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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-30
(45)【発行日】2023-09-07
(54)【発明の名称】油圧ホース保持装置および掘削方法
(51)【国際特許分類】
   E02D 7/00 20060101AFI20230831BHJP
   E21B 4/02 20060101ALI20230831BHJP
   E02D 7/20 20060101ALI20230831BHJP
   E02D 13/00 20060101ALI20230831BHJP
【FI】
E02D7/00 A
E21B4/02 Z
E02D7/20
E02D13/00 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019136340
(22)【出願日】2019-07-24
(65)【公開番号】P2021021196
(43)【公開日】2021-02-18
【審査請求日】2022-06-08
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 発明を使用した日 平成31年3月25日, 使用した場所 徳島県徳島市東沖洲地先から新町川, 工事名称 平成29-31年度 新町川橋下部(その1)工事
(73)【特許権者】
【識別番号】593187397
【氏名又は名称】株式会社横山基礎工事
(74)【代理人】
【識別番号】100166039
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 款
(72)【発明者】
【氏名】横山 弘介
【審査官】小倉 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-327614(JP,A)
【文献】特開2001-090466(JP,A)
【文献】特開平07-055082(JP,A)
【文献】特開2012-012839(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 7/00
E21B 4/02
E02D 7/20
E02D 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧式掘削装置に接続された、複数本を並列させるようにして組み合わせて束ねた油圧ホースを保持するための装置であって、
上下方向で移動可能に構成された、クレーン吊り下げ式の可動シーブ装置と、
現場の状況に応じて地上側の任意の位置に設置可能であって、必要に応じてその設置位置を変更可能な固定シーブ装置と、
前記油圧ホースを掴んで保持するための油圧ホース保持部と、
油圧源と前記可動シーブの間に位置する前記油圧ホースを前記油圧ホース保持部を介して引っ張るように設けられ、油圧式掘削装置の掘進に伴って増大する鉛直方向下向きの引張力に対抗して油圧ホースを引っ張るための引っ張り装置と、
を有しており、
前記可動シーブ装置と前記固定シーブ装置との間に、複数本を並列させるようにして組み合わせて束ねた前記油圧ホースを掛け渡すことができるように構成されている、ことを特徴とする油圧ホース保持装置。
【請求項2】
前記可動シーブ装置は、油圧ホースを掛け回すシーブを複数有している、
ことを特徴とする請求項1に記載の油圧ホース保持装置。
【請求項3】
前記固定シーブ装置は、
油圧ホースを掛け回すシーブと、
前記シーブを保持し、クレーン旋回に追随して方向を変えられるように構成されたシーブ保持部と、を有している、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の油圧ホース保持装置。
【請求項4】
前記可動シーブ装置には、
油圧ホースおよびクレーンワイヤーを保護するためのカバーが取り付けられている、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の油圧ホース保持装置。
【請求項5】
前記油圧ホースに代わって引っ張り力を受けるように設けられ、該油圧ホースを保護するための油圧ホース保護手段を有している、
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の油圧ホース保持装置。
【請求項6】
請求項1に記載の油圧ホース保持装置と掘削装置を用いた掘削方法であって、
クレーン吊り下げ式の掘削装置を掘削孔に繰返し出し入れする掘削方法において、
掘削装置が下降するときには、可動シーブ装置と固定シーブ装置とで保持する油圧ホースの長さが短くなるように、クレーン吊り下げ式の可動シーブ装置を固定シーブ装置に近づけ、
掘削装置が上昇するときには、可動シーブ装置と固定シーブ装置とで保持する油圧ホースの長さが長くなるように、クレーン吊り下げ式の可動シーブ装置を固定シーブ装置から遠ざける、
ことを特徴とする掘削方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧式掘削装置を用いた掘削施工で用いられる装置であって、該掘削装置に接続された油圧ホースを整列した状態で保持するための装置に関するものであり、また、
本発明は、この油圧ホース保持装置と油圧式掘削装置を用いた掘削方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ケーシングパイプや鋼管矢板などの鋼管類を圧入するに際し、該鋼管類の内側に掘削装置を挿入して中掘り掘削を行う工法が従来より一般的に用いられている。中掘りとは、図11に示すように、鋼管類の内側に掘削装置を挿入して該鋼管類の内側またはその下方の掘削を行う掘削方法である。そのような掘削方法の一例が、特許文献1(実用新案登録第3145827号)に開示されている。
【0003】
特許文献1に開示された中掘り用の掘削装置(中掘り装置)は、油圧駆動式の掘削装置であって、クレーンで吊り下げた状態で用いるものであり、図12の拡大図に示すとおり、
・掘削土を内部に取り込んで一時的に格納しておくカプセルパイプ61、
・カプセルパイプ61の内側で回転可能に設けられたスクリュー62、
・このスクリュー62を回転させるための回転駆動装置63、
などを有している。
【0004】
この油圧駆動式の掘削装置6は、図11に概略的に示すとおり、複数本の油圧ホース3を介して、作動油供給源である油圧ユニット5に接続されている。すなわち、掘削装置6は、油圧ユニット5から油圧ホース3を介して作動油(圧油)の供給を受け、この作動油を利用して作動するように構成されている。
【0005】
掘削装置6のカプセルパイプ61(掘削土格納部)内には、中掘りの進行に伴って掘削土が取り込まれ、孔外へ排出するまでの間、該掘削土が格納される。スクリュー62は、カプセルパイプ61内に取り込まれた掘削土をリフトアップさせるとともに、そのスクリューフィン64により掘削土をカプセルパイプ61内に閉じ込める役割を担う。スクリューの軸65の上端側は、回転駆動装置5に接続されている。
