマーケットチャネルに関連付けられた取引台帳104の少なくともそれぞれの部分の少なくともそれぞれのローカルコピーの外部(例えば、存在しない)を追跡する。これに関して、トラッカーノード102cのトラッカーデータ処理デバイスシステム(例えば、110)は、プログラムによって、それぞれのプロセッサ内の特定のハッシュ識別子(例えば、データベース1410内)に関連付けて生成されたメタデータを、トラッカーノード102cのトラッカーデータ処理デバイスシステムに関連付けられたアクセス可能なメモリデバイスシステム(例えば、130)に格納するように構成されてもよい。
【0174】
図9は、いくつかの実施形態による、図7のステップ625の特定の実装の詳細なフローチャートを表す。いくつかの実施形態によれば、ステップ625は、取引情報ブロック401を、発信側売り手ノード102aおよび買い手ノード102bの両方に同意できる状態に進めることに関する。いくつかの実施形態では、図9は、検索ステップ705から始まり、買い手ノード102bまたはトラッカーノード102cは、買い手ノード102bの要求に応じて、予め指定された基準に合致するオファー取引について、分散台帳104を検索する。例えば、ステップ705のいくつかの実施形態では、買い手ノード102bまたはトラッカーノード102cは、取引台帳104を検索して、利用可能な在庫を購入する要求に関連する少なくとも1つの取引情報ブロック401を識別してもよい。
【0175】
これに関して、ステップ705のいくつかの実施形態では、買い手ノード102bは、トラッカーノード102cに、買い手ノード102bによって所望される特定の取引について取引台帳104を検索する要求を送信する。そのような要求は、いくつかの実施形態では、価格設定および製品詳細、所望の在庫量、最小売り手評価閾値、および許容可能な支払条件を含んでもよい。買い手ノード102bに代わって取引台帳140を検索する別個のトラッカーノード104のこのアーキテクチャは、少なくとも分散台帳104のサイズが比較的大きく、買い手ノード102bが効果的に検索するためには、扱いにくい。しかし、いくつかの実施形態では、買い手ノード102は、ステップ705において、分散台帳104を直接検索することができる。このアーキテクチャは、分散台帳104が比較的小さく、比較的検索が容易な場合に有用な場合がある。
【0176】
図13の例では、買い手ノード102bは、(例えば、買い手ノード102bの入出力デバイスシステム(例えば、120,152)を介して)トラッカーノード102cに、0.60%よりも大きい平均期待成功率でA$とB$との間の価格について人口統計学的Xを有するデバイスに広告を提示することを可能にするオファーのために取引台帳104を検索することの要求を送信し、ここで、“X”は買い手ノード102bにとって望ましい人口統計の記号であり、“A”はY未満の価格であり、“B”はYより大きい価格であり、“Y”は図13の条件550に示された価格である。
【0177】
この例では、そのような要求は、図14のトラッカーノードB1404には不適切である、なぜなら、そのようなトラッカーノードB1404は、そのような要求を処理するのに必要なインプレッションあたりの成功率を示すメタデータを有していないからである。したがって、買い手ノード102bは、そのようなトラッカーノードA1402が図14の列1406に示されるように所望のメタデータを有するので、トラッカーノードA1402にそのような要求を送信するように促される。したがって、この例では、トラッカーノード102cはトラッカーノードA1402であると考えられる。これに関して、取引システム101の構成の様々な実施形態が、各トラッカーノードの利用可能なメタデータの特定のセットに応じて、異なるトラッカーノードによって提供される異なる検索条件セットの提供を可能にすることが分かる。
【0178】
トラッカーノード102cは、検索要求を受信すると、指定されたフィルタセットを使用して取引台帳104を検索し、例えば図13に示す取引情報ブロック401によって示されるようなオファー取引を買い手ノード102bに提供する。これは、買い手ノード102bの要件を満たす。検索結果を受信すると、買い手ノード102bは、トラッカーノード102cによって提供されるオファー取引のすべてを評価し、潜在的な取引に適していると思われるサブセットを選択してもよい。この評価プロセスの一部として、買い手ノード102bは、ステップ710において、1つまたは複数のオファー取引に関連付けられた(例えば、フィールド310内のそれぞれのシートIDを介して)売り手ノード102aを識別し、ステップ715において、評価機関ノード102fからの売り手ノード102aの評価を特定する。あるいは、トラッカーノード102cは、売り手ノード102aが評価機関ノード102fとの信頼できる許容レベルを有することを検証してもよい。このような評価がステップ720で買い手ノード102bによって受信されると、買い手ノード102bは、ステップ725において、そのような評価が所定の評価閾値を満たしているかどうかを判定し、その結果、それぞれのオファーへの参加を拒否するか否かを決定する。買い手ノード102bが売り手ノード102aの評価が不十分であると判断した場合、買い手ノード102bは、ステップ730でオファーを拒否することができる。売り手評価を使用することに加えて、またはそれに代えて、買い手ノード102bは、対応する取引情報ブロック401(例えば、図13)内の情報を参照することによって、トラッカーノード102c(例えば、図14、列1406)によって提供されるメタデータ、または対応する取引情報ブロック401(例えば、図13)内の情報、およびトラッカーノード102cによって提供されるメタデータを参照することによって、トラッカーノード102c(例えば、図14、列1406)によって提供されるオファーの適合性を評価することができることに留意すべきである。
【0179】
いくつかの実施形態では、ステップ715および720は、ステップ705および710と並行して実行されてもよい。例えば、分散台帳104内のオファー取引に関連付けられたそれぞれの売り手ノード102の評判スコア350は、分散台帳104が一致するオファー取引を検索されているのとほぼ同じ時間に、評価機関ノード102fと照合されてもよい。
【0180】
いくつかの実施形態によれば、売り手ノード102aおよび買い手ノード102bは、参加する適切なオファーを選択する際に、前に説明したリアルタイム入札オークションプロセスなどのプログラムによるオークションプロトコルを使用して、相互に合理的な取引を確立してもよい。いくつかの実施形態では、参加する適切なオファーを選択すると、例えばオファーが図13の条件540にしたがって受諾可能であることをオファーが示す場合、買い手ノード102bはオファーの修正を求めてもよい。そのような変更は、売り手の元の取引情報ブロック401(例えば、図13)の任意の条件430または他の態様にすることができる。これに関して、買い手ノード102bは、例えば、取引の独立した第三者検証を実行するための好ましいバリデータノード102d、そのようなエンティティが既に存在しない場合には、ステップ727で、例えば図13の取引情報ブロック401のシートIDフィールド310において識別されている、任意の紛争の解決のための好ましいアービタノード102eを識別する。または、買い手ノード102bは、取引情報ブロック401でそのようなエンティティが識別された場合には、対応する取引情報ブロック401で識別されるそのようなエンティティの一方または両方を変更してもよい。図15は、図13の取引情報ブロック401の買い手ノード102bによる提案された修正案を表す新しい取引情報ブロック401を示す。これに関連して、図15は、買い手ノード102bのシートID("Buyer_Node_B1"として表される)を含み、同様にと、バリデータノード102d("Validator_Node_D1")と、ステップ727にしたがって、買い手ノード102bによって優先されるアービタノード102("Arbiter_Node_E1"として表される)を含むように変更されたシートID条件310を示す。
【0181】
本明細書のプロセス図のいずれかを用いて示されたステップは、図示されたものとは異なる順序で実行されてもよく、様々な実施形態に従って各ステップが実行される必要はないことに留意されたい。様々な実施形態の例によると、例えば、図9を参照すると、ステップ727は、ステップ735の前に、ステップ735-750のいずれかと並行して、またはステップ755の前の任意の時点で実行されてもよい。
【0182】
