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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-30
(45)【発行日】2023-09-07
(54)【発明の名称】マッサージ装置
(51)【国際特許分類】
   A61H 15/00 20060101AFI20230831BHJP
【FI】
A61H15/00 360
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020100246
(22)【出願日】2020-06-09
(65)【公開番号】P2021194051
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2023-02-07
(73)【特許権者】
【識別番号】592009214
【氏名又は名称】大東電機工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】石川 哲也
(72)【発明者】
【氏名】田口 耕治
(72)【発明者】
【氏名】清水 新策
【審査官】岡本 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-024067(JP,A)
【文献】国際公開第2019/064856(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の施療部をマッサージするマッサージ機構と、前記使用者が着座可能な広さを有し且つ、前記マッサージ機構を収納する支持フレームを備えた座部と、を有するマッサージ装置であって、前記マッサージ機構は、前後方向に移動しながら、前記施療部に対して下方から上方に向けて押圧マッサージを行うものであって、
前記マッサージ機構は、前記施療部に対してマッサージする施療子と、先端に前記施療子を備えたマッサージ体と、前記施療子を上下方向に出退させる出退運動を行う駆動部と、を有しており、
前記駆動部は、回転駆動力を出力する駆動モータと、出力された前記回転駆動力により回転する回転軸と、前記回転軸の回転駆動力を出退運動に変換する出退変換部と、を有し、前記施療子は、前記出退変換部による前記マッサージ体の上下出退により上下方向に出退運動を行うものであり、
前記出退変換部は、前記回転軸に取り付けられ且つ、当該回転軸の軸心に対して偏心回転するボス部材と、前記マッサージ体の基端に設けられ且つ、前記ボス部材を外嵌する環状嵌合部と、を有し、前記マッサージ体は、前記ボス部材の偏心回転により、上下方向に出退するものであって、
前記支持フレームは、前記マッサージ機構の左右両側に設けられ且つ、前記マッサージ機構を前後方向に移動可能に支持する第1フレーム部材を有し、前記第1フレーム部材には、前記マッサージ機構を前後方向に案内するガイドレールが設けられていて、
前記ガイドレールは、一方側が下方向に傾斜した形状に形成されていて、前記支持フレームの内部空間において、前記ガイドレールの一方側の下部空間が、前記マッサージ機構の収納領域とされており、
移動してきた前記マッサージ機構が、前記収納領域に下降して収納されたとき、前記施療子は前記第1フレーム部材の上縁より下側に位置し、
前記マッサージ機構が収納領域にあるとき、前記ボス部材の偏心位置を最下位置にし、施療子を上方に突出させずに前記支持フレーム内で最も降下させるように構成されている
ことを特徴とするマッサージ装置。
【請求項2】
前記収納領域の反対側である、前記ガイドレールの他方側においては、前記施療子は前記ボス部材の偏心に対応して上がった位置となるように構成されている
ことを特徴とする請求項に記載のマッサージ装置。
【請求項3】
前記駆動部は、前記マッサージ機構を前後方向に移動させる移動機構を有しており、
前記駆動モータと前記回転軸は、それぞれ一つずつ配備されていて、
一つの前記駆動モータと前記回転軸の回転駆動により、前記移動機構が前記マッサージ機構を前後方向に移動させるとともに、前記施療子を備えたマッサージ体を上下方向に前記出退運動をさせる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のマッサージ装置。
【請求項4】
前記支持フレームは、左右一対の前記第1フレーム部材の前部と後部とにおいて掛け渡すように設けられた第2フレーム部材を有する平形で矩形状の枠体である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のマッサージ装置。
【請求項5】
前記マッサージ機構は、前記ガイドレールに前後方向に案内されて移動しながら、前記使用者の施療部に対して、下方から上方に向けて前記押圧マッサージを行う
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のマッサージ装置。
【請求項6】
前記駆動モータと前記回転軸を収容する前記マッサージ機構の本体部は、前記第1フレーム部材の上端より下側に位置する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のマッサージ装置。
【請求項7】
前記施療部は、前記使用者の臀部又は太腿部であることを特徴とする請求項1~6に記載のマッサージ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の腿裏部から臀部にかけての施療部に対して、押圧マッサージを行うマッサージ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、使用者からマッサージに関する様々な要望が挙がってきている。その要望に応えるべく、マッサージ装置の開発が進んでいる。例えば、使用者の下肢(特に、腿裏部から臀部にかけての部位)に対して、マッサージを行うことができるマッサージ装置が存在する(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-248144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されているマッサージ装置に搭載されているマッサージ機構は、腿裏部(大腿部)から臀部にかけての施療部に対して、マッサージを行うことができるものであるが、大型の椅子型マッサージ機に搭載されるものとなっている。そのため、マッサージ機構の本体部(ユニット)は厚みがあり大型なものである。
このマッサージ機構は、様々な機構の中でも大型で複雑な構造であり、大型の椅子型マッサージ機に搭載しても嵩張るものである。また、ユニットに厚みがある分、ユニットの動作も大きい。
【0005】
ところが、近年では、比較的コンパクトで小型なマッサージ装置の要望や需要も出てきている。すなわち、オフィスチェアなどの一般的な椅子の座部に載置可能で、着座した使用者の腿裏部から臀部にかけての施療部に対して、マッサージを行うことができるものが望まれている。