【0006】
上記構成の掘削装置を用いた中掘りでは、例えば図11に示すように、掘削装置6をクレーンで吊り下げて、打設対象の鋼管類の内側(掘削孔)に挿入し、孔底において掘削装置を油圧により作動させて、該鋼管類の内側またはその下方を掘削する。
【0007】
そして、掘削装置による中掘りを続けてカプセルパイプ61の容量が一杯になったら、クレーンで掘削装置6をいったん引上げて、鋼管類の外側に移動させる。そして、クレーンを所定位置に旋回させた後、予め定めた排土ベッセル等の排土位置の上方でスクリュー62を逆回転させて、カプセルパイプ61内に収納された掘削土を該カプセルパイプから排出(排土)させる。
【0008】
そして、カプセルパイプ61からの排土が完了したら、再び、掘削装置6をクレーンで吊り下げて鋼管類の内側に挿入し、鋼管類の内側またはその下方を掘削する。
【0009】
すなわち、上述した掘削装置6を用いた中掘りでは、次の一連の工程(挿入→掘削→引上→排土)を何度も繰り返すことで、鋼管類の内側またはその下方の掘削を所定の深度に達するまで行う。
【0010】
・鋼管類内への掘削装置6の挿入

・鋼管類の内側またはその下方の掘削(中掘り)

・掘削装置6の引上げ

・鋼管類の外での排土
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】実用新案登録第3145827号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述したような油圧駆動式の掘削装置(中掘り装置)を用いた中掘り掘削では、油圧ユニットに連結された油圧ホースを随伴した状態で、掘削装置を鋼管類に対し繰返し出し入れし、「挿入→掘削→引上→排土」の一連の工程を繰り返す必要がある。
しかしながら、油圧ホースを随伴した掘削装置を繰り返し出し入れする施工(中掘り掘削)において、掘削装置に繋がる油圧ホースを何らハンドリングしない場合には、掘削装置の出し入れの繰り返しの過程で、油圧ホースが損傷を受ける可能性がある。
【0013】
また、例えば図11に概略的に示すように長尺のケーシングパイプを打設するといった、いわゆる長尺施工、例えば、大深度の掘削に対して掘削装置を繰り返し出し入れする施工の場合(すなわち長尺のケーシングパイプないし杭材の内部の掘削を行う場合)には、長い油圧ホースを利用する必要がある。
したがって、必然的に掘削装置に繋がる油圧ホースが長くなるとともに、内部を流通する作動油の重みが増すこともあって、そのような施工の場合、油圧ホースの取り回しが著しく厄介なものとなる。
例えば、80mの中掘り掘削を行うためには、80m+余長(10~20m)の100m程度の油圧ホースが油圧ユニットと掘削装置の間に介在することになる。そして、掘削装置が80mの孔底に至った時点では、余長のみが地上に残っているが、前述したように掘削装置を、都度出し入れする場合、100mにもおよぶ油圧ホースが地上にごちゃごちゃと蜷局を巻いた様な状態になり、それを引きずって排土等を行わなければならないため、油圧ホースのハンドリングがより一層困難なものとなる。
【0014】
また、掘削装置の多くの部位の基本動作に対し油圧力を必要とする場合には、該掘削装置に油圧ホースを複数本接続する必要があり、これらの油圧ホースの長さが長尺になると、油圧ホース全体が嵩張って(また作動油の重みが加わることもあって)重量が著しく大きなものとなる。
そして、このように長尺で大重量の複数本の油圧ホースを束ねたものが、掘削装置をケーシングパイプに対し出し入れするたびに、地面で引きずられることになり、その際に受ける抵抗によって油圧ホースが外れる虞があり、また、油圧ホースを地面で引きずると、地面との擦り傷により、破裂に繋がる虞がある。
また、掘削装置に連結する油圧ホースが複数本で長尺になると、ホース(+作動油)の重量が増すために、施工の過程で油圧ホースに強い引張力がかかり、伸びが発生して破損や短命化の原因となる虞がある。
さらに、このように大重量で長尺の油圧ホースが、掘削装置をケーシングパイプに対し出し入れするたびに、地上で不規則に振り回されることになり、周辺の作業員に危険が及び、また、周囲に置いてある機材が荒らされて危害が及ぶ虞もある。
【0015】
そこで上述した従来技術の問題点に鑑み、この出願の発明の目的は、
油圧式掘削装置を用いた掘削施工において、掘削装置に接続された油圧ホースを良好な状態に保ち、
油圧ホースが地上の施工現場を荒すことがないように該油圧ホースをハンドリングすることが可能で、
油圧ホースの長さにかかわらず、(たとえ油圧ホースが長尺になっても)該油圧ホースのハンドリングを容易にする、
油圧ホース保持装置および掘削方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的は、
油圧式掘削装置に接続された油圧ホースを保持するための装置であって、
上下方向で移動可能に構成された、クレーン吊り下げ式の可動シーブ装置と、
(施工現場に応じて)任意の位置に設置可能な固定シーブ装置と、を有しており、
前記可動シーブ装置と前記固定シーブ装置との間に油圧ホースを掛け渡すことができるように構成されている油圧ホース保持装置によって達成される。
【0017】
上記油圧ホース保持装置において、可動シーブ装置は、油圧ホースを掛け回すシーブを複数有していてもよい。
【0018】
また、上記油圧ホース保持装置が具備する固定シーブ装置は、
油圧ホースを掛け回すシーブと、
前記シーブを保持し、クレーン旋回に追随して方向を変えられるように構成されたシーブ保持部と、を有していてもよい。
【0019】
また、上記油圧ホース保持装置が具備する可動シーブ装置には、
油圧ホースおよびクレーンワイヤーを保護するためのカバーが取り付けられていてもよい。
【0020】
また、上記油圧ホース保持装置は、油圧源と可動シーブの間に位置する油圧ホースを引っ張るための引っ張り装置を有していてもよい。
【0021】
また、上記油圧ホース保持装置は、油圧ホースを保護するための油圧ホース保護手段を有していてもよい。この油圧ホース保護手段は、(油圧ホース保護手段が無ければ)油圧ホースが受けることになる引っ張り力を、該油圧ホースに代わって受けるように設けられる。
【0022】
また、前述した目的は、
上記特徴を具備する油圧ホース保持装置と掘削装置を用いた掘削方法であって、
クレーン吊り下げ式の掘削装置を掘削孔に繰返し出し入れする掘削方法において、
掘削装置が下降するときには、可動シーブ装置と固定シーブ装置との間で保持する油圧ホースの長さが短くなるように、クレーン吊り下げ式の可動シーブ装置を固定シーブ装置に近づけ、
掘削装置が上昇するときには、可動シーブ装置と固定シーブ装置との間で保持する油圧ホースの長さが長くなるように、クレーン吊り下げ式の可動シーブ装置を固定シーブ装置から遠ざける、
ことによって達成される。
【発明の効果】
【0023】
本発明の油圧ホース保持装置は、主として、クレーン吊り下げ式の可動シーブ装置と、地上設置式の固定シーブ装置とで構成される。