バリデータノード102dおよびアービタノード102eを検証することに加えて、買い手ノード102bは、ステップ735,740および745に従って、条件430などの対応する取引情報ブロック401の他の態様を検証または変更してもよい。これに関して、ステップ735において、買い手ノード102bは、対応する取引情報ブロック401の条件430および他の態様を見直すプロセスを実行するように構成され、そして、ステップ740において、任意の条件430または対応する取引情報ブロック401の態様が買い手ノード102bに受け入れられないと考えられる場合、買い手ノード102bは、ステップ745において、対応する条件430または他の態様を変更してもよい。
【0183】
この例では、図15に示すように、支払い条件550は、インプレッションの価格を10%低下させようとして、ステップ745で買い手ノード102bによって修正される。図15に示すように、買い手ノード102bは、特定の日付“Z”によってインプレッションが配信されない場合、条件550の価格をさらに15%低下させる条件570のコンティンジェンシーアレンジメントを追加する。
【0184】
いくつかの実施形態によれば、取引サーバ105は、対応する取引情報ブロック401が、例えばステップ745に従って、買い手ノードまたは売り手ノードによって変更されたときに、条件435のすべての先の署名を無効にするように構成される。図15の例において、買い手ノード102bから削除され、図15に示すように変更される図13に示される先の電子署名は、買い手ノード102bによって行われ、買い手ノード102bは、図15の条件435に示すように、取引サーバ105のいくつかの実施形態によれば、変更された取引情報ブロック401にデジタル署名をする必要がある。図15において、日付"DAY_1"における買い手ノード102dの署名は、文字"/Buyer_Node_B1/"によって示されている。いくつかの実施形態では、日付/時間フィールド455は、フィールド435内のすべての署名の最新の日付(例えば、図15の例では"DAY_1")を格納してもよい。
【0185】
取引情報ブロック401を変更するプロセスは、買い手ノード102bに関連付けられた取引サーバ105において、いくつかの実施形態によれば、図13に示す"Block0"で終わる取引ID310と比較して、図15に示す"Block1"で終わる新しい取引ID410の新しい取引情報ブロック401を生成する、という結果をもたらす。図15に示す新しい取引情報ブロック401は、図13に示される取引情報ブロック401の変更であるから、取引サーバ105は自動的に図13に示す取引情報ブロック401の取引ID310を、図15に示される新しい取引情報ブロック401の関連する取引フィールド440に追加してもよい。
【0186】
元の取引情報ブロック401(例えば、図13)を変更する新しい取引情報ブロック401(例えば、図15)が完了すると、ステップ745において、買い手ノード102bに関連付けられた取引サーバ105によって、取引台帳104に新しい取引情報ブロック401(例えば、図15)が投稿または追加されてもよい。
【0187】
これに関して、いくつかの実施形態では、買い手ノード102bのデータ処理デバイスシステム(例えば、110)は、買い手のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム(例えば、130)に格納されたプログラムノード102bによって、オファー取引情報ブロック401(例えば図13)の1つまたは複数の取引条件430の少なくとも特定の条件(例えば、550または570)の変更を伴うオファー取引情報ブロック401(例えば、図13)に基づいて、更新された取引情報ブロック401(例えば図15)を生成してもよい。いくつかの実施形態では、買い手ノード102bのデータ処理デバイスシステム(例えば、110)は、プログラムによって、生成された少なくとも特定の条件の変更を含む生成された更新取引情報ブロック401(例えば、図15)を、買い手ノード102bの入出力デバイスシステム(例えば、120)を介して通信ネットワーク(153,103)を通じて配信するように構成されてもよい。図15に示すように、フィールド435において、配信される生成された更新取引情報ブロック401は、デジタル署名がされた取引情報ブロックであってもよい。
【0188】
ステップ750の一部として、売り手ノード102aは、売り手ノード102aの取引サーバ105、売手ノード102に代わって動作するトラッカー102、または、売り手ノード102aに関連付けられたいくつかの他のプログラムまたは他のノードによって、修正された条件または他の態様により、取引台帳104を監視することにより、新しい取引情報ブロック401(例えば、図15)を発見してもよい。新しい取引情報ブロック401(例えば、図15)が発見されると、売り手ノード102aは、修正を受け入れるか、追加のカウンターオファーを提供するか、単に修正を完全に拒否して、それによって取引を終了する。
【0189】
売り手が図9のステップ750で追加のカウンターオファーを提供する場合、新たな取引情報ブロック401が生成され、説明したように取引台帳104に追加されてもよい。このような追加のカウンターオファーは、説明したようにステップ750で買い手ノード102dによって発見されてもよく、買い手ノード102bは、ステップ735で追加のカウンターオファーを検討してもよい。取引の条件または他の態様に対する追加の修正は、ステップ740,745,750、および735のループおよび図9を介して行われてもよい。
【0190】
図16は、売り手ノード102aが、例えば図15に示す修正された条件を受け入れる例を示す。図16の例において、新しい取引情報ブロック401(フィールド410の新しい取引ID“1234_Block2”を有する)は、売り手ノード102aの取引サーバ105によって生成される。新しい取引情報ブロック401は、取引ID“1234_Block0”(図13から)および“1234_Block1”(図15から)を有する図16の関連取引フィールド440を介して、以前の取引情報ブロック401にリンクされている。売り手ノード102aは、買い手ノード102bからの変更された条件を受け入れただけであるので、売り手ノード102aによってその電子署名(図16で、"DAY_2"の“/Seller_Node_A1/"として表される)が電子署名フィールド435に追加されることによって、フィールド450内のステータスが“相互に納得のいく取引”に変更される。図15の新しい取引情報ブロック401は、売り手ノード102aによって電子署名されているので、図15の電子署名された取引情報ブロック401が売り手ノード102aによって第1のデジタル署名がされている場合、第2のデジタル署名された取引情報ブロック401と考えられる。いくつかの実施形態では、図16の第2のデジタル署名がされた取引情報ブロック401は、売り手ノード102aが図15の第1の取引情報ブロック401にデジタル署名することにより形成されたと考えられる。
【0191】
いくつかの実施形態では、売り手ノード102aと買い手ノード102bとの両方のデジタル署名を含む図16に表される“相互に納得のいく取引”のステータスのような取引情報ブロック401が、合意された状態において、合意された取引情報ブロック401に表される条件430は、図9のステップ755で合意されたオーダー条件と考えられる。いくつかの実施形態では、売り手ノード102aと買い手ノード102bとの両方のデジタル署名を含む図16に表される“相互に納得のいく取引”のステータスのような取引情報ブロック401が、合意された状態において、取引サーバ105(取引情報ブロック401にどのノードが最後にデジタル署名したかに応じて、売り手ノード102aまたは買い手ノード102bのいずれか)は、図7および9に示されるステップ630で公衆配信および同期を介して、それぞれのマーケットチャネルに対して、合意された取引情報ブロック401を取引台帳104に追加するように構成されてもよい。したがって、いくつかの状況では、売り手ノード102aのデータ処理デバイスシステム(例えば、110)は、そのそれぞれのプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム(例えば、130)に格納されたプログラムによって、売り手ノード102aのデータ処理デバイスシステム(例えば、110)は、通信ネットワーク(例えば、153,103)を通じて、売り手ノード102aの入出力デバイスシステム(例えば、120)を介して、第2のデジタル署名された取引情報ブロック401(例えば、図16)を配信するように構成されてもよい。
【0192】