この点、特許文献1のマッサージ機構は、小型のマッサージ装置に応えるものとはなっていない。この大型のマッサージ機構は、例えば、同文献の図11などを参照してもわかるように、複雑な構造であり単に小さく小型化することは難しい。また、このマッサージ機構のみ単体で、一般的な椅子の座部に、マッサージ装置として使用することは不可能であると考える。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、小型でコンパクトなマッサージ機構でありながら、使用者の腿裏部から臀部にかけての施療部に対して、効果的にマッサージを行うことができるとともに、施療子などを突出させることなく、マッサージ装置の内部にマッサージ機構を確実に収納することができるマッサージ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明にかかるマッサージ装置は、使用者の施療部をマッサージするマッサージ機構と、前記使用者が着座可能な広さを有し且つ、前記マッサージ機構を収納する支持フレームを備えた座部と、を有するマッサージ装置であって、前記マッサージ機構は、前後方向に移動しながら、前記施療部に対して下方から上方に向けて押圧マッサージを行うことを特徴とする。
【0008】
好ましくは、前記マッサージ機構は、前記施療部に対してマッサージする施療子と、先端に前記施療子を備えたマッサージ体と、前記施療子を上下方向に出退させる出退運動を行う駆動部と、を有しているとよい。
好ましくは、前記駆動部は、回転駆動力を出力する駆動モータと、軸心が左右方向を向き且つ、出力された前記回転駆動力により回転する回転軸と、前記回転軸からの前記回転駆動力を前記出退運動に変換する出退変換部と、を有し、前記施療子は、前記出退変換部による前記マッサージ体の上下出退により上下方向に前記出退運動を行うとよい。
【0009】
好ましくは、前記駆動部は、前記マッサージ機構を前後方向に移動させる移動機構を有
しているとよい。
好ましくは、前記出退変換部は、前記回転軸に取り付けられ且つ、当該回転軸の軸心に対して偏心回転するボス部材と、前記マッサージ体の基端に設けられ且つ、前記ボス部材を外嵌する環状嵌合部と、を有し、前記マッサージ体は、前記ボス部材の偏心回転により、上下方向に出退するとよい。
【0010】
好ましくは、前記駆動モータと前記回転軸は、それぞれ一つずつ配備されていて、一つの前記駆動モータと前記回転軸の回転駆動により、前記移動機構が前記マッサージ機構を前後方向に移動させるとともに、前記施療子を備えたマッサージ体を上下方向に前記出退運動をさせるとよい。
好ましくは、前記支持フレームは、前記マッサージ機構の左右両側に設けられ且つ、前記マッサージ機構を前後方向に移動可能に支持する第1フレーム部材と、左右一対の前記第1フレーム部材の前部と後部とにおいて掛け渡すように設けられた第2フレーム部材と、を有する平形で矩形状の枠体であり、前記第1フレーム部材には、前記マッサージ機構を前後方向に案内するガイドレールが設けられているとよい。
【0011】
好ましくは、前記ガイドレールは、一方側が下方向に傾斜した形状に形成されていて、前記第1フレーム部材の内部空間において、前記ガイドレールの一方側の下部空間が、前記マッサージ機構の収納領域とされているとよい。
好ましくは、移動してきた前記マッサージ機構が、前記収納領域に下降して収納されたとき、前記施療子は前記第1フレーム部材の上縁より下側に位置し、前記収納領域の反対側である、前記ガイドレールの他方側においては、前記施療子は前記ボス部材の偏心に対応して上がった位置となるとよい。
【0012】
好ましくは、前記マッサージ機構は、前記ガイドレールに前後方向に案内されて移動しながら、前記使用者の臀部から腿裏部にかけての前記施療部に対して、下方から上方に向けて前記押圧マッサージを行うとよい。
好ましくは、前記駆動モータと前記回転軸を収容する前記マッサージ機構の本体部は、前記第1フレーム部材の上端より下側に位置するとよい。
【0013】
好ましくは、前記施療部は、前記使用者の臀部又は太腿部であるとよい。
本発明にかかるマッサージ装置の最も好ましい形態は、使用者の施療部をマッサージするマッサージ機構と、前記使用者が着座可能な広さを有し且つ、前記マッサージ機構を収納する支持フレームを備えた座部と、を有するマッサージ装置であって、前記マッサージ機構は、前後方向に移動しながら、前記施療部に対して下方から上方に向けて押圧マッサージを行うものであって、前記マッサージ機構は、前記施療部に対してマッサージする施療子と、先端に前記施療子を備えたマッサージ体と、前記施療子を上下方向に出退させる出退運動を行う駆動部と、を有しており、前記駆動部は、回転駆動力を出力する駆動モータと、出力された前記回転駆動力により回転する回転軸と、前記回転軸の回転駆動力を出退運動に変換する出退変換部と、を有し、前記施療子は、前記出退変換部による前記マッサージ体の上下出退により上下方向に出退運動を行うものであり、前記出退変換部は、前記回転軸に取り付けられ且つ、当該回転軸の軸心に対して偏心回転するボス部材と、前記マッサージ体の基端に設けられ且つ、前記ボス部材を外嵌する環状嵌合部と、を有し、前記マッサージ体は、前記ボス部材の偏心回転により、上下方向に出退するものであって、前記支持フレームは、前記マッサージ機構の左右両側に設けられ且つ、前記マッサージ機構を前後方向に移動可能に支持する第1フレーム部材を有し、前記第1フレーム部材には、前記マッサージ機構を前後方向に案内するガイドレールが設けられていて、前記ガイドレールは、一方側が下方向に傾斜した形状に形成されていて、前記支持フレームの内部空間において、前記ガイドレールの一方側の下部空間が、前記マッサージ機構の収納領域とされており、移動してきた前記マッサージ機構が、前記収納領域に下降して収納されたとき、前記施療子は前記第1フレーム部材の上縁より下側に位置し、前記マッサージ機構が収納領域にあるとき、前記ボス部材の偏心位置を最下位置にし、施療子を上方に突出させずに前記支持フレーム内で最も降下させるように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、小型でコンパクトなマッサージ機構でありながら、使用者の腿裏部から臀部にかけての施療部に対して、効果的にマッサージを行うことができるとともに、施療子などを突出させることなく、マッサージ装置の内部にマッサージ機構を確実に収納することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明にかかるマッサージ装置の概要を模式的に示した斜視図である。
図2】マッサージ機構が収納位置にある場合の斜視図である。
図3】マッサージ機構が後端に位置している場合の斜視図である。
図4】駆動部の概要を模式的に示した上方斜視図である。
図5】駆動部の概要を模式的に示した下方斜視図である。
図6】出退変換部の概要を模式的に示した斜視図である。
図7】マッサージ機構がガイドレール部に沿って前後方向に移動している状況を示した図である。
図8】本発明のマッサージ装置の使用態様を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明にかかるマッサージ装置1の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明を具体化した一例であって、その具体例をもって本発明の構成を限定するものではない。また、図面に関して、見やすくするため、構成部品の一部を省略したり、仮想線などを用いて描いている。
