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  • 特許-空調部材 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-30
(45)【発行日】2023-09-07
(54)【発明の名称】空調部材
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/02 20060101AFI20230831BHJP
   F16L 59/02 20060101ALI20230831BHJP
【FI】
F24F13/02 B
F24F13/02 D
F16L59/02
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019058747
(22)【出願日】2019-03-26
(65)【公開番号】P2020159622
(43)【公開日】2020-10-01
【審査請求日】2021-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】591029921
【氏名又は名称】フジモリ産業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000119232
【氏名又は名称】株式会社イノアックコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100085556
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100115211
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 三十義
(72)【発明者】
【氏名】村田 孝友
(72)【発明者】
【氏名】尾形 真幸
(72)【発明者】
【氏名】京井 貴史
(72)【発明者】
【氏名】望月 勇佑
(72)【発明者】
【氏名】清水 敦夫
【審査官】伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-149760(JP,A)
【文献】実開昭49-041651(JP,U)
【文献】韓国公開実用新案第20-2011-0006405(KR,U)
【文献】中国特許出願公開第101509590(CN,A)
【文献】特開2018-100346(JP,A)
【文献】特開2004-099687(JP,A)
【文献】特開昭63-309511(JP,A)
【文献】国際公開第2018/021969(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0372260(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 13/02
F16L 59/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物に設けられる空調部材であって、
添加剤を含有するポリイソシアヌレート発泡成形体によって構成され、
前記添加剤が、三量化触媒を含み(ただし、下記一般式(1)
【化1】
(式中、R、R、Rは、各々独立して、炭素数1~20のアルキル基を表す。)で示される脂肪族アミン化合物とポリイソシアヌレート化触媒からなる硬質ポリイソシアヌレートフォーム製造用の触媒組成物を除く)、
前記ポリイソシアヌレート発泡成形体のイソシアネートインデックスが200~500であり、酸素指数が22以上26以下であることを特徴とする空調部材。
【請求項2】
建物に設けられる空調部材であって、
添加剤を含有するポリイソシアヌレート発泡成形体によって構成され、
前記添加剤が、三量化触媒を含み(ただし、下記一般式(1)
【化2】
(式中、R 、R 、R は、各々独立して、炭素数1~20のアルキル基を表す。)で示される脂肪族アミン化合物とポリイソシアヌレート化触媒からなる硬質ポリイソシアヌレートフォーム製造用の触媒組成物を除く)、
前記ポリイソシアヌレート発泡成形体のイソシアネートインデックスが200~500であり、酸素指数が22以上であり、
前記ポリイソシアヌレート発泡成形体が、曲げ強さ60N/cm ~100N/cmであることを特徴とする空調部材。
【請求項3】
前記ポリイソシアヌレート発泡成形体の透湿係数が、10ng/m ・s・Pa以下、及び/又は、前記ポリイソシアヌレート発泡成形体の吸水量が、3g/100cm 以下である、 請求項1又は2に記載の空調部材。
【請求項4】
建物に設けられる空調部材の製造方法であって、
添加剤を含有するポリイソシアヌレート発泡成形体によって構成され、
前記添加剤が、三量化触媒を含み(ただし、下記一般式(1)
【化3】
(式中、R 、R 、R は、各々独立して、炭素数1~20のアルキル基を表す。)で示される脂肪族アミン化合物とポリイソシアヌレート化触媒からなる硬質ポリイソシアヌレートフォーム製造用の触媒組成物を除く)、
前記ポリイソシアヌレート発泡成形体のイソシアネートインデックスが200~500であり、酸素指数が22以上である空調部材の製造方法において、
前記ポリイソシアヌレート発泡成形体を発泡成形させるための発泡剤として、炭化水素 を用いることを特徴とする製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物に設けられるダクトやチャンバーなどの空調部材に関し、特に主材料がポリイソシアヌレート発泡成形体からなる空調部材に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、オフィスビル、店舗、家屋などの建物には空調設備としてダクトやチャンバーなどの空調部材が設置されている。空調部材の主材料は、例えばポリウレタンなどの断熱性の発泡樹脂によって構成されている(下記特許文献等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-190900号公報