いくつかの実施形態では、図16に表される“相互に納得のいく取引”のステータスのような取引が合意された状態において、売り手ノード102aのデータ処理デバイスシステム(例えば、110)は、例えばバリデータノード102dに関連付けられた公開暗号鍵に応じて、暗号化されたデバイスIDを伴う条件520におけるハッシュ化されたデバイスIDに変換するように構成されてもよい(例えば、いくつかの実施形態では、PDP106または広告サー107を介して)。換言すれば、デバイスID条件520で識別されたデバイスの実際のデバイスIDは、いくつかの実施形態によれば、例えば、特性条件530で識別されたそのようなデバイスの特性を、公開暗号鍵に関連付けられた秘密復号鍵を有する信頼できるノード102によって下流検証することを可能にする期間、実際のデバイスIDの機密を保つために、公開暗号鍵に応じて暗号化される。これに関し、そのような信頼できるノードは、暗号化されたデバイスIDを秘密に復号して、実際のデバイスIDを明らかにし、要求された検証プロセスを実行してもよい。
【0193】
このような検証プロセスは、少なくとも図7のステップ632において実行され、いくつかの実施形態では、特性条件530のデバイス特性が正確であるという追加の保証を買い手ノード102bに提供することが要求されてもよい。図16の例を続けると、ステップ632において、売り手ノード102aが、選択されたバリデータノード102dの公開暗号鍵を使用してフィールド520のデバイスIDを暗号化したと仮定すると、バリデータノード102dは、公開暗号鍵に対尾にする自身の秘密複合鍵を用いて、図16に示す情報ブロック401の取引のデバイスID条件520のデバイスIDを復号してもよい。このような秘密復号鍵を用いて、バリデータノード102dは、そのような暗号化されたデバイスIDを復号するように構成されてもよく、実際のデバイスIDの秘密を保持して、実際のデバイスIDに関連付けられたメタデータにアクセスして、対応するデバイスが条件530で識別された特性を示すことを検証するように構成されてもよい。そのようなメタデータは秘密であり、バリデータノード102dによって保持されてもよく、または、バリデータノード102dは、バリデータノード102dとは異なるデバイスシステムを介してそのようなメタデータへの安全なアクセスをしてもよい。
【0194】
上記の例では、デバイスIDを暗号化するために信頼できるバリデータノード(例えば、102d)の公開暗号鍵を使用する売り手ノード102aと、それ自身の秘密復号鍵を使用して信頼できるバリデータノードが暗号化デバイスIDを復号することについて説明しているが、他の実施形態は、売り手ノード102aは、自身の公開暗号鍵を使用してデバイスIDを暗号化し、次いで、売り手ノード102aは、暗号化されたデバイスIDの復号に使用するノードのような信頼できるバリデータノード(例えば、102d)などの1つ以上の信頼ノードに自身の秘密解読鍵を提供してもよい。
【0195】
いくつかの実施形態では、売り手ノード102aのデータ処理デバイスシステム(例えば、110)は、暗号化製品またはサービス識別子(例えば、図16のフィールド520)を生成するために、製品またはサービス識別子を暗号化(例えば、図8のデータベース850の列858から)するように構成されてもよく(いくつかの実施形態では、例えば、PDP106または広告サーバ107を介して)、暗号化製品またはサービス識別子は、生成された取引情報ブロック401(例えば、図16)内の取引のために利用可能な在庫に含まれる。製品識別子は、例えば図8Bに示されるように、デバイスIDであってもよい。いくつかの実施形態では、各デバイス識別子は、広告が配信されることが許可されているデバイス(例えば、図4のモバイル電子デバイス108、図8のデータベース850の列856、第1行、第2行など)を識別する。以下でより詳細に説明するように、広告は、売り手ノード102aに関連付けられ、それぞれのデバイス上で実行されるアプリケーション(例えば、以下でより詳細に説明するソフトウェア開発キット109)を介して提示してもよい。
【0196】
いくつかの実施形態では、売り手ノード102aのデータ処理デバイスシステム(例えば、110)は、取引(例えば、図16のフィールド520で識別される)に利用可能な在庫の提供者(例えば、売り手ノード102a)に関連付けられた公開暗号鍵に応じて、製品またはサービス識別子を暗号化する(例えば、例えば、図8のデータベース850の列858から)ように構成されてもよい(いくつかの実施形態では、例えば、PDP106または広告サーバ107を介して)。いくつかの実施形態では、バリデータノード102dのデータ処理デバイスシステム(例えば、110)に通信可能に接続されたプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム(例えば、130)は、少なくとも取引に利用可能な在庫(例えば、図16の条件520で識別される在庫)のサブセットについての操作セット(例えば、在庫の販売および購入)と関連付けられた第1の取引情報ブロックセット(例えば、図16のブロック401、および場合によっては図15および13のブロック401)を含む特定のマーケットチャネルに関連付けられた取引台帳104のそれぞれの部分を少なくとも記憶する。例えば、図16に示されるように、第1の取引情報ブロックセットは、公開暗号鍵(例えば、いくつかの実施形態の売り手ノード102aに関連付けられた、またはいくつかの実施形態のバリデータノード102dに関連付けられた)に応じて暗号化された(例えば、売り手ノード102aによる)製品識別子(例えば、フィールド520)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、売り手ノード102dのデータ処理デバイスシステム(例えば、110)は、プログラムによって、公開暗号鍵に対応する秘密復号鍵(例えば、それ自身の公開暗号鍵が暗号化のために使用された実施形態におけるそれ自身の秘密復号鍵、または売り手ノード102aの公開暗号鍵が暗号化に使用された売り手ノード102aによって提供される秘密復号鍵)暗号化製品識別子を復号するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の取引情報ブロックセットは、暗号化式製品識別子に関連付けられた製品の特性(例えば、図16の条件530)を示し、バリデータノード102dのデータ処理デバイスシステム(例えば、110)は、プログラムによって、復号された製品識別子がその特性に合致する製品に関連付けられていることを検証するように構成されてもよい。
【0197】
上記の例は、製品またはサービス識別子(例えば、フィールド520)の暗号化に関するものであるが、取引情報ブロック401の1つまたは複数の他のデータフィールドの情報に対して同じまたは類似の暗号化プロセスを実装してもよい。例えば、フィールド550内の支払い情報またはメカニズムが秘密であることが望まれる場合、そのような情報は、承認された信頼できるノード102だけがそのような情報へアクセスすることができるように、本明細書で説明する公開/秘密鍵プロセスに従って暗号化してもよい。したがって、いくつかの実施形態では、取引情報ブロックセット(例えば、図16に示すものと同様のブロック401を含む)は、少なくとも1つの暗号化された取引条件を含んでもよい。各信頼できるノード102は、そのような条件を復号するために復号鍵(例えば、そのそれぞれのプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム130に)を記憶してもよい。
【0198】
図7のステップ632において、バリデータノード102dが特性530を確認できる場合、バリデータノードは、いくつかの実施形態によれば、新たな更新取引情報ブロック401のデジタル署名フィールド435にそのデジタル署名を追加してもよい。図17は、バリデータノード102dのデジタル署名を含む新しい取引情報ブロック401(図17の“/Validator_Node_D1/” dated DAY_3と表される)の一例を表しており、これは、バリデータノード102dが、ステップ632で成功した検証を実行したことを示す。バリデータノード102dのデジタル署名の追加は、図16および図17に示すフィールド410内の新しい取引ID“1234_Block3”を有する新しい取引情報ブロック401への更新を表すので、これは、図17のフィールド440内のこの取引の以前の取引情報ブロックのそれぞれにリンクされている。特に、取引情報ブロック401、図17のフィールド440は、取引ID“1234_Block2”(図16)、“1234_Block1”(図15)、“1234_Block0”(図13)にリンクする。図17の例示的な取引情報ブロック401はまた、バリデータノード102dの署名の追加が、ステータス450の“履行前検証済み”への変化に関連していることを示しており、バリエータノード102dが取引の検証が成功したことをさらに示している。いくつかの実施形態では、ステータス450は、バリデータノード102dに関連付けられた取引サーバ105を介して自動的に変更されてもよい。
【0199】