油圧式の掘削装置を用いた掘削施工において、このような油圧ホース保持装置を併用することで、掘削装置に接続された油圧ホースのハンドリングが可能になる。
また、本発明において、固定シーブ装置は、(例えばクレーン設備等に対し恒久的に取り付けられているものではなく)、現場の状況に応じて、地上側の任意の位置に設置することができる。すなわち、必要であれば、その設置位置を変更することもできる。そのため、可動シーブ装置と固定シーブ装置との間に掛け渡す油圧ホースが、掘削装置を用いた掘削施工の邪魔にならないように(好ましくは掘削装置等に過度に接触しないように)、ハンドリングすべき油圧ホースの状態(位置、向き、傾きなど)を最適化することができる。
特に、クレーンと掘削位置との間に離隔がある施工条件下では、クレーンブームの起伏が必要になるが、本発明では固定シーブ装置を地上側の任意の位置に設置するので、クレーンブームの起伏などの諸条件を考慮して、可動シーブ装置と固定シーブ装置の位置関係(両者の間で保持する油圧ホースの状態)を最適化することができる。
また、本発明において、可動シーブ装置は単にクレーンで吊り下げるだけで利用可能であり、また、固定シーブ装置は(クレーンに固定するものではなく)地上設置式であるため、本発明の利用にあたっては、既存のクレーン設備に対し何ら改造(例えばクレーン設備への固定シーブ装置の取り付けなど)を加える必要がなく、既存のクレーン設備の状態のままで、本発明を利用することができる。
【0024】
また、本発明の油圧ホース保持装置は、油圧ホースを掛け回す複数のシーブを有している。これらの複数のシーブを順に経由するように、油圧ホースを掛け回す。
これにより、可動シーブ装置と固定シーブ装置との間で保持する油圧ホースの長さを長く確保することができる。その結果、油圧ホース保持装置から、必要に応じて長尺の油圧ホースを繰り出すことが可能となるので、本発明によれば、油圧駆動式の掘削装置を用いた長尺で大深度の掘削施工にも対応することができる。
すなわち、本発明では、使用するクレーンのブーム長から規定される可動シーブ装置の上下動する可動範囲に対して、可動シーブ装置に油圧ホースを掛け回す複数のシーブを設けていることで、保持できる油圧ホース長は、少なくとも可動範囲相当分の長さを掛け回すことで増大させることが可能となる。
その結果、例えば大深度(従って長尺)のケーシングパイプを打設する際の中掘り掘削では、掘削装置に連結する油圧ホースが長くなり、そのハンドリングが難しくなるのに対して、クレーンのブーム長を必要に応じて長尺化することにより、それに比例して長尺化した移動範囲(長さ)が得られるメリットを、更に、掛け回すことで増大させることができることにより、相当分の長尺の油圧ホースを保持できるため、長尺の油圧ホースのハンドリングが容易となる。
同様に、例えば、一定の空頭制限が生じていてクレーンブームの長尺化が制限される場合にあっても、現場で許容されるブーム長から得られる可動シーブ装置の移動範囲(長さ)内で掛け回すことで、最大限に増大させた長さの油圧ホースを保持できる。
【0025】
また、本発明の油圧ホース保持装置において、固定シーブ装置は、クレーン旋回に追随して方向を変えられるように構成されたシーブ保持部を有している。これにより、地上側に設置した固定シーブが、平面的(水平方向に)に回転することができる(すなわち首振りができる)。したがって、保持する油圧ホースが、クレーンの旋回動作に対し自由に向きを変えることができるようになるので、油圧ホースの捩れなどが抑制され、油圧ホースを傷めることがない。
【0026】
また、本発明の油圧ホース保持装置において、可動シーブ装置には、油圧ホースやクレーンワイヤーを保護するためのカバーが取り付けられている。これにより、油圧ホースやクレーンワイヤーを施工時に傷めることがない。
【0027】
また、本発明の油圧ホース保持装置において、油圧ホース保持装置は、油圧源と可動シーブの間に位置する油圧ホースを引っ張るための引っ張り装置を有していてもよい。この引っ張り装置は、油圧源と可動シーブの間に位置する油圧ホース(いずれかの部位)を掴んで継続的に引っ張り力を印加する。これにより、油圧ホース保持装置による油圧ホースのハンドリング性が更に良好になる。
【0028】
また、本発明の油圧ホース保持装置は、油圧ホースを保護するための油圧ホース保護手段を有していてもよい。この油圧ホース保護手段は、(油圧ホース保護手段が無ければ)油圧ホースが受けることになる引っ張り力(テンション)を、該油圧ホースに代わって受けるように設けられる。このような油圧ホース保護手段を設けることで、掘削施工の際に引っ張り力の多くが油圧ホース保護手段によって受け止められるので、該引っ張り力によって油圧ホースが破断しないように保護することができる。
【0029】
また、油圧ホース保持装置を用いた本発明の掘削方法では、
掘削装置が下降するときには、可動シーブ装置と固定シーブ装置との間で保持する油圧ホースの長さが短くなるように、クレーン吊り下げ式の可動シーブ装置を固定シーブ装置に近づけ、
掘削装置が上昇するときには、可動シーブ装置と固定シーブ装置との間で保持する油圧ホースの長さが長くなるように、クレーン吊り下げ式の可動シーブ装置を固定シーブ装置から遠ざける。
これにより、掘削孔に対してクレーン吊り下げ式の掘削装置を頻繁に繰返し出し入れするといった、中掘りなどの掘削施工において、長尺で大重量の油圧ホースをハンドリングすることが容易になり、油圧ホースを保護できることは勿論のこと、油圧ホースによって施工現場が荒らされることがなく、施工現場の安全を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1A】油圧式掘削装置と油圧ホース保持装置を併用した掘削施工(掘削時)の様子を示す側面図であって、一部を透視図で示す。
図1B】油圧式掘削装置と油圧ホース保持装置を併用した掘削施工(排土時)の様子を示す側面図であって、一部を透視図で示す。
図2A図1Aの側面図に対応する平面図であって、油圧式掘削装置と油圧ホース保持装置を併用した掘削施工(掘削時)の様子を示す平面図である。
図2B図1Bの側面図に対応する平面図であって、油圧式掘削装置と油圧ホース保持装置を併用した掘削施工(排土時)の様子を示す平面図である。
図3】油圧ホース保持装置が具備する「可動シーブ装置」を示す側面図(透視図)と平面図である。
図4】油圧ホース保持装置が具備する「固定シーブ装置」を示す側面図(透視図)と平面図である。
図5】固定シーブ装置の設置態様の別の例を示す側面図である。
図6】油圧ホース保持装置が具備する「油圧ホース保護装置」を示す側面図(透視図)と平面図である。
図7】油圧ホース保持装置が具備する可動シーブ装置と固定シーブ装置のレイアウト及び保持するシーブの数の一例を概略的に示す側面図である。
図8】油圧ホース保持装置が具備する可動シーブ装置と固定シーブ装置のレイアウト及び保持するシーブの数の別の例を概略的に示す側面図である。