また、マッサージ装置1の前後及び左右等の方向については、図面に示す通りである。これは、図8に示すマッサージ装置1を椅子C(例えば、オフィスチェア)などに置き、そのマッサージ装置1の上に着座した使用者から見た方向と一致する。以降の説明におい
ては、図1図8などにおいて示す方向を、本発明のマッサージ装置1を説明する際の方向とする。
【0017】
図1図8は、本発明にかかるマッサージ装置1の実施形態を示している。
図1図8などに示すように、本実施形態のマッサージ装置1は、例えば、椅子Cやソファなどの座面に載置して使用されるものである。すなわち、椅子Cの座面に載置されたマッサージ装置1の上に使用者Uが着座する。使用者Uは、マッサージ装置1に内蔵されたマッサージ機構2を駆動させて、少なくとも臀部Tを含む部位を施療部に対して押圧マッサージを行う。
【0018】
このマッサージ装置1は、使用者Uの臀部Tなどの施療部をマッサージするマッサージ機構2と、使用者Uが着座可能な広さを有し且つ、マッサージ機構2を格納する枠状の支持フレーム3を備えた座部と、を有している。
なお、施療部については、腿裏部B(大腿部)から臀部Tにかけての広い部位が好ましい。また、マッサージ機構2を格納する支持フレーム3(枠体)の外側をカバーやクッション材など(図示せず)で覆った全体が、マッサージ装置1における座部となる。
【0019】
支持フレーム3は、マッサージ機構2の左右両側に設けられて、マッサージ機構2を前後方向に移動可能に支持する第1フレーム部材3aと、左右一対の第1フレーム部材3aの前部と後部とにおいて掛け渡すように設けられた第2フレーム部材3bと、を有する平形で矩形状の枠体である。
具体的には、支持フレーム3は、使用者Uが着座しやすいように、座布団のような薄型形状に形成されている。すなわち、支持フレーム3は、座面側が広く、厚みが薄い枠体である。なお、上記の「薄型」については、板材のように薄いものを含むものではなく、例えば、座布団やクッション材などといった、一定の厚みがあるものである。
【0020】
支持フレーム3は、使用者Uが腰を下ろすのに十分な広さを備えているものである。本実施形態の支持フレーム3は、前後方向のサイズ(長さ)が約400mm、左右方向のサイズ(幅)が約400mm、上下方向のサイズ(厚み)が約100mmである。
図1図3などに示すように、支持フレーム3は、マッサージ機構2の外側を囲うように、マッサージ機構2の前後左右に配備された部材である。つまり、支持フレーム3は、4本の棒状のフレーム部材3a,3bを井桁(ロ字形状)のように組み合わせて、平面視で矩形状の枠体となるように形成されている。
【0021】
具体的には、支持フレーム3は、マッサージ機構2の左右両側に設けられて、マッサージ機構2を前後方向に移動可能に支持する第1フレーム部材3a(メインフレーム)と、左右一対の第1フレーム部材3aの前部と後部とにおいて掛け渡すように設けられた、前後一対の第2フレーム部材3b(サブフレーム)と、を有する矩形状の枠体である。
第1フレーム部材3a(メインフレーム)は、長尺な棒状の部材であり、前後方向を向いて配備される。第1フレーム部材3aは、マッサージ機構2を挟むように、左右一対配備されている。
【0022】
すなわち、第1フレーム部材3aは、マッサージ機構2の左側に配備される左側の第1フレーム部材3aと、マッサージ機構2の右側に配備される右側の第1フレーム部材3aと、で構成されている。第1フレーム部材3aには、マッサージ機構2を前後方向に案内するガイドレール部5(詳細は後述)などが設けられている。
この第1フレーム部材3aは、左右方向より上下方向に長い断面形状を有している。なお、第1フレーム部材3aの幅(左右方向のサイズ)に関して、一定の幅(厚み)を有しているものとしている。これにより、マッサージ機構2を安定して支持することができる。
【0023】
本実施形態においては、第1フレーム部材3aは、長さ(前後方向のサイズ)が約400mm、高さ(上下方向のサイズ)が約100mm、幅が約40mmである。
また、第1フレーム部材3a(メインフレーム)の一方の側面には、前後方向に長い案内溝部4が形成されている。この案内溝部4は、マッサージ機構2に面する側面に開口するように形成されている。
【0024】
案内溝部4は、例えば、左側の第1フレーム部材3aの場合であれば、右側面に形成さ
れている。また、案内溝部4は、右側の第1フレーム部材3aの場合であれば左側面に形成されている。案内溝部4は、支持フレーム3内に位置するマッサージ機構2に向かって、互いに向かい合って開口している。
それぞれの案内溝部4は、第1フレーム部材3aの左右(幅)方向において、一段深くなった段差状に凹んだ溝形状(段付き溝)とされている。この案内溝部4には、後述するガイドレール部5が設けられている。また、案内溝部4の底面(段差状に凹んだ部分の面)には、第1ガイド溝6と第2ガイド溝7(共に詳細は後述する)とが設けられている。
【0025】
第1ガイド溝6と第2ガイド溝7の開口は、マッサージ機構2側を向いて配備される。第1ガイド溝6の上に、第2ガイド溝7が配備されている。つまり、第1ガイド溝6と第2ガイド溝7は、上下方向に並んで配備されている。
そのうち、第1ガイド溝6の開口縁には、隣り合うようにガイドレール部5が取り付けられている。これら、第1ガイド溝6と第2ガイド溝7は、マッサージ機構2を前後方向に案内する移動機構15(詳細は後述する)を構成する部材である。
【0026】
一方、第2フレーム部材3b(サブフレーム)は、長尺な棒状の部材であり、左右方向を向いて配備される。第2フレーム部材3bは、マッサージ機構2を挟むように、前後一対配備されている。
第2フレーム部材3bは、第1フレーム部材3a(メインフレーム)に対して交差する方向(直交方向)に取り付けられる。つまり、第2フレーム部材3bは、左右の第1フレーム部材3aの前端同士を連結して固定する前側の第2フレーム部材3bと、左右の第1フレーム部材3aの後端同士を連結して固定する後側の第2フレーム部材3bと、で構成されている。この第2フレーム部材3bと第1フレーム部材3aにより、支持フレーム3は、強固な枠体として配備される。
【0027】
本実施形態においては、第2フレーム部材3bは、(支持フレーム3の左右方向となる)長さが約400mmである。ただし、第2フレーム部材3bにおける幅と高さについては、適宜変更可能である。
なお、前側の第2フレーム部材3bについては、マッサージ装置1に着座した使用者Uの下肢(腿部や膝部など)が当たるため、第1フレーム部材3aよりも厚みが薄い(細い)ほうが好ましい。また、第2フレーム部材3bは、前後ともに、マッサージ機構2の施療子より下側になるように、取り付けられているとよい。
【0028】
このように、支持フレーム3は、第1フレーム部材3aと第2フレーム部材3bとにより、平面視で、四角形(略正方形)の枠体として形成されている。その支持フレーム3の中央側には、使用者Uの腿裏部Bから臀部Tにかけての部位(施療部)に対して、押圧マッサージを施術するマッサージ機構2が配備されている。