したがって、いくつかの実施形態では、バリデータノード102dのデータ処理デバイスシステム(例えば、110)は、プログラムによって、復号された製品識別子が特性(例えば、フィールド530で識別される)が合致した製品に関連付けられていることの確認に応答して、バリデータノード102dのプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納されたそれぞれのマーケットチャネルに関連付けられた取引台帳104(図17のブロック401のフィールド435に追加された署名を介して)の少なくともそれぞれの部分のそれぞれのローカルコピーにデジタル署名を追加するように構成されてもよい。
【0200】
バリデータノード102dが特性530を確認することができない場合、いくつかの実施形態によれば、取引は中止されてもよい。そうしないと、上で説明したのと同様に、必要に応じて取引を修正するために、上記と同様の修正プロセスが発生することがある。
【0201】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のトラッカーノード102cは、1つまたは複数のバリデータノード102dの代わりに、またはそれに加えて、ステップ632で履行前検証を実行する。いくつかの実施形態では、少なくともトラッカーノード102cが、少なくともステップ632において履行前検証を行う、なぜならば、特殊なメタデータのリポジトリ(例えば、図14)が、復号された製品またはサービス識別子(例えば、図16のフィールド520から復号される)が、識別された特性(例えば、図16のフィールド530で識別される)を満たすかどうかの検証のために利用されるからである。バリデータノード102dに関する上記の説明と同様に、トラッカーノード102cが復号された製品またはサービス識別子を検証する場合、それぞれの取引情報ブロック401(例えば、図16と同様)を介してそのデジタル署名を取引に追加してもよい。
【0202】
したがって、いくつかの実施形態では、売り手ノード102aのデータ処理デバイスシステム(例えば、110)は、売り手ノード102aのプロセッサアクセス可能なメモリに格納されたプログラムを介して(例えば、いくつかの実施形態ではPDP106または広告サーバ107を介して)、トラッカーデータ処理デバイスシステム(例えば、110)に関連付けられた公開暗号鍵に応じて、在庫の暗号化製品識別子(例えば、図16のフィールド520)を生成して、第1の取引情報ブロックセット(例えば、図16のブロック401および場合によっては図15および図13のブロック401)に提供してもよく、そのトラッカーデータ処理デバイスシステムは、それぞれのマーケットチャネルに関連付けられた取引台帳104の取引情報を追跡するトラッカーノード102cが関連付けられる。いくつかの実施形態では、トラッカーデータ処理デバイスシステムは、それぞれのプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム(例えば、130)に格納されたプログラムを介して、トラッカーノード102cのトラッカーデータ処理デバイスシステムに関連付けられ、トラッカーノード102cのトラッカーデータ処理デバイスシステムに関連付けられた公開暗号鍵に対応する秘密暗号鍵に応じて、暗号化製品識別子(例えば、図16のフィールド520)を復号するように構成される。いくつかの実施形態では、トラッカーデータ処理デバイスシステムは、プログラムを介して、復号された製品識別子が特性(例えば、図16のフィールド530で識別される)に合致する製品に関連付けられていることを検証し、復号された製品識別子が特性が合致する製品に関連付けられていることの検証に応答して、トラッカーノード102cのプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステムに格納されたそれぞれのマーケットチャネルに関連付けられた取引台帳104の少なくともそれぞれの部分のそれぞれのローカルコピーに電子署名を追加する。いくつかの実施形態では、バリデータノード102dのデジタル署名に加えて、またはその代わりに、トラッカーノード102cの電子署名が、例えば図17のフィールド435に追加されてもよい。
【0203】
バリデータノード102dが図7のステップ632で履行前検証を正常に完了した場合の先の例を続けて、図17のフィールド435にデジタル署名をし、アービタノード102eはフィールド310のシートIDを含む取引の取引台帳104を監視するように構成されてもよい。これに関して、アービタノード102eは、図17の取引情報ブロック401を発見してもよく、これは図17の“Arbiter_Node_E1”として記号的に表されたそのシートIDを含むからである。この例では、アービタノード102eは、図7のステップ632で、図17のフィールド435にバリデータノード102dの電子署名が存在するために成功により完了した履行前検証を認識するように構成されてもよい。図7のステップ632における履行前検証が完了したと判定すると、アービタノード102eのデータ処理デバイスシステム(例えば、110)は、そのプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム(例えば、130)に格納されたプログラムを介して、図7のステップ534でフィールド435に電子署名を追加し、図18に示すように、関連取引が検証され、履行の準備ができていることを認識するように構成されてもよい
【0204】
図18は、アービタノード102e(図18の“/Arbiter_Node_E1/"dated DAY_4で表される)の電子署名を含む新しい取引情報ブロック401の一例を示す。バリデータノード102dのデジタル署名の追加は、図17に示す取引情報ブロック401への更新を表すので、図18は、この取引の前の取引情報ブロックのそれぞれにリンクされているフィールド410内の新しい取引ID“1234_Block4”を有する新しい取引情報ブロック401を表している。特に、取引情報ブロック401で図18のフィールド440は、取引ID“1234_Block3”(図17)、“1234_Block2”(図16)、“1234_Block1”(図15)、および“1234_Block0”(図13)にリンクする。図18の例示的な取引情報ブロック401はまた、アービタノード102eの署名の追加がステータス450の“履行済み”への変更に関連付いていることを示しており、それは取引の全ての当事者がそのような取引を承認したことを示し、その結果、取引は、いくつかの実施形態に従って、例えば実行される準備が整う。いくつかの実施形態では、ステータス450は、アービタノード102eに関連付けられた取引サーバ105を介して自動的に変更してもよい。
【0205】
これに関して、図18の取引情報ブロック401は、少なくとも取引情報ブロックセット(例えば、図17,16,15,13、またはそのサブコンビネーションに表される取引情報ブロックを含む場合も含まない場合もある)の一部を表すと考えられてもよい。取引情報ブロックセットは、在庫(例えば、条件520または条件530)についての操作セット(例えば、購入または販売)に関連付けられてもよく、システム101のプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム(例えば、130)によって記憶されたそれぞれのマーケットチャネルに関連付けられた取引台帳104の少なくとも一部のローカルコピーであってもよい。
【0206】
例えば、図18のフィールド435に示されるように、第2のデータ処理デバイスシステム(例えば、110)が、いくつかの実施形態によれば、それぞれのマーケットチャネルに関連付けられた取引台帳104の少なくとも一部を格納するシステム101内の他のノード102と関連付けられていると仮定して、取引情報ブロックセットは、第1のデータ処理デバイスシステム(例えば、売り手ノード102aのようなフィールド520の在庫の提供者に関連付けられた110)に関連付けられた第1のデジタル署名、第3のデータ処理デバイスシステム(例えば、買い手ノード102aに関連するものなど、在庫の受取者に関連付けられた110)に関連付けられた第2のデジタル署名、バリデータノード102dなどの1または複数の取引条件(例えば、430)の少なくともサブセットのバリデータと関連付けられた第3のデジタル署名、および第5のデータ処理デバイスシステム(例えば、アービタノード102eのような、1または複数の取引条件(例えば、430)の少なくともサブセットの障害のアービタに関連付けられた110)に関連付けられた第4のデジタル署名を含んでもよい。これらのノード102a、102b、102dおよび102eの各々は、本明細書に記載されている特定の状況において重要な機能を果たすので、いくつかの実施形態によれば、取引情報ブロック401が、これらのノード102a、102b、102dおよび102eのすべてからのデジタル署名を含むことが、いくつかの状況で対応して重要であってもよい。トラッカーノード102cが図7のステップ632で履行前検証を実行する少なくともいくつかの実施形態では、第3のデジタル署名は、バリデータノード102dの代わりにトラッカーノード102cに関連付けられてもよいし、または、バリデータノード102dの電子署名に追加して、トラッカーノード102cのデジタル署名が、第6のデータ処理デバイスシステム(例えば、トラッカーノード102cのような、それぞれのマーケットチャネルに関連付けられた取引台帳104の取引情報のトラッカーと関連付けられた110)に関連付けられた第5のデジタル署名として図18のフィールド435に追加されてもよい。いくつかの実施形態では、これらのノード102a-103eの各々は、本明細書で説明される特定の状況において重要な機能を果たすので、取引情報ブロック401がこれらのノード102a-102eのすべてからのデジタル署名を含むことがある状況で対応して重要である。しかしながら、いくつかの実施形態によれば、いくつかの状況では、これらのノードのすべてからのデジタル署名は必要とされない。