図9】油圧ホース保持装置が具備する可動シーブ装置と固定シーブ装置のレイアウト及び保持するシーブの数の別の例を概略的に示す側面図である。
図10】油圧式掘削装置を用いた掘削施工における油圧ホース保持装置の動作を概略的に示す概念図である。
図11】油圧式掘削装置を用いた従来の掘削施工の様子を示す側面図である。
図12】油圧式掘削装置の構成を概略的に示す側面図であって、一部を透視図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(油圧ホース保持装置の構成)
はじめに、図1図4に基づいて、油圧ホース保持装置の構成について説明する。
【0032】
油圧ホース保持装置は、油圧駆動式の掘削装置を用いた掘削施工で用いられる装置であって、該掘削装置に接続された油圧ホースを保持してハンドリングするための装置である。本発明に関しこの出願で言及する油圧ホースには、1本の油圧ホースで構成されるものが含まれるのは勿論のこと、並列させた複数本の油圧ホースの組み合わせ、すなわち複数本の油圧ホースを束ねたもので構成されるもの(油圧ホース群)も含まれる。
【0033】
油圧駆動式の掘削装置6については、その一例を図12との関係で説明したので、本実施形態ではその説明を省略するとともに、油圧駆動式の掘削装置の具体例として図12に係る説明を援用する。
【0034】
本実施形態の油圧ホース保持装置は、
上下方向で向かい合う一対のシーブ装置として、
・クレーン吊り下げ式で、空中に位置する可動シーブ装置1(吊りシーブ装置)と、
・地上側の任意の位置に設置される固定シーブ装置2(地上シーブ装置)を、
有している。
【0035】
この油圧ホース保持装置は、可動シーブ装置1と固定シーブ装置2の相対距離に応じて、保持する油圧ホースの長さを変えることができるように構成されている。
【0036】
油圧ホース保持装置が具備する「可動シーブ装置1」は、クレーン設備が具備するワイヤーロープ71やフック72を利用して吊り下げることができるように構成されている。したがって、可動シーブ装置1は、クレーン設備のワイヤーロープ71を繰り出したり巻き上げたりすることで、上下方向(鉛直方向に限らず、傾斜した上下方向を含む)で移動可能であることは勿論のこと、クレーン設備の旋回やブームの起伏などを利用して、あらゆる方向に自在に移動させることができる。
【0037】
この可動シーブ装置1は、図1図3に示すように、
・油圧ホースを掛け回すことが可能で、回転軸が異なる複数のシーブ11,12と、
・これらの複数のシーブをそれぞれ回転自在な状態で保持するシーブ保持部13と、
有している。
【0038】
可動シーブ装置1が具備する複数のシーブは、それぞれ回転軸が異なり、独立して回動可能に設けられている。本実施形態では、回転軸が異なる複数のシーブの一例として、第1のシーブ11と第2のシーブ12が可動シーブ装置1に設けられている。これらの異軸の複数のシーブに対し、油圧ホース3を順に掛け回す。すなわち、異軸の複数のシーブを順に経由するように、各シーブに対し油圧ホース3を掛け回す。
【0039】
シーブ保持部13は、回転軸が異なる複数のシーブをそれぞれ回転自在に保持できれば、その形状等の具体的構成は特に限定されない。例えば、十分に剛性のあるブラケット(腕木)でシーブ保持部を構成してもよい。この場合、可動シーブ装置1が具備する複数のシーブを、図7図9に概略的に図示する様に、ブラケット(腕木)を介して列状に配置された状態で一体的に連結(保持)してもよい。
【0040】
また、本実施形態では、シーブ保持部13は、油圧ホースやワイヤーロープを保護するためのカバーとしても機能するように構成されている。なお、前述したようにブラケット(腕木)でシーブ保持部を構成する場合には、油圧ホースやワイヤーロープを保護するカバーは、当該ブラケット(腕木)と一体的に構成されていてもよい。
【0041】
なお、油圧ホース保持装置によって、複数本(並列)の油圧ホースを保持してハンドリングする場合には、複数本の油圧ホースを一つの束に結束したものを、シーブ11,12に掛け回すようにしてもよい。
しかしながら、長尺で(例えば100mに及ぶ長さで)複数本の油圧ホースをシーブ11,12に掛けるときには、長尺で複数本になった分だけホース(+作動油)の重量が増す。そのため、油圧ホースを束ねたものをシーブ11,12に掛けるとシーブ側とその反対側で円弧の長さ(R部の長さ)が変わるため、外側に位置するホースに強く引張力がかかり、伸びが発生して破損や短命化の原因となる。すなわち、油圧ホースが複数本で長尺化することで、より負担が多くかかりやすくなるといった懸念がある。
そこで、可動シーブ装置1に設けるシーブ11,12は、図3の側面図に示すように、それぞれ、多連式(複車式)のシーブ(同軸の複数の個別シーブの組み合わせ)で構成することも可能である。
例えば、9本の油圧ホース(9本で1セットの油圧ホース)を保持する場合には、同軸の9個の個別シーブを多連式(複車式)に組み合わせたもので、シーブ11,12をそれぞれ構成し、各個別シーブに1本ずつ単独で(個別に)油圧ホースを掛け回すようにしてもよい。このように、油圧ホースが複数本で長尺化する場合でも、油圧ホースを1本ずつ個別シーブに(同軸の各個別シーブに対して別々に)掛け回すことで、上述した油圧ホースの破損や短命化のリスクが減ずる。
【0042】
可動シーブ装置1と対をなす「固定シーブ装置2」は、現場の状況に応じて、地上側の任意の位置に設置される。この固定シーブ装置2は、例えばクレーン設備等に対し(移動不可能に)恒久的に取り付けられているものではなく、現場の状況に応じて、任意の位置に設置されるものである。したがって、施工時に必要に応じて、その設置位置を変更することもできる。
ここでいう「地上」または「地上側の任意の位置」とは、必ずしも地盤の真上に限られるものではなく、すでに設置済みの構造物(例えば既設の鋼管矢板や仮桟橋による作業構台他、作業台船を含む各種の重機足場や施工基面など)の上も幅広く含む趣旨である。後者の「設置済みの構造物」には、例えば、水上に突出した鋼管矢板等の既設構造物なども含まれる。
【0043】
この固定シーブ装置2は、上下動する可動シーブ装置1から引っ張り力を受けるため、設置位置から動かないように図示しない任意(各種の締結材や定着材やウエイトやチャック装置など)の方法により確り地上側に固定される。
【0044】
固定シーブ装置2は、図4に一例として示すように、
・油圧ホースを掛け回すシーブ21と、
・このシーブ21を回転自在に保持するためのシーブ保持部23と、
・シーブ保持部23が固定され、地上側の任意の位置に固定される固定架台25と、
を有している、
【0045】
シーブ保持部23は旋回体で構成され、クレーン旋回に追随して方向を変えることが可能である。
なお、固定シーブ装置のシーブ保持部23の回転(首振り)を、クレーンブームで吊り下げた可動シーブ装置1の移動に従動させる(クレーンの旋回により実質的に油圧ホース3で引っ張る)場合には、この引っ張りによって油圧ホース3に傷みを招くおそれがある。その対策として、シリンダーまたはモーター等のアクチュエータ(図示省略)を固定シーブ装置2に設けて、このアクチュエータの動力を利用して、シーブ保持部23を旋回させてもよい。