【文献】特開2017-203559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の空調部材は、断熱性のほか、防耐火性をも具備していることが好ましい。一方、例えば硬質ポリウレタンを主材料とする空調部材の場合、硬質ポリウレタンの酸素指数(空気中の酸素濃度を高めていったとき着火する時点の酸素濃度の百分率)は21程度であり、防耐火性が十分でない。このため、アルミ箔などの金属層で表面を覆うなどの対策を要する(上掲特許文献等参照)。
本発明は、断熱性だけでなく防耐火性をも具備する空調部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、本発明は、建物に設けられる空調部材であって、
添加剤を含有するポリイソシアヌレート発泡成形体によって構成され、
前記添加剤が、三量化触媒を含み、
前記ポリイソシアヌレート発泡成形体のイソシアネートインデックスが200~500であり、酸素指数が22以上であることを特徴とする。
【0006】
前記ポリイソシアヌレート発泡成形体が、圧縮強さ8N/cm~60N/cm、曲げ強さ15N/cm~100N/cm、耐熱温度80℃~140℃であることが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、防耐火性が高い空調部材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る空調ダクト(空調部材)の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
図1は、例えばオフィスビル、店舗、家屋などの建物の空調設備における空調ダクト1(空調部材)を示したものである。空調ダクト1は、空調機(図示せず)からの空調エアを吹出し口へ流したり、換気エアを換気口へ流したりするのに用いられる。
【0010】
空調ダクト1の周壁は、ダクト本体11と、アルミなどの金属膜からなる内外の表面層12を含む。ダクト本体11の厚みは例えば数cmであるのに対し、表面層12の厚みは数十μmである。図において、表面層12の厚みはダクト本体11の厚みに対して誇張されている。
【0011】
ダクト本体11は、4つの平らなボード11aを組み合わせて四角形断面に形成されている。ダクト本体11によって空気通路1aが画成されている。なお、図1においてはダクト本体11の断面は正方形であるが長方形でもよく、更には環状であればよく、円形でもよく、四角形以外の多角形でもよい。
【0012】
ボード11aひいてはダクト本体11は、ポリイソシアヌレート発泡成形体によって構成されている。言い換えると、空調ダクト1は、ポリイソシアヌレート発泡成形体を主材料としている。
ポリイソシアヌレート発泡成形体は、ポリイソシアヌレートとウレタン結合とを有する発泡樹脂であり、ポリイソシアネート、ポリオール、触媒、発泡剤、各種添加剤などを出発物質とする。
ポリイソシアヌレートは、ポリイソシアネートを三量化反応させることによって得られたものであり、イソシアヌレート環構造を有している。ポリイソシアネートとポリオールとが反応してウレタン結合が生成される。
【0013】
ポリイソシアネートとしては、芳香族ポリイソシアネートでもよく、脂肪族ポリイソシアネートでもよく、脂環式ポリイソシアネートでもよい。
芳香族ポリイソシアネートとしては、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジメチルジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、水素添加メチレンジフェニルジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート等が挙げられる。
好ましくは、ポリイソシアネートとしては、芳香族ポリイソシアネート化合物をもちいる。そして、上記芳香族ポリイソシアネート化合物は、単独で用いてもよく、2種以上用いて混合物としてもよい。
【0014】
ポリオールとしては、複数の水酸基を有している化合物であれば特に限定されない。例えば、2官能若しくは3官能の双方又はいずれか一方のポリエーテルポリオールと、多塩基酸とを縮合させて得られた、末端又は側鎖に水酸基を2個以上有する芳香族ポリエステルポリオールと、を併用して用いることが好適である。以下、当該好適な態様について詳述する。2官能若しくは3官能の双方又はいずれか一方のポリエーテルポリオールを構成するポリオールとしては、2官能ポリオール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA 、ビスフェノールF 、ビスフェノールS等、又は、これらにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドのアルキレンオキサイド類を付加重合した化合物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等)、3官能ポリオール(トリメチロールプロパン、グリセリン等、又は、これらにアルキレンオキサイド類を付加重合した化合物等)が挙げられる。これらの1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、芳香族ポリエステルポリオールを構成する多塩基酸としては、オルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。ここで、フタル酸と、2官能、3官能若しくは多官能のアルコール類又はこれらのアルキレンオキサイド付加物の1種以上と、を縮合させて得られたポリエステルポリオールが好ましく、より好ましくは、テレフタル酸とジエチレングリコールとを縮合させて得られたポリエステルポリオールである。芳香族ポリエステルポリオールの水酸基の含有量は、2個以上であり、好ましくは2~3個である。