【0207】
履行中に、図7のステップ634で開始される、売り手ノード102aの広告サーバ107は、取引台帳104を監視しまたは検索するように構成されてもよい。例えば、フィールド310の売り手ノード102aのシートID(例えば、"Seller_Node_A1")を含モバイルデバイス広告マーケットチャネルにおいて、広告サーバ107が満たすことを義務付けられている取引を識別するために、フィールド450内の“履行済み”のステータスを監視しまたは検索するように構成されてもよい。“履行済み””のステータスを有する売り手ノード102aのシートIDを識別するため、図18に例の取引情報ブロック401はこれらの要求を満たす。したがって、いくつかの実施形態では、売り手ノード102aの広告サーバ107は、図18の取引情報ブロック401を含む特定の取引を識別するために、モバイルデバイス広告マーケットチャネル内の取引台帳104を検索するように構成される。
【0208】
いくつかの実施形態では、図18の取引情報ブロック401を含む特定の取引は、特定のユーザアカウントに関連付けられた少なくとも在庫アイテムを識別し、在庫アイテムの少なくとも処分を定義する取引条件セットを識別する。例えば、図19は、いくつかの実施形態において、列1902で識別された少なくともいくつかの在庫アイテムのそれぞれを、列1904で識別されたそれぞれのユーザアカウントに関連付けるデータベース1900の少なくとも一部を示す。いくつかの実施形態では、データベース1900は、図8Bのデータベース850の一部である。図19の例を参照して、図18の取引情報ブロック401のフィールド520で識別される在庫アイテムは、データベース1900の行1902の第1行および第2行"Device-ID-1"および"Device-ID-2"に対応し、それぞれユーザアカウント“User Account A"および"User Account B"に関連付けられている。さらに、図18の取引情報ブロック401を含む特定の取引は、少なくとも在庫アイテムの処分を定義する取引条件セット(例えば、1または複数の条件430で識別される)と関連付けられる。例えば、図18の条件550において、条件520で識別される在庫アイテムは、それぞれ4つのインプレッションを表し、それはそのような在庫アイテムの処分の形態とみなされてもよい。しかしながら、本発明は、製品またはサービスの特定の処分の形態に限定されない。
【0209】
いくつかの実施形態では、広告サーバ107は、デバイスIDフィールド520(例えば、図18)で識別されるデバイス108上で動作し、そのようなデバイス108に、条件430(例えば、図18)に従って買い手ノード102bによって提供される広告を提示させるために、売り手ノード102aによって提供されるソフトウェア開発キット(SDK)109とやりとりしてもよい。各デバイス108は、図1のシステム100のインスタンスであってもよい。これに関連して、各SDK109は、広告サーバ107から、それぞれのSDK109に、それぞれのデバイス108の入出力デバイスシステム(例えば、120)を介して、広告または他の画像、テキスト、オーディオ、またはビデオのような在庫アイテムの処分を指示する指示を受信するように構成されてもよい。画像またはビデオの場合、指示は、いくつかの実施形態によれば、それぞれのデバイス108のユーザがアプリを実行しているか、または売り手ノード102aによって操作されているウェブサイトを閲覧している間、それぞれのデバイス108(または、オーディオの場合には1つまたは複数のスピーカ)の入出力デバイスシステム(例えば、120)のディスプレイの1つまたは複数の領域内にそのような画像またはビデオを提示することであってもよい。そのような指示を受信すると、SDK109は広告または他の画像、テキスト、オーディオまたはビデオをそれに応じて提示する。
【0210】
これに関して、いくつかの実施形態では、第1のデータ処理デバイスデバイスシステム(例えば、売り手ノード102aの110)は、第1のプロセッサアクセス可能メモリデバイスシステムに格納された第1のプログラム(例えば、広告サーバ107)を介して、少なくとも取引台帳104を検索することによって、それぞれのマーケットチャネルに関連付けられた取引台帳104内の複数の取引の特定の取引(例えば、図18の取引情報ブロック401を含む)を識別するように構成されてもよい。特定の取引は、少なくとも、特定のユーザアカウント(例えば、図19に示す)に関連付けられた在庫アイテム(例えば、図18のフィールド520のデバイスID、または例えば図10の1902行)を識別してもよく、少なくとも在庫アイテムの配置を定義する取引条件セット(例えば、図18の1または複数の条件430)を識別してもよい。いくつかの実施形態では、第1のデータ処理デバイスシステム(例えば、売り手ノード102aの110)は、第1のプログラム(例えば、広告サーバ107)を介して、通信ネットワーク(例えば、いくつかの実施形態では、デバイス108がノード102のネットワークとは異なるネットワーク上にあり、ネットワーク153,103とは異なる)を介して、第2のデータ処理デバイスシステム(例えば、デバイス108の110)に、在庫アイテムの処分を指示する命令セット(例えば、広告または他のコンテンツを表すための1または複数の命令)を送信するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、在庫アイテムは、第2のデータ処理デバイスシステム(例えば、それぞれのデバイス108)を識別する識別子(例えば、図18のフィールド520内のデバイスID、または例えば図19の列1902)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、識別子は暗号化され(例えば、図18のフィールド520に示されるような)、広告サーバ107は、第2のデータ処理デバイスシステム(例えば、デバイス108の110)に命令セットを送信するための前提条件として、それぞれの秘密復号鍵を使用して暗号化され識別子を復号するように構成してもよく、識別子は必要に応じてそれぞれのデバイス108のアドレスを含む。第2のデータ処理デバイスシステム(例えば、図19に示すように)は、特定のユーザアカウントに関連付けられてもよい。ユーザアカウントは、第2のデータ処理デバイスシステム(例えば、それぞれのデバイス108)のユーザを識別してもよい。いくつかの実施形態では、在庫アイテムの配置を指示する命令セットは、第2のデータ処理デバイスシステム(例えば、それぞれのデバイスの110)に通信可能に接続された第2の入出力デバイス(例えば、デバイス108のそれぞれの120)を介して画像、テキスト、オーディオまたはビデオを表現するために、例えば、それぞれのデバイス108上で実行されるそれぞれのSDK109を指示する1つまたは複数の命令を含む。上記の例はしばしばモバイルデバイス広告のコンテキストにあるが、本発明は特定のマーケットチャネルに限定されない。例えば、物理的な印刷広告マーケットチャネルの場合、在庫アイテムの配置を指示する命令セットは、取引条件セット(例えば、データベース850の4行、列858の"Address-1"の物理アドレス)で識別された宛先への在庫アイテムの配送を指示する1つまたは複数の命令を含んでもよい。他の製品やサービスの提供など、非広告マーケットチャネルにも同じ設定が適用される場合がある。処理の全部または各部分が完了すると、広告サーバ107は、処理(例えば、履行)のどの部分(または全体)が完了したかを示す更新取引情報ブロック401を生成するように構成されてもよく、これは、例えばバリデータノード102dによって受信され、利用されて、履行を監視して検証してもよい。履行の検証の結果は、それぞれの取引台帳に追加し、1または複数の他のノード102へ配信するために、バリデータノード102d(例えば、それぞれの取引サーバ105の実行を介して)によって、生成された第2の更新取引情報ブロック401に入力される。