マッサージ機構2は、前後方向に移動しながら、着座した使用者Uの施療部(腿裏部B、臀部Tなど)に対して、下方から上方に向けて出退させることで、押圧マッサージを施術するものである。本実施形態のマッサージ機構2は、臀部マッサージ機構といえるものである。
【0029】
マッサージ機構2は、基台8に配備されている。この基台8は、左右方向に長尺な部材である。基台8は、左右一対の第1フレーム部材3aの間において、掛け渡すように設けられる。基台8は、前後方向に移動可能となっている。すなわち、マッサージ機構2の左右両端は、後述する移動機構15を介して、支持フレーム3(第1フレーム部材3a)に対して前後方向に移動可能に連結されている。
【0030】
このマッサージ機構2は、施療部に対してマッサージする施療子9と、先端に施療子9を備えたマッサージ体10と、施療子9(マッサージ体10)を上下方向に出退させる出退運動を行うとともに、支持フレーム3(枠体)内において、当該マッサージ機構2を前後方向に移動させる駆動部11と、を有している。
駆動部11は、上記した基台8に配備されている。その駆動部11は、回転駆動力を出力する駆動モータ12と、軸心が左右方向を向き且つ、駆動モータ12により出力された回転駆動力により回転する回転軸13と、この回転軸13からの回転駆動力を出退運動のための偏心運動に変換する出退変換部14(偏心変換部)と、マッサージ機構2を前後方
向に移動させる移動機構15と、を有している。
【0031】
図1図5などに示すように、駆動モータ12は、基台8の左右方向の中央で且つ前側に配備されている。その駆動モータ12の出力軸12aは、左右方向(本実施形態では右方向)を向いて備えられている。出力軸12aには、減速機構16の第1ウォームギア18が取り付けられていて、これらはともに回転する。
減速機構16は、基台8に設けられたギアケース17内に格納されている。この減速機構16は、第1ウォームギア18、第1ウォームホイール19、動力伝達軸20、第2ウォームギア21、第2ウォームホイール22等を有している。
【0032】
第1ウォームギア18は、下側に配備された第1ウォームホイール19と歯合している。第1ウォームホイール19は、動力伝達軸20の前側に取り付けられている。
動力伝達軸20は、上側に配備された出力軸12aに対して、直交する方向(前後方向)に配備されている。
この動力伝達軸20は、ベアリング23を介して、基台8に回転自在に支持されている。動力伝達軸20の後側には、第2ウォームギア21が取り付けられている。この第2ウォームギア21と第1ウォームホイール19は、動力伝達軸20とともに回転する。
【0033】
第2ウォームギア21は、上側に配備された第2ウォームホイール22と歯合している。第2ウォームホイール22は、回転軸13の長手方向中途部に取り付けられていて、その回転軸13とともに回転する。
回転軸13は、軸心が左右方向を向き且つ、基台8の中央に配備されている。回転軸13は、下側に配備された動力伝達軸20に対して、直交する方向(左右方向)に配備されている。
【0034】
この回転軸13は、ベアリング23を介して、基台8に回転自在に支持されている。また、回転軸13は、動力伝達軸20に対して、直交する方向(左右方向)に配備されている。
駆動モータ12の出力軸12aから出力された回転駆動力が、ギアケース17内の減速機構16を経由することで、回転軸13に伝達される。このようにして、回転軸13は、駆動モータ12で発生した回転駆動力により、左右方向を向く軸回りに回転駆動する。
【0035】
なお、本実施形態においては、駆動モータ12と回転軸13は、1基ずつ備えられている。すなわち、本実施形態のマッサージ装置1は、一つの駆動モータ12と回転軸13の回転駆動により、後述する移動機構15がマッサージ機構2を前後方向に移動させるとともに、後述する出退変換部14によりマッサージ体10を上下方向に偏心回転させて、先端に備えられた施療子9を上下方向に出退させる。つまり、施療子9は、前後方向及び上下方向に動作するので、波形の軌跡を描くこととなる。
【0036】
さて、回転軸13は、第2ウォームホイール22の左側と右側とに、回転軸13の回転駆動力をマッサージ体10の上下方向の出退運動に変換する出退変換部14が備えられている。出退変換部14は、マッサージ体10の基端部に設けられている。
マッサージ体10は、基台8の上に配備されている。マッサージ体10は、一定の間隔を空けて左右一対、配備されている。このマッサージ体10は、回転軸13の回転駆動力が偏心運動に変換されることにより、下方から上方に向けて出退する。
【0037】
マッサージ体10は、前方に延設された前部アーム部材24と、後方に延設された後部アーム部材25と、を有している。前部アーム部材24の基端と、後部アーム部材25の基端は連結されていて、その基端には出退変換部14が備えられている。マッサージ体10は、側面視で、略T字形状の部材となっている。
また、マッサージ体10は、回転軸13の軸心回りに回転するが、拘束はされていない(フリーな状態)。すなわち、本実施形態においては、マッサージ体10に、反動で戻り動作するような、バネなどの付勢手段(拘束手段)を設けていない。
【0038】
これにより、マッサージ体10は、使用者Uの腿裏部Bから臀部Tにかけての形状に沿って、前後方向に滑らかに移動することができる。そのため、施療子9が前後に移動すると、使用者Uの腿裏部Bから臀部Tにかけての部位に対して、良好な押圧マッサージを施術することができる。
一方、前部アーム部材24の先端(前端)と後部アーム部材25の先端(後端)には、使用者Uの施療部をマッサージ(施療)する施療子9が設けられている。施療子9は、使用者Uの腿裏部Bから臀部Tにかけての部位(施療部)に対して、下方から上方に向けて押圧マッサージを行う。すなわち、施療子9は、出退変換部14によるマッサージ体10の上下方向の偏心運動により、上下方向に出退運動を行う。
【0039】
本実施形態においては、各アーム部材の先端に、軸心が左右方向(回転軸13と同じ方向)を向く軸部26が取り付けられている。また、施療子9は、回転自在なローラとされ、軸部26の軸心回りに回転するように取り付けられている。つまり、本実施形態の施療子9は、マッサージ機構2が前後方向に移動するとき、使用者Uの腿裏部Bから臀部Tにかけての施療部に沿って滑らかに転動する。
【0040】
すなわち、本実施形態のマッサージ機構2は、マッサージ体10を上下に出退させることで、着座した使用者Uの施療部に対して、施療子9を下方から上方に向けて押しつけることを繰り返しながら、押し込みマッサージ(押圧マッサージ)を可能としている。
なお、本実施形態のマッサージ機構2は、施療部に対して押圧を繰り返してマッサージを行うものとしたが、腿裏部Bの筋を伸ばすようなマッサージを行うようにしてもよいし、あるいは様々なマッサージ動作を組み合わせたものを用いてもよい。
【0041】