【0015】
ポリイソシアヌレート発泡成形体のイソシアネートインデックス(全原料中の活性水素基に対するイソシアネート基の当量比の百分率)は、好ましくは200~500であり、より好ましくは300~450である。
【0016】
触媒には、三量化触媒を必須的に含む。好適には、三量化触媒、樹脂化触媒、泡化触媒との混合触媒であり、好適には、金属塩触媒とアミン触媒との混合触媒である。ここで、三量化触媒としては、例えば、1)酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム等の金属酸化物類;2)メトキシナトリウム、エトキシナトリウム、プロポキシナトリウム、ブトキシナトリウム、メトキシカリウム、エトキシカリウム、プロポキシカリウム、ブトキシカリウム等のアルコキシド類;3)酢酸カリウム、オクチル酸カリウム、カプリル酸カリウム、シュウ酸鉄等の有機金属塩類;4)2,4,6‐トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N,N’,N”‐トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロトリアジン、トリエチレンジアミン等の3級アミン類;5)エチレンイミンの誘導体;6)アルカリ金属、アルミニウム、遷移金属類のアセチルアセトンのキレート類、4級アンモニウム塩等が挙げられる。これらは、単独、又は2種以上を混合して使用することができ、なかでも、有機金属塩類や4級アンモニウム塩を使用することがより好ましい。好適には、酢酸カリウムとオクチル酸カリウムとを組み合わせたものである。また、樹脂化或いは泡化触媒としては、特に限定はなく、通常のウレタンフォームを製造する際に使用するものを利用でき、例えば、モノアミン類(N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N-ジシクロヘキシルメチルアミン、トリエチルアミン、N, N-ジメチルベンジルアミン等)、環状モノアミン類(ピリジン、N-メチルモルフォリン、N-エチルモルフォリン等)、ジアミン類(N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N ’-テトラメチル-1,3-プロパンジアミン、N,N,N’,N’ -テトラメチル-1,3-ブタンジアミン、N, N, N’,N ’-テトラメチルヘキサンジアミン、メチレン-ビス( ジメチルシクロヘキシルアミン)、N,N,N’,N’-テトラエチルエチレンジアミン等)、トリアミン類(N,N,N’,N’,N”-ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N’,N”-ペンタメチルジプロピレントリアミン、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)-フェノール等)、エーテルジアミン類(ビス(2 -ジメチルアミノエチル)エーテル、2-(N ,N-ジメチルアミノ)エチル-3-(N,N-ジメチルアミノ)プロピルエーテル、4,4 ’-オキシジメチレンジモルフォリン等)、環状ポリアミン類(トリエチレンジアミン、N,N’-ジメチルピペラジン、N,N’- ジエチルピペラジン、N,N-ジメチルアミノエチルモルフォリン、1-イソブチル-2-メチルイミダゾール、1-ブトキシ-2-メチルイミダゾール等)、アルカノールアミン類(N, N,N’-トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N,N,N’-トリメチルアミノプロピルエタノールアミン、2-(2-ジメチルアミノ-エトキシ)エタノール、N,N - ジメチルアミノエタノール、N,N-トリメチル-1,3-ジアミノ-2- プロパノール、N-メチル-N’-(2-ヒドロキシエチル)-ピペラジン等)等のアミン触媒が挙げられる。これら触媒としては、1種又は2種以上併用してもよい。
三量化触媒の量は、ポリイソシアネートとポリオールの合計量100重量部に対して0.1~3.0重量部が好ましい。樹脂化触媒および泡化触媒の合計の添加量は、ポリイソシアネートとポリオールの合計量100重量部に対して0.1~3.0重量部が好ましい。
【0017】
さらに、ポリイソシアヌレート発泡成形体を発泡成形させるために、発泡剤が用いられる。発泡剤としては、水、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)、ペンタンなどの炭化水素又はこれらを組み合わせたものが挙げられる。
発泡剤の量は、ポリイソシアネートとポリオールの合計量100重量部に対して0.5~20重量部が好ましい。
ポリイソシアヌレート発泡成形体の発泡倍率は、好ましくは10倍~40倍である。
【0018】
さらにポリイソシアヌレート発泡成形体には、添加剤として難燃添加剤及び強化添加剤が添加されている。
難燃添加剤としては、トリス(βクロロプロピル)ホスフェート、トリエチルホスフェート、[[ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ]メチル]ホスホン酸ジエチル、ホスホリルトリクロリドとフェノール及びレゾルシノールとの縮合物、シクロホスファゼン化合物、ポリリン酸アンモニウム(II)、赤燐などが挙げられる。