【0211】
これに関して、履行中、図7のステップ634で始まり、いくつかの実施形態によれば、バリデータノード102dは、そのような履行を監視して、条件430が適切に完了していることを保証するように構成されてもよい。そのような監視は、例えば図18のフィールド450に示すように、ステータス“履行済み”を示す取引において、バリデータノード102dが、バリデータノード102dのシートID310のそれぞれのマーケットチャネルの取引台帳104を検索することによって行われる。
【0212】
売り手ノード102aまたは買い手ノード102bが取引情報ブロック401(例えば、図18)において識別された1つまたは複数の条件430を満たすことができない場合、または取引システム101のいくつか実施形態は、フィールド570で識別された1つまたは複数の適用可能な不測の事態を実行するか、あるいは売り手ノード102aおよび買い手ノード102bが取引情報ブロック401を修正してステップ635で代替案を行うことを可能にする。分散台帳104における修正された取引の公表は、バリデーションノード102dに、条件430または対応する取引情報ブロック401の他の態様が変更されたことを通知し、評価機関ノード102fに変更を売り手ノード102aまたは買い手ノード102bの将来の信用度スコアに変更をする機会を提供する。
【0213】
図10は、履行プロセスの間、フィールド570からのコンティンジェンシーアレンジメントが適用されず、売り手ノード102aがステップ805で条件430の修正されたセットを提案する場合のステップ635の分解図を示す。しかし、当然ながら、買い手ノード102bは、ステップ805で、修正された条件セット430を提案してもよい。
【0214】
図10に示すように、売り手ノード102aは、図15に関して上述したプロセスに類似している、買い手ノード102bによる見直しのために修正された条件430を生成してもよい。ステップ810において、修正された条件430が買い手ノード102bに対して受け入れ可能である場合、いくつかの実施形態によれば、プロセスフローはステップ815に続く。ステップ810において、修正された条件430が買い手ノード102dに受け入れられない場合、いくつかの実施形態によれば、プロセスフローはステップ820に続く。ステップ815で、売り手ノード102aまたは買い手ノード102bのいずれかが、例えば図16に関して上述したプロセスに類似した、修正された購入取引を生成してもよい。いくつかの実施形態では、売り手ノード102aまたは買い手ノード102bのいずれか、または売り手ノード102aおよび買い手ノード102bの両方は、図15および図16について上述したように、相互に受け入れ可能な修正された条件430の合意を承認するために、修正された取引情報ブロック401に電子署名をしてもよい。ステップ825において、いくつかの実施形態によれば、修正された取引情報ブロック401が、分散台帳104に発行される。バリデータノード102dおよびアービタノード102eは、図17および図18に関する上記の議論と同様に、例えば、図18のフィールド450に示されている、取引をステータス“履行済み”に戻すために、修正された取引情報ブロック401にデジタル署名することも要求されることがある。
【0215】
ステップ820で、買い手ノード102bおよび売り手ノード102aは、相互に受け入れ可能な修正された条件430に達するように、代替のアプローチが追求されてよいかを特定する。例えば、いくつかの実施形態では、買い手ノード102bは、売り手ノード102aによる見直しのための代替の修正された条件を提案してもよい。相互に許容可能な修正された条件430に対する合意にステップ820で到達できない場合、アービタノード102eはステップ650で仲裁プロセスを開始してもよい。
【0216】
売り手ノード102aまたは買い手ノード102bが、取引情報ブロック401(例えば、図18)で識別された条件430の1つまたは複数を満たすことができず、フィールド570(例えば、図18)の不測の事態の配置によって指示された修正された条件は、売り手ノード102aと買い手ノード102bとの間のさらなる交渉を必要とせずに、自動的に適用されてもよい。
【0217】
いくつかの実施形態では、バリデータ102d(または、いくつかの実施形態におけるアービタノード102e)は、図7のステップ640で条件430(例えば、図18)の全部または一部が正常に完了したことを通知(例えば、売り手ノード102a、買い手ノード102b、または両方によって更新取引情報ブロック401を生成することによって)、または特定してもよい。この場合、処理はステップ645に進む。一方、履行プロセスの一部またはセグメント(または完了)が、条件430で定義された期間内に発生しない場合、または買い手ノード102bと売り手ノード102aとの間に紛争が発生して履行プロセスの一部またはセグメント(または完了)がある期間内に既に完了している場合、アービタノード102eの仲裁が、ステップ640からパス“N”を介して図7のステップ650で行われてもよい。いくつかの実施形態では、仲裁プロセス650において、アービタノード102eは、満足な結論に達するために売り手ノード102aおよび買い手ノード102bと交渉し、検証取引を作成し、デジタル署名し、分散台帳104に発行する。アービタノード102eがステップ650で満足できる結論に達することができない場合、売り手ノード102aおよび買い手ノード102bは、紛争を解決するため、取引システム101の外部の他のアクションを追及してもよい。
【0218】
いくつかの実施形態では、ステップ645において、バリデータノード102dは、取引情報ブロック401で定義されたオーダー条件430のすべてまたは一部が満たされていることを検証するように構成されてもよい 検証は、任意の時間単位(毎時、毎日、または毎月)で、または標準の請求および報告サイクルに対応する不定期タイムラインに従って実行され、それにより、発生したマイクロ取引を分散台帳104を介して検証してもよい。オーダー条件430が全体的または部分的に満たされている場合、バリデータノード102dは、いくつかの実施形態によれば、ステップ655で検証取引で分散取引台帳104を更新してもよい。いくつかの実施形態では、検証ステップ645はまた、オーダー条件430のすべてまたは一部が満たされた後に、支払いが買い手ノード102bから販売者ノード102aに送信されたことを確認する検証ノード102dを含んでもよい。オーダー条件430のすべてまたは特定の部分が満たされているが、支払いが適時に売り手ノード102aに買い手ノード102bから送られなかった場合(またはエスクローから解放された場合)、仲裁はステップ650で開始されてもよい。検証取引は、例えば、対応するオファー取引(例えば、図13)、相互に納得できる取引(例えば、図16)、履行前検証済み取引(例えば、図17)、履行済み取引(図18)または1つまたはサブコンビネーションまたは組み合わせに関連付けられた取引情報ブロック401に付加されてもよい。いくつかの他の実施形態では、検証取引は、上述のように新しい取引として分散台帳104に記録されてもよい。この場合、検証取引の関連取引440は、他の対応する取引の取引ID410を含むように更新されてもよい。
【0219】
図11は、本発明のいくつかの実施形態によれば、図7のステップ645の特定の実装の詳細なフローチャートを示す。いくつかの実施形態では、ステップ645において、バリデータノード102dは、対応する取引情報ブロック401(例えば、図18)で定義される条件430のすべてまたは特定の部分が満たされたことを検証するように構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、バリデータノード102dは、ステップ646において、対応する取引情報ブロック401(例えば、図18)内の条件560で識別される少なくとも1つの測定指標を特定してもよい。ステップ646で、バリデータノード102dは、条件430の適用可能な測定指標560が売り手ノード102aによって満たされていることを検証してもよい。いくつかの実施形態では、バリデータノード102dは、オーダー条件430のすべてまたは一部が満たされ、全部または部分的な支払いが買い手ノード102bによって(またはエスクローから)売り手ノード102aに解放されることを示す確認取引を生成するように構成される。ステップ648において、バリデータノード102dは、売り手ノード102aがそのような支払いを受け取ったことを検証するように構成されてもよい。そうである場合、いくつかの実施形態によれば、バリデータノード102dは、取引の更新されたステータスを含む取引情報ブロック401を生成し、対応する取引情報ブロック401で指定された条件430が売り手ノード102aおよび買い手ノード102bによって履行されたことを反映するように、分散台帳104を更新してもよい。いくつかの実施形態では、検証取引はステップ655において分散台帳104に公開されて、取引システム101のエンティティまたはノード102に、条件430が履行されたことを通知してもよい。いくつかの実施形態では、購入取引に関連付けられた取引情報ブロック401は、売り手ノード102が購入取引で指定された条件430を完了したことを反映するように更新または修正されてもよい。