図6に示すように、出退変換部14は、回転軸13の回転駆動力を偏心回転に変換して、マッサージ体10の施療子9を上下方向に出退させる出退運動を行わせる。この出退変換部14(偏心変換部)は、回転軸13に取り付けられ且つ、当該回転軸13の軸心に対して偏心回転するボス部材27と、マッサージ体10の基端に設けられ且つ、ボス部材27を外嵌する環状嵌合部28と、を有している。
【0042】
すなわち、出退変換部14は、ボス部材27(偏心ボス部材)が回転軸13の軸心回りに偏心回転することにより、環状嵌合部28が上下方向に動くことで、マッサージ体10を上下方向に出退させて、施療子9を上下方向に出退運動を行わせる。
偏心ボス部材27は、回転軸13と一体に回転するように取り付けられている。偏心ボス部材27は、外周面に、回転軸13の軸心に対して、その回りを偏心回転しながら周回するカム面27aを備えている。偏心ボス部材27のカム面27aには、環状嵌合部28が摺動自在に外嵌されている。
【0043】
なお、偏心ボス部材27の軸心は、回転軸13の軸心と同じ方向(左右方向)を向くが、同一ではない。すなわち、偏心ボス部材27の軸心は、回転軸13の軸心と並行である。また、本実施形態の偏心ボス部材27は、二分割の部材とされ、環状嵌合部28を左右から挟み込む構成となっている。
環状嵌合部28は、側面視でリング状に形成され、マッサージ体10(アーム部材)の基端側(下端側)に形成されている。環状嵌合部28は、偏心ボス部材27のカム面27aに外嵌している。
【0044】
この環状嵌合部28と偏心ボス部材27は、相対回動自在となっていて、回転軸13の回転運動を偏心回転に変換して、マッサージ体10の上下方向の出退運動に変換する。つまり、偏心ボス部材27が環状嵌合部28内を摺動しながら偏心回転することにより、環状嵌合部28が上下方向に動き、マッサージ体10が上下方向に出退し、施療子9が上下方向に出退運動する。
【0045】
なお、偏心ボス部材27と環状嵌合部28は、低摩耗性の材料(例えば、フッ素樹脂(PTFE))で形成されているとよい。
マッサージ体10は、基端に環状嵌合部28が設けられていて、その基端から、前方斜め上側に向かって延設された棒状の前部アーム部材24と、後方斜め上側に向かって延設された棒状の後部アーム部材25とを有する部材である。すなわち、マッサージ体10の基端には、出退変換部14が設けられている。
【0046】
また、前部アーム部材24の前端には、施療部をマッサージする施療子9が設けられている。同様に、後部アーム部材25の後端にも、施療部をマッサージする施療子9が設けられている。この施療子9は、軸部26の軸心回りに回転するローラ型とされている。
すなわち、本実施形態では、各アーム部材24,25の先端に、4つのローラ型の施療
子9を備え、前後方向に移動する際に、使用者Uの腿裏部Bから臀部Tにかけての施療部に沿って滑らかに転動する。
【0047】
このような出退変換部14の変換動作(回転軸13の回転運動を上下方向の出退運動に変換すること)により、マッサージ体10は上下方向に出退運動を繰り返し、施療子9は前後に移動しながら上下に動くので、波のような動作を繰り返す(波形の軌跡を描く)こととなる。つまり、出退変換部14とマッサージ体10は、前後に移動中の施療子9を、一定の間隔で上方向に押圧し下方向に引く動作を繰り返す。
【0048】
ところで、本発明のマッサージ装置1は、支持フレーム3に対してマッサージ機構2を前後方向に移動可能な移動機構15を備えている。この移動機構15は、第1フレーム部材3a(メインフレーム)に設けられたガイドレール部5と、そのガイドレール部5上を走行可能とされた走行体29と、を有している。
図4図5などに示すように、ガイドレール部5は、第1フレーム部材3aに、前後方向に沿って設けられている。ガイドレール部5は、マッサージ機構2を前後方向に案内するレール部材であり、第1フレーム部材3aの案内溝部4における下側の開口縁に沿うように取り付けられている。このガイドレール部5は、第1ガイド溝6と隣り合って配備されている。つまり、ガイドレール部5と第1ガイド溝6は、連通状態となっている。
【0049】
また、ガイドレール部5の上面には、歯が前後方向を向くラックギア30が形成されている。そのため、本実施形態の走行体29は、ガイドレール部5のラックギア30と歯合するピニオンギア29となっている。
このピニオンギア29は、マッサージ機構2の左右両側に配備されている。すなわち、ピニオンギア29は、回転軸13の左右両端部に、それぞれ回動自在に取り付けられていて、ラックギア30上を回転して前後方向に移動する。また、ピニオンギア29は、回転軸13の回転駆動力により回転するが、変速機構31により所定の速度に減速される。
【0050】
変速機構31は、ピニオンギア29より内側であって、回転軸13の左右両端部にそれぞれ設けられている。この変速機構31は、基台8に設けられたギアケース32内に格納されている。この変速機構31は、第1ギア33、従動軸34、第2ギア35、第3ギア36、第4ギア37等を有している。
第1ギア33は、回転軸13の左右両方の端部側に、それぞれ回動自在に取り付けられている。第1ギア33は、前方に配備されている第2ギア35と歯合している。第2ギア35は、従動軸34に回動自在に取り付けられている。従動軸34は、回転軸13の前方に並行(左右方向)に配備されている。
【0051】
第2ギア35の外側には、第3ギア36が配備されている。第3ギア36は、従動軸34に回動自在に取り付けられている。すなわち、第2ギア35と第3ギア36は、隣り合って配備されている。第3ギア36は、後方に配備されている第4ギア37と歯合している。
第4ギア37は、第1ギア33の外側に配備され且つ、回転軸13に回動自在に取り付けられている。本実施形態の第4ギア37は、ピニオンギア29と一体成形されている。つまり、ピニオンギア29は、第4ギア37と一体回転するものとなっている。
【0052】
すなわち、回転軸13の回転駆動力が、第1ギア33~第2ギア35~第3ギア36~第4ギア37(変速機構31)を経由して、所定の速度に減速されることにより、ピニオンギア29が回転してラックギア30上を前後方向に走行する。これにより、マッサージ機構2は、ガイドレール部5に沿って前後方向に移動することができる。
それ故、マッサージ機構2は、ガイドレール部5(移動機構15)に前後方向に案内されて移動しながら、使用者Uの臀部Tから腿裏部Bにかけての施療部に対して、下方から上方に向けて押圧マッサージを行うことができる。
【0053】
ところで、ガイドレール部5(ラックギア30)は、一方側が下方向に傾斜した形状に形成されている。本実施形態のガイドレール部5(ラックギア30)は、前方に向かうにつれて垂れ下がる形状となっている。つまり、ガイドレール部5(ラックギア30)は、前端側を下方に湾曲させたカーブレールとしている。それに従って、第1ガイド溝6と第2ガイド溝7のそれぞれの前端側を湾曲させたカーブレールとしている。
【0054】
このガイドレール部5(ラックギア30)、第1ガイド溝6、第2ガイド溝7が、同じ傾斜角度とされた前下方傾斜のカーブレールとされていることで、支持フレーム3(枠体)の前部下側に、マッサージ機構2を収納する空間が形成される。