難燃添加剤の量は、ポリイソシアネートとポリオールの合計量100重量部に対して0.5~20重量部が好ましい。
【0019】
前記イソシアネートインデックスおよび難燃添加剤は、主として、ポリイソシアヌレート発泡成形体の防耐火性の向上に寄与していると考えられる。
ポリイソシアヌレート発泡成形体の酸素指数(空気中の酸素濃度を高めて着火する時点の酸素濃度の百分率)は、好ましくは22以上であり、より好ましくは26以上である。
上限は規定しないが、40以下のものが好適である。したがって、ポリイソシアヌレート発泡成形体は自己消火性を有している。
【0020】
ポリイソシアヌレート発泡成形体の圧縮強さは、好ましくは8N/cm~60N/cmであり、より好ましくは20N/cm以上である。
ポリイソシアヌレート発泡成形体の曲げ強さは、好ましくは15N/cm~100N/cmであり、より好ましくは30N/cm以上である。
【0021】
ポリイソシアヌレート発泡成形体の耐熱温度は、好ましくは80℃~140℃、より好ましくは120℃以上である。ここで、耐熱温度とは、ポリイソシアヌレート発泡成形体が膨れ、凹み、ひび割れ、湾曲、変色などの熱変形を来たさず、物性変化のない上限温度である。
ポリイソシアヌレート発泡成形体の熱伝導率は、好ましくは0.1W/(m・K)以下であり、より好ましくは0.020W/(m・K)程度である。
ポリイソシアヌレート発泡成形体の密度は、好ましくは25~40kg/mであり、より好ましくは30~36kg/m程度である。
ポリイソシアヌレート発泡成形体の透湿係数は、好ましくは10ng/m・s・Pa以下であり、より好ましくは2ng/m・s・Pa以下である。
ポリイソシアヌレート発泡成形体の吸水量は、好ましくは3g/100cm以下であり、より好ましくは2g/100cm以下である。
【0022】
かかるポリイソシアヌレート発泡成形体からなるダクト本体11を有する空調ダクト1によれば、断熱性を確保できるだけでなく、防耐火性を高めることができる。しかも、圧縮強さ及び曲げ強さなどの機械的強度をも十分に高くできる。
【0023】
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の改変をなすことができる。
例えば、本発明に係る空調部材は、空調ダクトに限らず、空調チャンバーでもよい。
表面層12を省略してもよい。
【実施例1】
【0024】
実施例を説明する。本発明が以下の実施例に限定されるものではない。
下記のA液及びB液を用意した。
A液:
ポリエステルポリオールとして、オルトフタル酸とジエチレングリコール(DEG)とを脱水縮合してなるポリエステルポリオール(OHV400mgKOH/g、重量平均分子量510)100重量部と;
ポリエーテルポリオールとして、ポリエステルポリオール100重量部に対してジエチレングリコール(DEG)14.1重量部及びトリエチレングリコール(TEG)2.0重量部と;
整泡剤としては、発泡原料組成物の全質量を基準として、商品名:Niax Slicone L-6638(MOMENTIVE社製)0.9質量%及びメチルカルビトール(三協化学株式会社製 商品名:メチルジグリコール)0.6質量%となるよう添加した。触媒としては、発泡原料組成物の全質量を基準として、三量化触媒としてオクチル酸カリウム及び酢酸カリウムをそれぞれ0.6質量%及び0.3質量%、ルベアックDMP-30(ナカライテスク社製)を0.3質量%となるよう添加した。
更に、難燃剤としては、発泡原料組成物の全質量を基準として、トリス(1-クロロ-2-プロピル)ホスフェート(TCPP)(商品名:ProFlame-PC1389、Pro Flame社製)を16質量%となるように添加した。
また、発泡原料組成物の全質量に対し、物理的発泡剤としてシクロペンタン(商品名:マルカゾールFH、丸善石油株式会社製)を6.5質量%となるように添加した。
B液:
ポリイソシアネート(東ソー株式会社製クルードMDI 商品名:MR-200)
【0025】
前記A液とB液とを、イソシアネートインデックスが450になる分量で混合、攪拌して、ポリイソシアヌレート発泡成形体をボード状に発泡成形した。
<評価>
前記ポリイソシアヌレート発泡成形体のサンプルをガラス筒に入れ、かつガラス筒内の酸素濃度を上昇させながらバーナーにて着火する時点の酸素濃度(酸素指数)を測定したところ、酸素指数は26であった。
【0026】
さらに前記ポリイソシアヌレート発泡成形体の熱伝導率は、JISA9521に準じた方法で測定したところ、23℃で0.020W/m・Kであった。
前記ポリイソシアヌレート発泡成形体の耐熱温度は、JISA9521に準じた方法で曲げ強さを測定したところ、23℃における結果100%に対し、120℃での結果が98%であった。
前記ポリイソシアヌレート発泡成形体の圧縮強さは、JISA9521に準じた方法で測定したところ、20N/cmであった。
前記ポリイソシアヌレート発泡成形体の曲げ強さは、JISA9521に準じた方法で測定したところ、60N/cmであった。サンプルの厚さは25mmであった。
前記ポリイソシアヌレート発泡成形体の密度は、JISA9521に準じた方法で測定したところ、34kg/mであった。
前記ポリイソシアヌレート発泡成形体の透湿係数は、JISA9521に準じた方法で測定したところ、10ng/m・s・Pa以下であった。
前記ポリイソシアヌレート発泡成形体の吸水量は、JISA9521に準じた方法で測定したところ、2.0g/100cm以下であった。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は、例えば建物の空調ダクトに適用できる。
【符号の説明】
【0028】
1 空調ダクト(空調部材)
11 ダクト本体
12 表面層
図1