【0046】
固定架台25は、旋回体であるシーブ保持部23を旋回可能に保持し、地上側の任意の位置に図示しない任意の方法(例えば各種の締結材や定着材やウエイトやチャック装置など)により確り固定される。
【0047】
なお、油圧ホース保持装置によって、複数本(並列)の油圧ホースを保持してハンドリングする場合には、複数本の油圧ホースを一つの束に結束したものを、固定シーブ装置2のシーブ21に掛け回すようにしてもよい。
しかしながら、長尺で(例えば100mに及ぶ長さで)複数本の油圧ホースをシーブ21に掛けるときには、長尺で複数本になった分だけホース(+作動油)の重量が増す。そのため、例えば、複数の油圧ホースを略円形に配置して1本の索状に束ねたものをシーブに掛けるとシーブ(の中心)側とその反対(遠心)側で円弧の長さ(R部の長さ)が変わるため、外(遠心)側にあるホースに強く引張力がかかり、伸びが発生して破損や短命化の原因となる。すなわち、油圧ホースが複数本で長尺化することで、より負担が多くかかりやすくなるといった懸念がある。
そこで、固定シーブ装置に設けるシーブは、多連式(複車式)のシーブ(同軸の複数の個別シーブの組み合わせ)で構成することも可能である。
例えば、9本の油圧ホース(9本で1セットの油圧ホース)を保持する場合には、同軸の9個の個別シーブを多連式(複車式)に組み合わせたもので、シーブ21を構成し、各個別シーブに1本ずつ単独で(個別に)油圧ホースを掛け回すようにしてもよい。このように、油圧ホースが複数本で長尺化する場合でも、油圧ホースを1本ずつ個別シーブに(同軸の各個別シーブに対して別々に)掛け回すことで、上述した油圧ホースの破損や短命化のリスクが減ずる。
【0048】
可動シーブ装置1と固定シーブ装置2は上下方向で向かい合うように位置決めされるが、可動シーブ装置1と固定シーブ装置2の間を結ぶ直線(仮想の線)が図1に例示するように多少傾いた位置関係で、両装置1,2が向かい合っている場合には、油圧ホース自身の重みによって、両装置1,2の間で保持する油圧ホース3に弛み(たるみ)が生じて大きく湾曲する虞がある。このように、可動シーブ装置と固定シーブ装置との間で油圧ホースが大きく湾曲して弛み(たるみ)が生じると、油圧ホース保持装置が設計どおりに動作しない虞がある。油圧ホース保持装置の具体的動作については図10に基づいて後述する。
【0049】
そこで、本実施形態の油圧ホース保持装置は、予め定めた所定の位置、例えば油圧源と上記可動シーブの間の位置で油圧ホース保持部(油圧ホースバンド)41を介して油圧ホースを引っ張る油圧ホース引っ張り装置4(タグライン)を有している。
【0050】
まず、この油圧ホースの引っ張り装置4(タグライン)は、可動シーブ装置1と固定シーブ装置2との間で掛け渡された油圧ホース3に「弛み(たるみ)/大きな湾曲」が生じるのを抑制する役割を担っている。
【0051】
また、油圧ホース3の端部は油圧源である油圧ユニット5に接続(連結)されているため、施工状況に応じた臨機の油圧ホースのハンドリング(取回し)は一般的にその接続部分に負荷をかける動作となる。そこで、上記のような油圧ユニット5と可動シーブ装置1の間の位置で油圧ホース保持部(油圧ホースバンド)41を介して油圧ホース3を引っ張り装置4で継続的に引っ張っておくことにより、油圧ユニット5との連結部分には負荷をかけないように保護できる。
【0052】
更に、本実施形態の油圧ホース保持装置がクレーンにより懸垂され、吊り下げられた状態の場合に、油圧ホース引っ張り装置4の操作により、油圧ホース保持装置の位置を移動したり、回転させたりすることにより、油圧ホースおよび油圧ホース保持装置がその他の周辺装置に接触しないように位置を微調整することができる。
例えば、大深度掘削が行われる場合、掘削延長分となる長尺の油圧ホースが鋼管類(鋼管杭・鋼管矢板・掘削ケーシングなど)の孔内で鉛直方向に垂下している結果、その垂下した長さ分の油圧ホース(および作動油)の自重により、油圧ホース保持装置が孔内方向に引っ張られるという事象が生ずるのに対応し、その掘進につれ増大する鉛直方向の引張力に対向して油圧ホースを適宜に引っ張ることができることで、上記油圧ホース保持装置は(他の装置との接触やそれによる作業停滞などの影響を受けることなく、油圧ホースの送り出しと引き込みを円滑に行えるような)最適な位置に留まれるように構成されている。
【0053】
上記役割を担う油圧ホース引っ張り装置4は、油圧ユニット5の近くの地上側に図示しない任意の方法(例えば各種の締結材や定着材やウエイトやチャック装置など)により確り設置・固定され
・油圧ユニット5に繋がる油圧ホース3を掴んで保持する油圧ホース保持部41と、
・油圧ホース保持部に連結されたワイヤーロープ43と、
・前記ワイヤーロープを巻き取ったり繰り出したりするためのウインチ(図示省略)を備えた本体45を有している。
【0054】
油圧ホース保持部41(油圧ホースバンド)は、例えば、油圧ホース3を挟み込んだ状態で該油圧ホースに対し固定されて一体化するようなバンドタイプの部材で構成される。
【0055】
ワイヤーロープ43の一端は油圧ホース保持部41に連結され、他端は、引っ張り装置本体45のウインチ(図示省略)に連結されている。
【0056】
ウインチを備えた本体45は、引っ張り用の反力を確保するために地上側に固定されている。
【0057】
油圧ホース引っ張り装置の本体45が具備するウインチは、可動シーブ装置1と固定シーブ装置3との間に掛け渡した油圧ホース3に常に適度なテンションが生じるように、ワイヤーロープ43に対し常に引っ張り力を印加する。これにより、可動シーブ装置1と固定シーブ装置2との間の油圧ホース3に弛み(たるみ)が生じるのを抑制する。その結果、図1A図1Bに例示するように、可動シーブ装置1と固定シーブ装置2との間を結ぶ直線(仮想の線)が多少傾いた位置関係で両装置1,2が向かい合っている様な場合でも、油圧ホース保持装置が設計どおりに動作する。
【0058】
本実施形態では、油圧ホース3(およびその保持装置の可動シーブ装置1)をクレーンによって吊り下げていることから、可動シーブ装置1と固定シーブ装置2の位置関係が平面的にも任意の離隔・角度が生じ、その際に、保持している油圧ホース3に横方向のテンションがかかる。
そこで、油圧ホース保持装置は、油圧ホース3を保護するための油圧ホース保護手段として機能する油圧ホース保護装置を有していてもよい。
油圧ホース保護装置の一例を図6に示す。
【0059】
図6に示す油圧ホース保護装置8は、(油圧ホース保護手段が無ければ)油圧ホース3が受けることになる引っ張り力を、該油圧ホースに代わって受けるように設けられる。
【0060】
この油圧ホース保護装置8は、
引っ張り力を受ける可撓性のある、曲げやすい線材であるワイヤー81と、
ワイヤー81に連結されるシャックル82,83と、
ワイヤー81のヨレを解消するためのスイベル84と
を有している。
【0061】