すなわち、左右一対の第1フレーム部材3aの間に形成された内部空間において、ガイドレール部5(ラックギア30)の前方側の下部空間が、マッサージ機構2の収納領域Sとされている。
【0055】
ガイドレール部5(ラックギア30)の前端側には、前方に向かうにつれて下方に傾斜する傾斜部38が設けられている。この傾斜部38の位置(下方向に傾斜が始まる位置(湾曲する起点))については、第1フレーム部材3a(支持フレーム3)の前後方向の長さに対して、その第1フレーム部材3aの前端から3割程度の位置からガイドレール部5、(ラックギア30)を傾斜させていると好ましい。
【0056】
また、傾斜部38の下降量(上下方向の移動量)については、少なくとも施療子9の外径の半分程度が好ましく、最大でも施療子9の外径と同じ程度の幅がより好ましい。つまり、傾斜部38の下降量や傾斜角度については、側面視で、施療子9が支持フレーム3(第1フレーム部材3a)の上縁より下側に位置する非突出状態となるような、移動量及び傾斜角度とするとよい。
【0057】
また同様に、第1ガイド溝6にも、傾斜部38と同じ角度で下方に傾斜する傾斜部39が設けられている。また、第2ガイド溝7にも、傾斜部38と同じ角度で下方に傾斜する傾斜部40が設けられている。つまり、傾斜部38~40の前方が、マッサージ機構2の収納領域Sとなる。この収納領域Sは、マッサージ機構2を下側に完全に収納することができる。
【0058】
第1ガイド溝6の傾斜部39と、第2ガイド溝7の傾斜部40については、マッサージ機構2が水平状態を維持して下降することができるように、傾斜部38と同じ傾斜角度と、下方向に傾斜が始まる位置(湾曲する起点)を決定するとよい。
上記のように、傾斜角度や下降量などを考慮した、傾斜部38をガイドレール部5(ラックギア30)に設け、また傾斜部38と同様の傾斜角度と下降量などを備えた傾斜部39を第1ガイド溝6に設け、また前述と同様に傾斜部40を第2ガイド溝7に設けることで、マッサージ機構2を、水平状態を維持しながら前斜め下方に沈降させるように移動させて、ガイドレール部5の前方下部に設けられた収納領域Sに移動させることができる。
【0059】
例えば、ピニオンギア29をラックギア30(ガイドレール部5)上を前方に走行させて、傾斜部38の下端(先端)に移動させると、第1ガイド溝6内を走行する第1ローラ部材44(詳細は後述)が傾斜部39の下端(先端)に移動し、第2ガイド溝7内を走行する第2ローラ部材45(詳細は後述)が傾斜部40の下端(先端)に移動するので、マッサージ機構2は水平状態を維持しながら、支持フレーム3の前斜め下方に沈み込んで、収納領域Sに移動する。
【0060】
そして、出退変換部14によりマッサージ体10を下方に移動させると、施療子9は側面視で第1フレーム部材3a(支持フレーム3)の上縁より下側に位置することとなり、非突出状態となる(図2図7の(a)の図を参照)。
これにより、マッサージ機構2を支持フレーム3内の収納領域Sに確実に収納することができる。また、マッサージ機構2を下側に完全に収納する収納領域Sを設けたことで、マッサージ装置1に使用者Uが着座したとき、その使用者Uの座り心地が向上する。
【0061】
なお、本実施形態においては、マッサージ機構2の収納領域Sを、支持フレーム3の前部に設けることが好ましいため、その前部に設けた。しかし、支持フレーム3の後部に収納領域Sを設けるようにしてもよい。
一方、ラックギア30(ガイドレール部5)の後部側には、下方に窪んだレール凹部41が形成されている。レール凹部41は、ピニオンギア29がラックギア30上を後方に走行することにより、マッサージ機構2を後方に移動させた際に、施療子9を下方に移動させて、施療部から一時的に遠ざけるものである。すなわち、レール凹部41は、施療子9の位置を一時的に支持フレーム3の上縁よりも下方に引き下げるものである。
【0062】
このレール凹部41は、ラックギア30(ガイドレール部5)の後部側を下方に向かっ
て円弧状に湾曲するように凹ませたものである。つまり、ラックギア30は、後部側が下方に向かって膨らむ曲線状に形成されている。
また同様に、ガイドレール部5と隣り合って(連通状態で)配備されている第1ガイド溝6においても、ガイドレール部5と同じ位置に、下方に窪んだ案内凹部42が形成されている。すなわち、第1ガイド溝6には、レール凹部41に対応して軌道が下方に向かって湾曲した案内凹部42が設けられている。
【0063】
このレール凹部41をラックギア30(ガイドレール部5)に設け、案内凹部42を第1ガイド溝6に設けることにより、使用者Uがマッサージ装置1に着座して、臀部Tなどの施療部に対して押圧マッサージを受けているとき、施療子9が臀部Tの内側において下方に向かって張り出た骨(座骨)に当たることなく回避することができる。つまり、座骨に施療子9が押し付けられて痛みが生じるという、使用者Uに対する不快な使用感を抑止することができる。
【0064】
また、本実施形態のマッサージ装置1では、前後方向に移動中のマッサージ機構2の姿勢を安定した姿勢(水平姿勢)に保持する姿勢保持機構43が設けられている。すなわち、姿勢保持機構43は、前後方向に移動中のマッサージ機構2の姿勢を安定させるため、マッサージ機構2を複数の点で支持するものとなっている。
図1図5などに示すように、姿勢保持機構43は、第1フレーム部材3aに形成された第1ガイド溝6と、その第1ガイド溝6内を走行する第1ローラ部材44(第1移動体)と、第1ガイド溝6の上側に形成された第2ガイド溝7と、その第2ガイド溝7内を走行する第2ローラ部材45(第2移動体)と、を有している。
【0065】
第1ローラ部材44(第1スライダー部材)は、回転軸13の左右両端のそれぞれに設けられている。つまり、第1ローラ部材44は、回転軸13に取り付けられたピニオンギア29のさらに外方に配備されている。第1ローラ部材44は、第1ガイド溝6内に摺動自在に嵌め入れられていて、前後方向に走行する。
この第1ガイド溝6は、隣り合うラックギア30(ガイドレール部5)と同じ軌道を備えた長溝である。つまり、第1ガイド溝6は、前端側が前方に向かうにつれて下方に傾斜する軌道(傾斜部39)と、傾斜軌道と連通し且つ後方に向かって水平の軌道と、を有している。なお、第1ガイド溝6の水平軌道には、レール凹部41に対応して下方に緩やかに凹むように湾曲する案内凹部42が設けられている。
【0066】
第2ローラ部材45(第2スライダー部材)は、第1ローラ部材44の前方に配備されている。第2ローラ部材45は、基台8の前端側に設けられた突出片46に取り付けられている。突出片46は、基台8の前端から、上方向及び左右外方向に向かって突設された棒状の部材である。その突出片46の先端に、第2ローラ部材45が設けられている。
つまり、第2ローラ部材45は、第1ローラ部材44から見て前方上側に設けられている。この第2ローラ部材45は、第2ガイド溝7内に摺動自在に嵌め入れられていて、前後方向に走行する。
【0067】
第2ガイド溝7は、第1ガイド溝6とほぼ同じ軌道を備えた長溝である。この第2ガイド溝7は、第1ガイド溝6より上方前側に距離をあけて配備されている。つまり、第2ガイド溝7は、前端側が前方に向かうにつれて下方に傾斜する軌道(傾斜部40)と、傾斜軌道と連通し且つ後方に向かって水平の軌道と、を有している。