【0220】
支払いが売り手ノード102aによって適時に受け取られなかった場合、ステップ650の仲裁プロセスは、アービタノード102eで開始されてもよい。いくつかの実施形態では、評価機関ノード102fは、ステップ655で分散台帳104に公開された検証取引を読み取り、ステップ660において、それに応じて売り手ノード102aおよび買い手ノード102bの評判スコア350を更新する。ステップ660は、評価機関ノード102fが取引台帳104への完全なアクセス権を有し、プロセスのその時点で取引台帳104に記録された情報に基づいて、プロセスの任意の時点で売り手ノード102aおよび買い手ノード102bの評判スコア350を更新することができるので、ステップ655の後に続けて実行されなくてよいことに留意されたい。
【0221】
ここで、ステップ640,645,650、および655の特定の例が、図18の例に関して提供される。これに関して、ステップ640において、売り手ノード102aは、図18の測定指標条件560に応じて、2つのインプレッションが各デバイス108(図4)で発生したことを示す通知を、バリデータノード102dに送信してもよい。いくつかの実施形態では、そのような通知は、売り手ノード102aに修正されることによって発生する、例えば、既に説明したように取引台帳104に投稿された新たに生成された図18の取引情報ブロック401を介して“2インプレッションごとのデバイス”タスクの完了を示すために、取引情報ブロック401の条件560またはその他のデータフィールドを更新する。
【0222】
バリデータノード102dによるそのような通知の受信は、図7のステップ640(すなわち、ステップ640における“Y”)における履行プロセスの一部またはセグメントの完了とみなされてもよい。新しい取引情報ブロック401を生成する売り手ノード102aを介して通知が提供される実施形態のいくつかでは、例えば、図18のブロック401を更新し、バリデータノード102dは、バリデータ102dは、フィールド560における測定指標の確認または完了ステータスへの変化を示すフィールド310におけるバリデータノード102dのシートIDを含むフィールド450の“履行済み”のステータスの取引について(例えば、そのTS105を介して)台帳104を監視または定期的に検索することにより、そのような新しいブロック401を認識してもよい。
【0223】
図11のステップ646では、いくつかの実施形態では、バリデータノード102dは、測定指標条件560が実際に満たされているか、または完了しているか、すなわち、2つのインプレッションが図18の例における各デバイス108で発生したか、を独立に検証するように構成される。いくつかの実施形態では、バリデータノード102dは、売り手ノード102aの広告サーバ107に関連付けられたデータへの独立した秘密のアクセスを介して、そのような検証を実行するように構成されてもよい。例えば、広告サーバ107がインプレッション動作の記録を保持する場合、バリデータノード102dは、そのような記録にアクセスし、一貫性のためにそれを見直すように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ステップ646(またはステップ645)の検証は、暗号化製品またはサービス識別子(例えば、図18のフィールド520内の)を復号するための秘密復号鍵を使用するバリデータノード102d、またはそれぞれの取引情報ブロック401における、上で説明したような、他の復号された情報を含んでもよい。したがって、いくつかの実施形態では、取引情報ブロックセット(例えば、図18のブロック401を含む)は、バリデータノード(例えば、102d)のデータ処理デバイスシステム(例えば110)に関連付けられたデジタル署名(図18のフィールド435内の)およびアービタノード(例えば、102e)のデータ処理デバイスシステム(例えば、110)を含んでもよい。これに関して、いくつかの実施形態では、バリデータノード(例えば、102d)のデータ処理デバイスシステムは、プログラムによって、そのような製品識別子を暗号化するために使用されたバリデータノードに関連付けられた公開暗号鍵に対応する秘密復号鍵に応じて、暗号化製品識別子(例えば、図18のフィールド520内の)を復号するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、バリデータノード(例えば、102d)のデータ処理デバイスシステムは、プログラムによって、復号された製品識別子を利用して、少なくとも1つの取引条件のサブセット(例えば、フィールド図18の430)が履行されるように構成されてもよい。
【0224】
バリデータノード102dが測定指標条件560の満足度を検証することができると仮定すると、すなわち、図18の例では各デバイス108で2つのインプレッションが発生したと仮定すると、バリデータノード102dは、例えば、条件560または図18の取引情報ブロック401の他の何らかのデータフィールドが、前述のように1つまたは複数の他のノード102に通知するために取引台帳104に投稿された新たに生成された取引情報ブロック401を介して"各デバイスに2インプレッション"タスクの完了を確認したことを示すように、例えば、バリデーションノード102dが修正することによって、ステップ646で成功インジケーションまたは通知を送信するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、アービタノード102eであるエスクロエージェントノード102は、この新たに生成された取引情報ブロック401を検出し、エスクロー保有資産の対応する放出を指示するか、または図18の例における条件560に従って売り手ノード102aへの支払いの半分のような、エスクロー保持資産の対応する放出を引き起こす。これに関して、図11のステップ647において、バリデータノード102dは、オーダー条件430の部分的な完了の検証を示す更新ステータス450を有する新しい取引情報ブロック401を生成してもよい。バリデータノード102dが、ステップ648で、売り手ノード102aがエスクロー支払いの部分的な放出を受け取ったことを売り手ノード102aと確認した場合、バリデーションノード102dは、ステップ655において、売り手ノード102aによる支払いに成功した受領と同様に、オーダー条件430の部分的な完了の確認を示す更新されたステータス450を有する別の新しい取引情報ブロック401を生成し、投稿してもよい。
【0225】
図11の上記説明を考慮して、いくつかの実施形態では、第1のデータ処理デバイスシステム(例えば、バリデータノード102dの110)は、第1のプロセッサアクセス可能メモリに格納されたプログラム(例えば、少なくともそのTS105)を介して、在庫取引に関連付けられた特定の取引情報ブロック(例えば、フィールド450における"履行済み"ステータスの401、フィールド310におけるバリデータノード102dのシートIDは、フィールド560における測定指標の検証または完了状態への変化を示す)に対するそれぞれのマーケットチャネルに関連付けられた取引台帳104の少なくとも一部の検索を引き起こすように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第1のデータ処理デバイスシステム(例えば、バリデータノード102dの110)は、プログラムを介して、特定の取引上違法ブロックにおける1つまたは複数の取引条件(例えば、フィールド430)に基づいて少なくとも1つの測定指標(例えば、フィールド560)を識別し、少なくとも1つの測定指標を測定し、見直し、分析し、または検証することによって在庫取引のステータスを特定するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第1データ処理デバイスシステム(例えば、バリデータノード102dの110)は、プログラムを介して、生成された更新取引情報ブロック401(例えば、更新されたステータスフィールド450による)において、特定された在庫取引のステータスを含むように構成されてもよい。
【0226】