このような構成の油圧ホース保護装置8が、本実施形態では図6に示すように、油圧ホース3の両外側にそれぞれ1セットずつ、合計で2セット設けられている。なお、本実施形態では、油圧ホース保護装置8を油圧ホース3の両外側に設けているが、片側だけに設けるようにしてもよい。また、本実施形態では、並列させた油圧ホース(油圧ホース群)を保護しているが、保護対象はこれに限定されず、1本の油圧ホースを保護する目的でこの保護装置を利用することも可能である。
【0062】
多数あるシャックルのうちシャックル82は、油圧ホース引っ張り装置の油圧ホース保持部41(油圧ホースバンド)に連結されている。
【0063】
油圧ホース3には、通常高い圧力や温度変化やテンションにより、常時経時変化が生じている。それに対して、ワイヤー81の全体の長さは、「保護対象の油圧ホース3が緩みすぎず、かつ、張りすぎず」の長さにしておく。これにより、掘削施工の際に、油圧ホース3より先にワイヤー81に油圧ホースを引上げるためのテンションがかかる。このように、保護対象である油圧ホース3の身代わりとなるワイヤー81(テンションを受ける線材)を設けることで、油圧ホース自体の保護につながる。
【0064】
例えば施工の過程でゴム製の油圧ホース3が巻き取り・繰り出し動作や油圧回路の作動による拡張・収縮の繰り返しにより、なじんで伸びてきたときには、シャックルや短いワイヤーなどによって調節を行うことができる。その際、ワイヤー長さの調節は、例えば油圧ホースバンド41の所で行うことができる。
【0065】
なお、上述したワイヤー、シャックル、スイベルなどを具備する油圧ホース保護装置8は、油圧ホース保護手段の一例であって、その構成はこれに限定されるものではない。例えば、該油圧ホースに代わって引っ張り力を受ける線材として、(ワイヤーの代わりに)チェーンを採用することも可能である。
ただし、好ましくは、ドライブチェーンないしローラチェーンのように、構造上リンク屈曲の軸となるピンに屈曲の方向が制限されるチェーン類の代わりにワイヤーを使用することで、クレーンの旋回にも自由に追随して屈曲する油圧ホースの保護性能を得ることができる。
【0066】
(油圧ホース保持装置のセッティング)
図1A図1Bに示す実施形態では、クレーン設備の一例であるクローラクレーンのブーム先端のシーブから、掘削装置用ワイヤーロープ70と、可動シーブ装置用ワイヤーロープ71が垂れ下がっている。これらのワイヤーロープ70,71は、それぞれ独立して繰り出し・巻き上げできるように、クレーンが具備するウインチに接続されている。すなわち、本実施形態では、1台のクレーン設備で、油圧式掘削装置と油圧ホース保持装置を併用することを想定している。これにより、別々のクレーン設備を使用する場合に比べて、施工設備が簡略化され、施工コストの低減を図ることができる。
【0067】
掘削装置用ワイヤーロープ70の先端にはフック73が設けられ、該フックを介して掘削装置6が吊り下げてある。この掘削装置6は、クレーンに備え付けのウインチを利用して、任意のタイミングで上げ下げすることが可能である。
【0068】
可動シーブ装置用ワイヤーロープ71の先端にはフック72が設けられ、該フックを介して可動シーブ装置1が吊り下げてある。この可動シーブ装置1は、クレーンに備え付けのウインチを利用して、(掘削装置6の上げ下げにかかわらず)任意のタイミングで上げ下げすることが可能である。すなわち、掘削装置6を吊り下げるフック73の上下動とは無関係に(同時並行で)、可動シーブ装置1を上下動させることができる。
【0069】
固定シーブ装置2は、上下する可動シーブ装置1の下方に位置するように、地上側に固定されている。
なお、図1A図1Bに示す実施形態では、固定シーブ装置2を施工基面となる地盤上に固定しているが、固定シーブ装置2の固定場所はこれに限定されない。
例えば鋼管矢板打設時には、図5に例示するように、より作業性を高めるため、固定シーブ装置2を既打設の鋼管矢板天端に設置してもよい。
特に、鋼管矢板打設工は、多くの場合「水上施工」となるため、作業構台(桟橋)上に固定シーブ装置2を固定する場合、打設対象杭(杭心)との離隔が大きい場合が多く、杭心と固定シーブ装置との平面距離が大きい。このような条件下では、例えば、杭心位置の近傍に垂下された可動シーブ装置1と固定シーブ装置2との間で掛け回された油圧ホース3が、長尺となり且つその姿勢が(鉛直線に対し)過度に傾斜していることで自重により下方向に垂れ下がるように大きく撓んだり弛んだりする上に、可動シーブ装置1の姿勢保持などのハンドリングが影響を受け操作上の不安定要因が増大するなどして強く引っ張られることが増えるため、油圧ホースの傷みの原因となりやすい。
従って、例えば図5に示すように、打設中の鋼管矢板の近傍の既打設の鋼管矢板上に固定シーブを固定できることで、油圧ホース3に過度な引張力がかかることを抑制でき、その結果、油圧ホースの保護(従って長寿命化)に寄与することになる。
【0070】
本実施形態では、次の関係を満たすように、可動シーブ装置1と固定シーブ装置2がそれぞれ具備するシーブの数を決定している。
すなわち、本実施形態の油圧ホース保持装置では、図7において概略的に例示するように、固定シーブ装置2が具備するシーブ(油圧ホースを掛け回すシーブ)の数をN個とし、また、可動シーブ装置1が具備するシーブ(油圧ホースを掛け回すシーブ)の数をN+1個とする。ここで、Nは1以上の整数とする。
なお、図7では、N=2の場合について例示しているが、Nは1以上の整数であれば特に限定されないので、例えば図8に例示するように、N=3のレイアウトを採用することも可能である。
このような関係を満たすように、固定シーブ装置と可動シーブ装置にそれぞれシーブを具備させることで、保持すべき油圧ホースの長さに応じた油圧ホース保持装置の設計が容易になる。
【0071】
なお、上述した関係(可動シーブ装置1と固定シーブ装置2がそれぞれ具備するシーブの数の)は、本実施形態で採用している一例であって、本発明をこれに限定する趣旨ではない。
例えば、図9において概略的に例示するように、固定シーブ装置が具備するシーブ(油圧ホースを掛け回すシーブ)の数をN個とし、また、可動シーブ装置が具備するシーブ(油圧ホースを掛け回すシーブ)の数をN個としてもよい。ここで、Nは1以上の整数とする。
【0072】
前述した構成の油圧ホース保持装置を使用する際には、図1A図1Bに示すように、可動シーブ装置1と固定シーブ装置2との間で油圧ホース3が行き来するように、該油圧ホース3を両装置1,2の間に掛け渡す。油圧ホース3の一端は掘削装置6に接続され、他端は作動油(圧油)を供給する油圧ユニット5に接続されている。
具体的には、可動シーブ装置1のシーブと固定シーブ装置2のシーブを交互に経由するように、油圧ホース3を各シーブに掛け回す。ただし、一のシーブを経由した油圧ホースが、他のシーブを経由した後、再び同一のシーブ(前記一のシーブ)に戻ることがないようにする。