第2ガイド溝7の傾斜部40は、第1ガイド溝6の傾斜部39から見て前方上側に設けられている。なお、第2ガイド溝7の後端側には、レール凹部41に対応する湾曲軌道は設けられていない。
【0068】
マッサージ機構2は、第1ガイド溝6内に前後方向に摺動自在に嵌め入れられた第1ローラ部材44と、第2ガイド溝7内に前後方向に摺動自在に嵌め入れられた第2ローラ部材45とにより、前後方向に移動した際、安定した姿勢(水平姿勢)が保持される。
[作動態様]
次いで、本発明のマッサージ装置1の作動態様について、図面を参照しながら説明する。
【0069】
図7において、上から順に、マッサージ機構2が前端の収納領域Sから、後端に移動す
る際の動作状況を示す。
図7の(a)は、マッサージ機構2がガイドレール部5の前方側の収納領域Sにある状況を示す。図7の(b)は、施療子9が上方に突出し施療部に対して押圧マッサージを行っている状況を示す。
【0070】
図7の(c)は、ピニオンギア29がレール凹部41に位置するとともに第1ローラ部材44が第1ガイド溝6の案内凹部42に位置する状況を示す。図7の(d)は、ガイドレール部5の後方側において施療子9が最も上がった状況を示す。
図7の(a)に示す動作状況では、ラックギア30(ガイドレール部5)の傾斜部38の前端にピニオンギア29が位置する場合、第1ローラ部材44は第1ガイド溝6の傾斜部39に位置し、第2ローラ部材45は第2ガイド溝7の傾斜部40に位置する。
【0071】
すなわち、マッサージ機構2は、ガイドレール部5の前方側にある収納領域Sに位置している。このとき、出退変換部14により、マッサージ体10は最も下側に位置している(図7の(a)の高さL(最下位置)を参照)。これに従って、施療子9も最も下側に位置している。前述のように、マッサージ機構2を制御するとよい。
なお、マッサージ機構2が後方から前方へ移動してきた場合、そのマッサージ機構2は収納領域Sに下降して収納され、施療子9は第1フレーム部材3a(支持フレーム3)の上縁より下側に位置する。
【0072】
駆動モータ12からの回転駆動力により回転軸13が回転すると、ピニオンギア29が傾斜部38から後方に向かってガイドレール部5のラックギア30上を走行する。すると、第1ローラ部材44は、第1ガイド溝6の傾斜部39から後方に移動する。また、第2ローラ部材45は、第2ガイド溝7の傾斜部40から後方に移動する。
このとき、第1ローラ部材44と第2ローラ部材45などからなる姿勢保持機構43により、マッサージ機構2は水平な姿勢で上昇することとなる。つまり、マッサージ体10が上昇し、施療子9が支持フレーム3の上縁に向かうようになる。
【0073】
ピニオンギア29が傾斜部38を超えて、ラックギア30(ガイドレール部5)の水平部に移動すると、第1ローラ部材44は傾斜部39を超えて、第1ガイド溝6の水平部(水平軌道)に移動する。同様に、第2ローラ部材45は傾斜部40を超えて、第2ガイド溝7の水平部(水平軌道)に移動する。マッサージ機構2は、図7の(b)の図に示すような姿勢に変化する。
【0074】
図7の(b)に示す動作状況では、回転軸13の回転により、ピニオンギア29がラックギア30(ガイドレール部5)の水平部(水平軌道)上を走行する。このとき、第1ローラ部材44は第1ガイド溝6の前後方向中途部あたり(水平軌道)に位置するとともに、第2ローラ部材45は第2ガイド溝7の前後方向中途部あたり(水平軌道)に位置する。
【0075】
このように、第1ローラ部材44と第2ローラ部材45等からなる姿勢保持機構43により、移動中におけるマッサージ機構2の姿勢は変化することはなく、一定(水平な姿勢)である。
この状況において、施療子9は、支持フレーム3の上縁より上方に突出した状態に変化している。そのため、突出した施療子9は、使用者Uの施療部を確実に押圧マッサージすることが可能となる。
【0076】
また、前側の施療子9と後側の施療子9とがほぼ同じ高さとなる水平な姿勢を維持したまま後方に向かって移動する。この状況でマッサージ体10を前後に移動させると、このマッサージ体10は回転軸13の軸心回りに回転するが非拘束の状態(フリーな状態)であるので、使用者Uの腿裏部Bから臀部Tにかけての形状に沿って、前後方向に滑らかに移動することができる。そのため、施療子9が前後に移動すると、使用者Uの施療部に対して、良好な押圧マッサージを行うことができる。
【0077】
すなわち、出退変換部14の変換動作(回転軸13の回転運動を上下方向の出退運動に変換すること)により、マッサージ体10は上下方向に出退運動を繰り返し、施療子9は前後に移動しながら上下に動くので、波のような動作を繰り返すこととなる。
つまり、前後に移動中の施療子9を、一定の間隔で上方向に押圧し下方向に引く動作を
繰り返す。これにより、使用者Uの腿裏部Bから臀部Tにかけての部位(施療部)に対して、良好な押圧マッサージを行うことができる。
【0078】
ピニオンギア29がラックギア30(ガイドレール部5)のレール凹部41に移動すると、マッサージ機構2は図7の(c)の図に示すような姿勢に変化する。
図7の(c)に示す動作状況では、ピニオンギア29がラックギア30(水平軌道)上を走行してレール凹部41に進入すると、ピニオンギア29に隣接する第1ローラ部材44は、第1ガイド溝6に設けられている案内凹部42に進入する。なお、第2ローラ部材45は、直線状(水平軌道)の第2ガイド溝7上にあるため高さは変わらない。
【0079】
すなわち、後側に位置するピニオンギア29がレール凹部41に進入して下降するとともに、第1ローラ部材44が案内凹部42に進入して下降する。一方で、前側に位置する第2ローラ部材45は、真っ直ぐ後方へ進むため、高い位置を維持する。これにより、マッサージ機構2の姿勢が後方に向かって倒れ込んだ状態となる。
このとき、前側の施療子9は、支持フレーム3の上縁より、やや上方に突出した状態である。一方、後側の施療子9は、支持フレーム3の上縁より完全に下方に引き下げられている。
【0080】
つまり、後側の施療子9だけを支持フレーム3の上縁よりも下方に沈み込ませることができるので、後側の施療子9が使用者Uの座骨に当たることなく回避することができる。さらに後方に進むと、マッサージ機構2は、図7の(d)の図に示すような姿勢に変化する。
図7の(d)に示す動作状況では、ピニオンギア29がレール凹部41から後方に移動して、ガイドレール部5の後端に到達する。このとき、第1ローラ部材44は、案内凹部42から後方に移動して、第1ガイド溝6の後端に到達する。また、第2ローラ部材45は、真っ直ぐ後方へ進んで、第2ガイド溝7の後端に到達する。
【0081】
マッサージ機構2の姿勢は、第1ローラ部材44と第2ローラ部材45などからなる姿勢保持機構43により、変化することはなく、一定(水平な姿勢)である。この状況において、施療子9は、支持フレーム3の上縁より上方に最も突出した状態に変化している。