いくつかの実施形態では、第1のデータ処理デバイスシステム(例えば、バリデータノード102dの110)は、プログラムを介して、少なくとも1つの測定指標に応じて1または複数の取引条件が満たされた場合において、部分的に成功して完了した在庫取引のステータスを特定するように構成されてもよい。上記の例では、バリデータノード102dは、例えば図18の条件560で識別される"各デバイスに2インプレッション"のタスクの完了を確認したことに応答して、部分的に、しかし完全には完了していなステータスを特定する。バリデータノード102dが、例えば、4つのインプレッションのすべてが、図18の条件550ごとに各デバイスで発生したと特定した場合、バリデータノード102dは、完全に正常に完了したステータスを特定するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第1のデータ処理デバイスシステム(例えば、バリデータノード102dの110)は、プログラムを介して、在庫取引のステータスが少なくとも部分的に正常に完了したと特定したことに応答して、第1の取引情報ブロック401に関連付けられたデジタル署名を有する特定の取引情報ブロック401に基づいて、更新取引情報ブロック401を生成するように構成されてもよい。例えば、バリデータノード102dは、少なくとも部分的に完了したステータスを示すために条件450(例えば、図18)を修正し、最も最近のデジタル署名をフィールド435(例えば、図18)に追加する更新取引情報ブロック401を生成してもよい。いくつかの実施形態では、第1のデータ処理デバイスシステム(例えば、バリデータノード102dの110)は、プログラムを介して、生成された更新取引情報ブロックを、システム101の1つまたは複数の他のデータ処理デバイスシステム(例えば、110)に、通信ネットワーク(例えば、153,103)を通じて、第1の入出力デバイスシステム(例えば、バリデータノード102dの120)を介して送信するように構成されてもよい。
【0227】
いくつかの実施形態では、別のデータ処理デバイスシステム(例えば、アービタノード102eの110)は、それぞれのプロセッサアクセス可能なメモリデバイスシステム(例えば、アービタノード102eの130)に格納されたプログラムを介して、それぞれのマーケットチャネルに関連付けられた取引台帳104の少なくとも一部のローカルコピーから、デジタル署名された特定の取引情報ブロック(例えば、アービタノード102eのフィールド310のシートIDを含む取引情報ブロック401および適用可能な測定指標に応じて(例えば、フィールド560において)、条件の部分的または完全な完了を検証したバリデータノード102dのインジケーション)を識別するように構成されてもよい。これに関して、このような他のデータ処理デバイスシステム(例えば、アービタノード102eの110)は、プログラムを介して、識別されたデジタル署名された特定の取引情報ブロックの分析に基づいて少なくとも部分的に成功で完了した在庫取引のステータスを特定するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、そのような他のデータ処理デバイスシステム(例えば、アービタノード102eの110)は、プログラムを介して、いくつかの実施形態によると、在庫取引が少なくとも部分的に成功で完了したことを特定したことに応答して、命令セット(例えば、通知または命令、例えばエスクロー機関、アービタノード102eとは異なるノード102であってもよいし、いくつかの実施形態では、アービタノード120e自身であってもよい)であって、在庫取引と関連付けられた資産の放出を指示(例えば、部分的に完了した場合の支払い、完全に完了した場合のすべてのエスクロー保有資産の完全な放出など、一部ではなくすべてのエスクロー保有資産の放出)する命令セットを、送信してもよい。
【0228】
いくつかの実施形態では、第1のデータ処理デバイスシステム(例えば、バリデータノード102dの110)は、バリデータノード102dによって実行された検証で障害が発生した場合、プログラムを介して、少なくともステップ645の一部として、障害のインジケーションまたは通知を送信するように構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、第1のデータ処理デバイスシステム(例えば、バリデータノード102dの110)は、プログラムを介して、少なくとも1つの測定指標に応じて1または複数の取引条件が満たされていない場合、故障ステータスとして在庫取引のステータスを特定してもよい。図18の例を続け、バリデータノード102dは、取引台帳104内の売り手ノード102aからの指示に反して、"各デバイスの2インプレッション"のタスクが正常に完了したことを確認できない場合、バリデータノード102dは、条件450(例えば)を対応する測定指標(例えば、条件560)または他の条件(430)が失敗ステータスを示すように修正し、最も最近の電子署名をバリデータノード102dのフィールド435(図18)に追加した更新取引情報ブロック401を生成してもよい。売り手ノード1002aは、必要に応じて、取引台帳104内のこの更新取引情報401を検出し、図7のステップ650で是正措置を取るか、仲裁に進んでもよい。アービタノード102eは、例えば仲裁のイベントにおいて、この更新取引情報401を検出してもよい。取引(フィールド570を介して)において不測の事態が指定されている場合、アービタノード102eは、少なくともそれぞれのマーケットチャネルに関連付けられた取引台帳のそれぞれの部分のアービタノードのローカルコピーから識別し、そして、在庫取引に関連付けられた不測の事態のような失敗状態ステータスを識別したことに応答して、取引台帳104においてこの更新取引情報401を検出してもよい。これに関して、いくつかの実施形態では、アービタノード102eは、不測の事態の取り決めに応じて在庫取引に関連付けられた資産の処理を指示する命令セットを送信するように構成されてもよい。図18のフィールド570において、すべてのインプレッションが日付“Z”によって配信されなかった場合、アービタノード102eは、それ自体または他の適用可能なノード102(例えば、エスクロー機関)に、このそれぞれの取引では価格が10%削減する必要があることの通知または命令を送信してもよい。
【0229】
本発明の発明者は、いくつかの状況では、バリデータノード102dおよびアービタノード102eの構成を、バリデータノード102dが取引の成功または失敗を検証し、アービタノード102eが紛争を解決して資産の放出を制御するように区別することが有益であることを認識した。このような構成の分割は、バリデータノード102dに資産制御からの独立性を提供し、バリエータノード102dが、状況によっては、取引の成功または失敗をより独立して検証することができるようにする。
【0230】
図12は、いくつかの実施形態による図7のステップ650の特定の実装の詳細なフローチャートを示す。図12のステップ651では、いくつかの実施形態によれば、アービタノード102eは、分散台帳104に格納されたアービタノード102eのフィールド310に、シートIDを有する取引情報ブロック401(例えば、図18)の条件430または他の態様を読み取る。いくつかの実施形態では、アービタノード102eは、取引が仲裁中であることを反映するために、分散台帳104内の取引(例えば、それぞれの取引情報ブロックセットを介して)のステータス450を更新する。ステップ653において、いくつかの実施形態によれば、アービタノード102eは、売り手ノード102aおよび買い手ノード102bとやりとりして、仲裁プロセスの終了を交渉する。仲裁プロセスが完了すると、アービタノード102eは、いくつかの実施形態によると、例えば、分散台帳104のそれぞれの取引情報ブロックセット内の以前の取引情報ブロック401にリンクされた新しい取引情報ブロック401を結論付きで生成することによって、取引を更新する。いくつかの実施形態では、評価機関ノード102fは、分散台帳104に投稿された結論を読み取り、それに応じて売り手ノード102aおよび買い手ノード102bの評判スコア350を更新する。いくつかの実施形態では、アービタノード102は、結論を記録するために、検証取引を修正する。
【0231】
上記の様々な実施形態のサブセットまたは組み合わせは、さらなる実施形態を提供する。上記の詳細な説明を考慮して、これらのおよび他の変更を様々な実施形態に行うことができる。一般に、使用される条件は、本発明を明細書および特許請求の範囲に開示された特定の実施形態に限定するものと解釈されるべきではなく、いずれかの請求項によるすべてのタイプの取引システムを含む他のシステムを含むと解釈されるべきである。さらに、上述した実施形態のいくつかは広告システムの文脈内で説明されているが、他の実施形態は、取引交換機または他の取引システムに適用され、記載された利点または特徴は有益であることが判明するであろう。したがって、本発明はこの開示に限定されず、その代わりにその範囲は請求項によって完全に決定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19