本実施形態の場合では、油圧ホース3とシーブ11,12,21の係合関係は(図1において油圧ユニット5の側から掘削装置6に向かう流れで順に説明すると)、油圧ユニット5に接続された油圧ホース3は、はじめに可動シーブ装置1のシーブ11を通り、次に、固定シーブ装置2のシーブ21を通り、次に、可動シーブ装置1のシーブ12を通って、掘削装置6に接続されている。
【0073】
上記の要領で可動シーブ装置1と固定シーブ装置2との間に油圧ホース3を掛け渡したら、油圧ホース引っ張り装置4を油圧ホース3に連結する。
【0074】
油圧ホース引っ張り装置4は、油圧ユニット5の近傍であって地上側に図示しない任意の方法(例えば各種の締結材や定着材やウエイトやチャック装置など)により確り固定されている。
この油圧ホース引っ張り装置4が具備する油圧ホース保持部41を、油圧ホース3に対し固定する。油圧ホース3と一体化した油圧ホース保持部41は、ワイヤーロープ43を介して引っ張り装置本体45のウインチに連結されている。これにより、図1A図1Bに例示するように、可動シーブ装置1と固定シーブ装置3との間を結ぶ直線(仮想の線)が多少傾いた位置関係で両装置1,2が向かい合っている様な場合でも、両装置の間の油圧ホース3に弛み(たるみ)が生じるのが抑制され、油圧ホース保持装置が設計どおりに機能する。
【0075】
(油圧式掘削装置と油圧ホース保持装置を併用した掘削施工)
はじめに、掘削施工における油圧式掘削装置の動作について説明する。
【0076】
油圧駆動式の掘削装置6は、図2に概略的に示すとおり、複数本(並列)の油圧ホース3を介して、作動油供給源である油圧ユニット5に接続されている。すなわち、掘削装置6は、油圧ユニット5から複数本の油圧ホース3を介して別々に作動油(圧油)の供給を受け、この作動油を利用して作動するように構成されている。なお、油圧駆動式の掘削装置6については、その一例を図12との関係で説明したので、本実施形態ではその説明を省略するとともに、図12に係る説明を援用する。
【0077】
油圧駆動式の掘削装置6を用いた中掘りでは、図1A図2Aに示すように、掘削装置6をクレーンで吊り下げて、打設対象の鋼管類の内側に挿入し、孔底において掘削装置6を油圧により作動させて、該鋼管類の内側またはその下方を掘削する。鋼管類の具体例としては、鋼管杭や鋼管矢板、ケーシングなどが挙げられる。
【0078】
そして、掘削装置6による中掘りを続けてそのカプセルパイプ(掘削土格納部)の容量が一杯になったら、図1Bに示すように、クレーンで掘削装置6をいったん引上げて、鋼管類の外側に移動させる。そして、図2Bに示すように、クレーンを所定位置に旋回させた後、予め定めた排土ベッセル等の排土位置の上方でスクリュー62を逆回転させて、カプセルパイプ61内に収納された掘削土73をカプセルパイプ61から排出(排土)させる。
【0079】
そして、掘削装置のカプセルパイプ61からの排土が完了したら、再び、図1A図2Aに示すように、掘削装置をクレーンで吊り下げて鋼管類の内側に挿入し、鋼管類の内側またはその下方を掘削する。
【0080】
すなわち、上述した掘削装置を用いた中掘りでは、次の一連の工程(挿入→掘削→引上→排土)を何度も繰り返すことで、鋼管類の内側またはその下方の掘削を行う。
【0081】
・鋼管類内への掘削装置の挿入

・鋼管類の内側またはその下方の掘削(中掘り)

・掘削装置の引上げ

・鋼管類の外での排土
【0082】
次に、掘削施工における油圧ホース保持装置の動作について説明する。
油圧ホース保持装置の動作は、概略的には次のとおりである。
【0083】
クレーン吊り下げ式の掘削装置6を、図1A図1Bに示すように、鋼管類内の掘削孔(掘削途中の孔)に繰返し出し入れする際において、次に述べるとおり、掘削装置6が下降するときには同時に(同時並行で)可動シーブ装置1を下降させ、また、掘削装置6が上昇するときには同時に(同時並行で)可動シーブ装置1を上昇させる。
【0084】
すなわち、掘削装置6が下降するときには、この下降動作に追随できるだけの長さの油圧ホースが必要となる。そこで、掘削装置6の下降と同時に、可動シーブ装置1を降ろして固定シーブ装置3に近づける。その結果、可動シーブ装置1と固定シーブ装置2との間で保持する油圧ホース3の長さ(両シーブ装置間の掛け渡し長さ)が短くなる。そして、両シーブ装置の相対距離が狭まることで、油圧ホース保持装置から油圧ホースが繰り出され、下降する掘削装置6に対し、繰り出された分の油圧ホースが追随することができる。
【0085】
一方、掘削装置6が上昇するときには、掘削装置6の上昇に伴って油圧ホースの長さが余剰になる。そこで、掘削装置6の上昇と同時に、可動シーブ装置1を引き上げて固定シーブ装置2から遠ざける。その結果、可動シーブ装置1と固定シーブ装置2との間で保持する油圧ホース3の長さ(両シーブ装置間の掛け渡し長さ)が長くなる。したがって、両シーブ装置の相対距離が拡がることで、掘削装置6の上昇によって生じた油圧ホースの余剰長さが、油圧ホース保持装置に取り込まれ、該油圧ホース保持装置で保持できるようになる。
【0086】
なお、上記可動シーブ装置1の上昇・下降の際の単位時間当たりの移動距離は、平行して行われる上記掘削装置6の上昇・下降の単位時間当たりの移動距離を可動シーブ装置1に油圧ホースを掛け渡し回数で除した値(e.g.図10の場合1/4)で概ね十分となる。
【0087】
したがって、掘削装置6の上昇・下降のタイミングに合わせて、可動シーブ装置1を同時並行的に上昇・下降させることで、「挿入→掘削→引上→排土」を繰り返す掘削施工において常に油圧ホースを良好にハンドリングすることが可能になる。
【0088】
掘削施工の作業中は、油圧ホース3が引張られた際に、そのテンションを油圧ホース保護装置8のワイヤー81(図6参照)で受けるようにしているので、油圧ホースが破断しないように保護される。
【0089】
なお、本発明に係る油圧ホース保持装置は、パイラーなどの鋼管類圧入装置や全回転型オールケーシング掘削機などを併用した施工において利用することも可能であり、本発明に係る掘削方法にはこのような態様も含まれる。
【0090】
以下、図10に基づいて、油圧ホース保持装置の動作について具体的に説明する。
なお、図10は、油圧ホース保持装置の動作の理解を容易にすることを主目的として描いた概念図に過ぎないので、その点に留意されたい。
【0091】
図10の概念図において、ワイヤーロープ71及びフック72を介してクレーンのブーム先端から吊り下げられた可動シーブ装置1は、図示するHの移動範囲内で昇降ストロークすることが可能であり、初期状態(a)では、最も高い位置に位置決めされている。
【0092】
この初期状態(a)において、油圧ホース保持装置は、油圧ホースの掛け渡し数n × 最大移動範囲H の長さ分の油圧ホースを整列させて保持している。
【0093】
図10の概念図では、可動シーブ装置1の最大移動範囲がHに設定されており、また、可動シーブ装置1と固定シーブ装置2との間で、実質的に油圧ホースを4回掛け渡している。したがって、最大で4Hの長さ(= 油圧ホースの掛け渡し数4 × 最大移動範囲H )の油圧ホースを、油圧ホース保持装置により整列させた状態で保持することができる。