つまり、収納領域Sの反対側である、ガイドレール部5の後方側(他方側)に達すると、出退変換部14により、マッサージ体10は最も上側に位置している(図7の(d)の高さH(最高位置)を参照)。これに従って、施療子9は最も上がった位置となる。前述のように、マッサージ機構2を制御するとよい。このように、突出した施療子9は、使用者Uの臀部Tの形状に沿った押圧マッサージを行うことが可能となる。
【0082】
なお、ガイドレール部5の後方側において、マッサージ体10は最も上側に位置している必要はなく、例えば、ボス部材27の偏心に対応して上がった位置となっていればよく、ボス部材27の偏心量の2/3だけ上がっていても問題はない。
この状況でマッサージ体10を後方に移動させると、このマッサージ体10は回転軸13の軸心回りに回転するが非拘束の状態(フリーな状態)であるので、使用者Uの臀部Tの形状に沿って滑らかに移動することができる。そのため、施療子9が後方に移動すると、使用者Uの臀部Tに対して良好な押圧マッサージを行うことができる。
【0083】
ところで、マッサージ機構2を収納するに際しては、上記の逆の手順で行うとよい。すなわち、図7の(d)~(a)の順に、マッサージ機構2を移動させるとよい。このように、マッサージ機構2が後方から前方へ移動してきた場合、収納領域Sに下降して収納され、施療子9は第1フレーム部材3a(支持フレーム3)の上縁より下側に位置するようになる。
【0084】
マッサージ装置1の制御部は、マッサージ機構2が収納領域Sにあるとき、偏心ボス部27の偏心位置を最下位置Lにして、施療子14を上方に突出させずに支持フレーム3内に降下させる制御を行うとよい。
また、マッサージ装置1の制御部は、マッサージ機構2が前後方向に移動しているとき、施療子14の上昇と下降を繰り返す制御を行うとよい。
【0085】
一方、マッサージ機構2が後端に移動したとき、マッサージ装置1の制御部は、偏心ボス部27の偏心位置を最高位置Hにして、施療子14を最も上に突出させる制御を行うと
よい。
このようにすると、使用者Uの腿裏部Bから臀部Tにかけての部位(施療部)を確実にマッサージすることが可能となるとともに、マッサージ機構2を支持フレーム3内の収納領域Sに確実に収納することが可能となる。
【0086】
なお、マッサージ機構2の前後移動における停止位置(例えば、収納領域Sでの駆動部11の停止など)、については、マッサージ機構2の位置を検出する位置検出部47によるものが好ましい。
位置検出部47は、例えば、マッサージ機構2の前後移動における停止位置を検出する場合、リミットスイッチなどのセンサが好ましい。
【0087】
また、マッサージ体10の上下出退における停止位置(例えば、収納領域Sにおける施療子9の最下位置での出退変換部14の回転停止、後端部における施療子9の最高位置での出退変換部14の回転停止など)についても、マッサージ機構2の位置を検出する位置検出部47によるものが好ましい。
位置検出部47は、例えば、マッサージ体10の上下出退における停止位置を検出する場合、出退変換部14の回転の角度を検出する、ロータリーエンコーダなどのセンサが好ましい。
【0088】
以上、本発明のマッサージ装置1によれば、小型でコンパクトなマッサージ機構2でありながら、使用者Uの腿裏部Bから臀部Tにかけての施療部に対して、効果的にマッサージを行うことができるとともに、施療子9などを支持フレーム3の上縁から突出させることなく、支持フレーム3内にマッサージ機構2を確実に収納することができる。
また、本発明のマッサージ装置1は、マッサージ機構2を下側に完全に収納することができる収納領域Sを設けたことで、マッサージ装置1に使用者Uが着座したとき、その使用者Uの座り心地が向上する。
【0089】
また、図7などに示すように、本実施形態においては、駆動モータ12と回転軸13を収容するマッサージ機構2の本体部は、常に第1フレーム部材3aの上端より下側に位置するようになる。すなわち、本実施形態のマッサージ機構2は、特開2013-248144号公報(特許文献1)の図15などのような、回転軸などがユニットの上縁より大幅に上昇させることはない。また、マッサージ機構を上昇させる機構など、構成する部品の点数を増やす必要がなくなる。
【0090】
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。
特に、今回開示された実施形態において、明示されていない事項、例えば、作動条件や操作条件、構成物の寸法、重量などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な事項を採用している。
【0091】
例えば、マッサージ機構2に備えられているアーム部材24,25(マッサージ体10)の長さや、マッサージ体10の回転軸13に対する偏心度合い、左右にあるマッサージ体10の離間距離などは、施療範囲を鑑み適宜変更可能である。また、ボス部材27は、傾斜させてもよく、その傾斜角度は適宜変更可能である。
また、マッサージ機構2を前後に移動させるとき、施療子9を上方に押し上げたままで(使用者Uの腿裏部B(前)から臀部T(後)にかけて、引き下げずに施療子9を押し当てたままで直線状の移動)押圧マッサージを行えるように制御してもよい。
【0092】
本発明のマッサージ装置1は、駆動モータ12を複数備えてもよい。施療子9に関し、例えば球体とした場合、臀部Tなどの荷重を分散して支持するため、バネなどの付勢手段を介して、マッサージ体10の先端に取り付けられていてもよい。また、マッサージ装置1において、左右一対のマッサージ体10の間隔を可変とする幅調整機構を備えてもよい。
【0093】
また、本発明のマッサージ装置1は、据え置き型の椅子型マッサージ機の座部内に搭載してもよい。また、本発明のマッサージ装置1は、携帯型のシート型マッサージ機の座部内に搭載してもよい。
【符号の説明】
【0094】
1 マッサージ装置
2 マッサージ機構
3 支持フレーム
3a 第1フレーム部材(メインフレーム)
3b 第2フレーム部材(サブフレーム)
4 案内溝部
5 ガイドレール部
6 第1ガイド溝
7 第2ガイド溝
8 基台
9 施療子
10 マッサージ体
11 駆動部
12 駆動モータ
12a 出力軸
13 回転軸
14 出退変換部
15 移動機構
16 減速機構
17 ギアケース
18 第1ウォームギア
19 第1ウォームホイール
20 動力伝達軸
21 第2ウォームギア
22 第2ウォームホイール
23 ベアリング
24 前部アーム部材
25 後部アーム部材
26 軸部
27 ボス部材
27a カム面
28 環状嵌合部
29 走行体(ピニオンギア)
30 ラックギア
31 変速機構
32 ギアケース
33 第1ギア
34 従動軸
35 第2ギア
36 第3ギア
37 第4ギア
38 傾斜部(ガイドレール部)
39 傾斜部(第1ガイド溝)
40 傾斜部(第2ガイド溝)
41 レール凹部
42 案内凹部
43 姿勢保持機構
44 第1ローラ部材(第1スライダー部材)
45 第2ローラ部材(第2スライダー部材)
46 突出片
47 位置検出部
S 収納領域
L 高さ(最下位置)
H 高さ(最高位置)
C 椅子
U 使用者
B 腿裏部
T 臀部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8