【0094】
そして、可動シーブ装置1が最上限の上空位置に固定された状態(図10の(a))から、掘削装置による掘進が始まるのと同時に、可動シーブ装置1の下降を開始する(図10の(b))。
【0095】
具体的には、図10の(b)に示すとおり、掘削装置による掘削の進行に従って、掘削装置に連結された油圧ホースが、掘削孔内へと引き込まれる。すなわち、掘進に従って油圧ホースが掘削孔内へ繰り出される。この掘進と同時に、ワイヤーロープ71を繰り出し、フック72で吊り下げた可動シーブ装置1を下降させて固定シーブ装置2に近づける。そして、可動シーブ装置1が固定シーブ装置2に近寄り、両装置間の距離が狭まる過程で、両装置間で保持していた油圧ホースが繰り出されてゆく。なお、油圧ホース保持装置によって保持される油圧ホースの長さは、可動シーブ装置1と固定シーブ装置2の間の距離が狭まるに従って、短くなる。すなわち、その分の長さの油圧ホースが油圧ホース保持装置から繰り出される。
したがって、掘削装置による掘削の進行と同時に、可動シーブ装置1を固定シーブ装置2に近づけることで、掘削装置の掘進に必要な分の油圧ホースが、油圧ホース保持装置から繰り出され、油圧ホースが掘削装置に追随することができる。
なお、最大で4Hの長さ(= 油圧ホースの掛け渡し数4 × 最大移動範囲H )の油圧ホースを、油圧ホース保持装置により整列させた状態で保持することができるので、可動シーブ装置1の移動範囲の4倍の長さの掘削長に対応することができる。
なお、前述したとおり、図10は油圧ホース保持装置の動作の理解の補助を主目的として描いた概念図であり、油圧ホース保持装置により保持することができる油圧ホースの長さの、いわば装置構成から考えられる理論上の値として、移動範囲Hに掛け渡される回数により増減する長さの目安を便宜上整数倍として示したものである。
従って、実際に作業上生ずる各種装置の姿勢や位置関係、また油圧ホースの掛け渡しなどの状態、引張力の強さやそれを受ける方向などの様々な(例えば下記の様な)条件により保持する油圧ホースの長さが上記の目安と異なることを妨げるものではない。
・油圧ホース3は油圧源5から可動シーブ装置1に直接掛け渡されており、その掛け渡し区間では多くの場合、油圧ホースは傾斜した状態で掛け渡されており、また油圧ホース保持部(油圧ホースバンド)41と油圧源5との間にはテンションがかからないよう多少の弛みが設けられている。
・移動範囲Hは、実際には可動シーブ装置1が固定シーブ装置2の直上に固定的に位置するのではなく、作業状況に応じて任意の位置と任意の姿勢でクレーンブームから垂下されることから流動的なものである。
・クレーンブームから垂下された可動シーブ装置1の姿勢は図10のような水平性を常時維持するものではなく、油圧ホース3を牽引する前出の孔内に垂下された油圧ホース3の自重や油圧ホース引っ張り装置4の引張力の影響などにより、作業毎に姿勢が大きく異なり、従ってその付属の複数のシーブ11、12各々の地盤面からの高さが異なっている。
・シーブ間に架け渡された実際の油圧ホースは前出の引張力が印加される向きにより必ずしも図10のような鉛直方向に垂下した状態でなく、また素材のゴムの可撓性から常時相当の撓みを有しているなど、厳密に鉛直線を成すものではない。
【0096】
そして、掘削装置による中掘りを続けてそのカプセルパイプ(掘削土格納部)の容量が一杯になったら、クレーンで掘削装置をいったん引上げて、鋼管類の外側に移動させる。
このとき、可動シーブ装置1が最下限の位置に達している状態から、掘削装置の引き上げが始まるのと同時に、可動シーブ装置の上昇を開始する。
【0097】
具体的には、掘削装置の引き上げに従って、掘削装置に連結された油圧ホースが、掘削装置に繋がった状態で引き上げられ、孔外へと引きずり出される。この引き上げと同時に、ワイヤーロープ71を巻き取り、フック72で吊り下げた可動シーブ装置1を上昇させて固定シーブ装置2から引き離す。そして、可動シーブ装置1が固定シーブ装置2から離れ、両装置間の距離が拡がる過程で、両装置間で保持される油圧ホース長さが拡大してゆく。なお、油圧ホース保持装置によって保持される油圧ホースの長さは、可動シーブ装置1と固定シーブ装置2の間の距離が拡大するに従って、長くなる。すなわち、引き上げられた分の長さの油圧ホースが、油圧ホース保持装置(可動シーブ装置1と固定シーブ装置2の間)に取り込まれてゆく。
したがって、掘削装置の引き上げと同時に、可動シーブ装置1を上昇させて固定シーブ装置2から引き離すことで、掘削装置の引き上げによって拡大した余長分の油圧ホースが、油圧ホース保持装置によって取り込まれる。
【0098】
したがって、油圧式の掘削装置を用いた掘削施工において、このような油圧ホース保持装置を併用することで、掘削装置に接続された油圧ホースのハンドリングが可能になる。
また、本発明において、固定シーブ装置は、地上側の任意の位置に設置することができる。そのため、可動シーブ装置と固定シーブ装置との間に掛け渡す油圧ホースが、掘削装置を用いた掘削施工の邪魔にならないように(好ましくは掘削装置等に過度に接触しないように)、ハンドリングすべき油圧ホースの状態(位置、向き、傾きなど)を最適化することができる。
特に、クレーンと掘削位置との間に離隔がある施工条件下では、クレーンブームの起伏が必要になるが、本発明では固定シーブ装置を地上側の任意の位置に設置するので、クレーンブームの起伏などの諸条件を考慮して、可動シーブ装置と固定シーブ装置の位置関係(両者の間で保持する油圧ホースの状態)を最適化することができる。
また、本発明において、可動シーブ装置は単にクレーンで吊り下げるだけで利用可能であり、また、固定シーブ装置は(クレーンに固定するものではなく)地上側設置式であるため、本発明の利用にあたっては、既存のクレーン設備に対し何ら改造(例えばクレーン設備への固定シーブ装置の取り付けなど)を加える必要がなく、既存のクレーン設備の状態のままで、本発明を利用することができる。
【符号の説明】
【0099】
1 可動シーブ装置(吊りシーブ装置)
2 固定シーブ装置(地上側シーブ装置)
3 油圧ホース
4 油圧ホース引っ張り装置(タグライン)
5 油圧ユニット(油圧源)
6 油圧式掘削装置
8 油圧ホース保護装置(油圧ホース保護手段)
11 第1のシーブ
12 第2のシーブ
13 シーブ保持部(カバー)
21 シーブ
23 シーブ保持部(旋回体)
25 固定架台
41 油圧ホース保持部(油圧ホースバンド)
43 ワイヤーロープ
45 本体
61 カプセルパイプ(掘削土格納部)
62 スクリュー
63 回転駆動装置
64 スクリューフィン
65 スクリュー軸
70 ワイヤーロープ
71 ワイヤーロープ
72 フック
73 フック
81 ワイヤー(線材)
82 シャックル
83 シャックル
84 スイベル
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
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図11
図12